JP7308189B2 - ガラス間の最終形状不一致を減じるために同時垂下中にガラス間の分離を制御する方法 - Google Patents

ガラス間の最終形状不一致を減じるために同時垂下中にガラス間の分離を制御する方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2018年9月26日に出願された米国特許仮出願第62/736791号明細書および2017年10月18日に出願された米国特許仮出願第62/574082号明細書の米国特許法第119条の下での優先権の利益を主張し、それらの内容に依拠し、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
本開示は、概して、湾曲したガラスラミネート物品の成形に関し、特に、形状不一致を減じるためにガラスシートの分離を制御しつつガラスシートを同時成形する(例えば、同時垂下させる)方法に関する。
湾曲したガラスラミネートシートまたは物品は、車両または自動車の窓ガラスを含む多くの用途において利用されている。一般的に、このような用途のための湾曲したガラスシートは、ガラス材料の比較的厚いシートから形成されてきた。ラミネート物品の個々のガラス層間の形状整合性を高めるために、ガラス材料は、同時垂下方法などの同時成形方法によって所望の形状/曲率に成形されてもよい。本出願人は、従来の同時垂下方法が、湾曲したガラスシートに望ましくない特性(例えば、形状不一致)を生じさせ、同時垂下させられるガラスシートの対が、異なる厚さ、組成および/または粘度を有するときに、その深刻度が高まるようであることを見出した。
1つの態様において、ガラスシートのスタックを成形する方法の実施形態が提供される。方法のステップにおいて、ガラス材料の第1のシートの外側領域を、成形フレームの支持面と接触させるように配置する。成形フレームは、開放した中央キャビティを画定しており、中央キャビティは少なくとも部分的に支持面によって取り囲まれている。さらに、ガラス材料の第2のシートをガラス材料の第1のシート上に配置する。ガラス材料の第1のシートおよびガラス材料の第2のシートを両方とも成形フレームによって支持する。次いで、ガラス材料の第1および第2のシートの縁部および/または角部のうちの1つ以上においてまたはその付近においてガラス材料の第1のシートとガラス材料の第2のシートとの間の空間における流体の流れを制御する。次いで、ガラス材料の第1のシートおよびガラス材料の第2のシートを、成形フレームによって支持したまま一緒に加熱し、ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域を、成形フレームの開放した中央キャビティ内へ下方に変形させる。
別の態様において、ガラスラミネート物品を成形する方法の実施形態が提供される。この方法は、ガラス材料の第1のシートの外側領域を成形フレームの支持面と接触させて配置するステップを含む。成形フレームは、開放した中央キャビティを画定しており、中央キャビティは少なくとも部分的に支持面によって取り囲まれている。次いで、ガラス材料の第2のシートをガラス材料の第1のシート上に配置する。さらに、ガラス材料の第1のシートおよびガラス材料の第2のシートを両方とも成形フレームによって支持する。ガラス材料の第1および第2のシートの縁部および/または角部のうちの1つ以上においてまたはその付近においてガラス材料の第1のシートとガラス材料の第2のシートとの間の空間における流体の流れを制御する。次いで、ガラス材料の第1のシートおよびガラス材料の第2のシートを、成形フレームによって支持したまま一緒に加熱し、ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域を、成形フレームの開放した中央キャビティ内へ下方に変形させる。その後、ガラス材料の第1のシートをガラス材料の第2のシートに結合する。
本開示の付加的な実施形態は、記載された実施形態のうちの1つによるガラス材料の第1のシートと、記載された実施形態のうちの1つによるガラス材料の第2のシートと、ガラス材料の第1のシートをガラス材料の第2のシートに結合するポリマー中間層とを有する湾曲したガラスラミネート物品に関する。
付加的な特徴および利点は、以下に続く詳細な説明に示され、部分的に、その説明から当業者に容易に明らかになるであろう、または書面における説明および請求項ならびに添付の図面において説明したように実施形態を実施することによって認識されるであろう。
前記の概略的な説明および以下の詳細な説明の両方は単に例示的であり、請求項の性質および特性を理解するための概略または枠組みを提供することが意図されていると理解されるべきである。
添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれておりかつ本明細書の一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を示しており、説明と共に、様々な実施形態の原理および操作を説明するために機能する。
1つの典型的な実施形態による、同時垂下のためのガラスシートの積層状態を示す概略的な断面分解図である。 1つの典型的な実施形態による、曲げリング上に支持された、積層されたガラスシートを示す、概略的な断面図である。 1つの典型的な実施形態による、加熱ステーション内で曲げリングによって支持された図2の積層されたガラスシートを示す断面図である。 1つの典型的な実施形態による、図2の積層されたガラスシートの詳細図である。 1つの典型的な実施形態による、ガラスシートのスタックに力を加えるためのクリップの1つの実施形態を示している。 1つの典型的な実施形態による、ガラスシートのスタックに力を加えるためのクリップの斜視図を示している。 1つの典型的な実施形態による、ガラスシートのスタックに力を加えるための懸吊ウェイトシステムの概略図である。 1つの典型的な実施形態による、図2の積層されたガラスシートを形成するために使用されるガラスシートから切断されたガラスプリフォームの平面図である。 1つの典型的な実施形態による、同時垂下させるガラスシートから製造されたラミネート物品から形成することができる複数のガラス窓を有する車両の平面図である。 縁部/角部において力が加えられない2つのガラスシート間の形状不一致についてのシミュレーション結果である。 その結果が図10および図12~図15に示されている同時垂下シミュレーションに関する温度分布である。 1つの典型的な実施形態による、シミュレーションされた同時垂下方法中にクリップ留めされた2つのガラスシート間の形状不一致についてのシミュレーション結果である。 図12のシミュレーション結果の平面図である。 同時垂下中に縁部/角部において力が加えられなかった積層されたガラスシート間の圧力についてのシミュレーション結果である。 1つの典型的な実施形態による、同時垂下中に角部において力を加えるためにクリップが使用された、積層されたガラスシート間の圧力についてのシミュレーション結果である。 加熱ステーション内において厚いガラスシートが生じる垂下の程度を示している。 加熱ステーション内において薄いガラスシートが生じる垂下の程度を示している。 1つの典型的な実施形態による、同時垂下方法中の2つのガラスシート間の流体の流れを制御するための流体吹付けシステムの側面図を示している。 1つの典型的な実施形態による、同時垂下方法中の2つのガラスシート間の流体の流れを制御するための流体吹付けシステムの斜視図を示している。 1つの典型的な実施形態による、同時垂下前のガラスシートのスタック上に配置された柔軟なウェイトリングを示している。 1つの典型的な実施形態による、ガラスシートのスタックが同時垂下させられた後の、図20の柔軟なウェイトリングを示している。 1つの典型的な実施形態による、柔軟なウェイトリングを固定するように構成された、取付けリングおよびケーブルシステムを示している。 1つの典型的な実施形態による、同時垂下前の柔軟なウェイトリングと共に使用可能な、連結された曲げリングを示している。 1つの典型的な実施形態による、ガラスシートのスタックが同時垂下させられた後の、図23の連結された曲げリングを示している。
本開示の実施形態は、同時垂下方法中にガラスシートのスタック間への圧力または空気などの流体の流れを制御する方法に関する。実施形態において、これは、同時垂下方法中にガラスシートのスタックの縁部および/または角部においてまたはその付近において力を加える特定の方法および機械的手段を含む。その他の実施形態において、これは、同時垂下方法中に縁部および/または角部においてまたはその付近において低圧領域を形成することを含む。特に、ガラスシート間への圧力または流体の流れを制御することは、異なる厚さ、組成および/または粘度を有する2つのガラスシート間の形状不一致を防止するのに特に適している。
ある実施形態において、機械式クリップ、懸吊ウェイト構造、複数のカウンターウェイト、手動または自動プレス、柔軟なウェイトリングまたは層などのうちの少なくとも1つによって力が加えられる。この力は、下側ガラスシートから上側ガラスシートの縁部または角部が浮き上がることを低減または排除するのに十分である。これにより、シート間に流体膜(例えば、空気膜)を維持することができ、それによって、シート間の吸引力がガラスシートの形状不一致を低減する。さもないと、下側ガラスシートからの上側ガラスシートの縁部または角部の浮き上がりによりガラスシート間に流体(例えば、空気)が導入されることによって、形状不一致が生じることがある。
その他の実施形態において、ガラスシートの縁部および/または角部における圧力を低下させるために、ガラスシートの縁部および/または角部に向かって、空気などの高圧流体が吹き付けられる。より低い圧力は、縁部および/または角部を封止することを助け、これにより、ガラスシート間の吸引力の消失を防止する。
以下により詳しく説明するように、同時垂下方法中のガラスシート間への圧力または流体流れを制御することは、縁部/角部の浮き上がりを制限しかつ形状不一致を低減することを助ける。この形状不一致の低減は、コンピュータモデリングおよび実験によって確認された。
概して、湾曲した積層されたガラス物品を成形する従来の方法は、一対の積層されたガラスプレートまたはシートを、成形リング上で、ガラスが所望の形状および深さに垂下させられるまでガラスの軟化温度近くまで加熱することを含む。加熱中にガラスシートが互いに結合/融合させられるのを防止する2つのガラスシート間の分離層として、分離材料を使用することができる。このような同時垂下方法は様々な利点(例えば、ラミネートを形成することになるガラスシート間の形状一致を高める、加熱機器の効率的な使用、方法スループットなど)を有するが、2つの異なるガラス材料を同時垂下させることは、2つのガラスの厚さ、組成、粘度およびその結果としての垂下率の違いの結果として、形状不一致を生じさせる可能性がある。
異なる組成および厚さの2つのガラス間の形状不一致が、図16および図17に示されている。図16に示したように、ガラスのシートがそれ自体重力下で垂下させられると、より厚いガラスシート100は、より放物線に近い形状を生じさせる。しかしながら、図17に示したように、より薄いガラスシート102は、曲率が縁部の近くにおいて最大であり、中央の近くでは減じられた、「バスタブ」のような形状を生じさせる。その結果、2つのシートが同時垂下させられると、特に、より薄いシートがより厚いシートの上側に配置されていると、より薄いシートは、同時垂下させるシートの縁部および角部においてまたはその付近において引き上げられることがある。理解されるように、図16および図17に示された垂下形状の違いは、概して、2つのガラスシート間の厚さの違いおよび粘度の違いが増大するほど増大し、これにより、同時垂下させるシート間の形状不一致を増大させる。
同時垂下方法中にガラスシート間に生じる低圧の結果、吸引効果が存在することを出願人は見出した。縁部の浮き上がりにより流体(通常は空気)がガラスシート間に進入すると、この吸引効果は失われるまたは低減される。例えば、後述するように、同時成形中に2つのガラスシートの間の空間には圧力勾配が存在する。シートの縁部において、圧力は相対的に高い(すなわち、大気圧またはガラスシートの周囲の環境の圧力である)のに対し、圧力はガラスシートの中央の近くでは相対的に低い。同時成形中に重力がガラスシートの曲げ-および分離-を推進するとき、ガラスシート間の空間の内部領域における低圧は、吸引効果によりガラスシートの分離に対抗する。ガラスシートの縁部における圧力はほぼ大気圧であるため、ガラスシートの縁部とガラスシートの中央との間のより大きな圧力勾配は、結果として、この内部領域により低い圧力を生じさせ、ひいては、より大きな吸引効果を生じさせる。同時成形中にガラスシートの縁部同士および/または角部同士が近くに維持されるほど、流体(例えば、空気)が内部領域に進入することができる速度は遅くなり、この圧力勾配を減じる。言い換えれば、ガラスシートの縁部同士および/または角部同士における分離が大きくなるほど、周囲の流体または空気がより迅速にシートの間の空間に入り込むことができ、圧力勾配がより迅速に減少させられ、その結果、吸引効果を減少させる。すなわち、本開示の実施形態は、ガラスシート間の吸引効果を維持するためにガラスシート間の空間内への流体の流れを制御することができる方法を説明している。1つの実施形態において、ガラスシート間への流体の流れは、ガラスシートのスタックの縁部および/または角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において力を加えることによって制御される。例えば、角部の浮き上がりまたは縁部の浮き上がりが生じる位置における、例えば1N未満の比較的小さな力が、形状不一致を生じさせるまたは増強させると考えられるガラスシート間の吸引力の損失を防止することができることを出願人は見出した。ガラスシート間の形状不一致をも低減または排除しつつ、角部および縁部の浮き上がりを解決するために必要な大きさの力を加える複数のシステムを出願人は開発した。別の実施形態において、ガラスシート間への流体の流れは、縁部および/または角部においてガラスシート間に低圧領域を形成するためにガラスシートの縁部および/または角部に向かって流体を吹き付けることによって制御される。これらの低圧領域は、流体がシートの間へ流れないようにガラスシートの縁部および角部を封止することを助ける。実施形態において、流体は、下側ガラスシートの下側および/または上側ガラスシートの上側から吹き付けられ、これにより、低圧領域を形成する。最終的に、同時垂下させられるガラスシート間への流体の流れを制御する以下の各手段は、ガラスシート厚さおよびガラスシート粘度の大きな違いがあったとしても、同時垂下させられた最終的なガラスシートの形状不一致を減じる。
図1および図2を参照すると、1つの典型的な実施形態による、湾曲したガラス物品を成形するためのシステムおよび方法が示されている。概して、システム10は、曲げリング16として示された成形フレームによって支持された、一対のガラスシート12および14として示されたガラス材料の1つ以上のシートを有する。曲げリング16は、支持されるガラスシートの形状に基づいて選択される広範囲の様々な形状を有してもよく、リングという用語の使用は、必ずしも円形を意味するものではないことが理解されるべきである。
図1に示したように、曲げリング16は、側壁20として示された支持壁と、底壁22とを有する。側壁20は、底壁22から上方へ延びている。側壁20の半径方向内向きの面24は、開放した中央領域またはキャビティ26を画定しており、底壁22の上向きの面は、キャビティ26の下端部を画定している。半径方向外向きの面25は、内向きの面24の反対側にある。
図1および図2に示したように、選択的に、下側ガラスシート12と上側ガラスシート14との間に分離材料18が配置されている。一般的に、分離材料18は、湾曲形成の加熱段階中にシート12および14が結合するのを防止することを助ける、六方晶系窒化ホウ素、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、滑石、フッ化カルシウム、フッ化セシウム、二硫化タングステンなどの材料である。分離材料18は、図1および図2に凝集性の層として示されているが、分離材料18は、例えば、粉末セラミック層、スラリ層、発泡材層などであることができる。さらに、上側ガラスシート14の下面または下側ガラスシート12の上面のいずれかに分離材料18を噴霧、塗布またはその他の方式で堆積させることができる。これにより、上側ガラスシート14が下側ガラスシート12上に積層されたとき、上側ガラスシート14の下面が分離材料18と接触しかつ下側ガラスシート12の上面が分離材料18と接触する。図1および図2に見られるように、この配列において、分離材料18は、同時垂下方法中にガラス層12および14の間のバリアとして機能する。
同時垂下方法を開始するために、ガラスシートの外周縁部30に隣接したガラスシート12の外側領域28が、曲げリング16の、上向き面32として示された支持面と接触して配置される。この配列において、ガラスシート12および14は両方とも、上向き面32とガラスシート12との接触によって支持され、これにより、ガラスシート12および14の中央領域34は中央キャビティ26上に支持される。示された実施形態において、ガラスシート12および14の間への流体の流れは、ガラスシート12および14の縁部および/または角部においてまたはその付近において力36を加えることによって制御される。以下でより詳細に説明するように、力36を、機械式クリップ、ウェイト、プレスなどによって加えることができる。しかしながら、上述のように、ガラスシート12および14の縁部および/または角部において低圧領域を形成することによって、ガラスシート12および14の間への流体の流れを付加的にまたは代替的に制御することができ、制御のこの手段の実施形態は、本開示において後で提供される。
次に、図3を参照すると、曲げリング16、支持されたガラスシート12および14ならびに分離材料18は、窯または連続式の割送り徐冷炉などの加熱ステーション40内へ移動させられる。加熱ステーション40内で、ガラスシート12および14、分離材料18および曲げリング16は、ガラスシート12および14が曲げリング16上に支持されながら(例えば、ガラスシート12および14のガラス材料の軟化温度またはその付近まで)加熱される。ガラスシート12および14が加熱されるとき、下向きの力42などの成形力が、ガラスシート12および14の中央領域34を曲げリング16の中央キャビティ26内へ下方に変形させるまたは垂下させる。力36は、同時垂下方法中に上側ガラスシート14の縁部が下側ガラスシート12から引き離されることを防止する。
特定の実施形態において、下向きの力42は重力によって提供される。幾つかの実施形態において、下向きの力42は、空気圧によって(例えば、ガラスシート12および14の凸面側に真空を形成する、ガラスシート14の凹面側に空気を吹き付ける、プレスによって)または接触式成形機械によって提供されてもよい。変形力42の提供源にかかわらず、この手順は、結果として、図3に示したように湾曲した形状を有するガラスシート12および14を生じさせる。
次いで、ガラスシート12および14に所望の湾曲形状を生じさせるための規定された時間の後、曲げリング16は、支持されたガラスシート12および/または14と共に、室温に冷却される。これにより、成形、変形または湾曲させられたガラスシート12および14は冷却され、ガラスシート12および14は、加熱ステーション40内において生じた湾曲形状に固定される。冷却されると、湾曲したガラスシート12および14は曲げリング16から取り外され、平坦なガラスシートの別のセットが曲げリング16上に配置され、成形方法が繰り返される。成形後、既に湾曲させられたガラスシート12および14は、最終的な湾曲したガラスラミネート物品に(例えば、一般的にポリマー中間層を介して)結合される。
特定の実施形態において、ガラスシート12および14は、ガラスシート12および14の間の大きな厚さの違いおよび/または材料(例えば、粘度)の違いの結果として、特に縁部および/または角部の分離を生じさせることがある。図4を参照すると、特定の実施形態において、力36は、ガラスシート12および14の間に大きな厚さまたは粘度の違いが存在する場合にも、縁部または角部の分離が減少した状態でガラスシート12および14の同時垂下を可能にする。図4に示したように、ガラスシート12は、T1として示された厚さを有し、ガラスシート14は、T2として示された厚さを有する。実施形態において、T1はT2と異なり、特に、T1はT2より大きい。様々な実施形態において、T1はT2より少なくとも2.5倍大きく、その他の実施形態において、T2はT1より少なくとも2.5倍大きい。特定の実施形態において、T1は1.5mm~4mmであり、T2は0.3mm~1mmであり、さらにより特定の実施形態において、T2は0.7mm以下または0.6mm未満である。特定の実施形態において、T1が1.6mmであり、T2が0.55mmである、T1が2.1mmであり、T2が0.55mmである、T1が2.1mmであり、T2が0.7mmである、T1が2.1mmであり、T2が0.5mmである、T1が2.5mmであり、T2が0.7mmである。図4に示された実施形態において、曲げリング16上に積層されたとき、より厚いガラスシート12が、より薄いガラスシート14の下側に配置される。しかしながら、そうではなく、その他の実施形態において、曲げリング16によって支持されたスタックにおいて、より薄いガラスシート14をより厚いガラスシート12の下側に配置することができることを理解すべきである。
異なる材料のガラスシートが一緒に同時垂下させられるとき、同時垂下温度における2つの材料の粘度の違いが、結果として、垂下形状が異なる領域において縁部および/または角部の浮き上がりを生じさせる(例えば、図16および図17参照)。出願人は、異なる材料および/または厚さのガラスシートを同時垂下させるとき、ガラスシートの縁部および/または角部において力を加えることが形状不一致を減じるまたは排除することを認識した。
すなわち、様々な実施形態において、ガラスシート12は、第1のガラス材料/組成から形成されており、ガラスシート14は、第1のガラス材料と異なる第2のガラス材料/組成から形成されている。幾つかのこのような実施形態において、第1のガラス材料は、加熱ステーション40内での加熱中に、第2のガラス材料の粘度と異なる粘度を有する。ガラスシート12および/または14を形成するために広範囲の様々なガラス材料が使用されてよいが、特定の実施形態において、シート12の第1のガラス材料はソーダ石灰ガラスであり、シート14の第2のガラス材料は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成である。ガラスシート12および14の付加的な典型的な材料は、以下に詳細に示される。
最初に、力36を加えることによってガラスシート12および14の間への流体の流れを制御する実施形態を参照すると、出願人は、力を加える様々な各手段が、ガラスシート間の形状不一致を低減または排除しつつ、異なる厚さおよび/または異なる材料特性を有するガラスシートを同時垂下させることを可能にすると判断した。理論によって縛られることを望むものではないが、出願人の試験は、締付力がガラスシート12および14の間への空気流を減少させ、ガラスシート12および14の間のより良い吸引を可能にし、これにより、ガラスシート12および14が、同時垂下方法中に密着させられたままとなることを示した。すなわち、相対的により厚いサイズでより低い粘度の材料から形成されている、概してより迅速に垂下する下側ガラスシート12は、同時垂下方法を通じて、概してより薄くかつより粘度の上側ガラスシート14を、形状一致状態となるように引っ張る。以下に説明される様々な実施形態において、機械式クリップ、ウェイトシステム、懸吊ウェイトおよびプレスが提供される。
図5において、クリップ50の実施形態が提供されている。クリップ50は、ほぼC字形の横断面を有する管状のボディ52を有する。管状のボディ52のC字形横断面の下端部には、突き当てエッジ54が設けられている。突き当てエッジ54のさらに下側には締付面56が設けられており、管状のボディ52のC字形横断面の上端部には、締付湾曲部58が設けられている。図5に見られるように、クリップ50は、締付面56が下側ガラスシート12の下面と接触しかつ締付湾曲部58が上側ガラスシート14の上面と接触するようにガラスシート12および14のスタックに取り付けられる。クリップ50は、突き当てエッジ54が下側ガラスシート12と接触するまでガラスシート12および14のスタックに押し付けられる。
クリップ50の管状のボディ52は、図6により詳細に示されている。管状のボディ52は長さLを有する。実施形態において、長さLは、5mm~50mmである。別の実施形態において、長さLは、6mm~15mmである。しかしながら、実施形態は、特定の長さに限定されず、特定の使用に基づいて変化させることができる。本明細書において説明された方法によれば、ガラスシート間の良好な形状一致は、ガラスシートのサイズに対して小さいクリップによってさえも達成することができることが認められる。距離Dは、締付面56と締付湾曲部58とを分離させている。距離Dは、ガラスシート12および14のスタックの厚さとほぼ同じまたはスタックの厚さ未満であることができる。これにより、クリップ50がガラスシート12および14のスタックに取り付けられ、弾性変形すると、距離Dが増大することができ、締付面56と締付湾曲部58との間でばね締付力が加えられる。実施形態において、締付力は、6mmにわたって1N以下である。別の実施形態において、締付力は、6mmにわたって0.5N以下であり、特定の実施形態において、締付力は、6mmにわたって0.4Nである。別の実施形態において、締付力は、6mmにわたって少なくとも約0.05Nである。さらに、同時垂下方法中にクリップ50がガラスシート12および14に取り付けられるので、クリップ50は、典型的な同時垂下温度(例えば、500℃~650℃)に耐えることができる。1つの実施形態において、クリップ50は、同時垂下温度におけるクリップ50のばね剛性を維持する、インコネル(登録商標)600またはヘインズ(登録商標)120などの、ニッケルベース、鉄ベースまたは鉄/ニッケルベースの耐熱性合金から形成されている。有利には、説明されているクリップ50は、ガラスシート12および14に大きな熱的影響を与えないように小さな熱質量を有する。
クリップ50によって力36を加えるために、ガラスシート12および14のスタックの周囲に沿って複数のクリップ50が配置されてもよい。1つの典型的な実施形態において、ガラスシート12および14のスタックの各角部に2つのクリップ50が配置される。特に、XY座標平面を有する各シートの平面で見ると、各角部において、2つのクリップは互いに対して実質的に垂直に配置され、一方のクリップ50は、X軸に対して実質的に平行にガラスシート12および14の縁部に配置され、他方のクリップ50は、Y軸に対して実質的に平行にガラスシート12および14の縁部に配置される。このような配置が図13に示されており、図13は、以下でより詳細に説明される。
図7に示された別の実施形態において、力36は、懸吊ウェイト構造60によって加えられる。懸吊ウェイト構造60は、上側ガラスシート14の上に延びるオーバーハング突出部64と、懸吊部(armature)66とを備えるサスペンションボディ62を有し、懸吊部66にはウェイト68が吊り下げられている。この実施形態の1つの態様において、柔軟なV字形ストリップ70がオーバーハング突出部64の下側に取り付けられており、V字の底部が上側ガラスシート14の上面と接触している。ガラスシート14の上面に接触しかつ力36を加えるために、V字形ストリップ70の代わりにその他の形状および/または機構を代用することができる。ウェイト68はサスペンションボディ62を下向きに引っ張り、これにより、V字形ストリップ70の接触線に沿ってガラスシート12および14に締付力36が加えられる。特に、ガラスシート12および14は、V字形ストリップ70と、曲げリング16の上向き面32との間で締め付けられる。実施形態において、懸吊ウェイト構造60によって提供される力は、6mmにわたって約0.05N~1Nである。別の実施形態において、力は、6mmにわたって0.5N以下であり、特定の実施形態において、力は、6mmにわたって0.4Nである。さらに、実施形態において、柔軟なV字形ストリップ70の長さ、すなわち接触線の長さは、5mm~50mmである。別の実施形態において、柔軟なV字形ストリップ70の長さは、6mm~12mmである。
懸吊ウェイト構造60によって力36を加えるために、複数の懸吊ウェイト構造60を利用することができる。例えば、懸吊ウェイト構造60は、クリップ50の実施形態に関して上述したように配置することができる。さらに、懸吊ウェイト構造60は、例えば、クリップ50と同じニッケルベース、鉄ベースまたは鉄/ニッケルベースの合金から形成することができる、または柔軟なV字形ストリップ70のみをニッケルベース、鉄ベース/鉄ニッケルベースの合金から形成することができる。これにより、ガラスシート12および14に対する懸吊ウェイト構造60の熱的影響が最小限に抑えられる。
さらに別の実施形態において、複数のカウンターウェイトが、上側ガラスシート14の上面に配置される。1つの実施形態において、カウンターウェイトは、ガラスシート12および14の角部に配置される。実施形態において、ウェイトは、2lbs.~10lbs.(907.18g~4535.92g)であり、特定の実施形態において、ウェイトは、5lbs.~7lbs.(2267.96g~3175.15g)である。別の実施形態において、ガラスシート12および14のスタックの角部および/または縁部に圧力を加えるために、手動または自動プレスがガラスシート12および14のスタック上へ下降させられる。
これらの前述の各実施形態において説明した力36は、ガラスシート12および14のスタックの縁部のうちの1つ以上においてまたはその付近において、かつ/またはガラスシート12および14のスタックの角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において加えられる。実施形態において、角部および/または縁部のうちの1つにおいてまたはその付近においてとは、縁部および/または角部の20mm以内である。さらに別の実施形態において、角部および/または縁部のうちの1つにおいてまたはその付近においてとは、縁部および/または角部の10mm以内である。さらに別の実施形態において、角部および/または縁部のうちの1つにおいてまたはその付近においてとは、縁部および/または角部の5mm以内である。
図20~図24に示されたさらに別の実施形態において、ガラスシート12,14の縁部および/または角部においてまたは表面にわたって力を加えるために、柔軟なウェイト110が使用されている。本明細書において使用されるとき、「柔軟」とは、成形作業中にガラスシート12,14の表面と一致するかつ/または接触したままであるウェイトの能力を意味する。
図20に示したように、ガラスシート12,14は、ガラスシート12,14の角部および/または縁部のうちの少なくとも1つにおいてまたはその付近においてリングを形成する柔軟なウェイト110と共に曲げリング16上に配置される。実施形態において、角部および/または縁部のうちの1つにおいてまたはその付近においてとは、縁部および/または角部の20mm以内である。さらに別の実施形態において、角部および/または縁部のうちの1つにおいてまたはその付近においてとは、縁部および/または角部の10mm以内である。さらに別の実施形態において、角部および/または縁部のうちの1つにおいてまたはその付近においてとは、縁部および/または角部の5mm以内である。実施形態において、柔軟なウェイト110は、上側ガラスシート14の縁部の全てに沿って配置され、その他の実施形態において、柔軟なウェイトリング110は、上側ガラスシート14の一部の縁部に沿ってのみ配置される。
その他の実施形態において、柔軟なウェイト110は、ガラスシート12,14の表面をカバーする層である。例えば、1つの実施形態において、柔軟なウェイト110は、ガラスシート12,14の表面全体にわたって配置された織物である。すなわち、柔軟なウェイト110は、ガラスシート12,14の輪郭全体にわたって力を加えるために使用することができる。さらに、実施形態において、柔軟なウェイト110は、上述のクリップ50、懸吊ウェイト構造60またはカウンターウェイトのうちの1つ以上に関連してかつ/または後述の流体吹付けシステム90に関連して使用される。
実施形態において、柔軟なウェイト110は、6mmにわたって少なくとも約0.05N~1Nの力を加えるように構成されている。別の実施形態において、柔軟なウェイト110は、6mmにわたって少なくとも約0.1Nの力を加えるように構成されている。さらに別の実施形態において、力は、6mmにわたって0.5N以下であり、特定の実施形態において、力は、6mmにわたって0.4Nである。実施形態において、柔軟なウェイト110は、典型的な同時垂下温度(例えば、500℃~650℃)に耐えることができる材料から形成されている。実施形態において、材料は、ステンレス鋼、銅、ニッケルベース合金(例えば、インコネル(登録商標)またはハステロイ(登録商標))、セラミック材料または銀コーティングされた銅材料のうちの少なくとも1つである。その他の実施形態において、柔軟なウェイト110は、別の材料から形成されてもよく、ステンレス鋼、銅、ニッケルベース合金、セラミック材料または銀コーティングされた銅材料の層が、柔軟なウェイト110と、ガラスシート12,14の表面との間に配置される。実施形態において、柔軟なウェイト110のための材料の選択または柔軟なウェイト110とガラスシート12,14との間に配置することは、ガラスと非反応性でありかつ(例えば、典型的な同時垂下温度においてガラスに融着することによって)ガラスに粘着することがない材料を選択することに基づく。
さらに、柔軟なウェイト110がリングである実施形態において、柔軟なウェイト110は円形の横断面を有する。このような実施形態において、柔軟なウェイト110は、例えば、金属ワイヤロープ(例えば、1×19ワイヤ束、7×7ワイヤ束または7×19ワイヤ束)などのケーブルである。別の実施形態において、柔軟なウェイト110は、扁平な横断面または細長い横断面を有する。このような実施形態において、柔軟なウェイト110は、例えば、金属またはセラミックの編まれたチューブ、ホース、またはスリーブまたは金属織物のストリップである。柔軟なウェイト110が、編まれた金属またはセラミックチューブ、ホースまたはスリーブである実施形態において、ウェイトをチューブ、ホースまたはスリーブに挿入することができる、または一連のウェイトを金属またはセラミックチューブ、ホースまたはスリーブの長さに沿って挿入することができる。
有利には、前述の材料の柔軟なウェイト110を使用することは、ガラスシート12,14の表面における光学的ひずみの発生を回避するという利点を提供する。特に、柔軟なウェイトリング110の柔軟性は、光学的ひずみの形成を回避する。なぜならば、柔軟なウェイト110は、同時垂下中にガラスシート12,14と共に動くからである。
図20を参照すると、曲げリング16が、傾斜した支持面112を有することを見ることができる。垂下の前に、下側ガラスシート12は、傾斜した支持面112の一部と接触する。垂下中、下側ガラスシート12は、湾曲を形成することを助けるための傾斜した支持面112と一致するように曲がり、結果として、図21に示したように、曲がったガラスシート12,14が生じる。図21は、ガラスシート12,14の縁部および/または角部においてまたはその付近において力を継続的に提供しながら、垂下中に柔軟なウェイト110がガラスシート12,14と共に動くことも示している。示されていないが、柔軟なウェイト110は、ガラスシート12,14の表面の全部または一部をカバーする織物または層であることもでき、織物または層もまた、ガラスシート12,14の表面にわたって力を継続的に提供するために、垂下中にガラスシート12,14と共に動く。
図22は、柔軟なウェイト110の別の図を提供している。この図では、柔軟なウェイト110が、ケーブル116を介して取付けリング114に接続されている。実施形態において、取付けリング114は、曲げリングから切り離された独立した装置である。別の実施形態において、取付けリング114は、図22に示したように曲げリング16に接続されている。示された実施形態において、取付けリング114は、2つの壁部118の間に形成されたスロットに位置している。2つの壁部118は、曲げリング16に接続された周方向レッジ120から上方へ延びている。実施形態において、周方向レッジ120および/または壁部118は、曲げリング16の全周に延びていてもよく、別の実施形態において、周方向レッジ120および/または壁部118は、曲げリング16の周囲に断続的にのみ延びていてもよい。
ケーブル116は、第1の端部において取付けリング114に、第2の端部において柔軟なウェイト110に取り付けられている。ケーブル116は、これらの構造の周囲に巻き付けられる、これらの構造に固定される、これらの構造にクリップ留めされることなどを含む様々な適切な方法で取付けリング114および柔軟なウェイトリング110に取り付けることができる。実施形態において、ケーブル116の数は、例えば、少なくとも2つ、ガラスシート12,14の辺ごとに少なくとも1つ、ガラスシート12,14の角部ごとに少なくとも1つ、ガラスシート12,14の各辺における同じ数のケーブル116、またはガラスシート12,14の少なくとも1つの辺における異なる数のケーブル116であってもよい。柔軟なウェイト110の場合、ケーブル116は、典型的な同時垂下温度に耐えることができる材料から形成される。さらに、実施形態において、ケーブル116は、同時垂下中にガラスシート12,14と接触しないように、柔軟なウェイト110および取付けリング114に取り付けられている。
有利には、図23および図24に示したように、柔軟なウェイト110は、連結された曲げリング122と共に使用可能である。図23を参照すると、連結された曲げリング122は、第1の湾曲した支持部材124と、第2の湾曲した支持部材126とを有する。第1の湾曲した支持部材124は、少なくとも部分的に、第1の端面128と、第2の端面130と、それらの間に配置された第1の湾曲した支持面132とによって形成されている。第1の端面128と第1の湾曲した支持面132との境目には第1の角部134が設けられており、第2の端面130と第1の湾曲した支持面132との境目には第2の角部136が設けられている。同様に、第2の湾曲した支持部材126は、少なくとも部分的に、第3の端面138と、第4の端面140と、それらの間に配置された第2の湾曲した支持面142とによって形成されている。第3の端面138と第2の湾曲した支持面142との境目には第3の角部144が設けられており、第4の端面140と第2の湾曲した支持面142との境目には第4の角部146が設けられている。図23に示したように、ガラスシート12,14のスタックは、同時垂下方法の初期段階および早期段階においては、第1の湾曲した支持部材124の第1の角部134および第2の角部136ならびに第2の湾曲した支持部材126の第3の角部144および第4の角部146に支持されている。図23は、ヒンジ継手148を介して接続された第2の角部136および第4の角部146をも示している。垂下の前、第1の湾曲した支持部材124および第2の湾曲した支持部材126は、ほぼW字形を形成している。すなわち、第1の湾曲した支持部材124および第2の湾曲した支持部材126は、第1の角部134、第2の角部136、第3の角部144および第4の角部146の全てが、同じ最大鉛直方向位置を有しかつ同じ水平面に配置されるように、配置されている。第1の湾曲した支持面132は、第1の角部134から第2の角部136へ向かう方向で見て、鉛直方向位置が減少し、鉛直方向最小値に達した後、鉛直方向位置の増大に転じている。同様に、第2の湾曲した支持面142は、第3の角部144から第4の角部146へ向かう方向で見て、鉛直方向位置が減少し、鉛直方向最小値に達した後、鉛直方向位置の増大に転じている。すなわち、図23において左から右へ見て、連結された曲げリング122は、第1の角部134における第1の鉛直方向最大値において始まり、第1の湾曲した支持面132に沿った1つの点における鉛直方向最小値に進み、第2の角部136および第4の角部146における第2の鉛直方向最大値に達し、第2の湾曲した支持面142に沿った1つの点における鉛直方向最小値に進み、第3の角部144における第3の鉛直方向最大値に達し、Wの形状に類似している。
第1の湾曲した支持部材124は第1のローラ150に支持されており、第2の湾曲した支持部材126は第2のローラ152に支持されている。ガラスシート12,14が垂下し始めると、第1の湾曲した支持面132および第2の湾曲した支持面142の上方のガラスシート12,14の重量が、第2の角部136および第4の角部146を降下させる。これらの角部136,146の間のヒンジ接続により、角部136,146が分離することが防止され、それに対してローラ150,152は離反し、第1の角部134および第3の角部144を上方へ(または第2の角部136および第4の角部146の反対方向へ)移動させる。図24に示したように垂下方法の最後に、第1の湾曲した支持面132および第2の湾曲した支持面142は連続した曲面を形成し、これにより、第1の湾曲した支持部材124および第2の湾曲した支持部材126はW字形からU字形へ移行し、このU字形において、(図24において左から右へ見て)第1の角部134および第3の角部144が鉛直方向最大値にあり、第2の角部136および第4の角部146が鉛直方向最小値にあり、第1の湾曲した支持面132は、第1の角部134における鉛直方向最大値から鉛直方向最小値へ移行しており、第2の湾曲した支持面142は、鉛直方向最小値から第3の角部144における鉛直方向最大値へ移行している。この移行を形成するとき、柔軟なウェイト110は、上側ガラスシート14の表面と接触したままであることができ、ガラスシート12,14の間にエアポケットが形成されることを防止する。
ここで、ガラスシート12および14の縁部および/または角部における低圧領域の形成によってガラスシート12および14の間への流体の流れを制御する実施形態を参照すると、流体吹付けシステム90が図18に示されている。流体吹付けシステム90は、高圧流体(矢印94によって示されている)を縁部および/または角部領域へ方向付けることによってガラスシート12および14の縁部および/または角部に低圧領域92を形成する。図18に見られるように、流体吹付けシステム90は、上側ガラスシート14の上側からと、下側ガラスシート12の下側からとの両方から高圧流体94を提供することができる。代替的に、流体吹付けシステム90は、上側ガラスシート14の上側または下側ガラスシート12の下側の一方のみから高圧流体94を提供することができる。さらに図18に見ることができるように、流体吹付けシステム90には、1つの流体供給タンク96から流体が供給される。しかしながら、その他の実施形態において、流体吹付けシステム90の上側部分および下側部分には、異なる流体供給タンク96によって流体を供給することができる。さらに、複数のノズルは、高圧流体94を縁部および/または角部に供給するために使用することができる。例えば、ノズルは、ガラスシート12および14の一方または両方の側において各角部に設けることができる。さらに、高圧流体94を流す方向を変化させることができる。実施形態において、高圧流体94は、ガラスシート12および14の最も近い縁部表面に対して実質的に平行に方向付けられる。別の実施形態において、高圧流体94は、ガラスシート12および14のうちの一方または両方の表面に対して実質的に平行な方向に流される。
加えて、図19に見られるように、流体吹付けシステム90は、高圧流体94をガラスシート12および14のスタックの角部へ方向付けることができる。このような高圧流体94は、上側ガラスシート14の上面に対して実質的に平行なかつ/または下側ガラスシート12の下面に対して実質的に平行な形式で角部へ流すこともできる。特に、流体吹付けシステム90は、ある実施形態において、同時垂下方法全体を通じて使用される。しかしながら、その他の実施形態において、流体吹付けシステム90は、変形が、縁部の浮き上がりおよび吸引の消失がより起こりやすいことがある、弾性流れから粘性流れへ移行するときなど、同時垂下方法のある段階の間のみ作動させることができる。
流体吹付けシステム90において使用される流体は、同時垂下方法の温度においてガラス材料と非反応性のあらゆる流体であることができる。1つの実施形態において、流体は空気である。別の実施形態において、流体は、比較的不活性のガスもしくは希ガスまたはこのようなガスの混合物である。流体供給システムにおいて使用するための典型的な流体は、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどを含む。
本明細書において説明された流体吹付けシステム90は、ガラスシート12および14の間の吸引を維持することを助ける。理論によって縛られることを望むものではないが、出願人は、ベルヌーイの原理に従って、流体吹付けシステム90が、縁部の浮き上がりが最も起こりやすいガラスシート12および14の角部および/または縁部に低圧領域92を形成すると考える。角部におけるより低い圧力は、角部を流体の流入から封止する。さもないと、この流体の流入が生じてしまう恐れがある。これにより、ガラスシート12および14の間の吸引は維持され、ガラスシート12および14の間の形状不一致が減じられる。流体吹付けシステム90の位置、吹付け方向および吹付け力は、ガラスシート12および14の所望の位置にこのような低圧領域92を形成するために様々に調整することができる。
全体としては、同時垂下方法の前後に、ガラスラミネート物品を成形するための付加的なステップが提供される。図8を参照すると、例えば、ガラスシート12または14(プリフォームとも呼ばれる)は、個々の原料ガラスシート80から切断される。周囲82の形状は、同時垂下後の所望の形状を生じさせるために必要な平坦なパターンによって規定される。ガラスシート12および14が原料ガラスシートから切断された後、尖った角部を除去するために縁部が研磨されてもよい。この方法の後、図1~図4に関して上記で説明したように、ガラスシート12および14が積層され、同時垂下させられる。
様々な実施形態において、本明細書において説明された方法および/またはシステムから形成された湾曲したガラスラミネート物品が提供される。特定の実施形態において、湾曲したガラスラミネート物品は、中間層(例えば、ポリビニルブチラール層などのポリマー中間層)によって結合されたシート12および14を含む。このような実施形態において、ガラスシート12および14から形成されたガラスラミネート物品は、かなり非対称である(例えば、上述の大きな厚さの違いおよび/または材料特性の違いを有する)一方、同時に、層同士の低レベルの形状の違いを有する。
図9を参照すると、車両窓、ルーフまたはサイドウィンドウの部分としての、ガラスシート12および14から形成されたガラスラミネート物品の使用が示されている。図示したように、車両200は、1つ以上のサイドウィンドウ202、ルーフ204、バックウィンドウ206および/またはフロントガラス208を有する。概して、本明細書において説明されたガラスラミネート物品の実施形態のうちのいずれかが、1つ以上のサイドウィンドウ202、ルーフ204、バックウィンドウ206および/またはフロントガラス208のために使用されてもよい。概して、1つ以上のサイドウィンドウ202、ルーフ204、バックウィンドウ206および/またはフロントガラス208は、ガラス層12の外面が車両内部212に面するように、車両フレームまたはボディ210によって形成された開口内に支持されている。この配置において、ガラス層14の外面は、車両200の外部に面しており、ガラス物品の位置において車両200の最も外側の面を形成していてよい。本明細書において使用されるとき、車両は、自動車、鉄道車両、機関車、ボート、船、飛行機、ヘリコプター、ドローン、宇宙船などを含む。その他の実施形態において、ガラスラミネート物品は、建築用ガラス、ビル用ガラスなどの、薄い湾曲したガラスラミネート物品が有利である様々なその他の用途において使用されてもよい。
ガラスシート12および/または14は、様々な材料から形成することができる。特定の実施形態において、ガラスシート14は、化学的に強化されたアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成から形成されており、ガラスシート12は、ソーダ石灰ガラス(SLG)組成から形成されている。特定の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約30μm~約90μmの範囲の圧縮深さ(DOC)と、300MPa~1000MPaの、シートの主面のうちの少なくとも1つにおける圧縮応力とを有する化学的に強化された圧縮層を有する、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス材料またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成などの、化学的に強化された材料から形成されている。幾つかの実施形態において、化学的に強化されたガラスは、イオン交換によって強化される。
ガラス材料の例およびその特性
様々な実施形態において、ガラスシート12および/または14は、様々な強化されたガラス組成のうちのいずれかから形成されていてもよい。本明細書において説明されたガラスシート12および/または14のために使用されてもよいガラスの例は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成を含んでもよいが、その他のガラス組成も考えられる。このようなガラス組成は、イオン交換可能として特徴づけられることがある。本明細書において使用されるとき、「イオン交換可能」とは、当該組成を有する層が、ガラス層の表面またはその付近に配置された陽イオンを、より大きいまたはより小さいサイズの同じ原子価の陽イオンと交換することができることを意味する。1つの典型的な実施形態において、ガラスシート12および/または14のガラス組成は、SiO2、B23およびNa2Oを含み、この場合、(SiO2+B23)≧66モル%であり、Na2O≧9モル%である。ガラスシート12および/または14のための適切なガラス組成は、幾つかの実施形態において、さらに、K2O、MgOおよびCaOのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、ガラスシート12および/または14において使用されるガラス組成は、61~75モル%のSiO2、7~15モル%のAl23、0~12モル%のB23、9~21モル%のNa2O、0~4モル%のK2O、0~7モル%のMgOおよび0~3モル%のCaOを含むことができる。
ガラスシート12および/または14に適したガラス組成の別の例は、60~70モル%のSiO2、6~14モル%のAl23、0~15モル%のB23、0~15モル%のLi2O、0~20モル%のNa2O、0~10モル%のK2O、0~8モル%のMgO、0~10モル%のCaO、0~5モル%のZrO2、0~1モル%のSnO2、0~1モル%のCeO2、50ppm(0.005%)未満のAs23、50ppm(0.005%)未満のSb23を含み、この場合、12モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦20モル%および0モル%≦(MgO+CaO)≦10モル%である。
さらに、ガラスシート12および/または14に適したガラス組成の別の例は、63.5~66.5モル%のSiO2、8~12モル%のAl23、0~3モル%のB23、0~5モル%のLi2O、8~18モル%のNa2O、0~5モル%のK2O、1~7モル%のMgO、0~2.5モル%のCaO、0~3モル%のZrO2、0.05~0.25モル%のSnO2、0.05~0.5モル%のCeO2、50ppm(0.005%)未満のAs23、50ppm(0.005%)未満のSb23を含み、この場合、14モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦18モル%および2モル%≦(MgO+CaO)≦7モル%である。
特定の実施形態において、ガラスシート12および/または14に適したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成は、アルミナ、少なくとも1つのアルカリ金属、および、幾つかの実施形態において、50モル%より多いSiO2、その他の実施形態において、少なくとも58モル%のSiO2、さらに別の実施形態において、少なくとも60モル%のSiO2を含み、比((Al23+B23)/Σ改質剤)>1であり、比において、成分はモル%で表されており、改質剤はアルカリ金属酸化物である。このガラス組成は、特定の実施形態において、58~72モル%のSiO2、9~17モル%のAl23、2~12モル%のB23、8~16モル%のNa2Oおよび0~4モル%のK2Oを含み、比((Al23+B23)/Σ改質剤)>1である。
さらに別の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、64~68モル%のSiO2、12~16モル%のNa2O、8~12モル%のAl23、0~3モル%のB23、2~5モル%のK2O、4~6モル%のMgOおよび0~5モル%のCaOを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成を含んでもよく、この場合、66モル%≦SiO2+B23+CaO≦69モル%、Na2O+K2O+B23+MgO+CaO+SrO>10モル%、5モル%≦MgO+CaO+SrO≦8モル%、(Na2O+B23)-Al23≦2モル%、2モル%≦Na2O-Al23≦6モル%および4モル%≦(Na2O+K2O)-Al23≦10モル%である。
代替的な実施形態において、ガラスシート12および/または14は、2モル%以上のAl23および/またはZrO2、または4モル%以上のAl23および/またはZrO2を含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成を含んでもよい。1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約67モル%~約80モル%の範囲の量のSiO2、約5モル%~約11モル%の範囲の量のAl23、約5モル%より大きい(例えば、約5モル%~約27モル%の範囲の)量のアルカリ金属酸化物(R2O)の量を含むガラス組成を含む。1つ以上の実施形態において、R2Oの量は、約0.25モル%~約4モル%の範囲の量のLi2Oおよび3モル%以下の量のK2Oを含む。1つ以上の実施形態において、ガラス組成は、非ゼロ量のMgOおよび非ゼロ量のZnOを含む。
その他の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約67モル%~約80モル%の範囲の量のSiO2、約5モル%~約11モル%の範囲の量のAl23、約5モル%より大きい(例えば、約5モル%~約27モル%の範囲の)量のアルカリ金属酸化物(R2O)の量を示す組成から形成されており、ガラス組成は、Li2O、非ゼロ量のMgOおよび非ゼロ量のZnOを実質的に含まない。
その他の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約67モル%以上の量のSiO2を含むガラス組成と、約600℃~約710℃の範囲の垂下温度とを有するアルミノケイ酸塩ガラス物品である。その他の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約68モル%以上の量のSiO2を含むガラス組成と、(本明細書において規定されたように)約600℃~約710℃の範囲の垂下温度とを有するアルミノケイ酸塩ガラス物品から形成されている。
幾つかの実施形態において、ガラスシート12および/または14は、組成、厚さ、強化レベルおよび成形方法(例えば、フュージョン成形されるのに反してフロート成形される)のうちのいずれか1つ以上において異なる、互いに異なるガラス材料から形成される。1つ以上の実施形態において、本明細書において説明されたガラスシート12および/または14は、約710℃以下または約700℃以下の垂下温度を有する。1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および14のうちの一方はソーダ石灰ガラスシートであり、ガラスシート12および14のうちの他方は、本明細書において説明された非ソーダ石灰ガラス材料のうちのいずれか1つである。1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約68モル%~約80モル%の範囲の量のSiO2、約7モル%~約15モル%の範囲の量のAl23、約0.9モル%~約15モル%の範囲の量のB23、最大で約7.5モル%でありかつ約7.5モル%を含む非ゼロ量のP25、約0.5モル%~約12モル%の範囲の量のLi2O、および約6モル%~約15モル%の範囲の量のNa2Oを含むガラス組成を含む。
幾つかの実施形態において、ガラスシート12および/または14のガラス組成は、ガラス物品に色または色合いを提供する酸化物を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ガラスシート12および/または14のガラス組成は、ガラス物品が紫外放射に曝されたときにガラス物品の退色を防止する酸化物を含む。このような酸化物の例は、限定するものではないが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、WおよびMoの酸化物を含む。
ガラスシート12および/または14は、約1.45~約1.55の範囲の屈折率を有してもよい。本明細書において使用されるとき、屈折率値は、550nmの波長に関する。ガラスシート12および/または14は、ガラスシート12および/または14が成形される形式によって特徴づけられてもよい。例えば、ガラスシート12および/または14は、フロート成形可能(すなわち、フロート方法によって成形される)、ダウンドロー可能、特に、フュージョン成形可能またはスロットドロー可能(すなわち、フュージョンドロー方法またはスロットドロー方法などのダウンドロー方法によって成形される)として特徴づけられてもよい。1つ以上の実施形態において、本明細書において説明されたガラスシート12および/または14は、非晶質微細構造を有してもよく、結晶またはクリスタリットを実質的に有さなくてもよい。言い換えれば、このような実施形態において、ガラス物品は、ガラスセラミック材料を除外する。
1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、ガラスシート12および/または14が0.7mmの厚さを有するとき、約300nm~約2500nmの波長範囲にわたって、約88%以下の平均合計太陽透過率を示す。例えば、ガラスシート12および/または14は、約60%~約88%、約62%~約88%、約64%~約88%、約65%~約88%、約66%~約88%、約68%~約88%、約70%~約88%、約72%~約88%、約60%~約86%、約60%~約85%、約60%~約84%、約60%~約82%、約60%~約80%、約60%~約78%、約60%~約76%、約60%~約75%、約60%~約74%、約60%~約72%の範囲の平均合計太陽透過率を示す。
1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約380nm~約780nmの波長範囲にわたって、0.7mmまたは1mmの厚さにおいて、約75%~約85%の範囲の平均透過率を示す。幾つかの実施形態において、この厚さおよびこの波長範囲における平均透過率は、約75%~約84%、約75%~約83%、約75%~約82%、約75%~約81%、約75%~約80%、約76%~約85%、約77%~約85%、約78%~約85%、約79%~約85%、約80%~約85%の範囲であってもよい。1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、約300nm~約400nmの波長範囲にわたって、0.7mmまたは1mmの厚さにおいて、50%以下(例えば、49%以下、48%以下、45%以下、40%以下、30%以下、25%以下、23%以下、20%以下または15%以下)のTuv-380またはTuv-400を示す。
1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、表面から圧縮深さ(DOC)まで延びる圧縮応力を有するように、強化されていてもよい。圧縮応力領域は、引張応力を有する中央部分によって平衡させられている。DOCにおいて、応力は、正の(圧縮)応力から負の(引張)応力へ移行している。
1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、圧縮応力領域と、引張応力を示す中央領域とを形成するために、物品の部分の間における熱膨張率の不一致を利用することによって、機械的に強化されていてもよい。幾つかの実施形態において、ガラス物品は、ガラス転移温度より低い温度までガラスを加熱し、次いで、急速に急冷させることによって、熱的に強化されてもよい。
1つ以上の実施形態において、ガラスシート12および/または14は、イオン交換によって化学的に強化されてもよい。イオン交換方法において、ガラスシート12および/または14の表面におけるまたはその付近におけるイオンが、同じ原子価または酸化状態を有するより大きなイオンによって置き換えられるまたは交換される。ガラスシート12および/または14がアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを含む実施形態において、物品の表面層におけるイオンおよびより大きなイオンは、Li+、Na+、K+、Rb+およびCs+などの、一価のアルカリ金属陽イオンである。代替的に、表面層における一価の陽イオンは、Ag+などの、アルカリ金属陽イオン以外の一価の陽イオンと置き換えられてもよい。このような実施形態において、ガラスシート12および/または14内へ交換される一価のイオン(または陽イオン)は応力を生じさせる。
実験例
出願人は、本明細書において説明された高非対称性ガラス対の同時垂下中の形状不一致を理解しかつ評価するために複数のシミュレーションおよび実験を行った。
実験的な同時垂下方法中、異なる組成(およびその結果として異なる粘度)のガラスの2つのプレートが、最初、それらの間の分離粉末の層と共に互いに積層させられた。実験のために、ガラスのより厚い下側シートはソーダ石灰ガラス(SLG)であり、より薄い上側シートは、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス(GG)、特にGorilla Glass(登録商標)2318(ニューヨーク州コーニングのCorning Incorporatedから提供されている)である。分離粉末粒子のサイズは、10μm~20μmの範囲であると測定され、これにより、行われた分析において、2つのガラスシートの間の初期間隙は10μm~20μmであると仮定された。2つのガラスシートの間の間隙における圧力Pは、以下の式1:
Figure 0007308189000001
によって決定される。式中、hは、時間tに関するガラスシート間の間隙であり、μは空気粘度である。この式は、圧力を間隙開放に関連させ、一般的に、間隙hが小さい限りは有効である。ガラスシートが弾性状態である限り、2つのガラスの間には間隙変化は生じない。成形温度において、下側のSLGの粘度は、上側におけるより硬いGGから離れるように垂下する傾向となる点まで減少する。しかしながら、ガラスシートの分離が生じるためには、空気がガラスシートの間に進入しなければならず、これは、一般的に、縁部から生じる。
コンピュータ分析を使用して、SLGおよびGGのガラスシート間の分離が、縁部および/または角部に力を加えない状態および加えた状態の両方においてシミュレーションされた。締付力を加えない状態での2つの積層されたガラスシート12および14の4分の1におけるシミュレーション結果が、図10に示されている。特に、シミュレーションのために、下側ガラスシート12は、2.1mmのSLGであり、上側ガラスシート14は、0.55mmのGGであった。両ガラスシートは300mmであった。ガラスシート12および14の間の分離は、25μmに設定され、15μm未満に減少させられることはなかった。さらに、図10に見られるように、ガラスシート12および14は、曲げリング16に載置されており、曲げリング16は、シミュレーションのために、2mmの厚さであり、XおよびY方向において縁部から縁部まで298mmであった。シミュレーションのために、積層されたガラスシート12および14は、30秒間にわたって400℃から625℃へ加熱され、60秒間その温度に維持され、次いで、再び30秒間にわたって400℃へ冷却された。ガラスシート12および14の加熱のための温度分布が、図11に示されている。シミュレーション中、ガラスシート12および14は、重力下で垂下させられた。
凡例における色勾配に基づき、ガラスシート12および14の縁部および角部領域は、処理後に上方へ浮き上がる。さらに、凡例における色勾配から、両ガラスシート12および14の中央は、下方へ、ただし異なる大きさだけ垂下する。特に、下側のSLGガラスシート12は、上側のGGガラスシート14よりも0.6mmだけ大きく下方へ垂下する。特に、ガラスシート12および14は、129秒後、プレートの中央において0.675mmだけ分離させられた。空気膜の効果(すなわち、シート12および14の間の分離において空気圧によって提供される吸引効果)が存在しない場合、分離は、別のシミュレーションにおいて見られるように、15.168mmと大幅に大きかったが、これは、粘度および厚さの違いが、ガラスシート12および14の間に形状不一致をどれほど生じさせる可能性があるかを示している。さらに、0.6mmより大きい小さな不一致は、ある用途、例えば、自動車フロントガラスにとって大きすぎる可能性がある。
図12および図13において、シミュレーションが、ガラスシート12および14のスタックの各角部において2つのクリップ50を含んでいたことを除き、同じシミュレーションが行われた。シミュレーションのために、クリップ50は、6mmの長さにわたって0.4Nの締付力を提供した。クリップ50は、12mmの長さおよび2mmの幅であった。図12および図13に見られるように、ガラスシート12および14の間の形状不一致は、図11のクリップ留めされない実施形態の場合より大幅に小さい。特に、形状不一致は、0.164mmであった。
図10を図12および図13と比較することによって、分離の原因を特定することができる。特に、図10におけるガラスシート12および14の角部は、図12および図13の角部より大幅に大きな縁部/角部の浮き上がりを示す。この分離は、(図16および図17に示されたシートの間の垂下の違いを考慮して)角部におけるシートの曲がりに関連した機械的な力によって促進される。上側ガラスシート14は、より高い粘度の結果としてより小さい程度に曲がり、角部において間隙が開く。この間隙は、ガラスシート12および14の間に空気を進入させ、プレート間の圧力の効果を減じる。
図14および図15は、ガラスシート12および14の間の圧力を示している。図14は、図10のガラスシート12および14(すなわち、縁部および/または角部において力36が加えられない)に対応するのに対し、図15は、2つのクリップ50が各角部に取り付けられた図12および図13のガラスシート12および14に対応する。図14において、吸引が存在しない領域(赤色)は、図15における吸引が存在しない領域より大幅に大きい。さらに、図15のクリップ留めされたガラスシート12および14は、図14のクリップ留めされないガラスシート12および14より大きな吸引圧力を示した。
別の実験が、2.1mmの厚さの下側SLGシートおよび0.7mmの厚さの上側GGシートを用いて静止炉において行われた。ガラスシート12および14の縁部または角部にクリップまたはウェイトが配置されない基準実験が行われた。その後、クリップ50によってガラスシート12および14に力36が加えられた。表1は、2つのシナリオのための垂下深さにおける形状不一致を比較している。より小さな形状不一致は、クリップ50が使用された後者のケースにおいて観察され、曲げの間に角部において生じた間隙を閉鎖する効果を示している。
Figure 0007308189000002
別の実験において、ガラスシート12および14の縁部または角部において力が加えられない基準実験が行われた。その後、ガラスシート12および14の角部にカウンターウェイトが配置された実験が行われた。表2は、2つのシナリオ間の測定された形状不一致を比較している。この場合も、カウンターウェイトを使用した場合により小さな不一致が達成されている。
Figure 0007308189000003
本開示の態様1は、同じ曲率を有するようにガラスシートのスタックを同時成形する方法であって、
成形フレームの支持面にガラス材料の第1のシートを配置するステップであって、前記成形フレームは、少なくとも部分的に前記支持面によって包囲された開放した中央キャビティを形成する、ステップと、
前記ガラス材料の第1のシート上にガラス材料の第2のシートを配置するステップであって、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを両方とも前記成形フレームによって支持する、ステップと、
前記ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域が前記成形フレームの前記開放した中央キャビティ内へ下方に変形するように、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを前記成形フレームによって支持しながら一緒に加熱するステップと、
加熱の少なくとも一部の間、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部および/または角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間の空間における流体の流れを制御するステップと、
を有し、
前記ガラス材料の第1のシートは、第1の外面と、該第1の外面と反対側の第1の内面とを有し、前記ガラス材料の第2のシートは、第2の外面と、該第2の外面と反対側の第2の内面とを有し、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの両方が前記成形フレームによって支持されているとき、前記第1の内面は前記第2の内面に面している、方法に関する。
本開示の態様2は、前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上におけるまたはその付近における前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの分離を最小限に抑えるステップを含む、態様1記載の方法に関する。
本開示の態様3は、前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において低圧領域を形成するステップを含む、態様1または2記載の方法に関する。
本開示の態様4は、前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記低圧領域を形成するために、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において圧力下の流体を流すステップを含む、態様3記載の方法に関する。
本開示の態様5は、圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1および第2のシートの最も近い縁部に対して実質的に平行な方向に流れる、態様4記載の方法に関する。
本開示の態様6は、圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1のシートの表面または前記ガラス材料の第2のシートの表面に対して実質的に平行な方向に流れる、態様4記載の方法に関する。
本開示の態様7は、圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1のシートまたは前記ガラス材料の第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上に向かって前記第1または第2の外面の少なくとも一部に対して実質的に平行に流れる、態様4から6までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様8は、前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近においてまたは表面にわたって力を加えるステップを含む、態様1または2記載の方法に関する。
本開示の態様9は、前記力の方向は、前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面に対して実質的に垂直である、態様8記載の方法に関する。
本開示の態様10は、前記力は、0.1N~1Nである、態様8記載の方法に関する。
本開示の態様11は、前記力は、0.5N未満である、態様10記載の方法に関する。
本開示の態様12は、前記力を、6mmの距離にわたって加える、態様8から11までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様13は、前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部の20mm以内に加える、態様8から12までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様14は、前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートと接触して配置されたクリップによって加える、態様8から13までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様15は、前記クリップは、
開放端横断面を有する細長いボディと、
前記ガラス材料の第1のシートの下面と接触するように適応させられた第1の締付面と、
前記ガラス材料の第2のシートの上面と接触するように適応させられた第2の締付面と、を備える、態様14記載の方法に関する。
本開示の態様16は、前記細長いボディは、C字形の横断面を有する管状のボディを含む、態様15記載の方法に関する。
本開示の態様17は、前記クリップは、さらに、前記開放端横断面の一方の端部において適応させられた突き当て縁部を有し、該突き当て縁部は、前記ガラス材料の第1のシートの側面と接触するように適応させられている、態様15または16記載の方法に関する。
本開示の態様18は、前記クリップは、5mm~50mmの長さを有する、態様14から17までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様19は、前記力を、懸吊ウェイト構造を介して加える、態様8から13までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様20は、前記懸吊ウェイト構造は、
サスペンションボディと、
前記サスペンションボディの第1の端部から前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面の上に延びるオーバーハング突出部と、
前記サスペンションボディの第2の端部から延びていて、ウェイトが吊り下げられている懸吊部と、
前記オーバーハング突出部の下側に取り付けられていて、前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面と接触する接触面と、
を備える、態様19記載の方法に関する。
本開示の態様21は、前記接触面は、V字形横断面を有する柔軟なストリップを有し、前記V字形横断面の底部は前記第2の外面と接触する、態様20記載の方法に関する。
本開示の態様22は、前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部においてまたはその付近において配置された1つ以上のカウンターウェイトを介して加える、態様8から13までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様23は、前記力を、前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面上に下降させられるプレスを介して加える、態様8から13までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様24は、前記力を、柔軟なウェイトを介して加える、態様8から13までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様25は、前記柔軟なウェイトは、金属ケーブルを含む、態様24記載の方法に関する。
本開示の態様26は、前記金属ケーブルは、銅、ステンレス鋼、ニッケル、セラミックまたは銀のうちの少なくとも1つを含む、態様25記載の方法に関する。
本開示の態様27は、前記柔軟なウェイトは、編まれた金属織物を含む、態様24記載の方法に関する。
本開示の態様28は、前記編まれた金属織物を、ホース、チューブまたはスリーブとして配置する、態様27記載の方法に関する。
本開示の態様29は、前記柔軟なウェイトを、少なくとも2つのケーブルを介して取付けリングに接続する、態様24から28までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様30は、前記取付けリングを、前記成形フレームに接続する、態様29記載の方法に関する。
本開示の態様31は、前記柔軟なウェイトは、前記方法中に光学的ひずみを生じさせない、態様24から30までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様32は、銅、ステンレス鋼、ニッケル、セラミックまたは銀のうちの少なくとも1つを含む織物または層を、前記柔軟なウェイトと、前記第1のガラスシートおよび前記第2のガラスシートとの間に設ける、態様24から31までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様33は、分離材料の層が、前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートから分離させる、態様1から32までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様34は、前記ガラス材料の第1のシートは、加熱中の前記ガラス材料の第2のシートの第2の粘度と異なる加熱中の第1の粘度を有する第1の組成を有し、前記ガラス材料の第2のシートは、第2のガラス組成を有する、態様1から33までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様35は、前記第1のガラス組成は、ソーダ石灰ガラスであり、前記第2のガラス組成は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成である、態様34記載の方法に関する。
本開示の態様36は、前記ガラス材料の第1のシートは、平均厚さT1を有し、前記ガラス材料の第2のシートは、平均厚さT2を有し、T1はT2と異なる、態様1から35までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様37は、T1はT2より少なくとも2.5倍大きい、またはT2はT1より少なくとも2.5倍大きい、態様36記載の方法に関する。
本開示の態様38は、T1は1.5mm~4mmであり、T2は0.3mm~1mmである、態様36記載の方法に関する。
本開示の態様39は、前記加熱するステップの後、前記ガラス材料の第1のシートの前記第1の内面および前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の内面は、前記第1および第2の内面の範囲にわたったあらゆる箇所において0.5mm以下だけ分離される、態様1から38までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様40は、湾曲したガラスラミネート物品であって、
態様1から39までのいずれか1つ記載の方法に従って同時成形されるガラス材料の第1のシートおよびガラス材料の第2のシートと、
前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートに結合するポリマー中間層と、
を備える、湾曲したガラスラミネート物品に関する。
本開示の態様41は、ガラスラミネート物品を成形する方法であって、
成形フレームの支持面にガラス材料の第1のシートを配置するステップであって、前記成形フレームは、少なくとも部分的に前記支持面によって包囲された開放した中央キャビティを形成する、ステップと、
前記ガラス材料の第1のシート上にガラス材料の第2のシートを配置するステップであって、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを両方とも前記成形フレームによって支持する、ステップと、
前記ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域が前記成形フレームの前記開放した中央キャビティ内へ下方に変形しかつ前記ガラス材料の第1および第2のシートが同じ曲率を有するように同時成形されるように、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを前記成形フレームによって支持しながら一緒に加熱するステップと、
加熱の少なくとも一部の間、前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間の空間における圧力を制御するステップと、
前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートに結合するステップと、
を有する、方法に関する。
本開示の態様42は、前記空間における圧力を制御するステップは、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において低圧領域を形成するステップをさらに含む、態様41記載の方法に関する。
本開示の態様43は、前記空間における圧力を制御するステップは、前記空間への流体の流入を防止するために、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの1つ以上の縁部および/または角部においてまたはその付近において力を加えるステップをさらに含む、態様41記載の方法に関する。
本開示の態様44は、前記力は、0.1N~1Nである、態様43記載の方法に関する。
本開示の態様45は、前記力を、6mmの距離にわたって加える、態様43または44記載の方法に関する。
本開示の態様46は、前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部の20mm以内に加える、態様43から45までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様47は、前記力を、1つ以上のクリップ、1つ以上の懸吊ウェイト構造、1つ以上のカウンターウェイト、前記ガラス材料の第2のシートの上面上に下降させられるプレスまたは柔軟なウェイトによって加える、態様43から46までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様48は、前記ガラス材料の第1のシートは、ソーダ石灰ガラスである第1のガラス組成を有し、前記ガラス材料の第2のシートは、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成である第2のガラス組成を有する、態様41から47までのいずれか1つ記載の方法に関する。
本開示の態様49は、前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートに結合するステップは、前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間にポリマー中間層を配置するステップをさらに含む、態様41から48までのいずれか1つ記載の方法に関する。
明示的に別段の定めがないかぎり、本明細書に示されたいずれの方法も、そのステップが特定の順序で行われることを要求すると解されることは意図されていない。したがって、方法の請求項が、そのステップが従うべき順序を実際には列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであることが請求項または詳細な説明において別段に特に述べられていない場合、いかなる特定の順序が推定されることも意図されていない。加えて、本明細書において使用されるとき、冠詞「a」は、1つまたは2つ以上の構成要素またはエレメントを含むことが意図されており、1つのみを意味すると解されることは意図されていない。
開示された実施形態の思想または範囲から逸脱することなく、様々な改良および変更を行うことができることが当業者に明らかになるであろう。実施形態の思想および実質を組み込んだ、開示された実施形態の改良、組合せ、サブコンビネーションおよび変化態様が当業者に想起されることもあるので、開示された実施形態は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内の全てを包含すると解すべきである。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
同じ曲率を有するようにガラスシートのスタックを同時成形する方法であって、
成形フレームの支持面にガラス材料の第1のシートを配置するステップであって、前記成形フレームは、少なくとも部分的に前記支持面によって包囲された開放した中央キャビティを形成する、ステップと、
前記ガラス材料の第1のシート上にガラス材料の第2のシートを配置するステップであって、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを両方とも前記成形フレームによって支持する、ステップと、
前記ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域が前記成形フレームの前記開放した中央キャビティ内へ下方に変形するように、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを前記成形フレームによって支持しながら一緒に加熱するステップと、
加熱の少なくとも一部の間、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部および/または角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間の空間における流体の流れを制御するステップと、
を有し、
前記ガラス材料の第1のシートは、第1の外面と、該第1の外面と反対側の第1の内面とを有し、前記ガラス材料の第2のシートは、第2の外面と、該第2の外面と反対側の第2の内面とを有し、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの両方が前記成形フレームによって支持されているとき、前記第1の内面は前記第2の内面に面している、方法。
実施形態2
前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上におけるまたはその付近における前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの分離を最小限に抑えるステップを含む、実施形態1記載の方法。
実施形態3
前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において低圧領域を形成するステップを含む、実施形態1または2記載の方法。
実施形態4
前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記低圧領域を形成するために、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において圧力下の流体を流すステップを含む、実施形態3記載の方法。
実施形態5
圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1および第2のシートの最も近い縁部に対して実質的に平行な方向に流れる、実施形態4記載の方法。
実施形態6
圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1のシートの表面または前記ガラス材料の第2のシートの表面に対して実質的に平行な方向に流れる、実施形態4記載の方法。
実施形態7
圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1のシートまたは前記ガラス材料の第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上に向かって前記第1または第2の外面の少なくとも一部に対して実質的に平行に流れる、実施形態4から6までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態8
前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近においてまたは表面にわたって力を加えるステップを含む、実施形態1または2記載の方法。
実施形態9
前記力の方向は、前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面に対して実質的に垂直である、実施形態8記載の方法。
実施形態10
前記力は、0.1N~1Nである、実施形態8記載の方法。
実施形態11
前記力は、0.5N未満である、実施形態10記載の方法。
実施形態12
前記力を、6mmの距離にわたって加える、実施形態8から11までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態13
前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部の20mm以内に加える、実施形態8から12までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態14
前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートと接触して配置されたクリップによって加える、実施形態8から13までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態15
前記クリップは、
開放端横断面を有する細長いボディと、
前記ガラス材料の第1のシートの下面と接触するように適応させられた第1の締付面と、
前記ガラス材料の第2のシートの上面と接触するように適応させられた第2の締付面と、を備える、実施形態14記載の方法。
実施形態16
前記細長いボディは、C字形の横断面を有する管状のボディを含む、実施形態15記載の方法。
実施形態17
前記クリップは、さらに、前記開放端横断面の一方の端部において適応させられた突き当て縁部を有し、該突き当て縁部は、前記ガラス材料の第1のシートの側面と接触するように適応させられている、実施形態15または16記載の方法。
実施形態18
前記クリップは、5mm~50mmの長さを有する、実施形態14から17までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態19
前記力を、懸吊ウェイト構造を介して加える、実施形態8から13までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態20
前記懸吊ウェイト構造は、
サスペンションボディと、
前記サスペンションボディの第1の端部から前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面の上に延びるオーバーハング突出部と、
前記サスペンションボディの第2の端部から延びていて、ウェイトが吊り下げられている懸吊部と、
前記オーバーハング突出部の下側に取り付けられていて、前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面と接触する接触面と、
を備える、実施形態19記載の方法。
実施形態21
前記接触面は、V字形横断面を有する柔軟なストリップを有し、前記V字形横断面の底部は前記第2の外面と接触する、実施形態20記載の方法。
実施形態22
前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部においてまたはその付近において配置された1つ以上のカウンターウェイトを介して加える、実施形態8から13までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態23
前記力を、前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の外面上に下降させられるプレスを介して加える、実施形態8から13までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態24
前記力を、柔軟なウェイトを介して加える、実施形態8から13までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態25
前記柔軟なウェイトは、金属ケーブルを含む、実施形態24記載の方法。
実施形態26
前記金属ケーブルは、銅、ステンレス鋼、ニッケル、セラミックまたは銀のうちの少なくとも1つを含む、実施形態25記載の方法。
実施形態27
前記柔軟なウェイトは、編まれた金属織物を含む、実施形態24記載の方法。
実施形態28
前記編まれた金属織物を、ホース、チューブまたはスリーブとして配置する、実施形態27記載の方法。
実施形態29
前記柔軟なウェイトを、少なくとも2つのケーブルを介して取付けリングに接続する、実施形態24から28までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態30
前記取付けリングを、前記成形フレームに接続する、実施形態29記載の方法。
実施形態31
前記柔軟なウェイトは、前記方法中に光学的ひずみを生じさせない、実施形態24から30までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態32
銅、ステンレス鋼、ニッケル、セラミックまたは銀のうちの少なくとも1つを含む織物または層を、前記柔軟なウェイトと、前記第1のガラスシートおよび前記第2のガラスシートとの間に設ける、実施形態24から31までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態33
分離材料の層が、前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートから分離させる、実施形態1から32までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態34
前記ガラス材料の第1のシートは、加熱中の前記ガラス材料の第2のシートの第2の粘度と異なる加熱中の第1の粘度を有する第1の組成を有し、前記ガラス材料の第2のシートは、第2のガラス組成を有する、実施形態1から33までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態35
前記第1のガラス組成は、ソーダ石灰ガラスであり、前記第2のガラス組成は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成である、実施形態34記載の方法。
実施形態36
前記ガラス材料の第1のシートは、平均厚さT1を有し、前記ガラス材料の第2のシートは、平均厚さT2を有し、T1はT2と異なる、実施形態1から35までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態37
T1はT2より少なくとも2.5倍大きい、またはT2はT1より少なくとも2.5倍大きい、実施形態36記載の方法。
実施形態38
T1は1.5mm~4mmであり、T2は0.3mm~1mmである、実施形態36記載の方法。
実施形態39
前記加熱するステップの後、前記ガラス材料の第1のシートの前記第1の内面および前記ガラス材料の第2のシートの前記第2の内面は、前記第1および第2の内面の範囲にわたったあらゆる箇所において0.5mm以下だけ分離される、実施形態1から38までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態40
湾曲したガラスラミネート物品であって、
実施形態1から39までのいずれか1つ記載の方法に従って同時成形されるガラス材料の第1のシートおよびガラス材料の第2のシートと、
前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートに結合するポリマー中間層と、
を備える、湾曲したガラスラミネート物品。
実施形態41
ガラスラミネート物品を成形する方法であって、
成形フレームの支持面にガラス材料の第1のシートを配置するステップであって、前記成形フレームは、少なくとも部分的に前記支持面によって包囲された開放した中央キャビティを形成する、ステップと、
前記ガラス材料の第1のシート上にガラス材料の第2のシートを配置するステップであって、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを両方とも前記成形フレームによって支持する、ステップと、
前記ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域が前記成形フレームの前記開放した中央キャビティ内へ下方に変形しかつ前記ガラス材料の第1および第2のシートが同じ曲率を有するように同時成形されるように、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを前記成形フレームによって支持しながら一緒に加熱するステップと、
加熱の少なくとも一部の間、前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間の空間における圧力を制御するステップと、
前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートに結合するステップと、
を有する、方法。
実施形態42
前記空間における圧力を制御するステップは、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において低圧領域を形成するステップをさらに含む、実施形態41記載の方法。
実施形態43
前記空間における圧力を制御するステップは、前記空間への流体の流入を防止するために、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの1つ以上の縁部および/または角部においてまたはその付近において力を加えるステップをさらに含む、実施形態41記載の方法。
実施形態44
前記力は、0.1N~1Nである、実施形態43記載の方法。
実施形態45
前記力を、6mmの距離にわたって加える、実施形態43または44記載の方法。
実施形態46
前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部の20mm以内に加える、実施形態43から45までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態47
前記力を、1つ以上のクリップ、1つ以上の懸吊ウェイト構造、1つ以上のカウンターウェイト、前記ガラス材料の第2のシートの上面上に下降させられるプレス、または柔軟なウェイトによって加える、実施形態43から46までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態48
前記ガラス材料の第1のシートは、ソーダ石灰ガラスである第1のガラス組成を有し、前記ガラス材料の第2のシートは、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成またはアルカリアルミノホウケイ酸ガラス組成である第2のガラス組成を有する、実施形態41から47までのいずれか1つ記載の方法。
実施形態49
前記ガラス材料の第1のシートを前記ガラス材料の第2のシートに結合するステップは、前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間にポリマー中間層を配置するステップをさらに含む、実施形態41から48までのいずれか1つ記載の方法。

Claims (8)

  1. 同じ曲率を有するようにガラスシートのスタックを同時成形する方法であって、
    成形フレームの支持面にガラス材料の第1のシートを配置するステップであって、前記成形フレームは、少なくとも部分的に前記支持面によって包囲された開放した中央キャビティを形成する、ステップと、
    前記ガラス材料の第1のシート上にガラス材料の第2のシートを配置するステップであって、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを両方とも前記成形フレームによって支持する、ステップと、
    前記ガラス材料の第1および第2のシートの中央領域が前記成形フレームの前記開放した中央キャビティ内へ下方に変形するように、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートを前記成形フレームによって支持しながら一緒に加熱するステップと、
    加熱の少なくとも一部の間、前記ガラス材料の第1および第2のシートの縁部および/または角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間の空間における流体の流れを制御するステップと、
    を有し、
    該流体の流れを制御するステップは、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において低圧領域を形成するステップを含み、
    前記ガラス材料の第1のシートは、第1の外面と、該第1の外面と反対側の第1の内面とを有し、前記ガラス材料の第2のシートは、第2の外面と、該第2の外面と反対側の第2の内面とを有し、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの両方が前記成形フレームによって支持されているとき、前記第1の内面は前記第2の内面に面している、方法。
  2. 前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上におけるまたはその付近における前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの分離を最小限に抑えるステップを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記低圧領域を形成するために、前記ガラス材料の第1および第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近において圧力下の流体を流すステップを含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 圧力下で流れる前記流体は、(i)前記ガラス材料の第1および第2のシートの最も近い縁部に対して実質的に平行な方向に流れる、または前記ガラス材料の第1のシートの表面または前記ガラス材料の第2のシートの表面に対して実質的に平行な方向に流れる、請求項3記載の方法。
  5. 圧力下で流れる前記流体は、前記ガラス材料の第1のシートまたは前記ガラス材料の第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上に向かって前記第1または第2の外面の少なくとも一部に対して実質的に平行に流れる、請求項3または4記載の方法。
  6. 前記空間への前記流体の流れを制御するステップは、前記ガラス材料の第1のシートおよび前記ガラス材料の第2のシートの前記縁部および/または前記角部のうちの1つ以上においてまたはその付近においてまたは表面にわたって力を加えて前記ガラス材料の第1のシートと前記ガラス材料の第2のシートとの間の前記空間における前記流体の流れを制御するステップを含む、請求項1または2記載の方法。
  7. 前記力を、前記ガラス材料の第1および第2のシートと接触して配置されたクリップによって加える、請求項6記載の方法。
  8. 前記力を、懸吊ウェイト構造を介して加える、請求項6記載の方法。
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