JP7294321B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧材に関する。
建材、家具、家電製品等の表面の加飾に用いる化粧材では、一般的に、より自然の材質に近い意匠表現を実現することが求められる。
これらの需要に応える化粧材として、例えば、木目等の絵柄模様(以下、絵柄という)を印刷したフィルムに、その絵柄に合わせた凹凸形状による柄模様(以下、凹凸柄という)を付与するための凹凸形状を有するエンボス型板を用いて熱圧成形を行い、絵柄と凹凸柄を同調させて形成したものが知られている(特許文献1)。
前記のフィルムとしてオレフィン系や塩化ビニル系の熱可塑性樹脂からなる化成品フィルムを用いた場合、エンボス型板を用いた熱圧成形によるエンボス加工の際に、フィルムが加熱により軟化する。化粧材を工業的に量産する場合は、絵柄と凹凸柄を形成すべき熱可塑性樹脂フィルムは長尺の帯状フィルムとして供給される。該帯状フィルムは張力をかけて搬送しつつ絵柄を印刷され、又張力をかけて搬送し且つ熱可塑性樹脂を加熱軟化させた状態で凹凸柄をエンボス加工される。このような場合、一般的には、帯状フィルムの長手方向(即ち、延在方向)にはフィルム寸法の伸長が発生し、同時に帯状フィルムの幅方向(即ち、延在方向と直交方向)には収縮が発生する。フィルムの収縮に伴って、フィルムに印刷された絵柄も収縮するため絵柄と凹凸柄を安定して同調させる(即ち、見当を合わせる)ことが困難である。
木目模様、ヘアライン、縞模様等のようにフィルムの長手方向に連続するパターンの場合は、長手方向に於ける絵柄と凹凸柄との位置同調の誤差は、元来、目立ち難い為、絵柄と凹凸柄との位置同調精度は問題とならない場合も多い。
但し、其の場合に於いてもなお、幅方向に於ける絵柄と凹凸柄との位置同調の誤差は目立つ。其の為、帯状のフィルムを基材とする場合に於いて、幅方向に於ける、絵柄と凹凸柄との位置同調精度が課題となっていた。
特開2011-83908号公報
特許文献1は、エンボス加工時の変形を加味して、エンボス型板の寸法を調整する方法を開示している。
しかし、特に絵柄が、図3の如き木目羽目板模様、タイル貼り模様、レンガ積み模様、石積み模様等のように、複数の異なる模様を化粧材の幅方向に隣接して付き合わせた柄(以下、突付柄ともいう。)である場合、その異なる模様を付き合わせた継ぎ目箇所(以下、突付部ともいう)のうち、特に幅方向に於ける絵柄と凹凸柄との位置同調の誤差は目立ち易い。そして、複数個所在る突付部(継ぎ目箇所)の全てにおいて絵柄と凹凸柄を安定して同調させることは至難の業である。そのため、製造後の化粧材を目視した際、絵柄と凹凸柄にズレが生じた箇所に違和感が残り、意匠性向上の妨げとなるという問題があった。
本発明は、突付柄の絵柄と突付柄の凹凸柄を重ねてなる化粧材であって、突付部が目視上で違和感を生じさせない、特に幅方向の継目に於いても突付部の目視上の違和感を生じさせ無い化粧材を提供することを目的とする。
本発明において、突付柄とは、異なる絵柄からなる複数の領域を付き合わせた柄及び/又は異なる凹凸柄からなる複数の領域を付き合わせた柄を意味し、突付部とは、前記突付柄を構成する各領域の境界を意味する。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、絵柄の突付部に緩衝絵柄領域を設けて、その緩衝絵柄領域に凹凸柄の突付部を重ねて配置する構成により上記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は、下記[1]~[19]の化粧材を提供する。
[1] 絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dと、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの間にあって双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を有し、前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dを隣接して有し、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの突付部を、前記緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置した、化粧材。
[2] 前記絵柄領域Dの絵柄Pと前記絵柄領域Dの絵柄Pは異なる柄からなり、前記緩衝絵柄領域D1+2の絵柄P1+2は、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備え、前記特徴が、色及び柄密度の少なくとも何れかを含む外観的特徴である、[1]に記載の化粧材。
[3] 前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続し、前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続する、[2]に記載の化粧材。
[4] 前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2´の絵柄P1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´は、前記ΔD1+2´の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束し、前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2″の絵柄P1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″は、前記ΔD1+2″の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束する、[3]に記載の化粧材。
[5] 前記特徴量が、色の濃度及び柄の密度の少なくとも何れか抽出された特徴量である、[4] 記載の化粧材。
[6] 前記絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、該絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、前記緩衝絵柄領域D1+2の前記幅方向長さ(W1+2)が、W1+2<WかつW1+2<Wの関係を満たす、[1]~[5]の何れかに記載の化粧材。
[7] 基材、前記基材の一方の面に積層された印刷層と、前印刷層の上に積層された透明層を有し、前記印刷層に前記絵柄を備え、前記透明層に前記凹凸柄を備える、[2]~[6]の何れかに記載の化粧材。
[8] 絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dと、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの間にあって双方の絵柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を有し、前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dを隣接して有し、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの突付部を、前記緩衝凹凸柄領域d1+2に重ねて配置した、化粧材。
[9] 絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dと、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの間にあって双方の絵柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を有し、前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dと、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの間にあって双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を有し、前記緩衝凹凸柄領域d1+2と前記緩衝絵柄領域D1+2の少なくとも一部を重ねて配置した、化粧材。
[10] 前記凹凸柄領域dの凹凸柄pと該凹凸柄領域dの凹凸柄pは異なる柄からなり、前記緩衝凹凸柄領域d1+2の凹凸柄p1+2は、前記凹凸柄pの特徴の少なくとも一部と前記凹凸柄pの特徴の少なくとも一部を備え、前記特徴が、表面粗さを含む表面性状の特徴である、[8]又は[9]に記載の化粧材。
[11] 前記凹凸柄p1+2と前記凹凸柄pが連続的に接続し、前記凹凸柄p1+2と前記凹凸柄pが連続的に接続する、[10]に記載の化粧材。
[12] 前記凹凸柄領域d1+2のうち、前記凹凸柄領域dに隣接する幅方向領域Δd1+2´の凹凸柄p1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´は、前記Δd1+2´の幅の縮小とともに、前記凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束し、
前記凹凸柄領域d1+2のうち、前記凹凸柄領域dに隣接する幅方向領域Δd1+2″の凹凸柄p1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″は、前記Δd1+2″の幅の縮小とともに、前記凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束する、[11]に記載の化粧材。
[13] 前記凹凸柄領域dの幅方向長さ(w)と、該凹凸柄領域dの幅方向長さ(w)と、前記緩衝凹凸柄領域d1+2の前記幅方向長さ(w1+2)が、w1+2<wかつw1+2<wの関係を満たす、[8]~[12]の何れかに記載の化粧材。
[14] 前記絵柄領域Dの絵柄Pと前記絵柄領域Dの絵柄Pは異なる柄からなり、前記緩衝絵柄領域D1+2の絵柄P1+2は、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備え、前記特徴が、色及び柄密度の少なくとも何れかを含む外観的特徴である、[9]に記載の化粧材。
[15] 前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続し、前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続する、[14]に記載の化粧材。
[16] 前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2´の絵柄P1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´は、前記ΔD1+2´の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束し、前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2″の絵柄P1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″は、前記ΔD1+2″の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束する、[15]に記載の化粧材。
[17] 前記特徴量が、色の濃度及び柄の密度の少なくとも何れかから抽出された特徴量である、[16]に記載の化粧材。
[18] 前記絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、該絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、前記緩衝絵柄領域D1+2の前記幅方向長さ(W1+2)が、W1+2<WかつW1+2<Wの関係を満たす、[14]~[17]の何れかに記載の化粧材。
[19] 基材と、前記基材の一方の面に積層された印刷層と、前印刷層の上に積層された透明層を有し、前記印刷層に前記絵柄を備え、前記透明層に前記凹凸柄を備える、[8]~[18]の何れかに記載の化粧材。
本発明によれば、突付柄の絵柄と突付柄の凹凸柄を重ねてなる化粧材であって、突付部が目視上で違和感を生じさせない、特に幅方向の継目に於いても突付部の目視上の違和感を生じさせ無い化粧材を提供することができる。
実施形態Aに係る化粧材の概略断面図である。 実施形態B1及びB2に係る化粧材の概略断面図である。 実施形態Aに係る化粧材の絵柄と凹凸柄の構成を説明する平面図である。 実施形態Aに係る化粧材の概略上面図である。 緩衝絵柄領域D1+2を構成する絵柄P1+2の作成方法の説明図である。 緩衝絵柄領域D1+2を構成する絵柄P1+2の作成方法の説明図である。 実施形態B1に係る化粧材の絵柄と凹凸柄の構成を説明する平面図である。 実施形態B1に係る化粧材の平面図である。 実施形態B2に係る化粧材の絵柄と凹凸柄の構成を説明する平面図である。
[化粧材]
本発明の化粧材は、絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、下記条件1~3の何れかを満たす。
尚、化粧材が長手方向及びこれと直交する幅方向(乃至短手方向)とを有する場合は、特に、絵柄領域DとD及び凹凸柄領域dとdとが幅方向に隣接して突き合わせられる部分に於いて、本発明は其の效果を顕著に奏する。例えば、化粧材の平面視形状が長方形の場合は、該長方形の長辺の延在方向が長手方向、該長方形の短辺の延在方向が幅方向となる。
条件1:前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dと、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの間にあって双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を有し、前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dを隣接して有し、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの突付部を、前記緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置した。
条件2:前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dと、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの間にあって双方の絵柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を有し、前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dを隣接して有し、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの突付部を、前記緩衝凹凸柄領域d1+2に重ねて配置した。
条件3:前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dと、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの間にあって双方の絵柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を有し、前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dと、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの間にあって双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を有し、前記緩衝凹凸柄領域d1+2と前記緩衝絵柄領域D1+2の少なくとも一部を重ねて配置した。
条件1において、「突付部を、前記緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置した」とは、化粧材を表面から視た平面視形状で、緩衝絵柄領域D1+2に突付部が位置することを意味する。
条件2において、「絵柄領域の突付部を、前記緩衝凹凸柄領域d1+2に重ねて配置した」とは、化粧材を表面から視た平面視形状で、緩衝凹凸柄領域d1+2に絵柄領域の突付部が位置することを意味する。
条件3において、前記緩衝凹凸柄領域d1+2と前記緩衝絵柄領域D1+2は完全に重複することがより好ましい。
本発明の化粧材の層構成は特に限定されないが、例えば、図1又は図2に示すように、基材1と、基材1の一方の面に積層されて、前記絵柄を印刷した印刷層2と、印刷層2の上に積層されて、表面に凹凸柄3を形成した透明層4からなる構成とすることができる。その他の構成として、例えば、印刷層2の表面に凹凸柄を形成することもできる。
化粧材10は、印刷及びエンボス加工の量産性の観点から、長尺帯状の形態、即ち、長辺が特に長い長方形形状で製造されることが多い。因みに、図1又は図2は、長方形の化粧材10の幅方向と厚み方向とに直交委する仮想的接断面で切断した断面図である。長方形の化粧材10の短辺である幅方向は同図の左右方向(同図添記の座標軸のX軸方向)、長方形の化粧材10の長辺である長手方向は紙面表裏方向(同図添記のY軸方向)、及び該化粧材10の厚み方向は同図の上下方向(同図添記のZ軸方向)が短辺となる
<基材1>
基材1は、其の材料及び厚み形態については特に制限されないが、基材の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ブテン共重合体、オレフィン熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等のプラスチックフィルム、紙類、鉄、銅、アルミニウム、チタニウム、或いはこれら金属を含む合金等の金属、セメント、石膏、陶磁器、硝子等の窯業系無機材料あるいはこれらの複合体等が挙げられる。これらの中でも、樹脂、特にポリオレフィン樹脂又はポリ塩化ビニル系樹脂からなるフィルム乃至シートが製造のし易さ、各種後加工適性、化粧材としての性能、製造原価等の点で好ましい。耐候性や、耐擦傷性等の表面保護特性の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。これら基材は、意匠性の観点から着色されていてもよい。
また、基材1としてプラスチックを用いる場合、機械的強度の観点から、二軸延伸されたものが好適である。
基材1の厚さは、機械的強度及び取り扱い性の観点から、20~200μmが好ましく、40~160μmがより好ましく、40~100μmがさらに好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、あるいはポリプロピレン結晶部を有し、かつプロピレン以外の炭素素2~20のα-オレフィン共重合体等が好ましく挙げられる。その他、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等を15モル%以上含むプロピレン-α-オレフィン共重合体、例えばエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ブテン共重合体等も挙げられる。
基材1に用いる紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が挙げられる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、これら紙基材に、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等である。
これらの他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。さらには、事務分野や通常の印刷、包装等に用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布や不織布も基材として使用することができる。各種繊維としてはガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、アクリル繊維、若しくはビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。これらの紙類は、凹凸柄の賦形適性の点から、賦形適性に優れるプラスチック基材と積層して用いることが好ましい。
<印刷層2>
印刷層2は、化粧材の意匠性を高める機能を有する。図1又は図2に示すように、印刷層2は、例えば基材1と透明層4との間に設けられる。
印刷層2は、絵柄層を含み、その他、着色層を含むこともできる。これらの層は、同一種または異種の層を積層する等して、適宜組み合わせて用いてもよい。
絵柄層は印刷等で形成される。絵柄層の模様(絵柄パターン)としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石板表面の凹陥部模様)、花崗岩板表面の劈開面等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。絵柄層を用いるインキは、着色層と同様のものを用いることができる。
着色層は、全面ベタのベタ印刷層であり、主として隠蔽性を付与する目的を有する。着色層は、印刷等で形成することができる。
着色層の形成に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
着色剤としては、化粧材の用途や絵柄層との色の相性等から適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。
絵柄層により付与する意匠が木目模様の場合、ベタ印刷層は木肌模様(木目模様を構成する模様のうち、導管溝模様及び/又は節目模様以外の部分)とすることが好ましい。また、絵柄層によりにより付与する意匠がトラバーチン等の石の模様の場合、ベタ印刷層は凹陥部以外の模様とすることが好ましい。また、絵柄層によりにより付与する意匠がタイル模様又はレンガ模様の場合、ベタ印刷層はタイル部分又はレンガ部分とすることが好ましい。
なお、ベタ印刷層は、単層であってもよいし、複数のベタ印刷層を積層してもよい。
印刷層2の厚みは、0.1~20μm程度の範囲で適宜調整することができる。意匠層中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有しても良い。
印刷層2の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。測定する膜厚がμmオーダーの場合、SEMを用いることが好ましく、nmオーダーの場合、TEM又はSTEMを用いることが好ましい。SEMの場合、加速電圧は1~10kV、倍率は1000~7000倍とすることが好ましく、TEM又はSTEMの場合、加速電圧は10~30kV、倍率は5万~30万倍とすることが好ましい。後述する透明層4及び接着剤層等の厚みも同様にして算出できる。
<透明層4>
透明層4は、表面保護層及び/又は熱可塑性樹脂層としての機能を有する。
また、透明層4は、多層構成であってもよい。
透明層4の総厚みは、付与する凹凸形状、あるいは透明層4よりも基材側に位置する層(熱可塑性樹脂層等)の構成により異なるため一概には言えないが、5~250μmが好ましく、10~180μmがより好ましく、10~120μmがさらに好ましい。
《表面保護層》
表面保護層は、樹脂成分を含むことが好ましく、必要に応じてさらに粒子を含むことが好ましい。樹脂成分は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことが好ましく、機械的強度をより良くする観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物を含むことがより好ましく、その中でも電子線硬化性樹脂組成物を含むことがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
《熱可塑性樹脂層》
熱可塑性樹脂層は、基材1や印刷層2の保護のために、必要に応じて、基材1と印刷層2との間、あるいは印刷層2と透明層4との間に設けられる。
熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂としては、各種熱可塑性樹脂を用いることができるが、ポリオレフィン樹脂が好適である。
ポリオレフィン樹脂としては、基材を構成する材料として例示したポリオレフィン樹脂を好ましく採用することができる。これらのポリオレフィン樹脂のうち、ポリプロピレン樹脂が好ましく、ホモポリプロピレン樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、必要に応じて、着色剤を含んだ熱可塑性樹脂組成物により構成されていてもよく、意匠層の視認性が確保されていれば半透明であってもよい。また、熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂層の厚さは、基材や意匠層の保護、機械的強度、取り扱い性等の観点から、5~200μmであることが好ましく、10~150μmであることがより好ましく、10~100μmであることがさらに好ましい。
<接着剤層>
化粧材は、必要に応じて接着剤層を有することができる。
接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、中でも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。なお、ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートジオール等の各種ポリオール化合物と、上記の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル-ポリエステル-塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
接着剤層の厚さは、十分な接着性が得られる観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、上限として好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
[用途]
本発明の化粧材は、表面に印刷層2を形成した基材の裏面を下記の被着材と積層し、例えば、壁、天井、床等の建築物の内裝表面を化粧する内装材;窓枠、扉枠、玄関ドア等の扉、手すり、廻り縁、間仕切、腰壁等の建具乃至造作部材;たんす、机、食卓、食器棚等の家具;TV受像機、冷蔵庫等の家電製品、OA機器等の筐体;玄関ドア等の表面化粧材、外壁、屋根、外裝用建具乃至造作部材等の表面を化粧する外装材として好ましく用いることができる。なかでも建築物の内装材として用いることが好ましく、そのなかでも突付柄が多く用いられる建築物の外裝又は内裝材用に用いることが好ましい。化粧材の総厚みは、特に限定は無く適宜であり、フィルム乃至シート、板の何れの形態でも良いが、一般的には、20μm~100000μm(10cm)が好ましく、50~10000μmがより好ましく、特に適宜被着対象の表面に積層して化粧する形態で用いる場合は、20~1000μmのフィルム乃至シート形態がさらに好ましい。
尚、化粧材及び前述の基材の形態に於けるフィルム、シート、或いは板の区別については、一般的には、厚みが比較的薄いものから、順次、フィルム、シート、板と呼称される。但し、本発明に於いては、これらの厚み形態の差異は本質的事項では無く重要事項でも無い。其の為、本明細書中に於いてはフィルム、シート、及び板の何れかの用語は適宜他の用語に読み換えても本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
被着材は、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質板;石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板;珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出セメント板等のセメント板;パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板;陶器、磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミックス板;鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗布鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属板;ポリオレフィン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS板、ポリカーボネート板等の熱可塑性樹脂板;フェノール樹脂板、尿素樹脂板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等の熱硬化型樹脂板;フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化したいわゆるFRP板等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、これらの2種以上を積層した複合基板として用いてもよい。
化粧材の各種被着材への積層方法としては特に限定されるものではなく、例えば接着剤によりシートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン-アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
以下、本発明の化粧材に関して、上記条件1を満たす実施形態A、上記条件2を満たす実施形態B及び上記条件3を満たす実施形態Cを例に取り説明する。
〔実施形態A〕
[層構成]
図3には、化粧材10の構成層のうち印刷層2を上面(座標軸のZ軸方向)からみた平面視による説明図と、透明層4を上面からみた説明図を示している。透明層4に於ける突付部の境界線A´、B´、C´が、それぞれ、印刷層2に於ける突付部の境界線A、B、Cと重なるように、印刷層2の上に積層される。このとき、図4に示すように、透明層4の突付部が、印刷層2の緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置される。
尚、図3に於いては、各突付部の境界線は図示上目立ち、認識し易いように太線で誇張して図示してあるが、実際の化粧材に於いては、必ずしも突付部の各境界線は太線等の目立つ外観を呈するとは限ら無い。
又、化粧材10自体(全体)は、図1及び図2の説明の際に前記の通り、厚み方向であるZ軸方向から見た平面視形状が、長辺がY方向で短辺がX方向の長方形をなす。但し、図示の簡素化と見易さを考慮して、図3に於いては、基材1、印刷層2、及び透明層4の積層体である化粧材10の平面視形状である長方形形状の外観の図示は省略し、該積層体中の印刷層2及び透明層4の2層のみを、各々単層で、且つ長手方向(Y軸方向)の全長のうちの一部分のみを抽出して、概念図として、図示した平面図である。
(絵柄)
図3に示すように、印刷層2の絵柄領域Dを構成する絵柄Pと、絵柄領域Dを構成する絵柄Pは異なる柄からなり、図3に於いて幅方向(同図に於けるX軸方向)に交互に2組が、D、D、D、Dの如く互に隙間無く隣接して配置されてなる。又、絵柄領域Dと絵柄領域Dとは幅方向Xと直交する長手方向Yに延在しておりZ軸方向から視た所謂平面視に於いて、絵柄領域D、Dとも長方形形状をなす。尚、本発明に於いて、幅方向及び長手方向の用語は相対的な長短を意味するものでは無く、単に直交する2方向を互に識別する意味で用いる。又、図3の絵柄領域は、あくまでも1実施形態の例であり、本発明に於ける絵柄領域は最低2種類以上あれば良く、3種類、4種類、或いは5種類以上の絵柄領域の配置から構成されていても良い。又、絵柄領域D、D等の形状も長方形とは限らず、3角形、正方形、菱形等の他の4角形、6角形等の多角形、或いは多角形以外の形状であっても良い。
絵柄は特に限定されないが、例えば、杉、檜、松、楢、樫、チーク等の各種樹木の板材表面の木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石板表面の凹陥部模様)、花崗岩板表面の劈開面等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布の繊維の織目乃至編目模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。
これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版(以下、複数の分色版)を用意して行う多色印刷等によっても形成される。
絵柄層の形成には、着色層と同様のインキを用いることができる。
印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等の各種印刷方法が適用可能である。
双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を構成する絵柄P1+2は、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備えることが好ましい。
前記絵柄の特徴とは、色、或いは導管溝や年輪を有する木目模様のように導管溝や年輪の如き特徴的なパターンを含む絵柄の場合は該特徴的パターンの柄密度から選ばれる外観的特徴を意味する。
絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続し、絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続することが好ましい。
上記の「絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続」とは、緩衝絵柄領域D1+2のうち、絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2´の絵柄P1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´が、ΔD1+2´の幅の縮小とともに(すなわち、ΔD1+2´の面積が小さくなり、よりDに近い領域のみで構成されるようになるにつれて)、絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束することを意味する。
上記の「絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続する」とは、緩衝絵柄領域D1+2のうち、絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2″の絵柄P1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″が、ΔD1+2″の幅(すなわち、ΔD1+2″の面積が小さくなり、よりDに近い領域のみで構成されるようになるにつれて)の縮小とともに、絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束することを意味する。
上記の特徴量は、色の濃度及び/又は柄の密度の少なくとも何れから抽出された特徴量であることが好ましい。
「色の濃度」の特徴量は、絵柄の存在する平面をXY平面としたときに、絵柄の各位置座標(通常は、該絵柄を構成する各画素乃至網点で代表される)に於ける色を特定する指標を用いて抽出することができる。代表的には、CIE(国際照明委員会)既定のL表色系の数値;L(x、y)、a(x、y)、b(x、y)を用いることができる。其の他、スペクトル3刺激値;(X(x、y)、Y(x、y)、Z(x、y)を用いることができる。尚、大文字は3刺激値、小文字は位置座標を意味する。
これら数値から算出した印刷版の製版画像データに於ける各分色の濃度値n(例えば、黄、赤、藍、墨の4色刷りの場合は;n黄(x、y)、n赤(x、y)、n藍(x、y)、n墨(x、y))を、特徴量の抽出に用いることもできる。
「特徴的パターンの柄密度」の特徴量は、一般的には、面積占有率、即ち、当該領域内に於ける単位面積内に於ける該特徴パターンの面積の合計の占める比率を用いて抽出することができる。尚、特に導管溝や年輪のような線状パターンの場合は、該パターンの線密度、即ち、単位面積中の本数、又は該線状パターンの延在方向と直交する方向に於ける単位長さ当たりの本数が用いられる。
前記のように、図3の透明層4に於ける突付部の境界線A´、B´、C´が、それぞれ、印刷層2に於ける突付部の境界線A、B、Cと重なるように積層すると、凹凸柄領域の突付部が、緩衝絵柄領域D1+2に重なる位置に配置される。
絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材において、突付部が目視上で違和感を生じさせる要因として、凹凸柄形成時のエンボス型板を用いた熱圧成形の際に基材に収縮又は伸長が発生して、絵柄の突付部と、凹凸柄領域の突付部にズレが生じることが考えられる。本発明の上記構成によれば、凹凸柄形成時のエンボス型板を用いた熱圧成形の際に、基材に収縮又は伸長が発生したとしても、凹凸柄領域の突付部は緩衝絵柄領域D1+2と重なる範囲に配置されている限り、前記のズレに起因する違和感を回避することができる即ち、斯かる緩衝絵柄領域D1+2は絵柄と凹凸柄との位置同調誤差(見当誤差、見当ズレ等とも呼称される)の影響(外観上の違和感)を吸収する機能を有する。
絵柄P1+2と絵柄Pの類似度、及び、絵柄P1+2と絵柄Pの類似度を、何れも、絵柄Pと絵柄Pの類似度よりも高くすることで、より上記効果を高めることができる。
本明細書において、「類似度」とは心理的類似度を意味する。「類似度」は、例えば、画像分析装置で、色、形状、テクスチャなどの特徴量を抽出して数値化したものを対比して測定することができる。
絵柄P1+2と絵柄Pの類似度、及び、絵柄P1+2と絵柄Pの類似度を、何れも、絵柄Pと絵柄Pの類似度よりも高くするための具体的方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法1又は方法2やその組み合わせを例示することができる。
《方法1》
図5に示すように、絵柄領域DとDを並べた後、絵柄領域Dの絵柄Pの任意の位置の微小部分を一部を切り取って絵柄領域Dの絵柄P中の任意の位置に貼り付けること、及び、絵柄領域Dの絵柄Pの任意の位置の微小部分を一部を切り取って絵柄領域Dの絵柄P中の任意の位置に貼り付けることを繰り返して、境界を馴染ませる方法。所謂、スクランブル処理を行う方法。
《方法2》
図6に示すように、絵柄領域DとDを並べた後、柄の境界付近における絵柄PとPの色の濃度及び/又は柄の密度d(x、y)を、
(1)先ず、図6左のように、絵柄領域Dに於ける絵柄Pの色の濃度及び/又は柄の密度d(x、y)が、元来、絵柄領域Dと絵柄領域Dとの境界で絵柄領域DからDに向うに從ってd(x、y)が不連続的に0に変化するものであったものを、図6右のように、絵柄領域Dの濃度d(x、y)が絵柄領域Dと絵柄領域Dとの境界を挾んで絵柄領域DからDに向うに從ってd(x、y)が連続的に0に收束するように変化させる。
(2)一方、図示は略すが、絵柄領域Dの絵柄Pに於ける色の濃度及び/又は柄の密度d(x、y)についても、同樣に、元来、絵柄領域Dと絵柄領域Dとの境界で絵柄領域DからDに向うに從ってd(x、y)が不連続的に0に変化するものであったものを、d(x、y)が絵柄領域Dと絵柄領域Dとの境界を挾んで絵柄領域DからDに向うに從ってd(x、y)が連続的に0に收束するように変化させる。
(3)而かる後、境界近傍での変化を連続化したd(x、y)及びd(x、y)を平面内で加算したd(x、y)+d(x、y)を絵柄領域D及びDに於ける濃度及び/又は柄の密度とする。
(4)以上により、境界上の絵柄の濃度変化が緩やかになるように処理する方法。所謂、透かし合成処理を行う方法。
上記の各処理は、具体的には、例えば、演算制御装置とメモリと入力インタフェイスを含む画像処理装置を用い、入力インタフェイスを介してPとPの画像データをメモリに記憶し、メモリから読み出したデータを、所定の演算式を用いて演算制御装置で演算処理し、合成データを作成することで行うことができる。
絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、緩衝絵柄領域D1+2の幅方向長さ(W1+2)が、W1+2<WかつW1+2<Wの関係を満たすことが好ましい。
1+2の下限は、凹凸柄の形成に用いるエンボス加工機の幅方向の見当誤差である。
また、0.05<W1+2/W<0.1かつ0.05<W1+2/W<0.1の関係を満たすことがより好ましい。
(凹凸柄)
本発明は、絵柄のデザインと、凹凸柄のデザインを同一のものとして重ね合わせた、所謂「同調」タイプの化粧版に限定されず、例えば、絵柄は木目模様で構成し、凹凸柄は非木目模様(例えばマット部)で構成することができる。
凹凸柄をマット部で構成する場合、マット部を構成する微凹部は、レーザ加工やエッチング加工で表面を凹凸化したエンボスロールや、マット剤を含む塗布液で表面を凹凸化したエンボスロールを用いたエンボス加工により形成することができる。特に、レーザ加工を用いることにより、微細な加工を実現することができる。
凹凸柄をマット部で構成する場合、凹凸柄領域dとdは、それぞれ、以下の条件を満たすことが好ましい。
カットオフ値を8mmとした際のJIS B0601:1994での十点平均粗さ(dのRziとdのRzi+1)は、それぞれの間に10μm以上の差があると好ましいが、凹凸柄のパターンによってはこの限りではない。
[製造方法]
以下に説明する製造方法には、フィルム形態の基材(以下、これを基材フィルムとも呼称する)の表面に絵柄を印刷して印刷層2を形成する工程(A工程)と、印刷層2に透明層4を積層する工程(B工程)と、透明層4に凹凸柄3を形成する工程(C工程)を含む。
(A工程)
2軸延伸ポリエステル樹脂(PET-G)フィルムよりなる基材フィルム11の一方の面に、印刷ロール(図示せず)を用いて印刷層2を形成、すなわち絵柄を印刷する。例えば、グラビア印刷で、多色刷りにより木目模様を形成することができる。
絵柄の印刷は、原稿画像を作製する工程を含む。原稿画像はデジタルデータであることが好ましいため、デジタルデータでない場合には写真やスキャナ等を用いることによりデジタルデータ化する。また、初めから模様をCAD等を用いてデジタルデータを利用して設計していた場合にはそのデジタルデータを用いることができる。これで、デジタルデータとして原稿画像が得られる。
原稿画像を作製する工程では、絵柄領域Dを構成する絵柄Pと、絵柄領域Dを構成する絵柄Pを取得するとともに、画像分析装置で、絵柄Pと絵柄Pの特徴を抽出して、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備える絵柄P1+2を決定して、絵柄領域Dと絵柄領域Dの間に絵柄P1+2を有する緩衝絵柄領域D1+2を設けた原稿画像を作製する。
(B工程)
A工程で形成した印刷層2の上に透明樹脂フィルムを貼着して透明層4を積層する。すなわち、オーバーレイヤーを形成する。例えば、印刷面の上から、透明樹脂フィルム(PET-G)を、(2液硬化型)接着剤でドライラミネートにて貼り合わせることで、透明層4を積層形成することができる。
(C工程)
透明層4の表面に、凹凸柄を有するエンボスロールにて、凹凸柄領域dと凹凸柄領域dの突付部が緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置されるように位置合わせをして、エンボス加工を施す。
エンボス加工に用いるエンボスロールは、例えば、以下の方法で得ることができる。
《原稿画像を作製する工程》
原稿画像を作製する工程は、凹凸柄として表現すべき模様を取得してこれを原稿画像とする。原稿画像は画像濃度の平面内分布のデジタルデータであることが好ましいため、原稿として杉板目の木材板と杉柾目の木材板とを用意し、両者の木目をデジタルスキャナを用いて読み込むことによりTIFF形式で8bitの画像濃淡階調(256階調)で2540dpiの解像度の濃淡画像のデジタルデータを得る。
《版を作製する工程》
版を作製する工程では、版下画像に基づいてエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。具体的には以下の手順(1)~(5)からなる。
(1)濃淡階調版下画像作成工程
《原稿画像を作製する工程》で得た原稿画像デジタルデータを用い、杉板目の画像データから幅25cmで長さ90cmの部分を切り抜き、これを図3における凹凸柄領域d1の画像とする。
又、杉柾目の画像データからも幅25cmで長さ90cmの部分を切り抜き、これを図3に於ける凹凸柄領域d2の画像とする。
更に、凹凸柄領域d1の右端の幅5cmの部分と杉柾目の画像データの左端の幅5cmの部分を選び両者の画像データについて、図6及び前記明細書にて記載の如き連続濃度化の処理を施した上で、凹凸柄領域d1の右端の幅5cmの部分と杉柾目の画像データの左端の幅5cmの部分とを合成(加算)して透かし合成処理を行い、これを以って、図3に於ける緩衝凹凸柄領域d1+2の画像データとする。
而かる後、斯くして得た凹凸柄領域d1の画像データ、凹凸柄領域d2の画像データ、及び緩衝凹凸柄領域d1+2の画像データを、図3の如き配置で合成した画像データからエンボス版の濃淡階調版下画像データを作成する。この濃淡階調版下画像データを凹凸模様画像データともいう。
(2)金属ロール準備工程
上記工程(1)と並行して、エンボス版彫刻用の金属ロールを準備する。
(3)レーザ光彫刻工程
レーザ光直接彫刻機を用い、工程(2)で用意した金属ロールの表面を工程(1)で作成した凹凸模様画像データに基づき彫刻する。これによりその表面に化粧材表面の凹凸模様と同一平面視形状で且つ逆凹凸(化粧材の凸に対応する部分がエンボス版面上では凹となる関係)の凹凸形状を形成する。
金属ロールをその回転駆動軸を介して駆動し、回転駆動軸を中心軸として回転する。レーザヘッドから出射される発振波長1024nm、レーザスポット径10μm、出力600Wのファイバーレーザ光Lで金属ロールの表面の全面を走査する。その際には工程(1)で作成した凹凸模様画像データの濃度値に応じてレーザ光をON-OFF切換(照射又は非照射の切換)を行い、照射位置にはレーザ光による金属の蒸発で深さ10μmの凹部を形成する。かかるレーザ光による金属ロール表面に対する走査を複数回繰り返す。また、蒸発した金属が粉体となって金属ロールの表面に残留又は付着することを防止するため、彫刻液吐出ヘッドから彫刻液Tを金属ロールの表面のレーザ光照射領域に吹き付けた状態でレーザ光照射を行うことが好ましい。例えば、凹凸模様画像データ上で版深50μmに対応する画像濃度の位置座標においては、合計10回の走査のうち、最初の5回分のみレーザ光を照射(ON)し、残り5回分については、レーザ光は非照射(OFF)となるよう制御する。かかるレーザ光の走査を完了させ、金属ロールの表面に所望の凹凸形状を形成する。
その際、レーザ光直接彫刻機を制御する電子計算機により、絵柄領域Dの最大濃度データを版深200μm、絵柄領域Dの最大濃度データを版深200μmに変換の上、レーザ光の照射回数を制御する。
(4)電界研磨工程
彫刻液を洗浄した後、電解研磨を行い、金属ロールの表面に付着した金属の残渣を除去する。
(5)クロムメッキ工程
工程(4)の後、該金属ロール表面にメッキによりクロム層を形成する。
以上により凹凸層の表面に形成された凹凸模様の凹凸が反転した凹凸形状を表面に備える版(化粧材用成形型、本形態ではエンボス版)を得ることができる。
〔実施形態B1〕
[層構成]
図7には、印刷層2を上面(座標軸のZ軸方向)からみた平面視による説明図と、透明層4を上面からみた説明図を示している。透明層4に於ける突付部の境界線A´、B´、C´が、それぞれ、印刷層2に於ける突付部の境界線A、B、Cと重なるように、印刷層2の上に積層される。このとき、図8に示すように、印刷層2の突付部が、透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2に重ねて配置される。
尚、図7に於いては、各突付部の境界線は図示上目立ち、認識し易いように太線で誇張して図示してあるが、実際の化粧材に於いては、必ずしも突付部の各境界線は太線等の目立つ外観を呈するとは限ら無い。
(凹凸柄)
本発明は、絵柄のデザインと、凹凸柄のデザインを同一のものとして重ね合わせた、所謂「同調」タイプの化粧版に限定されず、例えば、絵柄は木目模様で構成し、凹凸柄は非木目模様(例えばマット部)で構成することができる。
凹凸柄をマット部で構成する場合、マット部を構成する微凹部は、レーザ加工やエッチング加工で表面を凹凸化したエンボスロールや、マット剤を含む塗布液で表面を凹凸化したエンボスロールを用いたエンボス加工により形成することができる。特に、レーザ加工を用いることにより、微細な加工を実現することができる。
凹凸柄をマット部で構成する場合、凹凸柄領域dとdは、それぞれ、以下の条件を満たすことが好ましい。
カットオフ値を8mmとした際のJIS B0601:1994での十点平均粗さ(dのRziとdのRzi+1)は、それぞれの間に10μm以上の差があると好ましいが、凹凸柄のパターンによってはこの限りではない。
双方の凹凸柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を構成する凹凸柄p1+2は、凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴の少なくとも一部と凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴の少なくとも一部を備えることが好ましい。
前記凹凸柄の特徴とは、表面粗さを含む表面性状の特徴を意味する。
凹凸柄p1+2と凹凸柄pが連続的に接続し、凹凸柄p1+2と凹凸柄pが連続的に接続することが好ましい。
上記の「凹凸柄p1+2と凹凸柄pが連続的に接続」とは、凹凸柄領域d1+2のうち、凹凸柄領域dに隣接する幅方向領域Δd1+2´の凹凸柄p1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´が、Δd1+2´の幅の縮小とともに、前記凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束することを意味する。
上記の「凹凸柄p1+2と凹凸柄pが連続的に接続」とは、凹凸柄領域d1+2のうち、凹凸柄領域dに隣接する幅方向領域Δd1+2″の凹凸柄p1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″が、Δd1+2″の幅の縮小とともに、前記凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束することを意味する。
上記の特徴量は、表面粗さを含む表面性状の特徴から抽出された特徴量であることが好ましい。
前記のように、図7の透明層4に於ける突付部の境界線A´、B´、C´が、それぞれ、印刷層2に於ける突付部の境界線A、B、Cと重なるように積層すると、凹凸柄領域の突付部が、透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2に重なる位置に配置される。
絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材において、突付部が目視上で違和感を生じさせる要因として、凹凸柄形成時のエンボス型板を用いた熱圧成形の際に基材に収縮又は伸長が発生して、絵柄の突付部と、凹凸柄領域の突付部にズレが生じることが考えられる。絵柄領域の突付部が、透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2に重なる範囲に配置されている限り、凹凸柄形成時のエンボス型板を用いた熱圧成形の際に、基材に収縮又は伸長が発生したとしても、前記のズレに起因する違和感を回避することができる。即ち、斯かる緩衝凹凸柄領域d1+2は絵柄と凹凸柄との位置同調誤差(見当誤差、見当ズレ等とも呼称される)の影響(外観上の違和感)を吸収する機能を有する。
凹凸柄p1+2と凹凸柄pの類似度、及び、凹凸柄p1+2と凹凸柄pの類似度を、何れも、凹凸柄pと凹凸柄pの類似度よりも高くすることで、より上記効果を高めることができる。
本明細書において、「類似度」とは心理的類似度を意味する。「類似度」は、例えば、画像分析装置で、色、形状、テクスチャなどの特徴量を抽出して数値化したものを対比して測定することができる。
凹凸柄p1+2と凹凸柄pの類似度、及び、凹凸柄p1+2と凹凸柄pの類似度を、何れも、凹凸柄pと凹凸柄pの類似度よりも高くするための具体的方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法1、2やその組み合わせを例示することができる。
《方法1》dとdを並べた後、dの一部を切り取ってdに貼り付けること、及び、dの一部を切り取ってdに貼り付けることを繰り返して、境界を馴染ませる方法。
《方法2》dとdを並べた後、柄の境界付近におけるdとdの凹凸十点平均粗さRz及び/又は凹凸周期を変化させ、境界上の濃度変化が緩やかになるように処理する方法。
凹凸柄領域dの幅方向長さ(w)と、凹凸柄領域dの幅方向長さ(w)と、緩衝凹凸柄領域d1+2の前記幅方向長さ(w1+2)が、w1+2<wかつw1+2<wの関係を満たすことが好ましい。
また、0.05<w1+2/w<0.10かつ0.05<w1+2/w<0.10の関係を満たすことがより好ましい。
(絵柄)
図7に示すように、印刷層2の絵柄領域Dを構成する絵柄Pと、絵柄領域Dを構成する絵柄Pは異なる柄からなり、図7に於いて幅方向(同図に於けるX軸方向)に交互に2組が、D、D、D、Dの如く互に隙間無く隣接して配置されてなる。又、絵柄領域Dと絵柄領域Dとは幅方向Xと直交する長手方向Yに延在しておりZ軸方向から視た所謂平面視に於いて、絵柄領域D、Dとも長方形形状をなす。尚、本発明に於いて、幅方向及び長手方向の用語は相対的な長短を意味するものでは無く、単に直交する2方向を互に識別する意味で用いる。又、図7の絵柄領域は、あくまでも1実施形態の例であり、本発明に於ける絵柄領域は最低2種類以上あれば良く、3種類、4種類、或いは5種類以上の絵柄領域の配置から構成されていても良い。又、絵柄領域D、D等の形状も長方形とは限らず、3角形、正方形、菱形等の他の4角形、6角形等の多角形、或いは多角形以外の形状であっても良い。
絵柄は特に限定されないが、例えば、杉、檜、松、楢、樫、チーク等の各種樹木の板材表面の木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石板表面の凹陥部模様)、花崗岩板表面の劈開面等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。
これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版(以下、複数の分色版)を用意して行う多色印刷等によっても形成される。
絵柄層の形成には、着色層と同様のインキを用いることができる。
印刷方法としては、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等の各種印刷方法が適用可能である。
[製造方法]
以下に説明する製造方法には、フィルム形態の基材(以下、これを基材フィルムとも呼称する)の表面に絵柄を印刷して印刷層2を形成する工程(A工程)と、印刷層2に透明層4を積層する工程(B工程)と、透明層4に凹凸柄3を形成する工程(C工程)を含む。
(A工程)
2軸延伸ポリエステル樹脂(PET-G)フィルムよりなる基材フィルム11の一方の面に、印刷ロール(図示せず)を用いて印刷層2を形成、すなわち絵柄を印刷する。例えば、グラビア印刷で、多色刷りにより木目模様を形成することができる。
絵柄の印刷は、原稿画像を作製する工程を含む。原稿画像はデジタルデータであることが好ましいため、デジタルデータでない場合には写真やスキャナ等を用いることによりデジタルデータ化する。また、初めから模様をCAD等を用いてデジタルデータを利用して設計していた場合にはそのデジタルデータを用いることができる。これで、デジタルデータとして原稿画像が得られる。
(B工程)
実施形態Aで説明した手法と同様の手法で、透明層4を積層形成する。
(C工程)
透明層4の表面に、凹凸柄を有するエンボスロールにて、絵柄領域Dと絵柄領域Dの突付部が、緩衝凹凸柄領域d1+2に重ねて配置されるように位置合わせをして、エンボス加工を施す。
エンボス加工に用いるエンボスロールは、例えば、以下の方法で得ることができる。
《原稿画像を作製する工程》
原稿画像を作製する工程は、凹凸柄として表現すべき模様を取得してこれを原稿画像とする。原稿画像は画像濃度の平面内分布のデジタルデータであることが好ましいため、原稿として杉板目の木材板と杉柾目の木材板とを用意し、両者の木目をデジタルスキャナを用いて読み込むことによりTIFF形式で8bitの画像濃淡階調(256階調)で2540dpiの解像度の濃淡画像のデジタルデータを得る。
原稿画像を作製する工程では、凹凸柄領域dを構成する凹凸柄pと、凹凸柄領域dを構成する凹凸柄pを取得するとともに、画像分析装置で、凹凸柄pと凹凸柄pの特徴を抽出して、凹凸柄pの特徴の少なくとも一部と凹凸柄pの特徴の少なくとも一部を備える凹凸柄p1+2を決定して、凹凸柄領域dと凹凸柄領域dの間に凹凸柄p1+2を有する緩衝凹凸柄領域d1+2を設けた原稿画像を作製する。
《エッジングデータを作成する工程》
エッジングデータを作製する工程では、得られた原稿画像を元に複数段のエッジングデータ(何段目のエッジングで凹凸をつけるかに関するデータ)を作成する。
《版を作製する工程》
版を作製する工程では、エッジングデータに基づいてエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。具体的には以下の手順(1)~(5)からなる。
(1)濃淡階調版下画像作成工程
《原稿画像を作製する工程》で得た原稿画像デジタルデータを用い、杉板目の画像データから幅25cmで長さ90cmの部分を切り抜き、これを図7における凹凸柄領域dの画像とする。
又、杉柾目の画像データからも幅25cmで長さ90cmの部分を切り抜き、これを図7に於ける凹凸柄領域dの画像とする。
更に、凹凸柄領域dの右端の幅5cmの部分と杉柾目の画像データの左端の幅5cmの部分を選び両者の画像データについて、図6及び前記記載の如き連続濃度化の処理を施した上で、凹凸柄領域dの右端の幅5cmの部分と杉柾目の画像データの左端の幅5cmの部分とを合成(加算)して透かし合成処理を行い、これを以って、図7に於ける緩衝凹凸柄領域d1+2の画像データとする。
而かる後、斯くして得た凹凸柄領域dの画像データ、凹凸柄領域dの画像データ、及び緩衝凹凸柄領域d1+2の画像データを図7の如き配置で合成した画像データからエンボス版の濃淡階調版下画像データを作成する。この濃淡階調版下画像データを凹凸模様画像データともいう。
(2)金属ロール準備工程、(3)レーザ光彫刻工程、(4)電界研磨工程及び(5)クロムメッキ工程は、実施形態Aで説明した手法と同様の手法で行うことができる。
〔実施形態B2〕
[層構成]
本実施形態は、絵柄と凹凸柄の双方に緩衝領域を設けたものであり、絵柄を下記構成とした他は、上記実施形態B1と同様である。
図9には、印刷層2を上面(座標軸のZ軸方向)からみた平面視による説明図と、透明層4を上面からみた説明図を示している。透明層4に於ける突付部の境界線A´、B´、C´が、それぞれ、印刷層2に於ける突付部の境界線A、B、Cと重なるように、印刷層2の上に積層される。このとき、透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2の少なくとも一部が、印刷層2の緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置される。
尚、図9に於いては、各突付部の境界線は図示上目立ち、認識し易いように太線で誇張して図示してあるが、実際の化粧材に於いては、必ずしも突付部の各境界線は太線等の目立つ外観を呈するとは限ら無い。
(絵柄)
図9に示すように、印刷層2の絵柄領域Dを構成する絵柄Pと、絵柄領域Dを構成する絵柄Pは異なる柄からなり、図9に於いて幅方向(同図に於けるX軸方向)に交互に2組が、D、D、D、Dの如く互に隙間無く隣接して配置されてなる。又、絵柄領域Dと絵柄領域Dとは幅方向Xと直交する長手方向Yに延在しておりZ軸方向から視た所謂平面視に於いて、絵柄領域D、Dとも長方形形状をなす。尚、本発明に於いて、幅方向及び長手方向の用語は相対的な長短を意味するものでは無く、単に直交する2方向を互に識別する意味で用いる。又、図9の絵柄領域は、あくまでも1実施形態の例であり、本発明に於ける絵柄領域は最低2種類以上あれば良く、3種類、4種類、或いは5種類以上の絵柄領域の配置から構成されていても良い。又、絵柄領域D、D等の形状も長方形とは限らず、(流れ方向と平行に走る柄の境界線が含まれている形であれば)多角形の形状であっても良い。
絵柄は特に限定されないが、例えば、杉、檜、松、楢、樫、チーク等の各種樹木の板材表面の木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。
これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版(以下、複数の分色版)を用意して行う多色印刷等によっても形成される。
絵柄層の形成には、着色層と同様のインキを用いることができる。
印刷方法としては、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等の各種印刷方法が適用可能である。
双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を構成する絵柄P1+2は、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備えることが好ましい。
前記絵柄の特徴とは、色、或いは導管溝や年輪を有する木目模樣のように導管溝や年輪の如き特徴的なパターンを含む絵柄の場合は該特徴的パターンの柄密度から選ばれる外観的特徴を意味する。
絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続し、絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続することが好ましい。
上記の「絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続」とは、緩衝絵柄領域D1+2のうち、絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2´の絵柄P1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´が、ΔD1+2´の幅の縮小とともに(すなわち、ΔD1+2´の面積が小さくなり、よりDに近い領域のみで構成されるようになるにつれて)、絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束することを意味する。
上記の「絵柄P1+2と絵柄Pが突付部で連続的に接続する」とは、緩衝絵柄領域D1+2のうち、絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2″の絵柄P1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″が、ΔD1+2″の幅(すなわち、ΔD1+2″の面積が小さくなり、よりDに近い領域のみで構成されるようになるにつれて)の縮小とともに、絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束することを意味する。
上記の特徴量は、色の濃度及び/又は柄の密度の少なくとも何れから抽出された特徴量であることが好ましい。
「色の濃度」の特徴量及び「特徴的パターンの柄密度」の特徴量は、実施形態Aで説明した手法を同様の手法で抽出することができる。
前記のように、図9の透明層4に於ける突付部の境界線A´、B´、C´が、それぞれ、印刷層2に於ける突付部の境界線A、B、Cと重なるように、印刷層2の上に積層される。このとき、透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2の少なくとも一部が、印刷層2の緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置される。
絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材において、突付部が目視上で違和感を生じさせる要因として、凹凸柄形成時のエンボス型板を用いた熱圧成形の際に基材に熱収縮が発生して、絵柄の突付部と、凹凸柄領域の突付部にズレが生じることが考えられる。透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2が、印刷層2の緩衝絵柄領域D1+2と重なる範囲に配置されている限り、凹凸柄形成時のエンボス型板を用いた熱圧成形の際に、基材に熱収縮が発生したとしても、前記のズレに起因する違和感を回避することができる。
絵柄P1+2と絵柄Pの類似度、及び、絵柄P1+2と絵柄Pの類似度を、何れも、絵柄Pと絵柄Pの類似度よりも高くすることで、より上記効果を高めることができる。
絵柄P1+2と絵柄Pの類似度、及び、絵柄P1+2と絵柄Pの類似度を、何れも、絵柄Pと絵柄Pの類似度よりも高くするための具体的方法は特に限定されないが、例えば、実施形態Aで説明した方法を例示することができる。
絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、緩衝絵柄領域D1+2の幅方向長さ(W1+2)が、W1+2<WかつW1+2<Wの関係を満たすことが好ましい。
1+2の下限は、凹凸柄の形成に用いるエンボス加工機の幅方向の見当誤差である。
また、0.05<W1+2/W<0.10かつ0.05<W1+2/W<0.10の関係を満たすことがより好ましい。
[製造方法]
以下に説明する製造方法には、フィルム形態の基材(以下、これを基材フィルムとも呼称する)の表面に絵柄を印刷して印刷層2を形成する工程(A工程)と、印刷層2に透明層4を積層する工程(B工程)と、透明層4に凹凸柄3を形成する工程(C工程)を含む。
(A工程)
実施形態Aで説明した方法と同様の方法で、絵柄領域Dと絵柄領域Dの間に絵柄P1+2を有する緩衝絵柄領域D1+2を設けた原稿画像を作製する。
(B工程)
実施形態Aで説明した方法と同様の方法で、透明層4を積層形成する。
(C工程)
透明層4の表面に、凹凸柄を有するエンボスロールにて、透明層4の緩衝凹凸柄領域d1+2が少なくとも一部で、印刷層2の緩衝絵柄領域D1+2に重なる位置に配置されるように位置合わせをして、エンボス加工を施す。
エンボス加工に用いるエンボスロールは、例えば、以下の方法で得ることができる。
《原稿画像を作製する工程》
原稿画像を作製する工程は、凹凸柄として表現すべき模様を取得してこれを原稿画像とする。原稿画像は画像濃度の平面内分布のデジタルデータであることが好ましいため、原稿として杉板目の木材板と杉柾目の木材板とを用意し、両者の木目をデジタルスキャナを用いて読み込むことによりTIFF形式で8bitの画像濃淡階調(256階調)で2540dpiの解像度の濃淡画像のデジタルデータを得る。
《版を作製する工程》
版を作製する工程では、版下画像に基づいてエンボス版(化粧材用成形型)の作製を行う。具体的には以下の手順(1)~(5)からなる。
(1)濃淡階調版下画像作成工程
《原稿画像を作製する工程》で得た原稿画像デジタルデータを用い、杉板目の画像データから幅25cmで長さ90cmの部分を切り抜き、これを図9における凹凸柄領域dの画像とする。
又、杉柾目の画像データからも幅25cmで長さ90cmの部分を切り抜き、これを図9に於ける凹凸柄領域dの画像とする。
更に、凹凸柄領域dの右端の幅5cmの部分と杉柾目の画像データの左端の幅5cmの部分を選び両者の画像データについて、図6及び前記明細書にて記載の如き連続濃度化の処理を施した上で、凹凸柄領域dの右端の幅5cmの部分と杉柾目の画像データの左端の幅5cmの部分とを合成(加算)して透かし合成処理を行い、これを以って、図9に於ける緩衝凹凸柄領域d1+2の画像データとする。
而かる後、斯くして得た凹凸柄領域dの画像データ、凹凸柄領域dの画像データ、及び緩衝凹凸柄領域d1+2の画像データを図9の如き配置で合成した画像データからエンボス版の濃淡階調版下画像データを作成する。この濃淡階調版下画像データを凹凸模様画像データともいう。
(2)金属ロール準備工程、(3)レーザ光彫刻工程、(4)電界研磨工程及び(5)クロムメッキ工程は、実施形態Aで説明した手法と同様の手法で行うことができる。
本発明の化粧材は、突付柄の突付部が目視上で違和感を生じさせないことが求められる分野で有用である。
1:基材(乃至基材フィルム)
2:印刷層
3:凹凸柄
4:透明層
10:化粧材

Claims (19)

  1. 絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、
    前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dと、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの間にあって双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を有し、
    前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dを隣接して有し、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの突付部を、前記緩衝絵柄領域D1+2に重ねて配置した、化粧材。
  2. 前記絵柄領域Dの絵柄Pと前記絵柄領域Dの絵柄Pは異なる柄からなり、
    前記緩衝絵柄領域D1+2の絵柄P1+2は、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備え、
    前記絵柄P の特徴及び前記絵柄P 特徴が、色及び柄密度の少なくとも何れかを含む外観的特徴である、請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続し、前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続する、請求項2に記載の化粧材。
  4. 前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2´の絵柄P1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´は、前記幅方向領域ΔD1+2´の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束し、
    前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2″の絵柄P1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″は、前記幅方向領域ΔD1+2″の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束する、請求項3に記載の化粧材。
  5. 前記特徴量n1+2´、前記特徴量n1、前記特徴量n1+2″及び前記特徴量nが、色の濃度及び柄の密度の少なくとも何れかから抽出された特徴量である、請求項4に記載の化粧材。
  6. 前記絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、該絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、前記緩衝絵柄領域D1+2の前記幅方向長さ(W1+2)が、W1+2<WかつW1+2<Wの関係を満たす、請求項1~5の何れかに記載の化粧材。
  7. 基材、前記基材の一方の面に積層された印刷層と、前印刷層の上に積層された透明層を有し、
    前記印刷層に前記絵柄を備え、前記透明層に前記凹凸柄を備える、請求項2~6の何れかに記載の化粧材。
  8. 絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、
    前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dと、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの間にあって双方の絵柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を有し、
    前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dを隣接して有し、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの突付部を、前記緩衝凹凸柄領域d1+2に重ねて配置した、化粧材。
  9. 絵柄と凹凸柄を重ねて有する化粧材であって、
    前記凹凸柄は、少なくとも2つの異なる凹凸柄領域d、dと、該凹凸柄領域dと該凹凸柄領域dの間にあって双方の絵柄領域d、dと隣接する緩衝凹凸柄領域d1+2を有し、
    前記絵柄は、少なくとも2つの異なる絵柄領域D、Dと、該絵柄領域Dと該絵柄領域Dの間にあって双方の絵柄領域D、Dと隣接する緩衝絵柄領域D1+2を有し、
    前記緩衝凹凸柄領域d1+2と前記緩衝絵柄領域D1+2の少なくとも一部を重ねて配置し、
    前記凹凸柄領域dの凹凸柄pと該凹凸柄領域dの凹凸柄pは異なる柄からなり、
    前記緩衝凹凸柄領域d1+2の凹凸柄p1+2は、前記凹凸柄pの特徴の少なくとも一部と前記凹凸柄pの特徴の少なくとも一部を備え、
    前記凹凸柄p の特徴及び前記凹凸柄p 特徴が、表面粗さを含む表面性状の特徴である、化粧材。
  10. 前記凹凸柄領域dの凹凸柄pと該凹凸柄領域dの凹凸柄pは異なる柄からなり、
    前記緩衝凹凸柄領域d1+2の凹凸柄p1+2は、前記凹凸柄pの特徴の少なくとも一部と前記凹凸柄pの特徴の少なくとも一部を備え、
    前記凹凸柄p の特徴及び前記凹凸柄p 特徴が、表面粗さを含む表面性状の特徴である、請求項8に記載の化粧材。
  11. 前記凹凸柄p1+2と前記凹凸柄pが連続的に接続し、前記凹凸柄p1+2と前記凹凸柄pが連続的に接続する、請求項9又は10に記載の化粧材。
  12. 前記緩衝凹凸柄領域d1+2のうち、前記凹凸柄領域dに隣接する幅方向領域Δd1+2´の凹凸柄p1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´は、前記幅方向領域Δd1+2´の幅の縮小とともに、前記凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束し、
    前記緩衝凹凸柄領域d1+2のうち、前記凹凸柄領域dに隣接する幅方向領域Δd1+2″の凹凸柄p1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″は、前記幅方向領域Δd1+2″の幅の縮小とともに、前記凹凸柄領域dの凹凸柄pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束する、請求項11に記載の化粧材。
  13. 前記凹凸柄領域dの幅方向長さ(w)と、該凹凸柄領域dの幅方向長さ(w)と、前記緩衝凹凸柄領域d1+2の前記幅方向長さ(w1+2)が、w1+2<wかつw1+2<wの関係を満たす、請求項8~12の何れかに記載の化粧材。
  14. 前記絵柄領域Dの絵柄Pと前記絵柄領域Dの絵柄Pは異なる柄からなり、
    前記緩衝絵柄領域D1+2の絵柄P1+2は、絵柄Pの特徴の少なくとも一部と絵柄Pの特徴の少なくとも一部を備え、
    前記絵柄P の特徴及び前記絵柄P 特徴が、色及び柄密度の少なくとも何れかを含む外観的特徴である、請求項9に記載の化粧材。
  15. 前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続し、前記絵柄P1+2と前記絵柄Pが連続的に接続する、請求項14に記載の化粧材。
  16. 前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2´の絵柄P1+2´の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2´は、前記幅方向領域ΔD1+2´の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束し、
    前記緩衝絵柄領域D1+2のうち、前記絵柄領域Dに隣接する幅方向領域ΔD1+2″の絵柄P1+2″の特徴を抽出して数値化した特徴量n1+2″は、前記幅方向領域ΔD1+2″の幅の縮小とともに、前記絵柄Pの特徴を抽出して数値化した特徴量nに収束する、請求項15に記載の化粧材。
  17. 前記特徴量n1+2´、前記特徴量n1、前記特徴量n1+2″及び前記特徴量nが、色の濃度及び柄の密度の少なくとも何れかから抽出された特徴量である、請求項16に記載の化粧材。
  18. 前記絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、該絵柄領域Dの幅方向長さ(W)と、前記緩衝絵柄領域D1+2の前記幅方向長さ(W1+2)が、W1+2<WかつW1+2<Wの関係を満たす、請求項14~17の何れかに記載の化粧材。
  19. 基材と、前記基材の一方の面に積層された印刷層と、前印刷層の上に積層された透明層を有し、
    前記印刷層に前記絵柄を備え、前記透明層に前記凹凸柄を備える、請求項8~18の何れかに記載の化粧材。
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