JP7293955B2 - パターン形成方法およびパターン形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上に微細配線などの機能性パターンを印刷形成する方法に関する。
基材上に例えば配線などの導電パターンを印刷形成する場合、一般的には、印刷法の中でもスクリーン印刷の手法が多く用いられている。例えば、太陽電池などの電極配線を形成する際に、スクリーン印刷機を用いて、銀などの金属ペーストを印刷することにより導電パターンを形成している。しかし、このようなスクリーン印刷による導電パターンの形成方法では、メッシュ状の網を印刷版として使用するため、スクリーンの伸びなどにより、印刷精度が低下する。また、印刷後のインクだれなどの問題により、微細な導電パターンを形成することが困難であった。
そのため、金属トナーを用いて電子写真法によって、シート状の基板上に導電パターンを形成する方法も提案されている(例えば、特許文献1)。この方法は、一般のコピー機のように、回転する感光ドラム上に、静電潜像を造り、次いで、例えば熱可塑性樹脂中に銀などの微粒子を分散させて作った、導電パターン形成用金属トナーを、現像装置から供給してトナー画像を形成し、最後に、転写ロールを用いて、形成されたトナー画像を基板上に転写した後、加熱定着させ、導電パターンを形成するものである。電子写真法は、無版印刷であるため、スクリーン印刷で問題であった印刷版の伸びや印刷インクだれは発生しない。
しかしながら、前記のような電子写真技術において固体トナーで、導電性パターンなどの機能性パターンを形成する場合は、トナーのカプセル構造の外郭材料がパターン形成後に不純物となり導電機能性が低下する問題があった。また、非画線部分に少量のトナーが付着すること(地汚れと呼ばれる)が発生し、導電パターンを形成する場合には短絡欠陥などを引き起こす原因となっていた。
図6は従来技術の固体トナーの現像、定着状態を模式的に示す図である。図6で示されるように、固体トナーで現像した印刷パターンは、トナーの外殻材料が混ざった状態で形成される。コア材に目的の機能材料を用いても外殻材料との混合体のパターンとなるため、多くの場合機能が低下してしまう。また、非画線部に不要なトナー24が付着する地汚れ36も発生することで、機能性パターン印刷には向かない。
電子写真法では、固体トナーの代わりに、導電材料を分散した液体からミスト液滴を形成し、帯電させたミスト液滴を用いて静電潜像を現像してパターンを形成するミスト液滴による現像が提案されている(例えば、特許文献2)。ミスト液滴による現像では、ミスト液滴からなるトナーを用いることから、固体トナーの構造制約がなくなり、不純物の混入の少ない機能性パターンを形成することができる。
しかしながら、ミスト液滴による現像の場合でも、電子写真法による現像のため、現像の際に非画線部にもミスト液滴が接触することから、非画線部のへの少量の材料付着(地汚れ)が発生し、微細パターンを形成する場合、パターン間に不要な材料の付着によるパターン不良を生じる問題があった。
図7は従来技術のミスト液滴の現像、定着状態を模式的に示す図である。図7に示されるように、材料液51のミスト液滴43は、固体トナーの場合のような構造を持たない為、印刷形成したパターンには不純物の混入が少なく、画線部の機能性は問題が少ない。しかし、非画線部には、固体トナー同様に地汚れミスト液滴34が付着してしまい、定着工程を経て地汚れ材料36を基材1上に生じる。例えば、導電パターンの場合には、配線間に地汚れを生じると短絡の原因となり不良が発生する。
特許3604573号公報 特開平3-125171号公報
非画線部への不良材料の付着の地汚れが少なく、不良の発生が少ない微細機能性導電パターン印刷方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に係る発明は、基材に所定の静電電位のパターンからなる静電潜像を形成する工程と、材料を溶解または分散した材料液を霧化してミスト液滴を生成するミスト液滴生成工程と、前記基材の加熱工程と、
前記ミスト液滴を、前記基材の前記静電潜像面に積層するミスト液滴積層工程と、を含み、前記材料液は、液を霧化してできたミスト液滴を加熱するとライデンフロスト効果を発現し、さらに帯電しその帯電符号はミスト液滴生成時の帯電と同符号になる性質を持つことを特徴とするパターン形成方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記ミスト液滴を帯電するミスト液滴帯電工程を、さらに含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記ミスト液滴積層工程は、ミスト液滴搬送工程と、ミスト液滴供給工程と、を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のパターン形成方法。である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記ミスト液滴帯電工程は、振動液面電界印可、接触帯電、コロナ帯電から少なくとも一つの方法により、前記ミスト液滴積層工程前に、ミスト液滴を帯電させることを特徴とする、請求項2に記載のパターン形成方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記加熱工程は、抵抗加熱、赤外線加熱から少なくとも一つの方法により、前記基材裏面から加熱することを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法である。
本発明の請求項6に係る発明は、前記加熱工程において、基材を加熱する温度を、35℃から50℃の範囲とすることを、特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のパターン形成方法である。
本発明の請求項7に係る発明は、前記ミスト液滴積層工程内の前記ミスト液滴搬送工程に、非接触の加熱装置による加熱工程を、さらに含むことを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法である。
本発明の請求項8に係る発明は、基材に所定の静電電位のパターンからなる静電潜像を形成する静電潜像形成部と、材料を溶解または分散した材料液を霧化してミスト液滴を生成するミスト液滴生成部と、前記基材を加熱する加熱部と、前記ミスト液滴を、前記基材の前記静電潜像面に積層するミスト液滴積層部と、を含み、前記材料液は霧化しミスト液
滴にし加熱すると、ライデンフロスト効果を発現し、さらに帯電しその帯電符号はミスト液滴生成時の帯電と同符号になる性質を持つことを特徴とするパターン形成装置である。
本発明の請求項9に係る発明は、前記ミスト液滴を帯電するミスト液滴帯電部を、さらに含むことを特徴とする請求項8に記載のパターン形成装置である。
本発明の請求項10に係る発明は、前記ミスト液滴積層部に、さらにミスト液滴搬送部と、ミスト液滴供給部と、を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載のパターン形成装置である。
本発明の請求項11に係る発明は、前記ミスト液滴積層部の前記ミスト液滴搬送部に、非接触の加熱装置を、さらに含むことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成装置である。
機能性導電パターン印刷において、非画線部への不良材料の付着の地汚れが少なく、不良の発生が少ない微細機能性導電パターン印刷方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態によるパターン形成方法の工程を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態によるパターン形成方法におけるミスト液滴への熱作用で起きるライデンフロスト効果を模式的に説明する図である。 本発明の実施形態によるパターン形成方法におけるミスト液滴への熱作用で起きる熱励起帯電を模式的に説明する図である。 本発明のパターン形成方法における工程の概略を説明する図である。 従来技術のミスト液滴による現像のパターン形成方法における工程の概略を説明する図である。 従来技術の固体トナーの現像、定着状態を模式的に示す図である。 従来技術のミスト液滴の現像、定着状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態によるパターン形成方法の工程を模式的に説明する図である。本発明の実施形態の実施形態は、基材1に所定の静電電位のパターンからなる静電潜像2を形成する工程と、材料を溶解または分散した材料液11を霧化してミスト液滴3を生成するミスト液滴生成工程と、前記基材の加熱工程と、 前記ミスト液滴を、前記基材の前記静電潜像面に積層するミスト液滴積層工程と、を含み、前記材料液は、液を霧化してできたミスト液滴を加熱するとライデンフロスト効果を発現し、さらに帯電しその帯電符号はミスト液滴生成時の帯電と同符号になる性質を持つ。
(材料液11)
材料液11に用いる材料は、材料液11に用いる溶媒に分散または溶解するものであれば何でもよく、導電パターンを所望する場合は金属粒子やカーボン系の導電材料を用いることができる。絶縁パターンを所望する場合は樹脂やセラミック材料を用いることができる。材料液11に用いる材料と溶媒の組み合わせには、分散または溶解が出来て物理的にミスト液滴できれば限定はなく、機能パターンの目的に合わせて選択すれば良い。
(ミスト液滴3)
ミスト液滴3は、物理的に微小化した原料液であり、雰囲気気体の抵抗により重力による降下が低下し、搬送エアにより容易に搬送移動できるエアロゾル形態である。材料液の比重にもよるが、概ね直径10μm以下の液滴を指す。
本発明の印刷物は、画線パターン部はミスト液滴3が堆積した構造であり、基材に現像した後、溶媒を乾燥させることで材料同士が連続的に接合したパターンを有する。
図2は本発明の実施形態によるパターン形成方法におけるミスト液滴への熱作用で起きるライデンフロスト効果を模式的に説明する図である。
図2に示すように、ミスト液滴3が加熱によりライデンフロスト効果を発現するため、現像印刷時に基材1または中間転写体を加熱104することで、ミスト分散材料103から溶媒蒸発105することで基材1からの斥力106が発生し、媒体の非画線部分に不要な材料堆積が減少する。また、電子写真ミスト現像法のクーロン力により画線部の帯電部へミスト液滴3が堆積する。
図3は本発明の実施形態によるパターン形成方法におけるミスト液滴への熱作用で起きる熱励起帯電を模式的に示した図である。
図3に示すように、ミスト液滴3が加熱した際、ミスト構成材料の熱励起によるミスト表面帯電量が追加されるように溶媒材料と分散材料を選択する。ミスト溶媒102は、水、有機溶剤から選択され、誘電体として作用するものであれば何でもよい。ミスト分散材料103の選択において、例えば、ミスト液滴3は、電気的には接地されておらず浮き状態であることから、ミスト液滴3内部でのミスト分散材料103に金属またはn型半導体を用いれば、熱電子放出または熱電子107が励起されるため、誘電されるミスト液滴3表面は誘導電荷108として負帯電が誘起される。p型半導体材料を用いれば、ホールを熱励起するため逆の符号の正帯電をミスト液滴3表面に誘導電荷108として誘起させることもできる。材料選択の第二の形態として、溶媒と分散材料が導電体、半導体同士の場合には、ゼーベック効果に起因する現象により帯電がされる。この場合には、ゼーベック係数の大小と符号に応じて材料を選択する。相対的にゼーベック係数が高い側が正の帯電をする。このように、ミスト液滴3生成時の帯電の符号と熱励起帯電の符号が同じになるようにミスト液3滴構成材料を選択することで、ミスト液滴3表面の帯電量が、搬送時から基板加熱された潜像へ接近時に増加するため、ミスト現像する際、静電潜像とのクーロン力相互作用が大きくなり、画線部へのミスト堆積量が多くなり、再現性の高い印刷パターンを形成可能となる。
(静電潜像の形成工程)
静電潜像2の形成方法としては、静電潜像形成装置18を用いて形成しておき、ミスト液滴印刷部に移動して印刷ヘッドにより現像をする。静電潜像形成方法としては、基材上に所望のパターンに応じた静電電位の帯電パターンを形成する手法であれば何でもよく、一般的な電子写真方法と同じく感光体を用いて、全面帯電からパターン露光を行うことで静電潜像を形成してもよい。また、図1においては基材1に直接静電潜像を形成して現像をする手法を図示しているが、中間転写用の静電潜像形成媒体を用いて潜像を形成し現像した後、基材1に転写してパターン印刷してもよい。
(ミスト液滴生成工程)
ミスト液滴生成工程は、材料を溶解または分散した材料液11から、物理サイズ的に小さな液滴を生成する手法で、重力による落下が無視できるレベルで雰囲気エアを移動することで搬送可能なサイズまでした液滴で、本方式では材料の比重にもよるが、概ね粒径が
数μφ以下の液滴をミスト液滴とする。ミスト生成手法としては、加圧法、超音波法、エレクトロスプレー法などが挙げられ、ミスト液滴化が行え、基材に供給できる粒径サイズに生成できれば手法は何をとっても良い。本発明の図1では、超音波法を用いて記載している。超音波法では、超音波振動子は材料原液を入れた反応チャンバ下部に設け動作させることで、材料液11にキャピラリーやキャビテーションが発生しミストが生成される。図1では、材料液11を直接振動子で振動させる装置構成を図示しているが、水を入れた作用槽を介して、材料液11を入れた反応チャンバを動作させるダブルチャンバー方式にしてもよい。こうして、材料液11からミスト液滴3を生成しチャンバ13内を材料11のミスト液滴3で満たしておく。
(ミスト液滴積層工程)
ミスト液滴積層工程は、ミスト液滴搬送工程と、ミスト液滴供給工程とを含む。
ミスト液滴搬送工程は、主に金属製や樹脂製のパイプを用いて発生部からコート部への材料液のミスト液滴を搬送するものである。搬送の為、チャンバ13に搬送エア導入口16から搬送エアを送り込み、搬送エアの供給量を調整することで、基材1への材料液11のミスト液滴の供給量を調整する。搬送エアに用いる気体は、空気、窒素、アルゴン等の不活性気体などを用いることができる。酸化しやすい材料などは、反応性の低い不活性ガスを搬送エアとして選択することができる。
ミスト液滴積層工程のミスト液滴搬送工程には、ミスト液滴3から溶媒を飛ばし固形分濃度を上昇調整するための乾燥装置を設置してもよい。従来の印刷装置ではインクからパターン印刷をした場合、インク組成の溶媒分量が基材上に残りその後乾燥工程にて溶媒分を飛ばして印刷物を得る。特に乾燥が遅い水系インクの場合、乾燥までの工程でダレが発生し所望のパターン形状が崩れる問題がある。
さらに、搬送工程に非接触の加熱装置を設けることによる加熱工程を入れると、搬送時にミスト液滴から溶媒部を蒸発させ固形分濃度を高めることになり、基材1へ堆積時に溶媒分が少ない状態で印刷できることから、ダレの少ないパターン形成を可能とする。
ミスト液滴搬送工程の加熱工程としては、誘電加熱、誘導加熱、赤外線照射加熱などの非接触加熱方式を採ることができる。ミスト液摘3の材料液11に合わせて適宜採用することができる。具体的には、金属材料の場合はIHに代表される誘導加熱、絶縁材料の場合には電子レンジに代表される誘電加熱、赤外線吸収材料の場合には赤外線照射加熱を選択する。また、同様にミスト液滴生成工程で低粘度、低固形分でのミスト液摘生成を強いられる場合も低固形の状態でミスト液滴生成を行い、ミスト液滴積層工程のミスト液滴搬送工程時に非接触加熱装置による加熱工程を入れることで、ミスト液滴3の固形分濃度を上昇させ、基材1堆積時には固形分を高めてパターンを形成することも可能である。
加熱工程において、基材を加熱する温度を、35℃から50℃の範囲であることが望ましい。
ミスト液滴3を帯電しなくても静電潜像近傍での誘電帯電により現像は可能であるが、ミスト液滴3を所望の極性へ帯電させておくとより効果的に静電潜像を現像できる。
ミスト液滴を帯電する手法としては、搬送経路内にコロナ帯電器を設置してミストを直接帯電させる方法、経路に板またはメッシュ状の電極を設け電極に搬送ミスト液摘を当てて接触帯電させる方法、ミスト液摘生成前に材料原液に予め電位を加えて置きミスト生成時に帯電させる、振動液面電界印可法などを取ることができる。これらの帯電手法は単独で用いてもよいし、複数を組み合わせてもよい。また、前記帯電手法を用いてミスト液摘現像に最適な帯電の極性と帯電量を、ミスト液滴3を構成する材料の誘電特性を考慮して適宜調整する。生成したミスト液滴3がブロードな粒度分布を持つ場合、分粒装置を設置してもよい。分粒手法としては、板を設置して迂回経路を設ける手法や、経路にトラップ容器を設置する方法などを採ることができる。
ミスト液滴積層工程のミスト液滴供給工程におけるミスト供給ヘッド17の構造は、安定した材料液11のミスト液滴3を基材1に供給できる構造であれば何でもよく、ファインチャネル方式、リニアソース方式などのヘッド構造のヘッドを用いることができる。ヘッドによる材料液11のミスト液滴3供給時に、基材表面を加熱装置4により加熱状態にしておく。図1では、印刷面は上面を向け、ミスト液滴3は上方から下方に向けて供給する図示しているが、ミスト液滴3に含有させる材料の比重が大きい場合、印刷時に重力による影響を受けて、非画線部に付着する確率が高くなる為、印刷面を下面に向けて設置し、材料液11のミスト液滴3を上方に設置した基材1に向けて搬送することで、重力による非画線部への付着を低減してもよい。
(基材1の加熱工程)
加熱装置4は、基材1の全面の温度を一定に、且つ直接加熱できる、抵抗加熱と赤外線加熱から加熱手段を選択する。具体的には、ホットプレート、ラバーヒーター、赤外線ヒーター、電熱線、などの既存の加熱手段を設ければよい。本発明では、基材1の近傍に接近したミスト液滴3が基材1の加熱から熱を受けて加熱されることが必要である。赤外線の場合には、基材裏面から基材1を直接加熱し、基材1前面側には赤外線を透過しないことを前提とする。従って、誘導加熱、誘電加熱などの非接触で物体を加熱する装置は、ミスト液滴3が基材1近接する前に、基材1を透過してミスト液滴材料を直接加熱する可能性があり、加熱手段として不適である。また、基材1表面温度をモニタリングして、加熱装置4へ温度フィードバックする温度安定化制御を入れてもよい。
(パターン形成方法における各工程)
図4は本発明のパターン形成方法における工程の概略を説明する図である。
図4に示されるように、現像前に静電潜像2を形成した基材を加熱装置4にて任意の一定の温度に加熱しておき、現像をするものである。ミスト液滴3が加熱された基材近傍に近づくと基材からの放射熱を受けてミスト液滴3が加熱されライデンフロスト効果の斥力を発生させる。さらに、熱励起効果によりミスト液滴の帯電量を増加させている。非画線部では、接触前に斥力が働き不要なミスト堆積物が減少し、画線部では、基材1の静電潜像2の静電電位とミスト液滴3のクーロン力によりミスト液滴3が堆積する。画線部では、ミスト液滴3へのライデンフロスト効果の斥力とミスト液滴3への静電電位とのクーロン力の引力との引き合いによりミスト液滴3の堆積量が変化することから、非画線部の地汚れ防止と画線部の堆積状態を確認しつつ、基材の加熱温度を調整する。
ライデンフロスト効果は、液が塊である一般的な場合、基材加熱温度が数百度で効果が発現する。ミスト液滴では、相は液体であるが比表面積が大きく反応性が高くなり、室温が25℃の場合には、溶媒材料種にもよるが水系では基板温度が35℃以上で効果が現れる。基材温度は、静電潜像2の現像状態に合わせて調整すればよい。
本発明は、図4で正帯電による静電潜像2と負帯電のミスト液滴を例示しているが、基材に形成した静電潜像の静電電位とミスト液滴の間に作用するクーロン力によるパターン印刷であれば良く、帯電の極性や潜像のネガポジパターン形成の組み合わせに捉われるものではない。
ミスト液滴による現像では、機能性パターン印刷での固体トナーの場合の内殻外殻のカ
プセル構造がないことから、機能性パターニングをする際、外殻材料がない分より純度の高い材料からパターン印刷を可能とし、印刷したパターンは原液材料の機能性を下げることなく形成が可能である。このように、ミスト液滴による現像は機能性パターンを形成することにおいて有利な手法である。
(従来のミスト液滴による現像と本発明による現像の効果)
図5は従来技術のミスト液滴による現像のパターン形成方法における工程の概略を説明する図である。
図5は従来技術のミスト液滴による現像のパターン形成方法における工程の概略を説明する図である。図5に示す従来のミスト液滴43による現像の手法では、非画線部、特には画線が入らない空白面積の大きい非画線部では静電電位から作用距離が遠くなり不要付着による地汚れが多く発生する。
本発明では、静電潜像2の静電電位パターンには関係なく、熱によるライデンフロスト効果の斥力により地汚れを減少させるため、非画線部や画線部の割合が多い部分でも均等に、静電潜像2とミスト液滴43のクーロン力とは排他的に静電潜像2とミスト液滴43の斥力が働くため、非画線部の形態に関わらず地汚れのないパターン印刷を可能とする。
本発明によれば、材料を溶解または分散した材料原液から地汚れのないパターン印刷を提供することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の効果を検証する。また、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
固形分10wt%、溶媒(水/メタノール=7/3)の銀ナノインク(AGIN-W、住友電工製)からなる材料液11を、超音波振動子(HM-2412、本田電子工業製)によりミスト化し、搬送エア窒素を用いて、0.3L/分の量で送り、ファインチャネル式ヘッドを用いて、静電電位600Vの静電潜像2を形成した0.7mm厚のガラス基材(EAGLE-XG、コーニング)へ材料液11のミスト液滴3を基材1表面に供給した。
ここで、基材1加熱温度を25℃から55℃まで5℃刻みで可変させパターンを印刷して非画線部の状態と画線部の堆積状態を観察し評価した。非画線部の状態の評価は地汚れがなければ〇、地汚れが若干あれば△、地汚れがあれば×とした。画線部の堆積状態の評価は、堆積が十分あれば〇、少し堆積が低下したものを△、堆積がないものを×とした。結果を表1に示した。
Figure 0007293955000001
非画線部の状態と画線部の堆積状態を観察し、評価した結果、基材温度25℃、30℃では非画線部に堆積物あり地汚れがあった。基材1温度55℃では画線部の堆積が無くなりパターンが形成されていなかった。基材1温度35℃から50℃において地汚れが改善された印刷パターンが形成された。
1・・・基材
2・・・静電潜像
3・・・ミスト液滴
4・・・加熱装置
5・・・熱伝導
6・・・ライデンフロスト効果
7・・・ミスト液滴堆積
8・・・定着パターン
9・・・地汚れ
11・・・材料液
12・・・超音波振動子
13・・・チャンバ
14・・・生成ミスト
15・・・ミスト液滴搬送路
16・・・搬送エア導入口
17・・・ミスト供給ヘッド
18・・・静電潜像形成装置
21・・・固体トナー
22・・・コア材料
23・・・外殻材料
24・・・地汚れトナー
25・・・固体トナー定着パターン
31・・・ミスト液滴堆積
34・・・地汚れ液滴
35・・・定着パターン
36・・・地汚れ材料
43・・・ミスト液滴
47・・・ミスト液滴堆積
48・・・定着パターン
51・・・材料液
102・・・ミスト溶媒
103・・・ミスト分散材料
104・・・加熱
105・・・溶媒蒸発
106・・・斥力
107・・・熱励起電子
108・・・誘導電荷

Claims (11)

  1. 基材に所定の静電電位のパターンからなる静電潜像を形成する工程と、
    材料を溶解または分散した材料液を霧化してミスト液滴を生成するミスト液滴生成工程と、
    前記基材の加熱工程と、
    前記ミスト液滴を、前記基材の前記静電潜像面に積層するミスト液滴積層工程と、
    を含み、
    前記材料液は、液を霧化してできたミスト液滴を加熱するとライデンフロスト効果を発現し、さらに帯電しその帯電符号はミスト液滴生成時の帯電と同符号になる性質を持つことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記ミスト液滴を帯電するミスト液滴帯電工程を、さらに含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 前記ミスト液滴積層工程は、
    ミスト液滴搬送工程と、
    ミスト液滴供給工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記ミスト液滴帯電工程は、振動液面電界印可、接触帯電、コロナ帯電から少なくとも一つの方法により、前記ミスト液滴積層工程前に、ミスト液滴を帯電させることを特徴とする、請求項2に記載のパターン形成方法。
  5. 前記加熱工程は、抵抗加熱、赤外線加熱から少なくとも一つの方法により、前記基材裏面から加熱することを特徴とする請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  6. 前記加熱工程において、基材を加熱する温度を、35℃から50℃の範囲とすることを、特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記ミスト液滴積層工程内の前記ミスト液滴搬送工程に、非接触の加熱装置による加熱工程を、さらに含むことを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
  8. 基材に所定の静電電位のパターンからなる静電潜像を形成する静電潜像形成部と、
    材料を溶解または分散した材料液を霧化してミスト液滴を生成するミスト液滴生成部と、
    前記基材を加熱する加熱部と、
    前記ミスト液滴を、前記基材の前記静電潜像面に積層するミスト液滴積層部と、
    を含み、
    前記材料液は霧化しミスト液滴にし加熱すると、ライデンフロスト効果を発現し、さらに帯電しその帯電符号はミスト液滴生成時の帯電と同符号になる性質を持つことを特徴とするパターン形成装置。
  9. 前記ミスト液滴を帯電するミスト液滴帯電部を、さらに含むことを特徴とする請求項8に記載のパターン形成装置。
  10. 前記ミスト液滴積層部に、さらにミスト液滴搬送部と、ミスト液滴供給部と、を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載のパターン形成装置。
  11. 前記ミスト液滴積層部内の前記ミスト液滴搬送部に、非接触の加熱装置を、さら
    に含むことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成装置。
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