JP7295788B2 - 画像形成方法及びプリンタ - Google Patents

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Description

本開示は、画像形成方法及びプリンタに関する。
人の手で被印刷面(例えば紙面)に沿って印刷ヘッドを移動させながら被印刷面に画像を形成する画像形成方法及びプリンタが知られている(例えば特許文献1)。このような手動で走査を行うプリンタは、例えば、ハンディプリンタ、ハンドヘルドプリンタ又はハンディモバイルプリンタと呼称されることもある。特許文献1は、ノズルの位置が画データと一致すると印字を行う技術を開示している。
特開2016-10969号公報
画質を向上させることができる画像形成方法及びプリンタが提供されることが待たれる。
本開示の一態様に係る画像形成方法は、複数の印刷素子を含む印刷ヘッドを有するプリンタを被印刷物上で手動で移動させながら、前記印刷素子に繰り返し選択的に電力を供給して画素を繰り返し印刷することにより、前記被印刷物に複数画素から成る画像を形成する画像形成方法であって、前記被印刷物に対する前記印刷ヘッドの移動速度に応じて前記印刷素子による画素の印刷タイミングを制御する制御ステップを有し、手動による前記プリンタの移動中に前記制御ステップを繰り返し実行する。
本開示の一態様に係るプリンタは、被印刷物上で移動されながら前記被印刷物に複数画素から成る画像を形成する手動式のプリンタであって、印刷素子に繰り返し選択的に電力を供給して画素を繰り返し印刷する印刷ヘッドと、前記被印刷物に対する前記印刷ヘッドの移動速度に応じて前記印刷素子による画素の印刷タイミングを制御する制御手段とを有し、前記制御手段が、手動による移動中に前記印刷タイミングの制御を繰り返し実行する。
上記の手順又は構成によれば、画質を向上させることができる。
第1実施形態に係るプリントシステムの構成の一例を模式的に示す斜視図。 図2(a)は図1のプリンタの下面を示す模式的な平面図、図2(b)は図2(a)の一部を拡大して示す模式図。 図3(a)は図2(b)のIII-III線における断面図、図3(b)は図3(a)に示すアクチュエータに入力される駆動信号の波形の一例を示す模式図。 図1のプリンタの信号処理系の構成を示すブロック図。 図1のプリンタが実行する印刷処理の手順の一例を示すフローチャート。 図5のステップST6の詳細の一例を示すフローチャート。 画像が印刷される領域の位置の一例を示す模式図。 図8(a)及び図8(b)は実施形態及び変形例において波形の補正に用いられる移動速度を説明するための模式図。 第2実施形態において波形の補正に用いられる移動速度を説明するための模式図。 第2実施形態に係るプリンタが実行する印刷処理の手順の一例を示すフローチャート。 図11(a)及び図11(b)は第2実施形態における波形の補正方法の例及び他の例を示す図。 第3実施形態に係るプリンタの下面を示す模式的な平面図。 変形例に係るプリンタが実行する処理の手順の一例を示すフローチャート。 他の変形例に係るプリンタが実行する処理の手順の一例を示すフローチャート。
以下、実施形態に係る画像形成方法及びプリンタについて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。また、細部は省略されることがある。
第2実施形態以降の説明においては、基本的に先に説明された構成との相違点についてのみ述べる。特に言及が無い事項については、先に説明された構成と同様とされたり、先に説明された構成から類推されたりしてよい。複数の実施形態において互いに対応する構成については、具体的な構成が異なる場合においても、同じ符号を付すことがある。
位置、速度及び加速度のうちのいずれか1つの継続的な検出によって、これらのうちの他の2つを算出できることは明らかである。以下の説明では、直接的に検出される物理量がこれらのいずれであるかを区別せずに表現することがある。角度、角速度及び角加速度についても同様とする。
<第1実施形態>
(プリントシステムの概要及び動作の一例)
図1は、第1実施形態に係るプリントシステム1の構成の一例を模式的に示す斜視図である。ここでは、説明の便宜上、直交座標系XYZ及び直交座標系xyzが示されている。直交座標系XYZは、厳密性を無視して言えば、空間に対して固定的な空間座標系であり、換言すれば、絶対座標系である。直交座標系xyzは、後述するプリンタ3に固定された座標系であり、別の観点では、プリンタ3の移動に伴って移動する相対座標系であり、また、後述するセンサに固定的なセンサ座標系である。単に平面視又は平面透視という場合は、特に断りが無い限り、z方向又はZ方向に見ることを指すものとする。
プリントシステム1は、例えば、プリンタ3と、プリンタ3と通信可能な通信機器5とを有している。プリンタ3は、ユーザが片手で掴んで移動させることが可能な大きさ及び重量で構成されている。図1では、被印刷物101の被印刷面101aに文字列「ABCD」からなる画像103を印刷する場合が例示されている。印刷時において、被印刷面101aは、鉛直方向(重力方向)に対して種々の向きとされてよい。換言すれば、プリンタ3は、鉛直方向に対していずれの向きで使用されてもよい。ただし、以下の説明では、便宜上、+z側又は+Z側を上方として、上面及び下面等の用語を用いることがある。
プリントシステム1を用いた印刷手順の概要は、例えば、以下のとおりである。まず、ユーザは、通信機器5に対する操作によって印刷を希望する画像(画像103)のデータをプリンタ3に送信する。次に、ユーザは、プリンタ3を被印刷面101a上に載置した状態で、プリンタ3のスイッチ7を操作してプリンタ3に印刷開始(被印刷面101aにおける画像103の形成開始)を指示する。その後、ユーザは、プリンタ3を手動で被印刷面101aに沿って移動させる。図示の例では、例えば、ユーザは、プリンタ3を+x側(+X側)へ移動させる。その間、プリンタ3は、画像103を-X側の部分から徐々に印刷していく。このようにして、手動での走査によって画像103の全体が被印刷面101aの印刷領域R103に印刷される。
(プリンタの構成)
プリンタ3の形状及び寸法は任意である。図示の例では、プリンタ3の外形は、概略、長さ(y方向の長さ)及び厚さ(z方向の長さ)が幅(x方向の長さ)よりも大きい直方体状とされている。ユーザは、例えば、プリンタ3の上面に掌を向け、親指を一方の側面(-x側及び+x側に面する面の一方)に添え、他の指の少なくとも1つを他方の側面に添えるようにしてプリンタ3を掴むことができる。特に図示しないが、プリンタ3の形状は、把持の容易性、又は種々の要素(例えば不図示のバッテリ又はインクカートリッジ)を内部に配置する容易性等の観点から、適宜な位置(例えば側面の上方側)に膨らみを有するような形状であってもよい。
プリンタ3の印刷方式は、適宜なものとされてよい。例えば、プリンタ3は、印刷ヘッドが被印刷面101aに対して非接触とされるものであってもよいし、印刷ヘッドが被印刷面101aに対して直接に又は間接に接触するものであってもよい。非接触式のものとしては、例えば、インク滴を被印刷面101aに向けて吐出するインクジェット方式を挙げることができる。接触式のものとしては、例えば、サーマル方式及びドットインパクト方式を挙げることができる。サーマル方式では、例えば、印刷ヘッドは、被印刷面101aを有する感熱紙、又は被印刷面101aとの間に介在するインクリボンに熱を付与する。ドットインパクト方式では、例えば、印刷ヘッドは、細いピンをインクリボンに叩き付ける。プリンタ3は、モノクロプリンタであってもよいし、カラープリンタであってもよい。なお、本実施形態の説明では、プリンタ3がインクジェット方式のモノクロプリンタである態様を例に取る。
図2(a)は、プリンタ3の下面を示す模式的な平面図である。図2(b)は、図2(a)の一部(後述する印刷ヘッド15)を拡大して示す模式図である。
図1及び図2(a)に示すように、プリンタ3は、例えば、プリンタ3の外形を構成する筐体13と、筐体13の下面に位置して被印刷面101a等に対して当接する当接部17とを有している。プリンタ3は、筐体13の下面から露出する要素として、印刷を直接的に担う印刷ヘッド15と、プリンタ3の位置特定等に寄与する光学センサ11(第1光学センサ11A及び第2光学センサ11B)とを有している。また、プリンタ3は、筐体13の適宜な位置から露出する既述のスイッチ7及びディスプレイ9を有している。さらに、プリンタ3は、図2(a)において点線で示すように、筐体13内に、プリンタ3の位置特定等に寄与する慣性センサ(例えば加速度センサ19及び/又はジャイロセンサ23)を有している。なお、プリンタ3の位置特定等に寄与するセンサ(11、19及び23)を纏めてセンサ29(符号は図4)ということがある。センサ29は、後述する説明から理解されるように、位置センサ、速度センサ、加速度センサ及び/又は角速度センサと捉えられてよい。
(筐体)
筐体13の外形は、概略、プリンタ3の外形を構成している。従って、上述のプリンタ3の外形の説明は、筐体13の外形の説明に援用されてよい。筐体13は、適宜な数の部材が組み合わされて構成されてよい。また、筐体13は、開閉可能な部分及び/又は着脱可能な部分を有していてもよい。そのような部分は、例えば、バッテリ及び/又はインクカートリッジ等の、筐体13の内部への着脱に利用されてよい。筐体13の材料は、任意のものとされてよく、例えば、金属若しくは樹脂又はこれらの組み合わせとされてよい。
(印刷ヘッド)
既述のように、本実施形態の説明では、インクジェット方式を例に取る。この場合の印刷ヘッド15は、例えば、筐体13の下面から露出している吐出面15aと、吐出面15aに開口している複数(理論上は1つも可)のノズル15bとを有している。吐出面15aは、印刷時において、被印刷面101aに対して隙間を介して概ね平行に対向する。そして、各ノズル15bから被印刷面101aに向けて液滴(例えばインク滴)が吐出されることによって画像103が被印刷面101aに印刷される。
複数のノズル15bの数は適宜に設定されてよい。図2(b)では、図示の便宜上、比較的少数のノズル15bが示されている。別の観点では、ドット密度が比較的低い態様が示されている。ただし、実際には、ノズル15bの数は、図示の例よりも多くされてよく、及び/又はドット密度は図示の例よりも高くされてよい。例えば、複数のノズル15bは、100個以上設けられていてもよいし、100dpi(dots per inch)以上又は300dpi以上の密度で設けられていてもよい。なお、プリンタ3の用途によっては、図示の例よりもノズル15bの数を少なくすることも可能である。
複数のノズル15bの配列方向及び列数等も適宜に設定されてよい。図示の例では、複数のノズル15bは、1列でy方向(図示の例ではプリンタ3の長手方向)に配列されている。従って、例えば、x方向(図示の例ではプリンタ3の短手方向)又はx方向の成分を含む方向へプリンタ3を移動させながら複数のノズル15bから液滴を吐出することによって、複数のノズル15bの配列長さをプリンタ3の移動方向に投影した幅で、帯状の画像を印刷することができる。ただし、図示の例とは異なり、複数のノズル15bは、2列以上で配列されていてもよい。また、複数のノズル15bの配置領域の長手方向と、プリンタ3の長手方向とは一致していなくてもよい。
印刷ヘッド15の大きさ及び位置は任意である。例えば、印刷ヘッド15の大きさは、筐体13の下面の広さに対して比較的小さくてもよいし(図示の例)、比較的広く(例えば筐体13の下面の半分以上の広さ)されてもよい。また、印刷ヘッド15は、筐体13の下面において+y側に偏って位置していてもよいし(図示の例)、y方向の中央に位置していてもよいし、-y側に偏って位置していてもよい。また、印刷ヘッド15は、筐体13の下面において、x方向中央に位置していてもよいし(図示の例)、+x側又は-x側に偏って位置していてもよい。
(当接部)
当接部17は、印刷ヘッド15の吐出面15aよりも下方へ突出して、被印刷面101a及び/又は被印刷面101aの周囲に露出している面に当接している。これにより、吐出面15aと被印刷面101aとの間には隙間が構成されている。隙間の大きさ(吐出面15aと被印刷面101aとの距離)は、印刷ヘッド15の特性等を考慮して適宜に設定されてよく、例えば、1mm以下とされてもよいし、1mm以上とされてもよい。なお、接触式の印刷方式においては、当接部17は省略されてもよい。
当接部17の構成は適宜なものとされてよい。例えば、当接部17は、被印刷面101aを転がる転動体を有する走行部であってもよいし、被印刷面101aを摺動する摺動部であってもよい。走行部としては、例えば、x方向にのみ転がることが可能な転動体(コロ)を有するもの、及び任意の方向に走行可能なキャスターを有するものを挙げることができる。走行部の数及び配置位置は適宜に設定されてよい。例えば、走行部は、3個以上(図示の例では4個)で筐体13の下面の外縁に隣接して配置されている。また、当接部17が摺動部である場合、その数及び形状は任意である。例えば、摺動部は、図示の例のように、互いに異なる位置に複数で設けられていてもよいし、筐体13の下面の比較的離れた複数の位置に亘って一体的に1つのみ形成されていてもよい。当接部17は、走行と摺動とを切り換え可能に構成されていてもよい。例えば、走行部が設けられた筐体13に対して摺動部を着脱することによって走行と摺動とが切り換えられてもよい。
(スイッチ)
スイッチ7の構成は任意である。例えば、図示の例では、スイッチ7は、押しボタン式スイッチ(より詳細には、例えば、自動復帰型(モーメンタリ)のスイッチ)によって構成されている。この場合、例えば、スイッチ7は、特に図示しないが、筐体13から外部へ露出している操作部材と、操作部材の押下によってその押下方向へ移動する可動接点と、押下方向へ移動した可動接点が接触する固定接点とを有している。可動接点と固定接点との接触によって、例えば、印刷の開始を指示する信号が、後述する制御部21(図4参照)に入力される。操作部材が押下されていないときは、可動接点は、操作部材、可動接点及び/又は他の部材が有している復元力によって固定接点から離れている。
スイッチ7は、ユーザの操作に応じて信号を制御部21に入力するものであるから、換言すれば、操作部である。また、制御部21への信号入力のみに着目して、スイッチ7は、入力部であるということもできる。操作部(スイッチ7)の構成は、図示の例以外の種々の態様とされてよい。例えば、スイッチ7は、機械式及び電子式のいずれであってもよい。また、例えば、ディスプレイ9をタッチパネルによって構成し、このタッチパネル(その内部のタッチセンサ)がスイッチ7として機能してよい。また、上記のタッチセンサからも理解されるように、スイッチ(操作部)は、センサによって構成されてよい。
スイッチ7の位置も任意である。図示の例では、スイッチ7は、プリンタ3の上面かつ当該上面の中央よりも+y側に位置している。これにより、スイッチ7を操作するときのプリンタ3に対する手の姿勢を手動式走査のときの手の姿勢に近づけることができ、スイッチ7の操作が容易化される。その一方で、スイッチ7が上面に位置していることによって、走査中にプリンタ3の側面に位置する指による誤操作を避けることができる。
なお、スイッチ7は、印刷開始(被印刷面101aにおける画像103の形成開始)を指示する以外の用途に用いられてもよい。スイッチ7以外に、種々の用途に供されるスイッチ(操作部)が筐体13の適宜な位置に設けられてもよい。また、スイッチ7(操作部)は設けられなくてもよい。別の観点では、印刷開始はスイッチ以外の方法によって指示されてもよい。例えば、通信機器5からプリンタ3へ画像データが送信された後のプリンタ3の移動開始が印刷開始の指示とされてもよい。換言すれば、プリンタ3の移動を検出可能なセンサ29の信号に基づいて印刷が開始されてもよい。
(センサ)
センサ29は、既述のように、プリンタ3の位置の検出に寄与するものである。その構成は、種々可能である。図示の例では、センサ29は、光学センサ11及び慣性センサ(例えば加速度センサ19及びジャイロセンサ23)を有している。ただし、以下の説明からも理解されるように、例えは、慣性センサを設けないようにしたり、光学センサ11を設けずに、慣性センサのみを設けるようにしたり、1つの光学センサ11とジャイロセンサ23とを組み合わせたりしてよい。
(光学センサ)
光学センサ11は、例えば、プリンタ3のXY座標上の位置を特定することに寄与する。また、光学センサ11は、ディスプレイ9に表示される画像として被印刷面101aの画像を取得することに寄与してもよい。光学センサ11の構成は、例えば、コンピュータのマウスに利用されている光学センサの構成と同様とされてよい。例えば、特に図示しないが、光学センサ11は、光源と、光源の光を筐体13の外部へ(別の観点では被印刷面101aへ)導く導光部材と、筐体13の外部からの光(例えば被印刷面101aからの反射光)が入射するレンズと、レンズが結んだ光像に応じた信号を出力するイメージャ(別の用語ではイメージセンサ又は撮像素子)とを有している。すなわち、光学センサ11は、反射型のものとされてよい。
光源は、例えば、LED(light emitting diode)又はレーザーである。光源及び導光部材は省略されてもよい。イメージャは、例えば、固体撮像素子であり、その代表的なものとしては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを挙げることができる。イメージャは、例えば、少なくとも可視光に対応している。ただし、イメージャは、可視光に代えて、又は加えて、赤外線に対応していてもよい。光学センサ11は、イメージャからの信号を処理する処理部を含んでいてもよい。このような処理部は、例えば、IC(Integrated Circuit)を含んで構成されている。
マウスの光学センサは、通常、移動前の撮像画像と移動後の撮像画像とのずれに基づいて、センサ座標系である座標系xyにおける移動量を特定することに寄与する。換言すれば、光学センサは、z軸回りの回転量の特定には寄与しない。本実施形態では、2つの光学センサ11を設けることによって、z軸回りの回転量を特定可能とし、ひいては、XY座標における位置等の特定を可能としている。このための算出方法は公知であり、また、後に簡単に説明する。なお、1つの光学センサ11によって撮像される画像の移動前後のずれに基づいてz軸回りの回転量が特定されてもよい。光学センサ11の筐体13の下面における位置は任意である。
(加速度センサ及び角速度センサ)
加速度センサ19及びジャイロセンサ23(ジャイロスコープ)は、例えば、プリンタ3の位置及び/又は動きを検出することに寄与する。この検出結果は、適宜に利用されてよい。例えば、プリンタ3が被印刷面101aから持ち上げられると、光学センサ11によるプリンタ3の位置特定は困難になる。このとき、光学センサ11に代わって、加速度センサ19及びジャイロセンサ23の検出結果に基づいてプリンタ3の位置が特定されてもよい。このような慣性センサに基づく位置特定は、ロボット及びドローン等の種々の分野で公知であり、これが利用されてよい。また、例えば、加速度センサ19及び/又はジャイロセンサ23によって検出される検出値に基づく指標値が所定の閾値を超えたときに、印刷を中断してもよい。
(ディスプレイ)
ディスプレイ9は、例えば、任意の画像を表示可能なものであり、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイによって構成されている。ディスプレイ9が表示する内容は適宜なものとされてよい。例えば、既に言及したように、光学センサ11によって撮像された画像がディスプレイ9に表示されてよい。また、例えば、印刷の進行状況、印刷条件及び電池残量が表示されてよい。なお、ディスプレイ9は設けられなくてもよい。
(通信機器)
図1に示す通信機器5は、例えば、画像データをプリンタ3に送信可能な種々の機器とされてよい。図示の例では、通信機器5としてスマートデバイスが例示されている。スマートデバイスは、例えば、スマートフォン(図示の例)、タブレット又はノートパソコンである。通信機器5のハードウェア及び基本的なソフトウェア(例えばOS(Operating System))は、公知の種々のもの(別の観点では一般的なもの)と同様とされてよい。所定のアプリケーションを一般的な通信機器にインストールすることによって、プリントシステム1を構成する通信機器5を得ることができる。
通信機器5は、例えば、適宜に図示を省略するが、ユーザの操作を受け付ける入力装置、画像を表示する表示装置、プリンタ3と通信を行う通信部、及びこれらを制御する制御部を有している。入力装置の少なくとも一部は、表示装置と一体化されてタッチパネルを構成していてもよい(図示の例)。制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、外部記憶装置等を含んでいる。CPUがROM及び外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムを実行することによって制御部が構築される。
通信部は、例えば、少なくともプリンタ3と通信を行うことができる構成を有している。通信は、プリンタ3へ送信を行うことができるだけであってもよいし、プリンタ3と送受信を行うことができるものであってもよい。通信は、無線通信であってもよいし(図示の例)、有線通信であってもよい。無線通信としては、例えば、電波を用いるもの、赤外線を用いるものを挙げることができる。また、電波を用いるものとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)のような近距離用のものを挙げることができる。
(被印刷物)
被印刷物101は、画像103を印刷可能な種々のものとされてよい。例えば、被印刷物101は、紙のように記録媒体として概念されるものであってもよいし、記録媒体として概念することが難しいものであってもよい。後者としては、例えば、衣類、履物、服飾雑貨(例えば鞄)、筆記用具、電子機器(例えばそのうちの筐体)、家具及び建築物(例えばそのうちの壁)を挙げることができる。別の観点では、プリンタ3による印刷の目的は、情報伝達に限定されず、例えば、記名又は装飾であってもよい。また、被印刷物101の材料としては、例えば、紙、布、木材、樹脂、金属及びガラスを挙げることができる。
被印刷面101aは、例えば、少なくとも印刷時において平面状とされる。ただし、ある程度の凹凸又は湾曲が被印刷面101aに存在しても、画像103を被印刷面101aに印刷することは可能である。また、上記の被印刷物101の例示からも理解されるように、被印刷物101の形状及び被印刷面101aの平面形状は任意である。被印刷面101aの面積は、プリンタ3の平面視における面積よりも大きくてもよいし(図示の例)、同等以下であってもよい。後者としては、例えば、被印刷面101aのx方向の長さがプリンタ3のx方向の長さよりも短い場合、及び/又は被印刷面101aのy方向の長さがプリンタ3のy方向の長さ(若しくは複数のノズル15bの配列長さ)よりも短い場合を挙げることができる。
(液体)
プリンタ3がインクジェット方式のものである場合において、プリンタ3が吐出する液体は、例えば、インクである。インクは、例えば、溶媒と着色剤とを含んでいる。溶媒としては、水及び有機溶媒を挙げることができる。着色剤としては、顔料及び染料を挙げることができる。ただし、液体は、インクに限定されない。例えば、液体は、塗料(ただしインクとの区別は必ずしも明確ではない)であってもよいし、無色で透光性を有するコーティング剤であってもよい。
色の語は、黒色及び白色を含む。着色の語は、黒色、シアン、マゼンダ及び/又はイエロー等の一般に有色として把握されている色を被印刷面に付与することだけでなく、白色を被印刷面に付与する(例えば白色のインクを被印刷面に塗布する)ことも含む。ただし、説明の便宜上、白色を被印刷面のうちの着色がなされない領域の色であるかのように表現することがある。
(画像)
画像103は、例えば、文字、図形、模様、絵、写真又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでよい。また、画像103の面積も適宜に設定されてよい。プリンタ3は、手動でのx方向への移動によってx方向に走査可能であるから、画像103のx方向の大きさが任意であることは明らかである。また、複数のノズル15bのうち、一部のみ使用することによって、y方向の長さが複数のノズル15bの配列長さよりも短い画像103を形成できることも明らかである。さらに、画像103は、y方向の長さが複数のノズル15bの配列長さよりも長くてもよい。この場合は、例えば、プリンタ3のx方向への移動と、プリンタ3のy方向へ移動とを交互に繰り返すことなどによって、y方向の長さが複数のノズル15bの配列長さよりも長い画像103を印刷することができる。
画像103(別の観点では印刷領域R103)は、画像103のデータ等の観点から、実際に着色がなされる領域(ドットが形成される領域)の周囲の領域を含んで概念されてよい。例えば、文字列「ABCD」を字下げしたかのように、着色可能な領域に空白を設けた画像のデータが用いられている場合において、当該空白も画像103の一部として概念されてよい。ただし、以下の説明では、便宜上、着色がなされる領域のみが画像103であるかのように表現することがある。
画像103のデータ形式は、例えば、公知の種々の形式のもの、又は公知の形式を応用したものとされてよい。また、データ形式は、通信機器5で画像103が準備されている段階、画像103のデータが通信機器5からプリンタ3へ送信される段階、及びプリンタ3において画像103のデータに基づいて印刷を行う段階等の各段階において適宜なデータ形式とされてよい。例えば、通信機器5で準備されている段階において、データ形式は、一般的に画像データといわれているデータの形式(例えば、GIF、JPEG、BMP及びPINGなど)であってもよいし、テキストデータであってもよい。また、画像データは、ラスターデータであってもよいし、ベクターデータであってもよい。
画像103は、図1に一部を拡大して示すように、複数の画素103aの集合である。ここで、画像103のデータにおける1つの画素103aは、被印刷面101aにおいて、複数のドットによって表されることがある。例えば、インクジェット方式のプリンタにおいて、濃度が高い1つの画素103aに対応して複数の液滴が吐出されたときに、被印刷面101aにおいて複数のドットが形成される可能性がある。従って、画素103aが1つであるか否か等は、被印刷面101aに印刷された画像103に優先して画像103のデータを基準として特定されてよい。
(吐出素子)
既述のように、本実施形態では、印刷ヘッド15としてインクジェットヘッドを例に取っている。この場合において、ノズル15bから液滴を吐出するための駆動方式は任意のものとされてよい。代表的なものとしては、ピエゾ式とサーマル式とを挙げることができる。ピエゾ式では、圧電素子に電圧を印加したときの圧電素子の変形によって印刷ヘッド15内の液体(インク)に圧力を付与し、これにより液滴をノズル15bから吐出させる。サーマル式では、発熱体によってノズル15bの奥側の液体(インク)に熱を付与して気泡を生じさせ、その圧力によって液滴をノズル15bから吐出させる。以下の説明では、液滴を吐出する駆動素子として圧電素子を例に取ることがある。
図3(a)は、図2(b)のIII-III線における断面図である。別の観点では、圧電素子によってノズル15bから液滴を吐出する吐出素子31の構成例を示す図である。なお、吐出素子31は、インクジェット方式以外の方式も考慮して上概念化すれば、印刷素子であるということができる。
印刷ヘッド15は、例えば、液体(例えばインク)が流れる流路が形成されている板状の流路部材33と、流路部材33に重なり、流路部材33内の液体に圧力を付与する板状のアクチュエータ35とを有している。1つの吐出素子31は、印刷ヘッド15のうち、1つのノズル15bに対応する部分であり、流路部材33及びアクチュエータ35のうちの平面視における一部領域によって構成されている。
流路部材33は、-z側に面しており、既述の吐出面15a及びノズル15bを有している。また、流路部材33は、例えば、ノズル15b毎に設けられた個別流路37と、複数の個別流路37につながっている不図示の共通流路とを有している。個別流路37は、例えば、不図示の共通流路に接続されている加圧室39と、加圧室39からノズル15bへ延びる部分流路41と、ノズル15bとを有している。加圧室39は、例えば、流路部材33の吐出面15aとは反対側(+z側)の面に開口している。ただし、流路部材33は、+z側から加圧室39を塞ぐ板状部分を有していてもよい。
流路部材33内には液体が満たされている。加圧室39の容積が変化して液体に圧力が付与されることにより、加圧室39から部分流路41へ液体が送出され、ノズル15bから液滴が吐出される。また、加圧室39へは不図示の共通流路から液体が補充される。
アクチュエータ35は、例えば、いわゆるユニモルフ型の圧電アクチュエータによって構成されている。なお、アクチュエータ35は、バイモルフ型等の他の形式の圧電アクチュエータによって構成されていてもよい。アクチュエータ35は、例えば、流路部材33側から順に、振動板43、共通電極45、圧電体層47及び個別電極49を有している。振動板43、共通電極45及び圧電体層47は、複数の吐出素子31(別の観点では複数の加圧室39)に亘って広がっている。個別電極49は、吐出素子31毎に設けられ、加圧室39に重なっている。
圧電体層47は、厚さ方向(z方向)に分極されている。従って、例えば、個別電極49及び共通電極45によって分極の向きに圧電体層47に電界(電圧)を印加すると、圧電体層47は当該層に沿う方向に収縮する。この収縮は、振動板43によって規制される。その結果、アクチュエータ35は加圧室39側へ凸となるように撓み変形する。ひいては、加圧室39の容積が縮小され、加圧室39の液体に圧力が付与される。個別電極49及び共通電極45によって上記とは逆向きに電界(電圧)を印加すると、アクチュエータ35は加圧室39とは反対側へ撓み変形する。
このような吐出素子31を駆動するために吐出素子31(共通電極45及び個別電極49)に入力される駆動信号の波形は、公知の様々な態様のものとされてよい。以下では、その一例として、いわゆる引き打ちのための駆動信号について説明する。
図3(b)は、駆動信号Sg1の波形の一例を示す模式図である。この図において、横軸は時間tを示し、縦軸は駆動信号Sg1の電位Vを示している。ここでは、圧電体層47の分極の向きが個別電極49から共通電極45への向きである場合を例にとる。
駆動信号Sg1は、個別電極49に入力される信号である。共通電極45は、時間経過に対して一定の電位(例えば基準電位)が付与されている。吐出要求がある前において、駆動信号Sg1(別の観点では個別電極49)は、共通電極45より高い電位(以下高電位Vと称す)とされている。そして、吐出要求がある毎に個別電極49の電位を高電位Vよりも低い電位(以下低電位Vと称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位Vとする。低電位Vは適宜に設定されてよいが、例えば、共通電極45と同電位である。
吐出要求前においては、駆動信号Sg1が高電位Vとされていることにより、アクチュエータ35は、加圧室39側に撓んだ形状となっている。
次いで、駆動信号Sg1が低電位Vになることによって、アクチュエータ35が元の(平らな)形状に戻り(始め)、加圧室39の容積が増加する。ひいては、加圧室39内の液体に負圧が与えられる。そうすると、加圧室39内の液体が固有振動周期で振動し始める。次いで、加圧室39の体積は最大になり、圧力はほぼゼロとなる。さらには、加圧室39の体積は減少し始め、圧力は高くなっていく。
駆動信号Sg1が低電位Vとされた後に高電位Vになることによって、アクチュエータ35は、再度、加圧室39側へ撓み始める。最初に加えた振動と、次に加えた振動とが重なり、より大きい圧力が液体に加わる。この圧力が部分流路41内を伝搬し、ノズル15bから液体を吐出させる。
つまり、高電位Vを基準として、一定期間低電位Vとなるパルス波形の駆動信号Sg1を個別電極49に供給することで、液滴を吐出できる。このパルス幅W1が、加圧室39の液体の固有振動周期の半分の時間、すなわち、AL(Acoustic Length)にされる場合、原理的には、液体の吐出速度および吐出量が最大になる。
図示の例では、1つのパルスのみが示されているが、駆動信号Sg1は、2以上のパルスを含んでもよい。パルス幅W1は、吐出される液滴を1つにまとめるようにするなど、他に考慮する要因もあるため、実際は、0.5AL~1.5AL程度の値にされる。また、パルス幅W1は、ALから外れた値にすることで、吐出量を少なくすることができるため、吐出量を少なくするためにALから外れた値にされることもある。
画像103において意図されている濃淡は、適宜な方法によって実現されてよい。例えば、濃淡は、液滴によって被印刷面101a上に形成されるドットの径の大小によって実現されてよい。また、濃淡は、一定面積当たりのドットの数の変化(粗密)によって実現されてよい。また、濃淡は、上記の組み合わせによって実現されてよい。ドット径の大小は、1つの液滴の大きさによって調整されてもよいし、1箇所に着弾する液滴の数によって調整されてもよいし、これらの組み合わせによって調整されてもよい。
また、別の観点では、意図されている濃淡は、高電位Vと低電位Vとの電位差(振幅A1)及び/又はパルス幅W1によって調整される液滴の大小によって実現されてよい。また、濃淡は、1回分の吐出要求に対応する駆動信号Sg1に含まれる波数(パルス数)によって調整されてもよい。波数の増減は、例えば、液滴の数を増減させ、及び/又は液滴同士がつながった1つの液滴の大きさを変化させる。また、濃淡は、これらの組み合わせによって調整されてもよい。振幅A1、パルス幅W1及び波数それぞれは、吐出素子31の制御における操作量の一例である。
通常、駆動信号Sg1の各種のパラメータ(振幅A1、パルス幅W1及び波数)の値は、画像103のデータ(より詳細にはそのうちの画素毎のデータ)によって規定される濃度(別の観点では明度)の情報のみに基づいて設定される。本実施形態では、駆動信号Sg1の各種のパラメータの値は、後述するように、画素のデータに基づくだけでなく、センサ29によって検出される印刷ヘッド15の移動速度に基づいて設定される。
(プリンタの信号処理系の構成)
図4は、プリンタ3の信号処理系の構成を示すブロック図である。なお、ブロック同士を結ぶ矢印が示す方向は、主要な信号が伝達される方向を示しているが、実際には、矢印とは逆方向へ伝達される信号が存在してもよい。
プリンタ3は、既に述べたように、印刷ヘッド15、スイッチ7、光学センサ11、加速度センサ19、ジャイロセンサ23及びディスプレイ9を有している。ここでは、スイッチ7は、ユーザの操作を受け付ける操作部25の少なくとも一部として示されている。また、プリンタ3は、少なくとも通信機器5との間で通信を行う通信部27と、印刷ヘッド15を駆動するドライバ28と、プリンタ3の各部を制御する制御部21とを有している。
通信部27は、通信機器5と通信を行うものであるから、既述の通信機器5の通信部の説明は適宜に通信部27に援用されてよい。通信部27は、通信機器5から受信した画像103のデータを制御部21に入力する。なお、通信部27は、制御部21からの信号に基づいて通信機器5へ情報を送信してもよい。例えば、印刷の進行状況(例えば印刷の完了)を報知するための情報が送信されてよい。
操作部25(スイッチ7)は、ユーザの操作に応じた信号を制御部21に入力する。当該信号は、例えば、既に述べたように、印刷の開始を指示する信号である。
光学センサ11は、所定のフレームレート(サンプリング周期)で画像を撮像し、撮像した画像に基づく信号を制御部21に出力する。光学センサ11と制御部21との間の役割分担は適宜に設定されてよい。例えば、前回の撮像画像と今回の撮像画像とのずれに基づくxy座標上における移動量の算出は、光学センサ11によって行われてもよいし、制御部21によって行われてもよい。
加速度センサ19は、所定のサンプリング周期で加速度を検出し、検出した加速度に応じた信号を制御部21に出力する。ジャイロセンサ23は、所定のサンプリング周期で角速度を検出し、検出した角速度に応じた信号を制御部21に出力する。ディスプレイ9は、制御部21から入力された画像データに基づく画像を表示する。
ドライバ28は、制御部21から入力された制御信号に基づいて駆動信号Sg1を生成して吐出素子31に入力する。ドライバ28は、例えば、通常のプリンタで用いられているものと同様とされてもよい。また、ドライバ28と制御部21との間の役割分担は適宜に設定されてよい。
制御部21は、例えば、CPU21a(プロセッサの一例)及びメモリ21bを有している。メモリ21bは、例えば、ROM、RAM及び外部記憶装置等を含んでいる。CPUがメモリ21b(ROM及び外部記憶装置)に記憶されている所定のプログラムを実行することによって制御部21が構築される。
(フローチャート)
制御部21(CPU21a)等が実行する処理の手順の一例について、フローチャートを参照して説明する。なお、以下に示すフローチャートは、処理の概念の理解を容易にするように描かれており、必ずしも実際の処理とは合致しない。
(印刷処理)
図5は、制御部21(CPU21a)が実行する印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、通信機器5からプリンタ3への画像データの送信が完了し、スイッチ7に対して印刷開始(被印刷面101aにおける画像103の形成開始)を指示する操作が行われたときに開始される。
ステップST1では、制御部21は、プリンタ3の被印刷面101a上における現在の位置を基準位置として、画像103が印刷される印刷領域R103を決定する。より詳細には、例えば、現在(ステップST1の時点)の直交座標系xy(z)に一致する直交座標系XY(Z)を定義する。ここでいう一致は、x軸とX軸とが平行となり、y軸とY軸とが平行となり、z軸とZ軸とが平行となる状態である(以下、同様。)。両者の原点位置は、適宜な位置関係とされてよい。そして、直交座標系XYに対して画像103の位置を決定する。具体的な処理としては、例えば、画像103のデータにおける画素103a毎の座標を直交座標系XY上の座標に変換したり、又は、そのような座標変換が可能な数値が特定及び記憶されたりしてよい。
なお、本実施形態の説明では、直交座標系xyzは、y軸がプリンタ3の長手方向及びノズル15bの配列方向等に平行になるように定義されている。また、上記のように、直交座標系XYZは、印刷開始時に直交座標系xyzに一致するように定義されている。これらの定義は、一例に過ぎない。プリンタ3に対する直交座標系xyzの位置関係、及び直交座標系xyzに対する印刷開始時における直交座標系XYZの位置関係をどのように定義しても、上記の定義に基づく演算結果と同様の演算結果を座標変換によって得ることができることは明らかである。ただし、本実施形態の説明は、便宜上、上記の定義に基づいて行われる。
印刷領域R103は、例えば、左端(又は左上)が現在(ステップST1の時点)の印刷ヘッド15の位置の直下又は若干右側(+x側)に位置するように設定されてよい。この場合は、例えば、図1で例示したように、プリンタ3を+x側に移動させることによって画像103を印刷することができる。ただし、後述の説明から理解されるように、印刷領域R103は、現在のプリンタ3の位置に対して任意の位置に設定されてよい。例えば、印刷領域R103は、現在のプリンタ3の位置に対して左側(-x側)に設定されてもよい。この場合は、例えば、プリンタ3を-x側に移動させることによって画像103を印刷することができる。また、例えば、印刷領域R103は、現在のプリンタ3の位置に印刷領域R103の中心が位置するように設定されたりしてもよい。この場合は、例えば、プリンタ3を往復移動させることによって画像103を印刷することができる。
ステップST2では、制御部21は、所定の時間T1が経過したか否か判定する。この時間T1は、以下の説明から理解されるように、ノズル15bからインクを吐出する吐出周期である。時間T1は、例えば、所定の上限速度以下でプリンタ3を移動させたときに所定のドット密度での印刷が可能になるように設定されてよい。時間T1は、例えば、製造者(又はユーザ)によって設定された一定の値である。また、時間T1は、後述するように、制御部21によって補正されても構わない。時間T1の一例を挙げると、0.0225秒以上0.0275秒以下である。制御部21は、否定判定のときは待機し(ステップST2を繰り返し)、肯定判定のときはステップST3に進む。
ステップST3では、制御部21は、センサ29から検出値の情報を取得したり、当該情報を加工したりする処理を行う。なお、ステップST3の一部又は全部は、時間T1よりも短いサンプリング周期で行われてもよい。ステップST3は、例えば、ステップST4及びST5を含んでいる。
ステップST4では、制御部21は、直交座標系XY上における各ノズル15bの位置(別の観点では座標)を特定する。上記のように、画像103(画素103a)は、ステップST1において直交座標系XY上における座標が与えられている。従って、ここで特定されるノズル15bの座標は、画素103aの座標と比較可能なものである。
より詳細には、ノズル15bの位置は、例えば、以下のように算出されてよい。まず、制御部21は、直交座標系xyにおいて各光学センサ11の移動量を特定する。移動量は、前回のステップST4から現在までの間(時間T1の間)の移動量である。次に、2つの光学センサ11のxy座標系における移動量の差からプリンタ3のz軸(Z軸)回りの回転量を算出する。回転量は、前回のステップST4から現在までの間(時間T1の間)の回転量である。次に、前回のステップST4で求めたプリンタ3の直交座標系XY上における角度に対して上記の回転量を加算してプリンタ3の角度を更新する。次に、この角度を用いて、(少なくとも一方の)光学センサ11のx方向及びy方向それぞれの移動量をX方向及びY方向それぞれの移動量に変換する。前回のステップST4で求めたプリンタ3の直交座標系XY上における座標に対して上記の移動量を加算して光学センサ11の座標を更新する。その後、予め記憶されている光学センサ11と各ノズル15bとの位置関係の情報を用いて、光学センサ11の座標をノズル15bの座標に変換する。
なお、光学センサ11の座標は、別の観点では、プリンタ3の代表点の座標である。上記のように、ノズル15bの位置は、光学センサ11の位置に基づいて特定されているから、ノズル15bの位置に基づく後述する種々の動作は、プリンタ3(その代表点)の位置に基づく動作であるといってよい。また、ノズル15bは、プリンタ3又は印刷ヘッド15の一部である。これらのことから、以下の説明では、便宜上、ノズル15bの位置をプリンタ3又は印刷ヘッド15の位置と表現することがある。
ステップST5では、制御部21は、各ノズル15bの移動速度を特定する。この移動速度は、例えば、後述するように、駆動信号Sg1の波形の設定(換言すれば吐出素子31における濃淡を調整するための制御)に利用される。移動速度は、例えば、xy平面又はXY平面に沿う方向の速さ(これらの平面におけるスカラー量)である。ただし、x方向成分及びy方向成分、又はX方向成分及びY方向成分が算出及び利用されてもよい。各ノズル15bの移動速度は、適宜に算出されてよい。例えば、上記のように、ステップST4が実行される度に各ノズル15bの座標が求められるから、前回の座標と今回の座標とに基づいて時間T1の間のノズル15bの移動量を算出し、これを時間T1で割ることによって移動速度が求められてよい。
なお、移動速度は、ノズル15b毎に算出されなくてもよい。例えば、ノズル15bの移動速度に代えて、プリンタ3の任意の代表点(光学センサ11の位置とは限らない)の移動速度が後述する種々の処理に用いられてもよい。また、ノズル15bは、プリンタ3又は印刷ヘッド15の一部である。これらのことから、以下の説明では、便宜上、ノズル15bの移動速度をプリンタ3又は印刷ヘッド15の移動速度と表現することがある。
ステップST6では、制御部21は、ステップST3で算出したプリンタ3の位置及び速度に基づいて、画像103を構成する複数の画素103aのうちの一部を印刷する処理を行う。このステップST6を含むステップST2~ST8が繰り返されることによって、プリンタ3の移動に伴って画像103が徐々に印刷されていく。
ステップST7では、制御部21は、ステップST5で特定した移動速度に基づいて、ステップST2で用いる時間T1を補正する。具体的には、例えば、メモリ21bは、移動速度と、時間T1の補正量(実際の情報としては時間T1自体であってもよい。以下、同様。)とを対応付けた参照情報を保持している。当該参照情報は、例えば、マップ又は演算式である。そして、制御部21は、上記の参照情報に基づいて、ステップST5で特定した移動速度に対応する補正量を特定し、この補正量を用いて現在の時間T1の値を補正する。上記の補正量は、例えば、移動速度が速いほど時間T1が短くなるように設定されてよい。補正量は、移動速度の変化に対して、連続的なものであってもよいし、離散的なものであってもよい。ここでの補正は、例えば、移動速度が許容範囲外の値となったときのみ行われてもよいし、そのような許容範囲を設けずに、常時行われてもよい。また、ステップST7は無くされてもよい。
ステップST8では、制御部21は、印刷処理を終了する終了条件が満たされたか否か判定する。終了条件は、例えば、画像103の印刷が完了したことである。印刷の完了は、適宜に判断されてよい。例えば、後述するステップST12内の判定結果を利用して、画像103のうちの、着色されるべき画素103aの全て(又は大部分)に対応する液滴の吐出がなされたか否かによって判定されてよい。また、終了条件は、他の条件とされてもよい。例えば、加速度センサ19及びジャイロセンサ23によって、プリンタ3が被印刷面101aから+Z方向へ離されたことを検出するようにし、当該検出がなされたときに終了条件が満たされたと判定してもよい。制御部21は、否定判定のときは、ステップST2に戻って印刷処理を継続し、肯定判定のときは印刷処理を終了する。
(画素の印刷)
図6は、図5のステップST6で制御部21(CPU21a)が実行する画素印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップST11では、制御部21は、直交座標系XYにおいて、画像103の座標(複数の画素103aの座標のうちの代表的な1以上の座標とされてよい。)と、複数のノズル15bの座標(複数のノズル15bの座標の代表的な1以上の座標とされてよい。)とを比較する。そして、制御部21は、画像103のうち複数のノズル15bの配列と重複する領域(必要に応じてその周囲の領域)のデータを画像103のデータから抽出する。この抽出されたデータに対応する画像を要素画像というものとする。要素画像のデータは、要素画像を構成する複数の画素103aのデータを含む。
ステップST12では、制御部21は、上記の要素画像のデータに基づいて、複数のノズル15bのうち液滴を吐出するノズル15bを決定する。例えば、制御部21は、要素画像内の各画素103aの座標と、ステップST4で特定した各ノズル15bの座標とを比較する。そして、制御部21は、着色される画素103aの座標と一致する(現実的には画素103aの座標から所定の範囲内に位置する)座標を有するノズル15bが存在するときは、そのノズル15bを、液滴を吐出するノズル15bとして特定する。別の観点では、制御部21は、ノズル15bの位置に基づいて、当該ノズル15bを有する吐出素子31が次に印刷すべき画素103aのデータを特定する。
ステップST13では、制御部21は、ステップST12で特定した画素103aのデータに基づいて、当該データに対応する吐出素子31に出力する駆動信号Sg1の波形を設定する。例えば、制御部21は、画素103aのデータが指定している濃度を実現するように駆動信号Sg1の波形を設定する。この波形の設定は、例えば、ステップST14の波形の初期設定と、ステップST15の波形の補正とによって行われてよい。なお、ステップST15は無くされてもよい。
ステップST14では、制御部21は、画素103aのデータに基づいて波形を設定する。具体的には、例えば、メモリ21bは、濃度と、駆動信号Sg1の濃度に係るパラメータ(振幅、パルス幅及び波数)の少なくともいずれか1つとを対応付けた参照情報を保持している。当該参照情報は、例えば、マップ又は演算式である。そして、制御部21は、上記の参照情報に基づいて、画素103aのデータで指定されている濃度に対応するパラメータの値を特定する。これにより、波形の初期設定がなされる。なお、ここで特定されるパラメータ以外のパラメータの値は、例えば、画素103aのデータの内容に関わらずに一定の値とされてよく、また、次のステップST15で変更されても構わない。
ステップST15では、制御部21は、ステップST5で特定した移動速度に基づいて、ステップST14で設定した波形を補正する。具体的には、例えば、メモリ21bは、移動速度と、駆動信号Sg1の濃度に係るパラメータ(振幅、パルス幅及び波数)の少なくともいずれか1つの補正量とを対応付けた参照情報を保持している。当該参照情報は、例えば、マップ又は演算式である。そして、制御部21は、上記の参照情報に基づいて、ステップST5で特定した移動速度に対応する補正量を特定し、この補正量を用いてステップST14で設定した波形のパラメータ(ステップST14で濃度に応じて値が設定されたパラメータとは限らない)の値を補正する。
上記の補正量は、例えば、移動速度が速くなるほど、印刷される画素103aの濃度が高くなるように設定されてよい。より詳細には、例えば、移動速度が速くなるほど、振幅A1が大きくされてよい(別の観点では液滴が大きくされてよい)。また、例えば、移動速度が速くなるほどパルス幅W1がALに近づけられてよい(別の観点では液滴が大きくされてよい。)。また、例えば、移動速度が速くなるほど波数が多くされてよい(別の観点では液滴の数が増加及び/又は液滴が大きくされてよい。)。これらのパラメータの1つのみが補正されてもよいし、2つ以上が補正されてもよい。補正量の具体的な値は、例えば、理論に基づいて、及び/又は実験に基づいて、適宜に設定されてよい。なお、種々の条件によっては、上記とは逆に、移動速度が速くなるほど、印刷される画素103aの濃度が低くなるように補正量が設定されてもよい。
ステップST16では、制御部21は、ステップST5で特定した移動速度に基づいて時間差Δt(図3)を補正する。この時間差Δtは、例えば、吐出素子31の駆動周期(時間T1)内の所定の基準時点から駆動信号Sg1の最初の立ち上がり又は立ち下りが生じる時点までの時間差である。この時間差Δtを補正することによって、ノズル15bから液滴が吐出されるタイミングを時間T未満の範囲で微調整することができる。
具体的には、具体的には、例えば、メモリ21bは、移動速度と、時間差Δtの補正量(実際の情報としては時間差Δt自体であってもよい。以下、同様。)とを対応付けた参照情報を保持している。当該参照情報は、例えば、マップ又は演算式である。そして、制御部21は、上記の参照情報に基づいて、ステップST5で特定した移動速度に対応する補正量を特定し、この補正量を用いて現在の時間差Δtの値を補正する。上記の補正量は、例えば、移動速度が速いほど時間差Δtが短くなるように設定されてよい。補正量は、移動速度の変化に対して、連続的なものであってもよいし、離散的なものであってもよい。ここでの補正は、例えば、移動速度が許容範囲外の値となったときのみ行われてもよいし、そのような許容範囲を設けずに、常時行われてもよい。また、ステップST16は無くされてもよい。また、そもそも時間差Δtが設定されなくてもよい。また、時間差Δtの補正は、ステップST15の波形の補正の概念に含まれてもよい。
ステップST17では、制御部21は、ステップST13で設定した波形の情報を含む制御信号をドライバ28へ出力する。ドライバ28は、その制御信号で指定された波形のパラメータの値に基づいて駆動信号Sg1を生成し、この駆動信号Sg1を制御信号で指定された吐出素子31に入力する。これにより、ステップST12で特定されたノズル15bから液滴が吐出される。
上記の処理の手順の一例では、制御部21は、着色される画素103aの座標と一致する座標のノズル15bを特定している。従って、プリンタ3は、シリアルプリンタの印刷ヘッドのように、予め定められた方向へ予め定められた速度で移動される必要は無く、任意の方向へ任意の速度で移動されてよい。制御部21によって、画素103aの印刷の繰り返しタイミングが移動速度に応じて実質的に制御されるからである。なお、プリンタ3の速度及び/又は加速度に基づいて、液滴を吐出するときのノズル15bの座標を予測する演算を行い、この座標を画素103aの座標との比較に用いてもよい。
ステップST12においてノズル15bの座標と一致する座標を有すると判定された画素103aは、次回以降のステップST12では、判定対象から除外されてよい。これにより、例えば、プリンタ3が一度通過した領域を再度通過したとしても、同一の画素103aについて重複して液滴が吐出される蓋然性が低減される。その結果、プリンタ3の移動経路の自由度が更に向上する。
以上のとおり、本実施形態に係る画像形成方法は、複数の印刷素子(吐出素子31)を含む印刷ヘッド15を有するプリンタ3を被印刷物101に沿って手動で移動させるとともに、複数の吐出素子31に繰り返し選択的に電力(駆動信号Sg1)を供給して画素103aを繰り返し印刷することにより、被印刷物101に複数画素103aから成る画像103を形成する方法ものである。当該方法は、被印刷物101に対する印刷ヘッド15の移動速度に応じて吐出素子31による画素103aの印刷タイミング(例えば、時間T1及び/又は時間差Δtを参照)を制御する制御ステップ(ST2~ST8)を有している。
別の観点では、本実施形態に係るプリンタ3は、被印刷物101に沿って移動されながら被印刷物101に複数画素103aから成る画像103を形成する手動式のものである。当該プリンタ3は、複数の印刷素子(吐出素子31)に繰り返し選択的に電力(駆動信号Sg1)を供給して画素103aを繰り返し印刷する印刷ヘッド15と、被印刷物101に対する印刷ヘッド15の移動速度に応じて吐出素子31による画素103aの印刷の繰り返しタイミング(時間T1及び/又は時間差Δtを参照)を制御する制御手段(制御部21)とを有している。
このように移動速度に基づいて画素103aの印刷のタイミングを制御すると、画像103の画質が向上する。具体的には、例えば、以下のとおりである。
上記のように、本実施形態では、ノズル15bの位置が、着色されるべき画素103aの位置に一致したときに液滴を吐出している。従って、理論上は、ユーザがプリンタ3をどのような速度で移動させても画質は変わらない。しかし、実際には、ユーザがプリンタ3を高速で移動させると、画像103の濃度が薄くなる傾向があることが本願発明者らによって確認されている。その理由としては、例えば、駆動周期(時間T1)に対して移動速度が速いことによって、画素103aが印刷されるべき位置に画素103aが印刷されずに当該位置をプリンタ3が通り過ぎてしまう現象が挙げられる。
そこで、例えば、移動速度が速いほど時間T1を短くすると、移動速度が速いときは、プリンタ3の移動に遅れずに画素103aの印刷を行うことができる。ひいては、印刷されない画素103aが生じる蓋然性が低減される。すなわち、濃度が低くなる蓋然性が低減される。ひいては、画質が向上する。その一方で、移動速度が遅いときは、ステップST2~ST8を繰り返す周期が長くなり、プリンタ3の負担が軽減される。
また、ノズル15bの位置検出から液滴の吐出までの時間遅れに起因して、画素103aが印刷されるべき位置と実際に画素103aが印刷された位置とはずれる。このずれの量は、移動速度が速いほど大きくなり、ひいては、印刷された画素103a間の距離が長くなる。その結果、移動速度の変化に応じて画像103に濃度斑が生じる可能性がある。
そこで、移動速度が速いほど時間差Δtを短くすると、移動速度の変化が上記のずれ量の相違に及ぼす影響が緩和される。その結果、濃度斑が低減される。
また、本実施形態の画像形成方法は、検出ステップ(ST3)と、データ特定ステップ(ST12)と、制御ステップ(ST13及びST17)とを有していてもよい。検出ステップでは、プリンタ3の位置及び移動速度を検出する。データ特定ステップでは、検出した位置に基づいて、吐出素子31が次に印刷する画素103aのデータを特定する。制御ステップでは、特定した画素103aのデータと、検出した移動速度とに基づいて、吐出素子31における画素103aの濃度を規定する動作を制御する。
この場合、例えば、画像103の画質を向上させることができる。具体的には、例えば、以下のとおりである。
上記のように移動速度を速くしたときに濃度が薄くなる理由としては、既述の理由の他、例えば、液滴の形状が、意図された形状から崩れること、及び/又は液滴の一部が霧状になることが考えられる。
そこで、吐出素子31における濃度を規定する動作を、画素103aのデータに基づくだけでなく、移動速度にも基づいて制御することによって、画質を向上させることができる。より詳細には、例えば、画素の印刷タイミングの制御だけでは十分に画質を向上できない場合には、移動速度が速いほど液滴を大きくする制御及び移動速度が速いほど液滴の数を多くする制御の少なくとも1つを行うことによって、比較的速い走査による濃度の低下を低減することができる。
なお、上記では、走査が比較的速い場合に濃度が薄くなる態様について述べた。ただし、上記とは逆の現象が生じる可能性もある。例えば、1つの画素103aに対して複数の液滴を吐出する態様のプリンタ3においては、プリンタ3を高速で移動させると、1つの画素103aに対応する複数の液滴の被印刷面101a上における重なりが少なくなり(複数の液滴の専有面積が大きくなり)、濃度が濃くなることが考えられる。このような場合においては、実施形態とは逆に、移動速度が速いほど濃度を薄くするための制御がなされてもよい。
(助走区間)
図5のステップST1の説明では、印刷領域R103は、印刷開始が指示されたときのプリンタ3の位置に対して任意の位置に対して設定されてよいことを述べた。以下では、当該位置の一例について述べる。
図7は、印刷領域R103の位置の設定例の一例を示す模式図である。図7の上部は、印刷開始が指示されたとき位置関係で、印刷ヘッド15と印刷領域R103とが示されている。また、この図において、図7の下部は、ユーザがプリンタ3を移動させたときのプリンタ3の移動速度の一例を示している。横軸は、走査方向(ここではX方向)を示している。縦軸vは、移動速度(ここではX方向における速度)を示している。線LN1は、ノズル15bが横軸(X方向)の位置に到達したときのプリンタ3の移動速度を示している。図7の上部と図7の下部とでX方向の位置は一致している。
図7の上部に示すように、印刷領域R103は、複数のノズル15b(又は印刷ヘッド15若しくはプリンタ3)に対して重複しないように設定されてよい。この場合、ユーザは、通常、印刷開始を指示したときのプリンタ3の位置から印刷領域R103が位置する方向へプリンタ3を移動させることになる。このプリンタ3の位置から印刷領域R103への方向は、任意の方向とされてよく、図示の例では、+X方向(+x方向)とされている。また、この方向は、プリンタ3の製造者によって予め設定されていてもよいし、プリンタ3又は通信機器5に対する操作によってユーザが選択可能であってもよい。
また、印刷領域R103は、図7の上部に示すように、印刷開始の指示がなされたときの複数のノズル15b(又は印刷ヘッド15若しくはプリンタ3)の位置に対して離れて設定されてよい。この場合、上記のように印刷開始を指示したときのプリンタ3の位置から印刷領域R103が位置する方向へプリンタ3を移動させたときに、直ちに印刷が開始されるのではなく、ノズル15bが助走区間Rg1を通過した後に印刷が開始される。
ここで、例えば、ユーザは、プリンタ3の移動開始から移動完了まで一定の移動速度を保つことを意識していると仮定する。この場合であっても、図7の下部に示すように、移動速度は、最初から一定の速度になるのではなく、移動開始当初においては変化(上昇)する。従って、例えば、移動速度に基づいて画素103aの印刷のタイミング(時間T1及び/又は時間差Δt)及び/又は画素103aの濃度(別の観点では液滴)を調整している場合、移動速度の検出値と、この検出値に基づく調整の作用が現れるときの実際の移動速度とがずれる。その結果、例えば、印刷開始を指示したときのノズル15bの直下に印刷領域R103の一部の領域が位置していると、当該一部の領域と他の領域との間の濃淡が意図したものとは異なったものになってしまう可能性がある。例えば、移動速度の検出値に応じて濃度を高くするように設定した補正量が、実際の移動速度に対して相対的に小さくなってしまい、移動開始当初の濃度が薄くなる。この補正量の実質的な不足は、移動開始当初の加速度が大きいほど、別の観点では、ユーザが高速でプリンタ3を移動させることを意識しているほど大きくなる。
しかし、図示の例のように助走区間Rg1を設定することによって、例えば、上記のような濃度の低下(又は上昇)を低減することができる。図示の例では、ノズル15bが助走区間Rg1を移動している間に、プリンタ3の移動速度は一定の速度に到達している。ただし、移動速度は、助走区間Rg1内で一定の速度に到達していなくてもよい。助走区間Rg1が多少なりとも設けられ、印刷領域R103の手前でプリンタ3が加速されていれば、一定速度に到達する位置が多少なりとも-X側(印刷開始を指示したときのプリンタ3側)にずれる。その結果、濃度が意図したものとはならない領域は、多少なりとも低減される。
助走区間Rg1の長さ(別の観点ではノズル15bから印刷領域R103までの最短距離)は適宜に設定されてよい。例えば、当該長さは、複数のノズル15bの配列長さ及び/又は印刷ヘッド15の幅よりも短くてもよいし、同等以上であってもよい。また、例えば、当該長さは、ノズル15bのピッチの1倍以上、5倍以上又は10倍以上とされてよい。また、例えば、当該長さは、プリンタ3の移動速度としてプリンタ3の製造者が想定している最高速度と、時間T1(時間T1が補正される態様では例えば初期値)との積の1倍以上、5倍以上又は10倍以上とされてよい。また、例えば、当該長さは、0.5mm以上、1cm以上又は2cm以上とされてよい。また、助走区間Rg1の長さは、プリンタ3の製造者によって予め設定されていてもよいし、プリンタ3又は通信機器5に対する操作によってユーザが選択可能であってもよいし、プリンタ3(制御部21)が種々の印刷条件又は学習結果に応じて設定してもよい。
(移動速度の変形例)
図5のステップST5の説明では、サンプリング周期(図5の例では時間T1)の間のノズル15bの移動量をサンプリング周期で割って移動速度が求められてよいことについて述べた。この他、種々の移動速度が求められ、ステップST7、ST15及び/又はST17の補正に用いられてよい。各種の補正に用いられる移動速度は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。以下に、種々の移動速度の例を述べる。以下の説明では、便宜上、移動速度に基づく各種の補正のうち、ステップST15の波形の補正を例に取ることがある。また、便宜上、時間T1が一定である態様を例に取ることがある。
図8(a)及び図8(b)は、各種の補正に用いられる移動速度を説明するための模式図である。図8(a)は、実施形態に係るものであり、図8(b)は、変形例に係るものである。これらの図において、横方向は、X方向に対応している。縦方向は、時間tに対応している。黒点は、所定の1つのノズル15bが時間tの経過に伴ってX方向に移動している様子を示している。黒点の-X側の矢印y1又はy2は、移動速度の算出に用いられる移動量を示している。この図では、説明の便宜上、ノズル15bが助走区間Rg1の最初の1/3以降において一定速度となっている場合を想定している。
図8(a)に示す例では、制御部21は、時間T1毎にノズル15bの位置を特定し、その時間T1の間のノズル15bの移動量(矢印y1で示される)を特定する。そして、制御部21は、この時間T1の間の移動量を時間T1で割ることによって、ノズル15bの移動速度を算出する。なお、図示の例とは異なり、ノズル15bの吐出周期である時間T1よりも短いサンプリング周期で、吐出直前における移動速度が算出されてもよい。
図8(b)に示す変形例においても、時間T1毎にノズル15bの位置が特定される点は変わらない。ただし、制御部21は、現在から時間T1×n(nは2以上の整数。図示の例ではn=2)だけ前の時点の位置から現在の位置までの移動量(矢印y2で示される)を特定し、この移動量をT1×nで割ることによって、ノズル15bの移動速度を算出する。すなわち、制御部21は、いわゆる移動平均によって移動速度を算出している。
この場合、例えば、ステップST7、ST15及び/又はST16の補正量の算出に利用される移動速度の変化が平滑化され、ひいては、補正量の変化が平滑化される。プリンタ3及び/又は画像103の各種の条件によっては、このような平滑化を施した方が、画質が向上することがある。
移動平均を求める際のnは、適宜に設定されてよい。また、上記では単純移動平均を例に取ったが、加重移動平均などの重みづけがなされる平均が用いられてもよい。時間T1よりも短いサンプリング周期で求めた移動速度について移動平均が求められてもよい。移動平均以外の平滑化処理がなされてもよい。移動速度を平滑化するのではなく、補正量自体に平滑化の処理を施してもよい。
図8(a)において、助走区間Rg1と印刷領域R103との境界上における移動速度は、助走区間Rg1における移動量に基づいて特定されている。しかし、サンプリング周期(例えば時間T1×1)の移動量をサンプリング周期で割るというアルゴリズムに照らして、現在の移動速度、又はリアルタイムで検出した移動速度と捉えられてよい。
一方、図8(b)において、助走区間Rg1と印刷領域R103との境界上における移動速度は、境界よりも-X側に位置するノズル15bにおけるリアルタイムの移動速度(例えばT1×1の間の移動量のみに基づく移動速度)を含むものである。従って、この移動速度は、助走区間Rg1における移動速度と捉えられてよい。
また、図8(b)において、助走区間Rg1と印刷領域R103との境界からノズル15bが+X側へ移動していくと、矢印y2で示される移動量に占める助走区間Rg1内の移動量は徐々に減じられていく。従って、この変形例では、結果的に、走査の序盤においては、助走区間Rg1における移動速度を重要視し、走査の中盤以降においてはリアルタイムの移動速度を重要視しているということができる。
<第2実施形態>
(第1実施形態との相違点の概要)
図9は、第2実施形態に係るプリンタを説明するための図であり、図8(a)及び図8(b)に相当する。なお、第2実施形態は、基本的にプリンタの動作のみが第1実施形態と相違するから、ここでの説明では第1実施形態の符号を用いる。また、ここでは、第1実施形態における図示の例と同様に、印刷開始を指示したときのプリンタ3の位置に対して+X側(+x側)に印刷領域R103が設定され、プリンタ3が+X側へ走査される場合を例にとる。
第1実施形態では、印刷領域R103の全体に亘って同様の制御が行われた。一方、第2実施形態では、印刷領域R103を初期区間Rg2と通常区間Rg3とに分け、両者で互いに異なる制御を行う。初期区間Rg2及び通常区間Rg3は、-X側から+X側へ(印刷開始時のプリンタ3の位置から印刷領域R103の方向へ)、初期区間Rg2及び通常区間Rg3の順で設定されている。従って、印刷は、初期区間Rg2及び通常区間Rg3の順で行われる。
既述のように、プリンタ3の移動を開始した直後(印刷の初期)においては、移動速度が一定になっていないことなどから、初期に印刷された領域と、その後に印刷された領域との間で、画像103の濃淡の差等が生じやすい。そこで、初期区間Rg2と通常区間Rg3とで移動速度に基づく制御(例えば駆動信号Sg1の波形の補正量)を互いに異ならせることで、上記のような不都合を解消することができる。
初期区間Rg2及び通常区間Rg3のX方向における長さは適宜に設定されてよい。例えば、初期区間Rg2の長さを設定し、その残りを通常区間Rg3としてよい。この場合において、初期区間Rg2の長さは、画像103のX方向の長さに無関係に設定されてもよいし、画像103のX方向の長さを考慮して設定されてもよい。前者の場合においては、結果的に、通常区間Rg3が設定されないことがあってもよい(印刷領域R103の全体が初期区間Rg2となってもよい。)。
初期区間Rg2のX方向の長さを画像103のX方向の長さとは無関係に設定する例としては、例えば、0.5mm若しくは1cm等の寸法の絶対値を設定することが挙げられる。このような寸法としては、例えば、想定されている最高速度でプリンタ3を移動させたときに上記のような濃淡のずれが生じる印刷初期の領域の長さを理論又は実験等に基づいて特定し、その長さを用いてよい。また、画像103のX方向の長さを考慮する場合においては、例えば、画像103のX方向の長さに所定の比率を乗じて初期区間Rg2のX方向の長さとしてよい。
図示の例では、助走区間Rg1が設定されている。図8(a)及び図8(b)の説明から理解されるように、助走区間Rg1が設定されている場合においては、初期区間Rg2を短くすることが可能である。従って、初期区間Rg2の長さは、助走区間Rg1が長くなるほど短くなるように、助走区間Rg1の長さに基づいて設定されてもよい。上述のように助走区間Rg1の長さは、プリンタ3の流通後にユーザ等が設定可能であってもよく、初期区間Rg2は、このユーザ等が設定した助走区間Rg1の長さに応じて調整されてよい。この場合において、結果的に、初期区間Rg2が設定されないことがあってもよい(印刷領域R103の全体が通常区間Rg3となってもよい。)。
初期区間Rg2(又は通常区間Rg3)のX方向の長さ(長さ自体又は算出方法)は、プリンタ3の製造者によって予め設定されていてもよいし、プリンタ3又は通信機器5に対する操作によってユーザが選択可能であってもよいし、プリンタ3(制御部21)が種々の印刷条件又は学習結果に応じて設定してもよい。
初期区間Rg2及び通常区間Rg3それぞれにおける制御は適宜なものとされてよい。図示の例では、通常区間Rg3においては、図9と図8(a)との比較から理解されるように、第1実施形態と同様の制御が行われている。例えば、リアルタイムで検出された移動速度に基づいて各種の補正量のうちの少なくとも1種の補正量(例えば駆動信号Sg1の波形の補正量)が決定されている。なお、図8(b)を参照して説明した変形例に係る制御が行われてもよい。
一方、初期区間Rg2においては、例えば、第1実施形態とは異なる制御が行われる。具体的には、図9において初期区間Rg2のノズル15bに対して、助走区間Rg1における移動量が矢印y3で強調されているように、初期区間Rg2においては、いずれの位置においても、助走区間Rg1における移動速度に基づいて補正量が設定される。これにより、例えば、移動速度の過渡期の短い期間における移動速度に基づいて補正量を設定する態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる)に比較して、安定して濃度を補正できることがある。
初期区間Rg2における補正量の設定に利用される助走区間Rg1における移動速度は、助走区間Rg1の全体における移動速度であってもよいし、図示の例のように、助走区間Rg1の一部における移動速度であってもよい。また、この移動速度は、サンプリング周期(例えばT1×1)の移動量に基づくものであってもよいし、図8(b)を参照して説明したように移動速度の移動平均であってもよい。
図示の例では、ノズル15bが初期区間Rg2のいずれの位置にあっても、助走区間Rg1の移動速度のみが用いられている。ただし、助走区間Rg1における移動速度と、現在のノズル15bの位置に対応する移動速度(リアルタイムの移動速度であってもよいし、移動平均であってもよい。)との双方に基づいて、補正に用いる移動速度を算出してもよい。そして、ノズル15bが通常区間Rg3に近づくほど、上記の補正用の移動速度に占める、現在のノズル15bの位置に対応する移動速度の割合が大きくなるようにしてもよい。
なお、初期区間Rg2における補正量の設定は、上記とは異なり、助走区間Rg1の存在を前提としないものであってもよい。例えば、初期区間Rg2においては、リアルタイムの移動速度に対して適宜な補正を行った移動速度を算出し、この移動速度に基づいて補正量を設定してもよい。
(フローチャート)
図10は、制御部21(CPU21a)が実行する印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、第1実施形態の図5の処理に対応している。
ステップST1~ST3は、例えば、図5のステップST1~ST3と概ね同様とされてよい。ただし、ステップST1では、印刷領域R103(及び助走区間Rg1)が直交座標系XYにおいて設定されるだけでなく、初期区間Rg2(及び通常区間Rg3)も直交座標系XYにおいて設定される。また、図10に示すステップST3では、移動速度は算出されなくてもよい。
ステップST21では、制御部21は、ノズル15bが助走区間Rg1内に位置しているか否かを判定する。肯定判定のときは、制御部21は、ステップST2に戻り、ステップST3を繰り返す。これにより、助走区間Rg1における検出結果が蓄積されていく。また、否定判定のときは、制御部21は、ステップST22に進む。
ステップST22では、制御部21は、ノズル15bが初期区間Rg2内に位置しているか否か判定する。肯定判定のときは、制御部21は、ステップST23に進み、否定判定のときは、ステップST24に進む。
ステップST23では、制御部21は、初期区間Rg2用の制御を行う。この制御は、ステップST22で肯定判定がなされている間、すなわち、ノズル15bが初期区間Rg2内に位置している間、継続される。
ステップST23内の処理の手順は、例えば、概略、図5のステップST2、ST3(ST4及びST5)、ST6並びにST7と同様とされてよい。ただし、各種の補正(ステップST6のうちの図6のステップST15及びST16、並びにステップST7)の少なくとも1種は、助走区間Rg1の移動速度に基づいて行われる。また、このときの移動速度に基づく補正量の算出方法は、第1実施形態及び/又は通常区間Rg3とは異なるものとされてよい。各種の補正において、助走区間Rg1における移動速度(1つの値)のみを用いるのであれば、ステップST5の速度の算出は、繰り返し行われなくてよい。
ステップST24では、制御部21は、通常区間Rg3用の制御を行う。このステップST24内の処理の手順は、例えば、図5のステップST2、ST3(ST4及びST5)、並びにST6~ST8と同様とされてよい。そして、ステップST8で印刷終了条件が満たされたと判定されると、ステップST24は終了する。
(初期区間における補正量の設定方法)
上述のように、ノズル15bが初期区間Rg2に位置しているときの、助走区間Rg1の移動速度に基づいて補正量を算出する方法は、通常区間Rg3における、リアルタイムの移動速度又は移動平均の移動速度に基づいて補正量を算出する方法と異なっていてよい。以下に、その例を示す。
図11(a)は、メモリ21bに記憶されているデータを示す概念図である。既述のように、メモリ21bには、移動速度と補正量とを対応付けた参照情報(マップ又は演算式)が記憶されており、制御部21は、この参照情報を参照して、移動速度に応じた補正量を特定する。図示のデータDTは、この参照情報を示している。そして、データDTは、ノズル15bが初期区間Rg2に位置しているときに用いる参照情報としてのデータDT1と、ノズル15bが通常区間Rg3に位置しているときに用いる参照情報としてのデータDT2とを有している。データDT1とデータDT2とは、移動速度と補正量との対応関係が少なくとも一部において互いに相違する。ステップST23内(初期区間Rg2における印刷処理内)のステップST15(図6)では、データD1が参照される。一方、ステップST24内(通常区間Rg3における印刷処理内)のステップST15では、データD2が参照される。
図11(b)は、ステップST23内のステップST3の変形例を示している。すなわち、初期区間Rg2における印刷処理のための、ノズル15bの位置及び速度の検出処理を示している。この変形例では、図5を参照して説明したステップST4及びST5に加えて、ステップST26が実行されている。ステップST26では、制御部21は、助走区間Rg1における移動速度に基づいて初期区間Rg2における移動速度を予測(換言すれば補正)している。そして、この補正後の移動速度が、その後の補正(ステップST7、ST15及び/又はST16)で用いられる。なお、当該補正において、1つの移動速度の予測値のみを用いるのであれば、ステップST26の予測は、繰り返し行われなくてよい。
図11(a)と図11(b)とは組み合わされてもよい。既述のように、初期区間Rg2における制御は、助走区間Rg1の存在を前提とするものでなくてもよく、図11(b)のステップST26における速度の補正は、初期区間Rg2におけるリアルタイムの移動速度又は移動平均の移動速度に対する補正であってもよい。
以上のとおり、本実施形態においても、画像形成方法は、移動速度に応じて画素103aの印刷のタイミングが制御される。従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、意図されていない濃淡を低減して画質を向上させることができる。
また、本実施形態では、制御ステップ(ST23内のST15及びST17)では、印刷開始の指示がなされてから吐出素子31が印刷領域R103に到達するまでの助走区間Rg1における移動速度に基づいて吐出素子31を制御する。
この場合、例えば、リアルタイムの移動速度(直前のサンプリング周期(例えば時間T1)における移動量に基づく速度)に基づいて各種の補正量を設定する態様(第1実施形態)に比較して、画質を向上させることができることがある。例えば、過渡期の1時点の移動速度よりも長い期間の移動速度に基づいて現在の移動速度を予測することができ、ひいては補正量の精度が向上する。また、例えば、印刷領域R103における移動速度が安定していない場合においては、リアルタイムの移動速度に基づいて濃淡を調整すると、却って意図していない濃淡が生じるおそれがあるが、助走区間Rg1の速度を用いることよって、そのような濃淡が生じる蓋然性を低減できる。
また、本実施形態では、制御ステップでは、助走区間Rg1における移動速度に基づいて吐出素子31を制御した後(ST23)、現在の移動速度(リアルタイムの移動速度又は移動平均)に基づいて吐出素子31を制御する(ST24)。
既述のように、印刷当初の領域と、その後の領域とでは、意図していない濃淡が、異なる要因によって生じ得る。例えば、印刷当初の領域では、移動速度に基づく濃淡の調整が、移動速度の上昇に追いつかないことがある。そこで、上記のように、初期区間Rg2と通常区間Rg3とで、異なる移動速度に基づいて濃淡の制御を行うことによって、全体として、意図していない濃淡を低減できる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係るプリンタ303の下面を示す模式的な平面図であり、図2(a)に相当している。
プリンタ303は、筐体13の長手方向と印刷ヘッド15の長手方向との関係が第1実施形態と相違する。具体的には、本実施形態では、筐体13の長手方向と印刷ヘッド15の長手方向とが交差(例えば直交)している。印刷ヘッド15の長手方向は、別の観点では、複数のノズル15b(図2(b)参照)の配列方向であり、また、プリンタ303において想定されている典型的な移動方向(走査方向)に直交する方向である。従って、プリンタ303においては、筐体13の長手方向が典型的な走査方向となっている。
そして、印刷領域R103は、印刷開始時のノズル15bの位置に対して筐体13の長手方向(X方向)において離れた位置に設定されている。すなわち、助走区間Rg1が設けられている。助走区間Rg1のX方向における長さが適宜に設定されてよいことは他の実施形態と同様である。なお、図示の例とは異なり、第1実施形態の筐体13の長手方向と印刷ヘッド15の長手方向(ノズル15bの配列方向)との関係のまま、印刷開始時のノズル15bの位置(より厳密にはノズル15bと対向する位置)から筐体13の長手方向に離れた位置に印刷領域R103が設定されてもよい。
このように、ノズル15bの位置からプリンタ303の長手方向に離れた位置に印刷領域R103を設定すると(筐体13の長手方向を走査方向とすると)、例えば、走査方向において、印刷ヘッド15と、筐体13の下面の外縁との距離を確保しやすい。ここで、印刷領域R103の設定に際しては、筐体13と印刷領域R103との位置関係をユーザが認識しやすいように、筐体13の下面の縁部に印刷領域R103の縁部を一致又は近接させることがある。この場合に、助走区間Rg1の走査方向(X方向)における長さを確保しやすくなる。ひいては、これまでに述べた助走区間Rg1に関する種々の効果が得られやすくなる。
なお、印刷領域R103の縁部が位置合わせされる筐体13の縁部は、ユーザに印刷領域R103の位置を示すために筐体13の側面から側方へ突出するガイド部材の縁部(端部)であってもよい。この筐体13のガイド部材は、筐体13の本体部に対して移動可能であってもよい。
<変形例>
以下では、移動速度に基づく各種の補正量(別の観点では吐出素子31の制御における操作量)の設定方法について、変形例を示す。これらの変形例は、第1~第3実施形態のいずれに適用されてもよい。ただし、以下の説明では、第1実施形態の符号を用いる。
時間T1、時間差Δt及び/又は駆動信号Sg1の波形等は、ユーザ毎に異なる補正量(又は補正方法。以下、同様。)で調整されてもよい。この場合、例えば、意図されていない濃淡の低減効果が向上する。この場合において、補正量は、個人毎に異ならされてもよいし、グループ毎に異ならされてもよい。グループは、例えば、子供及び大人のように、プリンタ3の移動速度に相違が生じるか否かを基準に設定されてよい。
また、各種の補正量の少なくとも1種は、過去の走査履歴に応じて調整されてもよい。この場合も、意図されていない濃淡の低減効果が向上する。過去の走査履歴は、同一の画像を印刷したときの履歴であってもよいし、異なる画像を印刷したときの履歴であってもよい。また、上記のようにユーザ毎に異なる補正量を設定する場合において、走査履歴は、同一のユーザのものであってもよいし、異なるユーザのものであってもよい。
過去の走査履歴に応じた補正量の調整は、例えば、過去に得られた、移動速度、補正量及び画質との関係に基づいて、移動速度から補正量を特定するための参照情報(例えばマップ又は演算式)を修正することによって実現されてよい。なお、画質は、画像形成状態(印刷状態)の一例である。
また、図11(b)に示したように、助走区間Rg1の移動速度から印刷領域R103の移動速度が予測され(ステップST26)、この予測速度に基づいて各種の補正量が決定される態様を想定する。この場合、過去の走査履歴に基づいて、助走区間Rg1の移動速度から印刷領域R103の移動速度を予測するための参照情報(例えばマップ又は演算式)が修正されることによって、助走区間Rg1の移動速度に対する各種の補正量(時間T1、時間差Δt及び/又は駆動信号Sg1の波形)が調整されることになる。すなわち、過去の走査履歴に応じた各種の補正量の調整は、過去に得られた、助走区間Rg1における移動速度と印刷領域R103における移動速度との関係に基づいて、助走区間Rg1における移動速度から印刷領域R103における移動速度を予測するための参照情報を修正することによって実現されてもよい。なお、印刷領域R103における移動速度は、画像形成状態(印刷状態)の一例である。
上記のようなユーザ及び/又は走査履歴に基づく修正は、実験等に基づいて製造者が種々のパラメータ同士の相関関係を特定することによって実現されてもよいし、AI(artificial intelligence)技術が利用されて実現されてもよい。
図13は、ユーザ毎に各種の補正量(例えば時間T1、時間差Δt及び駆動信号Sg1の波形)の少なくとも1種を調整するとともに、過去の走査履歴に基づいて上記補正量を調整するために、制御部21が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、プリンタ3に電源が投入されたときに開始される。この処理の全部又は一部は、プリンタ3に電源が投入されている間、繰り返し実行されてよい。ただし、ここでは、1回の印刷に係る手順のみを示す。この処理は、通常の印刷時に行われてよいが、所定の学習モードが選択されたときのみ行われてもよい。この処理の一部(例えばステップST33以外のステップの少なくとも一つ)は、通信機器5によって実行されてもよい。
ステップST31では、制御部21は、ユーザを識別する処理を行う。この処理は、例えば、ユーザが通信機器5に所定の情報を入力することによって実現されてもよいし、プリンタ3の操作部25に対する所定の操作によって実現されてもよい。
ステップST32では、制御部21は、ステップST31において特定したユーザに対応する補正量の情報を特定する。ここでいう補正量の情報は、例えば、移動速度に基づいて補正量を特定するための参照情報(マップ又は演算式)である。具体的には、例えば、通信機器5又はメモリ21bには、種々のユーザと、種々の参照情報とを対応付けたデータが記録されており、制御部21は、このデータを参照して、ステップST31で特定したユーザに対応する参照情報を特定する。
ステップST33では、図5(及び図6)を参照して説明した印刷処理を行う。このとき、各種の補正(ステップST7、ST15及びST16)の少なくとも1種の補正では、ステップST32で特定した補正量の情報(参照情報)が用いられる。
ステップST34では、制御部21は、ステップST33の印刷処理の間に蓄積された移動速度の情報に基づいて移動速度の解析を行う。例えば、所定の区間(例えば助走区間Rg1及び/又は印刷領域R103)における移動速度の平均値を算出したり、所定の位置における移動速度(サンプリング周期(T1×1)の移動量に基づくもの又は移動平均)を算出したりする。なお、ステップST34の一部又は全部は、次のステップST35の後に行われてよく、このとき、ステップST35の結果を踏まえて上記の所定の区間及び/又は所定の位置が特定されてもよい。
ステップST35では、制御部21は、ステップST33で印刷された被印刷面101a上の画像103の画質に係る情報を取得する。例えば、プリンタ3が有しているカメラ又は通信機器5が有しているカメラによって被印刷面101a上の画像103を撮像し、この撮像画像を制御部21が解析して画質を評価してよい。これにより、例えば、印刷領域R103内における、意図されていない濃淡が生じている領域が特定されてよい。また、ユーザが目視で画質を評価して、その評価結果をプリンタ3又は通信機器5に入力してもよい。
ステップST36では、制御部21は、ステップST34の速度の解析結果とステップST35の画質の評価結果とに基づいて、ステップST32で選択した補正量の情報を修正する(更新する)。例えば、移動速度が速かった領域の濃度が薄いのであれば、移動速度が速いときに濃度を高くするための補正量を大きくする。また、例えば、初期区間Rg2の濃度が薄いのであれば、助走区間Rg1の移動速度に対して、濃度を高くするための補正量を大きくする。
図14は、過去の走査履歴に基づいて各種の補正量(例えば時間T1、時間差Δt及び/又は駆動信号Sg1の波形)の少なくとも1種を調整するために、制御部21が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここでは、図11(b)に示したように、助走区間Rg1の移動速度から印刷領域R103の移動速度が予測され(ステップST26)、この予測速度に基づいて各種の補正量が決定される態様を想定する。そして、過去の走査履歴に基づいて、助走区間Rg1の移動速度から印刷領域R103の移動速度を予測するための参照情報が修正されることによって、助走区間Rg1の移動速度に対する各種の補正量(時間T1、時間差Δt及び/又は駆動信号Sg1の波形)が調整される態様を想定する。また、ここでは、このような調整が、同一の画像が繰り返し印刷される場合に行われる態様を例示する。なお、この処理の一部又は全部は、図13の処理の一部又は全部と組み合わされてもよい。この処理も、その一部(例えばステップST42以外のステップの少なくとも1つ)が通信機器5によって行われてもよい。
ステップST41では、制御部21は初期設定を行う。例えば、制御部21は、画像103の印刷回数を設定してよい。この印刷回数は、例えば、ユーザの通信機器5に対する操作によって設定されてよい。また、例えば、制御部21は、図13で説明したように、ユーザ毎に移動速度に基づく補正量が規定されている場合においては、ユーザの識別と、特定したユーザに対応する補正量の情報の特定とを行ってよい。
ステップST42では、図5(及び図6)を参照して説明した印刷処理を行う。このとき、各種の補正(ステップST7、ST15及びST16)の少なくとも1種の補正では、最初に本ステップが行われたときは、ステップST41の初期設定で特定された参照情報(助走区間Rg1の移動速度から初期区間Rg2における移動速度を予測するための情報)が用いられ、次回以降は、後述するステップST45で修正された参照情報が用いられる。
ステップST43では、制御部21は、残りの印刷回数が0になったか否か判定する。制御部21は、肯定判定のときは処理を終了し、否定判定のときはステップST44に進む。
ステップST44では、制御部21は、ステップST42の印刷処理の間に蓄積された移動速度の情報に基づいて移動速度の解析を行う。この処理は、例えば、図13のステップST34と同様に、所定の区間又は位置における移動速度又はその統計値を算出する処理である。ここで算出される移動速度は、例えば、ステップST26における移動速度の予測に係る移動速度である。
ステップST45では、制御部21は、助走区間Rg1における移動速度に基づいて予測した初期区間Rg2における移動速度と、実際に検出された初期区間Rg2における移動速度とを比較する。そして、両者の差に応じて、助走区間Rg1における移動速度に基づいて初期区間Rg2における移動速度を予測するときの参照情報(例えば変換式のパラメータの値)を調整する。その後、制御部21は、ステップST42に戻る。
本開示に係る技術は、以上の実施形態及び変形例に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、プリンタの動作は、実施形態に挙げた動作以外の動作を可能であってもよい。例えば、2行以上の文字列を含む画像103を印刷する場合において、スイッチ7に対する操作によって印刷開始が指示されたときに1行分の文字列の印刷のみを行い、スイッチ7に対する操作の繰り返しによって、順次、各行の文字列の印列が行われてもよい。このとき、各行について、実施形態で説明した動作が実行されてよい。
1…プリントシステム、3…プリンタ、7…スイッチ、5…通信機器、9…ディスプレイ、13…筐体、15…印刷ヘッド、21a…CPU(プロセッサ)、25…操作部、29…センサ、31…印刷素子(吐出素子)、101…被印刷物、101a…被印刷面(被印刷物の表面)、103…画像、103a…画素、R103…印刷領域。

Claims (11)

  1. 複数の印刷素子を含む印刷ヘッドを有するプリンタを被印刷物上で手動で移動させながら、前記印刷素子に繰り返し選択的に電力を供給して画素を繰り返し印刷することにより、前記被印刷物に複数画素から成る画像を形成する画像形成方法であって、
    前記被印刷物に対する前記印刷ヘッドの移動速度に応じて前記印刷素子による画素の印刷タイミングを制御する制御ステップを有し、
    手動による前記プリンタの移動中に前記制御ステップを繰り返し実行し、
    前記制御ステップでは、過去の画像形成における、前記移動速度と画像形成状態とに基づいて、今回の画像形成における、前記移動速度と前記印刷素子の制御における操作量との関係を設定する
    画像形成方法。
  2. 前記過去の画像形成は、前記今回の画像形成によって形成される前記画像と同一の画像を形成するものである
    請求項に記載の画像形成方法。
  3. 複数の印刷素子を含む印刷ヘッドを有するプリンタを被印刷物上で手動で移動させながら、前記印刷素子に繰り返し選択的に電力を供給して画素を繰り返し印刷することにより、前記被印刷物に複数画素から成る画像を形成する画像形成方法であって、
    前記被印刷物に対する前記印刷ヘッドの移動速度に応じて前記印刷素子による画素の印刷タイミングを制御する制御ステップを有し、
    手動による前記プリンタの移動中に前記制御ステップを繰り返し実行し、
    前記プリンタを移動させているユーザを識別するステップを更に有し、
    前記制御ステップでは、ユーザの識別結果に基づいて前記印刷素子を制御する
    像形成方法。
  4. 複数の印刷素子を含む印刷ヘッドを有するプリンタを被印刷物上で手動で移動させながら、前記印刷素子に繰り返し選択的に電力を供給して画素を繰り返し印刷することにより、前記被印刷物に複数画素から成る画像を形成する画像形成方法であって、
    前記被印刷物に対する前記印刷ヘッドの移動速度に応じて前記印刷素子による画素の印刷タイミングを制御する制御ステップを有し、
    手動による前記プリンタの移動中に前記制御ステップを繰り返し実行し、
    前記プリンタは、液滴を吐出して前記画素の印刷を行い、
    前記制御ステップでは、前記移動速度が速いほど前記液滴を大きくする制御及び前記移動速度が速いほど前記液滴の数を多くする制御の少なくとも1つを行う
    像形成方法。
  5. 前記制御ステップにおいて、前記移動速度に応じて前記画素の濃度を規定する動作を制御する
    請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記制御ステップでは、前記画像の形成開始の指示がなされてから、前記画像が形成される領域に前記印刷素子が到達するまでの助走区間における前記移動速度に基づいて前記印刷素子を制御する
    請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記制御ステップでは、前記助走区間における前記移動速度に基づいて前記印刷素子を制御した後、前記領域に前記画像を形成している最中の前記移動速度に基づいて前記印刷素子を制御する
    請求項に記載の画像形成方法。
  8. 前記制御ステップでは、前記画像を形成している最中の前記移動速度に基づいて前記印刷素子を制御する
    請求項1~のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 被印刷物上で移動されながら前記被印刷物に複数画素から成る画像を形成する手動式のプリンタであって、
    印刷素子に繰り返し選択的に電力を供給して液滴を吐出させて画素を繰り返し印刷する印刷ヘッドと、
    前記被印刷物に対する前記印刷ヘッドの移動速度に応じて前記印刷素子による画素の印刷タイミングを制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段が、手動による移動中に前記印刷タイミングの制御を繰り返し実行し、かつ前記移動速度が速いほど前記液滴を大きくする制御及び前記移動速度が速いほど前記液滴の数を多くする制御の少なくとも1つを行う
    プリンタ。
  10. 前記移動速度を検出する速度検出手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記速度検出手段によって検出された前記移動速度に応じて前記繰り返しタイミングを制御する請求項記載のプリンタ。
  11. 前記制御手段は、前記画像の形成開始の指示がなされてから前記画像が形成される領域までの助走区間における移動速度に応じて前記印刷タイミングを制御する請求項又は10に記載のプリンタ。
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