JP7297606B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、画像処理装置に関する。
3次元物体認識技術としてステレオカメラ技術がある。この技術は、異なる位置に配置した2台のカメラの画像の写り方の違いを利用して、三角法に基づき視差を検出し、その視差を用いて物体の奥行きや位置を検出する技術である。この技術を用いることにより、観察対象の位置を正確に検出することができる。車載用やロボット用などにおいて、3次元の物体を検出および認識するためにステレオカメラ技術が適用されている。ステレオカメラの2つのカメラの画像は所定の射影で変換(例えば、中心射影方式)され、画像の差分を視差として検出することで対象物までの距離を測定する。
一方で経時変化や温度変化などの要因によりカメラ検出画像が変化すると、それに伴い測距誤差が発生する。例えば、温度によるレンズの屈折変化やレンズ面間隔の変化に伴いカメラ検出画像が変化する。また、温度に伴いレンズ鏡筒が膨張/収縮し、レンズと画像センサ間の距離が変化すると、カメラ検出画像が拡大/縮小する。これらの要因により、距離誤差が発生すると、測定結果に基づく正確な制御(例えば車両制御、ロボット制御など)が困難となる。また、車載ステレオカメラであれば、ドライバーへの正確な情報提供に支障をきたす。
温度変化による測距誤差発生の課題に対し、下記特許文献1では、「ズーム及びフォーカス機能を有するステレオカメラを用いた3次元計測装置において、ズーム及びフォーカスが変化した場合でも精度のよい3次元計測を行うこと」を課題として、「ズーム及びフォーカスが可変な撮像手段を1つ以上含む複数の撮像手段と、ズーミング及びフォーカシングの制御手段と、複数の撮像手段が出力した撮像画像をステレオ画像処理し3次元情報を計測するステレオ画像処理部と、ステレオ画像処理を行うために必要なカメラ情報を格納するカメラ情報格納手段と、を有する3次元計測装置によって構成される。カメラ情報格納手段は各撮像手段のズームの状態及びフォーカスの状態に依存して変化するカメラ情報については、その状態に応じた複数のカメラ情報を持ち、ステレオ画像処理部が各撮像手段のズームの状態及びフォーカスの状態を取得して、カメラ情報格納部から対応するカメラ情報を取得し、ステレオ画像処理に用いる。」という技術を記載している。
下記特許文献2は、「LUTを用いて画像の歪みを補正する従来の方法よりも必要な記憶容量を少なく抑えつつ、温度変化に対応した歪み補正処理を行うこと」を課題として、「係数を変更すれば所定の温度範囲にわたって撮像画像中における歪み補正処理前の画像位置を理想位置へ変換できる多項式からなる歪み補正式の当該係数を、互いに異なる複数の特定温度ごとに、補正係数として補正係数記憶部に格納しておく。歪み補正処理部は、温度センサにより検知した温度に基づいて、その検知温度で撮像画像の歪み度合いを示す指標値(ずれ量)が最も小さくなる補正係数を補正係数記憶部から読み出し、読み出した補正係数を用いて上記歪み補正式により歪み補正処理を行う。」という技術を記載している。
特開2008-241491号公報 特開2012-147281号公報
従来の技術は、それぞれのレンズの温度を補正する観点から、温度変化に対する補正の変更頻度が多いので、処理が複雑化する課題がある。補正処理の変更頻度の課題については、上記特許文献には記載されておらず、そのためその課題に対する対策も開示されていない。例えば、特許文献1~2に記載の3次元計測装置は、温度によるカメラ検出画像の変化に対し、2つのカメラの温度に応じた画像処理を実施する。したがって、各カメラの温度が変化するたびに画像処理の変更が必要となる。画像処理の変更は制御までの時間の遅延を起こすので、最小限とすることが望まれる。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、画像処理装置のレンズの温度変化に対する処理部の変更頻度を低減することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、第1カメラの第1温度と第2カメラの第2温度との間の温度差を取得し、前記温度差が基準範囲内に収まっている場合は、第1処理の結果を出力し、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記第1処理の結果を出力することに代えてまたはこれとともに、前記第1処理とは異なる第2処理を実施する。
本発明に係る画像処理装置によれば、画像処理装置のレンズの温度変化に対する処理部の変更頻度を低減することができる。
実施形態1に係る画像処理装置10の構成例を示すブロック図である。 演算装置11の構成例を示すブロック図である。 実施形態1の温度差の影響を説明する図である。 カメラ間の温度差が変化した場合の測距誤差の例を示すグラフである。 従来技術に対する本発明の効果を説明するイメージ図である。 温度差が所定の温度範囲に収まっているか否かに基づき処理を変更する場合における演算装置11の構成例である。 実施形態2に係る画像処理装置10が備える演算装置11の構成例を示すブロック図である。 実施形態1に対する本実施形態の効果を説明するイメージ図である。 実施形態3に係る画像処理装置10が備える演算装置11の構成例を示すブロック図である。 実施形態3における温度変化に対する処理を示す。 実施形態4に係る画像処理装置10の構成例を示すブロック図である。 1例として車載用に用いた場合の2つのカメラ画像の合成画像を示す。 実施形態4における演算装置11の構成例を示すブロック図である。 実施形態5に係る画像処理装置10を含む構成の例を示すブロック図である。 実施形態5における演算装置11の構成例を示すブロック図である。 カメラ間の温度差がプラスになったときの検出距離とマイナスになったときの検出距離を示す図である。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る画像処理装置10の構成例を示すブロック図である。画像処理装置10は複数の画像を入力できるように構成されており、図1の例においては、ステレオカメラを構成するカメラ50(第1カメラ)およびカメラ60(第2カメラ)からそれぞれ画像を受信できるように接続されている。
カメラ50は、レンズ51(第1レンズ)と、画像センサ52(第1画像センサ)とを備えている。カメラ60は、レンズ61(第2レンズ)と、画像センサ62(第2画像センサ)とを備えている。カメラ50は、レンズ51を介して対象物等の像を画像センサ52により検出する。カメラ60は、レンズ61を介して対象物等の像を画像センサ62により検出する。
カメラ50は、温度センサ53(第1温度センサ)を備える。温度センサ53は、カメラ50に係る温度(第1温度)を検出する。カメラ60は、温度センサ63(第2温度センサ)を備える。温度センサ63は、カメラ60に係る温度(第2温度)を検出する。「カメラに係る温度」の意味は当業者が適宜定義可能であるが、例えばレンズの温度であってもよく、レンズ付近の温度であってもよく、画像センサの温度(とくにCMOS素子の温度)であってもよく、カメラのその他の構成要素の温度であってもよく、カメラ内の空間の温度であってもよい。温度センサ53と63は、カメラ外部の温度センサであってもよい。
画像処理装置10は公知のコンピュータとしての構成を有し、演算装置11と記憶装置12を備える。演算装置11は例えばマイクロプロセッサ等を備え、記憶装置12は例えば揮発性メモリまたは不揮発性メモリの少なくとも一方を備える。記憶装置12は、画像その他の情報を記憶することができ、例えば画像記憶手段として機能する。
図2は、演算装置11の構成例を示すブロック図である。演算装置11は、アフィン処理部20aと20b、輝度補正部21aと21b、画素補間部22aと22b、輝度情報生成部23aと23b、視差画像生成部24、距離算出部25、温度差取得部30、を備える。演算装置11は、カメラ50から画像P1(第1画像)を取得するとともに、カメラ60から画像P2(第2画像)を取得する。
アフィン処理部20aは、画像P1に対してアフィン処理を実施する。アフィン処理は例えば線形の座標変換処理であるが、非線形の演算を含むものであってもよい。このアフィン処理を行った結果として、アフィン処理部20aは画像P3(第3画像)を出力する。同様に、アフィン処理部20bは、画像P2に対してアフィン処理を実施して画像P4(第4画像)を取得する。アフィン処理部20aおよびアフィン処理部20bは、アフィン処理以外の歪変換処理を併せて実行するものであってもよい。例えば、レンズの射影方式がfsinθである場合には、ftanθへの射影変換を実施してもよい。ただし、射影変換後の画像の形式はftanθ以外であってもよい。
輝度補正部21aは、画像P3の各画素の輝度を補正する。例えば、カメラ50のゲインと画像P3内の各画素のゲインの違い、などに基づいて補正される。同様に、輝度補正部21bは、画像P4の各画素の輝度を補正する。
画素補間部22aは、画像P3に対してデモザイキング処理を実施する。例えば、RAW画像からカラー画像へ変換する。同様に、画素補間部22bは、画像P4に対してデモザイキング処理を実施する。
輝度情報生成部23aは、画像P3の輝度情報を生成する。輝度情報とは、各画素の輝度値を表す情報である。例えば、カラー画像の各画素の色値を、視差画像を生成するための輝度値に変換することにより、輝度情報を生成する。同様に輝度情報生成部23bは、画像P4の輝度情報を生成する。
視差画像生成部24は、画像P3および画像P4(またはこれらに基づいて生成された情報)に基づいて、2つの画像間の視差を算出する。距離算出部25は、算出した視差に基づき、画像に映っている対象物までの距離を算出する。
輝度補正部21aと輝度補正部21b、画素補間部22aと画素補間部22b、輝度情報生成部23aと輝度情報生成部23b、視差画像生成部24、の処理を考慮すると、距離算出部25は、画像P3と画像P4に基づき、画像内の物体までの距離を検出するということができる。距離の測定基準は当業者が任意に設計可能であるが、例えばカメラ50とカメラ60との間の位置関係に応じて定義される所定の距離基準点から、当該物体までの距離とすることができる。
温度差取得部30は、温度取得部30a(第1温度取得部)と温度取得部30b(第2温度取得部)を備える。温度取得部30aは、カメラ50に係る温度を温度センサ53から取得し、温度取得部30bは、カメラ60に係る温度を温度センサ63から取得する。温度差取得部30は、カメラ50に係る温度と、カメラ60に係る温度との間の温度差(カメラ間の温度差)を取得して出力する。
演算装置11は、温度差の絶対値が所定値(図2においてはα℃)以下の場合には、距離算出部25から出力された距離情報を制御処理部(図示せず)に出力する(通常処理と呼ぶ)。制御処理部は、距離算出部25から出力された距離情報を基に、車両やロボットなどを制御する。例えば、車両であれば衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止支援などを実施する。
演算装置11は、温度差の絶対値が所定値以上の場合には、距離情報の信頼性が低いと考えられるので、視差画像または距離を算出する際にエラーが発生した旨を示すエラー情報を制御処理部に出力する(エラー処理)。例えば車両であれば、エラー情報が出力された場合、制御処理を一時停止するとともに、インストルメントパネルなどを通してその情報をドライバーに通知する。その後、温度差の絶対値が所定値よりも小さくなった場合、通常処理に変更する。このような通知により、ドライバーの安全意識を向上し、安全運転を促す。例えば車載用やロボット用などにおいて、他の距離センサを併用している場合に画像処理装置10がエラー情報を出力したときは、画像処理装置10の距離情報による制御を停止し、他の距離センサの距離情報を用いて制御してもよい。本実施形態1では、カメラ間の温度差に応じて処理を変更することにより、測距誤差に伴う不適切な制御を回避することができる。
図3は、実施形態1の温度差の影響を説明する図である。カメラ間の温度差を検出する理由について、図3を説明する。図3左図は、レンズ51とレンズ61との間の温度差が発生した場合の状態を示し、図3右図は、レンズ51とレンズ61との間の温度差が無くなった場合の状態を示している。ここでは、レンズ51およびレンズ61を介し、画像センサ52および画像センサ62によって取得される画像に基づき、対象物100までの距離が検出されるものとする。
図3左図は、温度差がない状態(例えばカメラ50およびカメラ60が所定の基準温度にある状態)で測定したときにおける、レンズ51に入射する対象物100からの光線L1と、レンズ61に入射する対象物100からの光線L2とを一点鎖線で示している。画像センサ52において検出される光線L1の入射位置と、画像センサ62において検出される光線L2の入射位置との差(視差)に基づいて、対象物100までの距離D0が検出される。この場合には測距誤差は発生せず、距離D0は対象物100までの距離を正確に表す。
図3左図において、カメラ間に温度差が発生し、例えばレンズ61の温度が上昇したとする。これによって、レンズ61の光学特性(屈折率やレンズ面間隔等など)が変化し、レンズ51の光学特性とは異なる状態となる。この結果、光線L2が画像センサ62上で矢印A1だけずれた位置に入射する。演算装置11は、視差演算の観点から、画像センサ62には光線L4が入射したと判断し、対象物100からの光線は二点鎖線で示す仮想光線L4の画角に存在していると誤検出する。これにより、光線L1と仮想光線L4との交点101が対象物100の位置として誤検出され、対象物100までの距離は距離D1として検出される。図3からもわかるように、距離D0と距離D1は一致せず、測距誤差が発生する。これがレンズの温度変化に伴う測距誤差発生のメカニズムである。
次に、カメラ間の温度差がない場合について図3右図を用いて説明する。レンズ51およびレンズ61の温度が同様に上昇した場合、図3左図同様に、画像センサ62上で矢印A1だけずれた位置に入射する。演算装置11は、視差演算の観点から、画像センサ62には仮想光線L4が入射したと判断し、対象物100からの光線は二点鎖線で示す仮想光線L4の画角に存在していると誤検出する。そして、カメラ50についても同様に、画像センサ52上で矢印B1だけずれた位置に入射する。演算装置11は、画像センサ52には仮想光線L5が入射したと判断し、対象物100からの光線は二点鎖線で示す仮想光線L5の画角に存在していると誤検出する。
演算装置11は、仮想光線L5と仮想光線L4の交点102が対象物100の位置として検出し、距離D2を検出する。距離D2と距離D0との差は、距離D1と距離D0との差よりも小さいので、測距誤差が改善される。特に、距離D2と距離D0をほとんど同じ距離とするような温度差条件も存在しているので、実用上の測距では残存誤差は問題とならない。
図4は、カメラ間の温度差が変化した場合の測距誤差の例を示すグラフである。図4を用いて、実施形態1の効果について定量的に説明する。図4のグラフを計算する際には以下の条件例を用いた。
対象物までの距離:50m
基線長(カメラ50とカメラ60との間の距離):0.3m
レンズ射影方式:正射影(fsinθ)
レンズ焦点距離:6mm
レンズ基準温度:30℃
レンズ51の温度(第1温度):30℃、70℃
カメラ間の温度差:-30~30℃
画角(カメラ50およびカメラ60双方によって撮影可能な対象物の角度):30deg
レンズ51およびレンズ61の温度感度:0.0048μm/℃/deg(線形変化)
上記温度感度は、画角30deg、温度変化70℃で像の位置が10μmだけ変位することに相当する。ここではレンズ温度感度は、画角および温度に対して線形に変化すると仮定している。レンズの製造ばらつき等を考慮すると、実際には温度感度はレンズによって異なるが、温度感度が異なっていたとしても同様の効果が得られる(なお、この条件例では、レンズ51およびレンズ61の温度感度は同じであると仮定した)。レンズ温度感度は線形である必要はなく、非線形であっても同様の効果が得られる。
図4より、レンズ51の温度に依らず、カメラ間の温度差に依存して測距誤差が発生していることがわかる。そして、温度差が小さければ測距誤差が小さくなることがわかる。ここでは、レンズの温度変化について説明したが、温度に伴ってレンズ鏡筒が膨張/収縮することによる影響も同様である。この場合、レンズと画像センサ間の距離が変化し、画像センサに入射する光線の位置がずれることにより、図4と同様の結果が得られると考えられる。
以上の理由から、本実施形態1の画像処理装置10は、温度差の絶対値が所定値以下の場合には、距離情報の信頼性が高いと判断し、通常処理を実施する。温度差の絶対値が所定値以上である場合には、距離情報の信頼性が低いと判断し、エラー処理を実施する。このようにカメラ間の温度差を検出し、温度差にしたがって処理を変更することにより、測距誤差に伴う不適切な制御を回避することができる。
図5は、従来技術に対する本発明の効果を説明するイメージ図である。図5左図は特許文献1または特許文献2における温度変化に対する処理を示す。図5右図は本実施形態1における温度変化に対する処理を示す。図5において、縦軸が温度、横軸が時間となっており、画像処理装置10の起動時を時刻ゼロとした。画像処理装置10が起動すると温度が上昇し、所定時間経つと、発熱と放熱とが同じになり、所定温度に収束する。実線と点線はそれぞれカメラ50の温度とカメラ60の温度を示しており、2つのカメラの温度は同じように変化する。図中の▲は処理の変更のタイミングを示している。
図5左図の場合、所定温度Δtごとに処理を変更すると仮定すると、複数回の処理の変更を必要とする。それに対し、図5右図の場合、2つのカメラ間の温度差が発生していないので、エラー処理は起こらない。温度変化は時定数が長いので、2つのカメラの温度がゆっくり変化する。したがって、温度変化に対して2つのカメラの温度差が発生しにくいので、処理の変更頻度は少なくて済む。このように、本実施形態1の画像処理装置10は、従来技術(特許文献1、特許文献2)の画像処理装置に対して処理の変更頻度が少なくて済む特徴がある。
本実施形態1の温度αは固定値ではなく、カメラの温度を基に変更してもよい。本実施形態1では、温度差の絶対値とαを比較したが、温度差が所定の温度範囲に収まっているか否かに基づき処理を変更してもよい。例えば、図4のように距離誤差がカメラの温度差のプラスとマイナスに対して非対称となる場合がある。また、レンズ間で温度感度が異なる場合、もしくはレンズの温度感度が非線形の場合、温度差が0ではない所定値のとき、測距精度が最良となる条件がある。
図6は、温度差が所定の温度範囲に収まっているか否かに基づき処理を変更する場合における演算装置11の構成例である。この場合、カメラ50の温度TA、カメラ60の温度TBとしたとき、TA-TBが、下限温度βと上限温度γの範囲に入っていれば通常処理とし、その範囲に入っていなければ、エラー処理とすればよい。このとき演算装置11は、例えば温度(TAまたはTBのうち少なくともいずれか)を参照し、下限温度β、上限温度γのうち少なくともいずれかを変えてもよい。温度α、下限温度β、上限温度γは適用するシステムにおける測距の許容誤差によって決定することができる。演算装置11は、その決定ルールを記述したデータを例えば記憶装置12に格納しておき、これにしたがって温度α、下限温度β、上限温度γを決定することができる。
<実施の形態2>
図7は、本発明の実施形態2に係る画像処理装置10が備える演算装置11の構成例を示すブロック図である。実施形態1では、カメラ間の温度差の絶対値が所定値以上の場合には、エラー処理を実施する。実施形態2では、温度差の絶対値が所定値以上の場合には、温度差が小さくなるようにカメラの温度を変更する。その他構成は実施形態1と同様である。
実施形態1の場合には、カメラ間の温度差の絶対値が所定値以下になるまで、エラー処理を継続することになる。一旦カメラ間の温度差が大きくなると、温度変化の時定数が長いので、通常処理となるまでの時間が掛かってしまうことが考えられる。そこで、本実施形態2では、カメラを加熱または冷却することによって強制的に温度差を低減する。温度が高いほうのカメラを冷却し、または温度が低いほうのカメラを加熱すればよい。演算装置11は、冷却装置または加熱装置に対して、カメラの温度を調整するように指示する。
図8は、実施形態1に対する本実施形態の効果を説明するイメージ図である。図8左図は実施形態1の温度変化に対する処理を示し、図8右図は本実施形態2の温度変化に対する処理を示している。図5との違いは、カメラ50とカメラ60の起動時の温度が異なることである。例えば車載用であれば、2つのカメラを車の両端に搭載した場合、起動時の温度が異なることがある。
実施形態1の画像処理装置10の場合、起動時にカメラ間の温度差が温度αより大きいので、エラー処理を実施する。時間t1経過時点でカメラ間の温度差が温度αより小さくなると、通常処理に移行する。それに対し、本実施形態2の画像処理装置10の場合、起動時にカメラ間の温度差が温度αより大きいので、カメラ60を加熱する。これにより、図8左図の時間よりも短い時間t2で通常処理に移行できる。
本実施形態2においてカメラ温度を変更する方法については限定されない。例えばレンズを加熱する場合は、電熱線を用いればよい。また冷却する場合には、ファンを用いればよい。また、他の用途のために搭載した温度変更機構を用いてもよい。例えば車載用であれば、空調などである。さらには、他の素子が発生する熱量を利用してもよい。例えば車載用であれば、ヘッドランプがある。2つのヘッドランプの中もしくは近くにカメラ50とカメラ60を搭載し、ヘッドランプから発生する熱を利用して強制的にカメラを温めることができる。この場合、温度が低い方のヘッドランプを点灯すればよい。
<実施の形態2:まとめ>
本実施形態2に係る画像処理装置10は、カメラ間の温度差が基準範囲内にないとき、強制的にカメラの温度を変更することにより、信頼性の高い距離情報を生成することができる。さらに、特許文献1~2のように温度によって画像処理を変更する回数を抑制することができる、画像処理の変更に伴う時間の遅延を無くすことができる。
本実施形態2においては、温度差の絶対値と温度αを比較したが、図6と同様に、TA-TBが下限温度βと上限温度γの範囲に入っていれば通常処理とし、その範囲に入っていなければ、カメラの温度を変更するようにしてもよい。また本実施形態2では、カメラの温度を変更すると説明したが、レンズの温度を変更してもよい。
<実施の形態3>
図9は、本発明の実施形態3に係る画像処理装置10が備える演算装置11の構成例を示すブロック図である。実施形態1では、カメラ間の温度差の絶対値が所定値以上の場合には、エラー処理を実施する。実施形態3では、温度差の絶対値が所定値以上の場合には、画像の処理方法を変更する。実施形態1の場合、固定値の係数を用いてアフィン処理を実施する。これに対して本実施形態3では、温度差が所定以上になった場合にはアフィン処理の係数を変更する。以下本実施形態3の処理について説明する。
演算装置11は、図2で説明した構成に加えて係数変更部31を備える。係数変更部31はさらに、係数変更部31aと係数変更部31bを備える。カメラ間の温度差の絶対値が所定値(図9においてはα℃)以下の場合には、所定のアフィン係数により変換処理が行われる。温度差の絶対値が所定値以上の場合には、以下のようにアフィン係数を変更した上でアフィン変換を実施する。
係数変更部31は、アフィン処理部20aとアフィン処理部20b(第1補正部と第2補正部)それぞれが実施する変換処理の係数を変更する。例えば、係数変更部31aと係数変更部31bは、カメラの温度と、所定の変換基準テーブルとに基づいて、画像P1とP2に対する変換を表す変換テーブルを生成する。変換基準テーブルは、例えば記憶装置12にあらかじめ記憶していてもよく、その場合には記憶装置12は変換基準係数記憶部として機能するということができる。この変換テーブルは、特許文献1~2のようなアフィン処理の係数であってもよい。
アフィン処理部20aとアフィン処理部20bがそれぞれ出力した画像P3と画像P4は、輝度補正部21a、輝度補正部21b、輝度情報生成部23a、輝度情報生成部23bを経て視差画像生成部24に入力される。視差画像生成部24は、画像P3および画像P4(またはこれらに基づいて生成された情報)に基づいて、2つの画像情報の視差を算出する。距離算出部25は、視差に基づき、画像に映っている対象物までの距離を算出する。
本実施形態3では、温度差の絶対値が所定値以上の場合にのみ、アフィン処理の係数が変更される。本実施形態3の画像処理装置10は、実施形態1で説明したのと同様に、従来技術(特許文献1~2)の画像処理装置に対して処理の変更頻度が少なくて済む特徴がある。
図10は、本実施形態3における温度変化に対する処理を示す。ここでは起動時に温度差があったと仮定する。この場合、図5との違いは、カメラ50とカメラ60の起動時の温度が異なることである。本実施形態3の画像処理装置10は、起動時にカメラ間の温度差が温度αより大きい場合には、アフィン処理部20aとアフィン処理部20bのアフィン処理の係数が変更される。カメラ間の温度差が温度αより小さくなった時点(時刻t1)で所定値のアフィン係数を用いた処理に移行する。同様の処理は実施形態1~2においても実施することができる。
本実施形態3では、アフィン処理部20aとアフィン処理部20bのアフィン処理の係数を変更したが、例えば温度差に応じてアフィン処理部20aもしくはアフィン処理部20bいずれかのみのアフィン処理の係数を変更してもよい。これは、図3左図で対象物100からの光線は二点鎖線で示す仮想光線L4の画角に存在していると誤検出されたのに対して、図3右図において仮想光線L5となれば測距誤差が低減すると説明したのと同様の理由による。すなわち、画像センサ52の画像P1に対してのみアフィン処理方法を変更し、仮想光線L5となるように画像を変換することにより、高精度な測距を実現できる。これと同様の考え方に基づき、視差画像生成部24が所定オフセットを加えることによって、アフィン処理の係数を変更したことと同様の効果が得られる。
本実施形態3においては、温度差の絶対値と温度αを比較したが、図6と同様に、TA-TBが下限温度βと上限温度γの範囲に入っていれば通常処理とし、その範囲に入っていなければ、アフィン処理部20aとアフィン処理部20bのアフィン処理の係数を変更してもよい。
<実施の形態4>
図11は、本発明の実施形態4に係る画像処理装置10の構成例を示すブロック図である。本実施形態4において、画像処理装置10はカメラ150と160からそれぞれ画像を取得する。カメラ150と160はステレオカメラではないが、画像処理装置10が2つのカメラから画像を取得する点は実施形態1と同様である。
カメラ150は、レンズ151(第1レンズ)と、画像センサ152(第1画像センサ)とを備えている。カメラ160は、レンズ161(第2レンズ)と、画像センサ162(第2画像センサ)とを備えている。カメラ150は、レンズ151を介して対象物等の像を画像センサ152で検出する。カメラ160は、レンズ161を介して対象物等の像を画像センサ162で検出する。カメラ150はカメラ160よりも広視野のカメラとなっている。カメラ160はカメラ150よりも遠方を検出できるカメラとなっている。
図12は、1例として車載用に用いた場合の2つのカメラ画像の合成画像を示す。図12上図は温度差が小さい場合を示しており、図12下図は温度差が大きい場合を示している。画像P13はカメラ150の出力画像である。画像P14はカメラ160の出力結果である。このような合成画像を生成することにより、車両の進行方向の解像度を向上できるとともに広視野を実現できる。この例では、画像P13と画像P14上にはそれぞれ白線WL1と白線WL2が映っている。
温度差がない場合には、図12上図のように白線WL1と白線WL2は滑らかに接続される。温度差が発生すると、図3左図に示すように片側の画像の検出位置が変わる(矢印A1だけずれる)ので、図12下図のように白線WL1と白線WL2は滑らかに接続されない。図12下図のような合成画像は、実際の画像とは異なることが課題となる。
図13は、本実施形態4における演算装置11の構成例を示すブロック図である。本実施形態4における演算装置11は、視差画像生成部24と距離算出部25に代えて画像合成部126を備える。アフィン処理部20aと20bはそれぞれ画像P13とP14を出力する。
温度取得部30aは、カメラ150に係る温度を温度センサ53から取得し、温度取得部30bは、カメラ160に係る温度を温度センサ63から取得する。温度差取得部30は、カメラ150に係る温度と、カメラ160に係る温度との間の温度差(カメラ間の温度差)を取得して出力する。
演算装置11(画像合成部126)は、温度差の絶対値が所定値以下の場合には、画像P3と画像P4を合成することにより、図12で説明したような合成画像を生成する。その後、システムに応じた通常処理を実施する。温度差の絶対値が所定値以上の場合には、合成画像を生成する際にエラーが生じた旨を通知する。以上の手順により、正しい画像をシステム側に出力することができる。
以上の説明において、実施形態1と同じようにエラー処理を実施することとしたが、実施形態2または3のように温度調整や係数変更を実施してもよい。図12においては画像P13に画像P14が包含される関係となっていたが、これには限定されず、画像P13とP14は同様のサイズの画像であってもよいし、一部共通領域を有する画像であってもよい。いずれの場合であっても本実施形態4と同様の効果が得られる。
<実施の形態5>
図14は、本発明の実施形態5に係る画像処理装置10を含む構成の例を示すブロック図である。本実施形態5において、画像処理装置10は温度センサ53と63を用いることに代えて、別途取得した距離誤差を温度差に換算する。その他構成は実施形態1~4と同じであるので、以下では距離誤差を温度差に換算する点について主に説明する。
距離検出部500は、対象物までの距離を検出し、その距離を画像処理装置10に対して出力する。距離検出部500は例えば、レーダやLiDAR(Light Detection and Ranging)のような対象物の測距が可能な測距装置によって構成することができる。距離検出部500は、画像処理装置10の一部として構成することもできるし、画像処理装置10とは別の装置として構成することもできる。
図15は、本実施形態5における演算装置11の構成例を示すブロック図である。演算装置11は温度差取得部30に代えて距離比較部27と温度差換算部28を備える。距離算出部25は対象物までの距離を算出し、その結果を距離情報G1として出力する。距離比較部27は距離情報G1を受け取るとともに、距離検出部500が検出した距離情報G2を受け取る。距離比較部27は距離情報G1とG2を比較し、その結果を温度差換算部28へ通知する。温度差換算部28は、比較結果をカメラ50と60との間の温度差に換算する。その他の処理は実施形態1で説明したものと同様である。
温度差換算部28は、以下の手順により距離情報を温度差へ換算する。図4で説明したように、カメラ間の温度差と測距誤差との間の対応関係はあらかじめ取得することができる。例えば距離情報G2が正確であると仮定した場合、G2を基準として距離情報G1の測距誤差を計算することができる。この測距誤差を図4のような対応関係に対して当てはめることにより、温度差を推定することができる。
本実施形態5によれば、距離検出部500から距離情報G2を取得できるのであれば、別途計算した距離情報G1を用いて測距誤差を温度差に換算することができる。したがって温度センサ53と63が必要ない点が有利である。温度センサ53と63を備える場合であっても、本実施形態5の手法によって換算した温度差と各温度センサによる計測結果を比較することにより、計測結果を補正するなどの用途も考えられる。
距離情報G1とG2との間の差分を温度差に換算することに代えて、その差分そのものを測距誤差とみなしてもよい。あるいは画像処理装置10外に対してその差分を出力し、その差分を受け取った外部装置が測距誤差を判定する際にその差分を用いてもよい。
温度差の絶対値が所定値以上の場合、エラー処理に代えてまたはこれと併用して、実施形態2で説明した温度調整や実施形態3で説明した係数調整を実施してもよい。温度調整は、2つのレンズのうちいずれか温度が高い方(または低い方)に対して実施するので、温度差の符号(すなわちいずれのレンズの方が温度が高いか(または低いか))を判断する必要がある。係数調整は、標準動作温度に近い方のレンズを基準として実施する(すなわち標準動作温度から離れている方のレンズの補正係数を主に変更する)ので、温度差の符号を判断する必要がある。したがって温度調整と係数調整いずれを実施する場合においても、温度差がプラスかマイナスかを判断する必要がある。この符号の判断手順について以下説明する。
図16は、カメラ間の温度差がプラスになったときの検出距離とマイナスになったときの検出距離を示す図である。図16左図はレンズ61の温度が上昇した場合(温度差マイナス)を示し、図16右図はレンズ51の温度が上昇した場合(温度差プラス)を示している。対象物100が画像処理装置10の右側にあるとき、温度差がマイナスの場合には、検出される距離D1は実際の距離D0よりも長くなる。温度差がプラスの場合には、検出される距離D2は実際の距離D0よりも短くなる。距離情報G2が温度に大きく依存しない場合には、実際の距離D0を距離検出部500によって検出できるので、D0とD1またはD0とD2を比較することにより、温度差がプラスかマイナスかを判断することができる。温度差の符号が分かれば、レンズ51と61いずれの温度が高いか(または低いか)を判断できるので、これに基づき実施形態2~3で説明した処理が可能となる。
本実施形態5のような距離検出部500を用いる構成は、特に起動時などの温度が不安定な状態において適用することが望ましい。時間が経つとカメラ間の温度差が小さくなるので、距離検出部500と同じ程度の測距が可能となるからである。本実施形態5の構成は、車両自動運転などにおいて距離センサを用いる場合に有効である。
<本発明の変形例について>
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の一部を追加・削除・置換することが可能である。
以上の実施形態において、例えば、カメラ間の温度差が発生した時点でいったん実施形態1のようなエラー処理を実施し、その後、実施形態2のようにレンズ温度を調整してもよいし、実施形態3のように画像処理方法を変更してもよい。
以上の実施形態において、温度差が基準範囲内に収まっていない場合は、エラーを出力することに代えてまたはエラー出力と併用して、演算装置11は、視差画像や距離を算出するための処理を停止してもよい。
以上の実施形態において、演算装置11が備える各機能部は、その機能を実装した回路デバイスなどのハードウェアによって構成することもできるし、その機能を実装したソフトウェアを演算装置11が実行することによって構成することもできる。
10 画像処理装置
11 演算装置
12 記憶装置
20a アフィン処理部
20b アフィン処理部
25 距離算出部
30 温度差取得部
31 係数変更部
50 カメラ
51 レンズ
52 画像センサ
53 温度センサ
60 カメラ
61 レンズ
62 画像センサ
63 温度センサ

Claims (11)

  1. カメラが撮影した画像を処理する画像処理装置であって、
    撮影対象を撮影する第1および第2カメラ、
    前記第1および第2カメラが撮影した画像に対して第1処理を実施してその結果を出力する演算装置、
    を備え、
    前記演算装置は、前記第1カメラの第1温度と前記第2カメラの第2温度との間の温度差を取得し、
    前記演算装置は、前記温度差が基準範囲内に収まっている場合は、前記結果を出力し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記結果を出力することに代えてまたはこれとともに、前記第1処理とは異なる第2処理を実施し、
    前記演算装置は、前記温度差として、前記第1温度と前記第2温度との間の差分の絶対値を取得し、
    前記演算装置は、前記温度差が下限値から上限値までの範囲内にあるか否かにより、前記温度差が前記基準範囲内に収まっているか否かを判定し、
    前記演算装置はさらに、前記第1温度または前記第2温度のうち少なくともいずれかの値に応じて、前記下限値と前記上限値のうち少なくともいずれかを変更する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. カメラが撮影した画像を処理する画像処理装置であって、
    撮影対象を撮影する第1および第2カメラ、
    前記第1および第2カメラが撮影した画像に対して第1処理を実施してその結果を出力する演算装置、
    を備え、
    前記演算装置は、前記第1カメラの第1温度と前記第2カメラの第2温度との間の温度差を取得し、
    前記演算装置は、前記温度差が基準範囲内に収まっている場合は、前記結果を出力し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記結果を出力することに代えてまたはこれとともに、前記第1処理とは異なる第2処理を実施し、
    前記画像処理装置はさらに、前記第1温度と前記第2温度を取得する温度計を備え、
    前記演算装置は、前記第1温度と前記第2温度を前記温度計から取得する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. カメラが撮影した画像を処理する画像処理装置であって、
    撮影対象を撮影する第1および第2カメラ、
    前記第1および第2カメラが撮影した画像に対して第1処理を実施してその結果を出力する演算装置、
    を備え、
    前記演算装置は、前記第1カメラの第1温度と前記第2カメラの第2温度との間の温度差を取得し、
    前記演算装置は、前記温度差が基準範囲内に収まっている場合は、前記結果を出力し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記結果を出力することに代えてまたはこれとともに、前記第1処理とは異なる第2処理を実施し、
    前記第1カメラは第1レンズを備え、前記第2カメラは第2レンズを備え、
    前記演算装置は、前記第2処理として、前記第1レンズと前記第2レンズのうち少なくともいずれかの温度を調整することにより、前記温度差を前記基準範囲内に近づける
    ことを特徴とする画像処理装置。
  4. カメラが撮影した画像を処理する画像処理装置であって、
    撮影対象を撮影する第1および第2カメラ、
    前記第1および第2カメラが撮影した画像に対して第1処理を実施してその結果を出力する演算装置、
    を備え、
    前記演算装置は、前記第1カメラの第1温度と前記第2カメラの第2温度との間の温度差を取得し、
    前記演算装置は、前記温度差が基準範囲内に収まっている場合は、前記結果を出力し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記結果を出力することに代えてまたはこれとともに、前記第1処理とは異なる第2処理を実施し、
    前記演算装置は、前記第1処理として、前記第1カメラが撮像した画像と前記第2カメラが撮像した画像を合成した合成画像を生成し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっている場合は、前記第1処理を実施することにより前記合成画像を生成し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記第2処理として、前記合成画像を生成する際にエラーが生じた旨の通知を出力する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  5. カメラが撮影した画像を処理する画像処理装置であって、
    撮影対象を撮影する第1および第2カメラ、
    前記第1および第2カメラが撮影した画像に対して第1処理を実施してその結果を出力する演算装置、
    を備え、
    前記演算装置は、前記第1カメラの第1温度と前記第2カメラの第2温度との間の温度差を取得し、
    前記演算装置は、前記温度差が基準範囲内に収まっている場合は、前記結果を出力し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記結果を出力することに代えてまたはこれとともに、前記第1処理とは異なる第2処理を実施し、
    前記演算装置は、前記第1処理として、前記第1カメラが撮像した画像と前記第2カメラが撮像した画像から視差画像を生成することにより、画像内の対象物までの第1距離を算出し、
    前記演算装置は、前記対象物までの第2距離を測距装置から取得し、
    前記演算装置は、前記第1距離と前記第2距離との間の差分にしたがって前記温度差を算出する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記演算装置は、前記第1処理として、前記第1カメラが撮像した画像と前記第2カメラが撮像した画像から視差画像を生成することにより、画像内の対象物までの距離を算出し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっている場合は、前記第1処理を実施することにより前記視差画像を生成するとともに前記距離を算出し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記第2処理として、前記視差画像または前記距離を算出する際にエラーが生じた旨の通知を出力する ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の画像処理装置。
  7. 前記演算装置は、前記第1処理として、前記第1カメラが撮像した画像と前記第2カメラが撮像した画像から視差画像を生成することにより、画像内の対象物までの距離を算出し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっている場合は、前記第1処理を実施することにより前記視差画像を生成するとともに前記距離を算出し、
    前記演算装置は、前記温度差が前記基準範囲内に収まっていない場合は、前記第2処理として、前記第1処理の出力を停止させる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の画像処理装置。
  8. 前記演算装置は、
    前記第1カメラが撮影した画像の歪みを第1補正係数によって補正する第1補正部、
    前記第2カメラが撮影した画像の歪みを第2補正係数によって補正する第2補正部、
    を備え、
    前記演算装置は、前記第2処理として、前記第1補正係数または前記第2補正係数のうち少なくともいずれかを変更することにより、前記温度差によって生じた歪みを訂正する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の画像処理装置。
  9. 前記演算装置は、前記第1距離と前記第2距離のうちいずれが長いかに基づき、前記第1温度と前記第2温度のうちいずれが高いかを判定する
    ことを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
  10. 前記第1カメラは第1レンズを備え、前記第2カメラは第2レンズを備え、
    前記演算装置は、前記第1温度のほうが前記第2温度よりも高い場合は、前記第2処理として、前記第1レンズの温度を下げるかまたは前記第2レンズの温度を上げることにより、前記温度差を前記基準範囲内に近づけ、
    前記演算装置は、前記第1温度のほうが前記第2温度よりも低い場合は、前記第2処理として、前記第1レンズの温度を上げるかまたは前記第2レンズの温度を下げることにより、前記温度差を前記基準範囲内に近づける
    ことを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
  11. 前記演算装置は、
    前記第1カメラが撮影した画像の歪みを第1補正係数によって補正する第1補正部、 前記第2カメラが撮影した画像の歪みを第2補正係数によって補正する第2補正部、 を備え、
    前記演算装置は、前記第1温度のほうが前記第2温度よりも基準温度に近い場合は、前記第2処理として、前記第2補正係数を変更することにより、前記温度差によって生じた歪みを訂正し、
    前記演算装置は、前記第2温度のほうが前記第1温度よりも前記基準温度に近い場合は、前記第2処理として、前記第1補正係数を変更することにより、前記温度差によって生じた歪みを訂正する
    ことを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
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