JP7311057B2 - 熱拡散デバイスおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱拡散デバイスおよび電子機器に関する。
近年、素子の高集積化および高性能化による発熱量が増加している。また、製品の小型化が進むことで、発熱密度が増加するため、放熱対策が重要となっている。この状況はスマートフォンおよびタブレットなどのモバイル端末の分野において特に顕著である。熱対策部材としては、グラファイトシートなどが用いられることが多いが、その熱輸送量は十分ではないため、様々な熱対策部材の使用が検討されている。中でも、非常に効果的に熱を拡散させることが可能である熱拡散デバイスとして、面状のヒートパイプであるベーパーチャンバーの使用の検討が進んでいる。
ベーパーチャンバーは、筐体の内部に、作動媒体と、毛細管力によって作動媒体を輸送するウィックとが封入された構造を有する。上記作動媒体は、電子部品などの発熱素子からの熱を吸収する蒸発部において発熱素子からの熱を吸収してベーパーチャンバー内で蒸発した後、ベーパーチャンバー内を移動し、冷却されて液相に戻る。液相に戻った作動媒体は、ウィックの毛細管力によって再び発熱素子側の蒸発部に移動し、発熱素子を冷却する。これを繰り返すことにより、ベーパーチャンバーは外部動力を有することなく自立的に作動し、作動媒体の蒸発潜熱および凝縮潜熱を利用して、二次元的に高速で熱を拡散することができる。
特許文献1には、作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナと、上記コンテナの内部に設けられたウィックと、を備え、上記ウィックは、繊維を筒状に編んだ編組体と、上記繊維よりも太い繊維を線状に束ねた線状束と、を有し、上記線状束は、上記編組体の内周面によって囲まれた空洞部に配置されており、上記編組体の周囲に、上記作動流体の蒸気流路が形成され、上記空洞部に、上記作動流体の液体流路が形成されている、ことを特徴とするヒートパイプが開示されている。
特開2018-76989号公報
特許文献1に記載のヒートパイプでは、ウィックの材料として用いられている繊維の太さを変えることで、ウィックに内部領域と外部領域とを形成した上で、内部領域を液体流路、外部領域を蒸気流路としている。
しかしながら、ベーパーチャンバーにおいてウィックが繊維から構成される場合、ウィックの毛細管力と透過率とはトレードオフの関係にある。そのため、ベーパーチャンバーの熱輸送能力を高くすることは困難である。
なお、上記の問題は、ベーパーチャンバーに限らず、ベーパーチャンバーと同様の構成によって熱を拡散させることが可能な熱拡散デバイスに共通する問題である。
本発明は、高い熱輸送能力を有する熱拡散デバイスを提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記熱拡散デバイスを備える電子機器を提供することを目的とする。
本発明の熱拡散デバイスは、厚さ方向に対向する第1内壁面および第2内壁面を有する筐体と、上記筐体の内部空間に封入される作動媒体と、上記筐体の上記第1内壁面と上記第2内壁面との間に配置されるウィックと、を備える。上記ウィックは、繊維を線状に束ねた繊維束から構成される。上記第1内壁面および上記第2内壁面の少なくとも一方の内壁面と上記ウィックとの間には、毛細管力による液流路が上記ウィックの延伸方向に沿って形成されている。
本発明の電子機器は、本発明の熱拡散デバイスと、上記熱拡散デバイスを構成する筐体の外壁面に取り付けられた電子部品と、を備える。
本発明によれば、高い熱輸送能力を有する熱拡散デバイスを提供することができる。さらに、本発明によれば、上記熱拡散デバイスを備える電子機器を提供することができる。
図1は、本発明の熱拡散デバイスの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す平面図である。 図3は、図2に示すベーパーチャンバーのIII-III線に沿った幅方向の断面図である。 図4は、図2に示すベーパーチャンバーのIV-IV線に沿った長さ方向の断面図である。 図5は、図3においてVで示す部分の拡大図である。 図6は、ウィックの一例を模式的に示す平面図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係るベーパーチャンバーの別の一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。 図9は、本発明の第3実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す幅方向の断面図である。 図10は、本発明の第3実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。 図11は、本発明の第4実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。 図12は、本発明の第5実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す幅方向の断面図である。 図13は、本発明の第5実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。 図14は、本発明の第6実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す幅方向の断面図である。 図15は、本発明の第6実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。 図16は、本発明の第7実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す平面図である。 図17は、図16に示すベーパーチャンバーのXVII-XVII線に沿った幅方向の断面図である。 図18は、図16に示すベーパーチャンバーのXVIII-XVIII線に沿った長さ方向の断面図である。 図19は、筐体が複数の蒸発部を有するベーパーチャンバーの一例を模式的に示す平面図である。 図20は、筐体が複数の蒸発部を有するベーパーチャンバーの別の一例を模式的に示す平面図である。 図21は、本発明の電子機器の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の熱拡散デバイスについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の熱拡散デバイスは、厚さ方向に対向する第1内壁面および第2内壁面を有する筐体と、上記筐体の内部空間に封入される作動媒体と、上記筐体の上記第1内壁面と上記第2内壁面との間に配置されるウィックと、を備える。
以下では、本発明の熱拡散デバイスの一実施形態として、ベーパーチャンバーを例にとって説明する。本発明の熱拡散デバイスは、ヒートパイプ等の熱拡散デバイスにも適用可能である。
図1は、本発明の熱拡散デバイスの一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すベーパーチャンバー1は、気密状態に密閉された中空の筐体10を備える。図1に示すように、筐体10の外壁面には、発熱素子である熱源(heat source)HSが配置される。熱源HSとしては、電子機器の電子部品、例えば中央処理装置(CPU)等が挙げられる。
ベーパーチャンバー1は、全体として面状である。すなわち、筐体10は、全体として面状である。ここで、「面状」とは、板状およびシート状を包含し、幅方向Xの寸法(以下、幅という)および長さ方向Yの寸法(以下、長さという)が厚さ方向Zの寸法(以下、厚さまたは高さという)に対して相当に大きい形状、例えば幅および長さが、厚さの10倍以上、好ましくは100倍以上である形状を意味する。
ベーパーチャンバー1の大きさ、すなわち、筐体10の大きさは、特に限定されない。ベーパーチャンバー1の幅および長さは、用途に応じて適宜設定することができる。ベーパーチャンバー1の幅および長さは、各々、例えば、5mm以上500mm以下、20mm以上300mm以下または50mm以上200mm以下である。ベーパーチャンバー1の幅および長さは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
筐体10は、外縁部が接合された対向する第1シート11および第2シート12から構成されることが好ましい。第1シート11および第2シート12を構成する材料は、ベーパーチャンバーとして用いるのに適した特性、例えば熱伝導性、強度、柔軟性、可撓性等を有するものであれば、特に限定されない。第1シート11および第2シート12を構成する材料は、好ましくは金属であり、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、チタン、鉄、またはそれらを主成分とする合金等であり、特に好ましくは銅である。第1シート11および第2シート12を構成する材料は、同じであってもよく、異なっていてもよいが、好ましくは同じである。
筐体10が第1シート11および第2シート12から構成される場合、第1シート11および第2シート12は、これらの外縁部において互いに接合される。かかる接合の方法は、特に限定されないが、例えば、レーザー溶接、抵抗溶接、拡散接合、ロウ接、TIG溶接(タングステン-不活性ガス溶接)、超音波接合または樹脂封止を用いることができ、好ましくはレーザー溶接、抵抗溶接またはロウ接を用いることができる。
第1シート11および第2シート12の厚さは、特に限定されないが、各々、好ましくは10μm以上200μm以下、より好ましくは30μm以上100μm以下、さらに好ましくは40μm以上60μm以下である。第1シート11および第2シート12の厚さは、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第1シート11および第2シート12の各シートの厚さは、全体にわたって同じであってもよく、一部が薄くてもよい。
第1シート11および第2シート12の形状は、特に限定されない。例えば、第1シート11は、厚みが一定の平板形状であり、第2シート12は、外縁部が外縁部以外の部分よりも厚い形状であってもよい。
あるいは、第1シート11は、厚みが一定の平板形状であり、第2シート12は、厚みが一定で、かつ、外縁部に対して外縁部以外の部分が外側に凸の形状であってもよい。この場合、筐体10の外縁部に凹みが形成される。そのため、ベーパーチャンバーを搭載する際などに外縁部の凹みを利用することができる。また、外縁部の凹みに他の部品などを配置することができる。
ベーパーチャンバー1全体の厚さは、特に限定されないが、好ましくは50μm以上500μm以下である。
厚さ方向Zから見た筐体10の平面形状は特に限定されず、例えば、三角形または矩形などの多角形、円形、楕円形、これらを組み合わせた形状などが挙げられる。また、筐体10の平面形状は、L字型、C字型(コの字型)、階段型などであってもよい。また、筐体10は貫通口を有してもよい。筐体10の平面形状は、ベーパーチャンバーの用途、ベーパーチャンバーの組み入れ箇所の形状、近傍に存在する他の部品に応じた形状であってもよい。
本発明の熱拡散デバイスでは、上記ウィックは、繊維を線状に束ねた繊維束から構成され、上記第1内壁面および上記第2内壁面の少なくとも一方の内壁面と上記ウィックとの間には、毛細管力による液流路が上記ウィックの延伸方向に沿って形成されていることを特徴としている。
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2実施形態以降では、第1実施形態と共通の事項についての記述は省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
以下の説明において、各実施形態を特に区別しない場合、単に「本発明の熱拡散デバイス」という。
以下に示す図面は模式的なものであり、その寸法や縦横比の縮尺などは実際の製品とは異なる場合がある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、第1内壁面とウィックとの間および第2内壁面とウィックとの間に、毛細管力による液流路がウィックの延伸方向に沿って形成されている。
図2は、本発明の第1実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す平面図である。図3は、図2に示すベーパーチャンバーのIII-III線に沿った幅方向の断面図である。図4は、図2に示すベーパーチャンバーのIV-IV線に沿った長さ方向の断面図である。なお、図4には、熱源HSが取り付けられた状態のベーパーチャンバーが示されている。
図2、図3および図4に示すベーパーチャンバー1Aは、筐体10を備える。筐体10は、図3および図4に示すように、厚さ方向Zに対向する第1内壁面11aおよび第2内壁面12aを有する。図1において説明したように、筐体10は、外縁部が接合された対向する第1シート11および第2シート12から構成されることが好ましい。図3および図4に示すように、ベーパーチャンバー1Aは、さらに、筐体10の内部空間に封入される作動媒体20と、筐体10の第1内壁面11aと第2内壁面12aとの間に配置されるウィック30と、を備える。
筐体10には、図2に示すように、封入した作動媒体20を蒸発させる蒸発部(evaporation portion)EPが設定されている。筐体10の内部空間のうち、熱源HSの近傍であって熱源HSによって加熱される部分が、蒸発部EPに相当する。
作動媒体20は、筐体10内の環境下において気-液の相変化を生じ得るものであれば特に限定されず、例えば、水、アルコール類、代替フロン等を用いることができる。例えば、作動媒体は水性化合物であり、好ましくは水である。
ウィック30は、図2に示すように、厚さ方向Zからの平面視で、蒸発部EPに位置する一方の端部から他方の端部まで延びている。
図5は、図3においてVで示す部分の拡大図である。図6は、ウィックの一例を模式的に示す平面図である。
図5および図6に示すように、ウィック30は、繊維Fを線状に束ねた繊維束から構成される。繊維束は、毛細管力によって作動媒体20を輸送するウィックとして機能する。したがって、蒸発部EPで蒸発した後、冷却されて液相に戻った作動媒体20を、再び蒸発部EPに還流させることができる。
繊維Fとしては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属線や、カーボン繊維、ガラス繊維などの非金属線を用いることができる。中でも、金属線は、熱伝導率が高いため好ましい。例えば、直径が0.03mm程度の銅線を200本程度束ねることで繊維束とすることができる。
ベーパーチャンバー1Aでは、図4に示すように、ウィック30の両方の端部が筐体10の第1内壁面11aに接している。この場合、ウィック30の端部は筐体10の第1内壁面11aに固定されていることが好ましい。例えば、ウィック30を構成する繊維Fが金属線である場合、ウィック30の端部が筐体10の第1内壁面11aに接合されていることが好ましい。接合の方法は特に限定されないが、例えば、スポット溶接、拡散接合、超音波接合などを用いることができる。
ベーパーチャンバー1Aでは、図3、図4および図5に示すように、第1内壁面11aとウィック30との間には、毛細管力による液流路41がウィック30の延伸方向(ここでは長さ方向Y)に沿って形成されており、第2内壁面12aとウィック30との間には、毛細管力による液流路42がウィック30の延伸方向に沿って形成されている。一方、筐体10内の液流路41および42以外の隙間には、蒸気流路50が形成されている。
液流路41および42は、繊維束から構成されるウィック30の機能を補助する。液流路41および42は、従来のウィックとして用いられるマイクロチャネルまたはメッシュのように作動媒体20の進行方向に遮るものがないため、透過率を高くすることができる。その結果、高い熱輸送能力を有するベーパーチャンバーを得ることができる。
厚さ方向Zにおいて、第1内壁面11aと第2内壁面12aとの対向距離をA、ウィック30の高さをBとしたとき、A-B>10μmであることが好ましい。A-Bの値が10μmよりも大きいと、透過率を高くすることができる。A-Bの値の上限は特に限定されないが、毛細管力を得る観点から、例えばA-B≦100μmである。
厚さ方向Zにおいて、第1内壁面11aとウィック30との間の距離(すなわち液流路41の高さ)および第2内壁面12aとウィック30との間の距離(すなわち液流路42の高さ)は、同じであってもよく、異なっていてもよい。熱輸送効率の観点からは、熱源HSに近い側の液流路(ここでは液流路41)の高さが、熱源HSに遠い側の液流路(ここでは液流路42)の高さより大きいことが好ましい。
特に、図4に示すように、ウィック30の両方の端部のみでウィック30が筐体10に固定されていると、ウィック30が固定されていない箇所に液流路41または42を形成することができるため、作動媒体20の流路が確保されやすくなる。
また、図4に示すように、筐体10の第1内壁面11aの反対側に位置する外壁面に熱源HSが取り付けられることによって、筐体10が第1内壁面11aに蒸発部EPを有する場合、第1内壁面11aに固定されているウィック30の端部は、蒸発部EPに位置することが好ましい。この場合、熱源HSが配置される部分に作動媒体20が接するため、熱輸送効率をさらに高くすることができる。
長さ方向Yにおいて、液流路41の長さ(図4中、L1で示す長さ)は特に限定されないが、ウィック30の延伸方向の長さ(図4中、L0で示す長さ)の1/5以上であることが好ましい。同様に、長さ方向Yにおいて、液流路42の長さ(図4中、L2で示す長さ)は特に限定されないが、ウィック30の延伸方向の長さL0の1/5以上であることが好ましい。液流路41の長さL1または液流路42の長さL2を長くすることで、放熱効率をさらに高くすることができる。なお、液流路41の長さL1および液流路42の長さL2は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
ウィック30は任意の繊維束から構成されればよいが、図6に示すように、編み込み状の繊維束から構成されることが好ましい。複数の繊維Fが編み込まれた繊維束では、表面に凹凸が存在するため、筐体10の内壁面とウィック30との間に液流路41または42が形成されやすくなる。
図7は、本発明の第1実施形態に係るベーパーチャンバーの別の一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。
図7に示すベーパーチャンバー1aのように、端部に向かってウィック30が凹んでいてもよい。図7に示す例では、ウィック30の厚さは一定であるが、端部に向かってウィック30が薄くなっていてもよい。ウィック30が薄くなった部分では、作動媒体20の蒸気が蒸発する部分の面積が広がるため、循環経路を確保することができる。この場合、厚さ方向Zからの平面視で、ウィック30は、端部に向かって太くなっていてもよい。ウィック30の端部が太くなる部分では蒸発面積が広くなるため、気液の交換がスムーズになる。
図5に示す例では、ウィック30の延伸方向に垂直な繊維Fの断面は円形状であるが、扁平形状であってもよい。この場合、繊維Fの断面は、長軸方向が長さ方向Yに沿った扁平形状であることが好ましい。繊維Fの断面を扁平形状にすることで、ウィック30の全体が薄くても、繊維Fが最密充填せずに繊維F間の隙間が確保されるため、作動媒体20の流路を十分に確保することができる。さらに、繊維Fの断面が扁平形状であると、筐体10との接触面積が増えることで固着強度が増加するため、曲げなどの外部応力に対して強い構造となる。結果として、液循環に優れ、液輸送能力と外部応力に対する信頼性に優れたベーパーチャンバーが得られる。
ウィック30の延伸方向に垂直な繊維Fの断面が扁平形状である場合、上記断面における繊維Fの長径aと短径bとの比で定義されるアスペクト比(a/b)は、例えば1.1以上、2以下である。
ウィック30の幅(幅方向Xの寸法)、すなわち繊維束の幅は、500μm以上5000μm以下であることが好ましい。ウィック30の幅は、厚さ方向Zで一定でもよく、一定でなくてもよい。
ウィック30の高さ(厚さ方向Zの寸法)、すなわち繊維束の高さは、20μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、第1実施形態と同様、第1内壁面とウィックとの間および第2内壁面とウィックとの間に液流路が形成されているが、第1実施形態と異なり、ウィックが蒸発部以外において筐体に接していない。
図8は、本発明の第2実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。
図8に示すベーパーチャンバー1Bでは、ウィック30の一方の端部のみが筐体10の第1内壁面11aに接している。この場合、ウィック30の端部は筐体10の第1内壁面11aに固定されていることが好ましい。
ベーパーチャンバー1Bでは、図8に示すように、第1内壁面11aとウィック30との間には、毛細管力による液流路41がウィック30の延伸方向に沿って形成されており、第2内壁面12aとウィック30との間には、毛細管力による液流路42がウィック30の延伸方向に沿って形成されている。
第2実施形態では、液流路41の長さL1および液流路42の長さL2を第1実施形態に比べて長くすることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態では、第1実施形態と同様、第1内壁面とウィックとの間には液流路が形成されているが、第1実施形態と異なり、第2内壁面とウィックとの間には液流路が形成されていない。
図9は、本発明の第3実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す幅方向の断面図である。図10は、本発明の第3実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。
図9および図10に示すベーパーチャンバー1Cでは、第1内壁面11aとウィック30との間には、毛細管力による液流路41がウィック30の延伸方向に沿って形成されている。一方、ウィック30が第2内壁面12aに接しているため、第2内壁面12aとウィック30との間には、毛細管力による液流路42(図3および図4参照)が形成されていない。
第3実施形態では、第1実施形態と異なり、液流路が1つにまとまっている。A-Bの値が同じである場合、液流路が上下に分断している第1実施形態に比べて、透過率を高くすることができる。
第3実施形態では、熱輸送効率を高くする観点から、熱源HS側に液流路が形成されていることが好ましい。
ベーパーチャンバー1Cでは、ウィック30の両方の端部が筐体10の第1内壁面11aに接しているが、ベーパーチャンバー1Bのように、ウィック30の一方の端部のみが筐体10の第1内壁面11aに接していてもよい。また、ベーパーチャンバー1aのように、端部に向かってウィック30が凹んでいてもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態では、第3実施形態と異なり、ウィックの大部分が筐体に接しており、ウィックの一部分のみが筐体に接していない。
図11は、本発明の第4実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。
図11に示すベーパーチャンバー1Dでは、ウィック30の大部分が第1内壁面11aおよび第2内壁面12aに接している。ウィック30を構成する繊維束において、繊維の一部分が第2内壁面12a側に凹むことで、第1内壁面11aとウィック30との間には、毛細管力による液流路41がウィック30の延伸方向に沿って形成されている。一方、第2内壁面12aとウィック30との間には、毛細管力による液流路42(図3および図4参照)が形成されていない。
第4実施形態では、液流路41の長さL1が第3実施形態に比べて短くなる。一方で、ウィック30と筐体10との接触面積が第3実施形態に比べて大きくなるため、機械的強度が高くなる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態では、第1実施形態と同様、第2内壁面とウィックとの間には液流路が形成されているが、第1実施形態と異なり、第1内壁面とウィックとの間には液流路が形成されていない。
図12は、本発明の第5実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す幅方向の断面図である。図13は、本発明の第5実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。
図12および図13に示すベーパーチャンバー1Eでは、第2内壁面12aとウィック30との間には、毛細管力による液流路42がウィック30の延伸方向に沿って形成されている。一方、ウィック30が第1内壁面11aに接しているため、第1内壁面11aとウィック30との間には、毛細管力による液流路41(図3および図4参照)が形成されていない。
第2実施形態と異なり、熱源HS側に液流路が形成されていないものの、第5実施形態においてもベーパーチャンバーとして十分に機能する。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態では、筐体の内部に、第1内壁面および第2内壁面を内側から支持する複数の支柱が配置されている。それ以外の構成は、第1実施形態~第5実施形態と同様である。
図14は、本発明の第6実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す幅方向の断面図である。図15は、本発明の第6実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す長さ方向の断面図である。
図14および図15に示すベーパーチャンバー1Fでは、蒸気流路50内に、筐体10の第1内壁面11aおよび第2内壁面12aを内側から支持する複数の支柱60が配置されている。それ以外の構成は、ベーパーチャンバー1Aと同じである。
蒸気流路50内に複数の支柱60が配置される場合、支柱60間は、蒸気流路50が分断される。ウィック30の数が少ない場合には、蒸気流路50内に支柱を配置することによって筐体10を支持することが可能である。
蒸気流路50内に複数の支柱60が配置される場合、全ての蒸気流路50内に支柱60が配置されることが好ましいが、支柱60が配置されない蒸気流路50が存在してもよい。
支柱60は、第1内壁面11aおよび第2内壁面12aの両方に接していてもよく、第1内壁面11aおよび第2内壁面12aのいずれか一方に接していてもよく、第1内壁面11aおよび第2内壁面12aの両方に接していなくてもよい。
支柱60を形成する材料は、特に限定されないが、例えば、樹脂、金属、セラミックス、またはそれらの混合物、積層物等が挙げられる。また、支柱60は、筐体10と一体であってもよく、例えば、第1シート11または第2シート12の内壁面をエッチング加工すること等により形成されていてもよい。
支柱60の形状は、筐体10を支持できる形状であれば特に限定されないが、支柱60の高さ方向に垂直な断面の形状としては、例えば、矩形等の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
支柱60の高さは、一のベーパーチャンバーにおいて、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、ある領域における支柱60の高さと、別の領域における支柱60の高さが異なっていてもよい。
支柱60の幅は、筐体10の変形を抑制できる強度を与えるものであれば特に限定されないが、支柱60の端部の高さ方向に垂直な断面の円相当径は、例えば100μm以上2000μm以下であり、好ましくは300μm以上1000μm以下である。支柱60の円相当径を大きくすることにより、筐体10の変形をより抑制することができる。一方、支柱60の円相当径を小さくすることにより、作動媒体20の蒸気が移動するための空間をより広く確保することができる。
支柱60の配置は、特に限定されないが、好ましくは所定の領域において均等に、より好ましくは全体にわたって均等に、例えば支柱60間の距離が一定となるように配置される。支柱60を均等に配置することにより、ベーパーチャンバー全体にわたって均一な強度を確保することができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態では、ウィックが複数本の繊維束から構成され、厚さ方向からの平面視で、複数本の繊維束は、互いに間隔を空けて並列するように延びている。それ以外の構成は、第1実施形態~第6実施形態と同様である。
図16は、本発明の第7実施形態に係るベーパーチャンバーの一例を模式的に示す平面図である。図17は、図16に示すベーパーチャンバーのXVII-XVII線に沿った幅方向の断面図である。図18は、図16に示すベーパーチャンバーのXVIII-XVIII線に沿った長さ方向の断面図である。
図16、図17および図18に示すベーパーチャンバー1Gでは、ウィック30が複数本の繊維束から構成されている。それ以外の構成は、ベーパーチャンバー1Aと同じである。図16および図17では、4本の繊維束が示されているが、繊維束の本数は、2本以上であれば特に限定されない。
厚さ方向Zからの平面視で、複数本の繊維束は、互いに間隔を空けて並列するように延びている。これらの繊維束は、図16に示すように、蒸発部EPに集約するように配置されることが好ましい。繊維束を蒸発部EPに集約させることで、短い距離で作動媒体20を循環させることができる。
図16および図17に示すように、隣り合う繊維束の間には第1蒸気流路51が形成されていることが好ましい。この場合、複数本の繊維束のうち、最も外側に位置する一方の繊維束(図16および図17では左側の繊維束)と筐体10との間には、第1蒸気流路51よりも幅の広い第2蒸気流路52が形成されていることが好ましい。さらに、最も外側に位置する他方の繊維束(図16および図17では右側の繊維束)と筐体10との間には、第1蒸気流路51よりも幅の広い第3蒸気流路53が形成されていることが好ましい。
複数本の繊維束が一部に偏在していると、その部分には作動媒体20の蒸気が通らないため、ベーパーチャンバー全体の均熱性能が低下する。そこで、繊維束の間に隙間を設け、その隙間を蒸気流路とすることで、均熱性能を改善することができる。結果として、液循環および蒸気循環に優れ、液輸送能力と均熱性能の高いベーパーチャンバーが得られる。
ウィック30が複数本の繊維束から構成される場合、繊維束を構成する繊維の種類は、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。また、繊維束を構成する繊維の数は、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。
ウィック30を構成する繊維束の幅は、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。繊維束の幅は、厚さ方向Zで一定でもよく、一定でなくてもよい。また、厚さ方向Zで幅が一定である繊維束と、厚さ方向Zで幅が一定でない繊維束とが混在してもよい。
ウィック30を構成する繊維束の高さは、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。
[その他の実施形態]
本発明の熱拡散デバイスは、上記実施形態に限定されるものではなく、熱拡散デバイスの構成、製造条件等に関し、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本発明の熱拡散デバイスにおいて、筐体は、複数の蒸発部を有してもよい。すなわち、筐体の外壁面には、複数の熱源が配置されてもよい。蒸発部および熱源の数は特に限定されない。
図19は、筐体が複数の蒸発部を有する熱拡散デバイスの一例を模式的に示す平面図である。図20は、筐体が複数の蒸発部を有する熱拡散デバイスの別の一例を模式的に示す平面図である。
図19に示すベーパーチャンバー1Hでは、ウィック30が2本の繊維束から構成されており、各繊維束の端部に蒸発部EPが設けられている。図20に示すベーパーチャンバー1Iでは、ウィック30が3本の繊維束から構成されており、各繊維束の端部に蒸発部EPが設けられている。
本発明の熱拡散デバイスにおいて、蒸発部は筐体の端部に設けられてもよいし、筐体の中央部に設けられてもよい。
本発明の熱拡散デバイスにおいて、筐体が第1シートおよび第2シートから構成される場合、第1シートと第2シートとは、端部が一致するように重なっていてもよいし、端部がずれて重なっていてもよい。
本発明の熱拡散デバイスにおいて、筐体が第1シートおよび第2シートから構成される場合、第1シートを構成する材料と、第2シートを構成する材料とは異なっていてもよい。例えば、強度の高い材料を第1シートに用いることにより、筐体にかかる応力を分散させることができる。また、両者の材料を異なるものとすることにより、一方のシートで一の機能を得、他方のシートで他の機能を得ることができる。上記の機能としては、特に限定されないが、例えば、熱伝導機能、電磁波シールド機能等が挙げられる。
本発明の熱拡散デバイスでは、ウィックの延伸方向に垂直な断面において、ウィックは、厚さ方向で幅が一定であってもよく、厚さ方向で幅が一定でなくてもよい。例えば、ウィックの延伸方向に垂直な断面において、ウィックは、第1内壁面側の端部の幅よりも第2内壁面側の端部の幅が狭くてもよく、第2内壁面側の端部の幅よりも第1内壁面側の端部の幅が狭くてもよい。これらの場合、幅が一定である部分が含まれてもよい。
本発明の熱拡散デバイスは、繊維束から構成されるウィック以外のウィックをさらに備えてもよい。例えば、本発明の熱拡散デバイスは、第1内壁面に沿って配置されるウィック、および、第2内壁面に沿って配置されるウィックのうち、少なくとも一方のウィックをさらに備えてもよい。
第1内壁面に沿って配置されるウィックおよび第2内壁面に沿って配置されるウィックは、毛細管力により作動媒体を移動させることができる毛細管構造を有するウィックであれば特に限定されない。ウィックの毛細管構造は、従来のベーパーチャンバーにおいて用いられている公知の構造であってもよい。毛細管構造としては、細孔、溝、突起などの凹凸を有する微細構造、例えば、多孔構造、繊維構造、溝構造、網目構造などが挙げられる。
第1内壁面に沿って配置されるウィックおよび第2内壁面に沿って配置されるウィックの材料は特に限定されず、例えば、エッチング加工または金属加工により形成される金属多孔膜、メッシュ、不織布、焼結体、多孔体などが用いられる。ウィックの材料となるメッシュは、例えば、金属メッシュ、樹脂メッシュ、もしくは表面コートしたそれらのメッシュから構成されるものであってよく、好ましくは銅メッシュ、ステンレス(SUS)メッシュまたはポリエステルメッシュから構成される。ウィックの材料となる焼結体は、例えば、金属多孔質焼結体、セラミックス多孔質焼結体から構成されるものであってよく、好ましくは銅またはニッケルの多孔質焼結体から構成される。ウィックの材料となる多孔体は、例えば、金属多孔体、セラミックス多孔体、樹脂多孔体から構成されるもの等であってもよい。
第1内壁面に沿って配置されるウィックおよび第2内壁面に沿って配置されるウィックの大きさおよび形状は、特に限定されないが、例えば、筐体の内部において連続してウィックが配置されていることが好ましい。
第1内壁面に沿って配置されるウィックおよび第2内壁面に沿って配置されるウィックの厚さは、特に限定されないが、各々、例えば2μm以上200μm以下であり、好ましくは5μm以上100μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下である。第1内壁面に沿って配置されるウィックおよび第2内壁面に沿って配置されるウィックの厚さは、部分的に異なっていてもよい。第1内壁面に沿って配置されるウィックの厚さは、第2内壁面に沿って配置されるウィックの厚さと同じでもよく、異なっていてもよい。
本発明の熱拡散デバイスは、放熱を目的として電子機器に搭載され得る。したがって、本発明の熱拡散デバイスと、上記熱拡散デバイスを構成する筐体の外壁面に取り付けられた電子部品と、を備える電子機器も本発明の1つである。本発明の熱拡散デバイスは上記のとおり、外部動力を必要とせず自立的に作動し、作動媒体の蒸発潜熱および凝縮潜熱を利用して、二次元的に高速で熱を拡散することができる。そのため、本発明の熱拡散デバイスを備える電子機器により、電子機器内部の限られたスペースにおいて、放熱を効果的に実現することができる。
図21は、本発明の電子機器の一例を模式的に示す斜視図である。
図21に示す電子機器100では、ベーパーチャンバー1および電子部品110が機器筐体120の内側に配置されている。電子部品110は、ベーパーチャンバー1を構成する筐体の外壁面に取り付けられている。電子部品110は、図1に示す熱源HSに相当する。
本発明の電子機器としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、ゲーム機器、ウェアラブルデバイス等が挙げられる。また、冷却すべき対象物である電子部品としては、例えば中央処理装置(CPU)、発光ダイオード(LED)、パワー半導体等の発熱素子が挙げられる。
本発明の電子機器において、電子部品は、筐体の第1内壁面の反対側に位置する外壁面に取り付けられることが好ましい。この場合、筐体は、第1内壁面に蒸発部を有し、厚さ方向からの平面視で、電子部品は、蒸発部に位置する。
本発明の電子機器において、電子部品は、筐体の外壁面に直接取り付けられてもよく、あるいは、熱伝導性の高い粘着剤、シート、テープ等の他の部材を介して取り付けられてもよい。
本発明の熱拡散デバイスは、携帯情報端末等の分野において、広範な用途に使用できる。例えば、CPU等の熱源の温度を下げ、電子機器の使用時間を延ばすために使用することができ、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等に使用することができる。
1、1A、1a、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I ベーパーチャンバー
10 筐体
11 第1シート
11a 第1内壁面
12 第2シート
12a 第2内壁面
20 作動媒体
30 ウィック
41、42 液流路
50 蒸気流路
51 第1蒸気流路
52 第2蒸気流路
53 第3蒸気流路
60 支柱
100 電子機器
110 電子部品
120 機器筐体
A 第1内壁面と第2内壁面との対向距離
B ウィックの高さ
EP 蒸発部
F 繊維
HS 熱源
L0 ウィックの延伸方向の長さ
L1、L2 液流路の長さ
X 幅方向
Y 長さ方向
Z 厚さ方向

Claims (11)

  1. 厚さ方向に対向する第1内壁面および第2内壁面を有する筐体と、
    前記筐体の内部空間に封入される作動媒体と、
    前記筐体の前記第1内壁面と前記第2内壁面との間に配置されるウィックと、を備え、
    前記ウィックは、繊維を線状に束ねた繊維束から構成され、
    前記繊維束は、前記第1内壁面及び前記第2内壁面の少なくとも一方に固定されている第1部分と、前記第1内壁面及び前記第2内壁面のいずれにも接していない第2部分と、を有し、
    前記第1内壁面および前記第2内壁面の少なくとも一方の内壁面と前記ウィックとの間には、毛細管力による液流路が前記ウィックの延伸方向に沿って形成されており、
    前記ウィックとの間に前記液流路を形成する前記第1内壁面および前記第2内壁面の少なくとも一方の内壁面には、溝が形成されておらず、
    前記厚さ方向において、前記第1内壁面と前記第2内壁面との対向距離をA、前記ウィックの高さをBとしたとき、A-B>10μmである、熱拡散デバイス。
  2. 前記第1部分及び前記第2部分は、前記ウィックの延伸方向に沿って配置されており、前記厚さ方向に互いに重ならない、請求項1に記載の熱拡散デバイス。
  3. 前記第2部分と前記第1内壁面との間、及び、前記第2部分と前記第2内壁面との間には、それぞれ、前記液流路が形成されている、請求項1又は2に記載の熱拡散デバイス。
  4. 前記内壁面と前記ウィックとの間に形成される前記液流路の長さは、前記ウィックの延伸方向の長さの1/5以上である、請求項1~3のいずれかに記載の熱拡散デバイス。
  5. 前記ウィックの端部が前記筐体の前記第1内壁面に固定されている、請求項1~4のいずれかに記載の熱拡散デバイス。
  6. 前記筐体は、前記第1内壁面に蒸発部を有し、
    前記第1内壁面に固定されている前記ウィックの端部は、前記蒸発部に位置する、請求項に記載の熱拡散デバイス。
  7. 前記筐体は、前記第1内壁面に蒸発部を有し、
    前記第1内壁面と前記ウィックとの間に前記液流路が形成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の熱拡散デバイス。
  8. 前記ウィックは、編み込み状の繊維束から構成される、請求項1~のいずれか1項に記載の熱拡散デバイス。
  9. 前記ウィックは、複数本の繊維束から構成され、
    前記厚さ方向からの平面視で、前記複数本の繊維束は、互いに間隔を空けて並列するように延びている、請求項1~のいずれか1項に記載の熱拡散デバイス。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の熱拡散デバイスと、
    前記熱拡散デバイスを構成する筐体の外壁面に取り付けられた電子部品と、を備える、電子機器。
  11. 前記電子部品は、前記筐体の第1内壁面の反対側に位置する外壁面に取り付けられ、
    前記筐体は、前記第1内壁面に蒸発部を有し、
    前記厚さ方向からの平面視で、前記電子部品は、前記蒸発部に位置する、請求項10に記載の電子機器。
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