JP7307741B2 - 硬化性低硫黄液体ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

硬化性低硫黄液体ゴム組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、引用によりその全内容を本明細書に援用する2018年3月26日に出願された米国特許出願15/935,262号の利益を主張する。
発明の分野
本発明の態様は、硬化性低硫黄液体ゴム組成物、及び、特に、過酸化物系で硬化可能な低硫黄液体ゴム組成物、並びにその製造方法を対象とする。
液体ゴム組成物は、自動車産業において、接着剤、封止剤、及び/又は音響減衰材料として一般的に使用されている。このような組成物は、室温(25℃)で液体であるが、架橋反応により硬化し固体エラストマー組成物を提供可能な一種又は複数種のポリマーを含むため、「液体ゴム組成物」と呼ばれる。液体ゴム組成物の対象とする目的に応じて、さまざまな種類の液体ゴム組成物を使用することができる。これらの組成物のための架橋剤は、一般的に、硫黄又は硫黄化合物である。自動車車体工場や塗装工場では、これらの液体ゴム組成物は、通常、145℃~190℃の範囲の温度で硬化される。しかし、145℃~190℃の温度で液体ゴム組成物を硬化させる方法は、環境に悪影響をもたらす。
したがって、環境への悪影響を低減する、改善された液体ゴム組成物が大いに望まれている。
本発明の態様は、硬化性低硫黄液体ゴム組成物、及び、特に、過酸化物系で硬化可能な低硫黄液体ゴム組成物、並びにその製造方法に関する。発明者らは、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する、少なくとも一種の有機過酸化物を含む過酸化物系を使用することで、かなりの量の硫黄を使用しなくても、比較的低温(例えば、100℃~140℃)で、ビニル基を含む一種又は複数種の液体ポリマーを基にした組成物を有効に硬化させることが可能であることを発見した。
本発明の種々の例示的な態様を以下のように要約することができる。
態様1:炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合形態で含むポリマーであって、前記ポリマーは、1%~90%のビニル含有量及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーと;
60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する、少なくとも一つの有機過酸化物を含む過酸化物系と;
を含む硬化性低硫黄液体ゴム組成物であって、
前記組成物は、0~1重量%の硫黄含有量を有し、かつ、100℃~140℃の温度で硬化可能である、組成物。
態様2:前記ポリマーが、ブタジエンを重合形態で含む、態様1に記載の組成物。
態様3:前記ポリマーが、ブタジエン及びスチレンを重合形態で含む、態様1に記載の組成物。
態様4:前記ポリマーが、液体ポリブタジエン及び液体スチレン-ブタジエンコポリマーのうち少なくとも一つを含み、かつ、少なくとも10%の1,2-ビニル含有量を有する、態様1に記載の組成物。
態様5:前記少なくとも一つの過酸化物が、ペルオキシケタール、過酸化ジアシル、及びペルオキシエステルからなる群から選択される、態様1に記載の組成物。
態様6:前記過酸化物系が、少なくとも二つの有機過酸化物を含む、態様1に記載の組成物。
態様7:前記少なくとも二つの有機過酸化物が、ペルオキシケタール、過酸化ジアシル、及びペルオキシエステルからなる群から選択される、態様6に記載の組成物。
態様8:前記少なくとも二つの過酸化物が、1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン、及び過酸化ジベンゾイルからなる群から選択される、態様6に記載の組成物。
態様9:前記組成物が、架橋に適した、硫黄又は硫黄化合物以外の、0.5重量%~15重量%の少なくとも一つの助剤をさらに含む、態様1に記載の組成物。
態様10:前記少なくとも一つの助剤が、アクリレート、メタクリレート、ビスマレイミド、ビニルエステル、アリル化合物、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、態様9に記載の組成物。
態様11:前記組成物が、110℃~140℃の温度で硬化可能である、態様1に記載の組成物。
態様12:前記組成物が、120℃~140℃の温度で硬化可能である、態様11に記載の組成物。
態様13:前記組成物が、前記組成物の硬化を促進するのに適した添加剤又は助剤をさらに含む、態様1に記載の組成物。
態様14:前記組成物が、鉱油又は芳香族系油を含まない、態様1に記載の組成物。
態様15:100℃~140℃の温度で硬化した態様1に記載の組成物を含む、架橋低硫黄ゴム。
態様16:前記硬化した架橋低硫黄ゴムが、1重量%超の硫黄含有量を提供するのに有効な量の硫黄又は硫黄化合物を用い、過酸化物系なしで硬化した類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも2.0dNm大きいねじりせん断差を有する、態様15に記載の架橋低硫黄ゴム。
態様17:態様1に記載の硬化性低硫黄液体ゴム組成物を加熱により硬化させる工程;
を含む、硬化した低硫黄ゴムを製造する方法であって、前記硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、かつ、0~1重量%の硫黄含有量を有する方法。
態様18:炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合して、1%~90%のビニル含有量、及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーを生成する工程;及び
前記生成されたポリマー及び過酸化物系を基にして、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を調製する工程;
を含む、架橋低硫黄ゴムを製造する方法であって、前記過酸化物系は、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する、少なくとも一つの有機過酸化物を含み、ここで、前記硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、0~1重量%の硫黄含有量を有する方法。
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことで、最も良く理解される。図面には、以下の図が含まれる:
図1は、160℃において加硫中の、様々なゴム樹脂の反応速度曲線を示すグラフである。 図2は、140℃において加硫中の、様々なゴム樹脂の反応速度曲線を示すグラフである。 図3は、加硫系又は本発明の態様による様々な過酸化物系による硬化に基づく、Ricon(登録商標)131を含む液体ゴム組成物の反応速度曲線を示すグラフである。 図4は、加硫系又は本発明の態様による過酸化物系による硬化に基づく、Ricon(登録商標)156を含む液体ゴム組成物の反応速度曲線を示すグラフである。 図5は、加硫系又は本発明の態様による様々な過酸化物系による硬化に基づく、Ricon(登録商標)142を含む液体ゴム組成物の反応速度曲線を示すグラフである。 図6は、加硫系又は本発明の態様による様々な過酸化物系による硬化に基づく、Ricon(登録商標)150又はRicon(登録商標)100を含む液体ゴム組成物の反応速度曲線を示すグラフである。
本発明の態様は、過酸化物系で硬化可能な低硫黄液体ゴム組成物、及びその製造方法に関する。硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、接着剤、封止剤、及び/又は音響減衰用途としての使用に良く適している。本発明の態様を使用することで、100℃~150℃の温度で硬化可能な硬化性低硫黄ゴム組成物を得ることができ、これは、150℃~190℃の典型的な温度での硬化に関する環境への悪影響を低減し、及び/又は最小化する。さらに、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、大幅に低減された架橋剤及び/又は促進剤の量で硫黄含有量を最小限にしながら(例えば、配合物の硫黄の含有量は1.0重量%未満である)硬化させることができる。
本発明の一態様によれば、少なくとも一つのポリマー及び過酸化物系を含む、硬化性低硫黄液体ゴム組成物が提供される。ポリマーは、炭素原子数4の炭素鎖を有する、少なくとも一つのモノマーから生成される。好ましい実施態様によれば、ポリマーは25℃において液体である。ポリマーは、ブタジエンモノマー、スチレンモノマー、及び/又はその他のジエンモノマーを、重合した形で含むことができる。例えば、ポリマーは、ブタジエンホモポリマー(ポリブタジエン)であってもよく、又は、ブタジエン及びスチレンモノマーのコポリマーであってもよい。ポリマーは、1%~90%のビニル含有量、又は、例えば、5%~85%、10%~80%、15%~75%、20%~70%、25%~65%、30~60%等のビニル含有量を有することができる。一実施態様では、ポリマーは、液体ポリブタジエン及び液体スチレン-ブタジエンコポリマーのうち少なくとも一つを含み、ここで、ポリマーは、少なくとも10%の1,2-ビニル含有量を有する。さらに、ポリマーは、800g/mol~15,000g/molの数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される)を有することができる。好ましくは、ポリマーの数平均分子量は、1000g/mol~10,000g/molである。上記の特性の一つ以上を有する二つ以上の異なるポリマーの組み合わせが、硬化性低硫黄液体ゴム組成物において利用され得る。
硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、過酸化物系を含む。特定の過酸化物又は有機過酸化物の組み合わせを選択することにより、増加された架橋密度を有利に有しながら、硫黄含有量(例えば、1%以下の硫黄含有量)及び架橋剤の量を低減しつつ、硬化したゴム組成物が得られることが発見された。過酸化物系は、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する少なくとも一つの有機過酸化物を含む。表1は、例示的な有機過酸化物の一覧を提供し、表中の最初の3つの有機過酸化物は、本発明での使用のために適した10時間半減期分解温度を有する。
「半減期」は、特定の温度での有機過酸化物の分解速度を表す、便利な方法である。最初に存在していた有機過酸化物の半分が、任意の特定の温度において分解するのに必要な時間が測定される。これらの時間測定は、いくつかの温度において実施することができる。得られたデータを、時間を単位とした半減期対温度として対数用紙に描くと、直線が得られる。この線から、所定の有機過酸化物の半分が、10時間で分解する温度を内挿することができる。これが、10時半減期分解温度として知られている。
当技術分野では、有機過酸化物の正確な10時間分解半減期温度は、使用される試験条件によって、多少変化し得ることが認識されている。例えば、使用する溶媒系及び有機過酸化物の濃度は、測定される10時間分解半減期温度への比較的小さな影響を有し得る。本明細書で使用する場合、有機過酸化物の10時間分解半減期温度は、以下の文献で報告されているような10時間分解半減期温度である:“Peroxide Vulcanization of Elastomers”, P. R. Dluzneski, Rubber Chemistry and Technology, vol. 74 (2001), pp. 451-492。特定の有機過酸化物の10時間分解半減期温度が前述の文献に記載されていない場合、その10時間分解半減期温度は、モノクロロベンゼン中の0.1mol/Lの濃度の有機過酸化物を用いて測定される10時間半減期分解温度とする。
Figure 0007307741000001
特定の実施形態によれば、硬化性低硫黄液体ゴム組成物中に存在する過酸化物系は、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する一又は複数の有機過酸化物からなる(すなわち、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する1つ以上の有機過酸化物以外の有機過酸化物を含まない)。一実施形態では、過酸化物系は、ペルオキシケタール(例えば、1,1'-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、又はジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン)、過酸化ジアシル(例えば、過酸化ジベンゾイル、又は過酸化ジラウロイル)、及びペルオキシエステル(例えば、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、又はtert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート)からなる群から選択される少なくとも一つの過酸化物を含む。別の実施形態では、過酸化物系は、ペルオキシケタール(例えば、1,1'-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、又はジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン)、過酸化ジアシル(例えば、過酸化ジベンゾイル)、及びペルオキシエステルからなる群から選択される過酸化物からなる。
過酸化物系は、二つ以上の有機過酸化物を含むことができる。例えば、過酸化物系は、ペルオキシケタール(例えば、1,1'-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、又はジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン)、過酸化ジアシル(例えば、過酸化ジベンゾイル、又は過酸化ジラウロイル)、及びペルオキシエステル(例えば、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、又はtert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート)からなる群から選択される少なくとも二つの過酸化物を含むことができる。好ましくは、過酸化物系の二つ以上の過酸化物は、1,1'-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1'-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン、及び過酸化ジベンゾイルからなる群から選択される。
硬化性低硫黄液体ゴム組成物中に存在する過酸化物系の量は、使用する過酸化物の種類、ポリマーの反応性、助剤(存在する場合)の種類及び反応性、並びに要求される硬化特性及び目標の硬化ゴムの特性、並びにその他の要因によって変化する。しかしながら、典型的には、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、1~14phrの量の過酸化物系を含むことができる。本明細書で使用される場合、「phr」という用語は樹脂100重量部に対する重量部を意味し、ここで、樹脂は、硬化性低硫黄ゴム組成物中に存在する反応性ポリマー(例えば、液体ポリブタジエンポリマー)、又は反応性(架橋性)ポリマーの組み合わせである。
硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、硫黄又は硫黄化合物以外の、架橋のために適した少なくとも一つの助剤を含むことができる。助剤は、一分子あたり一つ又は複数のエチレン性不飽和部位(炭素-炭素二重結合)を含むことができ、アクリレート、メタクリレート、ビスマレイミド、ビニルエステル、アリル化合物、及びそれらの誘導体からなる群から選択されることができる。本発明の好ましい実施形態では、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は合計で0phr~30phrの助剤を含む。別の実施形態では、低硫黄液体ゴム組成物は、0.5~15重量%の助剤を含んでもよい。しかしながら、一実施形態では、適切な硬化は、硬化を促進するための相当量の助剤なしで、例えば、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満の低硫黄液体ゴム組成物の硬化促進のための添加剤で、得ることができる。有利には、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、0~3重量%の硫黄含有量を有する。好ましくは、低硫黄液体ゴム組成物の硫黄含有量は、0~0.9重量%であり、より好ましくは0~0.75重量%であり、より好ましくは0~0.6重量%であり、又は、より好ましくは0~0.5重量%である。
硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、150℃以下の温度で硬化可能であるように適合されている。例えば、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は最適な架橋密度を有するように、100℃~150℃の温度で2時間以下、加熱されてもよい。例えば、低硫黄液体ゴム組成物は、最適な架橋密度を有するように、100℃~140℃の温度範囲で、例えば、105℃~135℃、110℃~130℃、又は115~125℃で、2時間以下、加熱されてもよい。さらに又は代わりに、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、硬化したゴム組成物のねじりせん断差が6dNm以上(例えば、6dNm以上のトルクの変化として測定される)になるまで、100℃~150℃の温度で2時間以下、液体ゴム組成物を加熱することによって、硬化されることができる。例えば、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃、105℃~135℃、110℃~130℃、又は115~125℃の温度範囲で、液体ゴム組成物を2時間以下、加熱することによって、6dNm以上のねじりせん断力差を有するように硬化されてもよい。一実施形態では、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、上記の範囲の温度で、液体ゴム組成物を2時間以下、加熱することによって、8dNm以上のねじりせん断力差を有するように硬化されてもよい。別の実施形態では、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、上記の範囲の温度で、液体ゴム組成物を2時間以下、加熱することによって、12dNm以上のねじりせん断力差を有するように硬化されてもよい。
少なくとも1つの液体ゴム樹脂を基にした配合によって達成される架橋度は、公知の最先端技術により、ロータレスねじりせん断レオメータを使用することで推定することができる。そのような装置は、試料の架橋反応中に試料の変形抵抗によって生成される力を測定する。この力は、トルクとして測定される(単位:dNm)。ロータレスねじりせん断レオメータによって提供されるデータから計算されるトルクの差は、液体ゴム組成物の架橋密度にほぼ比例する。
本発明の別の態様によれば、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を製造するための方法が提供される。この方法は、炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合して、1%~90%のビニル含有量及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーを製造することを含むことができる。代わりに、適切なポリマーは、Total Cray Valley(商標)等の会社から商業的に入手することができる。
さらに、この方法は、製造した/得られたポリマーと、過酸化物系とを組み合わせることで、硬化性低硫黄液体組成物を調製することを含む。過酸化物系は、上述のように、60℃~100℃の範囲の10時間分解半減期温度を有する、少なくとも一つの有機過酸化物を含む。望ましくは、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、0~1重量%の硫黄含有量を有する。添加剤及び助剤は、当業者に知られた処理工程を用いて、本明細書で議論されるように、硬化性低硫黄液体組成物に組み込まれることができる。
本発明のさらなる態様によれば、硬化した低硫黄ゴムが提供される。硬化した低硫黄ゴムは、本明細書で開示されるように硬化性低硫黄液体ゴム組成物を加熱することにより、硬化性低硫黄液体ゴム組成物の硬化によって得られる。硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、有利には、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、0~1重量%の硫黄含有量を有する。このような硬化の結果として、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、固体エラストマー(ゴム状の)組成物に変換される(例えば、架橋反応によって)。典型的には、硬化は、少なくともポリマー成分を伴う、所望の架橋反応を開始するのに有効な温度に、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を加熱することよって達成される。
選択的に、特定の最終用途(例えば、接着剤及び封止剤用途)に必要な、又は望まれた最終特性を達成するために、硬化性低硫黄液体ゴム組成物に、一種又は複数種の追加の成分が含まれてもよい。このような選択的な追加成分の例示列挙は、以下のとおり:
-一種又は複数種の固体ゴム又は固体エラストマー;
-充填材、好ましくは、一部の過酸化物の分解を防止/低減するために、熱処理又はシラン、樹脂、若しくはカチオン種で処理された充填材;
-粘着性付与剤及び/又はカップリング剤;
-官能化液体ゴム樹脂(例えば、マレイン化液体ポリブタジエン樹脂)のような接着促進剤;
-パラフィン油のような可塑剤又は伸展油;及び/又は
-熱、熱酸化、及び/又はオゾン劣化に対する安定剤。
本発明の特定の実施形態によれば、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、少なくとも一つの充填材、特に、少なくとも一つの無機充填材を含む。適切な充填材は、硬化性液体ゴム組成物に関する、当技術分野で既知の任意の充填材を包含し、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、マイカ、酸化カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム等が挙げられる。前述の充填材は、一部の過酸化物の分解を防止又は低減するために、熱処理され、又はシラン、樹脂、若しくはカチオン種で処理されることができる。硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、例えば、75phrまでの充填材を含むことができる。
硬化した架橋低硫黄ゴムは、好ましくは、1重量%超の硫黄含有量が提供されるのに有効な硫黄又は硫黄化合物の量を用いて、過酸化物系なしで硬化した、類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも2.0dNm大きいねじりせん断力を有する。一実施形態では、硬化した架橋低硫黄ゴムは、好ましくは、1重量%超の硫黄含有量が提供されるのに有効な硫黄又は硫黄化合物の量を用いて、過酸化物系なしで硬化した、類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも6.0dNm大きいトルク差を有する。別の実施形態では、硬化した架橋低硫黄ゴムは、好ましくは、1重量%超の硫黄含有量が提供されるのに有効な硫黄又は硫黄化合物の量を用いて、過酸化物系なしで硬化した、類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも8.0dNm大きいトルク差を有する。さらに他の実施形態では、硬化した架橋低硫黄ゴムは、好ましくは、1重量%超の硫黄含有量が提供されるのに有効な硫黄又は硫黄化合物の量を用いて、過酸化物系なしで硬化した、類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも12.0dNm大きいトルク差を有する。
本発明の硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、自動車又はその他の乗り物の用途等における、振動及び/又は音響ノイズの低減を目的とした材料の製造に特に有用である。硬化状態の硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、音響減衰特性を有する。当技術分野で既知の、又は従来の塗工、成形(molding)、成形(shaping)、形成又は含侵方法のいずれかを使用して、本発明に係る硬化性低硫黄液体ゴム組成物から得られる、硬化したゴムを含む物品を製造することができる。例えば、本発明の硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、エラストマー製品又はエラストマー部品を一般的に含む複合製品を備える、音響減衰部品、ベルト、ホース、ゴムローラ、工業製品、振動マウント、タイヤ等の製造に利用することができる。本発明の硬化性低硫黄液体ゴム組成物を、接着剤、封止剤及び塗工剤として使用することも考えられる。一実施形態では、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、吹付け、浸漬、ローラ塗工などの適切な技術を用いて、基材表面(例えば、金属シート、パネル又は他のそのような構成要素)に適用され、その後、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を硬化させる温度に加熱される。したがって、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、吹付けによって適用できる粘度を有するように、配合することができる。例えば、硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、ロボットシステムのような自動適用システムを用いて吹付け可能にしてもよい。
明確かつ簡潔な明細書の記載を可能にする形で、本明細書中に実施態様が説明されているが、しかし実施態様は本発明を逸脱することなしに種々に組み合わせ又は分離し得ることが意図されており、そしてこのことは言うまでもない。例えば、言うまでもなく、本明細書中に記載された全ての好ましい特徴は、本明細書中に記載された本発明の全ての態様に適用することができる。
いくつかの実施態様では、本明細書中の発明は、硬化性低硫黄液体ゴム組成物の基本的で新規の特徴、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を用いるプロセス、又は硬化性低硫黄液体ゴム組成物を用いて作られる物品に実質的に影響を与えないエレメント又はプロセス工程を排除するものと解釈することができる。加えて、いくつかの実施態様では、本発明は、本明細書中で特定されないいかなるエレメント又はプロセス工程をも排除するものと解釈することができる。
本発明は本明細書中で特定の実施態様に関連して例示され説明されてはいるものの、本発明は、示された詳細に限定されるものではない。むしろ、請求項の均等物の範囲内で、そして本発明を逸脱することなしに、種々の変更を詳細に加えることができる。
以下の非限定的な例は、本発明の態様から得られる利点を説明する目的で提供される。
<例1>
液体ゴム組成物は、架橋剤として作用する硫黄又は硫黄含有化合物(例えば、組成物の総重量の4%を超える量);硬化及び架橋密度を最適化する促進剤及び/又は超促進剤(例えば、配合物の総重量の1.0%~7.0%の量);及び活性剤系(例えば、ZnO/ステアリン酸化合物)を含む加硫系を用いて加硫することができる。液体ゴム組成物中の硫黄及び促進剤の総量は、一般的に、5重量%より多い。以下に示す表2は、液体ゴム組成物を加硫するための典型的な配合を提供する。TBBSは、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドであり、TMTDはテトラメチルチウラムジスルフィドである。
Figure 0007307741000002
以下の表3は、Total Cray Valley(商標)によって製造された、ブタジエンの低分子量ホモポリマー及びブタジエンとスチレンモノマーのコポリマーである、様々なRICON(登録商標)ポリマーを示す。
Figure 0007307741000003
AlphatechnologiesのPremier(商標)RPAのような動的機械粘弾性試験装置を使用して加硫速度を決定し、二つの異なる温度で(図1及び2を参照)液体ゴム組成物の架橋密度を推定した。このようなレオメータは、試験片の架橋反応中に、試験片の変形抵抗によって生成される力を測定する。この力は、トルクとして測定される(単位:dNm)。ロータレスねじりせん断レオメータによって提供されるデータから計算されたトルク差は、液体ゴム組成物の架橋密度にほぼ比例する。
大量の硫黄と促進剤を使用することにより(例えば、10重量%を超える硫黄と促進剤)を使用することにより、液体スチレン-ブタジエンコポリマー及び液体ポリブタジエンは、140℃~160℃の温度で架橋した。しかしながら、全ての硬化したゴム組成物の架橋密度は、この硬化温度範囲では(例えば、8dNm未満のトルク値によって示されるように)低いままであった。
<例2>
上記のPremier(商標)RPA装置を使用して、有機過酸化物を含む過酸化物系を使用したいくつかのRICON(登録商標)ポリマーの架橋密度を評価した。RICON(登録商標)131ポリマーを含む硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、表4に示す過酸化物系で硬化された。ねじりせん断力によって決定される、低硫黄液体ゴム組成物の架橋密度を評価し、図3にグラフとして示した。
Figure 0007307741000004
RICON(登録商標)131ポリマーの1,2-ビニル基含有量は35%未満だった。図3に示すように、RICON(登録商標)131を含む低硫黄液体ゴム組成物は、標準的な有機過酸化物との反応性は高くなかった。しかしながら、3つの過酸化物系は、硫黄を含む加硫系よりも高い架橋密度を提供することが示された。さらに、過酸化物系によってRICON(登録商標)131を含む液体ゴム組成物を硬化するために使用された架橋剤の量は、大幅に、例えば約26%減少し、高い架橋量を達成するために促進剤は必要なかった。2つの有機過酸化物を含む過酸化物系は、140℃以下の温度でRICON(登録商標)131を含む低硫黄液体ゴム組成物を硬化させるのに非常に効果的であった。さらに、2つの有機過酸化物を使用した過酸化物系は、最も高い量の架橋を生成した。
<例3>
RICON(登録商標)156ポリマーを含む液体ゴム組成物は、液体ゴム組成物が過酸化物系を使用して130℃の温度で硬化できるかどうかを決定するために、過酸化物系又は加硫系のいずれかを使用して硬化した。以下の表5は、この例で試験した液体ゴム組成物の詳細を示す。
Figure 0007307741000005
図4に示すように、硫黄を基にした加硫系によって140℃の温度で硬化させたゴム組成物の架橋密度は、過酸化物系によって130℃の温度で硬化させた低硫黄ゴム組成物の架橋密度よりもはるかに低かった。さらに、過酸化物系による低硫黄ゴム組成物の硬化の間に関与する生成物の量は、硫黄を基にした加硫系によるゴム組成物の硬化の間に関与する生成物の量と比較して、大幅に(例えば、50%超)減少した。
<例4>
RICON(登録商標)142ポリマーを含む液体ゴム組成物を、過酸化物系又は加硫系を使用して硬化し、高いビニル含有量を有する液体ゴム組成物の硬化によって生成する架橋密度を評価した。RICON(登録商標)142ポリマーは、約55%のビニル含有量を有する。RICON(登録商標)142を含む液体ゴム組成物を表6に示す。図5は、RICON(登録商標)142ポリマーを含むゴム組成物の硬化中の(測定されたトルク差によって示される)架橋密度を比較するグラフを示す。
Figure 0007307741000006
約55%のビニル含有量を有し、RICON(登録商標)142を含む、液体ゴム組成物を過酸化物系によって硬化させると、硫黄を基にした加硫系によって硬化させたゴム組成物に比べて非常に大きな架橋密度を有する硬化したゴム組成物が生成することが判明した。1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサンと、ジ(t-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサンとを組み合わせることによって、硬化のために使用された化学成分の量を3.5倍超削減しながら、硬化したゴム組成物の架橋密度は(標準的な加硫系と比較して)3倍に増加した。
<例5>
RICON(登録商標)150、又はRICON(登録商標)100を含む液体ゴム組成物は、過酸化物系又は硫黄を基にした加硫系によって硬化され、硫黄を基にした加硫系と比較して過酸化物系によって生成された架橋密度が評価された。液体ゴム組成物の配合を表7に提供し、液体ゴム組成物の硬化中の架橋密度を比較するグラフを図6に提供する。
Figure 0007307741000007
有利には、過酸化物系、及び高いビニル含有量を有する液体ポリブタジエン(例えば、RICON(登録商標)150)、又は高いビニル含有量を有するスチレン-ブタジエンコポリマー(例えば、RICON(登録商標)100)を用いることによって、高い架橋密度及び、著しく低減された架橋剤の量(硫黄を基にした加硫系を用いて硬化された類似のゴム組成物と比較して、約70%少ない架橋剤)を有する硬化された低硫黄ゴム組成物が得られることが観察された。これらの結果は、120℃及び130℃の硬化温度で観察された。
<例6>
液体ゴム樹脂及び過酸化物系を基にした硬化性組成物のさらなる研究が、その硬化速度をさらに改善するために(硫黄加硫系と比較して)、実施された。以下に、液体ゴム樹脂を基にした、140℃で(両方の種類の架橋系によって)硬化された組成物の例を示す:
液体ゴム組成物は、過酸化物系又は硫黄を基にした加硫系によって140℃で硬化され、好ましい過酸化物系による硬化の効果と比較された。表8は、液体ゴム組成物の配合を提供する。
Figure 0007307741000008
過酸化物系によって硬化された低硫黄ゴム組成物は、硫黄を基にした加硫系によって硬化されたゴム組成物の硬度と硬化時間とほぼ等しい硬度と硬化時間を有していた。しかしながら、過酸化物系によって硬化された低硫黄ゴム組成物は、有利には、硫黄を基にした加硫系によって硬化されたゴム組成物よりも38%少ない架橋剤を含んでいた。
本開示は、更に以下の態様を含んでいる:
《態様1》
炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合形態で含むポリマーであって、前記ポリマーは、1%~90%のビニル含有量及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーと;
60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する、少なくとも一つの有機過酸化物を含む過酸化物系と;
を含む硬化性低硫黄液体ゴム組成物であって、
前記組成物は、0~1重量%の硫黄含有量を有し、かつ、100℃~140℃の温度で硬化可能である、組成物。
《態様2》
前記ポリマーが、ブタジエンを重合形態で含む、態様1に記載の組成物。
《態様3》
前記ポリマーが、ブタジエン及びスチレンを重合形態で含む、態様1に記載の組成物。
《態様4》
前記ポリマーが、液体ポリブタジエン及び液体スチレン-ブタジエンコポリマーのうち少なくとも一つを含み、かつ、少なくとも10%の1,2-ビニル含有量を有する、態様1に記載の組成物。
《態様5》
前記少なくとも一つの過酸化物が、ペルオキシケタール、過酸化ジアシル、及びペルオキシエステルからなる群から選択される、態様1に記載の組成物。
《態様6》
前記過酸化物系が、少なくとも二つの有機過酸化物を含む、態様1に記載の組成物。
《態様7》
前記少なくとも二つの有機過酸化物が、ペルオキシケタール、過酸化ジアシル、及びペルオキシエステルからなる群から選択される、態様6に記載の組成物。
《態様8》
前記少なくとも二つの過酸化物が、1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン、及び過酸化ジベンゾイルからなる群から選択される、態様5に記載の組成物。
《態様9》
前記組成物が、架橋に適した、硫黄又は硫黄化合物以外の、0.5重量%~15重量%の少なくとも一つの助剤をさらに含む、態様1に記載の組成物。
《態様10》
前記少なくとも一つの助剤が、アクリレート、メタクリレート、ビスマレイミド、ビニルエステル、アリル化合物、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、態様9に記載の組成物。
《態様11》
前記組成物が、110℃~140℃の温度で硬化可能である、態様1に記載の組成物。
《態様12》
前記組成物が、120℃~140℃の温度で硬化可能である、態様11に記載の組成物。
《態様13》
前記組成物が、前記組成物の硬化を促進するのに適した添加剤又は助剤をさらに含む、態様1に記載の組成物。
《態様14》
前記組成物が、鉱油又は芳香族系油を含まない、態様1に記載の組成物。
《態様15》
100℃~140℃の温度で硬化した態様1に記載の組成物を含む、架橋低硫黄ゴム。
《態様16》
前記硬化した架橋低硫黄ゴムが、1重量%超の硫黄含有量を提供するのに有効な量の硫黄又は硫黄化合物を用い、過酸化物系なしで硬化した類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも2.0dNm大きいねじりせん断差を有する、態様15に記載の架橋低硫黄ゴム。
《態様17》
態様1に記載の硬化性低硫黄液体ゴム組成物を加熱により硬化させる工程;
を含む、硬化した低硫黄ゴムを製造する方法であって、前記硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、かつ、0~1重量%の硫黄含有量を有する方法。
《態様18》
炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合して、1%~90%のビニル含有量、及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーを生成する工程;及び
前記生成されたポリマー及び過酸化物系を基にして、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を調製する工程;
を含む、架橋低硫黄ゴムを製造する方法であって、前記過酸化物系は、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有する、少なくとも一つの有機過酸化物を含み、ここで、前記硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、0~1重量%の硫黄含有量を有する方法。

Claims (13)

  1. 炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合形態で含むポリマーであって、前記ポリマーは、1%~90%のビニル含有量及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーと;
    60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有し、かつ1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン、及び過酸化ジベンゾイルからなる群から選択される、少なくともつの有機過酸化物を含む過酸化物系と;
    を含む硬化性低硫黄液体ゴム組成物であって、
    前記組成物は、0~1重量%の硫黄含有量を有し、かつ、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、
    前記ポリマーが、ブタジエンを重合形態で含む、
    組成物。
  2. 前記ポリマーが、ブタジエン及びスチレンを重合形態で含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリマーが、液体ポリブタジエン及び液体スチレン-ブタジエンコポリマーのうち少なくとも一つを含み、かつ、少なくとも10%の1,2-ビニル含有量を有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記組成物が、架橋に適した、硫黄又は硫黄化合物以外の、0.5重量%~15重量%の少なくとも一つの助剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記少なくとも一つの助剤が、アクリレート、メタクリレート、ビスマレイミド、ビニルエステル、アリル化合物、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
  6. 前記組成物が、110℃~140℃の温度で硬化可能である、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、120℃~140℃の温度で硬化可能である、請求項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、前記組成物の硬化を促進するのに適した添加剤又は助剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記組成物が、鉱油又は芳香族系油を含まない、請求項1に記載の組成物。
  10. 100℃~140℃の温度で硬化した請求項1に記載の組成物を含む、架橋低硫黄ゴム。
  11. 前記硬化した架橋低硫黄ゴムが、1重量%超の硫黄含有量を提供するのに有効な量の硫黄又は硫黄化合物を用い、過酸化物系なしで硬化した類似の架橋硫黄ゴムよりも、少なくとも2.0dNm大きいねじりせん断差を有する、請求項10に記載の架橋低硫黄ゴム。
  12. 請求項1に記載の硬化性低硫黄液体ゴム組成物を加熱により硬化させる工程;
    を含む、硬化した低硫黄ゴムを製造する方法であって、前記硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、かつ、0~1重量%の硫黄含有量を有する方法。
  13. 炭素原子数4の炭素鎖を有する少なくとも一つのモノマーを重合して、1%~90%のビニル含有量、及び800g/mol~15,000g/molの数平均分子量を有するポリマーを生成する工程;及び
    前記生成されたポリマー及び過酸化物系を基にして、硬化性低硫黄液体ゴム組成物を調製する工程;
    を含む、架橋低硫黄ゴムを製造する方法であって、
    前記過酸化物系は、60℃~100℃の10時間分解半減期温度を有し、かつ1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン、及び過酸化ジベンゾイルからなる群から選択される、少なくともつの有機過酸化物を含み、
    ここで、前記硬化性低硫黄液体ゴム組成物は、100℃~140℃の温度で硬化可能であり、0~1重量%の硫黄含有量を有しており、
    前記ポリマーが、ブタジエンを重合形態で含む、
    方法。
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