JP7308007B2 - 非水電解質二次電池用電極合剤層、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
平均繊維径が200~900nmであってアスペクト比が30以上の繊維状炭素と、
を含有することを特徴とする非水電解質二次電池用電極合剤層。
前記集電体に積層された〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池用電極合剤層と、
から成る非水電解質二次電池用電極。
本発明の非水電解質二次電池用電極合剤層は、
(1)正極活物質と前記正極活物質の表面を被覆する導電材とから成る被覆正極活物質と、
(2)平均繊維径が200~900nmであってアスペクト比が30以上の繊維状炭素と、
を含有する。
本発明の非水電解質二次電池用電極合剤層は、微粒子状の炭素系導電助剤をさらに含むことが好ましい。
なお、以下、非水電解質二次電池用電極合剤層を単に「電極合剤層」ともいう。
本発明において、被覆正極活物質は、正極活物質と該正極活物質表面の一部又は全部を被覆する導電材とから成る。被覆正極活物質は、正極活物質の表面全体の20%以上が導電材により被覆されていることが好ましく、50%以上が被覆されていることがより好ましい。
本発明の電極合剤層に含まれる正極活物質としては、非水電解質二次電池において、正極活物質として知られている従来公知の材料の中から、任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。例えば、リチウムイオン二次電池であれば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有金属酸化物が好適である。このリチウム含有金属酸化物としては、リチウムと、Co、Mg、Mn、Ni、Fe、Al、Mo、V、W及びTiなどからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、を含む複合酸化物を挙げることができる。
本発明の電極合剤層に含まれる正極活物質は、その全部又は一部が導電材によって被覆されている。この導電材としては、金属微粒子、導電性高分子、カーボン材料などを用いることができる。これらの中でも、加工性及び導電性の観点からカーボン材料を用いることが好ましい。以下、導電材としてカーボン材料を用いる場合について詳述する。
本発明の電極合剤層に含まれる繊維状炭素は、平均繊維径が200~900nmであってアスペクト比が30以上の繊維状炭素である。
なお、この繊維状炭素は、全体として繊維状の形態を有していればよく、例えば、上記アスペクト比の好ましい範囲未満のものが接触したり結合したりして一体的に繊維形状を持っているもの(例えば、球状炭素が数珠状に連なっているもの、極めて短い少なくとも1本または複数本の繊維が融着等によりつながっているものなど)も含む。
(1)熱可塑性樹脂及び炭素前駆体から成る樹脂組成物を溶融状態で成形することにより、炭素前駆体を繊維化して樹脂複合繊維を得る工程、
(2)前記樹脂複合繊維を安定化し、樹脂複合安定化繊維を得る安定化工程、
(3)樹脂複合安定化繊維から前記熱可塑性樹脂を除去して安定化繊維のみを分離する熱可塑性樹脂除去工程、
(4)安定化繊維を不活性雰囲気下で加熱して炭素化乃至黒鉛化して繊維状炭素を得る炭化焼成工程。
この繊維状炭素の製造方法で使用する熱可塑性樹脂は、樹脂複合繊維を製造することができるとともに、熱可塑性樹脂除去工程において容易に除去される必要がある。このような熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルカーボネート、ポリサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、ポリ乳酸が例示される。これらの中でも、ポリオレフィンが好ましく用いられる。
炭素前駆体としてはメソフェーズピッチを用いることが好ましい。以下、炭素前駆体としてメソフェーズピッチを用いる場合について説明する。メソフェーズピッチとは、溶融状態において光学的異方性相(液晶相)を形成しうるピッチである。使用するメソフェーズピッチとしては、石炭や石油の蒸留残渣を原料とするものや、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料とするものが挙げられる。例えば、石炭由来のメソフェーズピッチは、コールタールピッチの水素添加・熱処理を主体とする処理、水素添加・熱処理・溶剤抽出を主体とする処理等により得られる。
この繊維状炭素の製造方法において用いられる、熱可塑性樹脂とメソフェーズピッチとから成る樹脂組成物(以下、メソフェーズピッチ組成物ともいう)は、熱可塑性樹脂100質量部とメソフェーズピッチ1~150質量部とを含んで成ることが好ましい。メソフェーズピッチの含有量は5~100質量部であることがより好ましい。メソフェーズピッチの含有量が150質量部を超えると所望の分散径を有する樹脂複合繊維が得られず、1質量部未満であると目的とする繊維状炭素を安価に製造することができない等の問題が生じるため好ましくない。
上記のメソフェーズピッチ組成物から樹脂複合繊維を製造する方法としては、所望の繊維状炭素が作製できれば限定されないが、メソフェーズピッチ組成物を紡糸口金より溶融紡糸する方法、メソフェーズピッチ組成物を矩形口金より溶融製膜する方法を例示することができる。
また、伸長によるひずみを加える方法としては、メソフェーズピッチが溶融した状態において、溶融状態のメソフェーズピッチ組成物の線速度を、吐出側に向けて大きくしていく方法が挙げられる。具体的には、口金流路内の断面積を吐出側に向けて漸減させる方法や、口金から吐出されたメソフェーズピッチ組成物を、吐出線速度よりも大きな線速度で引き取る方法などが挙げられる。
上記のようにして得られた樹脂複合繊維は、該樹脂複合繊維に含まれるメソフェーズピッチ繊維を安定化(不融化ともいう)して樹脂複合安定化繊維が作製される。安定化は、空気、酸素、オゾン、二酸化窒素、ハロゲンなどを用いるガス気流処理、酸性水溶液などを用いる溶液処理など公知の方法で行うことができるが、生産性の面からガス気流処理による不融化が好ましい。
次に、上述のようにして得られる樹脂複合安定化繊維は、その中に含まれる熱可塑性樹脂が除去されて安定化繊維が分離される。この工程では、安定化繊維の熱分解を抑制しながら、熱可塑性樹脂を分解・除去する。熱可塑性樹脂を分解・除去する方法としては、例えば、溶剤を用いて熱可塑性樹脂を除去する方法や、熱可塑性樹脂を熱分解して除去する方法が挙げられる。
上記安定化繊維を不活性雰囲気下で炭素化及び/又は黒鉛化することにより繊維状炭素が得られる。その際に使用する容器としては、黒鉛製のルツボ状のものが好ましい。ここで、炭素化とは比較的低温(好ましくは1000℃程度)で加熱することをいい、黒鉛化とはさらに高温で加熱(好ましくは3000℃程度)することにより黒鉛の結晶を成長させることをいう。
上記繊維状炭素の製造方法は、粉砕処理工程を有していても良い。粉砕処理は、熱可塑性樹脂除去工程、及び/又は、炭化焼成工程において実施するのが好ましい。粉砕方法としては、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、インペラーミル、カッターミル等の微粉砕機を適用することが好ましく、粉砕後に必要に応じて分級を行ってもよい。湿式粉砕の場合、粉砕後に分散媒体を除去するが、この際に2次凝集が顕著に生じるとその後の取り扱いが非常に困難となる。このような場合は、乾燥後、ボールミルやジェットミル等を用いて解砕操作を行うことが好ましい。
(繊維状炭素以外の炭素系導電助剤)
本発明の電極合剤層は、上記の繊維状炭素の他に炭素系導電助剤を含むことが好ましい。繊維状炭素以外の炭素系導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、鱗片状炭素、グラフェン、グラファイトを挙げることができる。これらの炭素系導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
本発明の電極合剤層は、バインダーを含むことが好ましい。バインダーとしては、電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有しているバインダーであれば用いることが可能である。係るバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、フェノール樹脂等よりなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。
以下、本発明の電極合剤層を備える非水電解質二次電池用電極について説明する。
なお、以下、非水電解質二次電池用電極を単に「電極」ともいう。
もう一つの方法は、上記被覆正極活物質、上記繊維状炭素、バインダー、バインダーを溶解する溶媒、及び必要に応じて他の成分を混合してスラリーを調製し、このスラリーを集電体表面に塗布して溶媒を除去した後、プレスを行う方法である。
本発明の場合、どちらの方法も採用できるが、後者の方法が好適であるので、以下後者の方法について詳述する。
集電体の厚みとしては、10~50μmが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の電極合剤層を含んで構成される。非水電解質二次電池としては、リチウムイオン二次電池、リチウム電池、リチウムイオンポリマー電池が例示される。
非水電解質二次電池を構成する電解質層としては、非水溶媒にリチウム塩等の電解質が溶解した非水電解液が用いられる。本発明の非水電解質二次電池に用いられる電解液の25℃における電気伝導度は、1×10-2S/cm以上であることが好ましい。
非水電解質二次電池を構成する負極活物質としては、リチウム系電池において、負極活物質として知られている従来公知の材料(リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料)の中から、1種又は2種以上選択して用いることができる。例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料として、炭素材料や、Si及び/又はSnを含む合金や酸化物などを用いることができる。これらの中でもコストなどの観点からは炭素材料が好ましい。上記炭素材料としては、天然黒鉛、石油系及び石炭系コークスを熱処理することで製造される人造黒鉛、樹脂を炭素化したハードカーボン、メソフェーズピッチ系炭素材料などが挙げられる。
上記のような非水電解液を用いる場合、負極活物質層と本発明の電極合剤層とが直接接触することを防ぐために、セパレータを用いることが一般的である。セパレータの形状としては、紙状(フィルム状)、多孔膜状等の公知の形状を好適に採用することができる。セパレータの材質としては、例えば、セルロース、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリイミド、ポリオレフィン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンスルファイドからなる群より選ばれる1種類以上の材質を好適に用いることができる。これらの中でも、耐熱性と薄膜化の観点から、セルロース紙、芳香族ポリアミド又は脂肪族ポリイミド多孔膜が好ましい。セパレータの膜厚としては、短絡防止の観点から20~100μm程度であることが好ましいが、本発明では従来のセパレータに比べて十分薄い5~20μm程度のセパレータの適用も可能である。薄いセパレータを用いた方がセパレータに由来する内部抵抗が低減されるため出力が向上し、セルのエネルギー密度も向上する。
卓上電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式NeoScope JCM-6000)を用いて観察及び写真撮影を行った。繊維状炭素等の平均繊維径は、得られた電子顕微鏡写真から無作為に300箇所を選択して繊維径を測定し、それらのすべての測定結果(n=300)の平均値を平均繊維径とした。平均実効長についても同様に算出した。
X線回折測定はリガク社製RINT-2100を用いてJIS R7651法(2007年度)に準拠し、格子面間隔(d002)、結晶子長さ(La)、グラフェン(網平面群)の厚さ(Lc)(六角網面積層方向)を測定した。
体積抵抗率の測定はダイヤインスツルメンツ社製の粉体抵抗システム(MCP-PD51)を用いて、0.50~10.00kNの荷重下で四探針方式の電極ユニットを用いて測定した。体積抵抗率は充填密度の変化に伴う体積抵抗率の関係図から充填密度が2.0g/cm3時の体積抵抗率の値を試料の体積抵抗率とした。
熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(HI-ZEX(登録商標)5000SR、(株)プライムポリマー製;350℃、600s-1の溶融粘度14Pa・s)90質量部及び熱可塑性炭素前駆体として合成メソフェーズピッチAR・MPH(三菱ガス化学(株)製)10質量部を、同方向二軸押出機(東芝機械(株)製「TEM-26SS」、バレル温度310℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂組成物を調製した。
メソフェーズピッチの熱可塑性樹脂中への分散径は0.05~2μmであった。また、このメソフェーズピッチ組成物を300℃で10分間保持したが、メソフェーズピッチの凝集は認められず、分散径は0.05~2μmであった。
次いで、このメソフェーズピッチ組成物を、幅0.2mmのスリット幅、スリット長さ100mm、導入角60°の矩形口金を用いて厚み60μmの面状体に成形した。口金温度は340℃、吐出量は2.4kg/時間、せん断速度は1360s-1、吐出線速度と引取り速度との比率であるドラフト比は25、吐出口から冷却ドラムまでの距離は50mmであった。この条件での口金内部での伸長ひずみ速度は95s-1であり、口金外部での伸長ひずみ速度は208s-1であった。得られた面状体を用いて、目開き1.46mm、線径0.35mmの金網上に、短繊維の目付けが30g/m2になるように不織布状に配置した。
この樹脂複合繊維から成る不織布を215℃で3時間保持することにより、樹脂複合安定化繊維を得た。
以上のような黒鉛化処理を経て得られた繊維状炭素の繊維径は、200~600nm(平均繊維径300nm)であり、実効繊維長と繊維径との比から計算されるアスペクト比は101であり、非常に分散性に優れた繊維状炭素(炭素繊維)であった。また、X線回折法で測定した結果から、繊維状炭素の格子面間隔(d002)は0.3367nm、結晶子長さ(La)は185nm、網平面群の厚さ(Lc002)は80nmであり、結晶性の高い繊維状炭素であった。
公知の技術に従い、水熱法によりリン酸鉄リチウムを作製した。ブタンガスを100ml/minでフローさせ、700℃で5分間処理し、炭素をリン酸鉄リチウムの粒子表面にコーティングすることで、正極活物質Aを作製した。ブタンガスのフロー時間を10分間とした以外は、正極活物質Aと同様に操作を行うことで、正極活物質Bを作製した。炭素をコーティングしないものを正極活物質Cとした。正極活物質A、B、Cの被覆炭素量とかさ密度2.0g/cm3時の粉体体積抵抗を表1に示す。被覆炭素量が多いほど粉体体積抵抗が低くなっており、活物質自体の導電性向上、すなわち活物質の表面集電性向上につながると考えられる。
また、正極活物質A、B、Cの粉体体積抵抗測定の結果を図1に示す。
製造例1の繊維状炭素(CNF)を2質量部、製造例2の被覆正極活物質Aを91質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製、W#7200)を7質量部、溶媒としてN-メチルピロリドンを用いてスラリーを作製した。作製したスラリーを集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)に塗布後、120℃で3h乾燥させることで電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は112μm、密度は2.5g/cm3であった。
この電極の電極合剤層を、溶媒に溶解し、乾燥後、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX-200)を用いて撮影した写真の中から代表的なものを図2に示す。繊維状炭素の平均実効長は19.6μm(アスペクト比=65)であった。また、これの実効長を測定した繊維状炭素集合体のヒストグラムを図3に示す。実効長が平均実効長よりも長い繊維状炭素の含有量は、繊維状炭素全体に対して本数基準で37.5%であった。
また、図4に、アスペクト比に対する電気伝導度の値をプロットした。
製造例1の繊維状炭素(CNF)を1.5質量部、製造例2の被覆正極活物質Aを91.5質量部用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は110μm、密度は2.5g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)を1.8質量部、炭素系導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒子径=36nm)を0.2質量部用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は112μm、密度は2.5g/cm3であった。
製造例2の被覆正極活物質Aの代わりに製造例2の被覆正極活物質Bを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は122μm、密度は2.4g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)を1.5質量部、製造例2の被覆正極活物質Bを91.5質量部用いたこと以外は実施例4と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は125μm、密度は2.4g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)を1質量部、製造例2の被覆正極活物質Bを92質量部用いたこと以外は実施例4と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は118μm、密度は2.4g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)に代えてMWCNT(平均繊維径=150nm、平均実効長=7.5μm、アスペクト比=50)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は116μm、密度は2.5g/cm3であった。
また、図4に、アスペクト比に対する電気伝導度の値をプロットした。
MWCNTを1.5質量部、製造例2の被覆正極活物質Aを91.5質量部用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は115μm、密度は2.5g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)に代えてアセチレンブラック(平均粒子径=36nm、アスペクト比=1)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は110μm、密度は2.5g/cm3であった。
アセチレンブラックを1.5質量部、製造例2の被覆正極活物質Aを91.5質量部用いたこと以外は比較例3と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は110μm、密度は2.5g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)に代えて、当該繊維状炭素(CNF)を粉砕(株式会社スギノマシン社製、スターバースト)し、平均実効長5.5μmの繊維状炭素(S-CNF、アスペクト比=18)を得た。この繊維状炭素を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は123μm、密度は2.5g/cm3であった。
製造例1の繊維状炭素(CNF)を含まず、製造例2の被覆正極活物質Bを93質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製、W#7200)を7質量部用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は123μm、密度は2.4g/cm3であった。
製造例2の被覆正極活物質Aに代えて、被覆処理を施していない製造例2の正極活物質Cを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。電極を構成する電極合剤層の膜厚は123μm、密度は2.4g/cm3であった。
ポテンショスタット/ガルバノスタット(北斗電工株式会社製HA-151)を用いて、作製した電極の膜厚方向の電極抵抗を測定した結果と、その抵抗値から算出される電気伝導度を表2に示す。また、被覆正極活物質AまたはBを用い、導電助剤添加量が2質量%の電極について、炭素系導電助剤のアスペクト比と、電極の電気伝導度/導電助剤添加量の関係を図4に示す。表2および図4より、炭素被覆された被覆正極活物質A又はBを用い、かつ、アスペクト比が30以上の繊維状炭素(CNF)を用いる場合、電極の電気伝導度(電極電導度)が極めて高かった。
表1および図1より、被覆正極活物質の表面集電性が良好であることが示唆される。一方、表2および図4より、アスペクト比が30以上の繊維状炭素を用いた電極合剤層の電気伝導度が非常に良好であることがわかり、さらに正極活物質として被覆正極活物質を用いることにより、より良好な電気伝導度を達成できることがわかる。
したがって、被覆正極活物質と、アスペクト比が30以上の繊維状炭素を組み合わせた電極合剤層とすることにより、活物質の表面集電性と、電極合剤層内における長距離の電子伝導ネットワーク形成と、を両立させた電極合剤層を作製することができる。このような電極合剤層を用いることで、高容量化を可能とする厚膜電極でありながら、高出力化も同時に達成する長距離電子伝導性を有するため、高容量かつ高出力の非水電解質二次電池を提供することができる。
Claims (8)
- 正極活物質と前記正極活物質の表面を被覆する導電材とから成る被覆正極活物質と、
平均繊維径が本数基準で220~400nmであって、平均実効長が本数基準で10~70μmであり、平均実効長よりも長い実効長を有する繊維状炭素の含有割合が本数基準で42%以下であり、実効長分布(本数基準)におけるピークトップが1つである繊維状炭素と、
を含有することを特徴とする非水電解質二次電池用電極合剤層。 - 前記繊維状炭素がピッチ系炭素である請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層。
- 前記被覆正極活物質の充填密度2.0g/cm3時における粉体体積抵抗が、1.0×106Ω・cm以下である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層。
- 前記導電材が炭素からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層。
- 前記繊維状炭素の含有量が0.5~10質量%である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層。
- 平均粒子径(一次粒子径)が10~100nmの炭素系導電助剤を5質量%以下含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層。
- 集電体と、
前記集電体に積層された請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層と、
から成る非水電解質二次電池用電極。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極合剤層を含んで構成される非水電解質二次電池。
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