JP7296823B2 - 自動運転式建設機械制御システム、及び自動運転式建設機械制御方法 - Google Patents

自動運転式建設機械制御システム、及び自動運転式建設機械制御方法 Download PDF

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本願発明は、ダンプトラックやブルドーザ、振動ローラといった建設機械の自動運転に関する技術であり、より具体的には、自機位置を測位しながら自動運転を行う建設機械がその測位が中断した場合であっても効率的に作業を継続することができる建設機械の制御システムと、これを用いた建設機械の制御方法に関するものである。
造成盛土や河川堤防、道路の路床あるいは路体といった土構造物は、一般的に、ダンプトラック等によって材料(以下、「盛土材」という。)を撒き出し、撒き出された盛土材をブルドーザ等によって敷き均し、そして敷き均された盛土材を振動ローラ等によって締め固めることで完成させる。所定の品質を得るには振動ローラ等によって締め固めることができる盛土材の厚さに限界があることから、通常は完成形の土構造物を事前に計画された層厚(撒き出し厚)単位で分割し、その分割層ごとに繰り返し所定作業を行いながら完成させていく。例えば、高さ(厚さ)が3mの土構造物を撒き出し厚30cmで施工していくケースでは、施工単位を上下10層に分け、撒き出しから敷き均し、締め固めといった一連の作業を10回繰り返し行っていく。
土構造物のように同一の施工領域で異なる2種類以上の工種が行われる場合、それぞれの工種に対応する建設機械が稼働することとなり、場合によっては2種類以上の建設機械が輻輳(同時稼働)することもある。土構造物の施工範囲が狭小であれば、下層の締め固め作業が完了した後に上層の撒き出し作業を開始するなど、先行工種の作業完了を待ったうえで後続工種を開始することもできる。しかしながら広大な施工範囲においてそのような作業手順で施工を行うと、先行工種の作業完了まで長時間に亘って待機する結果、建設機械の稼働率が低下することから工事費を圧迫するうえ、工事完成までの工期が長引くことになる。そのため、下層の締め固め作業を行っている最中であっても、締め固めが完了したところから順に上層の撒き出し作業を開始するなど、先行工種の作業完了を待つことなく後続工種を開始することもあり、これにより2種類以上の建設機械が輻輳することになるわけである。
ところで、近年では建設業界における人手不足の問題が深刻化しており、行政が計画している工事の遂行にも少なからず影響を及ぼしている。他方、災害現場や事故現場など人が立ち入るには危険な場所で施工することもあるが、その安全対策には常に苦心を強いられていた。このような背景のもと、また情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)や測位技術(GNSS:Global Navigation Satellite System)の飛躍的な進歩もあって、無人の建設機械によって施工を行う「無人施工」が実用化されるようになってきた。
この無人施工は、遠隔操作形式と自動運転形式に大別することができる。遠隔操作形式は、人が建設機械から離れた位置に立ち、無線操作送信機を操作することによって建設機械を操る手法であり、一方の自動運転形式は、一連の作業を指令する処理が組み込まれたプログラムを、コンピュータが実行することによって建設機械が自動的に稼働する手法である。通常、自動運転形式の建設機械(以下、単に「自動運転式建設機械」という。)にはコンピュータが搭載されており、離れた位置に立つ者の操作によってプログラムが実行されることで、建設機械が自動的に所定の施工を行う。
自動運転式建設機械は、一般的な建設機械と同様、走行しながら施工するものが多い。特に自動運転式建設機械の場合は自動走行が基本であり、そのため事前に設定された走行経路が入力され、そしてその走行経路にしたがって自動走行していく。また、自動走行中の自機の位置を確認するため、GNSS受信機を搭載するなど、通常は何らかの測位手段が設けられる。
建設機械による自動化施工に関しては、これまでにも様々な技術が提案されており、例えば特許文献1では、移動体側GNSS受信装置が備え付けられたブルドーザと振動ローラとの間で、管理側コンピュータを介して、位置データや施工状況データを送受信する技術について提案している。
特開2014-189975号公報
既述したとおり、複数工種が行われる施工領域では複数種類の建設機械が輻輳することもあり、したがって自動運転式建設機械を採用する場合、同一の施工領域で複数種類の自動運転式建設機械が輻輳することもある。2以上の自動運転式建設機械が輻輳すると相互に接触するおそれもあることから、これまでは施工管理事務所などがGNSS等による測位結果に基づいて各自動運転式建設機械の位置を監視しながら施工を行うのが主流であった。
GNSSは、測位衛星を利用した測位手法であり、原則として衛星からの電波が届くあらゆる場所でその位置を計測することができ、一方で測位衛星の運航軌跡によっては通信不良の状態となり一時的に測位できない状況となることも知られている。また、GNSSに代えてトータルステーション(TS:Total Station)を用いて建設機械の測位を行うこともあるが、この場合も測量機器とターゲット(プリズム)の間に障害物が介在するとやはり一時的に測位できない状況となる。従来、自動運転式建設機械による施工方式を採用した場合は、自動運転式建設機械どうしが接触するといった不測の事態を回避すべく、一時的に測位できない状況になると自動運転式建設機械の稼働(作業や走行)を停止させていた。そして、施工管理者などが安全を確認したうえで、自動運転式建設機械を稼働させていた。
このように、一時的に測位できない状況になるたびに作業全体を停止させると、著しく作業効率が低下するうえ、セメント系の改良材などを使用するケースでは所定時間が経過することでその改良材が使用できないこともあった。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち一時的に測位できない状況になったときであっても、自動運転式建設機械どうしの接触を防ぎそれぞれ継続して稼働することができる自動運転式建設機械の制御システムと、これを用いた自動運転式建設機械の制御方法を提供することである。
本願発明は、一時的に測位できない状況になるとそのときの走行状態を維持しつつ走行するように自動運転式建設機械を制御し、さらに測位できない状況が連続するとあらかじめ定めた退避場所に移動するように自動運転式建設機械を制御する、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、同一の施工領域で輻輳する2以上の自動運転式建設機械を制御するシステムであって、制御手段と測位手段、動作状態計測手段、送受信手段を備えたものである。この施工領域では、異なる2以上の工種が行われるとともに、それぞれの工種に対応する自動運転式建設機械が稼働する。制御手段は、それぞれの自動運転式建設機械に搭載され、あらかじめ設定された経路で走行するように自動運転式建設機械を制御する手段であり、測位手段は、それぞれの自動運転式建設機械の自機位置を連続的、定期的又は断続的に取得する手段である。動作状態計測手段は、それぞれの自動運転式建設機械に搭載され、移動速度及び移動方向を含む自動運転式建設機械の「動作状態」を連続的、定期的又は断続的に取得する手段であり、送受信手段は、それぞれの自動運転式建設機械に搭載され、自動運転式建設機械の自機位置と動作状態を他の自動運転式建設機械に送信するとともに、他の自動運転式建設機械の自機位置と動作状態を受信する手段である。そして、あらかじめ定めた第1閾値時間を超えて測位手段が自機位置を取得しないとき、その測位手段に係る自動運転式建設機械の制御手段は、その自動運転式建設機械を「暫定異常事態」として判断するとともに、暫定異常事態と判断したときの移動速度及び移動方向を維持したまま自動運転式建設機械を走行させる。
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、暫定異常事態と判断された情報が他の自動運転式建設機械に送信されるものとすることもできる。この場合、暫定異常事態と判断したときの「暫定異常自動運転式建設機械(暫定異常事態と判断された自動運転式建設機械)」の自機位置と動作状態が、送受信手段によって他の自動運転式建設機械に送信される。そして、暫定異常自動運転式建設機械や他の自動運転式建設機械の制御手段は、暫定異常自動運転式建設機械の自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、暫定異常自動運転式建設機械と他の自動運転式建設機械が将来接触する(あるいは著しくは接近する)と推定されたときは、移動速度や移動方向を修正して自動運転式建設機械を走行させる、
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、地図情報記憶手段と施工状況管理手段をさらに備えたものとすることもできる。この地図情報記憶手段は、施工領域と小領域(施工領域を複数に分割した複数の分割領域)を含む地図情報を記憶する手段であり、施工状況管理手段は、自動運転式建設機械の作業進捗状況に応じて、それぞれの小領域に対して施工状況を示す「施工状況識別子」を付与する手段である。この場合、自動運転式建設機械のうち後続の工種に係る自動運転式建設機械の制御手段は、先行する工種の施工が完了した施工状況識別子が、施工状況管理手段によってあらかじめ定められた所定数以上の小領域に対して付与されたときに、その後続の工種に係る自動運転式建設機械の走行を開始させる。
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、あらかじめ定めた第2閾値時間を超えて暫定異常事態が継続したときに「本格異常事態」と判断するものとすることもできる。この場合、本格異常事態と判断された情報が送受信手段によって他の自動運転式建設機械に送信される。また、制御手段が本格異常事態と判断したとき、それぞれの自動運転式建設機械の制御手段は、あらかじめ定めた退避場所に移動するようにその自動運転式建設機械を制御する。
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、積荷検知手段(積み荷を検知する手段)を有する搬送機械を制御するものとすることもできる。この場合、搬送機械の制御手段は、積荷検知手段によって積み荷が検知されないときは、施工領域外の退避場所に移動するように搬送機械を制御する。
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、施工中の小領域の進捗の程度に応じて第1退避場所あるいは第2退避場所に移動するように自動運転式建設機械を制御するものとすることもできる。この場合、それぞれの自動運転式建設機械の制御手段は、施工中の小領域の進捗の程度があらかじめ定めた進捗閾値を超えるときは、第1退避場所に移動するように自動運転式建設機械を制御し、施工中の小領域の進捗の程度が進捗閾値を下回るときは、第2退避場所(第1退避場所とは異なる場所)に移動するように自動運転式建設機械を制御する。
本願発明の自動運転式建設機械制御システムは、敷均し機械を含む2以上の自動運転式建設機械を制御するものとすることもできる。この敷均し機械は、施工領域内に設定される走行レーンを移動しながら撒き出された土砂を敷き均す自動運転式建設機械である。この場合、敷均し機械の制御手段は、施工中の小領域の進捗の程度が進捗閾値を超えるときは、施工中の小領域の開始位置に移動するように自動運転式建設機械を制御し、施工中の小領域の進捗の程度が進捗閾値を下回るときは、施工中の走行レーンの開始位置に移動するように自動運転式建設機械を制御する。
本願発明の自動運転式建設機械制御方法は、同一の施工領域で輻輳する2以上の自動運転式建設機械を制御する方法であって、自動運転式建設機械走行工程と測位工程、動作状態計測工程、送受信工程を備えた方法である。このうち自動運転式建設機械走行工程では、それぞれの自動運転式建設機械に搭載された制御手段によって、あらかじめ設定された経路で走行するように自動運転式建設機械を制御し、測位工程では、それぞれの自動運転式建設機械の自機位置を連続的、定期的又は断続的に取得する。また、動作状態計測工程では、それぞれの自動運転式建設機械に搭載された動作状態計測手段によって、移動速度及び移動方向を含む自動運転式建設機械の「動作状態」を連続的、定期的又は断続的に取得し、送受信工程では、それぞれの自動運転式建設機械に搭載された送受信手段によって、その自動運転式建設機械の自機位置と動作状態を他の自動運転式建設機械に送信するとともに、他の自動運転式建設機械の自機位置と動作状態を受信する。そして、あらかじめ定めた第1閾値時間を超えて測位手段が自機位置を取得しないとき、その測位手段に係る自動運転式建設機械の制御手段は、その自動運転式建設機械を「暫定異常事態」として判断するとともに、暫定異常事態と判断したときの移動速度及び移動方向を維持したまま自動運転式建設機械を走行させる。
本願発明の自動運転式建設機械制御方法は、施工領域で、同一の工種に対応する2以上の自動運転式建設機械(2以上の搬送機械や2以上の敷均し機械など)を制御する方法とすることもできる。
本願発明の自動運転式建設機械制御システム、及び自動運転式建設機械制御方法には、次のような効果がある。
(1)先行工種の作業完了を待つことなく後続工種を開始することができるため、特に広大な施工範囲において、効果的に工事費を抑制できるとともに工期を短縮することができる。
(2)一時的に測位できない状況になったときでも、自動運転式建設機械どうしの接触を防ぐことができ、それぞれの自動運転式建設機械は継続して稼働することができる。
(3)長時間に亘って測位できない状況にあっては自動運転式建設機械を適切な場所に避難させることによって、さらに安定して2以上の自動運転式建設機械の輻輳稼働を行うことができる。
同じ施工領域内で複数の自動運転式建設機械が輻輳して稼働している状況を模式的に示す平面図。 本願発明の自動運転式建設機械制御システムの主な構成を示すブロック図。 自動運転式振動ローラが、走行レーンを往復して走行する状況を模式的に示す平面図。 施工領域を複数に分割した小領域を示すモデル図。 作業状態に対応した施工状況識別子とともに層の序数が付与された小領域を模式的に示すモデル図。 自動運転式ダンプトラックと自動運転式ブルドーザが施工領域内で稼働し、自動運転式振動ローラが施工領域外で待機している状況を模式的に示す平面図。 本願発明の自動運転式建設機械制御システムの主な処理の流れを示すフロー図。 積荷検知手段が積み荷を検知したときに設定される第1退避場所と、積荷検知手段が積み荷を検知しないときに設定される第2退避場所を、模式的に示す平面図。 (a)は施工中の小領域における作業進捗程度が進捗閾値を超えるときに設定される自動運転式ブルドーザの第1退避場所を模式的に示す平面図、(b)は施工中の小領域における作業進捗程度が進捗閾値を下回るときに設定される自動運転式ブルドーザの第2退避場所を模式的に示す平面図。 本願発明の自動運転式建設機械制御方法の主な工程を示すフロー図。
本願発明の自動運転式建設機械制御システム、及び自動運転式建設機械制御方法の実施形態の例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
本願発明は、自機位置を測位しながら稼働する自動運転式建設機械(自動運転形式の建設機械)の走行を制御するものであって、同じ施工領域内で輻輳して稼働する複数の自動運転式建設機械を制御することができる発明である。例えば図1では、盛土工事が行われている施工領域内において、自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、そして自動運転式振動ローラ200Rが稼働しており、本願発明はこのような状況にある自動運転式建設機械の走行を制御することができる。
図1についてより詳しく説明すると、「領域A」では、搬送機械である自動運転式ダンプトラック200D(図面左側)がここまで搬送してきた盛土材を撒き出すとともに、撒き出した後の(つまり空荷の)自動運転式ダンプトラック200D(図面右下)が施工領域外に退出しようとしている。また「領域B」では、敷均し機械である自動運転式ブルドーザ200Bが撒き出された盛土材を敷き均しており、「領域C」では、締め固め機械である自動運転式振動ローラ200Rが敷き均された盛土材を締め固めている。本願発明は、これら複数の自動運転式建設機械が互いに接触しないようにその走行を制御することができ、また例えば自動運転式ダンプトラック200Dが一時的に自機位置を測位しない状況(以下、「欠測状況」という。)になったとしても自動運転式ダンプトラック200Dなどは継続して作業を行うことができるよう制御することができるものである。
なお本願発明は、同一の施工領域で異なる2種類以上の工種が行われるあらゆる工事で、しかも種々の自動運転式建設機械を対象として実施することができるが、便宜上ここでは、盛土が行われる施工領域において自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200Rが稼働する場合で説明する。また、例えば4台の自動運転式ダンプトラック200Dと2台の自動運転式ブルドーザ200B、2台の自動運転式振動ローラ200Rといった組み合わせなど、同一の施工領域において2以上の同種の自動運転式建設機械が稼働するケースでも、本願発明を実施することができる。
2.自動運転式建設機械制御システム
本願発明の自動運転式建設機械制御システムについて、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本願発明の自動運転式建設機械制御方法は、本願発明の自動運転式建設機械制御システムを用いて自動運転式建設機械を制御する方法であり、したがってまずは本願発明の自動運転式建設機械制御システムについて説明し、その後に本願発明の自動運転式建設機械制御方法について説明することとする。
図2は、本願発明の自動運転式建設機械制御システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように自動運転式建設機械制御システム100は、自動運転式建設機械200に搭載された制御手段101と測位手段102、動作状態計測手段103、そして送受信手段104を含んで構成され、さらに積荷検知手段105や施工状況管理手段106、地図情報記憶手段107を含んで構成することもできる。またこの図に示すように、制御手段101と測位手段102、動作状態計測手段103、そして送受信手段104はそれぞれの自動運転式建設機械200(この図では、自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B。自動運転式振動ローラ200R)に搭載され、積荷検知手段105は特に自動運転式ダンプトラック200Dに搭載される。ただし、後述するように自動運転式建設機械200の自機位置を計測する手法によっては、必ずしも測位手段102を自動運転式建設機械200に搭載する必要はない。ここで「自機位置」とは、移動中あるいは停止時における自動運転式建設機械200の現在位置のことである。
自動運転式建設機械制御システム100のうち制御手段101や施工状況管理手段106は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。このコンピュータ装置は、パーソナルコンピュータ(PC)や、iPad(登録商標)といったタブレット型PC、あるいはスマートフォンを含む携帯端末などによって構成することができる。コンピュータ装置は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリを具備しており、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むものもある。また地図情報記憶手段107は、例えば施工状況管理手段106としてのコンピュータ装置のメモリに構築することもできるし、あるいはローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)で接続されたデータベースサーバに構築することもできるし、インターネット経由(つまり無線通信や有線通信)で記憶させるクラウドサーバとすることもできる。
自動運転式ダンプトラック200Dや自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200Rといった自動運転式建設機械200は、自走可能であって、それぞれ撒き出し(ダンプアップ)や敷き均し、締め固めなどの作業を自動運転するものである。そして制御手段101が、特に自動運転式建設機械200の走行を制御する。より詳しくは、事前に設定された走行経路(以下、「計画走行経路」という。)が入力されて、例えば制御手段101としてのコンピュータ装置のメモリに記憶され、測位手段102によって計測される自機位置を参照しながら制御手段101がこの計画走行経路にしたがって自動運転式建設機械200を自走させる。
例えば自動運転式振動ローラ200Rの場合、図3に示すように、施工領域を網羅するように複数の走行レーン(図では第1走行レーンLn01~第4走行レーンLn04)が設定され、そして各走行レーンに対して規定回数だけ往復するように計画走行経路が設定される。すなわち制御手段101が制御することによって、自動運転式振動ローラ200Rは、第1走行レーンLn01を締め固めながら規定回数だけ往復した後、第2走行レーンLn02に対しても締め固めながら規定回数だけ往復し、さらに第3走行レーンLn03と第4走行レーンLn04に対しても同様に締め固めながら自走していくわけである。
測位手段102は、自動運転式建設機械200の自機位置を連続的(あるいは、定期的、断続的)に計測する手段であり、GNSSを利用した測位手法や、トータルステーションを用いた測位手法、あるいはレーザー測距装置を使用した測位手法、ステレオ画像を使用した測位手法など、従来用いられている種々の測位手法を採用することができる。GNSSを利用した測位手法を採用した場合、測位手段102としてのGNSS受信機がそれぞれの自動運転式建設機械200(自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200R)に搭載される。またトータルステーションを用いた測位手法を採用した場合、測位手段102としてのターゲット(プリズム)が各自動運転式建設機械200に搭載されるとともに、施工領域周辺にトータルステーションが設置される。レーザー測距装置やステレオ画像を使用した測位手法を採用した場合は、測位手段102としてのレーザー測距装置や画像取得装置が施工領域周辺に設置され、各自動運転式建設機械200には特段の装置は搭載されない。
動作状態計測手段103は、自動運転式建設機械200の「動作状態」を連続的(あるいは、定期的、断続的)に取得するものである。ここで動作状態とは、自動運転式建設機械200の移動速度(走行速度)と移動方向(走行方向)を含むものであり、そのほか自動運転式建設機械200の作業状況(例えば、敷き均し作業の実施の有無など)を含めることもできる。なお自動運転式建設機械200の移動速度は、従来用いられている速度計を利用して取得することができ、自動運転式建設機械200の移動方向は、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)や電子コンパスなど従来用いられている各種センサを利用して取得することができ。
送受信手段104は、自動運転式建設機械200の自機位置と動作状態を連続的(あるいは、定期的、断続的)に他の自動運転式建設機械200の送受信手段104に送信するとともに、他の自動運転式建設機械200の自機位置と動作状態を連続的(あるいは、定期的、断続的)に受信するものである。原則として送受信手段104は、WiFiなど無線通信を利用して他の送受信手段104と接続され、CAN(Controller Area Network)やRS-422など比較的高速なシリアル通信プロトコルを利用してデータを送受信するとよい。送受信手段104が受信した他の自動運転式建設機械200の自機位置と動作状態は、制御手段101に渡される。
積荷検知手段105は、既述したとおり特に自動運転式ダンプトラック200Dに搭載されるものであって、積み荷の状態を検知するものである。より詳しくは、自動運転式ダンプトラック200Dの荷台の重量を計測する重量センサや、ダンプアップを検知するセンサなどを利用することによって、自動運転式ダンプトラック200Dの積み荷の有無(つまり、空荷か否か)を判定するものである。
地図情報記憶手段107は、「地図情報」を記憶するものである。ここで地図情報とは、図4に示すように施工領域を複数に分割した領域(以下、「小領域MS」という。)と、施工領域を含む情報であって、施工領域の位置を定める座標や、それぞれの小領域MSの位置を定める座標といった情報も含まれ、さらにそれぞれの小領域MSを特定する識別情報などの情報を含めることもできる。なお、施工領域や小領域MSの位置を定める座標は、平面直角座標(x,y)や緯度経度による平面座標とすることもできるが、高さを含む3次元座標とするほうがよい。
施工状況管理手段106は、それぞれの小領域MSに対して「施工状況」を示すものである。ここで施工状況とは、自動運転式建設機械200の作業進捗状況(いわばステイタス)を表すものであり、具体的には施工状況管理手段106が、あらかじめ施工状況に応じて関連付けられた「施工状況識別子(いわゆるフラグ)」をそれぞれの小領域MSに対して付与していく。以下、図5を参照しながら小領域MSごとの施工状況について説明する。
図5に示す第1小領域MS01は、第n層(第n+1層の下層)までの締め固め作業が完了した状況であり、締め固め作業完了に対応する施工状況識別子と第n層という情報とが地図情報としての第1小領域MS01に付与される。また図5に示す第2小領域MS02は、第n+1層(第n層の上層)における撒き出し作業が完了した状況であり、撒き出し作業完了に対応する施工状況識別子と第n+1層という情報とが地図情報としての第2小領域MS02に付与される。同様に、第3小領域MS03には敷き均し作業完了に対応する施工状況識別子と第n+1層という情報、第4小領域MS04には締め固め作業完了に対応する施工状況識別子と第n+1層という情報、第5小領域MS05には撒き出し完了に対応する施工状況識別子と第n+2層(第n+1層の上層)という情報が、それぞれ付与される。このように、作業の進捗とともに層の序数(例えば第n層)を各小領域MSに対して付与していくと、先行作業と後続作業の関係が明確となる。
施工状況管理手段106が小領域MSに対して施工状況識別子を付与する(変更する)にあたっては、自動運転式建設機械200の自機位置や動作状態が用いられる。動作状態に作業状況が含まれる場合は、自機位置と作業状況に基づいて対象とする小領域MSに適した施工状況識別子を施工状況管理手段106が付与する。一方、動作状態に作業状況が含まれない場合は、自動運転式建設機械200の種別とその自機位置に基づいて、つまり、どの自動運転式建設機械200が対象とする小領域MSを通過したかを判断することによって適当な施工状況識別子を施工状況管理手段106が付与する。
施工状況管理手段106と地図情報記憶手段107は、集中管理方式として例えば管理棟などに設置することもできるし、個別管理方式としてそれぞれの自動運転式建設機械200(自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200R)に搭載することもできる。なお集中管理方式とする場合は、地図情報や施工状況識別子を各自動運転式建設機械200に送信し、各自動運転式建設機械200の自機位置や動作状態を受信するための送受信手段を施工状況管理手段106側に設置し、個別管理方式とする場合は、施工状況管理手段106と各自動運転式建設機械200に搭載された各種手段(制御手段101や測位手段102、動作状態計測手段103など)とが接続される。
図1に示すように同じ施工領域内で稼働する自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200Rは、それぞれ互いの位置を把握しながら走行し、各々の作業を行っていく。すなわち、自動運転式建設機械200が測位手段102によって自機位置を把握するとともに、送受信手段104で受信した他の自動運転式建設機械200の自機位置と照らし合わせることによって、その安全性を確認しつつ各作業を行っていくわけである。そして、自動運転式建設機械200と他の自動運転式建設機械200が十分離れている(閾値を上回る距離にある)ときは、制御手段101が計画走行経路にしたがって自動運転式建設機械200を走行させていくが、自動運転式建設機械200が他の自動運転式建設機械200と著しく接近した(閾値を下回る距離になった)ときは、制御手段101が移動速度や移動方向を修正して自動運転式建設機械200を走行させる。
また制御手段101は、先行する工種に係る自動運転式建設機械200と十分な距離(閾値を上回る距離)が確保されたときに、その自動運転式建設機械200を施工領域内へ侵入させる。図6では、自動運転式ダンプトラック200Dが22の小領域MS(図では中央付近の白抜きメッシュ)に対して撒き出し作業を終え、自動運転式ブルドーザ200Bが16の小領域MS(図では左2列の網掛けメッシュ)に対して敷き均し作業を終え、一方、自動運転式振動ローラ200Rは施工領域外で待機している。そして、自動運転式振動ローラ200Rに先行する自動運転式ブルドーザ200Bが、あらかじめ定めた所定数(この図では10個)の小領域MSに対して敷き均し作業を終えたことから、自動運転式振動ローラ200Rの制御手段101は、作業を開始すべく自動運転式振動ローラ200Rを施工領域内へ侵入させる。このように、先行する工種(この場合、敷き均し作業)の施工が完了した施工状況識別子が所定数(この場合、10個)以上の小領域MSに対して付与されたときに、後続の工種に係る自動運転式建設機械200(この場合、自動運転式振動ローラ200R)の制御手段101が自機の走行を開始させる仕様とすることができる。
本願発明は、欠測状況(一時的に自機位置を測位しない状況)になったときに、その時点における移動速度と移動方向で継続走行させることを特徴のひとつとしている。図7は、本願発明の自動運転式建設機械制御システム100の主な処理の流れを示すフロー図である。以下、この図を参照しながら自動運転式建設機械制御システム100の主な処理の流れについて説明する。
まず、各自動運転式建設機械200の制御手段101が、それぞれの計画走行経路を読み出し、それぞれの計画走行経路にしたがって自機の走行を開始する(Step101)。ただし、自動運転式ブルドーザ200Bの制御手段101は、先行する撒き出し作業が所定数の小領域MSで行われた(つまり、相当する施工状況識別子が所定数以上の小領域MSに対して付与された)ときに、自動運転式ブルドーザ200Bを施工領域内に進入させ、自動運転式振動ローラ200Rの制御手段101は、先行する敷き均し作業が所定数の小領域MSで行われた(つまり、相当する施工状況識別子が所定数以上の小領域MSに対して付与された)ときに、自動運転式振動ローラ200Rを施工領域内に進入させる。
それぞれの自動運転式建設機械200は、走行しながら測位手段102によって連続的(あるいは、定期的、断続的)に自機位置を取得し(Step102)、動作状態計測手段103によって連続的(あるいは、定期的、断続的)に動作状態を取得するとともに、これら自機位置と動作状態を他の自動運転式建設機械200に送信する。
例えば、測位手段102が自動運転式ダンプトラック200Dに対して予定した測位を行わない状況、すなわち欠測状況となったことを自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101が検知すると(Step103)、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、その欠測状況が継続した時間と、あらかじめ設定した閾値(以下、「第1閾値時間」という。)を照らし合わせる(Step104)。そして、欠測状況の継続時間が第1閾値時間を下回るとき(Step104のNo)、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は引き続き計画走行経路にしたがって自機を走行させ、これに対して欠測状況の継続時間が第1閾値時間を上回るとき(Step104のYes)、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は自機が「暫定異常事態」にあると判断する。
自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101が暫定異常事態と判断すると、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、暫定異常事態と判断した時点(以下、「暫定異常判断時」という。)における移動速度と移動方向を維持した状態で自動運転式ダンプトラック200Dを走行させる(Step105)。また自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、「自機が暫定異常事態にある」という情報と、暫定異常判断時における自機位置、移動速度、及び移動方向を、他の自動運転式建設機械200(この場合、自動運転式ブルドーザ200Bと自動運転式振動ローラ200R)に送信する。
また、暫定異常事態となった自動運転式ダンプトラック200D(以下、「暫定異常自動運転式建設機械」という。)の制御手段101は、暫定異常判断時における自機位置、移動速度、及び移動方向に基づいて将来の自機位置を推定するとともに、自動運転式ブルドーザ200Bの計画走行経路、移動速度、及び移動方向に基づいて将来の自動運転式ブルドーザ200Bの位置を推定し、自動運転式振動ローラ200Rの計画走行経路、あらかじめ計画された移動速度、及び移動方向に基づいて将来の自動運転式振動ローラ200Rの位置を推定する(Step106)。そして、自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200Bが、あるいは自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式振動ローラ200Rが、接触するか著しく接近する(閾値を下回る距離となる)と判断されたとき(Step107のYes)、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、暫定異常判断時における移動速度と移動方向のうちいずれか一方(あるいは両方)を修正したうえで自動運転式ダンプトラック200Dを走行させる(Step108)。
あるいは、暫定異常自動運転式建設機械(この場合、自動運転式ダンプトラック200D)の制御手段101に代えて(もしくは加えて)、暫定異常事態ではない自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R(以下、「正常自動運転式建設機械」という。)の制御手段101が、将来の自機位置と将来の暫定異常自動運転式建設機械(自動運転式ダンプトラック200D)の位置を推定するとともに(Step106)、接触や接近の判断を行うこともできる(Step107)。この場合、正常自動運転式建設機械(この場合、自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R)の制御手段101は、暫定異常自動運転式建設機械(自動運転式ダンプトラック200D)と接触するか著しく接近すると判断されたとき、正常自動運転式建設機械(自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R)のあらかじめ計画された移動速度と移動方向のうちいずれか一方(あるいは両方)を修正したうえで正常自動運転式建設機械(自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R)を走行させる。
暫定異常自動運転式建設機械である自動運転式ダンプトラック200Dの欠測状況(測位手段102が自動運転式ダンプトラック200Dに対して予定した測位を行わない状況)がさらに継続すると、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、その欠測状況の継続時間と、あらかじめ設定した閾値(以下、「第2閾値時間」という。)を照らし合わせる(Step109)。もちろん第2閾値時間は、第1閾値時間よりも長い時間で設定される。そして、欠測状況の継続時間が第2閾値時間を下回るとき(Step109のNo)、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は暫定異常判断時における移動速度と移動方向を維持した状態で自動運転式ダンプトラック200Dを走行させ、これに対して欠測状況の継続時間が第2閾値時間を上回るとき(Step109のYes)、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は「本格異常事態」にあると判断する。
自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101が本格異常事態と判断すると、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、「本格異常事態である」という情報を、正常自動運転式建設機械(この場合、自動運転式ブルドーザ200Bと自動運転式振動ローラ200R)に送信する。そして、それぞれの自動運転式建設機械200(自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200R)の制御手段101は、あらかじめ定めた退避場所まで自機を走行させる(Step110)。
退避場所は、自動運転式建設機械200ごとに個別に設定することもできるし、自動運転式建設機械200の作業の進捗の程度に応じて設定することもできる。例えば図8に示すように、自動運転式ダンプトラック200Dの積み荷の状況に応じて退避場所を設定することもできる。具体的には、自動運転式ダンプトラック200Dの積荷検知手段105が、自動運転式ダンプトラック200Dの積み荷を検知した場合は、現在作業中(移動中)の小領域MSにおける終点側を「第1退避場所」に設定し、一方、自動運転式ダンプトラック200Dの積荷検知手段105が、自動運転式ダンプトラック200Dの積み荷を検知しない場合(つまり、空荷の場合)は、施工領域外の所定位置(例えば盛土材の積み込み地点)を「第2退避場所」に設定するとよい。もちろん自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、積荷検知手段105が積み荷を検知した場合は自動運転式ダンプトラック200Dを第1退避場所まで走行させ、積荷検知手段105が積み荷を検知しない場合は自動運転式ダンプトラック200Dを第2退避場所まで走行させる。
また、自動運転式建設機械200が施工している小領域MSの進捗の程度に応じて、退避場所を設定することもできる。より詳しくは、制御手段101が、施工中の小領域MSにおける作業の進捗程度と、あらかじめ定めた閾値(以下、「進捗閾値」という。)を照らし合わせ、その作業進捗程度が進捗閾値を超えるときは「第1退避場所」を設定し、作業進捗程度が進捗閾値を下回るときは「第2退避場所」を設定する。もちろん制御手段101は、第1退避場所が設定された場合は自機を第1退避場所まで走行させ、第2退避場所が設定された場合は自機を第2退避場所まで走行させる。これにより、本格異常事態が解除されて通常作業に戻ったときに、盛土材の撒き出しや積み込み作業を極めて円滑に再開することができるわけである。なお、施工中の小領域MSにおける作業進捗程度は、それぞれの動作状態計測手段103の制御手段101が求めることとし、動作状態計測手段103によって取得された作業状況や、施工中の小領域MSにおける自動運転式建設機械200の自機位置などに基づいて求めることができる。
図9は、施工中の小領域MSにおける作業進捗程度に応じて設定される自動運転式ブルドーザ200Bの退避場所を模式的に示す平面図であり、(a)は作業進捗程度が進捗閾値を超えるときに設定される第1退避場所を示し、(b)は作業進捗程度が進捗閾値を下回るときに設定される第2退避場所を示している。自動運転式ブルドーザ200Bの場合、この図に示すように、施工中の小領域MSにおける開始位置を「第1退避場所」に設定し、施工中の走行レーン(図3)の開始位置を「第2退避場所」に設定することができる。すなわち自動運転式ブルドーザ200Bの制御手段101は、施工中の小領域MSにおける自動運転式ブルドーザ200Bの敷き均しの進捗程度が進捗閾値(例えば50%)を超えるときは、自動運転式ブルドーザ200Bを第1退避場所(つまり、施工中の小領域MSにおける開始位置)まで走行させ、一方、その進捗程度が進捗閾値を下回るときは、自動運転式ブルドーザ200Bを第2退避場所(つまり、施工中の走行レーンの開始位置)まで走行させる。これにより、先行作業を行う自動運転式ダンプトラック200Dとの距離を確保することができ、すなわち自動運転式ブルドーザ200Bと自動運転式ダンプトラック200Dとの接触等を回避することができるうえ、本格異常事態が解除されて通常作業に戻ったときに、敷き均し作業を極めて円滑に再開することができるわけである。
3.自動運転式建設機械制御方法
次に本願発明の自動運転式建設機械制御方法について図を参照しながら説明する。なお、本願発明の自動運転式建設機械制御方法は、ここまで説明した自動運転式建設機械制御システム100を用いて自動運転式建設機械を制御する方法であり、したがって自動運転式建設機械制御システム100で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の自動運転式建設機械制御方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.自動運転式建設機械制御システム」で説明したものと同様である。
図10は、本願発明の自動運転式建設機械制御方法の主な工程を示すフロー図である。この図に示すように、本願発明の自動運転式建設機械制御方法を実施するにあたっては、まず各自動運転式建設機械200が、それぞれの計画走行経路にしたがって自機の走行を開始する(Step201)。ここまで説明したとおり各自動運転式建設機械200は、それぞれの制御手段101の制御によって走行し、また先行する自動運転式建設機械200と十分な間隔を確保したうえで施工領域内に進入していく。
それぞれの自動運転式建設機械200は、走行しながら測位手段102によって連続的(あるいは、定期的、断続的)に自機位置を取得し(Step202)、動作状態計測手段103によって連続的(あるいは、定期的、断続的)に動作状態を取得する(Step203)とともに、これら自機位置と動作状態を正常自動運転式建設機械に送信する(Step204)。
例えば、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101が、「暫定異常事態」にある、つまり自機が「暫定異常自動運転式建設機械」であると判断すると(Step205)、その情報を「正常自動運転式建設機械(この場合、自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R)」に送信する。そして暫定異常自動運転式建設機械(この場合、自動運転式ダンプトラック200D)の制御手段101は、将来の自機位置と将来の正常自動運転式建設機械(自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R)の位置を推定するとともに、接触や接近の判断を行う(Step206)。あるいは、暫定異常自動運転式建設機械(自動運転式ダンプトラック200D)の制御手段101に代えて(もしくは加えて)、正常自動運転式建設機械(自動運転式ブルドーザ200Bや自動運転式振動ローラ200R)の制御手段101が、将来の自機位置と将来の暫定異常自動運転式建設機械(自動運転式ダンプトラック200D)の位置を推定するとともに、接触や接近の判断を行うこともできる(Step206)。
暫定異常自動運転式建設機械である自動運転式ダンプトラック200Dの欠測状況がさらに継続すると、自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、その欠測状況の継続時間と第2閾値時間を照らし合わせ、欠測状況の継続時間が第2閾値時間を上回るとき自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は「本格異常事態」にあると判断する(Step207)。そして自動運転式ダンプトラック200Dの制御手段101は、「本格異常事態である」という情報を、正常自動運転式建設機械(この場合、自動運転式ブルドーザ200Bと自動運転式振動ローラ200R)に送信し、それぞれの自動運転式建設機械200(自動運転式ダンプトラック200Dと自動運転式ブルドーザ200B、自動運転式振動ローラ200R)の制御手段101は、あらかじめ定めた退避場所まで自機を走行させる(Step208)。
本願発明の自動運転式建設機械制御方法は、同一の施工領域において同種の自動運転式建設機械が1台ずつ稼働するケースに限らず、例えば4台の自動運転式ダンプトラック200Dと2台の自動運転式ブルドーザ200B、2台の自動運転式振動ローラ200Rといった組み合わせなど、同一の施工領域において2以上の同種の自動運転式建設機械が稼働するケースでも実施することができる。
本願発明の自動運転式建設機械制御システム、及び自動運転式建設機械制御方法は、造成盛土に利用できるほか、道路、河川堤防、海岸堤防、ダム、堰堤などの盛土構造物や地盤改良等に広く利用することができる。本願発明が、社会インフラストラクチャーとしての土構造物を、抑制された工事費かつ短い工期で提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 本願発明の自動運転式建設機械制御システム
101 (自動運転式建設機械制御システムの)制御手段
102 (自動運転式建設機械制御システムの)測位手段
103 (自動運転式建設機械制御システムの)動作状態計測手段
104 (自動運転式建設機械制御システムの)送受信手段
105 (自動運転式建設機械制御システムの)積荷検知手段
106 (自動運転式建設機械制御システムの)施工状況管理手段
107 (自動運転式建設機械制御システムの)地図情報記憶手段
200 自動運転式建設機械
200D (自動運転式建設機械のうちの)自動運転式ダンプトラック
200B (自動運転式建設機械のうちの)自動運転式ブルドーザ
200R (自動運転式建設機械のうちの)自動運転式振動ローラ
Ln (自動運転式振動ローラの)走行レーン
MS 小領域

Claims (9)

  1. 同一の施工領域で輻輳する2以上の自動運転式建設機械を制御するシステムであって、
    前記施工領域では、異なる2以上の工種が行われるとともに、それぞれの工種に対応する前記自動運転式建設機械が稼働し、
    2以上の前記自動運転式建設機械には、土砂を運搬して撒き出す搬送機械が含まれ、
    前記搬送機械は、積み荷を検知する積荷検知手段を有し、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載され、あらかじめ設定された経路で走行するように該自動運転式建設機械を制御する制御手段と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械の自機位置を、連続的、定期的又は断続的に取得する測位手段と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載され、移動速度及び移動方向を含む該自動運転式建設機械の「動作状態」を、連続的、定期的又は断続的に取得する動作状態計測手段と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載され、当該自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を他の前記自動運転式建設機械に送信するとともに、他の前記自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を受信する、送受信手段と、を備え、
    あらかじめ定めた第1閾値時間を超えて前記測位手段が前記自機位置を取得しないとき、当該測位手段に係る暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、当該自動運転式建設機械を「暫定異常事態」として判断するとともに、該暫定異常事態と判断したときの移動速度及び移動方向を維持したまま当該自動運転式建設機械を走行させ、
    前記暫定異常自動運転式建設機械に係る前記制御手段によって前記暫定異常事態と判断された情報が、前記送受信手段によって前記暫定異常自動運転式建設機械とは異なる正常自動運転式建設機械に送信され、
    さらに前記暫定異常自動運転式建設機械の、該暫定異常事態と判断したときの前記自機位置と前記動作状態が、前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信されると、
    前記正常自動運転式建設機械の前記制御手段は、前記暫定異常自動運転式建設機械の前記自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、該暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、該暫定異常自動運転式建設機械と該正常自動運転式建設機械が将来接触し又は接近すると推定されたときは、移動速度及び/又は移動方向を修正して該正常自動運転式建設機械を走行させ、
    前記暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、あらかじめ定めた第2閾値時間を超えて前記暫定異常事態が継続したとき、「本格異常事態」と判断するとともに、該本格異常事態と判断された情報が前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信され、
    前記正常自動運転式建設機械である前記搬送機械の前記制御手段は、前記積荷検知手段によって積み荷が検知されないときは、前記施工領域外の退避場所に移動するように該搬送機械を制御する、
    ことを特徴とする自動運転式建設機械制御システム。
  2. 同一の施工領域で輻輳する2以上の自動運転式建設機械を制御するシステムであって、
    前記施工領域では、異なる2以上の工種が行われるとともに、それぞれの工種に対応する前記自動運転式建設機械が稼働し、
    前記施工領域を分割した複数の小領域が設定され、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載され、あらかじめ設定された経路で走行するように該自動運転式建設機械を制御する制御手段と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械の自機位置を、連続的、定期的又は断続的に取得する測位手段と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載され、移動速度及び移動方向を含む該自動運転式建設機械の「動作状態」を、連続的、定期的又は断続的に取得する動作状態計測手段と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載され、当該自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を他の前記自動運転式建設機械に送信するとともに、他の前記自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を受信する、送受信手段と、を備え、
    あらかじめ定めた第1閾値時間を超えて前記測位手段が前記自機位置を取得しないとき、当該測位手段に係る暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、当該自動運転式建設機械を「暫定異常事態」として判断するとともに、該暫定異常事態と判断したときの移動速度及び移動方向を維持したまま当該自動運転式建設機械を走行させ、
    前記暫定異常自動運転式建設機械に係る前記制御手段によって前記暫定異常事態と判断された情報が、前記送受信手段によって前記暫定異常自動運転式建設機械とは異なる正常自動運転式建設機械に送信され、
    さらに前記暫定異常自動運転式建設機械の、該暫定異常事態と判断したときの前記自機位置と前記動作状態が、前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信されると、
    前記正常自動運転式建設機械の前記制御手段は、前記暫定異常自動運転式建設機械の前記自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、該暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、該暫定異常自動運転式建設機械と該正常自動運転式建設機械が将来接触し又は接近すると推定されたときは、移動速度及び/又は移動方向を修正して該正常自動運転式建設機械を走行させ、
    前記暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、あらかじめ定めた第2閾値時間を超えて前記暫定異常事態が継続したとき、「本格異常事態」と判断するとともに、該本格異常事態と判断された情報が前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信され、
    前記正常自動運転式建設機械の前記制御手段は、施工中の前記小領域の進捗の程度があらかじめ定めた進捗閾値を超えるときは、第1退避場所に移動するように該自動運転式建設機械を制御し、施工中の前記小領域の進捗の程度が該進捗閾値を下回るときは、該第1退避場所とは異なる第2退避場所に移動するように該自動運転式建設機械を制御する、
    ことを特徴とする自動運転式建設機械制御システム。
  3. 2以上の前記自動運転式建設機械には、敷均し機械が含まれ、
    前記敷均し機械は、前記施工領域内に設定される走行レーンを移動しながら、撒き出された土砂を敷き均し、
    前記敷均し機械の前記制御手段は、施工中の前記小領域の進捗の程度が前記進捗閾値を超えるときは、施工中の該小領域の開始位置に移動するように該敷均し機械を制御し、施工中の前記小領域の進捗の程度が該進捗閾値を下回るときは、施工中の前記走行レーンの開始位置に移動するように該敷均し機械を制御する、
    ことを特徴とする請求項2記載の自動運転式建設機械制御システム。
  4. 前記暫定異常自動運転式建設機械に係る前記制御手段によって前記暫定異常事態と判断された情報が、前記正常自動運転式建設機械に送信され、
    さらに前記暫定異常自動運転式建設機械の、前記暫定異常事態と判断したときの前記自機位置と前記動作状態が、前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信されると、
    前記暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、該暫定異常自動運転式建設機械の前記自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、該暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、該暫定異常自動運転式建設機械と前記正常自動運転式建設機械が将来接触し又は接近すると推定されたときは、移動速度及び/又は移動方向を修正して該自動運転式建設機械を走行させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動運転式建設機械制御システム。
  5. 前記施工領域と、該施工領域を複数に分割した複数の小領域と、を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
    前記自動運転式建設機械の作業進捗状況に応じて、それぞれの前記小領域に対して施工状況を示す「施工状況識別子」を付与する施工状況管理手段と、をさらに備え、
    前記自動運転式建設機械のうち後続の工種に係る前記自動運転式建設機械の前記制御手段は、先行する工種の施工が完了した前記施工状況識別子が、前記施工状況管理手段によってあらかじめ定められた所定数以上の前記小領域に対して付与されたときに、当該自動運転式建設機械の走行を開始させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動運転式建設機械制御システム。
  6. 同一の施工領域で輻輳する2以上の自動運転式建設機械を制御する方法であって、
    前記施工領域では、異なる2以上の工種が行われるとともに、それぞれの工種に対応する前記自動運転式建設機械が稼働し、
    2以上の前記自動運転式建設機械には、土砂を運搬して撒き出す搬送機械が含まれ、
    前記搬送機械は、積み荷を検知する積荷検知手段を有し、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載された制御手段によって、あらかじめ設定された経路で走行するように該自動運転式建設機械を制御する自動運転式建設機械走行工程と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械の自機位置を、連続的、定期的又は断続的に取得する測位工程と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載された動作状態計測手段によって、移動速度及び移動方向を含む該自動運転式建設機械の「動作状態」を、連続的、定期的又は断続的に取得する動作状態計測工程と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載された送受信手段によって、当該自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を他の前記自動運転式建設機械に送信するとともに、他の前記自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を受信する、送受信工程と、を備え、
    前記測位手段があらかじめ定めた第1閾値時間を超えて前記自機位置を取得しないとき、当該測位手段に係る暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、当該自動運転式建設機械を「暫定異常事態」として判断するとともに、該暫定異常事態と判断したときの移動速度及び移動方向を維持したまま当該自動運転式建設機械を走行させ、
    前記制御手段によって前記暫定異常事態と判断された情報が、前記送受信手段によって前記暫定異常自動運転式建設機械とは異なる正常自動運転式建設機械に送信され、
    さらに前記暫定異常自動運転式建設機械の、該暫定異常事態と判断したときの前記自機位置と前記動作状態が、前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信されると、
    前記正常自動運転式建設機械の前記制御手段は、前記暫定異常自動運転式建設機械の前記自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、該暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、該暫定異常自動運転式建設機械と該前記正常自動運転式建設機械が将来接触し又は接近すると推定されたときは、移動速度及び/又は移動方向を修正して該自動運転式建設機械を走行させ、
    前記暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、あらかじめ定めた第2閾値時間を超えて前記暫定異常事態が継続したとき、「本格異常事態」と判断するとともに、該本格異常事態と判断された情報が前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信され、
    前記正常自動運転式建設機械である前記搬送機械の前記制御手段は、前記積荷検知手段によって積み荷が検知されないときは、前記施工領域外の退避場所に移動するように該搬送機械を制御する、
    ことを特徴とする自動運転式建設機械制御方法。
  7. 同一の施工領域で輻輳する2以上の自動運転式建設機械を制御する方法であって、
    前記施工領域では、異なる2以上の工種が行われるとともに、それぞれの工種に対応する前記自動運転式建設機械が稼働し、
    前記施工領域を分割した複数の小領域が設定され、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載された制御手段によって、あらかじめ設定された経路で走行するように該自動運転式建設機械を制御する自動運転式建設機械走行工程と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械の自機位置を、連続的、定期的又は断続的に取得する測位工程と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載された動作状態計測手段によって、移動速度及び移動方向を含む該自動運転式建設機械の「動作状態」を、連続的、定期的又は断続的に取得する動作状態計測工程と、
    それぞれの前記自動運転式建設機械に搭載された送受信手段によって、当該自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を他の前記自動運転式建設機械に送信するとともに、他の前記自動運転式建設機械の前記自機位置と前記動作状態を受信する、送受信工程と、を備え、
    前記測位手段があらかじめ定めた第1閾値時間を超えて前記自機位置を取得しないとき、当該測位手段に係る暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、当該自動運転式建設機械を「暫定異常事態」として判断するとともに、該暫定異常事態と判断したときの移動速度及び移動方向を維持したまま当該自動運転式建設機械を走行させ、
    前記制御手段によって前記暫定異常事態と判断された情報が、前記送受信手段によって前記暫定異常自動運転式建設機械とは異なる正常自動運転式建設機械に送信され、
    さらに前記暫定異常自動運転式建設機械の、該暫定異常事態と判断したときの前記自機位置と前記動作状態が、前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信されると、
    前記正常自動運転式建設機械の前記制御手段は、前記暫定異常自動運転式建設機械の前記自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、該暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、該暫定異常自動運転式建設機械と該前記正常自動運転式建設機械が将来接触し又は接近すると推定されたときは、移動速度及び/又は移動方向を修正して該自動運転式建設機械を走行させ、
    前記暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、あらかじめ定めた第2閾値時間を超えて前記暫定異常事態が継続したとき、「本格異常事態」と判断するとともに、該本格異常事態と判断された情報が前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信され、
    前記正常自動運転式建設機械の前記制御手段は、施工中の前記小領域の進捗の程度があらかじめ定めた進捗閾値を超えるときは、第1退避場所に移動するように該自動運転式建設機械を制御し、施工中の前記小領域の進捗の程度が該進捗閾値を下回るときは、該第1退避場所とは異なる第2退避場所に移動するように該自動運転式建設機械を制御する、
    ことを特徴とする自動運転式建設機械制御方法。
  8. 前記制御手段によって前記暫定異常事態と判断された情報が、前記正常自動運転式建設機械に送信され、
    さらに前記暫定異常自動運転式建設機械の、前記暫定異常事態と判断したときの前記自機位置と前記動作状態が、前記送受信手段によって前記正常自動運転式建設機械に送信されると、
    前記暫定異常自動運転式建設機械の前記制御手段は、該暫定異常自動運転式建設機械の前記自機位置、移動速度及び移動方向に基づいて、該暫定異常自動運転式建設機械の将来の位置を推定するとともに、該暫定異常自動運転式建設機械と前記正常自動運転式建設機械が将来接触し又は接近すると推定されたときは、移動速度及び/又は移動方向を修正して該自動運転式建設機械を走行させる、
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の自動運転式建設機械制御方法。
  9. 前記施工領域で、同一の工種に対応する2以上の前記自動運転式建設機械を制御する、
    ことを特徴とする請求項7乃至請求項8のいずれかに記載の自動運転式建設機械制御方法。
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