JP7291960B2 - スクライブ装置及びスクライブ装置に備えられるツールチェンジ機構 - Google Patents

スクライブ装置及びスクライブ装置に備えられるツールチェンジ機構 Download PDF

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Description

本発明は、脆性材料基板をスクライブするスクライブ装置に関する技術であり、特にスクライビングツールを交換するツールチェンジ機構に関する。
従来、液晶表示パネルや液晶プロジェクタ基板等のフラットパネルディスプレイ等では、製造過程においてマザーガラス基板が貼り合わされた後に所定の大きさの単個のパネルに成るように分断される。このようなマザーガラス基板等の脆性材料基板の分断には、その基板にスクライブライン(垂直クラック)を形成するスクライブ工程と、垂直クラックを完全に浸透させるブレイク工程がある。そのうち、スクライブ工程ではスクライブ装置が用いられている。
このスクライブ装置には、スクライビングホイールやダイヤモンドポイントなどを用いたスクライビングツールが備えられており、そのスクライビングツールにより、脆性材料基板に垂直クラックを形成する。脆性材料基板をスクライブするスクライブ装置に関する技術としては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
特許文献1は、チップ(スクライビングホイールなど)と一体化したチップホルダ(スクライビングツール)を用い、チップホルダにオフセットデータをコードの形で保持させておくことによって、例えばオフセット量を補正する作業の手間や、誤って異なった種類のチップを取付けてしまうこと、スクライブラインの形成位置にばらつきが生じてしまうことなどの問題を解消することを目的としている。
具体的には、チップホルダにチップを回転自在に取付ける。チップホルダを円筒形とし、その先端に取付部を設ける。ホルダジョイントに開口部を設け、マグネットによってチップホルダを吸着させて取付けることによって、着脱を容易にする。又チップホルダの面に、チップのオフセットデータを2次元コードとして記録する。チップホルダの交換時にオフセットデータを読出してスクライブ装置に入力することにより、オフセットを打ち消す
。こうすればチップホルダを着脱する際に補正に関連して必要だった操作を省いて短時間の装置停止の間にチップを交換することができるものとしている。
再公表特許2007-063979号公報
特許文献1に開示されたスクライブ装置は、上で挙げた課題を解消することに至り、当業者にとって使いやすい装置となり好評となっている。
しかしながら、スクライブ装置に求められる要求が年々高くなってきており、例えば、稼働中に、スクライビングツールを自動交換して連続稼働時間を伸ばすこと、自動交換の時間を短時間に縮小し、生産性を上げることなどの要望が求められている。
具体的には、生産性としては、スクライビングツールの自動交換にかかる時間の短縮、スクライビングツールを収容するカートリッジをセットする時間の短縮、カートリッジにスクライビングツールを満載したときにおけるスクライブ装置の連続稼働時間の長さを延ばす、など生産性をさらに向上させるための改善が要求されている。また、ツールの互換性としては、標準として設定されているスクライビングツール、そのスクライビングツールが取り付けられたスクライブヘッドのほかに、他のスクライビングツール・スクライブヘッドも使用することができること、傾斜したスクライブヘッドにも対応することができること、などのツールの互換性をさらに向上させるための改善が要求されている。
また、フールプルーフ機能(作業者に誤った操作をさせない、あるいは、使用者が誤った操作をしても危険な状況にならないように、安全に配慮して設計すること)としては、カートリッジの準備、及び、カートリッジを着脱する際に、スクライブ装置において安全を確保すること、スクライビングツールの自動交換動作時における信頼性の向上、所定のスクライビングツールが取り付けられているかを認識し正しく操業することができること、などのフールプルーフ機能をさらに向上させるための改善が要求されている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、生産性、ツールの互換性、フールプルーフ機能をさらに向上させることができるスクライブ装置及びスクライブ装置に備えられるツールチェンジ機構を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。本発明にかかるスクライブ装置は、脆性材料基板が載置される載置手段と、前記載置手段上の前記脆性材料基板に対向するように設けられているスクライブヘッドと、前記スクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントと、前記ホルダジョイントに着脱自在に取り付けられ、前記載置手段上の前記脆性材料基板にスクライブラインを形成するスクライビングホイールを備えているスクライビングツールと、使用後のスクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外し、別のスクライビングツールを当該ホルダジョイントに取り付けてツール交換を実施するツールチェンジ機構と、を有し、前記ツールチェンジ機構は、前記スクライビングツールをホルダジョイントから取り外すリムーバーと、前記スクライビングツールを複数収容するカートリッジと、前記リムーバーとカートリッジとの間でスクライビングツールを移動させる移載ノズルと、を有しており、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールをエア吸引式で吸着する構成とされていることを特徴とする。
好ましくは、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールを吸着可能とすると共に上下
方向に移動可能とされたツール吸着部と、前記ツール吸着部の内側から空気を吸引可能とする吸引チューブと、前記ツール吸着部を上下方向に移動自在に支持する吸着部支持体と、前記吸着部支持体に対してツール吸着部を上下方向に昇降させる昇降部と、を備えているとよい。
好ましくは、前記昇降部は、当該昇降部の内部に形成されたシリンダ室と、前記シリンダ室に上下方向に移動可能に配備されると共に下方に向かって伸びて前記ツール吸着部の上部に連結されるシリンジと、前記シリンダ室におけるシリンジの上側にエアを供給する上部配管と、シリンダ室におけるシリンジの下側にエアを供給する下部配管と、を有しているとよい。
好ましくは、前記ツール吸着部は、当該ツール吸着部の下端に下方に向かって開口する凹部を有しており、前記凹部は、前記スクライビングツールの基端側に対応した形状に形成されているとよい。
本発明にかかるスクライブ装置に備えられるツールチェンジ機構は、スクライブ装置のスクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントに取り付けられているスクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外し、別のスクライビングツールを当該ホルダジョイントに取り付けてツール交換を実施するツールチェンジ機構であって、前記スクライビングツールをホルダジョイントから取り外すリムーバーと、前記スクライビングツールを複数収容するカートリッジと、前記リムーバーとカートリッジとの間でスクライビングツールを移動させる移載ノズルと、を有しており、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールをエア吸引式で吸着する構成とされていることを特徴とする。
また、本発明にかかるスクライブ装置の最も好ましい形態は、脆性材料基板が載置される載置手段と、前記載置手段上の前記脆性材料基板に対向するように設けられているスクライブヘッドと、前記スクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントと、前記ホルダジョイントに着脱自在に取り付けられ、前記載置手段上の前記脆性材料基板にスクラ
イブラインを形成するスクライビングホイールを備えているスクライビングツールと、使用後のスクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外し、別のスクライビングツールを当該ホルダジョイントに取り付けてツール交換を実施するツールチェンジ機構と、を有し、前記ツールチェンジ機構は、前記スクライビングツールをホルダジョイントから取り外すリムーバーと、前記スクライビングツールを複数収容するカートリッジと、前記リムーバーとカートリッジとの間でスクライビングツールを移動させる移載ノズルと、を有しており、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールをエア吸引式で吸着する構成とされており、前記移載ノズルは、前記スクライブヘッドの側方に取り付けられることにより前記スクライブヘッドと一体に移動でき、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールを吸着可能とすると共に上下方向に移動可能とされたツール吸着部と、前記ツール吸着部の内側から空気を吸引可能とする吸引チューブと、前記ツール吸着部を上下方向に移動自在に支持する吸着部支持体と、前記吸着部支持体に対して前記ツール吸着部を上下方向に昇降させる昇降部と、を備えていることを特徴とする。
好ましくは、前記リムーバーは、前記スクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外す際に、当該スクライビングツールを掴んで保持する一対の把持アームを有しており、前記一対の把持アームは、昇降部材を介して、駆動部により上下方向に移動可能とされているとよい。
また、本発明にかかるスクライブ装置に備えられるツールチェンジ機構の最も好ましい形態は、スクライブ装置のスクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントに取り付けられているスクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外し、別のスクライビングツールを当該ホルダジョイントに取り付けてツール交換を実施するツールチェンジ機構であって、前記スクライビングツールをホルダジョイントから取り外すリムーバーと、前記スクライビングツールを複数収容するカートリッジと、前記リムーバーとカートリッジとの間でスクライビングツールを移動させる移載ノズルと、を有しており、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールをエア吸引式で吸着する構成とされており、前記移載ノズルは、前記スクライブヘッドの側方に取り付けられることにより前記スクライブヘッドと一体に移動でき、前記移載ノズルは、前記スクライビングツールを吸着可能とすると共に上下方向に移動可能とされたツール吸着部と、前記ツール吸着部の内側から空気を吸引可能とする吸引チューブと、前記ツール吸着部を上下方向に移動自在に支持する吸着部支持体と、前記吸着部支持体に対して前記ツール吸着部を上下方向に昇降させる昇降部と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、生産性、ツールの互換性、フールプルーフ機能をさらに向上させることができる。
本発明のスクライブ装置の概略を模式的に示した斜視図である。 スクライブ装置をA(y方向プラス側)から見た側面図である。 スクライブ装置のB-B断面図である。 スクライブヘッドの概略を模式的に示した側面図である(C部拡大)。 スクライビングツールを移載する移載ノズルの概略を模式的に示した斜視図である。 移載ノズルのD-D断面図である。 移載ノズルの平面図である。 移載ノズルのE-E断面図である。 移載ノズルのF-F断面図である。 移載ノズルのツール吸着部が移動する状況を示した図である(z軸方向の移動量を示す)。
以下、本発明にかかるスクライブ装置1及びスクライブ装置1に備えられるツールチェンジ機構30の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部を省略して描いている。また、スクライブ装置1におけるx軸方向、y軸方向、z軸方向については、図面に示す通りである。
図1~3は、本発明にかかるスクライブ装置1の概略図である。本発明にかかるスクラ
イブ装置1は、脆性材料基板2が載置されるテーブル3(載置手段)と、脆性材料基板2の表面上にスクライブライン(垂直クラック)を形成するヘッドユニット4と、リムーバーなどが配備されているブロック体5と、を有している。なお、スクライブラインを形成する方向については、図2の左側から右側へと向かうx軸方向である。
テーブル3は、モータが内蔵された支持部(図示せず)により下方から支持されている。支持部は、移動台上に載置されている。移動台は、一対の案内レールに沿って、y軸方向に移動自在に保持されている。この移動台は、ボ-ルネジと螺合しており、モータの駆動によりボ-ルネジが回転することにより、案内レールに沿ってy軸方向に移動する。支持部内のモータ(図示せず)は、テーブルxy平面で回転させて所定角度に位置決めするものである。テーブル3上に載置された脆性材料基板2は、真空吸引手段などにより保持されている。また、脆性材料基板2のアライメントマークを撮像するカメラ6が、スクライブ装置1の上部に設けられている。
スクライブ装置1には、移動台とその上部のテーブル3を跨ぐようにビーム(図示せず)がx軸方向に沿って支柱により架設されている。ヘッドユニット4は、モータの駆動により、ビームに設けられたガイド(図示せず)に沿ってx軸方向に移動可能となっている。ヘッドユニット4の先端部には、スクライブヘッド7が取り付けられている。また、ヘッドユニット4は、z軸方向にも移動可能となっている。
図2に示すように、ヘッドユニット4は、スクライブラインを形成する方向に対して、若干倒れこむように、傾斜して配置されている。本実施形態においては、スクライブラインを形成する方向(進行方向)に対して2°後方に傾斜させて、ヘッドユニット4を配置している。スクライブヘッド7は、脆性材料基板2の表面上にスクライブラインを形成するスクライビングツール8と、スクライビングツール8を着脱自在に保持するホルダジョイント19と、を有している。また、スクライブヘッド7は、ヘッドユニット4全体のz軸方向の移動に加え、スクライブヘッド7だけでもz軸方向に移動可能となっている。
このスクライブヘッド7も、スクライブラインを形成する方向(図2の左側→右側、x軸方向)に対して、若干倒れこむように、傾斜して配置されている。本実施形態においては、スクライブラインを形成する方向に対して2°後方に傾斜させて、スクライブヘッド7を配置している。ここで、テーブル3をy軸方向に移動させるy軸移動部は、移動台を案内する一対の案内レールと、移動台に螺合するボールネジと、ボールネジを回転させるモータからなる。
また、ヘッドユニット4をx軸方向に移動させるx軸移動部は、テーブル3の上部に架設されているビームと、ビームを支える支柱と、ヘッドユニット4を案内するガイドからなる。また、支持部内のモータはテーブル3を回転させる回転部である。これらy軸移動部、x軸移動部、回転部が、相対移動部を構成している。次に、ホルダジョイント19に取り付けられるスクライビングツール8の構成について説明する。
図4は、スクライビングツール8及びその取付状態を示す図である。なお以降の説明において、スクライビングツール8を、単にツールと呼ぶこともある。ツール8は、脆性材料基板2にスクライブライン(垂直クラック)を形成するスクライビングホイール9と、スクライビングホイール9を支持する本体部10と、を有している。
なお、以降の説明において、スクライビングホイール9を、単にホイールと呼ぶこともある。ツール8もスクライブヘッド7と同様に、スクライブラインを形成する方向(図2の左側→右側、x軸方向)に対して、若干倒れこむように、傾斜している。本実施形態においては、スクライブラインを形成する方向に対して2°後方に傾斜させて、ツール8を配
置している。
このように、ツール8(スクライブヘッド7)を傾斜して配置させることで、脆性材料基板2の表面上に所望のスクライブラインを形成することができる。また、スクライブライン形成時の削り屑も少なくすることができる。本体部10は、略円柱形状の部材であって、その一方端(先端)側には垂直に切りかかれた平坦な側壁面部11が設けられている。側壁面部11は、向かい合うように一対設けられている。側壁面部11の上部には、径方向外側に張り出した庇部12が形成されている。なお、側壁面部11のいずれか
には、後述する2次元コードが印字されている。
一対の側壁面部11の間には、その側壁面部11に平行な切り欠き部13が設けられている。また、一対の側壁面部11の下端のそれぞれには、その面に直交する方向のピン溝14が設けられている。その一対のピン溝14は、対面しており、切り欠き部13を貫通するように設けられている。その切り欠き部13には、スクライビングホイール9が配備されている。
ホイール9は、円板形状の部材であって、円周部分の断面が尖った三角形状に形成され、中心に貫通孔が形成されている。ホイール9は、例えば直径が2.5mm、厚さ0.5mm程度のサイズである。ホイール9は、ピン溝14の中心と貫通孔の中心を合わせた孔部に挿入されたピンの軸心回りに回転自在に支持されている。
一方、本体部10の他方端(基端)側には、位置決め用の取付部16が設けられている。取付部16は、本体部10を切り欠いて形成されていて、平坦面17と傾斜面18を有する。平坦面17は、本体部10の基端に形成されていて、側壁面部11と直交する方向の面とされている。傾斜面18は、平坦面17から下方に向かって、径外方向に傾斜する面とされている。これら平坦面17と傾斜面18は、連なって設けられている。
本体部10は、長手方向中途部から上方に向かって先細った形状となっている。なお、本体部10の基端(上部)は、磁性体金属で構成されている。このように、ホイール9と本体部10が一体となったものが、ツール8である。つまり、ピン15をピン溝14に挿入しホイール9を回転自在に支持することで一体となったツール8は、ホイール9を取り外すことなく、交換される。
ホイール9を備えたツール8は、スクライブヘッド7に取り付けられ、ヘッドユニット4の内部に設けられている昇降部により、昇降動作が行われる。なお、昇降部としては、例えばボールネジなどが挙げられる。その昇降部とは別の圧力機構により、尖った部位を有するホイール9を脆性材料基板2の表面上を適切な荷重にて圧接し転動させてゆくことにより、スクライブラインを形成する。ツール8の押し圧を与えているシリンダと、スクライブヘッド7全体を駆動する手段は別に設けられている。
次に、ホルダジョイント19について説明する。
ホルダジョイント19は、上部が円柱状の部材で形成され、下部が円筒状の部材で形成されている。なお、ホルダジョイント19は、その上部の円柱状の部材より、下部の方が大きい円筒状の部材とされている。ホルダジョイント19もスクライブヘッド7と同様に、スクライブラインを形成する方向(図2の左側→右側、x軸方向)に対して、若干倒れこむように、傾斜している。本実施形態においては、スクライブラインを形成する方向に対して2°後方に傾斜させて、ホルダジョイント19を配置している。
ホルダジョイント19は、上部にベアリング20が外嵌して取り付けられており、そのベアリング20により略垂直方向の軸心回りに回転自在に支持されている(図3参照)。ホ
ルダジョイント19の下部は、ツール9を保持する保持部21となっており、円筒形状の開口22が形成されている。その開口22の上端には、マグネット23が埋設されている。
また、開口22の内部には、中心軸から離れた位置にその中心軸と直交する方向の平行ピン24が設けられている。平行ピン24は、ツール8の傾斜面18に接することでツール8を位置決めするもの、すなわちホイール9の方向を正しい方向に設定するものである。ホルダジョイント19にツール8を取り付ける際には、ホルダジョイント19の開口22に、取付部16側からツール8を挿入する。すると、磁性体金属で構成されているツール8の先端(基端)側がマグネット23によって吸引されて、ホルダジョイント19に固定される。
さらに、平行ピン24側に平坦面17が向き、傾斜面18が平行ピン24に接触して位置決めされて、固定される。つまり、平坦面17と傾斜面18が一方方向にしか向かないので、ホイール9の方向が所定の方向に設定される。このツール8は、マグネット23によって吸引されてホルダジョイント19に固定されているだけであるため、着脱が極めて容易である。つまり、ツール8を取り付ける場合、吸引されることにより所定の位置に固定され、取り替える場合にもツール8を引っ張るだけで容易に取り外すことができる。ツール8の着脱は、手動でも可能となっている。
マグネット23は、ホルダジョイント19の最終セット位置の3~4mm手前に位置すると、ツール8を引っ張るようになっている。さて、本発明のスクライブ装置1は、使用後のスクライビングツール8をホルダジョイント19から取り外し、別のスクライビングツール8を当該ホルダジョイント19に取り付けて、自動的にツール交換を実施するツールチェンジ機構30と、を有している。
ツールチェンジ機構30は、ツール8が収容されるカートリッジ31と、ツール8をホルダジョイント19から取り外すリムーバー41と、スクライブヘッド7とカートリッジ31との間でツール8を移動させる移載ノズル81と、を有している。本発明は、スクライブ装置1に備えられた移載ノズル81に特徴があるものである。以降では、移載ノズル81の説明に先立ち、カートリッジ31及びリムーバー41について簡単に説明する。
図1、図2に示すように、カートリッジ31は、テーブル3の側方に配備されていて、ツール8を複数収容する平板状の部材である。詳しくは、カートリッジ31は、テーブル3の側壁面に設けられたベース32に取り付けられる部材であり、本実施形態ではヘッドユニット4の原点側のテーブル3の側壁面に備えられている。
カートリッジ31は、スクライブヘッド7の傾斜に応じて、x軸方向において、図2の左側に傾斜して配置されている。本実施形態において、カートリッジ31も2°傾斜して配置されている。カートリッジ31は、クランプ33やロック部材などの締結具を用いてテーブル3の側方に着脱自在に配備されている。詳しくは、平面視において、カートリッジ31のy軸方向中央には、交換用のツール8を収容する収容部が複数設けられている。この収容部は、カートリッジ31のx軸方向に沿って、並べられるように、設けられている。本実施形態においては、収容部は二列の状態で複数配置されている。
リムーバー41は、ホルダジョイント19から取り外された使用後のスクライビングツール8を、一時的に掴んで保持する部材である。このリムーバー41は、ブロック体5の上部に設けられており、上下方向に可能とされている。つまり、リムーバー41はY軸方向に沿って移動可能に構成されており、Y軸方向に移動することでヘッドユニット4に設けられたホルダジョイント19の下方に近接可能とされている。
リムーバー41もスクライブヘッド7(ツール8)の傾きに合わせて、z軸に対して若干倒れこむように傾斜している。本実施形態においては、スクライブラインを形成する方向(進行方向)に対して2°後方に傾斜させて、リムーバー41を配置している。具体的には、リムーバー41は、使用後のスクライビングツール8(旧ツール8a)を挟んで保持する保持部43を有する一対の把持アーム42、42を有している。この一対の把持アーム42、42は、上下方向に昇降可能に構成されており、第1把持アーム44の「x軸方向右側」に第2把持アーム48が配備される構成となっている。
これらの第1把持アーム44及び第2把持アーム48は、いずれも中途側が曲げられたクランク形状に形成されている。そして、この第1把持アーム44と第2把持アーム48とは、互いの爪部45、49が交差するように重なり合って配備されている。それぞれの爪部45、49にはポリウレタンなどで形成されたクッション材52が取り付けられていて、スクライビングツール8を傷つけないように掴めるようになっている。
また、ホルダジョイント19は、ヘッドユニット4の内部に設けられている昇降部材61により、上下方向に昇降可能とされている。それゆえ、ホルダジョイント19をリムーバー41の上方に水平移動させて下降させると、リムーバー41は使用後のスクライビングツール8(旧ツール8a)を挟持することができる。具体的には、リムーバー41では、まず、第1把持アーム44及び第2把持アーム48の2つの把持アームを上昇させて開いておく。その第1把持アーム44及び第2把持アーム48を近接し合う方向に揺動させると、使用後のスクライビングツール8(旧ツール8a)を爪部45、49間で挟み込む。さらに、リムーバー41を下降させると、旧ツール8aはホルダジョイント19から引き抜かれ、第1把持アーム44及び第2把持アーム48は、旧ツール8aを挟持しながら保持する。
つまり、旧ツール8aを挟持し、そのまま第1把持アーム44及び第2把持アーム48を下降させれば、ホルダジョイント19の開口の上端に埋設されたマグネット23の磁力に抗して、旧ツール8aをホルダジョイント19から引き離すことができる。このようにして引き離された旧ツール8aは、下端側が爪部45、49間で挟み込まれたまま、基端側を上方に向けて、リムーバー41上に残される。
一方、リムーバー41からホルダジョイント19に、新しいスクライビングツール8(新ツール8b)を移し替える場合は、まず、ホルダジョイント19を水平移動させ、新ツール8bを保持したリムーバー41へ下降させて近づけておく。そのリムーバー41を上昇させて、新ツール8bをホルダジョイント19内に挿入する。すると直ぐに、第1把持アーム44及び第2把持アーム48が離反方向に揺動するので、新ツール8bがリムーバー41から離脱し、マグネット23の磁力により新ツール8bがホルダジョイント19内で位置決めされて固定される。
そして、昇降部材61を用いてホルダジョイント19を上昇させると、新ツール8bがホルダジョイント19と一体に移動するようになる。ところで、図5に示すように、本実施形態の移載ノズル81は、上述したリムーバー41から使用後のスクライビングツール8(旧ツール8a)を受け取ったり、リムーバー41に新しいスクライビングツール8(新ツール8b)を受け渡したりする部材である。
移載ノズル81もヘッドユニット4と同様に、スクライブラインを形成する方向に対して、若干倒れこむように、傾斜して配置されている。本実施形態においては、スクライブラインを形成する方向(進行方向)に対して2°後方に傾斜させて、移載ノズル81を配置している。具体的には、本実施形態の移載ノズル81は、スクライビングツール8を吸着
可能とすると共に上下方向に移動可能とされたツール吸着部82と、ツール吸着部82の内側から空気を吸引可能とする吸引チューブ83と、ツール吸着部82を上下方向に移動自在に支持する吸着部支持体84と、吸着部支持体84に対してツール吸着部82を上下方向に昇降させる昇降部85とを備えている。
図6に示すように、ツール吸着部82は、上下方向に長尺な丸棒状の部材である。ツール吸着部82の下端側には、下方に向かって開口する凹部86(スクライビングツール8の基端収容部)が形成されている。この凹部86は、スクライビングツール8の基端側に対応した形状に形成されており、スクライビングツール8の基端側に対してこの基端側を包囲するように上側から覆せることができるようになっている。
また、ツール吸着部82の内部には、ツール吸着部82の内部を上下に貫通する貫通孔87が形成されている。この貫通孔87の下端は凹部86の上部に開口しており、貫通孔87の上端はツール吸着部82の内部を通ってツール吸着部82の上部に開口している。このツール吸着部82の上部には、吸引チューブ83が容易に抜けることを抑制する抜止突起88が形成されており、抜止突起88の上から被せるように吸引チューブ83が取り付けられている。
図7~図9に示すように、吸引チューブ83は、ゴムやエラストマーなどの弾性材料で折り曲げ自在に形成された管状の部材である。吸引チューブ83の一端はツール吸着部82の上部に接続されており、他端は吸着部支持体84に接続されている。吸着部支持体84は、上下方向に長尺な角状の部材である。この吸着部支持体84の上下方向略中央部には、ツール吸着部82側に向かって庇状に突出する支持アーム93が形成されている。この支持アーム93はツール吸着部82の上下方向の中途側を上下方向に移動可能に支持している。言い換えれば、突出状とされた支持アーム93の中途部に上下を向く貫通孔が形成され、この貫通孔を丸棒状のツール吸着部82が上下に遊嵌している。
吸着部支持体84の上部には、真空引きのための2つの孔接続部、すなわち第1ジョイント部89と第2ジョイント部90との2つのジョイント部が設けられている。第1ジョイント部89は真空ポンプPに接続しており、第2ジョイント部90は吸引チューブ83に接続されている。そして、第1ジョイント部89と第2ジョイント部90との間には、吸着部支持体84の内部を巡回するように導通路92が形成されており、吸引チューブ83及び導通路92を介してツール吸着部82を真空ポンプPで吸引できるようになっている。
昇降部85は、上下方向に伸縮自在とされたアクチュエータ94を有している。このアクチュエータ94は、本実施形態の場合であればエアーシリンダ等で形成されており、昇降部85の内部に形成されたシリンダ室95と、シリンダ室95に上下方向に移動可能に配備されたピストン96と、シリンダ室95に嵌まり込むピストン96の上側にエアを供給する上部配管97と、シリンダ室95におけるピストン96の下側にエアを供給する下部配管98と、を有している。そして、このシリンダ室95の内部に設けられたピストン96は、シリンダ室95の下方に向かって伸びて上述したツール吸着部82の上部に連結されており、ピストン96の昇降に合わせてツール吸着部82が上下に移動可能とされている。
つまり、昇降部85では、上部配管97を通じてシリンダ室95におけるピストン96の上側にエアを供給すると、ピストン96よりの上側のシリンダ室95の圧力が上昇し、ピストン96が下方に向かって移動する。ここで、ピストン96は、シリンダ室95よりも下方に向かって伸びるように形成されており、ピストン96の下端にはピストン96をツール吸着部82の下端に連結固定する連結部材99が設けられている。そのため、ピスト
ン96が下方に向かって移動すると、連結部材99を介してピストン96の下端に固定されたツール吸着部82も下方に向かって移動する。
また、昇降部85では、下部配管98を通じてシリンダ室95におけるピストン96の下側にエアを供給すると、ピストン96よりの下側のシリンダ室95の圧力が上昇し、ピストン96が上方に向かって移動する。その結果、下降時と同様にピストン96が上方に向かって移動し、ピストン96に連結されたツール吸着部82も上方に向かって移動する。
このように昇降部85では、上部配管97及び下部配管98のいずれか一方にエアーを供給する、あるいはもう一方の配管からエアーを排気することで、ピストン96を上方または下方に移動させ、このピストン96に合わせてツール吸着部82も上方または下方に移動させることができる。次に、本実施形態のスクライブ装置1に設けられたツールチェンジ機構30、特に移載ノズル81の作動態様について、説明する。
複数のツール8が収容されたカートリッジ31を、テーブル3の側方に備えられたベース32にセットし、クランプ33で固定する。リムーバー41に備えられたエアシリンダ72のロッド73を20mm上方に伸ばしている間に、第1把持アーム44と第2把持アーム48を上昇させると共に離反させて、開いた状態にしておく。なお、エアシリンダ72のロッド73のストローク量については、一例である。
スクライブヘッド7を水平移動させて、第1把持アーム44と第2把持アーム48が旧ツール8aを挟持できる位置まで、下降させる。エアシリンダ72のロッド73を10mm下方に引いている間に、第1把持アーム44と第2把持アーム48を近接させることにより、旧ツール8aを挟持する。さらに、ロッド73を10mm下方に引いている間に、旧ツール8aを挟持した第1把持アーム44と第2把持アーム48を下降させることにより、旧ツール8aを挟持したまま保持し、ホルダジョイント19から引き抜く。このようにして、旧ツール8aがスクライブヘッド7から取り外される。
ここで、リムーバー41上に第1把持アーム44及び第2把持アーム48で挟持された状態で保持された使用後のスクライビングツール8(旧ツール8a)を、カートリッジ31に移動させる場合を考える。図10に示すように、リムーバー41上では、旧ツール8aは、先端側(下端側)を一対の第1把持アーム44及び第2把持アーム48に挟持され、基端側(上端側)の上に向けて保持されている。このように、リムーバー4
1上に保持された旧ツール8aの基端側に対して、旧ツール8aの上方にツール吸着部82の凹部86が位置するように、移載ノズル81をx軸方向に向かって水平移動させる。
なお、本実施形態では、移載ノズル81はヘッドユニット4のx軸方向に沿っての側方(反テーブル3側)に取り付けられており、またヘッドユニット4はモータの駆動によりビームに設けられたガイドに沿ってx軸方向に移動可能となっている。そのため、ヘッドユニット4をx軸方向に沿ってテーブル3に近接する方向に所定量だけ移動させれば、リムーバー41に把持された状況下の旧ツール8aの上方に、ツール吸着部82を位置させることができる。
旧ツール8aの上方にツール吸着部82が位置するようになったら、上述した昇降部85を用いてツール吸着部82を下降させる。具体的には、シリンダ室95におけるピストン96の上側に上部配管97を通じてエアを送り、且つシリンダ室95におけるピストン96の下側から下部配管98を通じてエアを抜くようにする。このようにすればシリンダ室95におけるピストン96の上側の圧力が高くなり、ピストン96が下方に図10中に示すHの高さだけ移動する。
ピストン96の下端は、連結部材99を用いてツール吸着部82の下端に連結されており、ピストン96が下方に移動すれば吸着部支持体84に上下方向に移動自在に取り付けられたツール吸着部82も下方に移動する。そのため、リムーバー41上で基端側を上方に向けて保持された旧ツール8aに対して、上方からツール吸着部82を近づけることが可能となる。このようにして、昇降部85を用いてツール吸着部82を旧ツール8aの近くまで下降させる。
ここで、リムーバー41に配備されたエアシリンダ72のロッド73を10mm上方に伸ばしている間に、旧ツール8aを保持した第1把持アーム44と第2把持アーム48は上昇する。すると、旧ツール8aの基端側が、ツール吸着部82の凹部86に挿入されて、上方から包囲されるように覆われる。さらに、ロッド73を10mm上方に伸ばしている間に、第1把持アーム44と第2把持アーム48が離反して開くようになるので、旧ツール8aが開放されると同時に、ツール吸着部82の凹部86内に吸着される。
このようにして、真空ポンプPの作動により旧ツール8aを吸着すると同時に、リムーバー41の第1把持アーム44及び第2把持アーム48を互いに離反方向に揺動させて、リムーバー41から旧ツール8aを分離する。なお、真空ポンプPは、第1ジョイント部89→吸着部支持体84の導通路92→第2ジョイント部90→吸引チューブ93→ツール吸着部82の貫通孔87の順に接続されて、ツール吸着部82の凹部86に接続されている。そのため、真空ポンプPの作動により、凹部86の空気を吸引することができ、凹部86に旧ツール8aを吸着させることができる。
この真空ポンプPを作動させたまま、昇降部85を用いて、旧ツール8aを吸着したツール吸着部82を、吸着部支持体84に対して上方に移動させる。具体的には、下降時とは逆に、下部配管98からエアを送ると共に上部配管97からシリンダ室95のエアを排気可能とする。このようにすれば、下降時と同様にシリンダ室95におけるピストン96の下側の圧力が高くなり、ピストン96が吸着部支持体84に対して上方に移動し、ピストン96に合わせてツール吸着部82も上昇する。
このようにして、旧ツール8aを吸着したツール吸着部82をz軸方向にHだけ上昇させると共に真空ポンプPを作動させたまま、ヘッドユニット4をモータの駆動によりビームに設けられたガイドに沿ってx軸方向に移動させ、ツール吸着部82をカートリッジ31の所定箇所の上方に位置させる。このカートリッジ31は、種類が異なる複数のスクライビングツール8の保管箇所を備えており、上述したカートリッジ31にも保管箇所が個別に設けられている。
そのため、上昇時とは逆の手順でツール吸着部82を下降させ、真空ポンプPを停止させれば、旧ツール8aの吸引力が消失して、旧ツール8aが自重で保管箇所に移動し、旧ツール8aをリムーバー41上から保管箇所に移載することができる。なお、上述した手順は、旧ツール8aをリムーバー41上からカートリッジ31に移載するものであったが、ほぼ逆の手順で操作を行えば、新しいスクライビングツール8(新ツール8b)をカートリッジ31上からリムーバー41に移載することも可能となる。
具体的には、カートリッジ31上に用意された新ツール8bの基端側に対して、新ツール8bの上方にツール吸着部82の凹部86が位置するように、移載ノズル81を水平移動させる。新ツール8bの上方にツール吸着部82が位置するようになったら、昇降部85を用いてツール吸着部82を下降させて、新ツール8bに近づける。新ツール8bの基端側がツール吸着部82の凹部86に挿入され、上方から包囲されるように覆われる。真空ポンプPの作動により、新ツール8bをツール吸着部82の凹部86内に吸着する。
真空ポンプPを作動させたまま、昇降部85を用いて、新ツール8bを吸着したツール吸着部82をz軸方向にHの高さだけ上昇させる。そのツール吸着部82を水平移動させて、移載ノズル81をリムーバー41の上方に移動させる。ところで、リムーバー41に備えられたエアシリンダ72のロッド73を20mm上方に伸ばしている間に、第1把持アーム44と第2把持アーム48を上昇させて、開いた状態にしておく。
昇降部85を用いてツール吸着部82を、第1把持アーム44と第2把持アーム48が新ツール8bを挟持できる位置まで、下降させる。エアシリンダ72のロッド73を10mm下方に引いている間に、第1把持アーム44と第2把持アーム48を近接させることにより、新ツール8bを挟持する。さらに、ロッド73を10mm下方に引いている間に、新ツール8bを挟持した第1把持アーム44と第2把持アーム48を下降させることにより、新ツール8bを挟持したまま保持し、ツール吸着部82の凹部86から引き抜く。このようにして、新ツール8bが移載ノズル81から取り外される。
移載ノズル81を別の位置に移動させた後、スクライブヘッド7を新ツール8bの上方に水平移動させる。その後、スクライブヘッド7を新ツール8bの近くまで下降させる。エアシリンダ72のロッド73が10mm上方に伸ばしている間に、新ツール8bを保持した第1把持アーム44と第2把持アーム48が上昇する。すると、新ツール8bがホルダジョイント19内に挿入される。
さらに、ロッド73を10mm上方に伸ばしている間に、第1把持アーム44と第2把持アーム48が離反して開くようになるので、新ツール8bが開放されると同時に、マグネット23の吸引により、新ツール8bがホルダジョイント19内に吸着される。なお、新ツール8bは平行ピン24により位置決めされる。新ツール8bに印字された2次元コードを2Dコードリーダ71を用いて読み取る。読み取ったデータより、正しいツール8であるか否かを確認する。正しい場合には、実操業に移行する。
なお、リムーバー41においては、第1把持アーム44及び第2把持アーム48で挟持して保持せず、それらに隣接する保持孔内に、スクライビングツール8を差し入れて保持しておいてもよい。上述した本発明のスクライブ装置1によれば、簡単な構成でありながら、リムーバー41上やカートリッジ31からスクライビングツール8を吸引して持ち上げたり、吸引していたスクライビングツール8をリムーバー41上やカートリッジ31上に確実に移動させることができ、取り扱いが困難なスクライビングツール8を簡単且つ安全に移載することが可能である。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
例えば、本実施形態の場合、ヘッドユニット4は、2度傾斜させて取り付けたタイプを例示したが、その他に、ヘッドユニット4を垂直方向に向けて取り付けたタイプが存在する。その場合であっても、本願の技術は適用可能である。
1 スクライブ装置
2 脆性材料基板
3 テーブル(載置手段)
4 ヘッドユニット
5 ブロック体
6 カメラ
7 スクライブヘッド
8 スクライビングツール
8a 旧ツール
8b 新ツール
9 スクライビングホイール
10 本体部
11 側壁面部
12 庇部
13 切り欠き部
14 ピン溝
15 ピン
16 位置決め用の取付部
17 平坦面
18 傾斜面
19 ホルダジョイント
20 ベアリング
21 保持部
22 開口
23 マグネット
24 平行ピン
30 ツールチェンジ機構
31 カートリッジ
32 ベース
33 クランプ
41 リムーバー
42 把持アーム
44 第1把持アーム
45 第1把持アームの爪部
48 第2把持アーム
49 第2把持アームの爪部
52 クッション材
61 昇降部材
71 2Dコードリーダ
72 エアシリンダ
73 ロッド
81 移載ノズル
82 ツール吸着部
83 吸引チューブ
84 吸着部支持体
85 昇降部
86 凹部
87 貫通孔
88 抜止突起
89 第1ジョイント部
92 導通路
93 支持アーム
94 アクチュエータ
95 シリンダ室
96 シリンジ
97 上部配管
98 下部配管
99 連結部材
P 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 脆性材料基板が載置される載置手段と、
    前記載置手段上の前記脆性材料基板に対向するように設けられているスクライブヘッドと、
    前記スクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントと、
    前記ホルダジョイントに着脱自在に取り付けられ、前記載置手段上の前記脆性材料基板にスクライブラインを形成するスクライビングホイールを備えているスクライビングツールと、
    使用後のスクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外し、別のスクライビングツールを当該ホルダジョイントに取り付けてツール交換を実施するツールチェンジ機構と、を有し、
    前記ツールチェンジ機構は、
    前記スクライビングツールをホルダジョイントから取り外すリムーバーと、
    前記スクライビングツールを複数収容するカートリッジと、
    前記リムーバーとカートリッジとの間でスクライビングツールを移動させる移載ノズルと、を有しており、
    前記移載ノズルは、前記スクライビングツールをエア吸引式で吸着する構成とされており、
    前記移載ノズルは、前記スクライブヘッドの側方に取り付けられることにより前記スクライブヘッドと一体に移動でき、
    前記移載ノズルは、前記スクライビングツールを吸着可能とすると共に上下方向に移動可能とされたツール吸着部と、前記ツール吸着部の内側から空気を吸引可能とする吸引チューブと、前記ツール吸着部を上下方向に移動自在に支持する吸着部支持体と、前記吸着部支持体に対して前記ツール吸着部を上下方向に昇降させる昇降部と、を備えている
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  2. 前記昇降部は、当該昇降部の内部に形成されたシリンダ室と、前記シリンダ室に上下方向に移動可能に配備されると共に下方に向かって伸びて前記ツール吸着部の上部に連結されるシリンジと、前記シリンダ室におけるシリンジの上側にエアを供給する上部配管と、シリンダ室におけるシリンジの下側にエアを供給する下部配管と、を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクライブ装置。
  3. 前記ツール吸着部は、当該ツール吸着部の下端に下方に向かって開口する凹部を有しており、
    前記凹部は、前記スクライビングツールの基端側に対応した形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスクライブ装置。
  4. 前記リムーバーは、前記スクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外す際に、当該スクライビングツールを掴んで保持する一対の把持アームを有しており、
    前記一対の把持アームは、昇降部材を介して、駆動部により上下方向に移動可能とされている
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のスクライブ装置
  5. スクライブ装置のスクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントに取り付けられているスクライビングツールを前記ホルダジョイントから取り外し、別のスクライビングツールを当該ホルダジョイントに取り付けてツール交換を実施するツールチェンジ機構であって、
    前記スクライビングツールをホルダジョイントから取り外すリムーバーと、前記スクライビングツールを複数収容するカートリッジと、前記リムーバーとカートリッジとの間でスクライビングツールを移動させる移載ノズルと、を有しており、
    前記移載ノズルは、前記スクライビングツールをエア吸引式で吸着する構成とされており、
    前記移載ノズルは、前記スクライブヘッドの側方に取り付けられることにより前記スクライブヘッドと一体に移動でき、
    前記移載ノズルは、前記スクライビングツールを吸着可能とすると共に上下方向に移動可能とされたツール吸着部と、前記ツール吸着部の内側から空気を吸引可能とする吸引チューブと、前記ツール吸着部を上下方向に移動自在に支持する吸着部支持体と、前記吸着部支持体に対して前記ツール吸着部を上下方向に昇降させる昇降部と、を備えている
    ことを特徴とするスクライブ装置に備えられるツールチェンジ機構。
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