JP7313173B2 - マット材及び排ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
通常の排気ガス浄化装置は、排ガス処理体(触媒担体)と、前記触媒担体の外周を覆う金属ケーシングと、これらの間に配置される保持材とを備えている。また、排ガス処理体には白金等の触媒が担持されている。
内燃機関から放出された排ガスは高温であり、触媒は排ガスにより加熱されることにより活性温度まで到達することになる。
排ガスは排気管を通って排ガス浄化装置に到達することになるが、触媒を速やかに活性温度まで到達させるために、この際の熱のロスはできるだけ少ない方が望ましい。
また、触媒の活性温度を維持するために、排ガス浄化装置からの熱のロスもできるだけ少ない方が望ましい。
特許文献1に記載の一体型排気処理ユニットでは、2つの支持マットで金属箔を挟む構造とすることにより、熱のロスを防いでいる。
また、一体型排気処理ユニットから放出された熱が、周囲の機器に影響を及ぼし不具合が生じる可能性があった。
このようなマット材は、第1主面を受熱面として、400~800℃の熱を受けた場合、第2主面側に熱が移動しにくくなる。
そのため、本発明のマット材は、断熱性能を向上させることができる。
このような範囲であると、第1主面を受熱面として、400~800℃の熱を受けた場合において、熱が受熱面と反対側の面により移動しにくくなる。
このような厚さであると、金属箔をしっかり挟むことができ、また、断熱性能も向上する。
これらの金属は、好適に熱を反射することができる。そのため、金属箔がこれらの金属からなると、マット材の断熱性能を向上させることができる。
金属箔の表面が鏡面であると、熱が金属箔により反射されやすくなる。そのため、第1マット及び第2マットとの間に配置される金属箔の鏡面が、受熱面側に位置するようにマット材を配置することにより、マット材の断熱性能が向上する。
本発明の排ガス浄化装置では、マット材の第1主面が排ガス処理体と接触している。すなわち、マット材の第1主面が受熱面となる。
さらに、本発明の排ガス浄化装置では、マット材の第1主面から金属箔までの距離D1よりもマット材の第2主面から金属箔までの距離D2の方が長い。
このようなマット材において、第1主面を受熱面として、800℃程度の熱を受けた場合、第2主面側に熱が移動しにくくなる。
そのため、本発明の排ガス浄化装置では、排ガス処理体の温度を高温に保つことができ、また、排ガス浄化装置から放出される熱を低減することができる。
以下、本発明のマット材について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るマット材の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、マット材10は、第1主面11と、第1主面11と反対側の第2主面12を有する。
また、マット材10は、第1主面11側に配置される第1マット21と、第2主面12側に配置される第2マット22と、第1マット21及び第2マット22との間に配置される金属箔30とからなる。
また、マット材10では、第1主面11から金属箔30までの距離D1よりも第2主面12から金属箔30までの距離D2の方が長い。
このような凸部13a及び凹部14aが設けられていると、マット材10を後述する排ガス浄化装置に配置した際に、シール性が向上する。
なお、本発明のマット材は、マット材の端部に凸部及び凹部を有していなくてもよい。
なお、マット材10がこのような性質を示す理由としては、金属箔による輻射抑制効果は、低温よりも高温の方が効果的なためだと考えられる。
このような範囲であると、第1主面11を受熱面として、400~800℃の熱を受けた場合において、熱が受熱面と反対側の面により移動しにくくなる。
また、第1マット21の厚さは、2~29mmであることが望ましく、4~19mmであることがより望ましい。
また、第2マット22の厚さは、3~31mmであることが望ましく、6~21mmであることがより望ましい。
このような厚さであると、金属箔30をしっかり挟むことができ、また、断熱性能も向上する。
そのため、マット材10を対象物に巻き付けた際に、内外周差により隙間が生じないようにするために、第1マット21及び第2マット22のうち、外側に配置されるマットを内側に配置されるマットよりも長くすることが望ましい。
また、内外周差による隙間は、あらかじめ計算できるため、隙間が丁度埋まるように第1マット21及び第2マット22の長さを調整することがより望ましい。
また、金属箔30の長さも隙間が生じないように調整することが望ましい。なお、金属箔30は、マット材10を対象物に巻き付けた際に、一部が重なる長さであってもよい。
第1マット21は、特に限定されないが、無機繊維からなることが望ましい。
無機繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維、ムライト繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維から選択される少なくとも1種を含むことが望ましい。
第1マット21がこれらの無機繊維からなると耐熱性が充分になる。
第1マットのかさ密度が0.05g/cm3未満であると、無機繊維のからみ合いが弱く、無機繊維が剥離しやすいため、マット材の形状を所定の形状に保ちにくくなる。
第1マットのかさ密度が0.30g/cm3を超えると、マット材が硬くなり、対象物への巻き付け性が低下し、マット裂けが発生しやすくなる。
第1マット21が有機バインダを含むと、無機繊維を固定しやすくなる。そして、第1マット21の引張強度向上ができ、さらに、第1マット21から無機繊維が脱落すること、及び、飛散することを抑止することができる。
さらに、無機バインダは、無機繊維の表面に付着することで、第1マット21の面圧及び断熱性を向上させることができる。
可撓性シートが配置されていると、巻き付けの際にマット材が割れることを防止できる。
可撓性シートとしては、有機フィルムや不織布等が挙げられる。
また、第2マット22は、第1マット21と同様に、有機バインダや無機バインダを含んでいてもよい。
また、第2マット22の主面にも、第1マット21と同様に可撓性シートが配置されていてもよい。
また、第1マット及び第2マットは、トムソン刃等により無機繊維マットを打ち抜くことにより作製してもよい。
金属箔30は、特に限定されないが、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀、銅、スズ、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも1種の金属からなることが望ましい。
これらの金属は、好適に熱を反射することができる。そのため、金属箔がこれらの金属からなると、マット材の断熱性能を向上させることができる。
金属箔の厚さが1μm未満であると、金属箔が薄いので破損しやすくなる。
金属箔の厚さが100μmを超えると、金属箔が厚いため曲げるのに大きな力が必要になり、マット材全体が曲げにくくなる。
金属箔30の表面が鏡面であると、熱が金属箔30により反射されやすくなる。そのため、第1マット21及び第2マット22との間に配置される金属箔30の鏡面が、受熱面側に位置するようにマット材10を配置することにより、マット材10の断熱性能が向上する。
また、トムソン刃で打ち抜くことにより第1マット及び第2マットを作製する場合、打ち抜かれることになるマットの上に金属箔を配置し、トムソン刃でマットを打ち抜く際に、同時にトムソン刃で金属箔を打ち抜いて成形してもよい。
さらに、トムソン刃で打ち抜いて第1マット及び第2マットを作製する際に、第1マット及び第2マットの長さが異なるのであれば、長くなる方に金属箔を配置し、トムソン刃で打ち抜いてもよい。
また、マット材10は、金属箔30を第1マット21及び第2マット22で挟み、バンド等で固定されていてもよい。
なお、本発明のマット材を備える排ガス浄化装置は、本発明の排ガス浄化装置でもある。
図2は、本発明のマット材を備える排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
そして、マット材10は、第1主面11側に配置される第1マット21と、第2主面12側に配置される第2マット22と、第1マット21及び第2マット22との間に配置される金属箔30とからなる。
またマット材10では、第1主面11から金属箔30までの距離D1よりも第2主面12から金属箔30までの距離D2の方が長い。
排ガス浄化装置100では、マット材10の第1主面11が排ガス処理体40と接触している。すなわち、マット材10の第1主面11が受熱面となる。
さらに、排ガス浄化装置100では、マット材10の第1主面11から金属箔30までの距離D1よりもマット材10の第2主面12から金属箔30までの距離D2の方が長い。
このようなマット材10において、第1主面11を受熱面として、800℃程度の熱を受けた場合、第2主面12側に熱が移動しにくくなる。
そのため、排ガス浄化装置100では、排ガス処理体40の温度を高温に保つことができ、また、排ガス浄化装置100から放出される熱を低減することができる。
図3(a)は、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)のA-A線断面図である。
図3(a)及び(b)に示すように、排ガス浄化装置100に含まれる排ガス処理体40は、多数のセル41がセル壁42を隔てて長手方向に並設された円柱状のものである。
また、排ガス処理体40では、各々のセル41におけるいずれか一方が封止材43によって目封じされた排ガスフィルタ(ハニカムフィルタ)である。
気孔率が35%未満であると、排ガス処理体がすぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、気孔率が60%を超えると、排ガス処理体の強度が低下して容易に破壊されることがある。
平均気孔径が5μm未満であると、PMが容易に目詰まりを起こすことがあり、一方、平均気孔径が30μmを超えると、PMが気孔を通り抜けてしまい、PMを捕集することができず、フィルタとして機能することができないことがあるからである。
なお、上記気孔率及び気孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定の従来公知の方法により測定することができる。
これら触媒が担持されていると、PMを燃焼除去しやすくなり、有毒な排ガスの浄化も可能になる。
金属ケーシング50は、略円筒形である。
金属ケーシング50の内径(排ガス処理体を収容する部分の内径)は、マット材10が巻き付けられた排ガス処理体40の直径より若干短くなっていることが好ましい。
また、上記排ガス浄化装置用途では、本発明のマット材は対象物(排ガス処理体)に巻き付けられていたが、本発明のマット材を使用する際には、マット材を対象物に巻き付けることは必須ではなく、単に配置するだけでもよい。
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
Al含有量が70g/Lであり、Al:Cl=1:1.8(原子比)となるように調製した塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後のセラミック繊維における組成比が、Al2O3:SiO2=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法により紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製した。
続いて、上記セラミック繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、これにニードルパンチング処理を施し、その後、焼成処理を施して、平均繊維径が5μmであるアルミナ繊維のマット材を作製した。
その後、アルミナ繊維に有機バインダ(アクリレート樹脂ラテックス)を、有機分が1wt%になるように含浸付与し、水分を乾燥して、所定形状に打ち抜き、厚さが3.5mmの第1マットと、厚さが10.5mmの第2マットを作製した。
実施例1に係るマット材では、第1マット側の主面を第1主面とし、第2マット側の主面を第2主面とした。
Al含有量が70g/Lであり、Al:Cl=1:1.8(原子比)となるように調製した塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後のセラミック繊維における組成比が、Al2O3:SiO2=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法により紡糸してアルミナ繊維前駆体を作製した。
続いて、上記セラミック繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、これにニードルパンチング処理を施し、その後、焼成処理を施して、平均繊維径が5μmであるアルミナ繊維のマット材を作製した。
その後、アルミナ繊維に有機バインダ(アクリレート樹脂ラテックス)を、有機分が1wt%になるように含浸付与し、水分を乾燥して、所定形状に打ち抜き、厚さが14mmの比較例1用マットを作製した。
比較例1に係るマット材では、金属箔が配置された主面を第1主面とした。
第1マットの厚さを7mmとし、第2マットの厚さを7mmとした以外は実施例1と同様に比較例2に係るマット材を製造した、
比較例2に係るマット材では、第1主面から金属箔までの距離と、第2主面から金属箔までの距離が等しいので、マット材の主面の向きにより断熱効果に差がないが、便宜上、第1マット側の主面を第1主面とし、第2マット側の主面を第2主面とした。
第1マットの厚さを10.5mmとし、第2マットの厚さを3.5mmとした以外は、実施例1と同様に比較例3に係るマット材を製造した。
金属箔を配置しない以外は、比較例1と同様に比較例4に係るマット材を製造した。
比較例4に係るマット材では、マット材の主面の向きにより断熱効果に差がないが、便宜上、一方の主面を第1主面とし、もう一方の主面を第2主面とした。
図4は、マット材の断熱性試験を模式的に示す模式図である。
断熱性試験では、図4に示すように、断熱ブロック81の上にスペーサー82が配置され、スペーサー82の上に熱盤83が配置された熱盤試験機80を準備した。
この際、第1主面が熱盤83に接触するようにした。
実施例1及び比較例1~4に係るマット材は第1主面が受熱面となる。
以上より、実施例1に係るマット材は、高い断熱効果を示すことが判明した。
11 第1主面
12 第2主面
13 一方の端部
13a 凸部
14 もう一方の端部
14a 凹部
21 第1マット
22 第2マット
30 金属箔
40 排ガス処理体
41 セル
42 セル壁
43 封止材
50 金属ケーシング
80 熱盤試験機
81 断熱ブロック
82 スペーサー
83 熱盤
90 SUS板
100 排ガス浄化装置
Claims (6)
- 第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面を有するマット材であって、
前記マット材は、前記第1主面側に配置される第1マットと、前記第2主面側に配置される第2マットと、前記第1マット及び前記第2マットとの間に配置される金属箔とからなり、
前記第1主面から前記金属箔までの距離D1よりも前記第2主面から前記金属箔までの距離D2の方が長く、
前記第1マットは、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維、ムライト繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維から選択される少なくとも1種を含み、
前記第2マットは、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維、ムライト繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とするマット材。 - 前記距離D1と、前記距離D2との比が、距離D1:距離D2=2:98~48:52である請求項1に記載のマット材。
- 前記マット材の厚さは4~60mmであり、前記第1マットの厚さは2~29mmであり、前記第2マットの厚さは3~31mmである請求項1又は2に記載のマット材。
- 前記金属箔は、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀、銅、スズ、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも1種の金属からなる請求項1~3のいずれかに記載のマット材。
- 前記金属箔の前記第1主面側の表面は鏡面である請求項1~4のいずれかに記載のマット材。
- 排ガス処理体と、前記排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、前記排ガス処理体と前記金属ケーシングとの間に配置され、前記排ガス処理体を保持するマット材とを備える排ガス浄化装置であって、
前記マット材は、第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面を有し、
前記マット材は、前記第1主面側に配置される第1マットと、前記第2主面側に配置される第2マットと、前記第1マット及び前記第2マットとの間に配置される金属箔とからなり、
前記第1主面から前記金属箔までの距離D1よりも前記第2主面から前記金属箔までの距離D2の方が長く、
前記マット材は、前記第1主面が前記排ガス処理体に接するように配置されており、
前記第1マットは、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維、ムライト繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維から選択される少なくとも1種を含み、
前記第2マットは、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ-シリカ繊維、ムライト繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする排ガス浄化装置。
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CN1944974A (zh) | 2006-10-26 | 2007-04-11 | 重庆长安汽车股份有限公司 | 一种发动机三元催化器 |
JP2012520974A (ja) | 2009-03-20 | 2012-09-10 | テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド | 排ガスを処理するための一体型排気処理ユニット |
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