JP7312223B2 - 護岸用ブロックマット、護岸用ブロック、及び、護岸構造 - Google Patents
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Description
前記傾斜面(1a)と前記底面(1e)とのなす角度をA(°)とした場合、(A×B+C×D)/(B+D)が50以下である、(XI)に記載の護岸用ブロック。
前記傾斜面(1a)と前記底面(1e)とのなす角度をA(°)とした場合、(A×B+C×D)/(B+D)が50以下である、護岸用ブロック。
「マットの表面に配列された複数のブロック」とは、規則的に配列された複数のブロックであっても、ランダムに配列された複数のブロックであってもよい。
「越流に対して最上流側に設けられるブロック(1)」とは、ブロックマットを堤内地側法面に設置した場合において、当該ブロックマットの上方最前列(法肩側)に固定されているブロックをいう。言い換えれば、護岸用ブロックマットにおいて、ブロック(1)よりも上流側にブロック(1)以外のブロックは存在しない。
「側面視において下流側よりも上流側のほうが底面に向かって緩やかに先細りとなっている」とは、ブロック(1)の側面形状(シルエット)において、下流側の先細り構造よりも、上流側の先細り構造の方が緩やかであることをいう。
具体的には、図1(A)に示すように、ブロック(1)の側面形状(シルエット)において、最上流側の下端(P1)から一点破線で示される最上部(P3)に至るまでの長さ(P1からP2までの長さとP2からP3までの長さとの合計)の方が、最下流側の下端(P4)から一点破線で示される最上部(P5)にいたるまでの長さよりも長い。
尚、図1(B)に示すように、下流側に先細り構造が無い場合(下流側の端部角度が直角である場合)は、上流側に底面に向かう先細り構造を有するだけで、自ずと、下流側よりも上流側のほうが底面に向かって緩やかに先細りとなる。ブロック(1)はこのような形態も含むものとする。
また、図1(C)に示すように、ブロック(1)は、上流側の先細り構造が直角を含むものであってもよい。
或いは、図1(D)に示すように、ブロック(1)の上流側の先細り構造は、必ずしも直線状である必要はなく、曲線状であってもよい。
一方で、上記解決課題及び後述の効果等から自明ではあるが、図1(E)に示すように、ブロック(1)の側面形状(シルエット)において、上流側先端が「上面に向かって先細りとなっている」形態は、本開示のブロック(1)とはなり得ない。
尚、図1(F)に示すように、ブロック(1)の側面形状(シルエット)において、下流側先端が「上面に向かって先細りとなっている」形態は、一定の効果が期待できることから、本開示のブロック(1)に含まれるものとする。
「水流」とは、上記した堤内地側法面への越流であってもよいし、堤外地側法面における河川の水の流れであってもよい。
「自重モーメント」とは、ブロックが受ける重力(N)と、ブロック後端(下流側の端)からブロック重心までの水平距離(m)との積をいう。
図2に第1実施形態に係る護岸用ブロックマット10の構成を概略的に示す。護岸用ブロックマット10は、河川の越流に対して堤内地側法面を保護するために使用される護岸用ブロックマットであって、マット5と、マット5の表面に配列された複数のブロックとを備え、複数のブロックのうち越流の最上流側に設けられるブロック1は、側面視において下流側よりも上流側のほうが底面に向かって緩やかに先細りとなっている。
護岸用ブロックマット10に用いられるマット5そのものは公知である。例えば、マット5の材質としては、PET、PP、PE等から選ばれる1種以上を採用することができる。また、マット5の形状としては、護岸用ブロックマット10の大きさに応じて適宜決定すればよい。例えば、幅630mm以上2000mm以下、長さ1000mm以上9000mm以下、厚み2mm以上10mm以下とすることが好ましい。マット5の具体例としては、三菱ケミカルインフラテック社製のゴビマットのような各種マットを採用できる。
護岸用ブロックマット10には、複数のブロックが規則的に配列されている。ただし、本開示の護岸用ブロックマットにおいて、複数のブロックは規則的に配列されていても、ランダムに配列されていてもよい。護岸用ブロックマットにおける複数のブロックの配列そのものは公知である。護岸用ブロックマットにおけるブロックの数も特に限定されない。マット5の大きさ等に応じて適切な数を決定すればよい。複数のブロックは、通常マット5の表面に固定されている。
上記では、河川の越流時に堤内地側法面を保護するための護岸用ブロックマット10について説明した。しかしながら、護岸用ブロックマットの用途は上記に限定されるものではない。例えば、護岸用ブロックマット10を河川の水流に対して法面(堤外地側法面であっても堤内地側法面であってもよい)を保護するために使用することもできる。
上記の通り、ブロック1はその形状を工夫することでめくれ対策が講じられる。このようなブロック1は、それ単独で護岸用ブロックとして使用することも可能である。すなわち、第1実施形態に係る護岸用ブロック1は、河川の越流に対して堤内地側法面を保護するために使用される護岸用ブロックであって、側面視において越流の下流側よりも上流側のほうが底面に向かって緩やかに先細りとなっている、護岸用ブロックである。
上記の通り、第1実施形態に係る護岸用ブロックマット10(又は護岸用ブロック1)は、河川の越流に対して堤内地側法面を保護するために使用することができる。この場合、河川の堤内地側法面の全面に護岸用ブロックマット10(又は護岸用ブロック1)を敷設してもよいし、コスト面等を考慮して、堤内地側法面の一部に護岸用ブロックマット10(或いは、護岸用ブロック1)を敷設してもよい。
上記の通り、第2実施形態に係る護岸用ブロックマット(又は護岸用ブロック1)は、河川の水流に対して法面を保護するために使用することができる。例えば、河川の通常時の水流に対して、堤外地側法面を保護するために使用することができる。この場合、河川の法面の全面に第2実施形態に係る護岸用ブロックマット(又は護岸用ブロック1)を敷設してもよいし、コスト面等を考慮して、法面の一部に護岸用ブロックマット(或いは、護岸用ブロック1)を敷設してもよい。第2実施形態に係る護岸構造の形態は上記の説明から自明であることから、ここでは図示を省略する。
1.1.自重モーメント
ブロックが受ける重力(N)と、ブロック後端(下流側の端)からブロック重心までの水平距離(重心距離)(m)との積(Nm)を自重モーメント(図5参照)として算出した。
流体解析ソフト(Flow-3D、Flow Science Japan社製)を用いて、図9に示すような流体力モーメントを算出した。具体的には、開水路の底面にブロックを配置した場合に、流体から受ける抗力及び揚力から、揚力係数及び抗力係数を算出した。また、抗力、揚力及び回転モーメントから、流体合力の回転半径を算出して、それと抗力と揚力との大きさの比から、抗力回転半径及び揚力回転半径を算出した。このようにして算出した、抗力係数、揚力係数、抗力回転半径及び揚力回転半径から、流体力モーメントを任意の流速に対して算出した。
めくれに抗する自重モーメントから、流体力モーメントを差し引いたものを、安定方向モーメントとした。自重モーメントは流速によらないが、流体力モーメントは流速の増大に伴い大きくなる。したがって、流速を増大させると、安定方向モーメントは漸減してゼロになる。この安定方向モーメントがゼロになるときの流速を、めくれが発生する流速とみなして評価を行った。
1:2勾配の堤防の堤内地側法面に、ブロックを設置することを想定したときの、めくれが発生すると予想される越流の流速(めくれる流速)を求めた。従来のブロック(比較例1)のめくれる速度を1(基準)として、めくれる流速比率が2倍以上である場合を「○」、1.5倍以上2倍未満である場合を「△」として、めくれ難さを評価した。
結果を下記表1に示す。
2 ブロック
5 マット
10 護岸用ブロックマット
100 護岸構造
Claims (7)
- 河川の水流に対して法面を保護するために使用される護岸用ブロックマットであって、
マットと、前記マットの表面に配列された複数のブロックとを備え、
前記複数のブロックのうち前記水流の最上流側に設けられるブロック(1)は、側面視に
おいて下流側よりも上流側のほうが底面に向かって緩やかに先細りとなっており、
前記ブロック(1)が、平らな底面(1e)と、上流側の端面(1d)と、下流側の端面
(1b)と、前記端面(1d)の上端から前記端面(1b)に向かって伸びる傾斜面(1
a)と、を備え、
前記端面(1d)の高さをD(mm)、
前記端面(1b)の高さをB+D(mm)、
前記端面(1d)と前記底面(1e)とのなす角度をC(°)、
前記傾斜面(1a)と前記底面(1e)とのなす角度をA(°)とした場合、
(A×B+C×D)/(B+D)が50以下であり、
前記底面(1e)の上流側先端から下流側先端までの長さをE(mm)とした場合、E/
(B+D)が2.5以上であり、
前記Cが60°以上86°以下である、
護岸用ブロックマット。 - 前記端面(1d)の幅をF(mm)とした場合、Fが100mm以上600mm以下であ
る、
請求項1に記載の護岸用ブロックマット。 - Bが15mm以上200mm以下である、
請求項1または2に記載の護岸用ブロックマット。 - Dが10mm以上100mm以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の護岸用ブロックマット。 - 前記底面(1e)の上流側先端から下流側先端までの長さをE(mm)とした場合、Eが
190mm以上1000mm以下である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の護岸用ブロックマット。 - Aが5°以上45°以下である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の護岸用ブロックマット。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の護岸用ブロックマットが、河川の法面に敷設されて
なる、護岸構造。
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