JP7299475B2 - 冷間鍛造用鋼材 - Google Patents

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本発明は、鋼材に関し、さらに詳しくは、冷間鍛造により成形された後、時効硬化処理されて製造される機械構造用部品の素材として用いられる冷間鍛造用鋼材に関する。
自動車部品、産業機械部品及び建設機械部品等に代表される機械構造用部品の素材として、構造用鋼鋼材が用いられている。構造用鋼鋼材はたとえば、機械構造用炭素鋼鋼材、機械構造用合金鋼鋼材等である。
これらの構造用鋼鋼材を用いて高い疲労強度を有する機械構造用部品を製造する場合、所望の部品形状に加工するまでは構造用鋼鋼材の強度を抑え、所望の部品形状に熱間鍛造した後、時効硬化処理を実施することにより部品の疲労強度を高める方法が採用されている。
熱間鍛造-時効硬化処理法により機械構造用部品を製造するための鋼はたとえば、特開2011-236452号公報(特許文献1)に提案されている。
特許文献1に記載された鋼は、質量%で、C:0.14~0.35%、Si:0.05~0.70%、Mn:1.10~2.30%、S:0.003~0.120%、Cu:0.01~0.40%、Ni:0.01~0.40%、Cr:0.01~0.50%、Mo:0.01~0.30%、及び、V:0.05~0.45%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、13[C]+8[Si]+10[Mn]+3[Cu]+3[Ni]+22[Mo]+11[V]≦30、5[C]+[Si]+2[Mn]+3[Cr]+2[Mo]+4[V]≦7.3、2.4≦0.3[C]+1.1[Mn]+0.2[Cu]+0.2[Ni]+1.2[Cr]+1.1[Mo]+0.2[V]≦3.1、2.5≦[C]+[Si]+4[Mo]+9[V]、[C]≧[Mo]/16+[V]/3を満たすことを特徴とするベイナイト鋼である。この鋼はベイナイト鋼であるため、被削性に優れる、と特許文献1には記載されている。特許文献1では、上記の構成を有する鋼に対して熱間鍛造を実施した後、切削加工で部品形状にする。その後、時効硬化処理を行う。これにより、高い強度が得られる、と特許文献1には記載されている。
しかしながら、特許文献1にも記載のとおり、熱間鍛造を実施する場合、熱間鍛造後の鋼材に対して切削加工を実施する。そこで、最近では、生産性の向上を目的として、熱間鍛造工程から冷間鍛造工程への切替が志向されている。熱間鍛造工程に代えて冷間鍛造工程を採用する場合、ニアネットシェイプ(最終形状とほぼ同じ形状)が可能となる。そのため、切削工程における加工量を削減できる。その結果、生産性が向上する。
しかしながら、冷間鍛造は、熱間鍛造と比較して、加工荷重が大きくなりやすい。そのため、冷間鍛造時における鋼材の加工性(以下、冷間鍛造性)を高める必要がある。具体的には、小さな荷重で所望の形状に加工でき、かつ、割れの発生が抑制されることが求められる。したがって、冷間鍛造工程後に時効硬化処理を実施する場合、その対象となる鋼材(以下、冷間鍛造用鋼材)には、優れた冷間鍛造性と、時効硬化処理後の優れた疲労強度とが求められる。
冷間鍛造用鋼材は、特開2017-002360号公報(特許文献2)に提案されている。
特許文献2の時効硬化用鋼材は、質量%で、C:0.02~0.13%、Si:0.01~0.50%、Mn:0.20~0.70%、P:0.035%以下、S:0.050%以下、Al:0.005~0.050%、Cr:0.02~0.80%未満、V:0.02~0.50%、及び、N:0.003~0.030%を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、[V析出物]/[V含有量]≦0.5を満たす。この時効硬化用鋼材は、上記構成を有することにより、冷間鍛造工程における高い冷間鍛造性を有し、高い疲労強度が得られる、と特許文献2には記載されている。
特開2011-236452号公報 特開2017-002360号公報
しかしながら、特許文献2の鋼材と異なる構成を有し、冷間鍛造工程における高い冷間鍛造性を有し、時効硬化処理後に高い疲労強度が得られる鋼材も求められている。
本発明の目的は、高い冷間鍛造性を有し、かつ、冷間鍛造後に時効硬化処理された場合、高い疲労強度が得られる冷間鍛造用鋼材を提供することである。
本発明による冷間鍛造用鋼材は、質量%で、C:0.02~0.25%、Si:0.005~0.50%、Mn:0.70超~2.50%、P:0.035%以下、S:0.050%以下、Al:0.005~0.050%、Cr:0.02~0.70%、V:0.02~0.30%、N:0.003~0.030%、Nb:0~0.10%、B:0~0.005%、Ca:0~0.005%、Bi:0~0.10%、Pb:0~0.20%、及び、残部:Fe及び不純物、からなる。上記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量は0.05質量%以下であり、上記不純物中のTi含有量は0.005質量%以下であり、式(1)を満たす化学組成を有する。ミクロ組織はフェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有する。ミクロ組織におけるフェライトの面積率は10~90%である。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。
本発明による冷間鍛造用鋼材は、高い冷間鍛造性を有し、かつ、冷間鍛造後に時効硬化処理された場合、高い疲労強度が得られる。
図1は、冷間鍛造用鋼材中のV含有量に対するV析出量の比fnと、冷間鍛造荷重/耐久比との関係を示す図である。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、種々の検討を行い、次の知見を得た。
冷間鍛造用鋼材の疲労強度を高めるためには、鋼材の耐久比(疲労強度/引張強度)を高めることが有効である。鋼材の耐久比を高めるためには、V析出物の析出を活用することが効果的である。本明細書では、V炭窒化物(V(C,N))、V炭化物(VC)及びV窒化物(VN)を総称して「V析出物」と定義する。鋼材に析出するV析出物のほとんどはV炭窒化物(V(C,N))である。しかしながら、V析出物の一部がVN、VCとして析出する場合もあり得る。VN、VCもV(C,N)と同様の効果を奏すると考えられる。したがって、本明細書では、「V析出物」は、V(C,N)、VC及びVNを含む。
従来のような、熱間鍛造後に時効硬化処理される鋼材を「熱間鍛造用鋼材」と定義する。熱間鍛造用鋼材では、その組織をベイナイト主体とする。熱間鍛造用鋼材では、ベイナイト主体の組織とすることにより、ベイナイト中にV、C及びNを固溶させておく。そして、時効硬化処理において、ベイナイト中に固溶していたV、C及びNを、V析出物として析出させる。
これに対して、冷間鍛造後に時効硬化処理される冷間鍛造用鋼材の場合、鋼材中のV析出物の析出を抑えて鋼材の冷間鍛造性を維持し、冷間鍛造後の時効硬化処理によりV析出物を析出させて疲労強度を高める。この場合、時効硬化処理におけるV析出物生成の駆動力は、組織中に蓄積されたひずみである。つまり、冷間鍛造用鋼材の時効硬化処理におけるV析出物生成の駆動機構は、熱間鍛造用鋼材の時効硬化処理におけるV析出物生成の駆動機構とは異なる。そのため、冷間鍛造用鋼材では、冷間鍛造後であって時効硬化処理前の鋼材において、組織中にひずみを蓄積できる方が好ましい。
以上の考えに基づいて、本発明者らはさらに、冷間鍛造用鋼材における、ひずみを蓄積するのに適切な組織について検討した。フェライトは、パーライトやベイナイトと比較して、強度が低い。したがって、冷間鍛造用鋼材の組織中のフェライト量が多いほど、組織にひずみが入りやすく、ひずみが蓄積しやすいと、本発明者らは考えた。
しかしながら、調査を実施した結果、冷間鍛造用鋼材の組織中のフェライト量が多いほどひずみが多く蓄積されるわけではないことが判明した。つまり、フェライト量が多すぎれば、時効硬化によるV析出物による硬化代(硬さの増加代)がかえって低くなる場合があることが判明した。
このような従来知られていない現象の原因について本発明者らはさらに検討した。そして、次のとおり考えた。組織中のフェライト量が多すぎる場合、ひずみが組織全体に分散され、集中して蓄積されにくくなる。このように組織全体に分散されたひずみは、時効硬化処理において、V析出物生成の駆動力としては強く作用しにくい。
一方、組織中において、ひずみが集中して蓄積される領域が存在する場合、集中したひずみは時効硬化処理におけるV析出物生成の駆動力として強く作用する。そのため、ひずみを集中して蓄積できる組織の方が、時効硬化によるV析出物量を多くすることが可能であり、時効硬化処理後の機械構造用部品の疲労強度をより高めることができる。
さらに検討した結果、冷間鍛造用鋼材の組織において、フェライトを必須としつつ、パーライト及び/又はベイナイトもある程度存在させることにより、冷間鍛造によりひずみが集中して蓄積され、時効硬化処理によりV析出物が十分に析出することが判明した。この理由として次の事項が考えられる。上述のとおり、パーライト及びベイナイトはフェライトよりも強度が高い。そのため、冷間鍛造時において、パーライト及びベイナイトは、フェライトよりもひずみが導入されにくい。組織中において、フェライトだけでなく、パーライト及び/又はベイナイトが適量存在すれば、冷間鍛造時においてパーライト及び/又はベイナイトがフェライトを拘束し、フェライトにひずみを集中して蓄積させることができる。そのため、時効硬化析出時においてV析出物が多数生成し、優れた疲労強度が得られる。
上記検討結果に基づいて、冷間鍛造用鋼材の組織中におけるフェライト、パーライト及びベイナイトの適切な面積率を検討した。その結果、質量%で、C:0.02~0.25%、Si:0.005~0.50%、Mn:0.70超~2.50%、P:0.035%以下、S:0.050%以下、Al:0.005~0.050%、Cr:0.02~0.70%、V:0.02~0.30%、N:0.003~0.030%、Nb:0~0.10%、B:0~0.005%、Ca:0~0.005%、Bi:0~0.10%、Pb:0~0.20%、及び、残部:Fe及び不純物、からなり、上記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量が0.05質量%以下であり、上記不純物中のTi含有量が0.005質量%以下であり、式(1)を満たす化学組成を有する鋼材において、ミクロ組織がフェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有し、ミクロ組織におけるフェライト面積率が10~90%であれば、冷間鍛造性を維持しつつ、冷間鍛造後の時効硬化処理後において優れた疲労強度が得られることが分かった。
以上の知見に基づいて完成した本発明による冷間鍛造用鋼材は、質量%で、C:0.02~0.25%、Si:0.005~0.50%、Mn:0.70超~2.50%、P:0.035%以下、S:0.050%以下、Al:0.005~0.050%、Cr:0.02~0.70%、V:0.02~0.30%、N:0.003~0.030%、Nb:0~0.10%、B:0~0.005%、Ca:0~0.005%、Bi:0~0.10%、Pb:0~0.20%、及び、残部:Fe及び不純物、からなる。上記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量は0.05質量%以下であり、上記不純物中のTi含有量は0.005質量%以下であり、式(1)を満たす化学組成を有する。ミクロ組織はフェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有する。ミクロ組織におけるフェライトの面積率は10~90%である。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。
上記冷間鍛造用鋼材の化学組成は、Feの一部に代えて、Nb:0.01~0.10%、及び、B:0.001~0.005%、からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
上記冷間鍛造用鋼材の化学組成は、Feの一部に代えて、Ca:0.001~0.005%、Bi:0.01~0.10%、及び、Pb:0.02~0.20%、からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
以下、本発明の冷間鍛造用鋼材について詳しく説明する。なお、以下の説明で、各元素の含有量の「%」は、特に断りがない限り、「質量%」を意味する。
[化学組成]
本発明の冷間鍛造用鋼材は、次の元素を含有する化学組成を有する。
C:0.02~0.25%
炭素(C)は、時効硬化処理後に後述のVと結合してV析出物を形成し、鋼材の強度を高める。その結果、鋼材の疲労強度が高まる。C含有量が0.02%未満であれば、時効硬化処理後の鋼材において、十分な疲労強度が得られない。一方、C含有量が0.25%を超えれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、C含有量は0.02~0.25%である。C含有量の好ましい下限は0.03%である。C含有量の好ましい上限は0.23%未満であり、さらに好ましくは0.21%である。
Si:0.005~0.50%
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Si含有量が0.005%未満であれば、この効果が得られない。一方、Siは鋼材中のフェライトを固溶強化する。そのため、Si含有量が0.50%を超えれば、フェライトの強度が高くなりすぎて、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Si含有量は0.005~0.50%である。Si含有量の好ましい下限は0.007%であり、さらに好ましくは0.010%である。Si含有量の好ましい上限は0.45%であり、さらに好ましくは0.40%である。
Mn:0.70超~2.50%
マンガン(Mn)は、鋼材のフェライト中に固溶して強度を高める。また、鉄炭化物を安定化させるため、パーライト又はベイナイトの生成を促進し、鋼材の強度を高める。Mn含有量が0.70%以下であれば、これらの効果が得られない。一方、Mn含有量が2.50%を超えれば、鋼材の硬度が高くなりすぎて冷間鍛造性が低下する。Mn含有量が2.50%を超えればさらに、鋼材のフェライト面積率を過剰に低下する。したがって、Mn含有量は0.70超~2.50%である。Mn含有量の好ましい下限は0.75%であり、さらに好ましくは0.80%である。Mn含有量の好ましい上限は2.35%であり、さらに好ましくは2.10%である。
P:0.035%以下
燐(P)は、不純物であり、鋼材中に不可避的に含有される。つまり、P含有量の下限は0%超である。Pは鋼中で偏析しやすく、局所的な延性低下の原因となる。P含有量が0.035%を超えれば、局所的な延性低下が発生しやすくなる。したがって、P含有量は0.035%以下である。P含有量の好ましい上限は0.030%であり、さらに好ましくは0.025%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、P含有量の下限は特に限定されない。しかしながら、P含有量が0.002%であれば、上記の局所的な延性低下は発生しにくい。さらに、実際の操業において、P含有量を0.002%未満に低下するには製造コストが過剰に高くなる。したがって、P含有量の好ましい下限は0.002%である。
S:0.050%以下
硫黄(S)は、鋼材中に不可避的に含有される。つまり、S含有量の下限は0%超である。SはMnと結合してMnSを形成し、鋼材の被削性を高める。しかしながら、S含有量が0.050%を超えれば、粗大なMnSが生成する。粗大なMnSは割れの起点となるため、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、S含有量は0.050%以下である。S含有量の好ましい上限は0.045%であり、さらに好ましくは0.040%である。過剰な脱硫は製造コストを高める。したがって、S含有量の好ましい下限は0.0005%である。冷間鍛造用鋼材の被削性を有効に高める場合、S含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.006%である。
Al:0.005~0.050%
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Al含有量が0.005%未満であれば、その効果が得られない。一方、Al含有量が0.050%を超えれば、鋼材中に粗大なAl系介在物が生成し、冷間鍛造時の割れ発生の原因となり得る。したがって、Al含有量は0.005~0.050%である。Al含有量の好ましい上限は、0.045%である。なお、本実施の形態におけるAl含有量とは、鋼中の全Alの含有量を意味する。
Cr:0.02~0.70%
クロム(Cr)は、固溶して鋼材の強度を高める。Cr含有量が0.02%未満であれば、この効果が得られない。一方、Cr含有量が0.70%を超えれば、フェライトの強度が高くなりすぎ、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、Cr含有量は0.02~0.70%である。Cr含有量の好ましい下限は0.03%である。Cr含有量の好ましい上限は0.65%であり、さらに好ましくは0.60%である。
V:0.02~0.30%
バナジウム(V)は、冷間鍛造後の鋼材に対して時効硬化処理を実施することにより、V析出物を形成する。これにより、時効硬化処理に起因した鋼材の強度低下が抑制される。V含有量が0.02%未満であれば、この効果が得られない。一方、V含有量が0.30%を超えれば、冷間鍛造前の鋼材の強度が高くなりすぎて、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、V含有量は0.02~0.30%である。V含有量の好ましい下限は0.03%であり、さらに好ましくは0.04%である。V含有量の好ましい上限は0.28%であり、さらに好ましくは0.25%である。
N:0.003~0.030%
窒素(N)は、時効硬化処理によりV及びCと結合してV析出物を析出する。N含有量が0.003%未満であれば、この効果が得られない。一方、N含有量が0.030%を超えれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する。したがって、N含有量は0.003~0.030%である。N含有量の好ましい下限は0.003%超であり、さらに好ましくは0.005%である。N含有量の好ましい上限は0.025%であり、さらに好ましくは0.020%である。
本発明による冷間鍛造用鋼材の化学組成の残部はFe及び不純物からなる。ここで、不純物とは、本発明の冷間鍛造用鋼材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものであって、本発明の冷間鍛造用鋼材の冷間鍛造性及び疲労強度に顕著な悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明において、Cu、Ni、Mo及びTiは不純物である。不純物中のCu、Ni、Mo及びTiの含有量は次のとおりである。
Cu、Ni及びMo:合計で0.05%以下
銅(Cu)、ニッケル(Ni)及びモリブデン(Mo)は、不純物である。Cu含有量は0%であってもよいし、Ni含有量は0%であってもよいし、Mo含有量は0%であってもよい。つまり、Cu、Ni及びMoの合計含有量は0%であってもよい。
Cu、Ni及びMoは、フェライトを固溶強化し、冷間鍛造性を低下させる。Cu、Ni及びMoはさらに、フェライトへのひずみの蓄積を妨げる。具体的には、Cu、Ni及びMo含有量が合計で0.05%を超えると、冷間鍛造時の変形荷重が増大する。したがって、Cu、Ni及びMo含有量の合計含有量は0.05%以下である。Cu、Ni及びMoの合計含有量はなるべく低い方が好ましく、上述のとおり、Cu、Ni及びMoの合計含有量は0%であってもよい。Cu、Ni及びMoの合計含有量の好ましい上限は、0.04%である。Cu、Ni及びMoの合計含有量はなるべく低いほうが好ましい。しかしながら、精錬コストを考慮すれば、Cu、Ni及びMoの合計含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.001%である。
Ti:0.005%以下
チタン(Ti)は、不純物である。Ti含有量は0%であってもよい。Tiは鋼中で硬質なTiNを生成し、鋼材の強度を高める。この場合、鋼材の冷間鍛造性を低下する。したがって、Ti含有量は0.005%以下である。Ti含有量はなるべく低いほうが好ましく、上述のとおり0%であってもよい。しかしながら、精錬コストを考慮すれば、Ti含有量の好ましい下限は0.0002%であり、さらに好ましくは0.0004%である。
[任意元素について]
上記冷間鍛造用鋼材の化学組成は、Feの一部に代えて、Nb:0~0.10%、及び、B:0~0.005%、からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
Nb:0~0.10%
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Nb含有量は0%であってもよい。Nb含有量が0%超の場合、Nbは鋼材の疲労強度を高める。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、冷間鍛造性が低下する。したがって、Nb含有量は、0~0.10%である。Nb含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Nb含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.06%であり、さらに好ましくは0.05%である。
B:0~0.005%
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、B含有量は0%であってもよい。B含有量が0%超の場合、Bは鋼材の疲労強度を高める。しかしながら、B含有量が高すぎても、その効果が飽和する。したがって、B含有量は、0~0.005%である。B含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.0015%である。B含有量の好ましい上限は0.004%であり、さらに好ましくは0.003%である。
上記冷間鍛造用鋼材の化学組成は、Feの一部に代えて、Ca:0~0.005%、Bi:0~0.10%、及び、Pb:0~0.20%、からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
Ca:0~0.005%
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ca含有量は0%であってもよい。Ca含有量が0%超の場合、Caは鋼材の被削性を高める。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、粗大な析出物により鋼材の冷間鍛造性が低下する場合がある。したがって、Ca含有量は、0~0.005%である。Ca含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0045%であり、さらに好ましくは0.004%である。
Bi:0~0.10%
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Bi含有量は0%であってもよい。Bi含有量が0%超の場合、Biは鋼材の被削性を高める。しかしながら、Bi含有量が高すぎれば、鋼材の冷間鍛造性が低下する場合がある。したがって、Bi含有量は、0~0.10%である。Bi含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Bi含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.06%である。
Pb:0~0.20%
鉛(Pb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Pb含有量は0%であってもよい。Pb含有量が0%超の場合、Pbは鋼材の被削性を高める。しかしながら、Pb含有量が高すぎれば、粗大な析出物により鋼材の冷間鍛造性が低下する場合がある。したがって、Pb含有量は、0~0.20%である。Pb含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.04%である。Pb含有量の好ましい上限は0.18%であり、さらに好ましくは0.15%である。
[式(1)について]
上記の化学組成を有する本発明の冷間鍛造用鋼材はさらに、式(1)を満たす。
[V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
ここで、式(1)中の[V析出物]は、冷間鍛造後時効硬化処理鋼材において、V析出物として析出したV含有量(鋼材の化学組成を100%としたときの質量%)を示す。[V含有量]は、冷間鍛造用鋼材の化学組成におけるV含有量(質量%)(つまり、鋼材全体でのV含有量)を示す。本明細書において、V析出物として析出したV含有量(鋼材の化学組成を100%としたときの質量%)を「V析出量」ともいう。
V析出量は、次の抽出残渣分析法により求められる。10mm×10mm×10mmの試料を、鋼材の中心から半径×0.5の位置(R/2位置)から切り出し、抽出残渣用試料とする。10%AA系(テトラメチルアンモニウムクロライド、アセチルアセトン、メタノールを1:10:100で混合した液体)溶液中で、抽出残渣用試料を定電流電気分解する。
より具体的には、まず、抽出残渣用試料に対して予備電気分解を行う。これにより、抽出残渣用試料の表面の付着物を除去する。予備電気分解の条件は、電流:1000mA、時間:28分、室温(25℃)とする。その後、抽出残渣用試料に対してアルコール中で超音波洗浄を実施する。これにより、抽出残渣用試料の表面の付着物を除去する。付着物を除去された抽出残渣用試料の質量(電気分解前の試料の質量)を測定する。
次に、抽出残渣用試料に対して電気分解を実施する。電気分解の条件は、電流:173mA、時間:142分、室温(25℃)とする。電気分解された抽出残渣用試料を取り出す。取り出された抽出残渣用試料に対して、アルコール中で超音波洗浄を実施する。これにより、抽出残渣用試料の表面の付着物(残渣)を除去する。電気分解後の溶液、及び、超音波洗浄に用いた溶液を、フィルターで吸引ろ過する。フィルターのメッシュサイズは0.2μmとする。これにより、残渣を採取する。
付着物(残渣)を除去された抽出残渣用試料の質量(電気分解後の抽出残渣用試料の質量)を測定する。そして電気分解前後の抽出残渣用試料の質量の測定値の差から、「電気分解された抽出残渣用試料の質量」を求める。
上記のフィルター上に採取された残渣を、シャーレに移して乾燥させる。乾燥した残渣の質量を測定する。その後、JIS G1258(2014)に準拠して、ICP発光分析装置(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)により残渣を分析して、「残渣中のVの質量」を求める。
求めた「残渣中のVの質量」を「電気分解された抽出残渣用試料の質量」で除して、百分率表示したものを、V析出量(質量%)と定義する。
式(1)の根拠を説明する。fnを次のとおり定義する。
fn=[V析出物]/[V含有量]
要するに、fnは式(1)の左辺である。図1は、fnと、冷間鍛造荷重/耐久比との関係を示す図である。図1は次の試験により得られた。
C:0.05~0.2%、Si:0.05%、Mn:1.80%、Cr:0.15%、V:0.09~0.18%及びN:0.006%を含有し、残部はFeを主とする複数の鋼材を用意した。用意した鋼材に対して、熱間鍛造を実施して、様々なV析出量を有する供試材を製造した。各供試材について、上記方法により、V析出量を求めた。熱間鍛造後の供試材に対して、冷間鍛造を実施した。冷間鍛造後の各供試材からφ14×21mmの円柱状試験片を採取した。円柱状試験片を用いて、冷間鍛造荷重を測定した。冷間鍛造後の各供試材に対して、時効硬化処理を実施した。時効硬化処理の条件は、Ac3変態点以下で30~60分保持とした。各供試材を用いて、JIS Z2241(2011)に準拠した引張試験、及び、JIS Z2274(2011)に準拠した小野式回転曲げ試験を実施した。得られた引張強度及び疲労強度から、各供試材の耐久比を求めた。
得られたV析出量及び各供試材のV含有量に基づいて、fnを求めた。さらに、得られた冷間鍛造荷重及び耐久比に基づいて、冷間鍛造荷重/耐久比を求め、図1を作成した。
図1を参照して、fnが0.50を超えれば、冷間鍛造荷重/耐久比は60.0ton以上である。一方、fnが0.50以下であれば、冷間鍛造荷重/耐久比は60.0ton未満に低下する。
以上のとおり、fn=0.50を境に、冷間鍛造荷重/耐久比が低下する。したがって、fnが式(1)を満たせば、冷間鍛造荷重の上昇を抑えることができ、優れた冷間鍛造性が得られる。
fnが0.50を超えると、冷間鍛造後に時効硬化するために十分な固溶Vが得られない。つまり、冷間鍛造前にV析出物が既に析出していることを意味する。この場合、十分な冷間鍛造性が得られない。一方、fnは0.50より小さくてもよく、0であってもよい。しかしながら、工業的な限界に基づけば、fnの下限は0.20である。また、fnの好ましい上限は0.45である。
[ミクロ組織]
本発明の冷間鍛造用鋼材の組織は、フェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有する。
より具体的には、ミクロ組織において、フェライトの面積率は10~90%である。フェライトの面積率が低すぎれば、冷間鍛造性が低下する。フェライトの面積率が低すぎればさらに、冷間鍛造時において、時効析出の駆動力としてのひずみが集中して蓄積しない。一方、フェライトの面積率が高すぎれば、冷間鍛造により導入されたひずみが分散してしまう。この場合、時効硬化処理において、ひずみがV析出物生成の駆動力として強く作用せず、V析出物の生成量が不十分となる。その結果、疲労強度が低下する。
冷間鍛造時において、フェライトに集中してひずみを蓄積させるためには、冷間鍛造時にフェライトを拘束するパーライト及び/又はベイナイトの存在がある程度必要となる。パーライト及び/又はベイナイトの適量の存在により、冷間鍛造時において、フェライトにひずみが集中して蓄積される。この場合、時効硬化処理工程において、集中して蓄積されたひずみがV析出物生成の駆動力として強く作用して、十分な量のV析出物を生成できる。その結果、時効硬化処理後において、優れた疲労強度が得られる。この効果を得るためのフェライトの面積率は10~90%である。組織中のフェライト面積率の好ましい下限は12%であり、さらに好ましくは、15%であり、さらに好ましくは20%であり、さらに好ましくは25%である。フェライト面積率の好ましい上限は80%であり、さらに好ましくは75%であり、さらに好ましくは70%である。
組織において、パーライト及び/又はベイナイトの面積率が高すぎれば、冷間鍛造性が低下する。そのため、パーライト及び/又はベイナイトの面積率は、5超~90%であるのが好ましい。パーライトの面積率は、5超~90%であるのがさらに好ましい。ベイナイトの面積率は、5超~90%であるのがさらに好ましい。
マルテンサイトは、フェライト、パーライト及びベイナイトと比較して冷間変形能に劣り、冷間鍛造時の割れの発生原因となりうる。したがって、ミクロ組織において、マルテンサイトの総面積率は5%以下であるのが好ましい。
[組織の特定及び面積率の測定方法]
組織中のフェライト面積率、パーライト面積率、及びベイナイト面積率は次の方法で測定する。冷間鍛造用鋼材の中心部からサンプルを採取する。鋼材が棒鋼又は線材の場合、中心軸を含む部分から試料を採取する。採取された試料表面のうち、鋼材の圧延方向に垂直な面を観察面とする。
採取されたサンプルの観察面を、コロイダルシリカ研磨剤で30~60分研磨する。研磨された観察面をEBSD-OIM(商標)(Electron Back Scatter Diffraction Pattern-Orientation Image
Microscopy)を用いて解析し、冷間鍛造用鋼材の横断面の中央部を中心とする200μm(軸方向)×500μm(径方向)の観察視野における初析フェライトの面積率(%)を求める。EBSD-OIMの観察倍率は400倍とする。測定ステップは0.3μmとする。
得られた方位測定結果を解析し、隣り合う測定点の方位差が15°を超えた位置を結晶粒界とする15°大角粒界マップを作成する。ここで、15°は大角粒界(high angle grain boundary)の閾値であり、一般的に結晶粒界として認識されている。作成した15°大角粒界マップに基づき、結晶粒界に囲まれた領域を結晶粒として、結晶粒内にフェライト粒として方位の特定ができない領域、すなわちセメンタイトの領域が認められる粒を、セメンタイトの形状が層状であればパーライト粒と定義する。セメンタイトの形状が粒状であればベイナイト又はマルテンサイト粒と定義する。さらに、セメンタイトの形状が粒状である粒について、微細なラス状のフェライトから構成されている粒をマルテンサイト粒と定義し、それ以外をベイナイト粒と定義する。一方、粒内がすべてフェライトとして方位の特定がなされた粒をフェライト粒と定義する。上記定義に基づき、個々の結晶粒の面積をそれぞれ求める。観察視野全体に対する個々の結晶粒の面積の割合を、それぞれの面積率とする。
[製造方法]
本発明の冷間鍛造用鋼材の製造方法の一例を説明する。本例では、冷間鍛造用鋼材として、棒鋼又は線材(以下、棒線という)を製造する例を説明する。なお、本発明の冷間鍛造用鋼材は、下記製造方法に限定されない。
本冷間鍛造用鋼材の製造方法は、素材を準備する工程(準備工程)と、素材を熱間加工する工程(熱間加工工程)とを備える。以下、各工程について詳述する。
[準備工程]
上記の化学組成を有する溶鋼を製造する。溶鋼を用いて素材を準備する。たとえば、上述の化学組成を有する溶鋼を、転炉及び電気炉等を用いて製造する。溶鋼を用いて連続鋳造法により鋳片を製造する。又は、溶鋼を用いて造塊法によりインゴットを製造する。
[熱間加工工程]
準備された素材に対して熱間加工を実施して、冷間鍛造用鋼材を製造する。
熱間加工として、熱間圧延を実施する場合、たとえば、次の方法がある。熱間圧延では、素材を粗圧延してビレットにする粗圧延工程と、ビレットを仕上げ圧延して冷間鍛造用鋼材とする仕上げ圧延工程とを含む。粗圧延工程はたとえば、次の工程を実施する。素材(鋳片、インゴット)を加熱後、分塊圧延機を用いて分塊圧延する。必要に応じて、分塊圧延後に連続圧延機でさらに圧延して、ビレットを製造する。連続圧延機では、水平ロールスタンド、垂直ロールスタンドが交互に一列に配列されており、各スタンドの圧延ロールに形成された孔型を用いて素材を圧延して、ビレットにする。なお、連続鋳造法により直接ビレットを製造してもよい。
仕上げ圧延工程はたとえば、次の工程を実施する。粗圧延工程にて製造されたビレットを加熱炉に装入して加熱する。加熱されたビレットを用いて、仕上げ圧延機列で仕上げ圧延(熱間圧延)を実施して所定の径の棒線にする。仕上げ圧延機列は、一列に配列された複数のスタンドを含む。各スタンドは、パスライン周りに配置された複数のロールを含む。各スタンドの圧延ロールに形成された孔型を用いてビレットを圧延して、鋼材(棒線)を製造する。
なお、熱間加工工程は熱間圧延に限定されない。熱間加工工程では、上述の熱間圧延に代えて、熱間鍛造を実施してもよいし、熱間押出を実施してもよい。
[加熱温度について]
熱間加工工程において、最終の熱間加工を実施する直前の鋼材の加熱温度は1000~1300℃である。たとえば、熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上げ圧延工程とを含む場合、粗圧延工程後であって仕上げ圧延工程前の加熱温度が1000~1300℃である。
[仕上げ温度について]
熱間加工工程において、最後の圧下後の鋼材温度を仕上げ温度(℃)と定義する。熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上げ圧延工程とを含む場合、仕上げ温度は、仕上げ圧延工程での仕上げ圧延機列で最後に圧下をしたスタンドの出側での鋼材温度(鋼材の表面温度)を意味する。仕上げ温度は800~1200℃である。仕上げ温度の好ましい下限は850℃であり、さらに好ましくは900℃である。仕上げ温度の好ましい上限は1150℃であり、さらに好ましくは1100℃である。
熱間加工工程の加熱温度を1000~1300℃とし、仕上げ温度を800~1200℃とすることにより、熱間加工中においてV析出物を十分に固溶することができる。そのため、後述の熱間加工後に冷却速度の条件を満たすことを前提として、式(1)が満たされる。
[冷却速度について]
熱間加工工程において、熱間加工後の冷却速度は、0.5~10.0℃/sである。ここで、熱間加工後の冷却速度は、次のとおり定義される。熱間加工完了後において、鋼材温度が、仕上げ温度から200℃に至るまでの平均の冷却速度を、熱間加工後の冷却速度(℃/s)と定義する。
熱間加工後の冷却速度が0.5℃/s未満であれば、フェライトが粒成長する時間が長くなり、結果として鋼材中のフェライト面積率が高くなりすぎる。さらに、冷却速度が遅すぎるため、V析出物が析出して、式(1)が満たされなくなる。
一方、熱間加工後の冷却速度が10.0℃/sを超えれば、組織中にパーライト、ベイナイト、マルテンサイトといった硬質組織の生成が促進され、フェライト面積率が低くなりすぎる。また、組織中のマルテンサイト率が5%を超える。熱間加工後の冷却速度が0.5~10.0℃/sであれば、フェライト面積率が10~90%となり、さらに、式(1)が満たされる。
以上の製造方法により冷間鍛造用鋼材を製造する。上記のとおり、冷間鍛造用鋼材の製造方法はこの例に限定されず、他の製造方法により本発明の冷間鍛造用鋼材を製造してもよい。
[冷間鍛造部品の製造方法]
上記の冷間鍛造用鋼材を用いた冷間鍛造部品の製造方法の一例を説明する。冷間鍛造部品の製造方法は、冷間鍛造工程、時効硬化処理工程、及び、切削加工工程を含む。以下、それぞれの工程について説明する。
[冷間鍛造工程]
冷間鍛造用鋼材を用いて、周知の方法で冷間鍛造を実施して、中間品を製造する。冷間鍛造用鋼材が棒線の場合、冷間鍛造工程前に、伸線加工工程を実施してもよい。伸線加工は、一次伸線のみであってもよいし、二次伸線等、複数回の伸線加工を実施してもよい。
[時効硬化処理工程]
中間品に対して、時効硬化処理工程を実施する。時効硬化処理工程での処理温度(℃)、処理温度での保持時間(分)は次のとおりである。
処理温度:200℃~Ac3
Ac3点(℃)は、式(2)で定義される。
Ac3=-230×√C+44.7×Si+104×V+31.5×Mo+910 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
時効硬化処理温度が200℃以上であれば、十分なV析出物が析出する。その結果、さらに高い耐久比が得られる。時効硬化処理温度が200℃以上であれば、十分なV析出物が析出する。その結果、さらに高い耐久比が得られる。時効硬化処理温度がAc3点以下であれば、V析出物の粗大化が抑制される。その結果、さらに高い耐久比が得られる。処理温度がAc3点を超えると完全にオーステナイトに変態し、Cの固溶限が増加するため、十分なV析出物が得られない。処理温度が200℃~Ac3点であれば、高い耐久比が得られる。
保持時間:30分以上
上記処理温度での保持時間を30分以上とする。保持時間が30分以上であれば、V析出物が十分に析出する。その結果、さらに高い耐久比が得られる。一方、保持時間が長くても時効硬化は生じるものの、製造コストが高くなる。したがって、保持時間の好ましい上限は180分である。
[切削加工工程]
時効硬化処理工程後の中間品に対して、切削加工を実施して、冷間鍛造部品を製造する。製造された冷間鍛造部品は、時効硬化処理により高い引張強度、疲労強度、及び、耐久比を有する。本発明による冷間鍛造用鋼材を利用することにより、従来の製造工程(熱間鍛造工程-切削加工工程)に代えて、上記の製造工程(冷間鍛造工程-時効硬化処理工程-切削加工工程)を実施できる。そのため、生産性を高めることができる。
以上のとおり、本発明による冷間鍛造用鋼材は、高い冷間鍛造性を有し、かつ、冷間鍛造後に時効硬化処理された場合、高い疲労強度及び高い耐久比が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
種々の冷間鍛造用鋼材を製造して、冷間鍛造性と、時効硬化処理後の耐久比とを評価した。
表1に示す化学組成を有する試験番号1~試験番号44の溶鋼を真空溶解により製造した。溶鋼を用いて150kgのインゴットを製造した。
Figure 0007299475000001
なお不純物中のCu、Ni、Moの含有量の測定値が0.01%未満の場合は、非含有と同等の性能となるという観点から「-」と表記した。
製造されたインゴットに対して、熱間加工を模擬した熱間鍛造を実施して、直径42mm(φ42)の丸棒鍛伸材を製造した。熱間鍛造における加熱温度(℃)及び仕上げ温度(℃)は、表2に示すとおりであった。
Figure 0007299475000002
[ビッカース硬さ試験]
各試験番号の丸棒鍛伸材の中心部から試験片を採取した。採取された試験片を用いて、JIS Z2244(2013)に準拠したビッカース硬さ試験を実施した。試験力は9.8Nとした。測定箇所は、丸棒鍛伸材の中心付近の任意の3点とした。測定された3点の値の平均値を、その試験番号の硬さ(Hv)とした。得られたビッカース硬さ(Hv)を表2に示す。
[冷間鍛造用鋼材の評価試験]
[ミクロ組織観察]
各試験番号の丸棒鍛伸材の中心部から試験片を採取した。試験片を樹脂埋めした後、試験片の面のうち、丸棒鍛伸材の軸方向に対する垂直な面を観察面として、機械研磨を実施した。機械研磨された観察面をナイタルで腐食してミクロ組織を観察し、ミクロ組織(フェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト等)を特定した。さらに、上述の方法で、フェライトの面積率(%)を求めた。得られたフェライトの面積率(%)を表2に合わせて示す。
表2中の「ミクロ組織」中の「F」はフェライト、「P」はパーライト、「B」はベイナイト及び「M」はマルテンサイトを示す。表2中の「ミクロ組織」中の「F%」は、観察したミクロ組織におけるフェライトの面積率(%)を意味する。
[V析出量測定]
丸棒鍛伸材から10mm立方の抽出残渣試験片を採取した。抽出残渣試験片を用いて、上記の方法により、抽出残渣によるV析出量(質量%)を求めた。
[冷間鍛造性評価試験]
各試験番号の丸棒鍛伸材から、直径14mm、高さ(長さ)21mm(φ14×21)の円柱状試験片を複数採取した。円柱試験片の中心軸は、丸棒の中心軸と同軸であった。円柱状試験片を用いて、室温(25℃)での圧縮試験(冷間鍛造)による冷間鍛造性評価を実施した。
具体的には、式(3)で定義される加工率が70%(70%加工時)となるまで圧縮試験を実施して、試験後の円柱試験片のき裂の有無を目視で確認した。
加工率=(1-(加工後の円柱試験片の長さ/加工前の円柱試験片の長さ))×100
(3)
70%加工時のき裂の有無の確認を次のとおり実施した。各試験番号において5本の円柱試験片に対して5倍の拡大鏡を用いてき裂の有無を観察した。5本の円柱試験片いずれにおいても、微細な割れ(長さ0.5~1.0mm)が観察されなかった場合、き裂が発生しなかったと判断した。結果を表3に示す。
Figure 0007299475000003
さらに、圧縮試験中、加工率が50%の時(50%加工時)の鍛造荷重(ton)を測定した。結果を表3に示す。き裂が観察されず、かつ、荷重が35ton以下である場合、冷間鍛造性が高いと判断した。き裂が観察されるか、又は、荷重が35tonを超える場合、冷間鍛造性が低いと判断した。
[時効硬化処理模擬品を用いた評価試験]
各試験番号の丸棒鍛伸材を用いて、次の製造工程により、時効硬化処理模擬品を製造した。丸棒を直径36mmになるまでピーリング加工した。ピーリング加工後の丸棒に対して加工率20%の冷間鍛造を模擬した冷間引抜加工を実施して、直径32mmの丸棒を製造した。
直径32mmの丸棒に対して、時効硬化処理を実施した。いずれの試験番号においても、時効硬化処理温度を600℃とし、保持時間を60分とした。以上の工程により、時効硬化処理模擬品を製造した。
[耐久比測定試験]
[引張試験]
各試験番号の時効硬化処理模擬品の中心位置から、JIS Z2241(2011)に規定される14A号試験片を採取した。試験片の長手方向は時効硬化処理模擬品の長手方向であり、平行部の直径は6mm、標点距離は10mmであった。採取した試験片に対して、室温(25℃)で引張試験を実施して、引張強度(MPa)を求めた。得られた引張強度を表3に示す。
[小野式回転曲げ疲労試験]
各試験番号の時効硬化処理模擬品から、JIS Z2274(2011)に準拠した小野式回転曲げ疲労試験片を複数採取した。小野式回転曲げ疲労試験片の中心軸は、時効硬化処理模擬品の中心軸と同軸であった。上記の小野式回転曲げ疲労試験片を用いて、室温、大気雰囲気中にて、JIS Z2274(2011)に準拠した小野式回転曲げ疲労試験を実施した。回転数を3000rpmとし、応力負荷繰返し回数が107サイクル後において破断しなかった最大応力を疲労強度(MPa)とした。
得られた引張強度及び疲労強度から、耐久比(=疲労強度/引張強度)を求めた。得られた耐久比を表3に示す。耐久比は0.55以上を合格とした。
[ビッカース硬さ試験]
時効硬化処理後の丸棒試験片の中心軸付近の任意の3点で、JIS Z2244(2013)に準拠したビッカース硬さ試験を実施した。試験力は9.8Nとした。測定点は3点とし、その平均値を、対応する試験番号の時効硬化処理模擬品のビッカース硬さ(Hv)と定義した。得られたビッカース硬さを表3に示す。
[試験結果]
表3に試験結果を示す。表1~表3を参照して、試験番号1~5、8、9、11、12、14、15、17~20、23~26、28~31、及び40~44の化学組成は本発明の範囲内であり、さらに、ミクロ組織はFとP及び/又はBとであり、ミクロ組織中のフェライトの面積率は10~90%であった。さらに、fnが0.50以下であり、式(1)を満たした。その結果、冷間鍛造性評価試験において、70%加工時にき裂が観察されず、50%加工時の荷重も35ton以下であり、優れた冷間鍛造性を示した。さらに、時効硬化処理後の時効硬化処理模擬品において、耐久比はいずれも0.55以上と高く、疲労強度が高かった。
さらに、時効硬化処理後の硬さは、時効硬化処理前(熱間鍛造後)の硬さと比較して顕著に高くなった。したがって、時効硬化処理により鋼材の硬さが上昇した。
一方、試験番号6、7、10、13、16、21、22、27及び32~39では、所望の冷間鍛造性又は疲労強度が得られなかった。
試験番号6では、C含有量が本発明で規定するC含有量の上限を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が37tonと高く、70%加工において、き裂が確認され、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
試験番号7では、C含有量が本発明で規定するC含有量の下限未満であった。そのため、フェライトの面積率が90%を超えた。さらに、目標とする冷間鍛造性は得られたものの、耐久比が0.48と低く、目標とする疲労強度が得られなかった。
試験番号10では、Si含有量が本発明で規定するSi含有量の上限を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が36tonと高く、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
試験番号13では、Mn含有量が本発明で規定するMn含有量の上限を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が38tonと高く、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
試験番号16では、S含有量が本発明で規定するS含有量の上限を超えた。そのため、70%加工において、き裂が確認され、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
試験番号21では、V含有量が本発明で規定するV含有量の上限を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が39tonと高く、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
試験番号22では、V含有量が本発明で規定するV含有量の下限未満であった。そのため、目標とする冷間鍛造性は得られたものの、耐久比が0.48と低く、目標とする疲労強度が得られなかった。
試験番号27では、Cr含有量が本発明で規定するCr含有量の上限を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が37tonと高く、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
試験番号32では、化学組成は本発明の範囲内であるものの、fn値が0.50を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が36tonと高く、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。熱間鍛造の仕上げ温度が低かったためと考えられる。
試験番号33では、Mn含有量が低すぎた。その結果、目標とする冷間鍛造性は得られたものの、耐久比が0.54と低く、目標とする疲労強度が得られなかった。
試験番号34では、化学組成は本発明の範囲内であるものの、フェライトの面積率が10%未満であった。そのため、目標とする冷間鍛造性は得られたものの、耐久比が0.51と低く、目標とする疲労強度が得られなかった。冷却速度が速すぎたためと考えられる。
試験番号35では、化学組成は本発明の範囲内であるものの、フェライトの面積率が90%を超えた。そのため、目標とする冷間鍛造性は得られたものの、耐久比が0.49と低く、目標とする疲労強度が得られなかった。冷却速度が遅すぎたためと考えられる。
試験番号36~試験番号39では、不純物中のCu、Ni及びM含有量が合計で0.05%を超えた。そのため、冷間鍛造時の50%加工での冷間鍛造荷重が36~39tonと高く、目標とする冷間鍛造性が得られなかった。
以上のとおり、本発明による冷間鍛造用鋼材は、冷間鍛造性に優れ、さらに高い疲労強度を有する。そのため、これまで「熱間鍛造-切削」工程で製造していた自動車用部品、産業機械用部品、建設機械用部品など機械構造用部品の素材として広く適用可能であり、部品のニアネットシェイプ化に貢献できる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.02~0.25%、
    Si:0.005~0.50%、
    Mn:0.70超~2.50%、
    P:0.035%以下、
    S:0.050%以下、
    Al:0.005~0.050%、
    Cr:0.02~0.70%、
    V:0.02~0.30%、
    N:0.003~0.030%、
    Nb:0~0.10%、
    B:0~0.005%、
    Ca:0~0.005%、
    Bi:0~0.10%、
    Pb:0~0.20%、及び、
    残部:Fe及び不純物、からなり、
    前記不純物中のCu、Ni及びMoの合計含有量が0.05質量%以下であり、前記不純物中のTi含有量が0.005質量%以下であり、
    式(1)を満たす化学組成を有し、
    ミクロ組織が、フェライトと、パーライト及び/又はベイナイトとを含有し、
    前記ミクロ組織における前記フェライトの面積率が10~90%であり、マルテンサイトの面積率は5%以下である、冷間鍛造用鋼材。
    [V析出物]/[V含有量]≦0.50 (1)
    ここで、式(1)中の[V析出物]はV析出物として析出したV含有量(質量%)を示し、[V含有量]は前記冷間鍛造用鋼材中のV含有量(質量%)を示す。
  2. 請求項1に記載の冷間鍛造用鋼材であって、
    前記化学組成は、
    Nb:0.01~0.10%、及び、
    B:0.001~0.005%、
    からなる群から選択される1種以上を含有する、
    冷間鍛造用鋼材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の冷間鍛造用鋼材であって、
    前記化学組成は、
    Ca:0.001~0.005%、
    Bi:0.01~0.10%、及び、
    Pb:0.02~0.20%、
    からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、
    冷間鍛造用鋼材。
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