JP7314420B2 - ノッキング信号処理装置および方法 - Google Patents

ノッキング信号処理装置および方法 Download PDF

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Description

本発明はノッキング信号処理装置および方法に関し、たとえば、エンジン制御上の入力信号を補正する機能に関する。また、たとえば、エンジンの異常燃焼によって発生する振動からノッキングの発生を判定するノッキング信号の処理に関する。
エンジンの制御上の信号をフィルタする機能は、各種センサの入力に使われている。その中でも、ノッキング信号のフィルタには高度な機能が要求される。その理由は、燃焼室内の端末部の未燃ガスの自己発火により燃焼室内のガスが振動を起こし、この振動が機関本体に伝わる現象が、燃焼だけでなく、機関本体の振動特性にも影響するからである。ノッキングは、機関の発生エネルギの損失(出力低下)、機関各部への衝撃、燃費の低下、等を招くため、可能な限り回避することが望ましい。そのためには、ノッキングの発生を正確に検出することが望ましい。
近年、このフィルタ機能は、マイクロコンピュータに実装されるソフトウェアによるデジタルフィルタで実現することも知られている。さらには、マイクロコンピュータの機能としてデジタルフィルタを構成する方法も知られている。
例えば、特許文献1には、BGL(バックグラウンドレベル)を検出するために用いる遅れフィルタに起因する応答遅れを解決する手法が開示されている。この特許文献1においては、エンジン回転数の変化によりエンジンの運転状態を検出し、その運転状態に基づきノッキング判定閾値を補正している。
また、下記特許文献2では、ノッキング判定の精度を向上するため、ノッキング検出制御装置が検出したノッキング信号からノッキングに特有の周波数帯であるノッキング周波数帯と、外乱ノイズに特有の周波数帯である外乱ノイズ周波数帯とを抽出するためにフィルタ処理を用いた制御を行っている。
ノッキング信号を含む振動信号を、デルタシグマADコンバータおよびデジタルフィルタ機能を用いて測定する場合を考える。振動信号は、ノッキング検出制御装置の回路構成、コネクタ、ハーネス、エンジン制御装置の回路、固有の入力インピーダンス(デルタシグマADコンバータの内部インピーダンス等)、出力インピーダンス、等の要因によって影響を受ける。このため、ノッキング信号の測定精度に、個体毎のばらつきが発生する。
従来では、このような様々な要因による個体毎のばらつきを抑制してノッキング信号の測定精度を向上させるために、例えば入力回路にオペアンプを用いたボルテージフォロア回路を追加していた。
特開昭63-295864号公報 特開2018-3631号公報
しかしながら、従来の技術では、ノッキング信号の測定精度を向上させるために追加の回路(たとえば上述のボルテージフォロア回路)が必要になるという課題があった。
本発明の目的は、追加の回路を用いずに、個体毎のばらつきを抑制してノッキング信号の測定精度を向上させる、ノッキング信号処理装置および方法を提供する事にある。
本発明に係るノッキング信号処理装置の一例は、
車両に搭載可能なノッキング信号処理装置であって、
ADコンバータと、
前記ADコンバータの後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタと、
補正信号を出力する補正信号出力部と、
を備え、
前記ノッキング信号処理装置は、前記複数のデジタルフィルタの出力が、前記補正信号に応じて変更されるように構成される。
また、本発明に係るノッキング信号処理方法は、
車両のノッキング信号処理方法であって、
ADコンバータと、
前記ADコンバータの後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタと、
を用いて実行される、方法において
前記複数のデジタルフィルタの出力が、補正信号に応じて変更される。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2020-137428号の開示内容を包含する。
本発明に係るノッキング信号処理装置および方法によれば、デジタルフィルタの出力が補正信号に応じて変更されるので、追加の回路を用いずに、個体毎のばらつきを抑制してノッキング信号の測定精度を向上することができる。
第1の実施形態に係るノッキング信号処理装置の制御構成。 第1の実施形態における補正制御のフローチャート。 図2の補正制御を説明するデジタルフィルタの通過特性および信号強度を示すグラフ。 第2の実施形態における補正制御のフローチャート。 図4の補正制御を説明するデジタルフィルタの通過特性および信号強度を示すグラフ。 第3の実施形態に係るノッキング信号処理装置の制御構成。 第3の実施形態における補正制御のフローチャート。 図7の補正制御を説明するデジタルフィルタの通過特性および信号強度を示すグラフ。
本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
以下、本発明にかかる第1、第2、および第3の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一符号は同一部分を示す場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るノッキング信号処理装置の制御構成を示した図である。ノッキング信号処理装置は、車両に搭載可能なものであり、内燃機関のノッキング信号を測定する。ノッキング信号処理装置は、以下に説明するように、車両のノッキング信号処理方法を実行するよう構成される。
ノッキング信号処理装置は、ECU100と、補正信号出力部10とを備える。補正信号出力部10は、ECU100の外部に設けられる。
ECU100は、たとえば公知の構成を有するコンピュータである。CPUおよびメモリを備えてもよい。メモリにはプログラムが格納されてもよい。CPUがこのプログラムを実行することにより、コンピュータがECU100として機能してもよい。
補正信号は、デジタルフィルタの係数またはその出力を補正するために用いられる基準信号として機能する。補正信号は、既知の周波数および信号強度を持つ信号である。補正信号の例として、定周波数かつ定振幅の正弦波信号を用いることができる。
ECU100は、アナログ信号をデジタル信号に変換するデルタシグマADコンバータ20(ADコンバータ)と、デジタル信号から特定の周波数帯を通過させるためのBPF(バンドパスフィルタ)として設定されたデジタルフィルタ処理部30と、演算装置50とを備える。
デルタシグマADコンバータ20には、補正信号が入力される。なお、ノッキング信号処理装置が実際のノッキング信号を測定する場合には、補正信号に代えて車両の振動信号(ノッキング信号を含む)が入力される。いずれの場合にも、デルタシグマADコンバータ20を用いることにより、ECU100への入力としてアナログ信号を直接用いることができる。
デジタルフィルタ処理部30は、デルタシグマADコンバータ20の後段に配置される。デジタルフィルタ処理部30は、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタを備える。周波数特性は、たとえばカットオフ周波数、通過帯域、等によって表される。
デジタルフィルタ処理部30の各デジタルフィルタは、デルタシグマADコンバータ20の出力から、それぞれ異なる周波数(または、その周波数を含む周波数帯域。以下同様)の信号強度40を抽出して出力する。
演算装置50は、各周波数の信号強度40と、各周波数の基準信号強度41とに基づき、各周波数の信号強度差分42を取得し、これに基づいてデジタルフィルタ処理部30のデジタルフィルタの係数(BPF係数)を変更する。この際の処理を、以下に説明する。
図2は、第1の実施形態における補正制御のフローチャートであり、図3は、第1の実施形態における補正制御を説明するデジタルフィルタの通過特性および信号強度を示すグラフである。
まず、デルタシグマADコンバータ20に補正信号が入力される(S110)。デルタシグマADコンバータ20は補正信号を取り込み、デジタル信号に変換し、デジタル信号を出力する(S120)。なお、この補正信号は、後述するようにデジタルフィルタごとに異なった周波数のものが用いられる。
その後の処理は、デジタルフィルタごとに(すなわち周波数ごとに)独立して実行される。各周波数の処理は、並列的に実行されてもよいし、逐次実行されてもよい。以下では、通過帯域の中心周波数が7kHzであるデジタルフィルタを例として説明するが、他の周波数のデジタルフィルタについても同様である。
演算装置50は、処理対象とする周波数を選択する(S131、この例では7kHz)。次に、演算装置50は、その周波数のデジタルフィルタを選択し、図3(a)に示すように補正信号に対するそのデジタルフィルタの通過特性(利得)が0dBとなるように、デジタルフィルタの係数(BPF係数)を変更する(S132)。補正信号は、この例では7kHzの正弦波信号であり、デジタルフィルタの係数は、この補正信号を入力した場合の出力における利得が0dBとなるように変更される。
この際の係数の表現方法、係数の計算方法およびデジタルフィルタに対する係数の設定方法は、公知技術に基づいて設計可能である。たとえば、デジタルフィルタ処理部30を構成するソフトウェアの仕様に基づいて決定することができる。
この状態で、対応する周波数に関する分析が行われる(S140)。たとえば、デジタルフィルタに、デルタシグマADコンバータ20を介して、対応する周波数(この例では7kHz)のノッキング信号が入力され、これに対するデジタルフィルタの出力の信号強度が検出される。ここでは、図3(c)に示すように、ノッキング信号に対して検出された信号強度の利得は、7kHzについて-1dBであったとする。
このノッキング信号は、そのノッキング信号処理装置が搭載された実際の環境で測定されたものを用いることができる。すなわち、ノッキング信号処理装置の回路構成、コネクタ、ハーネス、エンジン制御装置の回路、固有の入力インピーダンス(デルタシグマADコンバータの内部インピーダンス等)、出力インピーダンス、等の要因によるばらつきを含むノッキング信号を用いることができる。
このために、振動センサ等により測定された実際の振動信号が、デルタシグマADコンバータ20を介してデジタルフィルタ処理部30に入力できるようになっていてもよい。また、実際の振動信号が予め記録され、S140において再生されてもよい。
次に、演算装置50は、その周波数についての基準信号強度を取得する(S141)。基準信号強度は、たとえば利得を表すものであり、たとえば図3(b)に示すように、すべての周波数について0dBとすることができる。
次に、演算装置50は、ノッキング信号に対して検出された信号強度の利得(-1dB)と基準信号強度の利得(0dB)の差分を取得する(S142)。そして、この差分に基づき、S140で用いたノッキング信号に対する信号強度が基準信号強度と一致するように、デジタルフィルタの係数を計算する(S151)。たとえば、その周波数のノッキング信号の通過特性に、この差分が加算または減算されるように計算する。この結果、図3(d)に示すように、補正信号に対するデジタルフィルタの通過特性(利得)は+1dBとなり、ノッキング信号に対するデジタルフィルタの通過特性(利得)は0dBとなる。
次に、演算装置50は、計算された係数を、デジタルフィルタの係数として更新する(S152)。このようにして図2の補正制御が終了する。
なお、補正制御の後、ノッキング信号を測定する際には、補正信号に代えて、振動センサ等により測定された実際の振動信号がデルタシグマADコンバータ20およびデジタルフィルタ処理部30によって処理され、その出力に基づいて演算装置50がノッキングを検出する。このノッキング信号の測定の具体的な処理内容は、公知のノッキング信号処理技術に基づき、当業者が適宜設計可能である。
以上説明するように、第1の実施形態に係るノッキング信号処理装置は、車両に搭載可能なノッキング信号処理装置であって、デルタシグマADコンバータ20と、デルタシグマADコンバータ20の後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)と、補正信号を出力する補正信号出力部10とを備え、複数のデジタルフィルタの出力が、補正信号に応じて変更されるように構成されている。より具体的には、各デジタルフィルタの出力が、補正信号(理想振幅)と実際のノッキング信号(実測振幅)との差に応じて変更されるように構成されている。このため、車両の実際の振動信号が、ハーネス、エンジン制御装置の回路、固有の入力インピーダンス、出力インピーダンス、等の要因によって、車両ごとにばらつく場合であっても、そのばらつきを補正することができる。このようにしてノッキング信号の測定精度が向上する。
また、各デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)における補正信号に対する利得と、実際に測定された信号に対する利得との差に基づき、各デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)の係数を変更するので、各デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)の出力結果に対して改めて補正演算をする必要がなく、実際のノッキング信号の測定処理が簡素になる。
また、ノッキング信号処理装置はECU100を備え、補正信号出力部10はECU100の外部に設けられるので、ECU100の内部構造を変更する必要がなく、設計または実装が容易である。
また、補正信号は、定周波数かつ定振幅の正弦波信号であるため、補正信号の生成が容易である。
また、第1の実施形態に係るノッキング信号処理装置は、ボルテージフォロア回路等の追加の回路を必要としない。このため、たとえば安価にすることができ、またはより回路専有面積をより小さくすることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態において、デジタルフィルタの出力を変更するための構成を変更したものである。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する場合がある。
図4は、第2の実施形態における補正制御のフローチャートであり、図5は、第2の実施形態における補正制御を説明するデジタルフィルタの通過特性および信号強度を示すグラフである。図4においてS110~S131の処理は、第1の実施形態(図2)と同様とすることができる。
S131の後、図5(a)に示すように、補正信号に対するデジタルフィルタの通過特性(利得)が0dBとなるように、デジタルフィルタの係数(BPF係数)を変更するとともに、デジタルフィルタの出力に対する補正係数を0dBに設定する(S133)。ここで、「補正係数」とは、デジタルフィルタから出力された信号の振幅を演算装置50が補正する際に用いる係数を意味する。
S140~S142の処理は、第1の実施形態(図2)と同様とすることができる。ここでは、図5(c)に示すように検出された信号強度の利得は7kHzについて-1dBであったとする。また、基準信号強度(利得)は、たとえば図5(b)に示すように、すべての周波数について0dBとすることができる。
S142の後、演算装置50は、この差分に基づき、デジタルフィルタの出力に対する補正係数を決定する(S153)。この例では、図5(d)に示すように7kHzについて補正係数は+1dBとなる。
ここで決定された補正係数は、実際のノッキング信号の測定時に、デジタルフィルタの出力を補正するために用いられる。たとえば、上の例では、実際に入力された振動信号に対する7kHzのデジタルフィルタの出力を、演算装置50がさらに1dBだけ増幅させ、増幅後の信号に基づいてノッキング信号の測定を行う。このようにして、デジタルフィルタの通過特性(利得)を実質的に変更した場合と同様の結果を得ることができる。
以上説明するように、第2の実施形態に係るノッキング信号処理装置は、第1の実施形態と同様に、車両に搭載可能なノッキング信号処理装置であって、デルタシグマADコンバータ20と、デルタシグマADコンバータ20の後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)と、補正信号を出力する補正信号出力部10とを備え、各デジタルフィルタの出力が、補正信号に応じて変更されるように構成されている。より具体的には、各デジタルフィルタの出力が、補正信号(理想振幅)と実際のノッキング信号(実測振幅)との差に応じて変更されるように構成されている。このため、車両の実際の振動信号が、ハーネス、エンジン制御装置の回路、固有の入力インピーダンス、出力インピーダンス、等の要因によって、車両ごとにばらつく場合であっても、そのばらつきを補正することができる。このようにしてノッキング信号の測定精度が向上する。
また、各デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)における補正信号に対する利得と、実際に測定された信号に対する利得との差に基づき、各デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)の出力結果に対して補正演算を実行することによって、デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)の出力を変更するので、デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)の係数そのものを設定する必要がなく、デジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)の係数に関する演算を省略することができる。
また、ノッキング信号処理装置はECU100を備え、補正信号出力部10はECU100の外部に設けられるので、ECU100の内部構造を変更する必要がなく、設計または実装が容易である。
また、補正信号は、定周波数かつ定振幅の正弦波信号であるため、補正信号の生成が容易である。
また、第1の実施形態と同様に、ボルテージフォロア回路等の追加の回路を必要としない。このため、たとえば安価にすることができ、またはより回路専有面積をより小さくすることができる。
(第1および第2の実施形態の変形例)
第1の実施形態または第2の実施形態において、補正信号は、定周波数かつ定振幅の正弦波信号である。しかしながら、補正信号は他の形状の信号としてもよい。
たとえば、変形例として、補正信号の周波数が時間とともに変化するよう構成してもよい。より具体的な例として、補正信号は、所定の周波数範囲(たとえばデジタルフィルタ処理部30の全デジタルフィルタの対応周波数をカバーする周波数範囲)をスイープする周波数可変の信号であってもよい。このようにすると、各デジタルフィルタについての処理を順に行うことができ、補正制御の設計が簡素になる。ここで、「スイープ」とは、連続的なスイープに限らず、離散化された複数の周波数について、各周波数の信号を順に出力する離散的なスイープを含む。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態またはその変形例において、補正信号としてBGL(バックグラウンドレベル)信号を用いる。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する場合がある。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るノッキング信号処理装置の制御構成を示した図である。本実施形態のノッキング信号処理装置は、補正信号出力部としてBGL信号出力部11を備える。
BGL信号出力部11はBGL信号を出力する。BGL信号は、車両が実際に動作している状態での振動信号である。また、BGL信号は、ノッキングが発生していない状態を表す信号である。このようなBGL信号は、各車両について実際に振動を測定することにより準備することができる。たとえば、BGL信号出力部11は振動センサ12を備えてもよく、振動センサ12は、内燃機関の振動のバックグラウンドレベルに対応する振動を測定し、測定された振動を表す信号を補正信号(BGL信号)として出力してもよい。
デルタシグマADコンバータ20およびデジタルフィルタ処理部30によって、それぞれ異なる周波数の信号強度40が抽出される。演算装置50は、各周波数の信号強度40と、各周波数の基準BGL強度43とに基づき、各周波数のBGL強度差分44を取得し、これに基づいてデジタルフィルタ処理部30のデジタルフィルタの係数(BPF係数)を変更する。この際の処理を、以下に説明する。
図7は、第3の実施形態における補正制御のフローチャートであり、図8は、第3の実施形態における補正制御を説明するデジタルフィルタの通過特性および信号強度を示すグラフである。
まず、デルタシグマADコンバータ20にBGL信号が入力される(S111)。デルタシグマADコンバータ20はBGL信号を変換し、デジタル信号として出力する(S120)。演算装置50が周波数を選択する(S131)。
図8(a)に示すようにそのデジタルフィルタの通過特性(利得)が0dBとなるように、デジタルフィルタの係数(BPF係数)を変更する(S132)。なお、ここでは、上述のBGL信号を用いず、その周波数の正弦波を入力した場合の利得が0dBとなるように係数が設定される。
この状態で、デジタルフィルタにデルタシグマADコンバータ20からのBGL信号が入力され、これに対するデジタルフィルタの出力の信号強度(BGL強度)が検出される(S143)。ここでは、図8(c)に示すように、検出されたBGL強度の利得は7kHzについて-9dBであったとする。
次に、演算装置50は、その周波数についての基準BGL強度を取得する(S144)。基準信号強度は、たとえば利得を表すものであり、たとえば図8(b)に示すように、7kHzについては-10dBである。
次に、演算装置50は、検出されたBGL強度の利得(-9dB)と基準BGL強度の利得(-10dB)の差分を取得する(S145)。そして、この差分に基づき、検出されるBGL強度が基準BGL強度と一致するように、デジタルフィルタの係数を計算する(S154)。たとえば、その周波数の通過特性に、この差分が加算または減算されるように計算する。この結果、図8(d)に示すように、7kHzの正弦波信号に対するデジタルフィルタの通過特性(利得)は-1dBとなる。なお図示しないが、BGL信号に対するデジタルフィルタの通過特性(利得)は-10dBとなる。
次に、演算装置50は、計算された係数を、デジタルフィルタの係数として更新する(S155)。このようにして図7の補正制御が終了する。
以上説明するように、第3の実施形態に係るノッキング信号処理装置は、第1および第2の実施形態と同様に、車両に搭載可能なノッキング信号処理装置であって、デルタシグマADコンバータ20と、デルタシグマADコンバータ20の後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタ(デジタルフィルタ処理部30)と、補正信号を出力する補正信号出力部10とを備え、各デジタルフィルタの出力が、補正信号(すなわちBGL信号)に応じて変更されるように構成されている。より具体的には、各デジタルフィルタの出力が、BGL信号(理想振幅)と実際のノッキング信号(実測振幅)との差に応じて変更されるように構成されている。このため、車両の実際の振動信号が、ハーネス、エンジン制御装置の回路、固有の入力インピーダンス、出力インピーダンス、等の要因によって、車両ごとにばらつく場合であっても、そのばらつきを補正することができる。このようにしてノッキング信号の測定精度が向上する。
また、補正信号出力部(BGL信号出力部11)は振動センサ12を備え、振動センサ12は、内燃機関の振動のバックグラウンドレベルを表す振動を測定し、振動を表す信号を補正信号として出力するので、デジタルフィルタの係数を実際の動作環境に対して最適化することができる。
また、ノッキング信号処理装置はECU100を備え、補正信号出力部10はECU100の外部に設けられるので、ECU100の内部構造を変更する必要がなく、設計または実装が容易である。
また、第1および第2の実施形態と同様に、ボルテージフォロア回路等の追加の回路を必要としない。このため、たとえば安価にすることができ、またはより回路専有面積をより小さくすることができる。
第3の実施形態は、第1の実施形態に対する変形例として説明したが、第2の実施形態またはその変形例として実施することも可能である。
10…補正信号出力部
11…BGL信号出力部(補正信号出力部)
12…振動センサ
20…デルタシグマADコンバータ(ADコンバータ)
30…デジタルフィルタ処理部(デジタルフィルタ)
40…各周波数の信号強度
41…各周波数の基準信号強度
42…各周波数の信号強度差分
43…各周波数の基準BGL強度
44…各周波数のBGL強度差分
50…演算装置
100…ECU
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (11)

  1. 車両に搭載可能なノッキング信号処理装置であって、
    ADコンバータと、
    前記ADコンバータの後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタと、
    補正信号を出力する補正信号出力部と、
    を備える、ノッキング信号処理装置において、
    前記ノッキング信号処理装置は、
    各前記デジタルフィルタにおける前記補正信号に対する利得が0dBとなるように、各前記デジタルフィルタの係数を変更し
    実際に測定された信号に対する利得と、所定の基準信号強度の利得との差に基づき、前記実際に測定された信号に対する信号強度が、前記所定の基準信号強度と一致するように、各前記デジタルフィルタの係数をさらに変更する
    ことによって、各前記デジタルフィルタの出力を変更する、ノッキング信号処理装置。
  2. 車両に搭載可能なノッキング信号処理装置であって、
    ADコンバータと、
    前記ADコンバータの後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタと、
    補正信号を出力する補正信号出力部と、
    を備える、ノッキング信号処理装置において、
    前記ノッキング信号処理装置は、
    各前記デジタルフィルタにおける前記補正信号に対する利得が0dBとなるように、各前記デジタルフィルタの係数を変更し
    実際に測定された信号に対する利得と、所定の基準信号強度の利得の差に基づき、前記実際に測定された信号に対する信号強度が、前記所定の基準信号強度と一致するように、各前記デジタルフィルタの出力結果に対して補正演算を実行する
    ことによって、各前記デジタルフィルタの出力を変更する、ノッキング信号処理装置。
  3. 請求項1において、前記補正信号は、定周波数かつ定振幅の正弦波信号である、ノッキング信号処理装置。
  4. 請求項1において、前記補正信号は、所定の周波数範囲をスイープする周波数可変の信号である、ノッキング信号処理装置。
  5. 請求項1において、
    前記補正信号出力部は振動センサを備え、
    前記振動センサは、内燃機関の振動のバックグラウンドレベルに対応する振動を測定し、測定された前記振動を表す信号を前記補正信号として出力する、
    ノッキング信号処理装置。
  6. 請求項1において、
    前記ノッキング信号処理装置はECUを備え、
    前記ECUは、前記ADコンバータおよび前記複数のデジタルフィルタを備え、
    前記補正信号出力部は、前記ECUの外部に設けられる、
    ノッキング信号処理装置。
  7. 車両のノッキング信号処理方法であって、
    ADコンバータと、
    前記ADコンバータの後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタと、
    を用いて実行される、方法において、
    各前記デジタルフィルタにおける補正信号に対する利得が0dBとなるように、各前記デジタルフィルタの係数が変更され
    実際に測定された信号に対する利得と、所定の基準信号強度の利得との差に基づき、前記実際に測定された信号に対する信号強度が、前記所定の基準信号強度と一致するように、各前記デジタルフィルタの係数がさらに変更される
    ことによって、各前記デジタルフィルタの出力が変更される、ノッキング信号処理方法。
  8. 車両のノッキング信号処理方法であって、
    ADコンバータと、
    前記ADコンバータの後段に配置され、周波数特性が異なる複数のデジタルフィルタと、
    を用いて実行される、方法において、
    各前記デジタルフィルタにおける補正信号に対する利得が0dBとなるように、各前記デジタルフィルタの係数が変更され
    実際に測定された信号に対する利得と、所定の基準信号強度の利得との差に基づき、前記実際に測定された信号に対する信号強度が、前記所定の基準信号強度と一致するように、各前記デジタルフィルタの出力結果に対して補正演算が実行される
    ことによって、各前記デジタルフィルタの出力が変更される、ノッキング信号処理方法。
  9. 請求項において、前記補正信号は、定周波数かつ定振幅の正弦波信号である、ノッキング信号処理方法。
  10. 請求項において、前記補正信号は、所定の周波数範囲をスイープする周波数可変の信号である、ノッキング信号処理方法。
  11. 請求項において、内燃機関の振動のバックグラウンドレベルに対応する振動が測定され、測定された前記振動を表す信号が前記補正信号となる、ノッキング信号処理方法。
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