JP2005001513A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005001513A JP2005001513A JP2003167084A JP2003167084A JP2005001513A JP 2005001513 A JP2005001513 A JP 2005001513A JP 2003167084 A JP2003167084 A JP 2003167084A JP 2003167084 A JP2003167084 A JP 2003167084A JP 2005001513 A JP2005001513 A JP 2005001513A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- motor
- value
- current
- current value
- offset
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】動作中に温度変化等によって電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、トルクリップルが生じることなく、違和感のない操舵感が得られる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】イグニッションスイッチがオンされたときのPWM信号のデューティ比を保持する。モータ6の動作中、モータ6に流すべき目標電流値が所定値以下であるか否か、かつ、モータ角速度が所定速度以下であるか否かを判定する。当該条件が一定時間続いたときに、保持しているデューティ比でモータ6を駆動させる。このときに電流検出器によって検出された検出電流値によりオフセット値を更新する。このため、オフセット電流が変動しても、随時オフセット値が更新される。これにより、トルクリップルが防止でき、運転者は違和感のない操舵感が得られる。
【選択図】 図2
【解決手段】イグニッションスイッチがオンされたときのPWM信号のデューティ比を保持する。モータ6の動作中、モータ6に流すべき目標電流値が所定値以下であるか否か、かつ、モータ角速度が所定速度以下であるか否かを判定する。当該条件が一定時間続いたときに、保持しているデューティ比でモータ6を駆動させる。このときに電流検出器によって検出された検出電流値によりオフセット値を更新する。このため、オフセット電流が変動しても、随時オフセット値が更新される。これにより、トルクリップルが防止でき、運転者は違和感のない操舵感が得られる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置には、操舵のための操作手段であるハンドルに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられており、トルクセンサで検出される操舵トルクに基づき電動モータに供給すべき電流の目標値(以下「目標電流値」という)が設定される。そして、この目標電流値と電動モータに実際に流れる電流の値との偏差に基づいて比例積分演算により電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成される。電動モータの駆動手段は、その指令値に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(以下「PWM信号」という)を生成するPWM信号生成回路と、そのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路とを備え、そのデューティ比に応じた電圧を電動モータに印加する。この電圧印加によって電動モータに流れる電流は電流検出器によって検出され、目標電流値と検出された検出電流値との差が上記指令値を生成するための偏差として使用される。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置において、近年は電動モータとしてブラシレスモータが使用されているものもある。3相のブラシレスモータが使用されている電動パワーステアリング装置では、電流検出器はいずれかの2相に備えられているのが一般的である。例えば、U相とV相とに電流検出器が備えられており、モータのU相およびV相に流れる電流が検出される。
【0004】
上記のような構成において、モータに流すべき電流が零であるにも拘わらず、実際には電流検出器で電流が検出されることがある。このような電流はオフセット電流と呼ばれており、モータの動作中、電流検出器によって検出される検出電流値は、当該モータに流れている電流にオフセット電流が重畳されたものとなる。また、上記のようなオフセット電流の値は、各相の電流検出器ごとに異なっている。オフセット電流の影響を考慮せずにモータ制御が行われた場合、本来モータの各相に流すべき電流と実際にモータの各相に流れる電流との間に誤差が生じる。これにより、トルクリップルが発生し、運転者はハンドル操舵に違和感を感じていた。
【0005】
従来、上述のようなオフセット電流の影響を解消するため、オフセット電流の値(以下「オフセット値」という)を保持し、電流検出器で検出された検出電流値からオフセット値を減算することにより検出電流値が補正されている。具体的には、イグニッションスイッチがオンされたときに電流検出器で検出される検出電流値をオフセット値として保持し、モータの動作中には、電流検出器で検出された検出電流値から当該オフセット値を減算することにより検出電流値を補正し、その補正後の電流値によってモータ制御が行われる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2847406号公報
【特許文献2】
特許第2914480号公報
【特許文献3】
特許第3019245号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、モータの動作中には、温度変化等の影響により、電流検出器で生じるオフセット電流は変動する。また、このようなオフセット電流の変動は、電流検出器ごとに異なっている。このため、従来の構成では、イグニッションスイッチがオンされたときに検出されるオフセット値を考慮したモータ制御が行われているが、温度変化等によりオフセット電流の変動が大きくなると、オフセット値の補正による効果が十分に得られない。
【0008】
そこで本発明では、動作中に温度変化等によって電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、トルクリップルが生じることなく、違和感のない操舵感が得られる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作に応じて決定される目標電流値に基づきブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記ブラシレスモータに流れる電流を検出し、その検出電流値を出力するモータ電流検出手段と、
前記検出電流値を所定のオフセット値で補正し、前記目標電流値と当該補正後の検出電流値との偏差に基づき前記ブラシレスモータを駆動するための指令値を生成するモータ制御手段と、
前記指令値に応じて前記ブラシレスモータを駆動するモータ駆動回路と、
前記ブラシレスモータのモータ角速度を検出するモータ角速度検出手段とを備え、
前記モータ制御手段は、前記目標電流値が所定値以下かつ前記モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに前記オフセット値を前記検出電流値に基づき更新するオフセット値更新手段を含むことを特徴とする。
【0010】
このような第1の発明によれば、モータの動作中、目標電流値が所定値以下であるか否かが判定され、また、モータ角速度が所定速度以下であるか否かが判定される。そして、目標電流値が所定値以下で、かつ、モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに、オフセット値が更新される。このため、電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、
前記モータ駆動回路は、電源ライン側に配置された第1のスイッチング素子と接地側に配置された第2のスイッチング素子とからなる互いに直列に接続されたスイッチング素子対を含み、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とは、前記指令値に応じて決定されるデューティ比で断続的にオンし、
前記オフセット値更新手段は、
前記ブラシレスモータの始動時における前記デューティ比を保持し、
前記目標電流値が前記所定値以下かつ前記モータ角速度が前記所定速度以下である状態が前記所定時間継続したときに、当該保持されたデューティ比で前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを断続的にオンさせた状態で前記モータ電流検出手段によって検出される検出電流値で前記オフセット値を更新することを特徴とする。
【0012】
このような第2の発明によれば、目標電流値が所定値以下で、かつ、モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに、モータの始動時のPWM信号のデューティ比で当該モータが駆動される。そして、そのときに電流検出器で検出される検出電流値によってオフセット値が更新される。このため、電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、
前記モータ駆動回路は、電源ライン側に配置された第1のスイッチング素子と接地側に配置された第2のスイッチング素子とからなる互いに直列に接続されたスイッチング素子対を含み、
前記オフセット値更新手段は、前記目標電流値が前記所定値以下かつ前記モータ角速度が前記所定速度以下である状態が前記所定時間継続したときに、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを全てオフさせた状態で前記モータ電流検出手段によって検出される検出電流値で前記オフセット値を更新することを特徴とする。
【0014】
このような第3の発明によれば、目標電流値が所定値以下で、かつ、モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに、モータ駆動回路の全ての相がオフ状態にされる。そして、そのときに電流検出器で検出される検出電流値によってオフセット値が更新される。このため、電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクTsを検出するトルクセンサ3と、当該車両の走行速度Vsを検出する車速センサ4と、ハンドル操作による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生するブラシレスモータ6と、その操舵補助力をラック軸に伝達するボールねじ駆動部11と、ブラシレスモータ6のロータの回転位置を検出する位置検出センサ12と、車載バッテリ8から電源の供給を受けて、トルクセンサ3および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
【0016】
運転者がハンドル100を操作すると、トルクセンサ3によって検出された操舵トルクTsと車速センサ4によって検出された車速Vsと位置検出センサ12によって検出されたロータの回転位置とに基づいて、ECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、その操舵補助力がボールねじ駆動部11を介してラック軸に加えられることにより、運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクTsとモータ6の発生する操舵補助力とによって、ラック軸が往復運動を行う。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0017】
<2.制御装置の構成>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の構成を示すブロック図である。このECU5は、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10とモータ駆動部とから構成される。マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、車速演算部184と、目標電流演算部114と、減算器122、124と、d軸電流PI制御部126と、q軸電流PI制御部128と、d−q/3相交流座標変換部132と、符号反転加算器134と、3相交流/d−q座標変換部138と、ロータ角速度演算部142と、ロータ角加速度演算部186と、オフセット値更新部170とからなるモータ制御部として機能する。目標電流演算部114には、基本アシスト制御部180と補償制御部182とモータ電流指令値演算部188とが含まれている。また、マイコン10は、現在時刻を示すタイマー190を備えている。モータ駆動部は、モータ制御部としてのマイコン10から出力される電圧指令値に基づき3相のブラシレスモータ6を駆動するハードウェア(回路)であり、PWM信号生成回路150と、モータ駆動回路152と、U相電流検出器156と、V相電流検出器154と、ロータ角度位置検出器162とから構成される。また、ECU5にはリレー(不図示)が設けられており、当該リレーが閉じられている期間中、モータ駆動部およびブラシレスモータ6へ電源が供給される。なお、本実施形態では、ロータ角度位置検出器162とロータ角速度演算部142とは、モータ角速度を検出するモータ角速度検出手段として機能しているが、その機能すべてをハードウェアで実現してもよい。
【0018】
ハンドル100が操作されると、トルクセンサ3によって検出される操舵トルクTsがECU5に入力されるとともに、車速センサ4によって検出される車速信号VsもECU5に入力される。車速演算部184では、車速信号Vsに基づいて車速Vが算出される。また、モータ6に取り付けられた位置検出センサ12から出力されるセンサ信号に基づいて、ロータ角度位置検出器162は、モータ6のロータである回転界磁(永久磁石)の回転位置すなわち電気角θreを示す信号を出力する。ロータ角速度演算部142は、ロータ角度に相当する電気角θreを示す信号に基づき、ロータ角速度ωreを示す信号を出力する。ロータ角加速度演算部186は、ロータ角速度ωreを示す信号に基づいて、ロータ角加速度ω’reを示す信号を出力する。
【0019】
補償制御部182では、操舵トルクTs、車速V、ロータ角速度(モータ角速度)ωre、ロータ角加速度(モータ角加速度)ω’reに基づいて、収斂性の補正や位相補償を施し、補償電流値icを出力する。基本アシスト制御部180は、アシストマップと呼ばれる、操舵トルクと目標電流値とを対応づけるテーブルを参照して、操舵トルクTsと車速Vとに基づいて、モータ6に流すべき目標電流値Itを決定する。モータ電流指令値演算部188は、目標電流値Itと補償電流値icとに基づいて、q軸電流指令値iqを出力する。このq軸電流指令値iqは、モータ6が発生すべきトルクに対応する電流値であり、減算器124に入力される。一方、d軸電流指令値idは、トルクに関与しないのでid=0として、減算器122に入力される。
【0020】
U相電流検出器156とV相電流検出器154は、それぞれモータのU相、V相に流れる電流を検出し、U相検出電流値iuとV相検出電流値ivとをそれぞれ出力する。なお、U相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivは、実際にモータ6に流れた電流の値にオフセット電流の値が重畳されたものである。
【0021】
オフセット値更新部170は、U相検出電流値iu、V相検出電流値iv、ロータ角速度ωreなどに基づいて、オフセット値を更新する。また、オフセット値更新部170は、U相検出電流値iuとV相検出電流値ivからそれぞれオフセット値を減算することにより補正し、U相モータ電流値imuとV相モータ電流値imvとを出力する。なお、オフセット値更新部170における処理の詳しい説明は後述する。
【0022】
3相交流/d−q座標変換部138は、ロータの電気角θreに基づいて、U相モータ電流値imuおよびV相モータ電流値imvを、d−q座標上の値であるd軸モータ電流値idおよびq軸モータ電流値iqに変換する。このd軸モータ電流値idおよびq軸モータ電流値iqは、減算器122および減算器124にそれぞれ入力される。
【0023】
減算器122では、d軸電流指令値idとd軸モータ電流値idとの偏差id−idが出力される。そして、d軸電流PI制御部126では、その偏差id−idに基づく比例積分演算によって、d軸電圧指令値vdが出力される。一方、減算器124では、q軸電流指令値iqとq軸モータ電流値iqとの偏差iq−iqが出力される。そして、q軸電流PI制御部126では、その偏差iq−iqに基づく比例積分演算によって、q軸電圧指令値vqが出力される。
【0024】
d−q/3相交流座標変換部132では、ロータの電気角θreに基づいて、d軸電圧指令値vdおよびq軸電圧指令値vqを、3相交流座標上の値であるU相電圧指令値vuおよびV相電圧指令値vvに変換する。そして、符号反転加算器134は、U相電圧指令値vuおよびV相電圧指令値vvからW相電圧指令値vwを算出する。
【0025】
PWM信号生成回路150は、U相電圧指令値vu、V相電圧指令値vv、W相電圧指令値vwを受け取り、それらの指令値に応じてデューティ比の変化するPWM信号Su、Sv、Swを生成する。モータ駆動回路152では、そのPWM信号Su、Sv、Swによってスイッチング素子がオン/オフされ、それにより、デューティ比に応じた電圧vu、vv、vwがモータ6のU相、V相、W相にそれぞれ印加される。
【0026】
<3.オフセット値の更新>
次に、本実施形態におけるオフセット値の更新について説明する。図3は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。なお、図2のオフセット値更新部170は、このフローチャートで、ステップS103、ステップS105、ステップS109、ステップS111、ステップS113、ステップS115、ステップS117、ステップS119、ステップS121、およびステップS123で示すステップにより実現される。
【0027】
この電動パワーステアリング装置において、イグニッションスイッチ9がオンされると(ステップS101)、マイコン10にて動作するプログラムで参照するパラメータ(変数)の初期値を設定する(ステップS103)。ステップS103では、U相オフセット値iou、V相オフセット値iov、U相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbw、基準時刻Tb、および経過時間Tpに零を設定する。また、基準モータ電流指示値ib、基準モータ角速度ωb、および基準経過時間Tpbに所望の値を設定する。ここで、基準モータ電流指示値ibは、操舵補助力が発生しているか否かを判定するための閾値となる電流値であり、ステップS113で、q軸電流指令値iqと比較される。また、基準モータ角速度ωbは、モータ6が停止しているとみなすことができるか否かを判定するための閾値となるモータ角速度であり、ステップS113で、ロータ角速度ωreと比較される。さらに、基準経過時間Tpbは、ステップS117で、後述する条件に合致する状態となってからの経過時間Tpと比較されるものであり、経過時間Tpが基準経過時間Tpb以上になれば、ステップS119でオフセット値が更新される。以上の初期値を設定すると、ステップS105に進む。
【0028】
ステップS105では、U相電流検出器156によって検出されたU相検出電流値iuとV相電流検出器154によって検出されたV相検出電流値ivとをそれぞれU相オフセット値iou、V相オフセット値iovに設定する。すなわち、イグニッションスイッチ9がオンされた直後にU相電流検出器156およびV相電流検出器154で生じているオフセット電流の値が、U相オフセット値iouおよびV相オフセット値iovにそれぞれ設定される。
【0029】
その後、リレーが閉じられ(オン状態にされ)、モータ6の駆動が開始される(ステップS107)。そして、モータ6が駆動されたときにモータ駆動回路152に与えられるU相、V相、W相それぞれのPWM信号のデューティ比Su、Sv、Swを、U相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbwとしてそれぞれ設定する(ステップS109)。ここで設定されたU相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbwに基づいてモータ6を駆動させると、電流検出器ではオフセット電流のみが検出されることになる。後述するオフセット値の更新の際に、これらのデューティ比に基づいてモータ6を駆動させるので、それぞれのデューティ比を保持しておく。その後、ステップS111に進む。
【0030】
ステップS111では、オフセット値を更新するか否かを判定するために、モータ電流指令値演算部188が出力するq軸電流指令値iqとロータ角速度演算部142が出力するロータ角速度ωreとタイマー190が出力する現在時刻Tiとを取得する。そして、ステップS113に進む。
【0031】
ステップS113では、q軸電流指令値iqが基準モータ電流指示値ib以下であるか否かを判定し、さらに、ロータ角速度ωreが基準モータ角速度ωb以下であるか否かを判定する。判定の結果、q軸電流指令値iqが基準モータ電流指示値ib以下であり、かつ、ロータ角速度ωreが基準モータ角速度ωb以下あれば、ステップS115に進む。上記条件が満たされていなければ、ステップS123に進む。なお、上記条件が満たされているときは、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータ6がほぼ停止しているとみなすことができる。
【0032】
ステップS115では、基準時刻Tbが零であるか否かを判定する。判定の結果、基準時刻Tbが零であればステップS121に進み、基準時刻Tbが零でなければステップS117に進む。なお、基準時刻Tbは、上述した条件が満たされた状態になったときの時刻であり、モータ6が再度駆動されると後述するステップS123で零に設定される。
【0033】
ステップS117では、現在時刻Tiと基準時刻Tbとに基づいて経過時間Tpを算出し、経過時間Tpが基準経過時間Tpb以上であるか否かを判定する。この経過時間Tpは、上述した条件が満たされた状態が継続している時間である。判定の結果、経過時間Tpが基準経過時間Tpb以上であればステップS119に進み、経過時間Tpが基準経過時間Tpb未満であればステップS125に進む。
【0034】
ステップS119では、イグニッションスイッチがオンされたときのPWM信号のデューティ比に基づいてモータ6を駆動させる。すなわち、U相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbwによりモータ6がPWM駆動される。そして、そのときにモータ6に流れる電流値をU相電流検出器156およびV相電流検出器154より取得する。これによって得られたU相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivを更新後のオフセット値として、それぞれU相オフセット値iou、V相オフセット値iovに設定する。その後、基準時刻Tbを零に設定し、ステップS125に進む。
【0035】
基準時刻Tbが零であるとステップS115で判定されたとき、ステップS121で基準時刻Tbに現在時刻Tiを設定し、ステップS125に進む。すなわち、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータ6がほぼ停止しているとみなすことができる状態となったときの時刻が基準時刻Tbに設定される。
【0036】
上述した、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータ6がほぼ停止しているとみなすことができる状態ではないとステップS113で判定されたとき、ステップS123で基準時刻Tbを零に設定し、ステップS125に進む。
【0037】
ステップS125では、U相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivをU相オフセット値iouおよびV相オフセット値iovによって補正した電流値に基づいて従来のモータ駆動処理を行う。その後、ステップS111に戻り、ステップS111からステップS125までが、この電動パワーステアリング装置の動作中、繰り返される。
【0038】
<4.効果>
以上のように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、モータの動作中、モータに流すべき目標電流値が所定値以下であるか否かが判定され、なおかつ、モータ角速度が所定値以下であるか否かが判定される。すなわち、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータがほぼ停止しているとみなすことができるか否かが判定される。そして、その条件が満たされる状態が一定時間続いたときに、電流検出器からオフセット電流のみが検出されるような指令値によりモータを駆動させる。このときに、電流検出器によって検出された電流値によりオフセット値を更新する。電流検出器によって検出された電流値からオフセット値を減算すると、実際にモータに流れる電流値が求められる。このため、環境変化等の影響で電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、モータに流れる電流値が正しく求められる。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0039】
<5.変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、全体構成および制御装置の構成は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。図4は、本変形例に係る電動パワーステアリング装置における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、本実施形態の変形例におけるオフセット値の更新について説明する。なお、上記実施形態で説明した図3に示した処理と同様の処理が行われるステップについては、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0040】
本変形例では、図3に示すステップS109に対応する処理は行われない。上記実施形態では、イグニッションスイッチ9がオンされたときのPWM信号のデューティ比によってモータ6を駆動させて更新後のオフセット値を取得していたが、本変形例では、モータ駆動回路152の全ての相をオフ状態にすることにより更新後のオフセット値を取得するので、PWM信号のデューティ比を保持する必要はない。このため、ステップS109に対応する処理は行われない。
【0041】
また、本変形例では、図3に示すステップS119に代えてステップS219が行われる。ステップS219では、モータ駆動回路152の全ての相をごく短時間(数ミリ秒以下)オフ状態にする。そして、そのときにモータ6に流れる電流値をU相電流検出器156およびV相電流検出器154によって取得する。これによって得られたU相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivを更新後のオフセット値として、それぞれU相オフセット値iou、V相オフセット値iovに設定する。その後、基準時刻Tbを零に設定し、ステップS125に進む。
【0042】
本変形例によっても、電動パワーステアリング装置の動作中、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。また、上記実施形態および変形例では、フィードバック制御によりモータを制御する構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィードバック制御によらないモータ制御にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】上記実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御的観点から見た構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施形態における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。
【図4】上記実施形態の変形例における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 …ECU(電子制御ユニット)
6 …ブラシレスモータ
10 …マイコン
138…3相交流/d−q座標変換部
150…PWM信号生成回路
152…モータ駆動回路
154…V相電流検出器
156…U相電流検出器
170…オフセット値更新部
id …d軸電流指令値
iq …q軸電流指令値
iu …U相検出電流値
iv …V相検出電流値
ωre…ロータ角速度
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置には、操舵のための操作手段であるハンドルに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられており、トルクセンサで検出される操舵トルクに基づき電動モータに供給すべき電流の目標値(以下「目標電流値」という)が設定される。そして、この目標電流値と電動モータに実際に流れる電流の値との偏差に基づいて比例積分演算により電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成される。電動モータの駆動手段は、その指令値に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(以下「PWM信号」という)を生成するPWM信号生成回路と、そのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路とを備え、そのデューティ比に応じた電圧を電動モータに印加する。この電圧印加によって電動モータに流れる電流は電流検出器によって検出され、目標電流値と検出された検出電流値との差が上記指令値を生成するための偏差として使用される。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置において、近年は電動モータとしてブラシレスモータが使用されているものもある。3相のブラシレスモータが使用されている電動パワーステアリング装置では、電流検出器はいずれかの2相に備えられているのが一般的である。例えば、U相とV相とに電流検出器が備えられており、モータのU相およびV相に流れる電流が検出される。
【0004】
上記のような構成において、モータに流すべき電流が零であるにも拘わらず、実際には電流検出器で電流が検出されることがある。このような電流はオフセット電流と呼ばれており、モータの動作中、電流検出器によって検出される検出電流値は、当該モータに流れている電流にオフセット電流が重畳されたものとなる。また、上記のようなオフセット電流の値は、各相の電流検出器ごとに異なっている。オフセット電流の影響を考慮せずにモータ制御が行われた場合、本来モータの各相に流すべき電流と実際にモータの各相に流れる電流との間に誤差が生じる。これにより、トルクリップルが発生し、運転者はハンドル操舵に違和感を感じていた。
【0005】
従来、上述のようなオフセット電流の影響を解消するため、オフセット電流の値(以下「オフセット値」という)を保持し、電流検出器で検出された検出電流値からオフセット値を減算することにより検出電流値が補正されている。具体的には、イグニッションスイッチがオンされたときに電流検出器で検出される検出電流値をオフセット値として保持し、モータの動作中には、電流検出器で検出された検出電流値から当該オフセット値を減算することにより検出電流値を補正し、その補正後の電流値によってモータ制御が行われる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2847406号公報
【特許文献2】
特許第2914480号公報
【特許文献3】
特許第3019245号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、モータの動作中には、温度変化等の影響により、電流検出器で生じるオフセット電流は変動する。また、このようなオフセット電流の変動は、電流検出器ごとに異なっている。このため、従来の構成では、イグニッションスイッチがオンされたときに検出されるオフセット値を考慮したモータ制御が行われているが、温度変化等によりオフセット電流の変動が大きくなると、オフセット値の補正による効果が十分に得られない。
【0008】
そこで本発明では、動作中に温度変化等によって電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、トルクリップルが生じることなく、違和感のない操舵感が得られる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作に応じて決定される目標電流値に基づきブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記ブラシレスモータに流れる電流を検出し、その検出電流値を出力するモータ電流検出手段と、
前記検出電流値を所定のオフセット値で補正し、前記目標電流値と当該補正後の検出電流値との偏差に基づき前記ブラシレスモータを駆動するための指令値を生成するモータ制御手段と、
前記指令値に応じて前記ブラシレスモータを駆動するモータ駆動回路と、
前記ブラシレスモータのモータ角速度を検出するモータ角速度検出手段とを備え、
前記モータ制御手段は、前記目標電流値が所定値以下かつ前記モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに前記オフセット値を前記検出電流値に基づき更新するオフセット値更新手段を含むことを特徴とする。
【0010】
このような第1の発明によれば、モータの動作中、目標電流値が所定値以下であるか否かが判定され、また、モータ角速度が所定速度以下であるか否かが判定される。そして、目標電流値が所定値以下で、かつ、モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに、オフセット値が更新される。このため、電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、
前記モータ駆動回路は、電源ライン側に配置された第1のスイッチング素子と接地側に配置された第2のスイッチング素子とからなる互いに直列に接続されたスイッチング素子対を含み、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とは、前記指令値に応じて決定されるデューティ比で断続的にオンし、
前記オフセット値更新手段は、
前記ブラシレスモータの始動時における前記デューティ比を保持し、
前記目標電流値が前記所定値以下かつ前記モータ角速度が前記所定速度以下である状態が前記所定時間継続したときに、当該保持されたデューティ比で前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを断続的にオンさせた状態で前記モータ電流検出手段によって検出される検出電流値で前記オフセット値を更新することを特徴とする。
【0012】
このような第2の発明によれば、目標電流値が所定値以下で、かつ、モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに、モータの始動時のPWM信号のデューティ比で当該モータが駆動される。そして、そのときに電流検出器で検出される検出電流値によってオフセット値が更新される。このため、電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、
前記モータ駆動回路は、電源ライン側に配置された第1のスイッチング素子と接地側に配置された第2のスイッチング素子とからなる互いに直列に接続されたスイッチング素子対を含み、
前記オフセット値更新手段は、前記目標電流値が前記所定値以下かつ前記モータ角速度が前記所定速度以下である状態が前記所定時間継続したときに、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを全てオフさせた状態で前記モータ電流検出手段によって検出される検出電流値で前記オフセット値を更新することを特徴とする。
【0014】
このような第3の発明によれば、目標電流値が所定値以下で、かつ、モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに、モータ駆動回路の全ての相がオフ状態にされる。そして、そのときに電流検出器で検出される検出電流値によってオフセット値が更新される。このため、電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクTsを検出するトルクセンサ3と、当該車両の走行速度Vsを検出する車速センサ4と、ハンドル操作による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生するブラシレスモータ6と、その操舵補助力をラック軸に伝達するボールねじ駆動部11と、ブラシレスモータ6のロータの回転位置を検出する位置検出センサ12と、車載バッテリ8から電源の供給を受けて、トルクセンサ3および車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
【0016】
運転者がハンドル100を操作すると、トルクセンサ3によって検出された操舵トルクTsと車速センサ4によって検出された車速Vsと位置検出センサ12によって検出されたロータの回転位置とに基づいて、ECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、その操舵補助力がボールねじ駆動部11を介してラック軸に加えられることにより、運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクTsとモータ6の発生する操舵補助力とによって、ラック軸が往復運動を行う。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0017】
<2.制御装置の構成>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の構成を示すブロック図である。このECU5は、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10とモータ駆動部とから構成される。マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、車速演算部184と、目標電流演算部114と、減算器122、124と、d軸電流PI制御部126と、q軸電流PI制御部128と、d−q/3相交流座標変換部132と、符号反転加算器134と、3相交流/d−q座標変換部138と、ロータ角速度演算部142と、ロータ角加速度演算部186と、オフセット値更新部170とからなるモータ制御部として機能する。目標電流演算部114には、基本アシスト制御部180と補償制御部182とモータ電流指令値演算部188とが含まれている。また、マイコン10は、現在時刻を示すタイマー190を備えている。モータ駆動部は、モータ制御部としてのマイコン10から出力される電圧指令値に基づき3相のブラシレスモータ6を駆動するハードウェア(回路)であり、PWM信号生成回路150と、モータ駆動回路152と、U相電流検出器156と、V相電流検出器154と、ロータ角度位置検出器162とから構成される。また、ECU5にはリレー(不図示)が設けられており、当該リレーが閉じられている期間中、モータ駆動部およびブラシレスモータ6へ電源が供給される。なお、本実施形態では、ロータ角度位置検出器162とロータ角速度演算部142とは、モータ角速度を検出するモータ角速度検出手段として機能しているが、その機能すべてをハードウェアで実現してもよい。
【0018】
ハンドル100が操作されると、トルクセンサ3によって検出される操舵トルクTsがECU5に入力されるとともに、車速センサ4によって検出される車速信号VsもECU5に入力される。車速演算部184では、車速信号Vsに基づいて車速Vが算出される。また、モータ6に取り付けられた位置検出センサ12から出力されるセンサ信号に基づいて、ロータ角度位置検出器162は、モータ6のロータである回転界磁(永久磁石)の回転位置すなわち電気角θreを示す信号を出力する。ロータ角速度演算部142は、ロータ角度に相当する電気角θreを示す信号に基づき、ロータ角速度ωreを示す信号を出力する。ロータ角加速度演算部186は、ロータ角速度ωreを示す信号に基づいて、ロータ角加速度ω’reを示す信号を出力する。
【0019】
補償制御部182では、操舵トルクTs、車速V、ロータ角速度(モータ角速度)ωre、ロータ角加速度(モータ角加速度)ω’reに基づいて、収斂性の補正や位相補償を施し、補償電流値icを出力する。基本アシスト制御部180は、アシストマップと呼ばれる、操舵トルクと目標電流値とを対応づけるテーブルを参照して、操舵トルクTsと車速Vとに基づいて、モータ6に流すべき目標電流値Itを決定する。モータ電流指令値演算部188は、目標電流値Itと補償電流値icとに基づいて、q軸電流指令値iqを出力する。このq軸電流指令値iqは、モータ6が発生すべきトルクに対応する電流値であり、減算器124に入力される。一方、d軸電流指令値idは、トルクに関与しないのでid=0として、減算器122に入力される。
【0020】
U相電流検出器156とV相電流検出器154は、それぞれモータのU相、V相に流れる電流を検出し、U相検出電流値iuとV相検出電流値ivとをそれぞれ出力する。なお、U相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivは、実際にモータ6に流れた電流の値にオフセット電流の値が重畳されたものである。
【0021】
オフセット値更新部170は、U相検出電流値iu、V相検出電流値iv、ロータ角速度ωreなどに基づいて、オフセット値を更新する。また、オフセット値更新部170は、U相検出電流値iuとV相検出電流値ivからそれぞれオフセット値を減算することにより補正し、U相モータ電流値imuとV相モータ電流値imvとを出力する。なお、オフセット値更新部170における処理の詳しい説明は後述する。
【0022】
3相交流/d−q座標変換部138は、ロータの電気角θreに基づいて、U相モータ電流値imuおよびV相モータ電流値imvを、d−q座標上の値であるd軸モータ電流値idおよびq軸モータ電流値iqに変換する。このd軸モータ電流値idおよびq軸モータ電流値iqは、減算器122および減算器124にそれぞれ入力される。
【0023】
減算器122では、d軸電流指令値idとd軸モータ電流値idとの偏差id−idが出力される。そして、d軸電流PI制御部126では、その偏差id−idに基づく比例積分演算によって、d軸電圧指令値vdが出力される。一方、減算器124では、q軸電流指令値iqとq軸モータ電流値iqとの偏差iq−iqが出力される。そして、q軸電流PI制御部126では、その偏差iq−iqに基づく比例積分演算によって、q軸電圧指令値vqが出力される。
【0024】
d−q/3相交流座標変換部132では、ロータの電気角θreに基づいて、d軸電圧指令値vdおよびq軸電圧指令値vqを、3相交流座標上の値であるU相電圧指令値vuおよびV相電圧指令値vvに変換する。そして、符号反転加算器134は、U相電圧指令値vuおよびV相電圧指令値vvからW相電圧指令値vwを算出する。
【0025】
PWM信号生成回路150は、U相電圧指令値vu、V相電圧指令値vv、W相電圧指令値vwを受け取り、それらの指令値に応じてデューティ比の変化するPWM信号Su、Sv、Swを生成する。モータ駆動回路152では、そのPWM信号Su、Sv、Swによってスイッチング素子がオン/オフされ、それにより、デューティ比に応じた電圧vu、vv、vwがモータ6のU相、V相、W相にそれぞれ印加される。
【0026】
<3.オフセット値の更新>
次に、本実施形態におけるオフセット値の更新について説明する。図3は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。なお、図2のオフセット値更新部170は、このフローチャートで、ステップS103、ステップS105、ステップS109、ステップS111、ステップS113、ステップS115、ステップS117、ステップS119、ステップS121、およびステップS123で示すステップにより実現される。
【0027】
この電動パワーステアリング装置において、イグニッションスイッチ9がオンされると(ステップS101)、マイコン10にて動作するプログラムで参照するパラメータ(変数)の初期値を設定する(ステップS103)。ステップS103では、U相オフセット値iou、V相オフセット値iov、U相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbw、基準時刻Tb、および経過時間Tpに零を設定する。また、基準モータ電流指示値ib、基準モータ角速度ωb、および基準経過時間Tpbに所望の値を設定する。ここで、基準モータ電流指示値ibは、操舵補助力が発生しているか否かを判定するための閾値となる電流値であり、ステップS113で、q軸電流指令値iqと比較される。また、基準モータ角速度ωbは、モータ6が停止しているとみなすことができるか否かを判定するための閾値となるモータ角速度であり、ステップS113で、ロータ角速度ωreと比較される。さらに、基準経過時間Tpbは、ステップS117で、後述する条件に合致する状態となってからの経過時間Tpと比較されるものであり、経過時間Tpが基準経過時間Tpb以上になれば、ステップS119でオフセット値が更新される。以上の初期値を設定すると、ステップS105に進む。
【0028】
ステップS105では、U相電流検出器156によって検出されたU相検出電流値iuとV相電流検出器154によって検出されたV相検出電流値ivとをそれぞれU相オフセット値iou、V相オフセット値iovに設定する。すなわち、イグニッションスイッチ9がオンされた直後にU相電流検出器156およびV相電流検出器154で生じているオフセット電流の値が、U相オフセット値iouおよびV相オフセット値iovにそれぞれ設定される。
【0029】
その後、リレーが閉じられ(オン状態にされ)、モータ6の駆動が開始される(ステップS107)。そして、モータ6が駆動されたときにモータ駆動回路152に与えられるU相、V相、W相それぞれのPWM信号のデューティ比Su、Sv、Swを、U相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbwとしてそれぞれ設定する(ステップS109)。ここで設定されたU相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbwに基づいてモータ6を駆動させると、電流検出器ではオフセット電流のみが検出されることになる。後述するオフセット値の更新の際に、これらのデューティ比に基づいてモータ6を駆動させるので、それぞれのデューティ比を保持しておく。その後、ステップS111に進む。
【0030】
ステップS111では、オフセット値を更新するか否かを判定するために、モータ電流指令値演算部188が出力するq軸電流指令値iqとロータ角速度演算部142が出力するロータ角速度ωreとタイマー190が出力する現在時刻Tiとを取得する。そして、ステップS113に進む。
【0031】
ステップS113では、q軸電流指令値iqが基準モータ電流指示値ib以下であるか否かを判定し、さらに、ロータ角速度ωreが基準モータ角速度ωb以下であるか否かを判定する。判定の結果、q軸電流指令値iqが基準モータ電流指示値ib以下であり、かつ、ロータ角速度ωreが基準モータ角速度ωb以下あれば、ステップS115に進む。上記条件が満たされていなければ、ステップS123に進む。なお、上記条件が満たされているときは、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータ6がほぼ停止しているとみなすことができる。
【0032】
ステップS115では、基準時刻Tbが零であるか否かを判定する。判定の結果、基準時刻Tbが零であればステップS121に進み、基準時刻Tbが零でなければステップS117に進む。なお、基準時刻Tbは、上述した条件が満たされた状態になったときの時刻であり、モータ6が再度駆動されると後述するステップS123で零に設定される。
【0033】
ステップS117では、現在時刻Tiと基準時刻Tbとに基づいて経過時間Tpを算出し、経過時間Tpが基準経過時間Tpb以上であるか否かを判定する。この経過時間Tpは、上述した条件が満たされた状態が継続している時間である。判定の結果、経過時間Tpが基準経過時間Tpb以上であればステップS119に進み、経過時間Tpが基準経過時間Tpb未満であればステップS125に進む。
【0034】
ステップS119では、イグニッションスイッチがオンされたときのPWM信号のデューティ比に基づいてモータ6を駆動させる。すなわち、U相基準PWMデューティ比Dbu、V相基準PWMデューティ比Dbv、W相基準PWMデューティ比Dbwによりモータ6がPWM駆動される。そして、そのときにモータ6に流れる電流値をU相電流検出器156およびV相電流検出器154より取得する。これによって得られたU相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivを更新後のオフセット値として、それぞれU相オフセット値iou、V相オフセット値iovに設定する。その後、基準時刻Tbを零に設定し、ステップS125に進む。
【0035】
基準時刻Tbが零であるとステップS115で判定されたとき、ステップS121で基準時刻Tbに現在時刻Tiを設定し、ステップS125に進む。すなわち、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータ6がほぼ停止しているとみなすことができる状態となったときの時刻が基準時刻Tbに設定される。
【0036】
上述した、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータ6がほぼ停止しているとみなすことができる状態ではないとステップS113で判定されたとき、ステップS123で基準時刻Tbを零に設定し、ステップS125に進む。
【0037】
ステップS125では、U相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivをU相オフセット値iouおよびV相オフセット値iovによって補正した電流値に基づいて従来のモータ駆動処理を行う。その後、ステップS111に戻り、ステップS111からステップS125までが、この電動パワーステアリング装置の動作中、繰り返される。
【0038】
<4.効果>
以上のように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、モータの動作中、モータに流すべき目標電流値が所定値以下であるか否かが判定され、なおかつ、モータ角速度が所定値以下であるか否かが判定される。すなわち、操舵補助力が発生しておらず、かつ、モータがほぼ停止しているとみなすことができるか否かが判定される。そして、その条件が満たされる状態が一定時間続いたときに、電流検出器からオフセット電流のみが検出されるような指令値によりモータを駆動させる。このときに、電流検出器によって検出された電流値によりオフセット値を更新する。電流検出器によって検出された電流値からオフセット値を減算すると、実際にモータに流れる電流値が求められる。このため、環境変化等の影響で電流検出器で生じるオフセット電流が変動しても、モータに流れる電流値が正しく求められる。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。
【0039】
<5.変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、全体構成および制御装置の構成は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。図4は、本変形例に係る電動パワーステアリング装置における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、本実施形態の変形例におけるオフセット値の更新について説明する。なお、上記実施形態で説明した図3に示した処理と同様の処理が行われるステップについては、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0040】
本変形例では、図3に示すステップS109に対応する処理は行われない。上記実施形態では、イグニッションスイッチ9がオンされたときのPWM信号のデューティ比によってモータ6を駆動させて更新後のオフセット値を取得していたが、本変形例では、モータ駆動回路152の全ての相をオフ状態にすることにより更新後のオフセット値を取得するので、PWM信号のデューティ比を保持する必要はない。このため、ステップS109に対応する処理は行われない。
【0041】
また、本変形例では、図3に示すステップS119に代えてステップS219が行われる。ステップS219では、モータ駆動回路152の全ての相をごく短時間(数ミリ秒以下)オフ状態にする。そして、そのときにモータ6に流れる電流値をU相電流検出器156およびV相電流検出器154によって取得する。これによって得られたU相検出電流値iuおよびV相検出電流値ivを更新後のオフセット値として、それぞれU相オフセット値iou、V相オフセット値iovに設定する。その後、基準時刻Tbを零に設定し、ステップS125に進む。
【0042】
本変形例によっても、電動パワーステアリング装置の動作中、オフセット値が随時更新される。これにより、オフセット電流の変動によるトルクリップルの発生が防止され、運転者に違和感のない操舵感を与えることができる。また、上記実施形態および変形例では、フィードバック制御によりモータを制御する構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィードバック制御によらないモータ制御にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】上記実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御的観点から見た構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施形態における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。
【図4】上記実施形態の変形例における、オフセット値の更新手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 …ECU(電子制御ユニット)
6 …ブラシレスモータ
10 …マイコン
138…3相交流/d−q座標変換部
150…PWM信号生成回路
152…モータ駆動回路
154…V相電流検出器
156…U相電流検出器
170…オフセット値更新部
id …d軸電流指令値
iq …q軸電流指令値
iu …U相検出電流値
iv …V相検出電流値
ωre…ロータ角速度
Claims (3)
- 車両操舵のための操作に応じて決定される目標電流値に基づきブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記ブラシレスモータに流れる電流を検出し、その検出電流値を出力するモータ電流検出手段と、
前記検出電流値を所定のオフセット値で補正し、前記目標電流値と当該補正後の検出電流値との偏差に基づき前記ブラシレスモータを駆動するための指令値を生成するモータ制御手段と、
前記指令値に応じて前記ブラシレスモータを駆動するモータ駆動回路と、
前記ブラシレスモータのモータ角速度を検出するモータ角速度検出手段とを備え、
前記モータ制御手段は、前記目標電流値が所定値以下かつ前記モータ角速度が所定速度以下である状態が所定時間継続したときに前記オフセット値を前記検出電流値に基づき更新するオフセット値更新手段を含むことを特徴とする、電動パワーステアリング装置。 - 前記モータ駆動回路は、電源ライン側に配置された第1のスイッチング素子と接地側に配置された第2のスイッチング素子とからなる互いに直列に接続されたスイッチング素子対を含み、
前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とは、前記指令値に応じて決定されるデューティ比で断続的にオンし、
前記オフセット値更新手段は、
前記ブラシレスモータの始動時における前記デューティ比を保持し、
前記目標電流値が前記所定値以下かつ前記モータ角速度が前記所定速度以下である状態が前記所定時間継続したときに、当該保持されたデューティ比で前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを断続的にオンさせた状態で前記モータ電流検出手段によって検出される検出電流値で前記オフセット値を更新することを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記モータ駆動回路は、電源ライン側に配置された第1のスイッチング素子と接地側に配置された第2のスイッチング素子とからなる互いに直列に接続されたスイッチング素子対を含み、
前記オフセット値更新手段は、前記目標電流値が前記所定値以下かつ前記モータ角速度が前記所定速度以下である状態が前記所定時間継続したときに、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とを全てオフさせた状態で前記モータ電流検出手段によって検出される検出電流値で前記オフセット値を更新することを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167084A JP2005001513A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167084A JP2005001513A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005001513A true JP2005001513A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34093027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003167084A Pending JP2005001513A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005001513A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008213510A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP2012210943A (ja) * | 2012-07-25 | 2012-11-01 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP2013046514A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-03-04 | Semiconductor Components Industries Llc | 駆動信号生成回路 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003167084A patent/JP2005001513A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008213510A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
JP2013046514A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-03-04 | Semiconductor Components Industries Llc | 駆動信号生成回路 |
JP2012210943A (ja) * | 2012-07-25 | 2012-11-01 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2293428B1 (en) | Motor control device and electric power steering device | |
JP5365701B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
EP1634797B1 (en) | Motor controller and electric power steering apparatus | |
CN107826163B (zh) | 转向操纵装置 | |
US20150066306A1 (en) | Electric power steering system | |
JP5263090B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
US10333440B2 (en) | Motor control apparatus and electric power steering system | |
WO2009123107A1 (ja) | モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 | |
JP2009165259A (ja) | モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 | |
JP2008220155A (ja) | モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 | |
JP2001018822A (ja) | 車両の電動パワーステアリング装置 | |
JP4474894B2 (ja) | パワーステアリング装置および電流検出手段のゲイン差補償方法 | |
US6972537B2 (en) | Electric power steering apparatus | |
JP5263079B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
US8129935B2 (en) | Motor control device | |
US20080069547A1 (en) | Motor control method and motor controller | |
JP2005001513A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2004312930A (ja) | モータ制御装置 | |
JP5012157B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2005059777A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2005088709A (ja) | ステアリング装置 | |
JP5444697B2 (ja) | モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 | |
JP2012153355A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2005001574A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP5157511B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 |