JP7300464B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は絶縁性の良好な積層体に関し、特に絶縁性と熱伝導性が良好な積層体に関する。
電子部品の小型化、高集積化、及び高出力化に伴い、作動温度がより高温となり、出力電圧もより増加している。発熱する電子部品の冷却のために、電子部品とヒートシンク又は回路基板等の放熱部材との間に放熱シートが設けられるが、電子部品の高性能化によりエネルギー密度が増大し、その作動環境はますます高電界化している。従って、放熱シートには高熱伝導化に加えて、高い電圧が印加されても絶縁破壊が起こらないように、良好な絶縁性が求められている。
絶縁性強化の観点から、補強層に絶縁性の高いガラスクロスを用いた金属酸化物固着ガラスクロスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ガラスクロスは複数のガラス繊維が束となって編みこまれている。ガラスクロスは所定の目開きを有することで、熱伝導性充填材の熱伝達の全てを遮断しないため、熱伝導性の低下を小さくすることができる。
特開2015-025228号公報
しかし、ガラスクロスの繊維間には空気層が存在するため、電圧をかけると部分放電が生じ絶縁性が完全に担保できていないといった問題がある。また、今後の車載用途、例えば車載用PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータへの適用等を考慮すると、特に絶縁性が重要になると考えられる。
以上から、本発明は良好な絶縁性を発揮し得る積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、所定の樹脂組成物層と基材樹脂層との積層体により当該課題が解決できることを見出し本発明に想到した。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1] シリコーン樹脂及び無機フィラーを含有するシリコーン樹脂組成物を硬化してなるシリコーン樹脂組成物層と、前記シリコーン樹脂組成物層に隣接し、ガラス転移点が200℃以上である樹脂を含む基材樹脂層と、を有し、前記シリコーン樹脂組成物層中に前記無機フィラーを60~80体積%含有する、積層体。
[2] 前記無機フィラーが、平均球形度0.8~1.0の球状無機フィラーを含有する[1]に記載の積層体。
[3] 前記基材樹脂層が無機フィラーを含有する[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 前記シリコーン樹脂組成物中の前記無機フィラーがアルミナである[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5] 前記アルミナの頻度粒度分布において粒径15~80μmの領域と、粒径1.0~14μmの領域及び粒径0.1~0.9μmの領域の少なくとも1つの領域と、に極大ピークがある[4]に記載の積層体。
本発明によれば、良好な絶縁性及び熱伝導性を発揮し得る積層体を提供することができる。
本発明の積層体は、シリコーン樹脂組成物層と、基材樹脂層とが積層されてなる。
(シリコーン樹脂組成物層)
シリコーン樹脂組成物層は、シリコーン樹脂及び無機フィラーを含有するシリコーン樹脂組成物を硬化してなる。シリコーン樹脂を含有することで耐熱性が得られ、無機フィラーを含有することで良好な絶縁性や熱伝導性が得られる。
シリコーン樹脂としては、オルガノポリシロキサンであり、ケイ素原子に直結したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するものであれば直鎖状でも分岐状でもよい。このオルガノポリシロキサンは、1種類であっても、2種以上の異なる粘度のものの混合物でもよい。上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、1-へキセニル基などが例示されるが、一般的に合成のし易さ及びコストの面からビニル基であることが好ましい。ケイ素原子に結合する他の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基などのアラルキル基、更にはクロロメチル基、3,3,3,-トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基等が挙げられる。これらのなかでは、メチル基であることが好ましい。ケイ素原子に結合するアルケニル基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端、途中の何れに存在してもよい。
シリコーン樹脂が2液型である場合、既述のオルガノポリシロキサンの架橋剤としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンはとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上有するものが挙げられ、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよい。
シリコーン樹脂組成物中のシリコーン樹脂の含有量は20~40体積%である。下限については22体積%以上が好ましく、より好ましくは24体積%以上、さらに好ましくは26体積%以上である。上限については38体積%以下が好ましく、より好ましくは36体積%以下、さらに好ましくは36体積%以下である。
無機フィラーは、シリコーン樹脂組成物層中に60~80体積%含有されてなる。無機フィラーの含有率が80体積%を超えると、組成物の粘度が上昇し成形性が損なわれることやシリコーン樹脂組成物層中にボイドが生じ絶縁性が低下しやすくなる。そこで、無機フィラーの含有量は80体積%以下とする。好ましくは78体積%以下、より好ましくは76体積%以下、さらに好ましくは74体積%以下である。また、含有率が60体積%未満であると、組成物の熱伝導性を十分に高めることが困難となる。そこで、無機フィラーの含有量を60体積%以上とする。62体積%以上が好ましく、より好ましくは64体積%以上、さらに好ましくは66体積%以上である。
無機フィラーの熱伝導率は、10W/(m・K)以上であることが好ましく、20W/(m・K)以上であることがより好ましい。10W/(m・K)以上であることで良好な熱伝導性を付与することができる。なお、無機フィラーの熱伝導率は、ISO8302とJIS A 1412-1に基づき、保護熱板法により25℃における熱伝導率を測定して得られた値を採用する。
無機フィラーはその平均球形度が0.8~1.0の球状無機フィラーを含有することが好ましく、0.85~1.0の球状無機フィラーを含有することがより好ましい。無機フィラーが平均球形度0.8~1.0の球状無機フィラーを含有することで、シリコーン樹脂組成物層を形成する際のスラリーの流動性が良好となって、シリコーン樹脂組成物層と基材樹脂層との間でボイドが発生しづらくなり、ボイドに起因する絶縁性の低下を防ぐことができる。また、混合成型機器の摩耗が大きくなるのを防ぐことができる。本明細書における平均球形度は、フロー式粒子像分析装置を用いて測定することができる。
球状無機フィラーは、無機フィラー中に30体積%以上含有することが好ましく、50体積%以上含有することがより好ましい。
無機フィラーの平均粒子径は特に限定されないが7μm以上が好ましい。より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上である。上限については80μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。平均粒子径の範囲が好ましい範囲に入るほど、熱伝導率と絶縁性とをさらに良好にすることができる。なお、本明細書における平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定できる。
無機フィラーとしては、アルミナ、二酸化チタン等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素、水酸化アルミニウム等が挙げられ、単独あるいは数種類を組み合わせて使用することができる。難燃性を考慮すると水酸化アルミニウムが好ましく、熱伝導性を考慮するとアルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好ましい。
無機フィラーがアルミナである場合、当該アルミナの粒度分布は、頻度粒度分布において、15~80μmの領域に極大ピークを有するとともに、粒径1.0~14μmの領域及び粒径0.1~0.9μmの領域の少なくとも1つの領域に極大ピークを有することが好ましい(以下、15~80μmの領域に現れる極大ピークを「ピーク1」、1.0~14μmの領域に現れる極大ピークを「ピーク2」、0.1~0.9μmの領域に現れる極大ピークを「ピーク3」ともいう)。これによって、アルミナをより高充填することが可能となり、接触点の増加により熱伝導性を更に高めることができる。また、高充填した際、同じ充填量であれば粒子同士が密に詰まるため、滑りが良くなり流動性を高く維持することができる。
シリコーン樹脂組成物層を形成するための、上記シリコーン樹脂及び無機フィラーを含有するシリコーン樹脂組成物中には、公知の添加剤等の任意成分を任意の添加量で添加することができる。これにより、添加剤をも含有するシリコーン樹脂組成物層を形成することができる。添加剤としては例えばアルコキシシラン剤、シリコーンオイル、シランカップリング剤、粘度や粘性をコントロールするための各種添加物、その他、改質剤、老化防止剤、熱安定剤、着色剤などが挙げられる。
特に、アルコキシシラン剤、シリコーンオイル、シランカップリング剤を添加することで、ピール強度や絶縁性をより良好にすることができる。
上記の通り、添加剤を任意成分として含む場合や不純物が少量含まれても本発明の効果は害されないが、本発明の効果を得る観点からは、シリコーン樹脂と無機フィラーの含有量の合計が90体積%以上であることが好ましく、より好ましくは95%体積%以上、さらに好ましくは97体積%以上である。
(基材樹脂層)
基材樹脂層は、ガラス転移点が200℃以上である樹脂を含む。ガラス転移点が200℃以上であれば、十分な耐熱性が得られ、積層体の絶縁性や熱伝導性を良好に維持することができる。基材樹脂層は、塗膜から形成される層でも、フィルムから形成される層でもよい。
基材樹脂層を構成する樹脂としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド(特に芳香族ポリアミド)、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられ、なかでもポリイミドが好ましい。また、単独あるいは数種類を組み合わせて使用することができる。
基材樹脂層中の樹脂の含有量は特に限定されないが、下限については、78体積%以上が好ましく、より好ましくは80体積%以上、さらに好ましくは82体積%以上である。上限については92体積%以下が好ましく、より好ましくは90体積%以下、さらに好ましくは88体積%以下である。
基材樹脂層は無機フィラーを含有することが好ましい。基材樹脂層が無機フィラーを含有することで、絶縁性、熱伝導性、ピール強度等を向上させることができる。特に、ピール強度が上がるのは、無機フィラーにより基材樹脂層とシリコーン樹脂組成物層との界面に凹凸が形成され、アンカー効果が生じるためと推察される。
無機フィラーとしては、シリコーン樹脂組成物層に含有される無機フィラーと同様なものを使用することができる。
基材樹脂層中の無機フィラーの含有量は特に限定されないが、下限については8体積%以上が好ましく、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは12体積%以上である。上限については22体積%以下が好ましく、より好ましくは20体積%以下、さらに好ましくは18体積%以下である。
また、基材樹脂層中には、シリコーン樹脂組成物層と同様に添加剤が少量含まれてもよいし、不純物が少量含まれてもよい。なお、基材樹脂層中において、上記樹脂と無機フィラーの合計含有量は90体積%以上が好ましく、より好ましくは95体積%以上、さらに好ましくは97体積%以上である。
基材樹脂層となるフィルムとしては、公知のフィルム作製方法に準じて作製できる。また、市場に販売されている製品を入手して用いてもよい。
(積層体の製造方法)
本実施形態に係る積層体は、例えば下記のようにして製造することができる。
まず、シリコーン樹脂と無機フィラーとを混合してシリコーン樹脂組成物を作製する。シリコーン樹脂と無機フィラーの混合方法は、特に限定されるのもではなく、少量の場合は手混合も可能であるが、万能混合機、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機が用いられる。混合に際して、各成形方法に適する混合物とするために、水、トルエン、アルコール等の各種溶剤を添加してもよい。
また、必要に応じて添加される添加剤は、上記の混合時に添加することが好ましい。
次に、基材樹脂層となる、例えば基材シート上にシリコーン樹脂組成物と塗布する。
基材シートへの塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、コーター法、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等を用いることができる。
その後、必要に応じて110~160℃で熱処理を行って、シリコーン樹脂組成物層と、基材樹脂層とが積層されてなる積層体が得られる。当該積層体において、シリコーン樹脂組成物層と基材樹脂層との間のピール強度は、0.6N/25mm以上であることが好ましい。
積層体を構成する基材樹脂層の厚みは、絶縁性、熱伝導性、加工性の観点から以下の範囲が好ましい。下限については0.010mm以上が好ましい。0.010mm以上とすることで、絶縁性をさらに改善できるとともに、加工性も改善できる。より好ましくは0.012mm以上、さらに好ましくは0.015mm以上である。上限については0.100mm以下が好ましい。より好ましくは0.070mm以下、さらに好ましくは0.050mm以下である。
積層体を構成するシリコーン樹脂組成物層の厚みは、絶縁性、熱伝導性の観点から以下の範囲にあることが好ましい。下限については0.08mm以上が好ましく、より好ましくは0.10mm以上、さらに好ましくは0.12mm以上である。上限については0.50mm以下が好ましく、より好ましくは0.40mm以下、さらに好ましくは0.30mm以下である。
また、積層体全体の厚みは、特に限定されず、好ましい厚みは用途等により異なるが、下限については0.10mm以上が好ましく、より好ましくは0.12mm以上、さらに好ましくは0.14mm以上である。上限については0.55mm以下が好ましく、より好ましくは0.45mm以下、さらに好ましくは0.35mm以下である。
なお、本発明の積層体は、シリコーン樹脂組成物層と、シリコーン樹脂組成物層に隣接する基材樹脂層と、を有するものであればよく、これらの層以外の層を含む3層以上の積層体としてもよいし、シリコーン樹脂組成物層を複数有する3層以上の積層体としてもよいし、基材樹脂層を複数有する3層以上の積層体としてもよい。
自動車、携帯電子機器、産業用機器、及び家庭用電化製品等に用いられる電子部品に対し、絶縁性を維持するための電子部品用放熱部品またはその一部として好適に用いられる。特に好ましい用途として放熱シートが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明をこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリオルガノシロキサンベースポリマー(東レ・ダウコーニング社製商品名「CF3110」)と架橋剤(東レ・ダウコーニング社製商品名「RC-4」)を重量比で100:1となるよう混合して、シリコーン樹脂成分を得た。得られたシリコーン樹脂成分と、アルミナとを表1に示す体積%となるように攪拌機で15時間混合し、アルミナ含有シリコーン樹脂組成物を調製した。使用したアルミナはいずれも熱伝導率が20W/(m・K)以上であった。
シリコーン樹脂組成物を表1に示す基材樹脂層としてのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名Kapton 100H、厚さ0.025mm)上にコンマコーター機を用いてに塗工し、75℃で5分乾燥させて積層体(全厚:0.23mm)を作製した。
なお、使用したアルミナの平均球形度及び平均粒径は下記のようにして求めた。
(平均球形度)
無機フィラー(アルミナ)の平均球形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、商品名「FPIA-3000」)を用い、以下のようにして測定した。粒子像から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定した。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとして表示できる。そこで試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定するとPM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、A/B=A×4π/(PM)として算出できる。これを任意に選ばれた100個の粒子について測定し、その平均値を2乗したものを平均球形度とした。なお測定溶液はサンプル0.1gに蒸留水20mlとプロピレングリコール10mlを加え、3分間超音波分散処理を行い調製した。
(平均粒径)
無機フィラー(アルミナ)の平均粒径および粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製「SALD-200」)を用いて測定した。ガラスビーカーに50ccの純水と無機フィラーを5g添加して、スパチュラを用いて撹拌し、その後超音波洗浄機で10分間、分散処理を行い、評価サンプル溶液を調製した。評価サンプル溶液を、スポイトを用いて装置のサンプラ部に一滴ずつ添加して、吸光度が測定可能になるまで安定するのを待って測定した。レーザー回折式粒度分布測定装置のセンサで検出した粒子による回折/散乱光の光強度分布のデータから粒度分布を計算した。平均粒子径は測定される粒子径の値に相対粒子量(差分%)を掛けて、相対粒子量の合計(100%)で割って求めた。また、15~80μmの領域に現れる極大ピーク(ピーク1)、1.0~14μmの領域に現れる極大ピーク(ピーク2)、0.1~0.9μmの領域に現れる極大ピークを(ピーク3)についても求めた。
(実施例2、及び比較例1、2)
アルミナの割合を表1に示した割合とした以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(比較例3)
基材樹脂層としてのポリイミドフィルムを、ユニチカ社製ポリエチレンテレフタレートフィルム「商品名S25」(厚さ:0.026mm)とした以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(実施例3~4)
基材樹脂層としてのポリイミドフィルムを、表2に示すアルミナ含有ポリイミドフィルム(実施例3は東レ・デュポン社製の「商品名100MT」(厚み0.028mm)、実施例4は東レ・デュポン社製の「商品名100MT」(厚み0.031mm))とした以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(実施例5~6)
基材樹脂層としてのポリイミドフィルムを、表2に示す窒化ホウ素含有ポリイミドフィルム(実施例5は東レ・デュポン社製の「商品名100MT+」(厚み0.028mm)、実施例6は東レ・デュポン社製の「商品名」(厚み0.032mm))とした以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(評価)
各例で作製した積層体を下記の評価項目(1)~(5)によって評価した。結果を表1に示す。
(1)絶縁破壊電圧
JIS C2110に記載の方法に準拠し、各例の積層体の絶縁破壊電圧を、短時間破壊試験(室温:23℃)にて評価した。
(2)熱伝導率
熱伝導率(H;単位W/(m・K))は、積層体の厚み方向に対して評価を行なった。熱拡散率(A;単位m/sec)と密度(B;単位kg/m)、比熱容量(C;単位J/(kg・K))から、H=A×B×Cとして、算出した。
熱拡散率は、積層体を幅10mm×長さ10mmに加工し、測定用レーザー光の反射防止のため、積層体の両面にカーボンブラックを塗布した後、レーザーフラッシュ法により求めた。測定装置はキセノンフラッシュアナライザ(NETZSCH社製商品名「LFA447NanoFlash」)を用いた。
密度はアルキメデス法を用いて求めた。
比熱容量はJIS K 7123:1987に記載の方法に準拠して求めた。
(3)ピール強度
島津製作所社製精密万能試験機「AUTOGRAPH AG-2000D」を使用して、23℃の環境下、引張速度200mm/minで、JIS K 6854-2に従い、180度方向の剥離を行って、シリコーン樹脂組成物層と基材樹脂層との間のピール強度を求めた。
Figure 0007300464000001
Figure 0007300464000002
表1、2に記載の通り、条件を揃えた特定の積層体において、シリコーン樹脂組成物中の無機フィラーの含有量が60~80体積%の範囲内にあるか否かで、絶縁性が改善することが確認された。
なお、シリコーン樹脂組成物中の無機フィラーの平均球形度が0.8~1.0の範囲にない場合であっても、本発明範囲内にあれば、上記平均球形度が0.8~1.0の範囲外で本発明範囲外のものと比較して、絶縁性等の特性が改善された。また、シリコーン樹脂組成物中の無機フィラーがアルミナ以外であっても、本発明範囲内にあれば、上記無機フィラーがアルミナ以外で本発明範囲外のものと比較して、絶縁性等の特性が改善された。また、シリコーン樹脂組成物中の無機フィラーがアルミナであり、下記条件を満たさない場合であっても、本発明範囲内にあれば、上記無機フィラーがアルミナであり、下記条件を満たさず本発明範囲外のものと比較して、絶縁性等の特性が改善された。
(条件)アルミナの頻度粒度分布において粒径15~80μmの領域と、粒径1.0~14μmの領域及び粒径0.1~0.9μmの領域の少なくとも1つの領域と、に極大ピークがある。
本発明の積層体は、自動車、携帯電子機器、産業用機器、及び家庭用電化製品等に用いられる電子部品に対し、絶縁性を維持するためのシート材等として好適に用いられる。



Claims (2)

  1. シリコーン樹脂及び無機フィラーを含有するシリコーン樹脂組成物を硬化してなるシリコーン樹脂組成物層と、前記シリコーン樹脂組成物層に隣接し、ガラス転移点が200℃以上である樹脂を含む基材樹脂層と、を有し、
    前記シリコーン樹脂組成物層中に前記無機フィラーを60~80体積%含有し、
    前記シリコーン樹脂組成物中の前記無機フィラーがアルミナであり、
    前記アルミナの頻度粒度分布において粒径15~80μmの領域と、粒径1.0~14μmの領域及び粒径0.1~0.9μmの領域の少なくとも1つの領域と、に極大ピークがあり、
    前記基材樹脂層が無機フィラーを含有する、積層体。
  2. 前記シリコーン樹脂組成物中の前記無機フィラーが、平均球形度0.8~1.0の球状無機フィラーを含有する請求項1に記載の積層体。
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