[第1実施形態]
一例として図1および図2に示すように、乳房撮影装置10は、被検者Hの乳房Mを被写体とする。乳房撮影装置10は、乳房MにX線、γ線といった放射線Rを照射して、乳房Mの放射線画像RI(図11参照)を撮影する。乳房撮影装置10は、本開示の技術に係る「放射線診断装置」の一例である。また、乳房Mは、本開示の技術に係る「撮影部位」の一例である。
乳房撮影装置10は、装置本体11と制御装置12とを備える。装置本体11は、例えば医療施設の放射線撮影室98(図24等参照)に設置される。制御装置12は、例えば放射線撮影室98の隣室の制御室に設置される。制御装置12は、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。制御装置12は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク13を介して、画像データベース(以下、DB(Data Base)と略す)サーバ14と通信可能に接続されている。画像DBサーバ14は、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)サーバであり、乳房撮影装置10から放射線画像RIを受信し、受信した放射線画像RIを蓄積管理する。
ネットワーク13には、端末装置15も接続されている。端末装置15は、例えば、放射線画像RIを用いて診察を行う医師が使用するパーソナルコンピュータである。端末装置15は、画像DBサーバ14から放射線画像RIを受信し、受信した放射線画像RIをディスプレイに表示する。
装置本体11は、スタンド20とアーム21とを有する。スタンド20は、放射線撮影室98の床面に設置される台座20Aと、台座20Aから高さ方向に延びる支柱20Bとで構成される。アーム21は横から見た形状が略C字状であり、接続部21Aを介して支柱20Bに接続されている。この接続部21Aにより、アーム21は支柱20Bに対して高さ方向に移動可能で、被検者Hの身長に応じた高さ調節が可能となっている。また、アーム21は、接続部21Aを貫く、支柱20Bに垂直な回転軸回りに回転可能である。
アーム21は、線源収容部22、撮影台23、および本体部24で構成される。線源収容部22には放射線源25が収容されている。撮影台23には乳房Mが載せられる。撮影台23には放射線検出器26が収容されている。本体部24は、線源収容部22と撮影台23とを一体的に接続する。本体部24は、線源収容部22と撮影台23とを対向する位置に保持する。本体部24の両サイドには、被検者Hの手が掴まれる手すり27が設けられている。
本体部24には、間接照明ランプ28が取り付けられている。間接照明ランプ28は、被検者Hの不安を和らげるために、暖色系の仄暗い間接照明光を支柱20Bに向けて照射する。なお、間接照明ランプ28は、支柱20Bの外面および/または内部に取り付けられていてもよい。この場合、間接照明ランプ28は、間接照明光を本体部24に向けて照射する。
放射線源25は、放射線管29と、放射線管29を収容するハウジング30とで構成される。ハウジング30内は絶縁油で満たされている。放射線管29は、撮影台23に載せられた乳房Mに向けて放射線Rを照射する。放射線検出器26は、乳房Mを透過した放射線Rを検出して放射線画像RIを出力する。
線源収容部22と撮影台23との間には、照射野限定器31が設けられている。照射野限定器31はコリメータとも呼ばれ、撮影台23への放射線Rの照射野を規定する。
線源収容部22には、フェイスガード32が取り付けられている。フェイスガード32は、放射線Rを透過しない材料で形成またはコーティングされており、被検者Hの顔を放射線Rから防護する。
撮影台23と照射野限定器31との間には、圧迫板33が取り付けられている。圧迫板33は、放射線Rを透過する材料で形成されている。圧迫板33は、撮影台23と対向する位置に配置されている。圧迫板33は、図示省略した昇降スイッチの操作に応じて、撮影台23に向かう方向と撮影台23から離間する方向とに移動可能である。圧迫板33は、撮影台23に向かって移動して、撮影台23との間で乳房Mを挟み込んで圧迫する。
支柱20B内には、放射線管29に印加する管電圧を発生する管電圧発生器(図示省略)が設けられている。また、支柱20B内には、管電圧発生器から延びる電圧ケーブル(図示省略)が配設されている。電圧ケーブルは、さらに接続部21Aからアーム21を通って線源収容部22内に導入され、放射線管29に接続される。
照射野限定器31の圧迫板33と対向する外面には、紫外線源34が設けられている。より詳しくは、紫外線源34は、フェイスガード32の裏側の照射野限定器31の外面に設けられている。一例として図3に示すように、紫外線源34は、中心波長200nm以上280nm以下の紫外線UVを、フェイスガード32および圧迫板33等に向けて照射する。紫外線源34としては、エキシマランプ等の石英管を用いた一般的な紫外線ランプの他、LED(Light Emitting Diode)、またはLD(Laser Diode)等を採用することができる。
フェイスガード32および圧迫板33は、紫外線UVを透過する材料で形成されている。紫外線UVを透過する材料としては、例えばAGC株式会社製の製品名「サイトップ(登録商標)」が挙げられる。このため、紫外線UVは、フェイスガード32の裏面からフェイスガード32内に入射し、被検者Hの顔と対面するフェイスガード32の表面を照射する。また、紫外線UVは、圧迫板33の裏面から圧迫板33内に入射し、乳房Mが接する圧迫板33の表面を照射する。さらに、圧迫板33を透過した紫外線UVは、乳房Mが載せられる撮影台23を照射する。すなわち、本例においては、主として撮影台23、フェイスガード32、および圧迫板33に紫外線UVが照射される。
一例として図4に示すように、放射線管29は、陰極40と陽極41とを有している。陰極40は電子を放出する。陽極41は、電子が衝突することで放射線Rを発する。陰極40と陽極41とは、略円筒形状の真空のガラス管42に収容されている。陰極40は冷陰極である。より詳しくは、陰極40は、電界放出現象を利用して、陽極41に向けて電子線EBを放出する電子放出源を有する電界放出型である。陽極41は、回転機構により回転する回転陽極である。なお、回転せずに位置が固定された固定陽極を用いてもよい。
陰極40と陽極41との間には、管電圧発生器からの管電圧が印加される。管電圧の印加により、陰極40から陽極41に向けて電子線EBが放出される。そして、電子線EBが衝突した陽極41の点(以下、焦点)Fから、放射線Rが発せられる。放射線Rは、ガラス管42に設けられた照射窓43から外部に照射される。
撮影台23の部分を示す図5において、放射線検出器26は検出面44を有する。検出面44は、乳房Mを透過した放射線Rを検出する面である。より詳しくは、検出面44は、放射線Rを電気信号に変換する画素が二次元配列された二次元平面である。このような放射線検出器26は、FPD(Flat Panel Detector)と呼ばれる。放射線検出器26は、放射線Rを可視光に変換するシンチレータを有し、シンチレータが発する可視光を電気信号に変換する間接変換型でもよいし、放射線Rを直接電気信号に変換する直接変換型でもよい。
一例として図6および図7に示すように、照射野限定器31には、放射線管29からの放射線Rが入射する入射開口45と、放射線Rが出射する出射開口46とが形成されている。出射開口46の近傍には、4枚の遮蔽板47(図6および図7では3枚のみ図示)が設けられている。遮蔽板47は、放射線Rを遮蔽する材料、例えば鉛等で形成されている。遮蔽板47は、四角形の各辺上に配置、換言すれば井桁状(checkered pattern)に組まれており、放射線Rを透過させる四角形の照射開口を形成する。照射野限定器31は、各遮蔽板47の位置を変更することで照射開口の大きさを変化させ、これにより撮影台23への放射線Rの照射野を変更する。
照射野限定器31内には、照射野ランプ48とミラー49が設けられている。照射野ランプ48は、例えば橙色の可視光Lをミラー49に向けて発する。図7に示すように、ミラー49は可視光Lを反射する。ミラー49は、例えばアクリル板にアルミ膜を蒸着してなる。ミラー49で反射された可視光Lは、照射野を表す光として、出射開口46を通じて撮影台23に向けて照射される。ミラー49は、図6に示す放射線Rの照射時は、入射開口45および出射開口46から外れた位置に退避している。なお、放射線Rの線質を変更するためのフィルタを照射野限定器31内に設けてもよい。
図8~図10は、乳房撮影装置10における乳房Mの撮影方式の一例を示す。図8は第1頭尾方向(CC(Craniocaudal view)_A)撮影、図9は第2頭尾方向(CC_B)撮影、図10は内外斜位方向(MLO;Mediolateral Oblique view)撮影である。
図8において、CC_A撮影は、乳房Mを挟んで放射線管29(放射線源25)が真上に配置され、撮影台23(放射線検出器26)が真下に配置された状態において、撮影台23と圧迫板33とで、乳房Mを上下に挟み込んで圧迫して撮影する撮影方式である。この場合、放射線検出器26は、放射線画像RIとしてCC_A画像を出力する。このCC_A撮影における放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度を0°とする。
図9において、CC_B撮影は、乳房Mを挟んで放射線管29(放射線源25)が真下に配置され、撮影台23(放射線検出器26)が真上に配置された状態において、撮影台23と圧迫板33とで、乳房Mを上下に挟み込んで圧迫して撮影する撮影方式である。この場合、放射線検出器26は、放射線画像RIとしてCC_B画像を出力する。このCC_B撮影における放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度は180°である。
図10において、MLO撮影は、撮影台23と圧迫板33とで、乳房Mを60°~90°の範囲の角度で斜めに挟み込んで圧迫して撮影する撮影方式である。この場合、放射線検出器26は、放射線画像RIとしてMLO画像を出力する。このMLO撮影における放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度は60°~90°である。なお、図8~図10においては、右の乳房Mを示しているが、もちろん左の乳房Mの撮影も可能である。
一例として図11に示すように、制御装置12を構成するコンピュータは、ストレージ55、メモリ56、CPU(Central Processing Unit)57、ディスプレイ58、および入力デバイス59等を備えている。
ストレージ55は、制御装置12を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブル、ネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブである。もしくはストレージ55は、ハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージ55には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種データ等が記憶されている。なお、ハードディスクドライブに代えてソリッドステートドライブを用いてもよい。
メモリ56は、CPU57が処理を実行するためのワークメモリである。CPU57は、ストレージ55に記憶されたプログラムをメモリ56へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
ディスプレイ58は各種画面を表示する。各種画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。制御装置12を構成するコンピュータは、各種画面を通じて、入力デバイス59からの操作指示の入力を受け付ける。入力デバイス59は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
ストレージ55には作動プログラム65が記憶されている。作動プログラム65は、コンピュータを制御装置12として機能させるためのアプリケーションプログラムである。ストレージ55には、作動プログラム65の他に、照射条件テーブル66およびオーダー別照射条件情報67等が記憶されている。
作動プログラム65が起動されると、制御装置12のCPU57は、メモリ56等と協働して、受付部70、リードライト(以下、RW(Read Write)と略す)制御部71、制御部72、画像処理部73、および表示制御部74として機能する。
受付部70は、入力デバイス59を介してオペレータOP(図24等参照)により入力される様々な操作指示を受け付ける。例えば受付部70は撮影メニュー80を受け付ける。受付部70は、撮影メニュー80をRW制御部71に出力する。
RW制御部71は、受付部70から撮影メニュー80を受け取る。RW制御部71は、受け取った撮影メニュー80に対応する照射条件81を、照射条件テーブル66から読み出す。RW制御部71は、照射条件テーブル66から読み出した照射条件81を、オーダー別照射条件情報67に書き込む。
制御部72は、放射線源25(放射線管29)、放射線検出器26、照射野限定器31、および紫外線源34の動作を制御する。制御部72は、オーダー別照射条件情報67から照射条件81を読み出す。制御部72は、照射条件81にしたがって照射野限定器31を動作させ、照射野を調整する。また、制御部72は、照射条件81にしたがって放射線管29を動作させ、放射線管29から放射線Rを照射させる。制御部72は、放射線Rの照射により放射線検出器26で検出された放射線画像RIを、放射線検出器26から画像処理部73に出力させる。
画像処理部73は、放射線検出器26から放射線画像RIを受け取る。画像処理部73は、放射線画像RIに対して各種画像処理を施す。画像処理部73は、画像処理後の放射線画像RIを表示制御部74に出力する。表示制御部74は、画像処理部73から放射線画像RIを受け取る。表示制御部74は、放射線画像RIをディスプレイ58に表示する。
一例として図12に示すように、撮影メニュー80は、撮影オーダーID(Identification Data)、撮影方式、乳房Mの大きさ、および乳房Mの形状を含む。撮影オーダーIDは、放射線画像RIを用いて診察を行う医師が発行した撮影オーダーの識別情報である。撮影方式は、図8~図10で示したCC_A撮影、CC_B撮影、およびMLO撮影のうちのいずれかである。乳房Mの大きさは、大、中、および小のうちのいずれかである。乳房Mの形状は、円形、横長、および縦長のうちのいずれかである。撮影オーダーには、撮影方式、乳房Mの大きさ、および乳房Mの形状が登録されている。なお、乳房Mの大きさと形状は、撮影オーダーおよび撮影メニュー80に含まれていなくてもよい。
撮影オーダーは、図示省略した放射線情報システム(RIS;Radiology Information System)から制御装置12に送信される。制御装置12は、表示制御部74の制御の下、撮影オーダーのリストをディスプレイ58に表示する。オペレータOPは、撮影オーダーのリストを閲覧して内容を確認する。続いて制御装置12は、撮影オーダーに対応する撮影メニューを設定可能な形態でディスプレイ58に表示する。オペレータOPは、入力デバイス59を操作することで、撮影オーダーに応じた撮影メニューを選択して入力する。
一例として図13に示すように、照射条件テーブル66には、撮影方式、乳房Mの大きさ、および乳房Mの形状の組み合わせ毎に照射条件81が登録されている。照射条件81は、管電圧、管電流、照射時間、および照射野サイズである。撮影メニュー80に乳房Mの大きさと形状が含まれていない場合は、照射条件テーブル66は、撮影方式毎に照射条件81が登録されたものとなる。なお、管電流と照射時間の代わりに、管電流照射時間積、いわゆるmAs値を照射条件81としてもよい。
一例として図14に示すように、オーダー別照射条件情報67には、撮影オーダーID毎に照射条件81が登録されている。また、オーダー別照射条件情報67には、ステータスの項目が設けられている。ステータスには、当該撮影オーダーの放射線画像RIの撮影が完了したことを示す「完了」、当該撮影オーダーの放射線画像RIを撮影中であることを示す「撮影中」、当該撮影オーダーの放射線画像RIの撮影前であることを示す「撮影前」がある。
一例として図15に示すように、受付部70は、入力デバイス59を介してオペレータOPから入力される点灯指示信号85を受け付ける。受付部70は、点灯指示信号85を受け付けた旨を制御部72に出力する。この場合、制御部72は、紫外線源34の動作を制御して、紫外線UVを照射させる。
また、一例として図16に示すように、受付部70は、入力デバイス59を介してオペレータOPから入力される消灯指示信号86を受け付ける。受付部70は、消灯指示信号86を受け付けた旨を制御部72に出力する。この場合、制御部72は、紫外線源34の動作を制御して、紫外線UVの照射を停止させる。つまり、本第1実施形態においては、オペレータOPの指示によって紫外線UVの照射および照射停止を切り替える。
次に、上記構成による作用について、図17~図19に示すフローチャートを参照して説明する。作動プログラム65が起動されると、図11で示したように、制御装置12のCPU57が、受付部70、RW制御部71、制御部72、画像処理部73、および表示制御部74として機能される。
まず、一例として図17に示すように、受付部70によって撮影メニュー80が受け付けられる(ステップST100)。撮影メニュー80は、受付部70からRW制御部71に出力される。RW制御部71によって、撮影メニュー80に応じた照射条件81が照射条件テーブル66から読み出される(ステップST110)。そして、RW制御部71によって、照射条件81がオーダー別照射条件情報67に書き込まれる(ステップST120)。
オペレータOPは、被検者Hを放射線撮影室98に入室させる。そして、被検者Hの乳房Mを撮影台23に載せて圧迫板33で圧迫する。
一例として図18に示すように、被検者Hに対応する撮影オーダーの照射条件81が、オーダー別照射条件情報67から制御部72に読み出される(ステップST200)。そして、制御部72の制御の下、照射条件81にしたがって照射野限定器31が動作される(ステップST210)。この際、必要に応じて照射野ランプ48が点灯され、照射野ランプ48から発せられてミラー49で反射された可視光Lによって照射野が視認される。
また、制御部72の制御の下、照射条件81にしたがって放射線管29が動作され、放射線Rが照射される(ステップST220)。放射線管29から照射された放射線Rは、照射野限定器31に入射される。照射野限定器31に入射された放射線Rは、遮蔽板47により形成された照射開口を通過する。これにより放射線Rの照射野が規定される。
照射野限定器31により照射野が規定されて乳房Mに照射された放射線Rは、放射線検出器26により検出される。これにより放射線検出器26から放射線画像RIが出力される(ステップST220)。放射線画像RIは、画像処理部73において各種画像処理が施される(ステップST230)。画像処理後の放射線画像RIは、表示制御部74の制御の下、ディスプレイ58に表示される(ステップST240)。これらステップST200~ステップST240の処理は、「撮影前」のステータスの撮影オーダーがオーダー別照射条件情報67にある間(ステップST250でYES)は、繰り返し続けられる。
オペレータOPは、撮影台23、フェイスガード32、および圧迫板33等、被検者Hによって汚染された箇所を殺菌する目的で、入力デバイス59を操作して紫外線UVの点灯を指示する。これにより、一例として図19に示すように、受付部70において点灯指示信号85が受け付けられる(ステップST300でYES)。そして、制御部72によって紫外線源34の動作が制御され、紫外線源34から紫外線UVが照射される(ステップST310)。
オペレータOPは、紫外線UVによる殺菌が十分行われたと判断した場合、入力デバイス59を操作して紫外線UVの消灯を指示する。これにより、受付部70において消灯指示信号86が受け付けられる(ステップST320でYES)。そして、制御部72によって紫外線源34の動作が制御され、紫外線UVの照射が停止される(ステップST330)。
以上説明したように、乳房撮影装置10は、紫外線UVを照射する紫外線源34を備える。したがって、消毒液等を用いたオペレータOPの手に頼った殺菌方法に比べて、殺菌のムラを低減することが可能となる。
図3で示したように、紫外線源34は、中心波長200nm以上280nm以下の紫外線UVを発する。中心波長200nm以上280nm以下の紫外線UVは、一般的に深紫外線(UV-C)と呼ばれ、比較的エネルギーが高く、殺菌能力に優れる。このため、短い照射時間で多大な殺菌効果を発揮することができる。
図3および図15で示したように、紫外線源34は、放射線検出器26が内蔵され、乳房Mが載せられる撮影台23、および撮影台23との間で乳房Mを挟み込んで圧迫する圧迫板33に紫外線UVを照射可能な箇所に設けられている。撮影台23および圧迫板33は、被検者Hによって汚染される箇所である。したがって、被検者Hによって汚染される箇所を重点的に殺菌することができる。なお、紫外線UVを照射する箇所は、撮影台23および圧迫板33の両方に限らず、撮影台23および圧迫板33のうちの少なくともいずれかであればよい。
図1等で示したように、紫外線源34は、照射野限定器31の外面に設けられている。このため、圧迫板33に紫外線UVを効率的に照射することができる。また、図3で示したように、圧迫板33は、紫外線UVを透過する材料で形成されている。このため、圧迫板33を通して撮影台23に紫外線UVを効率的に照射することができる。
オペレータOPの消灯の指示があった場合に紫外線UVの照射を停止しているが、これに限らない。受付部70が点灯指示信号85を受け付けてから予め定められた期間が経過した後に、自動的に紫外線UVの照射を停止してもよい。
なお、紫外線源34を設ける箇所は、例示の照射野限定器31の圧迫板33と対向する外面のフェイスガード32の裏側に限らない。一例として図20に示すように、照射野限定器31の内部に紫外線源34を設けてもよい。より詳しくは、照射野ランプ48と並んで紫外線源34を設ける。紫外線源34から発せられた紫外線UVは、照射野ランプ48から発せられた可視光Lと同様に、ミラー49で反射され、出射開口46を通じて撮影台23に向けて照射される。この際、遮蔽板47は、制御部72の制御の下、紫外線UVの照射範囲が最大となるよう、照射開口の大きさが最大となる位置に移動される。
このように、照射野限定器31の内部に紫外線源34を設ければ、被検者HおよびオペレータOPに触れられることがないので、ぶつかって破損するおそれがない。また、照射野ランプ48と並んで紫外線源34を設ければ、照射野ランプ48からの可視光Lと同じ機構を利用して紫外線UVを照射することができる。ただし、照射開口の大きさが最大となる位置に遮蔽板47を移動させる必要があるので、そうした制御をする必要がないという点では、照射野限定器31の外面に紫外線源34を設けるほうが好ましい。
紫外線源34の設置箇所は、照射野限定器31の外面または内部に限らず、紫外線源34の設置個数も1個に限らない。一例として図21に示すように、照射野限定器31の本体部24と対向する外面、および間接照明ランプ28の隣り等、あらゆる箇所に紫外線源34を設けてもよい。被検者Hによって汚染される箇所に紫外線UVを照射可能な箇所であれば、どこでも構わない。スタンド20、本体部24、および手すり27等、照射野限定器31に設けられた1個の紫外線源34ではカバーしきれない箇所を殺菌することができる。紫外線源34に首振り機能をもたせ、1台で広範な箇所をカバーする構成としてもよい。
さらに、磁石等で取り外し可能で、かつ制御部72と無線通信を行う紫外線源34を用いてもよい。こうした紫外線源34によれば、殺菌したい箇所に自由に取り付けることができる。あるいは、放射線撮影室98の壁面または天井等、装置本体11とは離れた箇所に、ネジ等の簡易な取付具によって紫外線源34を取り付けてもよい。この場合、制御装置12との通信は無線で行うことが好ましい。
乳房Mの大きさに応じて圧迫板33を交換可能である場合は、圧迫板33の交換を検知した場合に、紫外線UVを照射する構成としてもよい。また、乳房Mに対して生検を行う際に用いるバイオプシーポジショナー等のオプション品が取り付けられたことを検知した場合に、紫外線UVを照射する構成としてもよい。
[第2実施形態]
図22~図46に示す第2実施形態では、予め定められた設定条件を満たした場合に、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する。
[第2_1実施形態]
一例として図22に示すように、第2_1実施形態の乳房撮影装置90は、装置本体91と制御装置92とを備える。装置本体91は、照射野限定器31の被検者Hと対向する側にカメラ93が内蔵されている点が、上記第1実施形態の装置本体11と異なる。その他の構成は装置本体11と同じであるため、同じ符号を付して説明を省略する。
カメラ93は、照射野限定器31の被検者Hと対向する外面に対物レンズを備える。また、カメラ93は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサといった撮像センサを内蔵している。撮像センサは、対物レンズによって取り込まれた被写体像を撮像し、予め定められたフレームレート、例えば30fps(frame per second)で撮影画像95(図23参照)を順次出力する。被写体像は、スタンド20とは反対側の乳房撮影装置90の正面に展開する放射線撮影室98の様子である(図24および図25参照)。
一例として図23に示すように、カメラ93は、撮影画像95を制御装置92の制御部96に出力する。制御部96は、撮影画像95に基づいて、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止するための設定条件を満たしたか否かの判定処理97を行う。制御部96は、判定処理97の判定結果に応じて、紫外線源34の動作を制御する。
一例として図24に示すように、撮影画像95にオペレータOP等の人が写っていた場合、制御部96は設定条件を満たしたと判定する。制御部96は、例えば、撮影画像95に人が写っている間、設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、撮影画像95に人が写っている、ということである。この場合、制御部96は、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する。ここで、「人が写っている」とは、人の身体の全体が写っている場合はもちろん、人の身体の一部が写っている場合も含む。
対して、一例として図25に示すように、撮影画像95にオペレータOP等の人が写っていない場合、制御部96は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部96は、紫外線源34による紫外線UVの照射を許可する。
一例として図26に示すように、設定条件を満たしていないと判定し、紫外線UVの照射を許可した場合、制御部96は、紫外線源34に紫外線UVの照射を開始させる。そして、予め定められた第1設定期間P1の経過後、紫外線源34に紫外線UVの照射を停止させる。つまり、制御部96は、紫外線源34に紫外線UVを照射させる場合、第1設定期間P1、紫外線源34に紫外線UVの照射を継続させる。
第1設定期間P1は、殺菌対象の細菌またはウイルスを不活性化させるために必要な期間である。第1設定期間P1は、紫外線UVの照射エネルギー、紫外線源34から紫外線UVを照射する箇所までの距離、および殺菌対象の細菌またはウイルスの種類等により異なるが、大体数秒~数十分である。例えば新型コロナウイルス(SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)-CoV(Coronavirus)-2)は、数秒の紫外線UVの照射で不活性化するとの報告がある。より詳しくは、中心波長222nm、強度1W/m2の紫外線UVの場合、30秒間の照射で99.7%が不活性化するとの報告がある(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/08672/)。また、中心波長254nmの紫外線UVの場合、10秒~15秒で99.9%が不活性化するとの報告もある(https://robotstart.info/2020/09/10/uvbuster-covid19.html)。
一例として図27に示すように、設定条件を満たしていないと判定して紫外線源34に紫外線UVの照射を開始させた後、第1設定期間P1が経過する前に撮影画像95に人が写り、設定条件を満たしたと判定した場合、制御部96は紫外線源34に紫外線UVの照射を中断させる。また、この場合、制御装置92の表示制御部100は、警告ウィンドウ101をディスプレイ58に表示する。警告ウィンドウ101は、紫外線UVの照射を中断した旨と、殺菌が不十分であるおそれがある旨のメッセージ102を含む。警告ウィンドウ101は、確認ボタン103を選択することで表示が消える。なお、紫外線UVの照射を中断した旨の音声メッセージを再生する等して、紫外線UVの照射を中断した旨を報知してもよい。
次に、図22~図27で示した態様の作用について、図28~図30に示すフローチャートを参照して説明する。まず、一例として図28に示すように、制御部96において、カメラ93からの撮影画像95が取得される(ステップST400)。そして、制御部96において、撮影画像95に基づいて判定処理97が行われる(ステップST410)。これらステップST400およびステップST410の処理は、乳房撮影装置90の電源がオフされない間(ステップST420でNO)は、繰り返し続けられる。
一例として図29に示すように、紫外線UVが照射されていない状態において、撮影画像95に人が写っており、判定処理97において設定条件を満たしたと判定された場合(ステップST500でYES)、制御部96によって、紫外線源34による紫外線UVの照射が禁止される(ステップST510)。
対して、撮影画像95に人が写っておらず、判定処理97において設定条件を満たしていないと判定された場合(ステップST500でNO)、制御部96によって、紫外線源34による紫外線UVの照射が許可される(ステップST520)。そして、制御部96の制御の下、紫外線源34による紫外線UVの照射が開始される(ステップST530)。この紫外線UVの照射は、判定処理97において依然として設定条件を満たしていないと判定され(ステップST540でYES)、かつ第1設定期間P1が経過しない間(ステップST550でNO)は継続される。第1設定期間P1の経過後(ステップST550でYES)、制御部96により、紫外線源34による紫外線UVの照射が停止される(ステップST560)。
一方、第1設定期間P1が経過する前に、判定処理97において設定条件を満たしたと判定された場合(ステップST540でNO)、一例として図30に示すように、制御部96により、紫外線源34による紫外線UVの照射が中断される(ステップST570)。そして、表示制御部100により、紫外線UVの照射を中断した旨のメッセージ102を含む警告ウィンドウ101がディスプレイ58に表示される(ステップST580)。これら一連の処理は、乳房撮影装置90の電源がオフされない間(ステップST590でNO)は、繰り返し続けられる。
以上説明したように、乳房撮影装置90の制御部96は、予め定められた設定条件を満たした場合に、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する。したがって、人体に紫外線UVが照射されるおそれを低減しつつ、紫外線UVの照射による殺菌を行うことが可能となる。
図22~図24で示したように、乳房撮影装置90はカメラ93を備え、制御部96は、カメラ93の撮影画像95に人が写っていた場合に、設定条件を満たしたと判定する。このため、人体に紫外線UVが照射されるおそれをより低減することができる。なお、カメラ93は支柱20Bに設けられていてもよい。また、カメラ93は装置本体91に内蔵されていなくてもよく、例えば放射線撮影室98の壁面または天井等、装置本体91とは離れた箇所に取り付けられていてもよい。この場合、制御装置92との通信は無線で行うことが好ましい。
図26で示したように、制御部96は、紫外線源34に紫外線UVを照射させる場合、予め定められた第1設定期間P1、紫外線源34に紫外線UVの照射を継続させる。このため、殺菌対象の細菌またはウイルスを不活性化させるために必要な紫外線UVを照射することができる。
図27で示したように、制御部96は、第1設定期間P1が経過する前に設定条件を満たしたと判定した場合、紫外線源34に紫外線UVの照射を中断させる。このため、人体に紫外線UVが照射されるおそれをより低減することができる。また、表示制御部100は、警告ウィンドウ101をディスプレイ58に表示することで、紫外線UVの照射を中断した旨を報知する。このため、オペレータOPは紫外線UVの照射が中断されたことを知ることができる。オペレータOPは、場合によっては放射線撮影室98から人を退避させて、紫外線UVの照射を再開させるといった対策を講じることができる。
放射線撮影室98に備え付けの監視カメラから撮影画像を取得してもよい。つまり、乳房撮影装置90がカメラを備えていなくてもよい。また、放射線撮影室98に備え付けの監視カメラの管理装置において、撮影画像に人が写っているか否かを検出し、その検出結果を管理装置から制御装置92に受信してもよい。
なお、図31および図32に示す態様を採用してもよい。
一例として図31に示すように、制御部96は、紫外線UVの照射を中断した後、予め定められた第2設定期間P2内に設定条件を満たしていないと判定した場合、紫外線源34に紫外線UVの照射を再開させる。そして、期間PBの経過後、紫外線UVの照射を停止させる。期間PBは、第1設定期間P1から、紫外線UVの照射を中断する前に紫外線UVを照射していた期間PAを減算した期間である(PB=P1-PA)。第2設定期間P2は例えばす数秒~数分である。
一例として図32に示すように、第1設定期間P1が経過する前に、判定処理97において設定条件を満たしたと判定された場合、制御部96により、紫外線源34による紫外線UVの照射が中断される(ステップST570)。紫外線UVの照射が中断されてから第2設定期間P2が経過した場合(ステップST600でYES)、表示制御部100により、紫外線UVの照射を中断した旨のメッセージ102を含む警告ウィンドウ101がディスプレイ58に表示される(ステップST580)。その後、制御部96において設定条件を満たしていないと判定され、紫外線源34による紫外線UVの照射が許可された場合、照射を中断する前に紫外線UVを照射していた期間PAはリセットされ、第1設定期間P1の最初から紫外線UVの照射が開始される。
紫外線UVの照射を中断してから第2設定期間P2が経過していない場合(ステップST600でNO)に、判定処理97において設定条件を満たしていないと判定された場合(ステップST610でNO)、制御部96により、紫外線源34による紫外線UVの照射が再開される(ステップST620)。この紫外線UVの照射は、判定処理97において依然として設定条件を満たしていないと判定され(ステップST630でYES)、かつ第1設定期間P1が経過しない間(ステップST640でNO)は継続される。判定処理97において設定条件を満たしたと判定された場合(ステップST630でNO)は、再び紫外線UVの照射が中断される(ステップST570)。第1設定期間P1の経過後(ステップST640でYES)、制御部96により、紫外線源34による紫外線UVの照射が停止される(ステップST650)。
このように、図31および図32で示した態様においては、制御部96は、紫外線UVの照射を中断した後、予め定められた第2設定期間P2内に設定条件を満たしていないと判定した場合、紫外線源34に紫外線UVの照射を再開させる。このため、オペレータOPの手を煩わすことなく、紫外線UVの照射を再開させることができる。また、紫外線UVの照射による殺菌をできるだけ貫徹させることができ、殺菌が不十分のまま乳房撮影装置10が使用される機会を減らすことができる。
紫外線UVの照射が中断されてから第2設定期間P2が経過した場合に警告ウィンドウ101を表示するとしているが、これに限らない。紫外線UVの照射が中断されたら直ちに警告ウィンドウ101を表示してもよい。この場合、警告ウィンドウ101の確認ボタン103を選択する前に紫外線UVの照射が再開された場合は、確認ボタン103の選択を待たずに警告ウィンドウ101の表示を消す。そうすれば、確認ボタン103をオペレータOPが選択する手間を省くことができる。
なお、制御部96が設定条件を満たしていないと判定した場合、第1設定期間P1といった制限を設けることなく、紫外線源34に紫外線UVを連続的に照射させてもよい。
[第2_2実施形態]
一例として図33に示すように、第2_2実施形態の乳房撮影装置105は、装置本体106と制御装置107とを備える。装置本体106は、照射野限定器31の被検者Hと対向する側に、カメラ93の代わりに動体検知センサ108が内蔵されている点が、上記第2_1実施形態の装置本体91と異なる。その他の構成は装置本体91と同じであるため、同じ符号を付して説明を省略する。
動体検知センサ108は、照射野限定器31の被検者Hと対向する外面に検知窓を備える。動体検知センサ108は、赤外線の変化、反射超音波の変化、あるいは可視光の遮光等を利用して動体を検知するセンサであり、一般的には人感センサと呼ばれる。動体検知センサ108は、放射線撮影室98内の動体を検知する。動体検知センサ108は、動体を検知した場合、動体検知信号110(図34参照)を出力する。
一例として図34に示すように、動体検知センサ108は、動体検知信号110を制御装置107の制御部111に出力する。制御部111は、動体検知信号110に基づいて、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止するための設定条件を満たしたか否かの判定処理112を行う。制御部111は、判定処理112の判定結果に応じて、紫外線源34の動作を制御する。
一例として図35に示すように、放射線撮影室98にオペレータOP等の人が入室し、動体検知センサ108から動体検知信号110が出力された場合、制御部111は設定条件を満たしたと判定する。制御部111は、例えば、動体検知信号110を受けてから予め定められた設定期間が経過するまで、設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、動体検知センサ108が動体を検知した、ということである。この場合、制御部111は、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する。なお、設定期間は、例えば1回の放射線画像RIの撮影に要する平均的な期間である。
対して、一例として図36に示すように、放射線撮影室98内にオペレータOP等の人がおらず、動体検知センサ108から動体検知信号110が出力されていない場合、制御部111は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部111は、紫外線源34による紫外線UVの照射を許可する。
このように、乳房撮影装置105は動体を検知する動体検知センサ108を備え、制御部111は、動体検知センサ108が動体を検知した場合に、設定条件を満たしたと判定する。このため、人体に紫外線UVが照射されるおそれをより低減することができる。また、上記第2_1実施形態のカメラ93よりも動体検知センサ108は安価であり、また、撮影画像95を解析して人が写っているか否かを検出する必要がない。なお、カメラ93と同様、動体検知センサ108は支柱20Bに設けられていてもよい。また、動体検知センサ108は装置本体106に内蔵されていなくてもよく、例えば放射線撮影室98の壁面または天井等、装置本体106とは離れた箇所に取り付けられていてもよい。この場合、制御装置92との通信は無線で行うことが好ましい。
動体検知センサ108の検知範囲を、例えば乳房撮影装置105の周囲1m等の比較的狭い範囲としてもよい。あるいは、動体検知センサ108として、例えば装置本体106への人の接触を検知する接触検知センサを用いてもよい。こうすれば、例えばオペレータOPが乳房撮影装置105に近付かないで済む用事で放射線撮影室98に立ち入った場合に、紫外線UVの照射が禁止されてしまうことを防ぐことができる。あるいは、声等の物音を検知する音声検知センサを、動体検知センサ108として用いてもよい。
投光器と受光器で構成される透過型のフォトインタラプタを、動体検知センサ108として用いてもよい。この場合、例えば放射線撮影室98の入口にフォトインタラプタを設け、放射線撮影室98への人の入室、および放射線撮影室98からの人の退室を検知する。フォトインタラプタとしては、例えばオムロン株式会社製の製品名「セーフティライトカーテン」を用いることができる。
[第2_3実施形態]
一例として図37に示すように、第2_3実施形態の受付部120は、入力デバイス59を介してオペレータOPにより入力された撮影メニュー80を受け付けた場合に、撮影メニュー受付信号121を制御部122に出力する。制御部122は、撮影メニュー受付信号121に基づいて、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止するための設定条件を満たしたか否かの判定処理123を行う。制御部122は、判定処理123の判定結果に応じて、紫外線源34の動作を制御する。
一例として図38に示すように、入力デバイス59を介してオペレータOPにより撮影メニュー80が入力されて受付部120において撮影メニュー80が受け付けられ、受付部120から撮影メニュー受付信号121が出力された場合、制御部122は設定条件を満たしたと判定する。制御部122は、例えば、撮影メニュー受付信号121を受けてから予め定められた設定期間が経過するまで、設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、受付部120が撮影メニュー80を受け付けた、ということである。この場合、制御部122は、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する。なお、設定期間は、例えば1回の放射線画像RIの撮影に要する平均的な期間である。
対して、一例として図39に示すように、受付部120において撮影メニュー80が受け付けられず、受付部120から撮影メニュー受付信号121が出力されていない場合、制御部122は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部122は、紫外線源34による紫外線UVの照射を許可する。
このように、制御部122は、受付部120が撮影メニュー80を受け付けた場合に、設定条件を満たしたと判定する。受付部120が撮影メニュー80を受け付けた後は、程なくして被検者Hが放射線撮影室98に入室し、放射線画像RIの撮影が行われる。このため、人体に紫外線UVが照射されるおそれをより低減することができる。また、上記第2_1実施形態のカメラ93、上記第2_2実施形態の動体検知センサ108を設ける必要がない。
上記第2_1実施形態および本第2_3実施形態、あるいは上記第2_2実施形態および本第2_3実施形態を複合して実施してもよい。上記第2_1実施形態および本第2_3実施形態を複合して実施する場合は、撮影画像95に人が写っていた場合、または受付部120が撮影メニュー80を受け付けた場合に、制御部は設定条件を満たしたと判定する。また、上記第2_2実施形態および本第2_3実施形態を複合して実施する場合は、動体検知センサ108が動体を検知した場合、または受付部120が撮影メニュー80を受け付けた場合に、制御部は設定条件を満たしたと判定する。
なお、前回の撮影と今回の撮影とで異なる被検者Hを撮影する撮影メニュー80を受け付けた場合は、制御部122によって今回の撮影の前に紫外線源34に紫外線UVを照射させる。一方、前回の撮影と今回の撮影とで同じ被検者Hを撮影する撮影メニュー80を受け付けた場合は、制御部122によって今回の撮影の前に紫外線源34に紫外線UVを照射させなくてもよい。同じ被検者Hを撮影する場合は、他の被検者Hに細菌および/またはウイルスが感染するおそれはないため、紫外線UVを照射させずに消費電力を低減する。
[第2_4実施形態]
図40~図44に示す第2_4実施形態では、消費電力が相対的に高い第1動作モードMD1から、消費電力が相対的に低い第2動作モードMD2に切り替えた場合に、設定条件を満たしていないと判定する。
一例として図40に示すように、カメラ93は、撮影画像95をモード切替部130に出力する。モード切替部130は、制御部132等とともに制御装置のCPUに構築される処理部であり、撮影画像95に基づいて乳房撮影装置の動作モードを切り替える。モード切替部130は、モード切替信号131を制御部132に出力する。制御部132は、モード切替信号131に基づいて、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止するための設定条件を満たしたか否かの判定処理133を行う。制御部132は、判定処理133の判定結果に応じて、紫外線源34の動作を制御する。
一例として図41に示すように、モード切替部130は、第1動作モードMD1と第2動作モードMD2とを切り替える。第1動作モードMD1においては、各部への給電に制限がなく、放射線画像RIの撮影が可能である。一方、第2動作モードMD2においては、各部への給電に制限があり、放射線画像RIの撮影が不可である。第2動作モードMD2は、各部への給電が制限されているため、第1動作モードMD1よりも消費電力が低い。つまり、第1動作モードMD1はいわゆる通常動作モードであり、第2動作モードMD2はいわゆる省電力モードである。
第1動作モードMD1の状態で、撮影画像95に人が写っていない状態が予め定められた設定期間継続した場合、モード切替部130は、動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替える。一方、第2動作モードMD2の状態で、撮影画像95に人が写った場合、モード切替部130は、動作モードを第2動作モードMD2から第1動作モードMD1に切り替える。なお、この場合の設定期間は例えば10分である。
一例として図42に示すように、モード切替部130が動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替えた場合、制御部132は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部132は、紫外線源34による紫外線UVの照射を許可する。
このように、本第2_4実施形態においては、消費電力が相対的に高い第1動作モードMD1と、消費電力が相対的に低い第2動作モードMD2とを切り替えるモード切替部130を備える。制御部132は、モード切替部130が第2動作モードMD2に切り替えた場合に、設定条件を満たしていないと判定し、紫外線源34による紫外線UVの照射を許可する。第2動作モードMD2は、撮影画像95に人が写っていない状態が設定期間継続し、放射線画像RIの撮影がしばらくないと判断された場合に実行される。このため、放射線画像RIの撮影がしばらくない乳房撮影装置の非稼働期間を、紫外線UVの照射による殺菌に充てることができる。
動作モードを切り替えるタイミングとしては、上記で例示した撮影画像95に基づくタイミングに限らない。例えば図43に示すように、動体検知センサ108からの動体検知信号110に基づくタイミングで、動作モードを切り替えてもよい。すなわち、第1動作モードMD1の状態で、動体検知センサ108から動体検知信号110が入力されない状態が設定期間継続した場合、モード切替部130は、動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替える。一方、第2動作モードMD2の状態で、動体検知センサ108から動体検知信号110が入力された場合、モード切替部130は、動作モードを第2動作モードMD2から第1動作モードMD1に切り替える。
あるいは図44に示すように、受付部120からの撮影メニュー受付信号121に基づくタイミングで、動作モードを切り替えてもよい。すなわち、第1動作モードMD1の状態で、受付部120から撮影メニュー受付信号121が入力されない状態が設定期間継続した場合、モード切替部130は、動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替える。一方、第2動作モードMD2の状態で、受付部120から撮影メニュー受付信号121が入力された場合、モード切替部130は、動作モードを第2動作モードMD2から第1動作モードMD1に切り替える。図43および図44のいずれの態様によっても、乳房撮影装置の非稼働期間を、紫外線UVの照射による殺菌に充てることができる、という効果を奏する。
動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替えるタイミングとしては、オーダー別照射条件情報67に「撮影前」のステータスの撮影オーダーがない場合でもよい。あるいは、昼休み、医療施設の就業時間外等、オペレータOPにより予め定められた時間帯に、動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替えてもよい。さらには、予め定められた設定時間、装置本体および制御装置に対して操作がなかった場合に、動作モードを第1動作モードMD1から第2動作モードMD2に切り替えてもよい。
[第2_5実施形態]
図45および図46に示す第2_5実施形態では、放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度が予め定められた設定角度143であった場合に、設定条件を満たしたと判定する。なお、第2_5実施形態は、上記第2_1~第2_4実施形態とは異なり、人がいる、いないに関わらず紫外線UVの照射を許可する、という前提である。
一例として図45に示すように、第2_5実施形態の乳房撮影装置は、放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度を検知する角度検知センサ140を備える。角度検知センサ140は、例えば本体部24に取り付けられている。角度検知センサ140は、図8で示したCC_A撮影における角度を0°と検知し、図9で示したCC_B撮影における角度を180°と検知し、図10で示したMLO撮影における角度を60°~90°と検知する。角度検知センサ140は、検知した角度を表す角度検知信号141を制御部142に出力する。制御部142は、角度検知信号141および設定角度143に基づいて、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止するための設定条件を満たしたか否かの判定処理144を行う。制御部142は、判定処理144の判定結果に応じて、紫外線源34の動作を制御する。設定角度143には、CC_B撮影における角度である180°が設定されている。
一例として図46に示すように、角度検知センサ140からの角度検知信号141で表される角度が設定角度143であった場合、制御部142は設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、放射線源25および放射線検出器26の角度が設定角度である、ということである。この場合、制御部142は、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する。
一方、図示は省略するが、角度検知センサ140からの角度検知信号141で表される角度が設定角度143以外(本例においては0°または60°~90°)であった場合は、制御部142は設定条件を満たしていないと判定し、紫外線源34による紫外線UVの照射を許可する。
設定角度143として設定された180°の場合、図9で示したように、放射線源25、ひいては照射野限定器31が被検者Hの顔の下に位置することとなる。こうした位置関係となるCC_B撮影の最中に、例えば照射野限定器31の圧迫板33と対向する外面に設けられた紫外線源34から紫外線UVが誤って照射された場合、被検者Hの顔に紫外線UVが照射されてしまい、影響が特に大きい。しかし、本第2_5実施形態においては、放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度を検知する角度検知センサ140を備える。そして、制御部142は、角度検知センサ140が検知した角度が予め定められた設定角度143であった場合に、設定条件を満たしたと判定する。このため、被検者Hの顔に紫外線UVが誤って照射され、被検者Hが特に大きい影響を被ることを確実に防止することができる。
上記各実施形態では、中心波長200nm以上280nm以下の紫外線UVを発する紫外線源34を例示したが、これに限らない。図47に示すように、中心波長200nm以上230nm以下の紫外線UVを発する紫外線源150を用いてもよい。中心波長200nm以上230nm以下の紫外線UVは、中心波長が230nmよりも大きく280nm以下の紫外線UVよりも人体への影響が小さい。このため、もし誤って被検者H等に照射されたとしても、さほど影響を与えずに済む。
[第3実施形態]
図48~図58に示す第3実施形態では、互いに異なる波長帯域の紫外線UVを発する複数の紫外線源を用いる。
[第3_1実施形態]
一例として図48に示すように、第3_1実施形態の乳房撮影装置160は、装置本体161と制御装置162とを備える。装置本体161は、照射野限定器31の圧迫板33と対向する外面に、紫外線源34に代えて第1紫外線源163および第2紫外線源164が並べて設けられている点が、上記第1実施形態の装置本体11と異なる。その他の構成は装置本体11と同じであるため、同じ符号を付して説明を省略する。なお、第1紫外線源163および第2紫外線源164は、本開示の技術に係る「互いに異なる波長帯域の紫外線を発する複数の紫外線源」の一例である。
一例として図49に示すように、第1紫外線源163は、制御装置162の制御部170の制御の下、中心波長222nmの第1紫外線UV1を照射する。対して第2紫外線源164は、制御部170の制御の下、中心波長254nmの第2紫外線UV2を照射する。第1紫外線UV1は、第2紫外線UV2よりも人体への影響が小さい。なお、第1紫外線UV1は、中心波長207nmでもよい。なお、中心波長222nmまたは中心波長207nmの第1紫外線UV1が、中心波長254nmの第2紫外線UV2よりも人体への影響が小さいことについては、例えば特許第6306097号の段落[0028]~[0031]、および図7、図8に記載されている。
制御部170は、少なくとも第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止するための設定条件を満たしたか否かの判定処理171を行う。制御部170は、判定処理171の判定結果に応じて、第2紫外線源164の動作を制御する。
図50~図52は、制御部170による第1紫外線源163および第2紫外線源164の動作制御の例を示す。
まず、図50の例では、制御部170は、第1紫外線源163に第1紫外線UV1を常時照射させる。一方、制御部170は、判定処理171において設定条件を満たしたと判定した場合、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。
図51の例では、制御部170は、判定処理171において設定条件を満たしたと判定した場合、第1紫外線源163に第1紫外線UV1を照射させ、かつ第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。また、制御部170は、判定処理171において設定条件を満たしていないと判定した場合、第1紫外線源163による第1紫外線UV1の照射を停止させ、かつ第2紫外線源164に第2紫外線UV2を照射させる。なお、図50および図51の例では、制御部170は、第1紫外線源163の第1紫外線UV1の照射タイミングと第2紫外線源164の第2紫外線UV2の照射タイミングとを異ならせている。
図52の例では、制御部170は、判定処理171において設定条件を満たしたと判定した場合、第1紫外線源163による第1紫外線UV1の照射を禁止し、かつ第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。また、制御部170は、判定処理171において設定条件を満たしていないと判定した場合、第1紫外線源163に第1紫外線UV1を照射させ、かつ第2紫外線源164に第2紫外線UV2を照射させる。すなわち、制御部170は、第1紫外線源163の第1紫外線UV1の照射タイミングと第2紫外線源164の第2紫外線UV2の照射タイミングとを同じにしている。
図50~図52の態様を、オペレータOPが選択可能に構成してもよい。また、図50の例において、第1紫外線源163に第1紫外線UV1を常時照射させるのではなく、例えば予め定められた間隔で第1紫外線UV1の照射と停止を繰り返す等、予め定められたタイミングで第1紫外線UV1の照射を停止させてもよい。放射線画像RIの撮影中は第1紫外線UV1を照射し、放射線画像RIの撮影が終了したら第1紫外線UV1の照射を停止する等してもよい。こうすれば、常時照射に比べて消費電力を低減することができ、また、第1紫外線UV1の照射による樹脂材料の劣化を抑制することができる。
図48および図49で示したように、乳房撮影装置160は、互いに異なる波長帯域の第1紫外線UV1および第2紫外線UV2を発する第1紫外線源163および第2紫外線源164を備える。このため、図50~図52で示したように、多様なバリエーションで殺菌を行うことができる。
図49で示したように、複数の紫外線源は、人体への影響が相対的に小さい第1紫外線UV1を発する第1紫外線源163と、人体への影響が相対的に大きい第2紫外線UV2を発する第2紫外線源164とを含む。このため、図50および図51で示したように、人体への影響が相対的に小さい第1紫外線UV1を積極的に照射することで、より徹底した殺菌を行うことができる。
図50および図51で示したように、制御部170は、第1紫外線源163の第1紫外線UV1の照射タイミングと第2紫外線源164の第2紫外線UV2の照射タイミングとを異ならせる。このため、第1紫外線UV1および第2紫外線UV2のそれぞれの特性を活かした殺菌を行うことができる。
また、図50~図52で示したように、制御部170は、予め定められた設定条件を満たした場合に、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。このため、人体に第2紫外線UV2が照射されるおそれを低減することができる。図52の例では、第2紫外線UV2だけでなく、人体に第1紫外線UV1が照射されるおそれも低減することができる。
[第3_2実施形態]
図53および図54に示す第3_2実施形態では、上記第2_1実施形態と同様に、制御部170は、カメラ93の撮影画像95に基づいて判定処理171を行う。
一例として図53に示すように、撮影画像95にオペレータOP等の人が写っていた場合、制御部170は設定条件を満たしたと判定する。制御部170は、例えば、撮影画像95に人が写っている間、設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、撮影画像95に人が写っている、ということである。この場合、制御部170は、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。
対して、一例として図54に示すように、撮影画像95にオペレータOP等の人が写っていない場合、制御部170は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部170は、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を許可する。
このように、制御部170は、カメラ93の撮影画像95に人が写っていた場合に、設定条件を満たしたと判定する。このため、人体に第2紫外線UV2が照射されるおそれをより低減することができる。
[第3_3実施形態]
図55および図56に示す第3_3実施形態では、上記第2_2実施形態と同様に、制御部170は、動体検知信号110に基づいて判定処理171を行う。
一例として図55に示すように、放射線撮影室98にオペレータOP等の人が入室し、動体検知センサ108から動体検知信号110が出力された場合、制御部170は設定条件を満たしたと判定する。制御部170は、例えば、動体検知信号110を受けてから設定期間が経過するまで、設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、動体検知センサ108が動体を検知した、ということである。この場合、制御部170は、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。
対して、一例として図56に示すように、放射線撮影室98内にオペレータOP等の人がおらず、動体検知センサ108から動体検知信号110が出力されていない場合、制御部170は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部170は、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を許可する。
このように、制御部170は、動体検知センサ108が動体を検知した場合に、設定条件を満たしたと判定する。このため、人体に第2紫外線UV2が照射されるおそれをより低減することができる。また、上記第3_2実施形態のカメラ93よりも動体検知センサ108は安価であり、また、撮影画像95を解析して人が写っているか否かを検出する必要がない。
[第3_4実施形態]
図57および図58に示す第3_4実施形態では、上記第2_3実施形態と同様に、制御部170は、受付部120からの撮影メニュー受付信号121に基づいて判定処理171を行う。
一例として図57に示すように、入力デバイス59を介してオペレータOPにより撮影メニュー80が入力されて受付部120において撮影メニュー80が受け付けられ、受付部120から撮影メニュー受付信号121が出力された場合、制御部170は設定条件を満たしたと判定する。制御部170は、例えば、撮影メニュー受付信号121を受けてから設定期間が経過するまで、設定条件を満たしたと判定する。すなわち、この場合の設定条件は、受付部120が撮影メニュー80を受け付けた、ということである。この場合、制御部170は、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止する。
対して、一例として図58に示すように、受付部120において撮影メニュー80が受け付けられず、受付部120から撮影メニュー受付信号121が出力されていない場合、制御部170は設定条件を満たしていないと判定する。この場合、制御部170は、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を許可する。
このように、制御部170は、受付部120が撮影メニュー80を受け付けた場合に、設定条件を満たしたと判定する。受付部120が撮影メニュー80を受け付けた後は、程なくして被検者Hが放射線撮影室98に入室し、放射線画像RIの撮影が行われる。このため、人体に第2紫外線UV2が照射されるおそれをより低減することができる。また、上記第3_2実施形態のカメラ93、上記第3_3実施形態の動体検知センサ108を設ける必要がない。
上記第2_1実施形態、上記第2_2実施形態、および上記第2_3実施形態と同様に、上記第3_2実施形態および本第3_4実施形態、あるいは上記第3_3実施形態および本第3_4実施形態を複合して実施してもよい。
なお、上記とは逆に、受付部120が撮影メニュー80を受け付けた場合に、制御部170が設定条件を満たしていないと判定し、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を許可してもよい。
上記第2_4実施形態を適用し、モード切替部130が第2動作モードMD2に切り替えた場合に、制御部170が設定条件を満たしていないと判定し、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を許可してもよい。
上記第2_5実施形態を適用し、放射線源25および放射線検出器26の乳房Mに対する角度が予め定められた設定角度143であった場合に、制御部170が設定条件を満たしたと判定し、第2紫外線源164による第2紫外線UV2の照射を禁止してもよい。
なお、図示は省略したが、第3実施形態においても、図26で示した態様と同様に、制御部170は、第2紫外線源164に第2紫外線UV2を照射させる場合、予め定められた第1設定期間P1、第2紫外線源164に第2紫外線UV2の照射を継続させる。
また、図27で示した態様と同様に、制御部170は、第1設定期間P1が経過する前に設定条件を満たしたと判定した場合、第2紫外線源164に第2紫外線UV2の照射を中断させる。表示制御部は、警告ウィンドウ101をディスプレイ58に表示する。
さらに、図31で示した態様と同様に、制御部170は、第2紫外線UV2の照射を中断した後、予め定められた第2設定期間P2内に設定条件を満たしていないと判定した場合、第2紫外線源164に第2紫外線UV2の照射を再開させる。
なお、第1紫外線源163および第2紫外線源164は、照射野限定器31の外面に代えて、あるいは加えて、照射野限定器31の内部に設けてもよい。また、互いに異なる波長帯域の紫外線を発する複数の紫外線源は、第1紫外線源163および第2紫外線源164に限らない。第1紫外線源163および第2紫外線源164に加えて、第1紫外線UV1および第2紫外線UV2とは異なる波長帯域の第3紫外線を発する第3紫外線源を設けてもよい。
設定条件としては、上記で例示したものの他に、撮影台23が昇降操作された、撮影メニュー80の入力に限らず制御装置の入力デバイス59に対して何らかの操作された、等でもよい。また、例えば医療施設の診療時間を設定条件とし、診療時間以外の時間帯において紫外線UVの照射を許可してもよい。
乳房撮影装置においては、放射線管29等の発熱部分に冷却風を供給するファンが常時稼働している。こうしたファンの冷却風の排気口付近に紫外線源を有するチャンバを設け、乳房撮影装置を空気清浄機として働かせてもよい。
アーム21を支柱20Bに対して高さ方向に移動させるためのスイッチ、および/または、圧迫板33を撮影台23に向かう方向と撮影台23から離間する方向とに移動させるためのスイッチとして、図59に示すフットスイッチ180を用いてもよい。フットスイッチ180は、オペレータOPが足で踏む、横一列に並んだ3個の足踏み部181、182、および183を有する。足踏み部181は、アーム21または圧迫板33を上に移動させる場合に操作される。足踏み部182は、アーム21または圧迫板33を下に移動させる場合に操作される。足踏み部183は、アーム21または圧迫板33の位置をロックする場合に操作される。
足踏み部181~183には、紫外線源34が内蔵されている。そして、足踏み部181~183のオペレータOPが足で踏む面には、透過窓184が設けられている。透過窓184は、フェイスガード32および圧迫板33と同様に、紫外線UVを透過する材料で形成されている。この透過窓184を通じて、紫外線源34から発せられた紫外線UVが、足踏み部181~183に置かれたオペレータOPの靴の裏側に向けて照射される。
一例として図60に示すように、紫外線源34は、足踏み部181~183がオペレータOPの足で踏まれてオンされた場合、紫外線UVを照射する。反対に、紫外線源34は、オペレータOPの足が足踏み部181~183から離れてオフされた場合、紫外線UVの照射を停止する。
このように、フットスイッチ180に紫外線UVを照射可能な箇所に紫外線源34を設ければ、床で汚染されたオペレータOPの靴を効果的に殺菌することができる。特に、紫外線源34を足踏み部181~183に設ければ、床に付くオペレータOPの靴の裏側をダイレクトに殺菌することができる。
紫外線源34を設ける箇所は、足踏み部181~183に限らない。一例として図61に示すように、フットスイッチ180を上部から覆うカバー190の内部に紫外線源34を設けてもよい。紫外線源34は、より詳しくは、フットスイッチ180と対面するカバー190の天板の内面に取り付けられている。カバー190に設けられた紫外線源34は、足踏み部181~183に内蔵された紫外線源34と同じく、足踏み部181~183がオペレータOPの足で踏まれてオンされた場合に紫外線UVを照射し、オペレータOPの足が足踏み部181~183から離れてオフされた場合に紫外線UVの照射を停止する。こうすれば、オペレータOPの靴の表側も殺菌することができる。
なお、カバー190に設けられた紫外線源34は、紫外線UVを常時照射してもよい。また、足踏み部181~183とカバー190のうちの少なくともいずれかに紫外線源34が設けられていればよい。さらに、紫外線源34の代わりに紫外線源150を用いてもよい。
[第4実施形態]
図62~図64に示す第4実施形態では、紫外線UVの照射時間を計測し、計測した照射時間を記憶する。
一例として図62に示すように、第4実施形態の制御部195は計測部196を有する。計測部196は、紫外線源34による紫外線UVの照射時間を計測する。より詳しくは、計測部196は、紫外線源34が紫外線UVの照射を開始した照射開始日時と、紫外線源34が紫外線UVの照射を終了した照射終了日時とを記憶する。そして、これら照射開始日時および照射終了日時から紫外線UVの照射時間を求める。制御部195は、照射開始日時、照射終了日時、および照射時間を含む照射時間情報197を、RW制御部198および表示制御部199に出力する。
ストレージ55には、照射時間情報履歴200が記憶されている。RW制御部198は、制御部195からの照射時間情報197を照射時間情報履歴200に登録する。すなわち、RW制御部198は、計測部196により計測した紫外線UVの照射時間をストレージ55に記憶させる。つまり、ストレージ55は、本開示の技術に係る「記憶部」の一例であり、RW制御部198は、本開示の技術に係る「記憶制御部」の一例である。
表示制御部199は、お報せウィンドウ201をディスプレイ58に表示する。お報せウィンドウ201は、照射時間情報197を文章化して紫外線UVの照射時間を報せるメッセージ202を含む。つまり、表示制御部199は、本開示の技術に係る「第1報知制御部」の一例である。お報せウィンドウ201は、確認ボタン203を選択することで表示が消える。なお、紫外線UVの照射時間を報せる音声メッセージを再生する等して、紫外線UVの照射時間を報知してもよい。この場合、音声メッセージの再生を制御する音声制御部が、第1報知制御部として働く。
このように、第4実施形態では、紫外線源34による紫外線UVの照射時間を計測する計測部196を備え、RW制御部198は、計測部196により計測した照射時間をストレージ55に記憶させる。このため、紫外線UVの照射時間を管理することができる。また、紫外線源34、および/または、圧迫板33等の紫外線UVが照射される被照射物のメンテナンスを適切に行うことができる。
また、表示制御部199は、お報せウィンドウ201を通じて、紫外線UVの照射時間を報知する。このため、紫外線UVの照射時間をオペレータOPに報せることができる。オペレータOPは、当該照射時間の間、紫外線UVが照射されて殺菌が行われたことを知ることができる。また、オペレータOPは、紫外線UVによる殺菌が適切に行われているかどうかを確かめることができる。
図62は、紫外線源34が1個で、紫外線UVを照射する箇所が1箇所の場合を例示したが、これに限らない。図21で示したように、紫外線源34が複数個設置され、複数の箇所に紫外線UVを照射する場合も有り得る。この場合は、一例として図63に示すように、計測部196は、複数の箇所毎に紫外線UVの照射時間を計測する。RW制御部198は、複数の箇所毎に計測部196により計測した、複数の箇所毎の紫外線UVの照射時間を、ストレージ55に記憶させる。具体的には、RW制御部198は、複数の箇所の各々の照射時間情報197を、複数の箇所毎にストレージ55に用意された照射時間情報履歴200に登録する。図63においては、4個の紫外線源34が設けられ、4個の紫外線源34によって、撮影台23、手すり27、フェイスガード32、および圧迫板33のそれぞれに向けて紫外線UVを照射する場合を例示している。
このように、紫外線UVを照射する箇所が複数ある場合、計測部196は、複数の箇所毎に紫外線UVの照射時間を計測する。RW制御部198は、複数の箇所毎に計測部196により計測した、複数の箇所毎の紫外線UVの照射時間を記憶させる。このため、複数の箇所の紫外線UVの照射時間を個別に管理することができ、複数の被照射物のメンテナンスを適切に行うことができる。
照射時間情報履歴200には、紫外線UVの照射時間が逐次登録されていく。このため、照射時間情報履歴200によれば、照射時間を積算して累積照射時間を求めることができる。そこで、一例として図64に示す態様を実施してもよい。
図64において、表示制御部199は、累積照射時間が予め設定された設定時間を超過した場合、お報せウィンドウ210をディスプレイ58に表示する。お報せウィンドウ210は、累積照射時間が設定時間を超過した旨のメッセージ211を含む。つまり、表示制御部199は、本開示の技術に係る「第2報知制御部」の一例である。お報せウィンドウ210は、確認ボタン212を選択することで表示が消える。図64においては、設定時間として5000時間が設定された場合を例示している。なお、累積照射時間が設定時間を超過した旨の音声メッセージを再生する等して、累積照射時間が設定時間を超過した旨を報知してもよい。この場合、音声メッセージの再生を制御する音声制御部が、第2報知制御部として働く。
このように、表示制御部199は、お報せウィンドウ210を通じて、累積照射時間が設定時間を超過した旨を報知する。このため、オペレータOPは、紫外線源34および/または紫外線UVの被照射物を交換するといったメンテナンスを適切に行うことができる。なお、紫外線源34および/または被照射物が交換された場合は、累積照射時間が0にリセットされる。
オペレータOPの指示等に応じて、累積照射時間をディスプレイ58に表示してもよい。また、累積照射時間が設定時間を超過したことを、ネットワーク13を通じて、例えば乳房撮影装置10のサービスマンが管理する外部のメンテナンスサーバ等に送信してもよい。こうすれば、サービスマンは、遠隔地にいながら紫外線源34および/または紫外線UVの被照射物の経時劣化の程度、交換時期等を知ることができる。
[第5実施形態]
上記第1~第4実施形態では、放射線診断装置として乳房撮影装置を例示したが、本開示の技術はこれに限らない。一例として図65および図66に示す放射線診断装置300であってもよい。
図65および図66において、放射線診断装置300は、放射線源301、可搬型の放射線検出器302、制御装置303、立位撮影台304、および臥位撮影台305を備える。放射線源301、制御装置303、立位撮影台304、および臥位撮影台305は、放射線撮影室98に設置される。放射線源301および可搬型の放射線検出器302はそれぞれ1台ずつ用意されており、立位撮影台304および臥位撮影台305で兼用される。なお、可搬型の放射線検出器302は複数台用意されていてもよい。
放射線源301には放射線管306が内蔵されている。また、放射線源301には照射野限定器307が取り付けられている。照射野限定器307の外面には、3個の紫外線源34A、34B、および34Cが設けられている。
放射線源301は、支柱308によって放射線撮影室98の天井から吊り下げられている。支柱308は、天井に巡らされたレールに車輪を介して取り付けられている。支柱308、ひいては放射線源301は、レールおよび車輪によって、放射線撮影室98内において水平方向に移動可能である。また、支柱308は高さ方向に伸縮可能であり、これにより放射線源301は高さ方向に移動可能である。さらに、放射線源301は、紙面と直交する軸を回転軸として、支柱308に対して回転可能である。
可搬型の放射線検出器302は、検出面44を有する検出パネル等が可搬型の筐体に収容されたもので、電子カセッテと呼ばれる。可搬型の放射線検出器302は、立位撮影台304または臥位撮影台305に収容されて用いられる。この他、可搬型の放射線検出器302は、放射線撮影室98において立位撮影台304または臥位撮影台305から取り外して被検者Hに持たせた状態で用いられたり、病室のベッドに仰臥する被検者Hの下に載置した状態で用いられたりする(図70参照)。
立位撮影台304は、スタンド310、接続部311、および立位用ホルダ312等を有する。スタンド310は、放射線撮影室の床面に設置される台座313と、台座313から高さ方向に延びる支柱314とで構成される。接続部311は、立位用ホルダ312をスタンド310に接続する。接続部311、ひいては立位用ホルダ312は、支柱314に対して高さ方向に移動可能であり、被検者Hの身長、あるいは撮影部位に応じた高さ調節が可能となっている。
立位用ホルダ312は箱状であり、内部に可搬型の放射線検出器302を収容する。立位用ホルダ312は、大部分がアルミ、ステンレスといった電磁波遮蔽性を有する導電性材料によって形成されている。また、立位用ホルダ312は、放射線源301と対向する前面がカーボン等の放射線Rを透過する材料によって形成されている。
臥位撮影台305は、放射線撮影室98の床面に設置される台座315、接続部316、天板317、および臥位用ホルダ318等を有する。接続部316は、天板317を台座315に接続する。台座315は昇降式であり、これにより天板317および臥位用ホルダ318は高さ調節が可能となっている。天板317は、被検者Hが仰臥することができる長さおよび幅を有する矩形板状であり、カーボン等の放射線Rを透過する材料によって形成されている。
臥位用ホルダ318は、接続部316によって形成された台座315と天板317との間のスペースに配されている。臥位用ホルダ318は、天板317によって上部が覆われた箱状であり、内部に可搬型の放射線検出器302を収容する。臥位用ホルダ318は、アルミ、ステンレスといった電磁波遮蔽性を有する導電性材料によって形成されている。臥位用ホルダ318は、図示省略したスライド機構によって、天板317の長辺方向に沿う方向にスライド移動可能である。
図65は、立位撮影台304の立位用ホルダ312に可搬型の放射線検出器302を収容し、立位撮影台304を用いて放射線撮影を行う場合を示す。この場合、紫外線源34Aは、立位用ホルダ312の被検者Hと対向する面に向けて紫外線UVを照射する。また、紫外線源34Bは、臥位撮影台305の天板317に向けて紫外線UVを照射する。なお、この場合、紫外線源34Cは紫外線UVを照射しない。
図66は、臥位撮影台305の臥位用ホルダ318に可搬型の放射線検出器302を収容し、臥位撮影台305を用いて放射線撮影を行う場合を示す。この場合、紫外線源34Aは、臥位撮影台305の天板317に向けて紫外線UVを照射する。また、紫外線源34Cは、立位用ホルダ312の被検者Hと対向する面に向けて紫外線UVを照射する。なお、この場合、紫外線源34Bは紫外線UVを照射しない。
まとめると、紫外線源34Aは、立位撮影台304および臥位撮影台305の両方に紫外線UVを照射する。紫外線源34Bは、臥位撮影台305に紫外線UVを照射する。紫外線源34Cは、立位撮影台304に紫外線UVを照射する。すなわち、紫外線源34Aは、本開示の技術に係る「立位撮影台用の紫外線源」の一例であり、「臥位撮影台用の紫外線源」の一例でもある。紫外線源34Bは、本開示の技術に係る「臥位撮影台用の紫外線源」の一例である。紫外線源34Cは、本開示の技術に係る「立位撮影台用の紫外線源」の一例である。
上記第1実施形態のように、制御装置303は、オペレータOPの点消灯の指示に応じて、紫外線源34A~34Cによる紫外線UVの照射および照射停止を切り替える制御部を有する。あるいは、上記第2実施形態のように、制御装置303は、設定条件を満たした場合に、紫外線源34A~34Cによる紫外線UVの照射を禁止する制御部を有する。
このように、第5実施形態では、紫外線源34A~34Cは、立位撮影台304および臥位撮影台305に紫外線UVを照射可能な箇所に設けられている。このため、被検者Hの接触により汚染される立位撮影台304および臥位撮影台305を殺菌することができる。
また、立位撮影台304用の紫外線源34Aおよび34Cと臥位撮影台305用の紫外線源34Aおよび34Bとが別々に設けられている。このため、立位撮影台304および臥位撮影台305を両方同時に殺菌することができる。殺菌による待ち時間が短くなり、放射線診断装置300の稼働率を上げることができる。立位撮影台304および臥位撮影台305を両方用いた放射線撮影を1人の被検者Hに連続的に行う場合に、立位撮影台304および臥位撮影台305がいずれも清浄な状態で放射線撮影を行うことができる。
紫外線源34A~34Cは、照射野限定器307の外面に設けられている。このため、立位撮影台304および臥位撮影台305に紫外線UVを効率的に照射することができる。
紫外線源34は、照射野限定器307の外面に限らず、照射野限定器307の内部に設けてもよい。また、紫外線源34の設置箇所は、立位撮影台304および臥位撮影台305に紫外線UVを照射可能な箇所であれば、照射野限定器307に限らず、どこでも構わない。例えば、放射線撮影室98の壁面または天井等に紫外線源34を取り付けてもよい。
立位撮影台304および臥位撮影台305のうちの少なくとも1つが備えられていればよい。また、立位撮影台304および臥位撮影台305は、可搬型の放射線検出器302が着脱可能に収容されるものではなく、放射線検出器が着脱不能に収容されるものでもよい。
[第6実施形態]
放射線診断装置としては、一例として図67~図69に示す放射線透視撮影装置320であってもよい。放射線透視撮影装置320は、予め定められたフレーム間隔で、複数枚の放射線画像RIを連続的に撮影する透視撮影を行う。図67~図69では、手術室において、オペレータOPが手術台321に仰臥した被検者Hの胸部を透視撮影する様子を示している。なお、手術台321は、本開示の技術に係る「寝台」の一例である。
放射線透視撮影装置320は、アーム部322と本体部323とで構成される。アーム部322は、横から見た形状が略C字状のアーム324を有している。本体部323は、高さ方向に延びる支柱325を有している。アーム324と支柱325は、接続部326を介して接続されている。この接続部326により、アーム324は支柱325に対して高さ方向に移動可能で、被検者Hの位置に応じた高さ調節が可能となっている。また、アーム324は、接続部326を貫く、高さ方向に直交する水平方向に沿う回転軸回りに回転可能である。
アーム324の一端には放射線源330、アーム324の他端には可搬型の放射線検出器302がそれぞれ取り付けられている。図67および図68においては、放射線源330が被検者Hの下方、可搬型の放射線検出器302が被検者Hの上方に位置している。こうした位置関係はアンダーチューブ姿勢と呼ばれる。逆に、図69においては、放射線源330が被検者Hの上方、可搬型の放射線検出器302が被検者Hの下方に位置している。こうした位置関係はオーバーチューブ姿勢と呼ばれる。アンダーチューブ姿勢は、放射線源330からの放射線Rが手術台321によって一部遮蔽されるので、被検者Hの周囲に存在するオペレータOP等への無用な被曝を低減することができる。
放射線源330には放射線管331が内蔵されている。また、放射線源330には照射野限定器332が取り付けられている。照射野限定器332の外面には、紫外線源34Fが設けられている。
可搬型の放射線検出器302は、放射線源330と対向するようにアーム324の他端に設けられたホルダ333に収容される。可搬型の放射線検出器302は、ホルダ333から取り外して使用することも可能である。ホルダ333の外面には、紫外線源34Gが設けられている。
本体部323内には、制御装置335が設けられている。本体部323内には、制御装置335の他に、バッテリおよび管電圧発生器等も設けられている。また、本体部323の下部には、前後左右に4個の車輪336が取り付けられている。本体部323、ひいては放射線透視撮影装置320は、この車輪336によって医療施設内を移動可能である。
図68に示すように、アンダーチューブ姿勢の場合、紫外線源34Gは、手術台321に向けて紫外線UVを照射する。なお、この場合、紫外線源34Fは紫外線UVを照射しない。一方、図69に示すように、オーバーチューブ姿勢の場合、紫外線源34Fは、手術台321に向けて紫外線UVを照射する。なお、この場合、紫外線源34Gは紫外線UVを照射しない。
上記第1実施形態のように、制御装置335は、オペレータOPの点消灯の指示に応じて、紫外線源34Fおよび34Gによる紫外線UVの照射および照射停止を切り替える制御部を有する。あるいは、上記第2実施形態のように、制御装置335は、設定条件を満たした場合に、紫外線源34Fおよび34Gによる紫外線UVの照射を禁止する制御部を有する。
このように、第6実施形態においては、放射線透視撮影装置320は、放射線源330と可搬型の放射線検出器302とを対向する位置において一体に保持するアーム324を備える。紫外線源34Fおよび34Gは、放射線源330と可搬型の放射線検出器302との間に配される、被検者Hが仰臥する手術台321に紫外線UVを照射可能な箇所に設けられている。このため、被検者Hの接触により汚染される手術台321を殺菌することができる。
紫外線源34Fおよび34Gは、照射野限定器332の外面に設けられている。このため、手術台321に紫外線UVを効率的に照射することができる。
オペレータOP等の目に紫外線UVが照射されることを確実に防止するために、アンダーチューブ姿勢の場合に紫外線源34Fの照射を禁止し、オーバーチューブ姿勢の場合に紫外線源34Gの照射を禁止してもよい。
紫外線源34は、照射野限定器332の外面に限らず、照射野限定器332の内部に設けてもよい。また、紫外線源34の設置箇所は、手術台321に紫外線UVを照射可能な箇所であれば、照射野限定器332に限らず、どこでも構わない。例示したようにホルダ333の外面に取り付けてもよいし、アーム324に取り付けてもよい。また、手術室の壁面または天井等に紫外線源34を取り付けてもよい。
ホルダ333は、可搬型の放射線検出器302が着脱可能に収容されるものではなく、放射線検出器が着脱不能に収容されるものでもよい。放射線透視撮影装置320は、車輪336によって移動可能なタイプではなく、手術室に据え置かれるタイプでもよい。
[第7実施形態]
放射線診断装置としては、一例として図70に示す移動式放射線発生装置340であってもよい。移動式放射線発生装置340は、病室を回りながら被検者Hの撮影を行う、いわゆる回診撮影に用いられる。このため移動式放射線発生装置340は回診車とも呼ばれる。また、移動式放射線発生装置340は、上記第6実施形態の放射線透視撮影装置320と同様、手術室に持ち込んで、手術の最中に使用することも可能である。さらには、移動式放射線発生装置340は、屋外の災害現場等に持ち込んで救急的に使用することも可能である。図70では、病室のベッド341に仰臥する被検者Hの下に可搬型の放射線検出器302を載置した状態で、被検者Hの胸部を放射線撮影する様子を示している。
移動式放射線発生装置340は、アーム部342と本体部343とで構成される。アーム部342は、本体部343の支柱344から所定の角度で上方に連設された第1アーム345と、第2アーム346とを有している。第2アーム346は、第1アーム345に対して折り曲げたり、伸ばしたりすることが可能である。
第2アーム346の先端には、放射線源350が取り付けられている。放射線源350には放射線管351が内蔵されている。また、放射線源350には照射野限定器352が取り付けられている。照射野限定器352の外面には、紫外線源34が設けられている。紫外線源34は、ベッド341に載置された可搬型の放射線検出器302に向けて紫外線UVを照射する。
本体部343内には、制御装置355が設けられている。本体部343内には、制御装置355の他に、バッテリおよび管電圧発生器等も設けられている。また、本体部343の下部には、前後左右に4個の車輪356が取り付けられている。本体部343、ひいては移動式放射線発生装置340は、この車輪356によって医療施設内を移動可能である。
本体部343には、オペレータOPが放射線Rの照射開始を指示するための照射スイッチ357が接続されている。また、本体部343の下部には、可搬型の放射線検出器302が収納されるポケット358が設けられている。可搬型の放射線検出器302は、縦横のサイズが17インチ×17インチ、17インチ×14インチ、12インチ×10インチ等、複数の種類がある。ポケット358は、こうした複数の種類がある可搬型の放射線検出器302を、種類を問わず複数台収納することが可能である。また、ポケット358は、収納された可搬型の放射線検出器302のバッテリを充電する機能を有している。
本体部343の上部には、手すり359が設けられている。手すり359は、本体部343、ひいては移動式放射線発生装置340を操縦するために、オペレータOPにより把持される。
上記第1実施形態のように、制御装置355は、オペレータOPの点消灯の指示に応じて、紫外線源34による紫外線UVの照射および照射停止を切り替える制御部を有する。あるいは、上記第2実施形態のように、制御装置355は、設定条件を満たした場合に、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する制御部を有する。
このように、第7実施形態においては、移動式放射線発生装置340は、放射線源350と可搬型の放射線検出器302とが搭載され、走行用の車輪356を有する本体部343を備える。紫外線源34は、可搬型の放射線検出器302に紫外線UVを照射可能な箇所に設けられている。このため、被検者Hの接触により汚染される可搬型の放射線検出器302を殺菌することができる。
紫外線源34は、照射野限定器352の外面に設けられている。このため、可搬型の放射線検出器302に紫外線UVを効率的に照射することができる。
紫外線源34は、照射野限定器352の外面に限らず、照射野限定器352の内部に設けてもよい。また、紫外線源34の設置箇所は、可搬型の放射線検出器302に紫外線UVを照射可能な箇所であれば、照射野限定器352に限らず、どこでも構わない。第2アーム346に取り付けてもよい。また、ポケット358内に紫外線源34を設け、ポケット358に収納された可搬型の放射線検出器302に紫外線UVを照射してもよい。さらに、照射スイッチ357、あるいは手すり359に紫外線UVを照射可能な箇所に、紫外線源34を設けてもよい。
移動式放射線発生装置340では、可搬型の放射線検出器302ではなく、検出パネル等の代わりにイメージングプレートが内蔵された、いわゆるCR(Computed Radiography)カセッテと呼ばれるものを用いる場合がある。CRカセッテを用いる場合は、紫外線源34からCRカセッテに紫外線UVを照射してもよい。
車輪356により移動式放射線発生装置340を移動させている最中に、紫外線源34から医療施設の床面に紫外線UVを照射し、医療施設の床面を殺菌してもよい。
[第8実施形態]
放射線診断装置としては、一例として図71に示す放射線CT(Computed Tomography)装置370であってもよい。放射線CT装置370は、放射線撮影室98に設置される。放射線CT装置370は、ガントリ371および寝台372を備える。ガントリ371はガントリ回転部373を有する。ガントリ回転部373は円環状をしており、ガントリ371内において回転可能に支持されている。ガントリ回転部373は円形状の空洞部374を形成する。寝台372には被検者Hが仰臥する。寝台372は、図示省略したスライド機構により、空洞部374内をスライド移動する。
ガントリ回転部373には、放射線源375および放射線検出器376が内蔵されている。放射線源375と放射線検出器376とは、空洞部374を挟んで対向する位置に配置されている。放射線源375と放射線検出器376とは、この位置関係を保った状態で、ガントリ回転部373の回転に伴って回転する。これら放射線源375および放射線検出器376により、複数の回転位置において放射線撮影して得られた複数の放射線画像RIを再構成することで、断層画像が生成される。
放射線源375には放射線管377が内蔵されている。また、放射線源375には照射野限定器378が取り付けられている。照射野限定器378の外面には、紫外線源34が設けられている。紫外線源34は、放射線源375が上、放射線検出器376が下に配置された図71に示す状態において、空洞部374内をスライド移動する寝台372に向けて紫外線UVを照射する。
ガントリ371内には、制御装置380が設けられている。ガントリ371内には、制御装置380の他に、管電圧発生器等も設けられている。
上記第1実施形態のように、制御装置380は、オペレータOPの点消灯の指示に応じて、紫外線源34による紫外線UVの照射および照射停止を切り替える制御部を有する。あるいは、上記第2実施形態のように、制御装置380は、設定条件を満たした場合に、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する制御部を有する。
このように、第8実施形態においては、放射線CT装置370は、放射線源375および放射線検出器376が内蔵されたガントリ371と、被検者Hが仰臥し、ガントリ371内をスライド移動する寝台372とを備える。紫外線源34は、寝台372に紫外線UVを照射可能な箇所に設けられている。このため、被検者Hの接触により汚染される寝台372を殺菌することができる。
紫外線源34は、照射野限定器378の外面に設けられている。このため、寝台372に紫外線UVを効率的に照射することができる。
紫外線源34は、照射野限定器378の外面に限らず、照射野限定器378の内部に設けてもよい。また、紫外線源34の設置箇所は、寝台372に紫外線UVを照射可能な箇所であれば、照射野限定器378に限らず、どこでも構わない。ガントリ回転部373の外面に紫外線源34を設けてもよい。また、放射線撮影室98の壁面または天井等に紫外線源34を取り付けてもよい。
ガントリ回転部373の外面に、等間隔で複数個の紫外線源34を設けてもよい。こうすれば、被検者Hが仰臥する寝台372の天板だけでなく、寝台372の側面、および空洞部374を構成するガントリ回転部373の内周面等も殺菌することができる。寝台372の側面は、被検者Hが手を掛けたりして汚染される可能性がある。また、ガントリ回転部373の内周面は、被検者Hの呼気で汚染される可能性がある。このため、寝台372の側面、およびガントリ回転部373の内周面も殺菌すれば、より安全性を高めることができる。
[第9実施形態]
一例として図72~図74に示す第9実施形態では、核磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置と略す)400Aまたは400Bに本開示の技術を適用する。
図72において、MRI装置400Aは、ガントリ401および撮影台402を備える。ガントリ401は円環状のガントリ本体403を有する。ガントリ本体403は円形状の空洞部404を形成する。寝台402には被検者Hが仰臥する。寝台402は、図示省略したスライド機構により、空洞部404内をスライド移動する。
寝台402を臨むガントリ本体403の上部の外面には、紫外線源34が設けられている。紫外線源34は、空洞部404内をスライド移動する寝台402に向けて紫外線UVを照射する。
ガントリ401内には、制御装置405が設けられている。上記第1実施形態のように、制御装置405は、オペレータOPの点消灯の指示に応じて、紫外線源34による紫外線UVの照射および照射停止を切り替える制御部を有する。あるいは、上記第2実施形態のように、制御装置405は、設定条件を満たした場合に、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する制御部を有する。
一例として図73に示すように、ガントリ本体403には、静磁場磁石410、高周波磁場コイル411、および傾斜磁場コイル412が内蔵されている。これら静磁場磁石410、高周波磁場コイル411、および傾斜磁場コイル412は、ガントリ本体403と同じく円環状をしている。静磁場磁石410はガントリ本体403の最も外側に位置し、空洞部404等を含む撮影空間に均一な静磁場を発生する。高周波磁場コイル411はガントリ本体403の最も内側に位置し、被検者Hの撮影部位内の水素原子に核磁気共鳴を生じさせるための高周波磁場を発生する。傾斜磁場コイル412は静磁場磁石410と高周波磁場コイル411の間に位置し、高周波磁場によって撮影部位から発せられる核磁気共鳴信号に位置情報を付与するため、静磁場に重ねて線形の傾斜磁場を発生する。これら静磁場磁石410、高周波磁場コイル411、および傾斜磁場コイル412は、磁場発生部413を構成する。
寝台402には受信コイル414が配される。受信コイル414は核磁気共鳴信号を受信する。この受信コイル414により受信した核磁気共鳴信号に基づいて、核磁気共鳴画像が生成される。
図72および図73で示したMRI装置400Aは、円環状のガントリ本体403を有するいわゆるトンネル型であるが、これに限らない。図74に示す、オープン型と呼ばれるMRI装置400Bでもよい。
図74において、MRI装置400Bは、ガントリ420および撮影台421を備える。ガントリ420は、上部ガントリ422と下部ガントリ423とが接続部424で接続された構成である。寝台421は、上部ガントリ422と下部ガントリ423との間の空間内をスライド移動する。なお、図示は省略するが、上部ガントリ422と下部ガントリ423には、MRI装置400Aと同様に、静磁場磁石、高周波磁場コイル、および傾斜磁場コイルで構成される磁場発生部が内蔵されている。また、寝台421には受信コイルが配される。
寝台421を臨む上部ガントリ422の外面には、紫外線源34が設けられている。紫外線源34は、上部ガントリ422と下部ガントリ423との間の空間内をスライド移動する寝台421に向けて紫外線UVを照射する。
下部ガントリ423内には、制御装置425が設けられている。上記第1実施形態のように、制御装置425は、オペレータOPの点消灯の指示に応じて、紫外線源34による紫外線UVの照射および照射停止を切り替える制御部を有する。あるいは、上記第2実施形態のように、制御装置425は、設定条件を満たした場合に、紫外線源34による紫外線UVの照射を禁止する制御部を有する。
このように、第9実施形態では、MRI装置400Aまたは400Bにおいて、寝台402または421に紫外線UVを照射可能な箇所に紫外線源34を設けている。このため、被検者Hの接触により汚染される寝台402または421を殺菌することができる。
紫外線源34の設置箇所は、寝台402または421に紫外線UVを照射可能な箇所であれば、上記で例示した箇所に限らず、どこでも構わない。例えば撮影室の壁面または天井等に紫外線源34を取り付けてもよい。
MRI装置400Aの場合、上記第8実施形態の放射線CT装置370と同様に、ガントリ本体403の外面に、等間隔で複数個の紫外線源34を設けてもよい。こうすれば、撮影台402の側面、および空洞部404を構成するガントリ本体403の内周面等も殺菌することができ、より安全性を高めることができる。
本第9実施形態の説明から、以下の付記項1および2を把握することができる。
[付記項1]
磁場を発生する磁場発生部が内蔵されたガントリと、
前記磁場によって被検者の撮影部位から発生される核磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、
前記被検者が仰臥し、前記ガントリ内をスライド移動する寝台と、
前記寝台に前記紫外線を照射可能な箇所に設けられた紫外線源と、
予め定められた設定条件を満たした場合に、前記紫外線源による前記紫外線の照射を禁止する制御部と、
を備える核磁気共鳴イメージング装置。
[付記項2]
磁場を発生する磁場発生部が内蔵されたガントリと、
前記磁場によって被検者の撮影部位から発生される核磁気共鳴信号を受信する受信コイルと、
前記被検者が仰臥し、前記ガントリ内をスライド移動する寝台と、
前記寝台に前記紫外線を照射可能な箇所に設けられた紫外線源と、
を備える核磁気共鳴イメージング装置。
上記第5~第9実施形態において、紫外線源34に代えて紫外線源150を用いてもよい。また、上記第5~第9実施形態と、上記第3実施形態および/または上記第4実施形態を複合して実施してもよい。さらに、図59~図61で示した、フットスイッチに紫外線源を設ける態様を、上記第5~第9実施形態に適用してもよい。例えば、上記第5実施形態の立位撮影台304の立位用ホルダ312、および/または、臥位撮影台305の天板317および臥位用ホルダ318の高さを調整するためにフットスイッチを用い、当該フットスイッチに紫外線源を設けてもよい。
立位撮影台304および臥位撮影台305を有する放射線診断装置300を例示した上記第5実施形態に、紫外線UVの照射時間を計測し、計測した照射時間を記憶する上記第4実施形態を適用する場合は、立位撮影台304および臥位撮影台305毎の照射時間を計測して記憶すればよい。また、放射線診断装置として移動式放射線発生装置340を例示した上記第7実施形態に、紫外線UVの照射時間を計測し、計測した照射時間を記憶する上記第4実施形態を適用する場合は、複数の可搬型の放射線検出器302から無線通信等で識別情報を送信させ、送信された識別情報毎に照射時間を記憶すればよい。
上記各実施形態において、例えば、受付部70および120、RW制御部71および198、制御部72、96、111、122、132、142、170、および195、画像処理部73、表示制御部74、100、および199、モード切替部130、並びに計測部196といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(作動プログラム65)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU57に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、および/または、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および/または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「Aおよび/またはB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「および/または」で結び付けて表現する場合も、「Aおよび/またはB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。