JP7294524B2 - 搬送システム - Google Patents

Description

本発明の一側面は、搬送システムに関する。

搬送システムに関する技術して、特許文献１に記載された表面実装装置が知られている。特許文献１に記載された表面実装装置は、ヘッドユニット（搬送装置）と、ヘッドユニットに連結されるケーブルベア（登録商標，ケーブル部）と、を備える。特許文献１に記載された表面実装装置では、ケーブルベアとケーブルベアをガイドするガイド部材との間に、ゴム等の防振材が設けられている。

特許第４９８６６６８号公報

上述した技術では、ケーブル部の移動に伴う振動を防振材により抑制することが図られている。しかし、上述した技術では、防振材がケーブル部との接触により摩耗することから、防振材が劣化しやく、システムの振動抑制性能の耐久性が低いという問題がある。

そこで、本発明の一側面は、ケーブル部の移動に伴う振動を抑制すると共に、振動抑制性能の耐久性を向上させることが可能な搬送システムを提供することを課題とする。

本発明の一側面に係る搬送システムは、物品を搬送する搬送装置と、一端が搬送装置に接続され、他端が地上側に固定され、搬送装置の移動に応じて移動するケーブル部と、ケーブル部を載置可能に設けられた載置部と、を備え、載置部は、ベースと、ベースに設けられベースよりも制振性が高い第１制振部材と、を有し、第１制振部材は、当該第１制振部材上でケーブル部を支持しない。

この搬送システムでは、第１制振部材により、ケーブル部の移動に伴う振動を抑制することができる。また、第１制振部材とケーブル部との接触による摩耗が生じず、且つ、第１制振部材にはケーブル部の荷重が作用しないことから、第１制振部材は劣化しにくい。よって、振動抑制性能の耐久性を向上させることが可能となる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、載置部に載置されたケーブル部は、その一部が載置部と接触しており、第１制振部材は、上方から見て、ケーブル部の当該接触面と重ならない位置に設けられていてもよい。この場合、第１制振部材がケーブル部を支持しない構成を具体的に実現できる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、載置部に載置されたケーブル部は、その幅方向の両側部で載置部と接触しており、第１制振部材は、上方から見て、ケーブル部の当該両側部の間に配置されていてもよい。この場合、上方から見て第１制振部材がケーブル部との接触面と重ならない構成を具体的に実現できる。また、両側部の間のスペースを活用することができ、省スペース化が可能となる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、ケーブル部は、搬送装置に接続された電力ケーブル及び信号ケーブルの少なくとも何れかと、搬送装置に接続され、電力ケーブル及び信号ケーブルの少なくとも何れかを内部に収容すると共に、搬送装置の移動に電力ケーブル及び信号ケーブルの少なくとも何れかが追従するように当該電力ケーブル及び当該信号ケーブルの少なくとも何れかを案内するケーブル収容部と、を有していてもよい。この場合、ケーブル部を具体的に構成することができる。また、電力ケーブル及び信号ケーブルの少なくとも何れかを、保護した状態で搬送装置の移動に追従させることができる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、搬送装置は、第１方向に移動するように構成され、ベースは、当該ベースに載置されたケーブル部の第１方向と交差する第２方向への移動を規制する規制部を含んでいてもよい。この場合、規制部によりケーブル部が第２方向にずれるのを抑制することができる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、載置部は、ベースに設けられ第１制振部材とは異なる材料で形成された第２制振部材を有し、第２制振部材は、当該第２制振部材上でケーブル部を支持してもよい。ケーブル部の移動に伴う振動を一層抑制することが可能となる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、第２制振部材は、上方から見て、ケーブル部が載置部と接触する接触面と重なる位置に設けられていてもよい。この場合、第２制振部材がケーブル部を支持する構成を具体的に実現できる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、載置部は、第２制振部材上に設けられ第２制振部材よりも硬い材料で形成された保護部材を有していてもよい。これにより、第２制振部材を保護することができる。

本発明の一側面に係る搬送システムでは、載置部は、保護部材上に設けられ保護部材よりも摩擦係数が小さい材料で形成された平滑部材を有していてもよい。これにより、ケーブル部との接触により保護部材が摩耗してしまうことを抑制することができる。

本発明の一側面に係る搬送システムは、物品を収容する棚を複数有するストッカと、ストッカを支持する架台と、を備え、載置部は、架台に取り付けられていてもよい。この場合、ケーブル部の移動に伴う振動は、架台を介してストッカ及び物品に伝播しやすい。物品の振動抑制は重要であることから、ケーブル部の移動に伴う振動を抑制する上記効果は特に有効である。

本発明の一側面によれば、ケーブル部の移動に伴う振動を抑制すると共に、振動抑制性能の耐久性を向上させることが可能な搬送システムを提供することができる。

図１は、実施形態に係る搬送システムを示す正面図である。 図２は、実施形態に係るスタッカクレーンを示す斜視図である。 図３は、実施形態に係るケーブル部の概略を示す正面図である。 図４は、実施形態に係るケーブル部、固定ガイド及びガイドローラを示す斜視図である。 図５は、実施形態に係る固定ガイド及びガイドローラを示す側面図である。 図６は、実施形態に係る固定ガイドを示す側面図である。 図７は、実施形態に係る固定ガイドを示す斜視図である。 図８は、実施形態に係る固定ガイドの一部を拡大して示す側断面図である。 図９は、実施形態に係るガイドローラを示す斜視図である。 図１０は、図９のＸ－Ｘ線に沿う断面図である。 図１１は、実施例及び比較例の騒音試験結果を示す図である。

以下、図面を参照しつつ実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

図１に示されるように、一実施形態の搬送システム１は、複数のストッカ２を備える。ストッカ２は、ストッカ本体３の内部をスタッカクレーン７が走行し、ストッカ本体３の内部に設けられた複数の棚Ｓと入出庫ポート（図示せず）との間で物品を搬送する。ストッカ２には、例えば、スタッカクレーン７によって搬送されてきた物品が保管される。物品は、例えば、半導体製造装置又は液晶製造装置等で処理されるウエハを収容するＦＯＵＰ（Front-Opening Unified Pod)、及び半導体製造装置又は液晶製造装置等で用いられるレチクルを収容するレチクルポッド等の容器である。

搬送システム１では、二つ（複数）のストッカ２Ａ，２Ｂが、スタッカクレーン７の走行方向に配列されている。搬送システム１では、それぞれのストッカ２の内部に、二台のスタッカクレーン７（７Ａ，７Ｂ）が配備さている。ストッカ２は、ストッカ本体３、ラック４、及びスタッカクレーン７Ａ，７Ｂを備える。ストッカ２は、架台８により支持されている（図５参照）。以下、便宜上、スタッカクレーン７の走行方向をＸ方向（第１方向）とし、鉛直方向をＺ方向とし、Ｘ方向及びＺ方向と直交する水平方向をＹ方向（第２方向）として説明する。

ストッカ本体３は、例えば中空の直方体状に形成されている。ストッカ本体３には、スタッカクレーン７が走行する走行レール３１と、走行レール３１とＺ方向に対向するように配置された補助レール３２と、がＸ方向に沿って敷設されている。スタッカクレーン７は、走行レール３１及び補助レール３２に沿って走行（移動）する。スタッカクレーン７は、棚Ｓと入出庫ポートとの間で物品を搬送し、棚Ｓに対して物品の移載を行う搬送装置である。ラック４は、ストッカ本体３内においてＸ方向に沿って設けられている。ラック４は、走行レール３１を介して互いに向かい合うように対で配置されている。ラック４には、物品が収容される棚Ｓが複数設けられている。

図２及び図３に示されるように、スタッカクレーン７は、走行部７１、マスト７２、移載部７５、及び補助走行部９０を備える。走行部７１は、走行用モータ７８、昇降用モータ８２、及びハウジング８５を有する。走行部７１は、走行レール３１に沿って走行する。走行部７１は、走行レール３１の上面に沿って転動する駆動輪を含む。走行用モータ７８は、走行用駆動輪７６の駆動源である。昇降用モータ８２は、昇降台７３の駆動源である。ハウジング８５は、走行用モータ７８及び昇降用モータ８２を収容する。なお、図２では、ハウジング８５が取り外された状態が示されている。マスト７２は、走行部７１の上部にＺ方向に立設されている。移載部７５は、棚Ｓとの間で物品を移載すると共に、入出庫ポートとの間で物品を移載する。補助走行部９０は、補助レール３２に沿って走行する。補助走行部９０は、補助レール３２を挟み込んだ状態で転動する一対の駆動輪を含む。

図３及び図４に示されるように、搬送システム１は、ケーブル部１０を備える。ケーブル部１０は、一端１０ａがスタッカクレーン７に接続され、他端が地上側に固定され、スタッカクレーン７の移動に応じて移動する。ケーブル部１０は、長尺の形状を呈する。ケーブル部１０は、スタッカクレーン７からＸ方向の一方側に延びる上段部１０ｘと、上段部１０ｘからＵ字状に下方へ折り返すように延びるＵ字部１０ｙと、Ｕ字部１０ｙからＸ方向の他方側に延びる下段部１０ｚと、を含む。ケーブル部１０は、スタッカクレーン７がＸ方向の一方側又は他方側に移動した場合、それに伴って一端１０ａ及びＵ字部１０ｙが一方側又は他方側にストローク（移動）するように移動する。

ケーブル部１０は、電力ケーブル１１及びケーブルベア１５を有する。電力ケーブル１１は、スタッカクレーン７に接続されると共に、ストッカ２内の電源部（図示せず）に接続される。これにより、スタッカクレーン７は、電力ケーブル１１を介して電源部から給電される。電力ケーブル１１としては特に限定されず、種々の形状又は仕様のケーブルを用いることができる。

ケーブルベア１５は、電力ケーブル１１を内部に収容し、電力ケーブル１１を保護する。これと共に、ケーブルベア１５は、スタッカクレーン７の移動に電力ケーブル１１が追従するように当該電力ケーブル１１を案内する。ケーブルベア１５は、ケーブル収容部を構成する。ケーブルベア１５は、可動端及び固定端を有する。ケーブルベア１５の可動端は、スタッカクレーン７の走行部７１に接続されている。ケーブルベア１５の固定端は、ストッカ２の架台８（図５参照）に取り付けられて固定されている。ケーブルベア１５は、Ｙ方向に沿った軸回りの方向のみに曲がるように構成されている。ケーブルベア１５としては特に限定されず、種々の形状又は仕様の部品を用いることができる。

図４及び図５に示されるように、搬送システム１は、ケーブル部１０を案内するケーブルガイド２０を備える。ケーブルガイド２０は、固定ガイド２１及びガイドローラ４１を有する。固定ガイド２１は、ケーブル部１０を載置可能に設けられた載置部を構成する。固定ガイド２１は、ケーブル部１０における下段部１０ｚのケーブルベア１５に接触（当接）する。固定ガイド２１は、下段部１０ｚを支持しつつ、下段部１０ｚがずれないように案内する。固定ガイド２１は、ケーブルベア１５の固定端に近接する位置からＸ方向の一方側へ延在するように設けられている。なお、図５では、ケーブル部１０の図示を省略する（図７も同様）。

固定ガイド２１は、ベース２２、第１制振部材２４、第２制振部材２５、保護部材２６及び平滑部材２７を有する。ベース２２は、Ｚ方向を厚さ方向とし且つＸ方向に延在する板状の部材である。ベース２２のＹ方向の幅は、ケーブルベア１５のＹ方向の幅に対応する。ベース２２は、ストッカ２を支持する架台８の桁部材８ａに、固定ガイド取付用ステー２８を介して片持ち支持されている。

桁部材８ａは、ストッカ２の下方においてＸ方向に延在する部材である。固定ガイド取付用ステー２８は、Ｙ方向に長尺で且つ屈曲された板状を呈する部材である。固定ガイド取付用ステー２８は、ベース２２を載置すると共に、当該ベース２２とネジＮ１で固定されている。固定ガイド取付用ステー２８の先端側は、上方に直角に折れ曲がる形状を成し、後述の規制壁２３の外面に近接している。固定ガイド取付用ステー２８の基端側は、桁部材８ａの上面にネジＮ２で固定されている。これにより、固定ガイド２１が架台８に取り付けられる。ベース２２は、規制壁（規制部）２３を含む。

規制壁２３は、ベース２２のＹ方向の両端から上方へ突出する板状の部材である。規制壁２３は、ベース２２のＹ方向の両端に連なるように設けられている。換言すると、規制壁２３は、ベース２２のＹ方向の両端から上方に直角に折れ曲がるように設けられている。規制壁２３は、ベース２２上に載せられたケーブルベア１５のＹ方向への移動を規制する。

図５、図６、図７及び図８に示されるように、第１制振部材２４は、ベース２２に設けられ、ベース２２よりも制振性が高い部材である。第１制振部材２４は、Ｚ方向に所定の厚さの矩形シート状を呈する。第１制振部材２４は、ベース２２上におけるＹ方向の中央部分に接着により固定されている。第１制振部材２４は、Ｘ方向に沿って断続的に並置されている。第１制振部材２４としては、例えばアスファルト、ブチルゴム、鉛等の一般的に制振効果を有する材料を用いることができる。第１制振部材２４の材料としては特に限定されず、その機能を実現できる材料であれば、種々の材料を第１制振部材２４に用いることができる。「制振」とは、振動している物体の振幅を減少させること、又は、振動を減衰させることを意味する。例えば第１制振部材２４は、固定ガイド２１の振動に伴って伸長を繰り返し、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して振動を減衰させる。

第２制振部材２５は、ベース２２に設けられ、第１制振部材２４とは異なる材料で形成された部材である。第２制振部材２５は、第１制振部材２４よりも厚い矩形シート状を呈する。第２制振部材２５は、ベース２２の上面におけるＹ方向の両端部分に接着で固定されている。第２制振部材２５は、Ｘ方向に沿って連続的に配置されている。第２制振部材２５としては、例えばゴム及びウレタン等の樹脂系材料を用いることができる。第２制振部材２５の材料としては特に限定されず、その機能を実現できる材料であれば、種々の材料を第２制振部材２５に用いることができる。

保護部材２６は、第２制振部材２５上に設けられ、第２制振部材２５よりも硬い材料で形成された部材である。保護部材２６は、第２制振部材２５よりも薄い矩形シート状を呈する。保護部材２６は、第２制振部材２５の上面に、積層するようにして接着で固定されている。保護部材２６は、Ｘ方向に沿って連続的に配置されている。保護部材２６としては、例えば硬質ゴム及びナイロン等を用いることができる。保護部材２６の材料としては特に限定されず、その機能を実現できる材料であれば、種々の材料を保護部材２６に用いることができる。

平滑部材２７は、保護部材２６上に設けられ、保護部材２６よりも摩擦係数が小さい材料で形成された部材である。平滑部材２７は、保護部材２６よりも薄い矩形シート状を呈する。平滑部材２７は、保護部材２６の上面に、積層するようにして接着で固定されている。平滑部材２７は、Ｘ方向に沿って連続的に配置されている。平滑部材２７としては、例えばニューライト（登録商標）、ポリエチレン、フッ素、テフロン（登録商標）及び塩化ビニル等を用いることができる。平滑部材２７の材料としては特に限定されず、その機能を実現できる材料であれば、種々の材料を平滑部材２７に用いることができる。

本実施形態では、固定ガイド２１にケーブル部１０が載置される場合に、ケーブル部１０の一部が固定ガイド２１と接触する。具体的には、ケーブルベア１５の下面においてＹ方向（幅方向）の両側部が、平滑部材２７の上面と接触する。ケーブルベア１５の両側部は、固定ガイド２１と接触する接触面Ｒを構成する。

第１制振部材２４は、当該第１制振部材２４上でケーブル部１０を支持しない。つまり、第１制振部材２４は、上方から見て、ケーブルベア１５の両側部と重ならない位置に設けられている。第１制振部材２４は、上方から見て、ケーブルベア１５の両側部の間に配置される。第１制振部材２４の上面は、平滑部材２７の上面よりも上方に位置しておらず、第１制振部材２４とケーブルベア１５との間には、隙間が形成される。

第２制振部材２５は、当該第２制振部材２５上でケーブル部１０を支持する。保護部材２６は、当該保護部材２６上でケーブル部１０を支持する。平滑部材２７は、当該平滑部材２７上でケーブル部１０を支持する。第２制振部材２５、保護部材２６及び平滑部材２７は、上方から見て、ケーブルベア１５の両側部と重なる位置に設けられている。

図４、図５、図９及び図１０に示されるように、ガイドローラ４１は、ケーブル部１０における上段部１０ｘのケーブルベア１５に接触する。ガイドローラ４１は、上段部１０ｘをＸ方向に摺動可能に支持しつつ、上段部１０ｘのＸ方向の移動を案内する。ガイドローラ４１は、固定ガイド２１よりもＸ方向の他方側に、Ｘ方向に沿って所定間隔で並ぶように配置されている。

ガイドローラ４１は、ローラ４２、ローラ取付用ステー４３、架台取付用ステー４４及びグロメット４５を含む。ローラ４２は、Ｙ方向に延びる回転軸４２ａを中心に回転自在に設けられている。ローラ取付用ステー４３は、Ｙ方向を厚さ方向とする板状の部材である。ローラ取付用ステー４３の上部には、ローラ４２の回転軸４２ａの基端側がネジ等で固定されている。

架台取付用ステー４４は、Ｙ方向を厚さ方向とする板状の部材である。架台取付用ステー４４の上部には、Ｙ方向から見てＵ字状の切欠き４４が形成されている。切欠き４４には、ローラ４２が挿通される。架台取付用ステー４４の上部から中央部に亘る領域の後側には、ローラ取付用ステー４３が所定の隙間をあけて重ねられる。この状態で、当該ローラ取付用ステー４３は、その四隅に挿入されたネジＮ３によって架台取付用ステー４４に固定されている。架台取付用ステー４４の下部は、桁部材８ａの前面にネジＮ４で固定されている。これにより、ガイドローラ４１が架台８に取り付けられる。

グロメット４５は、ネジＮ３の軸部の周囲にカラー４５ａを介して設けられ、Ｙ方向を軸方向とする筒状の部材である。グロメット４５は、ゴムで形成されている。グロメット４５は、その軸方向の前端部４５ｆ及び後端部４５ｒが拡径された構成を有する。前端部４５ｆは、ローラ取付用ステー４３と架台取付用ステー４４との間に挟まれるように配置される。後端部４５ｒは、ローラ取付用ステー４３の後面に当接するように配置される。グロメット４５の介在により、ローラ取付用ステー４３と架台取付用ステー４４とが縁切りされ、ガイドローラ４１からの振動等を架台８に伝播することが抑制される。カラー４５ａは、グロメット４５とネジＮ３との間に配置された筒状の部材である。カラー４５ａは、ネジＮ３の締め付けによりグロメット４５がＹ方向に過度に潰れることを防ぐ。Ｙ方向におけるネジＮ３の頭部とグロメット４５の後端部４５ｒとの間には、座金Ｗが設けられている。

ガイドローラ４１では、ケーブル部１０における上段部１０ｘのケーブルベア１５の下面が、ローラ４２に接触する。スタッカクレーン７のＸ方向の移動に伴ってケーブルベア１５がＸ方向に移動すると、ローラ４２が回転し、ケーブルベア１５のＸ方向の当該移動が案内される。

以上のように構成された搬送システム１では、スタッカクレーン７がＸ方向の一方側に移動した場合、ケーブル部１０は、Ｕ字部１０ｙがＸ方向の一方側にストロークし、下段部１０ｚが増えるように移動する。このとき、下段部１０ｚが増えた分、ケーブルベア１５が固定ガイド２１に当たるように接触して、振動が発生することが懸念される。この点、搬送システム１においては、第１制振部材２４により、ケーブル部１０の移動に伴う振動を抑制することができる。また、第１制振部材２４とケーブル部１０との接触による摩耗が生じず、且つ、第１制振部材２４にはケーブル部１０の荷重が作用しないことから、第１制振部材２４は劣化しにくい。よって、搬送システム１の振動抑制性能の耐久性を向上させることが可能となる。

搬送システム１では、固定ガイド２１に載置されたケーブル部１０は、そのケーブルベア１５の一部が固定ガイド２１と接触しており、第１制振部材２４は、上方から見て、ケーブル部１０の当該接触面Ｒと重ならない位置に設けられている。この場合、第１制振部材２４がケーブル部１０を支持しない構成を具体的に実現できる。

搬送システム１では、固定ガイド２１に載置されたケーブル部１０は、そのケーブルベア１５の両側部で固定ガイド２１と接触しており、第１制振部材２４は、上方から見て、ケーブル部１０の当該両側部の間に配置される。この場合、上方から見て第１制振部材２４がケーブル部１０の接触面Ｒと重ならない構成を具体的に実現できる。また、両側部の間のスペースを活用することができ、省スペース化が可能となる。

搬送システム１では、ケーブル部１０は、スタッカクレーン７に接続された電力ケーブル１１及びケーブルベア１５を有する。ケーブルベア１５は、電力ケーブル１１を内部に収容すると共に、スタッカクレーン７の移動に電力ケーブル１１が追従するように当該電力ケーブル１１を案内する。この場合、ケーブル部１０を具体的に構成することができる。また、電力ケーブル１１を保護した状態で当該電力ケーブル１１をスタッカクレーン７の移動に追従させることができる。

搬送システム１では、スタッカクレーン７は、Ｘ方向に移動するように構成されている。ベース２２は、そこに載置されたケーブル部１０のＹ方向への移動を規制する規制壁２３を有する。この場合、規制壁２３によりケーブル部１０がＹ方向にずれるのを抑制することができる。

搬送システム１では、固定ガイド２１は、ベース２２に設けられ第１制振部材２４とは異なる材料で形成された第２制振部材２５を有する。第２制振部材２５は、当該第２制振部材２５上でケーブル部１０を支持する。これにより、ケーブル部１０の移動に伴う振動を一層抑制することが可能となる。

搬送システム１では、第２制振部材２５は、上方から見て、ケーブル部１０が固定ガイド２１と接触する接触面Ｒと重なる位置に設けられている。この場合、第２制振部材２５がケーブル部１０を支持する構成を具体的に実現できる。

搬送システム１では、固定ガイド２１は、第２制振部材２５上に設けられ第２制振部材２５よりも硬い材料で形成された保護部材２６を有する。これにより、第２制振部材２５を保護することができる。

搬送システム１では、固定ガイド２１は、保護部材２６上に設けられ保護部材２６よりも摩擦係数が小さい材料で形成された平滑部材２７を有する。これにより、ケーブル部１０との接触により保護部材２６が摩耗してしまうこと抑制することができる。

搬送システム１は、物品を収容する棚Ｓを複数有するストッカ２と、ストッカを支持する架台８と、を備える。固定ガイド２１は、架台８に取り付けられている。この場合、ケーブル部１０の移動に伴う振動は、架台８を介してストッカ２及び物品に伝播しやすい。物品の振動抑制は重要であることから、ケーブル部１０の移動に伴う振動を抑制する上記効果は特に有効である。

図１１は、実施例及び比較例の騒音試験結果を示す図である。実施例は、上述した搬送システム１に対応する。実施例では、第１制振部材２４の材料としてアスファルトを用い、第２制振部材２５の材料としてスチレン系熱可塑性エラストマー（ＴＰＳ）を用い、保護部材２６の材料としてアクリルゴム（ＡＣＭ）を用い、平滑部材２７の材料としてニューライトを用いた。比較例では、第１制振部材２４と保護部材２６と平滑部材２７とを設けず、第２制振部材２５としてウレタンを用いた以外は実施例と同様とした。騒音値は、比較例の騒音値（ｄｂ）を基準にした場合の相対値とした。騒音試験結果、実施例では、比較例に対して、約７％の騒音値の低減を実現することが確認できた。

以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は上記実施形態に限定されない。

上記実施形態において、第１制振部材２４の位置は、ケーブル部１０を支持しない位置であれば特に限定されない。例えば第１制振部材２４は、ベース２２の下面に設けてられていてもよいし、ベース２２の規制壁２３に設けられていてもよい。上記実施形態において、第１制振部材２４が設けられる数は特に限定されず、１つでもよいし、複数でもよい。上記実施形態において、第１制振部材２４は、Ｘ方向に沿って連続的に配置されていてもよい。上記実施形態は、電力ケーブル１１に代えてもしくは加えて、スタッカクレーン７に接続された信号ケーブルを備えていてもよい。この場合、ケーブルベア１５は、信号ケーブルを内部に収容すると共に、スタッカクレーン７の移動に信号ケーブルが追従するように当該信号ケーブルを案内する。

上記実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成の一部は、本発明の一態様の要旨を逸脱しない範囲で適宜に省略可能である。

１…搬送システム、２…ストッカ、７，７Ａ，７Ｂ…スタッカクレーン（搬送装置）、８…架台、１０…ケーブル部、１１…電力ケーブル、１５…ケーブルベア（ケーブル収容部）、２１…固定ガイド（載置部）、２２…ベース、２３…規制壁（規制部）、２４…第１制振部材、２５…第２制振部材、２６…保護部材、２７…平滑部材、Ｒ…接触面、Ｓ…棚。

Claims (10)

1. 物品を搬送する搬送装置と、
   一端が前記搬送装置に接続され、他端が地上側に固定され、前記搬送装置の移動に応じて移動するケーブル部と、
   前記ケーブル部を載置可能に設けられた載置部と、を備え、
   前記載置部は、ベースと、前記ベースに設けられ前記ベースよりも制振性が高い第１制振部材と、を有し、
   前記第１制振部材は、当該第１制振部材上で前記ケーブル部を支持しない、搬送システム。
2. 前記載置部に載置された前記ケーブル部は、その一部が前記載置部と接触しており、
   前記第１制振部材は、上方から見て、前記ケーブル部の当該接触面と重ならない位置に設けられている、請求項１に記載の搬送システム。
3. 前記載置部に載置された前記ケーブル部は、その幅方向の両側部で前記載置部と接触しており、
   前記第１制振部材は、上方から見て、前記ケーブル部の当該両側部の間に配置される、請求項２に記載の搬送システム。
4. 前記ケーブル部は、
   前記搬送装置に接続された電力ケーブル及び信号ケーブルの少なくとも何れかと、
   前記搬送装置に接続され、前記電力ケーブル及び前記信号ケーブルの少なくとも何れかを内部に収容すると共に、前記搬送装置の移動に前記電力ケーブル及び前記信号ケーブルの少なくとも何れかが追従するように、当該電力ケーブル及び当該信号ケーブルの少なくとも何れかを案内するケーブル収容部と、を有する、請求項１～３の何れか一項に記載の搬送システム。
5. 前記搬送装置は、第１方向に移動するように構成され、
   前記ベースは、当該ベースに載置された前記ケーブル部の前記第１方向と交差する第２方向への移動を規制する規制部を有する、請求項１～４の何れか一項に記載の搬送システム。
6. 前記載置部は、前記ベースに設けられ前記第１制振部材とは異なる材料で形成された第２制振部材を有し、
   前記第２制振部材は、当該第２制振部材上で前記ケーブル部を支持する、請求項１～５の何れか一項に記載の搬送システム。
7. 前記第２制振部材は、上方から見て、前記ケーブル部が前記載置部と接触する接触面と重なる位置に設けられている、請求項６に記載の搬送システム。
8. 前記載置部は、前記第２制振部材上に設けられ前記第２制振部材よりも硬い材料で形成された保護部材を有する、請求項６又は７に記載の搬送システム。
9. 前記載置部は、前記保護部材上に設けられ前記保護部材よりも摩擦係数が小さい材料で形成された平滑部材を有する、請求項８に記載の搬送システム。
10. 前記物品を収容する棚を複数有するストッカと、
    前記ストッカを支持する架台と、を備え、
    前記載置部は、前記架台に取り付けられている、請求項１～９の何れか一項に記載の搬送システム。

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