JP2016006138A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】空気入りタイヤにおいては、カーカス層の外側にベルト層がタイヤ1周に亘って配置されている。ベルト層は、金属コードとこれを被覆するゴムとからなる。該ゴムは、優れた操縦安定性、補強性、低転がり性を付与するために高硬度、高破断物性、低発熱性であることが必要である。また、優れた耐久性も求められる。【解決手段】天然ゴム90質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積が5〜150m2/gのカーボンブラックを30〜80質量部、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜20質量部、硫黄を3〜10質量部および有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部配合してなるゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、硬度、破断物性、発熱性、耐久性に優れるとともに、加工性も良好なゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
乗用車やトラック、バスなどの空気入りタイヤにおいては、カーカス層の外側にベルト層がタイヤ1周に亘って配置されている。ベルト層は、例えばスチールコードのような金属コードと、該金属コードを被覆するゴムとからなる。このような金属コードを被覆するゴムは、優れた操縦安定性、補強性、低転がり性を付与するために高硬度、高破断物性、低発熱性であることが必要である。また、タイヤの使用期間が長期化する中で、優れた耐久性も求められる。
一方、操縦安定性、低燃費性、接着性を改善するために、ゴム組成物にフェノール系樹脂とその硬化剤を配合する技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術のゴム組成物では、前記各特性が依然として十分なレベルに到達していない。
一方、操縦安定性、低燃費性、接着性を改善するために、ゴム組成物にフェノール系樹脂とその硬化剤を配合する技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術のゴム組成物では、前記各特性が依然として十分なレベルに到達していない。
したがって本発明の目的は、硬度、破断物性、発熱性、耐久性に優れるとともに、加工性も良好なゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラック、特定の特性を有するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂、硫黄および有機酸コバルト塩を特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム90質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜150m2/gのカーボンブラックを30〜80質量部、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜20質量部、硫黄を3〜10質量部および有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
2.フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂が、フェノールで変性したC9系石油樹脂であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をベルト層に使用した空気入りタイヤ。
2.フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂が、フェノールで変性したC9系石油樹脂であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をベルト層に使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラック、特定の特性を有するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂、硫黄および有機酸コバルト塩を特定量でもって配合したので、硬度、破断物性、発熱性、耐久性に優れるとともに、加工性も良好なゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、90質量部以上であることが必要であり、95質量部以上であることがさらに好ましい。なお、NRおよびIR以外のジエン系ゴムを使用することもでき、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。なおジエン系ゴムは、水素添加していないものを使用するのが好ましい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、本発明の効果の観点から、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、90質量部以上であることが必要であり、95質量部以上であることがさらに好ましい。なお、NRおよびIR以外のジエン系ゴムを使用することもでき、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。なおジエン系ゴムは、水素添加していないものを使用するのが好ましい。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性を同時に向上させるために、窒素吸着比表面積(N2SA)は5〜150m2/gであることが必要であり、該効果をさらに高めるという観点から、10〜140m2/gであるのが好ましく、20〜120m2/gであるのがさらに好ましい。
なお窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
本発明で使用されるカーボンブラックは、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性を同時に向上させるために、窒素吸着比表面積(N2SA)は5〜150m2/gであることが必要であり、該効果をさらに高めるという観点から、10〜140m2/gであるのが好ましく、20〜120m2/gであるのがさらに好ましい。
なお窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
(フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂)
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある。また、該C9系石油樹脂は、常温で液体である。
C9系石油樹脂とは、よく知られているように、ナフサの熱分解によって得られるC9 留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂である。典型的なC9系石油樹脂は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、インデン、メチルインデンおよびジシクロペンタジエンから選択された1種以上をモノマー単位として構成されている。
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、C9留分をフェノール系化合物の存在下でカチオン重合して得ることができる。フェノール系化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等が挙げられ、中でも本発明の効果が向上するという観点から、フェノールが好ましい。
ここで、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の重量平均分子量Mwが200未満あるいは1000を超えると、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性を同時に向上させることができない。軟化点が−40℃未満あるいは20℃を超える場合でも、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性を同時に向上させることができない。
前記重量平均分子量は、ポリスチレン換算のGPC法により測定され、軟化点は、JIS K6220−1に規定されたリングアンドボール法により測定される。
なお、本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、市販されているものを使用することができ、例えばRutgers社製ノバレスL100、ノバレスL800、ノバレスA1200、ノバレスLC60等が挙げられる。
フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合によって、該樹脂と有機酸コバルト塩との相互作用が生じ、有機酸コバルト塩の触媒作用が増強するとともに、ゴムを老化させる遊離コバルトがトラップされ、ゴム自体の耐久性を高めるものと推測される。
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある。また、該C9系石油樹脂は、常温で液体である。
C9系石油樹脂とは、よく知られているように、ナフサの熱分解によって得られるC9 留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂である。典型的なC9系石油樹脂は、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、インデン、メチルインデンおよびジシクロペンタジエンから選択された1種以上をモノマー単位として構成されている。
本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、C9留分をフェノール系化合物の存在下でカチオン重合して得ることができる。フェノール系化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等が挙げられ、中でも本発明の効果が向上するという観点から、フェノールが好ましい。
ここで、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の重量平均分子量Mwが200未満あるいは1000を超えると、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性を同時に向上させることができない。軟化点が−40℃未満あるいは20℃を超える場合でも、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性を同時に向上させることができない。
前記重量平均分子量は、ポリスチレン換算のGPC法により測定され、軟化点は、JIS K6220−1に規定されたリングアンドボール法により測定される。
なお、本発明で使用するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂は、市販されているものを使用することができ、例えばRutgers社製ノバレスL100、ノバレスL800、ノバレスA1200、ノバレスLC60等が挙げられる。
フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合によって、該樹脂と有機酸コバルト塩との相互作用が生じ、有機酸コバルト塩の触媒作用が増強するとともに、ゴムを老化させる遊離コバルトがトラップされ、ゴム自体の耐久性を高めるものと推測される。
(有機酸コバルト塩)
本発明で使用される有機酸コバルト塩は、ベルト層とゴムの耐水接着性を高める作用を有する。有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、リノール酸コバルト、リノレイン酸コバルト、パルミチン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸三ネオデカン酸コバルト等が挙げられる。
本発明で使用される有機酸コバルト塩は、ベルト層とゴムの耐水接着性を高める作用を有する。有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、リノール酸コバルト、リノレイン酸コバルト、パルミチン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸三ネオデカン酸コバルト等が挙げられる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜150m2/gのカーボンブラックを30〜80質量部、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜20質量部、硫黄を3〜10質量部および有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が悪化し、80質量部を超えると破断物性、発熱性、加工性が悪化する。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると老化後のモジュラス変化率が大きくなり、好ましくない。
硫黄の配合量が3質量部未満であると、耐久性が悪化し、10質量部を超えると硬度、破断物性が悪化する。
有機酸コバルト塩の配合量が3質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると耐久性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜150m2/gのカーボンブラックを30〜80質量部、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜20質量部、硫黄を3〜10質量部および有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が悪化し、80質量部を超えると破断物性、発熱性、加工性が悪化する。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると老化後のモジュラス変化率が大きくなり、好ましくない。
硫黄の配合量が3質量部未満であると、耐久性が悪化し、10質量部を超えると硬度、破断物性が悪化する。
有機酸コバルト塩の配合量が3質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると耐久性が悪化する。
前記カーボンブラックのさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、40〜75質量部である。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、3〜20質量部である。
前記硫黄のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜10質量部である。
前記有機酸コバルト塩のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜5質量部である。
前記フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、3〜20質量部である。
前記硫黄のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜10質量部である。
前記有機酸コバルト塩のさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜5質量部である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;熱硬化性樹脂並びにその硬化剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;熱硬化性樹脂並びにその硬化剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性に優れることから、ベルト層を被覆するゴムに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜4および比較例1〜7
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ムーニー粘度:前記未加硫のゴム組成物を用い、JIS K6300に従い、100℃における未加硫ゴムの粘度を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
JIS A硬度:JIS K6253に準拠して20℃で測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど高硬度であることを示す。
引張試験:JIS K6251(JIS 3号ダンベル)に基づき、室温にて引張試験を実施し、引張強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。結果は比較例1を100として指数で示した。指数が大きいほど強度が高いことを示す。
tanδ(60℃):(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が低いほど、低発熱性であることを示す。
老化後モジュラス変化率:JIS K6251(3号ダンベル使用)に従い、何も処理しない3号ダンベルに対し室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラス(M100@標準)を測定する。これとは別に、ギアオーブンにて80℃96時間老化した後の3号ダンベルに対し、室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラス(M100@老化)を測定する。M100@老化とM100@標準との比を計算し、老化後モジュラス変化率とする。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、耐熱老化性に優れることを示す。
ベルト間の剥離力:JIS K6256「金属片と加硫ゴムの90度はく離試験」の規定に準拠し、真鍮板に対する剥離力を、引張速さ50mm/minの条件で測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど、剥離力に優れることを示す。
結果を表1に併せて示す。
JIS A硬度:JIS K6253に準拠して20℃で測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど高硬度であることを示す。
引張試験:JIS K6251(JIS 3号ダンベル)に基づき、室温にて引張試験を実施し、引張強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。結果は比較例1を100として指数で示した。指数が大きいほど強度が高いことを示す。
tanδ(60℃):(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が低いほど、低発熱性であることを示す。
老化後モジュラス変化率:JIS K6251(3号ダンベル使用)に従い、何も処理しない3号ダンベルに対し室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラス(M100@標準)を測定する。これとは別に、ギアオーブンにて80℃96時間老化した後の3号ダンベルに対し、室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラス(M100@老化)を測定する。M100@老化とM100@標準との比を計算し、老化後モジュラス変化率とする。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、耐熱老化性に優れることを示す。
ベルト間の剥離力:JIS K6256「金属片と加硫ゴムの90度はく離試験」の規定に準拠し、真鍮板に対する剥離力を、引張速さ50mm/minの条件で測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど、剥離力に優れることを示す。
結果を表1に併せて示す。
*1:NR(STR20)
*2:カーボンブラック(新日化カーボン(株)製ニテロン#G、窒素吸着比表面積(N2SA)=80m2/g)
*2’:カーボンブラック(三菱化学社製商品名#3400B。窒素吸着比表面積(N2SA)=165m2/g)
*3:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*4:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*5:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルNH−60)
*6:樹脂−1(Rutgers社製ノバレスL800、フェノールで変性したC9系石油樹脂、Mw=300、軟化点−40〜−30℃、水酸基価=0.1wt%、常温で液体)
*7:樹脂−2(Rutgers社製ノバレスC90、クマロンインデン樹脂、Mw=2000、軟化点20〜30℃、水酸基価=0.0wt%、常温で固体)
*8:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*9:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*10:レゾルシンホルマリン樹脂(日立化成(株)製、分子量1000g/mol)
*11:HMMM(CYTEC INDUSTRIES製CYREZ 964RPC、ヘキサメトキシメチロールメラミン)
*2:カーボンブラック(新日化カーボン(株)製ニテロン#G、窒素吸着比表面積(N2SA)=80m2/g)
*2’:カーボンブラック(三菱化学社製商品名#3400B。窒素吸着比表面積(N2SA)=165m2/g)
*3:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*4:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*5:アロマオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルNH−60)
*6:樹脂−1(Rutgers社製ノバレスL800、フェノールで変性したC9系石油樹脂、Mw=300、軟化点−40〜−30℃、水酸基価=0.1wt%、常温で液体)
*7:樹脂−2(Rutgers社製ノバレスC90、クマロンインデン樹脂、Mw=2000、軟化点20〜30℃、水酸基価=0.0wt%、常温で固体)
*8:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*9:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*10:レゾルシンホルマリン樹脂(日立化成(株)製、分子量1000g/mol)
*11:HMMM(CYTEC INDUSTRIES製CYREZ 964RPC、ヘキサメトキシメチロールメラミン)
上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜4で得られたゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の特性を有するカーボンブラック、特定の特性を有するフェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂、硫黄および有機酸コバルト塩を特定量でもって配合したので、従来の代表的な比較例1に対し、硬度、破断物性、発熱性、耐久性、加工性に優れ、またベルト層に対する剥離力も良好となる。
これに対し、比較例2は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断物性、発熱性、加工性が悪化した。
比較例3は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、各種物性が改善されなかった。
比較例4は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、老化後のモジュラス変化率、ベルト間剥離力が悪化した。
比較例5は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を使用せず、その替わりに未変性のクマロンインデン樹脂を使用した例であるので、硬度、破断物性、発熱性が悪化した。
比較例6は、硫黄の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度、破断物性、発熱性が悪化した。
比較例7は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、破断物性、発熱性、老化後のモジュラス変化率、加工性が悪化した。
これに対し、比較例2は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断物性、発熱性、加工性が悪化した。
比較例3は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、各種物性が改善されなかった。
比較例4は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、老化後のモジュラス変化率、ベルト間剥離力が悪化した。
比較例5は、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を使用せず、その替わりに未変性のクマロンインデン樹脂を使用した例であるので、硬度、破断物性、発熱性が悪化した。
比較例6は、硫黄の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度、破断物性、発熱性が悪化した。
比較例7は、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が本発明で規定する範囲外であるので、破断物性、発熱性、老化後のモジュラス変化率、加工性が悪化した。
Claims (3)
- 天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム90質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が5〜150m2/gのカーボンブラックを30〜80質量部、重量平均分子量Mwが200〜1000であり、かつ軟化点が−40〜20℃の範囲にある、フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂を1〜20質量部、硫黄を3〜10質量部および有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
- フェノール系化合物で変性したC9系石油樹脂が、フェノールで変性したC9系石油樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物をベルト層に使用した空気入りタイヤ。
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JP2014127095A JP2016006138A (ja) | 2014-06-20 | 2014-06-20 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
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JP2021063185A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
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2014
- 2014-06-20 JP JP2014127095A patent/JP2016006138A/ja active Pending
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