JP2021056622A - 印刷方法及びプリンタ - Google Patents

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Koki Shoku
浩貴 觸
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Abstract

【課題】ユーザの操作に係る負担を軽減できる印刷方法を提供する。【解決手段】条件設定ステップは、外部機器(スマートデバイス5)に対する操作に応じて印刷画像103を印刷するときの印刷条件を設定する。送信ステップは、印刷画像103の情報(印刷画像データDTA1又はDTA2)と印刷条件の情報(印刷条件データDTB1又はDTB2)とを含む印刷データDTをスマートデバイス5からプリンタ3に送信する。印刷ステップでは、印刷条件に従ってプリンタ3によって印刷画像103を印刷する。条件変更ステップでは、プリンタ3に対する操作に応じて印刷条件を変更する。【選択図】図1

Description

本開示は、印刷方法及びプリンタに関する。
人の手で被印刷面(例えば紙面)に沿ってプリントヘッドを移動させながら被印刷面に印刷を行う印刷方法及びプリンタが知られている(例えば特許文献1及び2)。このような手動で走査を行うプリンタは、例えば、ハンディプリンタ、ハンドヘルドプリンタ又はハンディモバイルプリンタと呼称されることもある。特許文献1は、印刷に適さない領域を検出する検出部を有するプリンタを開示している。このプリンタは、印刷中に印刷に適さない領域を検出すると印刷を停止する。特許文献2は、スマートフォンからプリンタへ印刷対象の画像データを送信する技術を開示している。
特開2017−170720号公報 特開2018−144338号公報
ユーザの操作に係る負担を軽減できる印刷方法及びプリンタが提供されることが待たれる。
本開示の一態様に係る印刷方法は、外部機器に対する操作に応じて印刷画像を印刷するときの印刷条件を設定する条件設定ステップと、前記印刷画像の情報と前記印刷条件の情報とを含む印刷データを前記外部機器からプリンタへ送信する送信ステップと、前記印刷条件に従って前記プリンタによって前記印刷画像を印刷する印刷ステップと、前記プリンタに対する操作に応じて前記印刷条件を変更する条件変更ステップと、を有している。
本開示の一態様に係るプリンタは、印刷を行うプリントヘッドと、ユーザの操作に応じた信号を出力する操作部と、印刷画像の情報と、前記印刷画像を印刷するときの印刷条件の情報とを含む印刷データを受信する通信部と、前記印刷条件に従って前記印刷画像を印刷させるように前記プリントヘッドを制御するプロセッサと、を有しており、前記プロセッサは、前記操作部からの信号に応じて前記印刷条件を変更する。
上記の手順又は構成によれば、ユーザの操作に係る負担を軽減できる。
実施形態に係るプリントシステムの構成の一例を模式的に示す斜視図。 図2(a)は図1のプリンタの下面を示す模式的な平面図、図2(b)は図2(a)の一部を拡大して示す模式図、図2(c)は図2(a)のIIc−IIc線における断面図。 図1のプリンタの信号処理系の構成を示すブロック図。 図1のスマートデバイスの信号処理系の構成を示すブロック図。 図5(a)及び図5(b)はスマートデバイス及びプリンタに記憶される印刷データの一例及び他の例を示す図。 スマートデバイス及びプリンタが実行する処理の手順の一例を示すフローチャート。 図6のステップST4及びST7の詳細の一例を示すフローチャート。 図6のステップST6の詳細の一例を示すフローチャート。 図8の一部に代わる変形例に係る手順の一例を示すフローチャート。
以下、実施形態に係る印刷方法及びプリンタについて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。また、細部は省略されることがある。
(プリントシステムの概要及び動作の一例)
図1は、実施形態に係るプリントシステム1の構成の一例を模式的に示す斜視図である。ここでは、説明の便宜上、直交座標系D1−D2−D3が示されている。直交座標系D1−D2−D3は、後述するプリンタ3に固定された座標系(別の観点ではプリンタ3の移動に伴って移動する相対座標系)であるものとする。単に平面視又は平面透視という場合は、特に断りが無い限り、D3方向に見ることを指すものとする。
プリントシステム1は、例えば、プリンタ3と、プリンタ3と通信可能なスマートデバイス5(外部機器の一例)とを有している。プリンタ3は、ユーザが片手で掴んで移動させることが可能な大きさ及び重量で構成されている。図1では、被印刷物101の被印刷面101aに文字列「ABCD」からなる印刷画像103を印刷する場合が例示されている。印刷時において、被印刷面101aは、鉛直方向(重力方向)に対して種々の向きとされてよい。換言すれば、プリンタ3は、鉛直方向に対していずれの向きで使用されてもよい。ただし、以下の説明では、便宜上、+D3側を上方として、上面及び下面等の用語を用いることがある。
プリントシステム1を用いた印刷手順の概要は、例えば、以下のとおりである。まず、ユーザは、スマートデバイス5に対する操作によって印刷を希望する画像(印刷画像103)のデータをプリンタ3に送信する。次に、ユーザは、プリンタ3を被印刷面101a上に載置した状態で、プリンタ3に対する操作(例えばスイッチ7に対する操作)によってプリンタ3に印刷開始を指示する。その後、ユーザは、プリンタ3を手動で被印刷面101aに沿って移動させる。図示の例では、例えば、ユーザは、プリンタ3を+D1側へ移動させる。その間、プリンタ3は、印刷画像103を−D1側の部分から徐々に印刷していく。このようにして、手動での走査によって印刷画像103の全体が被印刷面101aに印刷される。
印刷画像103を印刷するときの条件(印刷条件)は、例えば、スマートデバイス5に対する操作によって設定される。印刷条件は、例えば、同一の印刷画像103を印刷する回数(印刷回数)、印刷画像103に含まれる文字のフォントサイズ、印刷画像103の濃度及び/又は印刷画像103のサイズである。印刷回数の変更は、印刷回数を0にすること、すなわち、印刷をキャンセルすることも含むものとする。
本実施形態では、スマートデバイス5からプリンタ3へ印刷画像103のデータを送信した後、かつ印刷前及び印刷中の少なくとも一方において、プリンタ3に対する操作(例えばスイッチ8に対する操作)によって上記の印刷条件の少なくとも1つを変更できる。プリンタ3は、変更後の印刷条件に従って印刷を行う。あるいは、印刷条件の変更が印刷をキャンセルするものである場合においては、プリンタ3は、印刷を行わない。なお、印刷前は、印刷再開前を含んでよい。印刷再開前は、別の観点では、印刷後である。
印刷条件が変更されたとき、その変更内容は、ディスプレイ9によって報知されてよい。ただし、そのような報知のための構成は必須ではない。また、視覚的な報知に代えて、又は加えて、音響的な報知がなされてもよい。
(プリンタの構成)
プリンタ3の形状及び寸法は任意である。図示の例では、プリンタ3の外形は、概略、長さ(D2方向の長さ)及び厚さ(D3方向の長さ)が幅(D1方向の長さ)よりも大きい直方体状とされている。ユーザは、例えば、プリンタ3の上面に掌を向け、親指を一方の側面(−D1側及び+D1側に面する面の一方)に添え、他の指の少なくとも1つを他方の側面に添えるようにしてプリンタ3を掴むことができる。特に図示しないが、プリンタ3は、把持の容易性、又は種々の要素(例えば不図示のバッテリ又はインクカートリッジ)を内部に配置する容易性等の観点から、適宜な位置(例えば側面の上方側)に膨らみを有するような形状であってもよい。
プリンタ3の印刷方式は、適宜なものとされてよい。例えば、プリンタ3は、プリントヘッドが被印刷面101aに対して非接触とされるものであってもよいし、プリントヘッドが被印刷面101aに対して直接に又は間接に接触するものであってもよい。非接触式のものとしては、例えば、インク滴を被印刷面101aに向けて吐出するインクジェット方式を挙げることができる。接触式のものとしては、例えば、サーマル方式及びドットインパクト方式を挙げることができる。サーマル方式では、例えば、プリントヘッドは、被印刷面101aを有する感熱紙、又は被印刷面101aとの間に介在するインクリボンに熱を付与する。ドットインパクト方式では、プリントヘッドは、細いピンをインクリボンに叩き付ける。プリンタ3は、モノクロプリンタであってもよいし、カラープリンタであってもよい。なお、本実施形態の説明では、プリンタ3がインクジェット方式のモノクロプリンタである態様を例に取る。
図2(a)は、プリンタ3の下面を示す模式的な平面図である。図2(b)は、図2(a)の一部(後述するプリントヘッド15)を拡大して示す模式図である。図2(c)は、プリンタ3の下面側の一部を示す模式的な断面図であり、図2(a)のIIc−IIc線に対応している。
これらの図及び図1に示すように、プリンタ3は、例えば、プリンタ3の外形を構成する筐体13を有している。また、プリンタ3は、筐体13の下面に、印刷を直接的に担うプリントヘッド15(以下、単に「ヘッド15」ということがある。)と、被印刷面101a等に対して当接する当接部17と、被印刷面101a(撮像領域R105)を撮像するカメラ11とを有している。さらに、プリンタ3は、撮像領域R105に光を照射する照明部19を有していてもよい。
(筐体)
筐体13の外形は、概略、プリンタ3の外形を構成している。従って、上述のプリンタ3の外形の説明は、筐体13の外形の説明に援用されてよい。筐体13は、適宜な数の部材が組み合わされて構成されてよい。また、筐体13は、開閉可能な部分及び/又は着脱可能な部分を有していてもよい。そのような部分は、例えば、バッテリ及び/又はインクカートリッジ等の、筐体13の内部への着脱に利用されてよい。筐体13の材料は、任意のものとされてよく、例えば、金属若しくは樹脂又はこれらの組み合わせとされてよい。
(ヘッド)
既述のように、本実施形態の説明では、インクジェット方式を例に取る。この場合のヘッド15は、例えば、筐体13の下面から露出している吐出面15aと、吐出面15aに開口している複数(理論上は1つも可)のノズル15bとを有している。吐出面15aは、印刷時において、被印刷面101aに対して隙間を介して概ね平行に対向する。そして、各ノズル15bから被印刷面101aに向けて液滴(例えばインク滴)が吐出されることによって印刷画像103が被印刷面101aに印刷される。なお、インクジェット方式以外の方式も考慮して上位概念化した場合においては、吐出面15aは、対向面と言い換えることができ、ノズル15bは、被印刷面101aに1ドット(1画素)を形成する印刷要素と言い換えることができる。
複数のノズル15bの数は適宜に設定されてよい。図2(b)では、図示の便宜上、比較的少数のノズル15bが示されている。別の観点では、ドット密度が比較的低い態様が示されている。ただし、実際には、ノズル15bの数は、図示の例よりも多くされてよく、及び/又はドット密度は図示の例よりも高くされてよい。例えば、複数のノズル15bは、100個以上設けられていてもよいし、100dpi(dots per inch)以上又は300dpi以上の密度で設けられていてもよい。なお、プリンタ3の用途によっては、図示の例よりもノズル15bの数を少なくすることも可能である。
複数のノズル15bの配列方向及び列数等も適宜に設定されてよい。図示の例では、複数のノズル15bは、1列でD2方向(図示の例ではプリンタ3の長手方向)に配列されている。従って、例えば、D1方向(図示の例ではプリンタ3の短手方向)又はD1方向の成分を含む方向へプリンタ3を移動させながら複数のノズル15bから液滴を吐出することによって、複数のノズル15bの配列長さをプリンタ3の移動方向に投影した幅で、帯状の画像を印刷することができる。ただし、図示の例とは異なり、複数のノズル15bは、2列以上で配列されていてもよい。また、複数のノズル15bの配置領域の長手方向と、プリンタ3の長手方向とは一致していなくてもよい。
ノズル15bから液滴を吐出するための駆動方式は任意のものとされてよい。代表的なものとしては、ピエゾ式とサーマル式とを挙げることができる。ピエゾ式では、圧電素子に電圧を印加したときの圧電素子の変形によってヘッド15内の液体(インク)に圧力を付与し、これにより液滴をノズル15bから吐出させる。サーマル式では、発熱体によってノズル15bの奥側の液体(インク)に熱を付与して気泡を生じさせ、その圧力によって液滴をノズル15bから吐出させる。以下の説明では、液滴を吐出する駆動部として圧電素子を例に取ることがある。
(当接部)
当接部17は、ヘッド15の吐出面15aよりも下方へ突出して、被印刷面101a及び/又は被印刷面101aの周囲に露出している面に当接している。これにより、吐出面15aと被印刷面101aとの間には隙間が構成されている。隙間の大きさ(吐出面15aと被印刷面101aとの距離)は適宜に設定されてよく、例えば、1mm以下とされてもよいし、1mm以上、2mm以上又は1cm以上とされてもよい。なお、接触式の印刷方式においては、当接部17は省略されてもよい。
当接部17の構成は適宜なものとされてよい。例えば、当接部17は、被印刷面101aを転がる転動体を有する走行部であってもよいし、被印刷面101aを摺動する摺動部であってもよい。走行部としては、例えば、D1方向にのみ転がることが可能な転動体(コロ)を有するもの、及び任意の方向に走行可能なキャスターを有するものを挙げることができる。走行部の数及び配置位置は適宜に設定されてよい。例えば、走行部は、3個以上(図示の例では4個)で筐体13の下面の外縁に隣接して配置されている。また、当接部17が摺動部である場合、その数及び形状は任意である。例えば、摺動部は、図示の例のように、互いに異なる位置に複数で設けられていてもよいし、筐体13の下面の比較的離れた複数の位置に亘って一体的に1つのみ形成されていてもよい。なお、当接部17は、走行と摺動とを切り換え可能に構成されていてもよい。例えば、走行部が設けられた筐体13に対して摺動部を着脱することによって走行と摺動とが切り換えられてもよい。
(カメラ)
カメラ11が撮像した画像は、例えば、プリンタ3又はユーザによって被印刷面101aの状態(例えば色又は材質)の判断に利用されてもよいし、プリンタ3の位置検出に利用されてもよい。なお、カメラ11は、プリンタ3の動作態様によっては省略されても構わない。
カメラ11は、例えば、イメージャ11a(図3参照。別の用語ではイメージセンサ又は撮像素子)と、イメージャ11aに対して光学的な意味での前方(ここでは−D3側)に位置する不図示のレンズとを有している。イメージャ11aは、例えば、固体撮像素子であり、その代表的なものとしては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを挙げることができる。イメージャ11aは、少なくとも可視光に対応している。イメージャ11aは、カラーフィルタを含むことによってカラーでの撮像が可能であってもよいし、モノクロでの撮像が可能であるだけであってもよい。カメラ11は、イメージャ11aからの信号を処理する処理部を含んでいてもよい。このような処理部は、例えば、IC(Integrated Circuit)を含んで構成されている。
カメラ11の数、位置及び撮像領域R105は、カメラ11が撮像した画像の用途に応じて適宜に設定されてよい。図示の例では、カメラ11は、筐体13の下面から露出している。これにより、カメラ11は、被印刷面101aのうち印刷時にプリンタ3に隠れる領域を撮像することが可能となっている。ただし、カメラ11は、筐体13の側面に設けられることなどによって、プリンタ3に隠れない領域を撮像可能であってもよい。また、図示の例では、2つのカメラ11がD1方向においてヘッド15を挟むように配置されている。図2(c)において模式的にハッチングによって示されているように、2つのカメラ11が撮像する範囲は、互いに隣接又は一部が重複している。従って、2つのカメラ11全体として、1つの撮像画像を形成可能となっている。カメラ11のD3方向における具体的な位置(被印刷面101aとの距離)は任意である。
図示の例とは異なり、カメラ11は、1個のみ設けられていてもよいし、3個以上設けられていてもよい。カメラ11が2個以上設けられる場合において、2個以上のカメラ11は、ヘッド15をD2方向(別の観点ではヘッド15の長手方向)において挟むように配置されてもよいし、ヘッド15をD2方向に傾斜する方向(別の観点ではヘッド15の対角線方向)において挟むように配置されてもよい。撮像領域R105は、図示の例よりも狭くされてもよいし、広くされてもよい。
(照明部)
撮像領域R105は、プリンタ3によって隠れる領域であることから、暗くなりやすい。照明部19によって撮像領域R105を照らすことによって、例えば、カメラ11によって撮像された画像の視認性を向上させることができる。照明部19の数及び位置は任意である。図示の例では、ヘッド15の外縁のうち最もプリンタ3の下面の外縁から離れている位置(具体的にはヘッド15の−D2側)に隣接して、1個の照明部19が設けられている。もちろん、1個の照明部19が図示の例とは異なる位置に設けられたり、2以上の照明部19が設けられたりしてよい。照明部19は、例えば、LED(light emitting diode)等の光源のみからなるものであってもよいし、光源の前方(−D3側)にレンズを有していてもよい。照明部19は、設けられなくてもよい。
(ディスプレイ)
ディスプレイ9は、例えば、任意の画像を表示可能なものであり、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイによって構成されている。その具体的な構成は適宜に設定されてよい。例えば、ディスプレイ9は、カラー画像を表示可能であってもよいし、モノクロ画像を表示可能であってもよい。ディスプレイ9の画素数及びドット密度は適宜に設定されてよい。
ディスプレイ9の画面の位置及び大きさは適宜に設定されてよい。図示の例では、ディスプレイ9の画面は、プリンタ3(筐体13)の上面から露出している。図示の例とは異なり、ディスプレイ9の画面は、プリンタ3の上面以外の面に露出していてもよい。また、特に図示しないが、筐体13がヘッド15を保持している本体部と、本体部に対して移動可能な(折り畳み可能な)可動部を有し、当該可動部にディスプレイ9が設けられていてもよい。
(スイッチ(操作部))
スイッチ7及び8は、ユーザの操作に応じた信号を制御部21(後述)に入力するものである。従って、スイッチ7及び8のそれぞれ又は全体は、操作部であるということができる。また、制御部21への信号入力のみに着目して、スイッチ7及び/又は8は、入力部であるということもできる。
スイッチ7及び8の構成は任意である。例えば、図示の例では、スイッチ7及び8は、押しボタン式スイッチ(より詳細には、例えば、自動復帰型(モーメンタリ)のスイッチ)によって構成されている。この場合、例えば、スイッチ7は、特に図示しないが、筐体13から外部へ露出している操作部材と、操作部材の押下によってその押下方向へ移動する可動接点と、押下方向へ移動した可動接点が接触する固定接点とを有している。可動接点と固定接点との接触によって、後述する制御部21(図3参照)に適宜な信号が入力される。操作部材が押下されていないときは、可動接点は、操作部材、可動接点及び/又は他の部材が有している復元力によって固定接点から離れている。
スイッチ7は、例えば、プリンタ3に印刷の開始を指示するためのものである。従って、例えば、スイッチ7に対する押下によって印刷開始を指示する信号が制御部21に入力される。
1以上のスイッチ8は、例えば、プリンタ3に印刷条件の変更を指示するためのものである。より詳細には、例えば、印刷回数の変更に対応して2つのスイッチ8が設けられてよい。この場合、2つのスイッチ8のうち一方を押下すると、印刷回数を1つだけ増加させるための信号が制御部21に出力される。2つのスイッチ8のうち他方を押下すると、印刷回数を1つだけ減少させるための信号が制御部21に出力される。そして、押下の回数によって増減数を調整できる。同様に、フォントサイズ、濃度及び画像のサイズのそれぞれについても、2つのスイッチ8が設けられてよい。そして、2つのスイッチの一方の押下によって、フォントサイズ、濃度又は画像のサイズが所定の変更量で1段階だけ大きく又は濃くされ、2つのスイッチの他方の押下によって、フォントサイズ、濃度又は画像のサイズが所定の変更量で1段階だけ小さく又は薄くされる。押下の回数によって、変更の段階数を調整できる。以下の説明では、印刷回数、フォントサイズ、濃度又は画像のサイズの増減を設定値の増減ということがある。
スイッチ7及び8の位置は適宜に設定されてよい。図示の例では、スイッチ7及び8は、プリンタ3のD2方向の中央よりも+D2側に位置している。図示の例では、プリンタ3の+D2側がユーザの指先側となる(−D2側がユーザの手首側となる)。従って、スイッチ7及び/又は8を上記のように配置すると、指でスイッチ7及び/又は8を操作することが容易である。また、スイッチ7及び/又は8(図示の例ではスイッチ7)は、プリンタ3の上面に位置している。この場合、例えば、走査中においてプリンタ3の側面に指を添えることによって誤操作を避けることができる。
操作部(スイッチ7及び8)の構成及び位置は、図示の例以外の種々の態様とされてよい。例えば、ディスプレイ9をタッチパネルによって構成し、このタッチパネル(その内部のタッチセンサ)がスイッチ7及び/又は8として機能してよい。また、上記のタッチセンサからも理解されるように、スイッチ7及び/又は8は、センサによって構成されてよい。また、スイッチ7及び/又は8は、ダイヤル式のスイッチによって構成され、一方への回転量によって設定値の増加量を、他方への回転量によって設定値の減少量を調整可能であってもよい。また、操作部は、ポテンショメータを含んで構成され、操作部材の位置によって設定値の増減量を調整可能であってもよい。
また、各設定値を増減するスイッチ8とは別に、印刷回数を0にするスイッチ8及び各設定値を当初の値に戻したりするスイッチ8を設けてもよい。各設定値を増減するいずれかのスイッチ8を長押ししたり、1対のスイッチ8を同時に押したりすることによって、印刷回数を0にしたり、各設定値を当初の値に戻したりできるようにしてもよい。
(スマートデバイス)
図1に示すスマートデバイス5は、例えば、スマートフォン(図示の例)、タブレット及びノートパソコンによって構成されている。スマートデバイス5は、プリンタ5と通信可能な機器であれば、その構成または種別は限定されない。スマートデバイス5のハードウェア及び基本的なソフトウェア(例えばOS(Operating System))は、公知の種々のもの(別の観点では一般的なもの)と同様とされてよく、本開示では、これらの説明は適宜に省略される。所定のアプリケーションを一般的なスマートデバイスにインストールすることによって、プリントシステム1を構成するスマートデバイス5を得ることができる。
(被印刷物)
被印刷物101は、印刷画像103を印刷可能な種々のものとされてよい。例えば、被印刷物101は、紙のように記録媒体として概念されるものであってもよいし、記録媒体として概念することが難しいものであってもよい。後者としては、例えば、衣類、履物、服飾雑貨(例えば鞄)、筆記用具、電子機器(例えばそのうちの筐体)、家具及び建築物(例えばそのうちの壁)を挙げることができる。別の観点では、プリンタ3による印刷の目的は、情報伝達に限定されず、例えば、記名又は装飾であってもよい。また、被印刷物101の材料としては、例えば、紙、布、木材、樹脂、金属及びガラスを挙げることができる。
被印刷面101aは、例えば、少なくとも印刷時において平面状とされる。ただし、ある程度の凹凸又は湾曲が被印刷面101aに存在しても、印刷画像103を被印刷面101aに印刷することは可能である。また、上記の被印刷物101の例示からも理解されるように、被印刷物101の形状及び被印刷面101aの平面形状は任意である。被印刷面101aの面積は、プリンタ3の平面視における面積よりも大きくてもよいし(図示の例)、同等以下であってもよい。後者としては、例えば、被印刷面101aのD1方向の長さがプリンタ3のD1方向の長さよりも短い場合、及び/又は被印刷面101aのD2方向の長さがプリンタ3のD2方向の長さ(若しくは複数のノズル15bの配列長さ)よりも短い場合を挙げることができる。
(液体)
プリンタ3がインクジェット方式のものである場合において、プリンタ3が吐出する液体は、例えば、インクである。インクは、例えば、溶媒と着色剤とを含んでいる。溶媒としては、水及び有機溶媒を挙げることができる。着色剤としては、顔料及び染料を挙げることができる。ただし、液体は、インクに限定されない。例えば、液体は、塗料(ただしインクとの区別は必ずしも明確ではない)であってもよいし、無色で透光性を有するコーティング剤であってもよい。
(印刷画像)
印刷画像103は、文字、図形、模様、絵、写真又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでよい。また、印刷画像103の面積も適宜に設定されてよい。プリンタ3は、手動でのD1方向へ移動によってD1方向に走査可能であるから、印刷画像103のD1方向の大きさが任意であることは明らかである。また、複数のノズル15bのうち、一部のみ使用することによって、D2方向の長さが複数のノズル15bの配列長さよりも短い印刷画像103を形成できることも明らかである。さらに、印刷画像103は、D2方向の長さが複数のノズル15bの配列長さよりも長くてもよい。この場合は、例えば、プリンタ3のD1方向への移動と、プリンタ3のD2方向へ移動とを交互に繰り返すことなどによって、D2方向の長さが複数のノズル15bの配列長さよりも長い印刷画像103を印刷することができる。
印刷画像103は、印刷画像103のデータ等の観点から、実際に着色がなされる領域(ドットが形成される領域)の周囲の領域を含んで概念されてよい。例えば、文字列「ABCD」を字下げしたかのように、着色可能な領域に空白を設けた画像のデータが用いられている場合において、当該空白も印刷画像103の一部として概念されてよい。
(プリンタの信号処理系の構成)
図3は、プリンタ3の信号処理系の構成を示すブロック図である。なお、ブロック同士を結ぶ矢印が示す方向は、主要な信号が伝達される方向を示しているが、実際には、矢印とは逆方向へ伝達される信号が存在してもよい。後述する図4についても同様である。
プリンタ3は、既に述べたように、ディスプレイ9、ヘッド15、カメラ11(イメージャ11a)並びにスイッチ7及び8を有している。なお、ここでは、スイッチ7及び8は、ユーザの操作を受け付ける操作部25の少なくとも一部として示されている。また、プリンタ3は、少なくともスマートデバイス5との間で通信を行う通信部27と、ヘッド15を駆動するドライバ28と、プリンタ3の各部を制御する制御部21とを有している。また、プリンタ3は、プリンタ3の被印刷面101aに対する位置(姿勢を含むものとする。)を検出するためのセンサ29を有していてもよい。
通信部27は、例えば、少なくともスマートデバイス5と通信(少なくとも受信)を行うことができる構成を有している。通信部27は、スマートデバイス5から受信した印刷画像103の印刷に係るデータ(印刷データ)を制御部21に入力する。通信部27は、スマートデバイス5から受信を行うことができるだけであってもよいし、受信に加えて送信を行うことができてもよい。プリンタ3が送信する情報は適宜なものとされてよく、例えば、印刷の進行状況(例えば印刷の完了)を報知するための情報とされてよい。通信は、無線通信であってもよいし(図示の例)、有線通信であってもよい。無線通信としては、例えば、電波を用いるもの、赤外線を用いるものを挙げることができる。また、電波を用いるものとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)及びWiFiのような近距離用のものを挙げることができる。
操作部25(スイッチ7及び8)は、ユーザの操作に応じた信号を制御部21に入力する。当該信号は、例えば、既に述べたように、印刷の開始を指示する信号及び印刷条件を変更する信号である。
カメラ11(イメージャ11a)は、例えば、所定のフレームレートで撮像される複数フレームの画像のデータを制御部21へ順次入力する。及び/又は、カメラ11は、制御部21から撮像が指示されたときに撮像を行って、その画像のデータを制御部21に入力してもよい。カメラ11の動作は、プリンタ3におけるカメラ11の用途によって適宜に設定されてよい。
ディスプレイ9は、制御部21から入力された画像データに基づく画像を表示する。具体的には、例えば、既述のように、印刷条件の変更内容をユーザに報知するための画像を表示する。
ドライバ28は、制御部21から入力された制御信号に基づいてヘッド15を駆動するための駆動信号をヘッド15に入力する。例えば、ピエゾ式かつインクジェット方式のプリンタ3においては、駆動信号は、所定の波形で表される電圧を有しており、ノズル15b毎に設けられた圧電素子に対して個別に入力される。圧電素子は、駆動信号の波形に応じた変形を生じ、ヘッド15内の液体に圧力を付与する。ドライバ28は、通常のプリンタで用いられているものと同様とされてよく、また、ドライバ28と制御部21との間の役割分担は適宜に設定されてよい。
センサ29は、例えば、少なくともプリンタ3の被印刷面101aに沿う方向の位置に相関する情報を検出し、当該情報に応じた信号を制御部21に出力する。センサ29は、例えば、マウス等に利用されている位置センサによって構成されてよい。このような位置センサは、接触式のものであってもよいし、非接触式のものであってもよい。前者としては、例えば、被印刷面101aを転がる転動体(ボール)の回転をエンコーダで計測するものが挙げられる。後者としては、例えば、光学式のものが挙げられる。光学式のものとしては、被印刷面101aを撮像した画像に基づいて被印刷面101aのセンサ29に対する移動を検出するものが挙げられる。
センサ29は、2以上のセンサによって構成されてよい。この場合、例えば、2以上のセンサの検出値に基づく演算によって、検出位置の補正及び/又はプリンタ3の姿勢の検出がなされてよい。また、センサ29は、上記のような位置センサに代えて、又は加えて、加速度センサ及び/又はジャイロセンサを含んで構成されてもよい。センサ29は、被印刷面101aに沿う方向の移動だけでなく、被印刷面101aに対して近接及び離反する方向の移動を検出可能であってもよい。センサ29と制御部21との役割分担は適宜に設定されてよい。例えば、光学式のセンサ29において、画像に基づいて位置を特定する処理は、センサ29が実行してもよいし、制御部21が実行してもよい。
センサ29が光学式のものとされてよいことから理解されるように、カメラ11は、プリンタ3の位置を検出する用途に兼用可能である。従って、センサ29は、省略されても構わない。以下の説明では、便宜上、カメラ11とは別に、センサ29が設けられているかのように表現することがある。
制御部21は、例えば、CPU21a(Central Processing Unit、プロセッサの一例。)及びメモリ21bを有している。メモリ21bは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び外部記憶装置等を含んでいる。CPU21aがメモリ21b(ROM及び外部記憶装置)に記憶されている所定のプログラムを実行することによって制御部21が構築される。
(スマートデバイスの信号処理系の構成)
図4は、スマートデバイス5の信号処理系の構成を示すブロック図である。
スマートデバイス5は、例えば、ユーザの操作を受け付ける操作部31(換言すれば入力装置)、画像を表示するディスプレイ9、プリンタ3と通信を行う通信部35、及びこれらを制御する制御部37を有している。
操作部31は、例えば、タッチパネル23(図1参照)を構成する板状のポインティングデバイスを含んで構成されている。また、特に図示しないが、操作部31は、当該ポインティングデバイスに加えて、又は代えて、押しボタン式スイッチ若しくはキーボード等を含んでいてもよい。操作部31は、操作に応じた信号を制御部37に入力する。
ディスプレイ33は、例えば、任意の画像を表示可能なものであり、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイによって構成されている。既述のように、図示の例では、ディスプレイ33は、操作部31の少なくとも一部と組み合わされてタッチパネル23を構成している。ディスプレイ33は、カラー画像を表示可能であってもよいし、モノクロ画像を表示可能であってもよい。ディスプレイ33の画素数及びドット密度は適宜に設定されてよい。
通信部35は、例えば、少なくともプリンタ3と通信を行うことができる構成を有している。この通信の方式等については、プリンタ3の説明で述べたとおりである。通信部35は、プリンタ3へ送信を行うことができるだけであってもよいし、プリンタ3と送受信を行うことができるものであってもよい。
制御部37は、例えば、CPU37a(プロセッサ)及びメモリ37bを有している。メモリ37bは、例えば、ROM、RAM及び外部記憶装置等を含んでいる。CPU37aがメモリ37b(ROM及び外部記憶装置)に記憶されている所定のプログラムを実行することによって制御部37が構築される。
(印刷データ)
図5(a)及び図5(b)は、スマートデバイス5(メモリ37b)及び/又はプリンタ3(メモリ21b)に記憶される印刷データの一例及び他の例を示す図である。
この図は、概念的なものである。従って、例えば、異なるブロックで示されている情報が互いに一体不可分に記憶されるようなデータ形式が利用されたり、逆に、同一のブロックで示されている情報が別個に記憶されるようなデータ形式が利用されたりしてよい。
後述するように、図5(a)に示す印刷データDT1及び図5(b)に示す印刷データDT2は、互いに態様が異なるプリントシステム1のものと捉えられてもよいし、互いに異なる段階(例えばスマートデバイス5で印刷を準備している段階及びプリンタ3が印刷を行う段階)のものと捉えられてもよい。以下の説明では、印刷データDT1及びDT2を区別せずに、印刷データDTということがある。
図5(a)に示す印刷データDT1は、印刷画像103の内容を示す印刷画像データDTA1と、印刷画像103を印刷するときの印刷条件を示す印刷条件データDTB1とを有している。印刷画像データDTA1は、その全部(一部でもよい。)がテキストデータである。換言すれば、印刷画像103の内容は、文字コードによって特定されている。印刷条件データDTB2は、テキストデータが指定しているテキストを印刷するときの、印刷回数、フォントサイズ及び濃度の情報を含んでいる。
図5(b)に示す印刷データDT2は、印刷データDT1と同様に、印刷画像103の内容を示す印刷画像データDTA2と、印刷画像103を印刷するときの印刷条件を示す印刷条件データDTB2とを有している。ただし、印刷画像データDTA2は、その全部(一部でもよい。)が一般的にいう画像データである。換言すれば、印刷画像103の内容は、基本的にバイナリデータによって示されている。また、印刷条件データDTB2は、画像データが指定している画像を印刷するときの印刷回数の情報を含んでいる。
図5(b)の画像データのデータ形式は、公知の種々のものとされてよい。例えば、データ形式としては、GIF、JPEG、BMP及びPINGを挙げることができる。画像データは、ラスターデータであってもよいし、ベクターデータであってもよい。ただし、インクジェット式のプリンタ3は、通常、最終的な段階においてはラスターデータを用いる。以下の説明では、画像データがラスターデータである場合を例に取ることがある。
図5(b)の画像データによって特定される印刷画像103は、図1に例示するように、文字を含んでいてよい。この場合において、文字は、例えば、画像データ(ラスターデータ)において、絵(テキストを含まない狭義の画像)の一部として扱われている。例えば、文字は、当該文字を含む領域における画素毎の色の設定によって表現される。換言すれば、画像データは、フォントサイズ及び文字毎(又は文字列毎)の濃度の情報を含んでいない。このことに対応して、図5(b)の印刷条件データDTB2は、図5(a)の印刷条件データDTB1とは異なり、フォントサイズ及び(文字の)濃度の情報を含んでいない。ただし、濃度が絵の濃度を全体的に調整するための情報である場合においては、濃度の情報も印刷条件データDTB2に含まれてよい。
特に図示しないが、印刷データDTは、テキストデータと画像データ(ラスターデータ)との双方を含むものであってもよい。また、既述のように、画像データは、ベクターデータであってもよい。これらの場合において、印刷条件データは、印刷条件データDTB1及びDTB2の双方が含む情報を含んでいてもよい。
印刷画像データDTA1のテキストデータは、複数の分割データを含む形式とされてよい。例えば、印刷画像103が複数行の文字列を含む場合において、1行毎に互いに異なる分割データに文字列の情報が保持されてよい。同様に、印刷画像データDTA2の画像データは、複数の分割データを含む形式とされてよい。例えば、印刷画像103が複数行の文字列を含む場合において、1行毎に互いに異なる分割データに(文字列の)画像の情報が保持されてよい。このような場合、例えば、特定の操作(又はプリンタ3の特定の移動)の1回につき1つの分割データに基づく画像が印刷され、上記特定の操作が繰り返されることによって、複数の分割データに基づく複数の画像が順次印刷されてもよい。
画像データは、例えば、印刷画像データDTA2を示すブロックにおいて括弧内に示すように、画像のサイズの情報を含んでいる。例えば、画像データ(ラスターデータ)は、画素毎(別の観点では座標毎)に色の情報を有しているから、実質的に画像のサイズ(画素を基準としたもの)の情報を有している。また、ベクターデータも適宜な形式で画像のサイズの情報を有している。
印刷においては、印刷画像データDTA2の画像データで規定されているサイズがそのまま利用されてもよいし、画像データで規定されているサイズが拡大又は縮小されてもよい。例えば、ラスターデータの1画素は、被印刷面101a上の1画素として扱われてもよいし、そのように扱われなくてもよい。別の観点では、印刷データDT2は、画像データとは別に、被印刷面101aに印刷画像103が印刷されたときのサイズ(画像サイズ)の情報を有していなくてもよいし、印刷条件データDTB2を示すブロックにおいて点線のブロックで示すように、そのような情報を有していてもよい。印刷条件データDTB2の画像サイズは、例えば、画素の数で規定されていてもよいし、画像データが含む画像サイズに対する倍率で規定されていてもよい。なお、インクジェット式のプリンタ3が最終的な段階において用いるラスターデータは、通常、1画素が被印刷面101a上の1画素に対応するものである。
スマートデバイス5は、印刷データDT1及びDT2の一方のみ又は双方を生成可能であってよい。また、スマートデバイス5は、印刷データDT1及びDT2の一方のみ又は双方を送信可能であってよい。換言すれば、プリンタ3は、印刷データDT1及びDT2の一方のみ又は双方を利用可能であってよい。
例えば、図1に例示するように文字列を印刷する場合を考える。このとき、スマートデバイス5(制御部37)は、例えば、操作部31に対する文字を指定する操作を受け付けることなどにより、テキストデータを含む印刷画像データDTA1を生成する。また、スマートデバイス5は、操作部31に対する操作に応じて、印刷回数、フォントサイズ及び濃度を設定する(操作がなされずにデフォルトの設定が維持されることを含む。以下、他の設定についても同様。)。このようにして、スマートデバイス5は、印刷データDT1を生成する。その後、スマートデバイス5は、操作部31に対して印刷データDT1の送信を指示する操作がなされると、印刷データDT1を印刷データDT2に変換してプリンタ3へ送信する。変換に際しては、印刷画像データDTA1のテキストデータの内容、並びに印刷条件データDTB1のフォントサイズ及び濃度の情報は、例えば、印刷画像データDTA2の画像データにおける画素毎の色の情報に反映される。この例の印刷データDT2の印刷条件データDTB2は、画像サイズの情報を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。後者の場合において、プリンタ3は、印刷データDT2の受信後、受信した印刷データDT2に画像サイズの情報を付加してもよいし、付加しなくてもよい。
また、例えば、上記において、スマートデバイス5は、生成した印刷データDT1を変換せずに、印刷データDT1のままプリンタ3へ送信してもよい。そして、プリンタ3において、上述したような印刷データDT1から印刷データDT2への変換が行われてもよい。また、例えば、スマートデバイス5は、印刷画像データDTA1から印刷画像データDTA2への変換を行い、この印刷画像データDTA2と、フォントサイズ等の情報を含む印刷条件データDTB1とを組み合わせてプリンタ3へ送信してもよい。
ここで、印刷データDT1から印刷データDT2への変換(テキストデータから画像データへの変換)がプリンタ3においてなされる場合、プリンタ3に対する操作によって、印刷データDT1が規定しているフォントサイズ及び濃度を変更可能であることは明らかである。また、印刷データDT1から印刷データDT2への変換(印刷画像データ及び印刷条件データの双方の変換、又は印刷画像データのみの変換)がスマートデバイス5においてなされる場合、プリンタ3は、フォントサイズの変更及び/又は濃度の変更を受け付け、この変更に相当する画像サイズの変更及び/又は画像全体の濃度の変更を印刷条件データDTB2が規定している印刷条件に対して行い、実質的にフォントサイズ及び濃度を変更してもよい。いずれにせよ、スマートデバイス5で設定した印刷条件をプリンタ3に対する操作によって変更していることに変わりはない。すなわち、印刷条件の変更は、スマートデバイスで印刷条件を規定したときの情報をそのままのデータ形式で書き換える処理だけでなく、これに代替的な処理を含む。
また、例えば、スマートデバイス5は、メモリ37bに記憶されている画像データを選択する操作を受け付けることなどによって、当初から印刷データDT2を生成してもよい。この印刷データDT2の印刷条件データDTB2は、例えば、スマートデバイス5に対する操作によって設定された印刷回数及び画像サイズの情報を含んでいる。その後、スマートデバイス5は、操作部31に対して印刷データDT2の送信を指示する操作がなされると、例えば、印刷データDT2(ここでは、当初の印刷データDT2という。)に基づいて、送信用の新たな印刷データDT2を生成する。新たな印刷データDT2の画像データは、例えば、当初の印刷データDT2の画像データにおいて、当初の印刷条件データDTB2の画像サイズの情報に基づいて、画像サイズが変更されたものである。新たな印刷条件データDTB2は、画像サイズの情報を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。後者の場合において、プリンタ3は、印刷データDT2の受信後、受信した印刷データDT2に画像サイズの情報を付加してもよいし、付加しなくてもよい。
また、例えば、上記において、スマートデバイス5は、当初の印刷データDT2を新たな印刷データDT2に変換せずに、当初の印刷データDT2のままプリンタ3へ送信してもよい。そして、プリンタ3において、上述したような当初の印刷データDT2から新たな印刷データDT2への変換が行われてもよい。
既述のように、印刷データDTは、テキストデータと画像データ(ラスターデータ)との双方を含むものであってもよく、また、画像データは、ベクターデータであってもよい。これらの場合においても、スマートデバイス5は、当初の印刷データDTを新たな印刷データDTに変換してから送信したり、当初の印刷データDTをそのまま送信したり、一部のみを変換して送信したりしてよい。
(フローチャート)
スマートデバイス5の制御部37(CPU37a)及びプリンタ3の制御部21(CPU21a)が実行する処理の手順の一例について、フローチャートを参照して説明する。なお、以下に示すフローチャートは、処理の概念の理解を容易にするように描かれており、必ずしも実際の処理とは合致しない。
(全体の処理)
図6は、プリントシステム1全体として行われる処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、印刷前及び印刷中の双方においてプリンタ3に対する操作によって印刷条件を変更可能である態様を例に取る。
ステップST1及びST2は、スマートデバイス5が実行する処理を示している。この処理は、例えば、スマートデバイス5において、プリンタ3による印刷を行うためのアプリケーションの実行が開始されたとき、又は当該アプリケーションの実行中にスマートデバイス5に対して所定の操作がなされたときに開始される。
ステップST3〜ST8は、プリンタ3が実行する処理を示している。この処理は、例えば、プリンタ3において、不図示の電源スイッチに対する操作等によって電源が投入されたとき、又は電源投入後に操作部25に対して所定の操作がなされたときに開始される。
ステップST1では、スマートデバイス5の制御部37は、操作部31に対する操作に応じて、印刷データDTを準備する。ステップST2では、スマートデバイス5は、入力装置に対する操作に応じて、印刷データDTをプリンタ3へ送信する。そして、スマートデバイス5は、処理を終了する(又はステップST1へ戻る。)。
このとき、送信される印刷データDTによって規定されている印刷回数は、通常、1以上である。ユーザは、1回も印刷しないつもりであるのであれば、そもそも印刷データDTを送信しないからである。ただし、本実施形態では、プリンタ3によって印刷回数を再設定することができるから、スマートデバイス5は、印刷回数を0に設定した印刷データDTを生成及び送信可能であっても構わない。
ステップST3では、プリンタ3の制御部21は、印刷データDTをスマートデバイス5から受信したか否か判定する。そして、制御部21は、否定判定のときは待機し(ステップST3を繰り返し)、肯定判定のときはステップST4へ進む。
ステップST4では、制御部21は、受信した印刷データDTに基づいて印刷画像103を印刷するときの印刷条件を変更するための条件変更処理を開始する。印刷条件は、既述のように、例えば、印刷回数、フォントサイズ、濃度及び画像サイズである。後述する図7の説明から理解されるように、条件変更処理では、結果として、印刷条件が変更されないこともある。後述するステップST7の条件変更処理も同様である。
ステップST5では、制御部21は、スイッチ7に対する操作によって印刷開始が指示されたか否か判定する。そして、制御部21は、否定判定のときは待機して、ステップST4で開始した条件変更処理を継続する。肯定判定のときは、制御部21は、条件変更処理を終了して、ステップST6及びST7に進む。
ステップST6及びST7は、実質的に並列に実行される。ステップST6では、制御部21は、印刷画像103を被印刷面101aに印刷するための処理を行う。ステップST7では、制御部21は、印刷条件を変更するための条件変更処理を行う。その後、制御部21は、ステップST8へ進む。
ステップST6の印刷処理は、例えば、印刷データDTで指定された印刷画像103を1回だけ印刷する処理である。従って、例えば、受信した印刷データDTにおいて、印刷回数が2回以上に設定されていたとしても、1回の印刷が完了すると、制御部21は、ステップST8へ進む。2回目以降の印刷は、ステップST6が繰り返されることによって実現される。
ステップST6の印刷処理の具体的内容は、例えば、公知のハンディプリンタにおけるものと同様とされてよい。例えば、制御部21は、スイッチ7に対する操作によって印刷開始が指示されたときのプリンタ3の位置に対して予め定められた位置関係を有する領域に印刷画像103が印刷されるように、被印刷面101a上における印刷画像103の画素毎の座標を設定する。次に、制御部21は、センサ29の検出結果に基づいて、各ノズル15bの被印刷面101a上における座標を監視する。そして、制御部21は、いずれかのノズル15bの座標が印刷画像103のうち未だ着色されていない画素の座標と概ね一致すると、そのノズル15bから画素の色に応じた量で液滴が吐出されるように、ヘッド15に信号を出力する。
ステップST7の条件変更処理は、ステップST4の条件変更処理と同様であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、両者において変更可能な印刷条件の項目(印刷回数、フォントサイズ、濃度及び画像サイズ等)は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。後者としては、例えば、ステップST7で変更可能な印刷条件の項目がステップST4で変更可能な印刷条件の項目よりも少なくされる態様が挙げられる。また、ステップST7において印刷条件を変更したときに書き換えられる印刷データDTは、ステップST4において書き換え対象であった印刷データDTに基づいているが、両者は、データ形式及び/又は記憶領域が互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。ステップST4及びST7の少なくとも一方(例えばステップST7)は、省略されてもよい。以下の説明では、ステップST4及びST7が同様の処理であり、かつ双方の処理で書き換えられる印刷データDTが同一のものである態様を例に取る。
ステップST8では、制御部21は、所定の終了条件が満たされたか否か判定する。そして、制御部21は、否定判定のときはステップST4に戻り、肯定判定のときは、処理を終了する(又はステップST3に戻る。)。終了条件は、例えば、プリンタ3の操作部25に対して所定の操作がなされたこと、スマートデバイス5から終了を指示する所定の信号を受信したこと、及び/又はスマートデバイスから新たな印刷データDTのデータを受信したこととされてよい。制御部21は、終了条件が満たされると、例えば、メモリ21b(例えばRAM)に記憶されていた印刷データDT(これまでに参照していた印刷データDT)を消去する。
(条件変更処理)
図7は、図6のステップST4及びST7において制御部21(CPU21a)が実行する条件変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、既述の印刷条件の種々の項目の全てが変更可能である態様を例にとる。
ステップST11では、制御部21は、操作部25に対して印刷回数を変更する操作がなされたか否か判定する。そして、制御部21は、肯定判定のときは、ステップST12に進み、メモリ21bの印刷データDTに含まれている印刷回数の情報を書き換え、否定判定のときは、ステップST12をスキップしてステップST13に進む。
ステップST11及びST12に関していう印刷回数は、ステップST6の印刷処理が行われる前は、ステップST1で設定された印刷回数(又は前回のステップST12で書き換えられた印刷回数)である。その後、特に図示しないが、ステップST6の印刷が完了する度に、印刷データDTが保持する印刷回数は1ずつ減らされている。すなわち、ここでの印刷回数は、現時点での残りの印刷回数である。
ステップST13では、制御部21は、操作部25に対してフォントサイズを変更する操作がなされたか否か判定する。そして、制御部21は、肯定判定のときは、ステップST14に進み、メモリ21bの印刷データDTに含まれているフォントサイズの情報を書き換え、否定判定のときは、ステップST14をスキップしてステップST15に進む。
ステップST15では、制御部21は、操作部25に対して濃度を変更する操作がなされたか否か判定する。そして、制御部21は、肯定判定のときは、ステップST16に進み、メモリ21bの印刷データDTに含まれている濃度の情報を書き換え、否定判定のときは、ステップST16をスキップしてステップST17に進む。
ステップST17では、制御部21は、操作部25に対して画像サイズを変更する操作がなされたか否か判定する。そして、制御部21は、肯定判定のときは、ステップST18に進み、メモリ21bの印刷データDTに含まれている画像サイズの情報を書き換え、否定判定のときは、ステップST18をスキップしてステップST19に進む。
ステップST19では、制御部21は、所定の終了条件が満たされたか否か判定する。そして、制御部21は、肯定判定のときは、処理を終了し、否定判定のときはステップST11に戻る。
終了条件は、例えば、ステップST4の条件変更処理においては、ステップST5の肯定判定がなされたことである。また、終了条件は、ステップST7の条件変更処理においては、ステップST6の印刷処理(1回分の印刷)が完了したことである。図6では、印刷前と印刷中との双方において条件変更処理が行われることを理解しやすいように、ステップST4とST7とが別個の処理である態様を例に取った。ただし、図示の例とは異なり、条件変更処理は、ステップST3の肯定判定後からステップST8の肯定判定後までの間においてステップST5及びST6と並行して行われてよい(ステップST4とST7とは統合されてもよい。)。この場合は、ステップST8がステップST19に兼用されてよい。
(印刷処理)
図8は、図6のステップST6において制御部21(CPU21a)が実行する印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、印刷自体(液滴を吐出するノズルの決定方向等)の手順については省略し、印刷条件を印刷に反映する手順を示している。
ステップST21では、制御部21は、メモリ21bの印刷データDTに保持されている印刷条件の情報を読み出す。この印刷条件の内容は、例えば、ステップST1で設定された内容のままであることもあり、また、ステップST4及び/又はST7によって書き換えられた後の内容であることもある。ここでは、概念的に分かりやすくするために、ステップST4及び/又はST7によって書き換えられた印刷データDTを制御部21が読み出すこととしている。ただし、ステップST4、ST6及びST7は、同一の制御部21によって実行されているから、実際の具体的な処理においては、このようなステップは省略可能である。
ステップST22では、制御部21は、メモリ21bの印刷データDTに保持されている印刷回数が0であるか否か判定する。ここでの印刷回数は、ステップST11及びST12の説明で述べたように、現時点での残りの印刷回数(印刷が完了していない印刷回数)である。そして、制御部21は、肯定判定のときは、印刷処理を終了し、否定判定のときはステップST23に進む。ステップST23では、制御部21は、印刷画像103を1回印刷する印刷を開始するか、この1回分の印刷を既に開始している場合においては、当該1回分の印刷を継続する。
従って、例えば、印刷画像103の印刷が1回以上行われることなどによって残り印刷回数が0になると、その後は、ステップST6が行われても、印刷は行われない。また、例えば、残り印刷回数が0になった後、ステップST4で印刷回数が1回以上に再設定されると、その再設定された印刷回数の印刷が行われる。もちろん、残り印刷回数が0になる前にステップST4(又はST7)において印刷回数が増加されたり、減少されたりしてもよい。また、例えば、ステップST6の印刷処理が最初に実行される前にステップST4の条件変更によって印刷回数が0にされた場合においては、印刷がなされることなく、ステップST6は終了する。すなわち、印刷は、一旦、キャンセルされることになる。また、例えば、ステップST6の印刷処理を実行中に、ステップST7の条件変更によって残り印刷回数が0にされた場合においては、1回分の印刷の途中で印刷が終了する。
ステップST23の印刷の開始又は継続は、ステップST21で読み出した印刷条件(ここでは印刷回数を除く)に従って行われる。従って、例えば、ステップST4において、フォントサイズ、濃度及び画像サイズのいずれかが変更されていれば、その変更後のフォントサイズ、濃度及び/又は画像サイズで印刷が行われる。また、例えば、ステップST7において印刷条件が変更された場合においては、画像の途中からフォントサイズ、濃度及び/又は画像サイズが変更される。
画像の途中からフォントサイズ、濃度及び/又は画像サイズが変更されることは、通常のプリンタでは行われない。このような変更によって、例えば、スマートデバイス5に対する操作によって印刷画像103のデータを加工するよりも簡便に趣向のある画像を作成することができる。また、既述のように、画像データ(又はテキストデータ)は、例えば、複数行の文字列に対応する複数の分割データを含んでいてもよい。この場合において、改行する度に、ステップST7の変更処理を行い、フォントサイズ又は濃度を変えることができる。ただし、上記とは異なり、ステップST7において変更された印刷条件は、今回のステップST6では反映されずに、次回以降のステップST6において反映されるようにしてもよい。
ステップST24では、制御部21は、メモリ21bの印刷データDTに保持されている印刷条件が変更されたか否か判定する。そして、制御部21は、肯定判定のときは、ステップST21に戻り、否定判定のときはステップST25に進む。ステップST21に戻ることによって、印刷中であっても、印刷条件の変更に応じた印刷を行うことができる。ステップST24は、印刷中の条件変更(ステップST7)に応じたものであるので、ステップST7が省略される場合においては、ステップST24も省略されてよい。
ステップST25では、制御部21は、所定の終了条件が満たされたか否か判定する。終了条件は、例えば、印刷画像103の1回分の印刷が完了したことである。より詳細には、例えば、印刷画像103の全て(又は大部分)の画素について、被印刷面101aに対する着色がなされたことである。そして、制御部21は、肯定判定のときは、処理を終了し、否定判定のときは、ステップST23に戻って印刷を継続する。
図9は、変形例に係る条件変更処理の一部の手順の一例を示すフローチャートである。この図に示すステップST15、ST31及びST16は、図7のステップST15及びST16に代えて行われるものである。
図9のステップST15は、図7のステップST15と同様である。制御部21は、肯定判定のときは、ステップST31に進み、否定判定のときは、ステップST31及びST16をスキップする。
ステップST31では、制御部21は、被印刷面101aを撮像するようにカメラ11に制御信号を出力し、撮像された画像をカメラ11から取得する。なお、ステップST31は、所定のフレームレートで撮像を行っているカメラ11から最新の撮像画像を取得するステップであってもよい。
ステップST16では、制御部21は、図7のステップST16と同様に、メモリ21bの印刷データDTによって保持されている濃度の情報を書き換える。ただし、ここでは、制御部21は、ステップST31で取得された撮像画像に基づいて濃度を設定する。例えば、被印刷面101aが白色でなく、灰色である場合においては、黒色で文字列を印刷するときの濃度が薄いと、文字列を視認することが難しい。そこで、制御部21は、被印刷面101aが灰色である場合においては、白色である場合に比較して、濃度を高く設定する。このように、制御部21は、撮像画像に基づいて特定した被印刷面101aの色及び/又は材料に応じて、濃度を変更してよい。
以上のとおり、本実施形態に係る印刷方法は、条件設定ステップ(ST1)と、送信ステップ(ST2)と、印刷ステップ(ST6)と、条件変更ステップ(ST4及び/又はST7)とを有している。条件設定ステップは、外部機器(スマートデバイス5)に対する操作に応じて印刷画像103を印刷するときの印刷条件を設定する。送信ステップは、印刷画像103の情報(印刷画像データDTA1又はDTA2)と印刷条件の情報(印刷条件データDTB1又はDTB2)とを含む印刷データDTをスマートデバイス5からプリンタ3に送信する。印刷ステップでは、印刷条件に従ってプリンタ3によって印刷画像103を印刷する。条件変更ステップでは、プリンタ3に対する操作に応じて印刷条件を変更する。
また、別の観点では、プリンタ3は、印刷を行うプリントヘッド15と、ユーザの操作に応じた信号を出力する操作部25と、通信部27と、プロセッサ(CPU21a)とを有している。通信部は、印刷画像103の情報(印刷画像データDTA1又はDTA2)と、印刷画像103を印刷するときの印刷条件の情報(印刷条件データDTB1又はDTB2)とを含む印刷データDTを受信する。CPU21aは、印刷条件に従って印刷画像103を印刷させるようにヘッド15を制御する。また、CPU21aは、操作部25からの信号に応じて印刷条件を変更する。
従って、スマートデバイス5で設定した印刷条件をプリンタ3において再設定することができる。これにより、例えば、被印刷面101aに最初に印刷された印刷画像103の印刷状態を見て、2回目以降の印刷に係る印刷条件をプリンタ3において調整することができる。その結果、例えば、スマートデバイス5から1回分の印刷をプリンタ3へ指示して印刷し、その印刷状態を見てスマートデバイス5において印刷条件を調整し、さらにはこのような印刷と調整とを繰り返して最終的に満足が得られる印刷状態になったときに複数回分の印刷をスマートデバイス5からプリンタ3へ指示するというような面倒な手順は不要である。すなわち、ユーザの操作の負担が低減される。
また、本実施形態では、印刷条件は、印刷画像103を印刷する印刷回数を含むことが可能である。条件変更ステップは、印刷回数を変更可能である。具体的には、例えば、条件変更ステップでは、変更前又は変更後の印刷回数で印刷画像103が印刷された後に、印刷画像103の印刷を再開させるように印刷回数を再設定可能である。
例えば、ユーザとしては印刷画像103を所定枚数の紙に印刷する予定であったところ、そのうちの何枚かについて印刷に失敗することがある。このような場合において、失敗した枚数と同じ枚数の紙に印刷をやり直すときに、わざわざスマートデバイス5を操作して、印刷データDTをプリンタ3に再送信する必要が無い。
また、本実施形態では、条件変更ステップは、印刷回数を0に変更可能である。
既述のように、ユーザは、少なくとも1回は印刷するつもりでスマートデバイス5からプリンタ3へ印刷データDTを送信することから、通常、印刷回数は0に設定されることはない。しかし、例えば、いざ印刷のためにプリンタ3を紙に載置しようとしたところ、紙が載置されているテーブルが安定していない等の理由から印刷を一旦キャンセルしたいときがある。また、例えば、比較的多い印刷回数を設定していた場合に、一旦印刷をキャンセルして作業を中断したいときがある。このような場合に、印刷回数を0にできると便利である。また、ステップST7の条件変更処理によって印刷途中で印刷回数を0にした場合は、印刷が途中でキャンセルされることになる。この場合は、印刷の途中で印刷状態が意図したものとなっていないことに気付いたときに便利である。
また、本実施形態では、印刷条件は、印刷画像103のサイズを含むことが可能であり、条件変更ステップは、印刷画像103のサイズを変更可能である。
この場合、例えば、実際に印刷された印刷画像103の大きさがユーザの意図していた大きさとは異なるときに、プリンタ3に対する操作によって簡便に画像のサイズを変更することができる。なお、既に触れたように、ここでの画像サイズの変更は、ユーザがフォントサイズを変更する意図でプリンタ3に対して操作を行った結果、行われるものであってもよい。例えば、ディスプレイ9に表示されているフォントサイズの値がスイッチ8に対する操作に応じて変化する一方で、メモリ21bに記憶されている印刷データDTの画像サイズの情報が書き換えられてよい。
また、本実施形態では、印刷条件は、フォントサイズを含むことが可能であり、条件変更ステップは、フォントサイズを変更可能である。
この場合、例えば、実際に印刷された印刷画像103のフォントサイズがユーザの意図していた大きさとは異なるときに、プリンタ3に対する操作によって簡便にフォントサイズを変更することができる。例えば、枠の中に適度な大きさで文字列を記入したい場合に、フォントサイズが枠に対して大き過ぎる、又は小さ過ぎる場合がある。このような場合において、スマートデバイス5を操作してフォントサイズを再設定し、印刷データDTを再送信するというような手間の必要性が低減される。
また、本実施形態では、印刷条件は、印刷画像103の濃度を含むことが可能であり、条件変更ステップは、印刷画像103の濃度を変更可能である。
この場合、例えば、実際に印刷された印刷画像103の濃度がユーザの意図していた濃度とは異なるときに、プリンタ3に対する操作によって簡便に濃度を変更することができる。例えば、図9の説明から理解されるように、被印刷面101aの色及び/又は材料によっては、スマートデバイス5のディスプレイ33に表示された印刷画像103と、被印刷面101aに印刷された印刷画像103とは見え方が異なる。このような場合において、スマートデバイス5を操作して濃度を再設定し、印刷データDTを再送信するというような手間の必要性が低減される。
本開示に係る技術は、以上の実施形態及び変形例に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
プリンタは、手動でプリンタを移動させるものに限定されない。例えば、プリンタは、被印刷物とヘッドとを相対移動させる駆動機構を有しているものであってもよい。このようなプリンタとしては、例えば、シリアルプリンタ、ラインプリンタ、ページプリンタ又はラベルプリンタを挙げることができる。
実施形態では、残りの印刷回数が0になった後、印刷を再開できる構成として、終了条件(ST8)が満たされるまで印刷データDT(少なくとも印刷画像データDTA1又はDTA2)がメモリ21bに保持される構成を例示した。ただし、例えば、残りの印刷回数が0になったときに、印刷データDT(その全部、又は印刷画像データのように容量が大きいデータ)がメモリ21bから消去される構成においても、印刷の再開は可能である。この場合、例えば、プリンタは、印刷の再開(別の観点では印刷回数の再設定)を指示する操作がなされたときに、データ(少なくとも消去した情報を含む)の再送信を外部機器(スマートデバイス)に要求することによって、印刷の再開を実現してよい。
1…プリントシステム、3…プリンタ、5…スマートデバイス(外部機器)、9…ディスプレイ、11a…イメージャ、15…プリントヘッド、21a…CPU(プロセッサ)、101…被印刷物、101a…被印刷面、103…印刷画像、R105…撮像領域、DT…印刷データ、DTA1及びDTA2…印刷画像データ(印刷画像の情報)、DTB1及びDTB2…印刷条件データ(印刷条件の情報)。

Claims (9)

  1. 外部機器に対する操作に応じて印刷画像を印刷するときの印刷条件を設定する条件設定ステップと、
    前記印刷画像の情報と前記印刷条件の情報とを含む印刷データを前記外部機器からプリンタへ送信する送信ステップと、
    前記印刷条件に従って前記プリンタによって前記印刷画像を印刷する印刷ステップと、
    前記プリンタに対する操作に応じて前記印刷条件を変更する条件変更ステップと、
    を有している印刷方法。
  2. 前記印刷条件は、前記印刷画像を印刷する印刷回数を含むことが可能であり、
    前記条件変更ステップでは、前記印刷回数を変更可能である
    請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記条件変更ステップでは、前記印刷回数を0に変更可能である
    請求項2に記載の印刷方法。
  4. 前記条件変更ステップでは、前記印刷回数で前記印刷画像が印刷された後に、前記印刷画像の印刷を再開させるように前記印刷回数を再設定可能である
    請求項2又は3に記載の印刷方法。
  5. 前記印刷条件は、前記印刷画像のサイズを含むことが可能であり、
    前記条件変更ステップでは、前記印刷画像のサイズを変更可能である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷方法。
  6. 前記印刷条件は、フォントサイズを含むことが可能であり、
    前記条件変更ステップでは、前記フォントサイズを変更可能である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷方法。
  7. 前記印刷条件は、前記印刷画像の濃度を含むことが可能であり、
    前記条件変更ステップでは、前記印刷画像の濃度を変更可能である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷方法。
  8. 前記プリンタは、イメージャを有しており、
    前記条件変更ステップでは、前記プリンタに対する操作によって前記印刷画像が印刷される被印刷面を撮像し、その撮像した撮像画像の内容に基づいて前記印刷画像の濃度を変更可能である
    請求項7に記載の印刷方法。
  9. 印刷を行うプリントヘッドと、
    ユーザの操作に応じた信号を出力する操作部と、
    印刷画像の情報と、前記印刷画像を印刷するときの印刷条件の情報とを含む印刷データを受信する通信部と、
    前記印刷条件に従って前記印刷画像を印刷させるように前記プリントヘッドを制御するプロセッサと、
    を有しており、
    前記プロセッサは、前記操作部からの信号に応じて前記印刷条件を変更する
    プリンタ。
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