JP7295692B2 - 2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体 - Google Patents
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Description
本発明は、ジカルボン酸化合物の新規な結晶体とその製造方法に関する。詳しくは、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルにおいて、示差走査熱量分析による特定範囲の吸熱ピークトップ温度を有し、かつ、特定範囲のゆるみ嵩密度である結晶体に関する。
近年、ビナフタレン骨格を有するジカルボン酸成分を重合成分とする、ポリエステル樹脂やポリエステルカーボネート樹脂は、高屈折率および低複屈折等の光学特性に優れ、高度の耐熱性を具備することから、光ディスク、透明導電性基盤、光学フィルター等の光学部材の原料として期待されている。中でも、下記化学式で表される化学構造を有する、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、「化合物A」という。)を重合成分として製造される樹脂は、特に、光学特性に優れるとして着目されている(例えば、特許文献1~4等)。
上記式で表される化合物Aの製造方法としては、下記反応式に示すように、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールとクロロ酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルとを反応させて、得られたジエステル体を加水分解する方法が知られている(例えば、特許文献5等)。しかしながら、当該反応により得られた化合物Aは、精製されることなく粗生成物のまま、塩化チオニルや塩化オキサリル等により酸クロライド体に変換されて使用されることが多いため、精製方法の検討や報告は未だなされていない。
また、本発明者が、化合物Aの製造を繰り返したところ、当該ジカルボン酸化合物には特性の異なる結晶が存在することが判明した。
本発明は、上述した事情を背景としてなされたものであって、光学特性に優れる樹脂原料として好適な化合物Aの新たな結晶体の提供を課題とする。
本発明者は、上述の課題解決のために鋭意検討した結果、特定の溶媒を用いて晶析することにより、示差走査熱量分析による特定範囲の吸熱ピークトップ温度を有し、かつ、特定範囲のゆるみ嵩密度である化合物Aの結晶体が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
1.示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が215~220℃の範囲であり、かつ、ゆるみ嵩密度が0.3~0.6g/cm3の範囲であることを特徴とする、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体。
2.結晶体をテトラヒドロフランに溶解させて得られた30重量%溶液のハーゼン色数(APHA)が、100以下である1.に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体。
3.下記溶媒(1)~(5)の何れかにより晶析することを特徴とする、1.または2.に記載の結晶体の製造方法。
(1)総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上
(2)総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒から選択される1種以上
(3)総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒から選択される1種以上
(4)総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒から選択される1種以上
(5)総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上と水との混合溶媒
4.下記溶媒(1´)~(5´)の何れかにより晶析することを特徴とする、3.に記載の製造方法。
(1´)メチルイソブチルケトンまたは2-オクタノン
(2´)シクロヘキサノン
(3´)テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン
(4´)γ-ブチロラクトンまたはγ-バレロラクトン
(5´)アセトンと水との混合溶媒またはメチルエチルケトンと水との混合溶媒
1.示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が215~220℃の範囲であり、かつ、ゆるみ嵩密度が0.3~0.6g/cm3の範囲であることを特徴とする、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体。
2.結晶体をテトラヒドロフランに溶解させて得られた30重量%溶液のハーゼン色数(APHA)が、100以下である1.に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体。
3.下記溶媒(1)~(5)の何れかにより晶析することを特徴とする、1.または2.に記載の結晶体の製造方法。
(1)総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上
(2)総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒から選択される1種以上
(3)総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒から選択される1種以上
(4)総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒から選択される1種以上
(5)総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上と水との混合溶媒
4.下記溶媒(1´)~(5´)の何れかにより晶析することを特徴とする、3.に記載の製造方法。
(1´)メチルイソブチルケトンまたは2-オクタノン
(2´)シクロヘキサノン
(3´)テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン
(4´)γ-ブチロラクトンまたはγ-バレロラクトン
(5´)アセトンと水との混合溶媒またはメチルエチルケトンと水との混合溶媒
本発明によれば、示差走査熱量分析による特定範囲の吸熱ピークトップ温度を有し、かつ、特定範囲のゆるみ嵩密度である化合物Aの結晶体が提供可能である。
本発明の結晶体は、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が高く、かつ、ゆるみ嵩密度が高いという特徴を有することから、当該化合物の製造、使用、輸送等を効率よく実施することが可能である。さらに、当該化合物の結晶体を原料として光学樹脂を製造する際に、粉塵が舞うことを抑制することができ、製造設備への付着や詰まりを防止することができるほか、反応原料として使用する場合の反応容器の容量を小さくすることができるため、生産性の向上が期待できる。また、輸送時の容器の容量を小さくすることも可能であり、輸送コストを軽減することができるなど、操作性の面での優れた効果を発揮することができる。
さらに、本発明の結晶体は、晶析操作により得られるものであるから、高純度、低着色といった優れた特徴を有するものである。
すなわち、本発明の結晶体とその製造方法の提供は、樹脂原料等の工業的な使用において非常に有用である。
本発明の結晶体は、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が高く、かつ、ゆるみ嵩密度が高いという特徴を有することから、当該化合物の製造、使用、輸送等を効率よく実施することが可能である。さらに、当該化合物の結晶体を原料として光学樹脂を製造する際に、粉塵が舞うことを抑制することができ、製造設備への付着や詰まりを防止することができるほか、反応原料として使用する場合の反応容器の容量を小さくすることができるため、生産性の向上が期待できる。また、輸送時の容器の容量を小さくすることも可能であり、輸送コストを軽減することができるなど、操作性の面での優れた効果を発揮することができる。
さらに、本発明の結晶体は、晶析操作により得られるものであるから、高純度、低着色といった優れた特徴を有するものである。
すなわち、本発明の結晶体とその製造方法の提供は、樹脂原料等の工業的な使用において非常に有用である。
<合成方法について>
本発明の化合物Aの合成方法については、特に制限はないが、例えば、公知の1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールとクロロ酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルとを反応させてジエステル体を得て、次いで、このジエステル体を加水分解する製造方法が挙げられる。
本発明の化合物Aの合成方法については、特に制限はないが、例えば、公知の1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールとクロロ酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルとを反応させてジエステル体を得て、次いで、このジエステル体を加水分解する製造方法が挙げられる。
<晶析する工程について>
本発明の製造方法は、(1)総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上、(2)総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒から選択される1種以上、(3)総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒から選択される1種以上、(4)総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒から選択される1種以上、または、(5)総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上と水との混合溶媒、これら溶媒(1)~(5)の何れかにより晶析することを特徴とするものである。
ここで、使用可能な総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒(1)としては、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、2-オクタノン等が挙げられ、中でも、水の溶解度が低いメチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、2-オクタノンが好ましい。使用可能な総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒(2)としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等が挙げられ、中でも、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが好ましい。使用可能な総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒(3)としては、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン等が挙げられ、中でも、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンが好ましい。使用可能な総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒(4)としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、σ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が挙げられ、中でも、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンが好ましい。水との混合溶媒として使用する鎖状ケトン(5)としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、2-オクタノン等が挙げられ、水の溶解度が高い、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。使用可能な水としては、特に限定されることなく、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜使用することができる。
本発明の晶析工程に用いる化合物Aは、化合物Aを含む反応液を処理して得られる粗結晶、該粗結晶を再結晶した結晶、化合物Aを含む溶液から溶媒を留出除去された残液等が挙げられる。非晶質のものでもよい。化合物A自体は2種類の鏡像異性体が存在するが、本発明の晶析工程に用いる化合物Aとしてはラセミ体が好ましく、得られる結晶もラセミ体が好ましい。
本発明の製造方法は、(1)総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上、(2)総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒から選択される1種以上、(3)総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒から選択される1種以上、(4)総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒から選択される1種以上、または、(5)総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上と水との混合溶媒、これら溶媒(1)~(5)の何れかにより晶析することを特徴とするものである。
ここで、使用可能な総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒(1)としては、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、2-オクタノン等が挙げられ、中でも、水の溶解度が低いメチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、2-オクタノンが好ましい。使用可能な総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒(2)としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等が挙げられ、中でも、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが好ましい。使用可能な総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒(3)としては、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン等が挙げられ、中でも、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンが好ましい。使用可能な総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒(4)としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、σ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が挙げられ、中でも、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンが好ましい。水との混合溶媒として使用する鎖状ケトン(5)としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、2-オクタノン等が挙げられ、水の溶解度が高い、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。使用可能な水としては、特に限定されることなく、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜使用することができる。
本発明の晶析工程に用いる化合物Aは、化合物Aを含む反応液を処理して得られる粗結晶、該粗結晶を再結晶した結晶、化合物Aを含む溶液から溶媒を留出除去された残液等が挙げられる。非晶質のものでもよい。化合物A自体は2種類の鏡像異性体が存在するが、本発明の晶析工程に用いる化合物Aとしてはラセミ体が好ましく、得られる結晶もラセミ体が好ましい。
水との混合溶媒とせずに使用するメチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等の鎖状ケトン溶媒(1)を用いる場合においては、化合物Aを溶解させる溶媒量としては、用いる結晶や溶液に含まれる化合物A100重量部に対して、250~1000重量部が好ましく、300~800重量部がより好ましく、400~600重量部がさらに好ましい。温度を上げて結晶すべてを溶解させる際は常圧下でも加圧下でもよく、450重量部以下では加圧下が好ましい。化合物Aを該ケトン溶媒に溶解して得られた溶液をそのまま冷却して晶析してもよいが、該溶液から蒸留により該ケトン溶媒を留出させながら、若しくは留出させた後で冷却して結晶を析出させてもよい。化合物A100重量部に対して500重量部以上の鎖状ケトン溶媒で溶解させた場合は、歩留まりを向上させるために該ケトン溶媒を留出させた方が好ましい。上記溶媒留出後の残液中の鎖状ケトン溶媒量について、使用した結晶100重量部に対して150~450重量部に調整することが好ましく、200~400重量部がより好ましく、250~300重量部がさらに好ましい。結晶を析出させる温度としては90~130℃が好ましく、95~105℃がより好ましい。溶媒留出にかける時間としては、2~15時間が好ましく、4~10時間がより好ましく、6~8時間がさらに好ましい。なお、化合物Aのアルカリ金属塩が溶解した水溶液に上記鎖状ケトン溶媒を加えた後、酸を加えて、化合物Aのケトン溶液を得ることもできる。その後、水層を分離し、得られた溶媒層に水を添加、撹拌して水層を分離除去する水洗操作を行い、上記と同様の操作を行い、化合物Aの結晶を析出させればよい。
環状ケトン溶媒(2)、環状エーテル溶媒(3)、環状エステル溶媒(4)の何れかを用いる場合においては、化合物Aを溶解させる溶媒量としては、用いる結晶や溶液に含まれる化合物A100重量部に対して、50~600重量部が好ましく、50~400重量部がより好ましく、100~200重量部がさらに好ましい。温度を上げて結晶すべてを溶解させる際は常圧下でも加圧下でもよい。化合物Aを環状ケトン溶媒(1)、環状エーテル溶媒(2)、環状エステル溶媒(3)の何れかに溶解して得られた溶液をそのまま冷却して晶析してもよいが、該溶液から蒸留により該溶媒を留出させながら、若しくは留出させた後で冷却して結晶を析出させてもよい。結晶を析出させる温度としては、環状ケトン溶媒を用いる場合には、90~110℃が好ましく、100℃程度がより好ましい。環状エーテル溶媒を用いる場合には、55~75℃が好ましく、60~70℃がより好ましい。環状エステル溶媒を用いる場合には、90~130℃が好ましく、115~125℃がより好ましい。
鎖状ケトン溶媒と水との混合溶媒(5)を使用する場合において、化合物Aを溶解させる混合溶媒での鎖状ケトン溶媒濃度は、95~65重量%が好ましく、90~70重量%がより好ましく、85~75重量%がさらに好ましい。また、混合溶媒の使用量としては、化合物A100重量部に対して、100~350重量部が好ましく、150~250重量部がより好ましい。上記鎖状ケトン溶媒と水との混合溶媒(5)に化合物Aを加えて、加温すれば、化合物Aが鎖状ケトン溶媒と水との混合溶媒(5)に溶解した溶液が得られるが、そのまま冷却しても溶媒量や水の量によっては結晶が析出しないか、若しくは、歩留まりが低い場合があるため、化合物Aを総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒に溶解して得られた溶液に水を添加しながら結晶を析出させる、若しくは、水添加後に冷却して結晶を析出させることが好ましい。水添加後の晶析液中の鎖状ケトン溶媒と水の重量比は、鎖状ケトン溶媒100重量部に対して水150~400重量部が好ましく、230~300重量部がより好ましい。混合溶媒に水を添加する際の結晶析出温度は、55~65℃が好ましく、60℃程度がより好ましい。水の添加時間は、1~5時間が好ましく、1.5~2.5時間がより好ましく、2時間程度がさらに好ましい。
上記(1)~(5)何れかの溶媒を使用した晶析操作における、晶析時および結晶析出させた後の冷却速度としては、1時間あたり5~15℃が好ましく、7~12℃がより好ましい。また、結晶を析出させる際は、種晶を用いなくてもよいが、種晶を用いた方が好ましく、種晶なしで析出させた結晶を種晶として用いればよい。最終の冷却温度としては、20~60℃が好ましく、25~35℃がより好ましい。上記温度まで冷却後、析出した結晶をろ過操作により分離する。
環状ケトン溶媒(2)、環状エーテル溶媒(3)、環状エステル溶媒(4)の何れかを用いる場合においては、化合物Aを溶解させる溶媒量としては、用いる結晶や溶液に含まれる化合物A100重量部に対して、50~600重量部が好ましく、50~400重量部がより好ましく、100~200重量部がさらに好ましい。温度を上げて結晶すべてを溶解させる際は常圧下でも加圧下でもよい。化合物Aを環状ケトン溶媒(1)、環状エーテル溶媒(2)、環状エステル溶媒(3)の何れかに溶解して得られた溶液をそのまま冷却して晶析してもよいが、該溶液から蒸留により該溶媒を留出させながら、若しくは留出させた後で冷却して結晶を析出させてもよい。結晶を析出させる温度としては、環状ケトン溶媒を用いる場合には、90~110℃が好ましく、100℃程度がより好ましい。環状エーテル溶媒を用いる場合には、55~75℃が好ましく、60~70℃がより好ましい。環状エステル溶媒を用いる場合には、90~130℃が好ましく、115~125℃がより好ましい。
鎖状ケトン溶媒と水との混合溶媒(5)を使用する場合において、化合物Aを溶解させる混合溶媒での鎖状ケトン溶媒濃度は、95~65重量%が好ましく、90~70重量%がより好ましく、85~75重量%がさらに好ましい。また、混合溶媒の使用量としては、化合物A100重量部に対して、100~350重量部が好ましく、150~250重量部がより好ましい。上記鎖状ケトン溶媒と水との混合溶媒(5)に化合物Aを加えて、加温すれば、化合物Aが鎖状ケトン溶媒と水との混合溶媒(5)に溶解した溶液が得られるが、そのまま冷却しても溶媒量や水の量によっては結晶が析出しないか、若しくは、歩留まりが低い場合があるため、化合物Aを総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒に溶解して得られた溶液に水を添加しながら結晶を析出させる、若しくは、水添加後に冷却して結晶を析出させることが好ましい。水添加後の晶析液中の鎖状ケトン溶媒と水の重量比は、鎖状ケトン溶媒100重量部に対して水150~400重量部が好ましく、230~300重量部がより好ましい。混合溶媒に水を添加する際の結晶析出温度は、55~65℃が好ましく、60℃程度がより好ましい。水の添加時間は、1~5時間が好ましく、1.5~2.5時間がより好ましく、2時間程度がさらに好ましい。
上記(1)~(5)何れかの溶媒を使用した晶析操作における、晶析時および結晶析出させた後の冷却速度としては、1時間あたり5~15℃が好ましく、7~12℃がより好ましい。また、結晶を析出させる際は、種晶を用いなくてもよいが、種晶を用いた方が好ましく、種晶なしで析出させた結晶を種晶として用いればよい。最終の冷却温度としては、20~60℃が好ましく、25~35℃がより好ましい。上記温度まで冷却後、析出した結晶をろ過操作により分離する。
<乾燥する工程について>
晶析により得られた結晶を乾燥することにより、晶析において使用した溶媒を除去することができる。晶析により得られた結晶を乾燥する際は、常圧でも減圧下でも良いが、工業的に実施する場合には、減圧下において実施する方がより効率的に、晶析において使用した溶媒を除去できることからも好適である。好ましくは減圧下60~120℃、より好ましくは減圧下70~110℃において実施することができる。
晶析により得られた結晶を乾燥することにより、晶析において使用した溶媒を除去することができる。晶析により得られた結晶を乾燥する際は、常圧でも減圧下でも良いが、工業的に実施する場合には、減圧下において実施する方がより効率的に、晶析において使用した溶媒を除去できることからも好適である。好ましくは減圧下60~120℃、より好ましくは減圧下70~110℃において実施することができる。
<本発明の結晶体>
本発明の結晶体は、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が215~220℃の範囲であり、かつ、ゆるみ嵩密度が0.3~0.6g/cm3の範囲であることを特徴とするものである。
本発明のゆるみ嵩密度は、一般的に、被測定顆粒を、一定容積の容器中に空洞をつくることなく、また容器に振動等の外力を加えずに均一に投入してその時の重量を測定し、重量を容器容積で除した値を求めることによって測定した値を意味し、例えば、多機能型粉体物性測定器マルチテスター((株)セイシン企業製:MT―1001型)等を用いて、後述する方法等により測定した結果から算出することができる。本発明の結晶体におけるゆるみ嵩密度は、0.3~0.6g/cm3の範囲内でより大きな数値であることが好ましい。この数値範囲における下限値は、0.33g/cm3以上であることが好ましく、0.4g/cm3以上であることがより好ましい。この数値範囲における上限値は、0.6g/cm3により近い数値が好ましく、0.55g/cm3以下若しくは0.5g/cm3以下程度であっても良い。
後述する比較例で示す結晶体は、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が210℃,214℃,215℃の結晶体であっても、ゆるみ嵩密度は0.12g/cm3~0.23g/cm3であることから、本発明の結晶体は、これら比較例の結晶体に比べてゆるみ嵩密度の大きな改善が認められる。すなわち、本発明の結晶は、粉塵の抑制や製造設備への付着や詰まりを防止できるほか、反応原料として使用する場合の反応容器や輸送時の容器の容量を小さくすることができるため、生産性の向上や輸送コストを軽減することができるなど、操作性の面での優れた効果を発揮するものである。
本発明の結晶体は、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が215~220℃の範囲であり、かつ、ゆるみ嵩密度が0.3~0.6g/cm3の範囲であることを特徴とするものである。
本発明のゆるみ嵩密度は、一般的に、被測定顆粒を、一定容積の容器中に空洞をつくることなく、また容器に振動等の外力を加えずに均一に投入してその時の重量を測定し、重量を容器容積で除した値を求めることによって測定した値を意味し、例えば、多機能型粉体物性測定器マルチテスター((株)セイシン企業製:MT―1001型)等を用いて、後述する方法等により測定した結果から算出することができる。本発明の結晶体におけるゆるみ嵩密度は、0.3~0.6g/cm3の範囲内でより大きな数値であることが好ましい。この数値範囲における下限値は、0.33g/cm3以上であることが好ましく、0.4g/cm3以上であることがより好ましい。この数値範囲における上限値は、0.6g/cm3により近い数値が好ましく、0.55g/cm3以下若しくは0.5g/cm3以下程度であっても良い。
後述する比較例で示す結晶体は、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が210℃,214℃,215℃の結晶体であっても、ゆるみ嵩密度は0.12g/cm3~0.23g/cm3であることから、本発明の結晶体は、これら比較例の結晶体に比べてゆるみ嵩密度の大きな改善が認められる。すなわち、本発明の結晶は、粉塵の抑制や製造設備への付着や詰まりを防止できるほか、反応原料として使用する場合の反応容器や輸送時の容器の容量を小さくすることができるため、生産性の向上や輸送コストを軽減することができるなど、操作性の面での優れた効果を発揮するものである。
本発明の結晶体は、低着色という優れた特徴を有するものであり、具体的には、結晶体をテトラヒドロフラン(純度97%以上)に溶解させて得られた30重量%溶液のハーゼン色数(APHA)が、100以下であることが好ましい。中でも、当該ハーゼン色数(APHA)が80以下であることがより好ましく、60以下であることが更に好ましく、30以下であることが最も好ましい。本発明における低着色の結晶体を得るためには、上述の晶析する工程は窒素等の不活性ガス雰囲気下において実施することが好ましく、乾燥する工程は窒素等の不活性ガス雰囲気下、または減圧下において実施することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
分析方法は以下の通りである。
<分析方法>
1.示差走査熱量測定(DSC)
結晶体をアルミパンに精密に秤量し、示差走査熱量測定装置((株)島津製作所製:DSC-60)を用いて、酸化アルミニウムを対照として下記操作条件により測定した。
(操作条件)
昇温速度 :10℃/min
測定温度範囲:30~260℃
測定雰囲気 :開放、窒素50mL/min
サンプル量 :3mg±1mg
2.ゆるみ嵩密度
多機能型粉体物性測定器マルチテスター((株)セイシン企業製:MT―1001型)を用い、容量20cm3の測定用セルに、空気の隙間ができないように篩を通して結晶を静かに投入し、前記測定用セルが結晶で充填した時のセル内の結晶の重量a(g)を測定し、下記計算式よりゆるみ嵩密度を算出した。
[計算式]
ゆるみ嵩密度(g/cm3)=結晶体の重量a(g)÷20cm3
3.粉末X線回析(XRD)
結晶体0.1gをガラス試験板の試料充填部に充填し、粉末X線回析装置((株)リガク製:SmartLab)を用いて、下記条件により測定した。
X線源 :CuKα
スキャン軸 :2θ/θ
モード :連続
測定範囲 :2θ=5°~70°
ステップ :0.01°
スピード計測時間:2θ=2°/min
IS :1/2
RS :20.00mm
出力 :40kV-30mA
4.色相(APHA)
結晶をテトラヒドロフラン(富士フィルム和光純薬製、純度97%以上)に溶解させて30重量%溶液を得、テトラヒドロフランで下記測定機器の「標準校正」を実施後、30重量%溶液の溶解色を測定した。
測定機器:日本電色工業(株)製 TZ 6000
分析方法は以下の通りである。
<分析方法>
1.示差走査熱量測定(DSC)
結晶体をアルミパンに精密に秤量し、示差走査熱量測定装置((株)島津製作所製:DSC-60)を用いて、酸化アルミニウムを対照として下記操作条件により測定した。
(操作条件)
昇温速度 :10℃/min
測定温度範囲:30~260℃
測定雰囲気 :開放、窒素50mL/min
サンプル量 :3mg±1mg
2.ゆるみ嵩密度
多機能型粉体物性測定器マルチテスター((株)セイシン企業製:MT―1001型)を用い、容量20cm3の測定用セルに、空気の隙間ができないように篩を通して結晶を静かに投入し、前記測定用セルが結晶で充填した時のセル内の結晶の重量a(g)を測定し、下記計算式よりゆるみ嵩密度を算出した。
[計算式]
ゆるみ嵩密度(g/cm3)=結晶体の重量a(g)÷20cm3
3.粉末X線回析(XRD)
結晶体0.1gをガラス試験板の試料充填部に充填し、粉末X線回析装置((株)リガク製:SmartLab)を用いて、下記条件により測定した。
X線源 :CuKα
スキャン軸 :2θ/θ
モード :連続
測定範囲 :2θ=5°~70°
ステップ :0.01°
スピード計測時間:2θ=2°/min
IS :1/2
RS :20.00mm
出力 :40kV-30mA
4.色相(APHA)
結晶をテトラヒドロフラン(富士フィルム和光純薬製、純度97%以上)に溶解させて30重量%溶液を得、テトラヒドロフランで下記測定機器の「標準校正」を実施後、30重量%溶液の溶解色を測定した。
測定機器:日本電色工業(株)製 TZ 6000
<実施例1>
2,2’- ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(化合物A)の結晶体(その1)
1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオール (以下、「化合物b」という。)52g、N-メチルピロリドン156g、炭酸カリウム58g、ヨウ化カリウム5.2gを四つ口フラスコに仕込み、70℃まで昇温し、同温で1時間撹拌した。反応液の温度を65~70℃に保ちながら、クロロ酢酸エチル62gを滴下した。4時間撹拌後、水156g及び水酸化カリウム30gを加え、85~90℃で13時間撹拌した。次いで水130g、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。) 156gを加え、80から85℃に保ちながら15分撹拌した後、水層を抜き取り、別の四つ口反応フラスコに移した。水層にMIBK416g及び水416gを添加し、濃塩酸100gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分撹拌した。その後、静置して水層を除去し、得られた油層に水を加えて撹拌後、静置して水層を除去した。得られた油層から撹拌下に常圧蒸留により、水及びMIBK252gを4時間かけて留出させた。蒸留開始から1時間後に、種晶を添加することなしに結晶が析出した。その後、1時間あたり10℃の冷却速度で25℃まで冷却し、析出した結晶をろ別して、乾燥を行い、化合物Aの粉末結晶60.7g(収率:82%)を取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は98.7%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は217℃、ゆるみ嵩密度は0.34g/cm3、色相(APHA)は50であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図1に示す(試料量:2.311mg)。
2,2’- ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(化合物A)の結晶体(その1)
1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオール (以下、「化合物b」という。)52g、N-メチルピロリドン156g、炭酸カリウム58g、ヨウ化カリウム5.2gを四つ口フラスコに仕込み、70℃まで昇温し、同温で1時間撹拌した。反応液の温度を65~70℃に保ちながら、クロロ酢酸エチル62gを滴下した。4時間撹拌後、水156g及び水酸化カリウム30gを加え、85~90℃で13時間撹拌した。次いで水130g、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。) 156gを加え、80から85℃に保ちながら15分撹拌した後、水層を抜き取り、別の四つ口反応フラスコに移した。水層にMIBK416g及び水416gを添加し、濃塩酸100gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分撹拌した。その後、静置して水層を除去し、得られた油層に水を加えて撹拌後、静置して水層を除去した。得られた油層から撹拌下に常圧蒸留により、水及びMIBK252gを4時間かけて留出させた。蒸留開始から1時間後に、種晶を添加することなしに結晶が析出した。その後、1時間あたり10℃の冷却速度で25℃まで冷却し、析出した結晶をろ別して、乾燥を行い、化合物Aの粉末結晶60.7g(収率:82%)を取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は98.7%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は217℃、ゆるみ嵩密度は0.34g/cm3、色相(APHA)は50であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図1に示す(試料量:2.311mg)。
<実施例2>
化合物Aの結晶体(その2)
化合物b1213g、アセトニトリル3638g、炭酸カリウム1346g、ヨウ化カリウム121gを四つ口フラスコに仕込み、70℃まで昇温し、同温度で1時間撹拌した。クロロ酢酸エチル1460g、N-メチルピロリドン13gの混合溶液を調製した後、反応液の温度を70~80℃に保ちながら、この混合溶液を滴下した。6時間撹拌後、水3032gを加え70℃まで昇温した後、水層を除去した。次いで、35%水酸化カリウム水溶液3392gを、反応液温度70~80℃に保ちながら滴下した。2時間後反応液を徐々に冷却して、25℃でろ過を行い、化合物Aのカリウム塩の結晶2180gを取得した。
続いて、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。得られたカリウム塩の結晶のうち2051g(溶媒付着分:約16重量%)を使用して、水3430g、MIBK9702gを、四つ口フラスコに仕込み80℃まで昇温し溶解させた。濃塩酸1207gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分撹拌した。その後水層を抜き取り、水を加え水洗を行った。次いで常圧で得られた油層から、蒸留で8時間かけて水およびMIBK4713gを留出させた。蒸留開始から2時間経過した時点で、実施例1で得られた結晶1gを種晶として添加して晶析を行った。晶析液を25℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却しろ過、次いで減圧下に乾燥を行い化合物Aの結晶体1392g(反応収率:86.8%)を取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は217℃、ゆるみ嵩密度は0.45g/cm3、色相(APHA)は30であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)は、8.1、9.2、14.8、16.2、17.5、18.2、18.5、22.7、23.4、24.4、26.9、27.5、31.5、36.3、39.2であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図2に示す(試料量:2.952mg)。
化合物Aの結晶体(その2)
化合物b1213g、アセトニトリル3638g、炭酸カリウム1346g、ヨウ化カリウム121gを四つ口フラスコに仕込み、70℃まで昇温し、同温度で1時間撹拌した。クロロ酢酸エチル1460g、N-メチルピロリドン13gの混合溶液を調製した後、反応液の温度を70~80℃に保ちながら、この混合溶液を滴下した。6時間撹拌後、水3032gを加え70℃まで昇温した後、水層を除去した。次いで、35%水酸化カリウム水溶液3392gを、反応液温度70~80℃に保ちながら滴下した。2時間後反応液を徐々に冷却して、25℃でろ過を行い、化合物Aのカリウム塩の結晶2180gを取得した。
続いて、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。得られたカリウム塩の結晶のうち2051g(溶媒付着分:約16重量%)を使用して、水3430g、MIBK9702gを、四つ口フラスコに仕込み80℃まで昇温し溶解させた。濃塩酸1207gを80~85℃に保ちながら滴下し、同温度で30分撹拌した。その後水層を抜き取り、水を加え水洗を行った。次いで常圧で得られた油層から、蒸留で8時間かけて水およびMIBK4713gを留出させた。蒸留開始から2時間経過した時点で、実施例1で得られた結晶1gを種晶として添加して晶析を行った。晶析液を25℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却しろ過、次いで減圧下に乾燥を行い化合物Aの結晶体1392g(反応収率:86.8%)を取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は217℃、ゆるみ嵩密度は0.45g/cm3、色相(APHA)は30であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)は、8.1、9.2、14.8、16.2、17.5、18.2、18.5、22.7、23.4、24.4、26.9、27.5、31.5、36.3、39.2であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図2に示す(試料量:2.952mg)。
<実施例3>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A607g、80%アセトン水溶液1220gを四つ口フラスコに仕込み、50℃まで昇温し溶解させた。内温を55~60℃に保ちながら、水1100gを添加した。その後、実施例1で得られた結晶1gを種晶として添加し、55~60℃に保ちながら、水1100gを2時間かけて添加し晶析を行った。晶析液を25℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却しろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を552g(精製収率:90.9%)取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は218℃、ゆるみ嵩密度は0.46g/cm3、色相(APHA)は20であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.1、9.2、14.8、16.2、18.5、23.4、24.4、26.9、27.5、31.5、36.3、39.2であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図3に示す(試料量:1.988mg)。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A607g、80%アセトン水溶液1220gを四つ口フラスコに仕込み、50℃まで昇温し溶解させた。内温を55~60℃に保ちながら、水1100gを添加した。その後、実施例1で得られた結晶1gを種晶として添加し、55~60℃に保ちながら、水1100gを2時間かけて添加し晶析を行った。晶析液を25℃まで1時間あたり10℃の冷却速度で冷却しろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を552g(精製収率:90.9%)取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は218℃、ゆるみ嵩密度は0.46g/cm3、色相(APHA)は20であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.1、9.2、14.8、16.2、18.5、23.4、24.4、26.9、27.5、31.5、36.3、39.2であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図3に示す(試料量:1.988mg)。
<実施例4>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、2-オクタノン120gを四つ口フラスコに仕込み、145℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し127℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を18.5g(精製収率:92.5%)取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.35g/cm3、色相(APHA)は20であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.1、9.2、14.8、16.1、18.2、22.5、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、2-オクタノン120gを四つ口フラスコに仕込み、145℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し127℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を18.5g(精製収率:92.5%)取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.35g/cm3、色相(APHA)は20であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.1、9.2、14.8、16.1、18.2、22.5、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
<実施例5>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、90%メチルエチルケトン水溶液38.7gを四つ口フラスコに仕込み、72℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し55℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を6.5g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は216℃、ゆるみ嵩密度は0.32g/cm3、色相(APHA)は10であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.6、16.2、18.2、22.5、23.3、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、90%メチルエチルケトン水溶液38.7gを四つ口フラスコに仕込み、72℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し55℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を6.5g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は216℃、ゆるみ嵩密度は0.32g/cm3、色相(APHA)は10であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.6、16.2、18.2、22.5、23.3、24.3、26.8、36.3であった。
<実施例6>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20.1g、シクロヘキサノン20.2gを四つ口フラスコに仕込み、146℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し103℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を13.7g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.34g/cm3、色相(APHA)は40であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.2、18.2、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20.1g、シクロヘキサノン20.2gを四つ口フラスコに仕込み、146℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し103℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を13.7g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.34g/cm3、色相(APHA)は40であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.2、18.2、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
<実施例7>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15g、テトラヒドロフラン15.9gを四つ口フラスコに仕込み、65℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し59℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を7.5g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.8%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.43g/cm3、色相(APHA)は60であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.2、18.2、18.4、22.5、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15g、テトラヒドロフラン15.9gを四つ口フラスコに仕込み、65℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し59℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を7.5g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.8%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.43g/cm3、色相(APHA)は60であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.2、18.2、18.4、22.5、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
<実施例8>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15.1g、1,4-ジオキサン17.5gを四つ口フラスコに仕込み、101℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し70℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を8.0g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.4%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.41g/cm3、色相(APHA)は80であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.1、14.6、16.1、18.2、22.5、23.4、24.4、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15.1g、1,4-ジオキサン17.5gを四つ口フラスコに仕込み、101℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し70℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を8.0g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.4%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.41g/cm3、色相(APHA)は80であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.1、14.6、16.1、18.2、22.5、23.4、24.4、26.8、36.3であった。
<実施例9>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15g、γ-ブチロラクトン10gを四つ口フラスコに仕込み、140℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し103℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を13.1g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.8%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.33g/cm3、色相(APHA)は130であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.7、16.1、18.2、22.5、23.3、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15g、γ-ブチロラクトン10gを四つ口フラスコに仕込み、140℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し103℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を13.1g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.8%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.33g/cm3、色相(APHA)は130であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.7、16.1、18.2、22.5、23.3、24.3、26.8、36.3であった。
<実施例10>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、γ-バレロラクトン20gを四つ口フラスコに仕込み、135℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し123℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を16.7g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.7%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.44g/cm3であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.0、14.6、16.1、18.1、23.3、24.3、26.9、36.2であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、γ-バレロラクトン20gを四つ口フラスコに仕込み、135℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し123℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を16.7g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.7%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.44g/cm3であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が8.0、14.6、16.1、18.1、23.3、24.3、26.9、36.2であった。
<比較例1>
化合物b4.0g、炭酸カリウム34.8g、ブロモ酢酸20.1g、メタノール118mLを四つ口フラスコに仕込み、加熱還流下6時間反応させた。反応液からメタノールを除去し水を加え、3N塩酸水溶液をpHが1になるまで加えた。反応液を分液ロートに移し、ベンゼン/ジエチルエーテル=1:1の溶液30mLで5回抽出した。抽出した有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレーターで溶媒を留去し固体を取得した。上記反応を繰り返すことにより、分析に必要な量の固体を得た。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は96.0%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は214℃、ゆるみ嵩密度0.12g/cm3であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図4に示す(試料量:2.131mg)。
化合物b4.0g、炭酸カリウム34.8g、ブロモ酢酸20.1g、メタノール118mLを四つ口フラスコに仕込み、加熱還流下6時間反応させた。反応液からメタノールを除去し水を加え、3N塩酸水溶液をpHが1になるまで加えた。反応液を分液ロートに移し、ベンゼン/ジエチルエーテル=1:1の溶液30mLで5回抽出した。抽出した有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで脱水後、エバポレーターで溶媒を留去し固体を取得した。上記反応を繰り返すことにより、分析に必要な量の固体を得た。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は96.0%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は214℃、ゆるみ嵩密度0.12g/cm3であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図4に示す(試料量:2.131mg)。
<比較例2>
化合物b4.0g、炭酸カリウム34.8g、ブロモ酢酸20.1g、メタノール118mLを四つ口フラスコに仕込み、加熱還流下6時間反応させた。反応液からメタノールを除去し水を加え、3N塩酸水溶液をpHが1になるまで加えた。析出した固体にベンゼン/石油エーテル=1:1の溶液150mLを加えたが、溶解しなかったためそのままろ過を行い、固体を取得した。上記反応を繰り返すことにより、分析に必要な量の固体を得た。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は98.3%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は210℃、ゆるみ嵩密度0.14g/cm3であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図5に示す(試料量:2.536mg)。
化合物b4.0g、炭酸カリウム34.8g、ブロモ酢酸20.1g、メタノール118mLを四つ口フラスコに仕込み、加熱還流下6時間反応させた。反応液からメタノールを除去し水を加え、3N塩酸水溶液をpHが1になるまで加えた。析出した固体にベンゼン/石油エーテル=1:1の溶液150mLを加えたが、溶解しなかったためそのままろ過を行い、固体を取得した。上記反応を繰り返すことにより、分析に必要な量の固体を得た。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は98.3%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は210℃、ゆるみ嵩密度0.14g/cm3であった。
示差走査熱量分析データを示すチャート図を図5に示す(試料量:2.536mg)。
<比較例3>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、メチルエチルケトン158.3gを四つ口フラスコに仕込み、79℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し44℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を11.2g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.23g/cm3、色相(APHA)は30であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.3、18.2、22.5、23.4、24.4、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A20g、メチルエチルケトン158.3gを四つ口フラスコに仕込み、79℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し44℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を11.2g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.23g/cm3、色相(APHA)は30であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.3、18.2、22.5、23.4、24.4、26.8、36.3であった。
<比較例4>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15g、酢酸ブチル237.1gを四つ口フラスコに仕込み、125℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し110℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を13.0g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.18g/cm3、色相(APHA)は30であった。また、特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.1、18.2、22.5、23.3、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A15g、酢酸ブチル237.1gを四つ口フラスコに仕込み、125℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し110℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を13.0g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.9%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.18g/cm3、色相(APHA)は30であった。また、特徴的な2θ(deg)が9.2、14.8、16.1、18.2、22.5、23.3、24.3、26.8、36.3であった。
<比較例5>
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A10g、シクロペンチルメチルエーテル210.1gを四つ口フラスコに仕込み、103℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し60℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を6.5g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.2%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.23g/cm3、色相(APHA)は90であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.7、16.2、18.2、22.5、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
実施例2で得られた化合物Aを使用して、窒素雰囲気下において晶析する工程を行った。化合物A10g、シクロペンチルメチルエーテル210.1gを四つ口フラスコに仕込み、103℃まで昇温し溶解させた後、1時間あたり10℃の冷却速度で冷却し60℃で結晶の析出を確認した。その後、晶析液を25℃まで冷却し、ろ過、次いで減圧下に乾燥を行い、本発明の結晶体を6.5g取得した。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は99.2%、示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度は215℃、ゆるみ嵩密度は0.23g/cm3、色相(APHA)は90であった。また、XRDの特徴的な2θ(deg)が9.2、14.7、16.2、18.2、22.5、23.4、24.3、26.8、36.3であった。
Claims (4)
- 示差走査熱量分析による吸熱ピークトップ温度が215~220℃の範囲であり、かつ、ゆるみ嵩密度が0.3~0.6g/cm3の範囲であることを特徴とする、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体。
- 結晶体をテトラヒドロフランに溶解させて得られた30重量%溶液のハーゼン色数(APHA)が、100以下である請求項1に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチルの結晶体。
- 下記溶媒(1)~(5)の何れかにより晶析することを特徴とする、請求項1または2に記載の結晶体の製造方法。
(1)総炭素数が5~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上
(2)総炭素数が5~8個の範囲である環状ケトン溶媒から選択される1種以上
(3)総炭素数が4~8個の範囲である環状エーテル溶媒から選択される1種以上
(4)総炭素数が4~8個の範囲である環状エステル溶媒から選択される1種以上
(5)総炭素数が3~8個の範囲である鎖状ケトン溶媒から選択される1種以上と水との混合溶媒 - 下記溶媒(1´)~(5´)の何れかにより晶析することを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
(1´)メチルイソブチルケトンまたは2-オクタノン
(2´)シクロヘキサノン
(3´)テトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン
(4´)γ-ブチロラクトンまたはγ-バレロラクトン
(5´)アセトンと水との混合溶媒またはメチルエチルケトンと水との混合溶媒
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