JP7292582B2 - アノード搬入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、銅電解精製用のアノードを鋳造工程から次工程である整形工程にフォークリフトで搬送し、該整形工程の搬入口に搬送された該アノードを、フォークリフトからアノード水平搬送装置に移載するためのアノード搬入装置に関する。
銅の電解精製では、精製炉において粗銅を酸化精製および還元処理することにより得られた、純度約99.5%の精製粗銅を板状に鋳造した銅板をアノードとして用いる。このアノードと、パーマネントカソードあるいは種板からなるカソードとが、電解槽内に貯えられた電解液内に交互に浸漬される。この状態で、アノードとカソードの間に電圧を印加して、カソードの表面に銅を電着させることにより、純度が99.99%以上である電気銅が得られる。
銅の電解精製に用いられるアノードは、精製炉からの溶融粗銅(精製粗銅)を、たとえば、特開2015-123451号公報に記載されている、アノード鋳造機を使用して、鋳造することにより得られる。図1に示すように、アノード1は、略矩形板状部2と、その上部両隅部から左右にそれぞれ突出し、通電する際に正極電源と接続する1対の耳部3とからなる構造を有する。
鋳造アノードは、次工程である整形工程において、アノードが電解槽において鉛直方向へ懸架されるように、形状の矯正などが行われる。
たとえば、実公昭50-16004号公報に記載されているように、鋳造アノードは、フォークリフトにて、アノード整形工程の搬入口にあるアノード搬入装置のアノード受け台まで運搬および載置され、アノード移載台車により、アノード受け台からアノード水平搬送装置のチェーンコンベア上に移載される。アノード水平搬送装置の終端部には、アノード押し上げ装置が備えられ、押し上げられた鋳造アノードは、他のチェーンコンベアなどに下ろされて整形工程に移送される。
特開2015-123451号公報 実公昭50-16004号公報
このようなアノード搬入装置の1例を図2および図3に概略的に示す。この例のアノード搬入装置11は、アノード受け台12と、アノード移載台車13とにより構成される。
アノード受け台12は、上端部に、アノード1の進行方向(水平方向のうち、アノード1の板厚方向)に伸長し、アノード1の耳部3を載置可能なアノード載置部15を備えた1対の受け台14と、1対の受け台14同士の間部分に設けられ、アノード1の板状部2が配置されるアノード収容空間部16と、それぞれのアノード載置部15の進行方向先端部(終端部)に備えられたストッパー17とを備える。
アノード移載台車13は、アノード受け台12の1対の受け台14と平行に配置されている2本のレール18上を移動可能である。アノード移載台車13は、1対の受け台14の両外側または両内側に、該1対の受け台14と隣接して配置され、受け台14と平行に伸長し、断面矩形である、1対のアノード支持ビーム19と、アノード支持ビーム19を上下方向に移動させるための、スクリュージャッキなどジャッキあるいは動力シリンダーからなる持ち上げ装置(図示せず)と、を備える。アノード支持ビーム19の長さは、アノード載置部15の1/2~2/3程度の長さである。アノード移載台車13がアノード受け台12上に配置され、かつ、アノード支持ビーム19が最下端に移動した状態で、アノード支持ビーム19の進行方向先端部がストッパー17とほぼ同じ位置にあるように、アノード支持ビーム19はアノード載置部15の進行方向中間部に配置される。
アノード搬入装置11を構成するアノード受け台12の進行方向前側には、アノード水平搬送装置23がアノード受け台12の配置と同じ方向(同一ライン上)に設置される。アノード水平搬送装置23には、アノード1の耳部3を載置可能で、アノード1を進行方向に移動させるため2条のチェーンコンベア24を備える。2条のチェーンコンベア24は、2条間で同軸である複数のスプロケットホイール25と、スプロケットホイール25間にエンドレス状に架け渡された2条のローラーチェーン26とにより構成される。2条のローラーチェーン26の間の幅方向距離は、1対の受け台14の幅方向距離とほぼ同一である。
アノード水平搬送装置23の進行方向先端部(終端部)には、押し上げシリンダーなどを有し、該終端部に移動してきたアノード1を1枚ずつ鉛直方向に押し上げる押し上げ装置(図示せず)が設置されている。該押し上げ装置により押し上げられたアノード1は、他のチェーンコンベアなどに下ろされて、整形工程に移送される。アノード水平搬送装置23からアノードを移動させる機構については、公知の他の任意の手段を用いることもできる。
アノード搬入装置11を構成するアノード受け台12に対して進行方向後側の基面(床面)には、アノード1をアノード搬入装置11まで運搬するフォークリフト27用の車輪止め29が設置される。
アノード1は、複数枚、たとえば16枚ごとに、フォークリフト27によってアノード受け台12まで運搬される。より具体的には、複数枚のアノード1は、1対の耳部3をフォーク28(1対の爪)に載置することで、所定の間隔で、フォークリフト27のフォーク28に懸架される。フォークリフト27を車輪止め29で停止するまで前進させると、1対のフォーク28の先端部がアノード受け台12の進行方向先端部を越える位置まで到達し、アノード1は、アノード収容空間部16に位置する。この状態で、フォーク28を下降させることにより、1対の耳部3が1対のアノード載置部15に載置されて、アノード1がアノード受け台12に収容される。
1対の耳部3のそれぞれは、それぞれのアノード載置部15の幅にフォーク28の幅および/またはアノード支持ビーム19の幅を加えた合計とほぼ同じ長さを有する。
続いて、前記持ち上げ装置により、アノード支持ビーム19を複数枚(たとえば16枚)のアノード1とともに持ち上げて、その状態で、アノード移載台車13を、進行方向前方に進ませて、アノード水平搬送装置23のチェーンコンベア24上まで移動させる。この位置で、アノード支持ビーム19を下降させ、複数枚のアノード1をチェーンコンベア24に下ろす。その後、アノード支持ビーム19を下降させたままの状態で、アノード移載台車13をアノード受け台12の位置まで戻すことにより、アノード1のアノード水平搬送装置23への移載が完了する。
フォークリフト27がアノード1を1対の受け台14のアノード載置部15に載置する際、アノード1が1対のアノード支持ビーム19よりも搬送側(進行方向前側)へ搬入されると、アノード1を持ち上げられなくなるため、その対策として、受け台14のアノード載置部15のうち、アノード支持ビーム19の終端部に相当する位置に、ストッパー17が設置されている。ストッパー17は、フォークリフト27が車輪止め29に当たる進入可能限界位置にあるとき、フォーク28の先端部よりも搬送方向手前に位置し、フォーク28上のアノード1の耳部3に当たることによって、アノード1がストッパー17の位置よりも搬送側へ搬入されることが防止される。
しかしながら、フォークリフト27がフォーク28を高く上げすぎた状態で進入すると、フォークリフト27からアノード1をアノード載置部15上に荷下ろしする際に一部のアノード1がストッパー17を乗り越えかけてしまう場合がある。この場合、アノード支持ビーム19によって、ストッパー17を乗り越えかけた状態にあるアノード1を持ち上げることができない。
このため、これに気付いた際には、乗り越えかけたアノード1をフォークリフト27で取り戻すなどの作業を行うことになる。アノード1がストッパー17を乗り越えかけたことに気付かなかった場合には、一部のアノード1がストッパー17を乗り越えかけた状態ですべてのアノード1をアノード水平搬送装置23まで移載しようとすると、ストッパー17を乗り越えかけたアノード1が、アノード支持ビーム19により持ち上げられたアノード1によって搬送側(進行方向前側)に押し出されるため、アノード受け台12とアノード水平搬送装置23のチェーンコンベア24との間の空間30内に落下してしまう場合がある。アノード1は、1枚あたり400kgの重量を有するため、落下したアノード1が1枚であっても、アノード受け台12とチェーンコンベア24との間に嵌まると鉛直方向上向きに大きな仕事を要し、チェーンコンベア24に対する過剰な負荷となる。このため、チェーンコンベア24の回転トルクが急激に上昇して、チェーンコンベア24の駆動機構において軸受部が故障するといった問題を生ずる。
このような場合に、設備を停止して、アノード1の除去、チェーンコンベア24の緊急点検および補修を行う必要が生ずるため、その復旧には時間を要し、アノード整形工程全体における作業効率が著しく低下するほか、落下したアノード1を除去することは、リスクの高い重量物取扱作業となる。
アノード1がストッパー17を乗り越えることを防止するために、ストッパー17の高さを高くすることも考えられるが、この場合、アノード受け台12からアノード水平搬送装置23にアノード1を移載する際のアノード支持ビーム19の持ち上げ高さも高くする必要がある。これに伴い、スクリュージャッキなどの持ち上げ装置の更新を行う必要があることに加え、アノード1の持ち上げ時のストロークが長くなることで、アノード移載台車13のサイクルタイムが伸び、設備時間稼働率が低下する。
また、アノード1がストッパー17を乗り越えることを防止するために、アノード1をより手前に置くことも考えられる。この場合、搬入方向後側にある一部のアノード1は、アノード支持ビーム19の進行方向後端部よりも手前に位置することになり、アノード支持ビーム19によって持ち上げられずにアノード載置部15上に残ってしまう。これを防ぐために、アノード1をストッパー17よりも手前側に置くとともに、フォークリフト27の操作によって、アノード受け台12に載置されたアノード1の間隔を詰める作業を行うことが考えられる。ただし、この間隔を詰めすぎると、アノード水平搬送装置23に移載した後で、チェーンコンベア24の終端部においてアノード1同士の間隔が詰まりすぎたままで、前記押し上げ装置によりアノード1を1枚ずつ押し上げることができなくなる。このため、フォークリフト27の操作において、アノード1を詰めすぎないようにする、あるいは、アノード1を詰めすぎた場合にはその間隔を空けるといった熟練性が要求される作業が必要となる。
このように、ストッパーの高さを高くする、アノード移載台車の持ち上げ装置を更新するといった設備更新や搬送速度の低下を伴うことなく、あるいは、フォークリフトによる熟練性の要求される煩雑な操作などの手間を追加することなく、アノードの落下を防止しつつ、アノード水平搬送装置へのアノードの搬入作業を効率よく行うことを可能にする手段が求められている。
本発明は、このように、電解用アノードを速やかにかつ安定的にアノード水平搬送装置に搬入することを可能とするアノード搬入装置を提供することを目的とする。
本発明のアノード搬入装置は、それぞれが、略矩形状の板状部と、該板状部の上端部両側から幅方向に突出する1対の耳部とを有し、フォークリフトにより搬入された複数枚のアノードを、水平方向のうち、前記アノードの板厚方向に移動させることにより、該フォークリフトからアノード水平搬送装置まで移載させるための装置であって、アノード受け台と、アノード移載台車とを備える。
アノード受け台は、それぞれの上側面に、前記アノードの移動方向に沿って伸長し、前記1対の耳部の下側面を載置可能なアノード載置部を備え、かつ、水平方向のうちで前記アノードの移動方向に直交する方向である幅方向に離隔して配置された1対の受け台と、該幅方向に関して前記1対の受け台同士の間部分に設けられ、前記板状部が配置されるアノード収容空間部とを有する。
前記アノード移載台車は、前記1対の受け台と平行に配置されている2本のレール上を前記アノード受け台から前記アノード水平搬送装置まで移動可能である。該アノード移載台車は、1対のアノード支持ビーム部と、該1対のアノード支持ビームを上下方向に移動させるための持ち上げ装置を備える。前記1対のアノード支持ビームは、前記1対の受け台の両外側または両内側に、該1対の受け台と隣接して配置され、かつ、前記1対の受け台と平行に伸長し、前記1対の耳部を下方から持ち上げ可能である。
本発明において、前記アノード移載台車が、前記アノードの移動方向に関して前記アノード受け台の位置に位置し、かつ、前記1対のアノード支持ビームを下降させた状態において、前記1対のアノード支持ビームは、その先端部が、前記アノード水平搬送装置を構成するチェーンコンベアまで到達するように構成されている。
あるいは、前記フォークリフトにより前記複数枚のアノードを、前記アノードの移動方向後方から前方に移動させることで、該複数枚のアノードを前記アノード収容空間部内(前記アノード載置部の長さ方向の範囲内)に、前記アノードの移動方向後側から搬入させ、前記1対の耳部を前記アノード載置部の上にくるようにした状態で、前記フォークリフトのフォークの先端部に一致する位置まで、その先端部が到達するように構成されている。
より具体的には、たとえば、前記アノード支持ビームを、その先端部が、前記フォークリフトを前記アノード受け台の進行方向後側に設置された車輪止めに当たる位置まで移動させた際に、前記アノード収容空間部に進入した該フォークリフトのフォークの先端部に一致する位置まで到達するように構成することができる。
前記1対のアノード支持ビームは、前記先端部に、前記アノードのうちの一部のアノードが前記アノードのうちの他のアノードから離れて、前記アノードの移動方向前方に移動することを阻止するストッパーを備えることができる。
前記1対のアノード支持ビームの長さは、400mm以上600mm以下であることが好ましい。
前記1対のアノード支持ビームのそれぞれは、前記アノード載置部の長さの1/2~2/3の長さを有する既設部と、該既設部に取り付けられ、前記先端部まで伸長する延長部とにより構成されることができる。
本発明により、アノード移載台車の大幅な設備改造を伴わずに、電解用アノードをアノード受け台とアノード水平搬送装置のチェーンコンベアとの間の空間内に落下させる事態を生じることなく、また、複数枚のアノードを、適切な所定間隔を維持したまま、速やかにかつ安定的にアノード水平搬送装置に搬入することを可能とする、アノード搬入装置が提供される。
図1は、銅電解用アノードの概略正面図である。 図2は、既設のアノード搬入装置を、搬入に用いるフォークリフトおよび搬入先のアノード水平搬送装置とともに、進行方向前側を右側とした状態で示す、概略側面図である。 図3は、既設のアノード搬入装置を進行方向後方から見た概略正面図である。 図4は、本発明の実施形態の1例のアノード搬入装置を示す、図2と同様の図である。 図5は、本発明の実施形態の1例のアノード搬入装置を示す、図3と同様の図である。 図6は、本発明の実施形態の1例におけるアノード支持ビームの概略側面図である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、アノード搬入装置を構成するアノード受け台およびアノード移載台車のアノード支持ビームの構造について鋭意検討を行った。
その結果、アノード受け台に載置される複数枚のアノードの移動規制を、アノード受け台のアノード載置部の進行方向先端部(終端部)に設置したストッパーにより行うのではなく、アノード支持ビームを、フォークリフトのフォークの長さに応じて十分な長さとするとともに、好ましくは、その先端部にストッパーを設置することにより、アノード受け台とアノード水平搬送装置のチェーンコンベアとの間の空間をアノード支持ビームにより塞いで、該空間内へのアノードの落下を防止できること、アノード支持ビームの長さを拡大し、かつ、アノード載置部に設置されたストッパーを不要とすることにより、アノードをアノード支持ビームによる吊り上げ範囲に収まるようにフォークリフトで詰める作業を不要とし、作業負荷を低減できること、さらに、複数枚のアノード同士の間隔が狭まりすぎないことを可能にして、アノード水平搬送装置の終端に設けられた押し上げ装置などにより、チェーンコンベアから次工程にアノードを移動させるときのトラブルを低減させることができるとの知見を得て、本発明者らは、本発明を完成したものである。
以下、本発明のアノード搬入装置の1実施形態の1例について、図4~図6を参照しつつ、詳細に説明する。
本発明のアノード搬入装置11aは、アノード受け台12aと、アノード移載台車13aとを備える。アノード搬入装置11aは、フォークリフト27により搬入された、複数枚の、たとえば16枚のアノード1をまとめて、水平方向のうち、アノード1の板厚方向に移動させることにより、フォークリフト27からアノード水平搬送装置23まで移載させるための装置である。
本発明のアノード搬入装置11aの対象となる、銅電解用アノード1は、通常、高さ:800mm~1200mm、幅800mm~1200mm、および、厚さ30mm~50mm程度の略矩形状の板状部2と、その上端部両側に設けられる1対の耳部3とからなる。それぞれの耳部の高さは60mm~100mm程度であり、それぞれの耳部の長さは120mmないし240mm程度である。その重さは、前述したとおり、1枚あたり400kg程度である。
アノード受け台12aは、1対の受け台14aにより構成される。1対の受け台14aは、全体で複数枚のアノード1を載置できる耐荷重性を有する、鋼鉄などの金属製の板状部材からなり、高さ:1000mm~3000mm、幅50mm~100mm、および、奥行き1500mm~2200mm程度の略矩形状を有する。1対の受け台14aは、基面(床面)に、アノード1が幅方向に収容できる間隔、たとえば1000mm~1400mm程度の間隔をあけて平行に設置される。言い換えれば、1対の受け台14aの幅方向内側には、複数枚のアノード1の板状部2が収容されるアノード収容空間部16が形成される。
それぞれのアノード受け台14aの上端部(上側面)は、アノード1の進行方向(移動方向)に伸長し、アノード1の耳部3の下側面を載置可能なアノード載置部15aとなっている。本例の受け台14aのアノード載置部15aには、従来の受け台14のアノード載置部15に設置されたストッパー17は設けられていない。
アノード移載台車13aは、1対の受け台14aと平行に配置されている2本のレール18上をアノード受け台12aからアノード水平搬送装置23まで水平方向に移動可能である。
アノード移載台車13aの構造は、複数枚、たとえば16枚のアノード1を懸下させて、水平方向(アノード1の板厚方向)に移動させることが可能なように、少なくともアノード支持ビーム19aと、アノード支持ビーム19aを上下方向に移動させるための持ち上げ装置(図示せず)とを備える。アノード支持ビーム19aは、鋼材製でロッド形状を有する。アノード支持ビーム19aは、アノード移載台車13aがアノード受け台12aの上端付近に位置するときに、1対の受け台14aの両外側に、該1対の受け台14と隣接して配置され、受け台14aと平行に伸長する。アノード支持ビーム19aには、断面矩形の鋼材(中実または中空のいずれを含む)、L型鋼、H形鋼、I形鋼、あるいはこれらを組み合わせた鋼材が用いられる。アノード支持ビーム19aを、1対の受け台14aの両内側に、該1対の受け台14と隣接して配置することもできる。この場合、1対のアノード支持ビーム19aの幅方向内側に、アノード収容空間部16が形成される。
アノード移載台車13aの持ち上げ装置としては、スクリュージャッキなどジャッキあるいは動力シリンダーなどの、複数枚のアノード1をアノード支持ビーム19aとともに上昇および下降させることができる任意の装置を用いることができる。
本例では、アノード支持ビーム19aは、従来のアノード搬入装置11におけるアノード支持ビーム19よりも十分に長くなっている。
たとえば、アノード移載台車13aが、アノード受け台12aの1対の受け台14aのアノード載置部15aに載置された複数枚のアノード1を持ち上げることが可能な位置にある状態、すなわちアノード移載台車13aが、アノード1の移動方向に関してアノード受け台12aの位置に位置し、かつ、1対のアノード支持ビーム1a9を下降させた状態において、アノード支持ビーム19aの先端部が、アノード水平搬送装置23を構成するチェーンコンベア24まで到達し、アノード受け台12aとチェーンコンベア24との間にある空間30を塞ぐことが可能な長さをアノード支持ビーム19aが有することが好ましい。
あるいは、アノード移載台車13aが、アノード受け台12aの1対の受け台14aのアノード載置部15aに載置された複数枚のアノード1を持ち上げることが可能な位置にある状態において、フォークリフト27により複数枚のアノード1を、該アノード1の移動方向後方から前方に移動させることで、複数枚のアノード1をアノード収容空間部16の内側に、アノード1の移動方向後側から搬入させ、アノード1の耳部3がアノード載置部15aの上に来るようにした状態で、フォークリフト27のフォーク28の先端部まで、アノード支持ビーム19aの先端部が到達する長さを有するように、アノード支持ビーム19aを構成することもできる。この場合、たとえば、フォークリフト27をアノード受け台12aの進行方向後側に設置された車輪止め29に当たる位置まで移動させた際に、アノード収容空間部16に進入したフォークリフト27のフォーク28の先端部まで、アノード支持ビーム19aの先端部が到達するように構成することができる。
アノード支持ビーム19aの長さは、400mm以上とすることが好ましい。アノード支持ビーム19aを400mm以上とすることにより、本例のアノード搬入装置11aのサイズが従来の一般的なアノード搬入装置11と同様である場合に、アノード水平搬送装置23を構成し、複数枚のアノード1が懸架される2条のチェーンコンベア24のテール部の位置まで、アノード支持ビーム19aの先端部が伸長することができる。すなわち、アノード支持ビーム19aが、アノード受け台12aの進行方向先端部からチェーンコンベア24までの間にある空間30を超えて伸長することになる。
従来の装置では、複数枚のアノード1を持ち上げた時点、あるいは、持ち上げられた複数枚のアノード1の進行方向前側への移動を開始した時点で、アノード1がアノード載置部15aから空間30内に落下しやすかったが、本例では、アノード支持ビーム19aが十分に長く、アノード移載台車13がアノード受け台12aの位置にある場合でも、アノード支持ビーム19aが空間30の上方を塞ぐことになるため、アノード1の空間30内への落下が完全に防止される。
本例のアノード搬入装置11aでは、アノード支持ビーム19aの長さが十分に長く、かつ、アノード受け台12aのアノード載置部15aの進行方向先端部にはストッパー17が設けられていない。このため、従来の装置ではアノード1の一部を載置できなかった、アノード載置部15aのうちの、進行方向先端側にある部分においても、アノード移載台車13aがアノード受け台12aの位置にある場合に、アノード支持ビーム19aと重畳する長さにわたって、複数枚のアノード1の一部を載置することが可能である。
よって、アノード受け台12aの長さ方向中間部から進行方向先端側にかけてフォークリフト27がアノード1を載置することができる範囲の全体にわたって、アノード支持ビーム19aでアノード1を持ち上げることが可能になる。
さらに、アノード受け台12aからストッパー17を取り除くことにより、アノード1をアノード受け台12aに搬入する際に、一部のアノード1がストッパー17を乗り越えようとしたり、あるいは、ストッパー17の存在に起因して、複数枚のアノード1が詰まって整列されたりすることがなくなる。よって、フォークリフト27によってアノード1の搬入位置を微調整する必要がなくなる。
アノード支持ビーム19aの長さの上限は、他工程の設備などがアノード支持ビーム19aの高さにある場合は、他工程の設備との干渉を考慮し、たとえば600mm以下とすることができる。アノード支持ビーム19aのその他のサイズは、従来のアノード支持ビーム19と同様であり、それぞれのアノード支持ビーム19aの幅は10mm~100mm程度、高さは2mm~50mm程度であることが好ましい。
本例のアノード支持ビーム19aは、その先端部に、アノード1を持ち上げることが可能な位置において、複数枚のアノード1のうちの一部のアノード1が他のアノード1から離れて進行方向前方に移動することを阻止するためのストッパー20を備えることができる。
ストッパー20を備えることで、アノード1を移載する際にアノード支持ビーム19aの先端部からアノード1が滑り落ちることを防止できる。特に、アノード支持ビーム19aが進行方向に関して最も手前の位置にある場合で、かつ、その先端部がチェーンコンベア24まで達していない場合には、アノード受け台12aとチェーンコンベア24との間の空間30内に、アノード1が落下することを完全に防止することができる。
ただし、本例のように、車輪止め29などによりフォークリフト27の進入が規制されている場合であって、アノード移載台車13aを進行方向最も後側まで移動させた際に、アノード支持ビーム19aの長さが、フォークリフト27が最も進入した位置におけるフォーク28の先端部の位置よりも十分に長く、あるいは、アノード受け台12aの進行方向先端側にアノードが載置される心配がない場合は、アノード支持ビーム19aの先端部に設けたストッパー20を省略することも可能である。
本例のアノード搬入装置11aにおいて、アノード支持ビーム19aは、既設のアノード搬入装置11において用いられていたアノード支持ビーム19を改造することにより形成することも可能である。すなわち、アノード支持ビーム19aの長さを、アノード載置部15aの長さの1/2~2/3の長さ、具体的には1000mm~1400mm程度の長さを有する既設部21と、既設部21に取り付けられ、先端部まで伸長する、500m~800mm程度の長さを有する延長部22とにより構成することができる。
より具体的には、図6に示すように、既設のアノード支持ビーム19に相当し、断面矩形のロッド形状を有する既設部21の外側(または内側)に対して、断面L字状の形状(または帯形の形状)を有する新設の延長部22を、ボルト締結することにより、アノード支持ビーム19aの長さを、チェーンコンベア24のテール部を越えて水平部に到達するまで、搬送方向に延長している。
本例のアノード搬入装置11aからアノード1が移載される、アノード水平搬送装置23には、既設の装置を適用できる。また、フォークリフト27によるアノード1の搬入についても、既存の工程と同様である。このため、これらの説明については、ここでは省略する。
本例のアノード搬入装置11aを用いて、実操業として、同様にアノード搬入装置11aへのアノード1の搬入およびアノード水平搬送装置23へのアノード1の移載を行ったところ、アノード1の落下やアノード1が詰まって配列されるなどの問題は発生していない。
このように、本発明を適用すれば、アノード移載台車の大幅な設備改造を伴わず、アノード支持ビームの搬送方向の長さを適切に延長させることで、アノード受け台とチェーンコンベアとの空間内に、アノードが落下することが防止され、回転トルク急増によるチェーンコンベアの故障が防止される。
また、アノード受け台上のストッパーを撤去することにより、アノードを受け台に搬入する際にアノードがストッパー上に載らなくなり、ストッパーからアノード受け台に誤って落下した際のアノードの搬入位置ずれや他のアノードの上積みが発生せず、フォークリフトによってアノード搬入位置を微調整する必要がなくなる。
さらに、アノード支持ビームの搬送方向の長さを適切に延長させることで、アノード載置部におけるアノードを積載可能な範囲が拡張され、フォークリフト操作によってアノード間隔を詰める必要もなくなり、この点でも、次工程における押し上げ装置によるアノードの移動トラブルが抑制される。
1 アノード
2 板状部
3 耳部
11、11a アノード搬入装置
12、12a アノード受け台
13、13a アノード移載台車
14、14a 受け台
15、15a アノード載置部
16 アノード収容空間部
17 ストッパー
18 レール
19、19a アノード支持ビーム
20 ストッパー
21 既設部
22 延長部
23 アノード水平搬送装置
24 チェーンコンベア
25 スプロケットホイール
26 ローラーチェーン
27 フォークリフト
28 フォーク
29 車輪止め
30 空間

Claims (4)

  1. それぞれが、略矩形状の板状部と、該板状部の上端部両側から幅方向に突出する1対の耳部とを有し、フォークリフトにより搬入された複数枚のアノードを、水平方向のうち、前記アノードの板厚方向に移動させることにより、該フォークリフトからアノード水平搬送装置まで移載させるためのアノード搬入装置であって、
    アノード受け台と、アノード移載台車とを備え、
    前記アノード受け台は、それぞれの上側面に、前記アノードの移動方向に沿って伸長し、前記1対の耳部の下側面を載置可能なアノード載置部を備え、かつ、水平方向のうちで前記アノードの移動方向に直交する方向である幅方向に離隔して配置された1対の受け台と、該幅方向に関して前記1対の受け台同士の間部分に設けられ、前記板状部が配置されるアノード収容空間部とを有し、
    前記アノード移載台車は、前記1対の受け台と平行に配置されている2本のレール上を前記アノード受け台から前記アノード水平搬送装置まで移動可能であり、1対のアノード支持ビームと、該1対のアノード支持ビームを上下方向に移動させるための持ち上げ装置とを有し
    前記1対のアノード支持ビームは、前記1対の受け台の両外側または両内側に、該1対の受け台と隣接して配置され、かつ、前記1対の受け台と平行に伸長し、前記1対の耳部を下方から持ち上げ可能であり、
    前記アノード移載台車が、前記アノードの移動方向に関して前記アノード受け台の位置に位置し、かつ、前記1対のアノード支持ビームを下降させた状態において、前記1対のアノード支持ビームは、その先端部が、前記アノード水平搬送装置を構成するチェーンコンベアまで到達するように構成されている、あるいは、その先端部が、前記フォークリフトにより前記複数枚のアノードを、前記アノードの移動方向後方から前方に移動させることで、該複数枚のアノードを前記アノード収容空間内に、前記アノードの移動方向後側から搬入させ、前記1対の耳部を前記アノード載置部の上にくるようにした状態で、前記フォークリフトのフォークの先端部に一致する位置まで到達するように構成されている、
    アノード搬入装置。
  2. 前記1対のアノード支持ビームは、前記先端部に、前記アノードのうちの一部のアノードが前記アノードのうちの他のアノードから離れて、前記アノードの移動方向前方に移動することを阻止するストッパーを備える、請求項1に記載のアノード搬入装置。
  3. 前記1対のアノード支持ビームの長さは、400mm以上600mm以下である、請求項1または2に記載のアノード搬入装置。
  4. 前記1対のアノード支持ビームのそれぞれは、前記アノード載置部の長さの1/2~2/3の長さを有する既設部と、該既設部に取り付けられ、前記先端部まで伸長する延長部とにより構成される、請求項1~3のいずれかに記載のアノード搬入装置。
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