以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置、医用情報処理方法及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、図1に示すように、医用情報処理装置100及びデータ保管装置200を含んだ医用情報処理システム1を例として説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、医用情報処理装置100とデータ保管装置200とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。なお、医用情報処理装置100及びデータ保管装置200は、同一施設内に設置されてもよいし、互いに異なる施設に設置されてもよい。即ち、ネットワークNWは、施設内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークでもよい。
医用情報処理装置100は、患者の症状、バイタルデータ、投薬、検査結果、手術、治療、診断結果等のイベントを施設内外から収集してユーザに提示する装置である。なお、ユーザとは、医師であってもよいし、看護師や薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士等のコメディカルスタッフであってもよい。医用情報処理装置100は、例えばワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。具体的には、医用情報処理装置100は、図1に示すように、入力インターフェース110と、ディスプレイ120と、メモリ130と、処理回路140とを有する。
入力インターフェース110は、ユーザから各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路140に出力する。例えば、入力インターフェース110は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行なうタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。
なお、入力インターフェース110は、医用情報処理装置100と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース110は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用情報処理装置100とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路140へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース110の例に含まれる。
ディスプレイ120は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ120は、来院した患者の過去又は当日のイベントを、文字や画像、グラフ等で表示する。また、例えば、ディスプレイ120は、ユーザから各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。例えば、ディスプレイ120は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ120は、デスクトップ型でもよいし、医用情報処理装置100と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。なお、入力インターフェース110とディスプレイ120とは統合してもよい。例えば、入力インターフェース110及びディスプレイ120は、単一のタッチパネルによって実現される。なお、ディスプレイ120は、表示部の一例である。
また、医用情報処理装置100は、ディスプレイ120を複数含んでもよい。例えば、医用情報処理装置100は、ディスプレイ120として、物理的に分離した2つのディスプレイ(デュアルディスプレイ)を含んでもよい。また、これら複数のディスプレイ120は相互に関連するように制御されてもよい。例えば、複数のディスプレイ120は、連続した1つの領域を表示するように制御される。この場合、ディスプレイ120における表示領域は、ディスプレイ120の数に応じて拡張される。
メモリ130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ130は、医用情報処理装置100に含まれる各回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
処理回路140は、受付機能141、抽出機能142及び表示制御機能143を実行することで、医用情報処理装置100による処理の全体を制御する。
例えば、処理回路140は、受付機能141に対応するプログラムをメモリ130から読み出して実行することにより、ユーザからの入力操作を受け付ける。また、例えば、処理回路140は、抽出機能142に対応するプログラムをメモリ130から読み出して実行することにより、データ保管装置200から、患者に関する過去のイベントを抽出する。また、例えば、処理回路140は、表示制御機能143に対応するプログラムをメモリ130から読み出して実行することにより、抽出機能142により抽出されたイベントをディスプレイ120に表示する。なお、受付機能141は、受付部の一例である。抽出機能142は、抽出部の一例である。表示制御機能143は、表示制御部の一例である。
図1に示す医用情報処理装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ130へ記憶されている。処理回路140は、メモリ130からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路140は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図1においては単一の処理回路140にて、受付機能141、抽出機能142及び表示制御機能143が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路140を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路140が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
データ保管装置200は、複数の患者のそれぞれについての過去のイベントを記憶する記憶装置である。例えば、データ保管装置200は、過去のイベントとして、その患者が過去に有していた症状や、診断結果、その他の各種イベントを記憶する。データ保管装置200は、例えば、DB(Database)サーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路にイベントを記憶させる。
ここで、症状及び診断結果以外の過去のイベントの例としては、過去に計測された患者のバイタルデータや、患者に対する投薬の記録、検査結果、手術及び治療の記録等が挙げられる。例えば、データ保管装置200は、過去のイベントとして、各種のイベントと、イベントの対象となった患者を示す患者IDとを関連付けて記憶する。
例えば、データ保管装置200は、図2に示す地域医療連携システムにおける管理サーバである。図2は、第1の実施形態に係る地域医療連携システムの一例を示す図である。なお、図2においては、管理サーバとして物理的に分離した2つの筐体を示す。即ち、図1においてはデータ保管装置200を1つのみ示すが、医用情報処理システム1は複数のデータ保管装置200を含んでもよい。また、管理サーバは、所謂クラウドサーバであってもよい。
例えば、管理サーバは、「A病院」や「B病院」、「C病院」等の病院、又は、「Dクリニック」等の診療所における種々のシステムから患者の過去のイベントを収集して記憶する。なお、病院又は診療所における種々のシステムの例としては、例えば、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報システム(RIS:Radiology Information System)、電子カルテシステム、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)、手術システム等が挙げられる。
また、例えば、管理サーバは、「H介護施設」や「I介護施設」等の介護施設における介護システムから患者の過去のイベントを収集して記憶する。なお、介護とは、施設介護であってもよいし、訪問介護であってもよい。また、例えば、管理サーバは、「O薬局」や「P薬局」等の薬局における薬剤システムから患者の過去のイベントを収集して記憶する。
図2に示す場合、医用情報処理装置100は、例えば、「A病院」、「B病院」、「C病院」、「Dクリニック」、「H介護施設」、「I介護施設」、「O薬局」及び「P薬局」のうちのいずれかに設置され、ネットワークNWを介して、管理サーバであるデータ保管装置200と接続される。或いは、図2に示す施設のうちの複数の施設それぞれに、医用情報処理装置100が設置されてもよい。即ち、図1においては医用情報処理装置100を1つのみ示すが、医用情報処理システム1は複数の医用情報処理装置100を含んでもよい。
なお、地域医療連携システムにおける管理サーバは省略することとしてもよい。この場合、複数の施設それぞれに設置されて当該施設における過去のイベントを管理する管理サーバがデータ保管装置200として機能する。即ち、図1においてはデータ保管装置200を1つのみ示すが、医用情報処理システム1は、複数の施設に設置された複数のデータ保管装置200を含んでもよい。
また、医用情報処理システム1が地域医療連携システム内のシステムであるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理システム1は、1つの病院内で閉じたシステムであってもよい。また、各種の過去のイベントをデータ保管装置200が記憶するものとして説明したが、過去のイベントの一部又は全部をメモリ130が記憶することとしても構わない。
以上、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、医用情報処理システム1における医用情報処理装置100は、データ保管装置200又はメモリ130が記憶する患者の過去のイベントを適切にユーザに提示し、患者状態の把握を容易にする。以下、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の処理について詳細に説明する。
まず、図3を用いて、イベントの表示例について説明する。図3は、第1の実施形態に係るイベントの表示例を示す図である。例えば、患者が来院した際、医用情報処理装置100は、来院した患者に関するイベントをデータ保管装置200から収集し、時間軸に合わせて表示する。ここで、患者は、初診の患者であってもよいし、それ以降に来院した患者であってもよい。
一例を挙げると、医用情報処理装置100は、図2に示した管理サーバから、地域医療連携システムに含まれる各施設における過去のイベントを収集する。即ち、医用情報処理装置100は、管理サーバから、患者の過去の症状、バイタルデータ、投薬、検査結果、手術、治療、診断結果等のイベントを収集する。或いは、医用情報処理装置100は、地域医療連携システムに含まれる各施設から、患者の過去のイベントを収集してもよい。そして、医用情報処理装置100は、収集した過去のイベントを時系列的に並べることで図3のテーブルを作成し、ディスプレイ120に表示させる。なお、図3においてはテーブル上のイベントを文字で示すが、医用情報処理装置100は、これらのイベントの一部又は全部を所定のアイコンで表示してもよい。
より具体的には、図3のテーブルは、患者が病院等の施設を訪問した日付ごとにイベントをまとめたものである。例えば、図3のテーブルは、「2012年9月1日」に、分類「頭痛」の症状A11、分類「吐き気」の症状A12、及び、分類「足のむくみ」の症状A13を有する患者が、「A病院」を訪問したことを示す。また、図3のテーブルは、症状A11の部位が「前頭葉」であり、その詳細が「中くらいの痛み」であったことを示す。また、図3のテーブルは、症状A13の部位が「両足」であったことを示す。
なお、症状A11、症状A12及び症状A13は、症状に関するイベントA1の一例である。また、図3のテーブルにおいては、イベントA1に対応する欄として症状A11、症状A12及び症状A13の3つの欄を示すが、これらの欄の数についてはイベントA1の数に応じて適宜増減させることができる。また、症状とは、患者が訴えたものであってもよいし、患者を問診した医師等のユーザが認識したものであってもよい。
また、例えば、図3のテーブルは、「2012年9月1日」に「A病院」を訪問した患者に関して、分類「診察」のイベントA21、分類「血圧」のバイタルデータA31、分類「MR検査予約」の検査結果A41、分類「痛み止め」の投薬A61が発生したことを示す。なお、図3のテーブルの「2012年9月1日」における診断結果A51の欄は空欄となっている。
ここで、図3におけるバイタルデータA31及びバイタルデータA32は、バイタルデータに関するイベントA3の一例である。図3のテーブルにおいては、イベントA3に対応する欄としてバイタルデータA31及びバイタルデータA32の2つの欄を示すが、これらの欄の数についてはイベントA3の数に応じて適宜増減させることができる。
また、図3における検査結果A41及び検査結果A42は、検査結果に関するイベントA4の一例である。図3のテーブルにおいては、イベントA4に対応する欄として検査結果A41及び検査結果A42の2つの欄を示すが、これらの欄の数についてはイベントA4の数に応じて適宜増減させることができる。
また、図3における診断結果A51は、診断結果に関するイベントA5の一例である。図3のテーブルにおいては、イベントA5に対応する欄として診断結果A51の1つの欄のみを示すが、この欄の数についてはイベントA5の数に応じて適宜増減させることができる。
また、図3における投薬A61は、投薬に関するイベントA6の一例である。図3のテーブルにおいては、イベントA6に対応する欄として投薬A61の1つの欄のみを示すが、この欄の数についてはイベントA6の数に応じて適宜増減させることができる。
また、図3におけるイベントA21、イベントA22及びイベントA23は、上述したイベントA1、イベントA3、イベントA4、イベントA5及びイベントA6以外の各種イベントに対応するイベントA2の一例である。例えば、イベントA2は、手術や治療に関するイベントである。図3のテーブルにおいては、イベントA2に対応する欄としてイベントA21、イベントA22及びイベントA23の3つの欄を示すが、これらの欄の数についてはイベントA2の数に応じて適宜増減させることができる。
ここで、図3のテーブルによれば、ユーザは、来院した患者の過去のイベントについての時系列的な提示を受けることができる。しかしながら、例えば過去数年分のイベント全てに目を通す必要があるとすれば、ユーザの負担は大きなものになる。例えば、図3においては、「2012年9月1日」から「2018年10月10日」までの間の合計14日分の記録が表示されている。そして、「2018年12月25日」に「C病院」を訪問した患者に対する診断を行なう上で、これら14回分の記録それぞれのイベントを確認することは容易でない。
確認するイベントの数を低減するため、例えば、ユーザが患者への問診を行なうことにより、診断を行なう上で必要な過去のイベントを絞り込むことが考えられる。例えば、図3は、「本日」である「2018年12月25日」に、分類「胸が痛い」の症状A11を有する患者が来院したことを示す。そこで、胸の痛みが症状として現れた日の過去のイベントを今回の診断を行なう上で必要なイベントとし、絞り込みを行なうことが考えられる。
しかしながら、実際には、胸の痛みが症状として現れた日のイベントであっても、今回の診断を行なう上で必要なイベントではない場合がある。即ち、過去に胸の痛みが症状として現れたとしても、今回の病気と過去の病気とが関係している場合もあれば、過去の病気とは無関係に新しく今回の病気が発病している場合もある。一方で、胸の痛みが症状として現れていない日のイベントであっても、今回の診断を行なう上で必要なイベントである場合もある。
従って、ユーザは、患者から症状を聞いた後、改めて図3のテーブルを参照して、質問内容を適切に調整する必要がある。例えば、ユーザは、患者から聞いた症状と図3のテーブルの参照結果とに基づいて可能性のある病名を考察ながら、患者に更に質問を行なう。そして、ユーザは、今回の診断を行なう上で必要なイベントを絞り込んで確認する。このように、イベントの絞り込みには複数のステップを有するため、手間と時間を要し、ユーザの負担は大きなものになる。
そこで、医用情報処理装置100は、以下詳細に説明する処理回路140による処理により、過去のイベントに基づく患者状態の把握を容易にする。具体的には、まず、受付機能141は、対象部位又は対象疾患の選択を受け付ける。次に、抽出機能142は、選択された対象部位又は対象疾患に対応する過去の第1イベント、及び、関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを抽出する。次に、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントをシェーマ上にマッピングして表示する。
例えば、患者が来院した際、まず、表示制御機能143は、図4に示すシェーマC1をディスプレイ120に表示させる。具体的には、表示制御機能143は、シェーマC1として、一般的な人体の正面及び背面を示す簡易図を表示させるとともに、簡易図の上に部位D1、部位D2及び部位D3を表示させる。なお、図4は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。また、図4においては、受付機能141が対象部位の選択を受け付ける場合を一例として説明する。
ここで、シェーマC1において表示される部位は、予め設定された部位であってもよいし、来院した患者に応じて設定される部位であってもよい。一例を挙げると、表示制御機能143は、来院した患者について、データ保管装置200において保管されている過去のイベントを参照し、過去に何らかの症状を有していた部位や、疾患があるものと診断された部位等を取得する。そして、表示制御機能143は、取得した部位をシェーマC1において表示させる。なお、図4においては、「頭部」である部位D1、「足」である部位D2、及び、「肺」である部位D3を表示させる場合を一例として示す。
次に、受付機能141は、シェーマC1を介して、ユーザから対象部位の選択を受け付ける。例えば、ユーザは、患者の来院理由に基づいて、疑わしい部位や疾患を選択する。ここで、来院理由の例としては、例えば「××が痛い」、「発疹が出た」、「薬をもらったけれどよくならない」、「健康診断の結果で××に異常が出た」、「××の術後のケアを依頼したい」、「看護依頼」等が挙げられる。
例えば、患者の来院理由が「頭痛」である場合、ユーザは、入力インターフェース110を介して、シェーマC1における部位D1を選択する操作を入力する。一例を挙げると、ユーザは、マウスを用いたクリック操作や、タッチパネルに対するタップ操作等により、部位D1を選択する操作を入力する。これにより、受付機能141は、対象部位として、部位D1の選択を受け付ける。
次に、抽出機能142は、選択された対象部位に対応する過去の第1イベントを抽出する。例えば、「頭部」である部位D1が選択された場合、抽出機能142は、「頭部」に対応するイベントを、データ保管装置200において保管されている過去のイベントの中から抽出する。ここで、「頭部」に対応するイベントとは、例えば、頭部に対する検査結果や手術、治療、頭部の疾患に対する投薬、頭部の疾患に起因する症例、頭部に疾患があるとの診断結果等である。
例えば、抽出機能142は、部位とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM11を事前に作成して、メモリ130に記憶させる。かかるマスターデータM11は、例えば、医師等のユーザによる入力操作に基づいて作成することができる。一例を挙げると、抽出機能142は、入力インターフェース110を介してユーザからの入力操作を受け付けることで、部位「循環器」に対して、心臓のCT(Computed Tomography)検査、心筋SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)、心臓の超音波検査、血圧等のイベントを対応付けることで、マスターデータM11を作成する。
或いは、マスターデータM11は、抽出機能142が自動で作成してもよい。一例を挙げると、抽出機能142は、まず、部位「頭部」に対して、頭部について発症することが知られている各種の疾患を対応付ける。次に、抽出機能142は、部位「頭部」に対応付けられた疾患を有する患者に対して過去に行なわれた検査や手術、治療、投薬、及び、部位「頭部」に対応付けられた疾患を有する患者が有していた症例等のイベントを、部位「頭部」に対して更に対応付けることで、マスターデータM11を作成する。また、例えば、抽出機能142は、部位「頭部」に対応付けられた疾患を有する患者が来院した際にユーザが参照したイベントを、部位「頭部」に対して更に対応付けることで、マスターデータM11を作成する。或いは、抽出機能142は、例えばネットワークNWを介して、他の装置において作成されたマスターデータM11を取得することとしても構わない。
そして、例えば受付機能141が「頭部」の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130からマスターデータM11を読み出し、マスターデータM11において「頭部」に対応付けられているイベントを第1イベントとして抽出する。一例を挙げると、抽出機能142は、「頭部」に対応する第1イベントとして、「悪性腫瘍(2cm)切除」といった手術の記録を、日時の情報とともに抽出する。また、抽出機能142は、「頭部」に対応するイベントとして、「術後、腫瘍なし」や「脳ドック異常なし」といった検査結果を、日時の情報とともに抽出する。そして、表示制御機能143は、抽出された各種の第1イベントを、シェーマC1上にマッピングして表示する。
例えば、表示制御機能143は、図5の吹き出しE11に示すように、「頭部腫瘍」、「2012/9/21:悪性腫瘍(2cm)切除」、「2012/09/30:術後、腫瘍なし」、「2014/09/18:脳ドック異常なし」、「6年2か月間:異常なし」といった各種の第1イベントを、シェーマC1における部位D1に紐付けて表示する。また、表示制御機能143は、図5の吹き出しE12に示すように、「頭痛(頭部腫瘍治療期間)2012/8/01~2012/9/25」を、シェーマC1における部位D1に紐付けて表示する。なお、図5は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
更に、抽出機能142は、選択された対象部位に関連する部位に対応する過去の第2イベントを抽出する。例えば、「頭部」である部位D1が選択された場合、抽出機能142は、まず、「頭部」に関連する部位を特定する。ここで、「頭部」に関連する部位とは、例えば、頭部の疾患に起因して症状が現れる部位や、頭部の症状の原因となる部位などである。
例えば、抽出機能142は、部位同士の対応関係を定めたマスターデータM21を事前に作成して、メモリ130に記憶させる。かかるマスターデータM21は、例えば、医師等のユーザによる入力操作に基づいて作成することができる。或いは、マスターデータM21は、抽出機能142が自動で作成してもよい。或いは、抽出機能142は、例えばネットワークNWを介して、他の装置において作成されたマスターデータM21を取得することとしても構わない。
一例を挙げると、頭部の疾患である「頭部腫瘍」を有する患者の場合、頭部の症状である「頭痛」の他にも、消化器の症状である「嘔吐」や、足の症状である「足のむくみ」等が現れる場合がある。そこで、抽出機能142は、部位「頭部」に対して、「消化器」や「足」等の部位を対応付けることで、マスターデータM21を作成する。そして、例えば受付機能141が「頭部」の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130からマスターデータM21を読み出し、マスターデータM21において「頭部」に対応付けられている部位を、「頭部」に関連する部位として特定する。
一例を挙げると、抽出機能142は、「頭部」に関連する部位として、「足」を特定する。次に、抽出機能142は、抽出機能142は、メモリ130からマスターデータM11を読み出し、マスターデータM11において「足」に対応付けられているイベントを第2イベントとして抽出する。一例を挙げると、抽出機能142は、「足」に対応する第1イベントとして、「足のむくみ」といった症状を、日時の情報とともに抽出する。
そして、表示制御機能143は、抽出された第2イベントを、シェーマC1上にマッピングして表示する。例えば、表示制御機能143は、図5の吹き出しE13に示すように、第2イベントとして、「足のむくみ(頭部腫瘍治療期間)2012/9/15~2012/9/25」を、「足」である部位D2に紐付けて表示する。
なお、図5においては、対象部位の選択を受け付けた場合に、吹き出しE11、吹き出しE12及び吹き出しE13を表示させるものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能143は、受付機能141が対象部位の選択を受け付けた後、患者の過去のイベントを表示させる旨の所定の操作を更に受け付けた場合に、吹き出しE11、吹き出しE12及び吹き出しE13を表示させてもよい。一例を挙げると、表示制御機能143は、受付機能141が対象部位の選択を受け付けた後、シェーマC1に対してクリック操作等の操作が行われた場合に、吹き出しE11、吹き出しE12及び吹き出しE13を表示させてもよい。
また、図5の吹き出しE11、吹き出しE12及び吹き出しE13には文字のみを示すが、表示制御機能143は、文字に代えて、又は文字に加えて、画像やグラフ等を表示させてもよい。例えば、患者の頭部について複数の医用画像が収集されていた場合、表示制御機能143は、吹き出しE11又は吹き出しE12に、これら複数の医用画像をサムネイル表示させてもよい。
また、表示制御機能143は、第1イベントと第2イベントとを異なる態様で表示させてもよい。例えば、表示制御機能143は、吹き出しE11及び吹き出しE12に表示されている第1イベントと、吹き出しE13に表示されている第2イベントとの間で、文字のサイズや太さ、色などを変更してもよい。また、例えば、表示制御機能143は、吹き出しE11及び吹き出しE12と、吹き出しE13との間で、形状や大きさ、色などを変更してもよい。
また、図5においては、第1イベントを吹き出しE11及び吹き出しE12に表示させ、第2イベントを吹き出しE13に表示させるものとして説明した。即ち、図5においては、第1イベントと第2イベントとを異なる領域に表示させるものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。即ち、表示制御機能143は、第1イベントと第2イベントとを同じ領域に表示させてもよい。
例えば、表示制御機能143は、図6に示すように、第1イベントである「頭部腫瘍」、「2012/9/21:悪性腫瘍(2cm)切除」、「2012/09/30:術後、腫瘍なし」、「2014/09/18:脳ドック異常なし」、「6年2か月間:異常なし」及び「頭痛(頭部腫瘍治療期間)2012/8/01~2012/9/25」と、第2イベントである「足のむくみ(頭部腫瘍治療期間)2012/9/15~2012/9/25」とを、いずれも吹き出しE21に表示させる。なお、図6は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
なお、図5及び図6においては、第1イベントとともに、第2イベントを自動で表示させるものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能143は、第1イベントを表示させた後、ユーザからの要求があった時に第2イベントを表示させることとしてもよい。
例えば、表示制御機能143は、まず、図7Aに示すように、第1イベントである「頭部腫瘍」、「2012/9/21:悪性腫瘍(2cm)切除」、「2012/09/30:術後、腫瘍なし」、「2014/09/18:脳ドック異常なし」、「6年2か月間:異常なし」及び「頭痛(頭部腫瘍治療期間)2012/8/01~2012/9/25」を、吹き出しE31に表示させる。また、表示制御機能143は、「関連イベント」を示すアイコンE32を更に表示させる。なお、図7Aにおいては、アイコンE32を吹き出しE31内に示すが、アイコンE32を表示させる位置は任意である。また、図7Aは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
ここで、ユーザによってアイコンE32に対する操作が行われた場合、表示制御機能143は、図7Bに示すように、吹き出しE33を更に表示させるとともに、第2イベントである「足のむくみ(頭部腫瘍治療期間)2012/9/15~2012/9/25」を吹き出しE33に表示させる。なお、アイコンE32に対する操作とは、例えば、マウスを用いたクリック操作やタッチパネルに対するタップ操作等により、アイコンE32を選択する操作である。また、図7Bは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
なお、図7Bにおいては、アイコンE32に対する操作が行われた際、吹き出しE33に第2イベントを表示させるものとして説明したが、第2イベントを表示させる位置は任意である。例えば、表示制御機能143は、アイコンE32に対する操作が行われた際、吹き出しE33を表示させることなく、吹き出しE31に第2イベントを表示させてもよい。
次に、医用情報処理装置100による処理の手順の一例を、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS102は、受付機能141に対応するステップである。ステップS103及びステップS104は、抽出機能142に対応するステップである。ステップS101及びステップS105は、表示制御機能143に対応するステップである。
まず、処理回路140は、図4に示したシェーマC1をディスプレイ120に表示させる(ステップS101)。次に、処理回路140は、医師から対象部位の選択を受け付ける(ステップS102)。例えば、処理回路140は、シェーマC1を参照した医師から、シェーマC1における部位D1、部位D2及び部位D3のいずれかを選択する操作を受け付けることで、対象部位の選択を受け付ける。
次に、処理回路140は、選択された対象部位に対応する過去の第1イベントを抽出する(ステップS103)。例えば、処理回路140は、メモリ130から読み出したマスターデータM11を用いて、第1イベントを抽出する。
次に、処理回路140は、選択された対象部位に関連する部位に対応する過去の第2イベントを抽出する(ステップS104)。例えば、処理回路140は、まず、メモリ130から読み出したマスターデータM21を用いて、選択された対象部位に関連する部位を特定する。そして、処理回路140は、マスターデータM11を用いて、特定した部位に対応する第2イベントを抽出する。そして、処理回路140は、抽出した第1イベント及び第2イベントをシェーマC1上にマッピンクしてディスプレイ120に表示させ、処理を終了する。
なお、これまで、マスターデータM11を用いて部位に対応するイベントを抽出するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、抽出機能142は、機械学習の手法により、部位に対応するイベントを抽出してもよい。
例えば、抽出機能142は、まず、部位ごとに医師が参照したイベントを示す参照履歴を、データ保管装置200から取得する。そして、抽出機能142は、参照履歴における部位を入力側データ、イベントを出力側データとして、機械学習エンジンに入力する。これにより、機械学習エンジンは、部位の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN11を生成する。例えば、機械学習エンジンは、ディープラーニング(Deep Learning)や、ニューラルネットワーク(Neural Network)、ロジスティック(Logistic)回帰分析、非線形判別分析、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ナイーブベイズ(Naive Bayes)等の各種のアルゴリズムを用いて、学習済みモデルN11を生成する。また、抽出機能142は、生成した学習済みモデルN11をメモリ130に記憶させる。或いは、抽出機能142は、例えばネットワークNWを介して、他の装置において作成された学習済みモデルN11を取得し、メモリ130に記憶させることとしても構わない。
そして、受付機能141が対象部位の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130から読み出した学習済みモデルN11に対して、選択された対象部位を入力する。また、学習済みモデルN11は、対象部位の入力を受けて、対応するイベントを出力する。これにより、抽出機能142は、選択された対象部位に対応する過去の第1イベントを抽出する。
また、これまで、マスターデータM21を用いて、受付機能141が選択を受け付けた対象部位に関連する部位を特定するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、抽出機能142は、機械学習の手法により、関連する部位を特定してもよい。
例えば、抽出機能142は、まず、同一患者が疾患を有する複数の部位を示す部位情報を、データ保管装置200から取得する。そして、抽出機能142は、同一患者が疾患を有していた複数の部位が相互に関連するものとして、機械学習を実行する。例えば、抽出機能142は、同一患者が疾患を有していた複数の部位のうちいずれかを入力側データ、他の部位を出力側データとして、機械学習エンジンに入力する。これにより、機械学習エンジンは、部位の入力を受けて関連する部位を出力する学習済みモデルN21を生成する。例えば、機械学習エンジンは、ディープラーニングや、ニューラルネットワーク、ロジスティック回帰分析、非線形判別分析、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、ナイーブベイズ等の各種のアルゴリズムを用いて、学習済みモデルN21を生成する。また、抽出機能142は、生成した学習済みモデルN21をメモリ130に記憶させる。或いは、抽出機能142は、例えばネットワークNWを介して、他の装置において作成された学習済みモデルN21を取得し、メモリ130に記憶させることとしても構わない。
そして、受付機能141が対象部位の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130から読み出した学習済みモデルN21に対して、選択された対象部位を入力する。また、学習済みモデルN21は、対象部位の入力を受けて、関連する部位を出力する。これにより、抽出機能142は、選択された対象部位に関連する部位を特定する。更に、抽出機能142は、メモリ130から読み出した学習済みモデルN11に対して、特定した部位を入力する。また、学習済みモデルN11は、対象部位の入力を受けて、対応するイベントを出力する。これにより、抽出機能142は、選択された対象部位に関連する部位に対応する過去の第2イベントを抽出する。ここで、抽出機能142は、マスターデータM11を用いて第2イベントを抽出することとしても構わない。
また、これまで、シェーマC1に対する操作を受け付けることにより対象部位の選択を受け付けるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、受付機能141は、文字入力により対象部位の選択を受け付けてもよい。一例を挙げると、医師は、キーボードやタッチパネルを用いて「頭部」を文字入力する。これにより、受付機能141は、対象部位として、「頭部」である部位D1の選択を受け付ける。
また、これまで、対象部位の選択を受け付けるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、受付機能141は、対象部位に代えて、対象疾患の選択を受け付けてもよい。例えば、医師は、患者の来院理由に基づいて疾患名を考察し、入力インターフェース110を介して入力する。一例を挙げると、医師は、キーボードやタッチパネルを用いて、対象疾患として「頭部腫瘍」を文字入力する。
受付機能141が対象疾患の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、選択された対象疾患に対応する過去の第1イベントを抽出する。例えば、抽出機能142は、疾患とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM12を事前に作成して、メモリ130に記憶させる。かかるマスターデータM12は、例えば、医師等のユーザによる入力操作に基づいて作成することができる。或いは、マスターデータM12は、抽出機能142が自動で作成してもよい。或いは、抽出機能142は、例えばネットワークNWを介して、他の装置において作成されたマスターデータM12を取得することとしても構わない。そして、例えば受付機能141が「頭部腫瘍」の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130からマスターデータM12を読み出し、マスターデータM12において「頭部腫瘍」に対応付けられているイベントを第1イベントとして抽出する。
また、例えば、抽出機能142は、疾患の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN12を事前に作成して、メモリ130に記憶させる。或いは、抽出機能142は、他の装置において作成された学習済みモデルN12を取得し、メモリ130に記憶させることとしても構わない。そして、例えば受付機能141が「頭部腫瘍」の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130から読み出した学習済みモデルN12に対して、選択された対象疾患を入力する。また、学習済みモデルN12は、対象疾患の入力を受けて、対応するイベントを出力する。これにより、抽出機能142は、選択された対象疾患に対応する過去の第1イベントを抽出する。
そして、表示制御機能143は、抽出された各種の第1イベントを、シェーマC1上にマッピングして表示する。例えば、表示制御機能143は、「頭部腫瘍」に対応するものとして抽出された第1イベントを、「頭部」である部位D1に対応付けてシェーマC1上に表示する。
また、受付機能141が対象疾患の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、選択された対象疾患に関連する部位又は疾患を特定する。例えば、抽出機能142は、まず、疾患同士の対応関係を定めたマスターデータM22と、部位と疾患との対応関係を定めたマスターデータM23とを事前に作成して、メモリ130に記憶させる。かかるマスターデータM22及びマスターデータM23は、例えば、医師等のユーザによる入力操作に基づいて作成することができる。或いは、マスターデータM22及びマスターデータM23は、抽出機能142が自動で作成してもよい。或いは、抽出機能142は、例えばネットワークNWを介して、他の装置において作成されたマスターデータM22及びマスターデータM23を取得することとしても構わない。
ここで、例えば受付機能141が「頭部腫瘍」の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130からマスターデータM22を読み出し、マスターデータM22において「頭部腫瘍」に対応付けられている疾患を、「頭部腫瘍」に関連する疾患として特定する。また、抽出機能142は、メモリ130からマスターデータM23を読み出し、マスターデータM23において「頭部腫瘍」に対応付けられている部位を、「頭部腫瘍」に関連する部位として特定する。
或いは、抽出機能142は、疾患の入力を受けて関連する疾患を出力する学習済みモデルN22、及び、疾患の入力を受けて関連する部位を出力する学習済みモデルN23を事前に作成して、メモリ130に記憶させる。或いは、抽出機能142は、他の装置において作成された学習済みモデルN22及び学習済みモデルN23を取得し、メモリ130に記憶させることとしても構わない。
ここで、例えば受付機能141が「頭部腫瘍」の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、メモリ130から読み出した学習済みモデルN22に対して、選択された対象疾患を入力する。また、学習済みモデルN22は、対象疾患の入力を受けて、関連する疾患を出力する。これにより、抽出機能142は、対象疾患に関連する疾患を特定する。また、抽出機能142は、メモリ130から読み出した学習済みモデルN23に対して、選択された対象疾患を入力する。また、学習済みモデルN23は、対象疾患の入力を受けて、関連する部位を出力する。これにより、抽出機能142は、対象疾患に関連する部位を特定する。
次に、抽出機能142は、特定した部位又は疾患に対応する第2イベントを抽出する。例えば、抽出機能142は、部位とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM11、及び、疾患とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM12を用いて、特定した部位又は疾患に対応する第2イベントを抽出する。或いは、抽出機能142は、部位の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN11、及び、疾患の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN12を用いて、特定した部位又は疾患に対応する第2イベントを抽出する。
また、これまで、受付機能141が対象部位の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、選択された対象部位に関連する部位に対応する過去の第2イベントを抽出するものとして説明した。しかしながら、抽出機能142は、第2イベントして、選択された対象部位に関連する疾患に対応する過去の第2イベントを抽出することとしても構わない。
例えば、受付機能141が対象部位の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、部位とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM11、又は、部位の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN11を用いて、選択された対象部位に対応する過去の第1イベントを抽出する。次に、抽出機能142は、部位同士の対応関係を定めたマスターデータM21、及び、部位と疾患との対応関係を定めたマスターデータM23を用いて、対象部位に関連する部位又は疾患を特定する。
或いは、抽出機能142は、部位の入力を受けて関連する疾患を出力する学習済みモデルN24を事前に作成し、或いは他の装置において作成された学習済みモデルN24を事前に取得して、メモリ130に記憶させる。そして、抽出機能142は、部位の入力を受けて関連する部位を出力する学習済みモデルN21と、部位の入力を受けて関連する疾患を出力する学習済みモデルN24とを用いて、対象部位に関連する部位又は疾患を特定する。
そして、抽出機能142は、特定した部位又は疾患に対応する第2イベントを抽出する。例えば、抽出機能142は、部位とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM11及び疾患とイベントとの対応関係を定めたマスターデータM12を用いて、特定した部位又は疾患に対応する第2イベントを抽出する。或いは、抽出機能142は、部位の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN11、及び、疾患の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN12を用いて、特定した部位又は疾患に対応する第2イベントを抽出する。
なお、上述した学習済みモデルN11及び学習済みモデルN12については、統合することとしてもよい。例えば、抽出機能142は、部位又は疾患の入力を受けて対応するイベントを出力する学習済みモデルN13を事前に生成して、メモリ130に記憶させる。そして、抽出機能142は、学習済みモデルN13を用いて、受付機能141が選択を受け付けた対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを抽出する。
また、上述した学習済みモデルN21、学習済みモデルN22、学習済みモデルN23及び学習済みモデルN24については、統合することとしてもよい。例えば、抽出機能142は、部位又は疾患の入力を受けて関連する部位又は疾患を出力する学習済みモデルN25を事前に生成して、メモリ130に記憶させる。そして、抽出機能142は、学習済みモデルN25を用いて、受付機能141が選択を受け付けた対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患を特定する。
更に、上述した学習済みモデルN13と学習済みモデルN25については、統合することとしてもよい。例えば、抽出機能142は、部位又は疾患の入力を受けて、入力された部位又は疾患に対応するイベント、及び、入力された部位又は疾患に関連する部位又は疾患に対応するイベントを出力する学習済みモデルN31を事前に生成して、メモリ130に記憶させる。そして、抽出機能142は、受付機能141が選択を受け付けた対象部位又は対象疾患を学習済みモデルN31に入力することで、対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患を特定するとともに、第1イベント及び第2イベントを抽出する。
また、抽出機能142は、ユーザが参照することとなる情報量を考慮して、第1イベント及び第2イベントを抽出することとしても構わない。例えば、抽出機能142は、第1イベント及び第2イベントを抽出する数について閾値を設けてもよい。即ち、患者によっては、抽出される第1イベント及び第2イベントの数が多く、その全てをディスプレイ120に表示させると煩雑になってしまう場合がある。そこで、抽出機能142は、例えば、選択された対象部位又は対象疾患に対応する過去のイベント及び選択された対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去のイベントのうち、優先度の高い所定数のイベントを、第1イベント及び第2イベントとして抽出する。
なお、イベントの優先度は、例えば、各イベントの日時に応じて設定することができる。例えば、抽出機能142は、より新しいイベントに対してより高い優先度を設定する。また、例えば、イベントの優先度は、各イベントの内容に応じて設定することができる。例えば、抽出機能142は、「中くらいの痛み」より「耐えられない痛み」に対して、より高い優先度を設定する。
また、抽出機能142は、第1イベント及び第2イベントの表示領域のサイズに応じて、第1イベント及び第2イベントを抽出してもよい。即ち、抽出される第1イベント及び第2イベントの数が多い場合、その全てをディスプレイ120に表示させることができず、或いは、その全てをディスプレイ120に表示させると各イベントの表示サイズが小さくなってしまう場合がある。一方で、第1イベント及び第2イベントの表示領域が大きければ、第1イベント及び第2イベントの数が多くても、各イベントを十分なサイズで表示させることができる場合がある。そこで、抽出機能142は、例えば、選択された対象部位又は対象疾患に対応する過去のイベント及び選択された対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去のイベントのうち優先度の高いイベントを、ディスプレイ120における表示領域に表示可能な範囲で抽出する。
上述したように、第1の実施形態によれば、受付機能141は、対象部位又は対象疾患の選択を受け付ける。また、抽出機能142は、選択された対象部位又は対象疾患に対応する過去の第1イベント、及び、選択された対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを抽出する。また、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントをシェーマ上にマッピングして表示する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100は、過去のイベントに基づく患者状態の把握を容易にすることができる。ひいては、医用情報処理装置100は、想定病名を考察して必要な検査や処置等を検討するまでの一連の処理フローを効率化することができる。
例えば、患者の来院理由が「頭痛」である場合、頭部以外の過去のイベントは、今回の診断において必要でない場合が多い。一方で、頭部以外の過去のイベントの全てが不要というわけではなく、その一部は今回の診断において有用であったりもする。これに対し、医用情報処理装置100は、第1イベントと第2イベントとを抽出して表示することにより、取りこぼしを防ぎつつ、医師に提示するイベントの情報量を低減することができる。更に、医用情報処理装置100は、これらの第1イベント及び第2イベントをシェーマ上にマッピングして表示することで、過去のイベントを医師が直感的に理解することを可能とし、患者状態の把握をより容易にすることができる。
また、医用情報処理装置100は、患者の過去のイベントに基づく診断を可能とする。
即ち、来院した患者の当日の症状や当日に実行された検査結果のみに基づいて診断を行なう場合と比較して、医用情報処理装置100は、より多くの情報を医師に提示し、高精度での診断を行なうことを可能とする。また、当日の症状や検査結果に基づいて診断を行なう場合、診断に用いる情報が不足し、経過を観察することとなる場合がある。これに対し、医用情報処理装置100は、患者の過去のイベントを追加的に提示することで当日の診断を可能とし、不要な経過観察を回避して、必要な治療や手術等をより迅速に実行させることができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、シェーマC1における部位(部位D1~D3)を同様の態様で表示するものとして説明した。これに対し、第2の実施形態では、ユーザから指定された日付に応じて、シェーマC1における部位の色を変更する場合について説明する。
第2の実施形態に係る医用情報処理システム1は、図1に示した医用情報処理システム1と同様の構成を有し、受付機能141及び表示制御機能143による処理の一部が相違する。第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
例えば、患者が来院した際、表示制御機能143は、まず、図9Aに示す画面をディスプレイ120に表示させる。具体的には、表示制御機能143は、来院した患者に関するイベントをデータ保管装置200から収集し、図9Aの領域R1において、時間軸に合わせて表示させる。即ち、表示制御機能143は、図3と同様に、収集した過去のイベントを時系列的に並べることでテーブルを作成し、図9Aの領域R1に表示させる。なお、図9Aは、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
また、表示制御機能143は、図9Aの領域R2において、シェーマC1を表示させる。例えば、表示制御機能143は、図4と同様に、シェーマC1として、一般的な人体の正面及び背面を示す簡易図を表示させるとともに、簡易図の上に部位D1、部位D2及び部位D3を表示させる。
また、表示制御機能143は、図9Aの領域R3において、来院した患者から過去に収集された超音波画像I1を表示させる。なお、領域R3については省略することとしても構わない。
また、領域R3については、超音波画像I1以外の画像を表示させることとしても構わない。例えば、表示制御機能143は、医師からの入力操作に応じて、来院した患者から過去に収集されたX線画像、CT画像、PET(Positron Emission Tomography)、SPECT画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像といった別種の医用画像を領域R3に表示させる。また、表示制御機能143は、患者の過去の医用画像に基づく解析結果を示す画像を領域R3に表示させることとしても構わない。例えば、表示制御機能143は、患者の心筋造影CT画像に基づいて心筋の血流量を算出するパーフュージョン解析の結果を示すパーフュージョン画像を、領域R3に表示させる。
また、領域R3については、画像以外の情報を表示させることとしても構わない。例えば、表示制御機能143は、投薬の記録(投薬した薬の種類、投与量等)を時間軸に対応付けたグラフを領域R3に表示させる。また、例えば、表示制御機能143は、医師や看護師等が過去に患者について作成した記録(カルテ記録、看護記録等)を領域R3に表示させる。
また、例えば、表示制御機能143は、過去に計測されたバイタルデータを時間軸に対応付けたグラフを領域R3に表示させる。なお、バイタルデータの例としては、例えば、過去に計測された脈拍数や心拍数、呼吸数、血圧、体温、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)等が挙げられる。ここで、バイタルデータは、ウェアラブル血圧計等により計測されたウェアラブルデータであってもよい。また、グラフの種類については適宜の変更が可能である。例えば、表示制御機能143は、バイタルデータを時間軸に対応付けたグラフとして、棒グラフや折れ線グラフ等を領域R3に表示させる。また、表示制御機能143は、バイタルデータを時間軸に対応付けたグラフに代えて、ヒストグラム等の他のグラフを表示させることとしても構わない。
また、図9Aにおいては領域R3を1つのみ示すが、表示制御機能143は、複数の領域R3を表示させることとしても構わない。例えば、表示制御機能143は、複数の領域R3として、投薬記録のグラフを示すウィンドウと、カルテ記録を示すウィンドウと、看護記録を示すウィンドウと、投薬記録のグラフを示すウィンドウと、投薬記録のグラフを示すウィンドウと、脈拍数のグラフを示すウィンドウと、血圧のグラフを示すウィンドウと、超音波画像I1を示すウィンドウとをディスプレイ120に表示させる。
ここで、図9Aの画面を参照したユーザは、対象部位又は対象疾患を選択することができる。例えば、受付機能141が対象部位として「頭部」である部位D1の選択を受け付けた場合、抽出機能142は、「頭部」に対応する過去の第1イベント、及び、「頭部」に関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを抽出する。また、表示制御機能143は、図9Bの吹き出しE11、吹き出しE12及び吹き出しE13に示すように、第1イベント及び第2イベントをシェーマC1上にマッピングして表示する。なお、図9Bは、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
また、ここで、図9Aの画面を参照したユーザは、日付を指定することができる。ユーザから日付の指定を受け付けた場合、表示制御機能143は、指定された日付の患者情報を把握しやすいように、表示態様の変更を行なう。
例えば、ユーザは、領域R1のテーブルに対する操作を行うことにより、日付を指定する。一例を挙げると、ユーザは、マウスを用いたクリック操作やタッチパネルに対するタップ操作等により、図9Cの領域R1における日付「2012/9/30」を指定する。また、受付機能141は、ユーザによる日付の指定を受け付ける。そして、表示制御機能143は、指定された日付に応じて、図9Cの領域R2に示すように、シェーマC1上に表示する部位の色を変更する。なお、図9Cは、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
例えば、表示制御機能143は、指定された日付の時点における各部位の疾患の有無及び治療状態に応じて、シェーマC1上に表示する部位の色を変更する。一例を挙げると、「2012/9/30」の時点では、頭部の悪性腫瘍を切除する手術が完了しており、頭痛や足のむくみといった症状も解消又は緩和されている。従って、表示制御機能143は、シェーマC1上の各部位を、疾患が無いことを示す色、又は、治療が済んでいることを示す色で表示する。
ここで、受付機能141は、ユーザによる日付の指定を更に受け付けることができる。そして、表示制御機能143は、新たに指定された日付に応じて、シェーマC1上に表示する部位の色を更新する。一例を挙げると、「2012/9/20」が更に指定された場合、頭部の悪性腫瘍を切除する手術はこの時点ではまだ行われておらず、患者は頭痛や足のむくみといった症状を有している。従って、表示制御機能143は、例えば、「頭部」である部位D1及び「足」である部位D3を治療が済んでいないことを示す色で表示し、他の部位を疾患が無いことを示す色、又は、治療が済んでいることを示す色で表示する。
一例を挙げると、表示制御機能143は、疾患が無い部位及び治療が済んでいる部位を青色で表示し、治療が済んでいない部位を赤色で表示する。ここで、表示制御機能143は、各部位を青色と赤色との2色で表示してもよいし、青色から赤色までのグラデーションで表示してもよい。例えば、表示制御機能143は、治療が済んでいないものの治療が開始された部位について、治療の進行の程度に応じて青色と赤色との比率を調整した混色により表示する。また、青色と赤色とを例として説明したが、色の選択については適宜変更が可能である。
また、治療状態に応じて部位の色を変更する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能143は、指定された日付の時点における各部位の疾患の有無及び重篤度に応じて、シェーマC1上に表示する部位の色を変更してもよい。一例を挙げると、「2012/9/20」が指定された場合、頭部の悪性腫瘍を切除する手術はこの時点ではまだ行われておらず、患者は頭痛や足のむくみといった症状を有している。ここで、足にはむくみという症状が出てはいるものの、これは頭部腫瘍に付随する症状であり、「足」の重篤度は「頭部」と比較して低いといえる。従って、表示制御機能143は、例えば、「頭部」である部位D1については重篤度が高いことを示す色で表示し、「足」である部位D3及び他の部位については、疾患が無いことを示す色、又は、重篤度が低いことを示す色で表示する。一例を挙げると、表示制御機能143は、部位D1については赤色で表示し、部位D3及び他の部位については青色で表示する。
その他、表示制御機能143は、種々の方法で部位の色を変更することができる。例えば、表示制御機能143は、指定された日付の時点における完治後の経過時間に応じて、シェーマC1上に表示する部位の色を変更してもよい。また、例えば、表示制御機能143は、指定された日付の時点での各部位の重篤度や治療状態、完治後の経過時間等、複数の情報を総合的に勘案して、部位の色を変更することとしてもよい。
また、これまで、受付機能141が対象部位又は対象疾患の選択を受け付け、更に日付の指定を受け付けるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。即ち、受付機能141は、対象部位及び対象疾患の選択を受け付けない場合においても、日付の指定を受け付けることができる。
例えば、患者が来院した際、表示制御機能143は、ユーザによる対象部位又は対象疾患の選択を受け付けることなく、来院した患者の各種イベントをシェーマC1にマッピングして表示する。
一例を挙げると、表示制御機能143は、図10に示すように、「頭部腫瘍」、「2012/9/21:悪性腫瘍(2cm)切除」、「2012/09/30:術後、腫瘍なし」、「2014/09/18:脳ドック異常なし」、「6年2か月間:異常なし」といった各種イベントを、「頭部」である部位D1に対応付けて、「吹き出しE11に表示させる。また、表示制御機能143は、「頭痛(頭部腫瘍治療期間)2012/8/01~2012/9/25」を、「頭部」である部位D1に対応付けて、吹き出しE12に表示させる。また、表示制御機能143は、「足のむくみ(頭部腫瘍治療期間)2012/09/15~2012/09/25」を、「足」である部位D2に対応付けて、吹き出しE12に表示させる。また、表示制御機能143は、「肺気腫」、「2017/10/05~2017/10/25:20日間治療」、「2017/10/31:術後、腫瘍なし」、「1年間:異常なし」といった各種イベントを、「肺」である部位D3に対応付けて、吹き出しE14に表示させる。また、表示制御機能143は、「胃がん」、「2018/10/5:悪性腫瘍(3cm)切除」、「2018/10/10:術後、腫瘍なし」といった各種イベントを、「胃」である部位D4に対応付けて、吹き出しE15に表示させる。なお、図10は、第2の実施形態に係る表示例を示す図である。
なお、ユーザによる対象部位又は対象疾患の選択を受け付けない場合、ディスプレイ120に表示されるイベントの総数は多くなる。そこで、抽出機能142は、ユーザが参照することとなる情報量を考慮して、イベントを抽出することとしても構わない。例えば、抽出機能142は、来院した患者の過去のイベントのうち、優先度の高い所定数のイベントを抽出する。また、例えば、抽出機能142は、来院した患者の過去のイベントのうち優先度の高いイベントを、ディスプレイ120における表示領域に表示可能な範囲で抽出する。そして、表示制御機能143は、抽出機能142により抽出されたイベントを、シェーマC1上にマッピングして表示する。
そして、受付機能141は、ユーザによる日付の指定を受け付け、表示制御機能143は、指定された日付に応じて、シェーマC1上に表示する部位の色を変更する。例えば、表示制御機能143は、指定された日付の時点における重篤度や治療状態、完治後の経過時間等に応じて、シェーマC1上に表示する部位D1、部位D2、部位D3及び部位D4のそれぞれの色を変更する。
なお、図10においては、吹き出しE11~E15により患者の過去のイベントを表示させるものとして説明したが、これら吹き出しの表示については省略しても構わない。即ち、表示制御機能143は、患者の過去のイベントをシェーマC1上に表示しないこととしてもよい。
次に、医用情報処理装置100による処理の手順の一例を、図11を用いて説明する。図11は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置100の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS202及びステップS207は、受付機能141に対応するステップである。ステップS203及びステップS204は、抽出機能142に対応するステップである。ステップS201、ステップS205、ステップS206及びステップS208は、表示制御機能143に対応するステップである。
まず、処理回路140は、シェーマC1をディスプレイ120に表示させる(ステップS201)。次に、処理回路140は、ユーザから対象部位又は対象疾患の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。ここで、対象部位又は対象疾患の選択を受け付けた場合(ステップS202肯定)、処理回路140は、選択された対象部位又は対象疾患に対応する過去の第1イベントを抽出する(ステップS203)。次に、処理回路140は、選択された対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを抽出する(ステップS204)。そして、処理回路140は、抽出した第1イベント及び第2イベントをシェーマC1上にマッピンクしてディスプレイ120に表示させる(ステップS205)。
一方で、対象部位又は対象疾患の選択を受け付けなかった場合(ステップS202肯定)、処理回路140は、来院した患者の各種イベントをシェーマC1上にマッピンクしてディスプレイ120に表示させる(ステップS206)。なお、ステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204及びステップS205の処理については省略することとしても構わない。
ステップS205又はステップS206の後、処理回路140は、ユーザから日付の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS207)。ここで、日付の指定を受け付けた場合(ステップS207肯定)、処理回路140は、指定された日付に応じて、シェーマC1上に表示する部位の色を変更し(ステップS208)、再度ステップS207に移行する。また、ユーザから日付の指定を受け付けなかった場合(ステップS207否定)、処理回路140は、処理を終了する。
上述したように、第2の実施形態によれば、受付機能141は、日付の指定を受け付ける。また、表示制御機能143は、指定された日付に応じて、シェーマ上に表示する部位の色を変更する。従って、第2の実施形態に係る医用情報処理装置100は、指定された日付における患者状態の把握を容易にすることができる。例えば、ユーザは、シェーマ上の各部位の色を参照することで、指定した日付における患者の状態を直感的に把握することができる。
また、医用情報処理装置100は、日付が指定されるごとに、シェーマ上に表示する部位の色を更新する。従って、ユーザは、指定する日付を適宜変更することで、シェーマ上に表示される部位の色の変化を参照しながら、患者の状態の変化を直感的に把握することができる。
例えば、ユーザは、指定する日付を放射線治療の実行期間内において適宜変更することで、シェーマ上に表示される部位の色の変化を参照しながら、患者の状態の変化を直感的に把握することができる。一例を挙げると、ユーザは、部位の色の変化に基づいて、癌患者に対する放射線治療の効果(癌の消失、縮小の程度など)、或いは更なる転移の有無等を直感的に把握することができる。ひいては、ユーザは、今後行なうべき治療をより容易に計画することができる。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1~第2の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、第1イベント及び第2イベントを1つのシェーマ上にマッピングして表示するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。即ち、表示制御機能143は、第1イベント及び第2イベントを複数のシェーマ上にマッピングして表示してもよい。
例えば、表示制御機能143は、図12に示すように、来院した患者の過去のイベントを時系列的に並べたテーブルをディスプレイ120に表示させるとともに、テーブルの各日に対してシェーマを表示させる。具体的には、表示制御機能143は、テーブルにおける「2012/9/1」に対してシェーマC2を表示させ、「2012/9/5」に対してシェーマC3を表示させ、「2012/9/10」に対してシェーマC4を表示させる。なお、図12は、第3の実施形態に係る表示例を示す図である。
次に、受付機能141は、ユーザから対象部位又は対象疾患の選択を受け付ける。例えば、受付機能141は、シェーマC2、シェーマC3及びシェーマC4のいずれかに対するクリック操作やタップ操作等を受け付けることにより、対象部位の選択を受け付ける。また、例えば、受付機能141は、ユーザからの文字入力を受け付けることにより、対象部位又は対象疾患の選択を受け付ける。また、抽出機能142は、選択された対象部位又は対象疾患に対応する過去の第1イベント、及び、対象部位又は対象疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを抽出する。
次に、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントを、各イベントの日付に応じて、複数のシェーマ上にマッピングして表示する。例えば、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントのうち「2012/9/1」のイベントについてはシェーマC2上にマッピングして表示し、「2012/9/5」のイベントについてはシェーマC3上にマッピングして表示し、「2012/9/10」のイベントについてはシェーマC4上にマッピングして表示する。
一例を挙げると、抽出された第1イベント及び第2イベントに「2012/9/1」における血圧の計測が含まれる場合、表示制御機能143は、図12のシェーマC2上に「血圧」を表示させる。ここで、表示制御機能143は、シェーマC2上に血圧の測定値「130」を更に表示させることとしても構わない。
同様に、抽出された第1イベント及び第2イベントに「2012/9/5」における血圧の計測が含まれる場合、表示制御機能143は、図12のシェーマC3上に「血圧」を表示させる。また、抽出された第1イベント及び第2イベントに「2012/9/5」における頭部のMRI検査が含まれる場合、表示制御機能143は、図12のシェーマC3上の頭部に対応付けて、「MRI検査」を表示させる。ここで、表示制御機能143は、シェーマC3上に、MRI検査により収集されたMRI画像、或いはそのサムネイルを更に表示させることとしても構わない。また、抽出された第1イベント及び第2イベントに「2012/9/10」における血圧の計測が含まれる場合、表示制御機能143は、シェーマC4上に「血圧」を表示させる。
ここで、表示制御機能143は、複数のシェーマそれぞれが対応付いている日付に応じて、シェーマ上に表示する部位の色を変更してもよい。例えば、表示制御機能143は、「2012/9/1」の時点における重篤度に応じて、シェーマC2上に表示する部位それぞれの色を変更する。また、表示制御機能143は、「2012/9/5」の時点における重篤度に応じて、シェーマC3上に表示する部位それぞれの色を変更する。また、表示制御機能143は、「2012/9/10」の時点における重篤度に応じて、シェーマC4上に表示する部位それぞれの色を変更する。
また、上述した実施形態では、抽出した第1イベント及び第2イベントをシェーマ上にマッピングして表示するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントを時系列的に並べることでテーブルを作成し、ディスプレイ120に表示させることとしても構わない。その他、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントを任意の態様で時系列表示させることができる。一例を挙げると、表示制御機能143は、抽出された第1イベント及び第2イベントをタイムラインとしてディスプレイ120に表示させることとしても構わない。
別の例を挙げると、表示制御機能143は、まず、図3に示したように、来院した患者の過去のイベントを時系列的に並べることでテーブルを作成し、ディスプレイ120に表示させる。ここで、表示制御機能143は、表示させたテーブルにおいて、抽出された第1イベント及び第2イベントと、他のイベントとを異なる態様で表示させる。例えば、表示制御機能143は、テーブルにおいて表示されるイベントのうち第1イベント及び第2イベントを太字で表示させたり、他のイベントと文字色や背景色を異ならせて表示させたりする。
テーブル以外の時系列表示を行なう場合についても同様に、表示制御機能143は、第1イベント及び第2イベントと、他のイベントとを異なる態様で表示させることができる。例えば、表示制御機能143は、まず、来院した患者の過去のイベントを時系列的に並べたタイムラインをディスプレイ120に表示させる。ここで、表示制御機能143は、表示させたタイムラインにおいて、抽出された第1イベント及び第2イベントと、他のイベントとを異なる態様で表示させる。
また、上述した実施形態では、対象部位又は対象疾患の選択を受け付けて第1イベント及び第2イベントを抽出する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理装置100は、イベントの選択を受け付けて、対応する部位又は疾患を抽出することとしても構わない。
例えば、まず、受付機能141は、イベントとして「血圧の測定」の選択を受け付ける。一例を挙げると、受付機能141は、ディスプレイ120に表示されている血圧グラフに対する操作を受け付けることにより、「血圧の測定」の選択を受け付ける。次に、抽出機能142は、「血圧の測定」に対応する部位又は疾患を抽出する。例えば、抽出機能142は、「血圧の測定」に対応する部位として、心臓等の循環器を抽出する。また、例えば、抽出機能142は、「血圧の測定」に対応する疾患として、循環器の疾患を抽出する。そして、表示制御機能143は、抽出された部位又は疾患をディスプレイ120に表示させる。例えば、表示制御機能143は、抽出された部位又は疾患をシェーマ上に表示させる。
別の例を挙げると、まず、受付機能141は、イベントとして「頭痛」の選択を受け付ける。一例を挙げると、受付機能141は、ユーザからの文字入力の操作を受け付けることにより、「頭痛」の選択を受け付ける。或いは、受付機能141は、HIS等のシステムに登録された来院理由に基づいて、「頭痛」を自動取得してもよい。次に、抽出機能142は、「頭痛」に対応する部位又は疾患を抽出する。例えば、抽出機能142は、「頭痛」に対応する部位として、頭部を抽出する。また、例えば、抽出機能142は、「頭痛」に対応する疾患として、頭部腫瘍を抽出する。そして、表示制御機能143は、抽出された部位又は疾患をディスプレイ120に表示させる。例えば、表示制御機能143は、抽出された部位又は疾患をシェーマ上に表示させる。
別の例を挙げると、まず、受付機能141は、イベントとして「血圧値の異常」の選択を受け付ける。一例を挙げると、表示制御機能143は、ウェアラブル血圧計により順次計測される患者の血圧を、グラフ等により時系列的に表示する。ここで、血圧の時系列表示を参照する医師や看護師等のユーザは、血圧が閾値を超えた場合に「血圧値の異常」を入力し、受付機能141は、「血圧値の異常」の選択を受け付ける。或いは、受付機能141は、HIS等のシステムから「血圧値の異常」を自動取得してもよい。次に、抽出機能142は、「血圧値の異常」に対応する部位又は疾患を抽出する。例えば、抽出機能142は、「血圧値の異常」に対応する部位として、心臓等の循環器を抽出する。また、例えば、抽出機能142は、「血圧の測定」に対応する疾患として、循環器の疾患を抽出する。そして、表示制御機能143は、抽出された部位又は疾患をディスプレイ120に表示させる。例えば、表示制御機能143は、抽出された部位又は疾患をシェーマ上に表示させる。
ここで、抽出機能142は、抽出した部位又は疾患に対応する過去の第1イベント、及び、抽出した部位又は疾患に関連する部位又は疾患に対応する過去の第2イベントを更に抽出してもよい。この場合、表示制御機能143は、第1イベント及び第2イベントをシェーマ上にマッピングして更に表示させることができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、メモリ130に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
なお、図1においては、単一のメモリ130が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ130を分散して配置し、処理回路140は、個別のメモリ130から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ130にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
また、処理回路140は、ネットワークを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路140は、メモリ130から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、医用情報処理装置100とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明した医用情報処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。一例を挙げると、このプログラムは、電子カルテ作成ソフトウェアに組み込むことができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、患者状態の把握を容易にすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。