JP7308371B1 - レーザ加工機及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種の被加工材をより高品質に加工することができるレーザ加工機及びレーザ加工方法を提供する。【解決手段】レーザ加工機(101~104)の加工ヘッド(1)は、第1及び第2伝送ファイバ(11、21)の端部より放射された第1及び第2レーザビームを被加工材Wに照射する。ビーム径調整機構は、加工ヘッド(1)内で第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作する。制御部は、ビーム径調整機構を制御し、第1レーザビームが被加工材(W)に照射する位置での第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径(DBL)と、第2レーザビームが被加工材(W)に照射する位置での第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径(DIR)との比率を、少なくとも被加工材(W)の材質に応じて調整する。【選択図】図1

Description

本開示は、レーザ加工機及びレーザ加工方法に関する。
近年、レーザ加工機の新しい光源として青色レーザが注目されている。青色レーザの波長は約450nmであり、従来加工用レーザとして主に用いられてきた赤外線レーザであるファイバレーザの波長約1080nmと比較して短い。青色レーザは、赤外線レーザよりも光吸収率が高いため、赤外線レーザでは光吸収率が低く従来は加工が困難である銅板などの被加工材を加工する際の加工性を向上させることが期待されている。
特許文献1には、青色レーザと赤外線レーザとを加工ヘッド内で互いに重畳させて被加工材を溶接するレーザ溶接方法が記載されている。青色レーザと赤外線レーザとを互いに重畳させることにより、青色レーザの光吸収率が高いという特長と赤外線レーザの高出力・高輝度化が容易であるという特長とを組み合わせることができる。青色レーザと赤外線レーザとを互いに重畳させて被加工材を加工するレーザ加工機は、銅板が厚板であっても加工が可能である。
また、銅に対する光吸収率に関して、非特許文献1には、波長532nmのグリーンレーザの光吸収率は、銅が予熱されてから溶融するまでの間(銅が非溶融状態の間)に最も光吸収率が高いことが記載されている。また、非特許文献2には、グリーンレーザよりも波長が短い青色レーザ及びUVレーザの方が、グリーンレーザよりも非溶融状態における銅への光吸収率が高いことが記載されている。
一方、赤外線レーザの銅に対する光吸収率に関して、非特許文献1には、波長1064nmの近赤外線レーザの光吸収率は、銅の温度上昇に伴って吸収率が高まることが記載されている。
中国特許出願公開第112453696号明細書
岡本、「銅の微細レーザ溶接における光吸収率と溶け込み深さの安定化に関する検討」、天田財団助成研究成果報告書、公益財団法人天田財団、2018年、31巻、p.362-367 S.Engler et al.Process Studies on Laser Welding of Copper with Brilliant Green and Infrared Lasers,PhysicsProcedia,12,p.339-346,2011.
しかしながら、特許文献1に記載のように波長の異なる青色レーザと赤外線レーザとを重畳させて被加工材を加工する場合には、被加工材を高品質に加工することができないことがある。各種の被加工材をより高品質に加工することができるレーザ加工機及びレーザ加工方法が望まれている。
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様に係るレーザ加工機は、第1の波長を有する第1レーザビームを射出する第1レーザ発振器と、前記第1レーザ発振器より射出された前記第1レーザビームを伝送する第1伝送ファイバと、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2レーザビームを射出する第2レーザ発振器と、前記第2レーザ発振器より射出された前記第2レーザビームを伝送する第2伝送ファイバと、前記第1及び第2伝送ファイバの端部より射出された前記第1及び第2レーザビームを被加工材に照射する加工ヘッドと、前記加工ヘッド内で前記第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作することにより、前記第1レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径と、前記第2レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径との少なくとも一方を調整するビーム径調整機構と、前記ビーム径調整機構を制御し、前記第1ビーム径と前記第2ビーム径との比率を、少なくとも前記被加工材の材質に応じて調整する制御部と、を備える。
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様に係るレーザ加工方法は、第1レーザ発振器より射出された第1の波長を有する第1レーザビームと、第2レーザ発振器より射出された、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作することにより、前記第1レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径と、前記第2レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径との少なくとも一方を調整し、前記第1ビーム径と前記第2ビーム径との比率を、少なくとも前記被加工材の材質に応じて調整する。
1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機及びレーザ加工方法は、第1及び第2レーザビームが被加工材に照射される位置での第1及び第2レーザビームのビーム径の比率を、少なくとも被加工材の材質に応じて適切に制御できる。
1またはそれ以上の実施形態に係るレーザ加工機及びレーザ加工方法によれば、各種の被加工材を高品質に加工することができる。
図1は、第1実施形態に係るレーザ加工機の概略構成図である。 図2は、第1実施形態に係るレーザ加工機における第1及び第2レーザビームのビーム径比率を示す図である。 図3は、単レンズへの入射前後における一般的な光線のふるまいを示す図である。 図4Aは、図1に示すレーザ加工機における第2コリメートレンズ22及び集束レンズ25のレンズ構成の一例を示す図である。 図4Bは、図4Aに示す第2コリメートレンズを光軸方向に駆動した場合の、集束レンズから第2レーザ光の集束点までの距離の変化の一例を示す図である。 図5は、第2伝送ファイバの端部から第2コリメートレンズまでの距離の変化に対する、集束レンズから第2レーザ光の集束点までの距離の変化の一例を示す図である。 図6は、第2レーザビームのビーム径が第1レーザビームのビーム径よりも大きい場合の溶接品質を示す図である。 図7は、第1レーザビームのビーム径が第2レーザビームのビーム径よりも大きい場合の溶接品質を示す図である。 図8は、オペレータが加工条件名称を選択するための指示を入力する加工条件名称選択画面の一例を示す図である。 図9は、オペレータがビーム径比率を設定するための指示を入力する加工条件設定画面の一例を示す図である。 図10は、第2実施形態に係るレーザ加工機の概略構成図である。 図11は、第3実施形態に係るレーザ加工機の概略構成図である。 図12は、第4実施形態に係るレーザ加工機の概略構成図である。 図13は、第1~第4実施形態に係るレーザ加工機の第1及び第2レーザビームの射出方法の第1の変形例を示す図である。 図14は、第1~第4実施形態に係るレーザ加工機の第1及び第2レーザビームの射出方法の第2の変形例を示す図である。 図15Aは、図13または図14において第1レーザビームが射出されているときの第1レーザビームのビーム径及びビームプロファイルの一例を示す図である。 図15Bは、図13または図14において第2レーザビームが射出されているときの第2レーザビームのビーム径及びビームプロファイルの一例を示す図である。
以下、各実施形態のレーザ加工機及びレーザ加工機の加工方法について、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るレーザ加工機101の概略構成図である。図1において、レーザ加工機101は、第1レーザビームと、第1レーザビームの波長とは異なる波長を有する第2レーザビームとを重畳し、重畳された第1及び第2レーザビームを被加工材Wに照射することにより、被加工材Wを加工する加工機である。被加工材Wの加工には、被加工材Wの溶接、切断、穴開け(ピアシング)、焼き入れ等が含まれる。加工対象となる被加工材Wは、例えば銅板または伸銅である。加工対象となる被加工材Wは軟鋼板であってもよく、ステンレス鋼等の軟鋼板以外の鉄系の板金であってもよく、アルミニウム、アルミニウム合金などの板金であってもよい。
レーザ加工機101は、第1レーザ発振器10と、第1伝送ファイバ11と、第2レーザ発振器20と、第2伝送ファイバ21と、加工ヘッド1と、を備える。また、レーザ加工機101は、NC装置(数値制御:Numerical Control)30と、操作表示部40と、アシストガス供給装置(図示せず)とを備えている。NC装置30は、レーザ加工機101の各部を制御する制御装置の一例である。
第1レーザ発振器10は、第1レーザビームを射出する。第1レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器が好適である。また、第1レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅のうえ、非線形光学結晶等によって波長変換を行ったレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器も好適である。第1実施形態においては、第1レーザ発振器10は、青色半導体レーザ発振器である。第1実施形態においては、第1レーザ発振器10が射出する第1レーザビームの波長λ(第1の波長)は、400nm以上460nm以下である。すなわち、第1実施形態においては、第1レーザビームは青色レーザである。なお、第1レーザビームには、青色レーザの代わりに緑色レーザまたはUVレーザを用いてもよい。第1レーザビームの波長λは、400nm以上460nm以下に限定されるものではない。
第1伝送ファイバ11は、第1レーザ発振器10より射出された第1レーザビームを加工ヘッド1へと伝送する。
第2レーザ発振器20は、波長λを有する第1レーザビームとは異なる波長を有する第2レーザビームを射出する。第2レーザ発振器20としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。第1実施形態においては、第2レーザ発振器20は、例えばファイバレーザ発振器である。第1実施形態においては、第2レーザ発振器20が射出する第2レーザビームの波長λ(第2の波長)は、1060nm以上1090nm以下である。すなわち、第1実施形態においては、第2レーザビームは赤外線レーザである。第2レーザビームの波長λは、1060nm以上1090nm以下に限定されるものではない。
第2伝送ファイバ21は、第2レーザ発振器20より射出された第2レーザビームを加工ヘッド1へと伝送する。
加工ヘッド1は、第1及び第2伝送ファイバ11、21の端部より射出された第1及び第2レーザビームを互いに重畳し、重畳された第1及び第2レーザビームを被加工材Wに照射する。加工ヘッド1は、第1コリメートレンズ12と、ベンドミラー13と、第2コリメートレンズ22と、コリメートレンズ駆動モータ23と、ダイクロイックミラー24と、集束レンズ25と、保護ガラス26と、を有する。第1コリメートレンズ12、ベンドミラー13、第2コリメートレンズ22、ダイクロイックミラー24及び集束レンズ25は、予め光軸が調整された状態で加工ヘッド1内に配置されている。なお、図示を省略しているが、加工ヘッド1は、被加工材Wの表面と所定の距離だけ離れた状態で、被加工材Wの表面に沿って相対的に移動自在に構成されている。なお、加工ヘッド1を被加工材Wの表面に対して相対的に移動自在とする構成については、既知の構成であればよく、詳細な説明は省略する。
第1コリメートレンズ12には、第1伝送ファイバ11の端部より射出された第1レーザビームが入射される。第1コリメートレンズ12は、第1レーザビームの光軸上に配置され、入射された発散光の第1レーザビームを平行光化してコリメート光とする。第1コリメートレンズ12から射出されたコリメート光の第1レーザビームは、ベンドミラー13に入射される。ベンドミラー13は、第1レーザビームの光軸上に配置され、入射された第1レーザビームを反射して、ダイクロイックミラー24に入射させる。ベンドミラー13は、第1レーザビームの進行方向を90度曲げ、ダイクロイックミラー24に入射させる。
第2コリメートレンズ22には、第2伝送ファイバ21の端部より射出された第2レーザビームが入射される。第2コリメートレンズ22は、第2レーザビームの光軸上に配置され、入射された発散光の第2レーザビームを平行光化してコリメート光とする。第2コリメートレンズ22から射出されたコリメート光の第2レーザビームは、ダイクロイックミラー24に入射される。
コリメートレンズ駆動モータ23は、加工ヘッド1内で第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作する。コリメートレンズ駆動モータ23は、後述するNC装置30により制御される。コリメートレンズ駆動モータ23は、NC装置30による制御に基づき、第1レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径DBLと、第2レーザビームが被加工材Wに照射する位置での第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径DIRとの比率(以下、ビーム径比率という)を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて調整する。ビーム径比率の調整方法の詳細については後述する。
例えば、コリメートレンズ駆動モータ23は、第2コリメートレンズ22を、第2レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動する。コリメートレンズ駆動モータ23は、例えば、第2コリメートレンズ22を第2レーザビームの光軸方向に沿って移動させることにより、加工ヘッド1内で第2レーザビームの光学系を操作する。なお、コリメートレンズ駆動モータ23は、第2コリメートレンズ22を駆動させる代わりに、第1コリメートレンズ12を第1レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動してもよい。また、コリメートレンズ駆動モータ23は、第1コリメートレンズ12を第1レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動し、且つ、第2コリメートレンズ22を第2レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動してもよい。すなわち、コリメートレンズ駆動モータ23は、第1及び第2コリメートレンズ12、22の少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動する機構であればよい。
コリメートレンズ駆動モータ23は、第1及び第2コリメートレンズ12、22の少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に手動で駆動する機構であってもよい。コリメートレンズ駆動モータ23は、第1及び第2コリメートレンズの一方を手動、他方を自動で第1及び第2レーザビームの光軸方向に駆動する機構であってもよい。
なお、コリメートレンズ駆動モータ23はビーム径調整機構の一例であり、ビーム径調整機構は、コリメートレンズ駆動モータ23に限定されない。ビーム径調整機構は、第1及び第2伝送ファイバ11、21の端部から射出されてから加工ヘッド1内で重畳されるまでの間で、第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作する機構であればよい。
ダイクロイックミラー24は、第2レーザビームの光軸上に配置され、それぞれコリメート光である第1レーザビームと第2レーザビームとが入射される。ダイクロイックミラー24は、ベンドミラー13によって反射されて入射された第1レーザビームを反射し、且つ、第2レーザビームを透過させる。ダイクロイックミラー24は、第1レーザビームの進行方向を90度曲げ、集束レンズ25に入射させる。また、ダイクロイックミラー24は、第2レーザビームを透過させ、集束レンズ25に入射させる。すなわち、第1及び第2レーザビームは、ダイクロイックミラー24により互いに重畳される。
集束レンズ25は、重畳されたコリメート光の第1及び第2レーザビームを、被加工材Wの加工点Pに集束させて、第1及び第2レーザビームの集束光を被加工材Wの加工点Pに照射する。第1及び第2レーザビームの集束光は、保護ガラス26を透過して、被加工材Wの加工点Pに照射される。なお、集束レンズ25は、手動または自動の機構により被加工材Wに近付けたり、被加工材Wから離れたりするように構成されてもよい。
NC装置30は、レーザ加工機101の各部を制御する制御装置である。NC装置30は、コンピュータから構成されており、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random-Access Memory)を有している。NC装置30には、操作表示部40が接続されている。
NC装置30は、CPUがROMから各種プログラムを読み出し、RAMに展開し、展開したプログラムを実行することにより、各種の機能を実現する。
NC装置30は、加工プログラムを実行して、レーザ加工機101を制御する。加工プログラムは、被加工材Wを加工経路に沿って溶接して製品を溶接するために必要なレーザ加工機101の動作を定義するコードを含んでいる。加工プログラムは、CAM(Computer-Aided Manufacturing)などの外部装置によって作成されており、NC装置30は、外部装置から加工プログラムを取得する。なお、外部装置は、作成した加工プログラムを、図示しないデータ管理サーバ内のデータベースに格納してもよい。この場合、NC装置30は、データ管理サーバのデータベースに格納された加工プログラムを読み出すことで、加工プログラムを取得する。
加工プログラムには、加工条件の設定、第1及び第2レーザビームの射出開始(射出のオン)及び第1及び第2レーザビームの射出停止(射出のオフ)、加工ヘッド1のある加工経路から次の加工経路への移動といった、製品を加工するために必要なレーザ加工機101の一連の動作を規定するコードが記述されている。例えば、製品を溶接する場合、加工プログラムには、製品の加工経路に沿って加工ヘッド1(第1及び第2レーザビーム)を移動させるコードが記述されている。また、被加工材Wから複数の製品を溶接する場合、加工プログラムには、複数の製品毎にコードが記述されている。第1実施形態においては、NC装置30は、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに同時に照射されるように、第1及び第2レーザ発振器10、20を制御する。
また、NC装置30は、コリメートレンズ駆動モータ23を制御し、ビーム径比率を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて調整する。第1実施形態においては、NC装置30は、第1ビーム径DBLが第2ビーム径DIRよりも大きくなるようにビーム径比率を調整する。また、第1実施形態においては、NC装置30は、操作表示部40で受け付けた、ビーム径比率を設定するための指示に基づいて、コリメートレンズ駆動モータ23を制御する。NC装置30は、コリメートレンズ駆動モータ23を制御しつつ、加工プログラムに基づいて被加工材Wを加工するように、レーザ加工機101の各部を制御する。
操作表示部40は、ビーム径比率を設定するための指示をレーザ加工機101のオペレータから受け付ける。操作表示部40は、オペレータがビーム径比率を設定するための指示を入力するために必要な画面を表示する。オペレータは、ビーム径比率を設定するための指示を入力するために操作表示部40を操作する。オペレータは、操作表示部40を操作することで、NC装置30に対してビーム径比率を設定するための指示を入力することができる。操作表示部40は、オペレータから入力された指示を、NC装置30に送信する。なお、ビーム径比率を設定するための指示を受け付けて、ビーム径比率の調整を実現する具体的な方法については、後述する。
操作表示部40は、例えば、液晶パネルに装着されて液晶パネルに表示される情報に従って入力操作を行うことができるタッチパネルであってもよい。操作表示部40は、表示部と操作部が別体であってもよい。
被加工材Wを切断する場合には、図示しないアシストガス供給装置は、被加工材Wの切断加工時に、アシストガスを加工ヘッド1に供給する。アシストガス供給装置は、加工対象の被加工材Wが鉄系材の場合には、アシストガスとして酸素、窒素、または空気を使用可能である。アシストガスに酸素を用いる場合には、アシストガス供給装置は、過燃焼にならないようにガスの噴射状態を制御する。また、アシストガス供給装置は、被加工材Wがステンレス系材の場合には、アシストガスとして窒素または空気を使用可能である。加工ヘッド1に供給されたアシストガスは、加工ヘッド1の開口より被加工材Wに対して吹き付けられる。アシストガスは、被加工材Wが溶融したカーフ幅内の溶融金属を排出する。
被加工材Wを溶接する場合には、図示しないシールドガス供給装置は、被加工材Wの溶接加工時に、被加工材Wの酸化反応を防ぐためにシールドガスを加工ヘッド1に供給する。シールドガスとしては、窒素またはアルゴンを使用可能である。加工ヘッド1に供給されたシールドガスは、加工ヘッド1の開口より被加工材Wに対して吹き付けられる。或いは、シールドガス噴射用ノズル(図示せず)を加工ヘッド1の側面に設けて、側面からシールドガスが被加工材Wに対して吹き付けられてもよい。シールドガスの噴出方法は、メインとサブに分けて複数の場所から噴出させる方法でもよく、特に限定されない。
以上のように構成されるレーザ加工機101は、重畳された第1及び第2レーザビームによって被加工材Wを加工して、所定の形状または紋様等を有する製品を作製することができる。
[ビーム径比率の調整方法]
ここで、ビーム径比率の調整方法について、図2~図5を参照して説明する。図2は、レーザ加工機101における第1及び第2レーザビームのビーム径比率を示している。ビーム径比率とは、加工ヘッド1より射出された第1レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径DBLと、第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径DIRの比率である。ビーム径比率は、例えば、第1ビーム径DBLを第2ビーム径DIRで除することにより算出される。ビーム径比率は、少なくとも被加工材Wの材質に応じて適切な値が設定されている。ビーム径比率は、被加工材Wの材質、板厚、加工レンズ(集束レンズ25)の厚さ等の組み合わせである加工条件に応じて設定されていてもよい。
図3は、単レンズへの入射前後における一般的な光線のふるまいを示している。まず、図3において、一様媒質で満たされた長さzの直線部後方に、焦点距離fの集束レンズ25(単レンズ)があるとする。この場合、任意の位置zにおける光線を列ベクトルで表すと、任意の位置zにおける光線は、下記の式(1)で表すことができる。式(1)において、(rout,r'out)は集束レンズ25からの放射光線を示す。式(1)において、(rin,r'in)は、集束レンズ25への入射光線を示す。式(1)において、rは光線が集束レンズ25に入射した位置での光軸から光線までの距離を示し、r'は光線の傾きを示す。
Figure 0007308371000002
図4Aは、図1に示すレーザ加工機101における第2コリメートレンズ22及び集束レンズ25のレンズ構成の一例を示している。図4Aにおいて、第2コリメートレンズ22の焦点距離をf1、集束レンズ25の焦点距離をf2とする。また、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離をd0、第2コリメートレンズ22から集束レンズ25までの距離をd1、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離をd2とする。この場合、式(1)は、下記の式(2)で表すことができる。
Figure 0007308371000003
また、式(2)は、下記の式(3)の形式で表すことができる。
Figure 0007308371000004
式(3)におけるA、B、C、Dは、式(2)から算出できる。式(3)におけるA、B、C、Dは、式(2)から、下記の式(4)で表すことができる。
Figure 0007308371000005
ここで、第1実施形態では、式(3)のうちBを含む式について、B・r’in=0、すなわちB=0とすることができる。したがって、式(4)におけるBの式から、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離d2は下記の式(5)で表すことができる。
Figure 0007308371000006
式(5)に示すように、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離d0が変化すると、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離d2が変化する。図4Bは、図4Aに示す第2コリメートレンズ22を光軸方向に駆動した場合の、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離の変化の一例を示している。図4Bに示すように、第2コリメートレンズ22を光軸方向の負の方向に駆動し、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離d0が、距離d0’に変化したとする。この場合、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離d2は、光軸方向の負の方向に移動し、距離d2’に変化する。
図5は、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離d0の変化に対する、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離d2の変化の一例を示している。図5においては、第2コリメートレンズ22の焦点距離f1が100mm、集束レンズ25の焦点距離f2が100mm、第2コリメートレンズ22から集束レンズ25までの距離d1が300mmであるとする。この場合、距離d0が85mmのとき、距離d2は113mmとなる。距離d0が90mmのとき、距離d2は109.1mmとなる。距離d0が95mmのとき、距離d2は104.8mmとなる。距離d0が100mmのとき、距離d2は100mmとなる。距離d0が105mmのとき、距離d2は94.7mmとなる。距離d0が110mmのとき、距離d2は88.9mmとなる。距離d0が115mmのとき、距離d2は82.4mmとなる。
このように、第2コリメートレンズ22を第2レーザビームの光軸方向に駆動させることによって、集束レンズ25から第2レーザビームの集束点までの距離d2を変化させることができる。距離d2を変化させることにより第2ビーム径DIRを変化させることができ、ビーム径比率を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて調整することができる。同様に、第1コリメートレンズ12を第1レーザビームの光軸方向に駆動させることによって、第1ビーム径DBLを変化させても、ビーム径比率を調整することができる。
また、第1コリメートレンズ12を第1レーザビームの光軸方向に駆動させることによって、第1ビーム径DBLを変化させ、第2コリメートレンズ22を第2レーザビームの光軸方向に駆動させることによって、第2ビーム径DIRを変化させて、ビーム径比率を調整することもできる。すなわち、ビーム径調整機構は、第1及び第2コリメートレンズ12、22の少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に駆動する機構であればよい。また、ビーム径調整機構は、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離d0を変化させるために、第1及び第2伝送ファイバ21の少なくとも一方の端部を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させる機構であってもよい。
なお、第1及び第2コリメートレンズ12、22の少なくとも一方を駆動することにより、ビーム径比率を調整するだけでなく、第1及び第2コリメートレンズ12、22の少なくとも一方と、集束レンズ25とを第1及び第2レーザの光軸方向に駆動する構成としてもよい。この場合、式(5)における第1及び第2コリメートレンズ12、22から集束レンズ25までの距離d1と、集束レンズ25から第1及び第2レーザビームの集束点までの距離d2の双方を変化させることにより、ビーム径比率を調整できる。
[ビーム径比率の加工品質への影響]
ここで、ビーム径比率が加工品質に与える影響について、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は、ビーム径比率と溶接品質の関係を示している。第1実施形態においては、第1レーザビームは、波長がλの青色レーザBLであり、第2レーザビームは、波長がλ2のファイバレーザIRである。図6に示すように、第2ビーム径DIRが、第1ビーム径DBLよりも大きくなると、第2ビーム径DIRに対する第1ビーム径DBLの比率が小さくなる。この場合、溶接個所において、第1レーザビームによる溶融プールが形成される範囲が少なくなり、第2レーザビームでの過熱が主体的となり、溶接個所において、急激な温度変化と溶融部の湯流れの乱れが発生しやすくなる。それにより、キーホールが不安定化したり、溶接個所の周囲にスパッタが付着したり、ブローホールが発生したりすることがある。具体的な例として、ビーム径比率を0.91とし、板厚が1mmの銅板に出力2kWの第1レーザビームと、出力3kWの第2レーザビームを重畳し、加工ヘッド1を速度8m/分で溶接した場合には、スパッタの付着が発生し、ビード面が不安定となった。
一方、図7に示すように、第1ビーム径DBLが、第2ビーム径DIRよりも大きくなると、第2ビーム径DIRに対する第1ビーム径DBLの比率が大きくなる。この場合、第2レーザビームの外側に第1レーザビームによる溶融プールが形成される。ビーム径比率が適正な場合、第2レーザビームの外側に十分な範囲に溶融プールが形成され、中心部の第2レーザビームのキーホールが安定する。また、後方の湯流れも安定するため、上部への湯流れの急激な乱れもなく、スパッタが発生しにくく、ビード面が安定する。具体的な例として、ビーム径比率を2.21とし、板厚が1mmの銅板に出力2kWの第1レーザビームと、出力3kWの第2レーザビームを重畳し、加工ヘッド1を速度8m/分で溶接した場合には、スパッタの付着が抑制され、ビード面が安定することが確認された。
したがって、第1ビーム径DBLを第2ビーム径DIRよりも大きくすることが好ましい。第1ビーム径DBLが第2ビーム径DIRよりも大きくなるように、ビーム径比率を少なくとも被加工材Wの材質に応じて適切な値に調整することにより、高品質な溶接が可能となる。なお、ビーム径比率は約2が好ましいが、すべての被加工材に対して、ビーム径比率を約2に限定するものではない。
[ビーム径比率の調整の実現方法]
次に、ビーム径比率の調整を実現する具体的な方法について、図8及び図9を参照して説明する。第1実施形態のレーザ加工機101においては、加工開始前に、NC装置30がオペレータからビーム径比率を設定するための指示を受け付けることにより、ビーム径調整機構であるコリメートレンズ駆動モータ23を制御して、ビーム径比率を調整する。
図8は、操作表示部40に表示される、オペレータが加工条件名称を選択するための指示を入力する加工条件名称選択画面41の一例を示している。加工条件名称選択画面41には、例えば図8に示すように、加工対象となる被加工材Wの材質、板厚、及び集束レンズ25(加工レンズ)の厚さの組み合わせに対応付けられた加工条件名称が表示される。加工条件名称選択画面41は、オペレータが加工条件名称を選択するための加工条件名称選択部を備えている。加工条件名称選択部は、オペレータから、加工条件名称の選択の要求を受け付けることができる。オペレータは、加工条件名称を選択することにより、NC装置30に、選択した加工条件名称に対応する加工条件設定画面43を呼び出す指示を入力することができる。オペレータは、例えば図8に示すように、加工条件名称が「SECC-t1.2」である加工名称選択部42を選択することにより、NC装置30に、選択した加工条件名称「SECC-t1.2」に対応する加工条件設定画面43を呼び出す指示を入力することができる。
加工条件名称選択画面41におけるSECCは電気亜鉛めっき鋼板を示し、SPCは冷間圧延鋼板を示す。
オペレータが、加工名称を選択した場合、すなわち、NC装置30が加工条件名称に対応する加工条件設定画面を呼び出す指示を受け付けた場合には、NC装置30は、操作表示部40に、加工条件名称に対応する加工条件設定画面43を表示する。図9は、操作表示部40に表示される、オペレータがビーム径比率を設定するための指示を入力する加工条件設定画面43の一例を示している。加工条件設定画面43は、例えば、加工条件個別プログラム番号表示部44と、加工条件表示部とを備えている。
加工条件個別プログラム番号表示部44には、加工条件名称に対応する少なくとも1以上の加工プログラムの番号である「E No.」が表示される。加工条件表示部には、加工プログラム毎の設定項目が表示される。例えば図9に示すように、加工プログラム番号「E No.8」の設定項目が、加工条件表示部45に表示される。設定項目は、例えば、加工速度である「速度」、第1レーザビームの「出力」、「周波数」及び「デューティ」、第2レーザビームの「出力」、「周波数」及び「デューティ」、アシストガス装置により供給されるアシストガスの「ガス流量」及び「ガス種」、「ポジションd0」、「ビーム径比率」である。なお、「ポジションd0」は、第1実施形態においては、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離d0を意味する。
加工条件設定画面43は、加工条件表示部に、コリメートレンズ位置入力部と、ビーム径比率表示部とを備える。例えば図9に示すように、加工条件表示部45の設定項目「ポジションd0」の位置に、コリメートレンズ位置入力部46を備え、設定項目「ビーム径比率」の位置に、ビーム径比率表示部47を備える。
加工条件設定画面43は、ビーム径比率を設定するための指示として、第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離d0をレーザ加工機101のオペレータから受け付ける。具体的には、加工条件設定画面43は、オペレータから、ビーム径比率を設定するための指示として、「ポジションd0」の設定値を受け付ける。オペレータは、コリメートレンズ位置入力部46に、「ポジションd0」の設定値を入力することにより、ビーム径比率を設定するための指示を入力することができる。NC装置30は、受け付けた「ポジションd0」の設定値に基づいて、ビーム径比率を算出し、算出したビーム径比率の値を、ビーム径比率表示部47に表示させる。
ここで、「ポジションd0」の設定値に基づいて、ビーム径比率を算出する方法について説明する。図1に示すレーザ加工機101において、w1を第2伝送ファイバ21の端部での第2レーザビームのビーム径、w2を集束点での第2レーザビームのビーム径、M2をレーザビームの品質を示す値、λ2を第2レーザビームの波長、C及びDを、式(4)で示した式とすると、第2レーザビームの光線は、下記の式(6)で表すことができる。
Figure 0007308371000007
また、dwをビームウエスト位置での第2レーザビームのビーム径、zを第2レーザビームのウエスト位置、zを第2レーザビームの光軸方向に沿った任意の位置、θをビームの発散角とすると、第2レーザビームの光軸方向に沿った任意の位置zにおける第2レーザビームのビーム径d(z)は、下記の式(7)で表すことができる。
Figure 0007308371000008
上記の式(6)と式(7)を組み合わせることにより、第2レーザビームの光学系の任意の位置におけるビーム径を算出できる。したがって、「ポジションd0」の設定値に基づいて、第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置でのビーム径である第2ビーム径DIRを算出できる。第1レーザビームが被加工材Wに照射される位置でのビーム径である第1ビーム径DBLとの関係から、ビーム径比率を算出できる。これにより、「ポジションd0」の設定値に基づいて、ビーム径比率をビーム径比率表示部47に表示できる。
NC装置30は、操作表示部40で受け付けたビーム径比率を設定するための指示に従って、コリメートレンズ駆動モータ23を制御する。具体的には、NC装置30は加工条件設定画面43で受け付けた「ポジションd0」の設定値に基づいて、コリメートレンズ駆動モータ23を駆動し、第2コリメートレンズ22の位置を移動させる。そして、NC装置30は、加工プログラムを実行し、被加工材Wの加工を実行する。
なお、加工条件設定画面43は、ビーム径比率を設定するための指示として、第1伝送ファイバ11の端部から第1コリメートレンズ12までの距離を「ポジションd0」の設定値として受け付けて、ビーム径比率を算出してもよい。この場合、NC装置30は、加工条件設定画面43で受け付けた「ポジションd0」の設定値に基づいて、コリメートレンズ駆動モータ23を駆動し、第1コリメートレンズ12の位置を移動させる。また、加工条件設定画面43は、ビーム径比率を設定するための指示として、第1伝送ファイバ11の端部から第1コリメートレンズ12までの距離及び第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離を「ポジションd0」の設定値として受け付けて、ビーム径比率を算出してもよい。この場合、NC装置30は、加工条件設定画面43で受け付けた「ポジションd0」の設定値に基づいて、コリメートレンズ駆動モータ23を駆動し、第1及び第2コリメートレンズ12、22の位置を移動させる。
すなわち、加工条件設定画面43は、ビーム径比率を設定するための指示として、第1伝送ファイバ11の端部から第1コリメートレンズ12までの距離及び第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離の少なくとも一方の距離をレーザ加工機101のオペレータから受け付けてもよい。
ビーム径比率が、被加工材Wの材質と板厚との組み合わせに応じて設定されていてもよい。この場合、被加工材Wの複数の板厚を2つまたはそれ以上の群に分け、被加工材Wの材質と板厚が属する群との組み合わせに応じて、ビーム径比率が設定されるのがよい。
[作用効果]
以上説明したように、第1実施形態によれば以下の作用効果が得られる。
レーザ加工機101は、第1レーザ発振器10と、第1伝送ファイバ11と、第2レーザ発振器20と、第2伝送ファイバ21と、加工ヘッド1と、ビーム径調整機構(コリメートレンズ駆動モータ23)と、制御部(NC装置30)とを備える。第1レーザ発振器10は、第1の波長を有する第1レーザビームを射出する。第1伝送ファイバ11は、第1レーザ発振器10より射出された第1レーザビームを伝送する。第2レーザ発振器20は、第1の波長の異なる第2の波長を有する第2レーザビームを射出する。第2伝送ファイバ21は、第2レーザ発振器20より射出された第2レーザビームを伝送する。加工ヘッド1は、第1及び第2伝送ファイバ11、21の端部より射出された第1及び第2レーザビームを互いに重畳し、重畳された第1及び第2レーザビームを被加工材Wに照射する。ビーム径調整機構は、加工ヘッド1内で第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作することにより、第1ビーム径DBLと、第2ビーム径DIRとの少なくとも一方を調整する。制御部は、ビーム径調整機構を制御し、第1ビーム径DBLと第2ビーム径DIRとの比率を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて調整する。
また、ビーム径調整機構は、第1及び第2伝送ファイバ11、21の端部から射出されてから加工ヘッド1内で重畳されるまでの間の第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作する機構である。
これにより、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1及び第2レーザビームのビーム径比率を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて適切に制御できる。波長の異なる第1及び第2レーザビームを重畳させるレーザ加工機において、各種の被加工材Wを高品質に加工することができる。
レーザ加工機101は、ビーム径比率を設定するための指示をレーザ加工機101のオペレータから受け付ける操作部(操作表示部40)をさらに備える。制御部は、操作部で受け付けた指示に従って、ビーム径調整機構を制御する。これにより、レーザ加工機101によれば、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1及び第2レーザビームのビーム径比率を、オペレータによる入力に従って指定または変更できる。レーザ加工機101によれば、少なくとも被加工材Wの材質に応じて、ビーム径比率を設定できる。
加工ヘッド1は、第1伝送ファイバ11の端部より射出された第1レーザビームが入射される第1コリメートレンズ12と、第2伝送ファイバより射出された第2レーザビームが入射される第2コリメートレンズ22とを有する。ビーム径調整機構は、第1及び第2コリメートレンズの少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動する機構である。第1及び第2コリメートレンズの少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動することにより、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1及び第2レーザビームのビーム径比率を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて適切に制御できる。
操作部は、ビーム径比率を設定するための指示として、第1伝送ファイバ11の端部から第1コリメートレンズ12までの距離である第1距離及び第2伝送ファイバ21の端部から第2コリメートレンズ22までの距離である第2距離の少なくとも一方の距離d0をオペレータから受け付ける。これにより、オペレータによる入力に従って、第1及び第2コリメートレンズの少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に駆動することができる。第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1及び第2レーザビームのビーム径比率を、オペレータによる入力に従って、少なくとも被加工材Wの材質に応じて適切に制御できる。
第1レーザビームの波長λは例えば400nm以上460nm以下であり、第2レーザビームの波長λは例えば1060nm以上1090nm以下である。第1レーザビームに青色レーザを用い、第2レーザビームにファイバレーザを用いる。青色レーザによる短波長の光吸収率を生かし、銅などの従来のファイバレーザ単体では加工が困難であった被加工材への安定した入熱を実現できる。溶融むらを抑制し、スパッタ及びブローホールを抑制できる。青色レーザの強みに、ファイバレーザによる更新度、高速加工の強みを組み合わせることで、加工精度と加工速度などを両立した溶接が実現できる。
制御部は、第1ビーム径DBLが第2ビーム径DIRよりも大きくなるようにビーム径比率を調整する。青色レーザがファイバレーザの外側に溶融プールを形成できる。適正なビーム径比率の場合、十分な範囲に溶融プールが形成され、中心部のファイバレーザのキーホールの不安定化を抑制できる。加工方向の湯流れが安定し、スパッタ及びブローホールを抑制できる。
また、ビーム径調整機構は、第1及び第2伝送ファイバ11、21の少なくとも一方の端部を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させる機構であってもよい。第1及び第2伝送ファイバ11、21の少なくとも一方の端部を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させることにより、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置での第1及び第2レーザビームのビーム径比率を、少なくとも被加工材Wの材質に応じて適切に制御できる。
[第2実施形態]
第1実施形態においては、ビーム径調整機構の一例として、コリメートレンズ駆動モータ23により、第1及び第2コリメートレンズ12、22の少なくとも一方を、第1及び第2レーザビームの光軸方向に駆動する機構を備える。ビーム径調整機構は、第1ビーム径DBL及び第2ビーム径DIRの少なくとも一方を拡大または縮小させるズーム機構であってもよい。図10は、ズーム機構27を備える第2実施形態に係るレーザ加工機102の概略構成図である。図10のレーザ加工機102は、図1の第2コリメートレンズ22及びコリメートレンズ駆動モータ23の代わりに、ズーム機構27を備える。図10において、図1と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ズーム機構27は、例えば、第2伝送ファイバ21の端部と、ダイクロイックミラー24との間に配置される。ズーム機構27は、2枚以上のレンズと、レンズを第2レーザビームの光軸方向に移動させるレンズ駆動モータ28とを有する。ズーム機構27のレンズの光軸は、集束レンズ25の光軸と一致している。図10において、ズーム機構27のレンズは二枚の凸レンズにより構成されているが、レンズの数は2枚に限定されない。また、ズーム機構27のレンズは、凸レンズ、凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、または凹凸レンズにより構成されてもよく、曲面が球面である球面レンズまたは曲面が非球面である非球面レンズにより構成されてもよい。ズーム機構27のレンズ詳細な構成については、特に限定されない。
レンズ駆動モータ28は、NC装置30により制御される。レンズ駆動モータ28は、ズーム機構27のレンズを第2レーザビームの光軸方向に沿って駆動することにより、加工ヘッド1内で第2レーザビームの光学系を操作して、第2ビーム径DIRを拡大及び縮小させる。ズーム機構27によるビーム径の拡大及び縮小方法については、既知の技術であるため、説明を省略する。
なお、ズーム機構27は、第2伝送ファイバ21の端部と、ダイクロイックミラー24との間に配置される代わりに、第1伝送ファイバ11の端部と、ベンドミラー13との間に配置されてもよい。この場合、レンズ駆動モータ28は、ズーム機構27のレンズを第1レーザビームの光軸方向に駆動することにより、第1ビーム径DBLを拡大または縮小させる。また、ズーム機構27は、第1伝送ファイバ11の端部と、ベンドミラー13との間に配置され、且つ、第2伝送ファイバ21の端部と、ダイクロイックミラー24との間に配置されてもよい。この場合、レンズ駆動モータ28は、ズーム機構27のレンズを第1及び第2レーザビームの光軸方向に駆動することにより、第1及び第2ビーム径DBL、DIRを拡大または縮小する。
すなわち、ズーム機構27は、第1及び第2ビーム径の少なくとも一方を拡大または縮小させる機構であればよい。第1及び第2ビーム径DBL、DIRの少なくとも一方を拡大または縮小させることにより、ズーム機構27は、加工ヘッド1内で第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作して、ビーム径比率を被加工材Wの材質に応じて調整できる。これにより、波長の異なる第1及び第2レーザビームを波長重畳させるレーザ加工機において、各種の被加工材Wを高品質に加工することができる。
[第3実施形態]
ビーム径調整機構は、第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光軸上に曲率可変ミラーを有する機構であってもよい。例えば、図11は、第1レーザビームの光軸上に曲率可変ミラー14を備える第3実施形態に係るレーザ加工機103の概略構成図である。図11のレーザ加工機103は、図1のコリメートレンズ駆動モータ23を備えず、図1のベンドミラー13の代わりに、曲率可変ミラー14を備える。図11において、図1と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
曲率可変ミラー14は、例えば、第1レーザビームの光軸上に配置され、第1コリメートレンズ12から射出された第1レーザビームを反射して、ダイクロイックミラー24に入射させる。曲率可変ミラー14は、反射面の曲率を自在に変更調整可能に設けられている。曲率可変ミラー14の制御方法には電気的なピエゾアクチュエータ式、空気圧制御式、液体圧制御式等があり、曲率可変ミラー14は、NC装置30により制御される。曲率可変ミラー14は、反射面の曲率を調整することにより、ダイクロイックミラー24に入射する第1レーザビームのビーム径を調整する。すなわち、ダイクロイックミラー24により反射され、集束レンズ25に入射される第1レーザビームのビーム径を調整することができる。曲率可変ミラー14によるビーム径の調整については、既知の技術であるため、説明を省略する。集束レンズ25に入射される第1レーザビームのビーム径を調整することにより、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射する位置での第1及び第2ビーム径DBL、DIRのビーム径比率を調整できる。
なお、曲率可変ミラーは、第1レーザビームの光軸上に配置される代わりに、第2レーザビームの光軸上に配置されてもよい。例えば、レーザ加工機103は、図11の第1レーザ発振器10、第1伝送ファイバ11及び第1コリメートレンズ12と、第2レーザ発振器20、第2伝送ファイバ21及び第2コリメートレンズ22とを入れ替えた構成としてもよい。この場合、曲率可変ミラー14は、反射面の曲率を調整することにより、ダイクロイックミラー24に入射する第2レーザビームのビーム径を調整する。すなわち、ダイクロイックミラー24により反射され、集束レンズ25に入射される第2レーザビームのビーム径を調整することができる。
[第4実施形態]
図12に示すような構成により、曲率可変ミラーは、第2レーザビームの光軸上に配置されてもよい。図12は、第2レーザビームの光軸上に曲率可変ミラー15を備える第4実施形態に係るレーザ加工機104の概略構成図である。図12のレーザ加工機104は、図1のコリメートレンズ駆動モータ23を備えず、第2レーザビームの光軸上の第2コリメートレンズ22とダイクロイックミラー24の間に、曲率可変ミラー15と、ベンドミラー29とを備える。曲率可変ミラー15の特性は図11の曲率可変ミラー14と同様であり、曲率可変ミラー15は、NC装置30により制御される。図12において、図1と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図12において、曲率可変ミラー15は、第2コリメートレンズ22から射出された第2レーザビームの光軸上に配置され、第2コリメートレンズ22から射出された第2レーザビームを反射して、ベンドミラー29に入射させる。曲率可変ミラー15は、反射面の曲率を調整することにより、ベンドミラー29に入射する第2レーザビームのビーム径を調整する。ベンドミラー29は、曲率可変ミラー15によりビーム径が調整された第2レーザビームを反射して、ダイクロイックミラー24に入射させる。ダイクロイックミラー24は、ベンドミラー13により入射された第1レーザビームを反射し、ベンドミラー29により入射された第2レーザビームを透過させる。
すなわち、図12において、曲率可変ミラー15は、反射面の曲率を調整することにより、ダイクロイックミラー24を透過して、集束レンズ25に入射される第2レーザビームのビーム径を調整することができる。集束レンズ25に入射される第2レーザビームのビーム径を調整することにより、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射する位置での第1及び第2ビーム径DBL、DIRのビーム径比率を調整できる。
さらに、曲率可変ミラーは、第1レーザビームの光軸上に配置され、且つ、第2レーザビームの光軸上に配置されてもよい。この場合、例えば、レーザ加工機104は、図12のベンドミラー13の代わりに、曲率可変ミラー14を備えてもよい。この場合、曲率可変ミラー14、15は、集束レンズ25に入射される第1及び第2レーザビームのビーム径を調整することができる。集束レンズ25に入射される第1及び第2レーザビームのビーム径を調整することにより、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに照射する位置での第1及び第2ビーム径DBL、DIRのビーム径比率を調整できる。
すなわち、ビーム径調整機構は、第1レーザビームの光軸上の第1コリメートレンズ12とダイクロイックミラー24の間に配置される第1のミラーと、第2レーザビームの光軸上の第2コリメートレンズ22とダイクロイックミラー24の間に配置される第2のミラーの少なくとも一方を曲率可変ミラーとする機構であればよい。第1及び第2のミラーの少なくとも一方を曲率可変ミラーとすることにより、ビーム径比率を少なくとも被加工材Wの材質に応じて調整できる。これにより、波長の異なる第1及び第2レーザビームを
波長重畳させるレーザ加工機において、各種の被加工材を高品質に加工することができる。
[変形例]
第1~第4実施形態の変形例について説明する。第1~第4実施形態においては、NC装置30は、第1及び第2レーザビームが被加工材Wに同時に照射されるように、第1及び第2レーザ発振器10、20を制御する。ところで、銅が非溶融状態であるとき、青色レーザの銅への光吸収率は赤外線レーザの銅への光吸収率よりも高いことが知られている。したがって、銅の予熱が開始されてから銅が溶融するまでの間は、青色レーザによって高い熱効率で銅の予熱が可能である。また、赤外線レーザの光吸収率は銅の温度上昇に伴って高まるため、銅の溶融が開始してから銅の温度がさらに上昇していく間は、赤外線レーザを高出力で照射することにより、赤外線レーザによっても高い熱効率で銅の溶接が可能である。
したがって、第1~第4実施形態において、NC装置30は、図13に示すように、例えば、第1レーザビーム(青色レーザBL)を被加工材Wが溶融するまでの第1所定時間T1だけ射出した後に、第1レーザビームの射出を停止し、第1レーザビームの停止後に第2レーザビーム(ファイバレーザIR)を第2所定時間T2だけ射出するように、第1及び第2レーザ発振器10、20を制御してもよい。このレーザビームの射出方法は、スポット溶接を行う場合にも連続溶接を行う場合にも適用可能である。
被加工材Wの加工点Pにおいてスポット溶接を行う場合、NC装置30は、例えば、被加工材Wの加工点Pにおいて第1レーザビームの射出をオンにして被加工材Wの予熱を開始し、第1所定時間T1が経過して被加工材Wの溶融が始まると、第1レーザビームの射出をオフにする。NC装置30は、第1レーザビームの射出をオフにしたタイミングで、第2レーザビームの射出をオンにする。NC装置30は、第2レーザビームの射出をオンにした状態で、第1レーザビームにより予熱した被加工材Wを溶接加工する。その後、NC装置30は、第2所定時間T2が経過し、第2レーザビームにより溶接が完了すると、第2レーザビームの射出をオフにし、溶接加工を完了する。第1所定時間T1と第2所定時間T2とは同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
これにより、NC装置30は、第1及び第2レーザビームを同時に照射することなく、より高効率に被加工材Wを加工することができる。
また、被加工材Wの加工点Pを始点として連続溶接を行う場合、NC装置30は、例えば、被加工材Wの加工点Pにおいて加工ヘッド1が停止した状態で第1レーザビームの射出をオンにして被加工材Wの予熱を開始し、第1所定時間T1が経過して被加工材Wの溶融が始まると、第1レーザビームの射出をオフにする。第1レーザビームにより被加工材Wに吸収された熱は、熱伝導によって被加工材Wの内部に伝わる。なお、第1所定時間T1は、例えば1ms以下でも成り立つ。第1所定時間T1が1ms以下である場合には、第1所定時間T1が加工ヘッド1の移動速度に対し十分に短いと言える。第1所定時間T1が加工ヘッド1の移動速度に対し十分に短い場合には、NC装置30は、加工ヘッド1を被加工材Wの加工点Pから加工経路に沿って移動させながら第1レーザビームの射出をオンにし、第1所定時間T1が経過すると、第1レーザビームの射出をオフにしてもよい。
NC装置30は、第1レーザビームの射出をオフにしたタイミングで、第2レーザビームの射出をオンにする。NC装置30は、第2レーザビームの射出をオンにした状態で、加工経路に沿って加工ヘッドを移動させながら、加工経路を溶接加工する。その後、NC装置30は、第2所定時間T2が経過し、第2レーザビームにより加工経路の溶接が完了すると、第2レーザビームの射出をオフにし、溶接加工を完了する。
これにより、NC装置30は、第1及び第2レーザビームを同時に照射することなく、より高効率に被加工材Wを加工することができる。なお、NC装置30は、第2レーザビームをオンにした後に、第2レーザビームから第1レーザビームに切り替えて、加工経路の途中で第1レーザビームを射出し、再度第1レーザビームから第2レーザビームに切り替えるように、第1及び第2レーザ発振器10、20を制御してもよい。
なお、図13において、NC装置30は、第2レーザビームの射出をオフにした後に、再度第1レーザビームの射出をオンにして、加工経路の後熱処理を行ってもよい。第1レーザビームを用いて後熱処理を行うことにより、被加工材Wを高品質且つ高効率に加工することができる。
また、第1~第4実施形態において、NC装置30は、図14に示すように、例えば、第1レーザビームと第2レーザビームを交互に、第1レーザビームを第3所定時間T3だけ射出し、第2レーザビームを第4所定時間T4だけ射出するように、第1及び第2レーザ発振器10、20を制御してもよい。このレーザビームの射出方法は、スポット溶接を行う場合にも連続溶接を行う場合にも適用可能であり、連続溶接を行う場合に特に有効である。
連続溶接を行う場合、NC装置30は、例えば、被加工材Wの加工経路上で第1レーザビームによる加工経路の予熱を第3所定時間T3だけ、第2レーザビームによる加工経路の溶接を第4所定時間T4だけ交互に繰り返しながら、加工経路を溶接加工する。第3所定時間T3と第4所定時間T4とは同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。なお、図14においては、NC装置30は、第2レーザビームの射出をオフにし、再度第1レーザビームの射出をオンにした時に、加工経路の後熱処理を行ってもよい。これにより、第1及び第2レーザビームを同時に照射することなく、より高品質且つ高効率に被加工材Wを加工することができる。
図15A及び図15Bは、図13または図14において第1レーザビームと第2レーザビームとが選択的に射出されているときの第1及び第2レーザビームのビーム径及びビームプロファイルの一例を示す。図15Aは第1レーザビームを被加工材Wに照射している状態、図15Bは第2レーザビームを被加工材Wに照射している状態を示している。図15A及び図15Bにおいて、ビーム径を上側に、ビームプロファイルを下側に示している。ビームプロファイルとは、第1及び第2レーザビームのビームの中心からの距離とビームの強度との関係を示す特性である。
図15Aに示すように、第1レーザビームのビーム径は、第1レーザビームが被加工材Wに照射される位置でのビーム径が第1ビーム径DBLとなるように調整される。図15Bに示すように、第2レーザビームのビーム径は、第2レーザビームが被加工材Wに照射される位置でのビーム径が第2ビーム径DIRとなるように調整される。なお、第1及び第2レーザビームのビームプロファイルは、典型的には、図15A及び図15Bに示すようなガウシアン型である。第1及び第2レーザビームのビームプロファイルは、ガウシアン型のビームプロファイルを成形したトップハット型(フラットトップ型)またはリング型であってもよい。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1 加工ヘッド
10 第1レーザ発振器
11 第1伝送ファイバ
20 第2レーザ発振器
21 第2伝送ファイバ
23 ビーム径調整機構(コリメートレンズ駆動モータ)
30 制御部(NC装置)
100 レーザ加工機
W 被加工材
BL 第1ビーム径
IR 第2ビーム径
BL 第1レーザビーム
IR 第2レーザビーム

Claims (14)

  1. 第1の波長を有する第1レーザビームを射出する第1レーザ発振器と、
    前記第1レーザ発振器より射出された前記第1レーザビームを伝送する第1伝送ファイバと、
    前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2レーザビームを射出する第2レーザ発振器と、
    前記第2レーザ発振器より射出された前記第2レーザビームを伝送する第2伝送ファイバと、
    前記第1及び第2伝送ファイバの端部より射出された前記第1及び第2レーザビームを被加工材に照射する加工ヘッドと、
    前記加工ヘッド内で前記第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作することにより、前記第1レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径と、前記第2レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径との少なくとも一方を調整するビーム径調整機構と、
    前記ビーム径調整機構を制御し、前記第1ビーム径と前記第2ビーム径との比率を、少なくとも前記被加工材の材質に応じて調整する制御部と、
    を備えるレーザ加工機。
  2. 前記制御部は、前記第1及び第2レーザビームが前記被加工材に同時に照射されるように前記第1及び第2レーザ発振器を制御し、
    前記加工ヘッドは、前記加工ヘッド内で前記第1及び第2レーザビームを互いに重畳し、重畳された前記第1及び第2レーザビームを被加工材に照射する
    請求項1に記載のレーザ加工機。
  3. 前記制御部は、
    前記第1レーザビームを第1所定時間だけ射出した後に前記第1レーザビームの射出を停止し、前記第1レーザビームの射出の停止後に前記第2レーザビームを第2所定時間だけ射出するように第1及び第2レーザ発振器を制御する
    請求項1に記載のレーザ加工機。
  4. 前記制御部は、
    前記第1レーザビームと前記第2レーザビームを交互に、前記第1レーザビームを第3所定時間だけ射出し、前記第2レーザビームを第4所定時間だけ射出するように前記第1及び第2レーザ発振器を制御する
    請求項1に記載のレーザ加工機。
  5. 前記ビーム径調整機構は、前記第1及び第2伝送ファイバの端部から射出されてから前記加工ヘッド内で重畳されるまでの間の前記第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作する機構である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  6. 前記比率を設定するための指示を前記レーザ加工機のオペレータから受け付ける操作部をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作部で受け付けた前記指示に従って、前記ビーム径調整機構を制御する
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  7. 前記加工ヘッドは、
    前記第1伝送ファイバの端部より射出された前記第1レーザビームが入射される第1コリメートレンズと、前記第2伝送ファイバより射出された前記第2レーザビームが入射される第2コリメートレンズとを有し、
    前記ビーム径調整機構は、
    前記第1及び第2コリメートレンズの少なくとも一方を、前記第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させるよう駆動する機構である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  8. 前記比率を設定するための指示を前記レーザ加工機のオペレータから受け付ける操作部をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作部で受け付けた前記指示に従って、前記ビーム径調整機構を制御し、
    前記操作部は、前記比率を設定するための指示として、前記第1伝送ファイバの端部から前記第1コリメートレンズまでの距離である第1距離及び前記第2伝送ファイバの端部から前記第2コリメートレンズまでの距離である第2距離の少なくとも一方の距離を前記オペレータから受け付ける
    請求項7に記載のレーザ加工機。
  9. 前記ビーム径調整機構は、
    前記第1及び第2ビーム径の少なくとも一方を拡大または縮小させるズーム機構である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  10. 前記ビーム径調整機構は、
    前記第1及び第2レーザビームの少なくとも一方の光軸上に曲率可変ミラーを有する機構である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  11. 前記ビーム径調整機構は、
    前記第1及び第2伝送ファイバの少なくとも一方の端部を、前記第1及び第2レーザビームの光軸方向に移動させる機構である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  12. 前記第1の波長は400nm以上460nm以下であり、
    前記第2の波長は1060nm以上1090nm以下である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ加工機。
  13. 前記制御部は、前記第1ビーム径が前記第2ビーム径よりも大きくなるように前記比率を調整する
    請求項12に記載のレーザ加工機。
  14. 第1レーザ発振器により射出された第1の波長を有する第1レーザビームと、第2レーザ発振器により射出された、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2レーザビームの少なくとも一方の光学系を操作することにより、前記第1レーザビームが被加工材に照射される位置での前記第1レーザビームのビーム径である第1ビーム径と、前記第2レーザビームが前記被加工材に照射される位置での前記第2レーザビームのビーム径である第2ビーム径との少なくとも一方を調整し、
    前記第1ビーム径と前記第2ビーム径との比率を、少なくとも前記被加工材の材質に応じて調整する
    レーザ加工方法。
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