JP2005254328A - ハイブリッドレーザ加工方法とそれに用いるハイブリッドレーザトーチ - Google Patents

ハイブリッドレーザ加工方法とそれに用いるハイブリッドレーザトーチ Download PDF

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Abstract

【課題】 高反射率の金属材料にたいしても、十分な溶け込み深さ、溶け込み幅にて、しかも、より高速に溶接できるようにする。
【解決手段】 2種のレーザ系A、Bからの異なった第1、第2レーザ光を重畳したハイブリッドレーザ光6における第2レーザ光5の被加工物7上での有効スポットサイズD2が、第1レーザ光3の有効スポットサイズD1未満となるように集光させて被加工物7に照射し加工を行うことにより、上記の目的を達成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、YAGなどの固体レーザ媒質による第1レーザ光と半導体レーザ(以下LDという)による第2レーザ光などの2種のレーザ系からの異なる2つのレーザ光を重畳させたハイブリッドレーザ光として被加工物に照射し加工を行うハイブリッドレーザ加工方法とそれに用いるハイブリッドレーザトーチに関するものである。
レーザ光にて溶接などの加工を行うのに、照射する1つのレーザ光を溶接幅、溶接深さに応じた光軸上の複数の焦点位置を持つように集光させて、所定の溶け込みの深さや幅を満足できるようにしたもの(例えば、特許文献1参照。)、2種のYAGレーザ光を重畳させて照射し、高反射率、高熱拡散率を有する金属材料でも十分な溶け込み断面積および溶け込み深さが得られるようにするもの(例えば、特許文献2参照。)、レーザ光とアークを併用するレーザ/アーク溶接ハイブリッド方式のもの(例えば、特許文献3参照。)などがある。また、レーザ光の照射とともに不活性ガスを噴出させて溶接時の溶融金属をシールドして酸化を防止することも併せ行われている(例えば、特許文献3、4参照。)。特許文献4は、特に、レーザトーチのレーザ光照射口の外まわりに設けた先細りのコーン形状をした環状通路からシールドガスを噴出するのに併せ、トーチ内の集光レンズの前面部を光軸方向に並ぶ複数のエアナイフノズルから照射するレーザ光を横切るエアナイフを吹き出し、溶接部から飛散するスパッタ粒子が集光レンズなどに及び付着するのを防止する技術を開示している。
一方、近時では、溶接の溶け込み、速度共に高めるという相容れない要求に応えるべく、上記のような溶接方法に代わって、パルス制御により励起する第1LDからの第1レーザ光とCW制御により励起する第2LDからの第2レーザ光とを重畳させたり、YAGレーザ光とLDレーザ光とを重畳させたりする新規溶接方式などが研究されるようになり、各種の実験機、実機が製作され、提供され始めている。
特開2000−005892号公報 特開2002−028795号公報 特開2003−164983号公報 特開平11−267876号公報
しかし、第1LDと第2LDとの組み合わせでは出力を十分に確保しにくい。具体的には、第1LDはフルパワーで連続1000時間程度にてパワーダウンしてしまうし、第2LDでは加工点での最大出力が20W程度しか得られない。従って、まだ実用に耐えない。また、LD励起YAGレーザ光とLDレーザ光とによるハイブリッドレーザ光を用いた溶接などの加工では、加工の精度および速度共に向上しているがまだ初期段階であり、自動車業界などがアルミニウム製品の封口溶接などで新たな目標としているところの要求を満足するには至っていない。そこで、本発明者等はYAGレーザ光およびLDレーザ光の組み合わせ特性をさらに高めるべく実験をし、研究を重ねている。この結果、溶接の精度、速度共に高められる諸要因を知見した。
また、上記従来の不活性ガスによるシールド方式ではまだ十分な結果が得られていない。例えば、特許文献3に記載のシールド方式では、不活性ガスの噴流束を溶接部に吹き付けるだけであるため、噴流束はまわりの空気を巻き込みながら溶接部に吹き付けられることになり、巻き込んだ空気の影響でシール不良が生じて溶融金属の酸化により輝き面を損
ない、溶接欠陥やクラック発生の原因ともなる。また、特許文献4に記載のものではトーチの照射口のまわりにある先細りのコーン形状をした環状通路から吹き付けたシールドガスは、やはりまわりの空気を巻き込んで溶接部に吹き付ける問題を免れ得ないし、溶接部に向け収束して吹き付けられるシールドガスにはトーチ内への逆流成分が生じやすく、溶接部で発生するスパッタ粒子をトーチ内に積極的に送り込む働きをしてしまう。特許文献4に記載のものはこれが集光レンズなどに及ぶのをエアナイフにて遮断するようにしてはいるが、これが満足になされたとしても、スパッタ粒子をトーチまわりの雰囲気中に吹き出し飛散させてしまう問題があるし、トーチ内がスパッタ粒子によって汚染されやすい。これはトーチ内から不活性ガスを噴出させることで解決できても、まわりの空気を巻き込んで溶接部に吹き付けてしまう問題は解決しない。本発明者等はこれらの問題についても、解決策を見出した。
本発明の主たる目的は、以上のような新たな知見に基づき、アルミニウムのような高反射率の金属材料に対しても、十分な溶け込み深さ、溶け込み幅にて、しかも、より高速に溶接することができるハイブリッドレーザ加工方法とそれに用いるハイブリッドレーザトーチを提供することにあり、さらには、溶接部の酸化やスパッタ粒子による問題をも解消できるようにする。
上記の目的を達成するために、本発明のハイブリッドレーザ加工方法は、2種のレーザ系からの異なった第1、第2のレーザ光を重畳させたハイブリッド光として被加工物上に照射し加工を行うハイブリッドレーザ加工方法において、第1、第2のレーザ光は被加工物上の同じ位置に同時に照射し、第2のレーザ光の被加工物上での有効スポットサイズD2が、第1のレーザ光の有効スポットサイズD1未満となるようにして被加工物を加工するようにしたことを主たる特徴とし、具体的には、固体レーザ媒質による第1レーザ光とLDによる第2レーザ光とを重畳させたハイブリッドレーザ光として被加工物に照射し加工を行うハイブリッドレーザ加工方法において、ハイブリッドレーザ光における第2レーザ光の被加工物上での有効スポットサイズD2が、第1レーザ光の有効スポットサイズD1未満となるように集光させて被加工物に照射し加工を行う。
このような構成では、2種のレーザ系からの異なった2つのレーザ光を重畳したハイブリッド光として被加工物上に照射して加工するのに、第1、第2のレーザ光を有効スポットサイズにD1、D2の大小の差をもって照射することにより、その中央部の加工を周辺よりも促進させることができ、加工の浸透度、溶け込みを高められる。具体例では、特に、高出力に適した第1レーザ光の集光によって、溶接などに必要な加工幅と、加工強度とを確保しながら、第1レーザ光よりも低出力となる第2レーザ光についてはその有効スポットサイズD2が第1レーザ光の有効スポットサイズD1未満であることにより照射エネルギの集中がより図れて、前記第1レーザ光が確保する必要加工幅の内、特に、より限られた特定幅内の加工度を第2レーザ光の集光径が第1レーザ光と同じである場合に比し高めて加工の浸透速度、浸透深さを増大させ、アルミニウムなど高反射率の金属材料の溶接であっても、十分な溶接幅、つまり溶け込み幅と、溶け込み深さとを満足して、しかも、高速度で溶接することができる。また、特定幅内に限って重畳したハイブリッドレーザ光効果による早期加工、溶け込みの促進はスパッタ粒子の発生を抑えるのに好適である。
これらには、有効スポットサイズの比率は0.2≦D2/D1≦0.8とするのが好適であり、第2のレーザ光の有効スポットが、第1のレーザ光の有効スポットの内側に位置するように第1、第2のレーザ光を照射することにより、その中央部にキーホールを形成してより深く成長させ、早期加工、溶け込みをさらに促進することができる。
また、第2のレーザ光の有効スポットサイズD2は、加工中に発生するキーホールサイズD3に対して同等以下とすると、光エネルギーのさらなる集中により、第1のレーザ光がパルス制御で一時的に照射されなくてもキーホールを維持して、キーホールが早期に閉じて金属蒸気を封じ込めるポロシティの発生を防止することができる。
それには、第2のレーザ光は加工中のキーホールの位置に照射するのが好適であり、加工速度が増大するとキーホールの発生部が前方へ変位するので、第2のレーザ光の照射位置はその変位に対応させる。
このようなハイブリッドレーザ加工は、2種のレーザ系からの異なった2つのレーザ光を導入する第1、第2導入部と、照射光軸上の前後に位置して第1、第2導入部から導入した第1、第2レーザ光を反射させ前記照射光軸上で重畳したハイブリッドレーザ光として照射側に向ける第1、第2ミラーと、ハイブリッドレーザ光における第2レーザ光の被加工物上での有効スポットサイズが、第1レーザ光の有効スポットサイズ未満となるように照射対象物に向け集光させる集光光学系とを、ハイブリッドレーザ光の照射口を持ったトーチ本体に備えたことを主たる特徴とするハイブリッドレーザトーチを用いて容易に達成することができる。
これによれば、第1レーザ光を第2レーザ光とは1つのレーザトーチに個別に導き、そのトーチの内部で重畳させてハイブリッドレーザ光とし被加工物に照射することになり、異なった特性のレーザ光が最終の集光段階で重畳してハイブリッドレーザ光とするので、それまでの光路が光ファイバを例としてその種類やコア径などの違いによってそれぞれの特性をより活かすことができるし、集光段階以前の早い時期から重畳されて共通した経路を長く経ることにより互いの特性が損失したり低下するようなことや、高エネルギによる
まわりへの影響が高まるといった弊害を回避することができる。
このようなハイブリッドレーザトーチにおいて、第1ミラーが第2ミラーの前に位置し、第1ミラーはYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒体からのレーザ光に対するHRコートとLDレーザ光に対するARコートとが施され、第2ミラーはLDレーザ光に対するHRコートが施されている構成、または、第1ミラーが第2ミラーの後に位置し、第1ミラーはYAGレーザ光に対するHRコートが施され、第2ミラーはLDレーザ光に対するHRコートと固体レーザ媒質からのレーザ光に対するARコートとが施されている構成とすることにより、第1、第2ミラーが照射光軸上でどちらが前、後の関係になっても、第1、第2レーザ光の各波長と、それらは位置の違いに対応する第1、第2ミラーの反射、透過特性とから、第1、第2レーザ光のエネルギー損を最大限抑えられ、エネルギー効率が向上する。
第1レーザ光はパルス制御により出力制御したパルスレーザ光であり、第2レーザ光はCW制御により出力制御したCW変調を含めたCWレーザ光である、さらなる構成では、
第2レーザ光のCW制御によって、前記必要な加工幅の内の限られた幅内への出力エネルギの集中を継続させて、第2レーザ光の低出力に見合った予備的な加工の促進を間断なく図りながら、第1レーザ光のパルス制御によって瞬間的な高出力を必要な加工幅全体に無理無く繰り返して十分な加工幅を速い加工速度にて満足しながら、前記第2レーザ光による特定幅内の予備的な加工の促進による加工の早期浸透、溶け込みを確実に達成させられる。つまり、パルスレーザ光の断続照射だけではキーホールが発生したり、発生しなかったりするところ、CWレーザ光の連続照射を併用することによってキーホールを確実に発生させられて加工が安定する。
しかし、以上に限られることはなく、その逆のCWレーザ光の有効スポットサイズD1がパルスレーザ光の有効スポットサイズD2未満であっても、加工中の中央部の温度が上昇してキーホールが発生しやすくなるので有効であるが、バルスレーザ光の有効スポットサイズD2がCWレーザ光の有効スポットサイズD1未満とするとより深いキーホールが発生しやすくより好適である。
ここで、パルスレーザ光の照射手段としては、パルスランプ励起YAG、パルス励起レーザ、パルスファイバレーザを含み、パルスレーザ光とは断続して出力されるレーザ光をいい、CWレーザ光の照射手段としては、LDダイレクトレーザ、LD励起CWレーザ、CWファイバレーザを含み、CWレーザ光とはレーザ照射が連続するレーザ光をいう。
第1レーザ光はYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒体によるレーザ光であって、ハイブリッドレーザ光への重畳は、GIまたはSIファイバにて導いた第1レーザ光と、GIファイバにて導いた第2レーザ光とにつき行い、それらの被加工物への集光は第1レーザ光を所定の集光径にて集光させるように設計した集光レンズを共用して行う、さらなる構成では、
第2レーザ光は第1レーザ光との波長の違いによって、集光レンズを共用しながらも第1レーザ光よりも小さい集光径にて集光させられる上、第2レーザ光をGI(グレーテッドインデックス形)ファイバによって導いてくることで、第1レーザ光よりも小さな集光径に集光させられるので、照射エネルギを特定幅内により集中させやすく、特定幅内でのハイブリッド光効果が向上する。第1レーザ光もGIファイバによって導いて集光させやすくすることはできるが、必要に応じてすればよく、SI(ステップインデックス形)ファイバによって導いても特に問題はない。
このような方法は、第1レーザ光はYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒体によるレーザ光であって、第1導入部は第1レーザ光源側にGIまたはSIファイバにて接続され、第2導入部は第2レーザ光源側にGIファイバにて接続されているハイブリッドレーザトーチを用いて容易に達成することができる。
被加工物上の加工位置を照明し、そのときの反射光が、第1、第2ミラーを透過し、前記ハイブリッドレーザ光照射用の集光レンズよりも径の小さなアクロマチックレンズ、または小孔により結像したモニタ画像にて加工状態をモニタし、モニタ結果に応じて加工条件を調整する、さらなる構成では、
被加工物を照明すると、その反射光は集光レンズを逆向きに透過して第1、第2ミラー側にも向くのを、第1、第2ミラーを透過させることで、レーザ光照射光学系の外に導いて結像させモニタに供し、加工条件の調整が行えるようにしながら、前記集光レンズよりも径が小さく色無し処理などしたアクロマチックレンズまたはピンホールなどの小孔によって前記結像を行うことにより、集光レンズ、第1、第2ミラーの第1、第2レーザ光に対する照射のための十分な反射特性や透過特性を満足した上で、深い焦点深度にて明瞭な結像を得て前記モニタが容易かつ適確になされるようにすることができる。ピンホールによる場合は、上記に併せ構成の簡略化が達成される。
このような方法は、被加工物上の加工位置を照明する照明器と、照射対象物から反射し第1、第2ミラーを透過してくる反射光を、前記集光光学系の集光レンズよりも径の小さなアクロマチックレンズ、または小孔により結像させてモニタに供するモニタカメラとを備えたハイブリッドレーザトーチにより容易に達成することができる。
この場合、照明器は、白色LEDからの白色光を光ファイバによって導き照明する、さらなる構成では、
白色LEDからの白色光を光ファイバによって照射対象物のハイブリッドレーザ光照射部に他の邪魔になるようなことなく的確に導き、照射対象物のハイブリッドレーザ光照射部が、輝き面を保って加工されるような場合でもその輝度を抑えながら表面状態、加工状態を光のちらつきやハレーションなどなく、モニタカメラ側に明瞭に結像させることができ、表面状態、加工状態を容易かつ適正に視認できるようにする。
第1、第2レーザ光のうちの、対応する第1、第2ミラーの光軸上の位置が前になっている一方の側を先に出力して、試射物に対し照射することにより試射物上に照射痕を得、次いで、対応する第1、第2ミラーの光軸上の位置が後になっている他方の側を出力して試射物に対し照射しながら、その照射位置が前記照射痕内の所定域に位置するように、対応するミラーの向きを前記モニタ画像を見ながら調整した後、加工に供する、さらなる構成では、
第1、第2レーザ光を光軸上で重畳させハイブリッドレーザ光として照射し照射対象物上に集光させるのに、その照射光学系を構成する第1、第2ミラーおよび集光レンズのそれぞれは互いに標準的な位置合わせはなされるが、個々の照射光学系の実使用段階ではその他の条件も加わり、第1、第2レーザ光の重畳位置にそれぞれで異なったずれを生じることがあるのを、実使用段階にて第1、第2レーザ光を相前後して照射することにより、先の照射痕に対する後の照射位置の関係としてモニタ画象上で視認することができ、しかも、この視認状態において先の照射痕に対する後の照射位置の重なりが所定位置となるように後の照射位置を第1、第2ミラーの対応する側にて調節することにより前記のような重畳位置のずれを解消することができ、その後加工に供することにより加工が設定通りに達成されることを保証できる。特に、重畳位置の調節を第1、第2ミラーの内の、光軸上の後に位置する側、従って照射位置から遠い側で行うことによって、ミラーの向き変化に対する照射位置の変化度合が高く、位置調節しやすいし、そのときの向きの変化が光軸上の前に位置するミラーに対応するレーザ光の照射に影響せずに位置調節することができる。
このような方法は、第1、第2ミラーのうちの、少なくとも光軸上で後になっている一方の側が、ミラー面の向き調節部を有して支持しているハイブリッドレーザトーチによって達成することができ、場合によっては、第1、第2ミラーの双方が向き調節部を有して支持している構成とすることもできる。さらに、向き調節部は、照射光軸に直交する軸を中心とした回動によりミラー面の向きを調節する回動調節部を含むものとすることもできる。
ハイブリッドレーザ光を、供給される不活性ガスを充満させながら先端に向け絞った中央噴流束として連続噴出させている先細り形状の中央通路を通じ、加工物に照射するのに併せ、前記中央通路まわりでコーン形状をなした環状通路にて供給される不活性ガスを、前記照射され、噴出しているハイブリッドレーザ光および中央噴流束のまわりを囲う囲い膜流を連続噴出させて、加工を行う、さらなる構成では、
ハイブリッドレーザ光を照射する中央通路を通じ不活性ガスを先端に向け絞った中央噴流束を形成して連続噴射させるので、ハイブリッドレーザ光を照射した照射対象物上の加工位置で万一スパッタ粒子が発生して照射光学系側に及ぼうとしても、それを中央噴流束
の流れによって阻止するので光学系側に影響することはない。しかも、中央噴流束はコーン形状をした環状通路から噴出する囲い膜流によってまわりを囲われるので外まわりの空気を巻き込むことなく照射対象物上の照射位置表面に達して照射対象物との間の空気をまわりに排除しながら広がり、しかも、この広がりに伴って生じる前記囲い膜流のまわりへの広がり流によって、中央噴流の広がり域表面をも連続して覆われながら照射対象物側に押し付けられて照射対象物側との間に空気が入り込む余地を無くすので、照射対象物のハイブリッドレーザ光照射による加工部分に酸化や、それによる溶接不良、クラックなどが生じるようなことを確実に防止し、輝き表面も得られる。
このような方法は、トーチ本体の照射口に設けられ、照射光軸上に位置して照射されるハイブリッドレーザ光を通過させるとともに、供給される不活性ガスを充満させながら先端に向け絞った中央噴流束として連続噴出させる先細り形状の中央通路と、この中央通路まわりでのコーン形状をなして供給される不活性ガスを、前記照射され、噴出されるハイブリッドレーザ光および中央噴流束のまわりに不活性ガスの膜流を連続噴出させるコーン形状をなした環状通路とを有した同軸の二重ノズルを備えた、ハイブリッドレーザトーチによって達成することができる。
この場合、中央通路および環状通路は不活性ガスの供給を受けるために、それらの外回りに設けられて供給される不活性ガスを導入し周方向に充満させる環状通路と、この環状通路から中央通路および環状通路内に周方向に並んで開口する小径孔とを有している、さらなる構成とすることができる。
なお、上記各場合のハイブリッドレーザトーチにおいて、第1ミラーにて照射側に向けられる第1レーザ光の一部透過光を検出する第1検出部と、第2ミラーにて照射側に向けられる第2レーザ光の一部透過光を検出する第2検出部とを備えている、さらなる構成では、
導入する第1、第2レーザ光の、それに対応する第1、第2ミラーに対する少しの透過を図るだけの簡単な構成で、従って、問題になるほどの出力損失を招くようなことなく、導入する第1、第2レーザ光のレベルをモニタして、その出力状態や光ファイバなどによる伝送状態を判定することができる。
第1検出部が、第1ミラーが第2ミラーの前に位置することに対応して、LDレーザ光およびYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒体からのレーザ光双方に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光し、第2検出部は、第2ミラーが第1ミラーの後に位置することに対応して、固体レーザ媒質からのレーザ光に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光する、さらなる構成、および、第1検出部が、第1ミラーが第2ミラーの後に位置することに対応して、LDレーザ光に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光し、第2検出部は、第2ミラーが第1ミラーの前に位置することに対応して、LDレーザ光および固体レーザ媒質からのレーザ光双方に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光する、さらなる構成では、
第1、第2ミラーが照射光軸上で、前後いずれになって、照射対象やモニタカメラ部を経た第1、第2レーザ光および外乱光が第1、第2ミラーを通じ第1、第2検出部に及ぶようなことがあっても、前記コートおよびフィルタの組合せによってそれらの影響を防止し、適正な検出が行える。
第1、第2検出部が、フードによって外部まわりを覆われている、さらなる構成では、
ハイブリッドレーザトーチの外まわりからの外乱光や埃などの影響も防止することができる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明
らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限りにおいて、種々な組合せで複合して採用することができる。
本発明のハイブリッドレーザ加工方法によれば、十分な溶接幅、つまり溶け込み幅と、溶け込み深さとを満足して、しかも、高速度で溶接することができる。また、特定幅内に限って重畳したハイブリッドレーザ光効果による早期加工、溶け込みの促進はスパッタ粒子の発生を抑えるのに好適である。
また、本発明のハイブリッドレーザ加工方法において、不活性ガスを供給する構成によれば、
ハイブリッドレーザ光を照射した被加工物上の加工位置で万一スパッタ粒子が発生して照射光学系側に及ぼうとしても、それを中央噴流束の流れによって阻止するので光学系側に影響することはない。また、中央噴流束とこれを囲う囲い膜流との協働とによって被加工物のハイブリッドレーザ光照射による加工部分に酸化や、それによる溶接不良、クラックなどが生じるようなことを確実に防止し、輝き表面も得られる。
以下、本発明の実施の形態に係るハイブリッドレーザ加工方法とそれに用いるハイブリッドレーザトーチにつき、図1〜図7を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
本実施の形態に係るハイブリッドレーザ加工方法は、図1に示すハイブリッドレーザトーチ1を参照して、2種のレーザ系A、Bからの異なった第1、第2のレーザ光3、5をハイブリッドレーザ光6として被加工物7に照射し加工を行うのに、図3に示すようにハイブリッドレーザ光6における第2レーザ光5の被加工物7上での集光径、つまり有効スポットサイズD2が、第1レーザ光3の集光径、つまり有効スポットサイズD1未満となるように集光させて被加工物7に照射し加工を行う。ここに有効スポットサイズとは、被加工物7上に照射した第1、第2レーザ光3、5における加工に有効なサイズをいい、それらの照射強度の分布が例えば、図10(a)に示すようなトップハットといわれる均等な強度分布を示す場合はその全体のサイズが有効スポットサイズDとなるが、図10(b)に示すようなガウシアン強度分布と言われる中央で強度が増す不均等な分布を示す場合は有効強度を持った中央の特定部分のサイズが有効スポットサイズDとなる。この有効スポットサイズDは必ずしも真円に限られることはない。
以上のようにすると、2種のレーザ系A、Bからの異なった2つのレーザ光を重畳したハイブリッド光として被加工物上に照射して加工するのに、第1、第2のレーザ光を有効スポットサイズにD1、D2大小の差をもって照射することにより、その中央部の加工を周辺よりも促進させることができ、加工の浸透度、溶け込みを高められる。特に、固体レーザ媒質2によるレーザ系Aからの第1レーザ光3とLD4によるレーザ系Bからの第2レーザ光5とを重畳させて上記加工を行うことにより、高出力に適した第1レーザ光3の有効スポットサイズD1での集光によって、封口溶接などに必要な加工幅B1と、加工強度Vとを確保しながら、第1レーザ光3よりも低出力となる第2レーザ光5については第1レーザ光3よりも小さな有効スッポットサイズD2にて集光させて特定幅B2への照射エネルギの集中を図り、第1レーザ光3によって確保する必要加工幅B1の内、特に、より限られた特定幅B2内の加工度を第2レーザ光5の集光径D2が第1レーザ光3の集光径D1と同じである場合に比して高められる。この結果、第2レーザ光5は出力が小さくても幅B2内での第1レーザ光3と重畳することによる加工の浸透速度、浸透深さの増大により大きく寄与し、アルミニウムなど高反射率の金属材料の溶接であっても、十分な溶接幅B1、つまり溶け込み幅B1と、溶け込み深さとを満足して、しかも、高速度で溶接することができる。また、特定幅B2内に限って重畳したハイブリッドレーザ光効果による早期加工、溶け込みの促進はスパッタ粒子の発生を抑えるのに好適である。
これらには、有効スポットサイズD1、D2の比率は0.2≦D2/D1≦0.8とするのが好適であり、図11に示すように第2のレーザ光5の有効スポットが、第1のレーザ光3の有効スポットの内側に位置するように第1、第2のレーザ光を照射することにより、その中央部に図12に示すようなキーホール201を形成してより深く成長させ、早期加工、溶け込みをさらに促進することができる。
また、第2のレーザ光5の有効スポットサイズD2は、図12に示すように加工中に発生するキーホール201のキーホールサイズD3に対して同等以下とする。これにより、光エネルギーのさらなる集中により、第1のレーザ光3がパルス制御で一時的に照射されなくてもキーホール201を維持し、これによってキーホール201が早期に閉じて金属蒸気を封じ込めるポロシティの発生を防止することができ、このようなポロシティに原因する欠陥の発生が回避できる。
それには、第2のレーザ光は加工中のキーホールの位置に照射するのが好適であり、加工速度が増大するとキーホールの発生部が前方へ変位するので、第2のレーザ光の照射位置はその変位に対応させると、加工速度に関係なくそのような照射条件を常時満足することができる。
このようなハイブリッドレーザ加工を達成するのに、図1〜図7に示すハイブリッドレーザトーチ1は、図1に示すように2種のレーザ系A、Bからの異なった第1、第2レーザ光3、5を導入する第1、第2導入部11、12と、照射光軸13上の前後に位置して第1、第2導入部11、12から導入した第1、第2レーザ光3、5を反射させ前記照射光軸13上で重畳したハイブリッドレーザ光6として照射側に向ける第1、第2ミラー14、15と、ハイブリッドレーザ光6における第2レーザ光5の被加工物7上での集光径、つまり有効スポットサイズD2が、第1レーザ光3の集光径、つまり有効スポットサイズD1未満となるように被加工物7に向け集光させる集光レンズ16とを、ハイブリッドレーザ光6の照射口17を持ったトーチ本体1aに備えている。集光レンズ16は第1導入部11から拡径してくる第1のレーザ光3を平行光として第1ミラー14に導くコリメート側の集光レンズ16aと、第2導入部12から拡径してくる第2レーザ光5を平行光として第2ミラー15に導くコリメート側の集光レンズ16bと、第1、第2ミラー14、15を経て照射光軸13上で重畳されたハイブリッドレーザ光6を収束させて被加工物7上に集光させる収束側の集光レンズ16cとで構成してハイブリッドレーザトーチ1がL形となるようにし、集光レンズ16a、16bの双方が第1、第2ミラー14、15と共に照射光軸13上に直線に並んでハイブリッドレーザトーチ1が徒に長くなるのを防止している。また、ハイブリッドレーザ光6が集光レンズ16aを通るのを回避することができる。
これにより、ハイブリッドレーザトーチ1は、個別に導かれてきた第1レーザ光3と第2レーザ光5とを、その内部で重畳させてハイブリッドレーザ光6とし被加工物7に照射する。この結果、異なった特性のレーザ光3、5が最終の集光段階で重畳してハイブリッドレーザ光6とするので、それまでの光路が例えば光ファイバ21、22の場合を例としてその種類やコア径などを異ならせ、それぞれの特性をより活かすことができるし、集光段階以前の早い時期から重畳されて共通した伝送経路を長く経ることにより互いの特性が損失したり低下するようなことや、高エネルギによるまわりへの影響が高まるといった弊害を回避することができる。
特に、レーザ系Aでの第1レーザ光3はYAG2などのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質を光源とするものであって、ハイブリッドレーザ光6への重畳は、GI(グレーテッドインデックス形)またはSI(ステップインデックス形)の光ファイバ21にて導いた第1レーザ光3と、レーザ系BでのGIの光ファイバ22にて導いた第2レーザ光5とにつき行い、それらの被加工物7への集光は第1レーザ光3を所定の集光径D1にて集光させるように設計した集光レンズ16を共用して行うようにしている。これにより、第2レーザ光5は第1レーザ光3との波長の違いによって、集光レンズ16を共用しながらも第1レーザ光3よりも小さい集光径D2にて集光させられる。しかも、第2レーザ光5を集光性の高いGI光ファイバ22によって導いてくることで、第1レーザ光3よりも小さな集光径D1に集光させ、照射エネルギを特定幅B2内に集中させやすくしている。第1レーザ光3もGI光ファイバによって導いて集光させやすくすることはできるが、必要に応じてすればよく、SIファイバによって導いても特に問題はない。このために、ハイブリッドレーザトーチ1は、第1導入部11は第1レーザ光源であるYAG発振器2aにGIまたはSIの光ファイバ21にて接続し、第2導入部12は第2レーザ光源であるLD発振器4aにGIの光ファイバ22にて接続する。
しかし、D1、D2の関係を満足して第1、第2レーザ光を重畳するには、第1レーザ光3にはトップハットスポットが得られるSI形光ファイバを用い、第2レーザ光5にはガウシアンスポットが得られるGI形光ファイバを用いるのが好適である。また、ファイバ径の関係では第1レーザ光3用≧第2レーザ光5用であり、ファイバNAの関係では第1レーザ光≧第2レーザ光5用であり、コリメートレンズのfナンバでは第1レーザ光3用≦第2レーザ光5用である。
ここで、 第1レーザ光3はパルス制御により出力制御したパルスレーザ光とし、第2レーザ光5はCW制御により出力制御したCWレーザ光とする。このため図1に示すように、パルス・CW共通のコントローラ41によって、あるいは個別のコントローラによって、YAG発振器2aなどの固体レーザ媒質をそのドライバ42を介しパルス制御し、LD発振器4aなどをそのドライバ43を介しCW制御するようにしている。
これにより、第2レーザ光5のCW制御によって、必要な加工幅B1の内の限られた特定幅B2内への照射エネルギの集中を継続させて、第2レーザ光5の低出力に見合った予備的な加工の促進を間断なく図りながら、第1レーザ光3のパルス制御によって瞬間的な高出力を必要な加工幅B1全体に無理無く繰り返して十分な加工幅B1を速い加工速度Vにて満足しながら、第2レーザ光5による特定幅B2内のハイブリッドレーザ光効果による加工の早期浸透、溶け込みを確実に促進させられる。つまり、第1レーザ光3であるパルスレーザ光の断続照射だけではキーホール201が発生したり、発生しなかったりするところ、第2のレーザ光5であるCWレーザ光の連続照射を併用することによってキーホールを確実に発生させられて加工が安定する。
しかし、以上に限られることはなく、その逆の図13に示すような第1レーザ光3であるパルスレーザ光の有効スポットサイズD1が第2レーザ光5であるCWレーザ光の有効スポットサイズD2未満であっても、図13に示すように加工中の中央部の温度が上昇してキーホールが発生しやすくなるので有効である。しかし、第2レーザ光5であるCWスレーザ光の有効スポットサイズD2が第1レーザ光3であるパルスレーザ光の有効スポットサイズD1未満とすることより、既述した図12に示すように、図13に示す場合よりも深いキーホール201が発生しやすくより好適である。
ここで、レーザ系にAにおける第1レーザ光3としてのパルスレーザ光の照射手段としては、パルスランプ励起YAG、パルス励起レーザ、パルスファイバレーザを含み、パルスレーザ光とは断続して出力されるレーザ光をいう。また、レーザ系Bにおける第2レーザ光5としてのCWレーザ光の照射手段としては、LDダイレクトレーザ、LD励起CWレーザ、CWファイバレーザを含み、CWレーザ光とはパワー変調する場合を含めレーザ照射が連続するレーザ光をいう。なお、ファイバレーザはレーザ媒質にてファイバを形成し、ファイバ内で増幅発振させるレーザであって、前記したようにパルスファイバレーザとCWファイバレーザとがある。
ところで、第1ミラー14が第2ミラー15の前に位置していることに対応して、第1ミラー14はYAGなどの固体レーザ媒質からの固体媒質レーザ光3に対するHRコートとLDレーザ光5に対するARコートとを施し、第2ミラー15はLDレーザ光5に対するHRコートを施してある。しかし、これとは逆に、第1ミラー14を第2ミラー15の後に位置させ、第1ミラー14にはYAGレーザ光3に対するHRコートを施し、第2ミラー15はLDレーザ光5に対するHRコートと固体媒質レーザ光3に対するARコートとを施したものとすることもできる。このようなコート処理によると、第1、第2ミラー14、15が照射光軸13上でどちらが前、後の関係になっても、第1、第2レーザ光3、5の各波長と、それらの位置の違いに対応する第1、第2ミラー14、15の反射、透過特性の違いとから、第1、第2レーザ光3、5のエネルギ損を最大限抑えることができ、エネルギ効率が向上する。それには、第1、第2ミラー14、15共に、受ける固体媒質レーザ光3およびLDレーザ光5および照射光軸13の双方に対し45°とするのが最適である。
なお、図2に示すように、被加工物7上の加工位置を照明光23により照明し、そのときの反射光23aが、図1に示す第1、第2ミラー14、15を透過し、前記集光レンズ16よりも径の小さなアクロマチックレンズ24、またはそれに代わるピンホールとしての小孔により結像したモニタ画像にて加工状態をモニタし、モニタ結果に応じて加工条件を調整するようにできる。これにより、被加工物7を照明したときの反射光23aが集光レンズ16cを逆向きに透過して第1、第2ミラー14、15側に向くのを、第1、第2ミラー14、15を透過させることで、レーザ光照射光学系の外に導いて結像させモニタに供し、加工条件の調整が行えるようにしながら、集光レンズ16cよりも径が小さく色無し処理などしたアクロマチックレンズ24またはピンホールなどの小孔によって前記結像を行うことにより、集光レンズ16c、第1、第2ミラー14、15の第1、第2レーザ光3、5に対する十分な反射特性や透過特性を満足した上で、深い焦点深度にて明瞭な結像を得て前記モニタが容易かつ適確になされるようにすることができる。
このために、図1に示すハイブリッドレーザトーチ1は、図2に示すように、被加工物上7からの反射光23aを結像させてモニタに供するモニタカメラ26とをトーチ本体1aの外まわりに備え、図1に示すようにモニタカメラ26からのモニタ画像情報をモニタ40に出力して外部から視認されるようにするのに併せ、コントローラ41に接続した操作パネル44などを通じてYAG発振器2aやLD発振器4aの出力制御を調整できるようにしている。
図2に示す照明器25は、白色LEDからの白色光を照明光23として光ファイバ27によって導き照明するようにしている。これにより、白色LEDからの白色光を照明光23として光ファイバ27により被加工物7のハイブリッドレーザ光6照射部に他の邪魔になるようなことなく的確に導き、被加工物7のハイブリッドレーザ光6の照射部が、酸化せずに輝き面を保って加工されるような場合でもその輝度を白色光の特性にて抑えながら表面状態、加工状態を光のちらつきやハレーションなどなく、モニタカメラ40側に明瞭に結像させることができ、表面状態、加工状態を容易かつ適正に視認できるようにする。なお、光ファイバ27の先端部には集光レンズ27aを設けて、前記照明が集光性よく効率よく達成されるようにしている。また、トーチ本体1aの照明器25の近傍にファイバホルダ28を設け、不使用時の光ファイバ27を仮想線で示すように一時的に収納保持しておき他の邪魔になったり、他と引っ掛かって損傷したりするのを防止できるようにしている。
また、図3に示すように、ハイブリッドレーザ光6は、供給されるN2ガスなどの不活
性ガス31を充満させながら先端に向け絞った中央噴流束31aとして連続噴出させている先細り形状の中央通路32を通じ、被加工物7に照射するのに併せ、中央通路32まわりでコーン形状をなした環状通路33にて供給される不活性ガス31を、前記照射され、噴出しているハイブリッドレーザ光6および中央噴流束31aのまわりを囲う囲い膜流31bを連続噴出させて、加工を行う。このように、ハイブリッドレーザ光6を照射する中央通路32を通じ不活性ガス31を先端に向け絞った中央噴流束31aを形成して連続噴射させるので、ハイブリッドレーザ光6を照射した被加工物7上の加工位置で万一スパッタ粒子が発生して照射光学系側に及ぼうとしても、それを中央噴流束31aの流れによっ
て阻止するので光学系側に影響することはない。しかも、中央噴流束31aはコーン形状をした環状通路33から噴出する囲い膜流31bによってまわりを囲われるので外まわりの空気を巻き込むことなく被加工物7上の照射位置表面に達して被加工物7との間の空気をまわりに排除しながら広がり、しかも、この広がりに伴って生じる前記囲い膜流31bのまわりへの広がり流によって、中央噴流束31aの広がり域表面をも連続して覆われながら被加工物7側に押し付けられ、被加工物7側との間に空気が入り込む余地を無くすので、被加工物7のハイブリッドレーザ光6の照射による加工部分に酸化や、それによる溶接不良、クラックなどが生じるようなことを確実に防止し、輝き表面が得られる。
このために、図1に示すハイブリッドレーザトーチ1は、図3に示すようにトーチ本体1aの照射口17に設けられ、照射光軸13上に位置して照射されるハイブリッドレーザ光6を通過させるとともに、供給される不活性ガス31を充満させながら先端に向け絞った中央噴流束31aとして連続噴出させる先細り形状の中央通路32と、この中央通路32まわりでのコーン形状をなして供給される不活性ガス31を、前記照射され、噴出されるハイブリッドレーザ光6および中央噴流束31aの外まわりに不活性ガス31の前記囲い膜流31bを連続噴出させるコーン形状をなした環状通路33とを有した同軸の二重ノズル51を備えたものとしている。
特に、中央通路32および環状通路33は不活性ガス31の供給を受けるために、それらの外まわりに設けられて供給される不活性ガス31を導入し周方向に充満させる環状通路52、53と、この環状通路52、53から中央通路32および環状通路33内に周方向に並んで開口する小径孔52a、53aとを有している。これにより、中央通路32に供給される不活性ガス31は環状通路52に充満した後、多数の小径孔52aを通じて、中央通路32内にそのまわりから一挙に、むら無く圧入されて充満させながら空気を含まない中央噴流束31aとして噴出させる。また、環状通路33に供給される不活性ガス31は環状通路53に充満した後、多数の小径孔53aを通じて環状通路33内にそのまわりから一挙に、むら無く圧入されて充満させながら空気を含まない囲い膜流31bとしてコーン形状にしたがって収束作用のもと、噴射される中央噴流束31aの直ぐ外まわりに噴出させる。これにより、前記被加工物7上の加工部における溶融金属に対するシールド効果がさらに高められる。
さらに、図1に示すハイブリッドレーザトーチ1は、第1ミラー14にて照射側に向けられる第1レーザ光3の一部透過光3aを検出する第1検出部61と、第2ミラーにて照射側に向けられる第2レーザ光5の一部透過光6aを検出する第2検出部62とを備えている。これにより、導入する第1、第2レーザ光3、5の、それに対応する第1、第2ミラー14、15に対する1%前後と少しの透過を図るだけの簡単な構成で、従って、問題になるほどの出力損失を招くようなことなく、導入する第1、第2レーザ光3、5のレベルをモニタして、その出力状態や光ファイバ21、22などによる伝送状態を判定することができ、検出出力S1、S2をコントローラ41に入力してYAG発振器2aやLD発振器4aで示す2つのレーザ系A、Bの出力のフィードバック制御や、発振の緊急停止を行ったり、操作パネル44やモニタ40などへのメンテ指示などを行うことができる。
ここで、第1、第2検出部61、62はフォトダイオード61a、62aにて受光するのに、第1検出部61は、第1ミラー14が第2ミラー15の前に位置することに対応して、図7に示すようにLDレーザ光5および固体媒質レーザ光3双方に対し反射特性を有したHRコートを施したフィルタ63と、可視光カットフィルタ64とを介して受光し、第2検出部は、第2ミラー15が第1ミラー14の後に位置することに対応して、図3を共用して示すように固体媒質レーザ光3に対するHRコートを施したフィルタ65と、可視光カットフィルタ64とを介して受光するようにしている。しかし、これとは逆の関係とすることもできる。これにより、第1、第2ミラー14、15が照射光軸13上で、前後いずれになって、被加工物7やモニタカメラ26部を経た第1、第2レーザ光3、5および外乱光が第1、第2ミラー14、15を通じ第1、第2検出部61、62に及ぶようなことがあっても、前記コートおよびフィルタの組合せによってそれらの影響を阻止し、適正な検出が行える。また、第1、第2検出部61、62は、図1に示すように着脱できるフード66によって外部まわりから覆われているので、ハイブリッドレーザトーチの外まわりからの外乱光や埃などの影響も防止することができる。
また、第1、第2レーザ光3、5のうちの、対応する第1、第2ミラー14、15の照射光軸13上の位置が前になっている一方の側を先に出力して、図8に示すように試射物71に対し照射して試射物71上に照射痕72を得、次いで、対応する第1、第2ミラー14、15の照射光軸13上の位置が後になっている他方の側を出力して試射物71に対し照射し、その照射位置73が前記照射痕72内の破線で示すような所定域に位置するように、対応するミラーの向きを前記モニタ画像を見ながら、従ってモニタ40を見ながら調整した後、加工に供する。これにより、第1、第2レーザ光3、5を照射光軸13上で重畳させハイブリッドレーザ光6として照射し集光させるのに、その照射光学系を構成する第1、第2ミラー14、15および集光レンズ16のそれぞれは互いに標準的な位置合わせはなされているものの、個々の照射光学系の実使用段階ではその他の条件も加わり、第1、第2レーザ光3、5の重畳位置にそれぞれで異なったずれを生じることがあるのを、実使用段階にて第1、第2レーザ光3、5を相前後して照射することにより、先の照射痕72に対する後の照射位置73との関係としてモニタ画象上で視認することができる。しかも、この視認状態において先の照射痕72に対する後の照射位置73の重なりが所定位置となるように後の照射位置73を第1、第2ミラー14、15の対応する側にて調節することにより前記のような重畳位置のずれを解消することができ、その後加工に供することにより加工が設定通りに達成されることを保証できる。特に、重畳位置の調節を第1、第2ミラー14、15の内の、照射光軸13上の後に位置する側、従って照射位置から遠い側で行うことによって、ミラーの向き変化に対する照射位置の変化度合が高く、位置調節しやすいし、そのときの向きの変化が照射光軸13上の前に位置するミラーに対応するレーザ光の照射に影響せずに位置調節することができる。
なお、本例では第1、第2ミラー14、15の前後関係から、照射痕72を第1レーザ光3の照射によって得、後の照射位置73は第2レーザ光5によって得ているが、ミラー配置が逆になれば、当然のことながら、照射痕72は第2レーザ光5によって得、後の照射位置73は第1レーザ光3によって得ることになる。
このような方法を達成するのにハイブリッドレーザトーチ1は、第1、第2ミラー14、15のうちの、少なくとも照射光軸13上で後になっている一方の側が、図1、図3〜図5に一例を示すようなミラー面の向き調節部81を有して支持していればよく、場合によっては、図1、図3〜図5に示すように第1、第2ミラー14、15の双方が向き調節部81を有して支持している構成とすることもできる。このような向き調節部81は、例えば照射光軸13に直交する軸82を中心とした回動によりミラー面の向きを調節する回動調節部81aを含むものとすることで足りる。しかし、図1、図3〜図5に示す例では、回動調節部81aに併せ、ミラー面を照射光軸13に対して種々な向きに煽って調節する煽り調節部81bを設けてある。
煽り調節部81bはトーチ本体1a側に対してミラー枠14a、15aの取り付け基台80を引き付け固定する3本の取付けねじ83と、取付け基台80に設けられてトーチ本体1a側への引き付けギャップを個々に設定する3本のねじ84とを有し、各ねじ84のトーチ本体1a側への突出度の個別調節によって、トーチ本体1aの取付け面に対する傾きおよび照射光軸13に対する煽り度をどの方向にも設定でき、設定した向きは取付けねじ83による引き付けによって固定することができる。回動調節部81aは取付け基台8
0に対しミラー枠14a、15aを軸82により回動できるように支持して、ばね85によって軸82まわりの一方側に付勢し、この付勢されるミラー枠14a、15aをトーチ本体1aの外部からねじ込まれた図1、図4に示すねじ86によって受止め、ねじ86のトーチ本体1a内への突出度を調節することにより第1、第2ミラー14、15を軸82のまわりに回動させて向き調節できるようにしている。
煽り調節部81bは第1、第2ミラー14、15のどのような向き調節もできるもので、メーカー側で既述した標準的な位置合わせをしておくのに好適であり、ユーザの実使用に際しての位置合わせを軸82まわりの回動調節だけでよいようにすることができ、使用しやすくすることができる。もっとも、このような使用状態に限られることはない。
なお、集光レンズ16cとノズル51との間には図1、図3、図6に示すようなフィルタ91を抜き差しできるようにもうけて、ねじ92により装着状態にねじ止めするようにしてあり、フィルタ91によってスパッタ粒子などが万一にも集光光学系の側に及ぶのを防止している。また、トーチ本体1aには水冷通路111が設けられ、これに冷却水112を通して冷却するようにしている。
とろこで、本出願人は、図1に示すように励起ランプ101によってYAG2を励起するのに、励起ランプ101からの励起光を横断面楕円の集光器102の集光反射面により、YAG2に対しその外径よりも小さな集光径にて集光させることにより励起し、レーザ光3を出射させることを、例えば、YAG2の外径よりも小さな発光径の励起ランプ101との間で満足することにより、YAG2の外径に対する励起域が前記集光径の範囲に制限されて、励起域から外れる外周部層に励起が及ばない分だけYAG2の熱歪みが抑えられるし、片側からのアンバランスな励起に起因した反りも緩和でき、1つの励起ランプ101の片側からの励起によってもYAG2の寿命は高まり、主として長尺化によるボリュームおよび出力の増大が図れる方法を提案している。これによると、YAG発振器2aの簡略化、小形化、低コスト化が実現し、併せて、0.6mm以下の集光を可能とする7mm以下の外径での実用にも対応できる。しかも、必要な出力が高くなる分だけ励起ランプ101の駆動電流を抑えられるので、ランニングコストが低減するし、ドライバ42のスイッチング素子として超高速のIGBTを電流制御に用いて制御周波数を高められる。
また、180mm以上の長さのYAG2を用いてゲインを高められるため出力効率が従来の3%程度に比して4%程度と向上し、1KW以上の出力が得られる。しかも、熱歪みによる寿命低下が大きく緩和されて数億ショットという従来の数倍の寿命が実現している。また、外径を7mm以下として光ファイバ21などに対する0.6mm以下の集光も可能である。
そこで、実施例としてこのようなYAG2を採用して、図9のIに示すようなLD4の特定の出力と、YAG2の複数の出力における各種制御パルス数との関係において、図9のIIに示すような外観、および溶け込み幅、溶け込み深さdの溶接結果が得られた。また、それら各溶接時の溶接速度は図9のIIIに示す通りであり、好結果が得られた。
ここで、レーザ系A、Bがパルスランプ励起レーザ、CWファイバレーザの組み合わせである場合の好適例を図14に示している。第1レーザ光3用の光ファイバ21にSI形0.8mm径、第2レーザ光5用の光ファイバ22にGIまたはSIファイバ0.05mm径を用い、コリメートレンズ16a、16b、集光レンズ16cともに、fナンバ100として、キーホール201の径D3に対し充分に小さな有効スポットサイズD2が得られる。
また、レーザ系A、Bがパルスランプ励起レーザ、LDダイレクトレーザの組み合わせである場合の好適例を図15に示している。第1レーザ光3用の光ファイバ21にSI形0.8mm径、第2レーザ光5用の光ファイバ22にGI形0.6mm径を用い、コリメートレンズ16a、16b、集光レンズ16cともに、fナンバ100として、キーホール201の径D3に対しほぼ同等の有効スポットサイズD2が得られる。
また、レーザ系A、Bがパルスファイバレーザ、CWファイバレーザの組み合わせである場合の好適例を図16に示している。第1レーザ光3用の光ファイバ21用にGIまたはSI形0.1mm径、第2レーザ光5用にGIまたはSI形0.1mm径を用い、コリメートレンズ16b、集光レンズ16cともに、fナンバ100とし、コリメートレンズ16aをfナンバ25としてある。
本発明はアルミニウムの溶接に実用して、十分な溶接が高速度で行える。
本発明の実施の形態に係るハイブリッドレーザトーチの1つの例を示す断面図。 図1のトーチの側面図。 図1のトーチの照射口付近の拡大断面図。 図1のトーチの第1、第2ミラーに共通の位置調節部の正面図。 図4のミラーの正面図。 図3の照射口部の下面図。 図1のトーチの第1、第2検出部の内部構造図。 図1のトーチにおける第1、第2レーザ光の照射位置調節方法の説明図。 図1のトーチの実施例における幾つかの実験結果例を示す図。 レーザ光の照射スポットにおける強度分布について2つの例を代表的にしめした説明図。 図1のトーチによる第1、第2レーザ光の照射例を示す摸式図。 第1、第2レーザ光の有効スポットサイズD1、D2の関係での加工状態を示す説明図。 第1、第2レーザ光の有効スポットサイズD1、D2の関係での加工状態を示す説明図。 レーザ系がパルスランプ励起レーザ、CWファイバレーザの組み合わせである場合のハイブリッドレーザトーチの好適例を示す模式図。 レーザ系がパルスランプ励起レーザ、LDダイレクトレーザの組み合わせである場合の好適例を示す模式図。 レーザ系がパルスファイバレーザ、CWファイバレーザの組み合わせである場合の好適例を示す模式図。
符号の説明
A、B レーザ系
1 ハイブリッドレーザトーチ
1a トーチ本体
2 固体レーザ媒質(YAG)
3 第1レーザ光
4 半導体レーザ(LD)
5 第2レーザ光
6 ハイブリッドレーザ光
7 被加工物
11、12 第1、第2導入部
13 照射光軸
14、15 第1、第2ミラー
16 集光レンズ
17 照射口
21、22、27 光ファイバ
24 アクロマチックレンズ
25 照明器
26 モニタカメラ
31 不活性ガス
31a 中央噴流束
31b 囲い膜流
32 中央通路
33 環状通路
40 モニタ
41 コントローラ
51 ノズル
52、53 環状通路
52a、53a 小径孔
61、62 第1、第2検出部
63、64、65 フィルタ
66 フード
71 試射物
72 照射痕
73 後の照射位置
81 向き調節部
81a 回動調節部
81b 煽り調節部
201 キーホール

Claims (29)

  1. 2種のレーザ系からの異なった第1、第2のレーザ光を重畳させたハイブリッド光として被加工物上に照射し加工を行うハイブリッドレーザ加工方法において、
    第1、第2のレーザ光は被加工物上の同じ位置に同時に照射し、第2のレーザ光の被加工物上での有効スポットサイズD2が、第1のレーザ光の有効スポットサイズD1未満となるようにして被加工物を加工するようにしたことを特徴とするハイブリッドレーザ加工方法。
  2. 有効スポットサイズの比率は0.2≦D2/D1≦であり、第2のレーザ光の有効スポットが、第1のレーザ光の有効スポットの内側に位置するように第1、第2のレーザ光を照射する請求項1に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  3. 第2のレーザ光の有効スポットサイズD2は、加工中に発生するキーホールサイズD3に対して同等以下とする請求項1、2のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  4. 第2のレーザ光は加工中のキーホールの位置に照射する請求項3に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  5. 第1レーザ光と第2レーザ光とは1つのレーザトーチに個別に導き、そのトーチの内部で重畳させてハイブリッドレーザ光とし被加工物に照射する請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  6. 第1レーザ光はパルス制御により出力制御したパルスレーザ光であり、第2レーザ光はCW制御により出力制御したCW変調を含めたCWレーザ光である請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  7. 第1、第2レーザ光は、一方がパルス制御により出力制御したパルスレーザ光であり、他方がCW制御ないしCW変調制御により出力制御したCWレーザ光をいう請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  8. パルスレーザ光の照射手段としては、パルスランプ励起YAG、パルス励起レーザ、パルスファイバレーザを含み、パルスレーザ光とは断続して出力されるレーザ光をいい、CWレーザ光の照射手段としては、LDダイレクトレーザ、LD励起CWレーザ、CWファイバレーザを含み、CWレーザ光とはレーザ照射が連続するレーザ光をいう請求項6、7のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  9. 第1レーザ光はYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質によるレーザ光であって、ハイブリッドレーザ光への重畳は、グレーテッドインデックスGI形またはステップインデックスSI形ファイバにて導いた第1レーザ光と、GIファイバにて導いた第2レーザ光とにつき行い、それらの被加工物への集光は第1レーザ光を所定の有効スポットサイズにて集光させるように設計した集光レンズを共用して行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  10. ハイブリッドレーザ光への重畳は、第1、第2レーザ光の双方を、それぞれに対応して照射光軸上の前後に位置する第1、第2ミラーにて、前記照射光軸上に導くことにより行う請求項1〜9のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  11. 被加工物上の加工位置を照明し、そのときの反射光が、第1、第2ミラーを透過し、前記ハイブリッドレーザ光照射用の集光レンズよりも径の小さなアクロマチックレンズ、または小孔により結像したモニタ画像にて加工状態をモニタし、モニタ結果に応じて加工条件を調整する請求項10に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  12. 第1、第2レーザ光のうちの、対応する第1、第2ミラーの光軸上の位置が前になっている一方の側を先に出力して、試射物に対し照射することにより試射物上に照射痕を得、次いで、対応する第1、第2ミラーの光軸上の位置が後になっている他方の側を出力して試射物に対し照射しながら、その照射位置が前記照射痕内の所定域に位置するように、対応するミラーの向きを前記モニタ画像を見ながら調整した後、加工に供する請求項11に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  13. ハイブリッドレーザ光を、供給される不活性ガスを充満させながら先端に向け絞った中央噴流束として連続噴出させている先細り形状の中央通路を通じ、加工物に照射するのに併せ、前記中央通路まわりでコーン形状をなした環状通路にて供給される不活性ガスを、前記照射され、噴出しているハイブリッドレーザ光および中央噴流束のまわりを囲う囲い膜流を連続噴出させて、加工を行う請求項1〜12のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザ加工方法。
  14. 2種のレーザ系からの異なった2つのレーザ光を導入する第1、第2導入部と、照射光軸上の前後に位置して第1、第2導入部から導入した第1、第2レーザ光を反射させ前記照射光軸上で重畳したハイブリッドレーザ光として照射側に向ける第1、第2ミラーと、ハイブリッドレーザ光における第2レーザ光の被加工物上での有効スポットサイズD2が、第1レーザ光の有効スポットサイズD1未満となるように照射対象物に向け集光させる集光光学系とを、ハイブリッドレーザ光の照射口を持ったトーチ本体に備えたことを特徴とするハイブリッドレーザトーチ。
  15. 第1レーザ光はYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質によるレーザ光であって、第1導入部は第1レーザ光源側にGIまたはSIファイバにて接続され、第2導入部は第2レーザ光源側にGIファイバにて接続されている請求項14に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  16. 第1レーザ光源はパルス制御にて出力制御し、第2レーザ光源はCW制御にて出力制御する請求項15に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  17. 第1、第2ミラーのうちの、少なくとも光軸上で後になっている一方の側が、ミラー面の向き調節部を有して支持している請求項14〜16のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  18. 第1、第2ミラーの双方が向き調節部を有して支持している請求項14〜16のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  19. 向き調節部は、照射光軸に直交する軸を中心とした回動によりミラー面の向きを調節する回動調節部を含む請求項17、18のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  20. 第1ミラーが第2ミラーの前に位置し、第1ミラーはYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質からのレーザ光に対するHRコートとLDレーザ光に対するARコートとが施され、第2ミラーはLDレーザ光に対するHRコートが施されている請求項14〜19のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  21. 第1ミラーが第2ミラーの後に位置し、第1ミラーはYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質からのレーザ光に対するHRコートが施され、第2ミラーはLDレーザ光に対するHRコートとYAGレーザ光に対するARコートとが施されている請求項14〜19のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  22. 被加工物上の加工位置を照明する照明器と、照射対象物から反射し第1、第2ミラーを透過してくる反射光を、前記集光光学系の集光レンズよりも径の小さなアクロマチックレンズ、または小孔により結像させてモニタに供するモニタカメラとを備えた請求項14、15のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  23. 照明器は、白色LEDからの白色光を光ファイバによって導き照明する請求項22に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  24. 第1ミラーにて照射側に向けられる第1レーザ光の一部透過光を検出する第1検出部と、第2ミラーにて照射側に向けられる第2レーザ光の一部透過光を検出する第2検出部とを備えている請求項14〜23のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  25. 第1検出部は、第1ミラーが第2ミラーの前に位置することに対応して、LDレーザ光およびYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質からのレーザ光双方に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光し、第2検出部は、第2ミラーが第1ミラーの後に位置することに対応して、固体レーザ媒質からのレーザ光に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光する請求項24に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  26. 第1検出部は、第1ミラーが第2ミラーの後に位置することに対応して、LDレーザ光に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光し、第2検
    出部は、第2ミラーが第1ミラーの前に位置することに対応して、LDレーザ光およびYAGなどのレーザ発振を起こす固体レーザ媒質からのレーザ光双方に対するHRコートを施したフィルタと、可視光カットフィルタとを介して受光する請求項24に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  27. 第1、第2検出部は、フードによって外部まわりが覆われている請求項24〜26のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  28. トーチ本体の照射口に設けられ、照射光軸上に位置して照射されるハイブリッドレーザ光を通過させるとともに、供給される不活性ガスを充満させながら先端に向け絞った中央噴流束として連続噴出させる先細り形状の中央通路と、この中央通路まわりでのコーン形状をなして供給される不活性ガスを、前記照射され、噴出されるハイブリッドレーザ光および中央噴流束のまわりに不活性ガスの膜流を連続噴出させるコーン形状をなした環状通路とを有した同軸の二重ノズルを備えた請求項14〜27のいずれか1項に記載のハイブリッドレーザトーチ。
  29. 中央通路および環状通路は不活性ガスの供給を受けるために、それらの外回りに設けられて供給される不活性ガスを導入し周方向に充満させる環状通路と、この環状通路から中央通路および環状通路内に周方向に並んで開口する小径孔とを有している請求項23に記載のハイブリッドレーザトーチ。

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