JP2020163808A - 化粧材 - Google Patents

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一葉 大竹
Kazuha Otake
一葉 大竹
佳夫 助川
Yoshio Sukegawa
佳夫 助川
正紀 山形
Masaki Yamagata
正紀 山形
田中 秀夫
Hideo Tanaka
秀夫 田中
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Abstract

【課題】触感と視覚効果とが一致しており、複雑かつ高度な意匠性を有する化粧材を提供する。【解決手段】基材1と、基材1の一方の面側に設けられ、基材面の法線方向からみた平面視形状が孤立した孤立閉領域を構成する特定絵柄模様層2aを有する模様層2と、特定絵柄模様層2aの少なくとも一部に重複して設けられ、基材面の法線方向からみた平面視形状が線状に延伸し、延伸方向が略平行である複数の線状隆起部3とを備える、化粧材。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧材に関する。
建材、家具、電気製品及び車両の内装材等の表面には、意匠性を付与するために化粧材が用いられている。化粧材は、意匠性を高めるために、印刷模様として、木目模様、石目模様、布目模様、皮目模様、幾何模様及び抽象柄模様等が施されることがある。そして、化粧材は、意匠性をさらに高めるために、印刷模様を厚膜で形成することで触感を付与することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1で提案するような化粧材は、印刷模様で付与する触感と、印刷模様の視覚効果との連動性については触れられていない。
特開2018−114711号公報
近年、需要者の高級志向の高まり、又は、多様なニーズに伴い、さらに複雑な意匠が求められ、より厳しい要求に対応する必要が生じている。
しかしながら、特許文献1で提案するような化粧材は、木目等のように、触感と視覚効果との連動性を有することが望まれる意匠性を再現しているとは言い難いものであった。
本発明は、上記問題に鑑み、触感と視覚効果とが一致しており、複雑かつ高度な意匠性を有する化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、基材の一方の面側に、孤立閉領域を構成する特定絵柄模様層の少なくとも一部に重複して設けられた線状隆起部を備えることにより上記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供する。
[1]基材と、前記基材の一方の面側に設けられ、前記基材面の法線方向からみた平面視形状が孤立した孤立閉領域を構成する特定絵柄模様層を有する模様層と、前記特定絵柄模様層の少なくとも一部に重複して設けられ、前記基材面の法線方向からみた平面視形状が線状に延伸し、延伸方向が略平行である複数の線状隆起部とを備える、化粧材。
[2]前記模様層は、絵柄模様層をさらに有する、[1]の化粧材。
[3]前記線状隆起部の高さは、前記線状隆起部の底部から5μm以上60μm以下である、[1]又は[2]の化粧材。
[4]前記線状隆起部の延伸方向の長さは、0.3mm以上2,000mm以下である、[1]〜[3]のいずれかの化粧材。
[5]前記線状隆起部の延伸方向と直交する幅は、100μm以上400μm以下である、[1]〜[4]のいずれかの化粧材。
[6]前記線状隆起部の延伸方向と直交する方向における隣接する前記線状隆起部の間隔は、200μm以上1,200μm以下である、[1]〜[5]のいずれかの化粧材。
[7]前記基材の一方の面側に、前記基材面の法線方向からみた平面視形状が点状である点状隆起部を備える、[1]〜[6]のいずれかの化粧材。
[8]前記点状隆起部の前記基材面の法線方向からみた平面視形状は、円形又は楕円形である、[7]の化粧材。
[9]前記点状隆起部の高さは、前記線状隆起部の高さより低い、[7]又は[8]の化粧材。
本発明によれば、触感と視覚効果とが一致しており、複雑かつ高度な意匠性を有する化粧材を提供することができる。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る化粧材の模式的断面図(図1(b)のA−A断面図)であり、図1(b)は、本発明の実施の形態に係る化粧材の模式的平面図である。 本発明の実施の形態に係る化粧材の具体例であり、孤立閉領域を示す写真である。 本発明の実施の形態に係る化粧材の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態に係る化粧材における線状隆起部と点状隆起部との高さの関係を示す模式的断面図である。 図5(a)は、本発明の化粧材の製造方法として、方法1又は方法2を採用した場合の化粧材を示す模式的断面図であり、図5(b)は、本発明の化粧材の製造方法として、方法3を採用した場合の化粧材を示す模式的断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚さ及び寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る化粧材は、図1(a)及び図1(b)に示すように、基材1と、基材1の一方の面側に設けられ、基材1面の法線方向からみた平面視形状が孤立した孤立閉領域Rを構成する特定絵柄模様層2aを有する模様層2と、特定絵柄模様層2aの少なくとも一部に重複して設けられ、基材1面の法線方向からみた平面視形状が線状に延伸し、延伸方向dが略平行である複数の線状隆起部3とを備える。
[基材]
基材1の形態は、平板及び曲面板等のいずれであってもよい。
基材1としては、通常化粧材として用いられるものであれば、特に限定されず、樹脂基材、金属基材、窯業系基材、繊維質基材及び木質系基材等を用途に応じて適宜選択することができる。上記各基材はそれぞれ単独で使用してもよいが、例えば、樹脂基材と木質系基材の複合体、樹脂基材と金属基材の複合体等の任意の組み合わせによる積層体であってもよい。基材1が積層体である場合は、積層体のそれぞれの層間に接着剤層及びプライマー層をさらに設ける等の構成であってもよい。
基材1として用いられる樹脂基材としては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、各種オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、各種ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
基材1として用いられる金属基材としては、例えば、アルミニウム、ジュラルミントウノアルミニウム合金、鉄、ステンレス鋼等の鉄合金、チタニウム、銅、又は真鍮等の銅合金等からなるものが挙げられる。また、基材1としては、他の材料の基材表面にこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
基材1として用いられる窯業系基材としては、例えば、石膏、珪酸カルシウム、セメント、木片セメント等の窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル等が挙げられる。
基材1として用いられる繊維質基材としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙及び石膏ボード用原紙等の紙基材が使用できる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を上げるため、ケバ立ち防止のために、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。樹脂を添加した紙基材としては、例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等が挙げられる。
また、基材1として用いられる繊維質基材としては、建材分野で使われることが多い紙基材の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等が挙げられる。
また、基材1として用いられる繊維質基材としては、事務分野又は通常の印刷及び包装等に用いられているコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙及び和紙等が挙げられる。
また、基材1として用いられる繊維質基材としては、上述した紙基材とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布及び不織布も挙げられる。各種繊維としては、ガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維及び炭素繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、各種繊維としては、ポリエステル繊維、アクリル繊維及びビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
基材1として用いられる木質系基材としては、例えば、杉、松、檜、楢、樫、ラワン、チーク等の各種木材の単板、合板、集成材、パーティクルボード及び中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
基材1の厚さは、特に制限はなく、所謂フィルム、シート、板等と呼称される各種厚み形態の物を用いることができるが、機械的強度、取扱性及び経済性の観点から、樹脂基材であれば、20μm以上150μm以下であることが好ましく、30μm以上125μm以下であることがより好ましく、40μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
基材1は、上記観点から、紙基材であれば、坪量20g/m以上150g/m以下であることが好ましく、坪量25g/m以上125g/m以下であることがより好ましく、坪量30g/m以上100g/m以下であることがさらに好ましい。
基材1は、化粧材を構成する他の層との密着性の向上のため、あるいは、被着材との接着性の強化等のために、その片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン−紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材1の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が、表面処理の効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、基材1と他の層との層間密着性の向上、被着材との接着性の強化等のために、基材1の表面にプライマー層をさらに設ける等の構成であってもよい。
[模様層]
本発明の実施の形態に係る化粧材は、図1(a)及び図1(b)に示すように、基材1面の法線方向(同図におけるZ軸方向)からみた平面視形状が孤立した孤立閉領域Rを構成する特定絵柄模様層2aを有する模様層2を備えることを特徴とする。本明細書において、「孤立」とは、孤立閉領域Rが他模様とのつながりがなく単独で存在している状態をいい、孤立閉領域Rが複数である場合は孤立閉領域Rどうしが分離して存在している状態をいう。
特定絵柄模様層2aで構成する孤立閉領域Rは、模様層2で表現する模様内において特に強調する箇所であることが好ましい。模様内で強調する箇所としては、例えば、模様層2が木目模様である場合の節部、ささくれ及び割れ等、模様層2が石目模様である場合の結晶部等、並びに、模様層2が煉瓦積模様である場合の穴部等が挙げられる。模様層2が木目模様である場合において節部を孤立閉領域Rとする化粧材の具体例を図2として示す。
特定絵柄模様層2aで構成する孤立閉領域Rは、1つでもよく、複数であってもよい。
特定絵柄模様層2aで構成する孤立閉領域Rは、種々の形態を採ることができる。孤立閉領域Rとしては、例えば、多角形、円形、楕円形、心臓(ハート)型、花柄等が挙げられる。
孤立閉領域Rを構成する特定絵柄模様層2aは、特に限定されず、平面視形状が直線、曲線及び折線等を採用することができる。
孤立閉領域Rを構成する特定絵柄模様層2aは、平面視形状として一部に開口部を有していたとしても、巨視的に閉領域を構成していればよい。
模様層2は、図1(a)に示すように、絵柄模様層2bをさらに有することが好ましい。
絵柄模様層2bが形成する模様としては、木目模様、石目模様(花崗岩の劈開面等)、布目模様、皮目模様、タイル貼り模様(目地溝を含む)、煉瓦積模様(目地溝を含む)、砂目模様、梨地模様、光線彫模様、幾何学模様、文字、図形、規則的模様、抽象柄模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色及び黒色等のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
模様層2は、顔料及び/又は染料からなる着色剤を目的の意匠が得られるように適宜配置したものである。模様層2は、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、スプレー印刷及びインクジェット印刷等の印刷手法、並びに、印刷された図柄を転写する転写手法等により形成される。模様層2は、単層であってもよいが、2以上の層から形成されるものであってもよい。
模様層2の形成に用いられるインキとしては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、硝化綿系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
着色剤としては、例えば、チタン白、アンチモン白、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、ニッケル−アゾ錯体、アゾメチンアゾ系黒顔料、ペリレン系黒顔料等の有機顔料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金屬顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤が挙げられる。
模様層2中には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有してもよい。
模様層2の厚さは、絵柄による意匠性を良好に発揮する観点から、0.1μm以上40μm以下が好ましく、0.3μm以上20μm以下がより好ましく、0.5μm以上10μm以下がさらに好ましい。
[線状隆起部]
本発明の実施の形態に係る化粧材は、図1(a)及び図1(b)に示すように、特定絵柄模様層2aの少なくとも一部に重複して設けられ、基材1面の法線方向からみた平面視形状が線状に延伸する複数の線状隆起部3を備えることを特徴とする。
線状隆起部3は、化粧材の表面に指触した際に、平面視形状が線状であることから指の接面積が大きくなり、触感が強く出せる傾向にある。一方、線状隆起部3は、平面視形状が線状であることから、光の反射に方向性があり、光の入射角によって反射(光り方)が変化して視覚効果に影響を及ぼすことがある。
線状隆起部3は、特定絵柄模様層2aの少なくとも一部に重複して設けられていればよく、特定絵柄模様層2aの全部に少なくとも重複して設けられていることが好ましく、特定絵柄模様層2aのみに重複して設けられていることがより好ましい。線状隆起部3は、特定絵柄模様層2aの少なくとも一部に重複して設けられていることで、模様内で強調する箇所における触感を増加させる効果を奏する。線状隆起部3によって、例えば、特定絵柄模様層2aが木目模様における節部、ささくれ及び割れ等を表現する場合、特定絵柄模様層2aが石目模様における結晶部等を表現する場合、並びに、特定絵柄模様層2aが煉瓦積模様における穴部等を表現する場合、それぞれの触感を増加させ、強調することができる。例えば、図2で示したような木目模様である場合、線状隆起部3によって、節部(孤立閉領域R)を形成する特定絵柄模様層2aの視覚効果と同調する触感を付与し、特定絵柄模様層2aの視覚効果と線状隆起部3の触感による意匠連動性を実現することができる。意匠連動性を実現することで、凸状の視覚効果を発揮する箇所であれば凸状を際だたせることができる。ここで、節部の輪郭を形成する特定絵柄模様層2aのみに重複して線状隆起部3を設けた場合では、線状隆起部3と周囲の触感の差によって錯覚を生じ、意匠連動性を実現することで、実際は凸形状であるが凹状であることを際だたせることができる。一方、特定絵柄模様層2aだけではなく、孤立閉領域Rの領域全体に線状隆起部3を設けた場合では、節部における意匠連動性を実現する効果が低くなり、節部の輪郭が凹状であることが際だたない。つまり、図2で示したような木目模様である場合、特定絵柄模様層2aと線状隆起部3によって意匠連動性を実現することで、節部を形成する特定絵柄模様層2aによる輪郭部は錯覚により凹状を際だたせることができる。
複数の線状隆起部3の延伸方向dは、それぞれ略平行であることを特徴とする。本明細書において、「略平行」とは、複数の線状隆起部3の延伸方向dが完全に平行である状態と、完全ではなくともおおよそ平行である状態とを含む意味である。また、本明細書において、「略平行」とは、全体的に線状隆起部3の延伸方向dがおおよそ平行といえる状態をいい、細部に平行ではない所があったとしても、巨視的に平行であれば、「略平行」に含まれる。
線状隆起部3の高さH(図1(a)参照)は、線状隆起部3による適度な触感が得られる観点から、線状隆起部3の底部から5μm以上60μm以下であることが好ましく、7μm以上45μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
なお、線状隆起部3の高さHは、3D形状測定器を用いて、基材1の表面の任意の箇所に存在する30箇所の線状隆起部3の高さHを測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
線状隆起部3の延伸方向d(図1(b)参照)の長さL(図1(b)参照)は、特に制限はないが、線状隆起部3による適度な触感が得られる観点から、0.3mm以上2000mm以下であることが好ましく、0.5mm以上250mm以下であることがより好ましく、1mm以上100mm以下であることがさらに好ましい。
なお、線状隆起部3の延伸方向dの長さLは、3D形状測定器を用いて、基材1の表面の任意の箇所に存在する10箇所の線状隆起部3の延伸方向dの長さLを測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
線状隆起部3の延伸方向d(図1(b)参照)と直交する幅W(図1(b)参照)は、線状隆起部3による適度な触感が得られる観点から、100μm以上400μm以下であることが好ましく、125μm以上300μm以下であることがより好ましく、150μm以上200μm以下であることがさらに好ましい。
なお、線状隆起部3の幅Wは、3D形状測定器を用いて、基材1の表面の任意の箇所に存在する30箇所の線状隆起部3の幅Wを測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
線状隆起部3の延伸方向d(図1(b)参照)と直交する方向における隣接する線状隆起部3の間隔D(図1(b)参照)は、線状隆起部3による適度な触感が得られる観点、及び、隙間が視認されてしまい意匠性が低下する観点から、200μm以上1,200μm以下であることが好ましく、250μm以上800μm以下であることがより好ましく、300μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。
なお、線状隆起部3の間隔Dは、3D形状測定器を用いて、基材1の表面の任意の箇所に存在する30箇所の線状隆起部3の間隔Dを測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
線状隆起部3は、二液硬化樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂及び電離放射線硬化樹脂から選ばれる少なくとも1種で形成されることが好ましい。
二液硬化樹脂としては、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂、二液硬化型エポキシ樹脂、二液硬化型ウレタン変性アクリル樹脂及び二液硬化型ポリエステル樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン及びABS樹脂等が挙げられる。
熱硬化樹脂は、硬化剤と反応する官能基を有しているもの及び硬化剤に相当するものを含むもの(自己架橋タイプを含む)等がある。熱硬化樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、化粧材を製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、線状隆起部形成用組成物は、光重合開始剤及び光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、(メタ)アクリレート系のモノマーやオリゴマーのようなラジカル重合型の場合は、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものである。光重合促進剤としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
線状隆起部3は、高さHを制御しやすく、触感の付与も可能となる観点から、粒子を有することが好ましい。
線状隆起部3を形成するための線状隆起部形成用樹脂組成物への粒子の配合量は、線状隆起部3を再現性よく形成し、触感の付与も可能となる観点から、線状隆起部形成用樹脂組成物100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下であることが好ましく、20質量部以上65質量部以下であることがより好ましく、30質量部以上60質量部以下であることがさらに好ましい。
粒子としては、アルミナビーズ、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコーンビーズ及びナイロンビーズ等を挙げることができる。粒子は、上述の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒子の平均粒径は、線状隆起部3の高さHを制御する観点から、10μm以上80μm以下であることが好ましく、12μm以上50μm以下であることがより好ましく、15μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。また、粒子の平均粒径は、インキの転移安定性の観点から、版深の1/2以下とすることが好ましい。点状/線状隆起形状を共存させたパターン版を用いた場合、平均粒子径が10μm以下の粒子を使用すると、隣接する凸形状同士が結合し、点状/線状隆起形状を再現できなくなり、意匠性が損なわれるおそれがある。
なお、本発明における粒子の平均粒径は、(株)株式会社島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置「SALD−2100−WJA1」を使用し、圧縮空気を利用してノズルから測定対象となる粉体を噴射し、空気中に分散させて測定する噴射型乾式測定方式による測定値を平均したものである
線状隆起部3は、透明であってもよいが、必要に応じて着色されていてもよい。線状隆起部3を着色する場合は、線状隆起部形成用組成物に対して着色剤(顔料又は染料)を添加して着色することができる。
着色剤としては、公知又は市販の顔料又は染料を適宜使用することができる。着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、着色剤の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定することができる。
線状隆起部形成用組成物には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
<点状隆起部>
本発明の実施の形態に係る化粧材は、図3に示すように、基材1の一方の面側に、基材1面の法線方向からみた平面視形状が点状である点状隆起部4を備えることが好ましい。
点状隆起部4は、化粧材の表面に指触した際に、平面視形状が点状であることから指の接面積が小さくなり、触感は柔らかく弱い傾向にある。つまり、点状隆起部4は、線状隆起部3と比して弱い触感を付与することができ、触感のコントラストを表現することができる。また、点状隆起部4は、基材1面の法線方向からみた平面視形状が点状であることで、入射光を乱反射させることができ、光の入射角に寄らず低艶な意匠を実現することができる。点状隆起部4は、上記観点を有することから、絵柄の低艶な意匠を実現する箇所に選択的に設けられることが好ましく、絵柄模様層2bの少なくとも一部に重複して設けられることが好ましい。
点状隆起部4の基材1面の法線方向からみた平面視形状は、円形又は楕円形であることが好ましい。点状隆起部4の基材1面の法線方向からみた平面視形状が円形又は楕円形であることで、線状隆起部3との触感のコントラストを実現することができる。
点状隆起部4の高さh(図3で示すZ方向)は、点状隆起部4による適度な触感が得られる観点から、点状隆起部4の高さは、上記観点から、点状隆起部4の底部から5μm以上30μm以下であることが好ましく、6μm以上25μm以下であることがより好ましく、8μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
なお、点状隆起部4の高さは、3D形状測定器を用いて、基材1の表面の任意の箇所に存在する30箇所の点状隆起部4の高さを測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
点状隆起部4の高さhは、線状隆起部3による適度な触感が得られる観点及び、線状隆起部3及び点状隆起部4の視覚効果によるコントラストを実現する観点から、図4に示すように、線状隆起部3の高さHより低いことが好ましい。点状隆起部4の高さは、線状隆起部3の高さHとの差が、5μm以上低いことが好ましく、10μm以上低いことがより好ましく、20μm以上低いことがさらに好ましい
点状隆起部4の幅は、点状隆起部4の頂部の平面視(図3で示すXY面)における最長部である。点状隆起部4の幅は、特に制限はないが、指の接面積を小さくする、入射光(外光)を乱反射させるという観点から、200μm以上350μm以下であることが好ましく、225μm以上325μm以下であることがより好ましく、250μm以上300μm以下であることがさらに好ましい。
なお、点状隆起部4の幅は、3D形状測定器を用いて、基材1の表面の任意の箇所に存在する30箇所の点状隆起部4の幅を測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
点状隆起部4は、上述した線状隆起部3と同様に、二液硬化樹脂、熱可塑樹脂、熱硬化樹脂及び電離放射線硬化樹脂から選ばれる少なくとも1種で形成されることが好ましい。
[その他の構成]
<保護樹脂層>
本発明の化粧材は、模様層保護のために基材1上に保護樹脂層(図示せず)をさらに備えることが好ましい。保護樹脂層は、高い耐摩耗性、耐傷性及び、目的の意匠表現に沿った艶を発現させることができる。
保護樹脂層は、基材1の全面に設ける構成であってもよいが、周辺の領域との艶差を発生させて視覚的な凹凸感を発現させることを考慮すると、線状隆起部3及び点状隆起部4の直上部及び近傍に設けることが好ましく、線状隆起部3及び点状隆起部4の直上部に限定的に設けることがより好ましい。
保護樹脂層は、艶調整効果を向上させる観点から、艶消し剤を含有させることが好ましい。
艶消し剤としては、無機微粒子及び有機微粒子を挙げることができる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びガラス等を挙げることができる。
有機微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。
艶消し剤としては、艶消し効果が高く、艶の制御が容易に行えるという観点から、シリカ粒子が好適である。また、艶消し剤としては、上述の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
艶消し剤の粒径は、艶消し効果及び艶の制御の観点から、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上9μm以下であることがより好ましく、3μm以上7μm以下であることがさらに好ましい。
<裏打基材>
化粧材は、線状隆起部3及び点状隆起部4が設けられている面の反対面側に裏打基材(図示せず)をさらに備えることが好ましい。裏打基材は、化粧材を補強したり、被着体との接着性を付与したり、隠蔽性を付与したりするために必要に応じて設けられる。
裏打基材としては、樹脂シート、紙、不織布、織布及び金属箔等を用いることができる。このうち樹脂シートとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂等をシート状にしたものを用いることができる。
裏打基材の厚さは、補強性、接着性及び隠蔽性を向上させる観点から、1.0mm以上50mm以下が好ましく、1.5mm以上40mm以下がより好ましく、2.5mm以上30mm以下がさらに好ましい。
<接着剤層>
化粧材は、基材1、模様層2、線状隆起部3、点状隆起部4、保護樹脂層及び裏打基材の少なくとも1つの間に、接着剤層(図示せず)が設けられていることが好ましい。接着剤層は、基材1、模様層2、線状隆起部3、点状隆起部4、保護樹脂層及び裏打基材の各層の接合を補助する機能を有し、各層の接合を強固にすることができる。
接着剤層としては、二液硬化樹脂、熱可塑樹脂、熱硬化樹脂及び電離放射線硬化樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
<プライマー層>
化粧材は、基材1、模様層2、線状隆起部3、点状隆起部4、保護樹脂層及び裏打基材の少なくとも1つの間に、プライマー層(図示せず)が設けられていることが好ましい。プライマー層は、基材1、模様層2、線状隆起部3、点状隆起部4、保護樹脂層及び裏打基材の各層の接合を補助する機能を有し、各層の接合を強固にすることができる。
プライマー層としては、プライマー層を挟んで対峙する両層の密着性が向上する樹脂を適宜選定すればよく、特に制限は無い。
[化粧材の製造方法]
本発明の化粧材の製造方法について以下に説明する。
化粧材において、基材1の一方の面側に線状隆起部3を設ける方法は、特に制限はないが、基材1上に設けた模様層2の線状隆起部3を形成させる部分のみに線状隆起部形成用組成物を塗布して当該線状隆起部形成用組成物を硬化させる方法(方法1)、線状隆起部3の凹凸形状を有する層を具備する転写シートを用いて、凹凸形状を有する層を基材1上に転写して凹凸形状を付与する方法(方法2)、あるいは、エンボス版又は賦型シートを用いたエンボス加工する方法(方法3)等が挙げられる。
本発明の化粧材の製造方法として、方法1又は方法2を採用した場合は、図5(a)に示すように、基材1上に設けられた模様層2上に、線状隆起部3を有する化粧材を得ることができる。本発明の化粧材の製造方法として、方法3を採用した場合は、図5(b)に示すように、基材1上に設けられた模様層2上に、凹凸形状を有する線状隆起部3を有する化粧材を得ることができる。図5(a)及び図5(b)は、便宜上、基材1、模様層2及び線状隆起部3のみを積層させた積層構造を示している。
本発明の実施の形態に係る化粧材によれば、輪郭線模様層の少なくとも一部に重複して線状隆起部を備えることによって、触感と視覚効果との連動性を有し、複雑かつ高度な意匠性を有する化粧材を提供することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
[測定及び評価]
実施例及び比較例で作製した化粧材について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<基材表面の形状測定>
株式会社キーエンス製の3D形状測定機「VK−X1050」を使用して、基材1の線状隆起部3及び点状隆起部4を有する面側を撮影した後、付属の解析アプリケーションを使用して解析を行った。
基材1の線状隆起部3及び点状隆起部4を有する面側の3箇所を測定領域(約24mm×約18mm)とした。高さデータの中で計測の基準とする平面(基準面)設定後、各パラメーターの計測を実施した。
(1)高さ測定
線状隆起部3及び点状隆起部4の長さ方向(図1で示すY方向)と直交する方向(図1で示すX方向)の30箇所の断面曲線を取得。取得した断面曲線から線状隆起部3及び点状隆起部4の高さを算出し、平均値を計算した。
(2)幅・間隔・長さ測定
測定領域の3箇所において、線状隆起部3の任意の幅・間隔・長さについて、30箇所の平面計測を実施し、3D形状測定器の測定画像から各幅・間隔・長さを算出し、平均値を計算した。
<触感>
実施例及び比較例で作製した化粧材の表面に対して指触チェックによる官能評価を行った。かなり凹凸を感じるものを2点、凹凸を感じるものを1点、凹凸をほとんど感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
A:平均点が1.5以上のもの
B:平均点が1.0以上1.5未満のもの
C:平均点が1.0未満のもの
<意匠連動性>
実施例及び比較例で作製した化粧材の表面に対して、特定絵柄模様層の視覚効果と線状隆起部の触感とが一致しているか否かに関する官能評価(意匠連動性の官能評価)を行った。輪郭線模様層の視覚効果と線状隆起部の触感とが非常に良く一致していると感じるものを2点、輪郭線模様層の視覚効果と線状隆起部の触感とが一致していると感じるものを1点、輪郭線模様層の視覚効果と線状隆起部の触感とが一致していないと感じるものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
A:平均点が1.5以上のもの
B:平均点が1.0以上1.5未満のもの
C:平均点が1.0未満のもの
[実施例1]
建材用着色紙間強化紙(坪量30g/m)上に、2液硬化型アクリル混合樹脂(硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート)(着色剤:酸化チタン、酸化鉄、弁柄、カーボンブラック等の顔料)を含む印刷インキを塗布して着色ベタ層(乾燥後の厚さ:5μm)を設けた。着色ベタ層上に、アルキド系−ニトロセルロース系混合樹脂(着色剤:ジスアゾ系、クレー、モノアゾ系、シアニンブルー、カーボンブラック等の顔料)を含む模様層形成用組成物をグラビア印刷法で塗布して木目模様の模様層2(乾燥後の厚さ:4μm)を設けた。なお、模様層2は、孤立閉領域Rを構成する特定絵柄模様層2a及び絵柄模様層2bを含む。
次いで、模様層2上の全面に、2液硬化型アクリル混合樹脂をバインダーとする保護樹脂層形成用組成物(艶消し剤:シリカ、平均粒径2μm、29質量%)(硬化剤:トルエンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系)を塗布して第1保護樹脂層(乾燥後の厚さ:4μm)を設けた。
次いで、第1保護樹脂層上の線状隆起部3及び点状隆起部4を設ける箇所に、2液硬化型アクリル混合樹脂をバインダーとする保護樹脂層形成用組成物(艶消し剤:シリカ、平均粒径2μm、2質量%)(硬化剤:トルエンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系)を塗布して第2保護樹脂層(乾燥後の厚さ:2μm)を設けた。
次いで、第2保護樹脂層上に沿って、2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂をバインダーとする線状・点状隆起部形成用組成物(粒子:アクリルビーズ、平均粒径20μm、25質量%)(硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート系)を用いて塗工した。線状隆起部3(乾燥後の高さ:30μm)は、特定絵柄模様層2a上に設けた。点状隆起部4(乾燥後の高さ:10μm)は、絵柄模様層2b上に設けた。
最後に、70℃で24時間加熱養生し、化粧材を得た。
[実施例2]
線状隆起部3(乾燥後の高さ:20μm)及び点状隆起部4(乾燥後の高さ:10μm)の高さを変更するために、線状・点状隆起部形成用組成物(粒子:アルミナビーズ、平均粒径4μm、24質量%)(硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート系)を、パターン版(版深:90μm)を用いて塗工した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の化粧材を得た。
[実施例3]
特定絵柄模様層2aだけではなく、孤立閉領域Rの領域全体に線状隆起部3を設けるパターン版を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の化粧材を得た。
[比較例1]
線状隆起部3を設けないパターン版を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の化粧材を得た。
本発明の化粧材は、触感と視覚効果との連動性を有し、複雑かつ高度な意匠性を有するものであり、壁、天井、床等の建築物の内外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の他、キッチン、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内外装用部材を構成する層として好適に用いられる。
1…基材
2…模様層
2a…特定絵柄模様層
2b…絵柄模様層
3…線状隆起部
4…点状隆起部

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面側に設けられ、前記基材面の法線方向からみた平面視形状が孤立した孤立閉領域を構成する特定絵柄模様層を有する模様層と、
    前記特定絵柄模様層の少なくとも一部に重複して設けられ、前記基材面の法線方向からみた平面視形状が線状に延伸し、延伸方向が略平行である複数の線状隆起部とを備える、化粧材。
  2. 前記模様層は、絵柄模様層をさらに有する、請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記線状隆起部の高さは、前記線状隆起部の底部から5μm以上60μm以下である、請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記線状隆起部の延伸方向の長さは、0.3mm以上2,000mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧材。
  5. 前記線状隆起部の延伸方向と直交する幅は、100μm以上400μm以下である、1〜4のいずれか1項に記載の化粧材。
  6. 前記線状隆起部の延伸方向と直交する方向における隣接する前記線状隆起部の間隔は、200μm以上1,200μm以下である、1〜5のいずれか1項に記載の化粧材。
  7. 前記基材の一方の面側に、前記基材面の法線方向からみた平面視形状が点状である点状隆起部を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧材。
  8. 前記点状隆起部の前記基材面の法線方向からみた平面視形状は、円形又は楕円形である、請求項7に記載の化粧材。
  9. 前記点状隆起部の高さは、前記線状隆起部の高さより低い、請求項7又は8に記載の化粧材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022064974A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31 大日本印刷株式会社 化粧シート、化粧材、版、および化粧シートの製造方法

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