JP7306145B2 - 気体の濃縮方法 - Google Patents
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Description
[1]平均細孔径が0.59nm以上0.71nm以下のシリカ膜を介して、イソブテンと、イソブテン以外の炭素数4の炭化水素と、を含む混合気体からイソブテンを濃縮する、気体の濃縮方法であって、
前記シリカ膜はシラノール基を有し、
前記シリカ膜中の炭素原子に対するシリカ原子の存在比が1.0以上、3.0以下であり、
温度が30℃~100℃の範囲であり、かつ前記混合気体の供給側の圧力が大気圧以上、透過側の圧力が大気圧以下、前記供給側の圧力と前記透過側の圧力との差が98.7kPa以上、10MPa以下である環境下において行われる、気体の濃縮方法。
[2]前記シリカ膜の厚さが50nm以上500nm以下である、[1]に記載の気体の濃縮方法。
[3]前記イソブテン以外の炭素数4の炭化水素が1-ブテン、n-ブタン及びイソブタンから選択される1以上の炭化水素を含む、[1]又は[2]に記載の気体の濃縮方法。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の気体の濃縮方法により濃縮されたイソブテンを気相酸化することによりメタクロレイン及び/又はメタクリル酸を製造する方法。
本発明において、シリカ膜はシリカ原子を含有して構成されるアモルファス状の膜であり、具体的には、シロキサン結合および/またはシラノール基を含んで構成される員環構造により形成される細孔を有するアモルファス状の膜である。なお、アモルファス構造を有することは、X線回折により2θ=22.5°近辺にブロードなハローピークが検出されることで確認することができる。
水を含む溶媒中で、シリカ源とフッ素源とを混合し、反応させることによりフッ素ドープシリカゾル(以下、フッ素ドープシリカゾルと称す場合がある)を得ることができる。
上述のように調製されたフッ素ドープシリカゾルを支持体に塗布する。フッ素ドープシリカゾルの塗布は、スピンコーティング法、ディップコーティング法のほか、不織布をフッ素ドープシリカゾルに浸して塗布するなど、種々の方法により行い得る。
塗布したフッ素ドープシリカゾルを乾燥してゲル化させた後、焼成を行う。焼成を行うことにより、脱水縮合がより進行し、シリカネットワークが緻密になる。焼成温度は、100℃より高い温度とすることが好ましい。また、シリカ源として、(RO)3SiXSi(OR)3で表される化合物を用いた場合、400℃以上で焼成すると、Si-X-Siのアルキル鎖が分解されてしまい、細孔が形成されにくくなる場合があるため、400℃未満の温度で焼成することが好ましい。
混合気体は、少なくともイソブテンと、イソブテン以外の炭素数4の炭化水素と、を含有する。なお、イソブテン以外の炭素数4の炭化水素としては、特段の制限はなく、n-ブタン、1-ブテン、2-ブテン、イソブタン、又はブタジエンが挙げられる。なかでも、本発明に係る気体の濃縮方法は、ナフサの熱分解により得られる炭素数4の炭化水素成分からイソブテンを濃縮する際に有効に利用することが想定されるために、ナフサの熱分解により主に得られる、n-ブタン、1-ブテン及びイソブタンのうち少なくとも1種であることが好ましい。
(気体分離装置)
図1に示す装置を用いて、蒸気透過法により、それぞれ、イソブテン、1-ブテン、n-ブタン及びイソブタンの透過性能試験を行った。以下に詳細を説明する。図1に示される装置は、ガスボンベ1から供給されてガス除湿器2を通過した供給ガスが、圧力調整バルブ3により圧力が所定の値に調整され、分離膜設置部5に導入される構成となっている。また、分離膜設置部5には一方の末端が封止されたシリカ膜複合体6が設置されており、シリカ膜複合体6の他方の末端は、透過ライン7に接続されている。透過ライン7に接続されたガスフローメーター8により、透過ガス量が測定される。また、背圧バルブ11により供給側の圧力を制御することができる。なお、実質的に圧力損失は無視できるためにガスフローメーター8は大気圧解放されており、透過ライン7およびシリカ膜複合体6の透過側は大気圧状態に保持されるため、供給ガスの圧力を透過側圧力、すなわち大気圧以上に設定することで、供給側と透過側の圧力差を駆動力として、供給ガスはシリカ膜複合体6を透過することとなる。なお、透過性能試験中は、ヒーター9および温度調節器10により分離膜設置部5内部は一定温度に保持される。
シリカ膜複合体6として、長さ100mm、直径10mmの単管状のα-アルミナ支持体表面に形成されたシリカ膜A(平均細孔径0.59nm、膜厚150nm、有効膜面積0.00314m2、シリカ原子・炭素原子存在比2:1)を用いて、供給ガスとしては、イソブテンを用い、分離膜設置部5内の温度を30℃に保持し、供給ガスの圧力が絶対圧として200kPaとなるように圧力調整バルブ3を調整し、イソブテンの透過性能試験を開始した。透過性能試験開始後、3時間の透過ガス量を測定し、以下の式(1)からパーミアンスP[mol/(m2・s・Pa)]を算出した。なお、イソブテンを供給する前には、あらかじめ窒素の透過量が一定になるまでシリカ膜に窒素を供給した。
A:シリカ膜の有効膜面積(m2)
t:透過時間(h)
Δp:供給ガスと透過側の圧力差(Pa)
透過性能試験における分離膜設置部5内の温度を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様の方法により透過性能試験を行い、分離係数Yを算出した。結果を表1に示す。
シリカ膜複合体6として、長さ100mm、直径10mmの単管状のα-アルミナ支持体表面に形成されたシリカ膜B(平均細孔径0.64nm、膜厚150nm、有効膜面積0.00314m2、シリカ原子・炭素原子存在比2:1)を用い、透過性能試験の温度を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様の方法により、透過性能試験を行い、分離係数Yを算出した。得られた結果を表1に示す。なお、イソブタンに関しては透過性能試験を実施しなかった。
シリカ膜複合体6として、長さ100mm、直径10mmの単管状のα-アルミナ支持体表面に形成されたシリカ膜C(平均細孔径0.71nm、膜厚150nm、有効膜面積0.00314m2、シリカ原子・炭素原子存在比2:1)を用い、透過性能試験の温度を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様の方法により、透過性能試験を行い、分離係数Yを算出した。結果を表1に示す。
2 ガス除湿器
3 圧力計バルブ
4 圧力計
5 分離膜設置部
6 シリカ膜複合体
7 透過ライン
8 ガスフローメーター
9 ヒーター
10 温度調節器
11 背圧バルブ
Claims (4)
- 平均細孔径が0.59nm以上0.71nm以下のシリカ膜を介して、イソブテンと、イソブテン以外の炭素数4の炭化水素と、を含む混合気体からイソブテンを濃縮する、気体の濃縮方法であって、
前記シリカ膜はシラノール基を有し、
前記シリカ膜中の炭素原子に対するシリカ原子の存在比が1.0以上、3.0以下であり、
温度が30℃~100℃の範囲であり、かつ前記混合気体の供給側の圧力が大気圧以上、透過側の圧力が大気圧以下、前記供給側の圧力と前記透過側の圧力との差が98.7kPa以上、10MPa以下である環境下において行われる、気体の濃縮方法。 - 前記シリカ膜の厚さが50nm以上500nm以下である、請求項1に記載の気体の濃縮方法。
- 前記イソブテン以外の炭素数4の炭化水素が1-ブテン、n-ブタン及びイソブタンから選択される1以上の炭化水素を含む、請求項1又は2に記載の気体の濃縮方法。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の気体の濃縮方法により濃縮されたイソブテンを気相酸化することによりメタクロレイン及び/又はメタクリル酸を製造する方法。
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