JP3830737B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、操舵のアシストモータとしてブラシレスモータを使用し、操舵トルクと車速とに基づき操舵時のアシスト力を制御する電動パワーステアリング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に使用される電動パワーステアリング制御装置は、通常、車両の走行速度と操舵軸に加わる操舵トルクとを検出し、これらの検出値に応じたアシストモータの目標電流値を設定してこの目標電流値と実際にアシストモータに流れる電流のフィードバック値との偏差を検出し、この偏差を解消するように出力回路を駆動することにより、アシストモータを制御して車速と操舵トルクとに適応したアシストトルクを得ている。また、このアシストモータにはブラシレスモータを使用することによりブラシに起因するトラブルを解消し、信頼性の高い電動パワーステアリング装置を得ている。
【0003】
このような制御法において、ブラシレスモータの駆動電流を検出するモータ電流検出手段に誤差が生じた場合、ブラシレスモータにはトルクリップルが発生して操舵感覚に違和感が生じることになり、モータ電流検出手段による検出誤差を補正する必要が生ずる。例えば特許番号第3019245号公報には、このようなモータ電流検出手段による検出誤差の補正法に関する技術が開示されている。この技術はアシストモータの電流値が0のときモータ電流検出手段の誤差補正値を決定するものであり、具体的にはイグニションスイッチがオンされたとき、電源の正側に接続されたスイッチング素子のみをオンさせ、このときの電流検出値をオフセット値とみなして補正値を決定するものである。
【0004】
また、特開平9−24846号公報にも同様の技術が開示されており、この公報に開示された技術は、イグニションスイッチがオンされた初期状態において、モータ駆動回路の各アームのそれぞれに設けられた検出器で電流のオフセット値を検出して相対誤差値として記憶させ、ステアリング装置の動作中においては電流検出手段で得たモータ電流値をこのオフセット値の相対誤差値で補正するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように上記の従来技術においてはいずれの場合にも、イグニションスイッチがオンされた車両の始動時に電流検出手段の補正値を決定するように構成されているため、車両の走行中に温度の変動などにより電流検出データのオフセット値にずれが生じた場合、検出したモータ電流値の完全な補正ができなくなり、トルクリップルの発生を抑制して良好な操舵フィーリングを得ることができなくなるものであった。
【0006】
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、温度の変動などにより電流検出手段のオフセット値が変動した場合においてもこのオフセット値の補正ができ、常にアシストモータのトルクリップルを低減して良好な操舵フィーリングを確保することが可能な電動パワーステアリング制御装置を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる電動パワーステアリング制御装置は、操舵トルクを検出するトルクセンサと車両の走行速度を検出する車速センサとの信号を入力し、操舵力補助用の三相ブラシレスモータへの供給電流を指令する目標電流演算手段と、ブラシレスモータの電流を検出する電流検出手段と、目標電流演算手段の指令値と電流検出手段の検出値との偏差に基づきブラシレスモータに対する供給電圧を設定する駆動制御手段と、目標電流演算手段の指令電流値により判断し、電流検出手段が出力する電流のオフセット値に対する補正値の学習を指令するオフセット補正値学習判断手段と、このオフセット補正値学習判断手段の指令により基準電圧生成信号を出力する基準電圧発生手段と、この基準電圧生成信号に基づく基準電圧を印可したときのブラシレスモータの電流を検出してオフセット補正値を学習し記憶すると共に、電流検出手段が検出する電流のオフセット値を、記憶したオフセット補正値により補正するオフセット補正手段とを備えるようにしたものである。
【0008】
また、オフセット補正値学習判断手段が、目標電流演算手段の指令電流値がゼロの状態を所定時間継続したときオフセット補正値の学習指令を出力し、指令電流値がゼロでないときには学習禁止指令を出力するようにしたものである。
さらに、車両の始動操作毎に作動するシステムリセット手段を備え、このシステムリセット手段の作動によりオフセット補正値学習判断手段がオフセット補正値の学習指令を出力するようにしたものである。
さらにまた、基準電圧生成信号が、ブラシレスモータに対して全相同一電圧の三相基準電圧を生成する信号であるようにしたものである。
【0009】
また、駆動制御手段の出力を切り替えるスイッチ手段を有し、オフセット補正値学習判断手段から学習指令が出力されたとき、ブラシレスモータに対する供給電圧を、目標電流演算手段の指令値に基づく出力電圧から基準電圧発生手段の信号に基づく基準電圧に切り替えるようにしたものである。
さらに、目標電流演算手段の指令値と電流検出手段の検出値との偏差に比例制御成分と積分制御成分との加算処理がなされるようにし、オフセット補正値学習判断手段から学習指令が出力されたとき、積分制御成分が初期化されるようにしたものである。
さらにまた、オフセット補正値学習判断手段からの学習指令により基準電圧がブラシレスモータに供給されたとき、オフセット補正手段が電流検出手段の電流値を複数回検出し、その平均値に基づきオフセット補正値が決定されるようにしたものである。
【0010】
また、オフセット補正手段がオフセット補正値の許容範囲を記憶しており、学習した補正値がこの許容範囲内にあれば新たな補正値として更新記憶し、許容範囲外であれば前回記憶した補正値を保持するようにしたものである。
さらに、ブラシレスモータの逆起電圧を演算するモータ逆起電圧演算手段を備えており、このモータ逆起電圧演算手段が出力するブラシレスモータの逆起電圧値が所定値以下のときのみオフセット補正値学習判断手段が学習指令を出力するようにしたものである。
さらにまた、ブラシレスモータの回転速度を演算するモータ回転速度演算手段を備えており、このモータ回転速度演算手段が出力するブラシレスモータの回転速度が所定値以下のときのみオフセット補正値学習判断手段が学習指令を出力するようにしたものである。
【0011】
また、ブラシレスモータ駆動用としてのスイッチング素子が三相ブリッジ構成された電動機駆動回路と、この三相ブリッジ構成の負側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出する電流検出素子とを有しており、基準電圧発生手段が三相ブリッジ構成のスイッチング素子の正電源側をオンにし、負側をオフにしたときの電流を検出し、この電流からオフセット補正値を学習するようにしたものである。
【0012】
さらに、ブラシレスモータ駆動用としてのスイッチング素子が三相ブリッジ構成された電動機駆動回路と、この三相ブリッジ構成の正電源側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出する電流検出素子とを有しており、基準電圧発生手段が三相ブリッジ構成のスイッチング素子の正電源側をオフにし、負側をオンにしたときの電流を検出し、この電流からオフセット補正値を学習するようにしたものである。
さらにまた、オフセット補正手段がオフセット補正値の許容範囲を記憶しており、学習した補正値が許容範囲外にあるときシステムが異常と判定するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1ないし図4は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング制御装置を説明するためのもので、図1はその構成を示す機能ブロック図、図2はマイクロコンピュータの駆動制御手段の構成を示す機能ブロック図、図3はマイクロコンピュータのオフセット補正手段の構成を示す機能ブロック図、図4は動作説明用の波形図である。
【0014】
図1において、1は操舵補助の制御を行うマイクロコンピュータ、2は操舵トルクをマイクロコンピュータ1に入力するトルクセンサ、3は車両の走行速度をマイクロコンピュータ1に入力する車速センサ、4はマイクロコンピュータ1の出力を受けてアシストモータである三相のブラシレスモータ5を駆動する電動機駆動回路、6aと6bとは電動機駆動回路4からブラシレスモータ5に電力供給する電路の例えばU相とV相とに設けられた電流検出素子としての変流器、7は変流器6aと6bとの出力によりブラシレスモータ5の電流を検出する電流検出手段、8はブラシレスモータ5に設けられたレゾルバ5aの信号を受けてブラシレスモータ5の回転電気角をマイクロコンピュータ1に入力するレゾルバI/F回路である。
【0015】
また、マイクロコンピュータ1はトルクセンサ2と車速センサ3とから信号を受けてブラシレスモータ5に供給する電流を演算して指令する目標電流演算手段9と、電動機駆動回路4を制御する駆動制御手段10と、目標電流演算手段9を監視して目標電流演算手段9の指令する電流値がゼロの状態を所定時間継続したとき、オフセット補正値学習許可信号を出力するオフセット補正値学習判断手段11と、オフセット補正値学習判断手段11のオフセット補正値学習許可信号によりオフセット補正値を学習すると共に、このオフセット補正値を記憶し、電流検出手段7による検出電流のオフセット値を補正して出力するオフセット補正手段12と、レゾルバI/F回路8からの信号によりブラシレスモータ5の回転電気角を演算する電気角演算手段13と、オフセット補正手段12の出力と電気角演算手段13の出力θとを受けてフィードバック電流値を演算し、偏差演算手段15に出力するフィードバック電流演算手段14とから構成されている。
【0016】
駆動制御手段10は図2に示すように、偏差演算手段15から指令電流値とフィードバック電流値との偏差ΔIを入力する電流制御手段16と、この電流制御手段16の出力Ipiと電気角演算手段13の出力θとを入力して三相のPWM信号を出力する三相電圧指令演算手段17と、三相に予め設定された同一電圧を供給するためのPWM信号を出力する基準電圧指令発生手段18と、オフセット補正値学習判断手段11からのオフセット補正値学習許可信号により三相電圧指令演算手段17の出力から基準電圧指令発生手段18の出力に切り替えるソフト制御のスイッチ手段19とから構成されている。
【0017】
また、オフセット補正手段12は図3に示すように、オフセット補正値学習判断手段11からのオフセット補正値学習許可信号により、電流検出回路7からの電流検出値に基づくオフセット補正値の学習を行う補正値学習手段20と、このオフセット補正値と補正値許容範囲とを記憶する補正値記憶手段21と、この補正値記憶手段21に記憶されたオフセット補正値により電流検出回路7からの検出電流のオフセット値を補正し、補正後の電流値をフィードバック電流演算手段14に出力する補正演算手段22とから構成されている。なお、図1における25はシステムリセット信号をオフセット補正値学習判断手段11に与えるシステムリセット手段である。
【0018】
このように構成されたこの発明の実施の形態1による電動パワーステアリング制御装置において、トルクセンサ2からの操舵トルクと車速センサ3からの走行速度とが目標電流演算手段9に入力されると、目標電流演算手段9は所定の演算を行い、ブラシレスモータ5を駆動するための目標電流を決定して偏差演算手段15に指令電流値として出力する。一方、ブラシレスモータ5の回転電気角がレゾルバ5aにより検出されて電気角演算手段13を経由して駆動制御手段10とフィードバック電流演算手段14とに与えられ、ブラシレスモータ5の電流が変流器6aと6bから電流検出手段7を経由してオフセット補正手段12に与えられる。
【0019】
電流検出手段7からのモータ電流値は後述するようにオフセット補正手段12により補正されてフィードバック電流演算手段14に与えられ、ここで記憶された演算式と電気角演算手段13からの回転電気角信号θとによりフィードバック電流値が演算され、偏差演算手段15に出力される。偏差演算手段15は目標電流演算手段9からの指令電流値とフィードバック電流値との偏差を演算してこの偏差ΔIを駆動制御手段10の電流制御手段16に出力するが、電流制御手段16は比例要素(p要素)制御と積分要素(i要素)制御とを行うように構成されており、偏差演算手段15からの電流偏差ΔIにそれぞれ比例制御および積分制御を施した信号を加算処理してPI信号Ipiを三相電圧指令演算手段17に出力する。三相電圧指令演算手段17はこのPI信号Ipiと電気角演算手段13からの回転電気角信号θとを入力してブラシレスモータ5を駆動するためのPWM信号を生成し、電動機駆動部4に与えてブラシレスモータ5を駆動する。
【0020】
電流検出手段7の検出するモータ電流値の検出誤差の補正は次のようにして行われる。オフセット補正値学習判断手段11は上記したように、目標電流演算手段9を監視して目標電流演算手段9の指令電流値がゼロの状態を所定時間継続したとき、オフセット補正値学習許可信号を駆動制御手段10とオフセット補正手段12とに出力し、指令電流値がゼロでなくなれば直ちにオフセット補正値学習禁止信号をこの両者に出力する。また、車両の始動操作時など電源投入時にはシステムリセット手段25からのシステムリセット信号がオフセット補正値学習判断手段11に入力され、強制的に所定時間オフセット補正値学習許可信号が駆動制御手段10とオフセット補正手段12とに出力される。
【0021】
オフセット補正値学習判断手段11から駆動制御手段10に与えられたオフセット補正値学習許可信号は、駆動制御手段10内で電流制御手段16とソフト制御のスイッチ手段19とに供給され、スイッチ手段19はスイッチを切り換えて基準電圧指令発生手段18を電動機駆動回路4に接続し、三相に予め設定された同一電圧を供給するためのPWM信号を電動機駆動回路4に与え、電流制御手段16は積分要素(i要素)を初期化する。
【0022】
オフセット補正手段12に与えられたオフセット補正値学習許可信号は、オフセット補正手段12内の補正値学習手段20に供給され、補正値学習手段20はこの信号に基づいて電流検出手段7からの電流値によりオフセット補正値の学習を行い、学習したオフセット補正値を補正値記憶手段21に記憶する。補正値記憶手段21ではこの新たなオフセット補正値と予め記憶している補正値許容範囲とを比較し、補正値が許容範囲内にあればこれを最新のオフセット補正値として記憶する。また、この新たな補正値が許容範囲外であれば前回のオフセット補正値を保持すると共に、システムが異常であると判断する。
【0023】
補正演算手段22は、オフセット補正値学習禁止信号が出力されている期間中において、補正値記憶手段21に記憶された補正値に基づき、電流検出手段7からの電流のオフセット値を補正してフィードバック電流演算手段14に出力し、この補正後の電流がフィードバック電流演算手段14から偏差演算手段15に与えられる。図4は基準電圧指令発生手段18の出力信号による全相PWMデューティ50%の波形の一相分を示すものである。図に示すように、モータ5に流れる相電流はPWMキャリアに同期して0を中心とした三角波状の電流となり、補正値学習手段20は電流検出手段7が検出するこの電流の所定期間の平均値により補正値の学習を行うように構成され、この電流の平均値は0であるから、このときの検出値をオフセット値としてオフセット補正値を学習する。
【0024】
このように、この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング制御装置によれば、目標電流演算手段9の指令電流値のゼロの状態が所定時間継続する度毎にオフセット補正値学習許可信号が出力され、このオフセット補正値学習許可信号の期間中には基準電圧指令発生手段18から三相同一電圧のPWM信号が出力され、これに基づくモータ電流が電流検出手段7に検出されてオフセット補正値が更新記憶され、オフセット補正値学習禁止信号に切り替わるとこの記憶されたオフセット補正値により常に電流検出手段7の検出電流のオフセット値が補正されるので、温度の変化など条件変化があっても常に正確な電流補正が可能になるものである。
【0025】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング制御装置の構成を示す機能ブロック図であり、この実施の形態は電気角演算手段13の出力によりブラシレスモータ5の回転速度を演算するモータ回転速度演算手段23と、このモータ回転速度演算手段23の出力からブラシレスモータ5の逆起電圧を演算するモータ逆起電圧演算手段24とを設け、オフセット補正値学習判断手段11が目標電流演算手段9の指令電流値とモータ逆起電圧演算手段24の逆起電圧とを監視して指令電流値の0が所定時間継続し、モータ逆起電圧演算手段24の逆起電圧が所定値以下のときオフセット補正値学習許可信号を出力するようにしたものである。また、指令電流値が0でなくなれば実施の形態1と同様に直ちにオフセット補正値学習禁止信号が出力される。
【0026】
また、実施の形態1と同様のシステムリセット手段25を備えており、電源投入時など、モータ逆起電圧演算手段24の逆起電圧が所定値以下であることを検出してシステムリセット手段25が作動し、強制的に所定時間オフセット補正値学習許可信号を駆動制御手段10とオフセット補正手段12とに出力する。このように構成することによりブラシレスモータ5にPMブラシレスモータを使用した場合においても正確に補正値を学習し、検出電流のオフセット値を補正することができるものである。
【0027】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング制御装置の構成を示す機能ブロック図であり、この実施の形態は、実施の形態2の電動パワーステアリング制御装置に対してモータ逆起電圧演算手段24を設けず、ブラシレスモータ5の回転速度を演算するモータ回転速度演算手段23の出力をオフセット補正値学習判断手段11に与えるようにしたものである。
【0028】
オフセット補正値学習判断手段11は目標電流演算手段9の指令電流値とモータ回転速度演算手段23が出力するブラシレスモータ5の回転速度とを監視し、指令電流値の0が所定時間継続してブラシレスモータ5の回転速度が所定値以下のときにオフセット補正値学習許可信号を出力し、指令電流値が0でなくなれば実施の形態1と同様に直ちにオフセット補正値学習禁止信号を出力する。また、実施の形態1の場合と同様のシステムリセット手段25を備えており、電源投入時など、ブラシレスモータ5の回転速度が所定値以下であることを検出してシステムリセット手段25が作動し、強制的に所定時間オフセット補正値学習許可信号を駆動制御手段10とオフセット補正手段12とに出力する。このように構成することにより、実施の形態2の場合より簡単な構成でほぼ同等の効果を得ることができることになる。
【0029】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4による電動パワーステアリング制御装置の電動機駆動回路4の構成を示すもので、この実施の形態は、実施の形態1において電流検出素子としての変流器6aと6bとを、スイッチング素子が三相ブリッジ構成された電動機駆動回路4の負側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出するように配設し、基準電圧指令発生手段18が、図に示すように全相の正電源側のスイッチング素子をオンとし、負側のスイッチング素子をオフに駆動するようにしたものである。このように構成することにより、ブラシレスモータ5に逆起電圧などにより電流が流れても電流を検出する電路には電流が流れず、オフセット補正用の学習値を0として得ることができるものである。
【0030】
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5による電動パワーステアリング制御装置の電動機駆動回路4の構成を示すもので、この実施の形態は、実施の形態1における電流検出素子としての変流器6aと6bとを、スイッチング素子が三相ブリッジ構成された電動機駆動回路4の正電源側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出するように設け、基準電圧指令発生手段18が全相の正電源側のスイッチング素子をオフとし、負側のスイッチング素子をオンとするようにしたものである。このように構成した場合においても実施の形態4の場合と同様にブラシレスモータ5に逆起電圧などにより電流が流れても電流を検出する電路には電流が流れず、オフセット補正用の学習値を0として得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したようにこの発明の電動パワーステアリング制御装置によれば、電流検出手段が検出する電流のオフセット値を補正する補正値を学習することの可否を判断するオフセット補正値学習判断手段を設け、補正値学習の条件が成立した段階で積極的に補正値の学習を行うようにし、また、車両の始動操作毎にシステムリセットが働いて必ず補正値を更新するようにし、さらに、検出電流がゼロになる基準電圧を生成してこの電流値により補正値の学習をするようにしたので、常に補正値を更新して最新の正確な補正値で検出電流の補正ができ、ブラシレスモータのトルクリップルを低減して良好な操舵フィーリングを確保することができるものである。また、モータの設定電流がゼロであるときと、モータの逆電圧もしくは回転速度が所定値以下のときを補正値学習の条件としたのでPMブラシレスモータを使用した場合においても確実に補正値を学習し、検出電流のオフセット値を補正することができるものである。
【0032】
さらに、スイッチング素子が三相ブリッジ構成とされた電動機駆動回路の負側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出するようにし、全相の正電源側のスイッチング素子をオンとし、負側のスイッチング素子をオフとしたときの電流値を検出するようにしてオフセット補正値を学習するようにしたので、また、スイッチング素子が三相ブリッジ構成とされた電動機駆動回路の正電源側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出するようにし、全相の正電源側のスイッチング素子をオフとし、負側のスイッチング素子をオンとしたときの電流値を検出してオフセット補正値を学習するようにしたので、正確に補正値の学習ができ、検出電流のオフセット値の変動によるモータのトルクリップルを低減でき、さらにまた、補正値の学習値が許容限界を超えたときには異常と判断するようにしたので信頼性の高い電動パワーステアリング制御装置を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング制御装置の駆動制御手段の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング制御装置のオフセット補正手段の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態1の電動パワーステアリング制御装置の動作説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態2の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態4の電動パワーステアリング制御装置の電動機駆動回路の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5の電動パワーステアリング制御装置の電動機駆動回路の構成図である。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ、2 トルクセンサ、3 車速センサ、
4 電動機駆動回路、5 ブラシレスモータ、6a、6b 変流器、
7 電流検出手段、8 レゾルバI/F回路、9 目標電流演算手段、
10 駆動制御手段、11 オフセット補正値学習判断手段、
12 オフセット補正手段、13 電気角演算手段、
14 フィードバック電流演算手段、15 偏差演算手段、
16 電流制御手段、17 三相電圧指令演算手段、
18 基準電圧指令発生手段、19 スイッチ手段、
20 補正値学習手段、21 補正値記憶手段、
22 補正演算手段、23 モータ回転数演算手段、
24 モータ逆起電圧演算手段、25 システムリセット手段。

Claims (11)

  1. 操舵トルクを検出するトルクセンサと車両の走行速度を検出する車速センサとの信号を入力し、操舵力補助用の三相ブラシレスモータへの供給電流を指令する目標電流演算手段、前記ブラシレスモータの電流を検出する電流検出手段、前記目標電流演算手段の指令値と前記電流検出手段の検出値との偏差に基づき前記ブラシレスモータに対する供給電圧を設定する駆動制御手段、前記目標電流演算手段の指令電流値により判断し、前記電流検出手段が出力する電流のオフセット値に対する補正値の学習を指令するオフセット補正値学習判断手段、このオフセット補正値学習判断手段の指令により基準電圧生成信号を出力する基準電圧発生手段、この基準電圧生成信号に基づく基準電圧を印加したときの前記ブラシレスモータの電流を検出してオフセット補正値を学習し記憶すると共に、前記電流検出手段が検出する電流のオフセット値を、記憶した前記オフセット補正値により補正するオフセット補正手段を備え、前記駆動制御手段はその出力を切り替えるスイッチ手段を有し、前記オフセット補正値学習判断手段から学習指令が出力されたとき、ブラシレスモータに対する供給電圧を、前記目標電流演算手段の指令値に基づく出力電圧から前記基準電圧発生手段の信号に基づく基準電圧に切り替えるように構成したことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. オフセット補正値学習判断手段が、目標電流演算手段の指令電流値がゼロの状態を所定時間継続したときオフセット補正値の学習指令を出力し、指令電流値がゼロでないときには学習禁止指令を出力することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 車両の始動操作毎に作動するシステムリセット手段を備え、このシステムリセット手段の作動によりオフセット補正値学習判断手段がオフセット補正値の学習指令を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 基準電圧生成信号が、ブラシレスモータに対して全相同一電圧の三相基準電圧を生成する信号であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 目標電流演算手段の指令値と電流検出手段の検出値との偏差に比例制御成分と積分制御成分との加算処理がなされ、オフセット補正値学習判断手段から学習指令が出力されたとき、この積分制御成分が初期化されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. オフセット補正値学習判断手段からの学習指令により基準電圧がブラシレスモータに供給されたとき、オフセット補正手段が電流検出手段の電流値を複数回検出し、その平均値に基づきオフセット補正値が決定されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. オフセット補正手段がオフセット補正値の許容範囲を記憶しており、学習した補正値がこの許容範囲内にあれば新たな補正値として更新記憶し、許容範囲外であれば前回記憶した補正値を保持することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  8. ブラシレスモータの逆起電圧を演算するモータ逆起電圧演算手段を備えており、このモータ逆起電圧演算手段の出力するブラシレスモータの逆起電圧値が所定値以下のときのみオフセット補正値学習判断手段が学習指令を出力することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  9. ブラシレスモータの回転速度を演算するモータ回転速度演算手段を備えており、このモータ回転速度演算手段の出力するブラシレスモータの回転速度が所定値以下のときのみオフセット補正値学習判断手段が学習指令を出力することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  10. ブラシレスモータ駆動用としてのスイッチング素子が三相ブリッジ構成された電動機駆動回路と、この三相ブリッジ構成の負側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出する電流検出素子とを有し、基準電圧発生手段が三相ブリッジ構 成のスイッチング素子の正電源側をオンにし、負側をオフにしたときの電流を検出し、この電流からオフセット補正値を学習することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  11. ブラシレスモータ駆動用としてのスイッチング素子が三相ブリッジ構成された電動機駆動回路と、この三相ブリッジ構成の正電源側に接続されたスイッチング素子のコモン側の電流を検出する電流検出素子とを有し、基準電圧発生手段が三相ブリッジ構成のスイッチング素子の正電源側をオフにし、負側をオンにしたときの電流を検出し、この電流からオフセット補正値を学習することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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