JP2018130950A - フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い遮光性を有しつつ、マット調、製膜安定性に優れた、シワの無い高品位を有するフィルムおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも片面のフィルムの表面粗さSRaが100〜150nmであり、フィルム幅方向の破断強度が200MPa以上であることを特徴とするフィルムを提供すること。【選択図】なし
Description
本発明は、高い遮光性を有し、マット調、製膜安定性に優れたフィルムおよびその製造方法に関するものである。
隠蔽性に優れるフィルムは、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラのレンズシャッターなどのシャッター羽根または絞り羽根や、カメラ付き携帯電話や車載モニターのレンズユニット内の固定絞りや、プロジェクターの光量調整モジュールの絞り羽根などの光学機器部品などに使用されているが、中でも、液晶表示部品として、スマートフォン等の携帯電子端末や、テレビなどの様々な製品に使用される用途が需要を帯びてきている。
前記液晶表示装置の代表的な構成としては、例えば、光源(バックライト)を備えた筐体に、導光板や反射板や光拡散シートやプリズムシート、または液晶表示パネルの搭載された構成がある。液晶表示パネルと筐体は粘着テープによって固定されている場合が多い。
前記粘着テープには、単に液晶表示パネルを固定するだけでなく、液晶表示装置の外観を良くするとともに、バックライトからの光が集積回路(IC)へ漏れることによる液晶表示誤動作を防止することを目的とされており、高い遮光性が求められている。
上記問題を解決するため、カーボンブラックを少量添加した遮光性を有するポリエステル樹脂フィルムが知られている(特許文献1参照)。
前記液晶表示装置の代表的な構成としては、例えば、光源(バックライト)を備えた筐体に、導光板や反射板や光拡散シートやプリズムシート、または液晶表示パネルの搭載された構成がある。液晶表示パネルと筐体は粘着テープによって固定されている場合が多い。
前記粘着テープには、単に液晶表示パネルを固定するだけでなく、液晶表示装置の外観を良くするとともに、バックライトからの光が集積回路(IC)へ漏れることによる液晶表示誤動作を防止することを目的とされており、高い遮光性が求められている。
上記問題を解決するため、カーボンブラックを少量添加した遮光性を有するポリエステル樹脂フィルムが知られている(特許文献1参照)。
また、基材フィルムにサンドブラスト加工を施し、表面を粗らす方法(特許文献2参照)が知られている。
近年、電子端末の小型化のために、薄膜でかつ高い遮光性を有するフィルムが求められる。しかし、薄膜化と遮光性向上の両目的達成ために、特許文献1に記載されているように、カーボンブラック含有率を増加すると、フィルムの結晶化速度増加により、フィルムの製膜性が悪化してしまう可能性がある。
また、易滑性やキズ防止などのフィルム加工性の観点から、フィルムの表面粗さがある程度以上あることが望まれる。特許文献2に記載されているように、表面粗さ達成のために炭酸カルシウム等の無機粒子をフィルムに配合すると、フィルムの結晶化速度増加により、フィルムの製膜性が悪化してしまう可能性がある。
マット調には優れるが、表面を削るために、フィルム表面に切り粉が発生し、フィルムを液晶表示装置に用いる際に品質を低下させてしまう危険がある
本発明が解決しようとする課題は、高い遮光性を有しつつ、マット調、製膜安定性に優れた、フィルムおよびその製造方法を提供することであり、具体的には、フィルムのシワの発生の少ない高品位を有するフィルムを提供することである。
マット調には優れるが、表面を削るために、フィルム表面に切り粉が発生し、フィルムを液晶表示装置に用いる際に品質を低下させてしまう危険がある
本発明が解決しようとする課題は、高い遮光性を有しつつ、マット調、製膜安定性に優れた、フィルムおよびその製造方法を提供することであり、具体的には、フィルムのシワの発生の少ない高品位を有するフィルムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
[1] 黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも片面のフィルムの表面粗さSRaが100〜150nmであり、フィルム幅方向の破断強度が200MPa以上であることを特徴とするフィルム。
[2]光学濃度が5.0以上であることを特徴とする[1]に記載のフィルム。
[3]前記黒色顔料は、前記表面粗さを形成するフィルムに対して、3〜30重量%含有することを特徴とする[1]または[2]に記載のフィルム。
[4]フィルムの厚みが5μm以上30μm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5]前記フィルムが遮光テープ基材に用いられることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のフィルム。
[6] 黒色顔料を含有する樹脂を溶融押出し、冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムを少なくともフィルムの走行方向もしくは走行方向と垂直な方向に一軸延伸して延伸フィルムを得た後、延伸フィルムを200℃以上樹脂の融点(Tm)以下で10秒以上40秒以下で熱処理し、熱処理温度より10℃〜100℃低い温度で走行方向と垂直な方向に10%以下の弛緩処理をしてなる[1]〜[5]のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
[1] 黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも片面のフィルムの表面粗さSRaが100〜150nmであり、フィルム幅方向の破断強度が200MPa以上であることを特徴とするフィルム。
[2]光学濃度が5.0以上であることを特徴とする[1]に記載のフィルム。
[3]前記黒色顔料は、前記表面粗さを形成するフィルムに対して、3〜30重量%含有することを特徴とする[1]または[2]に記載のフィルム。
[4]フィルムの厚みが5μm以上30μm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5]前記フィルムが遮光テープ基材に用いられることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のフィルム。
[6] 黒色顔料を含有する樹脂を溶融押出し、冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムを少なくともフィルムの走行方向もしくは走行方向と垂直な方向に一軸延伸して延伸フィルムを得た後、延伸フィルムを200℃以上樹脂の融点(Tm)以下で10秒以上40秒以下で熱処理し、熱処理温度より10℃〜100℃低い温度で走行方向と垂直な方向に10%以下の弛緩処理をしてなる[1]〜[5]のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
本発明によれば、高い遮光性、マット調、製膜安定性を有するシワの無い高品位を有するフィルムおよびその製造方法を提供できる。また、本発明のフィルムを用いることで、より薄いフィルムを製造することができ、薄型化の液晶表示装置の好適に適用することが可能となる。
本発明のフィルムに用いる樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を使用できるが、ポリエステル樹脂を使用することが、比較的安価で入手しやすく、黒色顔料の分散性に優れるため好ましい。
ポリエステル樹脂としては、たとえば酸性分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を用い、アルコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの芳香族グリコールを用いたものが挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、単独で用いてもよく、他の成分と共重合したものであってもよい。具体的には、コスト、特性からみて、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートが好適である。
ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のホモ重合体、およびこれらの共重合体が挙げられ、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は前記のホモ重合体および共重合体の中から1種類を選択して用いても良く、ホモ重合体同士、またはホモ重合体と共重合体をブレンドして用いても良い。
ここでポリエステル樹脂のホモ重合体としては、製膜性の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸が好ましく、中でも加工性が容易であることからポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、がより好ましく、製膜性により優れることからポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、ポリエステル樹脂の共重合体とは、ポリエステル樹脂全体の50mol%未満を異なるジカルボン酸成分とジオール成分のいずれか、または両方で構成される共重合体のことを示し、ホモ重合体とのブレンドを想定する場合は、対象のホモ重合体と同じ分子構造が全体の50mol%以上を構成する共重合体を用いることが好ましい。
ここでポリエステル樹脂の共重合体としては、重合適性や熱安定性、ホモ重合体との相溶性に優れる観点からジカルボン酸成分として、脂環族ジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が、ジオール成分としてはブタンジオール、エチレングリコール、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノールを共重成分として含むものが好ましく用いられ、これらは単独で用いても、必要に応じて組み合わせて用いても良い。中でも製膜性を向上させる観点からジカルボン酸成分としてイソフタル酸を共重合体成分として含むものや、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノールを共重合体成分として含むものがより好ましく用いられる。
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂において、共重合成分の比率は、全ポリエステル樹脂成分に対して0.5mol%以上、20mol%以下となるように前記の共重合体、およびホモ重合体同士、またはホモ重合体と共重合体のブレンド比を調整することが好ましく、2.0mol%以上であることがより好ましい。ポリエステル樹脂に共重合成分を導入することで、ポリエステルの結晶性を低下させることにより、後述する着色顔料を多量に含有しても、製膜性と耐光収縮性に優れたフィルムとすることが可能となる。
ここでいう共重合成分とは、ポリエステル樹脂全体の50mol%を超えて構成する重合体のジカルボン酸成分、およびジオール成分を第一成分としたとき、ポリエステル樹脂に50mol%未満含まれる第一成分以外のジカルボン酸成分、およびジオール成分を示す。尚、フィルムの共重合成分は、フィルムを溶媒抽出した後、プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)やカーボン核磁気共鳴分光法(13C−NMR)によって分析を行うことができる。
ポリエステル樹脂の共重合成分の比率が0.5mol%未満の場合、結晶性を抑えられずに製膜性が不足する場合がある。一方でポリエステル樹脂の共重合成分の比率が20mol%越える場合、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し過ぎて、かえって製膜性が低下する場合がある。つまり、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂において、共重合成分の比率を全ポリエステル樹脂成分に対して0.5mol%以上、20mol%以下とすることで、より優れた製膜性を有するフィルムとすることができる。
更には、前記の共重合成分として、全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸成分を0.5mol%以上20mol%以下、より好ましくは2.0mol%以上含む、または全ジオール成分に対してシクロヘキサンジメタノール成分を0.5mol%以上20mol%以下、より好ましくは2.0mol%以上含むことで、フィルムの製膜性を更に向上させることができるため、特に好ましい。
ここでポリエステル樹脂のホモ重合体としては、製膜性の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸が好ましく、中でも加工性が容易であることからポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、がより好ましく、製膜性により優れることからポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、ポリエステル樹脂の共重合体とは、ポリエステル樹脂全体の50mol%未満を異なるジカルボン酸成分とジオール成分のいずれか、または両方で構成される共重合体のことを示し、ホモ重合体とのブレンドを想定する場合は、対象のホモ重合体と同じ分子構造が全体の50mol%以上を構成する共重合体を用いることが好ましい。
ここでポリエステル樹脂の共重合体としては、重合適性や熱安定性、ホモ重合体との相溶性に優れる観点からジカルボン酸成分として、脂環族ジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が、ジオール成分としてはブタンジオール、エチレングリコール、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノールを共重成分として含むものが好ましく用いられ、これらは単独で用いても、必要に応じて組み合わせて用いても良い。中でも製膜性を向上させる観点からジカルボン酸成分としてイソフタル酸を共重合体成分として含むものや、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノールを共重合体成分として含むものがより好ましく用いられる。
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂において、共重合成分の比率は、全ポリエステル樹脂成分に対して0.5mol%以上、20mol%以下となるように前記の共重合体、およびホモ重合体同士、またはホモ重合体と共重合体のブレンド比を調整することが好ましく、2.0mol%以上であることがより好ましい。ポリエステル樹脂に共重合成分を導入することで、ポリエステルの結晶性を低下させることにより、後述する着色顔料を多量に含有しても、製膜性と耐光収縮性に優れたフィルムとすることが可能となる。
ここでいう共重合成分とは、ポリエステル樹脂全体の50mol%を超えて構成する重合体のジカルボン酸成分、およびジオール成分を第一成分としたとき、ポリエステル樹脂に50mol%未満含まれる第一成分以外のジカルボン酸成分、およびジオール成分を示す。尚、フィルムの共重合成分は、フィルムを溶媒抽出した後、プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)やカーボン核磁気共鳴分光法(13C−NMR)によって分析を行うことができる。
ポリエステル樹脂の共重合成分の比率が0.5mol%未満の場合、結晶性を抑えられずに製膜性が不足する場合がある。一方でポリエステル樹脂の共重合成分の比率が20mol%越える場合、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し過ぎて、かえって製膜性が低下する場合がある。つまり、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂において、共重合成分の比率を全ポリエステル樹脂成分に対して0.5mol%以上、20mol%以下とすることで、より優れた製膜性を有するフィルムとすることができる。
更には、前記の共重合成分として、全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸成分を0.5mol%以上20mol%以下、より好ましくは2.0mol%以上含む、または全ジオール成分に対してシクロヘキサンジメタノール成分を0.5mol%以上20mol%以下、より好ましくは2.0mol%以上含むことで、フィルムの製膜性を更に向上させることができるため、特に好ましい。
本発明のフィルムには、必要に応じて各種添加物をフィルム全体に対して、後述する黒色顔料を除いて、2.0重量%以下含有することができる。好ましくは1.0重量%以下、さらに好ましくは0.50重量%以下で添加してもよい。添加物としては、各種無機、有機粒子を用いることができ、その粒子形状も、真球状粒子、凝集状粒子、燐片状粒子、数珠状粒子など各種形状のものを使用できる。有機粒子として、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、フッ素樹脂、イミド樹脂などの熱可塑性樹脂から成るものも使用できる。各種添加物が2.0重量%を超えると、フィルムの結晶化が進み過ぎてしまうことでフィルムが脆化し、破れなどにより製膜性が悪化する場合がある。
本発明のフィルムは二軸配向フィルムであることが機械強度の向上、熱安定性の向上、耐薬品性の向上、電気特性の向上など、フィルムの機能として必要な主要特性が発現されるため好ましい。ここで言う「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸配向フィルムは、一般に、未延伸状態のシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5〜5.0倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了させることにより得ることができる。なお、長手方向と幅方向の延伸は、それぞれ個別に順次実施するいわゆる逐次二軸延伸法であっても、同時に実施する同時二軸延伸法であってもよい。
本発明のフィルムは二軸配向フィルムであることが機械強度の向上、熱安定性の向上、耐薬品性の向上、電気特性の向上など、フィルムの機能として必要な主要特性が発現されるため好ましい。ここで言う「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸配向フィルムは、一般に、未延伸状態のシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5〜5.0倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了させることにより得ることができる。なお、長手方向と幅方向の延伸は、それぞれ個別に順次実施するいわゆる逐次二軸延伸法であっても、同時に実施する同時二軸延伸法であってもよい。
本発明のフィルムは、黒色顔料を含有する必要がある。こうすることでフィルムに高い遮光性を付与することができる。また、黒色顔料を含有するフィルムは、遮光テープとして用いられる電子機器のデザイン性の観点から好ましく用いられる。高い遮光性とは、光学濃度が5.0以上を指標とするものであり、本発明では、評価方法に後述するスマートフォンのカメラライトをフィルムに接触させたときの光の漏れ具合で判断する。光学濃度が5.0以下であると、フィルムをテープやカメラなどの遮光部材に用いたときに遮光性が十分でなく、光漏れなどの悪影響を引き起こす場合がある。光学濃度が5.0以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましい。
黒色顔料としては、例えばカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブテン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等の黒色顔料を、単独または2種以上組合せ使用することができ、なかでも、安価で遮光性及び前記樹脂への分散性に優れるカーボンブラックを使用することが好ましい。
黒色顔料としては、例えばカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブテン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等の黒色顔料を、単独または2種以上組合せ使用することができ、なかでも、安価で遮光性及び前記樹脂への分散性に優れるカーボンブラックを使用することが好ましい。
本発明のフィルムは、少なくとも片面のフィルムの表面粗さSRaが100〜150nmであることが必要である。表面粗さが100nm未満であると表面が平滑すぎるため、マット調が不十分となる。また、表面粗さが100nm未満であると、フィルムを製造するときの製膜速度を速めると、易滑性が十分ではなく、フィルムを巻き取ったときにシワが発生する場合があり、製膜安定性を阻害する。フィルムの表面粗さSRaが100nm以上であると、フィルムの光沢度を低く抑えられ、カメラのシャッターの固定絞りの内周端面やシャッター羽根の端面に用いられた場合は、該端面が光の光路上に位置するため、レンズユニット内の不要な光がその端面で反射し、撮像素子に入射してフレアやゴーストといった撮像不良を引き起こすことを抑制できる。なお、実質的には、後述するフィルムの製膜安定性を担保できる黒色顔料の含有量からすると、表面粗さSRaは150nm以下である。
また、表面粗さSRaが100〜150nmであることで、フィルムに塗剤や接着剤を塗布する場合、アンカー効果により、フィルム表面の凹凸に塗剤や接着剤が木の根のように入り込んで硬化し、剥がれにくくなる。
なお、フィルムの表面粗さSRaを上記範囲とする方法は特に限られるものではない。フィルムの表面粗さSRa100nm以上とするためには、粒子を大量に添加させたり、粒子径が大きなものを添加させる手段が挙げられるが、製膜安定性から、その適用にはある程度の制限があった。そして、かかる方法により、フィルムの表面粗さを100nm以上としたフィルムは、フィルム幅方向の破断強度を高くすることが困難であった。本発明では、フィルムの製造工程における条件(熱処理時間を従来に比べ長く付与すること)で達成しやすくなることを見出した。詳細は、製造方法において後述する。
また、表面粗さSRaが100〜150nmであることで、フィルムに塗剤や接着剤を塗布する場合、アンカー効果により、フィルム表面の凹凸に塗剤や接着剤が木の根のように入り込んで硬化し、剥がれにくくなる。
なお、フィルムの表面粗さSRaを上記範囲とする方法は特に限られるものではない。フィルムの表面粗さSRa100nm以上とするためには、粒子を大量に添加させたり、粒子径が大きなものを添加させる手段が挙げられるが、製膜安定性から、その適用にはある程度の制限があった。そして、かかる方法により、フィルムの表面粗さを100nm以上としたフィルムは、フィルム幅方向の破断強度を高くすることが困難であった。本発明では、フィルムの製造工程における条件(熱処理時間を従来に比べ長く付与すること)で達成しやすくなることを見出した。詳細は、製造方法において後述する。
本発明のフィルムは、フィルム幅方向の破断強度が200MPa以上であることが必要である。こうすることで、フィルム幅方向に剛性が生まれて、製膜中にシワが発生するのを抑制できる。破断強度が200MPa未満であると、シワが発生し、フィルムの品位を損ねるばかりか、導電性保護積層体や基材積層体とするときに、精密な寸法規定がある加工過程で不具合を招く場合がある。特に本発明のフィルム表面粗さSRaが100nm〜150nmであるフィルムは滑りやすく、剛性が不足するとフィルムが搬送中に滑ることでシワが発生しやすいため、フィルム幅方向の破断強度を200MPa以上とすることが好ましい。また、厚みが薄くなるとフィルムの剛性が不足することでシワが発生しやすいため、フィルム幅方向の破断強度を200MPa以上とすることが好ましい。
本発明のフィルムは、後述する方法で測定される、150℃にて30分の熱処理後のフィルム幅方向の寸法変化率が1.0%以上であることが好ましい。150℃にて30分の熱処理後のフィルム幅方向の寸法変化率は1.0〜3.0%であることが、寸法安定性、製膜性の観点から好ましい。
本発明のフィルムは、厚さが5〜30μmであることが好ましい。厚さが5μm未満であると、フィルムの強度が低下することで製膜性が悪化する場合がある。また厚さが30μmを超えると、遮光フィルムが使用される液晶表示装置等の薄型化及び小型化が難しくなる場合がある。
本発明のフィルムは、黒色顔料含有量が、3〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜10重量%であり、さらに好ましくは3〜8重量%である。この範囲にすることで、5μm〜30μmといった薄膜フィルムであっても高い遮光性を付与しつつ、製膜安定性を保持することができる。黒色顔料が3%未満だと、フィルムの遮光性が不足してしまう場合がある。また、黒色顔料が30重量%を超えると、フィルム結晶化速度が高くなるためにフィルムが脆化し、製膜性が悪化する場合がある。
本発明は高い遮光性とマット調、製膜安定性に優れ、シワの発生のない高品位なフィルムであることから、透明導電保護積層体、透明導電基材積層体、遮光テープ基材に好ましく用いられる。
(フィルムの製造方法)
本発明のフィルムの製造方法について、例えば以下に示した工程によって製造することが好ましい。ここでは、フィルムを構成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いた例を挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
まず、フィルムを構成する樹脂の製造方法は、以下の方法で製造することができる。
本発明のフィルムの製造方法について、例えば以下に示した工程によって製造することが好ましい。ここでは、フィルムを構成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いた例を挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
まず、フィルムを構成する樹脂の製造方法は、以下の方法で製造することができる。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体と、ジオールを周知の方法でエステル交換反応、もしくはエステル化反応させることによって得ることができる。従来公知の反応触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などを挙げることが出来る。好ましくは前記のポリエステル樹脂の製造方法が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては例えば、ゲルマニウム化合物を例に取ると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。
本発明のフィルムに黒色顔料を含有させる方法としては、黒色顔料を高濃度でマスターバッチ化した原料を作成し、押出機に投入する際に黒色顔料を含まないポリエステル樹脂で希望の濃度になるように希釈する方法(マスターバッチ法)が好ましく用いられ、具体的には、ポリエステル樹脂にカーボンブラックを1〜30重量%練りこみ、カーボンブラック含有のポリエステルチップを得た後、カーボンブラックを含有していないポリエステル樹脂と目的とする黒色顔料含有量となるようにブレンドすることができる。
その黒色顔料を含有した原料を押出ホッパー内に投入し、押出機内で270〜320℃で樹脂を溶融させ、スリット状のダイに押出し、表面温度20〜70℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化させ、未延伸フィルムとする。続いて未延伸フィルムを60〜120℃で長手方向に2.5倍〜3.5倍延伸して、一軸延伸フィルムを得る。その後一軸延伸フィルムをテンター内に導入し、90〜140℃で予熱した後、幅方向に2.0〜4.0倍延伸し、210〜240℃で熱処理し、二軸配向フィルムを得る。前述の熱処理前にさらに縦ないし横方向、または縦横両方向に再度延伸させて強度を高めることも可能である。フィルム幅方向の延伸倍率を4.0以上にすると、フィルム幅方向の熱収縮率が大きくなり過ぎて、製品とするときに、精密な寸法規定がある加工過程で不具合を招く場合がある。
上記のような二段階延伸方式を採らず、例えば同時二軸延伸方式により製造することも可能である。
上述した本発明のフィルムの表面粗さと破断強度を達成するためには、フィルムを二軸延伸した後に長時間の熱処理時間と弛緩処理を調整することで達成することが可能である。熱処理時間は、フィルムの熱結晶化を促進させるためのものであり、具体的には、フィルムの最終厚みによっても変わるが、フィルムの熱処理温度を200℃以上(より好ましくは樹脂の融点(Tm)℃以下)とし、熱処理時間を10〜40秒にすること、熱処理後に、熱処理温度より10℃〜100℃低い温度でフィルムの走行方向とは垂直な方向(幅方向)に0.5〜10%の弛緩を施すことで、フィルム表面の結晶化を促進させやすくなり、結果、フィルムの表面粗さSRaが100〜150nm、フィルム幅方向の破断強度を200MPa以上とすることができる。好ましくは、熱処理温度を220℃以上、(樹脂の融点(Tm)−10)℃以下で13〜30秒、熱処理後に、熱処理温度より30〜80℃低い温度でフィルム幅方向に1.0〜8.0%の弛緩を施すことが好ましい態様である。フィルムの熱処理温度が200℃に満たない、もしくは熱処理時間が10秒に満たない場合、フィルム表面の結晶成長が十分に進行せず、本発明のフィルムの表面粗さSRaを100nm以上にすることが難しくなる場合がある。フィルムの熱処理時間が40秒を超える場合、フィルムの結晶化が進行し過ぎてしまい、フィルムの脆化が起こり、製膜性が悪化する場合がある。フィルム幅方向の弛緩率が0.5%に満たない場合、フィルムの幅方向の配向が強過ぎることで、フィルムの寸法安定性が確保できず、フィルムを製品に用いるために加工するときに不具合が生じる。フィルム幅方向の弛緩率が10%を超える場合、フィルムの幅方向のポリマー配向が緩和しすぎることでフィルム幅方向の強度が低下し、本発明のフィルム幅方向の破断強度200MPa以上を達成できない場合がある。特に、厚みが20μm以下のフィルムについては、フィルム幅方向の弛緩率が1.0〜3.5%であることが、フィルム幅方向の破断強度200MPa以上を達成するために、より好ましい。
その黒色顔料を含有した原料を押出ホッパー内に投入し、押出機内で270〜320℃で樹脂を溶融させ、スリット状のダイに押出し、表面温度20〜70℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化させ、未延伸フィルムとする。続いて未延伸フィルムを60〜120℃で長手方向に2.5倍〜3.5倍延伸して、一軸延伸フィルムを得る。その後一軸延伸フィルムをテンター内に導入し、90〜140℃で予熱した後、幅方向に2.0〜4.0倍延伸し、210〜240℃で熱処理し、二軸配向フィルムを得る。前述の熱処理前にさらに縦ないし横方向、または縦横両方向に再度延伸させて強度を高めることも可能である。フィルム幅方向の延伸倍率を4.0以上にすると、フィルム幅方向の熱収縮率が大きくなり過ぎて、製品とするときに、精密な寸法規定がある加工過程で不具合を招く場合がある。
上記のような二段階延伸方式を採らず、例えば同時二軸延伸方式により製造することも可能である。
上述した本発明のフィルムの表面粗さと破断強度を達成するためには、フィルムを二軸延伸した後に長時間の熱処理時間と弛緩処理を調整することで達成することが可能である。熱処理時間は、フィルムの熱結晶化を促進させるためのものであり、具体的には、フィルムの最終厚みによっても変わるが、フィルムの熱処理温度を200℃以上(より好ましくは樹脂の融点(Tm)℃以下)とし、熱処理時間を10〜40秒にすること、熱処理後に、熱処理温度より10℃〜100℃低い温度でフィルムの走行方向とは垂直な方向(幅方向)に0.5〜10%の弛緩を施すことで、フィルム表面の結晶化を促進させやすくなり、結果、フィルムの表面粗さSRaが100〜150nm、フィルム幅方向の破断強度を200MPa以上とすることができる。好ましくは、熱処理温度を220℃以上、(樹脂の融点(Tm)−10)℃以下で13〜30秒、熱処理後に、熱処理温度より30〜80℃低い温度でフィルム幅方向に1.0〜8.0%の弛緩を施すことが好ましい態様である。フィルムの熱処理温度が200℃に満たない、もしくは熱処理時間が10秒に満たない場合、フィルム表面の結晶成長が十分に進行せず、本発明のフィルムの表面粗さSRaを100nm以上にすることが難しくなる場合がある。フィルムの熱処理時間が40秒を超える場合、フィルムの結晶化が進行し過ぎてしまい、フィルムの脆化が起こり、製膜性が悪化する場合がある。フィルム幅方向の弛緩率が0.5%に満たない場合、フィルムの幅方向の配向が強過ぎることで、フィルムの寸法安定性が確保できず、フィルムを製品に用いるために加工するときに不具合が生じる。フィルム幅方向の弛緩率が10%を超える場合、フィルムの幅方向のポリマー配向が緩和しすぎることでフィルム幅方向の強度が低下し、本発明のフィルム幅方向の破断強度200MPa以上を達成できない場合がある。特に、厚みが20μm以下のフィルムについては、フィルム幅方向の弛緩率が1.0〜3.5%であることが、フィルム幅方向の破断強度200MPa以上を達成するために、より好ましい。
本発明のフィルムが好適に用いることができる電子機器の遮光基材としては、携帯電話、スマートフォン、ディスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC、電子辞書、カーナビゲーション、GPSナビゲーション、デジタルカメラ、ビデオカメラなどの電子機器の内部に組み込まれて使用される遮光シートや遮光テープの基材が挙げられる。本発明のフィルムを用いることで、内部の光を電子機器の外部に漏れ出すことを防止しながら、より小型化、もしくは薄型化が可能となる。
本発明のフィルムは、遮光性とマット調に優れ、シワのない高品位であるため遮光テープに好適に用いることができる。本発明のフィルムに用いることができる遮光テープの構成としては、例えば、本発明のフィルムの片面、もしくは両面に粘着剤層を設けたものを挙げることができる。粘着剤層に用いられる粘着剤としては、特に限定されるものでは無いが、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが好ましく用いられる。さらに、本発明のフィルムの表面粗さであれば、アンカー効果により接着剤がフィルムから剥がれにくい。
[物性の測定法]
(1)黒色顔料含有量(重量%)
フィルム片5mgを、示差熱分析装置(TAインスツルメント製(型番Q5000IR)に設置し、空気中、2℃/分の昇温速度にて室温から1000℃まで昇温した。その時の550℃から900℃の間での重量減少を黒色顔料の減量として解析した。重量減量率0.3%以下は装置検出誤差範囲内である。
(1)黒色顔料含有量(重量%)
フィルム片5mgを、示差熱分析装置(TAインスツルメント製(型番Q5000IR)に設置し、空気中、2℃/分の昇温速度にて室温から1000℃まで昇温した。その時の550℃から900℃の間での重量減少を黒色顔料の減量として解析した。重量減量率0.3%以下は装置検出誤差範囲内である。
(2)厚み(μm)
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を透過光顕微鏡で観察し、厚みを測定した。
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を透過光顕微鏡で観察し、厚みを測定した。
(3)黒色顔料存在量
フィルム内部の黒色顔料の存在量を比較するため、黒色顔料存在量を規定し、以下の式にて導出するように定義した。
(黒色顔料存在量)=(黒色顔料含有量(重量%))×(フィルム厚み(μm))
(4)光学濃度
光学濃度計は、XRite361T(日本平板機械製)を用い、試料に垂直透過光束を照射して、試料がない状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光学濃度6.0以上は測定の検出上限値である。
フィルム内部の黒色顔料の存在量を比較するため、黒色顔料存在量を規定し、以下の式にて導出するように定義した。
(黒色顔料存在量)=(黒色顔料含有量(重量%))×(フィルム厚み(μm))
(4)光学濃度
光学濃度計は、XRite361T(日本平板機械製)を用い、試料に垂直透過光束を照射して、試料がない状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光学濃度6.0以上は測定の検出上限値である。
(5)遮光性評価
暗室にて、スマートフォン(iphone6s Model:A1688)のカメラライトをフィルムに接触させ、ライトを接触させていない方からフィルムを見たときに、光学濃度とともに以下のように定義し、◎、○、△を合格とした。
光が見えない場合:遮光性◎
光学濃度が6以上だが、光が見える場合:遮光性○
光学濃度が5以上6未満で、光が見える場合:遮光性△
光学濃度が5未満の場合:遮光性×
(6)フィルムの表面粗さ(SRa)
フィルムの表面を3次元表面粗さ計ET4000AK(小坂研究所社製)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、表面粗さ(SRa)(単位:nm)は、粗さ曲面の高さと粗さ曲面の中心面の高さの差をとり、その絶対値の平均値を表したものである。
針径 2μmR
針圧 10mg
測定長 500μm
縦倍率 20000倍
CUT OFF 250μm
測定速度 100μm/s
測定間隔 5μm
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25nm
基準面積 0.1mm2。
暗室にて、スマートフォン(iphone6s Model:A1688)のカメラライトをフィルムに接触させ、ライトを接触させていない方からフィルムを見たときに、光学濃度とともに以下のように定義し、◎、○、△を合格とした。
光が見えない場合:遮光性◎
光学濃度が6以上だが、光が見える場合:遮光性○
光学濃度が5以上6未満で、光が見える場合:遮光性△
光学濃度が5未満の場合:遮光性×
(6)フィルムの表面粗さ(SRa)
フィルムの表面を3次元表面粗さ計ET4000AK(小坂研究所社製)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、表面粗さ(SRa)(単位:nm)は、粗さ曲面の高さと粗さ曲面の中心面の高さの差をとり、その絶対値の平均値を表したものである。
針径 2μmR
針圧 10mg
測定長 500μm
縦倍率 20000倍
CUT OFF 250μm
測定速度 100μm/s
測定間隔 5μm
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25nm
基準面積 0.1mm2。
(7)マット調(光沢度)
JIS−Z−8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用いて、フィルム両面(I面/II面)について60°鏡面光沢度を、フィルム幅方向に50mmおきに9点測定した。その平均値を光沢度とした。
JIS−Z−8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用いて、フィルム両面(I面/II面)について60°鏡面光沢度を、フィルム幅方向に50mmおきに9点測定した。その平均値を光沢度とした。
(8)破断強度
得られたフィルムロールをフィルム幅方向に三分割し、それぞれのフィルムから幅10mm、長さ250mmの測定用試料をフィルムの長手方向が長さ方向、幅方向になるようにそれぞれ採取した。定速緊張形引張試験機にて原長(チャック間距離)100mm、引張り速度200mm/分で試料長さ方向に引張り、フィルムが破断したときの引張り荷重値を試料の試験前のフィルムの断面積で除した値(MPa)を算出した。なお測定は三分割したフィルムそれぞれについて5回ずつ行い、それぞれ(合計15水準)の平均値を破断強度とした。
なお、長手方向が特定できない場合は、フィルム面内の超音波伝導速度を、SONIC SHEET TESTER SST−4000(野村商事社製)にて測定し、最も速度の速い方向を長手方向とみなす。
得られたフィルムロールをフィルム幅方向に三分割し、それぞれのフィルムから幅10mm、長さ250mmの測定用試料をフィルムの長手方向が長さ方向、幅方向になるようにそれぞれ採取した。定速緊張形引張試験機にて原長(チャック間距離)100mm、引張り速度200mm/分で試料長さ方向に引張り、フィルムが破断したときの引張り荷重値を試料の試験前のフィルムの断面積で除した値(MPa)を算出した。なお測定は三分割したフィルムそれぞれについて5回ずつ行い、それぞれ(合計15水準)の平均値を破断強度とした。
なお、長手方向が特定できない場合は、フィルム面内の超音波伝導速度を、SONIC SHEET TESTER SST−4000(野村商事社製)にて測定し、最も速度の速い方向を長手方向とみなす。
(9)寸法変化率(150℃×30分)
フィルムから幅10mm、長さ100mmの試験片を採取し、試験片それぞれに3gの荷重をかけた状態で、150℃の熱風オーブン中で30分間加熱した。放冷後の試験片の長さを測定し、次式にて寸法変化率を求めた。
フィルムから幅10mm、長さ100mmの試験片を採取し、試験片それぞれに3gの荷重をかけた状態で、150℃の熱風オーブン中で30分間加熱した。放冷後の試験片の長さを測定し、次式にて寸法変化率を求めた。
寸法変化率(%)=(元の長さ−加熱後の長さ)/元の長さ×100
フィルム長手方向、幅方向それぞれについて5回の測定を行い、それぞれの平均値を熱収縮率とした。
フィルム長手方向、幅方向それぞれについて5回の測定を行い、それぞれの平均値を熱収縮率とした。
(10)製膜安定性(シワの発生の有無)
フィルムロールのシワの発生の有無を確認する。フィルムロールの表面から1cm以上の長さを有する欠陥をシワとし、フィルムロールの表面の発生箇所の数(個)を評価した。評価基準は以下のように定義し、○、△を合格とした。
シワの本数0本:○
シワの本数1本:△
シワの本数2本:×。
フィルムロールのシワの発生の有無を確認する。フィルムロールの表面から1cm以上の長さを有する欠陥をシワとし、フィルムロールの表面の発生箇所の数(個)を評価した。評価基準は以下のように定義し、○、△を合格とした。
シワの本数0本:○
シワの本数1本:△
シワの本数2本:×。
[フィルムの製造]
(樹脂の製造方法)
1.ポリエチレンテレフタレート(PET)
テレフタル酸ジメチル100重量%、エチレングリコール57.5重量%、酢酸マグネシウム2水和物0.03重量%、三酸化アンチモン0.03重量%を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物を撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005重量%をエチレングリコール0.5重量%に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.65、末端カルボキシル基量が34当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。
2.ポリエチレンテレフタレート−IPA共重合体1(PET/I)
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル82.5重量%とイソフタル酸ジメチル17.5重量%を混合した以外は前記1.項のポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、イソフタル酸(IPA)が17.5mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
3.CBマスターバッチ(CB−MB)
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート80重量%と、一次粒径18nmのファーネス法によって製造されたカーボンブラック(CB−1)20重量%を、ベントした280℃の押出機内で溶融混練し、CBマスターバッチを作製した。
4.シリカマスターバッチ(Si−MB)
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート98.0重量%と、一次粒径2.6nmのシリカ粒子2.0重量%をベントした280℃の押出機内で溶融混練し、SiO2マスターバッチを作製した。
(樹脂の製造方法)
1.ポリエチレンテレフタレート(PET)
テレフタル酸ジメチル100重量%、エチレングリコール57.5重量%、酢酸マグネシウム2水和物0.03重量%、三酸化アンチモン0.03重量%を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物を撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005重量%をエチレングリコール0.5重量%に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.65、末端カルボキシル基量が34当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。
2.ポリエチレンテレフタレート−IPA共重合体1(PET/I)
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル82.5重量%とイソフタル酸ジメチル17.5重量%を混合した以外は前記1.項のポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、イソフタル酸(IPA)が17.5mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
3.CBマスターバッチ(CB−MB)
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート80重量%と、一次粒径18nmのファーネス法によって製造されたカーボンブラック(CB−1)20重量%を、ベントした280℃の押出機内で溶融混練し、CBマスターバッチを作製した。
4.シリカマスターバッチ(Si−MB)
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート98.0重量%と、一次粒径2.6nmのシリカ粒子2.0重量%をベントした280℃の押出機内で溶融混練し、SiO2マスターバッチを作製した。
(実施例1)
原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、以下の手順でフィルムとした。
・PET:61.5重量%
・PET/I:12重量%
・CB−MB:25重量%
・Si−MB:1.5重量%
上記原料チップを、回転式真空乾燥機を用いて100ppmの減圧下にて110℃で10時間乾燥した後、押出機に供給し280℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き27μmのフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを予熱ロールにて85℃に予熱後、ラジエーションヒーターを用いて91℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.2倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してオーブン中にて雰囲気温度100℃で予熱し、引き続き連続的に110℃の延伸ゾーンで幅方向に3.6倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き225℃の加熱ゾーンで26秒間熱処理を実施後、225℃から155℃まで冷却しながら幅方向に向かい合うクリップの間隔を縮めることで7.2%の弛緩処理を施した。その後オーブンにて65℃まで冷却後フィルム幅方向両端部を把持しているクリップを離間することでオーブンからフィルムを取り出し、幅方向両端部を切断除去し、搬送ロールにて搬送後に巻き取り、フィルムの厚さが27μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。巻き取った二軸配向ポリエステルフィルムロールの表面からシワの有無を確認したところ、端部付近に1箇所確認されたが、遮光性、マット調に優れたフィルムを得ることができた。
原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、以下の手順でフィルムとした。
・PET:61.5重量%
・PET/I:12重量%
・CB−MB:25重量%
・Si−MB:1.5重量%
上記原料チップを、回転式真空乾燥機を用いて100ppmの減圧下にて110℃で10時間乾燥した後、押出機に供給し280℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き27μmのフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを予熱ロールにて85℃に予熱後、ラジエーションヒーターを用いて91℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.2倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してオーブン中にて雰囲気温度100℃で予熱し、引き続き連続的に110℃の延伸ゾーンで幅方向に3.6倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き225℃の加熱ゾーンで26秒間熱処理を実施後、225℃から155℃まで冷却しながら幅方向に向かい合うクリップの間隔を縮めることで7.2%の弛緩処理を施した。その後オーブンにて65℃まで冷却後フィルム幅方向両端部を把持しているクリップを離間することでオーブンからフィルムを取り出し、幅方向両端部を切断除去し、搬送ロールにて搬送後に巻き取り、フィルムの厚さが27μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。巻き取った二軸配向ポリエステルフィルムロールの表面からシワの有無を確認したところ、端部付近に1箇所確認されたが、遮光性、マット調に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例2)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例3)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例4)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例5)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。遮光性、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例6)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。225℃での熱処理時間が実施例3より短いためか、表面粗さSRaが若干低いものの、遮光性、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。225℃での熱処理時間が実施例3より短いためか、表面粗さSRaが若干低いものの、遮光性、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
(実施例7)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。暗室でのカメラライトを若干通してしまうものの、光学濃度は6.0を超え、製品として使用するには十分な遮光性であり、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。これは、黒色顔料存在量が十分高くないとき、黒色顔料が凝集するためか、カメラライトの光を完全に遮断できない場合があることを示す。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。暗室でのカメラライトを若干通してしまうものの、光学濃度は6.0を超え、製品として使用するには十分な遮光性であり、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。これは、黒色顔料存在量が十分高くないとき、黒色顔料が凝集するためか、カメラライトの光を完全に遮断できない場合があることを示す。
(実施例8)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。光学濃度が5.5と若干低いものの、製品として使用するには十分な遮光性であり、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。光学濃度が5.5と若干低いものの、製品として使用するには十分な遮光性であり、マット調、製膜安定性に優れたフィルムを得ることができた。
(比較例1)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例1のフィルムの表面粗さは100を下回ったことから、実施例1は、比較例1に比べ、熱処理時間延長により、フィルム表面の結晶成長が進んだことで、フィルム表面が粗くなったことがわかる。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例1のフィルムの表面粗さは100を下回ったことから、実施例1は、比較例1に比べ、熱処理時間延長により、フィルム表面の結晶成長が進んだことで、フィルム表面が粗くなったことがわかる。
(比較例2)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例2のフィルムの表面粗さは100を下回ったことから、実施例2は、比較例2に比べ、熱処理時間延長により、フィルム表面の結晶成長が進んだことで、フィルム表面が粗くなったことがわかる。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例2のフィルムの表面粗さは100を下回ったことから、実施例2は、比較例2に比べ、熱処理時間延長により、フィルム表面の結晶成長が進んだことで、フィルム表面が粗くなったことがわかる。
(比較例3)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例3のフィルムの表面粗さは100を下回ったことから、実施例3は、比較例3に比べ、熱処理時間延長により、フィルム表面の結晶成長が進んだことで、フィルム表面が粗くなったことがわかる。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例3のフィルムの表面粗さは100を下回ったことから、実施例3は、比較例3に比べ、熱処理時間延長により、フィルム表面の結晶成長が進んだことで、フィルム表面が粗くなったことがわかる。
(比較例4)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例4のフィルム幅方向の破断強度は200を下回っていることがわかる。比較例2に比べ、比較例5では熱処理時間が延長されたことで、フィルム結晶化が進行し、フィルム幅方向の破断強度が低下した。このとき、フィルム幅方向の弛緩率を低下させた実施例2では、フィルム幅方向の破断強度が200を超える。これは、フィルムの弛緩率を低下させたことにより、ポリマーの配向が保たれたためにフィルム幅方向の破断強度が上昇したことを示す。さらに、比較例4のフィルム製膜中に、ロールでのフィルム搬送中においてシワが目立ち、製膜性が悪化した。これは、フィルムの剛性が不足したためにロール搬送中にシワが入りやすくなったことを示す。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例4のフィルム幅方向の破断強度は200を下回っていることがわかる。比較例2に比べ、比較例5では熱処理時間が延長されたことで、フィルム結晶化が進行し、フィルム幅方向の破断強度が低下した。このとき、フィルム幅方向の弛緩率を低下させた実施例2では、フィルム幅方向の破断強度が200を超える。これは、フィルムの弛緩率を低下させたことにより、ポリマーの配向が保たれたためにフィルム幅方向の破断強度が上昇したことを示す。さらに、比較例4のフィルム製膜中に、ロールでのフィルム搬送中においてシワが目立ち、製膜性が悪化した。これは、フィルムの剛性が不足したためにロール搬送中にシワが入りやすくなったことを示す。
(比較例5)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例5のフィルム幅方向の破断強度は200を下回っていることがわかる。比較例3に比べ、比較例5では熱処理時間が延長されたことで、フィルム結晶化が進行し、フィルム幅方向の破断強度が低下した。このとき、フィルム幅方向の弛緩率を低下させた実施例3では、フィルム幅方向の破断強度が200を超える。これは、フィルムの弛緩率を低下させたことにより、ポリマーの配向が保たれたためにフィルム幅方向の破断強度が上昇したことを示す。さらに、比較例5のフィルム製膜中に、ロールでのフィルム搬送中においてシワが目立ち、製膜性が悪化した。これは、フィルムの剛性が不足したためにロール搬送中にシワが入りやすくなったことを示す。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。比較例5のフィルム幅方向の破断強度は200を下回っていることがわかる。比較例3に比べ、比較例5では熱処理時間が延長されたことで、フィルム結晶化が進行し、フィルム幅方向の破断強度が低下した。このとき、フィルム幅方向の弛緩率を低下させた実施例3では、フィルム幅方向の破断強度が200を超える。これは、フィルムの弛緩率を低下させたことにより、ポリマーの配向が保たれたためにフィルム幅方向の破断強度が上昇したことを示す。さらに、比較例5のフィルム製膜中に、ロールでのフィルム搬送中においてシワが目立ち、製膜性が悪化した。これは、フィルムの剛性が不足したためにロール搬送中にシワが入りやすくなったことを示す。
(比較例6)
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。原料チップの黒色顔料存在量が36と低く、光学濃度が5.0未満と遮光性も不十分であることがわかる。
表1〜表2に記載した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。原料チップの黒色顔料存在量が36と低く、光学濃度が5.0未満と遮光性も不十分であることがわかる。
Claims (6)
- 黒色顔料を含有するフィルムであって少なくとも片面のフィルムの表面粗さSRaが100〜150nmであり、フィルム幅方向の破断強度が200MPa以上であることを特徴とするフィルム。
- 光学濃度が5.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
- 前記黒色顔料が、フィルム全体に対して3〜30重量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
- フィルムの厚みが5μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
- 前記フィルムが遮光テープ基材に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
- 黒色顔料を含有する樹脂を溶融押出し、冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムを少なくともフィルムの走行方向もしくは走行方向と垂直な方向に一軸延伸して延伸フィルムを得た後、延伸フィルムを200℃以上樹脂の融点(Tm)以下で10秒以上40秒以下で熱処理し、熱処理温度より10℃〜100℃低い温度で走行方向と垂直な方向に10%以下の弛緩処理をしてなる請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017023773 | 2017-02-13 | ||
JP2017023773 | 2017-02-13 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017192341A Pending JP2018130950A (ja) | 2017-02-13 | 2017-10-02 | フィルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018130950A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020203973A (ja) * | 2019-06-17 | 2020-12-24 | 東レ株式会社 | フィルムおよびその製造方法 |
KR20220063766A (ko) | 2019-09-24 | 2022-05-17 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 폴리에스테르 필름 |
-
2017
- 2017-10-02 JP JP2017192341A patent/JP2018130950A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7298325B2 (ja) | 2019-06-17 | 2023-06-27 | 東レ株式会社 | フィルムおよびその製造方法 |
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