ところで、ファイバレーザ装置では、出射した光が加工物等で反射して、戻り光として出射口から入射し、融着点等で漏洩する場合がある。上記特許文献1に記載のファイバレーザ装置では、この戻り光が、樹脂に漏洩して、モニタ用の光ファイバに入射する懸念がある。この様に、戻り光がモニタ用の光ファイバに入射すると、正確な光強度モニタリングが困難となる可能性がある。従って、戻り光の影響が抑制された、出射すべき光の一部を適切にモニタすることができる光モニタ装置が望まれている。
そこで、本発明は、所定の方向に伝搬する光をモニタすることができる光モニタ装置及びレーザ装置を提供しようとするものである。
本発明の光モニタ装置は、所定のモード数で光を伝搬する第1光ファイバと、前記第1光ファイバと一方の端部が接続され、前記第1光ファイバよりも伝搬する光のモード数が多い第2光ファイバと、前記第2光ファイバから前記第1光ファイバに入射し前記第1光ファイバから漏洩する光の強度を検知する第1光検知器と、を備えることを特徴とするものである。
第2光ファイバは、第1光ファイバよりも伝搬する光のモード数が多いため、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光のうち、第1光ファイバで許容する光のモードより大きなモードの光は、第1光ファイバから漏洩し易い。一方、第1光ファイバから第2光ファイバに入射する光は、漏洩しづらい。従って、このような光モニタ装置を用いることで、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光を第1光検知器で検知する際に、第1光ファイバから第2光ファイバに入射する光の影響を抑制することができる。従って、本発明の光モニタ装置によれば、所定の方向に伝搬する光をモニタすることができる
例えば、このような光モニタ装置は、光源からの光が第1光ファイバから第2光ファイバに伝搬して出射するレーザ装置に有用に用いられる。この場合、加工物で反射してレーザ装置に入射する戻り光は第2光ファイバから第1光ファイバに伝搬するため、第1光ファイバに入射した戻り光を第1光検知器で上記のように検知することができる。
また例えば、このような光モニタ装置は、光源からの光が第2光ファイバから第1光ファイバに伝搬して出射するレーザ装置に有用に用いられる。この場合、出射光が第2光ファイバから第1光ファイバに入射した光を第1光検知器で上記のように検知することができる。
また、上記光モニタ装置において、前記第1光検知器の受光面の少なくとも一部は前記第1光ファイバと前記第2光ファイバとの接続部よりも前記第1光ファイバ側に位置することが好ましい。
このように第1光検知器が配置されることで、第1光ファイバから漏洩する光をより感度よく検知することができる。
また、上記光モニタ装置において、前記第2光ファイバの他方の端部に接続され、前記第2光ファイバよりも伝搬する光のモード数が少ない第3光ファイバと、前記第2光ファイバから前記第3光ファイバに入射し前記第3光ファイバから漏洩する光の強度を検知する第2光検知器と、を更に備えることが好ましい。
第2光ファイバは、第3光ファイバよりも伝搬する光のモード数が多いため、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光のうち、第3光ファイバで許容する光のモードより大きなモードの光は、第3光ファイバから漏洩し易い。一方、第3光ファイバから第2光ファイバに入射する光は、漏洩しづらい。従って、このような光モニタ装置を用いることで、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光を第2光検知器で検知する際に、第3光ファイバから第2光ファイバに入射する光の影響を抑制することができる。従って、このような光モニタ装置によれば、上記のように第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光を第2光検知器で検知でき、上記のように第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光を第1光検知器で検知できるため、双方向に光が伝搬する場合に、一方の方向に伝搬する光と他方の方向に伝搬する光とを個別にモニタすることができる。
また、上記光モニタ装置において、前記第2光検知器の受光面の少なくとも一部は前記第2光ファイバと前記第3光ファイバとの接続部よりも前記第3光ファイバ側に位置することが好ましい。
このように第2光検知器が配置されることで、第3光ファイバから漏洩する光をより感度よく検知することができる。
上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続される光モニタ装置において、前記第3光ファイバが伝搬する光のモード数は、前記第1光ファイバが伝搬する光のモード数以上とされることが好ましい。
この場合、第3光ファイバが伝搬する光のモード数が第1光ファイバが伝搬する光のモード数より小さい場合と比べて、第1光ファイバから第2光ファイバを介して第3光ファイバを伝搬する光の損失を低減することができる。従って、第1光ファイバから第3光ファイバにかけて伝搬する光の損失を抑制したい場合に有用である。
上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続される光モニタ装置において、前記第2光ファイバのコアの直径は、前記第1光ファイバのコアの直径よりも大きく、前記第2光ファイバのコアと前記第1光ファイバのコアとはテーパ状に接続されることが好ましい。
第2光ファイバのコアと第1光ファイバのコアとがテーパ状に接続される場合、第1光ファイバと第2光ファイバとの接続強度を高くすることができる。また、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径よりも大きいことにより、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径と同等の場合と比べて、第2光ファイバに入射する光において高次モードの光をより励振されやすくすることができる。従って、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなる。このため、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光を第2光検知器で検知し易くすることができる。また、第1光ファイバのコアと第2光ファイバのコアとがテーパ状に接続されることで屈折率プロファイルが緩やかに変化し、第1光ファイバから第2光ファイバに光が伝搬する際に光が漏洩することを抑制することができる。
また上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続される光モニタ装置において、前記第2光ファイバのコアの直径は、前記第3光ファイバのコアの直径よりも大きく、前記第2光ファイバのコアと前記第3光ファイバのコアとはテーパ状に接続されることが好ましい。
第2光ファイバのコアと第3光ファイバのコアとがテーパ状に接続される場合、第3光ファイバと第2光ファイバとの接続強度を高くすることができる。また、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径よりも大きいことにより、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径と同等の場合と比べて、第2光ファイバに入射する光において高次モードの光をより励振されやすくすることができる。従って、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなる。このため、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光を第1光検知器で検知し易くすることができる。また、第3光ファイバのコアと第2光ファイバのコアとがテーパ状に接続されることで屈折率プロファイルが緩やかに変化し、第3光ファイバから第2光ファイバに光が伝搬する際に光が漏洩することを抑制することができる。
また、本発明のレーザ装置は、所定のモード数で光を伝搬する第1光ファイバと、前記第1光ファイバと一方の端部が接続され、前記第1光ファイバよりも伝搬する光のモード数が多い第2光ファイバと、前記第2光ファイバから前記第1光ファイバに入射し前記第1光ファイバから漏洩する光の強度を検知する第1光検知器と、を有する光モニタ装置と、光源部と、を備え、前記光源部からの光が前記第1光ファイバ及び前記第2光ファイバを介して出射することを特徴とするものである。
上記のようにこの光モニタ装置によれば、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光を第1光検知器で検知する際に、第1光ファイバから第2光ファイバに入射する光の影響を抑制することができる。従って、所定の方向に伝搬する光の検出により、例えば、出射する光の強度等を調整することができる。
上記レーザ装置において、前記光源部からの光が前記第1光ファイバから前記第2光ファイバに伝搬することが好ましい。
この場合、加工物で反射してレーザ装置に入射して、第2光ファイバから第1光ファイバに伝搬する戻り光を第1光検知器で検知することができる。
上記レーザ装置においては、さらに、前記第2光ファイバの他方の端部に接続され、前記第2光ファイバよりも伝搬する光のモード数が少ない第3光ファイバと、前記第2光ファイバから前記第3光ファイバに入射し前記第3光ファイバから漏洩する光の強度を検知する第2光検知器と、を更に備え、前記光源部からの光が前記第2光ファイバから前記第3光ファイバの順に伝搬することが好ましい。
このような第3光ファイバと第2光検知器とを備えることで、上記戻り光の検出のみならず、第2光ファイバから第3光ファイバに伝搬する光源部からの光の強度を検知することができる。従って、上記戻り光及び光源部からの光の双方向に伝搬する光を個別にモニタすることができる。
上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続されるレーザ装置において、前記第3光ファイバが伝搬する光のモード数は、前記第1光ファイバが伝搬する光のモード数以上とされることが好ましい。
この場合、第3光ファイバが伝搬する光のモード数が第1光ファイバが伝搬する光のモード数より小さい場合と比べて、光源部から出射し、第1光ファイバから第2光ファイバを介して第3光ファイバを伝搬する光の損失を低減することができる。
また、上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続されるレーザ装置において、前記第2光ファイバのコアの直径は、前記第1光ファイバのコアの直径よりも大きく、前記第2光ファイバのコアと前記第1光ファイバのコアとはテーパ状に接続されることが好ましい。
上記のように、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径よりも大きいことにより、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径と同等の場合と比べて、第1光ファイバから第2光ファイバに入射する光から高次モードの光がより励振され易く、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなる。このため、光源部から伝搬し、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光を第2光検知器で検知し易くすることができる。また、第1光ファイバのコアと第2光ファイバのコアとがテーパ状に接続されることで屈折率プロファイルが緩やかに変化し、第1光ファイバから第2光ファイバに光が伝搬する際に光が漏洩することを抑制することができる。
或いは、上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続されるレーザ装置において、前記第2光ファイバのコアの直径は、前記第1光ファイバのコアの直径よりも大きく、前記第2光ファイバのコアと前記第1光ファイバのコアとはステップ状に接続されることが好ましい。
上記のように、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径よりも大きいことにより、第2光ファイバのコアの直径が第1光ファイバのコアの直径と同等の場合と比べて、第1光ファイバから第2光ファイバに入射する光から高次モードの光がより励振され易く、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなる。このため、光源部から伝搬し、第2光ファイバから第3光ファイバに入射する光を第2光検知器で検知し易くすることができる。また、第1光ファイバと第2光ファイバとがステップ状に接続されることで、上記のように第2光ファイバのコアと第1光ファイバのコアとがテーパ状に接続される場合よりも、第2光ファイバから第1光ファイバに伝搬する戻り光をより放出することができる。上記のように光源部からの光は、第1光ファイバから第2光ファイバを介して第3光ファイバを伝搬する。従って、第2光ファイバから第1光ファイバに伝搬する戻り光をより放出することで、光源部を保護することができる。
また、上記のように第1光ファイバ、第2光ファイバ及び第3光ファイバが接続されるレーザ装置において、前記第2光ファイバのコアの直径は、前記第3光ファイバのコアの直径よりも大きく、前記第2光ファイバのコアと前記第3光ファイバのコアとはテーパ状に接続されることが好ましい。
上記のように、第2光ファイバのコアの直径が第3光ファイバのコアの直径よりも大きいことにより、第2光ファイバのコアの直径が第3光ファイバのコアの直径と同等の場合と比べて、第3光ファイバから第2光ファイバに入射する光から高次モードの光がより励振され易く、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなる。このため、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する戻り光を第1光検知器で検知し易くすることができる。また、第2光ファイバのコアと第3光ファイバのコアとがステップ状に接続される場合と比べて、不要な損失を低減することができる。従って、光源部からの光を効率よく伝搬することができる。また、第3光ファイバのコアと第2光ファイバのコアとがテーパ状に接続されることで屈折率プロファイルが緩やかに変化し、第3光ファイバから第2光ファイバに光が伝搬する際に光が漏洩することを抑制することができる。第3光ファイバから第2光ファイバに光が伝搬する際にテーパ面で光が反射することで、第2光ファイバのコアの外周面に対する光の入射角を大きくすることができ、第2光ファイバにおいて戻り光が漏洩して第2検知器で戻り光の検知がしづらくなることを抑制することができる。
また、上記と異なり、前記光源部からの光が前記第2光ファイバから前記第1光ファイバに伝搬するものとしてもよい。
この場合、上記第3光ファイバや第2光検知器を有さない場合であっても、第2光ファイバから第1光ファイバに入射する光源部からの光を第1光モニタ装置で検知することができる。
以上のように、本発明によれば、所定の方向に伝搬する光をモニタすることができる光モニタ装置及びレーザ装置が提供される。
以下、本発明に係る光モニタ装置及びレーザ装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
<光モニタ装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ装置を示す図である。図1に示すように、本実施形態のレーザ装置は、ファイバレーザ装置1とされる。ファイバレーザ装置1は、一組の励起光源20a、20bと、増幅用光ファイバ13と、増幅用光ファイバ13の両端に接続される第1ダブルクラッドファイバ12及び第2ダブルクラッドファイバ14と、第1ダブルクラッドファイバ12に設けられるコンバイナ40a及び第2ダブルクラッドファイバ14に設けられるコンバイナ40bと、コンバイナ40aに接続される第1共振用ファイバ11と、コンバイナ40bに接続される第2共振用ファイバ15と、第1共振用ファイバ11に設けられる第1ミラーとしての第1FBG(Fiber Bragg Grating)30aと、第2共振用ファイバ15に設けられる第2ミラーとしての第2FBG30bと、光モニタ装置50と、デリバリファイバ17とを主な構成として備える。
励起光源20aは、複数のレーザダイオード21aから構成され、例えば、波長が915nmの励起光を出射する。また、励起光源20aのそれぞれのレーザダイオード21aは、励起光用ファイバ22aに接続されており、レーザダイオード21aから出射される励起光は、励起光用ファイバ22aを伝播する。励起光用ファイバ22aとしては、例えば、マルチモードファイバが挙げられ、この場合、励起光は励起光用ファイバ22aをマルチモード光として伝播する。
また、励起光源20bは、レーザダイオード21aと同様の複数のレーザダイオード21bから構成され、励起光源20bのそれぞれのレーザダイオード21bは、励起光用ファイバ22bに接続されており、レーザダイオード21bから出射される励起光は、励起光用ファイバ22bを伝播する。励起光用ファイバ22bは、励起光用ファイバ22aと同様の構成とされる。
増幅用光ファイバ13は、ダブルクラッド構造の光ファイバとされ、コアと、コアの外周面を隙間なく囲む内側クラッドと、内側クラッドの外周面を被覆する外側クラッドとを有している。内側クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低く、外側クラッドの屈折率は内側クラッドの屈折率よりもさらに低くされている。また、コアには励起光源20a,20bから出射される励起光により励起されるイッテルビウム(Yb)等の活性元素が添加されている。このような、コアを構成する材料としては、例えば、上記活性元素の他に屈折率を上昇させるゲルマニウム等の元素が添加された石英が挙げられる。上記活性元素としては、希土類元素が挙げられ、希土類元素としては、上記イッテルビウムの他にツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)等が挙げられる。さらに活性元素として、希土類元素の他に、ビスマス(Bi)等が挙げられる。また、内側クラッドを構成する材料としては、例えば、何らドーパントが添加されていない純粋石英が挙げられる。また、外側クラッドを構成する材料としては、例えば、紫外線硬化樹脂やフッ素等が添加された石英が挙げられる。
第1ダブルクラッドファイバ12、第2ダブルクラッドファイバ14は、それぞれコアに活性元素が添加されていない点を除き、増幅用光ファイバ13と同様の構成とされる。第1ダブルクラッドファイバ12は、増幅用光ファイバ13の一方の端部に融着により接続され、第2ダブルクラッドファイバ14は、増幅用光ファイバ13の他方の端部に融着により接続される。
コンバイナ40aは、第1ダブルクラッドファイバ12の増幅用光ファイバ13側と反対側の端部に設けられる。コンバイナ40aにおいて、それぞれの励起光用ファイバ22aと、第1ダブルクラッドファイバ12とが接続されている。具体的には、コンバイナ40aにおいて、それぞれの励起光用ファイバ22aのコアが、第1ダブルクラッドファイバ12の内側クラッドに端面接続されている。従って、励起光源20aから出射する励起光は、第1ダブルクラッドファイバ12の内側クラッドを介して、増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射される。
第1共振用ファイバ11は、例えば、コア及びクラッドを有する光ファイバとされる。第1共振用ファイバ11は、コンバイナ40aにおいて、第1ダブルクラッドファイバ12に融着により接続され、第1ダブルクラッドファイバ12のコアと第1共振用ファイバ11のコアとが接続されている。また、第1共振用ファイバ11のコアには、第1FBG30aが設けられている。従って、第1FBG30aは、第1共振用ファイバ11及び第1ダブルクラッドファイバ12を介して、増幅用光ファイバ13のコアと光学的に結合している。第1FBG30aは、増幅用光ファイバ13のコアに添加される活性元素が励起状態とされた場合に放出する自然放出光の一部の波長と同じ波長の光を反射し、反射率が、例えば100%とされる。
コンバイナ40bは、第2ダブルクラッドファイバ14の増幅用光ファイバ13側と反対側の端部に設けられる。コンバイナ40bにおいて、それぞれの励起光用ファイバ22bのコアと、第2ダブルクラッドファイバ14の内側クラッドとが端面接続されている。従って、励起光源20bから出射する励起光は、第2ダブルクラッドファイバ14の内側クラッドを介して、増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射される。
第2共振用ファイバ15は、第1共振用ファイバ11と同様の構成とされ、コンバイナ40bにおいて、第2ダブルクラッドファイバ14のコアと第2共振用ファイバ15のコアとが接続されている。また、第2共振用ファイバ15のコアには、第2FBG30bが設けられている。従って、第2FBG30bは、第2共振用ファイバ15及び第2ダブルクラッドファイバ14を介して、増幅用光ファイバ13のコアと光学的に結合している。第2FBG30bは、第1FBG30aが反射する光と同じ波長の光を第1FBG30aよりも低い反射率で反射する。第2FBG30bの反射率は、例えば30%とされる。
また、第2共振用ファイバ15のコンバイナ40b側と反対側の端部には光モニタ装置50が接続されており、光モニタ装置50の第2共振用ファイバ15側と反対側にはデリバリファイバ17が接続されている。デリバリファイバ17の構成は、例えは、第2共振用ファイバ15と同様の構成とされ、デリバリファイバ17の光モニタ装置50側と反対側の端部は、例えば、光の出射端とされる。
以上のように、本実施形態のファイバレーザ装置1は、増幅用光ファイバ13の前方側及び後方側の双方から励起光が入射される双方励起型であって、第1FBG30a、第2FBG30b間で共振が行われる共振器型のファイバレーザ装置とされる。
<光モニタ装置の構成>
図2は、本実施形態の光モニタ装置50の構成を示す概略図である。図2に示すように、光モニタ装置50は、第1光ファイバ51と、第2光ファイバ52と、第3光ファイバ53と、第1高屈折率樹脂61と、第2高屈折率樹脂62と、第1光検知器PD1と、第2光検知器PD2とを備える。
第1光ファイバ51は、コア51aとコア51aの外周面を隙間なく囲むクラッド51bとを有し、当該コア51aで所定のモード数で光を伝搬する。第1光ファイバ51の一方の端部は、特に図示しないが、第2共振用ファイバ15に接続される。
第1光ファイバ51の他方の端部は、第2光ファイバ52の一方の端部と接続される。第2光ファイバ52は、コア52aとコア52aの外周面を隙間なく囲むクラッド52bとを有し、第1光ファイバ51と同じ波長の光を伝搬する場合に、第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で当該光を伝搬する。なお、特に図示しないが、第2光ファイバ52のクラッド52bが被覆層により被覆されていても良い。
第2光ファイバ52が第1光ファイバ51と同じ波長の光を第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で伝搬する構成としては、例えば、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と第2光ファイバ52のコア52aの直径r2とが互いに同等とされ、第2光ファイバのクラッド52bに対するコア52aの比屈折率差Δ2が、第1光ファイバのクラッド51bに対するコア51aの比屈折率差Δ1よりも大きくされることが挙げられる。また例えば、上記比屈折率差Δ1と上記比屈折率差Δ2とが同等とされ、上記直径r2が上記直径r1よりも大きくされることが挙げられる。
第2光ファイバ52の他方の端部は、第3光ファイバ53の一方の端部が接続される。第3光ファイバ53は、コア53aとコア53aの外周面を隙間なく囲むクラッド53bとを有し、第2光ファイバ52と同じ波長の光を伝搬する場合に、第2光ファイバ52が伝搬する光のモード数よりも少ないモード数で当該光を伝搬する。また、第3光ファイバ53は、第1光ファイバ51と同じ波長の光を伝搬する場合に、第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数以上のモード数で当該光を伝搬する。第3光ファイバ53の他方の端部は、特に図示しないが、デリバリファイバ17に接続されている。
第2光ファイバ52が第3光ファイバ53と同じ波長の光を伝搬する場合に、第3光ファイバ53が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で当該光を伝搬する構成としては、例えば、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3と第2光ファイバ52のコア52aの直径r2とが互いに同等とされ、第2光ファイバのクラッド52bに対するコア52aの比屈折率差Δ2が、第3光ファイバのクラッド53bに対するコア53aの比屈折率差Δ3よりも大きくされることが挙げられる。また例えば、上記比屈折率差Δ3と上記比屈折率差Δ2とが同等とされ、上記直径r2が上記直径r3よりも大きくされることが挙げられる。
第3光ファイバ53が第1光ファイバ51と同じ波長の光を第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数以上で伝搬する構成としては、例えば、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と第3光ファイバ53のコア53aの直径r3とが互いに同等とされ、第3光ファイバのクラッド53bに対するコア53aの比屈折率差Δ3が、第1光ファイバのクラッド51bに対するコア51aの比屈折率差Δ1以上とされることが挙げられる。また例えば、上記比屈折率差Δ1と上記比屈折率差Δ3とが同等とされ、上記直径r3が上記直径r1以上とされることが挙げられる。
なお、図2では、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2と、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3とが、互いに同等である場合を示している。
このような、第1光ファイバ51、第2光ファイバ52、第3光ファイバ53の伝搬モード数の組み合わせとしては、例えば、増幅用光ファイバ13から出射する光を、第1光ファイバ51がLP01モードのみで伝搬し、第2光ファイバ52がLP01モード、LP11モード、LP21モード、LP02モードで伝搬し、第3光ファイバ53がLP01モード、LP11モードで伝搬するような組み合わせを挙げることができる。
第1高屈折率樹脂61は、第1光ファイバ51における第2光ファイバ52との接続部を含む部位において、第1光ファイバ51のクラッド51bの外周面を被覆している。第1高屈折率樹脂61の屈折率は、第1光ファイバ51のクラッド51bの屈折率以上とされる。従って、第1光ファイバ51のコア51aから漏洩する光はクラッド51bを介して第1高屈折率樹脂61に伝搬する。
第1光検知器PD1は、受光面から入射する光の強度を検知して、当該光の強度に応じた電気信号を出力するよう構成されている。このような光検知器としては、例えばフォトダイオードを挙げることができる。また、第1光検知器PD1は、第1光ファイバ51及び第2光ファイバ52の長手方向において、受光面の少なくとも一部が第1光ファイバ51と第2光ファイバ52との接続部よりも第1光ファイバ51側に位置するように配置され、受光面が第1高屈折率樹脂61に接している。従って、第1光検知器PD1は、上記のように第1光ファイバ51のコア51aから漏洩し、第1高屈折率樹脂61に伝搬する光の強度を検知することができる。なお、上記のように第1光検知器PD1の受光面が第1高屈折率樹脂61に接することが光の強度を効率良く検知する観点から好ましいが、当該受光面は第1高屈折率樹脂61に接していなくても良い。
また、第2高屈折率樹脂62は、第3光ファイバ53における第2光ファイバ52との接続部を含む部位において、第3光ファイバ53のクラッド53bの外周面を被覆している。また、本実施形態では、第2高屈折率樹脂62は、第1高屈折率樹脂61に接しておらず、第1高屈折率樹脂61と第2高屈折率樹脂62とは互いに分離している。第2高屈折率樹脂62の屈折率は、第3光ファイバ53のクラッド53bの屈折率以上とされる。従って、第3光ファイバ53のコア53aから漏洩する光はクラッド53bを介して第2高屈折率樹脂62に伝搬する。
第2光検知器PD2は、第1光検知器PD1と同様の構成とされる。第2光検知器PD2は、第3光ファイバ53及び第2光ファイバ52の長手方向において、受光面の少なくとも一部が第3光ファイバ53と第2光ファイバ52との接続部よりも第3光ファイバ53側に位置するように配置され、受光面が第2高屈折率樹脂62に接している。従って、第2光検知器PD2は、上記のように第3光ファイバ53のコア53aから漏洩し、第2高屈折率樹脂62に伝搬する光の強度を検知することができる。なお、上記のように第2光検知器PD2の受光面が第2高屈折率樹脂62に接することが光の強度を効率良く検知する観点から好ましいが、当該受光面は第2高屈折率樹脂62に接していなくても良い。
このようなファイバレーザ装置1は、図1において一点鎖線で囲むように、第1FBG30aと第2FBG30bとを含みこれらの間の光学系を光源部2とし、当該光源部2からの光が光モニタ装置50、デリバリファイバ17を介して出射されるものと理解することができる。
<光モニタ装置及びレーザ装置の動作>
次に光モニタ装置及びファイバレーザ装置1の動作について説明する。
ファイバレーザ装置1においては、まず、励起光源20a、20bのそれぞれのレーザダイオード21a,21bから励起光が出射される。それぞれのレーザダイオード21a,21bから出射する励起光は、例えば、波長が915nmとされる。励起光源20aのそれぞれのレーザダイオード21aから出射された励起光は、それぞれの励起光用ファイバ22aを伝搬して、第1ダブルクラッドファイバ12を介して、増幅用光ファイバ13の一方側から増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射する。また、励起光源20bのそれぞれのレーザダイオード21bから出射された励起光は、それぞれの励起光用ファイバ22bを伝搬して、第2ダブルクラッドファイバ14を介して、増幅用光ファイバ13の他方側から増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射する。増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射した励起光は、内側クラッドを主に伝播しながら、コアを通過するときにコアに添加されている活性元素に吸収されて、活性元素を励起状態にする。
こうして励起光により励起状態とされた活性元素から自然放出光が放出され、この自然放出光を元にして第1FBG30aと第2FBG30bとの間で光の共振が起こる。この共振する光により、増幅用光ファイバ13において励起された活性元素の誘導放出が生じ、共振する光が増幅される。そして、増幅された光の一部が、第2FBG30bを透過して、出射光として第2共振用ファイバ15から出射する。第2共振用ファイバ15から出射する光は、光モニタ装置50に入射して、第1光ファイバ51、第2光ファイバ52、第3光ファイバ53の順に伝搬して、デリバリファイバ17の一方の端部から入射し、デリバリファイバ17の他方の端部から出射する。
ところで、光モニタ装置50においては、上記のように、第2光ファイバ52は、第1光ファイバ51が伝搬する光と同じ波長の光を第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で伝搬する。このため、第1光ファイバ51から第2光ファイバ52に入射した光の一部から高次モードの光が励振される。この場合、一般的に第2光ファイバ52を伝搬可能なモードの光の全てが励振される。こうして、第2光ファイバ52では第1光ファイバ51よりもモード数の多い光が伝搬する。
また、上記のように、第3光ファイバ53は、第2光ファイバ52が伝搬する光と同じ波長の光を第2光ファイバ52が伝搬する光のモード数よりも少ないモード数で伝搬する。このため、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する光のうち、第3光ファイバ53が許容するモードの光よりも高次のモードの光は、第3光ファイバ53のコア53aからクラッド53bに漏洩して、さらに第2高屈折率樹脂62に漏洩する。そして、第2高屈折率樹脂62に漏洩した光は第2光検知器PD2により受光され、第2光検知器PD2からは受光した光の強度に応じた電気信号が出力する。
また、デリバリファイバ17から出射する光が被加工体等に照射されると、光の一部が被加工体で反射して、戻り光としてデリバリファイバ17に入射する場合がある。この戻り光は、再び光モニタ装置50に入射する。デリバリファイバ17からの戻り光は第3光ファイバ53に入射する。上記のように、第3光ファイバ53は、第2光ファイバ52が伝搬する光と同じ波長の光を第2光ファイバ52が伝搬する光のモード数よりも少ないモード数で伝搬する。別言すれば、第2光ファイバ52は第3光ファイバ53が伝搬する光と同じ波長の光を第3光ファイバ53が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で伝搬する。このため、第3光ファイバ53から第2光ファイバ52に入射した光の一部から高次モードの光が励振される。この場合、一般的に第2光ファイバ52を伝搬可能なモードの光の全てが励振される。こうして、第2光ファイバ52では第3光ファイバ53よりもモード数の多い戻り光が伝搬する。
また、上記のように第2光ファイバ52は第1光ファイバ51と同じ波長の光を第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で伝搬する。別言すれば、第1光ファイバ51は第2光ファイバ52と同じ波長の光を第2光ファイバ52が伝搬する光のモード数よりも少ないモード数で伝搬する。このため、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51に入射する光のうち、第1光ファイバ51が許容するモードの光よりも高次のモードの光は、第1光ファイバ51のコア51aからクラッド51bに漏洩して、さらに第1高屈折率樹脂61に漏洩する。そして、第1高屈折率樹脂61に漏洩した光は第1光検知器PD1により受光され、第1光検知器PD1からは受光した光の強度に応じた電気信号が出力する。
<光モニタ装置及びレーザ装置の作用・効果>
以上説明したように、本実施形態のファイバレーザ装置1における光モニタ装置50によれば、第2光ファイバ52は、上記のように、第1光ファイバ51よりも伝搬する光のモード数が多いため、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51に入射する戻り光の一部は第1光ファイバ51から漏洩し易い。一方、第1光ファイバ51から第2光ファイバ52に入射する光源部2からの光は漏洩しづらい。従って、上記ファイバレーザ装置1において、加工物で反射してファイバレーザ装置1に入射する戻り光のうち第2光ファイバから第1光ファイバ51に入射した戻り光を第1光検知器PD1検知することができ、このとき光源部2からの光の影響を抑制することができる。
また、第2光ファイバ52は、上記のように、第3光ファイバ53よりも伝搬する光のモード数が多いため、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する光源部2からの光の一部は第3光ファイバ53から漏洩し易い。一方、第3光ファイバ53から第2光ファイバ52に入射する上記戻り光は漏洩しづらい。従って、上記ファイバレーザ装置1において、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射した光源部2からの光を第2光検知器PD2検知することができ、このとき戻り光の影響を抑制することができる。このように本実施形態の光モニタ装置50によれば、所定の方向に伝搬する光をモニタすることができ、さらに、双方向に伝搬する光における一方の方向に伝搬する光と他方の方向に伝搬する光とを個別にモニタすることができる。
また、上記光モニタ装置50では、第1光検知器PD1の受光面の少なくとも一部が第1光ファイバ51と第2光ファイバ52との接続部よりも第1光ファイバ51側に位置するため、第1光ファイバ51から漏洩する光をより感度よく検知することができる。同様に、上記光モニタ装置50では、第2光検知器PD2の受光面の少なくとも一部が第3光ファイバ53と第2光ファイバ52との接続部よりも第3光ファイバ53側に位置するため、第3光ファイバ53から漏洩する光をより感度よく検知することができる。
また、本実施形態のファイバレーザ装置1の光モニタ装置50では、第3光ファイバ53が伝搬する光のモード数が第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数以上とされるため、第3光ファイバ53が伝搬する光のモード数が第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数より小さい場合と比べて、光源部2から出射し、第1光ファイバ51から第2光ファイバ52を介して第3光ファイバ53を伝搬する光の損失を低減することができる。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、レーザ装置として、共振器型のファイバレーザ装置1を例に説明した。しかし、本発明のレーザ装置は、少なくとも第1光ファイバ51と第2光ファイバ52と第1光検知器PD1とを有する光モニタ装置50を備える限りにおいて、特に限定されない。例えば、光源部2がMO−PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置であっても良く、増幅用光ファイバを用いないレーザ装置であっても良い。
また、上記光モニタ装置50において、第1光ファイバ51及び第3光ファイバ53の一方は必須の構成ではない。光モニタ装置50が第3光ファイバ53を備えない場合、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51へ伝搬する光の強度を第1光検知器PD1により検知することができる。従って、ファイバレーザ装置1において、戻り光の強度を検知することができる。また、光モニタ装置50が第1光ファイバ51を備えない場合であっても、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53へ伝搬する光の強度を第2光検知器PD2により検知することができる。従って、ファイバレーザ装置1において、出射する光の強度を検知することができる。この場合、第3光ファイバ53を第1光ファイバ51とし、第2光検知器PD2を第1光検知器PD1とし、第2高屈折率樹脂62を第1高屈折率樹脂61とすることで、光源部2から出射し、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51へ伝搬する光の強度を第1光検知器PD1により検知すると理解することができる。
また、図2では、光モニタ装置50において、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2と、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3とが、互いに同等である場合を示した。しかし、上記実施形態でも言及したように、第2光ファイバ52が第1光ファイバ51と同じ波長の光を第1光ファイバ51が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で伝搬すれば良く、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2と、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1とが異なっていても良い。第2光ファイバ52が第3光ファイバ53と同じ波長の光を第3光ファイバ53が伝搬する光のモード数よりも多いモード数で伝搬すれば良く、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2と、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3とが異なっていても良い。
図3は、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2と、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3とが互いに異なる例を示す図である。なお、図3の例を説明するにあたり、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。本例では、コア51aのクラッド51bに対する比屈折率差Δ1、コア52aのクラッド52bに対する比屈折率差Δ2、コア53aのクラッド53bに対する比屈折率差Δ3が互いに同等とされ、直径r1、直径r3、直径r2の順に大きくされる。従って、第1光ファイバ51を伝搬する光のモード数、第3光ファイバ53を伝搬する光のモード数、第2光ファイバ52を伝搬する光のモード数の順に大きくされている。
また、本例では、第1光ファイバ51のコア51aと第2光ファイバ52のコア52aとがテーパ状に接続され、第1光ファイバ51のクラッド51bと第2光ファイバ52のクラッド52bとがテーパ状に接続されている。また、本例では、第3光ファイバ53のコア53aと第2光ファイバ52のコア52aとがテーパ状に接続され、第3光ファイバ53のクラッド53bと第2光ファイバ52のクラッド52bとがテーパ状に接続されている。
第2光ファイバ52のコア52aの直径が第1光ファイバ51のコア51aの直径よりも大きいことにより、上記実施形態の場合のように第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と第2光ファイバ52のコア52aの直径r2とが同等である場合と比べて、第1光ファイバ51から第2光ファイバ52に入射する光から高次モードの光がより励振され易くなる。従って、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなり、光源部2から伝搬し、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する光を第2光検知器PD2で検知し易くすることができる。
また、第1光ファイバ51のコア51aと第2光ファイバ52のコア52aとがテーパ状に接続されることで、第1光ファイバと第2光ファイバとの接続強度を高くすることができる。また、第1光ファイバ51のコア51aと第2光ファイバ52のコア52aとがテーパ状に接続されることで屈折率プロファイルが緩やかに変化し、第1光ファイバ51から第2光ファイバ52に光が伝搬する際に光が漏洩することを抑制することができる。従って、光源部2からの光が第2光ファイバ52で漏洩することを抑制することができる。
また、第3光ファイバ53のコア53aの直径が第2光ファイバ52のコア52aの直径よりも大きいことにより、上記実施形態の場合のように第3光ファイバ53のコア53aの直径r3と第2光ファイバ52のコア52aの直径r2とが同等である場合と比べて、第3光ファイバ53から第2光ファイバ52に入射する光から高次モードの光がより励振され易くなる。従って、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51に入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなり、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51に入射する戻り光を第1光検知器PD1で検知し易くすることができる。
また、第3光ファイバ53のコア53aと第2光ファイバ52のコア52aとがテーパ状に接続されることで、第3光ファイバと第2光ファイバとの接続強度を高くすることができる。第3光ファイバ53のコア53aと第2光ファイバ52のコア52aとがテーパ状に接続されることで屈折率プロファイルが緩やかに変化し、第3光ファイバ53から第2光ファイバ52に光が伝搬する際に光が漏洩することを抑制することができる。従って、戻り光が第2光ファイバ52で漏洩することを抑制することができ、第1光検知部PD1で光を検知し易くすることができる。
また、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3と、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2とが異なる場合に、コア53aとコア52aとがステップ状に接続される場合、光源部2からの光が第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する際に漏洩し易い。この漏洩する光には、第3光ファイバ53で伝搬可能なモードの光も含む。従って、本例のように、コア53aとコア52aとがテーパ状に接続されることで、テーパとされる部位で、コア52aからコア53aに光を集光して、意図しない光の損失を抑制することができる。
図4は、第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と、第2光ファイバ52のコア52aの直径r2と、第3光ファイバ53のコア53aの直径r3とが互いに異なる他の例を示す図である。なお、図4の例を説明するにあたり、上記図3の例と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。本例では、第1光ファイバ51のコア51aと第2光ファイバ52のコア52aとがステップ状に接続され、第1光ファイバ51のクラッド51bと第2光ファイバ52のクラッド52bとがステップ状に接続されている点において、上記図3の例と異なる。本例においても、上記実施形態の場合のように第1光ファイバ51のコア51aの直径r1と第2光ファイバ52のコア52aの直径r2とが同等である場合と比べて、第1光ファイバ51から第2光ファイバ52に入射する光から高次モードの光がより励振され易くなる。従って、本例においても、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する光のうち、高次モードの光の割合が高くなり、光源部2から伝搬し、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する光を第2光検知器PD2で検知し易くすることができる。また、本例の場合、第2光ファイバ52から第1光ファイバ51に入射する戻り光を、第2光ファイバ52から第3光ファイバ53に入射する際に漏洩し易くすることができる。従って、戻り光をより除去して光源部2を保護する観点からは、本例のように、コア51aとコア52aとがステップ状に接続されることが好ましい。
なお、特に図を示さないが、第3光ファイバ53のコア53aと第2光ファイバ52のコア52aとがステップ状に接続されても良い。
また、上記実施形態のファイバレーザ装置1では、光モニタ装置50が増幅された光が出射するデリバリファイバ17に接続された。しかし、本発明の光モニタ装置50はレーザが光ファイバを伝搬する他の部位に配置することができる。例えば、上記実施形態の励起光用ファイバ22a,22bや、第1共振用ファイバ11の途中等に設けても良い。また、MO−PA型のファイバレーザ装置であれば、マスターオシレータとパワーアンプとの間に本発明の光モニタ装置を設けても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例)
上記実施形態のファイバレーザ装置1の光モニタ装置50において、第1光ファイバ51及び第3光ファイバ53を伝搬する光のモード数が単一の光ファイバで構成し、第2光ファイバ52を伝搬する光のモード数が3の光ファイバで構成した。
(比較例)
上記実施形態のファイバレーザ装置1の光モニタ装置50において、第2光ファイバ52を第1光ファイバ51及び第3光ファイバ53と同様に伝搬する光のモード数が単一の光ファイバで構成した点においてのみ、上記実施例と異ならせた。
実施例、比較例のファイバレーザ装置から光の反射が生じない加工物に光を照射し、実施例、比較例の第2光検知器PD2からの出力を計測した。つまり、実施例、比較例における出射光のパワーを計測した。その結果を図5に示す。図5に示す通り、実施例と比較例とで、差が計測されなかった。
次に、実施例、比較例のファイバレーザ装置から光の一部を反射する加工物に光を照射し、実施例、比較例の第2光検知器PD2からの出力を計測し、実施例、比較例における出射光のパワーを計測した。その結果を図5に示す。図5に示す通り、実施例は、光の反射が生じない加工物に光を照射した場合の出射光のパワーと差が小さかったが、比較例は、光の反射が生じない加工物に光を照射した場合の出射光のパワーとの差が実施例よりも大きい結果となった。これは、比較例の場合、第3光ファイバ53から第2光ファイバ52に入射する光の漏洩が、実施例よりも大きいためと考えられる。
以上の実施例、比較例より、本発明の光モニタ装置によれば、所定の方向に伝搬する光をモニタすることができることが確認できた。