JP7295222B2 - 有機elパネル - Google Patents

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Description

本発明は、一つの頂点から回路基板を介して給電する有機ELパネルに関する。特に、本発明は、回路基板による給電を矩形パネルの一頂点から行う矩形有機ELパネルに関する。
有機EL素子は、物質に電界を印加した際に発光を生じる現象を利用した面発光素子である。有機ELパネルは、基板上に有機EL素子を形成したものであり、自発光型、薄型にできるなどの特徴を生かし、平面状光源やディスプレイ等への応用展開が図られている。
例えば、特許文献1には、基板10と、基板10上に配置された第1電極層12A及び第2電極層12Kと、第1電極層12A上に配置された有機EL層14と、有機EL層14上に配置され、第2電極層12Kと接続される第3電極層16Kと、第3電極層16K上に配置された封止層18と、封止層18上に配置された第1電極層22Aと、第1電極層22A上に配置された絶縁層24と、絶縁層24上に配置された第2電極層26Kとを備える有機ELパネルが開示されている。
特許文献1に記載の有機ELパネルは、配線材を不要とし構造が簡単化され、均熱効果を保ちつつ、自動化による生産効率を高めることができる。
ところで、有機EL素子を高輝度で点灯させるためには、大電流を流す必要がある。しかしながら、有機EL素子は、一般的に陽極として透明導電性金属酸化物(例えば、酸化インジウム錫(ITO))で形成されており、この陽極のシート抵抗は、金属膜や合金膜などで形成される陰極のシート抵抗よりも高い。そのため、有機EL素子は、陽極側での電位差が大きくなってしまい、輝度の面内バラつきが大きくなってしまう問題が発生していた。そこで、従来から、その解決を課題として検討されてきた。
例えば、特許文献2は、シート抵抗が各々、R1の透明アノード、R2のカソードを含み、アノードコンタクト、能動部分、及びその上方に配置されたコンタクト面を有するカソードコンタクトと、これらの有機発光システムEtの上方で能動部分を被覆する反射体とを含む有機EL素子が開示されている。この有機EL素子は、アノードコンタクトの一端部と当該一端部に最も近いコンタクト面の箇所との間の距離D、当該一端部と当該箇所を通過しながら当該一端部の反対のアノード領域の端部である他端部との間の距離Lにつき、r比=R2/R1の値に応じて、D/Lが所定範囲内となっている。
特開2011-96374号公報 特表2015-503821号公報
特許文献1に開示の技術では、配線材が不要となる代わりに有機EL素子上に2層の導電層と絶縁層を形成する必要があり、有機EL素子の形成に要する工数が多くなる。また、特許文献1に開示の技術では、導電層と絶縁層の材料を発光領域全体に形成する必要がある。そのため、特許文献1の有機EL素子は、材料の消費が多くなり高価なものとなってしまう可能性がある。
特許文献2では、発光領域の外周に設けた配線によって、抵抗の高い電極に起因する輝度ムラを抑制する手段が実質的に開示されている。しかしながら、特許文献2の開示する技術では、封止構造と配線の位置関係が規定されておらず、水分侵入によって有機ELパネルの信頼性が低下する可能性がある。また、特許文献2に開示の技術では、給電端子の隔離部が規定されておらず、発光領域の頂点部分での電流集中に伴う輝度ムラが発生するおそれがある。
そこで、本発明は、従来に比べて、低コストで封止性が高く、信頼性の高い有機ELパネルを提供することを課題とする。
本発明者は、従来の給電方法に代えて、矩形状の有機ELパネルにおける回路基板を介した外部からの給電を矩形の一つの頂点のみから行う方法につき検討した。その結果、以下の(1)~(3)の構成を備えることで、相乗効果が発揮され、前述の課題の解決が図れることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)直角L字状の回路基板を使用し、一つの頂点に対応する位置に外部から負電位を印加し、当該一つの頂点を挟んだ直角L字の端部に対応する2つの位置に外部から正電位を印加すること。
(2)当該一つの頂点に対応する領域を除き、発光領域に対応する有機EL素子を封止膜より封止すること。
(3)発光領域に対応する有機EL素子の第1電極層を、その外側に設けた正電位の導通経路で囲むこと。
上記の検討の結果を踏まえて鋭意検討し、導き出された本発明の一つの様相は、発光面及び裏面を両主面とし、平面視したときに、第1頂点部を挟んで隣接する第1辺と第2辺を含み、かつ前記発光面の中央に発光領域を有する有機ELパネルであって、基板上に、前記裏面側に向かって順に、第1導電膜、有機機能膜、第2導電膜、及び封止膜がそれぞれパターン化されて形成されており、平面視したときに、少なくとも第1電極領域と第2電極延伸領域があり、前記第1導電膜は、平面視したときに、前記第1電極領域において、前記発光領域と重なる第1本体部と、前記第1本体部から前記第1辺に向かって張り出した第1電極パッド部と、前記第1本体部から前記第2辺に向かって張り出した第2電極パッド部を含み、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部が前記第1本体部を介して連続しており、前記第2導電膜は、平面視したときに、前記発光領域と重なる第2本体部と、前記第2本体部から前記第1頂点部側に向かって突出し前記第2電極延伸領域に至る第2電極パッド領域を含み、前記封止膜は、平面視したときに、前記第2電極延伸領域には属さずに前記発光領域の全域と重なり、さらに前記発光領域に属する前記有機機能膜と連続する前記有機機能膜の他の部分を覆っており、第1電極導通経路と、回路基板を有し、前記第1電極導通経路は、平面視したときに、前記発光領域の外周の半分以上を囲むように延びて前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部を接続しており、前記回路基板は、第1電極線と第2電極線を含み、前記第1頂点部の近傍に固定されており、前記第1電極線は、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と接着されて導通しており、前記第2電極線は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域と直接的又は間接的に接着されて導通している、有機ELパネルである。
ここでいう「近傍」とは、有機ELパネル全体をみたときに、十分に位置が近い範囲をいい、具体的には、最短距離が有機ELパネルの一辺の長さの3%以下であることをいう。すなわち、「第1頂点部の近傍」とは、第1頂点部との最短距離が有機ELパネルの一辺の長さの3%以下であることをいい、好ましくは、1%以下である。以下、同様とする。
ここでいう「間接的に接着されて導通している」とは、間に他の導電体を挟んで接着されて導通されていることをいう。すなわち、「第2電極線は、第2電極延伸領域で第2電極パッド領域と間接的に接着されて導通している」とは、第2電極線と第2電極パッド領域との間に他の導電体が介在して接着されていることをいう。
本様相によれば、回路基板からの給電を実質的に一つの頂点部の近傍のみから行うことができるので、回路基板を従来に比べて小型化でき、コストダウンが可能である。
本様相によれば、封止膜が発光領域の第1導電膜、有機機能膜、及び第2導電膜だけではなく、発光領域の有機機能膜と連続する有機機能膜の他の部分まで覆うので、発光領域に属する各層への水分の侵入を十分に抑制可能であり、より高い長期信頼性を有する。
本様相によれば、第1電極パッド部と第2電極パッド部が第1電極導通経路によって接続されており、第1本体部への給電を同時に行うことができる。そのため、第1本体部を中心として二方向から電流を発光領域の有機機能膜に流すことができ、輝度ムラの抑制又は輝度ムラを目立たなくできる。
ところで、単位面積当たりの発光領域の面積を増大させて狭額縁化を行うと、従来の回路基板の構造では、接着剤等の接着手段による回路基板と基板との接着面積が大きくなる。そのため、接着手段の弾性変形の許容範囲が小さく、点灯時等において回路基板(例えば、FPC)と基板(例えば、ガラス基板)との線膨張係数の差により、接着手段に応力が発生して弾性変形したときに、回路基板の反りや接着剤等の接着手段の剥がれが生じ、回路基板の接着強度が低下するおそれがある。
一方、本様相によれば、回路基板の面積を小さくできるので、接着手段の弾性変形の許容範囲が大きくできる。そのため、回路基板と基板の線膨張係数が違っていて、接着手段に応力が発生しても、反りや剥がれの発生を抑制できる。その結果、狭額縁化による接着強度の低下を抑制できる。
好ましい様相は、平面視したときに、第2頂点部を挟んで前記第1辺と隣接する第3辺があり、前記第1電極領域から隔離された第1隔離領域と第2隔離領域を含み、前記第1隔離領域は、前記第1頂点部から前記第1辺に沿って前記第1電極パッド部まで延びた第1隔離部と、前記第1頂点部から前記第2辺に沿って前記第2電極パッド部まで延びた第2隔離部を含み、前記第2隔離領域は、前記第2頂点部から前記第1辺に沿って前記第1電極パッド部まで延びた第3隔離部を含み、前記第1隔離部の長さは、前記第3隔離部の長さよりも長いことである。
本様相によれば、同一の第1辺に沿った第1隔離部と第3隔離部の長さが相違し、第1隔離部の長さが第3隔離部の長さよりも長い。すなわち、第1電極パッド部の位置が第1頂点部とは反対側に偏っているので、高くなりがちな第1頂点部近傍の輝度を抑制でき、輝度ムラを小さくできる。
より好ましい様相は、前記第1隔離部の長さは、前記第2隔離部と長さが等しいことである。
本様相によれば、第1頂点部から第1電極パッド部までの距離と、第1頂点部から第2電極パッド部までの距離が等しいため、第1頂点部から均等に第1電極パッド部と第2電極パッド部に電流を流すことができ、より輝度ムラを小さくできる。
より好ましい様相は、前記第1隔離部の幅は、前記第2隔離部の幅と等しいことである。
好ましい様相は、前記第1電極領域から隔離された第1隔離領域を含み、前記第1導電膜は、金属酸化物で構成され、前記第1隔離領域内に前記第1電極領域から電気的に切り離された島部を有し、前記第2電極延伸領域は、前記第1隔離領域の一部に属しており、前記島部は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域と接着されており、前記第2電極線は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域又は前記島部と導電接着されていることである。
本様相によれば、島部を第2電極パッド領域の下地及び/又は島部を第2電極線の下地として使用できるので、第1電極導通経路の基板上への接着を第1電極パッド部や第2電極パッド部に対する接着と同じく、第1導電膜を介して行うことができる。そのため、その接着強度をほぼ一定に維持可能となり、信頼性が向上する。
好ましい様相は、前記封止膜の前記裏面側に均熱シートを有し、前記均熱シートは、グラファイトシートであって、平面視したときに前記発光領域の全域と重なることである。
本様相によれば、発光領域内での温度ムラを抑制でき、輝度ムラをより低減できる。
好ましい様相は、前記第1電極パッド部は、前記第1辺の延び方向において、前記第1辺の中点よりも前記第1頂点部とは反対側に偏って設けられており、前記第2電極パッド部は、前記第2辺の延び方向において、前記第2辺の中点よりも前記第1頂点部とは反対側に偏って設けられていることである。
本様相によれば、第1頂点部近傍の輝度を抑制でき、面内輝度ムラを低減できる。
より好ましい様相は、平面視したときに前記第1辺と前記第2辺と第3辺と第4辺を各辺とする長方形状又は正方形状であり、前記第1本体部から前記第3辺に向かって張り出した第3電極パッド部と、前記第1本体部から前記第4辺に向かって張り出した第4電極パッド部を含み、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と前記第3電極パッド部と前記第4電極パッド部が前記第1本体部を介して連続しており、前記第3電極パッド部は、前記第3辺の延び方向において、前記第3辺の中点の近傍に設けられており、前記第4電極パッド部は、前記第4辺の延び方向において、前記第4辺の中点の近傍に設けられていることである。
好ましい様相は、平面視したときに長方形状又は正方形状であり、前記第1電極領域から隔離された第1隔離領域と第2隔離領域を含み、前記第1隔離領域は、前記第1頂点部から前記第1辺に沿って前記第1電極パッド部まで延びた第1隔離部と、前記第1頂点部から前記第2辺に沿って前記第2電極パッド部まで延びた第2隔離部を有し、前記第1本体部は、点灯時において平面視したときに、前記第1頂点部を通過する対角線上の電位分布が2つの極大点と前記2つの極大点に挟まれた極小点を有しており、前記極小点の位置は、前記第1本体部の中心よりも前記第1頂点部とは反対側に位置していることである。
本様相によれば、第1頂点部近傍の輝度を抑制でき、面内輝度ムラを低減できる。
本発明の一つの様相は、発光面及び裏面を両主面とし、前記発光面の中央に発光領域を有し、平面視したときに第1辺と第2辺と第3辺と第4辺を各辺とする四角形状の有機ELパネルであって、前記第1辺と前記第2辺は、第1頂点部を挟んで隣接しており、基板上に、前記裏面側に向かって順に第1導電膜、有機機能膜、第2導電膜、及び封止膜がそれぞれパターン化されて形成されており、平面視したときに、少なくとも第1電極領域と第2電極延伸領域があり、前記第1導電膜は、前記第1電極領域において、前記発光領域に属する第1本体部と、前記第1本体部から前記第1辺に向かって張り出した第1電極パッド部と、前記第1本体部から前記第2辺に向かって張り出した第2電極パッド部と、前記第1本体部から前記第3辺に向かって張り出した第3電極パッド部と、前記第1本体部から前記第4辺に向かって張り出した第4電極パッド部を含み、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と前記第3電極パッド部と前記第4電極パッド部が前記第1本体部を介して連続しており、前記第2導電膜は、平面視したときに、前記発光領域に属する第2本体部と、前記第2本体部から前記第1頂点部側に向かって突出し前記第2電極延伸領域に至る第2電極パッド領域を含み、前記封止膜は、平面視したときに、前記第2電極延伸領域には属さずに前記発光領域の全域と重なり、さらに前記発光領域に属する有機機能膜と連続する有機機能膜及び前記第2電極パッド領域を覆っており、第1電極導通経路と、回路基板を有し、前記第1電極導通経路は、平面視したときに、前記発光領域の外周の半分以上を囲むように延びて、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と前記第3電極パッド部と前記第4電極パッド部を接続しており、前記回路基板は、第1電極線と第2電極線を含み、前記第1頂点部の近傍に固定されており、前記第1電極線は、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と接着されて導通しており、前記第2電極線は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域と直接的又は間接的に接着されて導通している、有機ELパネルである。
本様相によれば、従来に比べて低コストで低輝度ムラの発光領域を実現でき、信頼性が高い。
また本様相によれば、発光領域を拡大し狭額縁化しても、回路基板の接着強度の低下を抑制できる。
本発明によれば、従来に比べて、低コストで封止性が高く、信頼性の高い有機ELパネルとなる。
本発明の一実施形態に係る有機ELパネルの透光性絶縁基板10の裏面側に形成されたパターン化された第1導電膜1の各薄膜形成領域を図示する模式的平面図である。 図1のパターン化された第1導電膜1上に引き続き形成された状態の機能膜2の薄膜形成領域を図示する模式的平面図である。 図2のパターン化された機能膜2上に引き続き形成された状態の第2導電膜3の薄膜形成領域を図示する模式的平面図である。 図3のパターン化された第2導電膜3上に引き続き形成された状態の封止膜4の薄膜形成領域を図示する模式的平面図である。 図4の封止膜4の形成した後に引き続き、均熱シート6を配置した状態の均熱シート6の配置領域を図示する模式的平面図である。 図5の均熱シート6の配置した後に引き続き、第1電極導通経路11を形成した領域を図示する模式的平面図である。 図6の第1電極導通経路11を形成した後に引き続き、一回路基板5を固定した状態の固定領域を図示する模式的平面図である。 比較例の有機ELパネルにて透光性絶縁基板10の裏面側に形成したパターン化された第1導電膜1の各薄膜形成領域を図示する模式的平面図である。 図8に引き続き第2導電膜3の形成まで実施した状態の第2導電膜3の形成領域を図示する模式的平面図である。 図9に引き続き口の字形のFPCの圧着配置まで実施した状態のFPC配置領域を図示する模式的平面図である。 実施例1,2及び比較例の有機ELパネルでの輝度測定点を説明する説明図であり、実施例2の平面図である。 本発明の図1とは別の実施形態に係る有機ELパネルの説明図であり、(a)は底面図であり、(b)は平面図である。 図12の有機ELパネルの断面図であり、(a)は図12のA-A断面図であり、(b)は図12のB-B断面図であり、(c)は図12のC-C断面図である。 図12の実施形態において第1導電膜1が製膜された基板を裏面側からみた斜視図である。 図12の実施形態において第2導電膜3が製膜された基板を裏面側からみた斜視図である。 図12の実施形態において第1電極導通経路11が形成された基板を裏面側からみた斜視図である。 図12の有機ELパネルから一回路基板5を分解し、裏面側からみた分解斜視図である。 図12の有機ELパネルの各領域の説明図であり、透光性絶縁基板10と第1導電膜1のみを示している。 図12の有機ELパネルの各領域の説明図であり、一回路基板5と絶縁層12を省略して示している。 図1の有機ELパネルの電位分布の説明図であり、上図は要部のみを示した平面図であり、下図は対角線L上における各位置に対する電位を表すグラフである。 図12の有機ELパネルの電位分布の説明図であり、上図は要部のみを示した平面図であり、下図は対角線L上における各位置に対する電位を表すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る矩形有機ELパネル100の製造工程を図1~図7を参照しながら順に説明し、本発明の好ましい実施形態、構成部位等についても併せて説明する。
ただし、図面は模式的なものであり、平面寸法や厚み、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。なお、図1~7は、矩形有機ELパネル100を裏面102(非発光面)側から見たものである。
また、図1~7は、L字形隔離部71の線分の長さxが残りのL字形隔離部72の線分の長さyと等しい場合の実施形態を例示しており、図12~図19は、L字形隔離部71の線分の長さxが残りのL字形隔離部72の線分の長さyよりも長い場合の実施形態を例示している。当然、本発明は、技術的範囲に含まれる限り、これらに例示される実施形態に限られるものではない。
(矩形有機ELパネル100)
矩形有機ELパネル100は、図12のように、発光面101及び裏面102を両主面とする矩形かつ板状の部材である。
矩形有機ELパネル100は、外部から給電されている時間である点灯時に発光する発光領域103を有する。発光領域103は、平面視したときに、発光面101の中央にあり、矩形有機ELパネル100の外形と同じく矩形である。
ここでいう「矩形」とは、それぞれの頂点をなす角部が直角である四辺形をいい、長方形だけではなく、正方形も含む。すなわち、矩形有機ELパネル100は、正方形状又は長方形状である。
以下の説明において、矩形有機ELパネル100を単に有機ELパネル100ともいう。
有機ELパネル100は、図12のように、平面視したときに、第1辺105と、第2辺106と、第3辺107と、第4辺108を有し、各辺105~108によって四隅に第1頂点110(第1頂点部)と第2頂点111(第2頂点部)と第3頂点112と第4頂点113が構成されている。
横辺105,108は、図18のように、横方向Xに延びる辺であり、縦辺106,107は縦方向Yに延びる辺である。
第1辺105は、第1頂点110を挟んで第2辺106と隣接しており、第2頂点111を挟んで第3辺107と隣接している。第2辺106は、第4頂点113を挟んで第4辺108と隣接しており、第3辺107は、第3頂点112を挟んで第4辺108と隣接している。
有機ELパネル100は、図18のように、正方形状の場合、平面視したときに、第1頂点110と第3頂点112を通過する対角線Lを対称軸として線対称となっていることが好ましい。
有機ELパネル100は、図13のように、透光性絶縁基板10上に、裏面102側に向かって順に、第1導電膜1、機能膜2、第2導電膜3、及び封止膜4を備えた積層基板を有する。第1導電膜1、機能膜2、第2導電膜3、及び封止膜4は、各々パターン化された薄膜である。
有機ELパネル100は、図17のように、積層基板上に第1電極導通経路11及び一回路基板5を備えている。
第1電極導通経路11は、図6,図19のように、基板10の面内において、平面視したときに発光領域103を囲むC字形状であり、導電体によって構成されている。
一回路基板5は、裏面102側の基板10の面内の一頂点110の近傍に固定されている。
有機ELパネル100は、図18のように、平面視、基板10の面内の後述する第1電極領域13以外の領域として、非第1電極領域17を有している。
非第1電極領域17は、図1,図14,図18から読み取れるように、後述する第1電極領域13から隔離された4つのL字形隔離部71,72(71,72a~72c)を含む。
4つのL字形隔離部71,72a~72cは、図18のように、有機ELパネル100の矩形の4つの頂点110~113の各方向に各頂点110~113から矩形の辺105~108に沿う直角を挟む2方向(横方向Xと縦方向Y)に伸び、かつ、長さが等しい2線分を含んでいる。
一回路基板5は、図7,図12(b)に示すように、裏面102側の積層基板の面内の4つのL字形隔離部71,72a,72b,72cの内の一頂点110近傍のL字形隔離部71付近に固定されている。
一回路基板5は、図7,図19のように、基板10の面内の一頂点110近傍に固定されており、その幅が一頂点110近傍のL字形隔離部71の幅w内に収まる様に、同様にL字形の外形を備えることが好ましい。こうすることで、回路基板5を小さくでき、コスト低減を図りつつ回路基板5の基板10への固定強度を十分に高くできる。
有機ELパネル100は、このような構造を有することで低コストかつ高信頼性であることを一つの特徴とする。
有機ELパネル100は、図13のように、発光領域103において第1導電膜1、機能膜2、及び第2導電膜3が重畳して有機EL素子8を構成している。
以下の説明においては、特に断りのない限り、発光領域103に属し有機EL素子8を構成する第1導電膜1、機能膜2、及び第2導電膜3をそれぞれ第1電極層1a、機能層2a、及び第2電極層3aとも称する。
(透光性絶縁基板10)
透光性絶縁基板10としては、透明であって、かつ、絶縁性を有しているものであれば、特に限定されない。透光性絶縁基板10としては、例えば、ガラス基板やフィルム基板等が好ましく、有機EL素子8の使用用途に合わせて選択して用いられる。
透光性絶縁基板10は、各膜を支持する支持基板であり、有機EL素子8を封止膜4とともに封止する封止基板でもある。
以下の説明において、透光性絶縁基板10を単に基板10ともいう。
(第1導電膜1)
第1導電膜1は、図1,図14に示すような基板10の裏面102側にパターン化された金属酸化物の薄膜である。
第1導電膜1は、図14,図18のように、基板10の裏面102側の面内の2種類の領域、即ち、第1電極領域13と、第2電極延伸領域32に少なくとも形成されている。
第1電極領域13は、矩形の4辺方向(中央側から各辺105~108に向かう方向)に各々突出する第1電極パッド部14を含んで連続している。
第1導電膜1は、図14のように、第1電極領域13において、第1本体部19と、第1電極パッド部14(14a~14d)を備えている。
第1本体部19は、平面したときに、発光領域103に属する部位であり、第1電極層1aで構成されている。
第1電極パッド部14aは、図18のように、第1本体部19から第1辺105に向かって張り出した部位である。第1電極パッド部14b(第2電極パッド部)は、第1本体部19から第2辺106に向かって張り出した部位である。第1電極パッド部14c(第3電極パッド部)は、第1本体部19から第3辺107に向かって張り出した部位である。第1電極パッド部14d(第4電極パッド部)は、第1本体部19から第4辺108に向かって張り出した部位である。
第1電極パッド部14aは、図18のように、第1辺105の延び方向において第1辺105の中点よりも第1頂点110とは反対側に偏って設けられている。第1電極パッド部14bは、第2辺106の延び方向において前記第2辺106の中点よりも第1頂点110とは反対側に偏って設けられている。
図18に示される有機ELパネル100は、第1電極パッド部14cが第3辺107の延び方向において、第3辺107の中点に設けられており、第1電極パッド部14dは、第4辺108の延び方向において、第4辺108の中点に設けられている。
第2電極延伸領域32には、図1,図14のように、L字形隔離部71内にL字形の金属酸化物アイランドとして、第1導電膜1の一部をなす島部20が形成されている。
これらの領域13,32における第1導電膜1は、形成する工程を簡略化することによるコストダウンの観点から、同時に同材料を製膜することで形成されることが好ましい。
なお、平面視、基板10の面内の第1電極領域13以外の領域を、本明細書では「非第1電極領域」と呼称する。
従って、第1電極パッド部14は、第1電極領域13に位置するので、非第1電極領域17に属さない。また、第2電極延伸領域32は、第1導電膜1が形成された領域であっても、非第1電極領域17内に存在する。
第1導電膜1の材料である金属酸化物は、高い透光性及び電気伝導性を有していれば好ましく使用可能である。
この金属酸化物は、ITOやIZO等の透明導電性酸化物を例示でき、その平均厚みとしては1μm以下が好ましい。このような材料の薄膜は、CVD法やPVD法などの真空蒸着法によって形成できる。
(機能膜2)
機能膜2は、図2に示すように、第1導電膜1上にパターン化された有機化合物を含む薄膜であり、少なくとも有機EL素子8の発光機能を発揮する発光層を含む有機機能膜である。
このような機能膜2は一般的に、例えば、発光領域103の第1電極層1a側から、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層といった多層構造を有し、これらの層以外にも、電荷発生層を含む接続層や、電荷ブロック層等が含まれていても良い。これらの層の内、これを含む素子への外部からの給電で発光する層である発光層が、少なくとも有機化合物を含む材料からなる層である発光素子を、本明細書では「有機EL素子」と呼称する。このような発光層での発光は、蛍光発光、燐光発光、及び遅延蛍光からなる群から選ばれる1種以上の発光とすることができる。
(第2導電膜3)
第2導電膜3は、図3,図15に示すようにパターン化された金属の薄膜である。
第2導電膜3は、図3,図19のように、少なくとも有機EL素子8の第2電極層3aとしての役割を果たす部分(第2本体部35)を含み、第2電極領域31に少なくとも形成されている。第2電極領域31は、矩形の一頂点110のみに突出する第2電極パッド領域33を含んで連続している。
第2導電膜3は、図3,図19のように、平面視したときに第2電極領域31において、第2本体部35と、第2電極パッド領域33を備えている。
第2本体部35は、平面視したときに、発光領域103に属する四角形状の部位であり、第2電極層3aで構成されている。
第2電極パッド領域33は、第2本体部35から頂点110側に向かって延びた領域である。第2電極パッド領域33は、第2本体部35から第1辺105及び第2辺106に沿ってL字状に延びている。
ここで、第2導電膜3には、図3,図19のように、平面視したときに、第2電極延伸領域32と一部重畳する第2電極パッド領域33が存在し、第2電極パッド領域33は、延伸経路領域34にて第2電極延伸領域32の第1導電膜1と導通している。すなわち、延伸経路領域34は、第2電極パッド領域33と、第2電極延伸領域32の第1導電膜1が導通し、導電経路を構成する領域である。
第1導電膜1、機能膜2、及び第2導電膜3は、平面視したときに、第1電極領域13、機能膜2、及び第2電極領域31の重畳部分に相当し、それぞれ対応する第1電極層1a、機能層2a、及び第2電極層3aが、このサンドイッチ構造として本明細書における有機EL素子8を構成する。すなわち、有機EL素子8は、第1電極領域13と第2電極領域31の重畳部分に属する第1導電膜1と機能膜2と第2導電膜3で構成されている。
第2導電膜3を構成する材料としては、大きな反射率を有し輝度向上に有効なアルミニウム、又は銀が好ましい。その製膜方法としては、高純度な膜が製膜でき、材料本来の物性が得易い真空蒸着法が好ましい。
(封止膜4)
封止膜4は、図4に示すようにパターン化され、電気絶縁性かつ水蒸気バリア性の薄膜である。
封止膜4は、図4のように、平面視したときに、第1電極パッド部14の少なくとも一部以外の第1電極領域13、機能膜2が形成された領域、及び第2電極パッド領域33を含む第2電極領域31の全てと重畳する。さらに、封止膜4は、第2電極延伸領域32の少なくとも一部と重畳せずに形成されている。
すなわち、封止膜4は、平面視したときに発光領域103の全域と重なり、発光領域103に属する機能層2aと連続する機能膜2の他の部分も覆っている。さらに、封止膜4は、第2電極パッド領域33の全域も覆っていることが好ましい。その一方で、封止膜4は、第2電極延伸領域32に属していない。
封止膜4は、有機ELパネル100の発光領域103全体、即ち、有機EL素子8全体を基板10との間で封止する機能を有し、無機薄膜層を含むことが好ましい。
当該無機薄膜層の平均厚みは、1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
封止膜4の材料としては、十分な水蒸気バリア性を当該膜に付与せしめる観点から、無機物を例示できる。
封止膜4の材料は、酸化、及び/又は、窒化珪素であることが好ましく、無機薄膜であることがより好ましく、珪素系材料をCVD法で形成した薄膜を含むことがさらに好ましく、CVD法珪素系材料薄膜の上に湿式法珪素系材料膜を形成した多層膜とすることが特に好ましい。
当該湿式法珪素系材料膜は、ポリシラザン転化膜であることが好ましく、これらのCVD法及び湿式法の珪素系材料膜の平均膜厚としては、0.5μm以上、5μm以下であることが好ましい。
(均熱シート6)
有機ELパネル100は、封止膜4の裏面102側に均熱シート6を含むことが好ましく、平面視で発光領域103全域を含む領域を覆う均熱シート6を含むことがより好ましい。均熱シート6は、面内の均熱性に優れるグラファイトシートであることが好ましい。
(非第1電極領域)
非第1電極領域17は、図18のように、平面視したときに、積層基板の面内の第1電極領域13以外の領域であり、部分領域として4つのL字形隔離部71,72a~72cを少なくとも含んでいる。
(L字形隔離部71,72)
L字形隔離部71,72(71,72a~72c)(第1隔離領域、第2隔離領域)は、図1,図18に示すように、矩形の4つの頂点110~113の各方向に、各頂点110~113から矩形の辺105~108に沿って、直角を挟んで2方向に伸びている。
L字形隔離部71,72a~72cは、長さが等しい2線分を含んでおり、さらに、当該2線分、即ち矩形の辺105~108からの幅が各々wである。
L字形隔離部71,72a~72cは、第1電極領域13から隔離されている。
すなわち、L字形隔離部71,72a~72cは、それぞれ横方向Xに延びる横方向隔離部75と、縦方向Yに延びる縦方向隔離部76で構成されている。横方向隔離部75と縦方向隔離部76は、端部同士が接続され、当該接続部分から互いに直交する方向に直線状に延びている。横方向隔離部75及び縦方向隔離部76の幅は、ともにwである。
L字形隔離部71の横方向隔離部75の延び方向の長さは、L字形隔離部71の縦方向隔離部76の延び方向の長さと等しいことが好ましい。
L字形隔離部71,72a~72cは、図14のように、矩形の4隅に存在しており、第1電極領域13の第1導電膜1から基板10の面内において電気絶縁された基板10の面内の領域に対応する領域である。すなわち、L字形隔離部71,72a~72cは、第1電極領域13に属する第1導電膜1から電気的に隔離された領域である。
L字形隔離部71は、一頂点110近傍のみに1個存在し、L字形隔離部72a~72cは、当該一頂点110以外の矩形の残りの3つの隅(3つの頂点111~113)近傍に、各々1個ずつ存在する。
L字形隔離部71の第2電極延伸領域32には、図6,図18のように、平面視したときに、基板10の裏面102側の面上に第1導電膜1の一部として、金属酸化物のアイランド(島)たる島部20が存在する。すなわち、第1導電膜1には、L字形隔離部71の第2電極延伸領域32に島状の島部20がある。
島部20は、第2電極パッド領域33の下地となる下地部であり、L字形隔離部71と相似形状であり、「L」字状となっている。すなわち、島部20は、図18のように、第1辺105に沿った第1下地部21aと、第2辺106に沿った第2下地部21bで構成されている。
L字形隔離部72には、基板10の裏面102側の面上に第1導電膜1の一部として、金属酸化物のアイランド(島)たる島部20が存在していても良いが、存在しなくても良い。
L字形隔離部71の隔離部75,76の延び方向の長さxは、図1の有機ELパネル100のように、L字形隔離部72a~72cの隔離部75,76の延び方向の長さと同じでもよいが、図18の有機ELパネル100のようにL字形隔離部72a~72cの隔離部75,76の延び方向の長さyよりも長いことが好ましい。
例えば、図18のように、L字形隔離部71の横方向隔離部75a(第1隔離部)の長さx1は、ともに第1辺105に沿ったL字形隔離部72aの横方向隔離部75b(第3隔離部)の長さy1よりも長いことが好ましい。また、L字形隔離部71の縦方向隔離部76a(第2隔離部)の長さx2は、ともに第2辺106に沿ったL字形隔離部72cの縦方向隔離部76b(第4隔離部)の長さy2よりも長いことが好ましい。
L字形隔離部71とL字形隔離部72の長さの比x:yは、1:1から1:1.5であることが好ましく、1:1.01から1:1.3とすることがより好ましい。すなわち、L字形隔離部71の各隔離部75a,76aの長さx1,x2は、L字形隔離部72a,72cの隔離部75b,76bの長さy1,y2の1倍以上であることが好ましく、1.01倍以上であることがより好ましい。同様に、各隔離部75a,76aの長さx1,x2は、隔離部75b,76bの長さy1,y2の1.5倍以下であることが好ましく、1.3倍以下であることがより好ましい。
このような構成とすることで、一頂点110付近に電流が集中することにより生じる輝度ムラを緩和しつつ、発光領域103全体の輝度ムラを小さく目立たなくできる。
(第1電極導通経路11)
第1電極導通経路11は、有機EL素子8を構成する第1電極層1a、機能層2a、及び第2電極層3aの重畳部分の輝度ムラ(発光領域103の輝度ムラ)を低減するために、第1電極層1aの面内での電位分布幅を小さく抑えるための補助電極の機能を有する。
第1電極導通経路11は、基板10の面内において平面視したときに、図6,図16,図19に示すように、延伸経路領域34以外の領域で矩形状の発光領域103を囲む、C字形状の電気導通経路である。
第1電極導通経路11は、全ての第1電極パッド部14(14a~14d)と導通しており、第1電極パッド部14と直接接触していることが好ましい。
言い換えれば、発光領域103は、その外周が、基板10の面内において平面視したときに、当該発光領域103に係る延伸経路領域34以外の部分において、C字形状の第1電極導通経路11で囲まれている。
すなわち、第1電極導通経路11は、平面視したときに、発光領域103の外周の1/2以上の範囲を囲むように延びる導電経路である。第1電極導通経路11は、平面視したときに、発光領域103の外周の3/4以上の範囲を囲むように延びることが好ましい。
第1電極導通経路11は、図19のように、発光領域103の外側において、横辺105,108に沿って延びる横方向経路部80a,80bと、縦辺107,106に沿って延びる縦方向経路部81a,81bを有しており、経路部80a,81a,80b,81bの順に連続している。
第1電極導通経路11の材料としては、第1導電膜1の電気抵抗値に起因する有機ELパネル100の輝度ムラを低減せしめる観点から、第1導電膜1より比抵抗の小さな材料が好ましい。第1電極導通経路11の材料としては、金、銀、銅、クロム、モリブデン、アルミニウム、パラジウム、スズ、鉛、マグネシウムなどの金属や、これらの金属のうち少なくとも1種を含む合金などを採用してもよい。
これらの材料からなる第1電極導通経路11は、真空蒸着やスパッタなどの乾式プロセスによって作製してもよいし、ディスペンサ塗布法やスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの湿式プロセスによって作製してもよい。
これらの方法で作製した第1電極導通経路11の幅と厚みについては、有機ELパネル100のサイズと第1電極導通経路11の材料の比抵抗を考慮し、有機ELパネル100の輝度ムラを低減可能な値に設計すればよい。
本実施形態の第1電極導通経路11は、導電性ペーストによって形成された金属配線である。
また、このような第1電極導通経路11は、図13,図17のように、その表面となる裏面102側が、絶縁層12で覆われていることが好ましく、その全表面が当該絶縁層12で覆われていることがより好ましい。
(絶縁層12)
絶縁層12は、第1電極導通経路11を電気的に絶縁することを目的に設けられる。
絶縁層12の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの絶縁性を有する有機化合物、酸化珪素や窒化珪素などの無機化合物を用いることができる。また、絶縁層12の作製方法としては、粘着材が付いたシート状のPETフィルム等を貼付ける方法、熱硬化型、又は紫外線硬化型の樹脂を含むペーストを塗布した後に硬化処理を施す方法、前記珪素系材料をCVDなどの真空プロセスで製膜する方法が挙げられる。
(一回路基板5)
一回路基板5は、基板10の面内の一頂点110近傍に固定されてなる回路基板であり、該固定されてなる唯一の回路基板であることが好ましい。以下、本明細書ではこのような「一回路基板5」を回路基板5としても記載する。
回路基板5は、図7,図17のように、横方向Xに延びる横方向回路部55と、縦方向Yに延びる縦方向回路部56を備えており、横方向回路部55と縦方向回路部56の端部同士が接続され、互いに直交する方向に延びている。
横方向回路部55は、有機ELパネル100の第1辺105の長さよりも短く、縦方向回路部56の長さは、有機ELパネル100の第2辺106の長さよりも短い。
回路基板5は、図17のように、第1電極線パッド部51を有する第1電極線、及び第2電極線パッド部52を有する第2電極線を備えている。
第2電極線の第2電極線パッド部52は、図13,図17(a)のように、第2電極延伸領域32の第1導電膜1と、間接的に、又は、直接的に導電接着されている。
第1電極線の第1電極線パッド部51は、第1頂点110を挟んで隣接する2つの第1電極パッド部14a,14bたる隣接挟持両第1電極パッド部15と、間接的に、又は、直接的に導電接着されている。
第2電極線の第2電極線パッド部52は、図13,図17(b)のように、導電接着材53によって第2電極延伸領域32の第1導電膜1と直接的に導電接着されていることが好ましく、第1電極線の第1電極線パッド部51は、導電接着材53によって隣接挟持両第1電極パッド部15の第1導電膜1と直接的に導電接着されていることが好ましい。
隣接挟持両第1電極パッド部15は、第2電極延伸領域32を挟持しこれと隣接する2つの第1電極パッド部14a,14bである。すなわち、回路基板5は、横方向回路部55と縦方向回路部56の先端部近傍に第1電極線パッド部51が設けられており、第1電極パッド部14a,14bと電気的に接続されている。
回路基板5は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)を例示できる。
回路基板5は、各隣接挟持両第1電極パッド部15,15に対応する位置に各隣接挟持両第1電極パッド部15,15と導電接着される各第1電極線パッド部51,51を有する第1電極線を備え、第2電極延伸領域32に対応する位置に第2電極延伸領域32と導電接着される第2電極線パッド部52を有する第2電極線を備えていることが好ましい。
第1電極線の第1電極線パッド部51と隣接挟持両第1電極パッド部15の導電接着、及び第2電極線の第2電極線パッド部52と第2電極延伸領域32の導電接着に使用する導電接着材53には、ACF(Anisotropic Conduvtive Film)、この他にも半田や銀(Ag)ペースト、導電フィルムなどの接着手段を用いることができ、さらに、電気的な接続を行えるものであれば、これらに限られるものではない。
このように、上記に例示した有機ELパネル100は、透光性絶縁基板10を含み、発光面101及び裏面102を両主面とし、発光面101の中央に矩形の発光領域103を有し、かつ、透光性絶縁基板10上に、裏面102側に向かって順に、各々パターン化された薄膜の、金属酸化物の第1導電膜1、有機化合物を含む機能膜2、金属の第2導電膜3、及び電気絶縁性かつ水蒸気バリア性の封止膜4を含む矩形の有機ELパネル100であり、基板10の面内において、第1導電膜1が、矩形の4辺方向に各々突出する第1電極パッド部14a~14dを含む連続する第1電極領域13と、第2電極延伸領域32と、に少なくとも形成されてなり、第2導電膜3が、矩形の一頂点110の方向のみに突出する第2電極パッド領域33を含む連続する第2電極領域31に少なくとも形成されてなり、封止膜4が平面視、第1電極パッド部14a~14d以外の第1電極領域13、機能膜2が形成されてなる領域、及び、第2電極パッド領域33を含む第2電極領域31の全てと重畳し、かつ、第2電極延伸領域32と重畳せず、形成されてなり、第2電極パッド領域33の第2導電膜3が、延伸経路領域34にて、第2電極延伸領域32の第1導電膜1と導通し、基板10の面内において平面視、発光領域103の延伸経路領域34以外の外周が、C字形状の第1電極導通経路11であって、第1電極パッド部14a~14dの全てと直接接する第1電極導通経路11で囲まれてなり、さらに、基板10の面内の一頂点110近傍に固定された一つの回路基板5を備え、一回路基板5が、第1電極線、及び第2電極線を含み、第2電極線が、第2電極延伸領域32と導電接着され、第1電極線が、隣接挟持両第1電極パッド部15,15と導電接着され、隣接挟持両第1電極パッド部15,15が、第2電極延伸領域32を挟持しこれと隣接する、2つの第1電極パッド部14a,14bである。
この構成によれば、実質的に、回路基板5からの給電を、一頂点110近傍のみから行い、かつ、金属酸化物の第1電極層1aへの給電を、延伸経路領域34を除く封止膜4の外周に配置した第1電極導通経路11を介して行う。そのため、回路基板5(例えば、FPC)の小型化によるコストダウンと、輝度ムラの抑制又はムラが目立たなくすることとを両立しながら、狭額縁化に伴う回路基板5の接着強度低下に対応しており、また、水分の素子への侵入を十分抑制可能な、より高い長期信頼性を有する。
すなわち、上記に例示した有機ELパネル100は、回路基板5の小型化が可能なので、そのコストダウン効果により低コストであり、より低輝度ムラであり、より高い信頼性を有する。さらに、上記に例示した有機ELパネル100は、発光領域103を拡大することで狭額縁化しても、それに起因する回路基板5の接着強度の低下による信頼性の低下を解消できる。
上記に例示した有機ELパネル100は、基板10の面内の第1電極領域13以外の非第1電極領域17が、矩形の4つの頂点110~113の各方向に、頂点110~113から直角に伸び、かつ、長さが等しい2線分を含むL字形隔離部71,72a~72cであって、2線分からの幅がwであり、かつ、第1電極領域13から隔離されたL字形隔離部71,72a~72cを含む。
この構成によれば、パネル外形に対する発光領域103の面積比である、面積効率を向上できるだけでなく、パネル外形における発光領域103の位置を中央にできる。そのため、見映えが良く、外部給電に係る電位印加部をパネル外形から均等に離すことができ、絶縁性の確保が容易となる。
上記に例示した有機ELパネル100は、一頂点110の方向のL字形隔離部71の線分の長さxは、一頂点110方向以外の3方向のL字形隔離部72a~72cの線分の長さyより長い。
この構成によれば、高くなりがちな一頂点110近傍の発光領域103の輝度を、当該3方向の頂点111~113近傍の発光領域103の輝度と同程度に抑えることが可能となる。
上記に例示した有機ELパネル100は、第1導電膜1は、さらに、L字形隔離部71内に、同様にL字形の金属酸化物アイランドとして形成されている。
この構成によれば、第1電極導通経路11の透光性絶縁基板10上への付着が、第1電極パッド部14a~14dにおける付着と同じく、第1導電膜1を介して行われることとなる。そのため、その付着に係る強度を、頂点110の近傍部を含む面内でほぼ一定に維持可能となるので、信頼性が向上する。
上記に例示した有機ELパネル100は、さらに、封止膜4の裏面102側に、平面視で発光領域103全域を含む均熱シート6として、グラファイトシートを含む。
この構成によれば、発光領域103内での温度ムラを極小化できるので、輝度ムラをより低減可能である。
上記に例示した有機ELパネル100は、点灯時の発光領域103の面内での輝度分布の幅である輝度ムラが小さい。
輝度ムラを小さくするには、有機ELパネル100の局所での電位分布を以下の通りにすることが例示できる。
例えば、有機ELパネル100は、その点灯時に、発光領域103内の一頂点110の方向T1(中央側からみて一頂点110に向かう方向)の反対方向であって、対向する対向頂点112への対角方向T2への、矩形の対向頂点112から一頂点110に沿う、発光領域103の対角線L(図18参照)上における、第1電極領域13及び第2電極領域31の局所電位が共通に対角方向T2にて、上に凸に短距離で一旦上昇し極大点を迎え、その後下に凸に短距離より長い長距離で上昇することが挙げられる。
すなわち、第1電極領域13及び第2電極領域31のそれぞれの電位分布を同様の波形又は近似した波形にすることで、第1電極領域13及び第2電極領域31の各々対応する局所での電位差Vが一定に維持できる。その結果、発光領域103の機能膜2には、どの位置でも均等に電位が印加され、小輝度ムラとなり、面内輝度ムラが従来のパネルと同等以上に低減できる。
図21に例示した有機ELパネル100によれば、L字形隔離部71の隔離部75,76の長さx1,x2がL字形隔離部72a,72cの隔離部75,76の長さy1,y2と等しい場合(図20)に比べて、第1電極パッド部14a,14bの位置が頂点110から離れる方向にシフトしており、第2電極パッド領域33の幅も広くなっている。そのため、第1電極層1aの対角線L上の電位分布の頂点110に近接する極大点が頂点110から離れる方向にシフトし、第2電極層3aの対角線L上の電位分布の立ち上がりも頂点110から離れる方向にシフトする。その結果、頂点110付近に電流が集中することを抑制でき、発光領域103での輝度ムラを小さくできる。
また、図21に例示した有機ELパネル100は、点灯時において平面視したときに、第1導電膜1の第1本体部19の第1頂点110を通過する対角線L上の電位分布は、2つの極大点と、2つの極大点に挟まれた極小点を有しており、極小点の位置は、中心よりも第1頂点110とは反対側(対向頂点112側)に位置している。
そのため、図20に例示した有機ELパネル100に比べて、電位分布が平滑化されており、輝度ムラを小さくできる。
上記した実施形態では、L字形隔離部71の第2電極延伸領域32に下地として島部20を形成していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2導電膜3と基板10との接着性が良好な場合には、島部20を設けなくてもよい。
上記した実施形態では、第1電極層1aと第2電極層3aのそれぞれの電位分布のピーク位置を調整するためにL字形隔離部71の長さxを調整していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1電極層1aと第2電極層3aのそれぞれの電位分布を調整するために、第1電極導通経路11の抵抗率を調整して第1電極パッド部14a,14bと第1電極パッド部14c,14dとの間の電位差を大きくしてもよいし、第1電極パッド部14の個数を調整してもよい。
上記した実施形態では、第1導電膜1が金属酸化物の薄膜であり、第2導電膜3が金属の薄膜であり、第1導電膜1のシート抵抗に比べて第2導電膜3のシート抵抗が極めて小さい場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1導電膜1とのシート抵抗と第2導電膜3のシート抵抗の差が小さい場合には、第1電極層1aの対角線L上の電位分布と第2電極層3aの対角線L上の電位分布が近似した形状を取り、第1電極層1aと第2電極層3aの対角線L上の各位置における電位差Vが一定の範囲に収まるように第1電極パッド部14の位置や数、第2電極パッド領域33の面積や形状を調整することが好ましい。
上記した実施形態では、有機ELパネル100は、矩形状であったが、本発明はこれに限定されるものではない。有機ELパネル100は、少なくとも一つの頂点110を有するものであれば、他の形状、例えば、三角形状や五角形状、六角形状などの多角形状であってもよく、この中でも正多角形状であることが好ましい。
上記した実施形態では、有機ELパネル100がボトルエミッション型の有機ELパネルである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トップエミッション型の有機ELパネルであってもよい。
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
まず、縦横9cm×9cmサイズのガラス基板上に、第1導電膜1として表面にインジウム錫酸化物(以下、ITOと略す)膜が形成された透明電極付き基板を準備し、当該ITO膜をパターニングすることで、素子形成用基板を作製した。
次に、この素子形成用基板中央の8cm×8cm領域のITO膜上に、機能膜2(有機機能層)として、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層をマスク製膜した。さらにその上に、第2導電膜3を形成するための異なるマスクを用いて、第2導電膜3たるアルミニウム(Al)膜をマスク製膜することで有機EL素子を含む積層体を形成した。さらにその上に、封止膜4を形成するための異なるマスクを用いて、当該有機EL素子の全面を覆うように無機封止膜4を形成した。
なお、L字形隔離部71、72の線分長さと幅については、第1導電膜1、第2導電膜3、封止膜4のパターニングにより画定した。本実施例においては、L字形隔離部71の線分長さxを20mm、L字形隔離部72の線分長さyを20mm、線分からの幅wはL字形隔離部71、72ともに2.5mmとした。
次に、第1電極導通経路11として、発光領域103の延伸経路領域34以外の外周に、第1電極パッド部14の全てと直接接するように、比抵抗が2×10-5 Ω・cmの銀ペーストをディスペンサにより塗布し、95℃で1h加熱乾燥することで、長さ310mm、幅1.3mm、抵抗1Ωの給電用配線を作製した。
続いて、厚さ50μmの粘着層付きPETフィルムを給電用配線に貼り付け、給電用配線を電気的に絶縁するための絶縁層12を作製した。
次に、回路基板5として、第1電極線と第2電極線を含み、長さの等しい2線分からなるL字形のFPC(線分長さ35mm)を用意した。当該FPCを、第2電極線の第2電極線パッド部52が第2電極延伸領域32と、第1電極線の第1電極線パッド部51が隣接挟持両第1電極パッド部15と電気的に接続されるように導電接着材53として異方性導電フィルム(ACF)を用いて加熱圧着した。
このようにして、実施例1として、矩形有機ELパネルの一頂点のみに回路基板5たるFPCを備えた有機ELパネルを作製した。
(実施例2)
実施例2として、実施例1における、L字形隔離部71の線分長さxを25mm、それに伴いL字形FPCの線分長さを40mmとし、実施例1と同様に有機EL素子、及び無機封止層を形成することで、実施例2の有機ELパネルを作製した。
このようにして、実施例2として、矩形有機ELパネルの一頂点のみに回路基板5たるFPCを備え、かつ、L字形隔離部71の線分長さxが、L字形隔離部72の線分長さyよりも5mm長い有機ELパネルを作製した。
(比較例)
比較例では、図8及び図9に示すように、実施例1における、第2電極延伸領域32、第2電極パッド領域33、延伸経路領域34を、矩形有機ELパネルの4つの頂点全てに形成されるよう第1導電膜1のITOと第2導電膜3のAlのパターンを変更した。また、比較例では、図10に示すように、実施例1における、第1電極導通経路11の銀ペースト及び絶縁層12のPETフィルムを形成しなかった。さらに、比較例では、回路基板5として、4頂点の第2電極延伸領域32に対応した第2電極線と、4辺全ての第1電極パッド部14に対応した第1電極線を含む、口の字形のFPCを、発光領域外周の全周に、ACFを用いて加熱圧着した。
このようにして比較例として、矩形有機ELパネルの全周にFPCを備えた有機ELパネルを作製した。
実施例1、実施例2、及び比較例の有機ELパネルに、FPCを介して4.5mA/cmの定電流を給電し、輝度計により、図11に示す有機ELパネルの面内の9点の輝度を測定することで、下記(数式1)による面内輝度均一性(%)を算出し、実施例1、実施例2、比較例の面内輝度均一性を比較した。なお、図11は、実施例2の平面図である。
Figure 0007295222000001
表1に、実施例1、実施例2、及び比較例の面内輝度均一性(9点輝度均一性)の比較結果をまとめて示す。
Figure 0007295222000002
さらに、実施例1,2及び比較例の有機ELパネルを作製した際の製造コストを比較した。表2に、実施例1,2及び比較例の有機ELパネル製造コストの比較結果をまとめて示す。
Figure 0007295222000003
表1から明らかなように、L字形隔離部71の線分長さxがL字形隔離部72の線分長さyよりも5mm長い実施例2の有機ELパネルは、L字形隔離部71の線分長さxがL字形隔離部72の線分長さyと等しい実施例1の有機ELパネルに対して、L字形FPCを備えた一頂点付近の電流集中が緩和されたことによる輝度均一性の改善がみられた。また、実施例2の有機ELパネルは、矩形有機ELパネルの全周にFPCを備えた比較例の有機ELパネルと同等の面内輝度均一性が得られた。
さらに、実施例1及び実施例2の有機ELパネルは、矩形有機ELパネルの一頂点のみにFPCを備えるため、矩形有機ELパネルの全周にFPCを備える比較例の有機ELパネルに対して、FPC及びACF分の製造コストを大幅に削減できた。また、実施例1及び実施例2の、銀ペーストで形成した給電用配線と絶縁層の製造コストは、前記FPC、及びACF削減分の製造コストに対して、1/10程度であり、表2に示すように、有機ELパネル全体の製造コストを下げることが可能となる。
以上の結果より、本発明に係る実施例によって、回路基板(FPC)の小型化によるコストダウンと輝度ムラの抑制を両立することができた。
また、実施例1及び実施例2のFPCは、小型で接着面積が小さいものの、小面積であることが幸いし温度変化に伴う基板との線膨張係数の差異に伴い発生する応力が小さく、大面積のFPCが接着されてなる比較例のパネルより長期信頼性に優れていた。また、実施例1及び実施例2のパネルではFPCが直角を挟む2辺に沿い接着されているので、引っ張り等の外部からの機械的衝撃に対しても、比較例のパネルと遜色が無かった。
10:透光性絶縁基板
1:第1導電膜
11:第1電極導通経路
12:絶縁層
13:第1電極領域
14:第1電極パッド部
14a:第1電極パッド部
14b:第1電極パッド部(第2電極パッド部)
14c:第1電極パッド部(第3電極パッド部)
14d:第1電極パッド部(第4電極パッド部)
15:隣接挟持両第1電極パッド部
2:機能膜
3:第2導電膜
31:第2電極領域
32:第2電極延伸領域
33:第2電極パッド領域
34:延伸経路領域
4:封止膜
5:回路基板
51:第1電極線パッド部
52:第2電極線パッド部
6:均熱シート(グラファイトシート)
71:L字形の金属酸化物アイランドが領域内に存在し、かつ、線分長さがxのL字形隔離部(第1隔離領域)
72:線分長さがyのL字形隔離部(第2隔離領域)
75a:L字形隔離部71の横方向隔離部(第1隔離部)
75b:L字形隔離部72aの横方向隔離部(第3隔離部)
76a:L字形隔離部71の縦方向隔離部(第2隔離部)
76b:L字形隔離部72cの縦方向隔離部(第4隔離部)
8:導電接着剤

Claims (10)

  1. 発光面及び裏面を両主面とし、平面視したときに、第1頂点部を挟んで隣接する第1辺と第2辺を含み、かつ前記発光面の中央に発光領域を有する有機ELパネルであって、
    基板上に、前記裏面側に向かって順に、第1導電膜、有機機能膜、第2導電膜、及び封止膜がそれぞれパターン化されて形成されており、
    平面視したときに、少なくとも第1電極領域と第2電極延伸領域があり、
    前記第1導電膜は、平面視したときに、前記第1電極領域において、前記発光領域と重なる第1本体部と、前記第1本体部から前記第1辺に向かって張り出した第1電極パッド部と、前記第1本体部から前記第2辺に向かって張り出した第2電極パッド部を含み、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部が前記第1本体部を介して連続しており、
    前記第2導電膜は、平面視したときに、前記発光領域と重なる第2本体部と、前記第2本体部から前記第1頂点部側に向かって突出し前記第2電極延伸領域に至る第2電極パッド領域を含み、
    前記封止膜は、平面視したときに、前記第2電極延伸領域には属さずに前記発光領域の全域と重なり、さらに前記発光領域に属する前記有機機能膜と連続する前記有機機能膜の他の部分を覆っており、
    第1電極導通経路と、回路基板を有し、
    前記第1電極導通経路は、平面視したときに、前記発光領域の外周の半分以上を囲むように延びて前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部を接続しており、
    前記回路基板は、第1電極線と第2電極線を含み、前記第1頂点部の近傍に固定されており、
    前記第1電極線は、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と接着されて導通しており、
    前記第2電極線は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域と直接的又は間接的に接着されて導通している、有機ELパネル。
  2. 平面視したときに、第2頂点部を挟んで前記第1辺と隣接する第3辺があり、
    前記第1電極領域から隔離された第1隔離領域と第2隔離領域を含み、
    前記第1隔離領域は、前記第1頂点部から前記第1辺に沿って前記第1電極パッド部まで延びた第1隔離部と、前記第1頂点部から前記第2辺に沿って前記第2電極パッド部まで延びた第2隔離部を含み、
    前記第2隔離領域は、前記第2頂点部から前記第1辺に沿って前記第1電極パッド部まで延びた第3隔離部を含み、
    前記第1隔離部の長さは、前記第3隔離部の長さよりも長い、請求項1に記載の有機ELパネル。
  3. 前記第1隔離部の長さは、前記第2隔離部と長さが等しい、請求項2に記載の有機ELパネル。
  4. 前記第1隔離部の幅は、前記第2隔離部の幅と等しい、請求項2又は3に記載の有機ELパネル。
  5. 前記第1電極領域から隔離された第1隔離領域を含み、
    前記第1導電膜は、金属酸化物で構成され、前記第1隔離領域内に前記第1電極領域から電気的に切り離された島部を有し、
    前記第2電極延伸領域は、前記第1隔離領域の一部に属しており、
    前記島部は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域と接着されており、
    前記第2電極線は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域又は前記島部と導電接着されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の有機ELパネル。
  6. 前記封止膜の前記裏面側に均熱シートを有し、
    前記均熱シートは、グラファイトシートであって、平面視したときに前記発光領域の全域と重なる、請求項1~5のいずれか1項に記載の有機ELパネル。
  7. 前記第1電極パッド部は、前記第1辺の延び方向において、前記第1辺の中点よりも前記第1頂点部とは反対側に偏って設けられており、
    前記第2電極パッド部は、前記第2辺の延び方向において、前記第2辺の中点よりも前記第1頂点部とは反対側に偏って設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の有機ELパネル。
  8. 平面視したときに前記第1辺と前記第2辺と第3辺と第4辺を各辺とする長方形状又は正方形状であり、
    前記第1本体部から前記第3辺に向かって張り出した第3電極パッド部と、前記第1本体部から前記第4辺に向かって張り出した第4電極パッド部を含み、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と前記第3電極パッド部と前記第4電極パッド部が前記第1本体部を介して連続しており、
    前記第3電極パッド部は、前記第3辺の延び方向において、前記第3辺の中点の近傍に設けられており、
    前記第4電極パッド部は、前記第4辺の延び方向において、前記第4辺の中点の近傍に設けられている、請求項7に記載の有機ELパネル。
  9. 平面視したときに長方形状又は正方形状であり、
    前記第1電極領域から隔離された第1隔離領域と第2隔離領域を含み、
    前記第1隔離領域は、前記第1頂点部から前記第1辺に沿って前記第1電極パッド部まで延びた第1隔離部と、前記第1頂点部から前記第2辺に沿って前記第2電極パッド部まで延びた第2隔離部を有し、
    前記第1本体部は、点灯時において平面視したときに、前記第1頂点部を通過する対角線上の電位分布が2つの極大点と前記2つの極大点に挟まれた極小点を有しており、
    前記極小点の位置は、前記第1本体部の中心よりも前記第1頂点部とは反対側に位置している、請求項1~8のいずれか1項に記載の有機ELパネル。
  10. 発光面及び裏面を両主面とし、前記発光面の中央に発光領域を有し、平面視したときに第1辺と第2辺と第3辺と第4辺を各辺とする四角形状の有機ELパネルであって、
    前記第1辺と前記第2辺は、第1頂点部を挟んで隣接しており、
    基板上に、前記裏面側に向かって順に第1導電膜、有機機能膜、第2導電膜、及び封止膜がそれぞれパターン化されて形成されており、
    平面視したときに、少なくとも第1電極領域と第2電極延伸領域があり、
    前記第1導電膜は、前記第1電極領域において、前記発光領域に属する第1本体部と、前記第1本体部から前記第1辺に向かって張り出した第1電極パッド部と、前記第1本体部から前記第2辺に向かって張り出した第2電極パッド部と、前記第1本体部から前記第3辺に向かって張り出した第3電極パッド部と、前記第1本体部から前記第4辺に向かって張り出した第4電極パッド部を含み、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と前記第3電極パッド部と前記第4電極パッド部が前記第1本体部を介して連続しており、
    前記第2導電膜は、平面視したときに、前記発光領域に属する第2本体部と、前記第2本体部から前記第1頂点部側に向かって突出し前記第2電極延伸領域に至る第2電極パッド領域を含み、
    前記封止膜は、平面視したときに、前記第2電極延伸領域には属さずに前記発光領域の全域と重なり、さらに前記発光領域に属する有機機能膜と連続する有機機能膜及び前記第2電極パッド領域を覆っており、
    第1電極導通経路と、回路基板を有し、
    前記第1電極導通経路は、平面視したときに、前記発光領域の外周の半分以上を囲むように延びて、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と前記第3電極パッド部と前記第4電極パッド部を接続しており、
    前記回路基板は、第1電極線と第2電極線を含み、前記第1頂点部の近傍に固定されており、
    前記第1電極線は、前記第1電極パッド部と前記第2電極パッド部と接着されて導通しており、
    前記第2電極線は、前記第2電極延伸領域において、前記第2電極パッド領域と直接的又は間接的に接着されて導通している、有機ELパネル。
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