JP2008036823A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract


【課題】実用上十分な可視光領域の反射性能を備え、安定して製膜することができ、紫外線による劣化、特に黄変が抑制され、熱による変形が少なく、平面性に非常に優れた液晶ディスプレイや内照式電飾看板用の反射板基材として好適に用いることのできる、積層フィルムを提供する。
【解決手段】ボイド体積率が30〜80%の反射層Aと、これと接するボイド体積率0〜25%の支持層Bとからなる積層フィルムであって、該積層フィルムは反射率が90%以上であるとともに、山谷差が5〜50μmのナーリングを備えることを特徴とする積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は積層フィルムに関し、詳しくは、高い反射率を備える積層フィルムに関する。
液晶ディスプレイにおいて、ディスプレイの側面や背面からライトを当てるバックライト方式が採用されてきている。側面や背面からライトを当てる方式とも、表示面から見て背面に反射フィルムを設置する。この反射フィルムには光の高い反射性および高い拡散性やフィルムの平面性(以下、フラットネスと呼ぶことがある)が要求される。この要求は液晶画面サイズが大きくなればなる程、強くなってきている。
従来より、反射板用基材としてプラスチックフィルムが用いられているが、従来技術においては反射を担う層は中間に配置された反射層であった。
側面もしくは背面から当てるライトとして一般的には冷陰極管が用いられている。この冷陰極管から紫外線が発生するため、液晶ディスプレイの使用時間が長くなると、反射板として用いられているフィルムが紫外線によって劣化し、反射率が低下し、すなわち画面の輝度が低下する。
また近年、液晶ディスプレイの大画面化と高輝度化が強く求められ、光源から発せられる熱量が増大することとなり、熱によるフィルムの変形を抑制することや、フィルムのゆがみが少ないといった平面性に対する要求が強くなって来ている。これに対し輝度を上げるためにボイドをより多く含んだフィルムも検討されている。
特開昭63−62104号公報 特公平8−16175号公報 特開2004−50479号公報 特開2004−330727号公報 特開2005−125700号公報
しかし、これまでのフィルムでは、紫外線に対する耐性や熱による耐性が不足する他、フィルム内に存在するボイドが潰れたり変形することによってフィルム自体が大きく変形しやすく、平面性が不足したフィルムとなっていた。
本発明は、従来技術の問題点を解決することを課題とし、実用上十分な可視光領域の反射性能を備え、安定して製膜することができ、紫外線による劣化(黄変)が抑制され、熱による変形が少なく、平面性に優れた液晶ディスプレイの反射板基材として好適に用いることのできる、積層フィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、ボイド体積率が30〜80%の反射層Aと、これと接するボイド体積率0〜25%の支持層Bとからなる積層フィルムであって、該積層フィルムは反射率が90%以上であるとともに、山谷差が5〜50μmのナーリングを備えることを特徴とする積層フィルムである。
本発明によれば、実用上十分な可視光領域の反射性能を備え、安定して製膜することができ、紫外線による劣化(黄変)が抑制され、熱による変形が少なく、平面性に優れた液晶ディスプレイの反射板基材として好適に用いることのできる、積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、反射層Aと、この反射層Aと接してこれを支持する支持層Bとからなる。
[反射層A]
反射層Aはボイド体積率が30〜80%の層であり、この層は熱可塑性樹脂の組成物から構成される。ボイド体積率は、例えば、熱可塑性樹脂の組成物に含有される非相溶樹脂または無機粒子と熱可塑性樹脂との界面が延伸の際に親和性が低下してボイドが生じることによって生成される。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、好ましくはポリエステルを用いる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートといった公知のポリエステルを用いることができる。高い耐熱性を得る観点から、ナフタレンジカルボン酸成分を3〜20モル%、さらに好ましくは4〜18モル%、特に好ましくは8〜15モル%共重合成分として含有する共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ナフタレンジカルボン酸成分が3モル%未満であると製膜性が確保できないことがあり好ましくなく、20モル%を超えると耐熱性や製膜性が劣る可能性があり好ましくない。
ポリエステルとしては、アンチモンを実質的に含有しないものを用いることが好ましい。実質的に含有しないとは、ポリエステル中のアンチモン濃度が20ppm以下、好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下をいう。アンチモンを実質低に含有するポリエステルを用いると、フィルムに黒い筋状の異物が発生することががあり、フィルム外観を著しく損なってしまい好ましくない。
アンチモンを実質的に含有しないポリエステルを得るためには、ポリエステルをアンチモン化合物以外の触媒を用いて重合すればよい。このとき用いる触媒としては、マンガン(Mn)化合物、チタン(Ti)化合物、ゲルマニウム(Ge)化合物のいずれかを用いることが好ましい。チタン化合物としては、例えば、チタンテトラブトキシド、酢酸チタンを用いることができる。ゲルマニウム化合物としては、例えば、無定形酸化ゲルマニウム、微細な結晶性酸化ゲルマニウム、酸化ゲルマニウムをアルカリ金属またはアルカリ土類金属もしくはそれらの化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、酸化ゲルマニウムを水に溶解した溶液を用いることができる。
[非相溶樹脂]
熱可塑性樹脂の組成物としてポリエステルおよびポリエステルと非相溶な樹脂を組み合わせて用いる場合、非相溶樹脂としては、例えばポリオレフィン、ポリスチレン、具体的には、例えばポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリフルオロスチレン、セルロースアセテートセルロースプロピオネート、ポリクロロトリフルオロエチレンを用いることができ、特に好ましくはポリプロピレン、ポリメチルペンテンを用いる。これらポリプロピレン、ポリメチルペンテンは樹脂自体が高透明であるため、光の吸収を抑えて反射率を向上させることができ最適である。
非相溶樹脂を用いる場合、反射層Aのポリエステル組成物100重量%あたり、例えば5〜40重量%、好ましくは8〜30重量%、特に好ましくは10〜25重量%用いる。反射層Aに40重量%を超えて含有されると、フィルムが非常に破断し易くなり生産性が劣ることになり好ましくない。他方、ボイド生成物質としての含有量が5重量%未満であると十分なボイド形成が成されず、得られるフィルムが反射率の低いものとなったり、紫外線による耐性が劣ったものになってしまう。
[無機粒子]
熱可塑性樹脂の組成物としてポリエステルおよび無機粒子を組み合わせて用いる場合、無機粒子としては、平均粒径0.3〜5.0μm、好ましくは0.4〜4.0μm、さらに好ましくは0.5〜3.0μmの無機粒子を用いる。平均粒径が0.3μm未満であると凝集が生じ易く好ましくなく、他方5.0μmを超えるとフィルムの破断に繋がりかねないことから好ましくない。無機粒子は、反射層Aのポリエステル組成物100重量%あたり、例えば31〜60重量%、好ましくは35〜55重量%、さらに好ましくは37〜50重量%用いる。31重量%未満であると反射率が低下したり、紫外線に因る劣化が激しくなったすることから好ましくない。他方、60重量%を超えるとフィルムが破れやすくなることから好ましくない。
無機粒子としては、高い反射性能を得る観点から、白色顔料を用いることが好ましい。この白色顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素の粒子、好ましくは硫酸バリウムの粒子を用いる。この硫酸バリウムの粒子は、板状、球状いずれの形状をとる粒子であってもよい。硫酸バリウムの粒子を用いることで特に良好な反射率を得ることができる。
無機粒子として、酸化チタンの粒子を用いる場合、好ましくはルチル型酸化チタンの粒子を用いる。ルチル型酸化チタンの粒子を用いると、アナターゼ型酸化チタンの粒子を用いた場合よりも、光線を長時間ポリエステルフィルムに照射した後の黄変が少なく、色差の変化を抑制することができる。このルチル型酸化チタンの粒子は、例えばステアリン酸といった脂肪酸および/またはその誘導体を用いて表面処理してから用いると、分散性を向上させることができ、光沢度の特に高いフィルムを得ることができてさらに好ましい。
なお、ルチル型酸化チタンの粒子を用いる場合には、ポリエステルに添加する前に、精製プロセスを用いて、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精製プロセスの工業的手段としては、粉砕手段として、例えばジェットミル、ボールミルを適用することができ、分級手段として、例えば乾式もしくは湿式の遠心分離を適用することができる。これらの手段は2種以上を組み合わせて、段階的に精製しても良い。
無機粒子をポリエステルに含有させる方法としては、下記のいずれかの方法をとることが好ましい。
(ア)ポリエステル合成時のエステル交換反応もしくはエステル化反応終了前に添加、もしくは重縮合反応開始前に添加する方法。
(イ)ポリエステルに添加し、溶融混練する方法。
(ウ)上記(ア)または(イ)の方法において不活性粒子を多量添加したマスターペレットを製造し、これらと添加剤を含有しないポリエステルとを混練して所定量の添加物を含有させる方法。
(エ)上記(ウ)のマスターペレットをそのまま使用する方法。
なお、前記(ア)のポリエステル合成時に添加する方法を用いる場合には、酸化チタン粒子においてはグリコールに分散したスラリーとして反応系に添加することが好ましい。
特に、上記(ウ)または(エ)の方法をとることが好ましい。
本発明では、製膜時のフィルターとして線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μm、好ましくは平均目開き20〜50μmの不織布型フィルターを用い、溶融ポリマーを濾過することが好ましい。この濾過を行なうことにより、一般的には凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑えて、粗大異物の少ないフィルムを得ることができる。
[支持層B]
支持層Bには熱可塑性樹脂を用いることができる。反射層Aにポリエステルの組成物を用いる場合、反射層Aとの密着性を高くする観点から、支持層Bにもポリエステルを用いることが好ましい。支持層Bのポリエステルは反射層Aに用いたものと同じポリエステルであってもよく、異なるポリエステルであってもよい。この支持層Bのポリエステル組成物は、無機粒子を含有することが好ましく、好ましくは0.1〜25重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは2〜15重量%含有する。含有量が0.1重量%未満であると十分な滑り性を得ることができず好ましくなく、25重量%を超えると反射層Aを支える支持層Bとしての強度を保つことができず、フィルムの破断に繋がりかねないので好ましくない。
無機粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜5.0μm、好ましくは0.3〜4μm、さらに好ましくは0.5〜4μmである。平均粒径が0.1μm未満であると粒子の凝集が生じ易く好ましくなく、他方、5.0μmを超えると粗大突起となりフィルム破断に繋がることがあり好ましくない。
[ナーリング]
本発明の積層フィルムのナーリングは、積層フィルムの製造工程もしくは加工工程において付与することができる。このナーリングを設けると、積層フィルムをロールとして巻き取り保管する際や、断裁した積層フィルムを重ねて積載保管しておく際に、積層フィルムの平面性悪化を抑制し、良好な平面性を維持することができる。特にフィルム中に多くのボイド(空隙)を含んだ積層フィルムや、延伸性向上目的で共重合ポリエステルを用いた積層フィルムなど、変形しやすい積層フィルムの変形を抑制する効果が大きい。
ナーリングを積層フィルムに付与するためには、例えば、金属などからなるロール表面に凹凸加工を施したものを積層フィルムに押し付け、積層フィルム表面に山谷を形成する方法を用いることができる。凹凸加工を施されるとき、積層フィルムおよびロール表面は常温であってもよく、積層フィルムを構成するポリマーのガラス転移点(Tg)以上融点(Tm)以下の温度であってもよい。積層フィルム上に形成された山谷差が5〜50μm、好ましくは7〜40μm、さらに好ましくは9〜30μmになるように調整する。山谷差が5μm未満であるとフィルムを浮かせる効果が非常に少なく積層フィルムの平面性を悪化を抑制することができない。他方、50μmを超えると積層フィルムのハンドリング性が悪化してしまうことがある。
ナーリングを付与する位置は、積層フィルム端部から100mm以内、好ましくは80mm以内の位置であることが生産効率を高く維持する観点から好ましい。ナーリングの付与は積層フィルムを重ねて積載保管しておくうえで有効であるが、1枚ずつ使用する段階においては、変形を生じさせる要因がないため、ナーリングの設けられた部分を除去してナーリングのない積層フィルムとして使用することができる。
[添加剤]
本発明の積層フィルムには蛍光増白剤を配合してもよい。蛍光増白剤を配合する場合、反射層Aのポリエステル組成物または支持層Bのポリエステルに対する濃度として、例えば0.005〜0.2重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%の範囲で配合するといよい。0.005重量%未満であると350nm付近の波長域の反射率が十分でないので添加する意味が乏しく好ましくなく、0.2重量%を越えると蛍光増白剤の持つ特有の色が現れてしまうため好ましくない。
蛍光増白剤としては、例えばOB−1(イーストマン社製)、Uvitex−MD(チバガイギー社製)、JP−Conc(日本化学工業所製)を用いることができる。
反射層Aの厚み割合は、積層フィルムの反射層Aおよび支持層Bの合計厚み100に対して、好ましくは40〜90、さらに好ましくは50〜85である。40未満であると反射率が劣る可能性があり好ましくなく、90を超えると延伸性の観点から好ましくない。
本発明の白色反射フィルムには、その片面または両面に他の機能を付与するために、他の層をさらに積層した積層体としてもよい。ここでいう他の層としては、例えば透明なポリエステル樹脂層、金属薄膜やハードコート層、インク受容層を例示することができる。
[製造方法]
以下、本発明の積層フィルムを製造する方法の一例として、反射層A/支持層Bの構成をとるポリエステルからなる積層フィルムの製造方法を説明する。なお、延伸は、逐次2軸延伸法でも、同時2軸延伸法でもよいが、ここでは逐次2軸延伸法による製造方法を説明する。
まず、ダイから溶融したポリエステルをフィードブロックを用いた同時多層押出しによって、積層未延伸シートを製造する。すなわち反射層Aを構成するポリエステルの溶融物と支持層Bを構成するポリエステルの溶融物とを、フィードブロックを用いて反射層A/支持層Bとなるように積層し、ダイに展開して押出しを実施し、積層未延伸シートを得る。この時、フィードブロックで積層されたポリマーは積層された形態を維持している。
ダイより押出された積層未延伸シートは、キャスティングドラムで冷却固化され、積層未延伸フィルムとなる。この積層未延伸フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して、縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転移点(Tg)以上の温度、さらにはTg〜70℃高い温度とするのが好ましい。延伸倍率は、用途の要求特性にもよるが、縦方向については好ましくは2.2〜4.0倍、さらに好ましくは2.3〜3.9倍である。2.2倍未満とするとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.0倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなり好ましくない。
縦延伸後のフィルムは、続いて、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステルのガラス転移点(Tg)より高い温度から始める。そしてTgより(5〜70)℃高い温度まで昇温しながら行う。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.5〜4.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.9倍である。2.5倍未満であるとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.5倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる。
横延伸後のフィルムは両端を把持したまま(Tm−20〜100)℃で定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して熱収縮率を低下させるのがよい。熱処理が、これより高い温度であると積層フィルムの平面性が悪くなり、厚み斑が大きくなり好ましくない。また、熱処理温度が(Tm−80)℃より低いと熱収縮率が大きくなることがある。また、熱固定後、フィルム温度を常温に戻す過程で(Tm−20〜100)℃以下の領域の熱収縮量を調整するために、把持している積層フィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜1.5%、さらに好ましくは0.2〜1.2%、特に好ましくは0.3〜1.0%の速度ダウンを実施して、フィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすることによって縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率のフィルムを得ることもできる。
二軸延伸後の積層フィルムの厚みは、好ましくは25〜350μm、さらに好ましくは40〜320μm、特に好ましくは50〜300μmである。25μm未満であると反射率が低下して好ましくなく、350μmを超えるとこれ以上厚くしても反射率の上昇が望めないことから好ましくない。
このようにして得られる本発明の積層フィルムは、フラットネスが3mm以下とすることができ、紫外線による色相変化dE*が10以下とすることができる。また、85℃の熱収縮率を、直交する2方向ともに0.5%以下、さらに好ましくは0.4%以下、特に好ましくは0.3%以下とすることができる。そして、その少なくとも一方の表面の反射率が波長400〜700nmの平均反射率でみて90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは96%以上とすることができる。なお、平均反射率が90%未満であると十分な画面の輝度を得ることができないので好ましくない。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
(2)各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を薄膜切片にした後、光学顕微鏡を用いて観察撮影し、写真から各層の厚み比を測定し、フィルム全体の厚みから計算して、各層の厚みを求めた。
(3)反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%としたときの反射率を400〜700nmにわたって測定し、得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取った。フィルムの構成が反射層A/支持層Bの2層の場合、反射層A側から測定を行った。
(4)延伸性
縦方向2.5〜3.4倍、横方向3.5〜3.7倍に延伸して製膜し、安定に製膜できるか観察した。下記基準で評価した。
○:1時間以上安定に製膜できる
×:1時間以内に切断が発生し、安定な製膜ができない
(5)熱収縮率
85℃に設定されたオーブン中でフィルムを無緊張状態で30分間保持し、加熱処理前後の標点間距離を測定し、下記式により熱収縮率(85℃熱収縮率)を算出した。
熱収縮率(%)=((L−L)/L)×100
:熱処理前の標点間距離
L :熱処理後の標点間距離
(6)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20m/分で測定を行った。
(7)紫外線による劣化(耐光性の評価)
キセノンランプ照射(SUNTEST CPS+)にてパネル温度60℃、照射時間300時間にて前後の色変化をみた。フィルムの構成が反射層A/支持層Bの2層の場合、反射層A側から照射して測定を行った。
初期のフィルム色相(L1*、a1*、b1*)と照射後のフィルム色相(L2*、a2*、b2*)とを色差計(日本電飾製SZS−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM)にて測定し、下記式で表される色相変化dE*にて、下記の基準で評価した。
dE*={(L1*−L2*)2+(a1*−a2*)2+(b1*−b2*)21/2
○: dE*≦10
△:10<dE*≦15
×:15<dE*
(8)フラットネス(平面性の評価)
フィルムを30cm□に切り出し、平板上に置く。フィルムロール等から採取したサンプルにおいては巻癖カールを除去する。フィルムの平板からのの浮き上がり量(mm)を測定した。
(9)ボイド体積率
反射層Aのみを単離後、アントンパール社製振動式デジタル密度計DMA4500にて密度を求めた後、反射層Aのフィルムを溶融して密度を求め、下記式にて算出した。
ボイド体積率(%)=100−100×(溶融前の密度)/(溶融後の密度)
(10)ナーリング高さ
キーエンス社製プロファイルマイクロメーターVF−7500を用いてフィルムに付与した山谷差を測定し、5個の凹凸の平均値を用いた。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル132重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル23重量部(ポリエステルの酸成分に対して12モル%)、エチレングリコール96重量部、ジエチレングリコール3.0重量部、酢酸マンガン0.05重量部、酢酸リチウム0.012重量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.04重量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。このポリエステル樹脂を反射層A、支持層Bに用い、表1に示す不活性粒子を添加した。それぞれ285℃に加熱された2台の押出機に供給し、反射層Aポリマー、支持層Bポリマーを反射層Aと支持層BがA/Bとなるような2層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを記載された温度にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で表2の温度で熱固定を行い、表2に示す条件にて縦方向の弛緩、横方向の幅入れを行い、室温まで冷やして、160℃に加熱したナーリング付与ロールにてフィルム端部から20mmの位置に表2に示すナーリングを付与し、張力250N/m、接圧250N/mにて直径6インチの管にロール状態として200m/分の速度にて巻取り、1000mのフィルムロールを得た。ナーリング山谷差はナーリング付与ロールの接圧により調整した。得られたフィルムロールから採取したフィルムの評価結果は表2の通りであった。
Figure 2008036823
Figure 2008036823
[実施例2〜13]
表1に示す添加量、無機粒子、ポリエステルの酸成分量に変更し、表2に示す製膜条件にて、反射層A/支持層Bからなる積層フィルムを作製し、評価を行った。
[比較例1〜10]
条件を表1および2に記載のように変更する以外は実施例1と同様にして反射層A/支持層Bの積層フィルムもしくは単一の層のフィルムを作製して評価を行った。一部の比較例においては製膜時におけるフィルムの破断のため、サンプル採取できなかった。
本発明の積層フィルムは、光線の反射率が高く、紫外線に対する劣化が抑えられ、各種の反射板、中でも特に液晶ディスプレイの反射板、太陽電池のバックシート、内照式電飾看板の反射板に最適に用いることができる。なお、反射板として用いる場合には、ボイド率が高い面を反射面として用いることが好ましい。
他の用途としては、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカードなどの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材としても用いることができる。

Claims (2)

  1. ボイド体積率が30〜80%の反射層Aと、これと接するボイド体積率0〜25%の支持層Bとからなる積層フィルムであって、該積層フィルムは反射率が90%以上であるとともに、山谷差が5〜50μmのナーリングを備えることを特徴とする積層フィルム。
  2. 請求項1記載の積層フィルムのロール。
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