JP7296843B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、下記特許文献1に開示されているような断線検出装置を備えた電動パワーステアリング装置が提供されている。この従来技術は、電動パワーステアリング装置において、とくにモータそのものが断線したり、その電流(モータ電流)等の検出ラインに断線が生じたりすると、誤ったフィードバック制御によりモータの給電が増大し、不用意にステアリングが軽くなり過ぎる可能性があることに鑑み、信号端子数やA/D変換する信号数の増加がない簡素かつ安価な構成により、容易にモータの断線を検出可能な断線検出装置を用いた例が開示されている。
特開2010-188952号公報
ここで近年、車両の大型化等の影響により、電動パワーステアリング装置に対して供給される電力量が増大する傾向にある。これに伴い、電動パワーステアリング装置の制御に用いられるEPS-ECU(電動パワーステアリング電子制御ユニット)等の制御部は、電力供給に伴う過熱による破損防止のため、何らかの過熱対策を講じねばならない状況になりつつある。
上述した過熱対策として、例えば、放熱性の高い基板等をEPS-ECUに用いる等の方策が考えられる。しかしながら、高放熱性を有する基板等を用いると、製造コストが高くついてしまうという問題がある。また、EPS-ECUの過熱を抑制すべく、単純に電動パワーステアリング装置に対して供給される電力量を低下等させる方法も考えられるが、電力量の低下に応じて操舵アシスト力も低減してしまう等して、電動パワーステアリング装置の操舵性の低下等に繋がる懸念がある。
かかる問題を解消すべく、本発明は、制御部の過熱を抑制しつつ、操舵性の低下を抑制可能な電動パワーステアリング装置の提供を目的とした。
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵操作に応じ、電動アクチュエータにより発生した動力により、前記操舵操作による操舵力を補助可能なものであって、電力供給により作動する部材を備えた制御部と、前記制御部に関する温度を検出する温度検出部とを備えており、前記電動アクチュエータに供給される実電流の出力調整を前記制御部によって行えるものであり、前記制御部が、前記温度検出部により検出された温度が所定温度を超えることを条件として前記実電流の出力値を低減させる過熱防止処理を行うと共に、前記過熱防止処理の後に前記温度検出部により検出された温度が所定温度を下回ることを条件として前記操舵操作に応じて前記実電流の出力値を回復させる回復処理を行うものであり、前記回復処理中における前記実電流の出力値が、前記温度が所定温度以下であるときの前記実電流の出力値よりも低くなるように出力制御することを特徴とするものである。
本発明の電動パワーステアリング装置においては、温度検出部により検出された温度が所定温度を超えることを条件として、過熱防止処理を行う。過熱防止処理を行う際には、実電流の出力値を低減させるため、その分だけ電動アクチュエータにより発生する動力が低減し、操舵操作による操舵力の補助力(操舵アシスト力)も低減する。また、本発明の電動パワーステアリング装置においては、過熱防止処理を行った後、温度検出部により検出された温度が所定温度を下回ることを条件として、回復処理を行う。回復処理を行う際には、前述の過熱防止処理に伴って低減させていた実電流の出力値を操舵操作に応じて回復させるため、その分だけ電動アクチュエータにより発生する動力が回復し、操舵操作による操舵力の補助力(操舵アシスト力)も回復する。
ここで、実電流の出力値の変動があると、操舵操作による操舵力を補助するための補助力(操舵アシスト力)にも変動が生じる。そのため、上述した過熱防止処理や回復処理を行う場合、過熱防止処理の後、回復処理を行う際に急激な実電流の出力値の変動があると、それに応じて発生する操舵アシスト力の大幅な変動により、ステアリング操作の重さが急変することになる。このような状態になると、ユーザがステアリング操作に違和感を覚え、操舵性の低下を招きかねないという懸念がある。
かかる懸念を解消すべく、本発明の電動パワーステアリング装置においては、回復処理中における実電流の出力値が、過熱防止処理を行わないときの実電流の出力値(すなわち、温度が所定温度以下であるときの実電流の出力値)よりも低くなるように出力制御される。すなわち、本発明の電動パワーステアリング装置においては、過熱防止処理に伴って低下した実電流の出力値(低下後実電流値IA)から、過熱防止処理を行わないときの実電流の出力値(非加熱処理時実電流値IC)まで、実電流の出力値を急激に変化させるのではなく、回復処理において、非加熱処理時実電流値ICよりも低い実電流の出力値(回復後実電流IB)まで回復するように実電流の出力値を制御する。そのため、本発明の電動パワーステアリング装置においては、過熱防止処理に伴って実電流の出力値が低下した後の電流値(低下後実電流値IA)と、過熱防止処理の後に行われる回復処理により実電流の出力値が回復した後(回復後実電流値IB)との差(IB-IA)が小さくなる。そのため、本発明の電動パワーステアリング装置においては、過熱防止処理や回復処理に伴うステアリング操作の重さの変動幅をコントロールし、操舵性の低下を抑制することができる。
(2)上述した本発明の電動パワーステアリング装置は、前記回復処理における前記実電流の出力値を、所定の傾きで経時的に変化させるものであると良い。
かかる構成によれば、回復処理中におけるステアリング操作の重さの変動がスムーズになるように実電流の出力値をコントロールでき、操舵性の低下をより一層抑制することができる。
(3)上述した本発明の電動パワーステアリング装置は、前記温度検出部により検出された温度が高いほど、前記回復処理中における前記実電流の出力値を低く設定するものであると良い。
かかる構成によれば、過熱防止処理や回復処理に伴いステアリング操作の重さが急激に変動するのを回避し、操舵性の低下を抑制することができる。
本発明によれば、制御部の過熱を抑制しつつ、操舵性の低下を抑制可能な電動パワーステアリング装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す説明図である。 図1の電動パワーステアリング装置が備えるEPS-ECUの構成を示すブロック図である。 図2のEPS-ECUが備えるモータ駆動部の回路構成の一例を示す回路図である。 EPS-ECUに関する温度が所定温度以下の場合におけるデューティ比、指令電流、制御電流、実電流、及び温度の関係を例示したグラフである。 EPS-ECUに関する温度が所定温度よりも高温の場合におけるデューティ比、指令電流、制御電流、実電流、及び温度の関係を例示したグラフである。 制限電流値の演算方法の一例を示した説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電動パワーステアリング装置10の装置構成について概略を示した後、電動パワーステアリング装置10の特徴をなすEPS-ECU4(制御部)の構成及びこれによる制御について詳細に説明する。
≪電動パワーステアリング装置10の構成について≫
図1に示すように、電動パワーステアリング装置10(EPS)は、舵角センサ12、EPSモータ30(電動アクチュエータ)、トルクセンサ20、及びEPS-ECU4を備えている。
舵角センサ12は、ステアリング2の操舵角度を検出するセンサである。舵角センサ12は、ステアリング2の中立位置からの回転角度(操舵角度)を検出する。舵角センサ12は、中立位置を0[deg]として、ステアリング2が一方の方向に回転された場合(本実施形態ではステアリング2が右に操作された場合)を正の値とし、ハンドルが他方の方向に回転された場合(本実施形態ではステアリング2が左に操作された場合)を負の値として、舵角を検出する。また、舵角センサ12により検出された舵角に関するデータは、EPS-ECU4に入力される。
EPSモータ30は、ステアリング2の操舵操作に伴い発生する操舵力を補助する動力(操舵アシスト力)を発生させるための電動アクチュエータである。EPSモータ30は、ブラシ付きモータとされている。EPSモータ30は、モータ電流の大きさに応じてトルクを出力する。EPSモータ30は、モータ電流の通電方向、つまりEPSモータ30を右回転させる方向か左回転させる方向かの通電方向や電流値が、EPS-ECU4により制御される。トルクセンサ20は、ステアリング2に加えられる操舵トルクを検出する。EPSモータ30のトルクは、トルクセンサ20により検出され、EPS-ECU4に通知される。
EPS-ECU4は、操舵に関する制御を行う電子制御ユニットである。EPS-ECU4は、通常時においては、運転者によるステアリング2の操作に応じて、EPSモータ30等を制御する。すなわち、EPS-ECU4は、ユーザによるステアリング2の操作を検知し、検知した操作方向への回転をアシストするように、EPSモータ30を駆動させる。
≪EPS-ECU4の構成について≫
続いて、EPS-ECU4の構成について、さらに詳細に説明する。EPS-ECU4は、図2に示すようなブロック構成を備えている。具体的には、EPS-ECU4においては、車両のバッテリ(図示せず)からの直接の電源(バッテリ電源)およびイグニッションスイッチのリレー部(図示せず)を介した直流電源(IG電源)が、ダイオードD1、D2のオア回路を介してレギュレータ回路部50に入力されており、レギュレータ回路部50において安定化された直流電源により演算処理部40の電源端子+Bに給電可能とされている。また、IG電源がレギュレータ回路部60に入力されており、レギュレータ回路部60において安定化された直流電源をトルクセンサ3に給電可能とされている。
演算処理部40は、複数の入力端子を備えており、入力端子に入力された電圧検出信号に基づいて、EPSモータ30のモータ電流、及び端子間電圧(モータ電圧)に対するフィードバック制御の演算を実行し、フィードバック制御(PWM制御)を行うための制御信号を形成する。
モータ駆動部70は、演算処理部40において形成されたフィードバック制御出力(PWM制御出力)を入力可能とされている。図3に示すように、モータ駆動部70は、電源端子+bとアース端子gとの間に、4個の電力用スイッチング半導体Q1~Q4およびシャント抵抗Rを備えたブリッジ接続回路を有する。モータ駆動部70においては、電力用スイッチング半導体Q1、Q2の接続点m1、及び電力用スイッチング半導体Q3、Q4の接続点m2に対し、EPSモータ30の両端が接続される。また、モータ駆動部70においては、フィードバック制御のための制御信号が電力用スイッチング半導体Q1~Q4のベース(又はゲート)に供給される。モータ駆動部70は、例えば、右回転のときには対角の電力用スイッチング半導体Q1、Q4をPWM駆動してEPSモータ30を右回転に通電駆動し、左回転のときには対角の電力用スイッチング半導体Q3、Q2をPWM駆動してEPSモータ30を左回転に通電駆動することができる。
また、モータ駆動部70のアース端子gと電力用スイッチング半導体Q2、Q4のソース間には、シャント抵抗R(電力供給により作動する部材)が挿入されている。電流検出部80は、シャント抵抗Rの端子間電圧をEPSモータ30の電流(モータ電流)の検出電圧信号I5として演算処理部40の入力端子に出力する。なお、演算処理部40の入力端子には、EPSモータ30の両端間の端子電圧(モータ電圧)の検出電圧信号やフィードバック制御に用いられる直流電源の電圧の検出電圧信号V50、V60等も入力される。
また、EPS-ECU4は、温度検出部を備えている。温度検出部は、例えばEPS-ECU4の筐体内温度や、シャント抵抗R等のEPS-ECU4の構成部品の温度等を検出可能なものである。温度検出部は、例えば温度センサ等によって構成したり、所定の温度演算モデルに基づいて演算処理により導出可能な構成としたりしても良い。本実施形態では、演算処理部40が、消費電力量等の情報を用いることにより所定の温度演算モデルに基づいて温度データを取得可能とされている。すなわち、本実施形態では、演算処理部40が温度検出部としての機能を発揮可能なものとされている。
≪EPS-ECU4による電動パワーステアリング装置10の制御について≫
続いて、EPS-ECU4によって行われる制御について、本実施形態の電動パワーステアリング装置10において特徴的なものについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の電動パワーステアリング装置10においては、例えばシャント抵抗R等のEPS-ECU4の構成部品等が、過熱により破損するのを防止するために、演算処理部40(温度検出部)での演算処理により得られる温度tに応じて、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iの制御を行う。
具体的には、図4(e)に示すように、温度tが所定温度(閾値)以下の場合には、同図(a)のようにステアリング操作に伴ってデューティ比の変動があったとしても、同図(c)のように制限電流値LIが定格電流値Lrに維持される。そのため、図4の例においてデューティ比が変化するタイミングのいずれにおいても、同図(d)に示すようにEPSモータ30に対して出力される実電流値Iは変動せず、一定に維持される。
これに対し、図5(e)に示すように、温度tが所定温度よりも高い場合には、同図(a)のようにステアリング操作に伴ってデューティ比の変動があると、温度tが定格温度Trに対して特定温度だけ低く設定されている閾値を越えてしまうことがある。温度tが閾値を越えてさらに高温になってしまうと、例えばシャント抵抗R等のEPS-ECU4の構成部品等が、過熱により破損する懸念がある。そのため、同図(c)のように、温度tが閾値を越えると、後に詳述する演算方法に則って制限電流値LIを低減させ、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iの出力を低下させるための処理(過熱防止処理)が行われる。図示例においては、過熱防止処理により、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iを所定の傾きで経時的に低下するように出力制御が行われる。
また、温度tが所定温度よりも高い場合、図5の例においては、操舵操作に応じてデューティ比が変化する(立ち下がった)タイミングT3から、デューティ比が立ち上がったタイミングT4までの間に、後に詳述する演算方法に則って制限電流値LIを増加させ、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iの出力を回復させるための処理(回復処理)が行われる。図示例においては、後に詳述する演算方法に則り、タイミングT3からタイミングT4までの期間内において制限電流値LIを所定の傾きで経時的に増加させることにより、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iを所定の傾きで経時的に増加するように出力制御が行われる。本実施形態では、回復処理中において制限電流値LI及び実電流値Iが所定の傾きで経時的に増加するように制御される。
ここで、回復処理中における制限電流値LIは、定格電流値Lrよりも低く設定される。すなわち、回復処理中においては、上述した温度tが所定温度以下であるときの実電流値I(非加熱処理時実電流値IC:図4(d)参照)と比較して、回復処理により回復した後の実電流値I(回復後実電流IB)が低くなるように出力制御がなされる。これにより、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iの出力が、過熱防止処理に伴って低下した後の実電流値I(低下後実電流値IA)から非加熱処理時実電流値ICまで急激に増加してしまうのを抑制できる。また、上記EPS-ECU4の構成部品等の急激な再加熱を抑制できる。
図5の例においては、デューティ比が立ち上がったタイミングT4以後も、後に詳述する演算方法に則り、温度tに応じて制限電流値LIが調整される。これに伴い、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iの出力が制御される。また、デューティ比がゼロになった後は、制限電流値LIが定格電流値Lrまで比例的に増加するように制御される。
ここで、上述した制御において用いられる制限電流値LIは、EPS-ECU4の演算処理部40等により、例えば、図6に示した演算方法等に則って導出することができる。以下、図6に例示した制限電流値LIの演算方法について説明する。図6に示した演算方法を用いる場合には、演算処理部40は、シャント抵抗Rの端子間電圧に基づいて導出されるEPSモータ30の電流(モータ電流)、シャント抵抗Rの抵抗値、デューティ比に基づいて消費電力量が導出される。また、演算処理部40は、導出された消費電力量に関するデータを用いることにより、温度演算モデルに基づいて温度tを導出する。
ここで、図6に示すように、本実施形態においては、現時点での制限電流値LI(LInow)の導出に用いる制限マップ90、及び補正電流値LMの導出に用いる可変マップ92が予め規定されている。
制限マップ90は、温度tと制限電流値LIとの関係をグラフ化したものである。制限マップ90は、所定の閾温度よりも低温領域においては制限電流値LIが一定であり、閾温度以上の高温領域においては制限電流値LIが温度上昇するほど低下するように規定されている。そのため、演算処理部40は、温度演算モデルに基づいて導出された温度tを制限マップ90に適用することにより、現時点での制限電流値LI(LInow)を導出できる。
また、可変マップ92は、温度tと、回復処理中における制限電流値LIの補正電流値LMとの関係をグラフ化したものである。可変マップ92は、所定温度よりも低温領域と高温領域とで、温度tの上昇に伴う制限電流値LIの補正電流値LMの変化率が相違するように規定されている。図示例においては、所定温度よりも低温領域においては、温度tの上昇に伴い補正電流値LMが微減あるいは変化しないように設定されている。これに対し、所定温度よりも高温領域においては、低温領域における補正電流値LMの変化率が大きく規定されており、温度tの上昇に伴い、低温領域におけるよりも急激に補正電流値LMが減少するように規定されている。そのため、演算処理部40は、温度演算モデルに基づいて導出された温度tを可変マップ92に適用することにより、制限電流値LIの補正電流値LMを導出できる。
演算処理部40は、温度演算モデルに基づいて導出された温度t、上述した制限マップ90により得られた現時点での制限電流値LI(LInow)や、前回の制限電流値LI(LIold)、可変マップ92から得られた制限電流値LIの補正電流値LMを用いて、制限電流値LIを導出することができる。具体的には、温度tが所定の温度よりも低温である場合、制限電流値LIは、現時点での制限電流値LIのまま維持される(LI=LInow)。これに対し、温度tが所定の温度よりも高温である場合には、次のようにして制限電流値LIが導出される。
すなわち、温度tが所定の温度よりも高温である場合には、現時点での制限電流値LInowと、制限電流値LIの前回値LIoldとの大きさが比較される。その結果、(LInow-LIold)>0の関係が成立する場合、すなわち温度tが低下傾向にある場合には、制限電流値LIは、前回値LIoldに対し、可変マップ92によって導出される補正電流値LMを加算した値に設定される(LI=LIold+LM)。一方、(LInow-LIold)≦0の関係が成立する場合、すなわち温度tが上昇傾向にある場合には、制限電流値LIは、現時点での制限電流値LIのまま維持される(LI=LInow)。
EPS-ECU4は、上述したようにして温度tに応じて導出された制限電流値LIに基づき、EPSモータ30に対して出力される実電流値Iの出力を制御する。これにより、図4及び図5に示すように、温度tに応じてEPSモータ30の制御を行うことができ、EPS-ECU4の過熱を抑制しつつ、操舵性の低下を最小限に抑制できる。
上述したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置10においては、EPS-ECU4の温度t(シャント抵抗Rの温度)が所定温度を超えることを条件として、過熱防止処理を行う。また、電動パワーステアリング装置10においては、過熱防止処理を行った後、温度tが所定温度を下回ることを条件として回復処理を行い、過熱防止処理に伴って低減させていた実電流値Iの出力値を操舵操作に応じて回復させる。そのため、本実施形態の電動パワーステアリング装置10においては、EPS-ECU4やこれを構成するシャント抵抗R等の部材が過熱状態になるのを過熱防止処理によって抑制しつつ、回復処理を行うことにより、過熱防止処理に伴って低下した操舵アシスト力を回復させることができる。
また、電動パワーステアリング装置10においては、回復処理中における実電流値Iの出力値が、過熱防止処理を行わないときの実電流値Iよりも低くなるように出力制御される。すなわち、電動パワーステアリング装置10においては、過熱防止処理に伴って低下した後の低下後実電流値IAから、過熱防止処理を行わないときの非加熱処理時実電流値ICまで急激に実電流値Iの出力値を変化させるのではなく、回復処理において、非加熱処理時実電流値ICよりも低い回復後実電流値IBまで回復するように実電流値Iの出力値を制御する。そのため、本実施形態の電動パワーステアリング装置10においては、過熱防止処理に伴って実電流値Iの出力値が低下した後の低下後実電流値IAと、回復処理により回復した後の回復後実電流値IBとの差(IB-IA)が、低下後実電流値IAと非加熱処理時実電流値ICとの差(ICーIA)よりも小さくなる。そのため、本実施形態の電動パワーステアリング装置10においては、過熱防止処理や回復処理に伴うステアリング操作の重さの変動幅が最小限になるようにコントロールし、操舵性の低下を抑制することができる。
本実施形態では、操舵力を補助する操舵アシスト力を発揮する電動アクチュエータとして、ブラシ付きモータからなるEPSモータ30を採用した例を示したが、EPSモータ30に代えて、あるいはEPSモータ30に加えて、通電により動力を出力できる他のアクチュエータを用いたものであっても良い。
また、本実施形態では、演算処理部40に温度検出部としての機能を発揮させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度センサや、演算処理部40とは別に設けた演算装置等を温度検出部として設けたものであっても良い。
また、上述したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置10は、回復処理における実電流値Iの出力値を、回復後実電流値IBまで所定の傾きで経時的に変化させるものとされている。そのため、回復処理中におけるステアリング操作の重さの変動がスムーズになるように実電流値Iの出力値をコントロールでき、操舵性の低下をより一層抑制することができる。
なお、本実施形態では、回復処理中の実電流値Iの出力値を、回復後実電流値IBまで所定の傾きで比例的に経時変化させる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば回復処理中において変化率が経時的に変動するように実電流値Iの出力調整を行うもの等としても良い。
上述したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置10は、温度tが高いほど、回復処理中における実電流値Iの出力値が低くなるように制御するものとされている。そのため、電動パワーステアリング装置10によれば、過熱防止処理や回復処理に伴いステアリング操作の重さが急激に変動するのを回避し、操舵性の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、図6の制限電流値LIの演算方法に基づき、温度tが高いほど回復処理中における実電流値Iの出力値が低くなるようにした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電動パワーステアリング装置10は、温度tによらず、回復処理中における実電流値Iの出力値を所定値に設定する構成等であっても良い。また例えば、電動パワーステアリング装置10は、図6の制限電流値LIの演算方法によらず、他の方法により実電流値Iの出力値を導出するようにしても良い。
本発明は、上述した実施形態、及び各実施形態について変形例として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
本発明は、電動パワーステアリング装置全般において好適に利用できる。
好適に採用することができる。
4 :EPS-ECU(制御装置)
10 :電動パワーステアリング装置
30 :EPSモータ(電動アクチュエータ)
40 :演算処理部(温度検出部)
70 :モータ駆動部
I :実電流値
IA :低下後実電流値
IB :回復後実電流値
IC :非加熱処理時実電流値
LI :制限電流値
LM :補正電流値
R :シャント抵抗(部材)
t :温度

Claims (1)

  1. 操舵操作に応じ、電動アクチュエータにより発生した動力により、前記操舵操作による操舵力を補助可能な電動パワーステアリング装置であって、
    電力供給により作動する部材を備えた制御部と、
    前記制御部に関する温度を検出する温度検出部とを備えており、
    前記電動アクチュエータに供給される実電流の出力調整を前記制御部によって行えるものであり、
    前記制御部が、
    前記温度検出部により検出された温度が所定温度を超えることを条件として前記実電流の出力値を低減させる過熱防止処理を行うと共に、
    前記過熱防止処理の後に前記温度検出部により検出された温度が所定温度を下回ることを条件として前記操舵操作に応じて前記実電流の出力値を回復させる回復処理を行うものであり、
    前記回復処理中における前記実電流の出力値が、前記温度が所定温度以下であるときの前記実電流の出力値よりも低くなるように出力制御するものであり、
    前記回復処理における前記実電流の出力値を、所定の傾きで経時的に変化させることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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