以下、図面を参照し、本発明による施工管理システムの実施の形態について、各実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、各実施例で用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
<実施例1>
以下において、図1及び図2を参照しつつ、本実施例に係る施工管理システムの構成について説明する。ここで、図1は、本実施例に係る施工管理システムの全体構成を示す概略図である。また、図2は、本実施例に係る施工管理システムのサーバ及び当該サーバに接続された装置を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係る施工管理システムは、土木施工現場(以下、単に施工現場とも称する)における油圧ショベル等の重機1の位置情報及び加速度情報、並びにダンプトラック等の運搬機2の位置情報を所定の通信手段3を介して、サーバ4に送信することができる構成を有している。具体的に、重機1に設置された携帯端末5a及び運搬機2に設置された携帯端末5bが、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を構成する複数の測位衛星6からの電波を受信する。その後、当該電波受信した各携帯端末5a,5bは、通信基地局7を介して、当該電波を利用した演算によって得られる位置情報を、モバイル通信網を統合する通信会社8に送信する。また、通信会社8は、インターネット等の通信回線9を介して当該位置情報をサーバ4に送信する。同様に、重機1の加速度情報は、携帯端末5aに搭載された加速度センサ(図示せず)によって得られ、通信基地局7、通信会社8、及び通信回線9を経由してサーバ4に送信される。
ここで、重機1とは、運搬機2に対して積込作業を行うことができる作業機械であり、積込作業以外にも複数の作業機能を備える機械である。また、携帯端末5a,5bとしては、重機1及び運搬機2の運転者が所持するスマートフォンを利用することができる。更に、携帯端末5a,5bとしては、スマートフォンのような持ち運びが前提となっている通信機器以外にも、シガレット電源に接続して使用できる設置型の通信機器を用いてもよい。
そして、図1に示すように、本実施例に係る施工管理システムにおいては、土木施工現場の管理者が確認するための作業端末10が、土木施工現場の外部に設けられている。そして、作業端末10は、通信装置(図示せず)を備えているため、通信回線9を介してサーバ4と双方向に通信可能となっている。このため、作業端末10を操作する当該管理者は、通信回線9を介してサーバ4にアクセスし、土木施工現場の作業状態を作業端末10に表示させ、その内容を確認することができる。すなわち、作業端末10は、施工管理システムの表示部として機能することになる。ここで、作業端末10は、土木施工現場の作業状態を単に表示させるだけでなく、各種の演算及び作業等を行える一般的なコンピュータである。
なお、作業端末10は、土木施工現場の内部に設置された建屋内に設置されてもよく、又は管理者が所有する携帯端末であってもよい。特に、管理者が所有する携帯端末が作業端末10を兼ねることにより、管理者が他の場所等で作業している場合でも、管理者が選択する土木施工現場の作業状況を把握することが可能になる。その場合、管理者が所有する携帯端末は、サーバ4、通信回線9、通信会社8、通信基地局7、及びモバイル通信網を介して情報を送受信しても良い。
図2に示すように、サーバ4は、演算部12、第1記憶部13、第2記憶部14、ネットワークインターフェイス15、及び外部インターフェイス16を有している。
演算部12は、例えば、各種の演算処理を行う中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)から構成される。すなわち、演算部12は、サーバ4を統括して制御する制御装置として機能する。例えば、演算部12は、第1記憶部13に格納されたプログラムに従い、ネットワークインターフェイス15から入力された各種のデータに関する演算処理を行う。また、演算部12は、ネットワークインターフェイス15を制御し、通信回線9に対するサーバ4の通信制御も行うことになる。
第1記憶部13は、プログラム及び各種のデータを一時的に格納する一般的なメインメモリ(主記憶装置)である。具体的に、第1記憶部13は、演算部12が実行するプログラムを一時的に格納し、更にはサーバ4に入力された各種のデータ及び演算部12による演算結果を一時的に格納する。例えば、第1記憶部13は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)から構成される。なお、演算部12による演算結果とは、例えば、後述する積込動作及び積込作業の判定に関する結果である。
一方、第2記憶部14は、各種のデータを永久的に記憶する一般的なストレージ(補助記憶装置)である。具体的に、第2記憶部14は、演算部12による演算結果を永久的に格納する。例えば、第2記憶部14は、ハードディスクドライブ(HDD:hard disk drive)又はソリッドステートドライブ(SSD:solid state drive)から構成される。
また、外部インターフェイス16には、表示装置であるディスプレイ17、及び入力装置であるキーボード18が接続されている。サーバ4の管理者は、キーボード18を操作することにより、サーバ4の利用及び保守点検をすることができる。また、当該管理者は、ディスプレイ17に利用状況及び保守点検状況等を表示させ、表示された出力情報を利用することができる。なお、外部インターフェイス16には、マウス等の他の入力装置が接続されてもよく、更にはプリンター等の出力装置が接続されてもよい。
このような構成から、本実施例に係る施工管理システムにおいては、サーバ4の演算部12が作業現場における作業端末10への表示プログラムを実行し、通信回線9を介してプログラムの演算結果を作業端末10に表示することになる。ここで、当該演算結果の作業端末10への表示方法は、Web方式による表示であってもよく、又は作業端末10に備わったプログラムの実行によるものであってもよい。
次に、図3乃至図6を参照しつつ、本実施例に係る施工管理システムにおける積込動作及び積込作業の判定、並びに判定結果の表示について説明する。ここで、図3は、本実施例における積込動作の判定方法を説明するための概略図である。また、図4は、本実施例における積込作業の判定方法において使用されるデータを示すグラフである。更に、図5は、本実施例に係る施工管理システムの機能ブロック図である。図6は、本実施例に係る施工管理システムにおける積込作業記録の表示例である。
なお、積込動作とは、重機1におる運搬機2への1度の積込に関する動作のことを称し、積込作業とは、重機1による運搬機2への積込動作の繰り返しによって完了する作業のことを称する。
図3から分かるように、運搬機2が重機1の近傍に位置し、掘削位置Cにおいて重機1の作業フロント1aによる土砂の掘削が行われ、その後に重機1の上部旋回体1bが旋回し、作業フロント1aが積込位置Dにて1回の土砂の積込動作を行う。このような作業を鑑みて、本実施例に係る施工管理システムにおいては、運搬機2が重機1に対して所定距離範囲内に近づくこと、及び重機1による積込動作に関連する所定の旋回動作(関連動作)が行われたことを検出した場合に、重機1による1回の積込動作が行われたものと判定する。
具体的に、重機1に配置された携帯端末5a、及び運搬機2に配置された携帯端末5bの位置情報が通信手段3を介してサーバ4に送信され、各位置情報から携帯端末5aと携帯端末5bの距離rが算出される。そして、当該距離rがあらかじめ設定されている接近判定距離範囲内(-R〜+R)である場合には、運搬機2が重機1に対して積込動作を行う範囲内に近づいたものとして判定される。
なお、当該距離rは、重機1を基準に算出されるため、例えば、重機1に対して南側に位置する場合にはプラスの値となり、重機1に対して北側に位置する場合にはマイナスの値となる。このため、実際の判定の際には、当該距離rの絶対値が接近判定距離(+R)以下である場合には、運搬機2が重機1に対して積込動作を行う範囲内に近づいたとものとして判定される。
また、重機1に配置された携帯端末5aから加速度情報が通信手段3を介してサーバ4に送信され、当該加速度情報から重機1の旋回動作の有無が判定される。ここで、上部旋回体1bが掘削位置Cから積込位置Dに旋回(以下、第1旋回)すると、旋回速度(角速度)ωが所定値(+ω0)以上となり、上部旋回体1bが積込位置Dから掘削位置Cに旋回(以下、第2旋回)すると、旋回速度(角速度)ωが所定値(-ω0)以下となる。一方、重機1による1回の積込動作においては、当該第1旋回及び当該第2旋回が順次行われることになる。このため、旋回速度ωがプラス側の所定値(+ω0)以上となった後に、マイナス側の所定値(-ω0)以下となった場合には、重機1が第1旋回及び第2旋回を行ったものとして判定される。
なお、重機1と運搬機2との位置関係によっては、第1旋回に係る旋回速度がマイナス側に変動し、第2旋回に係る旋回速度がプラス側に変動することもある。この場合には、旋回速度ωがマイナス側の所定値(−ω0)以下となった後に、プラス側の所定値(+ω0)以上となった場合には、重機1が第1旋回及び第2旋回を行ったものとして判定される。また、当該所定値(±ω0)は、重機1の種別及び仕様等によって変わるため、重機1の仕様及び仕様に応じて、適宜決定されることになる。
次に、重機1による上述した動作が繰り返されることにより、複数回の積込動作が行われ、運搬機2の荷台に土砂が十分に積み込まれると、運搬機2に対する重機1による積込作業が1回終了することになる。このような作業を鑑みて、本実施例に係る施工管理システムにおいては、運搬機2が重機1に対して所定距離範囲内に継続して近づくこと、及び重機1による積込作業に関連する積込動作が所定回数以上行われたことを検出した場合に、重機1による1回の積込作業が行われたものと判定する。
具体的には、上述した積込動作の有無を判定する際に得られる位置情報とともに、時刻情報も得られるため、重機1と運搬機2の距離rが、所定の接近判定距離範囲内(-R〜+R)に継続して属するか否かが判定される。すなわち、図4(a)に示すように、重機1と運搬機2の距離rが接近判定距離+R以下となる状態の継続時間(時刻ts〜時刻te)が、所定の継続判定時間Δt以上となる場合には、重機1と運搬機2とが積込作業を実施するための所定の距離範囲が維持されていると判定される。例えば、Δtは10秒と設定することができるが、重機1及び運搬機2の仕様に応じて適宜設定することができる。
そして、重機1と運搬機2の距離rが接近判定距離+R以下となる状態の継続時間(時刻ts〜時刻te)において、所定回数以上の積込動作をカウントした場合には、1回の積込作業が行われたものとして判定される。図4(b)においては、積込動作を示す旋回速度ωの変動がn回検出(nは任意の数)されているが、当該検出回数が所定回数であるA回以上となっているため、積込作業が行われたものとして判定されることになる。例えば、所定回数Aは、5回と設定することができるが、重機1及び運搬機2の仕様に応じて適宜設定することができる。
なお、図4において、1回目の積込動作及び2回目の積込動作に対応する旋回速度ωの変動の間には、所定値(+ω0)を超えない旋回速度ωの変動が存在している。これは、例えば、重機1の運転手が携帯端末5aを所持している状態で、当該運転手が体を回転すること等によって生じる加速度の変動を示している。本実施例における施工管理システムにおいて、このような加速度変動は、重機1の旋回に伴う加速度変動として扱われることがないため、重機1の旋回を正確に検出することが可能になっている。
そして、上述した積込動作及び積込作業の判定を実現するとともに、施工現場の管理者が当該施工現場の施工状況を容易に把握できるようにするために、本実施例に係る施工管理システムは、図5に示す各種の機能構成を備えている。具体的に、本実施例に係る施工管理システムは、データ入力部21、接近判定部22、積込動作判定部23、積込作業判定部24、積込作業記録部25、及び積込作業記録表示部26を備えていることになる。
データ入力部21は、通信回線9を介して重機1の位置情報、加速度情報、及びこれらに対応した各時刻情報を取得する。また、データ入力部21は、運搬機2の位置情報及びこれに対応した時刻情報も取得する。すなわち、データ入力部21はサーバ4のネットワークインターフェイス15及びこれを制御する演算部12に対応しており、演算部12によるネットワークインターフェイス15の制御により、データ入力部21の機能が実現されることになる。なお、各時刻情報については、独立した情報として取得することなく、各位置情報及び各加速度情報に付加させて取得してもよい。
接近判定部22は、データ入力部21に入力された重機1の位置情報及び運搬機2の位置情報から、重機1と運搬機2との接近状態を判定する。すなわち、接近判定部22は、サーバ4の演算部12に対応しており、第1記憶部13に格納されたプログラムの演算部12による実行により、接近判定部22による重機1と運搬機2との接近判定に係る機能が実現される。
積込動作判定部23は、重機1の加速度情報から重機1の旋回動作の有無から、重機1の積込動作の有無を判定する。すなわち、積込動作判定部23は、重機1の積込作業に関連する関連動作として、重機1の旋回動作及び積込動作の有無を判定していることになる。そして、積込動作判定部23は、サーバ4の演算部12に対応しており、第1記憶部13に格納されたプログラムの演算部12による実行により、積込動作判定部23による重機1による関連動作の有無判定に係る機能が実現される。
積込作業判定部24は、接近判定部22及び積込動作判定部23の判定結果に基づき、重機1の作業の状態を判定する。具体的に、積込作業判定部24は、重機1及び運搬機2の接近が所定時間以上継続し、且つ重機1による積込動作が所定回数以上である場合に、重機1による積込作業が実行されたものと判定する。すなわち、積込作業判定部24は、サーバ4の演算部12に対応しており、第1記憶部13に格納されたプログラムの演算部12による実行により、積込作業判定部24による重機1の積込作業判定に係る機能が実現される。
積込作業記録部25は、重機1による積込作業の実施が積込作業判定部24によって判定された場合に、積込作業現場における積込作業記録を更新する。すなわち、積込作業記録部25は、重機1による積込作業をカウントし、所定の期間(例えば、午前、1日、又は1週間等)における積込作業の回数を記録することになる。具体的に、積込作業記録部25は、図4(a)における重機1と運搬機2との距離rが接近判定距離範囲内(-R〜+R)となる積込開始時刻(時刻ts)、重機1と運搬機2との距離rが接近判定距離範囲外となる積込終了時刻(時刻te)を記録する。また、積込作業記録部25は、例えば1日における積込作業の総作業回数をカウントして更新するとともに、総作業土量の算出及び更新を行う。そして、積込作業記録部25は、サーバ4の演算部12、第1記憶部13、及び第2記憶部14に対応しており、第1記憶部13に格納されたプログラムの演算部12による実行によって得られる判定結果が第1記憶部13及び第2記憶部14に記憶されることにより、積込作業記録部25による記録機能が実現される。
ここで、本実施例に係る施工管理システムにおいては、おおよその土量を把握することで作業進捗の管理を行うことができるため、上述した総作業土量は、例えば、以下のように算出することができる。先ず、1台の運搬機2の最大積載重量と標準的な土の比重とに基づいて、1回の積込作業の土量をG0(m3)と仮定する。そして、積込作業の総回数と当該仮定された土量G0との積により、総作業土量G(m3)が算出される。なお、本実施例においては、最大積載重量を10トン、土の比重を1.8として、土量G0を5.6m3と想定したが、施工現場の状況に応じて各数値を適宜変更することができ、更には土量G0の単位も適宜選択できるようにしてもよい。
積込作業記録表示部26は、積込作業記録部25によって更新されたデータを、施工現場の作業端末10に表示する。すなわち、積込作業記録表示部26は、作業端末10に対応しており、更新された積込作業記録が作業端末10に表示されることにより、積込作業記録表示部26による機能が実現される。本実施例においては、上述した積込作業記録部25における機能に対応させ、図6に示すように、積込作業の回数、積込作業の開始時刻、積込作業の終了時刻、総作業回数、及び総作業土量(m3)が表示されることになる。
ここで、作業端末10への積込作業記録の表示は、サーバ4の演算部12によるプログラム実行により、Web形式で自動的に行われてもよい。また、作業端末10の作業者(施工現場の管理者)が作業端末10のプログラムを実行させ、通信手段3を介して最新の積込作業記録が取得されることにより、作業端末10への積込作業記録の表示が行われてもよい。
次に、図7乃至図9を参照しつつ、本実施例に係る施工管理システムにおける施工管理処理について説明する。図7は、本実施例に係る施工管理システムによる積込作業の判定フローである。また、図8は、図6におけるステップS102のより具体的な処理フローであり、図9は、図6におけるステップS108のより具体的な処理フローである。
先ず、積込作業判定の開始指示があると、積込作業回数N、積込作業フラグF、総作業土量G、及び積込動作カウントmをクリアし、各値を初期値(N=0、F=0、G=0、m=0)にする(図7:ステップS101)。ここで、当該開示指示とは、施工現場の管理者が、例えば毎朝、作業端末10から通信手段3を介してサーバ4にアクセスし、サーバ4の演算部12による施工管理に関するプログラムを実行することによって行われてもよい。また、日付が変わったタイミング又は所定の時刻になるタイミングにおいて、サーバ4側において自動的に行われるようにしてもよい。
次に、重機1及び運搬機2のデータの入力及び演算が行われる(図7:ステップS102)。具体的には、図8のステップS1020に示すように、通信手段3を介して、重機1に配置された携帯端末5aから位置情報(X1、Y1、Z1)、加速度情報、及び時刻情報がサーバ4に入力され、演算部12によって旋回速度ωの演算がなされる。また、通信手段3を介して、運搬機2に配置された携帯端末5bから位置情報(X2、Y2、Z2)及び時刻情報がサーバ4に入力される。
次に、演算部12が入力された各位置情報に基づいて、運搬機2が重機1に接近しているかを判定する(図7:ステップS103)。具体的には、各位置情報から重機1及び運搬機2の距離rが算出され、当該距離rの絶対値が接近判定距離Rよりも小さいか、否かが判定される。運搬機2が重機1に対して、積込動作を行い得る位置に接近していない場合(ステップS103:No)には、ステップS103の前回の判定処理において、運搬機2が重機1に対して接近していたかを判定する(図7:ステップS104)。すなわち、今回の判定フローにおけるステップS103の処理では、運搬機2が重機1に対して接近していないと判断されたが、1つの前の判定フローにおけるステップS103の処理において、運搬機2が重機1に対して接近していたかを判定する。
ステップS104において、前回の判定処理においても、運搬機2が重機1に対して接近していないと判定されると(ステップS104:No)、後述するステップS130を経て、作業端末10から本判定フローの終了指示があるか否かを判定する(図7:ステップS105)。本判定フローの終了指示がない場合には、ステップS102に戻り判定フローが繰り返される。このため、作業端末10からの終了指示がない状況においては、運搬機2が重機1から所定の距離内に位置しないかぎり、ステップS102〜S105の処理が繰り返し行われることになる。
一方、ステップS103において運搬機2が重機1に接近したと判定された場合(ステップS103:Yes)、積込開始時刻tsが記録済みであるか否かを判定する(図7:ステップS106)。その後、積込開始時刻tsが記録されていない場合(ステップS106:No)には、ステップS102において入力された時刻情報から積込開始時刻tsが記録される(図7:ステップS107)。すなわち、携帯端末5a,5bを利用して取得した位置情報のタイミングで積込作業が開始されたものとみなし、当該タイミングである時刻が積込開始時刻tsとして設定されることになる。
一方、すでに積込開始時刻tsが記録されている場合(ステップS106:Yes)、ステップS107をスキップしてステップS108に進むことになる。すなわち、今回の判定フローより以前の判定フローにおいて、積込が開始されたと判断されている場合には、再度の積込開始時刻tsの設定が行われないことになる。換言すると、今回の判定フローにおける積込動作が2回目以上である場合には、ステップS107がスキップされることになる。
次に、重機1の積込動作の検出及びカウントが行われる(ステップS108)。具体的には、積込動作の検出として、ステップS102で演算して得られた旋回速度ωが判定速度範囲(-ω0<ω<+ω0)外であり、且つ旋回速度ωの変動が積込動作のパターンであるかを判定する(図9:ステップS1080)。本実施例においては、上述したように、旋回速度ωがプラス側の所定値(+ω0)以上となった後に、マイナス側の所定値(-ω0)以下となった場合には、重機1が上述した第1旋回及び第2旋回を行ったものとして積込動作があったと判定する(ステップS1080:Yes)。そして、積込動作があったと判定されると、積込動作カウントmに1が加算され(m=m+1)、積込動作カウントmが更新されることになり(ステップS1081)、その後にステップS109に進むことになる。一方、積込動作がなかったと判定されると、積込動作カウントmは更新されず、ステップS109に進むことになる。
次に、運搬機2が重機1に接近している状態が所定の継続判定時間Δt以上継続しているか否かを判定する(図7:ステップS109)。具体的には、ステップS107において記録された積込開始時刻tsを基準として、今回の処理フローのステップS102において入力された時刻までの経過時間がΔt以上であるかが判定される。運搬機2が重機1に接近している状態が所定の継続判定時間Δt以上継続している場合(ステップS109:Yes)、積込動作カウントmが所定回数(A回)以上となっているか否かが判定される。そして、積込動作が所定回数以上行われている場合(ステップS110:Yes)、重機1による積込作業が行われたものとして、積込作業フラグFを「実施」、すなわち「F=1」とする(図7:ステップS111)。
一方、ステップS109において、運搬機2が重機1に接近している状態が所定の継続判定時間Δt以上継続していないと判定された場合、及びステップS110において、積込動作カウントmがA回以上でないと判定された場合、積込作業が実施されていない(すなわち、積込作業が継続している)と推定し、積込作業フラグFをクリアし、その値を初期値(F=0)にする(図7:ステップS110)。例えば、今回の処理フローにおいて検出された積込動作が初回〜4回(すなわち、m=1〜4)である場合、積込作業フラグFの値は、F=0のまま変動しないことになる。また、前回の処理フローの際にステップS111を経由してF=1となった後は、接近状態がΔt以上、かつ、積込動作カウントmはA回以上を保持してステップS103〜S111を繰り返すことから、積込作業フラグFを「実施」に保持し、ステップS103において運搬機2が重機1から離れたことが判定するまで継続する。
ステップS111又はステップS112において積込作業フラグFに関する処理が行われた後、ステップS105に進むことになる。そして、本判定フローの終了指示がない場合には、ステップS102に戻り判定フローが繰り返される。このため、例えば、重機1による積込動作が連続して行われている場合には、ステップS102、S106、S107、S108、S109、S110、S112という処理が繰り返し行われ、積込動作が所定回数継続されると、ステップS110からステップS111において積込作業が成されたとして、積込作業フラグFを「実施」とし、ステップS105を経由して、ステップ102に戻り、運搬機2が重機1から離れるまでステップS102〜S110,S112,S105を繰り返すことになる。
ステップS104における説明に戻り、ステップS104において前回の判定フローにおいて、運搬機2が重機1の所定範囲内に接近していた場合(ステップS104:Yes)、積込終了時刻teを記録する(ステップS113)。すなわち、前回の判定フローにおいてステップS111又はステップS112を経由した後、今回の判定フローのステップS103において運搬機2が重機1に近接していないと判定されると、今回の判定フローのステップS102において入力された時刻が積込終了時刻teとして設定されることになる。
積込終了時刻teが記録されると、積込作業フラグFが「実施」であるか否か、すなわち、F=1であるか否かが判定される(図7:ステップS114)。積込作業フラグFが「実施」でない場合(ステップS114:No)、ステップS105に進み、本判定フローが繰り返されるか、又は作業端末10からの指示に応じて判定フローが終了する。
一方、積込作業フラグFが「実施」である場合(ステップS114:Yes)、積込作業回数をカウントし、積込作業回数Nに1が加算され(N=N+1)、積込作業回数Nが更新されることになる(図7:ステップS115)。その後、積込作業フラグF及び積込動作カウントmをクリアし、その値を初期値(F=0,m=0)にする(図7:ステップS116)。
次に、積込作業記録に関して、開示時刻、終了時刻、総作業土量(m3)の演算が行われる(図7:ステップS117)。具体的には、ステップS107において記録した積込作業開示時刻tsと、ステップS115においてカウントした積込作業回数とを関連付け、ts(N)=tsとする。また、ステップS113において記録された積込終了時刻teと、を関連付け、ステップS115においてカウントした積込作業回数とを関連付け、te(N)=teとする。更に、積込作業1回の土量をG0(m3)として、総作業土量を更新(G=G+G0)する。
次に、次回の記録に備えて、ステップS118において、積込作業開始時刻tsおよび積込終了時刻teをクリアする。
次に、ステップS117における演算結果である更新された積込作業記録が、作業端末10において表示されることになる(ステップS119)。一方、ステップS114において積込作業フラグFが「実施」で無い場合は、ステップS130において、積込作業フラグF、積込作業開始時刻tsおよび積込終了時刻teをクリアし、次回の記録に備える。その後は、ステップS105に進み、本判定フローが繰り返されるか、又は作業端末10からの指示に応じて判定フローが終了する。
以上のように、本実施例に係る施工管理システムにおいては、重機1と運搬機2との距離に加えて、重機1の積込動作に関連する旋回動作を判定基準に追加して、積込作業が実施されているか否かが判定されることになる。このため、運搬機2が重機1の近傍において単に停車している場合を誤って積込作業をしていると判定する誤判定がなくなり、積込作業及びこれに伴う施工現場の進捗管理を正確に行うことが可能になる。
また、本実施例に係る施工管理システムにおいては、積込作業記録部25による積込作業の更新が行われるとともに、最新の情報が積込作業記録表示部26(施工現場の作業端末10)に表示されることになる。このため、当該施工現場の管理者が容易に作業の進行度を把握することができる。例えば、作業に遅れがでている場合などには、当該管理者が当該進捗情報を確認することで、運搬機の追加手配等を行うことができ、施工現場の進捗状況に応じた適切な措置を、早期に行うことができることになる。
なお、本実施例においては、加速度センサを備える携帯端末5aを使用し、重機1の旋回時の遠心力による加速度を検出する方式を用いていたが、携帯端末5aがジャイロセンサを備え、旋回速度ωを直接検出する方式を用いてもよい。
<実施例2>
上述した実施例1においては、重機1の旋回動作を積込動作の判定に用いていたが、作業フロント1aの鉛直方向における上下動作を用いてもよい。すなわち、重機1の加速度情報から当該上下動作にともなう上下加速度を抽出し、積込動作の判定を行ってもよい。このような施工管理システムを実施例2として、図10乃至図13を参照しつつ、以下に説明する。ここで、図10は、本実施例における積込動作の判定方法を説明するための概略図である。また、図11は、本実施例における積込動作の判定方法において使用されるデータを示すグラフである。更に、図12は、図6におけるステップS102のより具体的な処理フローであり、図13は、図6におけるステップS108のより具体的な処理フローである。なお、実施例1と同一内容については、その説明を省略する。
図10から分かるように、重機1が運搬機2に対して積込動作を行うと、上部旋回体1bが旋回するだけでなく、作業フロント1aも鉛直方向(すなわち、上下方向)に移動し、重機1の車体が揺れることになる。このような作業を鑑みて、本実施例に係る施工管理システムにおいては、運搬機2が重機1に対して所定距離範囲内に近づくこと、及び重機1による積込動作に関連する所定の上下動作(関連動作)が行われたことを検出した場合に、重機1による1回の積込動作が行われたものと判定する。なお、運搬機2が重機1に対して所定距離範囲内に近づくことは、実施例1と同一であるため、これに係る説明は省略し、当該上下動作の検出に関する説明を以下に行う。
当該上下動作が行われると、重機1の車体が揺れ、当該揺れに伴って上下方向における加速度変化が生じることになる。当該加速度変化から上下動作を検出するために、本実施例に係る施工管理システムにおいては、重機1に配置された携帯端末5aから加速度情報が通信手段3を介してサーバ4に入力され、当該加速度情報から重機1の上下動作の有無が判定される。
ここで、上部旋回体1bが掘削位置Cから積込位置Dに第1旋回すると、作業フロント1aが掘削位置Cから積込位置Dに上昇することになり、当該上昇に伴う上下加速度αが所定値(+α0)以上となる。一方、上部旋回体1bが積込位置Dから掘削位置Cに第2旋回すると、作業フロント1aが積込位置Dから掘削位置Cに下降することになり、当該下降に伴う上下加速度αが所定値(-α0)以下となる。
そして、重機1による1回の積込動作においては、当該第1旋回及び当該第2旋回が順次行われることなり、上述した作業フロント1aの上下移動が繰り返されることになる。このため、上下加速度αがプラス側の所定値(+α0)以上となった後に、マイナス側の所定値(-α0)以下となった場合には、重機1の作業フロント1aの上昇及び下降が行われたものと判定される。
なお、施工現場の状況によっては、掘削位置Cが積込位置Dよりも高い場合もある。このような場合には、上下加速度αがマイナス側の所定値(−α0)以下となった後に、プラス側の所定値(+α0)以上となった場合に、重機1による積込動作に関連した上下移動があったものと判定される。また、当該所定値(±α0)は、重機1の種別及び仕様等によって変わるため、重機1の仕様及び仕様に応じて、適宜決定されることになる。
そして、本実施例においても実施例1と同様に、運搬機2が重機1に対して所定距離範囲内に継続して近づくこと、及び重機1による積込作業に関連する積込動作(上下動作から判定された動作)が所定回数以上行われたことを検出した場合に、重機1による1回の積込作業が行われたものと判定する。なお、運搬機2が重機1に対して所定距離範囲内に継続して近づくことについては、図11(a)に関連するデータを示すものの、実施例1と同一の説明となるため、その説明は省略する。
重機1と運搬機2の距離rが接近判定距離+R以下となる状態の継続時間(時刻ts〜時刻te)において、所定回数以上の積込動作の存在を判定した場合には、1回の積込作業が行われたものとして判定される。図11(b)においては、積込動作を示す上下加速度αの変動がn回検出されており、その回数が所定回数であるA回以上となっているため、積込作業が行われたものとして判定されることになる。なお、所定回数Aは、実施例1の場合と同様に設定することができる。
なお、図11(b)において、1回目の積込動作及び2回目の積込動作に対応する上下加速度αの変動の間には、所定値(+α0)を超えない上下加速度αの変動が存在している。これは、例えば、重機1の運転手が携帯端末5aを所持している状態で、当該運転手が体を上下すること等によって生じる加速度の変動を示している。本実施例における施工管理システムにおいて、このような加速度変動は、重機1の旋回に伴う加速度変動として扱われることがないため、重機1の作業フロント1aの上下移動を高精度に検出することが可能になっている。
そして、本実施例においては、実施例1における旋回速度に代えて上下加速度の変動を検出することのみが異なっているため、実施例1に係る処理フローに対して、ステップS102、及びステップS108の詳細内容が異なっている。以下において、異なる部分であるステップS1021、ステップS1082、及びステップS1083について説明する。
図12に示すように、ステップS1021においては、重機1及び運搬機2のデータの入力及び演算において、通信手段3を介して、重機1に配置された携帯端末5aから位置情報(X1、Y1、Z1)、加速度情報、及び時刻情報がサーバ4に入力され、演算部12によって上下加速度αの演算がなされる。また、通信手段3を介して、運搬機2に配置された携帯端末5bから位置情報(X2、Y2、Z2)及び時刻情報がサーバ4に入力される。すなわち、本実施例においては、加速度情報から上下加速度αを演算して抽出することのみが、実施例1のステップS1020と異なっている。
図13に示すように、ステップS1082においては、積込動作の検出として、ステップS1021で演算して得られた上下加速度αが判定加速度範囲(-α0<α<+α0)外であり、且つ上下加速度αの変動が積込動作のパターンであるかを判定する。本実施例においては、上述したように、上下加速度αがプラス側の所定値(+α0)以上となった後に、マイナス側の所定値(-α0)以下となった場合には、重機1の作業フロント1aが上述した上下移動を行ったものとして積込動作があったと判定する(ステップS1082:Yes)。そして、積込動作があったと判定されると、積込動作カウントmに1が加算され(m=m+1)、積込動作カウントmが更新されることになり(ステップS1083)、その後にステップS109に進むことになる。一方、そして、積込動作がなかったと判定されると、積込動作カウントmは更新されず、ステップS109に進むことになる。
以上のように、本実施例に係る施工管理システムにおいては、重機1と運搬機2との距離に加えて、重機1の積込動作に関連する上下動作を判定基準に追加して、積込作業が実施されているか否かが判定されることになる。このため、運搬機2が重機1の近傍において単に停車している場合を誤って積込作業をしていると判定する誤判定がなくなり、積込作業及びこれに伴う施工現場の進捗管理を正確に行うことが可能になる。また、重機1と運搬機2との位置関係で旋回動作を検出することが難しい場合においても、より確実に積込動作に関連する上下動作を検出することができ、積込判定を正確に行うことが可能になる。
なお、本実施例においては、携帯端末5aから送信される加速度情報から上下加速度αを抽出していたが、携帯端末5aから不要な加速度情報が除かれた情報(すなわち、上下加速度α)のみが送信されるようにしてもよい。また、施工現場の状況に対応させ、実施例1の旋回動作、及び本実施例の上下動作の両方について判定し、当該判定結果から積込動作の有無を判定してもよい。そして、重機1がホイールローダのように走行を伴う積込動作を行う機械である場合には、鉛直方向に直行する方向の加速度(すなわち、前後方向の加速度)を判定に用いてもよい。
<実施例3>
上述した実施例1においては、1台の運搬機2に対する重機1の積込作業を管理していたが、施工現場によって複数台の運搬機が使用される場合もある。このような複数台の運搬機が使用される場合の施工管理システムを実施例3として、図14乃至図17を参照しつつ、以下に説明する。ここで、図14は、本実施例に係る施工管理システムの全体構成を示す概略図である。また、図15は、本実施例に係る施工管理システムの機能ブロック図である。更に、図16は、本実施例に係る施工管理システムにおける積込作業記録の表示例である。そして、図17は、本実施例に係る施工管理システムによる積込作業の判定フローである。なお、実施例1と同一内容については、その説明を省略する。
図14に示すように、本実施例に係る施工管理システムは、土木施工現場における重機1の位置情報及び加速度情報、並びに複数台の運搬機2a1〜2an(nは任意の数)の位置情報を所定の通信手段3を介して、サーバ4に送信することができる構成を有している。すなわち、実施例1と更なる異なる点として、運搬機2a1〜2anの各車両に、独立した携帯端末5b1〜5bnが配置されている。従って、サーバ4には、運搬機2a1〜2anの携帯端末5b1〜5bnから通信手段3を介して、各運搬機2a1〜2anの位置情報及び時刻情報がそれぞれ入力されることになる。
次に、図15に示すように、本実施例に係る施工管理システムは、データ入力部21、接近判定部22、積込動作判定部23、積込作業判定部24、積込作業記録部25、及び積込作業記録表示部26に加えて、更にID管理部(識別情報管理部)27を備えている。ID管理部27は、各運搬機2a1〜2anに付されている識別情報を管理する。例えば、ID管理部27は、各運搬機2a1〜2anの携帯端末5b1〜5bnの発信番号(スマートフォンであれば電話番号)を取得し、各発信番号に対応させて各運搬機2a1〜2anに運搬機IDを設定する。ID管理部27は、データ入力部21に入力される各データである位置情報、加速度情報、及び時刻情報を運搬機IDごとに振り分けて管理する。すなわち、データ入力部21には、各運搬機2a1〜2anから区別されることなく各データが入力されるが、ID管理部27は、当該各データを運搬機2a1〜2anに対応させて、運搬機IDごとに区別して管理する機能である。このため、ID管理部27は、サーバ4のネットワークインターフェイス15、これを制御する演算部12、及び運搬機IDと携帯端末5b1〜5bnの発信番号を紐づけて記録する第2記憶部14に対応しており、演算部12によるネットワークインターフェイス15の制御、及び第2記録部14へのデータ保存により、ID管理部27の機能が実現されることになる。
そして、接近判定部22、積込動作判定部23、及び積込作業判定部24は、各運搬機IDに対応させて(すなわち、各識別情報に基づき)、運搬機2a1〜2anのそれぞれに対して各判定を行う。同様に、積込作業記録部25も、各運搬機IDに対応させて、運搬機2a1〜2anのそれぞれに関する積込作業を記録して更新する。例えば、図16に示すように、積込作業記録部25は、運搬機IDごとに、積込作業回数(N)及び作業土量(m3)を記録する。また、積込作業記録部25は、運搬機2a1〜2anの積込作業の合計を算出し、算出結果である合計値を施工現場における総積込作業回数、及び総作業土量として記録する。
積込作業記録表示部26は、実施例1と同様に、運搬機2a1〜2anのそれぞれの積込作業記録を表示することもでき、更には図16に示すように、施工現場全体としての積込作業記録も表示することができる。当該表示については、施工現場の管理者が作業端末10を操作することにより、自由に切り替えることができるようにしてもよい。
次に、図17を参照しつつ、本実施例に係る施工管理システムにおける施工管理処理について説明する。本実施例における判定フローにおいては、実施例1の場合と比較して、IDに関する処理が追加されている。また、本実施例における判定フローにおいては、実施例1の場合と比較して、積込開始時刻ts及び積込終了時刻teの記録に関する処理を行わない。すなわち、本実施例における判定フローにおいては、図7におけるステップS107及びステップS113が設けられていない。このため、本実施例においては、各運搬機2a1〜2anにおける積込作業の開始時刻及び終了時刻が表示されないことが想定されている。
本実施例における判定フローにおいては、ステップS103において運搬機2a1〜2anのいずれかが重機1に接近したと判定された場合(ステップS103:Yes)、重機1に接近したと判断された運搬機に運搬機IDを設定する(図17:ステップS120)。ここで、運搬機IDがすでに設定されている運搬機が接近した場合には、同一の運搬機IDを再設定することになるが、運搬機IDの設定がなされていない運搬機が近接した場合には、使用されていない運搬機IDが設定されることになる。すなわち、1台の運搬機に対しては、専用の運搬機IDが設定されることになり、重複設定されることはない。そして、運搬機に対して運搬機IDが設定されているか否かの判定は、第2記憶部14に記録された対応テーブル(図示せず)を参照することによって行われることになる。
運搬機IDが設定されると、当該設定された運搬機IDが、前回の判定フローにて設定された運搬機IDと同一か否かが判定される(図17:ステップS121)。すなわち、前回の判定フローのステップS103において、重機1に対して接近したと判定された運搬機と、今回の判定フローのステップS103において、重機1に対して接近したと判定された運搬機とが同一であるか否かが判定される。そして、ステップS121において、近接したと判定された運搬機が前回及び今回の判定フローで同一と判定された場合、ステップS108以降に進み、実施例1と同様に、積込動作のカウント及び積込作業の判定が行われることになる。
なお、S111a、S112aにおいては、運搬機IDに対応させて処理が行われる点が、実施例1のS111、S112と異なっており、実質的な処理については同一のため、その説明は省略する。また、ステップS109aについては、本判定フローに積込開始時刻tsの設定がなくなっているため、ステップS108において、m=1とした際の時刻情報を利用して、判定処理が行われることになる。
一方、ステップS121において、近接したと判定された運搬機が前回及び今回の判定フローで異なると判定された場合、ステップS104以降に進み、各種の判定、処理、及び積込作業記録の更新が行われる。なお、ステップS114a〜S117a,S119aにおいては、運搬機IDに対応させて処理が行われる点が、実施例1のステップS114〜117a,S119aと異なっており、実質的な処理については同一のため、その説明は省略する。
以上のように、本実施例に係る施工管理システムにおいては、1台の重機1による複数台の運搬機2a1〜2anへの積込動作を、各運搬機2a1〜2anの旋回動作を判定基準に追加して、各運搬機2a1〜2anが積込作業を実施しているか否かが判定されることになる。このため、実施例1と同様に、各運搬機2a1〜2anが重機1の近傍において単に停車している場合を誤って積込作業をしていると判定する誤判定がなくなり、積込作業及びこれに伴う施工現場の進捗管理を正確に行うことが可能になる。また、運搬機2a1〜2anごとの作業状況を容易に確認することができることになり、作業効率の悪い運搬機を容易に特定して、障害を取り除く等の対策を容易且つ早急に行うことが可能になる。
なお、本実施例においては、複数台の運搬機が使用される場合を想定していたが、複数台の重機が使用される場合、重機及び運搬機のそれぞれが複数台使用される場合についても、同様のID管理よって、積込作業及び施工の進捗管理を行うことができる。