JP7305938B2 - 電気部品ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、発熱体である電気部品に冷却体を取り付けた電気部品ユニットに関する。
パワートランジスタやパワーMOSFETなどのパワー素子は、動作時に熱を発生する。このような高温になりやすい電気部品(電子部品)には、通常、冷却体が取り付けられ、電気部品から発せられる熱を放熱することが行われる。
例えば特許文献1には、パワー素子に冷却フィンを当接させた冷却装置が開示されている。ここで、冷却フィンは、熱伝導が良い金属、例えば純アルミを押し出し加工することにより形成されている。
特開2002-334957号公報
一般に、冷却体による放熱効率を向上させるためには、冷却体の放熱面の表面積を大きくすることが行われる。しかしながら、表面積を大きくするということは、冷却体の大型化、即ち発熱体である電気部品を含む電気部品ユニットの大型化につながる。また、冷却体の大型化は、当該冷却体の重量増加、即ち冷却体が取り付けられた電気部品を含む電気部品ユニットの重量増加につながる。
電気部品ユニットを搭載する装置によっては、電気部品ユニットの重量や大きさが厳しく制限される場合がある。例えば、モバイルコンピュータや携帯電話などの持ち運びを想定した装置や、ドローンなどの飛行体に搭載する場合、電気部品ユニットの小型化および軽量化が要求される。
そこで、本発明は、高い冷却効率を有し、かつ、小型化および軽量化が可能な冷却体を使用した電気部品ユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電気部品ユニットの一態様は、発熱体である電気部品と、前記電気部品に接するように取り付けられた冷却体と、を備え、前記冷却体は、炭素繊維強化炭素複合材料のみからなり、前記電気部品に接する面の長手方向が炭素繊維の配向方向に沿って設定されている。
炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維の配向方向に高い熱伝導率を有する。したがって、電気部品に接する面の長手方向を炭素繊維の配向方向に沿って設定することで、アルミニウム等の金属を冷却体として使用する場合よりも、高い冷却効率を得ることができる。さらに、炭素繊維強化炭素複合材料は低密度な材料であるため、冷却体の軽量化が図れる。つまり、高い冷却効率と軽量化とを実現することができる。
また、上記の電気部品ユニットにおいて、前記冷却体の前記長手方向の長さは、前記電気部品の前記冷却体に接する面の前記長手方向における長さよりも長くてもよい。この場合、冷却体は、電気部品からの熱を、電気部品に接していない領域へ効率良く伝達することができ、放熱効率を向上させることができる。
さらに、上記の電気部品ユニットにおいて、前記冷却体の前記電気部品に接する面の、前記長手方向に直交する幅方向における長さは、前記電気部品の前記冷却体に接する面の、前記幅方向における長さと同等であってよい。このように、冷却体を電気部品と同等の幅を有するような細長い形状とすることで、電気部品の設置スペースが、一方向にしか設置できないような細長い空間であっても、適切に冷却体を配置することができる。
また、上記の電気部品ユニットにおいて、前記炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維が一方向に引き揃えられた一方向性の炭素繊維強化炭素複合材料であってよい。このように、冷却体を、一方向性の炭素繊維強化炭素複合材料により構成すれば、熱伝導率の異方性を強め、炭素繊維の配向方向における熱伝導率を高めることができる。
さらに、上記の電気部品ユニットにおいて、前記冷却体は、炭素繊維の配向方向に沿って屈曲させた屈曲部を有してもよい。これにより、冷却体を電気部品の設置スペースに対応した形状とすることができ、設置スペースに制限がある場合であっても、適切に冷却体を配置することができる。
また、上記の電気部品ユニットにおいて、前記冷却体は、複数の炭素繊維強化炭素複合層が積層された積層構造を有し、前記屈曲部は、前記複数の炭素繊維強化炭素複合層の少なくとも1層に設けられていてもよい。この場合、冷却体の表面積を大きくすることができ、冷却体の放熱効果を向上させることができる。
本発明によれば、電気部品に取り付ける冷却体を、炭素繊維強化炭素複合材料により構成し、炭素繊維の配向方向に伸びる形状とするため、高い冷却効率を有し、かつ、小型化および軽量化が可能な冷却体とすることができる。したがって、当該冷却体を使用した電気部品ユニットの小型化および軽量化を実現することができる。
本実施形態における電気部品ユニットの概略構成を示す図である。 空冷無しの場合の実施例と比較例との実験結果である。 空冷有りの場合の実施例と比較例との実験結果である。 空冷無しの場合の別の比較例の実験結果である。 本実施形態の冷却体の他の構造例である。 本実施形態の冷却体の他の構造例である。 本実施形態の冷却体の他の構造例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における電気部品ユニット100の概略構成を示す図である。
電気部品ユニット100は、発熱体10と、冷却体20と、を備える。発熱体10は、例えばパワー素子等の半導体素子といった発熱を生じやすい電気部品(電子部品)である。電気部品ユニット100は、例えば、モータの回転速度を制御する速度制御ユニットとすることができる。この場合、速度制御ユニットは、発熱体として、FET(電界効果トランジスタ)やMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子を有する。
例えば3相ブラシレスDCモータの回転速度制御を行う速度制御ユニットの場合、当該速度制御ユニットは6個の発熱体であるスイッチング素子を有するため、かなりの発熱が見込まれる。そのため、適切に冷却を行わないと、例えばスイッチング素子のジャンクション部の温度が一定温度を超え、スイッチング素子に不具合が生じるおそれがある。また、速度制御ユニット自体が高温となると、スイッチング素子だけでなく、この速度制御ユニットに含まれる他の電気部品の不具合発生の原因にもなり得る。
したがって、速度制御ユニット等の電気部品ユニット100の長寿命化を実現するためには、当該電気部品ユニット100が備える発熱体10を適切に冷却し、電気部品ユニット100の過度な温度上昇を抑制することが重要である。本実施形態では、発熱体10の温度上昇を適切に抑制するために、発熱体10に熱伝導性に優れた冷却体20を取り付ける。
冷却体20は、発熱体10に接するように取り付けられている。例えば、図1に示すように、発熱体10と冷却体20とは、ヒートシンカー15を介して密着するように取り付けられていてもよい。ここで、ヒートシンカー15は、発熱体10と冷却体20との密着性を上げ、発熱体10からの熱を効率良く冷却体20に伝達するために用いられる。ヒートシンカー15は、例えばシリコーン樹脂等により構成することができる。
発熱体10は、冷却体20の一端に、ヒートシンカー15を介して取り付けることができる。ここで、冷却体20は、発熱体10と同等の幅で、発熱体10の幅方向に直交する方向に長く伸びた平板状の部材とすることができる。なお、本明細書では、冷却体20の長手方向をX方向、X方向に対して直交する方向(幅方向)をY方向とする。
冷却体20は、炭素繊維強化炭素複合材料により構成されている。炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維を強化材とし、炭素をマトリックスとする複合材である。炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を成形硬化後、不活性雰囲気中で熱処理し、母材のプラスチックを炭化させることで作られる。なお、炭素繊維強化炭素複合材料は、C/Cコンポジット(C/C composite)、カーボンカーボン(carbon-carbon)、カーボンカーボン複合材料(carbon-carbon composite)、強化カーボンカーボン(reinforced carbon-carbon, RCC)などと呼ばれることもある。以下の説明では、炭素繊維強化炭素複合材料を「C/Cコンポジット」と呼ぶ。
以下、本実施形態における冷却体20として使用するC/Cコンポジットの製造方法について説明する。
まず、CFRPを作製する。CFRPは、複数のプリプレグが積層されて構成されている。プリプレグは、炭素繊維に、繊維の方向性を持たせたまま樹脂を含浸させたシート状の部材である。プリプレグを構成する樹脂は、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂である。なお、プリプレグを構成する樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェノール、シアネートエステル、ポリイミド等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
CFRPは、型の中に、複数のプリプレグを必要層数(5~10層)積層し、減圧下で120℃~130℃程度に加熱し、加圧(圧着)して硬化させることで成形される。ここで、本実施形態では、プリプレグとして、繊維の方向が一方向にのみ伸びているUD材(UNI-DIRECTION材)を使用する。この場合、複数のUD材を、繊維の方向が一致するように積層し、CFRPを作製する。なお、プリプレグとして、繊維の方向が異なるように重ね合わせたクロス材を使用することもできる。ただし、この場合、異方性を持たせるように繊維の配向を設定するものとする。
次に、CFRPを、2500℃~3000℃で2週間ほど熱処理し、C/Cコンポジットを作製する。このようにして得られたC/Cコンポジットは、プリプレグの積層数に相当する複数の炭素繊維強化炭素複合層が積層された積層構造を有する。また、上記のように複数のUD材を繊維の方向が一致するように積層して作製されたC/Cコンポジットは、各炭素繊維強化炭素複合層において炭素繊維が同一方向に引き揃えられた一方向性のC/Cコンポジットとなる。
C/Cコンポジットは、冷却体として一般に用いられる銅やアルミなどの金属材料よりも低密度(即ち軽い)であり、かつ、高い熱伝導性を有する材料である。
例えば、密度は、銅が約8.9g/cm、アルミニウムが約2.7g/cmであるのに対し、C/Cコンポジットは約1.7g/cmである。また、熱伝導率は、銅が約400W/mK、アルミニウムが約240W/mKであるのに対し、C/Cコンポジットは700W/mKである。
従来、スイッチング素子などの発熱部品を冷却する冷却体としては、熱伝導性の良い金属であるアルミニウムや銅が広く使用されてきた。しかしながら、電気部品ユニットを搭載する装置によっては、電気部品ユニットの重量が厳しく制限される場合があり、冷却体を金属製とすることは、電気部品ユニットの重量を増加させる原因となり、不利である。
本発明者は、上記の問題を解決する冷却体20の材料として、C/Cコンポジットが最適であることを見出した。C/Cコンポジットは、上述したように、高い熱伝導性を有するので、冷却体としての機能を十分に発揮することができる。それに加えて、低密度(軽量)であるので、発熱体10に取り付けたとしても、電気部品ユニット100の重量を著しく増加させることがない。
熱伝導率を密度で除した値である比熱伝導率[W・cm/mK・g]は、銅が44.9、アルミニウムが74、C/Cコンポジットが411.8である。このように、C/Cコンポジットは、銅やアルミニウムよりも熱伝導率が高くかつ軽量な材料である。したがって、電気部品ユニット100の重量増加を抑制しつつ、効率良く発熱体10を冷却できる材料としては、C/Cコンポジットが非常に優れている。
また、C/Cコンポジットは、炭素繊維の配向によって熱伝導率に異方性を持たせることができる。例えば、プリプレグとしてUD材を用いた一方向性C/Cコンポジットの場合、熱伝導率は、炭素繊維が伸びる方向に高い。また、プリプレグとしてクロス材を用いたC/Cコンポジットの場合、熱伝導率は、炭素繊維の配向比が高い方向に高い。
このことを考慮し、本実施形態における冷却体20の長手方向は、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向に一致させている。図1においては、X方向が炭素繊維の配向方向である。つまり、冷却体20は、熱伝導率の高い方向に伸びる細長い形状を有する。ここで、炭素繊維の配向方向とは、積層構造全体において繊維配向比が最も高い方向である。
また、本実施形態において、冷却体20は、炭素繊維の配向方向(X方向)に、発熱体10の冷却体20と接する側の面よりも長い長さを有し、炭素繊維の配向方向(X方向)に直交する幅方向(Y方向)に、発熱体10の冷却体20と接する側の面と同等の長さを有する。つまり、本実施形態における冷却体20は、発熱体10と接する側の面の表面積が、発熱体10の冷却体20と接する側の面の表面積よりも大きい。
このように、冷却体20は、発熱体10に接する側の面のX方向における長さを、発熱体10の冷却体20に接する側の面のX方向における長さよりも長くすることができる。また、冷却体20は、発熱体10に接する側の面のY方向における長さを、発熱体10の冷却体20に接する側の面のY方向における長さよりと同等とすることができる。
以下、C/Cコンポジットを冷却体として使用した場合の実験結果を、金属(アルミニウム)を冷却体として使用した場合の実験結果と比較して説明する。
実験系は、図1に示す構成とした。
発熱体10としては、10Ωのセラミックヒータを使用した。本体のX方向における長さは30mm、Y方向における幅は15mmであった。
また、冷却体20としては、C/Cコンポジットを使用した実施例と、アルミニウムを使用した比較例との二種類とした。冷却体20の形状は、X方向における長さLが90mm、Y方向における幅が15mm、XY平面に直交する方向の厚さが1.2mmの細長い平板状の部材とした。なお、C/Cコンポジットを使用した実施例の冷却体20は、0.2mmの炭素繊維強化炭素複合層を6層重ねて厚さ1.2mmとした。
そして、冷却の効果を測定するために、以下の3点を温度測定点として温度を測定した。温度測定点は、発熱体10の中央上部のA点、冷却体20の上面のB点およびC点である。A点は、発熱体10のX方向端部からX方向に距離La離れた点、B点は、A点からX方向に距離Lb離れた点、C点は、B点からさらにX方向に距離Lc離れた冷却体20のX方向端部の点である。ここで、距離Laは15mm、距離Lbは45mm、距離Lcは30mmである。これら各温度測定点A~Cに熱電対をそれぞれ貼り付け、温度測定を行った。
その際、冷却体20に冷却風を供給しない場合と冷却風を供給する場合とで、各温度測定点A~Cの温度測定を行った。冷却風は、冷却体20のC点の上方に設けたチューブ30から供給した。チューブ30は、内径がφ4mm、長さが20mであり、当該チューブ30に元圧0.05MPaでエアーを供給した。チューブ30のエアー出射端は、冷却体20のC点から約100mm上方に設定した。また、チューブ30のエアー出射端は、冷却風がC点から発熱体10に向かって流れるように、傾けて配置した。なお、冷却風は、微風程度の風量および風速であった。
図2(a)および図2(b)は、冷却体20に冷却風を供給しない場合の各温度測定点A~Cの温度測定結果を示す図である。なお、発熱体10への電力供給は3.6Wとした。図2(a)は、冷却体20がアルミニウムである比較例の実験結果、図2(b)は冷却体20がC/Cコンポジットである実施例の実験結果である。この図2(a)および図2(b)において、横軸は、発熱体10への電力供給を開始してからの時間(分)、縦軸は温度(℃)である。なお、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向は、図1のX方向とした。
図2(a)および図2(b)からもわかるように、冷却体20の材料の種類にかかわらず、電力供給開始から約16分で、発熱体10および冷却体20の温度上昇は飽和した。
飽和時の発熱体10(A点)の温度は、アルミニウムの場合が約80℃、C/Cコンポジットの場合が77℃であり、C/Cコンポジットの場合の方が若干低くなった。
なお、特に図示しないが、この飽和状態で実施例と比較例の両冷却体に対して冷却風を供給した場合、発熱体10(A点)の温度は、アルミニウムの場合は約49℃になり、C/Cコンポジットの場合は約44℃になった。このように、冷却風を供給した場合、A点の温度はC/Cコンポジットの場合の方がより低くなった。
一方、冷却体20の温度(B点およびC点の温度)は、C/Cコンポジットの方が高く、アルミニウムの方が低くなった。B点、C点の温度が高いということは、発熱体10からの熱が冷却体20に効率良く伝わっているということである。すなわち、発熱体10と冷却体20との温度差が小さいほど、冷却体20としての性能が優れているといえる。本実験での飽和時の発熱体10と冷却体20との温度差(A点とC点との温度差)は、アルミニウムの場合が約14℃であり、C/Cコンポジットの場合が約9℃であった。
このように、冷却体20としてC/Cコンポジットを使用した場合、アルミニウムの場合と比較して、発熱体10からの熱を効率良く冷却体20が伝達し、発熱体10の温度上昇を抑制できることが確認できた。したがって、本実験により、C/Cコンポジットは、アルミニウムと比較して冷却体としての性能が良好であることが確認できた。
図3(a)および図3(b)は、冷却体20に冷却風を供給した場合の各温度測定点A~Cの温度測定結果を示す図である。なお、発熱体10への電力供給は14.4Wとした。図3(a)は、冷却体20がアルミニウムである比較例の実験結果、図3(b)は冷却体20がC/Cコンポジットである実施例の実験結果である。なお、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向は、図1のX方向とした。また、本実験においては、電力の供給開始時から冷却風を供給した。ここで、冷却風は、温度測定点であるC点から発熱体10に向かって流れるように、即ち、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向に沿って流れるように供給した。
本実験においては、冷却体20がアルミニウムの場合は電力供給開始から約10分で、C/Cコンポジットの場合は約8分で、発熱体10および冷却体20の温度上昇は飽和した。図2(a)および図2(b)との比較からも明らかなように、冷却風を供給することで、電力供給開始から短い時間で温度上昇が飽和する。
また、飽和時の発熱体10(A点)の温度は、冷却体20がアルミニウムの場合が約115℃、C/Cコンポジットの場合が105℃であり、C/Cコンポジットの方が10℃も低くなった。
さらに、本実験においても、冷却体20の温度(B点およびC点の温度)は、C/Cコンポジットの方が高く、アルミニウムの方が低くなった。そして、本実験での飽和時の発熱体10と冷却体20との温度差(A点とC点との温度差)は、アルミニウムの場合が約58℃であり、C/Cコンポジットの場合が約41℃であった。
このように、冷却体20に冷却風を供給することで、冷却体20の冷却効率を向上させることができることが確認できた。また、冷却体20としてC/Cコンポジットを使用した場合、冷却風がC/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向に沿って流れるように設定することで、より冷却体20の冷却効率を向上させることができることが確認できた。
図4は、別の比較例として、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向を図1のY方向した冷却体20を用い、当該冷却体20に冷却風を供給しない場合の各温度測定点A~Cの温度測定結果を示す図である。なお、発熱体10への電力供給は3.6Wとした。
この図4に示すように、電力供給を開始した2分後には、発熱体10(A点)の温度が、90℃に達した。そのため、実験器具の破損等を考慮し、これ以上の実験継続は中止した。この時点での冷却体20の温度(B点およびC点の温度)は、約30℃~40℃と低い温度であった。
本実験により、冷却体20の材料としてC/Cコンポジットを使用した場合であっても、冷却体20の長手方向がC/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向に直交する方向に設定されている場合には、発熱体10の温度上昇にもかかわらず、冷却体20の温度はほとんど上昇しないことが確認できた。すなわち、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向に対して直交する方向には熱伝導性がほとんど無く、発熱体10に対する冷却効果はほとんど無いことが実証された。
以上説明したように、本実施形態における電気部品ユニット100は、発熱体(電気部品)10と、冷却体20と、を備える。冷却体20は、C/Cコンポジットにより構成され、発熱体10に接する面の長手方向が、炭素繊維の配向方向に沿って設定されている。
このように、発熱体10に取り付ける冷却体20として、C/Cコンポジット使用する。そして、その冷却体20を炭素繊維の配向方向に沿って伸ばす。これにより、アルミニウム等の金属を冷却体として使用する場合よりも、高い冷却効率を得ることができる。さらに、C/Cコンポジットは低密度な材料であるため、冷却体20の軽量化が図れる。つまり、高い冷却効率と軽量化とを実現することができる。したがって、軽量であることが必須の装置にも問題なく搭載することが可能である。
また、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向を適宜設計することで、最も熱を伝えたい方向に効率的に熱が伝わるように、冷却体20における熱の流れを制御することが可能である。したがって、容易に所望の熱伝導性を有する冷却体20とすることができる。
また、冷却体20の発熱体10と接する側の表面積を、発熱体10の冷却体20側の表面積よりも大きくすることで、より高い冷却効率を得ることができる。
特に、冷却体20の発熱体10に接する面のX方向の長さを、発熱体10の冷却体20に接する面のX方向における長さよりも長くすることで、冷却体20は、発熱体10からの熱を、発熱体10に接していない領域へ効率良く伝達することができ、放熱効率を向上させることができる。
さらに、冷却体20の発熱体10に接する面のY方向の長さを、発熱体10の冷却体20に接する面のY方向の長さと同等とすることで、一方向にしか設置スペースのない細長い空間であっても、適切に冷却体20を配置することができる。また、冷却体20が発熱体10と同等の幅を有するような非常に細長い形状であっても、熱伝達率の高い方向に伸びる形状であるため、高い効率で発熱体10の冷却が可能である。
また、冷却体20を、一方向性C/Cコンポジットにより構成すれば、熱伝導率の異方性を強め、クロス材を使用したC/Cコンポジットと比較して炭素繊維の配向方向における熱伝導率を高くすることができる。
さらに、冷却風を供給する場合には、冷却体20において熱伝導率の高い方向、即ち炭素繊維の配向方向に沿って冷却風が流れるようにすることで、冷却効率をより向上させることができる。この場合、冷却風を供給する機構は、冷却体20の長手方向のみを考慮して設計すればよく、当該機構の設計も容易である。
また、C/Cコンポジットは、上述したように、炭素繊維の配向方向に対して直交する方向にはほとんど熱を伝えない。そのため、図1に示すように冷却体20の発熱体10と接する面とは反対側の面(裏面)が放熱面となる場合には、冷却体20の厚さ(XY平面に直交する方向の長さ)を厚くしすぎないようにする。なお、上記の実験結果により、冷却体20の厚さが1.2mmである場合には、適切な放熱効果が得られている。
言い換えれば、冷却体20の厚さをある程度厚くすれば、冷却体20の上記裏面に配置した部品等に熱が伝わることがない。したがって、C/Cコンポジットの炭素繊維の配向方向に対して直交する方向であれば、電気部品モジュール100を構成する他の部品を冷却体20に対して接近して配置することができる。その結果、電気部品モジュール100の小型化を図ることができる。
(応用例)
上記実施形態においては、冷却体20は、平板状の部材である場合について説明したが、冷却体20の形状は上記に限定されるものではない。冷却体20は、その長手方向が炭素繊維の配向方向に沿って設定されていればよく、少なくとも1つの屈曲部を有する形状であってもよい。
例えば、図5に示すように、平板状の冷却体20を点線21で示す2箇所で折り曲げ、U字状の冷却体20Aとしてもよい。この場合、冷却体20Aは、炭素繊維の配向方向に沿って屈曲する2つの屈曲部を有する。このような形状にすれば、冷却体のX方向のサイズを小さくすることができる。なお、発熱体10は、例えばU字状の底面に相当する面に取り付けることができる。
また、上述したように、C/Cコンポジットは、複数の炭素繊維強化炭素複合層が積層された積層構造を有する。そこで、図6に示すように、各炭素繊維強化炭素複合層22(図6では3層)の一端を剥がして途中で折り曲げ、羽根(フィン)状の冷却体20Bとしてもよい。羽根(フィン)の長さは、冷却体を配置する空間を考慮し、例えば点線23で示す位置で切り落としてもよい。この場合にも、冷却体20Bは、炭素繊維強化炭素複合層22が炭素繊維の配向方向に沿って屈曲する屈曲部を有することになる。このようなフィン形状とすることにより、表面積を大きくすることができ、冷却体20Bの放熱効果をさらに上げることができる。発熱体10は、例えば炭素繊維強化炭素複合層22を剥がしていない方の端部に取り付けることができる。
なお、図6では、解りやすいように、C/Cコンポジットを構成する各層の厚みを、極端に厚くして示している。
さらに、図7に示すように、各炭素繊維強化炭素複合層22(図7では3層)の両端を剥がして途中で折り曲げ、羽根(フィン)状の冷却体20Cとしてもよい。このような形状とすることにより、表面積をより大きくすることができ、冷却体20Cの放熱効果をさらに上げることができる。発熱体10は、例えば冷却体20Cの中央部に取り付けることができる。なお、図7では、図6と同様に、C/Cコンポジットを構成する各層の厚みを、極端に厚くして示している。また、図6および図7では、すべての炭素繊維強化炭素複合層22が屈曲部を有するが、屈曲部を有しない炭素繊維強化炭素複合層22が存在していてもよい。
以上のように、冷却体20は、炭素繊維の配向方向に沿って屈曲させた屈曲部を有するように変形させてもよい。これにより、冷却体20を発熱体10の設置スペースに対応した形状とすることができ、設置スペースに制限がある場合であっても、適切に冷却体20を配置することができる。また、複数の炭素繊維強化炭素複合層22の少なくとも1層に上記屈曲部を設けることで、冷却体20の表面積を大きくすることができ、冷却体20の放熱効果を向上させることができる。
10…発熱体(電気部品)、20…冷却体、100…電気部品ユニット

Claims (6)

  1. 発熱体である電気部品と、
    前記電気部品に接するように取り付けられた冷却体と、を備え、
    前記冷却体は、炭素繊維強化炭素複合材料のみからなり、前記電気部品に接する面の長手方向が炭素繊維の配向方向に沿って設定されていることを特徴とする電気部品ユニット。
  2. 前記冷却体の前記長手方向の長さは、前記電気部品の前記冷却体に接する面の前記長手方向における長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の電気部品ユニット。
  3. 前記冷却体の前記電気部品に接する面の、前記長手方向に直交する幅方向における長さは、前記電気部品の前記冷却体に接する面の、前記幅方向における長さと同等であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気部品ユニット。
  4. 前記炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維が一方向に引き揃えられた一方向性の炭素繊維強化炭素複合材料であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気部品ユニット。
  5. 前記冷却体は、炭素繊維の配向方向に沿って屈曲させた屈曲部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気部品ユニット。
  6. 前記冷却体は、複数の炭素繊維強化炭素複合層が積層された積層構造を有し、
    前記屈曲部は、前記複数の炭素繊維強化炭素複合層の少なくとも1層に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電気部品ユニット。
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