JP6095442B2 - 電極板搬送装置 - Google Patents

電極板搬送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6095442B2
JP6095442B2 JP2013071340A JP2013071340A JP6095442B2 JP 6095442 B2 JP6095442 B2 JP 6095442B2 JP 2013071340 A JP2013071340 A JP 2013071340A JP 2013071340 A JP2013071340 A JP 2013071340A JP 6095442 B2 JP6095442 B2 JP 6095442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
cathode
hook
plate
electrode plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013071340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014194061A (ja
Inventor
崇 塩地
崇 塩地
安志 中園
安志 中園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pan Pacific Copper Co Ltd
Original Assignee
Pan Pacific Copper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pan Pacific Copper Co Ltd filed Critical Pan Pacific Copper Co Ltd
Priority to JP2013071340A priority Critical patent/JP6095442B2/ja
Publication of JP2014194061A publication Critical patent/JP2014194061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6095442B2 publication Critical patent/JP6095442B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Description

本発明は、電極板搬送装置に関し、さらに詳しくは、電解槽の上方まで水平移動され、その位置で昇降して多数の電極板を電解槽の所定位置に装入し、電解後の電極板を引き上げる電解精製における電極板搬送装置に関する。
銅や亜鉛などの金属の電解精製は、電解液が貯えられた電解槽内に複数(Cuの場合、通常、20枚から60枚程度)の陰極板(カソード板)と陽極耳付き型(アノード板)とを交互に平行になるようにして浸漬し、電圧を印加することによってカソード板の表面に目的金属を電着させる精製方法である。そして、これらのカソード板及びアノード板(電極板)の電解槽への装入及び引き上げ並びに搬送は、電極板を電極板搬送装置に備えられたフックで掛止して吊下支持することによって行なわれる。すなわち、電極板搬送装置にはアノード板を支持する一対のアノード用フックとカソード板を支持する一対のカソード用フックが吊枠にそれぞれ複数設置されており、多数の電極板を吊り下げた電極板搬送装置を天井クレーン等の移動装置によって電解槽の上方まで水平移動させ、所定の位置で電極板搬送装置の吊枠を昇降することにより電極板を電解槽の所定位置への装入又は引き上げが行なわれる。そして、電解が終了したカソード板は、剥ぎ取り機受け入れ口のコンベアに装入され、その表面に電着した目的金属が剥ぎ取られる。そして、剥ぎ取りが終わったカソード板(母板)は剥ぎ取り機搬出口のコンベアから、電極搬送装置によって搬送されて再び電解槽内へ装入され電解製錬に供される。
従来の電極板搬送装置のフックは、例えば、特許文献1及び2に示されているように、電極板搬送装置から垂下されたロッドの先端を略L字状をした鉤型形状であったところ、このような鉤形をした従来のフックは電極板をうまく掛止することができずに落下させてしまうという問題や、電極板を電解槽内へ等間隔に装入することが難しく、装入後に作業員が手作業で電極板の位置調整を行なう必要がある等の問題があった。そのため、特許文献3に示すようなフックが提案されている。特許文献3に示されたフックは、ロッドの先端を逆T字状に形成した枝部を設けると共に、ロッドを回転軸として水平方向に回転可能に形成し、ロッドを回転させることにより隣り合うフックの逆T字状の枝部によって電極板の導体バー又は耳部を支持するというものである。また、カソード板を掛止するカソード用フックは水平移動機構により前後方向に水平移動可能とされてその位置調整が可能とされている。
特開平9−249985号公報 特開平10−99818号公報 特開2008−81826号公報
ところで、従来の電極板搬送装置のカソード用フックは吊枠に設けられたスライド機構によって前後方向に水平移動可能とされており、その位置調整が可能とされていた。これに対しアノード用フックにはそのようなスライド機構は設けられておらず、天井クレーンによって電極板搬送装置自体を水平移動させることによりその位置調整を行っていた。その理由は、アノード板の重量は約400kgとカソード板よりも約2倍重く、アノード板のスライド機構は複数のアノード板を支持した状態でその総重量に耐えうるだけの仕様が必要であったこと、また、カソード板には製品となる金属が電着していることから接触や落下等が生じないように慎重に取り扱う必要があること、そのためカソード用フックが略L字状をした鉤型形状であるような場合にはフックをスライドさせてクロスバーをフックの奥で確実に掛止する必要があったこと等のためである。従って、これまではアノード用フックにスライド機構を設けるという発想はなかった。
しかしながら、特許文献3に示すような逆T字状のフックを用いることによってカソード板の落下を防止して確実に支持することが可能となればカソード用フック側にスライド機構を設けるという必要性は必ずしもない。
また、アノード板の装入及び引上作業はカソード板の場合よりも困難な点があった。すなわち、フックを作動できる間隔がカソード板の場合は約70mmであるが、アノード板の場合は約30mmと狭い。これは、カソード板の挿入及び引上げの場合はアノード板の上端中央部が凹んだ形状とされているため、隣り合うカソード板のクロスバーの間にはアノード板の上端縁部が干渉することがないのに対して、アノード板の挿入及び引き上げの場合は共に電解槽の両壁上端部に支持されているアノード耳部とカソード板のクロスバーとの狭い隙間にフックを通さなければならないからある。
これを解決するために特許文献3の逆T字型のフックをアノード用フックに適用することも考えられる。しかしながら、フックを掛止すべきアノード板の耳部の位置と電槽壁との距離が狭いのでT字型フックを回転させた場合にT字型フックが電解槽の側壁と干渉してしまいT字型フックを回転させることができないという問題がある。また、電解槽の両端に配置されるアノード板(以下、「端アノード」という。)については適切な落下防止対策を採ることが困難であるという問題があった。
一方、端アノードは片面側しかカソード板と対峙しないことから1回の電解精製工程において他のアノード板の半分の厚みしか溶解しないので1回の電解精製によって半分の厚みとなった端アノードは次の電解精製で再使用される。例えば、アノード板を50枚1組として電解精製を行う場合にはいずれか一方側の端アノードを残して連続使用し、他方側の端アノード及びそれ以外のアノード板は入れ替えを行う。従って、電極板搬送装置は49枚のアノード板しか吊上げない。そのため、端アノードを装入・引上を実施しない側の端アノード用のフックは作業前に電極板搬送装置から予め手動で取り外しておく必要があった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、位置調整が容易で、アノード板の装入及び引き上げを確実に行うことができ、しかも搬送時において吊り下げたアノード板又はカソード板をしっかり支持して容易に落下することのない電極板搬送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、アノード板の両耳部をそれぞれ掛止する一対のアノード用フックを複数備えると共に、カソード板のクロスバーの下部側に設けられた開口部に挿入して当該カソード板を掛止する一対のカソード用フックを複数備え、複数の前記アノード板又は複数の前記カソード板を吊り下げて電解槽の所定位置に装入すると共に、電解後の前記アノード板又は前記カソード板を引き上げて所定位置に移送する電極板搬送装置において、複数の前記アノード用フックは、スライド機構によって前記アノード板の配列方向に沿って前後に移動可能とされたアノード用吊枠に旋回可能に、且つ、当該アノード用フックの鉤型の掛止部の先端を相隣れる他のアノード用フックの後側に向かうように旋回させた際に、当該アノード用フックの鉤型の掛止部の先端が前記他のアノード用フックの後端に設けられた落下防止用ストッパに当接するか或いは少なくともアノード板の耳部の幅長さよりも狭くなるような間隔を有して取り付けられ、両端側に位置する前記アノード用フックの少なくとも一方側に落下防止部材を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項1に記載の電極板搬送装置において、複数の前記カソード用フックは、カソード用吊枠にロッドを介して旋回可能に固定されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の電極板搬送装置において、前記カソード用フックは、吊り下げたカソード板が落下するのを防止する落下防止機構を備えていることを特徴とする電極板搬送装置。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項に記載の電極板搬送装置において、前記落下防止機構は、前記カソード用フックを左右に枝部を備えた逆T字状とすると共に前記ロッドを軸に回転可能に前記カソード用吊枠に固定して形成し、前記カソード用フックを回転させて隣り合うカソード用フックの枝部をそれぞれ前記カソード板の開口部に挿入してクロスバーを支持した際に隣り合うカソード用フックの枝部の先端同士が少なくともクロスバーの幅長さよりも狭い間隔で近接させることにより当該カソード板の落下を防止したことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の電極板搬送装置において、両端側に位置する前記カソード用フックの少なくとも一方側に落下防止部材を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項に記載の電極板搬送装置において、前記カソード用フック側の前記落下防止部材は、垂直方向に移動可能な棒部材であり、前記カソード板を掛止した状態で下方側に移動させることにより前記カソード用フックの先端と前記開口部への挿入側とは反対側から近接若しくは当接させることにより前記カソード板が前記カソード用フックから外れて落下することを防止するようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項に記載の本発明は、請求項に記載の電極板搬送装置において、前記アノード用フック側の前記落下防止部材は、垂直方向に移動可能な棒部材であり、前記アノード板の両耳部を掛止した状態で下方側に移動させることにより前記アノード用フックの先端と前記耳部の反対側から近接若しくは当接させることにより前記アノード板が前記アノード用フックから外れて落下することを防止するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る電極板搬送装置によれば、アノード板の装入及び引上時にアノード用フックの位置を容易に微調整することができる。これにより、アノード板の耳部へアノード用フックを的確に位置させることができるので天井クレーンによる複雑な操作が不要となるという効果がある。
端アノード用のフックの先端に落下防止部材を配置したのでアノードの落下を防止することができる。そして、使用しない端アノード用の落下防止部材は上部に引き上げておくことで電解槽との接触を防止できるという効果がある。
電解精製設備の概要を示す斜視図である。 カソード用フックを備えたカソード用吊枠を示す正面図である。 カソード用吊枠及びアノード用フックが取り付けられた吊枠を示す面図である。 アノード用吊枠の水平移動を示す図であり、(a)はアノード用吊枠の水平移動前の状態を示す正面図、(b)はアノード用吊枠の水平移動後の状態を示す正面図である。 (a)はカソード用フックの形状を示す正面図、(b)はその旋回機構を示す説明図である。 (a)はカソード用フックによりカソード板を吊り下げる状態の斜視図、(b)は枝部が導体バーと平行となった状態のカソード用フックを示す斜視図である。 (a)はアノード用フックの形状を示す正面図、(b)はアノード用フックの作用を示す説明図である。 電極板の配列状態を示す斜視図である。 カソード用フックの動作を示す正面図である。 カソード用フック及びアノード用フックの動作を示す正面図である。
以下、本発明に係る電極板搬送装置の好ましい一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
はじめに、電解精製設備の概要について図1を参照して説明する。図1は電解精製設備の概要を示す斜視図である。図示された電解精製設備100は、概略として、複数のワイヤW,Wによって図示しない天井クレーンから吊り下げられた状態で前後左右方向に移動可能に配置されている電極板搬送装置10と、希硫酸等の電解液が貯留された電解槽32を複数備えた電解槽ユニット30と、各電解槽32,32から引き上げられたカソード板K或いはアノード板Aを次工程へ搬送するためのコンベア60を備えて構成されている。
図8に示すように、カソード板Kは略方形平板状のカソード電極であり、電解槽32の上縁に掛止する導体バーKaを上端側に有している。そして、この導体バーKaの下部の2箇所にはフックを挿入して吊下支持するための方形状の窓部Kbが形成されている。一方、アノード板Aは略方形平板状のアノード電極であり、その上部両端側には左右に突出する本体部分の厚みよりやや薄い耳部Aa,Aaが形成されている。この耳部Aa,Aaは電解槽32の上縁に掛止されると共にフックに掛止されて吊下支持されるようになっている。これら一対の耳部Aa,Aaの間には凹状に窪んだ凹部Abが形成されている。そして、カソード板K及びアノード板Aは、一定間隔を隔てて交互に且つ多層状に配列された状態で後述する多数のカソード用フックF又はアノード用フックFによってそれぞれ吊下げられた状態で搬送される。
電解槽ユニット30は、図1に示すように、全体が枠組み固定された同一容積の電解槽32を複数備えており、複数の脚34,34によってガタつきが生じないように調整して床上に設置されている。そして、各電解槽32,32のそれぞれには複数のアノード板Aと複数のカソード板Kが交互に並列支持されて電解槽32,32内に装入される。一方、各電解槽32,32の上縁面30a上には、上方に突出する左右一対の凸部材36,36が電解槽32,32の長手方向に沿って複数配置されており、この凸部材36,36は電極板搬送装置10の後述するガイドロッド14と嵌合するようになっている。
電極板搬送装置10は吊枠12を備え、この吊枠12の上面の4箇所に設けられた吊り部材18,18の部分でワイヤW,Wにより水平に吊り下げられている。ワイヤW,Wは図示しない天井クレーンに連結されており、天井クレーンによって並列配置された複数の電解槽32,32の縦方向X又は横方向Y(図1においては、横方向Yに連続する複数の電解槽32,32のみを示している)に移動可能とされている。尚、天井クレーンは水平移動手段と、所望の電解槽32の上方にフレームを停止させる位置制御手段と、電極板搬送装置10を上昇及び降下させる巻き上げ機構(いずれも図示せず)を備えている。
上述したような機構により電極板搬送装置10は電解槽32,32の所定位置の上方と電解が終了したカソード板Kとを図示しない剥ぎ取り装置へ搬送して排出するコンベア60の上方との間を水平移動すると共に、上昇及び降下(図1のZ方向)することによって電解槽32,32の所定位置やコンベア60の所定位置にアノード板A等をまとめて装入、移載、搬送可能とされている。
電極板搬送装置10の吊枠12の長手方向の両端部近傍には、左右一対となるガイドロッド14,14がそれぞれ一対のスライド軸受16,16により上下方向(図1のZ方向)にスライド自在に取付けられている。ガイドロッド14,14の下端面には、略円錐形状の凹部が形成されており、電解槽32,32の上縁面30aに上方に向って突設された上述の凸部材36,36と嵌合することによって簡単且つ精密に位置合わせができるようになっている。
図2はカソード用フックFを備えたカソード用吊枠22を示す正面図、図3はカソード用吊枠22及びアノード用フックFが取り付けられた吊枠12を示す面図である。図2及び図3に示すように、吊枠12の上部には巻上げ装置42が設置されており、この巻上げ装置42は同軸上に3個設けられた第1チェーンホイール44(図3参照)の両端の2個を介して下方に向かう2本の第1チェーン45,45を巻上げ又は巻出しすることができるようになっている。また、中央の第1チェーンホイール44と第2チェーンホィール46(図2参照)を介して下方に向う第2チェーン47を巻上げ又は巻出しすることができるようになっている。
そして、2本の第1チェーン45,45及び1本の第2チェーン47の下端には、図2に示すように、カソード用吊枠22が吊下支持されている。即ち、カソード用吊枠22は、上記3本のチェーンによって水平に三点吊りされ、巻上げ装置42の駆動により上昇及び下降可能とされている。また、カソード用吊枠22はガイド機構50,50に案内されることにより揺動が防止された状態で上下移動可能とされている。すなわち、カソード用吊枠22は、図3に示すように、吊枠12に固定されて下方に延在する一対のフレーム50a,50aによって両側から挟まれるようにして配置されると共に、複数のガイドローラ50b,50bが回転自在に配置されたローラブラケット50c,50cをカソード用吊枠22の両側面にそれぞれ設け、これらのガイドローラ50b,50bがフレーム50a,50aの内壁を転動することによりカソード用吊枠22をガイドしながら滑らかに上下移動するようになっている。
カソード用吊枠22にはロッドRの先端に軸垂直に回転可能に配設されたカソード板Kを吊下するための一対のカソード用フックF,Fが一定の間隔を有して長手方向に沿って複数取り付けられている。
カソード用フックFは、左右で一対とされ、図5(a)に示すように、ロッドRの先端から一方側に略L字形状に突き出るようにして形成された支持部5aと、支持部5aとは反対側に設けられた突出部5bを備えて構成されている。支持部5aは、カソード板Kの窓部Kbに挿通されてカソード板Kの導体バー(クロスバーとも言う)Kaをその上面側で支持することによりカソード板Kを吊下支持する。尚、支持部5aの先端側は上方に向かってやや傾斜して突出した形状とされている。また、カソード用フックFは、ロッドRを軸に略90°旋回するようになっている。すなわち、カソード用フックFが取り付けられたロッドRの反対側の端部側にはピニオンギア26が取り付けられた状態でフレーム50aの下端側に配置されている。そして、フレーム50aの長手方向に沿ってラックギア25がカソード用フックFの並列方向に沿って図示しない駆動機構によって水平移動可能に配置されている。この構造によりカソード用フックFは、図6(a),(b)に示すように、ロッドRを軸に略90°旋回可能とされている。
この構造により、カソード用フックFによってカソード板Kを吊り下げる場合には、図5(a)に示すように、ロッドRを軸に旋回させてカソード用フックF1−1〜3の支持部5aを窓部Kbに挿通し、さらにロッドRを旋回させることにより、支持部5aを隣り合うカソード用フックF1−2〜4の突出部5bに当接させる(図5(c)参照)ことで支持部5aの前方に隙間を形成させないようにしてカソード板Kの落下を防止する。尚、一番端に位置するカソード用フックF1−1には突出部5を設けなくてもよく、それとは反対側の端に位置するカソード用フックF1−3の隣には突出部5bだけを備えた落下防止用部材F1−4が設けられている。
一方、アノード用フックFもカソード用フックFと同様に左右で一対とされ、図4に示すように、アノード用吊枠52にロッドRを介して軸垂直に略90°旋回可能に且つ一定間隔に設けられている。すなわち、アノード用フックFは、図7(a)に示すように、ロッドRの先端の片側に略L字形状に形成された鉤型の掛止部6aを備えて形成されており、これら一対のアノード用フックF,Fは、カソード用フックF1と同様にラックアンドピニオン構造によって掛止部6aがアノード板Aの耳部Aaと平行になる向きと、アノード板Aの耳部Aaに対し直角となる向きとの間で略90°旋回可能とされている(図7(a)(b)参照)。尚、掛止部6aにはクレーンフックのような外れ止めは備えられていない。そして、図7(a)に示すように、アノード用フックFの掛止部6aの上面でアノード板Aの両耳部Aaを掛止することによりアノード板Aを吊下支持する。また、掛止部6aとは反対側に突出するようにして落下防止用ストッパStが設けられている。そして、アノード板Aを支持する状態(図7(b)の状態)において、掛止部6aの先端とその前方に位置するアノード用フックFの落下防止用ストッパStが当接するか或いは両者の隙間が少なくともアノード板Kの耳部Kaの幅長さよりも狭くなるようになっている。これにより、アノード板Aを吊下した状態においてアノード板Aが掛止部6aから外れて落下することが防止される。
一方、隣接するアノード用フックFが配置されていない端部のアノード用フックFの前方には、図7(b)に示すように、上下方向に昇降自在な落下防止部材としての落下防止用バーStが配置されている。この落下防止用バーStは端部側のアノード用フックF(図7(b)の最左側)の掛止部6aの先端との隙間もアノード用フックF同士の場合と同じで、当接するか、少なくともアノード板Kの耳部Kaの幅長さよりも狭くなるような位置となるように配置されている。これにより端部側のアノード用フックFに掛止された耳部Aaがアノード用フックFから外れ落ちるのが防止される。尚、落下防止用ストッパStは図示しないエアシリンダーによって昇降するようになっている。
複数のアノード用フックF,Fを備えたアノード用吊枠52は、図4(a),(b)に示すように、下方側に伸びる複数のブラケット54,54を介して吊枠12に支持されていると共に、複数のブラケット54,54は連結部材56によって水平方向にそれぞれ連結されている。そして、アノード用吊枠52はアノード用フックF,Fが隣接する方向(水平方向)に沿って水平移動可能とされている。すなわち、複数のブラケット54,54の上端側はそれぞれ図示しないレール上を移動可能なホイール59,59によって軸支され、端部側のブラケット54(図4(a)における左端のブラケット54)は吊枠12に配置されたシリンダ58の伸縮するシャフトが取り付けられており、シリンダ58を駆動源としてシリンダシャフトを伸縮させることによりアノード用吊枠52の水平方向への移動を可能としている。上述したように、従来はアノード用フックF,Fのスライド機構は設けられておらず天井クレーンで電極板搬送装置10を移動させることにより行っていた。しかし、本発明のようにアノード用フックF,Fをスライド機構によって位置調整ができるようにすることで天井クレーンによる位置調整操作を不要にしたので、クリアランスの制約があるアノード板Aの装入及び引揚げ時にアノード用フックF,Fの位置調整を容易に行うことが可能になる。
[カソード板Kの吊り上げ動作]
次に、電極板搬送装置10によってカソード板Kを吊り上げる場合の動作について図9を参照して説明する。図9はカソード用フックFによってカソード板Kを吊下支持する動作を示す図である。電解槽32から引き上げる前のアノード板A,A及びカソード板K,Kは、一定間隔を隔てて電解槽32内に交互に多数配列されており、図示しない制御装置によって天井クレーンを操作して電極板搬送装置10を所定の電解槽32の上方へ移動させる。そして、電極板搬送装置10を所定の電解槽32の上方の所定位置で停止させ、カソード用吊枠22を下降させてカソード用フックF,Fをカソード板K,Kに近接させる。
このとき、アノード板Aの上部には凹部Abが形成されているので、カソード用フックF,Fの下端はアノード板Aの上端に接触することはない。カソード用フックF,Fを導体バーKaよりも僅かに低い位置まで下降させた後、ラックギア25を駆動してピニオンギア26,26を回転させることによりカソード用フックF,FのロッドRを約90°旋回させて支持部5a,5aを窓部Kb,Kb内に挿通させる。これにより、図9に示すようにカソード板Kはその耳部Aaが各支持部5a,5aに掛止される。そして、ロッドRの旋回により、図5(a)に示すように、支持部5a,5aが隣り合う突出部5b,5bに当接若しくは近接することで導体バーKaが枝部5a,5aから落下するのが防止される。
次いで、巻上げ装置42によってカソード用吊枠22を上昇させ、カソード用フックF,Fでカソード板K,Kを吊り下げた状態で天井クレーンを操作してコンベア60側へ搬送し、カソード板K,Kを降下させる。そして、導体バーKaがコンベア60の両サイドのレール61,61上に設けられた図示しない支持部に装入された後、カソード用フックF,Fを僅かに下げた状態で支持部5a,5aが導体バーKaと平行になるようにロッドR,Rを図示しないエアシリンダーによって90°旋回させて支持部5a,5aを窓部Kb,Kbのから抜脱する。以後、カソード板K,Kは次工程である図示しない剥ぎ取り装置へ送られる。尚、上記した手順は、電着金属が剥ぎ取られた後のカソード板Kを吊り上げてコンベア60から取り出す場合も同様な動作によって行なわれる。
[アノード板Aの吊り上げ動作]
次に、アノード用フックF,Fを吊り上げる場合の動作について図10を参照して説明する。図10はアノード用フックFによってアノード板Aを吊下支持する動作を示す図である。カソード板Kの場合と同様に、図示しない制御装置を操作して図示しない天井クレーンによって電極板搬送装置10を電解槽32の上方の所定位置へ移動させる。そして、電極板搬送装置10を降下させカソード用フックF,Fをアノード板Aの両耳部Aa近傍に位置させる。このとき、シリンダ58によってアノード用吊枠52を水平方向に移動させることによりアノード用フックF,Fの位置を天井クレーンによることなく微調整することができる。これにより、アノード板A,Aの耳部Aaへアノード用フックF,Fを的確に位置させることができる。
そして、カソード用フックF,Fと同様の構造からなる旋回機構によりアノード用フックF,FのロッドR,Rを略90°回転させてアノード用フックFの掛止部6aをアノード板Aの耳部Aaの下側に潜り込ませる。アノード用フックFの掛止部6aがアノード板Aの耳部Aaを掛止した状態において、掛止部6aの先端側は隣り合うアノード用フックFの落下防止用ストッパStに当接又は近接してアノード板A,Aが落下するのを防止する。
また、端部側に位置するアノード用フックFであって隣接するアノード用フックFが存在しない側のアノード用フックFの前方には落下防止用バーStが降下して、アノード用フックFと当接又は近接してアノード板Aが落下するのを防止する。各アノード用フックF,Fによってアノード板A,Aを吊下支持した状態でアノード用吊枠52を上昇させる。これによりアノード用フックF,Fの掛止部6aの上面で耳部Aaを支持した状態となる。この状態のまま電極板搬送装置10を上昇させ、図示しない天井クレーンを操作してアノード板A,Aを所定の場所まで搬送する。そして、所望の場所でアノード板A,Aを降下させる。尚、アノード板A,Aを電解槽32内へ装入する場合にはこれとは逆の手順を経ることにより行うことができる。
[実施形態の効果]
本実施形態に係る電極板搬送装置によれば、アノード用吊枠52を水平移動可能としたのでアノード板Aの装入及び引き揚げの際にアノード用フックFの位置を容易に微調整することができるという効果がある。また、アノード用フックFとカソード用フックFのいずれも移動可能とした場合にはそれぞれの位置関係の調整が煩雑となり、機構も複雑となるが本発明に係る電極板搬送装置によればアノード用フックFのみを前後に移動可能とし、カソード用フックFは移動させることなく固定とすることでアノード用フックF及びカソード用フックFとアノード板A,A及びカソード板K,Kとの位置関係が明確となるという効果がある。
また、アノード用フックFの掛止部6aとは反対側に落下防止用ストッパStを設けると共に、端部側のアノード用フックFの前方に落下防止用バーStを配置したのでアノード板Aの落下を確実に防止することができるという効果がある。そして、落下防止用バーStは上昇及び下降可能としたので落下防止用バーStが電解槽30と接触するのを防止することができるという効果がある。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
5a 支持部
5b 突出部
10 電極板搬送装置
12 吊枠
14 ガイドロッド
16 スライド軸受
18 吊り部材
22 カソード用吊枠
25 ラック
26 ピニオン
30 電解槽ユニット
32 電解槽
36 凸部材
42 巻上げ装置
43 支持部
44 チェーンホイール
45 第1チェーン
47 第2チェーン
50 ガイド機構
50a フレーム
50b ガイドローラ
50c ローラブラケット
52 アノード用吊枠
54 ブラケット
56 連結部材
58 シリンダ
100 電解精製設備
A アノード板
Aa 耳部
Ab 凹部
カソード用フック
アノード用フック
K カソード板
Ka 導体バー
Kb 窓部
R ロッド
St 落下防止用ストッパ
St 落下防止用バー
W ワイヤ

Claims (7)

  1. アノード板の両耳部をそれぞれ掛止する一対のアノード用フックを複数備えると共に、カソード板のクロスバーの下部側に設けられた開口部に挿入して当該カソード板を掛止する一対のカソード用フックを複数備え、複数の前記アノード板又は複数の前記カソード板を吊り下げて電解槽の所定位置に装入すると共に、電解後の前記アノード板又は前記カソード板を引き上げて所定位置に移送する電極板搬送装置において、
    複数の前記アノード用フックは、スライド機構によって前記アノード板の配列方向に沿って前後に移動可能とされたアノード用吊枠に旋回可能に、且つ、当該アノード用フックの鉤型の掛止部の先端を相隣れる他のアノード用フックの後側に向かうように旋回させた際に、当該アノード用フックの鉤型の掛止部の先端が前記他のアノード用フックの後端に設けられた落下防止用ストッパに当接するか或いは少なくともアノード板の耳部の幅長さよりも狭くなるような間隔を有して取り付けられ、両端側に位置する前記アノード用フックの少なくとも一方側に落下防止部材を設けたことを特徴とする電極板搬送装置。
  2. 請求項1に記載の電極板搬送装置において、
    複数の前記カソード用フックは、カソード用吊枠にロッドを介して旋回可能に固定されていることを特徴とする電極板搬送装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電極板搬送装置において、
    前記カソード用フックは、吊り下げたカソード板が落下するのを防止する落下防止機構を備えていることを特徴とする電極板搬送装置。
  4. 請求項に記載の電極板搬送装置において、
    前記落下防止機構は、前記カソード用フックを左右に枝部を備えた逆T字状とすると共に前記ロッドを軸に回転可能に前記カソード用吊枠に固定して形成し、前記カソード用フックを回転させて隣り合うカソード用フックの枝部をそれぞれ前記カソード板の開口部に挿入してクロスバーを支持した際に隣り合うカソード用フックの枝部の先端同士が少なくともクロスバーの幅長さよりも狭い間隔で近接させることにより当該カソード板の落下を防止したことを特徴とする電極板搬送装置。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の電極板搬送装置において、
    両端側に位置する前記カソード用フックの少なくとも一方側に落下防止部材を設けたことを特徴とする電極板搬送装置。
  6. 請求項に記載の電極板搬送装置において、
    前記カソード用フック側の前記落下防止部材は、垂直方向に移動可能な棒部材であり、前記カソード板を掛止した状態で下方側に移動させることにより前記カソード用フックの先端と前記開口部への挿入側とは反対側から近接若しくは当接させることにより前記カソード板が前記カソード用フックから外れて落下することを防止するようにしたことを特徴とする電極板搬送装置。
  7. 請求項に記載の電極板搬送装置において、
    前記アノード用フック側の前記落下防止部材は、垂直方向に移動可能な棒部材であり、前記アノード板の両耳部を掛止した状態で下方側に移動させることにより前記アノード用フックの先端と前記耳部の反対側から近接若しくは当接させることにより前記アノード板が前記アノード用フックから外れて落下することを防止するようにしたことを特徴とする電極板搬送装置。
JP2013071340A 2013-03-29 2013-03-29 電極板搬送装置 Active JP6095442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013071340A JP6095442B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 電極板搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013071340A JP6095442B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 電極板搬送装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014194061A JP2014194061A (ja) 2014-10-09
JP6095442B2 true JP6095442B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=51839487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013071340A Active JP6095442B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 電極板搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6095442B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105970251B (zh) * 2016-07-15 2018-04-06 重庆大学 一种阵列式电解锰阴极板剥离装置及方法
CN107419302B (zh) * 2017-08-22 2023-05-23 新乡市百分百机电有限公司 一种熔盐电解系统阴极输送车
CN107513729B (zh) * 2017-10-23 2023-06-16 常宁市华兴冶化实业有限责任公司 一种用于电解槽的阳极板辅助固定装置和方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5296904A (en) * 1976-02-10 1977-08-15 Mitsui Mining & Smelting Co Apparatus for automatic replacement of plate electrode in electrolysis of metals
JP2550609B2 (ja) * 1987-10-06 1996-11-06 三菱マテリアル株式会社 ハンガー装置
JP4252079B2 (ja) * 2006-09-29 2009-04-08 日鉱金属株式会社 電極板搬送装置のフック

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014194061A (ja) 2014-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4252079B2 (ja) 電極板搬送装置のフック
CA1329381C (en) Apparatus for hanging and handling plate members
JP6095442B2 (ja) 電極板搬送装置
US8961095B2 (en) Article storage system and maintenance method in article storage system
EP2841627B1 (en) Transfer apparatus
JP3164285B2 (ja) 電極板搬送装置の吊垂装置
JP6095597B2 (ja) 電極板搬送装置のフック
JP2009149422A (ja) エレベータ巻上機の交換装置および交換方法
JP4712008B2 (ja) 電極板搬送装置のフック構造
JP6095600B2 (ja) 電極板搬送装置のロッド取付構造
US12065752B2 (en) Intervention tool for the operation of an electrolytic cell
JP3305563B2 (ja) 電極板搬送装置の位置決め構造
FI116564B (fi) Menetelmä ja laitteisto levymäisten kappaleiden siirtelemiseksi
US20220090280A1 (en) Handling device to be used to convey an intervention tool on an electrolytic cell
JP2007076771A (ja) 昇降装置
JP7292582B2 (ja) アノード搬入装置
JP2001342588A (ja) 陰極板自動搬送入替装置
JP2009256704A (ja) 横吊り治具および表面処理装置並びに長尺材の表面処理方法
CN218491860U (zh) 一种炭块旋转器及双阳极浇铸站系统
CN219972515U (zh) 一种龙门式微弧电泳生产线
JP2018122981A (ja) 重量物運搬装置、及び重量物運搬方法
CN210001946U (zh) 一种锌电解阳极板吊装装置
JP2023006761A (ja) ビーム抜き取り装置および方法
JPS59150093A (ja) 電解槽用極板掛吊装置
JP2022182874A (ja) クロスビーム受け装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6095442

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250