JP7308645B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本願は、回転電機に関するものである。
従来、回転子の各磁極に用いる磁石量を増加させて回転電機の出力を向上させる方法のひとつに、回転子の鉄心内に永久磁石を放射状に埋め込み、各磁極を回転子の接線方向に向ける構造がある。この場合、回転子の周方向に鉄心と永久磁石が交互に配置される。
回転子の鉄心と回転子の中心軸から回転電機の出力を取り出すため、回転子の外周に配置された各鉄心と中心軸とを機械的に連結する必要がある。ただし、埋め込まれた永久磁石の磁束が回転子内で漏洩して短絡するのを防止するため、鉄心と中心軸とを連結する部材を細長くして、当該部分における磁気抵抗を増大させ連結部を介する漏洩磁束を低減する必要がある。
回転子に配設された永久磁石の磁束は、固定子を経由しない限り回転電機の出力には寄与しない。永久磁石の磁束量には上限があるので、漏洩磁束を低減することで回転電機の出力を向上させることが可能である。このような回転子において、さらに漏洩磁束を低減して回転電機の特性向上を図るには、中心軸と各鉄心とを連結する連結部の磁気抵抗をさらに増大させる必要がある。連結部は、鉄心と一体で強磁性体の鋼板から加工されているため、磁気抵抗を増大させるには、連結部の断面積を低減させるあるいは連結部を長くすることが有効である。
一方、連結部は、回転子が高速で回転した場合の遠心力または回転子の外周部で発生するトルクに耐え得る必要がある。磁気特性を向上させるために連結部の断面積を低減したり、長くしたりすると連結部の剛性または強度が低下し、遠心力またはトルクに耐えられなくなる恐れがある。また逆に、遠心力またはトルクに耐えるような強固な連結部とすると、連結部を介する漏洩磁束が増加して回転電機の特性が低下するという、一種のトレードオフの関係が存在する。
特許文献1では、周方向に磁極と永久磁石を同数交互に配置され、回転子鉄心内に埋め込まれた永久磁石は周方向に磁極が向いており、周方向に隣接する永久磁石同士でその極性が反転しているブラシレスモータが開示されている。また、特許文献1では、漏洩磁束を低減すべく、永久磁石間に細長い連結部が設けられている。
特許第3772115号公報
しかしながら、例えば前述した特許文献1では、漏洩磁束を低減すべく連結部を細長くして磁気抵抗を増大させているものの、特許文献1の構造では鉄心の内周側でしか中心軸に接続できる部分がなく連結部の長さには限界がある。そのため、鉄心の内周側に設けられた連結部により各鉄心間が繋がってしまい、連結部を経由して中心軸またはその周囲に設けられたボス部を介して磁束が漏洩し回転電機の効率が低下する問題点があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、漏洩磁束が低減された回転子を有する効率の高い回転電機を提供することを目的とする。
本願に開示される回転電機は、回転軸に取り付けられると共に前記回転軸の軸方向に積層された環状部と、周方向に間隔を隔てて配置されると共に複数の連結部を介して前記環状部に接続された複数の扇状部と、隣り合う一対の前記扇状部の間に装着された永久磁石とを有する回転子、前記回転子の外周面に対向して配置された固定子、を備え、前記扇状部は、前記永久磁石が配置された面と反対側の周方向外周側の端面に設けられた前記連結部を介して前記環状部と接続されており、前記永久磁石は前記間隔に一箇所置きに複数着磁されており、前記複数の永久磁石の磁極は周方向を向いており、前記複数の連結部は、前記回転子の前記外周面において、隣接する前記磁極間を繋いでいないことを特徴とするものである。

本願に開示される回転電機によれば、漏洩磁束が低減された回転子を有する効率の高い回転電機が得られる。
実施の形態1による回転電機を示す断面図である。 実施の形態1による回転電機の回転子を示す分解斜視図である。 実施の形態1による回転電機の回転子を示す断面図である。 図3Aに示す回転子の部分拡大図である。 実施の形態2による回転電機の回転子を示す断面図である。 実施の形態3による回転電機の回転子を示す断面図である。 実施の形態3による回転電機の回転子を示す断面図である。 実施の形態3による回転電機の回転子を示す断面図である。
実施の形態1.
以下、図面に基づいて実施の形態1について説明する。なお、各図面において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
なお、本願において、特に断りなく「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」、と記載された場合は、それぞれ、回転子の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内周側」、「外周側」、「内周面」、「外周面」を示すものとする。
図1は、実施の形態1による回転電機を示す断面図である。図1において、回転電機100は、モータフレーム2と、モータフレーム2内に固定された円筒形の固定子3と、固定子3の内周面に外周面を対向させて回転する回転子6とを備えている。固定子3は、固定子鉄心31に固定子巻線32を巻回したものである。固定子鉄心31と固定子巻線32の間には両者が電気的に短絡するのを防止するための絶縁部材が配置されているが、図1では省略している。固定子巻線32は、3以上の多相の巻線群で構成され、制御装置(図示せず)を用いて回転子6の位相に応じて所定の電流を各相の巻線に順次通電することで、回転子6を回転させる。
固定子3は、回転子6の外周面との間に一定の空隙を介して対向して配置されている。回転子6は、回転子鉄心60と永久磁石8と回転軸65とを備えている。また、回転子鉄心60は、回転子鉄心60の内周側に配置され、回転軸65に嵌合される円環状の環状部61と、回転子鉄心60の外周側に配置され、永久磁石8を周方向の両側面から挟みこむ扇状部62と、環状部61と扇状部62とを接続する連結部63とを有している。すなわち、周方向に偶数個の扇状部62が所定の間隔を隔てて並んで配置されており、それらの間が永久磁石8を組み込むためのスペースとなる。
回転子6に発生する回転トルクが回転軸65を介して外部に出力されるため、環状部61と回転軸65とは、回転トルクに耐えるよう強固に、機械的に固定する必要がある。固定方法として圧入または溶接あるいは、回り止めのキーを組み込むといった手段が取られる。
回転軸65は、図示しない軸受によって固定子3、モータフレーム2に対して回転可能に支持されている。回転子6には複数個の永久磁石8が、周方向に隣り合う、回転子鉄心60の扇状部62間に組付けられ、回転子6の径方向に垂直、すなわち回転子6の接線方向に磁極が向けられている。周方向に隣り合う永久磁石8の磁極は周方向に同じ向きに着磁されており、2つの永久磁石8の間に挟まれた2箇所の扇状部62が、回転子6の2つの隣接する磁極として機能する。
なお、永久磁石8を組み込んだ回転子6においては、永久磁石8の配置に様々な種類があるが、実施の形態1による回転電機100では、図1に示すように、永久磁石8を回転子鉄心60の内部に放射状に配置し、その磁極を回転子6の上述の接線方向としたものを対象とする。
以上のとおり、実施の形態1による回転電機100においては、扇状部62と永久磁石8の配置は、1つの永久磁石8を2つの扇状部62(一対の扇状部62)で挟むコンシクエントポール型と称する回転子6を対象とする。この場合、永久磁石8の磁極は周方向を向いたうえ、その極性は全ての永久磁石8で同じ方向となる。実施の形態1による回転電機100は、極性を揃えた永久磁石8を、周方向に所定の間隔を隔てて配置された複数の扇状部62の間隔に1箇所置きに配置するコンシクエントポール型の回転子6を対象とする。
図2は、実施の形態1による回転電機の回転子を示す分解斜視図であり、具体的には、回転軸65を除いた回転子6の分解斜視図である。図2は、回転子鉄心60の構成および永久磁石8の配置が判るように分解したものであり、回転子鉄心60が薄板(第1の層)7を軸方向に積み重ねて構成されていること、および、直方体の永久磁石8が放射状に、回転子鉄心60内に軸方向から組み込まれていることを示している。
図3Aは、実施の形態1による回転電機の回転子を示す断面図であり、回転子6を軸方向に垂直に切断した断面図である。
回転子鉄心60は、強磁性体の素材からなる薄板(第1の層)7を多数積層して形成されている。薄板(第1の層)7は一般的には鋼板である。薄板(第1の層)7は、回転子鉄心60の環状部61となる部分である第1の環状部71と、扇状部62となる部分である第1の扇状部72と、連結部63となる部分である第1の連結部73とを備えている。薄板(第1の層)7の第1の扇状部72と第1の環状部71とを繋ぐ第1の連結部73は、一端が第1の環状部71の外周に繋がっており、他端が第1の扇状部72の最外周であって、永久磁石8が面していない方の周方向端部に繋がっている。つまり、扇状部62は、永久磁石8が配置された面と反対側の周方向外周側の端面に設けられた連結部63を介して環状部61と接続されている。
永久磁石8は、扇状部62同士の間に1箇所置きに配置されているため、永久磁石8が配置されていない箇所に、その両側の扇状部62に繋がる連結部63が並んで配置される。このとき、隣接する扇状部62同士は連結部63を経由する以外に直接には繋がっておらず、かつ、並んだ2本の連結部63同士も内周側の環状部61を経由する以外には直接連結されていない。
回転子鉄心60の各積層間は、隣接して積層された薄板(第1の層)7同士で固定される。第1の扇状部72、第1の環状部71に設けた抜きかしめによって、軸方向に積層された薄板(第1の層)7同士を固定する方法が一般的であるが、薄板(第1の層)7同士を溶接、あるいは接着といった固定方法で固定してもよい。
なお、固定子鉄心31も同様に薄板を積層して構成することが一般的であるが、固定子鉄心31に用いる薄板は板材の表面に絶縁被膜を備えており、積層された薄板間が電気的に絶縁されている。これにより固定子鉄心31内で渦電流を生じにくくさせ、渦電流による損失の低減を図っている。固定子3においては、固定子巻線32への通電を所定のパターンで切り替えることにより回転電機100を駆動するため、固定子鉄心31内の磁束が変動する。その際、磁束の変化に応じて固定子鉄心31内に誘導起電力が生じ、固定子鉄心31内に電流が流れてしまう。積層された薄板間を絶縁することで、この電流を抑えて固定子鉄心31内での損失を低減する。一方、回転子鉄心60に用いる薄板(第1の層)7についても、固定子鉄心31と同様に絶縁被膜を備えた薄板を用いてもよいが、回転子鉄心60の場合は、回転子6内に配置されているのが永久磁石8であり回転子鉄心60内での磁束に変動がないため、絶縁被膜を備えない薄板を用いてもよい。
永久磁石8の磁束は、固定子3を経由しない限り回転電機100の出力には寄与しない。永久磁石8の磁束量には上限があるので、図3Aの漏洩磁束Tに示すような回転子6内部で短絡する磁束を低減することで回転電機100の出力を向上させることが可能である。
漏洩磁束Tを低減させるためには、磁束が漏洩する経路の磁気抵抗を増大させる方法が有効である。その方法として、環状部61の径方向の厚みを薄くして、環状部61の磁気抵抗を増大させる方法が考えられる。しかし、環状部61の内側には回転軸65が隙間なく配置されており、強磁性体である鉄を回転軸65に用いることが一般的であるため、漏洩磁束Tは、回転子鉄心60の環状部61だけでなく、回転軸65を経由した経路もとる。従って、環状部61の径方向の厚みを薄くしても、結果的に大きな効果は得られず、連結部63の磁気抵抗を増大させることが回転電機100の特性向上の最も有効な手段となる。
連結部63の磁気抵抗を増大させるには、梁状の連結部63の梁の幅を狭くする方法と梁を長くする方法の2通りがある。加工コストを低減するため、回転子鉄心60を構成する薄板(第1の層)7はプレス加工によって形成することが一般的である。プレス加工においては金型の強度または加工後の鉄心形状精度を保つため、板厚に応じて加工可能な梁の最小幅の目安が存在する。目安のひとつは最小の加工幅を板厚以上にするもので、例えば厚さ0.5mmの板を用いる場合、梁の最小幅も0.5mmとなる。それよりも狭小な幅に加工することも可能であるが、工程または設備が複雑になり加工コストが増大する。そのため、高い生産性と低コストを維持したままでの幅の低減には限度がある。従って、連結部63の磁気抵抗を更に増大させるには梁を長くすることが有効である。
実施の形態1に係る回転電機100によれば、漏洩磁束Tは、連結部63と環状部61とを経由する。扇状部62と環状部61との接続部である連結部63を、扇状部62の周方向外周側、つまり扇状部62の永久磁石8が配置された面と反対側の周方向外周側の端面に配置することで、連結部63を長くすることができる。そのため連結部63における磁気抵抗が増大し、漏洩磁束Tを低減させることができる。
扇状部62の周方向の両外周側のうち、永久磁石8が配置してある箇所と反対側に連結部63を配置すると、永久磁石8は扇状部62間の空隙(間隔)に1箇所おきに配置されているため、隣接する扇状部62の連結部63は永久磁石8が配置されていない空隙(間隔)に近接して配置されることになる。しかし隣接する扇状部62同士は直接繋がっておらず、それらに繋がる2本の連結部63の間も空隙(間隔)があるため直接繋がっていない構造となっている。よって、隣接する扇状部62またはそれらに繋がる連結部63同士で直接磁束が漏洩することはない。
実施の形態1における回転電機100の回転子6は、扇状部62の径方向内周部に形成された空隙部を有しており、周方向に隣接する扇状部62は、連結部63と環状部61を介して接続されており、周方向に隣接する連結部63は、環状部61を介して接続されている。
永久磁石8は、隣接する2つの扇状部62間に配置され、扇状部62と永久磁石8とを接着で固定する。このとき、扇状部62の径方向端部に永久磁石8の外周部に重なる突起部75を設け、永久磁石8の径方向の位置を固定するために用いる。なお、永久磁石8の位置を調整しながら永久磁石8を組み込むことにより、突起部75を設けない構成も可能である。また、扇状部62と永久磁石8との固定も、接着することなく永久磁石8の磁気吸引力のみで保持することも可能である。
図3Bは、実施の形態1による回転電機の回転子を示す断面図の部分拡大図である。連結部63の端部にフィレット形状64を設けた場合の部分拡大図を図3Bに示す。連結部63と環状部61の接続部分あるいは連結部63と扇状部62との接続部分の角部には、円弧状のフィレット形状64を設けることが望ましい。連結部63には扇状部62で発生するトルクを、環状部61を介して固定子3に伝達する機能があり、トルクが作用した際に連結部63の内部で最も応力が大きくなるのは連結された接続部分両端である。ここは断面積が大きく変化する箇所であるため、応力集中によって大きな応力が発生する。ここにフィレット形状64を設けて断面積の変化を緩やかにして応力集中を低減させることにより、連結部63の幅をより狭くすることが可能となり、漏洩磁束の低減効果が高まる。
以上のとおり、実施の形態1の回転電機100の回転子6は、回転子鉄心60、複数の永久磁石8、回転軸65を備えている。回転子鉄心60は、回転軸65に取り付けられると共に回転軸65の軸方向に鋼板などの薄板(第1の層)7が積層された環状部61と、環状部61に一体に形成されると共に周方向にあらかじめ設定された所定の間隔を隔てて配置された複数の扇状部62と、環状部61と複数の扇状部62とをそれぞれ接続する連結部63を備えている。
なお、複数の扇状部62は、連結部63により環状部61と一体に形成されるものであって、磁極である扇状部62は回転子鉄心60の外周側に設けられているものである。
実施の形態1の回転電機100によれば、連結部63を扇状部62における永久磁石8が配置された面と反対側の周方向外周側の端面に設けるともに、連結部63を環状部61から扇状部62の外周側に向かって径方向に延在して設けたので、連結部63を長くすることができるため連結部63の磁気抵抗を増大させることができる。その結果、連結部63を介した回転子6の内部での漏洩磁束が減少し、効率の高い回転電機100が得られる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2による回転電機の回転子を示す断面図であり、軸方向に垂直に切断した切断面を示すものである。以下、実施の形態2に係る回転電機100の回転子6について、図4を用いて説明する。
実施の形態1の回転子鉄心60は、環状部61、扇状部62および連結部63を有しており、回転軸65の軸方向に複数の薄板(第1の層)7を積層して形成されている。実施の形態2に係る回転子6の回転子鉄心60も、実施の形態1と同様に強磁性体の薄板(第1の層)7を軸方向に多数積層して形成されている。実施の形態2において、回転子鉄心60の積層された薄板は2種類あり、環状部61となる部分である第1の環状部71と扇状部62となる部分である第1の扇状部72と、それらを繋ぐ連結部63となる部分である第1の連結部73を有する薄板(第1の層)7と図4に示す薄板(第2の層)7aを混在させて積層する。回転子6の外周側にある扇状部62、永久磁石8に作用する遠心力または回転トルクによっては、全ての薄板が連結部63となる部分を備えている必要はない。一部の層を連結部63となる部分のない薄板で形成しても回転子鉄心60の強度、剛性を満たすことが可能である。
図4に示すように、実施の形態2に係る回転子6は、連結部63となる部分を有していない薄板(第2の層)7aを備えている。図4では、薄板(第2の層)7aだけが図示されている状態である。実施の形態2において、回転子鉄心60は実施の形態1で説明した形状である薄板(第1の層)7と、実施の形態2で追加される薄板(第2の層)7aを備えており、薄板(第2の層)7aは環状部61となる部分である薄板(第2の環状部)7a1と扇状部62となる部分である薄板(第2の扇状部)7a2のみで構成されている。
薄板(第2の層)7aは、連結部63となる部分を備えていないので、これらの薄板(第2の環状部)7a1、薄板(第2の扇状部)7a2のみでは回転子鉄心60を構成できない。
しかし、回転子鉄心60の薄板(第1の層)7と薄板(第2の層)7aは、積層された層間でお互いに固定されているため、薄板(第1の層)7と一緒に薄板(第2の層)7aを積層することにより、薄板(第2の環状部)7a1、薄板(第2の扇状部)7a2だけが遠心力によって径方向にずれるといったことはない。
上述の例では、積層された各薄板のうち、連結部63となる部分を持たない薄板(第2の層)7aによる積層数は全体の1/2であるため、薄板(第2の層)7aを用いずに積層された回転子鉄心60と比べて、回転子鉄心60の連結部63の強度が1/2に低下する。しかし、強度が1/2に低下する場合であっても、回転子鉄心60として必要な強度を満たしていれば全く問題ない。
なお、積層枚数の比率は、上述の例に限定されるものではなく、連結部63となる部分である第1の連結部73を有する薄板(第1の層)7が、回転子鉄心60としての強度上必要な枚数だけ積層されていればよい。また、積層順序も、例えば薄板(第1の層)7と薄板(第2の層)7aを同数積層する場合においても、1枚ずつ交互に積層しても良いし、同種の薄板を複数まとめたものを組み合わせても良い。
薄板(第1の層)7は連結部63となる第1の連結部73を備えており、第1の連結部73を長くすることにより漏洩磁束をできるだけ低減できる形状としているものの、磁束の漏洩を完全に無くすことはできない。一方、実施の形態2に係る薄板(第2の層)7aには連結部63となる部分がないため、薄板(第2の層)7aを構成する薄板(第2の環状部)7a1と薄板(第2の扇状部)7a2の内部においては、漏洩磁束をゼロに近づけることが可能である。従って、回転子鉄心60を構成する薄板の一部に連結部63となる部分を備えない薄板(第2の層)7aを混在させることにより、回転子鉄心60全体での漏洩磁束を低減することができ、回転電機100の出力向上もしくは同等出力での製品の小型化が可能となる。
実施の形態3.
図5から図7は、実施の形態3による回転電機の回転子を示す断面図である。以下、実施の形態3に係る回転電機100の回転子6について、図5から図7を用いて実施の形態1、2と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態3による回転電機100の回転子鉄心60は、図5に示す第1の層S1と、図6に示す第2の層S2と、図7に示す第3の層S3と有している。3種類の層は、連結部63となる部分のみが異なっており環状部61となる部分および扇状部62となる部分はそれぞれの層において同一形状である。
図5に示すように、回転子鉄心60の第1の層S1は、環状部61となる部分である第1の環状部S1aと周方向に1つ置きの扇状部62となる部分である第1の扇状部S1bと連結部63となる部分である第1の連結部S1cとを有する第1の薄板S1dと、第1の薄板S1dの隣り合う第1の扇状部S1bの間に配置され、第1の扇状部S1bと同形状である第2の薄板S1eと、を有している。
また、図6に示すように、回転子鉄心60の第2の層S2は、環状部61となる部分である第2の環状部S2aと周方向に1つ置きの扇状部62となる部分である第2の扇状部S2bと連結部63となる部分である第2の連結部S2cとを有する第3の薄板S2dと、第3の薄板S2dの隣り合う第2の扇状部S2bの間に配置され、第2の扇状部S2bと同形状である第4の薄板S2eと、を有している。第2の層S2の第2の連結部S2cは、第1の層S1の第1の連結部S1cに対して永久磁石8を挟んで対向する位置に配置されている。
また、図7に示すように、回転子鉄心60の第3の層S3は、環状部61となる部分である第3の環状部S3aと扇状部62となる部分である第3の扇状部S3bのみを有している。回転子鉄心60は、第1の層S1、第2の層S2および第3の層S3を混在させて積層することにより形成されている。
第1の層S1は永久磁石8に対して時計回転方向に隣接する第1の扇状部S1bに第1の連結部S1cが備わっている。また図6に示すように、第2の層S2は第1の層S1とは逆に、永久磁石8に対して反時計回りの方向に隣接する第2の扇状部S2bに第2の連結部S2cが備わっている。第1の連結部S1cおよび第2の連結部S2cの他端は、それぞれ第1の環状部S1a、第2の環状部S2aに繋がっている。第3の層S3は実施の形態2で説明した薄板(第2の層)7aと同様に、扇状部62となる部分である第3の扇状部S3bと環状部61となる部分である第3の環状部S3aのみで構成されており、連結部63となる部分を備えていない。
実施の形態3の回転子鉄心60は、第1の層S1と第2の層S2を同じ枚数組み込み、残りを第3の層S3で形成されている。これらの層における積層順序に制約はないが、後述するように第1の層S1と第2の層S2の間に第3の層S3を挟むと漏洩磁束低減の効果が高まる。
回転子鉄心60内での漏洩磁束は極性の異なる磁極間で生じる。第1の層S1内あるいは第2の層S2はそれぞれ同じ極性の磁極だけに連結部63となる第1の連結部S1c、第2の連結部S2cが備わっているため、それぞれの積層内で完結する形での漏洩磁束は生じない。漏洩磁束は異なる積層間にまたがる経路となる。例えば、第1の層S1において、第1の連結部S1cが繋がった第1の扇状部S1bからその隣の第1の扇状部S1bへの漏洩磁束は、第1の層S1内において第1の扇状部S1b~第1の連結部S1c~第1の環状部S1aと流れ、次に環状部61において積層方向に第1の層S1の第1の環状部S1a~第2の層S2の第2の環状部S2aと流れ、次に第2の層S2内で第2の環状部S2a~第2の連結部S2c~第2の扇状部S2bと経由する。以上のように、漏洩磁束が積層面内で完結せず、必ず積層された層間を貫通する経路をとる。
積層された層間を貫通することで漏洩磁束の経路が長くなるとともに、積層された層間には隙間が存在するため、これも磁気抵抗のひとつとなる。さらに、第1の層S1と第2の層S2との間に第3の層S3を配置することにより積層方向への磁気抵抗が更に増大する。このように、実施の形態3の回転子鉄心60を用いることにより、漏洩磁束経路の磁気抵抗を大きくすることができるので、漏洩磁束が低減し、回転電機100の出力向上もしくは同等出力での製品の小型化が可能となる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
100 回転電機、2 モータフレーム、3 固定子、31 固定子鉄心、32 固定子巻線、6 回転子、60 回転子鉄心、61 環状部、62 扇状部、63 連結部、64 フィレット形状、65 回転軸、7 薄板(第1の層)、7a 薄板(第2の層)、7a1 薄板(第2の環状部)、7a2 薄板(第2の扇状部)、71 第1の環状部、72 第1の扇状部、73 第1の連結部、75 突起部、8 永久磁石、T 漏洩磁束、S1 第1の層、S2 第2の層、S3 第3の層、S1a 第1の環状部、S1b 第1の扇状部、S1c 第1の連結部、S1d 第1の薄板、S1e 第2の薄板、S2a 第2の環状部、S2b 第2の扇状部、S2c 第2の連結部、S2d 第3の薄板、S2e 第4の薄板、S3a 第3の環状部、S3b 第3の扇状部

Claims (7)

  1. 回転軸に取り付けられると共に前記回転軸の軸方向に積層された環状部と、周方向に間隔を隔てて配置されると共に複数の連結部を介して前記環状部に接続された複数の扇状部と、隣り合う一対の前記扇状部の間に装着された永久磁石とを有する回転子、
    前記回転子の外周面に対向して配置された固定子、を備え、
    前記扇状部は、前記永久磁石が配置された面と反対側の周方向外周側の端面に設けられた前記連結部を介して前記環状部と接続されており、
    前記永久磁石は前記間隔に一箇所置きに複数着磁されており、前記複数の永久磁石の磁極は周方向を向いており、
    前記複数の連結部は、前記回転子の前記外周面において、隣接する前記磁極間を繋いでいないことを特徴とする回転電機。
  2. 前記複数の永久磁石の極性は全ての前記永久磁石で同じ方向となることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記扇状部の径方向内周部に形成された空隙部を有し、
    周方向に隣接する前記扇状部は、前記連結部と前記環状部を介して接続されており、
    周方向に隣接する前記連結部は、前記環状部を介して接続されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記扇状部の径方向端部には、前記永久磁石の外周部に重なる突起部が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記連結部と前記環状部との接続部分、あるいは前記連結部と前記扇状部との接続部分の角部には、円弧状のフィレット形状が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記環状部、前記扇状部および前記連結部を有する回転子鉄心は、前記回転軸の軸方向に複数の薄板を積層して形成されており、
    前記回転子鉄心の第1の層は、前記環状部となる部分である第1の環状部と、前記扇状部となる部分である第1の扇状部と、前記連結部となる部分である第1の連結部とを有しており、
    前記回転子鉄心の第2の層は、前記環状部となる部分である第2の環状部と前記扇状部となる部分である第2の扇状部のみを有しており、
    前記回転子鉄心は、前記第1の層と前記第2の層を混在させて積層することにより形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記環状部、前記扇状部および前記連結部を有する回転子鉄心は、前記回転軸の軸方向に複数の薄板を積層して形成されており、
    前記回転子鉄心の第1の層は、前記環状部となる部分である第1の環状部と周方向に1つ置きの前記扇状部となる部分である第1の扇状部と前記連結部となる部分である第1の連結部とを有する第1の薄板と、前記第1の薄板の隣り合う前記第1の扇状部の間に配置され、前記第1の扇状部と同形状である第2の薄板と、を有しており、
    前記回転子鉄心の第2の層は、前記環状部となる部分である第2の環状部と周方向に1つ置きの前記扇状部となる部分である第2の扇状部と前記連結部となる部分である第2の連結部とを有する第3の薄板と、前記第3の薄板の隣り合う前記第2の扇状部の間に配置され、前記第2の扇状部と同形状である第4の薄板と、を有しており、前記第2の層の前記第2の連結部は、前記第1の層の前記第1の連結部に対して前記永久磁石を挟んで対向する位置に配置されており、
    前記回転子鉄心の第3の層は、前記環状部となる部分である第3の環状部と前記扇状部となる部分である第3の扇状部のみを有しており、
    前記回転子鉄心は、前記第1の層、前記第2の層および前記第3の層を混在させて積層することにより形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
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