JP7310473B2 - 配線部材 - Google Patents

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Description

本開示は、配線部材に関する。
特許文献1は、複数の電線と、複数の電線が固定されたシート材とを含むワイヤーハーネスを開示している。複数の電線は、幹線部と、当該幹線部から分岐する枝線部とを含む。シート材は、幹線部が固定される第1部分と、分岐部が固定される第2部分とを含む。第2部分は、枝線部の末端部に近い位置まで延びている。
特開2018-196174号公報
特許文献1に開示の技術によると、幹線部に対して枝線部の基端部が延び出る方向は、シート材の一部である第2部分によって規制される。しかしながら、第2部分は、枝線部の末端部に近い位置まで延びている。このため、電線の末端部の作業性をさらに向上させることが望まれている。
そこで、本開示は、幹線部に対して枝線部の基端部が延び出る方向を規制しつつ、当該枝線部の末端部に関する作業性を向上させることを目的とする。
本開示の配線部材は、ベース部材と、前記ベース部材に固定された複数の線状伝送部材と、を備え、前記複数の線状伝送部材は、幹線部から枝線部が分岐する経路に沿って、前記ベース部材に固定され、前記ベース部材は、前記幹線部が固定される幹線固定部と、前記枝線部のうちの基端部分が固定される枝線固定部とを含み、前記枝線部は、前記枝線固定部の先端部からさらに外方に向けて延出しており、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分を覆う端部保護部をさらに備える配線部材である。
本開示によれば、配線部材における枝線部の基端部の延出方向が規制されつつ、当該枝線部の末端部に関する作業性が向上する。
図1は実施形態に係る配線部材を示す平面図である。 図2は第1例に係る端部保護部を示す平面図である。 図3は第2例に係る端部保護部を示す平面図である。 図4は第3例に係る端部保護部及び巻回固定部を示す平面図である。 図5は図4のV-V線断面図である。 図6は図4のVI-VI線断面図である。 図7は端部保護部で覆われる前の枝線部を示す平面図である。 図8は曲部を含む枝線固定部を示す平面図である。 図9はジョイントコネクタが設けられた配線部材を示す平面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の配線部材は、次の通りである。
(1)ベース部材と、前記ベース部材に固定された複数の線状伝送部材と、を備え、前記複数の線状伝送部材は、幹線部から枝線部が分岐する経路に沿って、前記ベース部材に固定され、前記ベース部材は、前記幹線部が固定される幹線固定部と、前記枝線部のうちの基端部分が固定される枝線固定部とを含み、前記枝線部は、前記枝線固定部の先端部からさらに外方に向けて延出しており、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分を覆う端部保護部をさらに備える配線部材である。
この配線部材によると、幹線部に対して枝線部の基端部が延び出る方向は、枝線固定部によって規制される。また、複数の線状伝送部材がベース部材に固定されているが、端部保護部が枝線部を覆う前の状態では、枝線部の末端部はベース部材及び端部保護部等によって拘束されない。このため、枝線部の末端部の作業性が向上する。
(2)前記ベース部材は、シート部材を含んでもよい。この場合、ベース部材が扁平な形状に形成され易い。
(3)前記端部保護部は、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分に巻回された粘着テープによって構成されていてもよい。この場合、粘着テープによって端部保護部が容易に構成される。粘着テープによって構成された端部保護部は、枝線部が多方向に曲ることを許容しつつ当該枝線部をある程度経路規制できるため、枝線部を他に接続するための作業性が向上する。
(4)前記端部保護部は、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分に外装されたコルゲートチューブであってもよい。この場合、コルゲートチューブによって端部保護部が容易に形成される。コルゲートチューブによってされた端部保護部は、枝線部が多方向に曲ることを許容しつつ当該枝線部をある程度経路規制できるため、枝線部を他に接続するための作業性が向上する。
(5)粘着テープが前記枝線部のうちの基端部分と前記枝線固定部とに巻回されて構成された巻回固定部を備えていてもよい。この場合、枝線部のうちの基端部が巻回固定部によって枝線固定部により確実に固定される。
(6)粘着テープが前記枝線部のうちの基端部分と前記枝線固定部とに巻回されて構成された巻回固定部を備え、前記端部保護部を構成する前記粘着テープと、前記巻回固定部を構成する前記粘着テープとが、連続していてもよい。この場合、部保護部と巻回固定部とが、連続する粘着テープによって連続的に容易に形成される。
(7)前記枝線固定部の長さは、前記巻回固定部を構成する前記粘着テープの幅以上であってもよい。この場合、枝線部のうちの基端部が、枝線固定部にしっかりと固定される。
(8)前記枝線固定部は、曲部を含み、前記枝線部の基端部が前記曲部で曲った状態で、前記枝線固定部に固定されていてもよい。この場合、枝線部が曲った経路に沿って容易に配設される。
(9)前記ベース部材は、前記幹線部が固定されるベースシート部材と、前記幹線固定部上で前記幹線部を覆うカバーシート部材とを含み、前記枝線固定部において、前記枝線部のうちの基端部が前記ベースシート部材と前記カバーシート部材との間に配設されていてもよい。この場合、幹線部及び枝線部のうちの基端部がベースシート部材とカバーシート部材とでしっかりと保護される。
(10)前記複数の線状伝送部材は、前記幹線部の端部において、前記枝線部として第1端部枝線部と第2端部枝線部とに分岐し、前記ベース部材は、前記幹線固定部の端部において、前記枝線固定部として第1端部枝線固定部と第2端部枝線固定部とに分岐し、前記第1端部枝線部のうちの基端部分が前記第1端部枝線固定部に固定され、前記第2端部枝線部のうちの基端部分が前記第2端部枝線固定部に固定されていてもよい。この場合、第1端部枝線固定部及び第2端部枝線固定部によって、幹線部の端部において、第1端部枝線部と第2端部枝線部とが別々に延出するように規制され得る。
(11)前記複数の線状伝送部材は、前記幹線部の延在方向中間部において、前記枝線部として中間枝線部に分岐し、前記ベース部材は、前記幹線固定部の延在方向中間部において、前記枝線固定部として中間枝線固定部に分岐し、前記中間枝線部のうちの基端部分が前記中間枝線固定部に固定されていてもよい。この場合、中間枝線固定部によって、幹線部の延在方向中間部において、中間枝線部の延出方向が規制され得る。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態]
以下、実施形態に係る配線部材について説明する。図1は配線部材10を示す平面図である。配線部材10は、ベース部材20と、複数の線状伝送部材30とを備える。
ベース部材20は、扁平な形状に形成されていてもよい。ここでは、ベース部材20が扁平な例が説明される。複数の線状伝送部材30がベース部材20に固定されることによって、配線部材10が扁平な形態に保たれる。
また、複数の線状伝送部材30は、幹線部34から枝線部36が分岐する経路に沿って、ベース部材20に固定されている。幹線部34は、複数の線状伝送部材30の全部又は一部が最も多い本数となるように集約される部分である。枝線部36は、幹線部34の端部又は延在方向中間部から少なくとも1本の線状伝送部材30が分岐した部分である。ここでは、幹線部34から複数の枝線部36が延出している。複数の枝線部36は、必要に応じて次の符号によって区別される。幹線部34の一端部(図1の左端部)から2つに分岐して枝線部が延出しており、そのうちの一方が枝線部36A(図1では左方に延出)、他方が枝線部36B(図1では上方に延出)である。幹線部34の延在方向中間部から1つの枝線部が延出しており(図1では下方に延出)、これが枝線部36Cである。幹線部34の他端部(図1の右端部)から3つに分岐して枝線部が延出しており、そのうちの1つが枝線部36D(図1では下方に延出)、他の2つが枝線部36E、36F(図1では右方に延出)である。枝線部36の端部にはコネクタ48が設けられる。線状伝送部材30の端部の端子がコネクタ48に挿入されることが想定される。このコネクタ48が相手側部品にコネクタ接続されることで、線状伝送部材30が相手側部品に接続される。
複数の線状伝送部材30は、車両における部品同士を接続する線状伝送部材であることが想定される。幹線部34に対する枝線部36の分岐位置及び枝線部36の延出方向は、当該枝線部36の接続先となる部品の位置等に応じて設定される。複数の線状伝送部材30がベース部材20に固定されることによって、複数の線状伝送部材30がそれぞれの接続先となる部品の位置等に応じた配線経路に沿った状態に保たれる。
より具体的には、線状伝送部材30は、電気又は光等を伝送する線状の部材であればよい。例えば、線状伝送部材30は、芯線と芯線の周囲の被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、シールド線、ツイスト線、エナメル線、ニクロム線、光ファイバ等であってもよい。
電気を伝送する線状伝送部材30としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。電気を伝送する線状伝送部材の一部等は、信号又は電力を空間に対して送る又は空間から受けるアンテナ、コイル等として用いられてもよい。
また、線状伝送部材30は、単一の線状物であってもよいし、複数の線状物の複合物(ツイスト線、複数の線状物を集合させてこれをシースで覆ったケーブル等)であってもよい。
ここでは、線状伝送部材30が電線であることを想定した説明がなされる。
より具体的には、ベース部材20は、シート部材の一例としてベースシート部材21を備える。ベースシート部材21は、樹脂シートであってもよい。例えば、ベースシート部材21は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂によって形成されていてもよい。また、ベースシート部材21は、不織布又は発泡シート等であることも考えられる。また、ベースシート部材21は、1層構造を有していてもよく、複数層構造を有していてもよい。また、ベースシート部材21は、金属層を有していてもよい。
本実施形態においては、ベース部材20は、さらに、カバーシート部材22を備える。ここでは、ベースシート部材21とカバーシート部材22とは同じ形状に形成されており、カバーシート部材22がベースシート部材21の全体に重ねられる。カバーシート部材22は、ベースシート部材21とは反対側から線状伝送部材30を覆う。換言すれば、ベースシート部材21とカバーシート部材22との間に複数の線状伝送部材30が設けられる。
カバーシート部材22は、樹脂シートであってもよい。例えば、カバーシート部材22は、ベースシート部材21と同様に、PVC、PE、PP、PET等の樹脂によって形成されていてもよい。カバーシート部材22は、ベースシート部材21よりも高剛性であってもよい。例えば、ベースシート部材21が不織布によって構成され、カバーシート部材22がナイロン、PET、PP等によって、内部が一様に埋ったシートとして形成されていてもよい。この場合、配線部材10は、カバーシート部材22が無い場合と比較して一定の扁平な形態に保たれ易い。
カバーシート部材22の両側縁部はベースシート部材21の両側縁部に固定されている。カバーシート部材22とベースシート部材21との固定は、溶着、接着、粘着、縫付け等によってなされてもよい。溶着は、超音波溶着であってもよいし、加熱溶着であってもよい。
ベース部材20は、幹線固定部24と、枝線固定部26とを含む。ここでは、幹線固定部24は、真っ直ぐ延在する帯状に形成されている。幹線固定部24は、途中で曲っていてもよい。この幹線固定部24に複数の線状伝送部材30のうちの幹線部34が固定される。ここで、線状伝送部材30が幹線固定部24に沿った形態に保たれていればよく、幹線固定部24に対する線状伝送部材30の固定構造は特に限定されない。
枝線固定部26は、幹線固定部24の端部又は延在方向中間部から外方に向けて延出している。ここでは、枝線固定部26は複数設けられている。複数の枝線固定部26は、必要に応じて次の符号によって区別される。幹線固定部24の一端部(図1の左端部)から2つに分岐して枝線固定部が延出しており、そのうちの一方が枝線固定部26A(図1では左方に延出)、他方が枝線固定部26B(図1では上方に延出)である。幹線固定部24の延在方向中間部から1つの枝線固定部が延出しており(図1では下方に延出)、これが枝線固定部26Cである。幹線固定部24の他端部(図1の右端部)から3つに分岐して枝線固定部が延出しており、そのうちの1つが枝線固定部26D(図1では下方に延出)、他の2つが枝線固定部26E、26F(図1では右方に延出)である。2つの枝線固定部26E、26Fは、幹線部34の延長上において、互いに平行に並ぶように延出している。2つの枝線固定部26E、26Fの間には隙間が存在していてもよいし、存在していなくてもよい。
本配線部材10における枝線部36及び枝線固定部26については、幹線部34の端部に設けられる場合と、幹線部34の途中に設けられる場合とが想定されている。
前者の場合について、複数の線状伝送部材30は、幹線部34の一端部(図1の左端部参照)において、枝線部36として、第1端部枝線部36Aと、第2端部枝線部36Bとに分岐していると把握されてもよい。また、ベース部材20は、幹線固定部24の一端部(図1の左端部)において、枝線固定部26として第1端部枝線固定部26Aと第2端部枝線固定部26Bとに分岐していると把握されてもよい。そして、第1端部枝線部36Aのうちの基端部分が第1端部枝線固定部26Aに固定され、第2端部枝線部36Bのうちの基端部分が第2端部枝線固定部26Bに固定されていると把握されてもよい。
また、複数の線状伝送部材30は、幹線部34の他端部(図1の右端部参照)において、枝線部36として、第1端部枝線部(34D、34E、34Fのうちの1つ)と、第2端部枝線部(34D、34E、34Fのうちの他の1つ)とに分岐していると把握されてもよい。また、ベース部材20は、幹線固定部24の他端部(図1の右端部)において、枝線固定部26として第1端部枝線固定部(24D、24E、24Fのうちの1つ)と第2端部枝線固定部(24D、24E、24Fのうちの他の1つ)とに分岐していると把握されてもよい。そして、第1端部枝線部(34D、34E、34Fのうちの1つ)のうちの基端部分が第1端部枝線固定部(24D、24E、24Fのうちの1つ)に固定され、第2端部枝線部(34D、34E、34Fのうちの他の1つ)のうちの基端部分が第2端部枝線固定部(34D、34E、34Fのうちの他の1つ)に固定されていると把握されてもよい。
また、後者の場合について、複数の線状伝送部材30は、幹線部34の延在方向中間部において、枝線部36としての中間枝線部36Cに分岐していると把握されてもよい。また、ベース部材20は、幹線固定部24の延在方向中間部において、枝線固定部26としての中間枝線固定部26Cに分岐していると把握されてもよい。そして、中間枝線部36Cのうちの基端部分が中間枝線固定部26Cに固定されていると把握されてもよい。
複数の枝線固定部26は、方形状又は細長い帯状に形成されている。枝線固定部26は、途中で曲っていてもよい。この枝線固定部26に複数の線状伝送部材30における枝線部36のうちの基端部分が固定される。ここで、線状伝送部材30が枝線固定部26に沿った形態に保たれていればよく、枝線固定部26に対する線状伝送部材30の固定構造は特に限定されない。
幹線固定部24及び枝線固定部26において、線状伝送部材30はベースシート部材21に対して固定されている。かかる固定態様としては、接触部位固定であってもよいし、非接触部位固定であってもよいし、両者が併用されていてもよい。ここで接触部位固定とは、線状伝送部材30とベースシート部材21とが接触する部分がくっついて固定されているものである。また、非接触部位固定とは、接触部位固定でない固定態様であり、例えば、縫糸、別のシート材(例えば、カバーシート部材22)、粘着テープなどが、線状伝送部材30をベースシート部材21に向けて押え込んだり、線状伝送部材30とベースシート部材21とを挟み込んだりして、その状態に維持するものである。以下では、線状伝送部材30とベースシート部材21とが、接触部位固定の状態にあるものとして説明する。
係る接触部位固定の態様として、接触部位間接固定であってもよいし、接触部位直接固定であってもよいし、異なる領域で両者が併用されていてもよい。ここで接触部位間接固定とは、線状伝送部材30とベースシート部材21とが、その間に設けられた接着剤、粘着剤、両面粘着テープなどを介して間接的にくっついて固定されているものである。また接触部位直接固定とは、線状伝送部材30とベースシート部材21とが別に設けられた接着剤等を介さずに直接くっついて固定されているものである。接触部位直接固定では、例えば線状伝送部材30とベースシート部材21とのうち少なくとも一方に含まれる樹脂が溶かされることによってくっついて固定されることが考えられる。
係る接触部位直接固定の状態が形成されるに当たり、樹脂は、例えば、熱によって溶かされることも考えられるし、溶剤によって溶かされることも考えられる。つまり、接触部位直接固定の状態としては、熱による接触部位直接固定の状態であってもよいし、溶剤による接触部位直接固定の状態であってもよい。好ましくは、熱による接触部位直接固定の状態であるとよい。
このとき接触部位直接固定の状態を形成する手段は特に限定されるものではなく、溶着、融着、溶接等の公知の手段を用いることができる。例えば、溶着によって熱による接触部位直接固定の状態を形成する場合、超音波溶着、加熱加圧溶着、熱風溶着、高周波溶着など種々の溶着手段を採用することができる。またこれらの手段によって接触部位直接固定の状態が形成されると、線状伝送部材30とベースシート部材21とは、その手段による接触部位直接固定の状態とされる。具体的には、例えば、超音波溶着によって接触部位直接固定の状態が形成されると、線状伝送部材30とベースシート部材21とは、超音波溶着による接触部位直接固定の状態とされる。
以下では、線状伝送部材30とベースシート部材21とが、接触部位直接固定の状態にあるものとして説明する。なお、幹線固定部24及び枝線固定部26の両方において、線状伝送部材30がベースシート部材21に対して同じ態様で固定されている必要は無い。幹線固定部24においては線状伝送部材30が溶着等によって接触部位直接固定の態様で固定され、枝線固定部26においては、線状伝送部材30がベースシート部材21とカバーシート部材22との間に挟み込まれて固定されてもよい。また、枝線固定部26において、線状伝送部材30がベースシート部材21に対して巻回された粘着テープによって固定されてもよい。
枝線部36は、枝線固定部26の先端部からさらに外方に向けて延出している。換言すれば、枝線部36は、枝線固定部26よりも長い。このため、枝線部36のうちの基端部分は、枝線固定部26に対して固定される。これにより、幹線部34に対して枝線部36の基端部が延び出る方向は、枝線固定部26の延在方向に沿った状態に規定される。特に、枝線固定部26は扁平な形状を呈していることから、その平たい方向において、枝線部36の基端部がしっかりと経路規制される。
枝線部36のうち枝線固定部26の先端部からさらに外方に延出する部分は、端部保護部50によって覆われている。好ましくは、端部保護部50は、枝線固定部26に対して隙間無く連続的に形成される。これにより、枝線部36のうち枝線固定部26よりも先端側の部分も、枝線固定部26によってある程度経路規制された状態に保たれる。また、枝線部36のうち枝線固定部26と端部保護部50との間の部分も隙間無く保護される。枝線部36のうち枝線固定部26の先端部からさらに外方に延出する部分の全てが、端部保護部50によって覆われている必要は無く、その延出部分の一部が端部保護部から露出していてもよい。例えば、端部保護部50とコネクタ48との間には、枝線部36が露出する隙間が形成されていてもよい。
端部保護部50は、枝線部36のうち枝線固定部26から延出する部分の周方向全体を覆っている。これにより、枝線部36の保護がなされる。また、端部保護部50は、枝線固定部26よりも円形に近づく横断面形状(枝線部36の延在方向に対して直交する断面形状)を呈している。このため、枝線部36のうち端部保護部50によって保護された部分は、その延在方向に対して直交する方向に力を加えて曲げることができる範囲で経路規制される。
つまり、枝線部36のうち枝線固定部26によって固定された部分は、幹線固定部24及び枝線固定部26を含む面上において比較的しっかりと経路規制される。枝線部36のうち端部保護部50によって保護された部分は、上下左右に曲げることができる範囲で経路規制される。
端部保護部50は、複数の線状伝送部材30がベース部材20に固定された状態で、枝線部36に後付可能な構成であるとよい。
端部保護部50のより具体的な例について説明する。
図2は第1例に係る端部保護部50Aを示す部分平面図である。この例では、端部保護部50Aは、枝線部36のうち枝線固定部26の先端部から延出する部分に巻回された粘着テープTによって構成されている。粘着テープTは、コネクタ48から枝線固定部26に向けて螺旋状に巻かれてもよいし、枝線固定部26からコネクタ48に向けて螺旋状に巻かれてもよい。粘着テープTは、幅方向の半分が重なる巻き方(ハーフラップ巻と呼ばれる)で巻回されてもよいし、より密又は粗な巻き方で巻かれてもよい。
図3は第2例に係る端部保護部50Bを示す部分平面図である。この例では、端部保護部50Bは、枝線部36のうち枝線固定部26の先端部から延出する部分に外装されたコルゲートチューブCによって構成されている。コルゲートチューブCは太径部Caと当該太径部Caよりも細い細径部Cbとが交互に並ぶ管状の部材であり、樹脂等によって形成されている。かかるコルゲートチューブCは、枝線部36を保護しつつ枝線部36が上下左右に曲ることを許容する。コルゲートチューブCに、その延在方向に沿うスリットが形成されていれば、当該コルゲートチューブCを枝線部36に容易に外装することができる。外装されたコルゲートチューブCに対して、部分的又は全体的に粘着テープが巻付けられてもよい。この場合の粘着テープの巻き方は、隙間が空く巻き方、いわゆる荒巻と呼ばれる巻き方であってもよい。
図4は第3例に係る端部保護部50C及び巻回固定部110を示す部分平面図である。図5は図4のV-V線断面図である。図6は図4のVI-VI線断面図である。
この例では、端部保護部50Cは、枝線部36のうち枝線固定部26の先端部から延出する部分に巻回された粘着テープTによって構成されている。端部保護部50Cでは、枝線部36はある程度自由に曲ることができる(図4における2点鎖線参照)。加えて、巻回固定部110は、粘着テープTが枝線部36のうちの基端部分と枝線固定部26とに巻回されることによって構成されている。巻回固定部110では、粘着テープTが枝線固定部26におけるベースシート部材21及びカバーシート部材22の外側に巻回される。このため、枝線部36の基端部分は、枝線固定部26におけるベースシート部材21及びカバーシート部材22に対してよりしっかりと固定される。また、枝線固定部においてベースシート部材21及びカバーシート部材22の一方が省略された場合においても、粘着テープTによって枝線部の基端部分が枝線固定部に対してしっかりと固定される。
また、端部保護部50を構成する粘着テープTと、巻回固定部110を構成する粘着テープTとは、連続する同じ粘着テープTである。例えば、1つの連続する粘着テープTが枝線部36の端部から枝線固定部26に向けて螺旋状に巻回されることで、又は、その逆に巻回されることで、端部保護部50及び巻回固定部110が構成される。なお、端部保護部50を構成する粘着テープTと、巻回固定部110を構成する粘着テープTとは、別々の粘着テープであってもよい。
巻回固定部110に粘着テープTが巻回される場合において、枝線固定部26の長さLは、巻回固定部110を構成する粘着テープTの幅W以上であることが好ましい。これにより、粘着テープTのうち幅方向においてなるべく大きい領域が、枝線固定部26に巻回される。もって、巻回固定部110が枝線固定部26からずれ難くなる。
このように構成された配線部材10によると、枝線部36のうち基端部分が枝線固定部26に固定されているため、幹線部32に対して枝線部36の基端部が延び出る方向が、枝線固定部26によって規制される。このため、配線部材10を配設対象部材である車両に配設した状態で、複数の枝線部36の端部のコネクタ48等を、その接続先近くに配設することができる。このため、各コネクタ48等の接続作業が容易となる。また、枝線固定部26の主面の方向において、端部保護部50は、枝線固定部26よりも曲げ容易であり得る。このため、コネクタ48を相手側のコネクタに接続する際に、枝線部36のうち端部保護部50が外装された部分を曲げつつ、コネクタ48の接続作業を容易に実施できる。
また、図7に示すように、端部保護部50が枝線部36を覆う前の状態では、枝線部36の末端部は、ベース部材20及び端部保護部50によって拘束されない状態である。このため、枝線部36の末端部の作業性が向上する。例えば、枝線部36の末端部において、線状伝送部材30の端部の端子をコネクタ48に接続する作業を想定する。この場合、線状伝送部材30の端部がばらばらな状態であるため、その端部の端子をコネクタ48に挿入接続する作業を容易に実施できる。例えば、線状伝送部材30の端部の端子を、自動端子挿入装置等によって自動挿入することも容易である。コネクタ48への挿入作業性の観点からすると、枝線固定部26の端部とコネクタ48との距離は、5cm以上であることが好ましく、10cm以上であることがより好ましい。
また、粘着テープTによって構成されている端部保護部50A、50Cについては、粘着テープTを巻回する作業を実施することで、当該端部保護部50A、50Cが容易に構成される。また、粘着テープTによって構成された端部保護部50A、50Cは、枝線部36が他方向に曲ることを許容しつつ当該枝線部36をある程度経路規制することができる。このため、枝線部36を他に接続するための作業性が向上する。
また、コルゲートチューブCによって構成されている端部保護部50Bは、コルゲートチューブCを枝線部36に被せて固定する作業を実施することで、端部保護部50Bが容易に構成される。また、コルゲートチューブCによって構成された端部保護部50Bは、枝線部36が他方向に曲ることを許容しつつ当該枝線部36をある程度経路規制することができる。このため、枝線部36を他に接続するための作業性が向上する。
また、枝線固定部26と枝線部36とが粘着テープTが巻回された巻回固定部110によって固定されれば、枝線部36の基端部が枝線固定部26により確実に固定される。
この場合において、枝線固定部26の長さが粘着テープTの幅以上であれば、粘着テープTが枝線固定部26にしっかりと巻付けられる。これにより、枝線部36のうちの基端部が枝線固定部26にしっかりと固定される。
また、巻回固定部110を構成する粘着テープTと、端部保護部50Cを構成する粘着テープTとが、連続する粘着テープTであれば、巻回固定部110と端部保護部50Cとが連続的に容易に構成される。
また、ベース部材20がベースシート部材21とカバーシート部材22とを含み、枝線固定部26において、枝線部36のうちの基端部がベースシート部材21とカバーシート部材22との間に配設されている。これにより、幹線部34及び枝線部36のうちの基端部を、ベースシート部材21とカバーシート部材22とでしっかりと保護できる。
この場合において、図4に示す例のように、枝線固定部26から端部保護部50Cに至るように粘着テープTが巻回され、端部保護部50Bの先端側開口が粘着テープTによって閉ざされているとよい。これにより、ベースシート部材21とカバーシート部材22との間に異物が侵入することが抑制される。
また、本例によると、幹線部34の端部において、第1端部枝線固定部26A(又は26D、26E、26Fのうちの1つ)及び第2端部枝線固定部26B(又は26D、26E、26Fのうちの他の1つ)によって、第1端部枝線部36A(又は36D、36E、36Fのうちの1つ)と第2端部枝線部36B(36D、36E、36Fのうちの他の1つ)とが別々に延出するように規制することができる。
また、本例によると、幹線部34の延在方向中間部において、中間枝線固定部26Cによって、中間枝線部36Cの延出方向を規制することができる。
[変形例]
上記実施形態では、枝線固定部26は、幹線固定部24の延在方向に沿うか又は直交する例が示されている。枝線固定部26は、幹線固定部24に対して斜め方向に沿って延びていてもよい。
また、枝線部36は曲った経路に沿って配設された方がよい場合もある。このような場合には、図8に示されるように、枝線部36が固定される枝線固定部126は、曲部127を含んでいてもよい。曲部127は、枝線固定部126の延在方向中間部に設けられている。枝線固定部126の両端部は、曲部127の両側で異なる方向に向けて延びる。枝線部36が当該枝線固定部126に沿って曲った状態で固定される。
この場合、枝線部36は、枝線固定部126によって所望の曲った経路に沿って保たれる。このため、枝線部36を曲った経路に沿って車両等に容易に配設することができる。枝線固定部に対して曲部は複数設けられていてもよい。曲部は、角をなして曲ってしてもよいし、曲線をなして曲っていてもよい。
枝線部36を配設すべき経路に複数の曲げ部分が存在する場合。枝線固定部は、全ての曲部を含み、最も先端側にある曲部分よりも先端側に延在していることが好ましい。これにより、枝線部36が全ての曲部分において所定の曲げ状態に保たれる。
また、全ての枝線部36において端部保護部50が存在することは必要ではない。配線部材において、枝線固定部がコネクタ近くまで延び、保護部が省略された箇所が存在していてもよい。
カバーシート部材22は省略されてもよい。カバーシート部材22のうち枝線固定部26に対応する部分が省略されてもよい。また、ベースシート部材21のうち枝線固定部26に対応する部分が省略され、枝線部36の基端部がカバーシート部材22における枝線固定部26に対応する部分に固定されていてもよい。
また、配線部材の延在方向中間部において、電線としての複数の線状伝送部材30が電気的に接続される場合がある。このような場合において、図9に示すように、複数の線状伝送部材30がジョイントコネクタ120を介して電気的に接続されてもよい。ジョイントコネクタ120は、樹脂等で形成されたハウジング内に、接続された端子同士を電気的に接続する導電部材を収納した構成とされている。線状伝送部材30の端部に設けられた端子が当該ジョイントコネクタ120に挿入されると、当該線状伝送部材30が導電部材を介して電気的に接続される。かかるジョイントコネクタ120は、例えば、配線部材10における幹線部34上に積層状に配設されて、当該幹線部34に固定されてもよい。この固定は、例えば、粘着テープTを、幹線部34及びジョイントコネクタ120に巻付けることによってなされてもよい。仮に、電線同士を抵抗溶接して接続し、この接続部分をベースシート部材とカバーシート部材との間に収容することを考える。この場合、接続部分によるベースシート部材又はカバーシート部材に膨らみが生じ得る。ベースシート部材とカバーシート部材との間において、膨らみの位置等を管理することは困難となる。本例では、ジョイントコネクタ120が幹線部34上に重ねられた状態で、それらに粘着テープTが巻付けられる。このため、ジョイントコネクタ120の位置の管理は容易である。また、コスト低減にも有利である。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10 配線部材
20 ベース部材
21 ベースシート部材
22 カバーシート部材
24 幹線固定部
26 枝線固定部
26A 第1端部枝線固定部
26B 第2端部枝線固定部
26C 中間枝線固定部
26D 枝線固定部
26E 枝線固定部
26F 枝線固定部
30 線状伝送部材
34 幹線部
36 枝線部
36A 第1端部枝線部
36B 第2端部枝線部
36C 中間枝線部
36D 枝線部
36E 枝線部
36F 枝線部
48 コネクタ
50 端部保護部
50A 端部保護部
50B 端部保護部
50C 端部保護部
110 巻回固定部
120 ジョイントコネクタ
126 枝線固定部
127 曲部
C コルゲートチューブ
Ca 太径部
Cb 細径部
T 粘着テープ

Claims (10)

  1. ベース部材と、
    前記ベース部材に固定された複数の線状伝送部材と、
    を備え、
    前記複数の線状伝送部材は、幹線部から枝線部が分岐する経路に沿って、前記ベース部材に固定され、
    前記ベース部材は、前記幹線部が固定される幹線固定部と、前記枝線部のうちの基端部分が固定される枝線固定部とを含み、
    前記枝線部は、前記枝線固定部の先端部からさらに外方に向けて延出しており、
    前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分を覆う端部保護部をさらに備え、
    粘着テープが前記枝線部のうちの基端部分と前記枝線固定部とに巻回されて構成された巻回固定部を備える配線部材。
  2. 請求項1に記載の配線部材であって、
    前記ベース部材は、シート部材を含む、配線部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の配線部材であって、
    前記端部保護部は、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分に巻回された粘着テープによって構成されている、配線部材。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の配線部材であって、
    前記端部保護部は、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分に外装されたコルゲートチューブである、配線部材。
  5. ベース部材と、
    前記ベース部材に固定された複数の線状伝送部材と、
    を備え、
    前記複数の線状伝送部材は、幹線部から枝線部が分岐する経路に沿って、前記ベース部材に固定され、
    前記ベース部材は、前記幹線部が固定される幹線固定部と、前記枝線部のうちの基端部分が固定される枝線固定部とを含み、
    前記枝線部は、前記枝線固定部の先端部からさらに外方に向けて延出しており、
    前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分を覆う端部保護部をさらに備え、
    前記端部保護部は、前記枝線部のうち前記枝線固定部の先端部から延出する部分に巻回された粘着テープによって構成され、
    粘着テープが前記枝線部のうちの基端部分と前記枝線固定部とに巻回されて構成された巻回固定部を備え、
    前記端部保護部を構成する前記粘着テープと、前記巻回固定部を構成する前記粘着テープとが、連続している、配線部材。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線部材であって、
    前記枝線固定部の長さは、前記巻回固定部を構成する前記粘着テープの幅以上である、配線部材。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の配線部材であって、
    前記枝線固定部は、曲部を含み、
    前記枝線部の基端部が前記曲部で曲った状態で、前記枝線固定部に固定されている、配線部材。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の配線部材であって、
    前記ベース部材は、前記幹線部が固定されるベースシート部材と、前記幹線固定部上で前記幹線部を覆うカバーシート部材とを含み、
    前記枝線固定部において、前記枝線部のうちの基端部が前記ベースシート部材と前記カバーシート部材との間に配設されている、配線部材。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の配線部材であって、
    前記複数の線状伝送部材は、前記幹線部の端部において、前記枝線部として第1端部枝線部と第2端部枝線部とに分岐し、
    前記ベース部材は、前記幹線固定部の端部において、前記枝線固定部として第1端部枝線固定部と第2端部枝線固定部とに分岐し、
    前記第1端部枝線部のうちの基端部分が前記第1端部枝線固定部に固定され、前記第2端部枝線部のうちの基端部分が前記第2端部枝線固定部に固定されている、配線部材。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の配線部材であって、
    前記複数の線状伝送部材は、前記幹線部の延在方向中間部において、前記枝線部として中間枝線部に分岐し、
    前記ベース部材は、前記幹線固定部の延在方向中間部において、前記枝線固定部として中間枝線固定部に分岐し、
    前記中間枝線部のうちの基端部分が前記中間枝線固定部に固定されている、配線部材。
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