JP7296584B2 - 軒樋用排水ドレン - Google Patents

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Description

本開示は、軒樋用排水ドレンに関する。
従来から、建物の屋根に取り付けられた軒樋に流れ落ちた雨水を集水して竪樋に送り、竪樋を通って下側から排出することが行われる。このとき竪樋での排水処理量を高くするために、サイホン作用により大量の雨水を効率よく排水することが考えられる。このとき、軒樋の貫通孔に、渦流による空気の吸い込みを少なくする機能を有する部材を取り付けることが考えられる。
特許文献1には、軒樋に取り付ける排水部材(軒樋用排水ドレン)が記載されている。排水部材は、上端に配置された板状の蓋部材と、竪樋上の呼び樋に嵌合される装着筒と、蓋部材及び装着筒を接続し、周方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブとを備えている。縦リブによって、蓋部材の下面側で軒樋の底面との間に流入開口を形成し、縦リブに整流効果を持たせることができるので、雨水が空気を吸い込むことを抑制できるとされている。
特許第6279795号公報
特許文献1に記載された軒樋用排水ドレンでは、蓋部材と縦リブとの間に形成される外周部の開口が、軒樋内を流れた雨水によって送られた落ち葉等の異物によって塞がれることにより排水機能が低下する可能性がある。
本開示の目的は、整流効果を高くできるとともに、軒樋内を流れた異物が外周部の開口を塞いだ場合でも、排水機能の低下を抑制できる軒樋用排水ドレンを提供することである。
本開示の一態様の軒樋用排水ドレンは、軒樋の底板部に形成された貫通孔を貫通するように設置される軒樋用排水ドレンであって、排水筒部と、排水筒部の上端の周方向複数位置に連結された羽根と、複数の羽根の径方向内側端に連結され上下方向に延び、下端が排水筒部の内側空間に向いている内側筒部と、内側筒部の上端から連続して上側に向かって径方向外側に広がる漏斗部と、を備える、軒樋用排水ドレンである。
本開示の一態様の軒樋用排水ドレンによれば、整流効果を高くできるとともに、軒樋内を流れた異物が外周部の開口を塞いだ場合でも、排水機能の低下を抑制できる。
実施形態の軒樋用排水ドレンを含む軒樋排水構造の概略構成の断面を示す図である。 実施形態の軒樋用排水ドレンを示している図1のA部拡大相当図である。 図2に示す軒樋用排水ドレンを上から見た斜視図である。 図3のB-B断面図である。 実施形態及び実施形態の別例に相当する第1実施例~第5実施例において、羽根の形状を異ならせた場合における整流性、漏斗部への流入性、及び高排水性能の安定性の評価結果を示す図である。 実施形態の別例の軒樋用排水ドレンにおいて、軒樋に設置した状態を上から見た場合の2例を示す図である。 実施形態の別例の軒樋用排水ドレンにおいて、図4に対応する図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る軒樋用排水ドレンの実施形態を説明する。以下で説明する形状、個数、数値、材料等は、説明のための例示であって、軒樋用排水ドレンまたは軒樋用排水ドレンを含む軒樋排水構造の仕様により適宜変更することができる。以下では全ての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。
図1~図4を用いて実施形態を説明する。図1は、実施形態の軒樋用排水ドレン10を含む軒樋排水構造80の概略構成の断面を示す図である。図2は、軒樋用排水ドレン10を示している図1のA部拡大相当図である。図3は、図2に示す軒樋用排水ドレン10を上から見た斜視図である。図4は、図3のB-B断面図である。
図1に示すように、軒樋排水構造80は、軒樋81と、軒樋81に設置された軒樋用排水ドレン10と、竪樋継手90(図2)と、呼び樋94と、竪樋96とを備え、建物(図示せず)に取り付けられる。図1では、建物から離れる側(図1の左側)が前側であり、建物に近い側(図1の右側)が左側である。
軒樋81は、樹脂成型品であり、底板部82と、底板部82の前端から立設する前壁83と、底板部82の後端から立設する後壁84とを有し、断面が溝形状に形成される。軒樋81は、建物に取り付けられた吊具(図示せず)により吊設されて、屋根の軒先から流れ落ちる雨水を受けるように形成される。
軒樋81の底板部82には、貫通孔82aが形成される。軒樋用排水ドレン10は、貫通孔82aを貫通するように設置される。以下、軒樋用排水ドレン10は、排水ドレン10と記載する。排水ドレン10の構造は後で詳しく説明する。
呼び樋94は、両端に上流側エルボ97と下流側エルボ98とが接続される。呼び樋94は、軒樋81から排水ドレン10と上流側エルボ97とを介して導入された雨水を横方向に流し、下流側エルボ98を介して竪樋96に導入する。図1では、砂地部により雨水を示している。
図2に示すように、竪樋継手90は、筒部91と、筒部91の上端に形成された外向きフランジ92とを有する。筒部91の内周面には雌ネジが形成される。竪樋継手90は、上流側エルボ97の上端に形成された大径筒部97aの内側に筒部91が嵌合されることで、上流側エルボ97の上端部に接続される。軒樋81に排水ドレン10が設置され、排水ドレン10の下側半部が貫通孔82aから下側に突出した状態で、排水ドレン10の下側半部の外周面に形成された雄ネジが、竪樋継手90の雌ネジに結合される。この状態で、後述のように、竪樋継手90の外向きフランジ92と排水ドレン10の上側半部とが軒樋81の底板部82を上下両側から挟んで、軒樋81に排水ドレン10及び竪樋継手90を固定する。
竪樋96は、建物の外壁面に沿うように、建物に、上下方向に沿って複数の固定具(図示せず)等により固定される。竪樋96の下端が地中に埋設された排水管に接続され、竪樋96内を流下した雨水が排水管に排水される構成としてもよい。
次に、図2~図4を用いて排水ドレン10を詳しく説明する。排水ドレン10は、大雨時等、軒樋81に大量に雨水が流入した場合における、雨水の高排水機能を有する排水部材である。排水ドレン10は、下側の排水筒部11と、排水筒部11の上端の周方向複数位置に連結された羽根30と、複数の羽根30の径方向内側端に連結された内側筒部40と、内側筒部40の上端に連続する漏斗部41とを含んで構成される。排水ドレン10は、硬質塩化ビニル樹脂や、ポリカーボネート、ABS等の樹脂の射出成型によって形成される。排水ドレン10は、鋳鉄等の金属製であってもよい。
図4に示すように、排水筒部11は、外周面に雄ネジ13が形成された円筒部12と、上端に形成された外向きフランジ16とを含む。円筒部12の上端の内周面と、外向きフランジ16の内周端の上面とは、内周面が断面円弧形の滑らかな曲面である接続部14で接続される。雄ネジ13は、竪樋継手90に形成された雌ネジに螺合可能である。なお、図3では排水筒部11の雄ネジを省略して示している。
外向きフランジ16の外周側の下面には、全周にわたって円環状の切り欠き17が形成され、それによって、外向きフランジ16の厚みが接続部14の上端部の厚みより小さくなっている。切り欠き17と接続部14との境界である段差面18は、軒樋81に形成された貫通孔82aの内径と略同一の直径を有する円筒面である。これにより、排水筒部11は、段差面18を貫通孔82aに嵌合させた状態で、外向きフランジ16を、底板部82における貫通孔82aの周縁部に係止することができる。外向きフランジ16の上側面の外周端と、後述の漏斗部41の上端部外周端との間で、後述の複数の羽根30で仕切られる部分が、軒樋81に流入した雨水を排水ドレン10に導入するための流入開口20となる。
複数の羽根30は、外向きフランジ16の外周部の上端から接続部14の下端部の内周端にわたるように、排水筒部11の上端の周方向複数位置に連結された板状であり、径方向に延びている。各羽根30の径方向外側端は、排水筒部11の中心軸O(図4)と略平行な平面、または下端に向かって径方向外側にわずかに傾斜したテーパ面としている。各羽根30は、平面視で径方向に対し傾斜させてもよい。各羽根30の周方向両側面は、平面であるが、曲面状としてもよい。
各羽根30の上端には、後述の漏斗部41の上端の外周端から径方向外側に離れた位置より上側に突出する突出部31が形成される。これにより、各羽根30の一部は、漏斗部41の上端の外周端から径方向外側に離れた位置から、漏斗部41の上端より上側に突出している。さらに、各羽根30の下端の径方向内側部分には、断面略矩形の切り欠き32が形成される。複数の羽根30は、流入開口20から流入した雨水を整流する機能を有する。切り欠き32は、流入開口20から流入した雨水の排水機能を高くする。
複数の羽根30の枚数は、後述のように、軒樋81に対する排水ドレン10の周方向の位相に関係なく、漏斗部41への雨水の流入性を高くする面から、奇数であることが好ましい。複数の羽根30の枚数は5であることがより好ましい。
内側筒部40は、複数の羽根30の径方向内側端の下側部分に連結され上下方向に延び、下端が排水筒部11の内側空間に向いている円筒状部分である。
漏斗部41は、内側筒部40の上端から連続して上側に向かって径方向外側にラッパ状に広がっている。漏斗部41の円錐面状の内外両周面と、内側筒部40の内外両周面とは、断面円弧形の曲面部を含む曲面で滑らかに接続されている。
漏斗部41の上端には、円板状の外向きフランジ42が形成される。漏斗部41は、複数の羽根30の径方向内側端の上側部分に連結される。漏斗部41の上端外径D1は、排水筒部11の円筒部12の円筒状内周面の内径D2より小さい(D1<D2)。漏斗部41、内側筒部40、及び排水筒部11の中心軸Oは一致している。
本例では、排水筒部11の外周面に雄ネジ13を形成しているが、雄ネジを省略して排水筒部の下側部分を単なる円筒状の筒部としてもよい。この場合には、竪樋継手90の内周面を、雌ネジを有しない円筒面として、排水筒部11の下側部分に竪樋継手90を嵌合して結合する。
さらに、各羽根30において排水筒部11の内側に入り込んだ部分にある最下端33から切り欠き32の上端までの高さaは20mm以下、5mm以上であり、各羽根30の最下端33から内側筒部40の下端までの高さbは、15mm以下である。図4では、各羽根30の最下端33の高さ位置を基準線で示している。図4に示すように、各羽根30の最下端33から切り欠き32の上端までの高さaと、各羽根30の最下端33から内側筒部40の下端までの高さbとを一致させてもよい。
さらに、漏斗部41の上端における外向きフランジ42の下端から内側筒部40の下端までの長さである漏斗筒高さcは、30~55mmである。また、漏斗部41の中心軸Oを含む断面で見た場合に、円錐面状の内周面の広がり角度である漏斗角度θは、80~120度である。
上記の排水ドレン10を含む軒樋排水構造80を組み立てる方法を説明する。まず、軒樋81の底板部82において排水ドレン10を取り付ける位置に、貫通孔82aを形成しておく。次に、排水ドレン10を軒樋81に挿入し、軒樋81の貫通孔82aに排水筒部11を先に挿入して下側に突出させ、外向きフランジ16を底板部82の貫通孔82aの周縁部に係止する。このとき、外向きフランジ16と貫通孔82aの周縁部との間にパッキン等を介在させてもよい。そして、軒樋81の貫通孔82aから下側に突出させた排水筒部11の外周側に、竪樋継手90をネジ結合等で固定し、排水筒部11の外向きフランジ16と、竪樋継手90の上端に設けた外向きフランジ92(図2)とで軒樋81の底板部82を上下両側から挟んで固定する。この状態で、排水ドレン10の羽根30及び漏斗部41の上端より、軒樋81の上端を高くする。これにより、軒樋81の満水状態で漏斗部41の上端からも雨水が排水ドレン10に流入できるようにする。その後、竪樋継手90に、上流側エルボ97、呼び樋94、下流側エルボ98を介して竪樋96を接続する。そして、使用状態で、竪樋96を上下方向に延びるように配置する。
このような軒樋排水構造80によれば、屋根に降った雨水が軒樋81に流入して、排水ドレン10の流入開口20から流入し、排水筒部11の内側を通って、呼び樋94等を介して竪樋96に導入される。この状態で、竪樋96を流下した雨水がサイホン現象によって、竪樋96から下側に勢い良く排水される。図1に示すように竪樋96を流れる雨水が所定流量以上になると、竪樋96内の一部に雨水が詰まることにより栓(図1にβで示す部分)が形成される。そして、この栓の部分で高低差による負圧が生じて雨水を下側に引っ張る力が大きくなり、勢いよく雨水を流下させるサイホン現象が発生する。雨水の流下時に竪樋96の下流側端に排水管を接続する等によって、竪樋96の下流側を満水状態で水封されるようにしてもよい。
上記の排水ドレン10によれば、流入開口20から雨水が流入するときに、複数の羽根30によって、雨水を整流する効果を高くできる。これにより、大量の雨水が流入開口20に流入するときに、渦の発生によって空気が竪樋96に吸い込まれることを抑制できる。また、流入開口20で複数の羽根30によって落ち葉等の異物が竪樋96に吸い込まれることを抑制できる。これにより、排水ドレン10を含む軒樋排水構造80において、優れたサイホン性能を発揮でき、排水性を高くできる。さらに、軒樋81内を流れた異物が、排水ドレン10の外周部である流入開口20の少なくとも一部を塞いだ場合でも、上側に向かって開口する漏斗部41から雨水が流入するので、排水機能の低下を抑制できる。
さらに、上記の排水ドレン10によれば、内側筒部40と漏斗部41とは曲面で滑らかに接続されており、各羽根30の下端の径方向内側には切り欠き32が形成される。さらに、各羽根30において排水筒部11に入り込んだ部分にある最下端33から切り欠き32の上端までの高さは20mm以下、5mm以上とし、各羽根30の最下端33から内側筒部40の下端までの高さは15mm以下とする。これにより、排水ドレン10による高排水性能を安定化させることができる。例えば、軒樋81内の雨水の高さが120mmである高水位の場合に、竪樋96内での雨水の引き込み力を高い値で安定して発生させることができる。また、軒樋81内の雨水の高さが70mmである中水位の場合に、竪樋96内での雨水の引き込み力を高水位の場合よりは低くなるが、安定して発生させることができる。
この効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を説明する。シミュレーションでは、各羽根30において排水筒部11に入り込んだ部分にある最下端33から切り欠き32の上端までの高さを「羽根切り欠き高さa」とし、各羽根30の最下端33から内側筒部40の下端までの高さを「漏斗部下端高さb」とした。この場合に、羽根切り欠き高さaと、漏斗部下端高さbとを種々に変更して、高排水性能の安定性をシミュレーションで評価した。その評価結果を表1に示している。
Figure 0007296584000001
表1の「安定性評価」の欄に評価結果を示している。この評価は、A,B,Cで分けて、最も良い評価をAとし、それより評価が落ちる順にB、Cとした。表1の結果から理解されるように、羽根切り欠き高さaを15mm以下で、5mm以上とし、漏斗部下端高さbを15mm以下とした場合に安定性評価が最もよくなった。また、表1の結果では示していないが、羽根切り欠き高さaを20mmで漏斗部下端高さbを15mm以下とした場合も、安定性評価Aの場合と同等となることが推測される。これにより、実施形態の効果を確認できた。
さらに、実施形態において、落ち葉等の目詰まり防止の観点から、内部の流路がより広くなるように、漏斗部下端高さbは、好ましくは、10~15mm、より好ましくは、15mmとする。
さらに、実施形態の排水ドレン10によれば、各羽根30の一部は、漏斗部41の上端の外周端から径方向外側に離れた位置から、漏斗部41の上端より上側に突出している。これにより、漏斗部41への水流が導入されやすくなり、かつ、羽根30近傍に渦が発生しにくくなる。
この効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を説明する。図5は、実施形態及び実施形態の別例に相当する第1実施例~第5実施例において、羽根30の形状を異ならせた場合における整流性、漏斗部41への流入性、及び高排水性能の安定性の評価結果を示している。第1実施例は、図1~図4に示した実施形態に相当する。第2~第5実施例は、実施形態の別例の4例に相当する。
第2実施例は、羽根30の上端に突出部を形成せず、羽根30の上端を漏斗部41の上端と一致させている。第3実施例は、第2実施例と同様に、羽根30の上端に突出部を形成せず、さらに、各羽根30の径方向外側端を、下端に向かって径方向外側に大きく傾斜したテーパ面34としている。第4実施例は、第1実施例と同様に、羽根30の上端に漏斗部41の上端より突出した突出部31aを形成するが、その突出部31aは、漏斗部41の上端の外周端から連続して径方向の外側端まで形成されている。第5実施例は、第4実施例と同様に、羽根30の上端で、漏斗部41の上端の外周端から連続して、漏斗部41の上端より突出する突出部31bが形成されているが、その突出部31bは、羽根30の径方向内側部分のみに形成されている。
図5の右欄では、第1~第5実施例における整流性、漏斗部41への流入性、及び高排水性能の安定性の評価結果を示している。この評価は、A,B,Cで分けて、最も良い評価をAとし、それより評価が落ちる順にB、Cとした。図5の結果から理解されるように、図1~図4の実施形態と同様に、突出部31を形成した第1実施例によれば、漏斗部41に水流が導入されやすくなり、かつ羽根30近傍に渦が発生しにくくなったことを確認でき、評価が最もよいAとなった。一方、第2実施例の場合には羽根30に突出部がないことで漏斗部41への流れ込みが少なくなった。第4実施例及び第5実施例の場合には、突出部31a、31bが漏斗部41の外周端から連続して形成されることで、流入部(流入開口)の羽根30近傍で渦が発生しやすくなった。第2実施例、第4実施例及び第5実施例の場合には、いずれも評価が中間のBとなった。第3実施例の場合には、サイホンが不連続に発生する間欠サイホンに移行しやすくなり、高排水性能が不安定となり、評価が下のCとなった。
さらに、実施形態の排水ドレン10によれば、複数の羽根30の枚数は奇数である。これにより、軒樋81に対する排水ドレン10の周方向の位相に関係なく、漏斗部41への雨水の流入性を高くできる。これについて、図6を用いて説明する。
図6は、実施形態の別例の排水ドレン10aにおいて、軒樋81に設置した状態を上から見た場合の2例を示している。図6では、排水ドレン10aを、漏斗部41(図4)を除いて模式化して示している。排水ドレン10aは、図1~図4に示した構成と異なり、羽根30の枚数は4としている。本例において、その他の構成は図1~図4の排水ドレン10と同様である。図6(a)は、軒樋81の長手方向(図6(a)の左右方向)に対し2つの羽根30が直交するように、軒樋81の貫通孔に排水ドレン10aが取り付けられている。図6(b)は、図6(a)に対し、排水ドレン10aが45度回転した状態で、軒樋81の貫通孔に排水ドレン10aが取り付けられている。図6(a)の状態では、2つの羽根30が軒樋81の長手方向に対し直交する幅方向に延びて配置されるので、軒樋81内の雨水の矢印α方向の流れが羽根30によって妨げられやすくなる。これにより、排水ドレン10aの上端の漏斗部41への流れ込みが弱くなってしまう。一方、図6(b)の状態では、2つの羽根30の両方が軒樋の幅方向に延びて配置されることがない。これにより、排水ドレン10aの漏斗部41への流れ込みを強くできる。これにより漏斗部41への雨水の流入性を高くできる。図6では、羽根30の枚数が4である場合に漏斗部41への流入性が低下する場合があることを説明したが、羽根の枚数が2、6等の偶数である場合には、羽根の枚数が4の場合と同様となる。一方、図1~図4の構成のように、排水ドレン10の羽根30の枚数が5等の奇数である場合には、偶数の場合のような流入性の低下が生じない。
表2は、羽根の枚数を種々に異ならせた場合において、雨水の流入性と渦の発生度を実験により評価した結果を示している。
Figure 0007296584000002
表2に示す評価は、A,B,Cで分けて、最も良い評価をAとし、それより評価が落ちる順に、B,Cとした。表2の結果から理解されるように、図1~図4の実施形態と同様に、羽根30の枚数を奇数とした場合(3枚、5枚の場合)には、漏斗部41に雨水が流入しやすい。また、羽根30の枚数を5枚とした場合には、流入開口20が適切な大きさに近くなることで渦が発生しにくくなり、漏斗部41に雨水が安定的に流れ込みやすくなった。一方、羽根30の枚数を3枚とした場合には、流入開口が大きく渦が発生しやすくなった。
一方、羽根30の枚数を偶数とした場合(4枚、6枚の場合)には、施工時の向きにより漏斗部41に雨水が流れ込みにくくなり、悪化する場合があった。羽根30の枚数が4枚の場合には、流入開口20が大きく渦が発生しやすくなった。羽根30の枚数が6枚の場合には、流入開口20が狭く落ち葉が詰まりやすくなった。これにより実施形態の効果を確認できた。
さらに、図1~図4に示した実施形態の排水ドレン10によれば、漏斗部41の上端外径D1は、排水筒部11の円筒状内周面の内径D2より小さくなっている。さらに、漏斗部41の上端における外向きフランジ42の下端から内側筒部40の下端までの長さである漏斗筒高さcは、30~55mmである。また、漏斗部41の中心軸Oを含む断面で見た場合に、円錐面状の内周面の広がり角度である漏斗角度θは、80~120度である。これにより、排水ドレン10の高排水性能をより安定化することができる。この効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を説明する。表3は、羽根30の枚数を5とした場合において、漏斗角度及び漏斗筒高さを種々に異ならせて、高排水性能の安定性を評価した。
表3は、安定性評価の欄に、安定性の評価結果を示している。この評価は、A,B,C,Dで分けて、最も良い評価をAとし、それより評価が落ちる順に、B,C,Dとした。
Figure 0007296584000003
表3の結果から理解されるように、漏斗角度θを80~120度とし、漏斗筒高さcを30~55mmの範囲とした場合には、漏斗筒高さcを高くしない場合(例えば漏斗筒高さcを33mmとした場合)でも、安定性の評価がC以上となり、高排水性能の安定性を高くできることを確認できた。なお、漏斗筒高さcを23mmとした場合には、漏斗角度θが90度、120度、140度のいずれの場合でも、排水ドレンを含む軒樋排水構造において、間欠サイホンが発生し、排水が不安定になった。これにより、実施形態の効果を確認できた。
図7は、実施形態の別例の軒樋用排水ドレン10bにおいて、図4に対応する図である。本例の構成の場合には、図1~図4の構成と異なり、各羽根30の切り欠き高さaを大きくすることで、切り欠き32の高さ方向寸法を大きくし、切り欠き32の上端より下側に内側筒部40を突出させている。このような構成の場合でも、羽根30の切り欠き高さaが20mm以下で、漏斗部下端高さbが15mm以下となる場合には、図1~図4の構成と同様に、高排水性能の安定性を高くできる。また、切り欠き高さa及び漏斗部下端高さbが上記の範囲にない場合でも、図1~図4の構成と同様に、整流効果を高くできるとともに、軒樋81内を流れた異物が外周部の開口を塞いだ場合でも、排水機能の低下を抑制できるという効果を得られる。本例において、その他の構成及び作用は、図1~図4の構成と同様である。
本開示の排水ドレンは、次の(1)~(5)の構成のいずれか1つのみを含む構成としてもよい。
(1)内側筒部40と漏斗部41とは、曲面で滑らかに接続されており、複数の羽根30のそれぞれの下端の径方向内側には、切り欠き32が形成され、複数の羽根30のそれぞれにおいて排水筒部11に入り込んだ部分にある最下端33から切り欠き32の上端までの高さは20mm以下、5mm以上であり、複数の羽根30のそれぞれの最下端33から内側筒部40の下端までの高さは、15mm以下である。
(2)複数の羽根30のそれぞれの一部は、漏斗部41の上端の外周端から径方向外側に離れた位置から、漏斗部41の上端より上側に突出している。
(3)複数の羽根30の枚数は奇数である。
(4)複数の羽根30の枚数は5である。
(5)漏斗部41の上端外径は、排水筒部11の円筒状内周面の内径より小さくなっており、漏斗部41の上端には外向きフランジ42が形成され、外向きフランジ42の下端から内側筒部40の下端までの長さである漏斗筒高さは、30~55mmであり、かつ、漏斗部41の中心軸を含む断面で見た場合に、円錐面状の内周面の広がり角度である漏斗角度は、80~120度である。
さらに、本開示の排水ドレンは、上記の(1)~(5)の構成から、選択的に2つから4つのいずれかで組み合わせた構成を備えるものとしてもよいし、(1)~(5)の全部の構成を備えるものとしてもよい。
10,10a,10b 軒樋用排水ドレン(排水ドレン)、11 排水筒部、12 円筒部、13 雄ネジ、14 接続部、16 外向きフランジ、17 切り欠き、18 段差面、20 流入開口、30 羽根、31,31a,31b 突出部、32 切り欠き、33 最下端、34 テーパ面、40 内側筒部、41 漏斗部、42 外向きフランジ、80 軒樋排水構造、81 軒樋、82 底板部、82a 貫通孔、83 前壁、84 後壁、90 竪樋継手、91 筒部、92 外向きフランジ、94 呼び樋、96 竪樋、97 上流側エルボ、97a 大径筒部、98 下流側エルボ。

Claims (6)

  1. 軒樋の底板部に形成された貫通孔を貫通するように設置される軒樋用排水ドレンであって、
    排水筒部と、
    前記排水筒部の上端の周方向複数位置に連結された羽根と、
    複数の前記羽根の径方向内側端に連結され上下方向に延び、下端が前記排水筒部の内側空間に向いている内側筒部と、
    前記内側筒部の上端から連続して上側に向かって径方向外側に広がる漏斗部と、を備える、
    軒樋用排水ドレン。
  2. 請求項1に記載の軒樋用排水ドレンにおいて、
    前記内側筒部と前記漏斗部とは、曲面で滑らかに接続されており、
    複数の前記羽根のそれぞれの下端の径方向内側には、切り欠きが形成され、
    複数の前記羽根のそれぞれにおいて前記排水筒部に入り込んだ部分にある最下端から前記切り欠きの上端までの高さは20mm以下、5mm以上であり、複数の前記羽根のそれぞれの最下端から前記内側筒部の下端までの高さは、15mm以下である、
    軒樋用排水ドレン。
  3. 請求項1または請求項2に記載の軒樋用排水ドレンにおいて、
    複数の前記羽根のそれぞれの一部は、前記漏斗部の上端の外周端から径方向外側に離れた位置から、前記漏斗部の上端より上側に突出している、
    軒樋用排水ドレン。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軒樋用排水ドレンにおいて、
    複数の前記羽根の枚数は奇数である、
    軒樋用排水ドレン。
  5. 請求項4に記載の軒樋用排水ドレンにおいて、
    複数の前記羽根の枚数は5である、
    軒樋用排水ドレン。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軒樋用排水ドレンにおいて、
    前記漏斗部の上端外径は、前記排水筒部の円筒状内周面の内径より小さくなっており、
    前記漏斗部の上端には外向きフランジが形成され、前記外向きフランジの下端から前記内側筒部の下端までの長さである漏斗筒高さは、30~55mmであり、かつ、前記漏斗部の中心軸を含む断面で見た場合に、円錐面状の内周面の広がり角度である漏斗角度は、80~120度である、
    軒樋用排水ドレン。
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