以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態によるPOSシステム1の構成図の一例である。POSシステム1は、図1に示すように、N台のPOSレジスタ2-1、POSレジスタ2-2、…、POSレジスタ2-N、監視装置(管理装置とも称する)3を含んで構成される。各装置は、LANを介して接続されている。また、当該LAN上には、上記に加えて、ストアコントローラ4も接続されている。POSレジスタ2-1、POSレジスタ2-2、…、POSレジスタ2-Nの夫々を特に区別しない場合にはPOSレジスタ2と総称する。
POSレジスタ2は、主に、購入される商品の登録を行う登録処理と、主に、登録された商品の代金決済を行う精算処理(会計処理、決済処理とも称する)とを実行するための装置である。即ち、POSレジスタ2は、主に登録処理を行う登録装置の機能と主に精算処理を行う精算装置の機能とを兼ね備えた装置である。
監視装置3(例えば、パーソナルコンピュータ)は、例えば、各POSレジスタ2の動作状況を監視する。例えば、監視装置3は、夫々のPOSレジスタ2が精算処理中であるか否かや、夫々のPOSレジスタ2において未精算取引(精算処理が未完了である取引)が存在するか否かなどを監視する。監視装置3の詳細は後述する。
ストアコントローラ4(例えば、サーバ)は、例えば、外部(例えば、本部に設置されたサーバ)から商品マスタを受信して記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJANコード)、商品名称、販売価格などの商品情報を格納(保持)するファイルである。また、ストアコントローラ4は、POSレジスタ2によって処理(生成)された取引情報を外部に送信する。
図2は、POSシステム1に含まれるPOSレジスタ2の外観図の一例である。図3は、POSレジスタ2の電気回路の構成を示すブロック図の一例である。図3において、CPU11はPOSレジスタ2の全体を制御するCPUであり、図示するように他の構成要素それぞれと接続されている。CPU11の動作の詳細は後述する。
図3において、ROM12は、種々の情報を記憶する。ROM12は、例えば、CPU11が実行するプログラムを記憶する。RAM13は、種々の情報を記憶する。RAM13は、例えば、CPU11によってROM12から読み出された情報(例えば、上記プログラム)、CPU11によって処理された情報等を記憶する。ハードディスク22は、種々の情報を記憶する。ハードディスク22は、例えば、ストアコントローラ4から取得した情報(例えば、商品マスタ)、CPU11によって処理された情報等を記憶する。
図2及び図3において、店員用表示部14は、CPU11の制御に従って店員向けに情報を表示する表示部として機能するほか、店員から入力操作を受け付ける操作部として機能する(例えばタッチパネル)。キー操作部15は、商品登録の完了入力や精算時においてお客から受け取った預かり金額などの数字データ入力等を行うためのものである。客用表示部16は、CPU11の制御に従ってお客向けに情報を表示する。
図2及び図3において、釣銭釣札機(自動釣銭釣札機)17は、自身が備える収納部への貨幣(金銭)の入出金を制御する。POSレジスタ2と釣銭釣札機17との関係について、図2、図3に示す例では、釣銭釣札機17はPOSレジスタ2に内蔵されているが、釣銭釣札機17はPOSレジスタ2に接続されていてもよい。なお、POSレジスタ2と釣銭釣札機17との関係について、POSレジスタ2に内蔵された釣銭釣札機17とPOSレジスタ2に接続されている釣銭釣札機17とを特に区別しない場合には、ともに、POSレジスタ2の釣銭釣札機17とも称する場合がある。また、釣銭釣札機17を内蔵するPOSレジスタ2と釣銭釣札機17を接続しているPOSレジスタ2とを特に区別しない場合には、ともに、釣銭釣札機17を内蔵等するPOSレジスタ2とも称する場合がある。
釣銭釣札機17は、POSレジスタ2において、登録された商品の代金を現金にて決済するときに使用される。釣銭釣札機17は、貨幣(紙幣)を投入するための紙幣投入口(非図示)、貨幣(硬貨)を投入するための硬貨投入口、貨幣(紙幣)を放出するための紙幣放出口、貨幣(硬貨)を放出するための硬貨放出口、投入又は放出される貨幣を計数する計数部、投入口又は放出口と収納部の間の貨幣の搬送機構などを有する。なお、紙幣投入口及び硬貨投入口は、預り金投入口とも称される。紙幣放出口及び硬貨放出口は、釣銭放出口とも称される。なお、紙幣投入口と紙幣放出口は共通であってもよく、また、硬貨投入口と硬貨放出口は共通であってもよい。
釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、釣銭投入口された貨幣を計数し、収納部に収納する。例えば、釣銭釣札機17は、各取引の会計のため、お客から預かった貨幣を計数し、収納部に収納する。また例えば、釣銭釣札機17は、釣銭ニアエンドの解消のため、店員が投入した貨幣を計数し、収納部に収納する。なお、釣銭ニアエンドとは、収納部内の貨幣がゼロに近い枚数である状態である。
釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、放出する貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。例えば、釣銭釣札機17は、各取引の会計のため、釣り銭とする貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。また例えば、釣銭釣札機17は、釣銭ニアフルの解消のため、放出する貨幣を計数し、収納部に収納する。なお、釣銭ニアフルとは、収納部内の貨幣が収納許容限度枚数に近い枚数である状態である。
なお、釣銭ニアエンドや釣銭ニアフルの解消等のため、複数のPOSレジスタ2間において貨幣を移動させることをキャッシュリサイクルと称する場合がある。なお、バックヤード等に配置され、貨幣を収納する装置(準備金管理装置)を備える場合には、準備金管理装置とPOSレジスタ2間においてもキャッシュリサイクルが行われる。
釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、貨幣投入時には、金種毎の投入枚数(入金枚数)を計数し、計数結果に基づいて金種毎の理論在高を更新(加算)し、貨幣放出時には、金種毎の放出枚数(出金枚数)を計数し、計数結果に基づいて理論在高を更新(減算)する。理論在高は、各貨幣の理論上(計算上)の枚数、又は、各貨幣の理論上の枚数に基づく金額(貨幣毎の金額、若しくは、全貨幣を合算した金額)である。理論在高は、現在枚数情報(又は、枚数管理情報)とも称される。
但し、「精算業務処理(後述)」の一工程である「釣銭精査(後述)」後の入出金(補正)の場合には、理論在高を更新しない。つまり、商品登録に基づく入出金や、キャッシュリサイクルによる入出金や、「精算業務処理(後述)」の一工程である「残置金確認(後述)」後の入出金(調整)の場合には、理論在高を更新するが、「精算業務処理(後述)」の一工程である「釣銭精査(後述)」後の入出金(補正)の場合には、理論在高を更新しない。
つまり、理論在高は、上述したように計算に基づくものであるため、閉店後や開店前において実際に収納部に収納されている在高と一致していない虞がある。そこで、閉店後や開店前に行われる「精算業務処理(後述)」の一工程である「釣銭精査(後述)」において実際に収納部に収納されている貨幣を現金在高として計数し(改めて計数し直し)、現金在高と理論在高とが一致しているか否かを確認している。一致しない場合には、「理論在高」と一致するように現金在高の方を増減させる(補正として貨幣を投入又は放出する)ため、基準となる理論在高については更新しないようにしている。
また、釣銭釣札機17は、貨幣の投入、放出に際し、金種毎の投入枚数などの情報を含む入金履歴情報と、金種毎の放出枚数などの情報を含む出金履歴情報とを記憶する。
理論在高、入金履歴情報、出金履歴情報は、釣銭釣札機17の内部(例えば、釣銭釣札機17が備える記憶領域(非図示))に記憶してもよいし、釣銭釣札機17の外部(例えば、ハードディスク22)に記憶してもよい。
また、上述したように、釣銭釣札機17は、CPU11の制御に従って、精算業務処理を実行する。精算業務処理は、主に、閉店後(又は開店前)等の営業時間外に実行する処理である(営業時間内であっても一部または全部の装置について精算業務処理を実行してもよい)。精算業務処理は、閉店処理、開店処理などとも称する場合がある。
本実施形態では、精算業務処理は、残置金確認(残置金確認処理)、釣銭精査(釣銭精査処理)、売上金回収(売上金回収処理)、開設(開設処理)の各工程(各処理)を含む。精算業務処理は、閉店処理、開店処理などとも称する場合がある。
残置金確認(残置金確認処理)は、収納部内の残置金額を確認等する工程(処理)である。残置金確認処理は、例えば、収納部内に残置させる各貨幣の枚数(売上金回収後の各貨幣の残置枚数)が、あらかじめ定められている基準枚数以上となるかを確認(判断)する処理である。
なお、売上金回収後の各貨幣の残置枚数が基準枚数以上となるかを確認するのに際し、現在の収納部内の各貨幣の枚数を把握する必要があるが、本実施形態では釣銭精査に先立って残置金確認を行うようにしているため(釣銭精査において得られる現金在高が残置金確認の段階において未だ得られていないため)、現在の収納部内の各貨幣の枚数として理論在高を使用する。なお、本実施形態による態様(精査モードA)の場合には、現在の収納部内の各貨幣の枚数としては理論在高を使用するが、本実施形態による他の態様(精査モードB)の場合には、残置金確認に先立って釣銭精査を行うようにしているため(釣銭精査において得られる現金在高が残置金確認の段階において既に得られているため)、現在の収納部内の各貨幣の枚数として現金在高を使用してもよい。
基準枚数以上となると判断(残置金OK)した場合には、確認完了として当該処理を終了し、基準枚数未満となると判断(残置金NG)した場合には、貨幣を調整した後(基準枚数以上となるように貨幣の投入を受け付けたのち)、再度確認し(又は確認せずに)、確認完了(調整完了)として当該処理を終了する。なお、貨幣の投入は、釣銭ニアエンドの解消の場合と同様、入金伝票を用いるようにしてもよい。また、調整による貨幣の投入においては、上述したように、理論在高を更新する。
なお、一般に、翌営業の運用開始時のために収納部内に残しておく貨幣の枚数は、営業時間内にて管理(監視)する釣銭ニアエンドの貨幣の枚数よりも多いため、上述の基準枚数は、釣銭ニアエンドを管理する閾値の枚数よりも多い枚数である。従って、例えば、主に営業時間内に行われる釣銭ニアエンドに関しては、500円玉を収納する収納部内の500円玉の枚数が第1閾値(例えば、20枚)未満になった場合に500円玉を補充すべき旨を報知するようにし、主に営業時間外に行われる精算業務処理の残置金確認に関しては、500円玉を収納する収納部内の500円玉の枚数が第1閾値(例えば、20枚)よりも値が大きい第2閾値(例えば、40枚)未満である場合に500円玉を補充すべき旨を報知する。他の貨幣においても同様である。また、貨幣の種類毎に、閾値(第1閾値、第2閾値)を異ならせてもよい。
釣銭精査(釣銭精査処理)は、収納部内の収納金額が正しいか否かを精査する工程(処理)である。釣銭精査処理は、例えば、収納部内に収納している各貨幣を実際に計数し(改めて計数し直し)計数して得られた現金在高(各貨幣の実際の収納枚数)と、理論在高(各貨幣の理論上の収納枚数)とを比較し、精査する処理である。つまり、上述したように、現金在高と理論在高とが一致しない虞があるため、現金在高と理論在高とが一致するかを確認している。一致しない場合には、理論在高と一致するように現金在高を補正する(貨幣を投入又は放出する)。なお、補正する際には、釣銭ニアエンドや釣銭ニアフルの解消の場合と同様、入金伝票や出金伝票を用いるようにしてもよいが、上述したように、理論在高については更新しない。
売上金回収(売上金回収処理)は、店員が実際に収納部から売上金として貨幣を回収するための処理である。例えば、売上金回収を指示するメッセージを表示する処理、収納部からの貨幣の回収を制御する処理(電気的、構造的な制御等)を含む、処理である。
開設(開設処理)は、各種情報(上述迄の全処理が完了した旨の情報、売上情報等)をストアコントローラ4に送信するなどして、開店待ちの状態にする処理である。開設(開設処理)は、閉設(閉設処理)と称する場合もある。
釣銭釣札機17を内蔵等するPOSレジスタ2は、当該POSレジスタ2における操作(例えば、キー操作部15の操作)に応じて釣銭釣札機17による精算業務処理を実行してもよいし、監視装置3などの他の装置からの命令に応じて釣銭釣札機17による精算業務処理を実行してもよい。また、精算業務処理の実行に条件を設定してもよい。例えば、精算業務処理を行う従業員(担当者)が特定された場合に精算業務処理の実行を許可してもよいし、特定された従業員に精算業務処理を実行する権限が与えられている場合に精算業務処理の実行を許可してもよい。
図2及び図3において、スキャナ部18は、コード情報(バーコード)を読み取る装置である。スキャナ部18は、読み取ったデータをCPU11へ供給する。例えば、スキャナ部18は、商品に貼付されたコード情報(例えば、JANコード)を読み取り、そのデータをCPU11へ供給する。また例えば、スキャナ部18は、従業員カードに印刷されたコード情報を読み取り、そのデータをCPU11へ供給する。
図2及び図3において、印刷部19は、CPU11の制御に従って印刷物を発行する。例えば、印刷部19は、精算処理の完了後、買上商品の明細情報等を印刷媒体に印刷してレシートとして発行する。
図3において、通信部20は、CPU11の制御に従ってLANを介して外部と通信する。具体的には、通信部20は、適宜、ストアコントローラ4から商品マスタを受信する。また、通信部20は、精算処理の完了後、ストアコントローラ4に取引情報を送信する。
また、通信部20は、処理状況を監視装置3に送信する。例えば、通信部20は、登録処理の完了時に登録処理の完了を示す通知を監視装置3に送信し、精算処理の完了時に精算処理の完了を示す通知を監視装置3に送信する。なお、通信部20は、上記に加え、登録処理の開始を示す通知や精算処理の開始を示す通知を監視装置3に送信してもよい。また、監視装置3に代えて又は加えて、他のPOSレジスタ2に上述のような情報を送信してもよい。
また、通信部20は、当該POSレジスタ2の釣銭釣札機17の理論在高を他の装置に送信する。具体的には、通信部20は、当該POSレジスタ2の釣銭釣札機17の理論在高を監視装置3に送信する。例えば、あるPOSレジスタ2の通信部20は、当該POSレジスタ2の理論在高が更新された場合に、更新後の理論在高を監視装置3に送信する。また例えば、あるPOSレジスタ2の通信部20は、上記に代えて又は加えて、理論在高要求(理論在高の送信を求める要求)を監視装置3から受信した場合に、受信時の理論在高を監視装置3に送信(応答)してもよい。換言すれば、監視装置3は、理論在高が更新されたPOSレジスタ2から更新後の理論在高を受信し、また、POSレジスタ2に理論在高要求を送信し、当該POSレジスタ2から理論在高を受信してもよい。
また、通信部20は、監視装置3に理論在高を送信することに代えて又は加えて、他のPOSレジスタ2に理論在高を送信してもよい。即ち、あるPOSレジスタ2の通信部20は、当該POSレジスタ2の理論在高が更新された場合に、更新後の理論在高を他のPOSレジスタ2に送信してもよいし、理論在高要求を他のPOSレジスタ2から受信した場合に、受信時の理論在高を当該他のPOSレジスタ2に送信(応答)してもよい。換言すれば、あるPOSレジスタ2は、理論在高が更新された他のPOSレジスタ2から更新後の理論在高を受信し、また、他のPOSレジスタ2に理論在高要求を送信し、当該他のPOSレジスタ2から理論在高を受信してもよい。
また、通信部20は、監視装置3や他のPOSレジスタ2に理論在高を送信することに代えて又は加えて、ストアコントローラ4に理論在高を送信してもよい。即ち、あるPOSレジスタ2の通信部20は、当該POSレジスタ2の理論在高が更新された場合に、更新後の理論在高をストアコントローラ4に送信してもよいし、理論在高要求をストアコントローラ4から受信した場合に、受信時の理論在高をストアコントローラ4に送信(応答)してもよい。換言すれば、ストアコントローラ4は、理論在高が更新されたPOSレジスタ2から更新後の理論在高を受信し、また、POSレジスタ2に理論在高要求を送信し、当該POSレジスタ2から理論在高を受信してもよい。
また、通信部20は、当該POSレジスタ2の釣銭釣札機17の入金履歴情報や出金履歴情報を監視装置3や他のPOSレジスタ2やストアコントローラ4に送信してもよい。例えば、通信部20は、要求に応じて、入金履歴情報や出金履歴情報を監視装置3などに送信してもよい。
また、通信部20は、当該POSレジスタ2(自装置)の釣銭釣札機17の貨幣がゼロに近い枚数(釣銭ニアエンド)である旨を報知する情報(釣銭ニアエンド情報)や、当該POSレジスタ2の釣銭釣札機17の貨幣が収納許容限度枚数に近い枚数(釣銭ニアフル)である旨を報知する情報(釣銭ニアフル情報)を監視装置3や他のPOSレジスタ2やストアコントローラ4に送信してもよい。
なお、POSレジスタ2は、LANを介して外部と通信する通信部20に加えて、近距離無線通信(例えば、ブルートゥース、RFID、赤外線通信)によって外部と通信する通信部(非図示)を備えてもよい。
また、POSレジスタ2は、撮像部(カメラ等)、音声出力部(スピーカ等)、カード読取部等を備えてもよい。
続いて、監視装置3について説明する。監視装置3は、少なくとも、当該監視装置3全体を制御する制御部(CPU)と、種々の情報を記憶する記憶部(ROM、RAM)と、種々の情報を表示する表示部(ディスプレイ)と、外部と通信する通信部とを備える。
監視装置3は、POSレジスタ2による処理状況(例えば精算状況)を表示部に表示する。例えば、監視装置3は、各POSレジスタ2から送信される通知(例えば、登録処理の完了を示す通知、精算処理の開始を示す通知、精算処理の完了を示す通知)などに基づいて、夫々のPOSレジスタ2が精算処理中であるか否か、あるいは、夫々のPOSレジスタ2において未精算取引が存在するか否かなどを表示する。
また、上述したように、監視装置3は、POSレジスタ2から理論在高を受信してもよいが、監視装置3がPOSレジスタ2から理論在高を受信する態様では、監視装置3は、POSレジスタ2から受信した理論在高を表示してもよい。同様に、監視装置3がPOSレジスタ2から入金履歴情報や出金履歴情報を受信する態様では、監視装置3は、POSレジスタ2から受信した入金履歴情報や出金履歴情報を表示してもよい。
続いて、精算業務処理について説明する。なお、以下の説明において、監視装置3は、POSレジスタ2-1~POSレジスタ2-8の8台を監視しているものとする。
図4~図5は、監視装置3に表示される画面例である。監視装置3は、精算業務処理を実行させる装置の指定を店員から受け付ける。例えば、図4に示すような画面を表示しているときに、ボタン「メインメニュー」からの操作に応じて、図5(a)に示すような装置指定画面を表示し、当該装置指定画面上において精算業務処理を実行させる装置の指定を受け付ける。
図4の画面は、監視対象の各装置の種々の状態(例えば、釣銭ニアエンドである旨、釣銭ニアフル、領収証への捺印を要する旨等)を報知する画面である。なお、図4における、POS#1~#8は、POSレジスタ2-1~POSレジスタ2-8の夫々を表している。
図5(a)の装置指定画面は、精算業務処理を実行させる装置の指定するための画面である。図5(a)の装置指定画面には、監視対象毎にチェックボックスが表示されている。店員は、精算業務処理を実行させる装置をチェックし、ボタン「実行」を押下することによって、精算業務処理を実行させる装置を指定する。図5(a)の例では、POS#2(POSレジスタ2-2)、POS#3(POSレジスタ2-3)、POS#4(POSレジスタ2-4)、POS#5(POSレジスタ2-5)、POS#6(POSレジスタ2-6)の5台が指定されている。
なお、図5(a)の装置指定画面には、監視対象の全装置が表示されているが、監視対象の全装置のうち精算業務処理が未完了である装置が表示されるようにしてもよい。具体的には例えば、監視装置3は、表示対象を切り替える領域(例えば符号Aのプルダウンリスト)において「未完了」が選択された場合には、図5(a)に代えて図5(b)の装置指定画面を表示してもよい。図5(b)の画面では、精算業務処理が既に完了しているPOS#8(POSレジスタ2-8)が表示されていない。符号Bに示した設定ボタンについては後述する。
監視装置3は、店員から精算業務処理を実行させる装置の指定を受け付けた場合には、当該指定を受け付けた各装置に精算業務処理を実行させる。具体的には、監視装置3は、装置指定画面において、1台以上の装置がチェックされ、ボタン「実行」が押下された場合、当該1台以上の各装置に対し、精算業務処理の開始を指示する情報(精算業務開始指示情報)を送信する。その後、監視装置3は、装置指定画面を消去する(閉じる)。一方、精算業務開始指示情報を受信した夫々の装置は、夫々、精算業務処理を開始する。つまり、監視装置3は、店員によって指定された各装置における精算業務処理の実行を制御(実行の開始を制御)する。
なお、監視装置3は、装置指定画面において、1台以上の装置がチェック(指定)された後、ボタン「実行」が押下され、かつ、従業員の従業員識別情報を取得した場合に、精算業務開始指示情報を送信してもよい。例えば、1台以上の装置が指定され、続いて、ボタン「実行」が押下され、続いて、従業員カードに印刷されたコード情報(従業員コード)を読み取った場合に、精算業務開始指示情報を送信してもよい。
また、監視装置3は、店員から精算業務処理を実行させる装置の指定を受け付けた場合には、当該指定を受け付けた各装置に対し精算業務開始指示情報を送信することに加え、当該指定を受け付けた各装置における精算業務処理の各工程の処理状況を表示部に表示する。具体的には、監視装置3は、精算業務処理の夫々の工程に対応する複数の工程領域を表示し、夫々の工程領域の表示態様を夫々に対応する工程の処理状況に応じて変化させることによって、精算業務処理の各工程の処理状況を表示する。
図6は、監視対象の各装置の精算業務処理の状態(例えば、工程の処理状況等)を報知する画面である。図6では、精算業務処理を実行させる装置として指定したPOS#2(POSレジスタ2-2)、POS#3(POSレジスタ2-3)、POS#4(POSレジスタ2-4)、POS#5(POSレジスタ2-5)、POS#6(POSレジスタ2-6)の5台における、精算業務処理の各工程の処理状況等が表示されている。
図7は、表示内容および印刷内容を説明する説明図である。具体的には、図7(a)は、説明の便宜上、図6の一部(POS#3における各工程の処理状況を示した部分)を拡大して示したものである。図7(b)は、説明の便宜上、図6の一部(POS#4における各工程の処理状況を示した部分)を拡大して示したものである。図7(c)については後述する。
つまり、監視装置3は、図5に示すように、装置指定画面において、POS#2、POS#3、POS#4、POS#5、POS#6の5台の指定を受け付けた場合には、図6に示すように、当該5台の夫々の装置における、精算業務処理の各工程の処理状況を報知する。具体的には、監視装置3は、図6、図7(a)、図7(b)に示すように、各工程の進捗に合わせて、各工程に対応する工程領域の表示態様を変化させることによって、各工程の処理状況を報知する。
図6、図7(a)~図7(c)において、無地の工程領域は、当該工程領域が第1の表示態様(例えば、第1の色)で表示されていることを表し、当該工程が未だ行われていない旨を表している。また、濃い(密な)ドット表示の工程領域は、当該工程領域が第2の表示態様(例えば、第2の色)で表示されていることを表し、当該工程が現在行われている旨を表している。また、薄い(疎な)ドット表示の工程領域は、当該工程領域が第3の表示態様(例えば、第3の色)で表示されていることを表し、当該工程が既に終わった旨を表している。なお、本実施形態では、現在行われている工程と、既に終わった工程とを区別し、異なる表示態様で表示しているが、現在行われている工程と、既に終わった工程とを区別せずに、同一の表示態様で表示するようにしてもよい。
監視装置3が精算業務処理の各工程の処理状況を報知するため、店員は、精算業務処理が「残置金確認」→「釣銭精査」→「売上金回収」→「開設」の順に行われ、各装置において精算業務処理がどの程度、進んでいるかということを、視覚的に認識することができる。図6の例によれば、例えば、POS#3について、「残置金確認」が終わって「釣銭精査」が行われていることがわかる(図7(a))。また例えば、POS#4について、「釣銭精査」迄が終わって「売上金回収」が行われていることがわかる(図7(b))。
精算業務処理の各工程の処理状況を表示するために、監視装置3は、装置指定画面において指定した各装置から、各工程の処理状況に関する情報(処理状況通知)を受信する。即ち、装置指定画面において指定された夫々の装置は、各工程の処理状況に応じて(例えば、各工程が終わったときに)、監視装置3に処理状況通知を送信し、監視装置3は、各装置から受信した処理状況通知に基づいて、図6に示すような画面を表示する。なお、処理状況通知には、上記4つの工程(残置金確認、釣銭精査、売上金回収、開設)のうち何れの工程が始まったことや、終わったことなどを監視装置3が特定できるような情報が含まれる。
図8は、精算業務処理の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートは、精算業務処理を実行する装置として指定された一の装置(POSレジスタ2)の動作を示している。図9は、精算レポートの一例である。
ステップS1:POSレジスタ2は、監視装置3から精算業務開始指示情報(精算業務処理の開始を指示する情報)を受信する。ステップS1に続いてステップS2に進む。
ステップS2:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、精算業務開始指示情報を受信した旨(又は、精算業務処理を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS2に続いてステップS3に進む。
なお、精算業務開始指示情報を受信した旨(又は、精算業務処理を開始する旨)の処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図6のPOS#2(つまり後述する図11(a))、又は、図6のPOS#5(つまり後述する図11(b))のように処理状況を表示する。
(残置金確認)
ステップS3:POSレジスタ2は、残置金確認(残置金確認処理)を開始する。具体的には、まず、POSレジスタ2は、残置金はOKであるかを判断する。残置金がNGである場合(ステップS3:NO)、ステップS4に進む。一方、残置金がOKである場合(ステップS3:YES)、ステップS6に進む。
ステップS4:POSレジスタ2は、警告通知(残置金が不足する旨を警告する通知、あるいは、残置金を調整すべき旨を警告する通知等)を監視装置3に送信する。ステップS4に続いてステップS5に進む。
なお、当該警告通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2において残置金が不足している旨のメッセージ(例えば、図6のPOS#5に示すようなメッセージ)、あるいは、当該POSレジスタ2について残置金を調整すべき旨のメッセージを表示する。
ステップS5:POSレジスタ2は、残置金を調整する。具体的には、POSレジスタ2は、基準枚数以上となるように貨幣の投入を受け付ける。例えば、監視装置3は、当該POSレジスタ2の収納部内に収納されている各貨幣の収納枚数が基準枚数以上となるように、当該POSレジスタ2に貨幣を入金させる入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、当該入金伝票に基づいて貨幣の投入を受け付けるようにしてもよい。なお、監視装置3は、貨幣を入金する装置(当該POSレジスタ2)を特定する情報、金種毎の入金枚数をコード化したコード情報を印刷した入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、当該入金伝票を読み取ることにより、貨幣の投入を受け付けるようにしてもよい。ステップS5に続いてステップS3に戻る。なお、本フローチャートでは、ステップS5に続いてステップS3に戻るが、ステップS5に続いてステップS6に進むようにしてもよい。
ステップS6:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、残置金確認が完了した旨(又は、釣銭精査を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS6に続いてステップS7に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図6のPOS#3(つまり後述する図11(c))のように処理状況を表示する。
(釣銭精査)
ステップS7:POSレジスタ2は、釣銭精査(釣銭精査処理)を開始する。具体的には、まず、POSレジスタ2は、収納部内に収納している各貨幣を実際に計数する。つまり、POSレジスタ2は、現金在高(各貨幣の実際の収納枚数)を求める処理を実行する。より詳細には、釣銭釣札機17内において貨幣を移動させるなどして貨幣が実際に何枚あるかを数え直すといった処理を金種毎に全金種について、釣銭釣札機17に実行させる。従って、処理時間に関して言えば、精算業務処理全体の処理時間に占める当該処理(各貨幣を実際に計数する処理)の処理時間の割合は大きい。ステップS7に続いてステップS8に進む。
ステップS8:POSレジスタ2は、精査はOKであるかを判断する。つまり、POSレジスタ2は、ステップS7において計数して得られた現金在高(各貨幣の実際の収納枚数)と、各取引の入出金情報に基づいた理論在高(各貨幣の理論上の収納枚数)とを比較し、一致するかを判断する。精査がNGである場合、つまり、現金在高と理論在高とが一致しない場合(ステップS8:NO)、ステップS9に進む。一方、精査がOKである場合、つまり、現金在高と理論在高とが一致する場合(ステップS8:YES)、ステップS11に進む。
なお、残置金がNG(ステップS3(NO))となるのは日常的に想定している何ら珍しいことではないが、精査がNG(ステップS8(NO))となるのは基本的に想定していない非常に珍しいことである。
ステップS9:POSレジスタ2は、警告通知(精査が合わない旨の警告を警告する通知、あるいは、補正をすべき旨を警告する通知等)を監視装置3に送信する。ステップS9に続いてステップS10に進む。
なお、当該警告通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2において精査が合わない旨のメッセージ、あるいは、当該POSレジスタ2について補正をすべき旨のメッセージを表示する。
ステップS10:POSレジスタ2は、収納枚数を補正する。例えば、POSレジスタ2は、基準枚数以上となるように貨幣の投入または放出を受け付ける。例えば、監視装置3は、当該POSレジスタ2の収納部内に収納されている現金在高が理論在高と一致するように、当該POSレジスタ2に貨幣を入金または出金させる伝票(入金伝票、出金伝票、入出金伝票等)を発行し、POSレジスタ2は、当該伝票に基づいて貨幣の投入または放出を受け付けるようにしてもよい。なお、監視装置3は、貨幣を入金または出金する装置(当該POSレジスタ2)を特定する情報、金種毎の入金枚数または出金枚数をコード化したコード情報を印刷した入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、当該入金伝票を読み取ることにより、貨幣の投入を受け付けるようにしてもよい。ステップS10に続いてステップS3に戻る。なお、本フローチャートでは、ステップS10に続いてステップS3に戻るが、ステップS10に続いてステップS7に戻るようにしてもよい。
なお、残置金がNG(ステップS3(NO))となった後の残置金調整(ステップS5)では、理論在高との間で齟齬が生じないように、調整(投入)した貨幣について理論在高に反映させるが、精査がNG(ステップS8(NO))となった後の補正(ステップS10)では、理論在高との間で既に生じている齟齬を補正するものであるため、補正(投入、放出)した貨幣について理論在高に反映させない。図13のフローチャートにおいても同様である。
ステップS11:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、釣銭精査が完了した旨(又は、売上金回収を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS11に続いてステップS12に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図6のPOS#4(つまり後述する図11(d))のように処理状況を表示する。
(売上金回収)
ステップS12:POSレジスタ2は、回収指示通知(売上金回収を指示する通知)を監視装置3に送信する。ステップS12に続いてステップS13に進む。
なお、回収指示通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2において売上金回収を指示する旨のメッセージ(例えば、図6のPOS#4に示すようなメッセージ)を表示する。
ステップS13:POSレジスタ2は、例えば、店員の操作に基づいて、収納部からの貨幣の回収を制御する処理(電気的、構造的な制御等)を実行する。ステップS13に続いてステップS14に進む。
ステップS14:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、売上金回収が完了した旨(又は、開設を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS14に続いてステップS15に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図6のPOS#6(つまり後述する図11(e))のように処理状況を表示する。
ステップS15:POSレジスタ2は、開設処理を実行する。例えば、POSレジスタ2は、各種情報(上述迄の全処理が完了した旨の情報、売上情報等)をストアコントローラ4に送信するなどして、開店待ちの状態にする。ステップS15に続いてステップS16に進む。
ステップS16:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、開設が完了した旨(又は、精算業務が完了した旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS16に続いてステップS17に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図6のPOS#8のように、精算業務が終了した旨の「精算終了」等の文言を表示する。図13のフローチャートにおいても同様である。
また、監視装置3は、全装置(精算業務処理を実行する装置として指定された全POSレジスタ2)から開設が完了した旨(又は、精算業務が完了した旨)の処理状況通知を受信し終えた後に、図9に示したような、精算レポートを発行する。図9に示した精算レポートには、装置毎に、売上金額、理論在高、実在高(現金在高)、精査結果、精査NGの場合の補正に関する情報、回収金額、残置金額が印刷されている。図13のフローチャートにおいても同様である。
なお、監視装置3は、精算レポートの発行に代えて又は加えて、精算レポート上に印刷されるような情報(売上金額、理論在高、実在高、精査結果、精査NGの場合の補正に関する情報、回収金額、残置金額等)を、自身の記憶部に記憶してもよいし、自身の表示部に表示してもよいし、外部(例えば、ストアコントローラ4、各POSレジスタ2)に送信してもよい。
なお、図9に示した精算レポートは、全装置の情報を印刷したものであるが、監視装置3は、装置毎に情報が印刷された精算レポートを発行してもよい。例えば、監視装置3は、全装置(精算業務処理を実行する装置として指定された全POSレジスタ2)から開設が完了した旨(又は、精算業務が完了した旨)の処理状況通知を受信し終えた後に、装置毎に情報が印刷された精算レポートを、装置毎に夫々発行してもよいし、夫々の装置から開設が完了した旨(又は、精算業務が完了した旨)の処理状況通知を受信する度に、当該装置の情報が印刷された精算レポートを発行してもよい。図13のフローチャートにおいても同様である。
ステップS17:POSレジスタ2は、電源をオフにする。そして、図8のフローチャートは終了する。なお、電源がオフになると、オフラインになるが、オフラインになった場合には、監視装置3は、例えば、図6のPOS#8のように、オフラインである旨を表示する。図13のフローチャートにおいても同様である。
(精算業務処理における各工程の処理順序の他の例)
以上、精算業務処理について説明したが、精算業務処理の各工程の処理順序は、上記に限定されない。図6、図7(a)、図7(b)、図8等における説明では、精算業務処理が「残置金確認」→「釣銭精査」→「売上金回収」→「開設」の順に行われる態様であったが、例えば、精算業務処理が「釣銭精査」→「残置金確認」→「売上金回収」→「開設」の順に行われるようにしてもよい。
図10は、精算業務処理の工程について説明する説明図である。具体的には、図10(a)は図6、図7(a)、図7(b)、図8等において説明した態様(精算業務処理が「残置金確認」→「釣銭精査」→「売上金回収」→「開設」の順に行われる態様)について説明する説明図である。図10(b)は、図6、図7(a)、図7(b)、図8等において説明した態様とは異なる態様(精算業務処理が「釣銭精査」→「残置金確認」→「売上金回収」→「開設」の順に行われる態様)について説明する説明図である。図11は、精算業務処理の工程の表示に係る表示態様の一例である。
なお、以下の説明において、図10(a)の態様を「残置金確認後釣銭精査」、「精査モードA」又は「精算業務モードA」と称する場合がある、また、図10(b)の態様を「釣銭精査後残置金確認」、「精査モードB」又は「精算業務モードB」と称する場合がある。
なお、言うまでもないが、監視装置3は、残置金確認後釣銭精査の場合には、図7(a)や図7(b)のように精算業務処理の工程を表示したが、釣銭精査後残置金確認の場合には、図7(c)のように精算業務処理の工程を表示する。つまり、監視装置3は、処理の順番がわかるように、残置金確認後釣銭精査の場合には、「残置金確認」の下側に「釣銭精査」を表示するが(図7(a)(b)の符号B1、B2)、釣銭精査後残置金確認の場合には、「釣銭精査」の下側に「残置金確認」を表示する(図7(c)の符号D1、D2)。
つまり、監視装置3は、図10(a)の「残置金確認後釣銭精査」では、精算業務処理の進行状況に応じて、図11(a)→図11(b)→図11(c)→図11(d)→図11(e)のように報知し、図10(b)の「釣銭精査後残置金確認」では、精算業務処理の進行状況に応じて、図11(f)→図11(g)→図11(h)→図11(i)→図11(j)のように報知する。
図10(a)の「残置金確認後釣銭精査」でも、図10(b)の「釣銭精査後残置金確認」でも、残置金確認と釣銭精査の夫々についてNG(残置金NG、精査NG)となる状況が考えられる(但し、処理の順序が異なるため、NGとなる順序は異なる)。しかしながら、理論在高と現金在高とが一致しない(精査NGとなる)のは非常に稀である。従って、非常に稀な精査NGを無視すれば、「残置金確認後釣銭精査」において実質的に想定されるフローは、残置金(OK)かつ精査(OK)となるケースAと、残置金(NG)かつ精査(OK)となるケースBである。また、「釣銭精査後残置金確認」において実質的に想定されるフローは、精査(OK)かつ残置金(OK)となるケースAと、精査(OK)かつ残置金(NG)となるケースBである。
図10(a)に示すように、「残置金確認後釣銭精査」におけるケースAのフローは、「残置金(OK)→精査(OK)→回収→開設」である。また、「残置金確認後釣銭精査」におけるケースBのフローは、「残置金(NG)→調整→残置金(OK)→精査(OK)→回収→開設」である。つまり、「残置金確認後釣銭精査」では、基本的には(非常に稀な精査NGを無視すれば)、時間がかかる(釣銭釣札機17内において貨幣を移動させるなどして貨幣が実際に何枚あるかを計数する)釣銭精査の実行回数は高々1回である。なお、ケースBの場合には、残置金(NG)による入出金(調整)後に、入出金(調整)後の現金在高(調整後の収納枚数)について、きちんと精査が行われるため、ケースBの場合であっても、ケースAの場合と同様、釣銭精査は1回で済む。
一方、図10(b)に示すように、「釣銭精査後残置金確認」におけるケースAのフローは、「精査(OK)→残置金(OK)→回収→開設」である。また、「釣銭精査後残置金確認」におけるケースBのフローは、「精査(OK)→残置金(NG)→調整→精査(OK)→回収→開設」である。つまり、「釣銭精査後残置金確認」では、基本的には(非常に稀な精査NGを無視すれば)、時間がかかる釣銭精査の実行回数は1回又は2回である。なお、ケースBの場合には、残置金(NG)による入出金(調整)前に、既に精査OKとなっているが、入出金(調整)後の現金在高(調整後の収納枚数)について、きちんと精査を行う必要があるため、ケースBの場合には、釣銭精査は2回となる。
以上のように、基本的には(釣銭精査OKの場合には)、図10(a)に示した「残置金確認後釣銭精査」の所要時間(厳密には、売上金回収に係る作業など店員の作業時間は除く。以下、同様)は、図10(b)に示した「釣銭精査後残置金確認」の所要時間よりも長くならない。具体的には、残置金(OK)かつ精査(OK)となるケースAの場合には、「残置金確認後釣銭精査」と「釣銭精査後残置金確認」に所要時間の差はなく、残置金(NG)かつ精査(OK)となるケースBの場合には、「残置金確認後釣銭精査」の方が「釣銭精査後残置金確認」に比べ所要時間は短くなる。
但し、上述したように、非常に稀ではあるが、精査NGとなる場合には、補正の態様(補正a:残置金を考慮しない補正、補正b:残置金(NG)とならないように残置金を考慮した補正)にもよるが、釣銭精査が行われる回数が、図10(a)に示した「残置金確認後釣銭精査」の方が、図10(b)に示した「釣銭精査後残置金確認」よりも多くなる場合がある(図10(a)(b)のケースC1以下参照)。つまり、精査NGとなる場合には、「残置金確認後釣銭精査」の方が「釣銭精査後残置金確認」に比べ所要時間が長くなる場合がある。
図10(a)の「残置金確認後釣銭精査(精査モードA)」と、図10(b)の「釣銭精査後残置金確認(精査モードB)」とは指定可能(選択可能)であってもよい。
図12は、精査モードを指定する画面の一例である。例えば、監視装置3は、図5に示した装置指定画面を表示しているときに、例えば、同図下部のボタン「設定」が押下された場合に、図12に示すような精査モード指定画面を表示し、当該精査モード指定画面上において精査モードの指定を受け付けるようにしてもよい。
図12の精査モード指定画面には、精査モードA、精査モードBの夫々に、夫々の工程を模したイラスト(符号E、G)のほか、指定する際に参考となる情報(符号F、H)、チェックボックスが表示されている。図10の例では、精査モードAが指定されている。
なお、図12の精査モード指定画面では、全装置(精算業務処理を実行する装置として指定された全POSレジスタ2)について一括して精査モードを指定するが、各装置(精算業務処理を実行する装置として指定された夫々のPOSレジスタ2)について個別に精査モードを指定可能な画面を表示し、各装置について個別に精査モードを指定できるようにしてもよい。
図13は、精算業務処理の他の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図13に示したフローチャートは、精算業務処理を実行する装置として指定された一の装置(POSレジスタ2)の動作を示している。なお、図8は、図10(a)の「残置金確認後釣銭精査(精査モードA)」におけるPOSレジスタ2の動作を示したフローチャートであるが、図13は、図10(b)の「釣銭精査後残置金確認(精査モードB)」におけるPOSレジスタ2の動作を示したフローチャートである。
ステップS31:POSレジスタ2は、監視装置3から精算業務開始指示情報を受信する。なお、図8のステップS1では、残置金確認後釣銭精査(精査モードA)を指示する精算業務開始指示情報を受信するが、図13のステップS3では、釣銭精査後残置金確認(精査モードB)を指示する精算業務開始指示情報を受信する。ステップS31に続いてステップS32に進む。
ステップS32:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、精算業務開始指示情報を受信した旨(又は、精算業務処理を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS32に続いてステップS33に進む。
なお、精算業務開始指示情報を受信した旨(又は、精算業務処理を開始する旨)の処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図11(f)、又は、図11(g)のように処理状況を表示する。
(釣銭精査)
ステップS33:POSレジスタ2は、釣銭精査(釣銭精査処理)を開始する。具体的には、POSレジスタ2は、収納部内に収納している各貨幣を実際に計数する。なお、図8のステップS7では、残置金確認が行われた後の各貨幣(残置金NGであった場合には調整後の各貨幣)を計数するが、図13のステップS33では、残置金確認がわれる前の各貨幣を計数する。ステップS33に続いてステップS34に進む。
ステップS34:POSレジスタ2は、精査はOKであるかを判断する。現金在高と理論在高とが一致しない場合(ステップS34:NO)、ステップS35に進む。一方、精査がOKである場合、つまり、現金在高と理論在高とが一致する場合(ステップS34:YES)、ステップS37に進む。
ステップS35:POSレジスタ2は、警告通知(精査が合わない旨の警告を警告する通知、あるいは、補正をすべき旨を警告する通知等)を監視装置3に送信する。ステップS35に続いてステップS36に進む。
なお、当該警告通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2において精査が合わない旨のメッセージ、あるいは、当該POSレジスタ2について補正をすべき旨のメッセージを表示する。
ステップS36:POSレジスタ2は、収納枚数を補正する。例えば、POSレジスタ2は、基準枚数以上となるように貨幣の投入または放出を受け付ける。例えば、監視装置3は、当該POSレジスタ2の収納部内に収納されている現金在高が理論在高と一致するように、当該POSレジスタ2に貨幣を入金または出金させる伝票(入金伝票、出金伝票、入出金伝票等)を発行し、POSレジスタ2は、当該伝票に基づいて貨幣の投入または放出を受け付けるようにしてもよい。なお、監視装置3は、貨幣を入金または出金する装置(当該POSレジスタ2)を特定する情報、金種毎の入金枚数または出金枚数をコード化したコード情報を印刷した入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、当該入金伝票を読み取ることにより、貨幣の投入を受け付けるようにしてもよい。ステップS36に続いてステップS33に戻る。
ステップS37:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、釣銭精査が完了した旨(又は、残置金確認を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS37に続いてステップS38に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図11(h)のように処理状況を表示する。
(残置金確認)
ステップS38:POSレジスタ2は、残置金確認(残置金確認処理)を開始する。具体的には、POSレジスタ2は、残置金はOKであるかを判断する。なお、図8のステップS3では、釣銭精査が行われる前の各貨幣について判断するが、図13のステップS38では、釣銭精査が行われた後の各貨幣(精査NGであった場合には補正後の各貨幣)について判断する。残置金がNGである場合(ステップS38:NO)、ステップS39に進む。一方、残置金がOKである場合(ステップS38:YES)、ステップS41に進む。
ステップS39:POSレジスタ2は、警告通知(残置金が不足する旨を警告する通知、あるいは、残置金を調整すべき旨を警告する通知等)を監視装置3に送信する。ステップS39に続いてステップS40に進む。
なお、当該警告通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2において残置金が不足している旨のメッセージ(例えば、図6のPOS#5に示すようなメッセージ)、あるいは、当該POSレジスタ2について残置金を調整すべき旨のメッセージを表示する。
ステップS40:POSレジスタ2は、残置金を調整する。具体的には、POSレジスタ2は、基準枚数以上となるように貨幣の投入を受け付ける。例えば、監視装置3は、当該POSレジスタ2の収納部内に収納されている各貨幣の収納枚数が基準枚数以上となるように、当該POSレジスタ2に貨幣を入金させる入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、当該入金伝票に基づいて貨幣の投入を受け付けるようにしてもよい。なお、監視装置3は、貨幣を入金する装置(当該POSレジスタ2)を特定する情報、金種毎の入金枚数をコード化したコード情報を印刷した入金伝票を発行し、POSレジスタ2は、当該入金伝票を読み取ることにより、貨幣の投入を受け付けるようにしてもよい。ステップS40に続いてステップS33に戻る。
ステップS41:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、残置金確認が完了した旨(又は、売上金回収を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS41に続いてステップS42に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図11(i)のように処理状況を表示する。
(売上金回収)
ステップS42:POSレジスタ2は、回収指示通知(売上金回収を指示する通知)を監視装置3に送信する。ステップS42に続いてステップS43に進む。
なお、回収指示通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2において売上金回収を指示する旨のメッセージ(例えば、図6のPOS#4に示すようなメッセージ)を表示する。
ステップS43:POSレジスタ2は、例えば、店員の操作に基づいて、収納部からの貨幣の回収を制御する処理(電気的、構造的な制御等)を実行する。ステップS43に続いてステップS44に進む。
ステップS44:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、売上金回収が完了した旨(又は、開設を開始する旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS44に続いてステップS45に進む。
なお、当該処理状況通知を受信した監視装置3は、当該POSレジスタ2の精算業務処理の処理状況として、例えば、図11(j)のように処理状況を表示する。
ステップS45:POSレジスタ2は、開設処理を実行する。例えば、POSレジスタ2は、各種情報(上述迄の全処理が完了した旨の情報、売上情報等)をストアコントローラ4に送信するなどして、開店待ちの状態にする。ステップS45に続いてステップS46に進む。
ステップS46:POSレジスタ2は、処理状況通知を監視装置3に送信する。具体的には、POSレジスタ2は、開設が完了した旨(又は、精算業務が完了した旨)の処理状況通知を監視装置3に送信する。ステップS46に続いてステップS47に進む。
ステップS47:POSレジスタ2は、電源をオフにする。そして、図8のフローチャートは終了する。
実行している(又は、実行した精査モード)が、精査モードAであるか(あったか)、精査モードBであるか(あったか)を出力してもよい。例えば、精算業務処理の状態を報知する画面(図6)上に表示(装置毎に精査モードを指定する場合には装置毎に表示)してもよい。また、精算レポート(図9)上に印刷(装置毎に精査モードを指定する場合には装置毎に印刷)してもよい。また、記憶部に記憶してもよいし、表示部に表示してもよいし、外部(例えば、ストアコントローラ4、各POSレジスタ2)に送信してもよい。なお、自動的に精査モードが決定される場合(後述)においても、店員の操作に基づいて精査モードが決定される場合と同様、実行している(又は、実行した精査モード)が、精査モードAであるか(あったか)、精査モードBであるか(あったか)を出力してもよい。
精査モードの指定に制限を設けるようにしてもよい。例えば、管理者権限である場合に精査モードを指定できるようにしてもよい。一例として、管理者権限でログインしている場合には精査モード指定画面を表示し、管理者権限でログインしていない場合には精査モード指定画面を表示しないようにしてもよい。なお、精査モードAを基本精査モードとし、例外(特殊)精査モードである精査モードBの指定に対し、制限を設けるようにしてもよい。一例として、管理者権限でログインしている場合には精査モード指定画面における精査モードBの指定を許可し、管理者権限でログインしていない場合には精査モード指定画面における精査モードBの指定を許可しないようにしてもよい。なお、一例であるが、例えば、破損した紙幣や変形した硬貨を投入しているような場合や、取消、両替等を頻繁に実行しているような場合や、そうでない場合に比べ、精査NGとなる可能性が高まるため、精査モードBを指定していしてもよい。
なお、上記説明では、精査モードは店員の指定によって決定されるが、自動的に決定されるようにしてもよい。つまり、精査OKとなることが略確実に予想される場合には精査モードAが自動的に決定され、精査NGとなる虞がある場合には精査モードBが自動的に決定されるようにしてもよい。
具体的には、過去の実績に応じて自動的に決定してもよい。例えば、最後に精査NGとなった日から数日間(例えば1~3日間)は精査モードBを決定し、最後に精査NGとなった日から数日間を経過後は精査OKが続く限り精査モードAを決定してもよい。なお、ある1台のPOSレジスタ2が精査NGとなった場合には当該1台のPOSレジスタ2について精査モードBを決定してもよいし、ある1台のPOSレジスタ2が精査NGとなった場合には当該1台のPOSレジスタ2を含む全部のPOSレジスタ2について精査モードBを決定してもよい。
また例えば、POSレジスタ2別に精査NGの頻度を集計し、精査NGの頻度が基準値未満であるPOSレジスタ2については精査モードAを決定し、精査NGの頻度が基準値以上であるPOSレジスタ2については精査モードBを決定してもよい。
また例えば、上記に代えて又は加えて、POSレジスタ2を使用する店員別に精査NGの頻度を集計し、精査NGの頻度が基準値未満である店員が主に操作したPOSレジスタ2については精査モードAを決定し、精査NGの頻度が基準値以上である店員が主に操作したPOSレジスタ2については精査モードBを決定してもよい。
また例えば、上記に代えて又は加えて、曜日別(すなわち、曜日別、又は、曜日別店員別)に頻度を集計し、同様に基準値と比較し決定してもよい。
また、過去の実績に代えて又は加えて、商品の取消、両替等の回数に基づいて精査モードを決定してもよい。例えば、商品の取消、両替等の回数が所定回数未満であったPOSレジスタ2については精査モードAを決定し、商品の取消、両替等の回数が所定回数以上であったPOSレジスタ2については精査モードBを決定してもよい。また例えば、精査NGの頻度が基準値未満である店員が主に操作したPOSレジスタ2であるか、または、商品の取消、両替等の回数が所定回数未満であったPOSレジスタ2については精査モードAを決定し、精査NGの頻度が基準値以上である店員が主に操作したPOSレジスタ2であって、かつ、商品の取消、両替等の回数が所定回数以上であったPOSレジスタ2について精査モードBを決定してもよい。
また、上記説明では、残置金確認(残置金確認処理)に関して、枚数が少ない場合に残置金調整として貨幣の投入を受け付ける例を説明したが、枚数が少ない場合に残置金調整として貨幣の投入を受け付けることに加えて、枚数が多い場合に残置金調整として貨幣の放出を受け付けるようにしてもよい。例えば、貨幣毎に、釣銭ニアエンドを管理する第1閾値よりも値が大きい第2閾値未満である場合に、残置金調整として貨幣の投入を受け付ける例を説明したが、上記に加えて、釣銭ニアフルを管理する第4閾値よりも値が小さい第3閾値以上である場合に、残置金調整として貨幣の放出を受け付けるようにしてもよい。
(ある貨幣の具体例)
第4閾値(例えば、120枚)…ニアフル判定用の閾値
第3閾値(例えば、100枚)…残置金確認における上限閾値
第2閾値(例えば、40枚)…残置金確認における下限閾値
第1閾値(例えば、20枚)…ニアエンド判定用の閾値
とし、例えば営業中は、収納枚数<第1閾値未満の場合に釣銭ニアエンドと判断し、収納枚数≧第4閾値の場合に釣銭ニアフルと判断し、一方、精算業務処理の残置金確認では、収納枚数<第2閾値未満の場合か、収納枚数≧第3閾値の場合に残置金NGと判断してもよい。収納枚数<第2閾値未満の場合の残置金NGの場合には調整として貨幣の投入を受ける。収納枚数≧第3閾値の場合の残置金NGの場合には調整として貨幣の放出を受ける。なお、貨幣の種類毎に、閾値(第1閾値~第4閾値)を異ならせてもよい。貨幣の放出の場合には出金伝票を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、監視装置3において各種画面(図4、図5、図7、図12等の画面)を表示し、精算業務開始指示情報を送信しているが、監視装置3に代えて又は加えて、他の装置(例えば、POSレジスタ2(例えば、代表のPOSレジスタ2)、非図示のタブレット端末、非図示のスマートフォン等)が各種画面(図4、図5、図7、図12等の画面)を表示し、精算業務開始指示情報を送信してもよい。つまり、監視装置3とは異なる他の装置が、精算業務を管理してもよい(例えば、POSレジスタ2等に精査モード指定画面を表示し、POSレジスタ2等において精査モードを指定できるようにしてもよい)。また、精算業務開始指示情報の受信ではなく精算業務開始指示の操作等に基づいて精算業務を開始してもよい。つまり、あるPOSレジスタ2の精算業務の開始を当該POSレジスタ2上における操作によって開始するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、精算業務処理は、4工程であるが、工程数は4でなくてもよい。つまり、各工程の細分化や統合等に応じて、精算業務処理に含まれる工程数を、5以上としてもよいし、3未満としてもよい。例えば、上記実施形態では、現金在高を計数する処理は釣銭精査処理の一部であるが(図10等参照)、現金在高を計数する処理を釣銭精査処理から切り離して別工程とみなしてもよい。なお、精算業務処理に含まれる工程数が幾つの場合であっても、精査モードAを、現金在高を計数する前に残置金確認を行う処理とし、精査モードBを、現金在高を計数した後に残置金確認を行う処理と捉えてもよい。
また、上記実施形態では、精算業務処理の精査モードとして、精査モードAと精査モードBの2つの精査モードについて説明したが、精査モードの種類は3種類以上であってもよい。一例として、図10に示したように工程数が4である場合において、仮に精査NGとなった場合の実行する補正の態様(上述した補正a、補正bの別)に応じて、精査モードを細分化してもよい。例えば、
精査モードA1:精査モードAにおいて精査NG後に残置金を考慮しない補正(補正a)による補正を行うモード
精査モードA2:精査モードAにおいて精査NG後に残置金(NG)とならないように残置金を考慮した補正(補正b)を行う精査モード
精査モードB1:精査モードBにおいて精査NG後に残置金を考慮しない補正(補正a)による補正を行うモード
精査モードB2:精査モードBにおいて精査NG後に残置金(NG)とならないように残置金を考慮した補正(補正b)を行う精査モード
の4つに分けるようにしてもよい。
なお、1円玉の残置金確認における下限閾値(上記の第2閾値)が40枚であるときに、1円玉が5枚多いという精査NG(例えば、論理在高における1円玉が38枚であるのに対し、現金在高における1円玉が43枚)となった場合、補正aでは、下限閾値を無視し、単に1円玉を5枚放出し、現金在高における1円玉を論理在高における1円玉と同じ38枚とするが、補正bでは、下限閾値を考慮し、例えば、1円玉を放出せずに5円玉1枚を放出してもよい。なお、補正aの場合には、原則通り、理論在高は更新しないが、補正bの場合には、理論在高を更新してもよい。上記の例の場合、補正aでは、論理在高における1円玉は38枚のままとするが、補正bでは、論理在高における5円玉を1枚減らし、代わりに論理在高における1円玉を5枚増やしてもよい。
なお、精査モードの種類が3種類以上の場合であっても、精査モードの種類が2種類の場合と同様、店員の指定操作により実行する精査モードを決定してもよいし、過去の実績等から自動的に実行する精査モードを決定してもよい。なお、各モード間における差異は、工程の実行順序が異なる点(精査モードA、B間の差異)、工程内の実行態様が異なる点(例えば、補正a、補正bの差異)などである。
なお、上記実施形態では、精算業務処理の処理対象であるPOSレジスタ2は、登録処理と、精算処理(具体的には少なくとも現金による精算処理)とが実行可能な装置であったが、精算業務処理の処理対象は、少なくとも精算処理(具体的には少なくとも現金による精算処理)が実行可能な装置であればよい。従って、筐体の一方側で店員が商品の登録も精算も行う登録精算装置(POSレジスタ2の態様の装置)の他、例えば、登録装置(例えば店員が商品の登録を行う登録装置)における登録情報に基づいて客自身が精算を行う精算装置、客自身が商品の登録も精算も行う登録精算装置、筐体の一方側で店員が行った商品の登録情報に戻づいて当該装置の反対側で客自身が精算を行う登録精算装置なども、精算業務処理の処理対象となる。また、登録専用モード、精算専用モード、登録精算モード等の切り替え可能な複数の動作モードを有する装置も、精算業務処理の処理対象となる。
なお、上述したPOSシステム1や、ストアコントローラ4や、POSレジスタ2などを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以下、付記を開示する。
(付記1)
収納されている貨幣の枚数を計数する計数手段(例えば、釣銭精査の一部(ステップS7等))と、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数と、各取引の入出金情報に基づいた各貨幣の枚数である理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査する精査手段(例えば、釣銭精査の一部(ステップS8等))と、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数が、各貨幣についてあらかじめ定められた開店時における収納枚数(残置金の枚数)に関する所定条件(例えば、第2閾値以上であるか、または、第2閾値以上かつ第3閾値以下であるか等)を満たしているかを判定する判定手段(例えば、残置金確認の一部(ステップS3等))とを備え、前記精査手段は、前記判定手段によって各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たしていると判定された後に、前記所定条件を満たしていると判定された各貨幣の収納枚数と、各貨幣の前記理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査する(図8参照)ことを特徴とする販売データ処理装置。
当該構成によれば、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。つまり、所定条件を満たしていると判定された各貨幣の収納枚数(すなわち、開店時の基準枚数として適当であると判定済の釣銭釣札機内の各貨幣の収納枚数)と、各貨幣の理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査するようにしているため(すなわち、釣銭精査を行っているため)、基本的に、再度、釣銭精査を行う必要がなく(釣銭精査を2回以上行う必要がなく)、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。
(付記2)
各貨幣の収納枚数を調整可能な調整手段(例えば、残置金確認の一部(ステップS5等))を備え、前記調整手段は、各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たすように収納枚数を調整可能であり、前記精査手段は、前記調整手段による調整後の各貨幣の収納枚数と、各貨幣の前記理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査する(図8参照)ことを特徴とする付記1に記載の販売データ処理装置。
当該構成によれば、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。つまり、所定条件を満たしていないと判定された場合(すなわち、開店時の基準枚数として適当ではない場合)には、所定条件を満たすように収納枚数を調整可能であり、調整後の各貨幣の収納枚数と、各貨幣の前記理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査するため、例えば、所定条件を満たしていないと判定された場合であっても、基本的に、釣銭精査は1回で済み(釣銭精査を2回以上行う必要がなく)、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。
(付記3)
媒体上(伝票)のコード情報を読み取る読取手段を備え、前記調整手段は、前記読取手段が読み取った前記コード情報に基づいて、貨幣の投入を受け付けることにより、または、貨幣を放出することにより、各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たすように収納枚数を調整可能であることを特徴とする付記2に記載の販売データ処理装置。
当該構成によれば、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。つまり、簡便に収納枚数を調整することができるため、所定条件を満たしていないと判定された場合(すなわち、開店時の基準枚数として適当ではない場合)であっても、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。
(付記4)
収納されている貨幣の枚数を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数と、各取引の入出金情報に基づいた各貨幣の枚数である理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査する精査手段と、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数が、各貨幣についてあらかじめ定められた開店時における収納枚数に関する所定条件を満たしているかを判定する判定手段とを備え、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たしているかを前記判定手段が判定した後に、前記判定手段によって前記所定条件を満たしていると判定された各貨幣の収納枚数と各貨幣の前記理論枚数と比較し各貨幣の収納枚数が正しいかを前記精査手段が精査する第1動作モード(残置金確認後釣銭精査(精査モードA)等。図10(a)、図8参照)と、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数と各貨幣の前記理論枚数と比較し各貨幣の収納枚数が正しいかを前記精査手段が精査した後に、前記精査手段によって正しいと精査された各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たしているかを前記判定手段が判定する第2動作モード(釣銭精査後残置金確認(精査モードB)等。図10(b)、図13参照)とを有することを特徴とする販売データ処理装置。
当該構成によれば、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。つまり、好適なモードにて処理を実行させることができるため、開店処理に要する時間があまり長くならないようになる。
(付記5)
販売データ処理装置としてのコンピュータを機能させるプログラムであって、収納されている貨幣の枚数を計数する計数手段、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数と、各取引の入出金情報に基づいた各貨幣の枚数である理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査する精査手段、前記計数手段によって計数された各貨幣の収納枚数が、各貨幣についてあらかじめ定められた開店時における収納枚数に関する所定条件を満たしているかを判定する判定手段として機能させ、前記精査手段は、前記判定手段によって各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たしていると判定された後に、前記所定条件を満たしていると判定された各貨幣の収納枚数と、各貨幣の前記理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査することを特徴とするプログラム。
(付記6)
販売データ処理装置における精査方法であって、収納されている貨幣の枚数を計数する計数ステップと、前記計数ステップによって計数された各貨幣の収納枚数と、各取引の入出金情報に基づいた各貨幣の枚数である理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査する精査ステップと、前記計数ステップによって計数された各貨幣の収納枚数が、各貨幣についてあらかじめ定められた開店時における収納枚数に関する所定条件を満たしているかを判定する判定ステップとを有し、前記精査ステップは、前記判定ステップによって各貨幣の収納枚数が前記所定条件を満たしていると判定された後に、前記所定条件を満たしていると判定された各貨幣の収納枚数と、各貨幣の前記理論枚数とを比較し、各貨幣の収納枚数が正しいかを精査することを特徴とする精査方法。