JP7305187B2 - 顕微鏡観察用クリーンボックス - Google Patents

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Description

本発明は、顕微鏡に組み込む顕微鏡観察用クリーンボックスに関するものである。
細胞、組織、臓器、動物等の生体試料を収容した培養容器の蓋を開けて行う作業は、無塵、無菌の清浄環境で行うことが求められている。そのため、通常、特許文献1に記載のようなクリーンベンチが実験室に設置されており、作業者は、上記作業を行うときには、培養容器を持ってクリーンベンチまで歩いて移動している。
而して、上記移動を伴うため、培養容器に収容された生体試料に与える振動によるダメージが懸念される。
また、培養しながら長時間生存状態のままタイムラプス観察する場合、培養容器の内部の温度・湿度・ガス組成環境を一定に維持するためにヒーター等の種々のものが培養容器に装着されており、実験中の作業では培養容器からこれらを一旦取外してクリーンベンチまで持ってくることになるから、培養容器に収容された生体試料に与える培養環境の変動によるダメージが懸念される。
更に、クリーンベンチでの作業を終えてステージ上に培養容器を戻しても、前の位置に正確に戻すことは難しいので直前に観察していた細胞等を見失ってしまう。
加えて、移動が必要となり、薬液投与から観察に戻るまで時間が掛かり、同時性が必要な実験ができない。
更に加えて、移動の回数が増えるほど作業者の作業負担が大きくなる。
ところで、特許文献2では、顕微鏡のステージ上の空間を保温箱で覆い、温風ファンにより温風を吹出してステージ上の培養容器を保温する顕微鏡用保温装置が記載されているが、この保温箱の内部空間はクリーンベンチに匹敵するような清浄環境にはなっていない。
また、保温箱は暗室を兼ねて構成されていることが多いが、クリーンベンチを兼ねるとなると、クリーンベンチ側から求められる作業性の確保と、暗室側から求められる遮光性の確保を両立させることができない。
特開2019-209320号公報 特開2002-372670号公報
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、保温箱の形状的特徴を生かしつつ更に工夫を凝らすことで、顕微鏡のステージ上にクリーンベンチに匹敵する清浄環境を作り出し、顕微鏡観察と共に、培養容器の蓋を開けて実験準備と実験中の作業も可能とする、顕微鏡観察用クリーンボックスを提供することを、その目的とする。
また、本発明は、保温や暗室機能も併せ持つ、顕微鏡観察用クリーンボックスを提供することを、その目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、顕微鏡ステージを含む鏡基上に組み込まれた筐体の内部が仕切られて、前記顕微鏡ステージ上の空間を外装し、前面に作業用開口部を有した作業区域と、前記作業区域の上面部の上側に設けられ、前記上面部の吹出し用開口を介して前記作業区域内に清浄空気を吹出すファンフィルタユニットを収容すると共に、前記ファンフィルタユニットの上方に吸込み空間を残して、前記吸込み空間の上側に当る筐体上面部に外気取込み穴が形成されたユニット収容区域と、前記作業区域の外側に設けられ、前記作業区域の下面側に形成された開口から前記ユニット収容区域につながる戻り流路区域を備え、前記ファンフィルタユニットのファンの回転により、前記作業区域に吹出された清浄ガスが前記作業区域から前記戻り流路区域を経由して前記ユニット収容区域の吸込み空間に戻る気流の循環流路が形成されると共に、前記外気取込み穴からの外気の取込みにより前記作業区域が陽圧に維持されることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項2の発明は、請求項1に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、作業区域の陽圧値と気流の循環速度が外気取込み穴の開口率と位置により調整されていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、ファンフィルタユニットは減衰部材を介して作業区域の上面部とシール連結されていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、ファンフィルタユニットのファンの回転速度を制御する制御部と、作業区域の作業用開口部の左右両側にそれぞれ前後方向に分割されたダクトとして構成された戻り流路区域と、前記作業用開口部を介して内部が開放された状態を検出する検出手段を備え、前記内部が開放された状態を検出すると、前記ファンの回転速度が増大することで、エアーカーテンが形成されることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、作業区域の上面部には吹出し用開口を囲んでバッファ部が設けられており、前記バッファ部は前記吹出し用開口に対向して前記吹出し用開口よりも大きな対向面が整流板で構成されていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項6の発明は、請求項5に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、整流板は多穴シートで構成され、前記多穴シートの肉部には発熱素子が内蔵されて整流作用と共に加温作用を奏することを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、筺体の前面は二重扉になっており、外扉が閉じられると作業区域が暗室になり、透明な内扉に作業用開口部が設けられていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
請求項8の発明は、請求項7に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、外扉は中間の扉部分が左右の扉部分に架け渡された連結部により持ち上げ支持されており、前記外扉を一体として上げて作業用開口部を開放させることも、前記中間の扉部分を独立して透明部分を観察窓として利用することも可能となっていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックスである。
本発明の顕微鏡観察用クリーンボックスによれば、顕微鏡のステージ上にクリーンベンチに匹敵する清浄環境を作り出し、顕微鏡観察と共に、培養容器の蓋を開けて実験準備と実験中の作業も可能とする。
また、本発明の顕微鏡観察用クリーンボックスによれば、保温や暗室機能も併せ持つよう構成することが可能となっている。
本発明の実施の形態に係る顕微鏡観察用クリーンボックスのボックス本体の斜視図である。 図1のボックス本体の外扉を開いた状態の斜視図である。 図1のボックス本体の小扉を開いた状態の斜視図である。 図1のボックス本体の全開放状態の斜視図である。 図1のX―X断面図である。 図1のY-Y断面図である。 図5、図6のフードカバー内のファンフィルタユニットの収容状態を示す側面図である。 図7のファンフィルタユニットと減衰部材の接合状態を示す下面図である。 図8の減衰部材の拡大断面図である。 図5、図6のバッファ部の整流板の分解斜視図である。 図10の整流板のパンチ穴とニクロム線との配置関係図である。 図10の整流板を通過する気流とニクロム線の蛇行間隔との関係図である。 図1の顕微鏡観察用クリーンボックスのコントローラの電気的構成図である。 図1のボックス本体内での気流の循環状態と外気取込み状態を示すイメージ図である。
本発明の実施の形態に係る顕微鏡観察用クリーンボックス1について、図面にしたがって説明する。
図1~図6に示すように、この顕微鏡観察用クリーンボックス1の筐体2の大部分を占めるボックス本体3は横長長方形の箱状をしており、一対の脚部5、5によって持ち上げ支持されつつ、顕微鏡Aの鏡基上に組み込まれている。ボックス本体3の底面部3aの中心部に形成された開口に顕微鏡Aの鏡基が嵌め込まれており、ステージ(図示省略)及びその上方空間がボックス本体3に外装されている。
ボックス本体3は底面部3a、側面部3b、3b、後面部3c、上面部3dが互いに連結されて一体になっており、ボックス本体3内では顕微鏡A(図4、図5)が突出した中心部分の左右両側に大きな空間が残されている。
前面部は側面部3b、3bにそれぞれ固定されたガイド部3f、3fと、その間に配置された外扉7とで構成されている。
外扉7は左右方向両側が扉部分7a、7aで、中間部は小扉9になっており、小扉9は左右に分離された扉部分7a、7aの間に下側で架け渡された連結部7bによって持ち上げ支持されている。ガイド部3fと扉部分7aの当接側は凹凸嵌合する凹凸ガイド機構になっている。従って、扉部分7aはボックス本体3に対して上下方向にガイドされながら摺動する。扉部分7a、7aにはそれぞれ取っ手7c、7cが正面側に設けられており、この取っ手7c、7cを持って引き上げると、小扉9も一体となって外扉7が開かれ、引き降ろすと、外扉7が閉じられる。
扉部分7aと小扉9との当接側も同様な凹凸ガイド機構になっている。従って、小扉9が扉部分7a、7aに対して上下方向にガイドされながら摺動して開閉する。小扉9にも取っ手9aが設けられており、この取っ手9aを持って引き上げると、小扉9だけが開かれ、引き降ろすと、扉部分7a、7aの間を小扉9が埋めて外扉7が閉じられた状態になる。
外扉7には任意位置で停止できるバランサ機構が備えられている。すなわち、ガイド部3fには滑車が取付けられ、糸が滑車にかけられて垂下されている。糸の一端はバランスウエイト(錘)に止着され、他端が扉部分7aに止着されている。
また、ガイド部3fと外扉7の扉部分7aとの当接側には外扉が開けられたことを検出する機構としてリミットスイッチ11が設けられており、ボックス本体3とは別体のコントローラ41と電気接続されている。また、ボックス本体3内にはボックス内温度センサ13も設けられており、同様に電気接続されている。なお、リミットスイッチ11は図1で、ボックス内温度センサ13は図5でその配置箇所だけが示されている。
ボックス本体3は外扉7を含めて黒色材で構成されており、外扉7が閉じられると、内部は暗室となる。
前面部は二重扉構造になっており、外扉7に対向して僅かな隙間をあけて内扉15が設けられている。この内扉15は透明材で構成されており、下側には左右両側に寄せて、それぞれ横長長円形の作業用開口部15a、15aが形成されている。
内扉15は外扉7と同様にガイド部3fとの当接側に凹凸嵌合する凹凸ガイド機構が備えられており、ボックス本体3に対して上下方向にガイドされながら摺動して開閉する。また、同様にバランサ機構も備えられている。
内扉15の正面側の下端部には取っ手15bが設けられており、取っ手15bの引き上げ、引き降ろしにより内扉15を開閉するようになっている。取っ手15bは外扉7の下端部の下側で突出している。
外扉7が開かれると、ボックス本体3の前面は内扉15だけで閉じられた状態となる。内扉15は透明材で構成されているので、内部が外側から視認できる。
内扉15には、作業用開口部15a、15aが形成されているので、外扉7が作業用開口部15a、15aの上側まで開かれると、作業用開口部15a、15aを介して内部が開放された状態となる。更に、外扉7が大きく開かれると、内部全体を視認できる。
一方、小扉9が開かれると、顕微鏡Aのステージ付近のみが外部から視認できる。観察対象の試料を入れた培養容器はステージに載せられるので、観察用にはその部分だけを視認できれば十分であり、暗室効果も部分的に維持できる。また、作業用開口部15a、15aは扉部分7a、7aによって閉じられているので、内部環境には影響を与えない。
なお、内扉15を開くことで、内扉15とボックス本体3の底面部3aとの間に大きな作業用開口部ができるので、その大きな開口部を利用して実験の開始の際の培養容器の設置や終了後の取外しを行うことができる。
図5、図6に示すように、ボックス本体3の内部は仕切り材17a、17aにより左右方向に3つの区域に仕切られている。顕微鏡Aのステージを含む中間が大きく、内部の大部分を占めているが、この中間部分が作業区域19になっており、左右両側が戻り流路区域になっている。戻り流路区域は仕切り材21aで更に2分割されて上下方向に延びたダクト21b、21bが前後で並んだ状態になっている。仕切り材17aの下端側はダクト21b、21bに各別に対応して切り欠かれて開口しており、その吸込み用開口17bを介して作業区域19とダクト21b、21bが連通している。
ボックス本体3の上面部3dのうち作業区域19の上面部に当たる部分には左右両側に吹出し用開口3e、3eがそれぞれ形成されている。また、ダクト21b、21bの上端に当たる部分も開口している。
これらの開口を上側から塞ぐように、蒲鉾状に隆起したフード形状のフードカバー23、23がそれぞれ左右に設けられてボックス本体3と一体化されている。
1つのフードカバー23が1つの吹出し用開口3eと一対のダクト21b、21bを覆っている。フードカバー23の平らな上面部23aには多数の小さな外気取込み穴23b、23b、……が形成されている。
上記構成により、作業区域19~戻り流路区域(ダクト21b、21b)~フードカバー23~作業区域19と連通している。
ボックス本体3とフードカバー23、23は一体の筐体2として構成されている。
フードカバー23にはファンフィルタユニット(FFU)25が収容されている。このファンフィルタユニット25では扁平な平箱状の筐体25aにファンが収容されており、筐体25aの上面部の開口が吸込み口25b、下面部の開口が吹出し口25cになっている。吸込み口25bには不織布フィルタが取付けられ、吹出し口25cにはHEPAフィルタが取付けられている。
図1の円形領域に示した一部分解図に示すように、フードカバー23の外気取込み穴23b、23b、……は2か所の円形の吸込み口25b、25bの直上に当たる部分を除いて配置されている。
また、図7、図8に示すように、筐体25aの下面部は四角形の枠状になっており、この枠状をなす4つの辺縁部に沿ってそれぞれ角棒状の減衰部材27の上面が両面テープ(図示省略)を介して接合されており、減衰部材27の下面も両面テープ(図示省略)を介して上面部3dの上面に接合されている。角部では、減衰部材27、27どうしの隙間に瞬間接着剤が充填されている。従って、筐体25aは減衰部材27によって気流の漏れを阻止できるシール性を維持しながら上面部3dの上に持ち上げ支持された状態になっている。
吹出し口25cは、吹出し用開口3eに口縁どうしが上下で重なるように配置されており、吹出し用開口3eにはファンフィルタユニット25が上側から重なっているが、ダクト21b、21bは開放されている。
図9に示すように、減衰部材27の本体は防振ゴム27aで構成されており、素材はオレフィン系熱可塑性樹脂(コスモ技研製、品名:コスモスーパーゲル、型式:HC04N)になっている。防振ゴム27aの上下両面にはPETフィルム27b、27bが貼付け処理されている。ファンフィルタユニット25に収容されたファンの回転に伴って発生する振動は、この減衰部材27によって吸収減衰され、作業区域19側へは振動が伝わらないようになっている。
筐体25aの上面とフードカバー23の間には40mm以上の間隔(L)があけられており、吸込み空間が確保されている。
作業区域19の内部の上側では、吹出し用開口3eの下側にバッファ部31が設けられている。バッファ部31は、上面部3dに対向した整流板31aを備えている。この整流板31aは前後方向に長い長方形になっており、左側の吹出し用開口3e側では左端は仕切り材17aの内面に当接し、後端は後面部3cの内面に当接し、前端は内扉15に接近している。右面側は整流板31bが連結されて閉塞されている。
吹出し用開口3eから吹き出された空気は必ず整流板31a、31bを通り抜けるようになっている。右側の吹出し用開口3e側でも、バッファ部31は同様に右側に寄せられて構成されており左右のバッファ部31、31の間に、顕微鏡Aが位置するようになっている。寸法の関係から、整流板31bも一部は空気が通過するが、大部分は整流板31aから通過するようになっている。
バッファ部31の整流板31aは吹出し用開口3eよりも大きくなっており、吹出し用開口3eから吹き出された空気の一部は直下に向かわずに、横方向に回り込んで広がるバッファ効果が得られ、整流板31aを通り抜けて下方に向かう気流は拡大し、かつ流量が矢印に示すように均一化されている。
整流板31bは一枚のパンチング板で構成されているが、整流板31aは、図10、図11に示すように、三層構造になっており、2枚のパンチング板33a、33aの間に蛇行により平面状に広がったニクロム線33cが挟まれて一体化されている。2枚のパンチング板33a、33aのそれぞれのパンチ穴33b、33bは対向して連通しており、ニクロム線33cはパンチ穴33bの穴内にははみ出さないように挟まれている。従って、矢印に示すように、パンチ穴33b、33bが気流の通り道になっている。
ニクロム線33cは電流供給を受けて発熱する発熱素子になっており、整流板31aは上記構造によりパンチングヒータも兼ねている。
図12に示すように、ニクロム線33cの蛇行間隔は一定ではなく、吹出し用開口3eからの距離の違いから生じるバッファ部31に滞留する時間の違いを考慮して滞留時間が長くなった気流が通り抜ける整流板31aの部位は蛇行間隔が大きくなっている。この実施の形態では、蛇行間隔は3つに分かれている。従って、整流板31aを通り抜けて下方に向かう気流は温度も均一化されている。
安全機構として上側のパンチング板33aの上面にバイメタルセンサ34が取付けられている。
作業区域19の内部の下側では、吸込み用開口17bを囲むように作業区域19側の4つの角隅部に寄せてそれぞれ整流部35、35、……が設けられている。この整流部35は底面部3aの上に立ち上がった側面部35a、35bと上面部35cとで構成されており、角隅部に寄せてあるので扁平な平箱状に見えている。整流部35はパンチング板で構成されており、いずれの面部からも気流が流入する。
符号37は円弧状に湾曲したガイド板を示し、このガイド板37は整流部35とダクト21b、21bとの間に跨いで配置されて凹面が内方を向いている。このガイド板37によって整流部35内に取込まれた気流は進行方向を緩やかに変えてダクト21b、21b側に誘導される。ダクト21b、21bはボックス本体3の内部が仕切られてコンパクトに作られたものであるが、断面積と長さが最適設計され、ガイド板37も併用されて、ダクト抵抗に起因する摩擦損失による気流減少が阻止されており、フードカバー23に収容されたファンフィルタユニット25のファンの回転のみでダクト21b、21bから出てきた気流が筐体25aの上面とフードカバー23の間の吸込み空間に到達する。すなわち、フードカバー23に収容されたファンフィルタユニット25のファンの回転のみで循環流路が実現できている。
前後方向に並んだ整流部35、35の上方には僅かな隙間をあけて整流板39が設けられている。整流板39は板面を上下方向に向けて前後方向に延びており、後端部は後面部3cの内面に当接し、前端部は内扉15に接近している。
整流板39はパンチング板で構成されており、整流部35のパンチ穴の方が整流板39のパンチ穴よりも穴径が小さくなっている。
従って、作業区域19内の空気は二段階にわたって整流化され、ガイド板37によって誘導されて、ダクト21b、21bに流入するようになっている。
顕微鏡観察用クリーンボックス1のボックス本体3側は、上記したように構成されており、別体のコントローラ41と図13に示すように電気的に接続されて、清浄度制御、ヒータ制御がなされている。
清浄度制御については、別体のコントローラ41に収容されたPLC制御部43と、リミットスイッチ11と、ファンのOn/Off用トグルスイッチ45が電気的に接続されており、トグルスイッチ45のONによりファンが回転を開始し、リミットスイッチ11のOFFにより回転数を上げるようになっている。
ヒータ制御については、コントローラ41に収容された温調器47と、ボックス内温度センサ13とバイメタルセンサ34が電気的に接続されており、ボックス内温度センサ13の検出結果に基づいて設定温度に維持されるようニクロム線33cへの電流供給量が制御され、バイメタルセンサ34の検出結果に基づいて電流供給が緊急停止されるようになっている。
図14に示すように、ファンフィルタユニット25のファンが回転すると、白矢印に示すように、作業区域19~戻り流路区域(ダクト21b、21b)~フードカバー23~作業区域19と循環する気流の循環流路が形成される。ファンが回転すると、外気が外気取込み穴23bを介して黒矢印に示すように取込まれて吸込み口25bの上側の吸込み空間に誘導されて上記した循環流路に合流するので、作業区域19は適度な陽圧に維持される。外気取込み穴23b、23b、……の全体の開口率が大きくなると外気取込み量が多くなり陽圧値が高くなるが、外気取込み穴23b、23b、……の配列箇所は、吸込み口25b、25bの直上は避けられており、吸込み口25b、25bの直上からずれる位置で戻り気流と合流して吸込み口25b、25bに戻るので戻り気流の風速の低下、すなわち循環速度の低下が抑えられている。
吹出し口25cから下方に向かう清浄空気の気流は、整流化されると共に均一な流量で拡大されており、上記した清浄空気の気流は左右方向2か所から顕微鏡Aを挟んで作業区域19に吹き出されることから、作業区域19の雰囲気が万遍なく清浄空気で置換され続けることになる。しかも、陽圧維持により、外気の逆流が阻止される。従って、作業区域19の清浄度が向上する。
更に、清浄空気の気流は均一に温められたものとなっており、この気流で作業区域19内の雰囲気が置換され続けることで、作業区域19内では高流量の気流が流れ続けても、保温環境が実現されている。
作業区域19の上記した清浄で且つ保温された環境は、外扉7が開けられたときにも維持される。ファンフィルタユニット25の上から下に流れる気流の流量が増大するので、作業用開口部15aにエアーカーテンがかけられた状態となり、作業者の手が作業区域19内に入り込んでも、清浄・保温環境が壊されることはない。
従って、顕微鏡観察用クリーンボックス1は、ボックス本体3を顕微鏡Aに組み込む、比較的簡易な仕様ながら、クリーンベンチ側としての機能と保温箱・暗室としての機能を両立させることに成功している。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、ファンフィルタユニット25、25を左右に2つ設けてそれに各別に対応して作業区域19への吹出し用開口3e、3e、戻り流路区域のダクト21b、21bが設けられているが、これは中心部に顕微鏡Aが存在することを考慮したためであり、作業区域19の隅々まで万遍なく清浄な空気の気流が上手く行き渡れば、特にファンフィルタユニット25の数は限定されない。
また、作業区域19に循環させるガスは空気には限定されない。
1…顕微鏡観察用クリーンボックス 2…筐体 3…ボックス本体
3a…底面部 3b…側面部 3c…後面部 3d…上面部
3e…吹出し用開口 3f…ガイド部 5…脚部 7…外扉 7a…扉部分
7b…連結部 7c…取っ手 9…小扉 9a…取っ手
11…リミットスイッチ 13…ボックス内温度センサ 15…内扉
15a…作業用開口部 15b…取っ手 17a…仕切り材
17b…吸込み用開口 19…作業区域 21a…仕切り材
21b…(戻り流路区域の)ダクト 23…フードカバー 23a…上面部
23b…外気取込み穴 25…ファンフィルタユニット(FFU)
25a…筐体 25b…吸込み口 25c…吹出し口 27…減衰部材
27a…防振ゴム 27b…PETフィルム 31…バッファ部
31a…整流板 31b…整流板 33a…パンチング板
33b…パンチ穴 33c…ニクロム線 34…バイメタルセンサ
35…整流部 35a、35b…側面部 35c…上面部
37…ガイド板 39…整流板 41…コントローラ
43…PLC制御部 45…ファンOn/Off用トグルスイッチ 47…温調器
A…顕微鏡

Claims (8)

  1. 顕微鏡ステージを含む鏡基上に組み込まれた筐体の内部が仕切られて、前記顕微鏡ステージ上の空間を外装し、前面に作業用開口部を有した作業区域と、前記作業区域の上面部の上側に設けられ、前記上面部の吹出し用開口を介して前記作業区域内に清浄空気を吹出すファンフィルタユニットを収容すると共に、前記ファンフィルタユニットの上方に吸込み空間を残して、前記吸込み空間の上側に当る筐体上面部に外気取込み穴が形成されたユニット収容区域と、前記作業区域の外側に設けられ、前記作業区域の下面側に形成された開口から前記ユニット収容区域につながる戻り流路区域を備え、
    前記ファンフィルタユニットのファンの回転により、前記作業区域に吹出された清浄ガスが前記作業区域から前記戻り流路区域を経由して前記ユニット収容区域の吸込み空間に戻る気流の循環流路が形成されると共に、前記外気取込み穴からの外気の取込みにより前記作業区域が陽圧に維持されることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  2. 請求項1に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    作業区域の陽圧値と気流の循環速度が外気取込み穴の開口率と位置により調整されていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  3. 請求項1または2に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    ファンフィルタユニットは減衰部材を介して作業区域の上面部とシール連結されていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    ファンフィルタユニットのファンの回転速度を制御する制御部と、
    作業区域の作業用開口部の左右両側にそれぞれ前後方向に分割されたダクトとして構成された戻り流路区域と、
    前記作業用開口部を介して内部が開放された状態を検出する検出手段を備え、
    前記内部が開放された状態を検出すると、前記ファンの回転速度が増大することで、エアーカーテンが形成されることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    作業区域の上面部には吹出し用開口を囲んでバッファ部が設けられており、前記バッファ部は前記吹出し用開口に対向して前記吹出し用開口よりも大きな対向面が整流板で構成されていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  6. 請求項5に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    整流板は多穴シートで構成され、前記多穴シートの肉部には発熱素子が内蔵されて整流作用と共に加温作用を奏することを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    筺体の前面は二重扉になっており、外扉が閉じられると作業区域が暗室になり、透明な内扉に作業用開口部が設けられていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
  8. 請求項7に記載した顕微鏡観察用クリーンボックスにおいて、
    外扉は中間の扉部分が左右の扉部分に架け渡された連結部により持ち上げ支持されており、前記外扉を一体として上げて作業用開口部を開放させることも、前記中間の扉部分を独立して透明部分を観察窓として利用することも可能となっていることを特徴とする顕微鏡観察用クリーンボックス。
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