JP7302172B2 - スイッチング素子の制御装置 - Google Patents

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本明細書は、スイッチング素子の動作を制御する制御装置に関する
特許文献1に、スイッチング素子の動作を制御する制御装置が記載されている。この制御装置は、スイッチング素子のターンオン及びターンオフを含むスイッチングサイクル(以下、単にサイクルということがある)を、所定の周期で繰り返し実施する。ターンオンやターンオフといったスイッチング動作を急速に行うと、過大なサージ電圧を発生されるおそれがある。その一方で、スイッチング動作を緩やかに行うと、スイッチング素子における電力損失を増大させてしまう。そこで、特許文献1に記載された制御装置では、スイッチング動作の途中でスイッチング速度を低速から高速に変更することで、サージ電圧の抑制と電力損失の低減を両立している。
スイッチング速度の変更を行う変更タイミングは、その直前のサイクルにおけるスイッチング素子の挙動に基づいて決定される。詳しくは、スイッチング動作中の電流又は電圧に基づいて、スイッチング動作が開始されてから、スイッチング素子が所定のスイッチング進行状態(例えば、概ねターンオン又はターンオフされた状態)に達するまでの時間が計測される。特許文献1では、この時間がサージ期間と称されており、計測されたサージ期間に基づいて、次のサイクルにおけるスイッチング速度の変更タイミングが決定される。
特開2008-078816号公報
スイッチング素子の挙動に基づいて、スイッチング速度の変更タイミングが決定されるときに、スイッチング速度の変更が実行されてしまうと、それがノイズとなって、スイッチング速度の変更タイミングを正確に決定することができない。この問題を解消するために、変更タイミングを決定するスイッチングサイクルでは、スイッチング速度の変更を禁止し、その後に実施する複数のスイッチングサイクルにおいて、決定した変更タイミングを一律に使用することが考えられる。しかしながら、変更タイミングが固定された複数のスイッチングサイクル中に、例えば温度変化などに起因してスイッチング素子の特性に変化が生じると、不適切なタイミングでスイッチング速度の変更が行われてしまうおそれがある。この場合、例えば過大なサージ電圧が発生することによって、スイッチング素子にダメージを与えるおそれがある。本明細書は、スイッチング速度をより適切なタイミングで切り替えることにより、スイッチング素子へのダメージを抑制し得る技術を提供する。
本明細書が開示するスイッチング素子の制御装置は、スイッチング素子の駆動装置と、2つのタイミングを計測するモニタ回路を備えている。駆動装置は、ターンオン及びターンオフを含むスイッチングサイクルを所定の周期で繰り返し実施する。駆動装置は、スイッチング素子のターンオンとターンオフの一方のスイッチング動作(例えば、ターンオフ)において、スイッチング速度を第1速度と第1速度よりも速い第2速度との間で変更可能である。モニタ回路は、駆動装置が前記一方のスイッチング動作を開始してから、スイッチング素子が所定のスイッチング進行状態に達するまでの第1タイミングと、駆動装置が他方のスイッチング動作(例えば、ターンオフ)を開始してから、スイッチング素子が所定のスイッチング進行状態に達するまでの第2タイミングとを、それぞれ計測することができる。
駆動装置は、一部のスイッチングサイクルを実施するときに、前記一方のスイッチング動作(例えばターンオフ)において、スイッチング速度を第1速度に設定する。その上で、駆動装置は、モニタ回路によって計測された第1タイミングを取得することによって、前記一方のスイッチング動作でスイッチング速度を変更すべき変更タイミングを決定する。ここでは、この一連の処理を第1処理と称する。
駆動装置は、第1処理後の複数のスイッチングサイクルを実施するときに、前記一方のスイッチング動作において、第1速度で一方のスイッチング動作を開始する。そして、駆動装置は、第1処理で決定した変更タイミングで、スイッチング速度を第2速度へ変更する。ここでは、この一連の処理を第2処理と称する。
駆動装置は、第2処理を実行する複数のスイッチングサイクルを実施するときに、前記他方のスイッチング動作において、モニタ回路によって計測された第2タイミングを取得する。そして、駆動装置は、当該計測時間に所定の変動が生じているのか否かを検出する。ここでは、この一連の処理を第3処理と称する。そして、駆動装置は、第3処理によって所定の変動が検出されたときは、その後に実施する前記一方のスイッチングサイクルにおいて第1処理を再度実行し、変更タイミングを更新する。
このように、駆動装置は、スイッチング速度の変更を一方のスイッチング動作で実行しながら、他方のスイッチング動作におけるスイッチング素子の挙動を監視する。これにより、スイッチング速度の変更による影響を受けることなく、スイッチング素子の特性に生じた変化を検出することができる。そして、駆動装置は、スイッチング素子の特性に生じた変化を検出したときに、スイッチング速度の変更タイミングを更新することができる。これにより、不適切なタイミングでスイッチング速度の変更が行われることを回避して、例えば過大なサージ電圧が発生するといった事態を未然に防止することができる。
実施例の制御装置10の構成を示す回路ブロック図。 ターンオフ時におけるスイッチング素子2のゲート電圧Vg及び電流Idの経時的変化を示す図(スイッチング速度の変更なし)。 ターンオフ時におけるスイッチング素子2のゲート電圧Vg及び電流Idの経時的変化を示す図(ゲート抵抗12a、12bの切り替えによるスイッチング速度の変更あり)。 駆動装置12が第1処理、第2処理及び第3処理を実施するタイミングを説明する図。 第3処理で所定の変動が検出され、駆動装置12が第1処理を再度実行するタイミングを説明する図。 スイッチング素子の閾値電圧と、ターンオフ所要時間toff及びターンオン所要時間tonの関係を示す図。 駆動装置12に採用された具体的な制御手順を示すフローチャート。
図面を参照して実施例の制御装置10を説明する。本実施例の制御装置10は、スイッチング素子2の動作を制御する。スイッチング素子2は、パワー半導体素子に属するものであり、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってよい。特に限定されないが、スイッチング素子2は、電動型自動車において、DC-DCコンバータやインバータといった電力変換装置に備えられる。従って、スイッチング素子2には、バッテリ8やリアクトル9等の回路部品が接続されている。なお、ここでいう電動型自動車とは、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車といった、車輪を駆動するモータを有する自動車を広く意味する。
スイッチング素子2には、電流モニタ素子4が設けられている。電流モニタ素子4は、スイッチング素子2に流れる電流Idに比例する微小電流を出力する。電流モニタ素子4には抵抗素子6が接続されており、抵抗素子6には、電流モニタ素子4の出力電流に応じた電圧降下Vsnsが発生する。電流モニタ素子4の出力電流は、スイッチング素子2に流れる電流Idに比例するので、抵抗素子6の電圧降下Vsnsを監視することによって、スイッチング素子2に流れる電流Idを把握することができる。一例ではあるが、電流モニタ素子4は、スイッチング素子2と一体に設けられている。なお、これらの構成は、スイッチング素子2に流れる電流Idを検出する手段の一例であり、適宜変更することができる。
図1に示すように、制御装置10は、駆動装置12と、モニタ回路14とを備えている。駆動装置12は、スイッチング素子2のゲートに接続されており、スイッチング素子2のゲート電圧Vgを制御する。図示省略するが、駆動装置12には、上位の制御ユニット(例えば自動車の電子制御ユニット)に接続されている。駆動装置12は、当該制御ユニットから出力される制御信号に応じて、スイッチング素子2のゲート電圧Vgを、オン電圧とオフ電圧との間で制御する。これにより、駆動装置12は、スイッチング素子2をターンオン及びターンオフする。一例ではあるが、本実施例では、スイッチング素子2がパルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)方式によって制御される。従って、駆動装置12は、スイッチング素子2のターンオン及びターンオフを含むスイッチングサイクル(以下、単にサイクルと称する)を、所定の周期で繰り返し実施する(図6参照)。なお、スイッチング素子2の制御方式は、パルス周波数変調(PFM;Pulse Frequency Modulation)方式であってもよい。
駆動装置12は、並列に接続された複数のゲート抵抗12a、12bを介して、スイッチング素子2のゲートに接続されている。複数のゲート抵抗12a、12bは、互い異なる抵抗値を有している。一例ではあるが、本実施例における複数のゲート抵抗12a、12bには、第1ゲート抵抗12aと、第2ゲート抵抗12bとが含まれており、第1ゲート抵抗12aの抵抗値は、第2ゲート抵抗12bの抵抗値よりも高くなっている。なお、複数のゲート抵抗12a、12bには、二つに限られず、三つ以上のゲート抵抗が含まれてもよい。
駆動装置12は、複数のゲート抵抗12a、12bを選択的に使用することで、スイッチング素子2のスイッチング速度を変更することができる。例えば、スイッチング素子2がターンオンされるときに、高抵抗の第1ゲート抵抗12aが使用されると、ゲート電圧Vgの上昇する速度は遅くなる。従って、スイッチング素子2のターンオンにおけるスイッチング速度(以下、ターンオン速度)は遅くなる。それに対して、同じくスイッチング素子2がターンオンされるときに、低抵抗の第2ゲート抵抗12bが使用されると、ゲート電圧Vgの上昇する速度は速くなる。従って、スイッチング素子2のターンオン速度は速くなる。同様に、スイッチング素子2がターンオフされるときも、第1ゲート抵抗12aが使用されるとスイッチング速度(以下、ターンオフ速度)は遅くなり、第2ゲート抵抗12bが使用されるとターンオフ速度は速くなる。なお、駆動装置12は、少なくともスイッチング素子2のターンオフにおいて、スイッチング速度(即ち、ターンオフ速度)を第1速度と第2速度との間(第1速度<第2速度)で変更可能であればよい。
モニタ回路14は、電流モニタ素子4と抵抗素子6との間の中点に接続されており、抵抗素子6における電圧降下Vsnsが、モニタ回路14に入力される。モニタ回路14は、抵抗素子6における電圧降下Vsnsに基づいて、スイッチング素子2に流れる電流を監視する。モニタ回路14は、スイッチング素子2に流れる電流を監視することによって、スイッチング素子2がスイッチングされているときに、そのスイッチング動作がどこまで進行しているのか(即ち、スイッチング進行状態)を把握することができる。このモニタ回路14は、本技術におけるモニタ回路の一例である。
モニタ回路14は、駆動装置12がスイッチング素子2のターンオフを開始してから、スイッチング素子2が所定のスイッチング進行状態に達するまでの時間を計測することができる。その具体例を図2に示す。図2に示すように、本実施例におけるモニタ回路14は、スイッチング素子2に流れる電流Idに基づいて、スイッチング素子2が概ねターンオフされた状態を検出し、そこまでに要した時間toffを計測する。特に限定されないが、このタイミングは、電流Idの時間変化率が極大となるタイミングであり、ドレイン-ソース電圧Vdsが極大となるタイミングでもある。なお、他の実施形態として、モニタ回路14は、スイッチング素子2のドレイン-ソース電圧Vdsを監視し、その電圧Vdsに基づいて、スイッチング素子2のスイッチング進行状態を把握してもよい。以下では、スイッチング素子2のターンオフ時にモニタ回路14が計測する時間toffを、ターンオフ所要時間toffと称することがある。
同様にして、モニタ回路14は、駆動装置12がスイッチング素子2のターンオンを開始してから、スイッチング素子2が所定のスイッチング進行状態(ここでは、概ねターンオンされた状態)に達するまでの時間を計測することができる。以下では、スイッチング素子2のターンオン時にモニタ回路14が計測する時間を、ターンオン所要時間tonと称することがある。モニタ回路14によって計測されたターンオフ所要時間toff及びターンオン所要時間tonは、駆動装置12に教示される。
前述したように、駆動装置12は、スイッチング素子2のターンオン及びターンオフを含むスイッチングサイクルを、所定の周期で繰り返し実施する。このときに、ターンオンやターンオフといったスイッチング動作を急速に行うと、過大なサージ電圧を発生させるおそれが生じる。その一方で、スイッチング動作を緩やかに行うと、スイッチング素子2における電力損失を増大させてしまう。そこで、本実施例の制御装置10では、スイッチング動作の途中でスイッチング速度を低速から高速に変更することで、サージ電圧の抑制と電力損失の低減を両立している。その具体例を図3に示す。
図3に示すように、駆動装置12は、スイッチング素子2をターンオフするときに、先ずは第1ゲート抵抗12a(抵抗大)を用いてターンオフを開始する。その後、後述する第1処理で決定される変更タイミングt1に達すると、駆動装置12は、使用するゲート抵抗12a、12bを変更し、第2ゲート抵抗12b(抵抗小)を用いてターンオフを継続する。これにより、駆動装置12は、スイッチング素子2をターンオフするときに、比較的に遅い第1速度でターンオフを開始し、その後の変更タイミングt1において、スイッチング速度を第2速度へ増速することができる。この処理を、本明細書では第2処理と称する。このような第2処理によると、サージ電圧の抑制と電力損失の低減を両立することができる。
前述したように、スイッチング速度の変更を行う変更タイミングt1は、第1処理によって決定される。この第1処理は、駆動装置12により、第2処理に先立って実施される。駆動装置12は、一部のスイッチングサイクルにおいて、スイッチング素子2をターンオフするときに第1処理を実行する。第1処理では、第1ゲート抵抗12aのみが使用され、ゲート抵抗12a、12bの変更は行われない。そして、駆動装置12は、モニタ回路14によって計測されたターンオフ所要時間toffを取得し、それに基づいて変更タイミングt1を決定する。変更タイミングt1は、ターンオフ所要時間toffと同じであってもよいし、ターンオフ所要時間toffに対して所定の調整が加えられてもよい。
本実施例の制御装置10では、上述した第1処理と第2処理とが、同時に実施されないように構成されている。即ち、図4に示すように、駆動装置12は、例えば最初のスイッチングサイクルにおいて、スイッチング素子2をターンオフするときに、第1処理のみを実行して変更タイミングt1を決定する(図中のA点)。次いで、駆動装置12は、第1処理後に実施する所定回数(例えばm回)のスイッチングサイクルにおいて、決定された変更タイミングt1を用いた第2処理を実施して、スイッチング速度の変更を伴うターンオフを実行する(図中のB点)。これは、以下の理由による。即ち、第1処理では、スイッチング素子2の挙動に基づいて、スイッチング速度の変更タイミングt1が決定される。このとき、第2処理も同時に実施されて、スイッチング速度の変更がなされてしまうと、それがノイズとなって、スイッチング速度の変更タイミング1を正確に決定することができないためである。そのことから、変更タイミングt1を決定するスイッチングサイクルでは、スイッチング速度の変更を禁止し、その後に実施する所定回数mのスイッチングサイクルにおいて、決定した変更タイミングt1を一律に使用するように構成されている。
しかしながら、変更タイミングt1が固定された所定回数mのスイッチングサイクル中に、例えば温度変化などに起因してスイッチング素子2の特性に変化が生じると、不適切なタイミングでスイッチング速度の変更が行われてしまう。例えば、変更タイミングt1が早すぎる場合は、過大なサージ電圧が発生することによって、スイッチング素子2にダメージを与えるおそれがある。あるいは、変更タイミングt1が遅すぎる場合は、スイッチング素子2による電力損失を無用に増大させてしまう。そのことから、本実施例の制御装置10では、第2処理が実行される所定回数mのスイッチングサイクルにおいて、駆動装置12が下記する第3処理を実行するように構成されている。
図4に示すように、第3処理は、スイッチング素子2がターンオンされるときに実施される(図中のC0及びC点)。駆動装置12は、スイッチング素子2をターンオンしたときに、モニタ回路14によって計測されたターンオン所要時間tonを取得する。そして、駆動装置12は、取得したターンオン所要時間tonを、ターンオン所要時間tonの基準値と比較して、所定の変動が生じているのか否かを検出する。一例ではあるが、本実施例における駆動装置12は、第1処理が実行されるスイッチングサイクルにおいて取得したターンオン所要時間tonを、基準値として記憶する(図中のC0点)。また、所定の変動については、特に限定されないが、例えば、取得したターンオン所要時間tonが基準値よりも大きいときに、所定の変動が生じたと判定してもよい。
図5に示すように、駆動装置12は、第3処理によって所定の変動が検出された場合(図中のC’点)、その後に実行するターンオフにおいて第1処理を再度実行し、変更タイミングt1の更新を行う(図中のA’点)。前述したように、例えば温度変化などに起因して、スイッチング素子2の特性に変化が生じた場合は、スイッチング速度の変更タイミングt1を更新する必要がある。しかしながら、スイッチング速度の変更が行われるターンオフの挙動を監視しても、スイッチング素子2に生じた特性の変化を看過するおそれがある。
この点に関して、本実施例の制御装置10では、スイッチング素子2のターンオンにおける挙動に基づいて、スイッチング素子2に生じた特性の変化を検出する。図6に示すように、例えばスイッチング素子2の温度変化によって、スイッチング素子2の閾値電圧が、VthaからVthbへ変化したとする。この場合、ターンオフ所要時間toffがtoffaからtoffbへ長くなる一方で、ターンオン所要時間tonについてもtonaからtonbへ短くなる。このように、スイッチング素子2の特性に変化が生じると、スイッチング素子2の挙動の変化は、ターンオフのときだけでなく、ターンオンのときにも現れる。従って、ターンオンの挙動を監視することで、スイッチング素子2の特性に生じた変化を検出することができ、それに応じてスイッチング速度の変更タイミングt1を適切に更新することができる。
図7は、上述の制御の手法を具現化するために、本実施例の駆動装置12に採用された具体的な制御手順を示すフローチャートである。以下、図7に示す制御手順について説明するが、これは一例であり、駆動装置12が実行する制御手順を限定するものではない。即ち、上述した制御の手法は、図7に示す制御手順に限られず、様々な態様の制御手順によって具現化されることができる。
駆動装置12は、最初のスイッチングサイクルにおいて、スイッチング素子2をターンオンしたときに、そのときのターンオン所要時間tonをモニタ回路14から取得する。そして、駆動装置12は、このターンオン所要時間tonを、基準値ton0として記憶する(ステップS2)。次に、駆動装置12は、内部カウンタの値nに1をセットした上で(ステップS4)、第1ゲート抵抗12aを選択して(ステップS6)、スイッチング素子2のターンオフを実行する。そして、駆動装置12は、そのときのターンオフ所要時間toffをモニタ回路14から取得し(ステップS8)、それに基づいてスイッチング速度の変更タイミングt1を決定する。以上により、前述した第1処理が実行される。
次のスイッチングサイクルにおいて、駆動装置12は、スイッチング素子2をターンオンしたときに、そのときのターンオン所要時間ton(n)をモニタ回路14から取得する(ステップS10)。そして、駆動装置12は、取得されたターンオン所要時間ton(n)を、基準値ton0と比較することによって、所定の変動が生じているのか否かを判断する(ステップS12)。一例ではあるが、この例では、取得されたターンオン所要時間ton(n)が基準値ton0を下回るときに、所定の変動が生じたと判断される。即ち、ステップS10、S12において、前述した第3処理が実行される。
所定の変動が検出さなければ場合(ステップS12でYES)、駆動装置12は、スイッチング素子2をターンオフするときに、ステップS8で決定した変更タイミングt1に基づいて、スイッチング速度の変更を伴う第2処理を実施する(ステップS14)。その後、駆動装置12は、内部カウンタの値nをインクリメントし(ステップS16)、その値nが所定回数mに到達していなければ(ステップS18でYES)、ステップS10へ戻って上記の処理を繰り返す。一方、内部カウンタの値nが所定回数mに到達した場合、駆動装置12は、ステップS2の処理へ戻り、第1処理を再度実行して変更タイミングt1を更新する。
一方、ステップS12において、所定の変動が検出された場合(ステップS12でNO)、駆動装置12は、そのときのターンオン所要時間ton(n)を新たな基準値として記憶した上で(ステップS20)、ステップS2の処理へ戻る。即ち、駆動装置12は、第1処理を再度実行して、変更タイミングt1を更新する。これにより、スイッチングサイクルが所定回数mに到達する前でも、スイッチング素子2の特性に変化が生じたときは、スイッチング速度を変更すべき変更タイミングt1の更新が強制的に実施される。
以上のように、駆動装置12は、スイッチング速度の変更をターンオフ時に実行しながら、ターンオン時におけるスイッチング動作の挙動を監視する。これにより、スイッチング速度の変更による影響を受けることなく、スイッチング素子2の特性に生じた変化を検出することができる。そして、駆動装置12は、スイッチング素子2の特性に生じた変化を検出したときに、スイッチング速度の変更タイミングt1を更新することができる。これにより、不適切なタイミングでスイッチング速度の変更が行われることを回避して、例えば過大なサージ電圧が発生するといった事態を未然に防止することができる。なお、他の実施形態として、スイッチング速度の変更をターンオン時に実行しながら、ターンオフ時におけるスイッチング動作の挙動を監視してもよい。
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:スイッチング素子
4:モニタ素子
6:抵抗素子
8:バッテリ
9:リアクトル
10:制御装置
12:駆動装置
14:モニタ回路

Claims (1)

  1. スイッチング素子の動作を制御する制御装置であって、
    前記スイッチング素子のターンオン及びターンオフを含むスイッチングサイクルを所定の周期で繰り返し実施するとともに、前記スイッチング素子のターンオンとターンオフの一方のスイッチング動作では、スイッチング速度を第1速度と前記第1速度よりも速い第2速度との間で変更可能な駆動装置と、
    前記駆動装置が前記一方のスイッチング動作を開始してから、前記スイッチング素子が所定のスイッチング進行状態に達するまでの第1タイミングと、前記駆動装置が前記スイッチング素子の前記ターンオンと前記ターンオフの他方のスイッチング動作を開始してから、前記スイッチング素子が前記所定のスイッチング進行状態に達するまでの第2タイミングとを計測するモニタ回路と、
    を備え、
    前記駆動装置は、
    一部のスイッチングサイクルを実施するときに、前記一方のスイッチング動作において、前記スイッチング速度を前記第1速度に設定するとともに、前記モニタ回路によって計測された第1タイミングを取得することによって、前記一方のスイッチング動作で前記スイッチング速度を変更すべき変更タイミングを決定する第1処理を実行し、
    前記第1処理後の複数のスイッチングサイクルを実施するときは、前記一方のスイッチング動作において、前記第1速度で前記一方のスイッチング動作を開始するとともに、前記第1処理で決定した前記変更タイミングで、前記スイッチング速度を前記第2速度へ変更する第2処理を実行し、
    前記第2処理を実行する複数のスイッチングサイクルを実施するときは、前記他方のスイッチング動作において、前記モニタ回路によって計測された第2タイミングを取得することにより、当該計測された第2タイミングに所定の変動が生じているのか否かを検出する第3処理を実行し、
    前記第3処理によって前記所定の変動が検出されときは、その後に実施する前記一方のスイッチング動作において、前記第1処理を再度実行することにより、前記変更タイミングを更新する、
    制御装置。
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