JP7304789B2 - レーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法 - Google Patents

レーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法に関する。
ファイバレーザ装置は、集光性に優れ、パワー密度が高く、小さなビームスポットとなる光が得られることから、レーザ加工分野、医療分野等の様々な分野において用いられている。このようなレーザ装置が例えば加工装置で用いられる場合、被加工体(ワーク)で反射する光が、レーザ装置の出射端から入射して、光ファイバのコアやクラッドを逆方向に伝搬する場合がある。このような光ファイバを逆方向に伝搬する光は、レーザ装置の不具合の原因になりかねない。従って、光ファイバを逆方向に伝搬する光の強度を測定し、測定された光の強度に応じて、レーザ装置を停止させること等が行われている。
例えば、下記特許文献1には、被加工体で反射し、光ファイバのクラッドを逆方向に伝搬する光をセンサで検出して、検出される光の強度を示す検出信号の値が所定の閾値を超える場合に出射される光の強度の調整等を行うレーザ装置が記載されている。このレーザ装置では、出射する光の強度に応じて、上記閾値を異ならせている。また、下記特許文献2には、光ファイバのクラッドを逆方向に伝搬する光を検出する第1の光検出器と、光ファイバのコアを逆方向に伝搬する光を検出する第2の光検出器とを備えるレーザ装置が記載されている。このレーザ装置では、それぞれの検出器が検出する光量に対して少なくとも1つの閾値が設けられ、被加工体で反射する光がコア及びクラッドのどちらを逆方向に伝搬する場合であっても、出射する光の強度が制御される。
特許第5789527号公報 特許第6363680号公報
上記特許文献1,2に記載のレーザ装置では、センサや光検出器で光ファイバを逆方向に伝搬する光の強度が検出されている。これらセンサや光検出器として、フォトダイオード等の光電変換素子が例示されている。しかし、このような光電変換素子は、光源から出射端に向って順方向に伝搬する光の強度と、上記のように逆方向に伝搬する光の強度とが合算された強度を検出し、逆方向に伝搬する光のみを抽出して検出することが困難である。一般に順方向を伝搬する光の強度は逆方向を伝搬する光の強度に対して多大なため、この中から逆方向を伝搬する成分のみを検出することは難しく、誤差を含みやすい。また、光電変換素子の検出精度にばらつきがあると、本来設定された閾値を超える強度の光が光ファイバを伝搬するときであっても、光の強度が閾値を超えていることを検出できない場合や、本来設定された閾値を超えない強度の光が光ファイバを伝搬するときであっても、光の強度が閾値を超えていると検出する場合がある。これらの場合には、レーザ装置が適切な動作を行わないという危惧がある。しかし、光を検出する光電変換素子は、製造誤差等により検出精度にばらつきがある傾向にある。一方、レーザ装置には、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合に適切に停止等の動作を行うことが求められる。
そこで、本発明は、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合に適切に動作し得るレーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のレーザ装置は、光源と、前記光源から出射する光を伝搬するコア及び前記コアを包囲するクラッドを有する光ファイバと、前記光ファイバの長手方向における第1の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第1検出信号を出力する第1光検出器と、前記光ファイバの長手方向における前記第1の位置よりも前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側における第2の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第2検出信号を出力する第2光検出器と、前記第1検出信号と前記第2検出信号とを用いて所定の演算を行う演算部と、前記演算部の演算結果と所定の閾値とを比較し、比較結果に応じて前記光源から出射される光の強度を変化させる制御信号を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記演算結果と前記所定の閾値との関係が、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬するときに前記第1検出信号が示す光の強度と前記第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における前記演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づくように、前記演算結果及び前記所定の閾値の少なくとも一方を前記光源から出射される光の強度に応じて変化させることを特徴とするものである。
光ファイバを伝搬する光の強度を測定するには、一般に光ファイバから漏洩する光の強度を検出する。このような検出に用いられる光検出器として、上記のように、一般的にフォトダイオード等の光電変換素子が用いられる。しかし、上記のように光電変換素子には製造誤差や配置位置の誤差等によるばらつきがあり、一定の強度の光を検出する場合であっても、光電変換素子から出力される光の強度を示す信号にばらつきが生じる傾向がある。このようなばらつきがあると、第1光検出器が出力する第1検出信号と第2光検出器が出力する第2検出信号とを用いて所定の演算を行うと、演算結果に誤差が生じる。この演算結果の誤差は、光ファイバから漏洩する光の強度が高くなるほど、すなわち光ファイバを伝搬する光の強度が高くなるほど大きくなる。このため、この演算結果と一定の値の特定の閾値とを比較する場合において、第1の位置を伝搬する光の強度と第2の位置を伝搬する光の強度とに差がなく、本来は上記演算結果が特定の閾値を超えない場合であっても、光の強度が高い場合には、誤差を含む演算結果は特定の閾値を超える場合がある。従って、光ファイバを光が逆方向に伝搬しない場合であっても、演算結果が特定の閾値を超える場合がある。或いは、この演算結果と一定の値の特定の閾値とを比較する場合において、第1の位置を伝搬する光の強度と第2の位置を伝搬する光の強度との差が大きく、本来は上記演算結果が特定の閾値を超える場合であっても、光の強度が高い場合には、誤差を含む演算結果は特定の閾値を超えない場合がある。従って、光ファイバを逆方向に伝搬する光の強度が高い場合であっても、演算結果が特定の閾値を超えない場合がある。これらの場合に、レーザ装置が適切な動作をできないという懸念がある。
しかし、本発明のレーザ装置では、上記のように、制御部は、演算結果と所定の閾値との関係が、第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬するときに第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づくように、演算結果及び所定の閾値の少なくとも一方を光源から出射される光の強度に応じて変化させる。このため、上記のように、本来は演算結果が閾値を超えない場合に、演算結果が閾値を超えることや、本来は演算結果が閾値を超える場合に、演算結果が閾値を超えないことを抑制し得る。従って、本発明のレーザ装置によれば、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合の動作を適切に行い得る。
また、前記第1の位置と前記第2の位置との間において、前記クラッドを伝搬する光の少なくとも一部を除去する第1クラッドモードストリッパが設けられることが好ましい。
この場合、第2の位置から第1の位置に向かうクラッドモード光の少なくとも一部が第1クラッドモードストリッパで除去される。従って、第1光検出器で検出する光の強度は、クラッドモード光の減少により漏洩する光が減少する分だけ、第2光検出器で検出する光の強度よりも小さくなる。このため、レーザ装置は、第1光検出器が出力する第1検出信号と第2光検出器が出力する第2検出信号とを用いて、光ファイバを光源側に向かって逆方向に伝搬するクラッドモード光の強度に応じて光源から出射する光の強度を調節することができる。
この場合、前記光ファイバは、第1光ファイバと、前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側において前記第1光ファイバに接続され、前記第1光ファイバのコアの直径よりも大きな直径のコアを有する第2光ファイバと、を有し、前記第1の位置は、前記第1光ファイバの所定の位置とされ、前記第2の位置は、前記第2光ファイバの所定の位置とされ、前記第1クラッドモードストリッパは、前記第1光ファイバに設けられることが好ましい。
この場合、第2光ファイバのコアを逆方向に伝搬する光の一部は、第1光ファイバと第2光ファイバとの接続部において、第2光ファイバのコアから第1光ファイバのクラッドに伝搬して、第1光ファイバに設けられる第1クラッドモードストリッパに除去され得る。従って、第1光検出器が検出する光の強度は、第1クラッドモードストリッパに除去される光の減少により漏洩する光の減少の分だけ、第2光検出器で検出する光の強度よりも小さくなる。従って、本レーザ装置は、第2光ファイバを逆方向に伝搬するクラッドモード光がない場合であっても、第1光検出器が出力する第1検出信号と第2光検出器が出力する第2検出信号とを用いて、コアを逆方向に伝搬する光の強度に応じて光源から出射する光の強度を調節することができる。
さらにこの場合、前記第2光ファイバの長手方向における前記第2の位置よりも前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側において、前記クラッドを伝搬する光の少なくとも一部を除去する第2クラッドモードストリッパが設けられることが好ましい。
この場合、第2の位置をクラッドモード光が逆方向に伝搬することが、第2クラッドモードストリッパにより抑制される。従って、反射光が光ファイバのクラッドに入射する場合であっても、第1光検出器が出力する第1検出信号と第2光検出器が出力する第2検出信号とを用いて、コアを逆方向に伝搬する光の強度に応じて光源から出射する光の強度を調節することができる。
また、前記制御部は、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度が前記第2検出信号が示す光の強度よりも大きい場合には、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて小さくすること、及び、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて大きくすることの少なくとも一方を行い、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度が前記第2検出信号が示す光の強度よりも低い場合には、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて大きくすること、及び、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて小さくすることの少なくとも一方を行うことが好ましい。
また、上記のレーザ装置は、前記第1光検出器から出力される前記第1検出信号を増幅する第1増幅器と、前記第2光検出器から出力される前記第2検出信号を増幅する第2増幅器と、を更に備え、前記第1増幅器及び前記第2増幅器は、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、前記第1増幅器から出力される前記第1検出信号と前記第2増幅器から出力される前記第2検出信号とが、同じ強度を示す状態に近づくように、前記第1検出信号と前記第2検出信号とをそれぞれ増幅し、前記演算部は、前記第1増幅器から出力される前記第1検出信号と前記第2増幅器から出力される前記第2検出信号とを用いて前記所定の演算を行うことが好ましい。
この場合、第1増幅器から出力される第1光検出信号と第2増幅器から出力される第2検出信号とを用いて所定の演算を行う場合に、演算結果の誤差を小さくすることができる。従って、光源から出射される光の強度に応じて変化させる演算結果や所定の閾値の変化の幅を小さくすることができる。このため、レーザ装置が、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超えるか否かをより正確に検出し得る。
前記所定の演算は、前記第1検出信号が示す光の強度と前記第2検出信号が示す光の強度との差を求める演算であることが好ましい。
この場合、演算が簡単であるため、演算部の負荷を小さくすることできる。また、この場合、第1光検出器が出力する第1検出信号の誤差と第2光検出器が出力する第2検出信号の誤差とに起因する演算結果の誤差は、光源から出射する光の強度に応じて一次関数的に変化する傾向がある。従って、演算結果や所定の閾値の光の強度に応じた変化の度合いを単純化することができる。
また、前記光源から出射される光の強度と前記所定の閾値との関係が記憶されたメモリを更に備え、前記制御部は、前記メモリを参照して、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて変化させることが好ましい。
この場合、光源から出射される光の強度に応じて、制御部は計算結果の変化量や所定の閾値の変化量を計算する場合と比べて、制御部の負荷を小さくすることができる。
また、前記制御部は、前記演算結果に所定の係数を乗じることで、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて変化させることが好ましい。
上記のように、この演算結果の誤差は、光ファイバを伝搬する光の強度が高くなるほど大きくなる。従って、演算結果に所定の係数を乗じることで、演算結果と所定の閾値との関係が、第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づけることができる。
また、上記課題を解決するため、本発明は、光源と、前記光源から出射する光を伝搬するコア及び前記コアを包囲するクラッドを有する光ファイバと、を備えるレーザ装置の制御方法であって、前記光ファイバの長手方向における第1の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第1検出信号を出力する第1光検出ステップと、前記光ファイバの長手方向における前記第1の位置よりも前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側における第2の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第2検出信号を出力する第2光検出ステップと、前記第1検出信号と前記第2検出信号とを用いて所定の演算を行う演算ステップと、前記演算ステップの演算結果と所定の閾値を比較し、比較結果に応じて前記光源から出射される光の強度を変化させる制御ステップと、を備え、前記制御ステップでは、前記演算結果と前記所定の閾値との関係が、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度と前記第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における前記演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づくように、前記演算結果及び前記所定の閾値の少なくとも一方を前記光源から出射される光の強度に応じて変化させることを特徴とするものである。
このようなレーザ装置の制御方法により、本来は演算結果が閾値を超えない場合に、演算結果が閾値を超えることや、本来は演算結果が閾値を超える場合に、演算結果が閾値を超えないことを抑制し得る。従って、本レーザ装置の制御方法によれば、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合の動作を適切に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合に適切に動作し得るレーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法が提供される。
本発明の実施形態に係るレーザ装置の構成を概略的に示す図である。 図1に示す光検出装置の一部を概略的に示す断面図である。 レーザ装置の光源制御方法を示すフローチャートである。 参考例において、レーザ装置から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバのクラッドを光源側に向かって伝搬する場合に、光源から出射する光の強度と、第1検出信号及び第2検出信号が示す光の強度との関係の例を示す図である。 参考例において、光源から出射する光の強度と演算部の演算結果との関係を示す図である。 参考例において、レーザ装置から光が出射される場合において、光ファイバを逆方向に伝搬する光がない場合に、光源から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係を示す図である。 第1の例において、レーザ装置から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバのクラッドを光源側に向かって伝搬する場合に、光源から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係を示す図である。 第1の例において、光源から出射する光の強度と、演算部の演算結果との関係を示す図である。 第2の例において、光源から出射する光の強度と、第1増幅器で増幅された第1検出信号が示す光の強度及び第2増幅器で増幅された第2検出信号が示す光の強度を用いた演算部の演算結果との関係を示す図である。 第3の例において、レーザ装置から光が出射する場合において、光ファイバを逆方向に伝搬する光がない場合に、光源から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係を示す図である。 第3の例において、レーザ装置から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバのクラッドを光源側に向かって伝搬する場合に、光源から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係を示す図である。 第3の例において、光源から出射する光の強度と、演算部の演算結果との関係を示す図である。 第4の例において、光源から出射する光の強度と、演算部の演算結果との関係を示す図である。 第5の例において、光源から出射する光の強度と、演算部の演算結果との関係を示す図である 第2実施形態のレーザ装置における光検出装置の一部を概略的に示す断面図である。
以下、本発明に係るレーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ装置の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態のレーザ装置1は、光検出装置2、光源5、及び制御部CPを主な構成として備える。
本実施形態の光源5は、ファイバレーザ装置から成り、励起光源50、光コンバイナ53、増幅用光ファイバ55、増幅用光ファイバ55の一方側に接続される光ファイバ54、光ファイバ54に設けられる第1FBG57、増幅用光ファイバ55の他方側に接続される光ファイバ56、及び光ファイバ56に設けられる第2FBG58を主な構成として備える。また、増幅用光ファイバ55と第1FBG57と第2FBG58とで共振器が構成されている。
励起光源50は、複数のレーザダイオード51から構成され、レーザダイオード51は、本実施形態においては、例えば、GaAs系半導体を材料としたファブリペロー型半導体レーザであり中心波長が915nmの励起光を出射する。また、励起光源50のそれぞれのレーザダイオード51は光ファイバ52に接続されており、レーザダイオード51から出射する励起光は光ファイバ52を例えばマルチモード光として伝搬する。
増幅用光ファイバ55は、コアと、コアの外周面を隙間なく囲む内側クラッドと、内側クラッドの外周面を被覆する外側クラッドと、外側クラッドを被覆する被覆層とを主な構成として備え、いわゆるダブルクラッド構造とされている。内側クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低く、外側クラッドの屈折率は内側クラッドの屈折率よりも低くされている。増幅用光ファイバ55のコアを構成する材料としては、例えば、励起光源50から出射される励起光により励起されるイッテルビウム(Yb)等の活性元素が添加された石英が挙げられ、屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等の元素がさらに添加されてもよい。増幅用光ファイバ55の内側クラッドを構成する材料としては、例えば、ドーパントが添加されていない純粋石英を挙げることができ、屈折率を低下させるフッ素(F)等の元素が添加されてもよい。外側クラッドは、樹脂または石英から成り、樹脂としては例えば紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられ、石英としては例えば内側クラッドよりもさらに屈折率が低くなるように屈折率を低下させるフッ素(F)等のドーパントが添加された石英が挙げられる。増幅用光ファイバ55の被覆層を構成する材料としては、例えば、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられ、外側クラッドが樹脂の場合、被覆層を構成する樹脂は外側クラッドを構成する樹脂とは異なる樹脂とされる。
増幅用光ファイバ55の一方側に接続される光ファイバ54は、活性元素が添加されていないコアと、このコアの外周面を隙間なく囲む内側クラッドと、この内側クラッドの外周面を被覆する外側クラッドと、外側クラッドを被覆する被覆層とを主な構成として備える。光ファイバ54のコアは、活性元素が添加されずゲルマニウムが添加されていることを除いて増幅用光ファイバ55のコアと略同様の構成とされる。また、光ファイバ54の内側クラッド、外側クラッド、及び被覆層は、例えば、増幅用光ファイバの内側クラッド、外側クラッド、及び被覆層と同様の構成とされる。光ファイバ54のコアは増幅用光ファイバ55のコアと接続され、光ファイバ54の内側クラッドは増幅用光ファイバ55の内側クラッドと接続されている。また光ファイバ54のコアには、第1ミラーとしての第1FBG57が設けられている。こうして第1FBG57は、増幅用光ファイバ55の一方側に設けられている。第1FBG57は、光ファイバ54の長手方向に沿って周期的に屈折率が高くなる部分が繰り返されており、この周期が調整されることにより、励起状態とされた増幅用光ファイバ55の活性元素が放出する光うち少なくとも一部の波長の光を反射するように構成されている。第1FBG57の反射率は、後述の第2FBG58の反射率よりも高く、活性元素が放出する光うち所望の波長の光を90%以上で反射することが好ましく、99%以上で反射することがより好ましい。また第1FBG57が反射する光の波長は、上述のように活性元素がイッテルビウムである場合、例えば1090nmとされる。
増幅用光ファイバ55の他方側に接続される光ファイバ56は、活性元素が添加されていないコアと、このコアの外周面を隙間なく囲むクラッドと、このクラッドの外周面を被覆する被覆層とを主な構成として備える。光ファイバ56のコア及びクラッドの構成は、例えば、光ファイバ54のコア及びクラッドの構成と同様とされ、光ファイバ56の被覆層の材料は、例えば、光ファイバ54の被覆層の材料と同様とされる。光ファイバ56のコアは増幅用光ファイバ55のコアと接続され、光ファイバ56のクラッドは増幅用光ファイバ55の内側クラッドと接続されている。また、光ファイバ56のコアには、第2ミラーとしての第2FBG58が設けられている。こうして第2FBG58は、増幅用光ファイバ55の他方側に設けられている。第2FBG58は、光ファイバ56の長手方向に沿って一定の周期で屈折率が高くなる部分が繰り返されており、第1FBG57が反射する光のうち少なくとも一部の波長の光を第1FBG57よりも低い反射率で反射するように構成される。第2FBG58は、第1FBG57が反射する光のうち少なくとも一部の波長の光を5%~50%の反射率で反射することが好ましく、5%~10%の反射率で反射することがより好ましい。
光コンバイナ53では、それぞれの光ファイバ52のコアと光ファイバ54の内側クラッドとが接続されている。従って、それぞれのレーザダイオード51から出射する励起光が伝搬する光ファイバ52と増幅用光ファイバ55の内側クラッドとは、光ファイバ54の内側クラッドを介して光学的に結合されている。
光源5は、光検出装置2に接続されている。図2は、図1に示す光検出装置2の一部を概略的に示す断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態の光検出装置2は、光ファイバ10、第1クラッドモードストリッパCMS1、第1光検出器21、第2光検出器22、第1増幅器23、第2増幅器24、演算部25を主な構成として備える。
光ファイバ10は上記光ファイバ56に接続されている。こうして光検出装置2は光源5に接続されている。光ファイバ10は、コア11、コア11を囲うクラッド12、クラッド12を囲う被覆層13を有する。コア11の屈折率はクラッド12の屈折率よりも高く、コア11は、ゲルマニウム等の屈折率が高くなるドーパントが添加された石英や、ドーパントが添加されていない純粋石英からなる。クラッド12を構成する材料としては、コア11が屈折率が高くなるドーパントが添加された石英から成るのであれば、例えば、何らドーパントが添加されない純粋石英や、屈折率を低下させるフッ素(F)等のドーパントが添加された石英を挙げることができ、コア11が純粋石英から成るのであれば、屈折率を低下させるドーパントが添加された石英を挙げることができる。本実施形態では、被覆層13はクラッド12より屈折率が低い材料からなる。被覆層13を構成する材料としては、例えば、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。このような光ファイバ10は、例えば、コア11の直径が80μm程度、クラッド12の外径が360μm程度の光ファイバとされる。また、本実施形態の光ファイバ10はマルチモードファイバとされる。なお、光ファイバ10と光ファイバ56とが同様の構成であれば、光ファイバ10は延長された光ファイバ56の一部であってもよい。
図1に示すように、光ファイバ10の光源5側と反対側の端部には、出射部材EDが接続されている。出射部材EDは、例えば、光ファイバ10のコア11よりも直径の大きなガラスロッドから成る。従って、光ファイバ10のコア11から出射部材EDに入射する光は、径が広げられて出射部材EDから出射する。
第1光検出器21は、光ファイバ10の長手方向における第1の位置において光ファイバ10から漏洩する光の強度を検出し、当該光の強度を示す第1検出信号を出力する。第1光検出器21は、例えば、光ファイバ10の第1の位置において光ファイバの外側に配置され、光ファイバ10を伝搬する光のレイリー散乱の強度を検出するフォトダイオード等の光電変換素子から成る。従って、本実施形態では、第1検出信号の電圧値が、第1光検出器21が検出する光の強度を示す。従って、第1光検出器21から出力する第1検出信号の電圧値は、光ファイバ10の第1の位置におけるレイリー散乱光の強度に基づいている。
第2光検出器22は、光ファイバ10の長手方向における第2の位置において光ファイバ10から漏洩する光の強度を検出し、当該光の強度を示す第2検出信号を出力する。この第2の位置は、第1の位置よりも光源5から出射される光の伝搬方向の下流側である。第2光検出器22は、例えば、光ファイバ10の第2の位置において光ファイバの外側に配置され、光ファイバ10を伝搬する光のレイリー散乱の強度を検出する第1光検出器21と同様の光電変換素子から成る。従って、本実施形態では、第2検出信号の電圧値が、第2光検出器22が検出する光の強度を示す。従って、第2光検出器22から出力する第2検出信号の電圧値は、光ファイバ10の第2の位置におけるレイリー散乱光の強度に基づいている。
第1クラッドモードストリッパCMS1は、光ファイバ10における第1の位置と第2の位置との間に設けられる。従って、第1クラッドモードストリッパCMS1は、第1の位置よりも光源5から出射される光の伝搬方向の下流側で、第2の位置よりも当該光の伝搬方向の上流側に設けられる。第1クラッドモードストリッパCMS1は、クラッド12を伝搬する光の少なくとも一部を除去する。第1クラッドモードストリッパCMS1は、クラッド12の外周面上に設けられ、例えば、クラッド12の屈折率よりも高い屈折率の樹脂と、当該樹脂に伝搬する光を熱に変換する光熱変換部材等で構成される。ただし、第1クラッドモードストリッパCMS1の構成はこれに限らない。
第1光検出器21には第1増幅器23が電気的に接続されており、第1光検出器21から出力される第1検出信号は、第1増幅器23に入力する。第1増幅器23は、増幅率βで第1検出信号を増幅し、増幅された第1検出信号を出力する。第2光検出器22には第2増幅器24が電気的に接続されており、第2光検出器22から出力される第2検出信号は、第2増幅器24に入力する。第2増幅器24は、増幅率βで第2検出信号を増幅し、増幅された第2検出信号を出力する。
第1増幅器23及び第2増幅器24は、それぞれ演算部25に電気的に接続されている。演算部25は、第1増幅器23から出力される第1検出信号と、第2増幅器24から出力される第2検出信号とを用いて、所定の演算を行う。本実施形態では、本演算は、第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度との差を求める演算である。但し、本実施形態と異なり、この演算は、上記差を求める演算でなくてもよく、例えば、第1検出信号と第2検出信号との比を求める演算であってもよい。演算部25は、演算結果を示す信号を出力する。
演算部25は、図1に示すように、制御部CPに電気的に接続されている。制御部CPは、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置を用いることができる。また、制御部CPは、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。制御部CPは、光源5を制御する。具体的には、制御部CPは、励起光源50のそれぞれのレーザダイオード51からの光の出射の有無や、当該光の強度を制御する制御信号を出力する。また、制御部CPは、演算部25で演算された演算結果と所定の閾値とを後述のように比較し、比較結果に応じて、後述のように、光源5から出射される光の強度を変化させる制御信号を出力する。
制御部CPには、メモリMEが電気的に接続されている。本実施形態では、メモリMEには、光源5から出射される光の強度と所定の閾値との関係が記憶されている。メモリMEに記憶されている所定の閾値は、後述のように、例えば、光源5から出射する光の強度に応じて、段階的に大きくなったり、段階的に小さくなったりする。
次に、本実施形態のレーザ装置1の動作について説明する。
まず、制御部CPの制御により、励起光源50のそれぞれのレーザダイオード51から励起光が出射されると、この励起光が光ファイバ54の内側クラッドを介して、増幅用光ファイバ55の内側クラッドに入射する。増幅用光ファイバ55の内側クラッドに入射した励起光は主に増幅用光ファイバ55の内側クラッドを伝搬して、増幅用光ファイバ55のコアを通過する際に当該コアに添加されている活性元素を励起する。励起状態とされた活性元素は、特定の波長の自然放出光を放出する。このときの自然放出光は、例えば活性元素がイッテルビウムである場合、1090nmの波長を含み一定の波長帯域を有する光である。この自然放出光は、増幅用光ファイバ55のコアを伝搬して、一部の波長の光が第1FBG57により反射され、反射された光のうち第2FBG58が反射する波長の光が第2FBG58で反射されて、共振器内を往復する。そして、第1FBG57及び第2FBG58で反射される光が増幅用光ファイバ55のコアを伝搬するときに、誘導放出が生じてこの光が増幅され、共振器内における利得と損失が等しくなったところでレーザ発振状態となる。そして、第1FBG57と第2FBG58との間を共振する光のうち一部の光が第2FBG58を透過し、光ファイバ10のコア11に入射する。コア11伝搬する光は、出射部材EDに入射し、出射部材EDで径が広げられて、出射部材EDから出射する。
出射部材EDから出射した光は、加工対象物等の被照射体に照射され、被照射体には加工等が施される。このとき、被照射体に照射される光の一部は被照射体の表面で反射され、さらにその反射光の一部が出射部材EDから光ファイバ10に入射する場合がある。光ファイバ10に入射する反射光の一部は、クラッド12に入射して、クラッドモード光として光ファイバ10を光源5に向かって伝搬する。また、光ファイバ10に入射する反射光の他の一部は、コア11に入射して、光ファイバ10を光源5に向かって伝搬する。
以下に光ファイバ10を反射光が光源5に伝搬する場合のレーザ装置1の光源5の制御方法について説明する。なお、以下の説明では、光源5から出射する光が光ファイバ10を出射部材EDに向かって伝搬する方向を順方向といい、出射部材EDから入射する反射光が光ファイバ10を光源5に向かって伝搬する方向を逆方向という場合がある。図3は、レーザ装置1の光源5の制御方法を示すフローチャートである。図3に示すように、レーザ装置1の光源5の制御方法は、第1光検出ステップST1と、第2光検出ステップST2と、演算ステップST3と、制御ステップST4とを備える。なお、第1光検出ステップST1と第2光検出ステップST2とは概ね同時に行われる。以下では、理解の容易のため、第2光検出ステップST2、第1光検出ステップST1の順に説明する。
<第2光検出ステップST2>
本ステップは、光ファイバ10の長手方向における第2の位置において光ファイバ10から漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第2検出信号を出力するステップである。上記のように、光ファイバ10の第2の位置は、光ファイバ10の長手方向における第1の位置よりも光源5から出射される光の伝搬方向の下流側である。このため、出射部材EDから入射し光ファイバ10を逆方向に伝搬する光は、第1の位置よりも先に第2の位置を通過する。第2光検出器22が設けられる第2の位置において、光ファイバ10を伝搬する光は、光源5から出射してコア11を順方向に伝搬する光と、出射部材EDからコア11に入射してコア11を逆方向に伝搬する光と、出射部材EDからクラッド12に入射してクラッド12を逆方向に伝搬する第1クラッドモードストリッパCMS1を通過する前のクラッドモード光とである。第2光検出器22は、第2の位置において、光ファイバ10から漏洩する光の強度を検出し、当該光の強度を示す第2検出信号を出力する。この第2検出信号の電圧値は、光ファイバ10から漏洩する光の強度を示す。第2光検出器22から出力された第2検出信号は、第2増幅器24に入力する。第2増幅器24では、第2光検出器22から入力する第2検出信号を増幅率βで増幅して出力する。第2増幅器24から出力される第2検出信号においては、この増幅された第2検出信号の電圧値が光ファイバ10から漏洩する光の強度を示す。第2増幅器24から出力される第2検出信号は、演算部25に入力する。
<第1光検出ステップST1>
本ステップは、光ファイバ10の長手方向における第1の位置において光ファイバ10から漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第1検出信号を出力するステップである。クラッドモード光がクラッド12を逆方向に向かって伝搬し第2の位置を通過すると、当該クラッドモード光の少なくとも一部は、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される。従って、第1光検出器21が設けられる第1の位置にクラッドモード光が伝搬することは抑制される。このため、第1の位置における光ファイバ10を伝搬する光は、光源5から出射してコア11を順方向に伝搬する光と、出射部材EDからコア11に入射してコア11を逆方向に伝搬する光と、クラッド12を逆方向に伝搬する第1クラッドモードストリッパCMS1を通過したクラッドモード光とである。第1光検出器21は、第1の位置において、光ファイバ10から漏洩する光の強度を検出し、当該光の強度を示す第1検出信号を出力する。この第1検出信号の電圧値は、光ファイバ10から漏洩する光の強度を示す。第1光検出器21から出力された第1検出信号は、第1増幅器23に入力する。第1増幅器23では、第1光検出器21から入力する第1検出信号を増幅率βで増幅して出力する。第1増幅器23から出力される第1検出信号においては、この増幅された第1検出信号の電圧値が光ファイバ10から漏洩する光の強度を示す。第1増幅器23から出力される第1検出信号は、演算部25に入力する。
ところで、第2の位置を伝搬する光の強度と第1の位置を伝搬する光の強度との差は、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光の強度となる。光ファイバ10から漏洩する光の強度の差は、光ファイバ10を伝搬する光の強度の差に比例するため、第2検出信号が示す光の強度と第1検出信号が示す光の強度の差は、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光の強度と同じ強度の光が、光ファイバ10を伝搬する場合に、光ファイバ10から漏洩する光の強度となる。
<演算ステップST3>
本ステップは、演算部25が、第1検出信号と前記第2検出信号とを用いて所定の演算を行うステップである。上記のように、本実施形態では、演算部25は、第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度との差を求め、当該差を演算結果として出力する。具体的には、第1検出信号の電圧値と第2検出信号の電圧値との差を求め、当該差を示す信号を出力する。この差が、第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度との差となる。演算部25から出力された演算結果を示す信号は制御部CPに入力する。なお、本実施形態と異なるが、上記のように、演算部25が行う演算は、例えば、第1検出信号と第2検出信号との比を求める演算であってもよい。この場合、演算部25は、第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度との比を求め、当該比を演算結果として出力する。具体的には、第1検出信号の電圧値と第2検出信号の電圧値との比を求め、当該比を示す信号を出力する。この比が、第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度との比となる。
<制御ステップST4>
本ステップは、演算ステップST3の演算結果と所定の閾値を比較し、比較結果に応じて光源5から出射される光の強度を変化させるステップである。制御部CPは、演算部25から演算結果を示す信号が入力すると、所定の閾値と演算結果とを比較して、演算結果と所定の閾値とが所定の関係になる場合に、光源5から出射される光の強度を変化させる制御信号を出力する。例えば、制御部CPは、演算結果が所定の閾値を超える場合に、光源5から光が出射されない制御信号を出力する。この場合、制御部CPは、光源5の励起光源50のそれぞれのレーザダイオード51に電力を供給する不図示の電力供給部に対して電力を止める制御信号を出力する。するとそれぞれのレーザダイオード51から励起光が出射されなくなり、光源5からの光の出射は停止する。また、例えば、制御部CPは、演算結果が所定の閾値を超える場合に、光源5から出射される光の強度を低くする制御信号を出力する。この場合、制御部CPは、上記の電力供給部に対してレーザダイオード51に供給する電力を小さくする制御信号を出力する。するとそれぞれのレーザダイオード51から出射される励起光の強度が低くなり、光源5から出射される光の強度が低くなる。
次に、制御部CPが行う演算結果と所定の閾値との比較について詳細に説明する。
<参考例>
まず、参考例について説明する。参考例は、第1光検出器21の検出精度と第2光検出器22の検出精度とが同じ例である。つまり、本例では、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度とが同じである。従って、この場合、第1検出信号と第2検出信号とは同じ電圧値となる。なお、本例では、第1増幅器23が増幅する第1検出信号の増幅率βと第2増幅器24が増幅する第2検出信号の増幅率βとは同じ増幅率とされる。
図4は、本例において、レーザ装置1から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバ10のクラッド12を光源側に向かって伝搬する場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号及び第2検出信号が示す光の強度との関係の例を示す図である。なお、上記のように第1増幅器23及び第2増幅器24のそれぞれから出力される増幅された第1検出信号及び第2検出信号も光ファイバ10から漏洩する光の強度を示す。従って、図4における第1検出信号及び第2検出信号は、第1光検出器21及び第2光検出器22のそれぞれから出力される検出信号でも、第1増幅器23及び第2増幅器24のそれぞれから出力される検出信号のどちらでもよい。
上記のように、第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとの差は、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光の強度と同じ強度の光が、光ファイバ10を伝搬する場合に光ファイバ10から漏洩する光の強度となる。また、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光は、クラッド12を逆方向に伝搬するクラッドモード光の強度に比例する傾向がある。更に、光源5から出射する光の強度が高ければ、レーザ装置1から出射する光の強度は高くなり、一般的に被加工体等で反射してクラッド12に入射する反射光の強度も高くなる。従って、図4に示すように、光源5から出射する光の強度が高ければ、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光の強度も高くなり、第1検出信号が示す光の強度21Pと、第2検出信号が示す光の強度22Pとの差も大きくなる。
図5は、本例において、光源5から出射する光の強度と演算部25の演算結果との関係を示す図である。上記のように本実施形態では、演算部25は、第1増幅器23から出力される第1検出信号と、第2増幅器24から出力される第2検出信号との差を求める。従って、本例における演算部25の演算結果CRは、光源5から出射する光の強度が高ければ高くなる。なお、反射光がクラッド12に入射しやすい環境であれば、図5の演算結果CRの傾きが大きくなる。
参考例では、制御部CPは、一定の値の特定の閾値THを設定する。本例では、特定の閾値THの値はS0とされる。この特定の閾値は、例えば、光源5を破壊しない程度の強度の光が光ファイバ10を逆方向に伝搬する場合において、演算部25が上記所定の演算を行う場合の演算結果と一致する程度とされる。具体的には、例えば、この特定の閾値は、レーザ装置1の出力の最大値の10%または5%の強度に相当する光が光ファイバ10を逆方向に伝搬する場合において、演算部25が上記所定の演算を行う場合の演算結果と一致する程度とされる。また例えば、この特定の閾値は、順方向に伝搬している光の強度の20%または10%の強度に相当する光が光ファイバ10を逆方向に伝搬する場合において、演算部25が上記所定の演算を行う場合の演算結果と一致する程度とされる。なお、実際の閾値を上記電圧値にするのではなく、上記の信号強度に相当する強度を検出器で検出した際に制御部CPが光源5から出射される光の強度を変化させることが好ましい。例えば、図1、図2と異なり第2光検出器22の下流側にもクラッドモードストリッパが配置される場合には、第2光検出器22で検出されるべきクラッド光の強度は、閾値とした設定した5%または10%に、さらにクラッドモードストリッパによる除去率が乗算された電圧値とされる。このように、レーザ装置1の構成に併せて閾値が適切に設定されることが望ましい。
制御部CPは、演算部25の演算結果CRと特定の閾値THとを比較し、演算結果CRと特定の閾値THとが所定の関係になる場合に、光源5から出射される光の強度を変化させる制御信号を出力する。
次に、第1光検出器21の検出精度と第2光検出器22の検出精度とが互いに異なる場合について説明する。
<第1の例>
まず、第1の例について説明する。第1の例は、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度が第2検出信号が示す光の強度よりも高い場合である。本例では、第1光検出器21は上記参考例と同様であるが第2光検出器22が出力する第2検出信号が示す光の強度が上記参考例よりも低くなる場合が例示される。また、本例では、第1検出信号の増幅率βと第2増幅器24が増幅する第2検出信号の増幅率βとは同じ増幅率であるものとする。従って、本例の第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pは、第1光検出器21及び第2光検出器22のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でも、第1増幅器23及び第2増幅器24のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でもよい。図6は、本例において、レーザ装置1から光が出射される場合において、光ファイバ10を逆方向に伝搬する光がない場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pとの関係を示す図である。光ファイバ10を逆方向に伝搬する光がない場合、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とで同じ強度の光が伝搬している。しかし、図6に示すように、本例では、第1検出信号が示す光の強度21Pは第2検出信号が示す光の強度22Pよりも高く、第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとの差は、光源5から出射される光の強度が高くなると大きくなる。
図7は、本例において、レーザ装置1から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバ10のクラッド12を光源側に向かって伝搬する場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pとの関係を示す図である。なお、図7には、図4に記載された第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pとが破線で示されている。第1光検出器21の検出精度と第2光検出器22の検出精度とが同じであれば、図4と同様の結果になる。しかし、図7に示すように、本例では、第2検出信号が示す光の強度22Pが、参考例の第2検出信号が示す光の強度22Pよりも低くなる。このため、光源5から出射する光の強度が高い場合であっても、図4の参考例と比べて第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとで差が出づらい。
図8は、本例において、光源5から出射する光の強度と、演算部25の演算結果CRとの関係を示す図である。なお、図8には、図5に示す値がS0とされる特定の閾値TH及び演算結果CRが破線で示されている。図8に示すように、本例の場合は、光源5から出射する光の強度が高い場合であっても、図5に示す場合と比べて演算結果CRが大きくなりづらい。そこで、本例では、制御部CPは、演算結果CRと所定の閾値THとの関係が、図5で示す演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づくように、所定の閾値THを光源5から出射される光の強度に応じて変化させる。図8では、この所定の閾値THが光源5から出射される光の強度に応じて変化している様子が示されている。図8に示すように、本例の場合、所定の閾値THは、光源5から出射される光の強度が高くなるにつれて、段階的に低くなっている。
メモリMEには、図8に示す光源5から出射される光の強度と所定の閾値THとの関係を示すテーブルが記憶されている。制御部CPは、メモリMEを参照して、演算部25の演算結果CRと、メモリMEに記憶されている現在出射されている光源5からの光の強度における所定の閾値THとを比較する。例えば、図8のように、光源5から出射される光の強度がPnであれば、所定の閾値THの値をSnとして、演算結果CRと所定の閾値THの値Snとを比較する。そして、制御部CPは、比較結果に応じて制御ステップST4で説明した制御信号を出力する。
なお、メモリMEに記憶されているテーブルは、次のようにして定めることができる。まず、レーザ装置1の出射部材EDから出射する光が反射して再び出射部材EDに入射することが無い環境において、レーザ装置1の光源5から所定の強度の光を出射させる。この場合、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が順方向に伝搬し、逆方向の光は伝搬しない。この状態で、第1光検出器21から出力される第1検出信号が示す光の強度21Pと第2光検出器22から出力される第2検出信号が示す光の強度22Pは図6の様になる。そこで、図6に示す第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとの差と、図8に示す特定の閾値THの値S0と段階的に低下する所定の閾値THとの差とが、近づくように段階的に低下する所定の閾値THを定める。そして、定められた所定の閾値THは、メモリME内のテーブルに記憶される。その結果、図8に示すように、所定の閾値THと演算結果CRとの関係は、図5に示す特定の閾値THと演算結果CRとの関係に近づく。
<第2の例>
次に、第2の例について説明する。第2の例は、第1の例と同様の第1光検出器21及び第2光検出器22を用いる点において第1の例と同様であるが、第1増幅器23と第2増幅器24とが互いに異なる増幅率で第1検出信号、第2検出信号を増幅する点において第1の例と異なる。本例では、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1増幅器23及び第2増幅器24は、第1増幅器23から出力される第1検出信号と第2増幅器24から出力される第2検出信号とが同じ強度を示すように、第1検出信号及び第2検出信号を増幅することが好ましい。つまり、第1増幅器23及び第2増幅器24は、第1増幅器23から出力する第1検出信号が示す光の強度及び第2増幅器24から出力する第2検出信号が示す光の強度を用いた演算結果が図5に示す演算結果と一致するように、第1検出信号及び第2検出信号を増幅することが好ましい。しかし、一般的に、増幅器の精度には限界があるため、第1増幅器23から出力する第1検出信号が示す光の強度及び第2増幅器24から出力する第2検出信号が示す光の強度を用いた演算結果が図5に示す演算結果と一致するように、第1検出信号及び第2検出信号を増幅することは困難である。そこで、本例では、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1増幅器23及び第2増幅器24は、第1増幅器23から出力される第1検出信号が示す光の強度と第2増幅器24から出力される第2検出信号が示す光の強度とが、同じ強度を示す状態に近づくように、第1検出信号と第2検出信号とをそれぞれ増幅する。図9は、本例において、光源5から出射する光の強度と、第1増幅器23で増幅された第1検出信号が示す光の強度及び第2増幅器24で増幅された第2検出信号が示す光の強度を用いた演算部25の演算結果CRとの関係を示す図である。なお、図9では、図5に示す特定の閾値TH及び演算結果CRが破線で示され、図8に示す演算結果CRが点線で示されている。第1増幅器23及び第2増幅器24が第1検出信号及び第2検出信号を上記のように増幅するため、第1増幅器23及び第2増幅器24から出力される第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度を用いた演算結果CRは、図8に示す演算結果CRよりも図5に示す演算結果CRに近づく。このため、本例では、所定の閾値THは、光源5から出射される光の強度が高くなるにつれて段階的に低くなるものの、本例の所定の閾値THの低くなり方の度合いは、第1の例の所定の閾値THの低くなり方の度合いよりも小さい。
本例によれば、第1の例と比べて、演算結果CRの誤差を小さくすることができ、光源5から出射される光の強度に応じて変化させる所定の閾値THの変化の幅を小さくすることができる。このため、レーザ装置1が、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超えるか否かをより正確に検出し得る。
なお、本例の第1増幅器23の増幅率β及び第2増幅器24の増幅率βは次のように定めることができる。まず、第1の例でメモリMEに記憶されているテーブルを定める時と同様に、レーザ装置1の出射部材EDから出射する光が反射して再び出射部材EDに入射することが無い環境において、レーザ装置1の光源5から所定の強度の光を出射させる。この状態で、第1光検出器21から出力される第1検出信号が示す光の強度と第2光検出器22から出力される第2検出信号が示す光の強度は、図6に示す第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pの様になる。そこで、第1増幅器23から出力される第1検出信号が示す光の強度と第2増幅器から出力される第2検出信号が示す光の強度とが近づくように第1増幅器23の増幅率β及び第2増幅器24の増幅率βを定める。
<第3の例>
次に、第3の例について説明する。第3の例は、第1の例と逆に、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度が第2検出信号が示す光の強度よりも低い場合である。本例では、第1光検出器21は上記参考例と同様であるが第2光検出器22が出力する第2検出信号が示す光の強度が上記参考例よりも高くなる場合が例示される。また、本例では、第1の例と同様に、第1検出信号の増幅率βと第2増幅器24が増幅する第2検出信号の増幅率βとは同じ増幅率であるものとする。従って、本例の第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pは、第1光検出器21及び第2光検出器22のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でも、第1増幅器23及び第2増幅器24のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でもよい。図10は、本例において、レーザ装置1から光が出射する場合において、光ファイバ10を逆方向に伝搬する光がない場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pとの関係を示す図である。光ファイバ10を逆方向に伝搬する光がない場合、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とで同じ強度の光が伝搬している。しかし、図10に示すように、本例では、第1検出信号が示す光の強度21Pは第2検出信号が示す光の強度22Pよりも低く、第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとの差は、光源5から出射される光の強度が高くなると大きくなる。
図11は、本例において、レーザ装置1から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバ10のクラッド12を光源側に向かって伝搬する場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pとの関係を示す図である。なお、図11には、図4に記載された第1検出信号が示す光の強度21P及び第2検出信号が示す光の強度22Pが破線で示されている。図11に示すように、本例では、第2検出信号が示す光の強度22Pが、参考例の第2検出信号が示す光の強度22Pよりも高くなる。このため、光源5から出射する光の強度が低い場合であっても、図4の参考例と比べて第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとで差が大きくなり易い。
図12は、本例において、光源5から出射する光の強度と、演算部25の演算結果CRとの関係を示す図である。なお、図12には、図8と同様に、図5に示す値がS0とされる特定の閾値TH及び演算結果CRが破線で示されている。図12に示すように、本例の場合は、光源5から出射する光の強度が低い場合であっても、図5に示す場合と比べて演算結果CRが大きくなり易い。そこで、本例では、制御部CPは、演算結果CRと所定の閾値THとの関係が、図5で示す演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づくように、所定の閾値THを光源5から出射される光の強度に応じて変化させる。図12では、この所定の閾値THが光源5から出射される光の強度に応じて変化している様子が示されている。図12に示すように、本例の場合、所定の閾値THは、光源5から出射される光の強度が高くなるにつれて、段階的に高くなっている。
本例では、メモリMEには、図12に示す光源5から出射される光の強度と所定の閾値THとの関係を示すテーブルが記憶されている。制御部CPは、第1の例と同様に、メモリMEを参照して、演算部25の演算結果CRと、メモリMEに記憶されている現在出射されている光源5からの光の強度における所定の閾値THとを比較する。例えば、図12のように、光源5から出射される光の強度がPnであれば、所定の閾値THの値をSnとして、演算結果CRと所定の閾値THの値Snとを比較する。そして、制御部CPは、第1の例と同様に、比較結果に応じて光源5から出射される光の強度を変化させる制御信号を出力する。なお、メモリMEに記憶されているテーブルは、第1の例と同様にして定めることができる。
なお、本例においても、第1増幅器23と第2増幅器24とが互いに異なる増幅率で第1検出信号、第2検出信号を増幅してもよい。この場合、第2の例と同様にして、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1増幅器23及び第2増幅器24は、第1増幅器23から出力される第1検出信号が示す光の強度と第2増幅器24から出力される第2検出信号が示す光の強度とが、同じ強度を示す状態に近づくように、第1検出信号と第2検出信号とをそれぞれ増幅する。
<第4の例>
次に、第4の例について説明する。第4の例は、第1の例と同様に、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度が第2検出信号が示す光の強度よりも高い場合である。本例でも、第1増幅器23が増幅する第1検出信号の増幅率βと第2増幅器24が増幅する第2検出信号の増幅率βとは同じ増幅率であるものとする。従って、本例の第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度は、第1光検出器21及び第2光検出器22のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でも、第1増幅器23及び第2増幅器24のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でもよい。本例の場合、光ファイバ10を逆方向に伝搬する光がない場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係は、第1の例と同様であり図6と同様になる。また、レーザ装置1から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバ10のクラッド12を光源側に向かって伝搬する場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係は、第1の例と同様であり図7と同様になる。
図13は、本例において、光源5から出射する光の強度と、演算部25の演算結果CRとの関係を示す図である。なお、図13には、図8と同様に、図5に示す値がS0とされる特定の閾値TH及び演算結果CRが破線で示されている。図13に示すように、本例では、第1の例と同様に、光源5から出射する光の強度が高い場合であっても、図5に示す場合と比べて演算結果CRが大きくなりづらい。そこで、本例では、制御部CPは、演算結果CRと所定の閾値THとの関係が、図5で示す演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づくように、所定の閾値THを光源5から出射される光の強度に応じて変化させる。図13では、この所定の閾値THが光源5から出射される光の強度に応じて変化している様子が示されている。図13に示すように、本例の場合、所定の閾値THは、光源5から出射される光の強度が高くなるにつれて、連続的に低くなっている。従って、所定の閾値THの傾きは負である。
このような連続的に低くなる閾値は次のように定めることができる。まず、第1の例でメモリMEに記憶されているテーブルを定める時と同様に、レーザ装置1の出射部材EDから出射する光が反射して再び出射部材EDに入射することが無い環境において、レーザ装置1の光源5から所定の強度の光を出射させる。この状態で、第1光検出器21から出力される第1検出信号が示す光の強度と第2光検出器22から出力される第2検出信号が示す光の強度は、図6に示す第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pの様になる。そこで、図6に示す第1検出信号が示す光の強度21Pと第2検出信号が示す光の強度22Pとの差と、図8に示す特定の閾値THの値S0と徐々に低下する所定の閾値との差とが近づくように、所定の閾値THを光源5から出射する光の強度の関数とする。その結果、図13に示すように、所定の閾値THと演算結果CRとの関係は、図5に示す特定の閾値THと演算結果CRとの関係に近づく。
なお、第2の例のように第1増幅器23と第2増幅器24とが互いに異なる増幅率で第1検出信号、第2検出信号を増幅する場合において、本例のように所定の閾値THが光源5から出射される光の強度が高くなるにつれて連続的に低くなるように、所定の閾値THを定めてもよい。この場合、所定の閾値THの傾き本例の場合よりも小さくなり、より高い精度で参考例の演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づけることができる。
また、第3の例のように、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度が第2検出信号が示す光の強度よりも低い場合において、所定の閾値THが光源5から出射される光の強度が高くなるにつれて連続的に高くなるように、所定の閾値THを定めてもよい。この場合、所定の閾値THの傾きは正となる。この場合においても、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1増幅器23及び第2増幅器24が、第1増幅器23から出力される第1検出信号が示す光の強度と第2増幅器24から出力される第2検出信号が示す光の強度とが、同じ強度を示す状態に近づくように、第1検出信号と第2検出信号とをそれぞれ増幅してもよい。
なお、本例の場合、制御部CPがテーブルを参照しなくてもよいため、メモリMEが備えられなくてもよい。
<第5の例>
次に、第5の例について説明する。第5の例は、第1の例と同様に、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度が第2検出信号が示す光の強度よりも高い場合である。本例でも、第1増幅器23が増幅する第1検出信号の増幅率βと第2増幅器24が増幅する第2検出信号の増幅率βとは同じ増幅率であるものとする。従って、本例の第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度は、第1光検出器21及び第2光検出器22のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でも、第1増幅器23及び第2増幅器24のそれぞれから出力される検出信号が示す光の強度でもよい。本例の場合、光ファイバ10を逆方向に伝搬する光がない場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係は、第1の例と同様であり図6と同様になる。また、レーザ装置1から出射する光が加工体等で反射して、一部の光が光ファイバ10のクラッド12を光源側に向かって伝搬する場合に、光源5から出射する光の強度と、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度との関係は、第1の例と同様であり図7と同様になる。
図14は、本例において、光源5から出射する光の強度と、演算部25の演算結果CRとの関係を示す図である。図14では、この演算結果CRが一点鎖線で示されており、この演算結果CRは、図8で実線で示される演算結果CRと同様である。なお、図14には、図5に示される特定の閾値TH及び演算結果CRが破線で示されている。図14に示すように、本例の場合は、第1の例と同様に、光源5から出射する光の強度が高い場合であっても、演算結果CRは、参考例の場合の演算結果CRと比べて大きくなりづらい。そこで、本例では、制御部CPは、演算結果CRと所定の閾値THとの関係が、参考例の演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づくように、演算結果CRを光源5から出射される光の強度に応じて変化させ、所定の閾値THを参考例の特定の閾値THと同様にする。従って、本例の所定の閾値THの一定の値はS0である。図13では、変化した後の演算結果CR5Aが光源5から出射される光の強度に応じて変化している様子が示されている。本例では、制御部CPは、演算結果CRに所定の係数を乗じることで、所定の係数を乗じられた後の演算結果CR5Aを図5の演算結果CRに近づけている。具体的には、本例では、所定の係数が1より大きな数とされる。
この所定の係数は、次のように定めることができる。まず、第1の例でメモリMEに記憶されているテーブルを定める時と同様に、レーザ装置1の出射部材EDから出射する光が反射して再び出射部材EDに入射することが無い環境において、レーザ装置1の光源5から所定の強度の光を出射させる。この状態で、第1検出信号が示す光の強度及び第2検出信号が示す光の強度は図6の様になる。そこで、演算部25で所定の演算を行い、この演算結果が光源5から出射される光の強度によらず一定に近づく係数を求める。この係数が上記所定の係数となる。
なお、第2の例のように第1増幅器23と第2増幅器24とが互いに異なる増幅率で第1検出信号、第2検出信号を増幅する場合において、本例のように演算結果CRに所定の係数を乗じることで、演算結果CRと所定の閾値THとの関係が、参考例の演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づくように、演算結果CRを光源5から出射される光の強度に応じて変化させてもよい。この場合、特定の係数が本例の場合よりも小さくなり、より高い精度で参考例の演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づけることができる。
また、第3の例のように、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、第1検出信号が示す光の強度が第2検出信号が示す光の強度よりも低い場合において、本例のように演算結果CRに所定の係数を乗じることで、演算結果CRと所定の閾値THとの関係が、参考例に示す演算結果CRと特定の閾値THとの関係に近づくように、演算結果CRを光源5から出射される光の強度に応じて変化させてもよい。この場合、所定の係数は1より小さな係数となる。
なお、本例の場合、第4の例と同様の理由で、メモリMEが備えられなくてもよい。
以上説明したように、本実施形態のレーザ装置1では、制御部CPは、演算結果と所定の閾値との関係が、第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬するときに第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における演算結果CRと一定の値の特定の閾値THとの関係に近づくように、演算結果及び所定の閾値の少なくとも一方を光源5から出射される光の強度に応じて変化させる。
このようなレーザ装置1によれば、第1光検出器21の検出精度と第2光検出器22の検出精度とに差がある場合であっても、演算結果が閾値を超えないべき場合に、演算結果が閾値を超えることや、演算結果が閾値を超えるべき場合に、演算結果が閾値を超えないことを抑制し得る。従って、本実施形態のレーザ装置1によれば、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合の光源5の動作を適切に行い得る。
また、本実施形態のレーザ装置1は、第1の位置と第2の位置との間において、クラッド12を伝搬する光の少なくとも一部を除去する第1クラッドモードストリッパCMS1が設けられている。このため、第2の位置から第1の位置に向かうクラッドモード光の少なくとも一部が第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される。従って、第1光検出器21で検出する光の強度は、クラッドモード光の減少により漏洩する光が減少する分だけ、第2光検出器22で検出する光の強度よりも小さくなる。このため、本実施形態のレーザ装置1は、第1光検出器21が出力する第1検出信号と第2光検出器22が出力する第2検出信号とを用いて、光ファイバ10を光源5側に向かって逆方向に伝搬するクラッドモード光の強度に応じて光源5から出射する光の強度を調節することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図15を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図15は、本実施形態のレーザ装置における光検出装置の一部を概略的に示す断面図である。本実施形態のレーザ装置では、光検出装置2が、光ファイバ10が第1光ファイバ10aと第2光ファイバ10bとからなる点、及び、第2クラッドモードストリッパCMS2が設けられる点において、第1実施形態の光検出装置2と異なる。
第1光ファイバ10aは、コア11a、コア11aを囲うクラッド12a、クラッド12aを囲う被覆層13aを有する。コア11a、クラッド12a、及び被覆層13aの構成は、例えば、上記光ファイバ10のコア11、クラッド12、及び被覆層13の構成と同様とされる。第1光ファイバ10aは、光源5の光ファイバ56に接続されている。従って、第1光ファイバ10aと光ファイバ56とが同様の構成であれば、第1光ファイバ10aは延長された光ファイバ56の一部であってもよい。
第1光ファイバ10aの光源5から出射される光の伝搬方向の下流側の端部には、第2光ファイバ10bの端部が接続されている。第2光ファイバ10bは、コア11b、コア11bを囲うクラッド12b、クラッド12bを囲う被覆層13bを有する。第2光ファイバ10bの構成は、コア11bの直径が第1光ファイバ10aのコア11aの直径よりも大きな点において、第1光ファイバ10aの構成と異なる。
第1光ファイバ10aの所定の位置である第1の位置には第1光検出器21が設けられ、第1光ファイバ10aにおける第1光検出器21よりも第2光ファイバ10b側には、第1クラッドモードストリッパCMS1が設けられている。第2光ファイバ10bの所定の位置である第2の位置には第2光検出器22が設けられ、第2光ファイバ10bにおける第2光検出器22よりも光源5から出射される光の伝搬方向の下流側には、第2クラッドモードストリッパCMS2が設けられている。第2クラッドモードストリッパCMS2の構成は、第1クラッドモードストリッパCMS1の構成と同様とされる。
本実施形態のレーザ装置は、第1実施形態のレーザ装置と同様に光源5から光が出射する。この光は、第1光ファイバ10aのコア11aから第2光ファイバ10bのコア11bに伝搬して、コア11bから出射部材EDに入射する。そして、この光は、径が広げられて出射部材EDから出射する。
本実施形態においても、第1実施形態のレーザ装置1と同様にして、被照射体で反射する光が出射部材EDから第2光ファイバ10bに入射して、第2光ファイバ10bを逆方向に伝搬する場合がある。この場合、第2光ファイバ10bのクラッド12bを逆方向に伝搬する光の少なくとも一部は、第2クラッドモードストリッパCMS2に除去される。第2クラッドモードストリッパCMS2を通過する光は、第1光ファイバ10aのクラッド12aに伝搬し、クラッド12bからクラッド12aに伝搬する光の少なくとも一部は、第1クラッドモードストリッパCMS1に除去される。また、第2光ファイバ10bのコア11bを逆方向に伝搬する光の一部は、第1光ファイバ10aと第2光ファイバ10bとの接続部において、第1光ファイバ10aのクラッド12aに漏洩する。コア11bからクラッド12aに漏洩する光の少なくとも一部は、第1クラッドモードストリッパCMS1に除去される。また、第2光ファイバ10bのコア11bを逆方向に伝搬する光の他の一部は、第1光ファイバ10aのコア11aに入射して、コア11aを逆方向に伝搬する。
本実施形態のレーザ装置における光ファイバ10を反射光が光源5に伝搬する場合のレーザ装置1の光源5の制御方法は、第1実施形態における制御方法と同様である。
なお、本例においても、第2の位置を伝搬する光の強度と第1の位置を伝搬する光の強度との差は、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光の強度となる。従って、第2検出信号が示す光の強度と第1検出信号が示す光の強度の差は、第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光の強度と同じ強度の光が、光ファイバ10を伝搬する場合に、光ファイバ10から漏洩する光の強度となる。ただし、本例では、第2クラッドモードストリッパCMS2でクラッド12bを逆方向に伝搬する光の全てが除去される場合や、クラッド12bを逆方向に伝搬する光が存在しない場合であっても、コア11bからクラッド12aに伝搬して第1クラッドモードストリッパCMS1で除去される光が存在する。従って、これらの場合であっても、第1光検出器21と第2光検出器22とで異なる強度の光を検出することができる。
なお、本例において、第2クラッドモードストリッパCMS2は必須ではない。この場合、クラッド12bを逆方向に伝搬する光が存在しない場合にコア11bを逆方向に伝搬する光の強度により、光源5を制御することができる。この場合としては、被照射体で反射する光が出射部材EDから第2光ファイバ10bに入射して、第2光ファイバ10bを逆方向に伝搬する場合よりも、コア11bと出射部材EDとの接続部等において、順方向に伝搬する光の一部が反射し、反射光としてコア11bを逆方向に伝搬する場合が想定される。
以上説明したように、本実施形態のレーザ装置では、光ファイバ10が、第1光ファイバ10aと、光源5から出射される光の伝搬方向の下流側において第1光ファイバ10aに接続され、第1光ファイバ10aのコア11aの直径よりも大きな直径のコア11bを有する第2光ファイバ10bと、を有し、第1の位置は、第1光ファイバ10aの所定の位置とされ、第2の位置は、第2光ファイバ10bの所定の位置とされ、第1クラッドモードストリッパCMS1は、第1光ファイバに設けられる。このようなレーザ装置によれば、上記のように第1光検出器21で検出する光の強度は、第1クラッドモードストリッパCMS1に除去される光の減少により漏洩する光の減少の分だけ、第2光検出器22で検出する光の強度よりも小さくなる。従って、本実施形態のレーザ装置は、第2光ファイバ10bを逆方向に伝搬するクラッドモード光がない場合であっても、第1光検出器21が出力する第1検出信号と第2光検出器22が出力する第2検出信号とを用いて、コアを逆方向に伝搬する光の強度に応じて光源5から出射する光の強度を調節することができる。
さらに本実施形態のレーザ装置では、第2光ファイバ10bの長手方向における第2の位置よりも光源5から出射される光の伝搬方向の下流側において、クラッド12bを伝搬する光の少なくとも一部を除去する第2クラッドモードストリッパCMS2が設けられる。従って、第2の位置をクラッドモード光が逆方向に伝搬することが、第2クラッドモードストリッパCMS2により抑制される。従って、反射光が第2光ファイバ10bのクラッド12bに入射する場合であっても、第1光検出器21が出力する第1検出信号と第2光検出器22が出力する第2検出信号とを用いて、コア11bを逆方向に伝搬する光の強度に応じて光源から出射する光の強度を調節することができる。
なお、本実施形態では、第1光ファイバ10aの被覆層13aがクラッド12aの屈折率よりも高くされ、第1クラッドモードストリッパCMS1が被覆層13aから成ってもよい。また、本実施形態では、第2光ファイバ10bの被覆層13bがクラッド12bの屈折率よりも高くされ、第2クラッドモードストリッパCMS2が被覆層13bから成ってもよい。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、光ファイバ10の第1の位置と第2の位置とで、光ファイバ10を逆方向に伝搬する光の強度に差があれば、第1クラッドモードストリッパCMS1が設けられなくてもよい。ただし、第2の位置と第1の位置との間でクラッド12を逆方向の伝搬するクラッドモード光を抑制する観点から第1クラッドモードストリッパCMS1が設けられることが好ましい。
また、制御部CPが、演算結果と所定の閾値との関係が、第1の位置と第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に第1検出信号が示す光の強度と第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づくように、演算結果及び所定の閾値の少なくとも一方を光源5から出射される光の強度に応じて変化させるのであれば、上記の第1の例から第5の例以外の方法により、光源5から出射する光の強度を変化させる制御信号を出力してもよい。
また、上記実施形態では光ファイバ10における第1の位置より上流側にクラッドモードストリッパが設けられていない例で説明したが、光ファイバ10における第1の位置より上流側にクラッドモードストリッパが設けられてもよい。この場合、第1の位置より上流側に配置されるクラッドモードストリッパよりもさらに上流側からクラッドモード光が順方向に伝搬する場合に、第1の位置よりも手前で、このクラッドモード光はクラッドモードストリッパにより除去される。従って、このようなクラッドモードストリッパが設けられることで、不要な光を第1光検出器21が検出することを抑制することができ、上記の所定の演算でより適切な演算結果を求めることができる。
また、上記実施形態では光源5が共振器型のファイバレーザ装置である例を挙げて説明したが、光源5は、他のファイバレーザ装置や固体レーザ装置であってもよい。光源5がファイバレーザ装置とされる場合、MO-PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置であってもよい。また、光源5の数は特に限定されず、少なくとも1つ備えられていればよい。
また、上記実施形態では光ファイバ10がマルチモードファイバである例を挙げて説明したが、光ファイバ10がマルチモードファイバでなくてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、逆方向に伝搬する光の強度が所定の強度を超える場合に適切に動作し得るレーザ装置及びレーザ装置の光源制御方法が提供され、ファイバレーザ装置や光ファイバ通信等の分野で利用することが期待される。
1・・・レーザ装置
2・・・光検出装置
5・・・光源
10・・・光ファイバ
10a・・・第1光ファイバ
10b・・・第2光ファイバ
11,11a,11b・・・コア
12,12a,12b・・・クラッド
21・・・第1光検出器
22・・・第2光検出器
23・・・第1増幅器
24・・・第2増幅器
25・・・演算部
CMS1・・・第1クラッドモードストリッパ
CMS2・・・第2クラッドモードストリッパ
CP・・・制御部

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源から出射する光を伝搬するコア及び前記コアを包囲するクラッドを有する光ファイバと、
    前記光ファイバの長手方向における第1の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第1検出信号を出力する第1光検出器と、
    前記光ファイバの長手方向における前記第1の位置よりも前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側における第2の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第2検出信号を出力する第2光検出器と、
    前記第1検出信号と前記第2検出信号とを用いて所定の演算を行う演算部と、
    前記演算部の演算結果と所定の閾値とを比較し、比較結果に応じて前記光源から出射される光の強度を変化させる制御信号を出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記演算結果と前記所定の閾値との関係が、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度と前記第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における前記演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づくように、
    前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度が前記第2検出信号が示す光の強度よりも大きい場合には、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて小さくすること、及び、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて大きくすることの少なくとも一方を行い、
    前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度が前記第2検出信号が示す光の強度よりも低い場合には、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて大きくすること、及び、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて小さくすることの少なくとも一方を行う
    ことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記第1の位置と前記第2の位置との間において、前記クラッドを伝搬する光の少なくとも一部を除去する第1クラッドモードストリッパが設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記光ファイバは、
    第1光ファイバと、
    前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側において前記第1光ファイバに接続され、前記第1光ファイバのコアの直径よりも大きな直径のコアを有する第2光ファイバと、
    を有し、
    前記第1の位置は、前記第1光ファイバの所定の位置とされ、
    前記第2の位置は、前記第2光ファイバの所定の位置とされ、
    前記第1クラッドモードストリッパは、前記第1光ファイバに設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載のレーザ装置。
  4. 前記第2光ファイバの長手方向における前記第2の位置よりも前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側において、前記クラッドを伝搬する光の少なくとも一部を除去する第2クラッドモードストリッパが設けられる
    ことを特徴とする請求項3に記載のレーザ装置。
  5. 前記第1光検出器から出力される前記第1検出信号を増幅する第1増幅器と、
    前記第2光検出器から出力される前記第2検出信号を増幅する第2増幅器と、
    を更に備え、
    前記第1増幅器及び前記第2増幅器は、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に、前記第1増幅器から出力される前記第1検出信号と前記第2増幅器から出力される前記第2検出信号とが、同じ強度を示す状態に近づくように、前記第1検出信号と前記第2検出信号とをそれぞれ増幅し、
    前記演算部は、前記第1増幅器から出力される前記第1検出信号と前記第2増幅器から出力される前記第2検出信号とを用いて前記所定の演算を行う
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のレーザ装置。
  6. 前記所定の演算は、前記第1検出信号が示す光の強度と前記第2検出信号が示す光の強度との差を求める演算である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のレーザ装置。
  7. 前記光源から出射される光の強度と前記所定の閾値との関係が記憶されたメモリを更に備え、
    前記制御部は、前記メモリを参照して、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて変化させる
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のレーザ装置。
  8. 前記制御部は、前記演算結果に所定の係数を乗じることで、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて変化させる
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のレーザ装置。
  9. 光源と、
    前記光源から出射する光を伝搬するコア及び前記コアを包囲するクラッドを有する光ファイバと、
    を備えるレーザ装置の光源制御方法であって、
    前記光ファイバの長手方向における第1の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第1検出信号を出力する第1光検出ステップと、
    前記光ファイバの長手方向における前記第1の位置よりも前記光源から出射される光の伝搬方向の下流側における第2の位置において前記光ファイバから漏洩する光の強度を検出し当該光の強度を示す第2検出信号を出力する第2光検出ステップと、
    前記第1検出信号と前記第2検出信号とを用いて所定の演算を行う演算ステップと、
    前記演算ステップの演算結果と所定の閾値を比較し、比較結果に応じて前記光源から出射される光の強度を変化させる制御ステップと、
    を備え、
    前記制御ステップでは、前記演算結果及び前記所定の閾値との関係が、前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度と前記第2検出信号が示す光の強度とが同じである場合における前記演算結果と一定の値の特定の閾値との関係に近づくように、
    前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度が前記第2検出信号が示す光の強度よりも大きい場合には、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて小さくすること、及び、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて大きくすることの少なくとも一方を行い、
    前記第1の位置と前記第2の位置とに同じ強度の光が伝搬する場合に前記第1検出信号が示す光の強度が前記第2検出信号が示す光の強度よりも低い場合には、前記演算結果を前記光源から出射される光の強度に応じて大きくすること、及び、前記所定の閾値を前記光源から出射される光の強度に応じて小さくすることの少なくとも一方を行う
    ことを特徴とするレーザ装置の光源制御方法。
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