JP6622599B2 - 吸音構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吸音構造に関する。
自動車等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有される一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NO)等の有害物質を、無害な二酸化炭素(CO)、水(HO)及び窒素(N)に変換する触媒コンバータ(排ガス浄化装置)が開発され、実用化されている。
このような触媒コンバータ(排ガス浄化装置)として、特許文献1には、触媒担体(排ガス処理体)と、触媒担体(排ガス処理体)を収容するケーシングと、該触媒担体(排ガス処理体)と該ケーシングとの間隙に装着される触媒担体保持部材からなる触媒コンバータ(排ガス浄化装置)が開示されている。
一般的に、排ガス処理体は、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなり、ハニカム形状である。さらに排ガス処理体には、触媒として白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属や、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属や、バリウム等のアルカリ土類金属や、酸化セリウム等の金属酸化物等が担持されている。
内燃機関から排出された排ガスは排ガス浄化装置内の排ガス処理体を通過することになるが、この際、排ガス処理体に担持された触媒により有害物質は無害な物質に変換されることになる。
特開2002−66331号公報
排気系の発生騒音は、排気系吐出音と排気系表面放射音(輻射音)に大別される。排気系表面放射音はさらに透過音と振動放射音とに分類することができる。
排ガスが排ガス浄化装置を通過する際にも透過音が発生する。排ガス処理体は、多数の貫通孔を有するので表面積が大きくなっている。そのため、排ガスが表面積の大きい排ガス処理体を通過する際、大きな透過音が発生するという問題があった。
このような排ガス浄化装置から生じる音が外部に漏れることを抑制するために、排ガス浄化装置の外側をカバーで覆い、さらに、排ガス浄化装置とカバーとの間に吸音材を配置する吸音構造を設けることが考えられた。
しかし、例えば、車両にこのような吸音構造を設けようとすると、車両内部は複雑に機器が配置されているためカバーの形状が制限されることになる。つまり、カバーを凹凸がある形状にせざるをえなかった。凹凸があるカバーを吸音構造に用いると、排ガス浄化装置とカバーとの間の距離を一定にすることは難しく、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間には、幅が相対的に狭い領域と、幅が相対的に広い領域とができてしまうことになる。
1枚のマットからなる吸音材をこのような吸音構造に用いると、幅が相対的に狭い領域では、吸音材が圧縮され密度が増加し吸音材の吸音率が低下することがある。また、幅が相対的に広い部分では、幅の距離が広すぎ、排ガス浄化装置とカバーとの間を充分に吸音材で埋めることができず、吸音材不足になることがある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、排ガスが排ガス浄化装置を通過する際に生じる音を吸収するための吸音構造であって、排ガス浄化装置とカバーとの間に適切な形状の吸音材が配置された吸音構造を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の吸音構造は、排ガス浄化装置と、上記排ガス浄化装置の外側に配置されたカバーと、上記カバーと上記排ガス浄化装置の間に配置された吸音材とからなる吸音構造であって、上記吸音材はアルミナ繊維からなり、上記吸音材は、第1マットと、上記第1マットの一部に積層された第2マットとを含み、上記排ガス浄化装置の外周面と上記カバーの内周面との間には、最小幅領域と、上記最小幅領域よりも広い幅広領域とがあり、上記幅広領域には、上記第1マットに上記第2マットが積層された部分が配置されていることを特徴とする。
本発明の吸音構造では、吸音材は、第1マットと、第1マットの一部に積層された第2マットとを含む。つまり、吸音材には薄い部分と厚い部分がある。
また、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間には、最小幅領域と、幅広領域とがある。さらに、幅広領域には、第1マットに第2マットが積層された部分が配置されている。
吸音材が1枚のマットからなると、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間の距離が一定でない場合、幅が相対的に広い部分では、幅の距離が広すぎ、排ガス浄化装置とカバーとの間を充分に吸音材で埋めることができず、吸音材不足になることがある。
しかし、本発明の吸音構造では、幅広領域には、第1マットに第2マットが積層された部分が配置されている。つまり、幅広領域には、吸音材の厚い部分が位置するように吸音材が配置される。
そのため、本発明の吸音構造では、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間の幅広領域を、吸音材で充分に埋めることができる。
本発明の吸音構造では、吸音材はアルミナ繊維からなるマットである。
アルミナ繊維は熱に強い繊維であるので、排ガス浄化装置からの熱が吸音材に伝わったとしても吸音材は劣化しにくい。そのため、長期間、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制することができる。
また、高温度域まで安定した吸音特性を得ることができる。
本発明の吸音構造では、上記第1マットの両主面には第1凹部が形成されていることが望ましい。
吸音材を構成する第1マットの両主面に第1凹部が形成されていると、第1マットの表面積を大きくすることができる。その結果、吸音材の表面積も大きくすることができる。そのため、音は吸音材に吸収されやすくなる。
また、このような第1凹部が形成されていると、吸音材とカバーとの間、吸音材と排ガス浄化装置との間、及び、第1マットと第2マットとの間に少しの空間を形成することができる。このような空間により振動が伝わりにくくなる。その結果、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制しやすくなる。
本発明の吸音構造では、上記第1凹部は、ニードルパンチ痕からなることが望ましい。
第1マットの両主面の第1凹部は、ニードルパンチングにより容易に形成することができる。また、ニードルパンチングによりアルミナ繊維を互いに交絡させることができ、第1マットの機械的強度を向上させることができる。
なお、本明細書において、「ニードルパンチ痕」とは、マットの表面にニードルパンチングをすることにより形成される凹部を意味する。
本発明の吸音構造では、上記第1凹部を形成するニードルパンチ痕は、曲線状であることが望ましい。
ニードルパンチ痕が曲線状であると、ニードルパンチ痕が直線状である場合と比較して、アルミナ繊維の交絡量が増加する。そのため、ニードルパンチ痕を曲線状とすることにより第1マットの機械的強度をより向上させることができる。
なお、「ニードルパンチ痕が曲線状である」とは、一つのニードルパンチ痕に着目し、その一つのニードルパンチ痕の吸音材内部の形状が曲線状であることを意味する。
本発明の吸音構造では、上記第1凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cmであることが望ましい。
第1凹部のニードルパンチ痕の密度が10個/cm未満であると、第1マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
第1凹部のニードルパンチ痕の密度が30個/cmを超えると、第1凹部を形成することによる音を吸収する効果が上限に近づき経済的でない。
また、ニードルパンチングの行い過ぎにより、第1マットの機械的強度が低下しやすくなる。
本発明の吸音構造では、上記第2マットの両主面には第2凹部が形成されていることが望ましい。
吸音材を構成する第2マットの両主面に第2凹部が形成されていると、第2マットの表面積を大きくすることができる。その結果、吸音材の表面積を大きくすることができる。そのため、音は吸音材に吸収されやすくなる。
また、このような第2凹部が形成されていると、吸音材とカバーとの間、及び、第1マットと第2マットとの間に少しの空間を形成することができる。このような空間により振動が伝わりにくくなる。その結果、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制しやすくなる。
本発明の吸音構造では、上記第2凹部は、ニードルパンチ痕からなることが望ましい。
第2マットの両主面の第2凹部は、ニードルパンチングにより容易に形成することができる。また、ニードルパンチングによりアルミナ繊維を互いに交絡させることができ、第2マットの機械的強度を向上させることができる。
本発明の吸音構造では、上記第2凹部を形成するニードルパンチ痕は、曲線状であることが望ましい。
ニードルパンチ痕が曲線状であると、ニードルパンチ痕が直線状である場合と比較して、アルミナ繊維の交絡量が増加する。そのため、ニードルパンチ痕を曲線状とすることにより第2マットの機械的強度をより向上させることができる。
本発明の吸音構造では、上記第2凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cmであることが望ましい。
第2凹部のニードルパンチ痕の密度が10個/cm未満であると、第2マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
第2凹部のニードルパンチ痕の密度が30個/cmを超えると、第2凹部を形成することによる音を吸収する効果が上限に近づき経済的でない。
また、ニードルパンチングの行い過ぎにより、第2マットの機械的強度が低下しやすくなる。
本発明の吸音構造では、上記第1凹部は、直線状に第1方向に配向しており、上記第2凹部は、直線状に第2方向に配向しており、上記第1方向と、上記第2方向とは異なる方向であることが望ましい。
第1方向と第2方向とが一致していると、第1凹部と第2凹部とが噛み合い各凹部が塞がれやすくなる。このように凹部が塞がれると、第1マットと第2マットとの間に空間を形成することができず、吸音材の吸音率が低下しやすくなる。
しかし、第1方向と第2方向とが異なる方向であると、第1凹部と第2凹部とは噛み合いにくくなる。そのため、吸音材の吸音率が向上する。
本発明の吸音構造では、上記第1マットと上記第2マットとは、無機接着剤により接着されていることが望ましい。
無機接着剤を用いることにより、容易に第1マットと第2マットとを固定することができる。
本発明の吸音構造では、上記第2マットは、上記カバーと接触するように配置されており、上記第2マットは上記カバーに無機接着剤により接着されていることが望ましい。
無機接着剤を用いることにより、第2マットを確実に幅広領域に配置させることができる。
本発明の吸音構造では、上記無機接着剤は、アルミナゾル又はシリカゾルであることが望ましい。
これら無機接着剤は耐熱性に優れるので、排ガス浄化装置から熱を受けたとしても劣化しにくい。
本発明の吸音構造では、上記第2マットにはさらに第3マットが積層され、上記第1マットの両主面には、直線状に第1方向に配向している第1凹部が形成されており、上記第2マットの両主面には、直線状に第2方向に配向している第2凹部が形成されており、上記第3マットの両主面には、直線状に第3方向に配向している第3凹部が形成されており、
上記第1方向と上記第2方向とは異なる方向であり、上記第2方向と上記第3方向とは異なる方向であることが望ましい。
第2マットにさらに第3マットが積層されていると、この部分で吸音材の厚さを大きくすることができる。そのため、この部分での吸音率を向上させることができる。
また、第1方向と第2方向とが異なる方向であると、第1凹部及び第2凹部は噛み合いにくくなる。さらに、第2方向と第3方向とが異なる方向であると、第2凹部及び第3凹部は噛み合いにくくなる。そのため、吸音材の吸音率が向上する。
本発明の吸音構造では、上記最小幅領域には、上記第1マットのみが配置されていることが望ましい。
最小幅領域に第1マットのみが配置されていると、この部分では、吸音材は圧縮されにくく密度が増加しにくい。そのため、吸音材の吸音率が低下しにくい。
図1(a)は、本発明の吸音構造に含まれる排ガス浄化装置の長手方向に平行な方向の断面の一例を模式的に示す断面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。 図2は、本発明の吸音構造の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、図2のB−B線断面図である。図3(b)は、図2のC−C線断面図である。 図4(a)は、ニードルパンチ痕が直線状である第1マットの一例を模式的に示す吸音材の断面図である。図4(b)は、ニードルパンチ痕が曲線状である第1マットの一例を模式的に示す吸音材の断面図である。 図5(a)は、第1凹部が直線状に第1方向に配向しており、第2凹部が直線状に第2方向に配向しており、第1方向と第2方向とが一致している吸音材の一例を模式的に示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)のD−D線断面図である。 図6(a)は、本発明の吸音構造において、第1凹部が直線状に第1方向に配向しており、第2凹部が直線状に第2方向に配向しており、第1方向と第2方向とは異なる方向である吸音材の一例を模式的に示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)のE−E線断面図である。 図7は、本発明の吸音構造において、第1凹部がニードルパンチ痕からなり、第1凹部が第1方向に配向している第1マットの一例を模式的に示す斜視図である。 図8(a)は、本発明の吸音構造を構成するためのカバーを組立てるためのカバー用部材の一例を説明するための変形仮想円柱の斜視図である。図8(b)は、図8(a)のF−F線断面図である。図8(c)は、図8(a)のG−G線断面図である。 図9(a)は、本発明の吸音構造を構成するカバーを組み立てるためのカバー用部材の一例を模式的に示す斜視図である。図9(b)は、図9(a)に示す複数のカバー用部材が組み立てられ、本発明の吸音構造を構成するカバーとなった状態の一例を模式的に示す斜視図である。 図10(a)及び(b)は、カバー用部材に吸音材を固定する工程の一例を模式的に示す図である。 図11(a)〜(c)は、吸音材が固定されたカバー用部材を排ガス浄化装置の外側に配設して吸音構造を組み立てる工程の一例を模式的に示す図である。
(発明の詳細な説明)
以下、詳述する。
本発明の吸音構造は、排ガス浄化装置と、上記排ガス浄化装置の外側に配置されたカバーと、上記カバーと上記排ガス浄化装置の間に配置された吸音材とからなる吸音構造であって、上記吸音材はアルミナ繊維からなり、上記吸音材は、第1マットと、上記第1マットの一部に積層された第2マットとを含み、上記排ガス浄化装置の外周面と上記カバーの内周面との間には、最小幅領域と、上記最小幅領域よりも広い幅広領域とがあり、上記幅広領域には、上記第1マットに上記第2マットが積層された部分が配置されている。
まず、本発明の吸音構造を構成する排ガス浄化装置の一例について説明する。
通常、排ガス浄化装置は、金属ケーシングと、金属ケーシングに収容された排ガス処理体と、排ガス処理体及び金属ケーシングの間に配設された保持シール材とを備えている。
排ガス処理体は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のものである。なお、金属ケーシングの端部には、内燃機関から排出された排ガスを導入する排気管と排ガス浄化装置を通過した排ガスが外部に排出される排気管とが接続されることになる。
上記排ガス浄化装置に含まれる排ガス処理体の一例について説明する。
排ガス処理体の形状は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム状の形状であってもよい。
また、排ガス処理体は、炭化ケイ素や窒化ケイ素などの非酸化多孔質セラミックから形成されていてもよく、サイアロン、アルミナ、コージェライト、ムライト等の酸化多孔質セラミックから形成されていてもよい。これらの中では、耐熱性及び耐久性の観点から炭化ケイ素であることが望ましい。
また、排ガス処理体は、モノリス状であってもよく、複数のユニットが接着材層を介して結束されてなる集合型であってもよい。
排ガス処理体の形状は、例えば、円柱形、楕円柱形状、角柱形状等の任意の形状であってもよい。
通常、排ガス処理体には、排ガスを浄化するための触媒が担持されている。排ガス処理体に担持される触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、酸化セリウム等の金属酸化物等があげられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
内燃機関から排出された排ガスが、排ガス浄化装置の内部の排ガス処理体に到達すると、排ガスは、排ガス処理体の排ガス流入側の端面に開口した貫通孔に流入することになる。さらに、排ガスは、隔壁に担持された触媒に接触しながら貫通孔の中を通過する。この際、排ガス中のCOやHC、NO等の有害なガス成分が隔壁に担持された触媒により浄化される。そして、排ガスは、排ガス処理体の排ガス流出側の端面に開口した貫通孔から流出する。
上記排ガス浄化装置に含まれる保持シール材の一例について説明する。
保持シール材は、無機繊維からなるマットであることが望ましい。
また、特に限定されないが、無機繊維は、アルミナ繊維や、シリカ繊維や、ガラス繊維や、生体溶解性繊維等からなることが望ましい。
無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維及びガラス繊維の少なくとも1種である場合には、耐熱性に優れているので、保持シール材が高温になった場合であっても、変質等が発生することはなく、保持シール材としての機能を充分に維持することができる。また、無機繊維が生体溶解性繊維である場合には、保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際に、飛散した無機繊維を吸入等しても、生体内で溶解するため、作業員の健康に害を及ぼすことがない。
上記排ガス浄化装置に含まれる金属ケーシングの一例について説明する。
金属ケーシングの形状としては、内径が、排ガス処理体に保持シール材が巻き付けられた巻付体の直径よりも短く、円筒状であることが望ましい。このような形状であると、巻付体を金属ケーシングに配設した際に、巻付体をしっかりと固定することができる。
また、金属ケーシングは、両端部の内径が中央部の内径よりも小さい円筒状であってもよいし、内径が一定である円筒状であってもよい。
金属ケーシングは、特に限定されないが、耐熱性が高いステンレス等の金属からなることが望ましい。
次に、排ガスが、本発明の吸音構造を構成する排ガス浄化装置を通過する場合の一例について説明する。
図1(a)は、本発明の吸音構造に含まれる排ガス浄化装置の長手方向に平行な方向の断面の一例を模式的に示す断面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)及び(b)に示すように、排ガス浄化装置10は、金属ケーシング11と、金属ケーシング11に収容された排ガス処理体12と、排ガス処理体12及び金属ケーシング11の間に配設された保持シール材13とを備えている。
排ガス処理体12は、多数の貫通孔15が隔壁16を隔てて長手方向に並設された円柱状であり、隔壁16には触媒17が担持されている。
内燃機関から排出された排ガス(図1(a)中、排ガスをGで示し、流れを矢印で示す)が、排ガス浄化装置10の内部の排ガス処理体12に到達すると、排ガスは、排ガス処理体12の排ガス流入側の端面に開口した貫通孔15に流入する。さらに、排ガスは、隔壁16に担持された触媒17に接触しながら貫通孔15の中を通過する。この際、排ガス中のCOやHC、NO等の有害なガス成分が隔壁16に担持された触媒17により浄化される。そして、排ガスは、排ガス処理体12の排ガス流出側の端面に開口した貫通孔15から流出する。
排ガス処理体12は、多数の貫通孔15を有するので、排ガスが接触する部分の表面積が大きくなる。そのため、排ガスが排ガス処理体12を通過する際、大きな透過音が発生する。
なお、上記排ガス浄化装置に含まれる排ガス処理体の一例として、貫通孔を有し、触媒が担持された触媒担体として機能する排ガス処理体を説明したが、上記排ガス浄化装置に含まれる排ガス処理体は、各々の貫通孔におけるいずれか一方の端面が封止材によって目封じされた排ガスフィルタ(ハニカムフィルタ)として機能する排ガス処理体であってもよい。
ハニカムフィルタを用いることにより、排ガスに含まれるスス等のパティキュレートを捕集することができる。
次に、本発明の吸音構造の一例について説明する。
上記の通り、本発明の吸音構造は、排ガス浄化装置と、上記排ガス浄化装置の外側に配置されたカバーと、上記カバーと上記排ガス浄化装置の間に配置された吸音材とからなる吸音構造であって、上記吸音材はアルミナ繊維からなり、上記吸音材は、第1マットと、上記第1マットの一部に積層された第2マットとを含み、上記排ガス浄化装置の外周面と上記カバーの内周面との間には、最小幅領域と、上記最小幅領域よりも広い幅広領域とがあり、上記幅広領域には、上記第1マットに上記第2マットが積層された部分が配置されている。
本発明の吸音構造では、吸音材は、第1マットと、第1マットの一部に積層された第2マットとを含む。つまり、吸音材には薄い部分と厚い部分がある。
また、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間には、最小幅領域と、幅広領域とがある。さらに、幅広領域には、第1マットに第2マットが積層された部分が配置されている。
吸音材が1枚のマットからなると、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間の距離が一定でない場合、幅が相対的に広い部分では、幅の距離が広すぎ、排ガス浄化装置とカバーとの間を充分に吸音材で埋めることができず、吸音材不足になることがある。
しかし、本発明の吸音構造では、幅広領域には、第1マットに第2マットが積層された部分が配置されている。つまり、幅広領域には、吸音材の厚い部分が位置するように吸音材が配置される。
そのため、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間の幅広領域を、吸音材で充分に埋めることができる。
また、本発明の吸音構造では、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間にある最小幅領域に、吸音材の第1マットがあれば、どのように第1マットが配置されていてもよい。例えば、最小幅領域に第1マットのみが配置されていてもよく、カバーの内周面と第1マットとが接するように第1マットを配置し、さらに、第1マットと排ガス浄化装置の外周面との間に耐熱性等を有する機能性マットを配置してもよい。これらの中では、最小幅領域に第1マットのみが配置されていることが望ましい。
最小幅領域に第1マットのみが配置されていると、この部分では、吸音材は圧縮されにくく密度が増加しにくい。そのため、吸音材の吸音率が低下しにくい。
本発明の吸音構造では、第2マットはカバーに無機接着剤により接着されていることが望ましい。
無機接着剤を用いることにより、第2マットを確実に幅広領域に配置させることができる。
また、本発明の吸音構造では、第1マットは、排ガス浄化装置に無機接着剤により接着されていることが望ましい。
無機接着剤を用いることにより、第1マットをしっかりと固定することができ、使用中に吸音材がずれることを防ぐことができる。
このような無機接着剤としては、アルミナゾル又はシリカゾルであることが望ましい。
これら無機接着剤は耐熱性に優れるので、排ガス浄化装置から熱を受けたとしても劣化しにくい。
本発明の吸音構造では、吸音材はアルミナ繊維からなるマットである。
アルミナ繊維は熱に強い繊維であるので、排ガス浄化装置からの熱が吸音材に伝わったとしても吸音材は劣化しにくい。そのため、長期間、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制することができる。
また、高温度域まで安定した吸音特性を得ることができる。
なお、アルミナ繊維としては、アルミナ−シリカ組成を有するアルミナ繊維であることが望ましく、その組成比が重量比でAl:SiO=60:40〜80:20であることが望ましく、Al:SiO=70:30〜74:26であることがより望ましい。
このような吸音構造を図面を用いてさらに詳しく説明する。
図2は、本発明の吸音構造の一例を模式的に示す斜視図である。
図3(a)は、図2のB−B線断面図である。図3(b)は、図2のC−C線断面図である。
図2並びに図3(a)及び(b)に示すように、吸音構造1は、排ガス浄化装置10と、排ガス浄化装置10の外側に配設されたカバー20と、カバー20と排ガス浄化装置10の間に配置された吸音材30とからなる吸音構造であって、吸音材30は、アルミナ繊維からなるマットであり、吸音材30は、第1マット40と、第1マット40の一部に積層された第2マット50とを含み、排ガス浄化装置10の外周面19とカバー20の内周面21との間には、最小幅領域61と、最小幅領域61よりも広い幅広領域62とがあり、幅広領域62には、第1マット40に第2マット50が積層された部分が配置されている。また、排ガス浄化装置10には、排気管71が接続されている。
なお、排ガス浄化装置10の内部構造は既に説明した通りである。
次に、本発明の吸音構造を構成するカバーについて説明する。
本発明の吸音構造を構成するカバーは、排ガス浄化装置の外側に配設されており、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間に、最小幅領域と、幅広領域とが形成できればどのような形状であってもよい。また、排ガス浄化装置全体を覆うように配設されていることが望ましい。
カバーの形状は、特に限定されず、周囲に配設される他の機械・装置の形状等に合わせ、一部が凹んだ形状であってもよく、一部が突出した形状であってもよい。
本発明の吸音構造を構成するカバーは、特に限定されないが、ステンレス、アルミニウム等の金属からなっていてもよく、アルムニウムメッキ鋼板であってもよい。カバーがアルミニウムからなる場合、カバーはコルゲート加工されていることが望ましい。
次に本発明の吸音構造の吸音材を構成する第1マットについて説明する。
本発明の吸音構造では、吸音材が排ガス浄化装置の周囲に配置されることになるが、この際、吸音材の第1マットの一方の主面と排ガス浄化装置の外周面とが接触することになる。そして、排ガス浄化装置の外周面と接触する第1マットの主面と反対側の第1マットの主面の一部に、第2マットが積層されることになる。
第1マットの厚さは、特に限定されないが、6〜12mmであることが望ましい。
第1マットの厚さが6mm未満であると、排ガス浄化装置と、カバーとの間を充分に吸音材で埋めにくくなり、吸音材不足になりやすい。また、第1マットの強度も低くなりやすい。
第1マットの厚さが12mmを超えると、第1マットが圧縮されやすくなり吸音率が低下しやすくなる。
第1マットは、さらに無機粒子を含むことが望ましい。
第1マットが無機粒子を含むと、アルミナ繊維同士は、無機粒子を通じて接しやすくなる。そのため、第1マットの機械的強度が向上する。
第1マットが無機粒子を含む場合、その含有量は、吸音材の重量に対し0.5〜3.0重量%であることが望ましい。
無機粒子としては、特に限定されないが、アルミナゾルや、シリカゾル等であることが望ましい。
第1マットは、さらに、有機バインダ等を含んでいてもよい。
有機バインダとしては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、アクリレート系ラテックス、ゴム系ラテックス、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコール等の水溶性有機重合体、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等があげられる。
第1マットの嵩密度は、0.18〜0.4g/cmであることが望ましい。
第1マットの嵩密度が0.18g/cm未満であると、第1マットの強度が低くなりやすい。
第1マットの嵩密度が0.4g/cmを超えると、音を反射しやすくなり音を吸収しにくくなる。
第1マットの両主面には第1凹部が形成されていることが望ましい。
吸音材を構成する第1マットの両主面に第1凹部が形成されていると、第1マットの表面積を大きくすることができる。その結果、吸音材の表面積も大きくすることができる。そのため、音は吸音材に吸収されやすくなる。
また、このような第1凹部が形成されていると、吸音材とカバーとの間、吸音材と排ガス浄化装置との間、及び、第1マットと第2マットとの間に少しの空間を形成することができる。このような空間により振動が伝わりにくくなる。その結果、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制しやすくなる。
このような、第1凹部としては、第1マットをニードルパンチングして形成されるニードルパンチ痕や、第1マットの主面を所定深さに切断して形成される溝状のスリット部等があげられる。これらの中ではニードルパンチ痕であることが望ましい。
第1マットの両主面の第1凹部がニードルパンチ痕からなる場合、第1凹部はニードルパンチングにより容易に形成することができる。
また、ニードルパンチングによりアルミナ繊維を互いに交絡させることができ、第1マットの機械的強度を向上させることができる。
本発明の吸音構造では、第1凹部を形成するニードルパンチ痕の形状は、特に限定されず、直線状であってもよく、曲線状であってもよいが、ニードルパンチ痕は、曲線状であることが望ましい。
ニードルパンチ痕が曲線状であると、ニードルパンチ痕が直線状である場合と比較して、アルミナ繊維の交絡量が増加する。そのため、ニードルパンチ痕を曲線状とすることにより第1マットの機械的強度をより向上させることができる。
なお、本発明の吸音構造では、第1マットに、直線状のニードルパンチ痕と曲線状のニードルパンチ痕とが混在していてもよく、どちらか一方のみが形成されていてもよい。
また、ニードルパンチ痕が曲線状である場合、ニードルパンチ痕は、一様に同じように湾曲した形状であってもよく、それぞれが異なるように湾曲した形状であってもよい。
また、ニードルパンチ痕が直線状である場合、ニードルパンチ痕は、第1マットの主面に対し垂直に形成されていてもよく、斜めに形成されていてもよい。
このようなニードルパンチ痕の形状を、以下に、図面を用いて説明する。
図4(a)は、ニードルパンチ痕が直線状である第1マットの一例を模式的に示す吸音材の断面図である。図4(b)は、ニードルパンチ痕が曲線状である第1マットの一例を模式的に示す吸音材の断面図である。
なお、図4(a)及び(b)は、吸音構造1に配設される前の状態の第1マットを示している。
図4(a)では、第1マット40に、直線状のニードルパンチ痕43が形成されている。
また、図4(b)では、第1マット40に、曲線状のニードルパンチ痕43が形成されている。
本発明の吸音構造では、ニードルパンチ痕の形状は、図4(a)に示すように直線状であってもよく、図4(b)に示すように曲線状であってもよい。
本発明の吸音構造では、上記第1凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cmであることが望ましい。
第1凹部であるニードルパンチ痕の密度が10個/cm未満であると、第1マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
第1凹部であるニードルパンチ痕の密度が30個/cmを超えると、第1凹部を形成することによる音を吸収する効果が上限に近づき経済的でない。
また、ニードルパンチングの行い過ぎにより、第1マットの機械的強度が低下しやすくなる。
なお、ニードルパンチ痕は、第1マットの一部に集中して形成されていてもよく、均等に分散して形成されていてもよい。
第1マットの両主面の第1凹部が溝状のスリット部からなる場合、第1凹部は、第1マットの両主面を所定深さに切断することにより容易に形成することができる。
第1凹部である溝状のスリット部の間隔は、3〜30mmであることが望ましい。
溝状のスリット部の間隔が、3mm未満であると、溝状のスリット部を形成しすぎることになり、第1マットの強度が低下する。
第1凹部である溝状のスリット部の間隔が、30mmを超えると、溝状のスリット部の間隔が空きすぎることになり、第1マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
第1凹部である溝状のスリット部の深さは、第1マットの厚さの20〜60%であることが望ましい。
溝状のスリット部の深さが、第1マットの厚さの20%未満であると、第1マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
溝状のスリット部の深さが、第1マットの厚さの60%を超えると、溝状のスリット部が深すぎるので、第1マットが溝状のスリット部で裂けやすくなる。
第1凹部である溝状のスリット部の切断面には無機粒子が付着していることが望ましい。
溝状のスリット部の切断面に無機粒子が付着していると、溝状のスリット部の切断面を固くすることができ、機械的強度を向上させることができる。その結果、第1マットが溝状のスリット部で裂けることを抑制することができる。
無機粒子としては、特に限定されないが、アルミナゾルや、シリカゾル等であることが望ましい。
次に本発明の吸音構造の吸音材を構成する第2マットについて説明する。
本発明の吸音構造では、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間には、最小幅領域と、幅広領域とがあり、幅広領域には、第1マットに第2マットが積層された部分が配置される。
第2マットは、第1マットに積層されるので、第2マットの一方の主面は第1マットの主面と接触することになる。また、第1マットの主面と接触する主面と反対側の第2マットの主面は、カバーの内周面に接触することになる。
第2マットの厚さは、特に限定されず、幅広領域の幅に合わせて決定することが望ましい。
第2マットは、さらに無機粒子を含むことが望ましい。
第2マットが無機粒子を含むと、アルミナ繊維同士は、無機粒子を通じて接しやすくなる。そのため、第2マットの機械的強度が向上する。
第2マットが無機粒子を含む場合、その含有量は、吸音材の重量に対し0.5〜3.0重量%であることが望ましい。
無機粒子としては、特に限定されないが、アルミナゾルや、シリカゾル等であることが望ましい。
第2マットは、さらに、有機バインダ等を含んでいてもよい。
有機バインダとしては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、アクリレート系ラテックス、ゴム系ラテックス、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコール等の水溶性有機重合体、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等があげられる。
本発明の吸音構造において、第2マットの嵩密度は、0.18〜0.4g/cmであることが望ましい。
第2マットの嵩密度が0.18g/cm未満であると、第2マットの強度が低くなりやすい。
第2マットの嵩密度が0.4g/cmを超えると、音を反射しやすくなり音を吸収しにくくなる。
第2マットの両主面には第2凹部が形成されていることが望ましい。
吸音材を構成する第2マットの両主面に第2凹部が形成されていると、第2マットの表面積を大きくすることができる。その結果、吸音材の表面積も大きくすることができる。そのため、音は吸音材に吸収されやすくなる。
また、このような第2凹部が形成されていると、吸音材とカバーとの間、及び、第1マットと第2マットとの間に少しの空間を形成することができる。このような空間により振動が伝わりにくくなる。その結果、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制しやすくなる。
このような、第2凹部としては、第2マットをニードルパンチングして形成されるニードルパンチ痕や、第2マットの主面を所定深さに切断して形成される溝状のスリット部等があげられる。これらの中ではニードルパンチ痕であることが望ましい。
第2マットの両主面の第2凹部がニードルパンチ痕からなる場合、第2凹部はニードルパンチングにより容易に形成することができる。
また、ニードルパンチングによりアルミナ繊維を互いに交絡させることができ、第2マットの機械的強度を向上させることができる。
本発明の吸音構造では、上記第2凹部を形成するニードルパンチ痕の形状は、特に限定されず、直線状であってもよく、曲線状であってもよいが、ニードルパンチ痕は、曲線状であることが望ましい。
ニードルパンチ痕が曲線状であると、ニードルパンチ痕が直線状である場合と比較して、アルミナ繊維の交絡量が増加する。そのため、ニードルパンチ痕を曲線状とすることにより第2マットの機械的強度をより向上させることができる。
なお、本発明の吸音構造では、第2マットに、直線状のニードルパンチ痕と曲線状のニードルパンチ痕とが混在していてもよく、どちらか一方のみが形成されていてもよい。
また、ニードルパンチ痕が曲線状である場合、ニードルパンチ痕は、一様に同じように湾曲した形状であってもよく、それぞれが異なるように湾曲した形状であってもよい。
また、ニードルパンチ痕が直線状である場合、ニードルパンチ痕は、第2マットの主面に対し垂直に形成されていてもよく、斜めに形成されていてもよい。
第2凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cmであることが望ましい。
第2凹部であるニードルパンチ痕の密度が10個/cm未満であると、第2マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
第2凹部であるニードルパンチ痕の密度が30個/cmを超えると、第2凹部を形成することによる音を吸収する効果が上限に近づき経済的でない。
また、ニードルパンチングの行い過ぎにより、第2マットの機械的強度が低下しやすくなる。
なお、ニードルパンチ痕は、第2マットの一部に集中して形成されていてもよく、均等に分散して形成されていてもよい。
第2マットの両主面の第2凹部が溝状のスリット部からなる場合、第2凹部は、第2マットの両主面を所定深さに切断することにより容易に形成することができる。
第2凹部である溝状のスリット部の間隔は、3〜30mmであることが望ましい。
溝状のスリット部の間隔が、3mm未満であると、溝状のスリット部を形成しすぎることになり、第2マットの強度が低下する。
第2凹部である溝状のスリット部の間隔が、30mmを超えると、溝状のスリット部の間隔が空きすぎることになり、第2マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
第2凹部である溝状のスリット部の深さは、第2マットの厚さの20〜60%であることが望ましい。
溝状のスリット部の深さが、第2マットの厚さの20%未満であると、第2マットの表面積を充分に大きくしにくい。その結果、充分に音を吸収しにくくなる。
溝状のスリット部の深さが、第2マットの厚さの60%を超えると、溝状のスリット部が深すぎるので、第2マットが溝状のスリット部で裂けやすくなる。
第2凹部である溝状のスリット部の切断面には無機粒子が付着していることが望ましい。
溝状のスリット部の切断面に無機粒子が付着していると、溝状のスリット部の切断面を固くすることができ、機械的強度を向上させることができる。その結果、第2マットが溝状のスリット部で裂けることを抑制することができる。
無機粒子としては、特に限定されないが、アルミナゾルや、シリカゾル等であることが望ましい。
次に、第1マット及び第2マットから形成される吸音材について説明する。
吸音材は、第1マットと、第1マットの一部に積層された第2マットとからなる。
本発明の吸音構造を構成する吸音材において、第1マットに、第2マットを積層する方法は特に限定されないが、例えば、無機接着剤により接着することや、糸等により縫い付けることがあげられる。
これらの中では、第1マットと第2マットとは、無機接着剤により接着されていることが望ましい。
無機接着剤を用いることにより、容易に第1マットに第2マットを積層することができる。
無機接着剤としては、特に限定されないが、アルミナゾル又はシリカゾルであることが望ましい。
これら無機接着剤は耐熱性に優れるので、排ガス浄化装置から熱を受けたとしても劣化しにくい。
また、第1マットに第1凹部が形成されており、第2マットに第2凹部が形成されている場合、上記第1凹部は、直線状に第1方向に配向しており、上記第2凹部は、直線状に第2方向に配向しており、上記第1方向と、上記第2方向とは異なる方向であることが望ましい。
第1方向と第2方向とが一致していると、第1凹部と第2凹部とが噛み合い各凹部が塞がれやすくなる。このように凹部が塞がれると、第1マットと第2マットとの間に空間を形成することができず、吸音材の吸音率が低下しやすくなる。
しかし、第1方向と第2方向とが異なる方向であると、第1凹部と第2凹部とは噛み合いにくくなる。そのため、吸音材の吸音率が向上する。
このことを図面を用いて以下に説明する。
図5(a)は、第1凹部が直線状に第1方向に配向しており、第2凹部が直線状に第2方向に配向しており、第1方向と第2方向とが一致している吸音材の一例を模式的に示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)のD−D線断面図である。
図6(a)は、本発明の吸音構造において、第1凹部が直線状に第1方向に配向しており、第2凹部が直線状に第2方向に配向しており、第1方向と第2方向とは異なる方向である吸音材の一例を模式的に示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)のE−E線断面図である。
なお、図5(a)及び(b)、並びに、図6(a)及び(b)に示す吸音材は、吸音構造に配置される前の状態を示している。
図5(a)及び(b)に示すように、第1マット40に第1凹部41が直線状に第1方向42´に配向しており、第2マット50に第2凹部51が直線状に第2方向52´に配向しており、第1方向42´と第2方向52´とが一致していると、第1凹部41と第2凹部51とが噛み合い、第1凹部41及び第2凹部51が塞がれやすくなる。
一方、図6(a)及び(b)に示すように、第1マット40に第1凹部41が直線状に第1方向42に配向しており、第2マット50に第2凹部51が直線状に第2方向52に配向しており、第1方向42と第2方向52とが異なる方向であると、第1凹部41と第2凹部51とは噛み合いにくくなる。
第1方向と第2方向との角度は特に限定されないが、第1方向と第2方向との角度が0〜90°の間で、15°以上であることが望ましく、45°以上であることがより望ましい。
第1方向と第2方向との角度が0〜90°の間で15°未満であると、第1方向と第2方向とが平行に近づき、第1凹部と第2凹部とが噛み合い各凹部が塞がれやすくなる。
なお、第1凹部がニードルパンチ痕からなる場合、本明細書において「第1凹部が第1方向に配向している」とは、隣り合うニードルパンチ痕同士の距離が最も短くなるように、所定の方向にニードルパンチ痕が並んでいることを意味する。第2凹部がニードルパンチ痕からなる場合も同様である。
第1凹部がニードルパンチ痕からなる場合の「第1凹部が第1方向に配向している」状態について図面を用いて以下に説明する。
図7は、本発明の吸音構造において、第1凹部がニードルパンチ痕からなり、第1凹部が第1方向に配向している第1マットの一例を模式的に示す斜視図である。
なお、図7は、第2マットが積層される前であり、かつ、吸音構造に配置される前の状態の第1マットを示している。
図7に示す第1マット40には、第1凹部41が形成されており、第1凹部41はニードルパンチ痕43である。「第1凹部が第1方向に配向している」とは、図7に示すように、隣り合うニードルパンチ痕43同士の距離が最も短くなるように、第1方向42にニードルパンチ痕43が並んでいることを意味する。
これまで、吸音材が、第1マット及び第2マットからなる場合について説明してきたが、本発明の吸音材では、第2マットにさらに第3マットが積層されていてもよく、更に多数のマットが順に積層されていてもよい。
積層するマットの枚数を変更することにより、カバーがどのような形状であってもカバーの内周面と排ガス浄化装置の外周面との間を吸音材により確実に埋めることができる。
そのため、吸音率を向上させることができる。
また、吸音材が、第1マット、第2マット及び第3マットが積層されてなる場合、第1マットの両主面には、直線状に第1方向に配向している第1凹部が形成されており、第2マットの両主面には、直線状に第2方向に配向している第2凹部が形成されており、第3マットの両主面には、直線状に第3方向に配向している第3凹部が形成されており、第1方向と第2方向とは異なる方向であり、第2方向と第3方向とは異なる方向であることが望ましい。
第2マットにさらに第3マットが積層されていると、この部分で吸音材の厚さを大きくすることができる。そのため、この部分での吸音率を向上させることができる。
また、第1方向と第2方向とが異なる方向であると、第1凹部及び第2凹部は噛み合いにくくなる。さらに、第2方向と第3方向とが異なる方向であると、第2凹部及び第3凹部は噛み合いにくくなる。そのため、吸音材の吸音率が向上する。
同様に、吸音材が3枚以上のマットが積層されてなる場合も、各マットには所定の方向に配向している凹部が形成されており、隣り合うマットにおいて、各マットに形成された凹部が配向している方向は異なる方向であることが望ましい。
なお、第3凹部としては、第3マットをニードルパンチングして形成されるニードルパンチ痕や、第3マットの主面を所定深さに切断して形成される溝状のスリット部等があげられる。
第3凹部がニードルパンチ痕から形成される場合、ニードルパンチ痕は直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
次に、本発明の吸音構造の製造方法の一例について説明する。
本発明の吸音材の製造方法は、排ガス浄化装置を準備する排ガス浄化装置準備工程と、吸音材用マットを準備するマット準備工程と、カバー用部材を準備するカバー用部材準備工程と、吸音材をカバー用部材の内周面に固定する吸音材固定工程と、吸音材が固定されたカバー用部材を排ガス浄化装置の外側に配設して組み立てることにより吸音構造を製造する組立工程とを含んでいてもよい。以下、各工程について説明する。
<排ガス浄化装置準備工程>
本工程では、金属ケーシングと、金属ケーシングに収容された排ガス処理体と、排ガス処理体及び金属ケーシングの間に配設された保持シール材とを備える排ガス浄化装置を準備する。
金属ケーシング、排ガス処理体及び保持シール材の製造方法は、従来の方法を採用することができ、排ガス浄化装置の組立方法も従来の方法を採用することができる。
<マット準備工程>
本工程では、アルミナ繊維からなるマットを準備する。マットを準備する方法は特に限定されない。以下に、抄造法によるマットを準備する方法を説明する。以下に説明する抄造法は、混合液調製ステップと、脱水ステップと、加熱加圧ステップとを含む。
(混合液調製ステップ)
まず、アルミナ繊維と、無機バインダと、水とを混合し、攪拌機で撹拌することにより混合液を調製する。この際、必要に応じて無機粒子や、有機バインダも混合してもよい。
(脱水ステップ)
次に、底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込んだ後に、混合液中の水を、メッシュを介して脱水することにより原料シートを作製する。
(加熱加圧ステップ)
次に、原料シートを加熱加圧し、マットを作製する。また、加熱加圧の際、熱風を原料シートに通気させて乾燥する熱処理をしてもよく、熱処理をせずに湿潤状態としてもよい。
以上のステップを経てアルミナ繊維からなるマットを準備することができる。
また、本工程では、アルミナ繊維からなる素地マットを準備し、必要に応じて有機バインダや無機粒子等を含浸させてもよい。
このように準備したマットを所定の大きさに裁断し、第1マット及び第2マットを準備することができる。
なお、準備した第1マット及び第2マットの両主面に凹部を形成してもよい。
凹部としてニードルパンチ痕を形成する場合には、通常のニードルパンチング処理方法を採用することができる。
なお、ニードルパンチング処理は、各マットを搬送させながら行うことが望ましい。
このようにニードルパンチング処理を行うことにより、曲線状のニードルパンチ痕を形成することができる。
凹部として溝状のスリット部を形成する場合には、カッター等の切断器具・装置を用いて各マットの両主面を所定の深さで切断する方法を採用することができる。
<カバー用部材準備工程>
本工程では、カバー用部材を準備する。
カバー用部材とは、複数の部材からなり各部材を組み立てると、排ガス浄化装置を覆うカバーとすることができる部材、又は、単独で排ガス浄化装置を覆うことができる部材を意味する。
複数の部材からなり各部材を組み立てると、排ガス浄化装置を覆うカバーとすることができる部材としては、例えば、以下の形状があげられる。
まず、軸が水平方向に横たわった中身が空洞の変形仮想円柱を考える。
この変形仮想円柱には、変形仮想円柱の右端近傍の側面に円周方向に沿って一周する右端部凸部が形成されており、変形仮想円柱の左端部近傍の側面に円周方向に沿って一周する左端部凸部が形成されており、右端部凸部と左端部凸部を連結するように変形仮想円柱の高さ方向に沿って4つの側面凸部が形成されており、この4つの側面凸部は変形仮想円柱の円周に沿って等間隔に配置されており、変形仮想円柱の底面の中心には円形の穴が形成されている。
この変形仮想円柱を変形仮想円柱の中心軸を中心に2等分した形状が、カバー用部材の形状としてあげられる。
このような、カバー用部材の一例を図面を用いて詳しく説明する。
図8(a)は、本発明の吸音構造を構成するためのカバーを組立てるためのカバー用部材の一例を説明するための変形仮想円柱の斜視図である。図8(b)は、図8(a)のF−F線断面図である。図8(c)は、図8(a)のG−G線断面図である。
図9(a)は、本発明の吸音構造を構成するカバーを組み立てるためのカバー用部材の一例を模式的に示す斜視図である。図9(b)は、図9(a)に示す複数のカバー用部材が組み立てられ、本発明の吸音構造を構成するカバーとなった状態の一例を模式的に示す斜視図である。
図8(a)〜(c)に示す変形仮想円柱80には、変形仮想円柱80の右端部81近傍の側面に円周方向に沿って一周する右端凸部82が形成されており、変形仮想円柱80の左端部83近傍の側面に円周方向に沿って一周する左端凸部84が形成されており、右端凸部82と左端凸部84を連結するように変形仮想円柱80の高さ方向に沿って4つの側面凸部85a、85b、85c及び85dが順に形成されており、側面凸部85a、85b、85c及び85dは、変形仮想円柱80の円周に沿って等間隔に配置されており、変形仮想円柱80の底面86の中心に円形の穴87が形成されている。
図9(a)に示すカバー用部材25a及び25bは、図8(a)〜(c)に示す変形仮想円柱80を、側面凸部85aから側面凸部85bまでの部分の等分点、並びに、側面凸部85cから側面凸部85dまで部分の等分点を通る線により変形仮想円柱80を2等分した形状である。
図9(b)に示すように、カバー用部材25a及び25bを組み立てると、カバー20となる。
<吸音材固定工程>
本工程では、吸音材をカバー用部材の内周面に固定する。
なお、カバー用部材の内周面とは、本発明の吸音構造を組み立てた際に、カバーの内周面に位置することになるカバー用部材の部分のことを意味する。
上記の通り、カバー用部材には凸部がある。すなわち、この凸部は、カバーの内周面側からみると凹部となる。
本工程では、まず、このカバー用部材の凸部に内周面側から第2マットを固定する。
その後、第1マットを、カバー用部材の内周面に固定することで、第2マットを第1マットに積層する。
これにより、第1マット及び第2マットを吸音材とすることができ、カバー用部材の内周面に吸音材を固定することができる。
この吸音材固定工程の一例を図面を用いて以下に詳しく説明する。
図10(a)及び(b)は、カバー用部材に吸音材を固定する工程の一例を模式的に示す図である。
まず、図10(a)に示すように、カバー用部材25a及び25bの右端凸部82、左端凸部84、並びに、側面凸部85a、85b、85c及び85dにカバー用部材25a及び25bの内周面26a及び26b側から第2マット50を固定する。
その後、図10(b)に示すように第1マットを40、カバー用部材25a及び25bの内周面26a及び26bに固定することで、第2マット50を第1マット40に積層する。
これにより、第1マット40及び第2マット50を吸音材30とすることができ、カバー用部材25a及び25bの内周面26a及び26bに吸音材30を固定することができる。
また、図10(a)及び(b)において、第1マット40にはニードルパンチ痕43からなる第1凹部41が形成されており、第2マット50にはニードルパンチ痕53からなる第2凹部51が形成されているが、本発明の吸音構造において、第1凹部及び第2凹部は、各マットの主面を所定深さに切断して形成される溝状のスリット部であってもよい。
なお、図10(a)及び(b)において、第2マット50は、分離した形状であるが、本発明の吸音構造において、第2マットは、繋がった形状であってもよい。
また、第1マット及び第2マットを固定する際は、無機接着剤を用いることとが望ましい。
また、第1マット及び第2マットにそれぞれ第1凹部及び第2凹部が形成されている場合であり、第1凹部は、直線状に第1方向に配向しており、第2凹部は、直線状に第2方向に配向している場合は、本工程において、第1方向と、第2方向とが異なる方向になるように第2マットを第1マットに積層することが望ましい。
<組立工程>
本工程では、吸音材が固定されたカバー用部材を排ガス浄化装置の外側に配設して吸音構造を組み立てる。
まず、排ガス浄化装置に排気管を接続し、排ガス浄化装置の位置を固定する。
次に、排ガス浄化装置の周囲に、吸音材が固定されたカバー用部材を配置し、外部の別の部位を介してカバー用部材を固定する。
この際、排ガス浄化装置の外周面に無機接着剤を塗り、吸音材と排ガス浄化装置とをしっかりと接着してもよい。
なお、外部の別の部位とは、例えば、排ガス浄化装置の周囲に位置する自動車の内部構造(排気管や内壁等)のことを意味する。
カバー用部材が複数の部材からなる場合には、各カバー用部材を溶接して接続してもよく、ボルト及びナット等の固定具を用いて接続してもよい。
以下に、外部の別の部位として排気管を用い、カバー用部材の固定手段として溶接を用いる場合を説明する。
まず、排ガス浄化装置に排気管を接続し、排ガス浄化装置の位置を固定する。
次に、排ガス浄化装置の周囲に、吸音材が固定されたカバー用部材を配置する。
次に、カバー用部材を排気管に溶接することにより吸音構造を組み立てることができる。
この組立工程の一例を図面を用いて以下に詳しく説明する。
図11(a)〜(c)は、吸音材が固定されたカバー用部材を排ガス浄化装置の外側に配設して吸音構造を組み立てる工程の一例を模式的に示す図である。
まず、図11(a)に示すように、排ガス浄化装置10に排気管71を接続し、排ガス浄化装置10の位置を固定する。
次に、図11(b)に示すように、排ガス浄化装置10の周囲に、吸音材30が固定されたカバー用部材25a及び25bを配設する。
次に、図11(c)に示すように、カバー用部材25a及び25bを排気管71に溶接することにより吸音構造1を組み立てることができる。
以上の工程を経て、本発明の吸音構造を製造することができる。
なお、上記工程では、第2マットをカバーの内周面に固定した後、第1マットと第2マットを積層したが、本発明の吸音構造を製造する方法では、第2マットを、第1マットに積層し吸音材とし、その後、吸音材をカバーの内周面に固定してもよい。
以下、本発明の吸音構造について作用効果を記載する。
(1)本発明の排ガス浄化装置では、吸音材は、第1マットと、第1マットの一部に積層された第2マットとを含む。つまり、吸音材には薄い部分と厚い部分がある。
また、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間には、最小幅領域と、幅広領域とがある。さらに、幅広領域には、第1マットに第2マットが積層された部分が配置されている。
つまり、幅広領域に吸音材の厚い部分が位置するように吸音材が配置される。
そのため、排ガス浄化装置の外周面とカバーの内周面との間の幅広領域を、吸音材で充分に埋めることができる。
(2)本発明の吸音構造では、吸音材はアルミナ繊維からなるマットである。
アルミナ繊維は熱に強い繊維であるので、排ガス浄化装置からの熱が吸音材に伝わったとしても吸音材は劣化しにくい。そのため、長期間、排ガス浄化装置から発生する音が外部に漏れることを抑制することができる。
また、高温度域まで安定した吸音特性を得ることができる。
(実施例)
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)排ガス浄化装置準備工程
金属ケーシングと、金属ケーシングに収容された排ガス処理体と、排ガス処理体及び金属ケーシングの間に配設された保持シール材とを備えた排ガス浄化装置を準備した。
排ガス処理体は、炭化ケイ素からなり、その形状は、底面の直径101.6mm、高さが127mmの円柱状であった。また、断面の形状が1.27mm×1.27mmの正方形である貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されており、貫通孔の密度は62個/cmであった。
保持シール材は無機繊維からなり、長さ332mm、幅117mm、厚さ7.1mm、勘合部長さ35mm、勘合部幅39mmの平面視矩形の形状であった。
金属ケーシングは、ステンレスからなり、その形状は、底面の直径が112.6mm、高さが187.0mmである円筒状であった。
(2)マット準備工程
組成比がAl:SiO=72:28のシリカ−アルミナ組成を有するアルミナ繊維からなるシート状物を準備した。
上記シート状物を裁断し、長さが373mm、幅が187mm、厚さが9mmの平面視矩形の第1素地マットを2枚準備した。
また、上記シート状物を裁断し、長さが410mm、幅が35mm、厚さが9mmの平面視矩形の第2a素地マットを4枚準備した。
また、上記シート状物を裁断し、長さが114mm、幅が35mm、厚さが9mmの平面視矩形の第2b素地マットを4枚準備した。
その後、各素地マットに有機バインダであるアクリレート系ラテックス(日本ゼオン株式会社製、製品名:Nipol LX854E)を1.0wt%及び無機バインダであるアルミナゾル550(日産化学工業株式会社製)を1.0wt%含浸させて、第1素地マットを第1マットとし、第2a素地マット及び第2b素地マットを、それぞれ第2aマット及び第2bマットとした。
(3)カバー用部材準備工程
図8(a)に示すカバー用部材25a及び25bの形状と同様のステンレスからなるカバー用部材を準備した。
カバー用部材の形状は、直径127.6mm、高さ343の変形仮想円柱の右端部から76.5mmの位置の変形仮想円柱の側面に、高さ6mm、幅38mmの右端凸部が形成されており、変形仮想円柱の左端部から76.5mmの位置の変形仮想円柱の側面に、高さ6mm、幅38mmの左端凸部が形成されており、右端凸部と左端凸部とを連結するように変形仮想円柱の高さ方向に沿って長さ114mm、高さ6mm、幅38mmの4つの側面凸部が形成されており、この4つの側面凸部は変形仮想円柱の円周に沿って等間隔に配置されており、変形仮想円柱の底面の中心に直径60mmの穴が形成されており、この変形仮想円柱を図8(a)に示すように2等分した形状である。
また、カバー用部材の厚さは、1.5mmであった。
(4)吸音材固定工程
次に、各カバー用部材の右端凸部及び左端凸部に第2aマットを、4つの側面凸部に第2bマットを、それぞれカバーの内周面側からアルミナゾルを用いて張り付けた。
その後、各カバー用部材の内周面に第1マットをアルミナゾルを用いて張り付けた。
これにより第2aマット及び第2bマットを第1マットに積層し吸音材とした。また、本工程により吸音材が各カバー用部材に固定された。
(5)組立工程
排ガス浄化装置に排気管を接続して、排ガス浄化装置の位置を固定した。次に、排ガス浄化装置の周囲にカバー用部材を配設した。次に、カバー用部材を排気管に溶接して接続することによりカバーとし、吸音構造を組み立てた。
(実施例2)
上記(2)マット準備工程において、以下の操作を加えた以外は実施例1と同様に、実施例2に係る吸音構造を製造した。なお、製造された実施例2に係る吸音材において、第1マットのニードルパンチ痕の配向方向と、第2マットのニードルパンチ痕の配向方向の角度は90°であった。
<実施例2におけるマット準備工程の追加操作>
シート状物を裁断して第1素地マットとする前のシート状物の両主面に、10個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第1凹部とした。第1凹部は、シート状物を裁断して第1素地マットとした際に、第1素地マットの長手方向と同じ方向(第1方向)に直線状に配向するように形成した。
シート状物を裁断して第2a素地マットとする前のシート状物の両主面に、10個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第2a凹部とした。第2a凹部は、シート状物を裁断して第2a素地マットとした際に、第1方向に対し90°の方向(第2方向)に直線状に配向するように形成した。
シート状物を裁断して第2b素地マットとする前のシート状物の両主面に、10個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第2b凹部とした。第2b凹部は、シート状物を裁断して第2b素地マットとした際に、第1方向に対し90°の方向(第2方向)に直線状に配向するように形成した。
その後、実施例1と同様にその後、各素地マットに有機バインダ及び無機バインダを含浸させて、第1素地マットを第1マットとし、第2a素地マット及び第2b素地マットを、それぞれ第2aマット及び第2bマットとした。
(実施例3)〜(実施例8)
表1に示すように、ニードルパンチ痕の密度、及び、第1方向と第2方向との角度を変更した以外は、実施例2と同様に実施例3〜8に係る吸音構造を製造した。
(実施例9)
上記(2)マット準備工程、及び、(4)吸音材固定工程を以下の(2´)マット準備工程及び(4´)吸音材固定工程に変更した以外は、実施例1と同様に実施例9に係る吸音構造を製造した。
(2´)マット準備工程
組成比がAl:SiO=72:28のシリカ−アルミナ組成を有するアルミナ繊維からなるシート状物を準備した。
上記シート状物を裁断し、長さが373mm、幅が、187mm、厚さが9mmの平面視矩形の第1素地マットを2枚準備した。
また、上記シート状物を裁断し、長さが410mm、幅が、35mm、厚さが9mmの平面視矩形の第2a素地マットを4枚準備した。
また、上記シート状物を裁断し、長さが114mm、幅が35mm、厚さが9mmの平面視矩形の第2b素地マットを4枚準備した。
また、上記シート状物を裁断し、長さが114mm、幅が、35mm、厚さが9mmの平面視矩形の第3a素地マットを4枚準備した。
また、上記シート状物を裁断し、長さが114mm、幅が、35mm、厚さが9mmの平面視矩形の第3b素地マットを4枚準備した。
シート状物を裁断して第1素地マットとする前のシート状物の両主面に、20個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第1凹部とした。第1凹部は、シート状物を裁断して第1素地マットとした際に、第1素地マットの長手方向と同じ方向(第1方向)に直線状に配向するように形成した。
シート状物を裁断して第2a素地マットとする前のシート状物の両主面に、20個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第2a凹部とした。第2a凹部は、シート状物を裁断して第2a素地マットとした際に、第1方向に対し90°の方向(第2方向)に直線状に配向するように形成した。
シート状物を裁断して第2b素地マットとする前のシート状物の両主面に、20個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第2b凹部とした。第2b凹部は、シート状物を裁断して第2b素地マットとした際に、第1方向に対し90°の方向(第2方向)に直線状に配向するように形成した。
シート状物を裁断して第3a素地マットとする前のシート状物の両主面に、20個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第3a凹部とした。第3a凹部は、シート状物を裁断して第3a素地マットとした際に、第2方向に対し90°方向(第3方向)に直線状に配向するように形成した。
シート状物を裁断して第2b素地マットとする前のシート状物の両主面に、20個/cmの密度となるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第3b凹部とした。第3b凹部は、シート状物を裁断して第3b素地マットとした際に、第2方向に対し90°方向(第3方向)に直線状に配向するように形成した。
その後、各素地マットに有機バインダであるアクリレート系ラテックス(日本ゼオン株式会社製、製品名:Nipol LX854E)を1.0wt%及び無機バインダであるアルミナゾル550(日産化学工業株式会社製)を1.0wt%含浸させて、第1素地マットを第1マットとし、第2a素地マット及び第2b素地マットをそれぞれ第2aマット及び第2bマットとし、第3a素地マット及び第3b素地マットをそれぞれ第3aマット及び第3bマットとした。
(4´)吸音材固定工程
各カバー用部材の右端凸部及び左端凸部に第3aマットを、4つの側面凸部に第3bマットを、それぞれカバーの内周面側からアルミナゾルを用いて張り付けた。
その後、第3aマットに第2aマットが積層され、第3bマットに第2bマットが積層されるようにアルミナゾルを用いて第2aマット及び第2bマットを張り付けた。
その後、各カバー用部材の内周面に第1マットをアルミナゾルを用いて張り付けた。
これにより第2aマット及び第2bマットを第1マットに積層し吸音材とした。また、本工程により吸音材が各カバー用部材に固定された。
第1方向と第2方向との角度は90°であり、第2方向と第3方向との角度は90°であった。
(吸音特性評価)
(1)吸音特性評価用サンプルの準備
(吸音特性評価用サンプル1の準備)
組成比がAl:SiO=72:28のシリカ−アルミナ組成を有するアルミナ繊維からなるシート状物を準備した。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第1素地マットを準備した。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第2素地マットを準備した。
その後、第1素地マット及び第2素地マットに有機バインダであるアクリレート系ラテックス(日本ゼオン株式会社製、製品名:Nipol LX854E)を1.0wt%及び無機バインダであるアルミナゾル550(日産化学工業株式会社製)を1.0wt%含浸させて、第1素地マットを第1マットとし、第2素地マットを第2マットとした。
その後、第1マット及び第2マットをアルミナゾルを用いて積層し、直径100mmの円形に裁断することにより吸音特性評価用サンプル1を準備した。
(吸音特性評価用サンプル2の準備)
組成比がAl:SiO=72:28のシリカ−アルミナ組成を有するアルミナ繊維からなるシート状物を準備した。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第1素地マットを作製した。また、シート状物を裁断する前に、第1素地マットの両主面に10個/cmの密度のニードルパンチ痕が形成されるようにニードルパンチングを行い、第1凹部とした。なお、第1凹部は直線状に配向させた。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第2素地マットを準備した。また、シート状物を裁断する前に、第2素地マットの両主面に10個/cmの密度のニードルパンチ痕が形成されるようにニードルパンチングを行い、第2凹部とした。また、第2凹部は直線状に配向させた。
その後、第1素地マット及び第2素地マットに有機バインダであるアクリレート系ラテックス(日本ゼオン株式会社製、製品名:Nipol LX854E)を1.0wt%及び無機バインダであるアルミナゾル550(日産化学工業株式会社製)を1.0wt%含浸させて、第1素地マットを第1マットとし、第2素地マットを第2マットとした。
その後、第1マット及び第2マットをアルミナゾルを用いて積層し、直径100mmの円形に裁断することにより吸音特性評価用サンプル2を準備した。
この際、第1凹部が配向する方向(第1方向)と、第2凹部が配向する方向(第2方向)との角度を90°とした。
(吸音特性評価用サンプル3〜8の準備)
表1に示すように、ニードルパンチ痕の密度、及び、第1方向と第2方向との角度を変更した以外は、吸音特性評価用サンプル2を準備する方法と同様に吸音特性評価用サンプル3〜8を準備した。
<吸音特性評価用サンプル9の準備>
組成比がAl:SiO=72:28のシリカ−アルミナ組成を有するアルミナ繊維からなるシート状物を準備した。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第1素地マットを準備した。また、シート状物を裁断する前に、第1素地マットの両主面に20個/cmの密度のニードルパンチ痕が形成されるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第1凹部とした。また、第1凹部は直線状に配向させた。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第2素地マットを準備した。また、シート状物を裁断する前に、第2素地マットの両主面に、20個/cmの密度のニードルパンチ痕が形成されるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第2凹部とした。また、第2凹部は直線状に配向させた。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第3素地マットを準備した。また、シート状物を裁断する前に、第3素地マットの両主面に、20個/cmの密度のニードルパンチ痕が形成されるようにニードルパンチングを行い、ニードルパンチ痕を形成し第3凹部とした。また、第3凹部は直線状に配向させた。
その後、各素地マットに有機バインダであるアクリレート系ラテックス(日本ゼオン株式会社製、製品名:Nipol LX854E)を1.0wt%及び無機バインダであるアルミナゾル550(日産化学工業株式会社製)を1.0wt%含浸させて、第1素地マットを第1マットとし、第2素地マットを第2マットとし、第3素地マットを第3マットとした。
その後、第1マット、第2マット及び第3マットを順にアルミナゾルを用いて積層し、直径100mmの円形に裁断することにより吸音特性評価用サンプル9を準備した。
この際、第1凹部が配向する方向(第1方向)と、第2凹部が配向する方向(第2方向)との角度を90°とした。また、第2凹部が配向する方向(第2方向)と、第3凹部が配向する方向(第3方向)との角度を90°とした。
(比較吸音特性評価用サンプル1の準備)
組成比がAl:SiO=72:28のシリカ−アルミナ組成を有するアルミナ繊維からなるシート状物を準備した。
上記シート状物を裁断し、長さ110mm、幅110mm、厚さ9mmの第1素地マットを準備した。その後、第1素地マットに有機バインダであるアクリレート系ラテックス(日本ゼオン株式会社製、製品名:Nipol LX854E)を1.0wt%及び無機バインダであるアルミナゾル550(日産化学工業株式会社製)を1.0wt%含浸させて、第1素地マットを第1マットとした。
その後、第1マットを直径100mmの円形に裁断することにより比較吸音特性評価用サンプル1を準備した。
(2)吸音特性評価
各吸音特性評価用サンプル及び比較吸音特性評価用サンプル1の垂直入射吸音率をJIS A1405−1に基づき測定した。
得られた垂直入射吸音率のデータ(周波数(Hz)−吸音率)を別途準備した騒音のデータ(周波数−音圧レベル(dB))と合成して吸音材利用後の騒音レベルの平均値を求め吸音特性を評価した。
騒音レベルの平均値は、まず、各周波数における騒音レベルL(f)を下記式(1)により求めた。なお、本評価では下記式(1)のrを5とした。
Figure 0006622599
(Ls(f)は、周波数fにおける騒音源の音圧レベルである;α(f)は、周波数fにおける吸音率である;rは、騒音源からの距離である)
次に、騒音レベルの平均値Nを下記式(2)により、f=80、f=1600として求めた。
Figure 0006622599
同様に、騒音源の音圧レベルの平均値Nsを下記式(3)により求めた。
Figure 0006622599
その後、騒音レベルの平均値Nと騒音源の音圧レベルの平均値Nsとの比(N/Ns)を吸音指数として求め以下のように吸音特性を評価した。結果を表1に示す。なお、吸音指数の値が低いほど、吸音率が高いことを示す。
◎:吸音指数が0.840未満である。
○:吸音指数が0.840〜0.845である。
×:吸音指数が0.845を超える。
Figure 0006622599
表1に示すように、比較吸音特性評価用サンプル1に比べ、吸音特性評価用サンプル1〜9の方が吸音特性が良好であった。
特に、第1マット及び第2マットのニードルパンチ痕を20個/cm以上の密度とし、第1方向と第2方向の角度を30°以上とした吸音特性評価用サンプル3〜6、並びに、第1マット、第2マット及び第3マットのニードルパンチ痕を20個/cmの密度とし、第1方向と第2方向との角度を90°とし第2方向と第3方向との角度を90°とした吸音特性評価用サンプル9は、特に吸音特性が優れていた。
1 吸音構造
10 排ガス浄化装置
11 金属ケーシング
12 排ガス処理体
13 保持シール材
15 貫通孔
16 隔壁
17 触媒
19 排ガス浄化装置の外周面
20 カバー
21 カバーの内周面
25a、25b カバー用部材
26a、26b カバー用部材の内周面
30 吸音材
40 第1マット
41 第1凹部
42 第1方向
43 第1凹部を形成するニードルパンチ痕
50 第2マット
51 第2凹部
52 第2方向
53 第2凹部を形成するニードルパンチ痕
61 最小幅領域
62 幅広領域
71 排気管
80 変形仮想円柱
81 右端部
82 右端凸部
83 左端部
84 左端凸部
85a、85b、85c、85d 側面凸部
86 底面
87 円形の穴

Claims (18)

  1. 排ガス浄化装置と、
    前記排ガス浄化装置の外側に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記排ガス浄化装置の間に配置された吸音材と
    からなる吸音構造であって、
    前記吸音材はアルミナ繊維からなり、
    前記吸音材は、第1マットと、前記第1マットの一部に積層された第2マットとを含み、
    前記排ガス浄化装置の外周面と前記カバーの内周面との間には、最小幅領域と、前記最小幅領域よりも広い幅広領域とがあり、前記幅広領域には、前記第1マットに前記第2マットが積層された部分が配置されており、
    前記第1マットの両主面には第1凹部が形成されており、
    前記第1凹部は、ニードルパンチ痕からなり、
    前記第1凹部を形成するニードルパンチ痕は、曲線状であることを特徴とする吸音構造。
  2. 前記第1凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cmである請求項に記載の吸音構造。
  3. 前記第2マットの両主面には第2凹部が形成されている請求項1又は2に記載の吸音構造。
  4. 前記第2凹部は、ニードルパンチ痕からなる請求項に記載の吸音構造。
  5. 前記第2凹部を形成するニードルパンチ痕は、曲線状である請求項に記載の吸音構造。
  6. 前記第2凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cmである請求項又はに記載の吸音構造。
  7. 前記第1マットと前記第2マットとは、無機接着剤により接着されている請求項1〜のいずれかに記載の吸音構造。
  8. 前記第2マットは、前記カバーと接触するように配置されており、前記第2マットは前記カバーに無機接着剤により接着されている請求項1〜のいずれかに記載の吸音構造。
  9. 前記無機接着剤は、アルミナゾル又はシリカゾルである請求項又はに記載の吸音構造。
  10. 排ガス浄化装置と、
    前記排ガス浄化装置の外側に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記排ガス浄化装置の間に配置された吸音材と
    からなる吸音構造であって、
    前記吸音材はアルミナ繊維からなり、
    前記吸音材は、第1マットと、前記第1マットの一部に積層された第2マットとを含み、
    前記排ガス浄化装置の外周面と前記カバーの内周面との間には、最小幅領域と、前記最小幅領域よりも広い幅広領域とがあり、前記幅広領域には、前記第1マットに前記第2マットが積層された部分が配置されており、
    前記第1マットの両主面には第1凹部が形成されており、
    前記第2マットの両主面には第2凹部が形成されており、
    前記第1凹部は、直線状に第1方向に配向しており、
    前記第2凹部は、直線状に第2方向に配向しており、
    前記第1方向と、前記第2方向とは異なる方向であることを特徴とする吸音構造。
  11. 前記第1凹部は、ニードルパンチ痕からなる請求項10に記載の吸音構造。
  12. 前記第1凹部を形成するニードルパンチ痕は、曲線状である請求項11に記載の吸音構造。
  13. 前記第1凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cm である請求項11又は12に記載の吸音構造。
  14. 前記第2凹部は、ニードルパンチ痕からなる請求項10〜13のいずれかに記載の吸音構造。
  15. 前記第2凹部を形成するニードルパンチ痕は、曲線状である請求項14に記載の吸音構造。
  16. 前記第2凹部のニードルパンチ痕の密度は、10〜30個/cm である請求項14又は15に記載の吸音構造。
  17. 排ガス浄化装置と、
    前記排ガス浄化装置の外側に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記排ガス浄化装置の間に配置された吸音材と
    からなる吸音構造であって、
    前記吸音材はアルミナ繊維からなり、
    前記吸音材は、第1マットと、前記第1マットの一部に積層された第2マットとを含み、
    前記排ガス浄化装置の外周面と前記カバーの内周面との間には、最小幅領域と、前記最小幅領域よりも広い幅広領域とがあり、前記幅広領域には、前記第1マットに前記第2マットが積層された部分が配置されており、
    前記第2マットにはさらに第3マットが積層され、
    前記第1マットの両主面には、直線状に第1方向に配向している第1凹部が形成されており、
    前記第2マットの両主面には、直線状に第2方向に配向している第2凹部が形成されており、
    前記第3マットの両主面には、直線状に第3方向に配向している第3凹部が形成されており、
    前記第1方向と前記第2方向とは異なる方向であり、
    前記第2方向と前記第3方向とは異なる方向である請求項1に記載の吸音構造。
  18. 前記最小幅領域には、前記第1マットのみが配置されている請求項1〜17のいずれかに記載の吸音構造。
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