JP2010069432A - 固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温、高圧条件下においても安定的に使用でき、炭化水素の分離、特にオレフィン/パラフィン混合物の分離を行うことが出来る固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
固体シリカ膜は、不飽和炭化水素を選択的に透過させる多孔質であり、一価の炭化水素基を表面に有し、赤外吸収スペクトル測定で得られるシラノール基(Si−OH)の3000cm−1のピーク強度が、シロキサン結合(Si−O−Si)の1500cm−1のピーク強度の1/10以下である。炭化水素分離膜は、多孔性セラミックス支持体の表面に、上記固体シリカ膜が形成されている。本発明の炭化水素分離膜の製造方法は、酸素及び/又はオゾンと不活性ガスを含む混合ガスと、気化したシリカ源とを用いたCVD法によって、上記多孔性セラミックス支持体表面の細孔を閉塞するように上記固体シリカ膜を製膜する。
【選択図】なし

Description

本発明は、選択透過性を有する固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法に係り、更に詳細には、高い温度条件においても不飽和炭化水素を選択的に透過させることのできる固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法に関する。
炭化水素の分離、特にオレフィン/パラフィン混合物の分離は、重要な化学原料であるプロピレンを高濃度で得られる点で重要である。現在、オレフィン/パラフィン混合物の分離は、通常、蒸留により行われている。しかし分離させる成分が同様の揮発性であることが、このプロセスをコスト高にし、複雑にさせ、高価な蒸留塔とエネルギー集約的な処理を必要とする。そこで、蒸留法に代わるものとして、分離膜がパラフィンからオレフィンを分離する手段として検討されている。
しかし、分離膜による分離は、分離させる成分の分子サイズが近似するために極めて困難である。また高圧と高温の厳しい分離条件は、多くの膜材料の分離性能の耐久性と安定性に悪影響を及ぼす傾向がある。従って、高いオレフィン/パラフィン選択性と、高圧及び高温の下での長時間にわたる炭化水素との接触に対する十分な耐久性とを有する分離膜が強く望まれている。
これまでに、プロピレン/プロパン選択性を有するいくつかの無機膜およびポリマー/無機膜材料が研究されてきた。例えば、非特許文献1では、担体として硝酸銀を含む支持された液体膜によるエタンからのエチレンの分離などが報告されているが、大規模化することは困難であり、工業的な高温、高圧の条件下においては性能の低下を引き起こす。
また、ポリイミド膜はパラフィンからのオレフィンの分離についてある程度研究されてきた。例えば、非特許文献2では、低い供給圧力(2〜4bar)で5〜8の範囲の混合ガスプロピレン/プロパン選択性を示したポリイミドの中空繊維膜を報告している。しかしこれらの膜も、大規模化することは困難であり、工業的な高温、高圧の条件下においては性能の低下を引き起こす。
そこで、高温、高圧の条件下において、性能の低下を引き起こさない水素分離用の膜について、例えばSiClをシリカ源として用い、気相中でHOと反応させる化学蒸着法(以下「CVD法」という)により、多孔質基材の細孔にシリカを製膜する方法が提案されている(非特許文献3)。
また、シリカ源としてテトラ低級アルコキシシランの1種のテトラメトキシシラン(Tetramethyl orthosilicate、以下「TMOS」という)を用い、気相中でオゾンと反応させて多孔質基材の細孔にシリカ(SiO)を製膜して成る水素分離膜が提案されている(非特許文献4)。
Teramoto et al. J. Chem. Eng. Japan 19 (1986) 1 Lee et al. J. Membrane Science 73 (1992) 37-45 Gavalas et al. Ind. Eng. Chem, Res Vol.30 No.9 (1991) Xin Ying Tokyo Univ. Master Thesis (1998)
しかしながら、上記文献に記載のシリカ膜は、高温、高圧条件下で使用できるものの、炭化水素の分離、オレフィン/パラフィン混合物の分離を行うことが出来なかった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温、高圧条件下においても安定的に使用でき、炭化水素の分離、特にオレフィン/パラフィン混合物の分離を行うことが出来る固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、赤外線吸収スペクトルの特定波長領域のピークに特徴を有する多孔質の固体シリカ膜の表面に、一価の炭化水素基を結合させることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の固体シリカ膜は、不飽和炭化水素を選択的に透過させる多孔質であり、一価の炭化水素基を表面に有し、赤外吸収スペクトル測定で得られるシラノール基(Si−OH)の3000cm−1のピーク強度が、シロキサン結合(Si−O−Si)の1500cm−1のピーク強度の1/10以下であることを特徴とする。
また、本発明の炭化水素分離膜は、多孔性セラミックス支持体の表面に、上述の固体シリカ膜が形成されたことを特徴とする。
更に、本発明の炭化水素分離膜の製造方法は、酸素及び/又はオゾンと不活性ガスを含む混合ガスと、気化したシリカ源とを用いたCVD法によって、上記多孔性セラミックス支持体表面の細孔を閉塞するように上記固体シリカ膜を製膜することを特徴とする。
本発明によれば、赤外線吸収スペクトルの特定波長領域のピークに特徴を有する多孔質の固体シリカ膜の表面に、一価の炭化水素基を結合させることなどとしたため、高温、高圧条件下においても安定的に炭化水素、特にオレフィン/パラフィン混合物の分離を行うことが出来る固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の固体シリカ膜、それを用いた炭化水素分離膜及びその製造方法について、さらに詳細、かつ具体的に説明する。なお、本明細書中において、「%」は特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
図1は、本発明の炭化水素分離膜の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す炭化水素分離膜100においては、細孔30を有する多孔性セラミックス支持体10の表面に固体シリカ膜20が形成されている。該固体シリカ膜はそれ自身も細孔32を有する。
図2は、本発明の炭化水素分離膜の一実施形態によるオレフィン/パラフィン混合物の分離機構を示す模式図である。オレフィン/パラフィン混合物に含まれるオレフィン50は、固体シリカ膜20に選択的に吸着することによりパラフィン60と分離される。その後、オレフィン50は、細孔32内において固体シリカ膜20の表面との相互作用により輸送され、多孔性セラミックス支持体10の細孔30を通過する。
(1)固体シリカ膜
本発明の固体シリカ膜は、上述のように不飽和炭化水素を選択的に吸着し、透過させる多孔質であり、一価の炭化水素基を表面に有している。
本発明において、シリカ膜が固体であることは、「赤外吸収スペクトル測定で得られるシラノール基(Si−OH)の3000cm−1のピーク強度が、シロキサン結合(Si−O−Si)の1500cm−1のピーク強度の1/10以下である」ことにより定義される。
図3に本発明の一実施形態における固体シリカ膜の赤外吸収スペクトル(IR)分析結果を、PrTMOS加水分解物の赤外吸収スペクトル(IR)分析結果と共に示す。このチャートに示されるように、該固体シリカ膜においては、シラノール基のピークが測定限界以下であり、他の固形状のシリカ膜、例えばゾル−ゲル法によるゲル膜などとは明らかに異なる構造を有する固体膜であることが分かる。
なお、ゲル膜は毛管凝集現象による分離機構を有するが、そのため高温では分離係数が下がり、高温では毛管凝集機構が出現しないことにより、凝集による細孔の閉塞が起こらず、すべての分子が細孔内を移動できるようになるため、分離性能を失う。一方、固体シリカ膜は、シラノール基を多く有するゲル膜等とは異なり、例えば150℃〜350℃の高温条件下においても分離性能を維持することができる。
また、本発明の固体シリカ膜は、表面に一価の炭化水素基を有している。ここで、一価の炭化水素基とは、好ましくはアルキル基、アリル基及びアリール基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基である。これらの有機官能基を表面に有することで、選択透過させるオレフィンの二重結合部分を膜表面で受け渡しながら、促進輸送することが可能になると考えられる。
更に、本発明の固体シリカ膜の細孔の孔径は、好ましくは0.3nm以上1.0nm未満である。0.3nm未満では、細孔径が小さく、すべての炭化水素が透過しない場合があり、1nm以上では、細孔壁に炭化水素が選択的に吸着した後にも、細孔内に他の分子が透過できるような隙間ができ、選択性が低下する場合がある。なお、孔径の値は、単成分のガス分離試験を行い、透過速度と透過分子の分子径より得ることができる。
(2)炭化水素分離膜及びその製造方法
本発明の炭化水素分離膜は、多孔性セラミックス支持体の表面に上述の固体シリカ膜が形成されたものである。
ここで、多孔性セラミックスは、好ましくはアルミナ、ジルコニア、チタニア及びマグネシアである。本発明で好ましく使用できる多孔性アルミナ支持体(γ−アルミナキャピラリー)の性状等を表1に示す。
Figure 2010069432
本発明の炭化水素分離膜の製造においては、酸素、オゾンのいずれか一方又は双方と不活性ガスを含む混合ガスと、気化したシリカ源とを用いたCVD法によって、上述の多孔性セラミックス支持体表面の細孔を閉塞するように上記固体シリカ膜が製膜される。
固体シリカ膜は、図4の作製概念図に示すように、対向拡散CVD法と熱分解を組み合わせて製膜されることが好ましく、その際の熱分解の温度(製膜温度)は、150〜500℃である。
上記シリカ源としては、CVD法においてシリカ膜を形成し、且つ、熱分解等により一価の炭化水素基を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、テトラ低級アルコキシシラン、テトラ低級アルコキシシランと他の金属アルコキシドとの混合物、シラン類等が好ましく用いられる。図5にシリカ源として用いられるアルコキシシランの例を示す。
次に、本発明の炭化水素分離膜の製造に用いられる製膜/ガス透過実験装置の一例の模式図を図6に示す。図6において、製膜/ガス透過実験装置は、反応器、電気炉、リボンヒーター、温調器、ガス供給・制御部分、バブラー、石鹸膜流量計、圧力センサー、真空ポンプ、コールドトラップを備えている。配管にはSUS管が用いられる。
モジュールと膜(多孔質セラミックス支持体に蒸着したシリカ膜)のシールは、Swagelok社のウルトラトールを加工したものと、Oリングによりシールされる。膜モジュールの中央には電気炉が設置され、モジュール内に挿入された熱電対により温度が制御される。
リボンヒーターはシリカプリカーサーが反応器に達する前に凝縮するのを防ぐために巻かれており、プリカーサーの供給時には、配管は100℃程度に加熱される。また有毒なシリカプリカーサーが大気中に放出されるのを防止するため、未反応のプリカーサーは氷水のトラップで回収される。
膜の外側にはシリカプリカーサーを供給する窒素バブラーが接続され、膜の内側には酸素、およびオゾンの供給ラインが接続されている。これらは、それぞれ大気圧にて供給される。製膜の際に必要な窒素、酸素はマスフローコントローラー(電子制御)により、その他の透過試験用ガスはマスフローコントローラー(ニードルバルブ制御)により流量が調整される。
膜の外側のラインには圧力計が設置されている。これは配管が閉塞した場合に、シリカプリカーサーを膜の外側のラインに供給することでモニターするものである。膜の内側、外側において未反応のガスはドラフトに排気される。
この製膜/ガス透過実験装置を用いて対向拡散CVD法により製膜する場合には、シリカプリカーサーをバブリングにて供給する窒素の流量、反応助剤である酸素の流量は、例えば0.2L/minに固定される。
以下に、製膜及びガス透過試験をする際の基本的な装置の操作方法について述べる。
(装置の操作方法)
(a)製膜
1.リアクターに多孔性セラミックス支持体(例えば、γ−アルミナキャピラリー)を設置する。氷水のトラップを準備し、リアクター、バブラー、リボンヒーターの温度を所定の温度に設定する。
2.リアクターの温度が所定の温度に達したら、多孔性セラミックス支持体のガス透過実験を加圧法にて行う。この際、平均細孔径が150nm以上であった場合は、支持体にクラックが発生しているか壊れていると判断する。
3.Nをバブラーへ供給する。この際、製膜開始前に反応器内にプリカーサーが入らないようにするために、バブラーからコールドトラップへのラインに流れるようにする。
4.リアクター、バブラーの温度が安定したのを確認した後、窒素バブリングによってプリカーサー蒸気をコールドトラップへのラインからリアクター(膜の外側)への供給を開始し、製膜を行う。
5.製膜を終える場合、バブラーへのNの供給を止め、次いでO及びOの供給を止める。
(b)透過実験
比較的透過率が小さい場合(10−8〜10−12molm−2−1Pa−1オーダー)には圧力変化法にて、多孔性セラミックス支持体のように比較的透過率が大きい場合 (10−6 molm−2−1Pa−1オーダー)には加圧法にて透過試験を行う。
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明する。
(実施例1)
〔PrTMOS/O系対向拡散CVD法による製膜(製膜温度300℃)〕
表1に示すγ−アルミナキャピラリーを多孔性セラミックス支持体として、300℃、蒸着時間90 minにて固体シリカ膜を製膜し、本実施例の炭化水素分離膜を得た。
この炭化水素分離膜を用いて、300℃、150℃、35℃にて透過試験を行った。その際のkinetic径と透過率の関係を図7に示す。
図7に示すように、透過試験温度の上昇とともに各透過分子の透過率は増加し、300℃の透過試験においてH/N透過率比、N/SF透過率比はそれぞれ18、100となった。H/N透過率比よりもN/SF透過率比が大きいというこれらの結果より、本実施例の炭化水素分離膜では、窒素選択透過性の細孔が均質にできたか、または窒素選択透過性の細孔が多くできたかのどちらかの可能性が考えられる。
また、各透過温度において、kinetic径の小さいCよりもkinetic径の大きいCの透過率が大きくなった。なお、透過試験はC、Cの順番で行った。C/C透過率比は300℃透過試験のとき最大の2.4となり、透過試験温度の低下にしたがって小さくなった。よって、C、Cの透過は、分子ふるい機構以外の透過機構が存在すると考えられる。
一方、PrTMOSの加水分解物の熱重量測定から300℃付近で逆ヒドロシリル化反応(−Si−CH−CH−CH → −Si−CH+CH=CH)によりエチレンが脱離し、メチル基がシリカ細孔表面に残存していると考えられる。また、PrTMOSの加水分解物を300℃で熱分解した試料にメチル基のピークが得られたことより、300℃で製膜した際にメチル基が残存していると考えられる。
以上の結果より、製膜温度300℃では−Si−CHが残存し、透過試験温度300℃においてCが逆ヒドロシリル化反応により選択的に透過し(−Si−CH+C →−Si−CH−CH−CH−CH)、Cの透過を妨げた結果透過率比が生じたと推測される。
(実施例2)
〔PrTMOS/O系対向拡散CVD法による製膜(製膜温度320℃)〕
表1に示すγ−アルミナキャピラリーを多孔性セラミックス支持体として、320℃、蒸着時間90minにて固体シリカ膜を製膜し、本実施例の炭化水素分離膜を得た。
この炭化水素分離膜を用いて、300℃、150℃、35℃にて透過試験を行った。その際のkinetic径と透過率の関係を図8に示す。
図8に示すように、透過試験温度の上昇とともに各透過分子の透過率は増加し、320℃の透過試験においてH/N透過率比、N/SF透過率比はそれぞれ15、110となった。
さらに実施例1の透過試験結果と同様、各透過試験温度においてCよりもkinetic径の大きいCの透過率が大きくなった。図9に各透過試験温度におけるC、Cの透過性能を示す。320℃透過試験においてC/C透過率比6.8となったことから300℃前後で、緻密膜において(Cのkinetic径よりも細孔径が十分大きいとCも透過してしまう)可逆的に逆ヒドロシリル化反応がおこると思われる。即ち、分子ふるい機構以外に、細孔内で不飽和炭化水素に対するアフィニティがあり、このアフィニティを利用した選択性が出現すると推測される。
(比較例)
〔PrTMOS/O系対向拡散CVD法による製膜(製膜温度400℃)〕
表1に示すγ−アルミナキャピラリーを多孔性セラミックス支持体として、400℃、蒸着時間90minにて固体シリカ膜を製膜し、本例の炭化水素分離膜を得た。
この炭化水素分離膜を用いて、300℃、150℃、35℃にて透過試験を行った。その際のkinetic径と透過率の関係を図10に示す。
本例では、透過試験温度300℃において実施例2よりもH透過率が増加したものの、CとCの透過率はほとんど同じで、分離することはできなかった。これは400℃で製膜を行うことで、分離に必要な一価の炭化水素基が熱分解してしまい、膜内に残存しないためである。
これらの結果より、アルコキシシラン等のシリカ源を用いたCVD法や熱分解などによって形成した一価の炭化水素基を有するシリカ膜を用いることで、高温、高圧条件下においても、炭化水素の分離、特にオレフィン/パラフィン混合物の分離を行うことができた。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の炭化水素分離膜の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の炭化水素分離膜の一実施形態によるオレフィン/パラフィン混合物の分離機構を示す模式図である。 固体シリカ膜及びPrTMOS加水分解物のIR分析結果のチャートである。 本発明の固体シリカ膜の作製概念図である。 シリカ源として用いられるアルコキシシランの例を示す化学式である。 製膜/ガス透過実験装置の模式図である。 kinetic径と透過率の関係を示すグラフである。 kinetic径と透過率の関係を示すグラフである。 、Cの透過性能を示すグラフである。 kinetic径と透過率の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 多孔性セラミックス支持体
20 固体シリカ膜
30 細孔
32 細孔
50 オレフィン
60 パラフィン
100 炭化水素分離膜

Claims (8)

  1. 不飽和炭化水素を選択的に透過させる多孔質の固体シリカ膜であって、
    一価の炭化水素基を表面に有し、
    赤外吸収スペクトル測定で得られるシラノール基(Si−OH)の3000cm−1のピーク強度が、シロキサン結合(Si−O−Si)の1500cm−1のピーク強度の1/10以下であること
    を特徴とする固体シリカ膜。
  2. 150℃〜350℃の高温条件下で不飽和炭化水素を選択的に透過させることを特徴とする請求項1に記載の固体シリカ膜。
  3. 上記炭化水素基が、アルキル基、アリル基及びアリール基から成る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体シリカ膜。
  4. 上記多孔質の孔径が0.3nm以上1nm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体シリカ膜。
  5. 多孔性セラミックス支持体の表面に、請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体シリカ膜が形成されたことを特徴とする炭化水素分離膜。
  6. 上記多孔性セラミックスが、アルミナ、ジルコニア、チタニア及びマグネシアから成る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする炭化水素分離膜。
  7. 請求項5又は6に記載の炭化水素分離膜を製造するにあたり、酸素及び/又はオゾンと不活性ガスを含む混合ガスと、気化したシリカ源とを用いた化学蒸着法によって、上記多孔性セラミックス支持体表面の細孔を閉塞するように上記固体シリカ膜を製膜することを特徴とする炭化水素分離膜の製造方法。
  8. 前記シリカ源は、テトラ低級アルコキシシラン、テトラ低級アルコキシシランと他の金属アルコキシドとの混合物及びシラン類から成る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
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