JP7298325B2 - フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
フィルムおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7298325B2 JP7298325B2 JP2019111720A JP2019111720A JP7298325B2 JP 7298325 B2 JP7298325 B2 JP 7298325B2 JP 2019111720 A JP2019111720 A JP 2019111720A JP 2019111720 A JP2019111720 A JP 2019111720A JP 7298325 B2 JP7298325 B2 JP 7298325B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- less
- weight
- light
- polyester resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
前記粘着テープには、単に液晶表示パネルを固定するだけでなく、液晶表示装置の外観を良くするとともに、バックライトからの光が集積回路(IC)へ漏れることによる液晶表示誤動作を防止することを目的とされており、高い遮光性が求められている。
前記粘着テープに高い遮光性を付与したものとして、安価で機械特性に優れるポリエステルなどの樹脂に、カーボンブラックをはじめとした黒色顔料を練りこんだものが代表として挙げられ、さらに耐久性を付与する検討もなされている(特許文献1、2)。
[1]黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも一方のフィルム表面(A面)において光学濃度が6.0を超え、光沢度が50%以上、SPc(2.5nm)が400個/0.2mm2以上であるフィルム。
[2]前記フィルム表面(A面)のSPc(50.0nm)が20個/0.2mm2以下である[1]に記載のフィルム。
[3]前記フィルム表面(A面)の表面粗さSRaが100nm以下である[1]または[2]に記載のフィルム。
[4]前記フィルム表面(A面)のL値が16以下である[1]~[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5]前記フィルムが単層構成である[1]~[4]のいずれかに記載のフィルム。
[6]前記フィルムを構成する樹脂に対する、結晶核剤の含有量が0.05重量%以下である[1]~[5]のいずれかに記載のフィルム。
[7]前記フィルムを構成する樹脂がポリエステル成分を主成分とするものである[1]~[6]のいずれかに記載のフィルム。
[8]前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分を2種類以上含んでなり、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分のしめる割合が0.1重量%~5.0重量%である[7]に記載のフィルム。
[9]電子機器の遮光部材として用いられる[1]~[8]のいずれかに記載のフィルム。
[10]黒色顔料を含有する樹脂を溶融押出し、冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムをフィルムの走行方向に延伸した後、延伸温度を112℃~150℃として走行方向とは垂直な方向に延伸して二軸延伸フィルムを得る工程と、二軸延伸フィルムを200℃以上で7秒以上熱処理する工程を含むフィルムの製造方法。
本発明のフィルムの製造方法について、例えば以下に示した工程によって製造することが好ましい。ここでは、フィルムを構成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いた例を挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
まず、ポリエステルフィルムを構成する樹脂の製造方法は、以下の方法で製造することができる。
[物性の測定法]
(1)厚み(μm)
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST-201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を透過光顕微鏡で観察し、厚みを測定した。
光学濃度計は、XRite361T(日本平板機械製)を用い、試料に垂直透過光束を照射して、試料がない状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光学濃度6.0以上は測定の検出上限値である。
JIS-Z-8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV-5Dを用いて、フィルム両面(I面/II面)について60°鏡面光沢度を、それぞれフィルム幅方向に50mmおきに9点測定した。その平均値を光沢度とした。表には、I面/II面の光沢度のうち高い値を示した。
フィルムの表面を3次元表面粗さ計ET4000AK(小坂研究所社製)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、SPc(2.5nm)は、フィルム表面0.2mm2あたりの2.5nmを超える突起高さを持つ表面突起個数、SPc(50.0nm)は、フィルム表面0.2mm2あたりの50.0nmを超える突起高さを持つ表面突起個数をカウントしたものである。
針径 2μmR
針圧 10mg
測定長 500μm
縦倍率 20000倍
CUT OFF 250μm
測定速度 100μm/s
測定間隔 5μm
記録本数 80本
測定面積 0.2mm2。
フィルムの表面を3次元表面粗さ計ET4000AK(小坂研究所社製)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、表面粗さ(SRa)(単位:nm)は、粗さ曲面の高さと粗さ曲面の中心面の高さの差をとり、その絶対値の平均値を表したものである。
針径 2μmR
針圧 10mg
測定長 500μm
縦倍率 20000倍
CUT OFF 250μm
測定速度 100μm/s
測定間隔 5μm
記録本数 80本
測定面積 0.2mm2。
分光式色差計(日本電色工業製ZE-2000)を用いて、フィルムのL値を反射法により測定した。測定は、C光源、視野角2°、反射測定モード、試料測定径を28mmφにて測定した。標準合わせは、付属の標準白色板(上述の測定方法におけるX値、Y値、Z値が、93.11、95.11、112.05)を用いた。
フィルム片5mgを、示差熱分析装置(TAインスツルメント製(型番Q5000IR)に設置し、空気中、2℃/分の昇温速度にて室温から1000℃まで昇温した。その時の550℃から900℃の間での重量減少(重量%)を黒色顔料の減量として解析した。
暗室にて、スマートフォン(iphone6s Model:A1688)のカメラライトをフィルムに接触させ、ライトを接触させていない方からフィルムを見たときに、(2)の方法で測定される光学濃度とともに以下のように定義し、◎を合格とし、×を不合格とした。
光学濃度が6.0を超え、光が見えない場合:◎
光学濃度が6.0以下の場合:×。
(3)で測定した光沢度により、フィルム表面外観の意匠性を以下のように定義し、◎、〇、△を合格とした。
光沢度が60%以上:◎
光沢度が53%以上60%未満:〇
光沢度が50%以上53%未満:△
光沢度が50%未満:×。
(樹脂の製造方法)
1.ポリエチレンテレフタレート(PET)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール57.5重量部、酢酸マグネシウム2水和物0.03重量部、三酸化アンチモン0 .03重量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物を撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005重量部をエチレングリコール0.5重量部に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.65、末端カルボキシル基量が34当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル82.5重量部とイソフタル酸ジメチル17.5重量部を用いた以外は前記1.項のポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、イソフタル酸(IPA)が17.5mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート80重量%と、一次粒径18nmのファーネス法によって製造されたカーボンブラック(CB-1)20重量%を、ベントした280℃の押出機内で溶融混練し、CBマスターバッチ1を作製した。
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート98.0重量%と、一次粒径2.6nmのシリカ粒子2.0重量%をベントした280℃の押出機内で溶融混練し、シリカ粒子マスターバッチを作製した。
原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、以下の手順でフィルムとした。
・PET:61.5重量%
・PET/I:12重量%
・CB-MB:25重量%
・Si-MB:1.5重量%
上記原料チップを、回転式真空乾燥機を用いて100ppmの減圧下にて110℃で10時間乾燥した後、押出機に供給し280℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き27μmのフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを予熱ロールにて76℃に予熱後、ラジエーションヒーターを用いて86℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.2倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してオーブン中にて雰囲気温度120℃で予熱し、引き続き連続的に130℃の延伸ゾーンで幅方向に3.8倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き230℃の加熱ゾーンで9秒間熱処理を実施後、230℃から155℃まで冷却しながら幅方向に向かい合うクリップの間隔を縮めることで7.1%の弛緩処理を施した。その後オーブンにて65℃まで冷却後フィルム幅方向両端部を把持しているクリップを離間することでオーブンからフィルムを取り出し、幅方向両端部を切断除去し、搬送ロールにて搬送後に巻き取り、フィルムの厚さが25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
表1に記載すること以外は、実施例1と同様にして、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
Claims (7)
- 黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも一方のフィルム表面(A面)において光学濃度が6.0を超え、光沢度が54.3%以上、SPc(2.5nm)が400個/0.2mm2以上であり、フィルムの厚みが1μm以上50μm以下であり、前記フィルムを構成する樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、前記フィルムを構成する樹脂に対する、結晶核剤の含有量が0.05重量%以下であるフィルム。
- 前記フィルム表面(A面)のSPc(50.0nm)が20個/0.2mm2以下である請求項1に記載のフィルム。
- 前記フィルム表面(A面)の表面粗さSRaが100nm以下である請求項1または2に記載のフィルム。
- 前記フィルム表面(A面)のL値が16以下である請求項1~3のいずれかに記載のフィルム。
- 前記フィルムが単層構成である請求項1~4のいずれかに記載のフィルム。
- 前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分を2種類以上含んでなり、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分のしめる割合が0.1重量%~5.0重量%である請求項1~5のいずれかに記載のフィルム。
- 電子機器の遮光部材として用いられる請求項1~6のいずれかに記載のフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019111720A JP7298325B2 (ja) | 2019-06-17 | 2019-06-17 | フィルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019111720A JP7298325B2 (ja) | 2019-06-17 | 2019-06-17 | フィルムおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020203973A JP2020203973A (ja) | 2020-12-24 |
JP7298325B2 true JP7298325B2 (ja) | 2023-06-27 |
Family
ID=73838237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019111720A Active JP7298325B2 (ja) | 2019-06-17 | 2019-06-17 | フィルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7298325B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013144781A (ja) | 2011-12-12 | 2013-07-25 | Toray Ind Inc | ポリエステルフィルムならびにそれを用いた太陽電池バックシートおよび太陽電池、それらの製造方法 |
JP2017115062A (ja) | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルム |
JP2018130950A (ja) | 2017-02-13 | 2018-08-23 | 東レ株式会社 | フィルムおよびその製造方法 |
JP2019056109A (ja) | 2017-09-21 | 2019-04-11 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0618072B2 (ja) * | 1987-04-16 | 1994-03-09 | 帝人株式会社 | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |
-
2019
- 2019-06-17 JP JP2019111720A patent/JP7298325B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013144781A (ja) | 2011-12-12 | 2013-07-25 | Toray Ind Inc | ポリエステルフィルムならびにそれを用いた太陽電池バックシートおよび太陽電池、それらの製造方法 |
JP2017115062A (ja) | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルム |
JP2018130950A (ja) | 2017-02-13 | 2018-08-23 | 東レ株式会社 | フィルムおよびその製造方法 |
JP2019056109A (ja) | 2017-09-21 | 2019-04-11 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020203973A (ja) | 2020-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5962648B2 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP5130620B2 (ja) | ディスプレイ用ポリエステルフィルム | |
JP5298414B2 (ja) | 遮光性ポリエステルフィルム | |
JP5640488B2 (ja) | 偏光板離型用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム | |
WO2007007882A1 (ja) | 積層フィルム | |
US8268215B2 (en) | Laminated film for reflection plate | |
JP2019056109A (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP2007161924A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2007030278A (ja) | 光学用二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2007031496A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2009203277A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2009202356A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP7298325B2 (ja) | フィルムおよびその製造方法 | |
JP2018130950A (ja) | フィルムおよびその製造方法 | |
KR20180048671A (ko) | 폴리에스테르 필름 | |
JP2008036823A (ja) | 積層フィルム | |
JP2005060449A (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP6210244B2 (ja) | 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム | |
JP2008195804A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2013108012A (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP2007161937A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2005349726A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2004107471A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2007031497A (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2007015315A (ja) | 積層フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220304 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221227 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230516 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230529 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7298325 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |