本発明はTRPC6を調節し、そしてそれにより、TRPC6を調節することにより軽減され得る、高血圧、子癇前症、再狭窄、心臓または呼吸器状態、腎疾患、肝疾患、筋ジストロフィー、線維障害、疼痛、虚血または虚血性再灌流傷害および癌を含む多様な疾患の処置に有用である新規化合物を提供する。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、多様な疾患および障害の処置におけるこれらの化合物の使用方法、化合物およびこれらの製造に有用な中間体の製造方法に関する。
第1の実施態様(実施態様1)において、本発明は式(I)
〔式中、
AはCR
7またはNであり;
UはCHまたはNであり;
VはCR
8またはNであり;
WはCR
9またはNであり;
XはCH、CC
1-6アルキル、COC
1-6アルキルまたはNであり;
YはCHまたはNであり;
ZはCH、COH、COC
1-6アルキルまたはNであり;
R
1はHおよびハロゲンから成る群から選択され;
R
2はH、C
1-6アルキル、-CN、-CF
3、-OCF
3、C
3-6シクロアルキル、OC
1-6アルキルおよびOC
3-6シクロアルキルから成る群から選択され;
ZがCOHであるとき、R
1はZ環原子に結合したヒドロキシル基と一体となって中央フラニル環を形成し得て;
R
3は、
H、
場合により、ハロゲン、ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1~3個の基で置換されていてよいC
1-6アルキル、
C
3-6シクロアルキル
から成る群から選択され;
R
4はH、場合によりヒドロキシルで置換されていてよいC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキルから成る群から選択され;
R
5はHまたはC
1-6アルキルであり;
R
3およびR
5は一体となって二環式環を形成し得て;
R
6は、
H、
C
1-6アルキル、
-CN、
-CF
3、
-OCF
3、
C
3-6シクロアルキル、および
場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキル
から成る群選択され;
R
7はH、C
1-6アルキルおよび場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
8は、
H、
場合によりC
3-6シクロアルキルまたは1~3個のハロゲンで置換されていてよいC
1-6アルキル、
ハロゲン、
-CN、
-CF
3、
-NH
2、
フェニル、
C
3-6シクロアルキル、
OC
3-6シクロアルキル、
場合により1~3個のハロゲン置換でされていてよいOC
1-6アルキルまたは場合により1~3個のハロゲン置換でされていてよいC
3-6シクロアルキル、および
1-フルオロメチル-シクロプロピルメトキシ
から成る群から選択され;
R
9は、
H、
場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいC
1-6アルキル、
ハロゲン、
-CN、
-CF
3、
OH、
C
3-6シクロアルキル、
場合によりC
3-6シクロアルキルまたは1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキル、および
OC
3-6シクロアルキル
から成る群から選択され;
VがCR
8であり、WがCR
9であるとき、R
8およびR
9は一体となって5~6員縮合ヘテロ環式環を形成し得る〕
の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第2の実施態様(実施態様2)において、本発明は、
R2がH、C1-6アルキルおよびOC1-6アルキルから成る群から選択され;
R3がH、および場合によりハロゲンおよびヒドロキシルから成る群から独立して選択される1~3個の基で置換されていてよいC1-6アルキルから成る群から選択され;
R4がHおよび場合によりヒドロキシルで置換されていてよいC1-6アルキルから成る群から選択され;
R5がHであり;
R6がH、C1-6アルキルおよび場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC1-6アルキルから選択される、
実施態様1に記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第3の実施態様(実施態様3)において、本発明は、ZはCHであり、U、V、W、X、YおよびAは実施態様(a)~(o)で定義されるとおりである、実施態様1または2に記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する:
第4の実施態様(実施態様4)において、本発明は、
UはNであり、VはCR8であり、WはCR9であり、
XはCHまたはNである、
実施態様1~3のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第5の実施態様(実施態様5)において、本発明は、
AがNであり、
XがNであり、
YがCHである、
実施態様1~3のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第6の実施態様(実施態様6)において、本発明は、
AがNであり、
XがCHであり、
YがCHである、
実施態様1~4のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第7の実施態様(実施態様7)において、本発明は、
AがCR7であり、
XがNであり、
YがNである、
実施態様1~4のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第8の実施態様(実施態様8)において、本発明は、
AはCR7であり、
XはNであり、
YはCHである、
実施態様1~4のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第9の実施態様(実施態様9)において、本発明は、
R8がH、F、CF3、エチル、メトキシ、エトキシ、sec-ブトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、シクロプロピル、シクロプロピルメトキシ、1-シクロプロピルエトキシ、1-メチルシクロプロピルメトキシ、1-フルオロメチルシクロプロピルメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2,2,-ジメチルシクロプロピルメトキシ、2,2-ジフルオロシクロプロピルメトキシ、シクロプロポキシおよびシクロブトキシから成る群から選択される、
実施態様1~8のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第10の実施態様(実施態様10)において、本発明は、R2がHまたはOCH3である、実施態様1~9のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第11の実施態様(実施態様11)において、本発明は、R3、R4、R5およびR6がそれぞれHである、実施態様1~10のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第12の実施態様(実施態様12)において、本発明は、R2がOCH3である、実施態様1~11のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第13の実施態様(実施態様13)において、本発明は、
UがCHであり、
VがCR8であり、
WがCR9である、
実施態様1~3のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第14の実施態様(実施態様14)において、本発明は、
AがNであり、
XがCHであり、
YがCHである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第15の実施態様(実施態様15)において、本発明は、
AがNであり、
XがNであり、
YがCHである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第16の実施態様(実施態様16)において、本発明は、
AがCHであり、
XがNであり、
YがNである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第17の実施態様(実施態様17)において、本発明は、
AがCHであり、
XがNであり、
YがCHである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第18の実施態様(実施態様18)において、本発明は、
AがCHであり、
XがCHであり
YがNである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第19の実施態様(実施態様19)において、本発明は、
AがCHであり、
XがNであり、
YがNである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第20の実施態様(実施態様20)において、本発明は、
AがNであり、
XがCH、
YがNである、
実施態様1~3および13のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第21の実施態様(実施態様21)において、本発明は、R8がH、フルオロ、クロロ、CF3、-CN、メチル、エチル、イソブチル、tert-ブチル、ジフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロプロポキシおよびシクロペントキシから成る群から選択される、実施態様1~3および13~20のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第22の実施態様(実施態様22)において、本発明は、R2がHまたはOCH3である、実施態様1~3および13~21のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第23の実施態様(実施態様23)において、本発明は、
R8がH、クロロ、CF3、メチル、エチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシおよび2,2,2-トリフルオロエトキシから成る群から選択され;そして
R9がH、フルオロ、クロロおよびメトキシから成る群から選択される、
実施態様1~3および13~22のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第24の実施態様(実施態様24)において、本発明は、R2がOCH3である、実施態様1~3および13~23のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第25の実施態様(実施態様25)において、本発明は、R2がHである、実施態様1~3および13~23のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第26の実施態様(実施態様26)において、本発明は、ZはCHである、実施態様4~25のいずれか1つに記載の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第27の実施態様(実施態様27)において、本発明は式(I’)
〔式中、
AはCR
7またはNであり;
UはCHまたはNであり;
VはCR
8またはNであり;
WはCR
9またはNであり;
XはCHまたはNであり;
YはCHまたはNであり;
R
1はHおよびハロゲンから成る群から選択され;
R
2はH、C
1-6アルキル、-CN、-CF3、-OCF3、C
3-6シクロアルキル、OC
1-6アルキルおよびOC
3-6シクロアルキルから成る群から選択され;
R
3は、
H、
場合により、ハロゲン、ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1~3個の基で置換されていてよいC
1-6アルキル、および
C
3-6シクロアルキルから成る群から選択され;
R
4はH、場合によりヒドロキシルで置換されていてよいC
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキルから成る群から選択され;
R
5はHまたはC
1-6アルキルであり;
R
3およびR
5は一体となって二環式環を形成し得て;
R
6は、
H、
C
1-6アルキル、
-CN、
-CF
3、
-OCF
3、
C
3-6シクロアルキル、および
場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
7はH、C
1-6アルキルおよび場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
8は、
H、
場合によりC
3-6シクロアルキルまたは1~3個のハロゲンで置換されていてよいC
1-6アルキル、
ハロゲン、
-CN、
-CF
3、
-NH
2、
フェニル、
C
3-6シクロアルキル、
OC
3-6シクロアルキル、および
場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキルまたは場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいC
3-6シクロアルキルから成る群から選択され;
R
9は、
H、
場合により1~3個のハロゲンで置換されていてよいC
1-6アルキル、
ハロゲン、
-CN、
-CF
3、
OH、
C
3-6シクロアルキル、
場合によりC
3-6シクロアルキルまたは1~3個のハロゲンで置換されていてよいOC
1-6アルキル、および
OC
3-6シクロアルキル
から成る群から選択され;
VがCR
8であり、WがCR
9であるとき、R
8およびR
9は一体となって5~6員縮合ヘテロ環式環を形成し得る;または
VがC-フェニルであり、WがC-OHであるとき、R
8およびR
9は一体となって7~8員縮合ヘテロ二環式環を形成し得る〕
の化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
第28の実施態様(実施態様28)において、本発明は、R2がHである実施態様1~27のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物に関する。
発明の詳細な説明
表1.1は、下記の合成例の部分に示す合成スキームおよび実施例により製造され得る本発明の化合物を示す。
ある実施態様において、本発明は上の表1.1に示されるいずれかの化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
別の実施態様において、本発明は表1.1からの化合物1~116から成る群から選択される上記実施態様1に係る化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
本発明はさらに、表1.1からの化合物1~116のいずれか1つおよびその薬学的に許容される塩ならびに薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物に関する。
別の実施態様において、本発明は表1.1からの化合物1~116から成る群から選択される上記実施態様1に係る化合物およびその薬学的に許容される塩ならびに薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物に関する。
一般的な定義
本明細書において具体的に定義されない用語は、開示および文脈に照らして当業者により与えられるであろう意味を与えらえるあるべきである。しかしながら、別途記載がない限り、本明細書において使用される次の用語は示された意味を有し、次の規則が順守される。
下で定義される基、ラジカルまたは部分において、炭素原子の数はしばしば、基に先立って特定される。例えば、C1-6アルキルは1~6個の炭素原子を有するアルキル基またはラジカルを意味する。一般に、HO、H2N、(O)S、(O)2S、NC(シアノ)、HOOC、F3Cなどのような基において、当業者は基自体の自由原子価から分子へのラジカル結合点を理解できる。2以上の下位基を含む組合せ基について、最後に命名される下位基がラジカル結合点である。例えば、置換基「アリールC1-3アルキル」はC1-3アルキル基に結合したアリール基を意味し、アルキル基がコアに結合するか、置換基が結合した基に結合する。
本発明の化合物が化学名の形式で、および式として示される場合、何らかの矛盾がある場合に式が優先するものとする。
星印は、定義されるコア分子に接続される結合を示すために部分式において使用され得る。
本明細書において使用される用語「置換された」は、指定された原子上の任意の1以上の水素が示された群からの選択基により置換されるが、指定された原子の通常の原子価を超過せず、かつ置換により安定な化合物が得られることを条件とすることを意味する。
特に示されない限り、明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、所定の化学式または化学名は、その互変異性体および全ての立体、光学および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体など)およびラセミ体およびこのような異性体およびエナンチオマーが存在する場合、別のエナンチオマーの異なる割合での混合物、ジアステレオマー混合物または前記形態のいずれかの混合物、ならびにその薬学的に許容される塩を含む塩、および例えば、遊離化合物の溶媒和物または化合物の塩の溶媒和物を含む、水和物のような溶媒和物を包含するものとする。
エナンチオマー的に純粋な本発明の化合物または中間体は、不斉合成を経由して、例えば、既知の方法により(例えば、クロマトグラフィー分離または結晶化により)および/またはキラル出発物質、キラル触媒またはキラル補助剤のようなキラル試薬を用いることにより分離され得る適切なジアステレオマー化合物の製造およびその後の分離により、製造され得る。
さらに、例えば、キラル固定相での対応するラセミ混合物のクロマトグラフィー分離により;または適切な分割剤を用いたラセミ混合物の分割により、例えば、ラセミ化合物と光学活性な酸または塩基とのジアステレオマー塩形成、その後の塩の分割および所望の化合物の塩から遊離する方法により;または光学活性なキラル補助試薬を用いた対応するラセミ化合物の誘導体化、その後のジアステレオマー分離およびキラル補助基の除去により;またはラセミ体の動的分割により(例えば、酵素分割により);適切な条件下での鏡像結晶の集合体からのエナンチオ選択的結晶化により;または光学活性キラル補助剤存在下での適切な溶媒からの(分別)結晶化により対応するラセミ混合物からエナンチオマー的に純粋な化合物を製造する方法は、当業者に既知である。
語句「薬学的に許容される」は健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症を伴わず、ヒトおよび動物の組織との接触における使用に有用であり、かつ合理的な利益/リスク比に相応しい化合物、物質、組成物および/または剤形を示すために、ここで使用される。本明細書において使用される「薬学的に許容される塩」とは、親化合物の酸または塩基塩を製造することにより前記親化合物が修飾されている、開示化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例は、限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩などを含む。
例えば、このような塩はベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸および酒石酸からの塩を含む。
さらに、薬学的に許容される塩はアンモニア、L-アルギニン、カルシウム、2,2’-イミノビスエタノール、L-リシン、マグネシウム、N-メチル-D-グルカミン、カリウム、ナトリウムおよびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン由来のカチオンを用いて形成され得る。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般に、このような塩は、水またはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールもしくはアセトニトリルのような有機希釈剤またはそれらの混合物中で、遊離の酸または塩基形態の化合物を十分な量の適切な塩基または酸と反応させることにより製造され得る。
上記の酸以外の酸、例えば、本発明の化合物を精製または単離するために有用な酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)もまた、本発明の一部を構成する。
用語、ハロゲンは一般に、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を示す。
用語「C1-nアルキル」は、nが2、3、4、5または6、好ましくは4または6から選択される整数であり、単独でまたは別の基と組み合わせて、1~n個のC原子を有する非環状、飽和、分岐または直鎖の炭化水素基を示す。例えば、用語C1-5アルキルは、基H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-およびH3C-CH2-CH(CH2CH3)-を包含する。
用語「C3-n-シクロアルキル」(ここで、nは4~nの整数である)は、単独でまたは別の基と組み合わせて、3~n個の環状、飽和、非分岐炭化水素基を示す。例えば、用語C3-7シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。
「アルキル」、「アルキレン」または「シクロアルキル」(飽和または不飽和)基に付加された用語「ハロ」は、1以上の水素原子がフッ素、塩素または臭素、好ましくはフッ素および塩素、特に好ましくはフッ素から選択されるハロゲン原子により置換されたアルキルまたはシクロアルキル基である。その例は、H2FC-、HF2C-、F3C-を含む。
単独でまたは別の基と組み合わせて使用される用語「カルボシクリル」は、3~9個の炭素原子および場合によりN、OおよびSから成る群から選択されるヘテロ原子から成る単環式、二環式または三環式環構造である。用語「カルボシクリル」とは、完全な飽和環系をいい、縮合、架橋およびスピロ環系を含む。
上で与えられた用語の多くは、式または基の定義で反復的に使用され得て、各々の場合において、互いに独立して、上で与えられた意義の1つを有し得る。
本願は、TRPC6機能を調節し得る化合物を提供する。これらの化合物を使用する方法もまた、提供される。ある実施態様は、有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞または動物におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物が化合物TRPC6介在性イオン流動を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞または動物におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6介在性カルシウム流入を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞または動物におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物が細胞形態学におけるTRPC6介在性細胞骨格再構成または改変を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、細胞に有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在される外向き電流を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、細胞に有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在される内向き電流を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、細胞に有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在される内向きおよび外向き電流の両方を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、細胞に有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6介在性の細胞内カルシウム濃度の増加を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、細胞に有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を投与することを含む細胞におけるTRPC6機能を調節する方法であって、ここで前記化合物が細胞形態学における改変を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様はまた、治療有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を対象に投与することを含む対象におけるTRPC6機能に関連する疾患または状態を予防または処置する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在される内向き電流を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、治療有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を対象に投与することを含む対象におけるTRPC6機能に関連する疾患または状態を予防または処置する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在される外向き電流を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様はまた、治療有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を対象に投与することを含む対象におけるTRPC6機能に関連する疾患または状態を予防または処置する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在される内向きおよび外向き電流を阻害するものである、方法を提供する。ある実施態様は、治療有効量のTRPC6機能を阻害する化合物を対象に投与することを含む対象におけるTRPC6機能に関連する疾患または状態を予防または処置する方法であって、ここで前記化合物がTRPC6により介在されるイオン流動を阻害するものである、方法を提供する。特定の電流の阻害とは、インビトロまたはインビボアッセイにおいてその電流(例えば、内向きおよび/また外向き)を阻害する化合物の能力をいうことに留意する。インビトロまたはインビボアッセイにおける特定の電流の阻害は特定の化合物の特定の機能活性の代替として役立つ。
本発明は、有効量の本発明の化合物を投与することを含む対象におけるTRPC6介在性障害を処置する方法であって、ここで各々の上記可変基の各々が本明細書に、例えば下記の詳細な説明に記載されたものである、方法を提供する。
本発明はさらに、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む組成物を投与することを含む、対象におけるTRPC6介在性障害を処置する方法を提供する。
本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む組成物を投与することを含む対象におけるTRPC6介在性障害を処置する方法をさらに提供し、TRPC6介在性障害は敗血症、重度敗血症、敗血症性ショック、心肥大、虚血、虚血再灌流傷害、高血圧、肺動脈性高血圧、特発性肺動脈性高血圧、再狭窄、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、外傷誘発性脳障害、喘息、リウマチ性関節炎、骨関節症、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、子癇前症および妊娠誘発性高血圧、非アルコール性脂肪性肝炎、微小変化群、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症または糖尿病性腎疾患(DKD)、慢性腎臓疾患、腎不全、末期腎不全、虚血または虚血再灌流傷害、癌、糖尿病、肺線維症、特発性肺線維症(IPF)、気腫および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)から選択される。
特に示されない限り、明細書および添付の特許請求の範囲を通して、所定の化学式または化学名は、その互変異性体および全ての立体、光学および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体など)およびラセミ体およびこのような異性体およびエナンチオマーが存在する場合、別のエナンチオマーの異なる割合での混合物、ジアステレオマー混合物または前記形態のいずれかの混合物、ならびにその薬学的に許容される塩を含む塩、および例えば、遊離化合物の溶媒和物または化合物の塩の溶媒和物を含む、水和物のような溶媒和物を包含するものとする。
表1.1のいくつかの化合物は、複数の互変異性形態で存在し得る。本発明は全てのこのような互変異性体を使用するための方法を含む。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される誘導体を含む。「薬学的に許容される誘導体」とは、患者への投与により(直接的または間接的に)本発明に有用な化合物またはその薬理学的に活性な代謝物または薬理学的に活性な残存物を提供できるあらゆる薬学的に許容される塩またはエステル、またはあらゆる他の化合物をいう。薬理学的に活性な代謝物は、酵素的にまたは化学的に代謝され得るいずれかの本発明の化合物を意味すると理解されるものとする。これは、例えば、ヒドロキシル化または酸化された本発明の誘導体化合物を含む。
本明細書において使用される「薬学的に許容される塩」とは、親化合物がその酸または塩基塩を形成することにより修飾された、開示化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例は、限定されないが、アミンのような塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩などを含む。例えば、このような塩は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩、二酒石酸塩、臭化物塩/臭化水素酸塩、エデト酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩/塩酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストレート塩、エシレート塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル塩、硝酸メチル、硫酸メチル塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオダイド塩、アンモニウム塩、ベンザチン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩およびプロカイン塩を含む。さらに、薬学的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛などのような金属由来のカチオンと形成され得る(Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19も参照)。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般に、このような塩は、水またはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールもしくはアセトニトリルのような有機希釈剤またはそれらの混合物中で、遊離の酸または塩基形態の化合物を十分な量の適切な塩基または酸と反応させることにより製造され得る。
上記の酸以外の酸、例えば、本発明の化合物を精製または単離するために有用な酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)もまた、本発明の一部を含む。
さらに、本発明の化合物のプロドラッグの使用は、本発明の範囲内である。プロドラッグは、本発明の化合物を生成するために単純な化学変換により修飾された化合物を含む。単純な化学変換は、加水分解、酸化および還元を含む。具体的には、プロドラッグが患者に投与されたとき、プロドラッグは上記に記載の化合物に変換され、それにより所望の薬理学的効果を付与し得る。
本発明の化合物はまた、同位体標識形態を含む。本発明の組合せ剤の活性物質の同位体標識形態は、前記活性物質の1以上の原子が、天然で通常見られる前記原子の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する1個または複数の原子により置換されているという事実がなければ、前記活性物質と同一である。十分に確立された方法により商業的に容易に入手可能であり、かつ本発明の組合せ剤の活性物質に包含され得る同位体は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clを含む。1以上の上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の組合せ剤の活性物質、そのプロドラッグまたはそのいずれかの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内であると企図される。
本発明の化合物は、当業者により理解されるように、「化学的に安定な」ものであると考えられる化合物のみである。例えば、「ダングリング原子価」または「カルバニオン」を有する化合物は、本明細書に記載の本願発明方法により企図される化合物ではない。
本願の上に記載された全ての化合物について、命名法が構造と矛盾する場合は、その化合物は構造により定義されると理解されるものとする。
合成例
次の実施例化合物は、例示的なものであり、当業者により理解されるように、特定の試薬または条件は、過度の実験をすることなく個々の化合物について必要に応じて変更され得る。
下記で報告される塩基性または酸性基を有する中間体および実施例化合物は、使用される精製法および条件に応じて対応する塩または中性化合物として得られ得る。塩は当業者に既知の標準的な方法により、それらの中性の対応物に変換され得る。
一般的方法:特に注記しない限り、全ての反応は不活性雰囲気(例えば、アルゴン、N2)下および無水条件下、室温(約25℃)で実施される。全ての化合物は次の方法:1H NMR、HPLC、HPLC-MSまたは融点の少なくとも1つにより特徴付けられる。
典型的に、反応の進行は薄層クロマトグラフィー(TLC)またはHPLC-MSによりモニタリングされる。中間体および生成物は、次の方法の少なくとも1つを用いて精製される:
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー、再結晶、3.0×25.0cm RegisPackカラムを用いてMeOH、イソプロピルアミン(IPA)、および超臨界二酸化炭素の定組成混合物で125バール;80mL/分で溶出する超臨界流体(SCF)キラルHPLCおよび/または次の勾配で溶出するC18セミ分取カラムを用いた逆相HPLC:
MeCN+0.1% TFAおよびH2O+0.1% TFA、
MeCN+0.1% ギ酸およびH2O+0.1% ギ酸、または
MeCNおよび2.5mM NH4HCO3を含むH2O
MeCNおよびH2Oおよび0.1% TFA、
MeCNおよびH2Oおよび0.1% NH3水溶液、
MeCNおよびH2O+0.1% TFA
MeCNおよびH2O+0.1% NH3水溶液
MeOHおよびH2O+0.1% TFA
MeOHおよびH2O+0.1% NH3水溶液
MeCN+0.08% TFAおよびH2O+0.1% TFA
分析データ
報告された質量分析(MS)データは、観測された質量(例えば、[M+H]
+)についてのものである。本発明の化合物を特徴付けるために使用されるHPLC法を表2に記載する。
HPLC法を下記に示す。
方法1
ESI+/- イオンモード。カラム:CSH C18 2.1×50mm、1.7μm粒子径。勾配:90%A~100%Bで1.19分、100%Bで1.70分まで保持。流速0.8mL/分。A=(95% 水+5% アセトニトリル+0.05% ギ酸) B=(アセトニトリル+0.05% ギ酸)。
方法2
ESI+/- イオンモード。カラム:BEH 2.1x50mm C18、1.7μm粒子径。勾配:90%A~100%Bで4.45分、100%Bで4.58分まで保持。流速0.8mL/分。A=(95% 水+5% アセトニトリル+2.5mM 重炭酸アンモニウム) B=(アセトニトリル)。
方法3
ESI+/- イオンモード。カラム:BEH 2.1x50mm C18、1.7μm粒子径。勾配:90%A~100%Bで1.7分、100%Bで1.19分まで保持。流速0.8mL/分。A=(95% 水+5% アセトニトリル+2.5mM 重炭酸アンモニウム) B=(アセトニトリル)。
方法4
ESI+/- イオンモード。カラム:HSS T3 2.1x100mm、1.8μm粒子径。勾配:1.00分間100%Aを保持、100%A~95%Bで4.50分、100%Bで4.91分まで保持。流速0.6mL/分。A=(95% 水+5% アセトニトリル+0.05% ギ酸) B=(アセトニトリル+0.05% ギ酸)。
方法5
ESI+/- イオンモード。カラム:CSH C18 2.1x50mm、1.7μm粒子径:勾配:90%A~100%Bで4.45分、100%Bで4.58分まで保持。流速0.8mL/分。A=(95% 水+5% アセトニトリル+0.05% ギ酸) B=(アセトニトリル+0.05% ギ酸)。
方法6
ESI+/- イオンモード。カラム:HSS T3 2.1x100mm、1.8μm粒子径。勾配:95%A~100%Bで3.65分、100%Bで4.95分まで保持。流速0.6mL/分。カラム温度 セ氏60℃。A=(95% 水+5% アセトニトリル+0.05% ギ酸) B=(アセトニトリル+0.05% ギ酸)。
合成例
本発明の化合物は下記に示す一般的方法および実施例ならびに当業者に既知の方法により製造され得る。最適な反応条件および反応時間は、使用される特定の反応材により変換し得る。特に断らない限り、溶媒、温度、圧力および他の反応条件は、当業者により容易に選択され得る。合成実施例の部分において、特定の方法が提供される。下記の合成で使用される中間体は、商業的に入手可能であるか、当業者に既知の方法により容易に製造される。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)または高速液体クロマトグラフィー-質量スペクトル(HPLC-MS)のような従来の方法によりモニタリングされ得る。中間体および生成物は、カラムクロマトグラフィー、HPLC、分取TLCまたは再結晶を含む当業者に既知の方法により精製され得る。
下記のおよび合成実施例の部分に記載の方法は、本発明の化合物を製造するために使用され得る。
合成実施例の部分に記載のいくつかの中間体は、簡略化のために遊離塩基として記載されているが、記載の反応手順によれば、実際にはこれらは塩を形成し得る。
製造
本発明に係る化合物およびそれらの中間体は、当業者に既知であり、かつ有機合成の文献に記載された方法を用いて、例えば、"Comprehensive Organic Transformations", 2nd Edition, Richard C. Larock, John Wiley & Sons, 2010および"March's Advanced Organic Chemistry", 7th Edition, Michael B. Smith, John Wiley & Sons, 2013に記載の方法を用いて得られ得る。好ましくは、化合物は以降で詳細に説明される、特に実験項に記載される製造法と類似の方法で得られる。いくつかの場合において、反応スキームの実施において採用される順序は変更され得る。当業者に既知であるがここで詳細に記載されないこれらの反応の変型もまた、使用され得る。本発明の化合物を製造する一般的な方法は、以降のスキームを検討することにより、当業者に明らかとなる。出発化合物は商業的に入手可能であるか、文献または本明細書に記載の方法により製造され得るか、類似のまたは同様の方法により製造され得る。反応を実施する前に、出発化合物中の任意の官能基は、従来の方法を用いて保護され得る。これらの保護基は一連の反応中の適切な段階で、当業者によく知られ、かつ文献、例えば"Protecting Groups", 3rd Edition, Philip J. Kocienski, Thieme, 2005 and "Protective Groups in Organic Synthesis", 4th Edition, Peter G.M. Wuts, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, 2006に記載の方法を用いて再び開裂される。
スキーム1に示すように、本発明の一般式(I)の化合物は、適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリジノン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなど)中、適切なカップリング剤(例えば、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N-N’,N’-テトラメチル-ウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、カルボジイミド試薬など)および塩基(例えば、トリメチルアミン、N,N-ジイソプロピル-エチルアミン、ピリジンなど)、適切な式INT-1のカルボン酸(遊離の酸または適切な金属カチオン、例えばLi+、Na+、K+などとの塩として)と適切な一般式INT-2アミン中間体(遊離のアミンまたは塩酸塩、臭化水素酸塩などとのような塩として)の反応により製造され、アミド結合を形成し得る。スキーム1中の基/用語R1~R6、A、U、V、W、X、YおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。
スキーム1:
あるいは、カルボン酸INT-1はカルボン酸塩化物(例えば、ジクロロメタン中、塩化チオニルまたは塩化オキサリルを用いて)に変換され、それを適切な塩基(例えば、トリメチルアミン、N,N-ジイソプロピル-エチルアミン、ピリジンなど)の存在下、適切な溶媒中でアミンINT-2とカップリングされ得る。あるいは、カルボン酸INT-1は、ジ(イミダゾール-1-イル)メタノン(CDI)で活性化され、それを適切な塩基(例えば、トリメチルアミン、N,N-ジイソプロピル-エチルアミンなど)の存在下、適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミドなど)中でカップリングされ得る。中間体INT-1およびINT-2は当分野において既知であるか、下記の方法により製造され得る。
下記のスキーム2でさらに示される本発明の化合物(I)は、適切な条件下での遷移金属で触媒されるカップリング反応により式INT-3のボロン酸誘導体および式INT-4の含ハロゲン誘導体から製造され得る。スキーム2中の基/用語R1~R6、A、U、V、W、X、YおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。反応は、好ましくは塩基(例えば、リン酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)の存在下、適切な溶媒(水/テトラヒドロフラン、水/1,4-ジオキサン、1,4-ジオキサンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなど)中、40℃~120℃で、パラジウム由来の触媒、例えば[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)-CH2Cl2-錯体(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)を用いて実施される。
スキーム2:
中間体INT-3およびINT-4は当分野において既知である、または商業的に入手可能である、または下記の方法により製造され得る。
下記のスキーム3で示すように、あるいは本発明の一般式(I)の化合物は、適切な条件下での遷移金属で触媒されるカップリング反応により式INT-5の含ハロゲン誘導体と式INT-6のボロン酸誘導体を反応させることにより製造される。スキーム3中の基/用語R1~R6、A、U、V、W、X、YおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。反応は、好ましくは塩基(例えば、リン酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)の存在下、適切な溶媒(水/テトラヒドロフラン、水/1,4-ジオキサン、1,4-ジオキサンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなど)中、40℃~120℃で、パラジウム由来の触媒、例えば[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)-CH2Cl2-錯体(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)を用いて実施される。反応は場合により、マイクロ波中で実施され得る。
スキーム3:
中間体INT-5およびINT-6は商業的に入手可能であるか、下記の方法により製造され得る。
下記のスキーム4に示すように、あるいは、本発明の一般式(I)の化合物は適切な条件下で、式INT-5含ハロゲン誘導体を金属化された式INT-7の誘導体で反応させることにより製造され得る。スキーム4中の基/用語R1~R6、A、U、V、W、X、YおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。反応は適切な溶媒(例えば、1,4-ジオキサンなど)中、100℃~150℃で、触媒、好ましくはパラジウム触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)を用いて実施される。
別の反応は、40℃~120℃で、適切な溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミドなど)中、塩基(例えば、フッ化セシウムなど)および銅(I)誘導体(例えば、CuBrまたはCuI)の存在下、触媒、好ましくはパラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、Pd2(dba)3など)と実施される。さらなるリガンド(例えば、P(o-MeC6H4)3)が添加され得る。
スキーム4:
中間体INT-5およびINT-7は商業的に入手可能であるか、下記の方法により製造され得る。
スキーム1に示される一般式INT-2の中間体は、スキーム5に従って製造され得る。スキーム5の基/用語R3~R6、AおよびY=CHは上記および下記で定義される意味を有する。
中間体INT-10はボロン酸誘導体INT-8および含ハロゲンヘテロ芳香族誘導体INT-9から製造され得る。反応は、塩基(例えば、リン酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)の存在下、適切な溶媒(水/テトラヒドロフラン、水/1,4-ジオキサン、水/n-ブタノール、1,4-ジオキサンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなど)中、高温、例えば、80℃~150℃で、パラジウム触媒(例えば、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)-CH2Cl2-錯体(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd第二世代触媒)、リガンドとしてさらなるXPhosを有するトリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウムPd2(dba)3など)を用いて実施される。反応は場合により、マイクロ波中で実施してよい。
保護されたまたはマスクされた(NL2がNH2ではない)アミノ基を有するヘテロ芳香族中間体INT-9を使用する場合、この基は有機化学の文献に報告されている標準的な方法を用いて保護基を開裂させることにより、その後NH2基へ変換され得る。tert-ブチルカルボニル基(例えば、Boc保護基は好ましくは、酸性条件下、例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸を用いて、ジクロロメタン、1,4-ジオキサン、イソプロパノール、HCl・1,4-ジオキサン溶液または酢酸エチルなどのような溶媒中で開裂される。ベンジル基は炭素上のパラジウムのような遷移金属の存在下、水素を使用することにより除去され得る。芳香環上にメトキシのような電子供与基を有するベンジル基はまた、酸性条件下で(例えばトリフルオロ酢酸または塩酸を用いて)除去され得る。2,5-ジメチルピロール環はエタノールおよび水の混合物のような適切な溶媒中、高温、好ましくは80℃で、ヒドロキシルアミン塩酸塩およびトリメチルアミン開裂により開裂してアミノ官能基を遊離し得る。
中間体INT-8のピペリジン環の窒素原子は適切な保護基PG1(例えば、tert-ブチル-オキシカルボニル(Boc)、ベンジル-オキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)など)で保護される。保護基PG1は当業者に既知の方法により導入され得る。
中間体INT-8のピペリジン環の二重結合の位置は、置換基R3、R4およびR5に依存し得る。中間体INT-8の置換基R3およびR4は適切な保護基を有し得る官能基を含み得る。特に、ヒドロキシは適切な含シリル保護基(例えば、トリエチルシリル、tert-ブチル-ジメチルシリルなど)で保護され得る。R3およびR4の官能基に対する保護基は、PG1を除去することなく保護基が除去されてR3およびR4をさらに修飾することを可能とするように選択される。シリル保護基は例えば、フッ化物源(例えば、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム)を用いて、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、環境温度で、または酸性条件下(例えば、塩化水素・1,4-ジオキサン溶液、HCl・1,4-ジオキサン溶液などで、高温で)開裂され得る。
中間体INT-10のピペリジン環の生じた二重結合の位置は、置換基R3、R4、R5およびR6に依存し得る。中間体INT-10のピペリジン環の二重結合は、遷移金属、好ましくは炭素上のパラジウム(またはPd(OH)2など)の存在下、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール/酢酸などのような溶媒中、水素を使用して水素化され得る。好ましくは、水素は1~5バールの圧力で適用され、反応は室温から50℃までで実施される。
ヘテロ芳香族中間体INT-10を保護されたまたはマスクされた(NL2がNH2ではない)アミノ基とともに使用する場合、この基は有機化学の文献に報告されるようなまたはこの段落の前半に記載のようNH2基に変換される。
保護基PG1の除去は、有機化学の文献に報告されるように実施される。tert-ブチルカルボニル基(Boc)は、好ましくは、酸性条件下、例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸を用いて、ジクロロメタン、1,4-ジオキサン、イソプロパノール、HCl・1,4-ジオキサン溶液または酢酸エチルなどのような溶媒中で開裂される。ベンジル(Bn)基またはまたはベンジルオキシカルボニル(Cbz)は、炭素上のパラジウムのような遷移金属の存在下、水素を使用することにより除去され得る。芳香環上にメトキシのような電子供与基を有するベンジル基はまた、酸性条件下で(例えばトリフルオロ酢酸または塩酸を用いて)除去され得る。反応条件に応じて、中間体INT-2は遊離塩基としてまたは塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、臭化水素酸塩などのような塩として得られ得る。中間体INT-2の塩は、当業者に既知の方法によりそれらの中和対応物に変換され得る。
スキーム5:
スキーム1に示す一般式INT-2の化合物は、Y=Nならば、スキーム6に従って製造され得る。スキーム6中の基/用語R
3~R
6、AおよびY=Nは、上記および下記で定義される意味を有する。中間体INT-12の置換基R
3およびR
4は適切な保護基もまた有する官能基を含む。特に、ヒドロキシ基は適切な含シリル保護基(例えば、トリエチルシリル、tert-ブチル-ジメチルシリルなど)で保護され得る。R
3およびR
4の官能基に対する保護基は、PG1を除去することなく保護基が除去されてR
3およびR
4をさらに修飾することを可能とするように選択される。シリル保護基は、フッ化物源(例えば、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム)を用いて、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、環境温度で、または酸性条件下(例えば、塩酸・1,4-ジオキサン溶液、HCl・1,4-ジオキサン溶液)、高温で開裂され得る。
スキーム6のINT-9は、含窒素ヘテロ環INT-12と直接カップリングされて炭素-窒素を形成し、中間体INT-13を与え得る。スキーム6中の基/用語R3~R6、AおよびY=Nは、上記および下記で定義される意味を有する。反応は、好ましくは塩基(例えば、ナトリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウムなど)の存在下、適切な溶媒(例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなど)中、40~120℃で、パラジウム由来の触媒(例えば、2-(2’-ジ-tert-ブチルホスフィン)-ビフェニル酢酸パラジウム(II)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]-パラジウム(II)メタンスルホネート(RuPhos Pd第三世代)、CPhos-3G-パラダサイクルメタンスルホネートなど)を用いて実施される。
ヘテロ芳香族中間体INT-9を保護されたまたはマスクされた(NL2がNH2ではない)アミノ基とともに使用する場合、この基は有機化学の文献に報告されるまたはまたは前記のように保護基を開裂させることにより、その後NH2基に変換され得る。このNH2基への変換は、全体の合成戦略および全体の保護基戦略に応じて、別の段階で(例えば、中間体INT-14またはY=Nの中間体INT-2を与えるために)、スキーム6に示すY=Nの中間体INT-2の合成全体の中で実施され得る。
スキーム6:
保護基PG1の除去は、有機化学の文献に報告されるようにまたは前記のように実施され得る。tert-ブチルカルボニル基(Boc)は、好ましくは、酸性条件下、例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸を用いて、ジクロロメタン、1,4-ジオキサン、イソプロパノール、HCl・1,4-ジオキサン溶液または酢酸エチルなどのような溶媒中で開裂される。ベンジル(Bn)基またはまたはベンジルオキシカルボニル(Cbz)は、炭素上のパラジウムのような遷移金属の存在下、水素を使用することにより除去され得る。芳香環上にメトキシのような電子供与基を有するベンジル基はまた、酸性条件下で(例えばトリフルオロ酢酸または塩酸を用いて)除去され得る。
反応条件および全体の脱保護戦略に応じて、Y=Nの中間体INT-2は遊離塩基としてまたは塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、臭化水素酸塩などのような塩として得られ得る。塩は、当業者に既知の方法によりそれらの中和対応物に変換され得る。保護基PG1の除去(例えば、スキーム6に記載の中間体INT-13または中間体INT-14の保護基PG1の除去)は、全体の合成戦略および全体の保護基戦略に応じて、Y=Nの中間体INT-2の全体の合成の中での様々な工程で実施され得る。
一般式INT-14の中間体は、あるいは、スキーム7に従って製造され得る。スキーム7中の基/用語R1~R6、A、U、V、W、XおよびZは、上記および下記で定義されるおよびY=Nの意味を有する。
中間体INT-16において、NOnはニトロ基(n=2)またはニトロソ基(n=1)を表す。一般式INT-17の中間体は、適切な溶媒(例えば、エタノール)中、適切な塩基(例えば、ジイソプロピル-エチル-アミンなど)の存在下、ニトロ基またはニトロソ基を有する電子不足の式INT-16ヘテロ芳香族誘導体および適切な式INT-12のピペラジン誘導体上の求核置換により製造され得る。
あるいは、中間体INT-17は、適切な溶媒(例えば、1,4-ジオキサンなど)中で、適切な塩基(例えば、炭酸セシウムなど)の存在下、より高い温度、例えば、80~120℃で、触媒、好ましくはパラジウム触媒(例えば、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムPd2(dba)3など)および適切なリガンド、好ましくはXantPhos(4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)の存在下、適切な式INT-12のピペラジン誘導体とニトロ基を有する式INT-16のヘテロ芳香族誘導体(n=2)の遷移金属により触媒されるカップリング反応により製造され得る。
中間体INT-14はまた、スキーム7に従って製造され得る。INT-17のニトロソ(n=1)またはニトロ(n=2)基は、当業者に既知の方法によりアミノ基に変換され得る。好ましくは、INT-17の水素化は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどのような溶媒中、遷移金属、好ましくは炭素上のパラジウム存在下、水素雰囲気で(例えば、1~5バールで)実施される。
一般式(I)の化合物は、スキーム7に従って、INT-14から製造され得る。中間体INT-14からY=Nの中間体INT-2への反応は、スキーム6に記載した反応条件と同様の反応条件を用いて製造され得る。Y=Nの中間体INT-2から一般式(I)の化合物への反応は、スキーム1に記載した反応条件と同様の反応条件を用いて製造され得る。
式INT-19の中間体は、スキーム1に記載のとおり、化合物INT-18とカルボン酸INT-1から製造され得る。一般式(I)の化合物は、有機化学の文献に報告されている方法と同様の方法で、好ましくは、適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノールなど)中、炭素上のパラジウム存在下、水素雰囲気下でのニトロソ基(n=1)またはニトロ基(n=2)のアミノ基への変換により、INT-19から製造され得る。
スキーム8に示すように、基/用語R1~R2、U、V、W、XおよびZが上記および下記で定義される意味を有する式INT-1のカルボン酸は、好ましくは、保護基PG2の性質に応じて加水分解または水素化分解により対応する一般式INT-21のエステルから製造される。保護基PG2がエチルまたはメチルエステル低級アルキル基エステルを表すならば、それらは好ましくは、水および適切な混合可能な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1,4-ジオキサンなどまたはこれらの混合物)の混合物中、NaOH、LiOHまたはKOHのようなヒドロキシド塩基を用いて、必要ならば加熱して、加水分解することにより開裂される。酸INT-1金属カチオンまたは遊離の酸との塩として単離され得る。tert-ブチルエステルは、好ましくは、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水またはこれらの混合物)中、酸(例えば、塩酸またはトリフルオロ酢酸)を用いて処理することにより開裂される。ベンジルエステルは、好ましくは、水素雰囲気下(好ましくは、1~5バール)、適切な溶媒(例えば、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチル)中、適切な触媒(例えば、炭素上のパラジウムなど)を用いて水素化分解することにより開裂される。
一般式INT-21のエステルは、スキーム8に従って、遷移金属により触媒されるカップリング反応により製造され得る。遷移金属により触媒されるカップリング反応は、好ましくは、鈴木カップリング反応について記載された有機化学の文献に報告された方法と類似の方法で、適切なパラジウム触媒、リガンド、塩基および溶媒を用いて実施される。スキーム8中の基/用語R1~R2、U、V、W、XおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。ボロン酸誘導体INT-3およびハロゲンを含むヘテロ芳香族INT-20の反応は、好ましくは、塩基(例えば、リン酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)の存在下、適切な溶媒(水/テトラヒドロフラン、水/1,4-ジオキサン、1,4-ジオキサンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなど)中で、40℃~120℃で、パラジウム由来の触媒、例えば、[クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd第二世代)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)-CH2Cl2-錯体(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)を用いて実施される。
あるいは、一般式INT-21のエステルは、スキーム9に従って、遷移金属により触媒されるカップリング反応により合成され得る。スキーム9中の基/用語R1~R2、U、V、W、XおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。
遷移金属により触媒されるカップリング反応は、好ましくは、鈴木カップリング反応について記載された有機化学の文献に報告された方法と類似の方法で、適切なパラジウム触媒、リガンド、塩基および溶媒を用いて実施される。ボロン酸誘導体INT-22およびハロゲンを含むヘテロ芳香族INT-5の反応は、好ましくは、塩基(例えば、リン酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)の存在下、適切な溶媒(水/テトラヒドロフラン、水/1,4-ジオキサン、1,4-ジオキサンまたはN,N-ジメチルホルムアミドなど)中で、40℃~120℃で、パラジウム由来の触媒、例えば、[クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd第二世代)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)-CH2Cl2-錯体(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)を用いて実施される。反応は場合によりマイクロ波中で実施され得る。
スキーム10に示すように、一般式INT-6の化合物は、スキーム1に記載のとおり、適切なカルボン酸INT-23(遊離の酸としてまたはLi+、Na+などのような適切な金属カチオンとの塩として)と適切なアミンINT-2(遊離のアミンとしてまたは塩酸塩、臭化水素酸塩などのような塩として)の反応により製造され得る。スキーム10中の基/用語R2~R6、A、X,YおよびZは上記および下記で定義される意味を有する。
スキーム11に示すように、一般式INT-4の化合物は、スキーム1に記載のとおり、適切なカルボン酸INT-24(遊離の酸Li+、Na+などのような適切な金属カチオン塩として)と適切なアミンINT-2(遊離のアミンまたは塩酸塩、臭化水素酸塩などの塩として)の反応により製造され得る。スキーム11中の基/用語R2~R6、A、X,YおよびZは、上記および下記で定義される意味を有する。
スキーム11に示すように、中間体INT-7は、適切な溶媒(例えば、1,4-ジオキサン/ジメチルホルムアミドなど)中、高温(例えば、100℃)で、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウムなど)により媒介される適切な中間体INT-4と適切なスタンナン誘導体(例えば、1,1,1,2,2,2-ヘキサメチル-ジスタンナン)との反応により合成され得る。
中間体の合成 4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(26.7g、86.2mmol)および6-ブロモ-ピリダジン-3-イルアミン(15.0g、86.2mmol)のn-BuOH/H
2O(306mL/70mL)溶液にK
3PO
4(64.0g、301mmol)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後、XPhos(4.11g、8.62mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(3.95g、4.31mmol)を添加する。得られた混合物を115℃で15時間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗製の混合物をカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM)により精製して表題化合物を得る。
収量:23.1g(97%) ESI-MS:m/z=277 (M+H)
+ R
t(HPLC):0.44分(方法1)
4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
窒素雰囲気下、4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(20.0g、72.3mmol)のエタノール(400mL)溶液に炭素上のPd(OH)
2(2.03g、14.4mmol)を添加し、その後、PARR Shaker中で反応混合物を60PSIの水素圧で16時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)で過する。ろ液を減圧下で蒸発させ、得られた粗製の物質をシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得る。
収量:10.6g(53%) ESI-MS:m/z=279 (M+H)
+ R
t(HPLC):0.38分(方法1)
6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン二塩酸塩
4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(10.0g、35.9mmol)の1,4-ジオキサン(35mL)溶液に4M 塩化水素溶液のジオキサン(45mL、179.6mmol)溶液を添加する。反応混合物を環境温度で3時間撹拌する。全ての揮発性物質を減圧下で除去し、得られた粗製の物質をヘキサンで洗浄して表題化合物を得る。
収量:8.0g(89%)ESI-MS:m/z=179(M+H)
+ R
t(HPLC):0.34分(方法4)
6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン
6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン二塩酸塩を適切な体積のメタノールに溶解し、HPLC(塩基性条件、XBridge、勾配:ACN/水+NH
3)により精製して対応する遊離塩基を得る。
あるいは、2当量のさらなる塩基を反応混合物に添加することにより、遊離塩基が得られ得る。
ESI-MS:m/z=179(M+H)
+ R
t(HPLC):0.31分(方法9)
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(1.0g、4.06 mmol)のMeOH/水/THF 1/1/1(10mL)溶液にLiOH(325mg、8.13mmol)を添加し、rtで16時間撹拌する。全ての揮発性物質を減圧下で除去する。粗生成物を水(10mL)に溶解し、EtOAc(10mL)で洗浄する。1N HClを用いて水層を中性pHまで酸性化する。沈殿を回収し、乾燥させて表題化合物を得る。
収量:863mg(92%)
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メタノン
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸(0.40g、1.72mmol)、TBTU(0.55g、1.72mmol)およびトリエチルアミン(0.72mL、5.17mmol)のDMF(1mL)溶液に6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(307mg、1.72mmol)を添加する。反応混合物をrtで2時間撹拌し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得る。
収量:588mg(87%) ESI-MS:m/z=394(M+H)
+
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノン
4-ブロモ-3-メトキシ-安息香酸(100mg、0.42mmol)のDMF(1mL)溶液にトリエチルアミン(180μL、1.30mmol)、TBTU(139mg、0.43mmol)およびピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(77.0mg、0.43mmol)を添加する。反応混合物をrtで2時間撹拌し、HPLCで精製して表題化合物を得る。
収量:63.0mg(37%) ESI-MS:m/z=393(M+H)
+
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メチル-フェニル)-メタノン
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、4-ブロモ-3-メチル-安息香酸(100mg、0.47mmol)およびピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(83.0mg、0.47mmol)から表題化合物を合成する。
収量:112mg(64%)
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(5-ブロモ-6-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メタノン
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、5-ブロモ-6-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸(100mg、0.43mmol)およびピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(77.0mg、0.43mmol)から表題化合物を合成する。
収量:149mg(88%)
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(6-ブロモ-5-メトキシ-ピリジン-3-イル)-メタノン
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、6-ブロモ-5-メトキシ-ニコチン酸(250mg、1.08mmol)およびピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(192mg、1.08mmol)から表題化合物を合成する。
収量:368mg(87%)
{4-[4-(6-アミノピリダジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボニル]-2-メトキシフェニルボロン酸
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、4-ボロノ-3-メトキシ安息香酸(1.0g、5.10mmol)およびピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(1.64g、7.65mmol)から表題化合物を合成する。シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(1% 水性NH
4OHを含むDCM/MeOH)により生成物を精製する。
収量:335mg(18%)
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-2-メトキシ-フェニル)-メタノン
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、4-ブロモ-2-メトキシ-安息香酸(250mg、1.08mmol)およびピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(192mg、1.08mmol)から表題化合物を合成する。
収量:313mg(74%)
6-[1-(4-ブロモ-3-エチルベンゾイル)ピペリジン-4-イル]ピリダジン-3-アミン
4-ブロモ-3-エチル安息香酸(250mg、1.09mmol)およびTBTU(1.05g、3.27mmol)のDMA溶液にピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(351mg、1.64mmol)を添加する。トリエチルアミン(760μL、5.46mmol)を反応混合物に添加する。反応混合物をRTで24時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(1% 水性NH
4OHを含むDCM/MeOH)により精製して所望の生成物を得る。
収量:334mg(79%)
4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(3.0g、16.11mmol)、5-ブロモ-2-ニトロ-ピリジン(3.3g、16.11mmol)およびDIPEA(6.2g、48.32mmol)のエタノール(30mL)溶液をrtで20時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルおよび水で希釈する。有機層を水、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して表題化合物を得る。
収量:1.34g(27%) ESI-MS:m/z=309 (M+H)
+ R
t(HPLC):0.89分(方法1)
4-(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
H
2風船により3時間維持された水素雰囲気下、4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.0g、6.43mmol)のEtOH(15mL)溶液にPd/C(200mg)を添加する。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して粗製の表題化合物を得る。
収量:1.90g(定量的)
5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-イルアミン二塩酸塩
中間体6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン二塩酸塩の合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.00g、3.59mmol)から表題化合物を合成する。
収量:590mg(92%)
5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-イルアミン
6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミンについて記載された方法と同様にして、5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-イルアミン二塩酸塩から表題化合物を合成する。あるいは、反応混合物に2当量のさらなる塩基を添加することにより、その後の反応で遊離塩基が得られ得る。
6-アミノ-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル
窒素雰囲気下、6-ニトロ-3’,6’-ジヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル(10.0g、36.3mmol)のエタノール(250mL)溶液にPd(OH)
2担持炭素(255mg、1.82mmol)を添加し、PARR Shaker中で反応混合物を30psiのH
2圧で16時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させ、得られた粗製の物質をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得る。
収量:4.90g(49%)
5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩
6-アミノ-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.8g、2.88mmol)のジクロロメタン(8mL)溶液に4N HClのジオキサン溶液(7.2mL、28.8mmol)を添加する。反応混合物をRTで4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。所望の生成物をさらに精製することなく使用する。
収量:694mg(96%)
5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン
6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミンについて記載された方法と同様の方法で、5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩から5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミンが得られ得る。あるいは、2当量のさらなる塩基を添加することにより、その後の反応で遊離塩基が得られ得る。
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メタノン
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸(200mg、0.86mmol)および6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(154mg、0.86mmol)から表題化合物を合成する。精製をシリカゲルクロマトグラフィーにより実施する。
収量:118mg(35%)
{4-[4-(6-アミノピリダジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボニル]フェニル}ボロン酸
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-安息香酸(500mg、2.02mmol)および6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(359mg、2.02mmol)から表題化合物を合成する。
収量:411mg(50%)
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-2-メチル-フェニル)-メタノン
中間体[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-ブロモ-3-メトキシ-フェニル)-メタノンの製造について記載された方法に従って、4-ブロモ-2-メチル-安息香酸(250mg、1.16mmol)および6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン(207mg、1.16mmol)から表題化合物を合成する。
収量:393mg(90%)
5-[1-(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピリジン-2-アミン
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸(500mg、2.16mmol)、CDI(1.05g、6.47mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(6.47mmol)の適切な体積のDMA(3mL)溶液をRTで30分間撹拌する。5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩(552mg、2.21mmol)を添加し、反応混合物をRTで24時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をEtOAcおよび10% 水性NaHCO
3溶液に溶解する。層を分離し、水相をEtOAcで(2回)抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をカラムシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。
収量:0.55g(63%)
化合物の合成 一般的方法I
カルボン酸(1eq)(次の表2の中間体2)およびTBTU(1eq)適切な体積のDMF(0.4mmolの中間体1につき約0.5mLのDMF)溶液をRTで15分間撹拌し、アミン(1eq)(次の表2の中間体1)およびトリエチルアミン(3eq)適切な体積のDMF(0.4mmolの中間体1につき約0.5mLのDMF)を添加する。反応混合物をrtで2時間撹拌する。逆相HPLC(酸性または塩基性条件)を用いて粗製の反応混合物を精製して生成物を得る。
一般的方法II
Br-中間体(1eq)(次の表3の中間体1)の適切な体積の水および1,4-ジオキサン(0.06mmolから2.5mmolまでの中間体1につき水/ジオキサン 約0.25mL/2.0mL)溶液にK
3PO
4(2eq)およびボロン酸(1eqから1.5eqまで)(次の表3の中間体2)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.2eq)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。得られた混合物を120℃で10分間または反応が完了するまで(60分間または一晩)撹拌する。その後、反応混合物をろ過し、逆相HPLC(酸性または塩基性条件)により精製する。
中間体の合成 5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジン
5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)、シクロプロピル-メタノール(154mg、2.13mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(287mg、2.56mmol)をTHF(5mL)中で混合する。反応混合物をrtで24時間撹拌する。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈する。水相を分離し、EtOAcでさらに2回抽出する。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をSiO
2フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して表題生成物を得る。
収量:298mg(92%) ESI-MS:m/z=228/230(M+H)
+ R
t(HPLC):1.14分(方法10)
5-ブロモ-2-シクロプロポキシ-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)およびシクロプロパノール(124mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:272mg(89%)
5-ブロモ-2-((R)-sec-ブトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(R)-ブタン-2-オール(158mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:263mg(81%)
5-ブロモ-2-((S)-sec-ブトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(S)-ブタン-2-オール(158mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:252mg(77%)
5-ブロモ-2-(2,2-ジフルオロ-シクロプロピルメトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(2,2-ジフルオロ-シクロプロピル)-メタノール(230mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:349mg(93%) ESI-MS:m/z=264/266(M+H)
+ R
t(HPLC):1.27分(方法13)
5-ブロモ-2-(2,2-ジメチル-シクロプロピルメトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(2,2-ジメチル-シクロプロピル)-メタノール(213mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:320mg(88%)
5-ブロモ-2-((S)-1-シクロプロピル-エトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(S)-1-シクロプロピル-エタノール(183mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:240mg(70%)
5-ブロモ-2-((R)-1-シクロプロピル-エトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(R)-1-シクロプロピル-エタノール(183mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:230mg(67%)
5-ブロモ-2-(1-メチル-シクロプロピルメトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(1-メチル-シクロプロピル)-メタノール(183mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:229mg(67%)
5-ブロモ-2-(1-フルオロメチル-シクロプロピルメトキシ)-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-シクロプロピルメトキシ-ピリジンの合成について記載された方法に従って、5-ブロモ-2-フルオロ-ピリジン(250mg、1.42mmol)および(1-フルオロメチル-シクロプロピル)-メタノール(222mg、2.13mmol)から表題化合物を合成する。
収量:280mg(76%)
一般的方法III
臭化アリール(1eq)(次の表4の中間体2)の適切な体積の水および1,4-ジオキサン(0.07mmolから0.14mmolまでの表4の中間体1につき水/1,4-ジオキサン約0.25mL/2.0mL)にK
3PO
4(2eq)およびボロン酸(1eq)(次の表4の中間体1)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.2eq)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。反応混合物をマイクロ波中、120℃で60分間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をDMFに溶解し、逆相HPLCにより精製して所望の生成物を得る。
中間体の合成 2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-カルボン酸
4-ブロモ-3-メトキシ-安息香酸(300mg、1.23mmol)の水(250μL)および1,4-ジオキサン(2mL)溶液にK
3PO
4(551mg、2.60mmol)および[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(247mg、1.30mmol)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(212mg、0.26mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。反応混合物をマイクロ波中、130℃で30分間撹拌する。酢酸エチルおよび水を添加し、層を分離する。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して表題生成物を得る。
収量:217mg(56%) ESI-MS:m/z=295(M-H)
- R
t(HPLC):2.57分(方法5)
4-メトキシ-5-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(5.0g、20.3mmol)の水(4mL)および1,4-ジオキサン(16mL)溶液にK
3PO
4(8.6g、40.6mmol)および[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]ボロン酸(3.9g、20.3mmol)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(3.3g、4.01mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。反応混合物を100℃で30分間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して表題生成物を得る。
収量:2.5g(40%)
4-メトキシ-5-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸
4-メトキシ-5-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(2.5g、8.03mmol)の適切な体積のTHF/MeOH/H
2O(1/1/1の比、約30mL)溶液にLiOH(769mg、32.1mmol)を添加し、反応混合物をrtで4h撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をH
2Oに溶解する。混合物に水性濃HClを滴下添加して混合物をpH2にする。得られた沈殿をろ過により単離し、真空下、80℃で8時間乾燥させて表題化合物を得る。
収量:2.1g(88%)
4-メトキシ-5-フェニル-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル
ブロモベンゼン(401mg、2.56mmol)の水(0.25mL)および1,4-ジオキサン(2mL)溶液にK
3PO
4(724mg、3.41mmol)および4-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(500mg、1.71mmol)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(278mg、0.34mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。反応混合物をマイクロ波中、120℃で15分間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題生成物を得る。
収量:335mg(81%)
4-メトキシ-5-フェニル-ピリジン-2-カルボン酸
4-メトキシ-5-フェニル-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(335mg、1.38mmol)の適切な体積のTHF/MeOH/H
2O(約4mL/2mL/1mL)溶液にLiOH(132mg、5.51mmol)を添加し、反応混合物をrtで48時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をH
2Oに溶解する。混合物に水性濃HClを滴下添加して混合物をpH2にする。得られた沈殿をろ過により単離し、真空下、80℃で8時間乾燥させて表題化合物を得る。
収量:283mg(90%)
5-(4-フルオロ-フェニル)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル
1-ブロモ-4-フルオロ-ベンゼン(149mg、0.85mmol)の水(0.25mL)および1,4-ジオキサン(2mL)溶液にK
3PO
4(362mg、1.70mmol)を添加し、4-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(250mg、0.85mmol、商業的に入手可能なMFCD18727245)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(139mg、0.17mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。反応混合物を120℃で18時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題生成物を得る。
収量:131mg(59%)
5-(4-フルオロ-フェニル)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸
5-(4-フルオロ-フェニル)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(3.5g、13.4mmol)の適切な体積のTHF/MeOH(180mL/20mL)溶液に水性1M LiOH溶液(54mL、53.6mmol)を添加し、反応混合物をrtで2時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をH
2Oに溶解する。混合物に水性6N HClを滴下添加して混合物をpH2にする。得られた沈殿をろ過により単離し、真空下、80℃で8時間乾燥させて表題化合物を得る。
収量:2.6g(78%)
4-メトキシ-6’-トリフルオロメチル-[3,3’]ビピリジニル-6-カルボン酸 メチルエステル
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸 メチルエステル(4.5g、18.3mmol)の水(10mL)および1,4-ジオキサン(100mL)溶液にK
3PO
4(7.8g、36.6mmol)および[6-(トリフルオロ-メチル)-ピリジン-3-イル]ボロン酸(5.3g、27.4mmol)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(747mg、0.91mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間脱気する。反応混合物を90℃で一晩撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過する。有機揮発物質を減圧下で除去し、得られた残渣を水およびEtOAcに取り込む。水層をEtOAcで3回抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して表題生成物を得る。
収量:2.8g(49%)
4-メトキシ-6’-トリフルオロメチル-[3,3’]ビピリジニル-6-カルボン酸
0℃で、4-メトキシ-6’-トリフルオロメチル-[3,3’]ビピリジニル-6-カルボン酸 メチルエステル(3.0g、9.61mmol)のTHF(50mL)溶液に水性1M LiOH溶液(19mL、19.0mmol)を添加し、反応混合物をrtで一晩撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をH
2Oに溶解する。混合物に濃HClを滴下添加し、混合物をpH2にする。得られたをろ過により単離して表題化合物を得る。
収量:2.7g(94%) ESI-MS:m/z=299(M+H)
+ R
t(HPLC):0.74分(方法7)
(R)-3-メチル-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
5-ブロモ-2-ニトロ-ピリジン(500mg、2.46mmol)および(R)-3-メチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(592mg、2.96mmol)の1,4-ジオキサン溶液にCs
2CO
3(963mg、2.96mmol)およびXantPhos(71.3mg、0.12mmol)を添加する。混合物を5分間脱気する。Pd
2(dba)
3(123mg、0.12mmol)を添加して5分間脱気し、還流温度で15時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過し、DCM(50mL×2)で洗浄する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して表題生成物を得る。
収量:400mg(50%)
(R)-2-メチル-1-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン塩酸塩
0℃で、(R)-3-メチル-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(3.0g、9.30mmol)のDCM(40mL)溶液に4M HCl・1,4-ジオキサン溶液(20mL)を添加し、rtで5時間撹拌する。1,4-ジオキサンおよびDCMを減圧下で除去し、残渣を30% EtOAc ヘキサン溶液で洗浄する。得られた沈殿を溶媒のデカンテーションにより単離し、減圧下で乾燥させて表題生成物を得る。
収量:2.1g(87%) ESI-MS:m/z=223(M+H)
+
(1S,4S)-5-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル
3-クロロ-6-ニトロソ-ピリダジン(2.0g、13.9mmol)、(1S,4S)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(3.3g、16.7mmol)およびDIPEA(7.2mL、41.8mmol)のエタノール(12mL)溶液をrtで2.5日間撹拌する。得られた沈殿を回収して表題化合物を得る。
収量:1.8g(42%)ESI-MS:m/z=282(M+H)
+ R
t(HPLC):0.69分(方法1)
(1S,4S)-2-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩
(1S,4S)-5-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(175mg、0.57mmol)の4M HCl・1,4-ジオキサン(1.5mL)溶液をrtで1時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、エーテルを添加する。得られた沈殿を回収して表題化合物を得る。
収量:120mg(定量的)
6-アミノ-4-メトキシ-3’,6’-ジヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル
4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(5.02g、16.3mmol)および5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-イルアミン(3.30g、16.3mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液に2M 水性Na
2CO
3溶液(3.5mL)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(1.32g、1.63mmol)を添加する。反応混合物を115℃で45分間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、Na
2SO
4乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。
収量:2.88g(97%) ESI-MS:m/z=306(M+H)
+ R
t(HPLC):0.75分(方法5)
6-アミノ-4-メトキシ-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル
窒素雰囲気下、6-アミノ-4-メトキシ-3’,6’-ジヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル(0.75g、2.46mmol)のメタノール(25mL)溶液にPd/C(0.26g、0.25mmol)を添加し、その後H
2の風船に供する。反応混合物をrtで2日間撹拌する。反応混合物をろ過し、減圧下で蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。
収量:715mg(94%) ESI-MS:m/z=308(M+H)
+ R
t(HPLC):0.88分(方法5)
4-メトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩
6-アミノ-4-メトキシ-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル(4.98g、16.2mmol)のDCM(66mL)溶液に4M HCl・1,4-ジオキサン(17mL)溶液を添加する。反応混合物を環境温度で16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で蒸発させる。残渣をエーテルで洗浄して表題化合物を得る。
収量:4.0g(定量的) ESI-MS:m/z=208(M+H)
+ R
t(HPLC):0.39分(方法4)
4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体6-アミノ-4-メトキシ-3’,6’-ジヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成について記載された方法に従って、(6-クロロ-5-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(595mg、1.93mmol)および4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(500mg、1.93mmol)から表題化合物を合成する。
収量:78.0mg(13%) ESI-MS:m/z=307(M+H)
+ R
t(HPLC):0.63分(方法5)
4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体6-アミノ-4-メトキシ-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(650mg、2.12mmol)から表題化合物を合成する。
収量:498mg(76%) ESI-MS:m/z=309(M+H)
+ R
t(HPLC):1.56分(方法2)
5-メトキシ-6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン二塩酸塩
中間体4-メトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩の合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(388mg、1.26mmol)から表題化合物を合成する。
収量:232mg(66%) ESI-MS:m/z=209(M+H)
+ R
t(HPLC):0.15分(方法5)
4-(6-アミノ-4-メチル-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体6-アミノ-4-メトキシ-3’,6’-ジヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成について記載された方法に従って、6-クロロ-5-メチル-ピリダジン-3-イルアミン(250mg、1.74mmol)および4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(538mg、1.74mmol)から表題化合物を合成する。
収量:326mg(65%) ESI-MS:m/z=292(M+H)
+ R
t(HPLC):0.51分(方法5)
4-(6-アミノ-4-メチル-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体6-アミノ-4-メトキシ-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-4-メチル-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(500mg、1.72mmol)から表題化合物を合成する。
収量:176mg(35%) ESI-MS:m/z=293(M+H)
+ R
t(HPLC):1.38分(方法2)
5-メチル-6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン二塩酸塩
中間体4-メトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩の合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-4-メチル-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(289mg、0.99mmol)から表題化合物を合成する。
収量:243mg(93%) ESI-MS:m/z=193(M+H)
+ R
t(HPLC):0.14分(方法5)
6-ニトロ-3’,6’-ジヒドロ-2’H-[3,4’]ビピリジニル-1’-カルボン酸 tert-ブチルエステル
4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(8.81g、43.4mmol)および5-ブロモ-2-ニトロ-ピリジン(13.8g、44.7mmol)の1,4-ジオキサン/H
2O(90mL/22.5mL)溶液にK
2CO
3(18.0g、130mmol)を添加し、アルゴンで5分間脱気する。その後PdCl
2(PPh
3)
2(152mg、0.22mmol)を添加する。反応混合物を90℃で3時間撹拌する。反応混合物を水(70mL)で希釈し、130gまで1,4-ジオキサンを留去する。その後、MTBE(22.5mL)およびヘプタン(90mL)を添加し、30分間撹拌する。沈殿をろ過する。ケーキを水、1:4 MTBE/ヘプタンで洗浄し、真空下で乾燥させる。
収量:13.2g(定量的)ESI-MS:m/z=306(M+H)
+
5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メチル-ピリジン
5-ブロモ-4-メチル-ピリジン-2-イルアミン(2.00g、10.7mmol)およびヘキサン-2,5-ジオン(1.47g、12.8mmol)のトルエン(50mL)溶液にパラトルエンスルホン酸(61.0mg、0.32mmol)を添加し、反応混合物を140℃で18時間撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで希釈する。分離した有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製して表題化合物を得る。
収量:2.68g(95%)
5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン
中間体5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メチル-ピリジンについて記載された方法に従って、5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-イルアミン(10.6g、52.1mmol)から表題化合物を合成する。
収量:14.0g(96%) ESI-MS:m/z=283(M+H)
+ R
t(HPLC):0.93分(方法3)
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン(5.48g、19.5mmol)、(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(6.75g、20.4mmol)およびナトリウムtert-ブチレート(3.75g、39.0mmol)のTHF(75mL)溶液にRuPhos Pd G3(815mg、0.98mmol)を添加し、N
2で5分間脱気する。反応混合物を85℃で18時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過し、EtOAcで洗浄し、濃縮する。残渣をHPLC(塩基性条件、C-18カラム)により精製して表題生成物を得る。
収量:4.8g(37%) ESI-MS:m/z=531(M+H)
+
(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.29g、2.07mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(718mg、10.3mmol)およびトリエチルアミン(0.29mL、2.07mmol)のエタノール(6mL)および水(3mL)溶液を80℃で18時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して表題生成物を得る。
収量:369mg(53%) ESI-MS:m/z=339(M+H)
+
[(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-2-イル]-メタノール塩酸塩
To(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(45mg、0.13mmol)のDCM(0.5mL)溶液に4M 塩化水素・1,4-ジオキサン溶液(0.17mL、0.67mmol)を添加する。反応混合物を環境温度で2時間撹拌する。全ての揮発性物質を減圧下で蒸発させる。残渣にエーテルを添加し、ろ過して表題化合物を得る。
収量:30mg(82%) ESI-MS:m/z=239(M+H)
+ R
t(HPLC):0.23分(方法9)
(S)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(S)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.00g、9.25mmol)のDMA(10mL)溶液にtert-ブチル-クロロ-ジメチル-シラン(2.09g、13.9mmol)およびイミダゾール(1.89g、27.7mmol)を添加する。反応混合物をrtで24時間撹拌する。反応混合物をNH
4Cl溶液で希釈、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得る。
収量:2.80g(92%)
(S)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
耐圧容器に5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン(3.25g、11.6mmol)、CPhos-3G-パラダサイクルメタンスルホネート(0.47g、0.58mmol)および(S)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(3.82g、11.6mmol)の1,4-ジオキサン(40mL)溶液を充填する。ナトリウムtert-ブトキシド(3.3g、34.7mmol)を添加し、容器にアルゴンを流入させ、密封して100℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温まで冷却し、水およびEtOAcで希釈し、セライト(登録商標)でろ過する。有機層を分離し、塩水で洗浄し乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して所望の化合物を得る。
収量:4.94g(73%) ESI-MS:m/z=531(M+H)
+ R
t(HPLC):1.49分(方法3)
(S)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(S)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(5.9g、11.2mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.89g、56.0mmol)およびトリエチルアミン(1.6mL、11.2mmol)のエタノール(30mL)および水(15mL)溶液を80℃で18時間撹拌する。さらなるトリエチルアミン(7.8mL、56.0mmol)を添加する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)により精製して表題化合物を得る。
収量:2.57g(68%)
(S)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-2-イル]-メタノール塩酸塩
(S)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(264mg、0.58mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に4N HCl・ジオキサン溶液(0.73mL、2.92mmol)を添加する。反応が完了を示すまで、反応混合物をRTで撹拌する。反応混合物を減圧下で蒸発させる。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:160mg(定量的)
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メチル-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メチル-ピリジン(1.00g、3.77mmol)および(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.25g、3.77mmol)の1,4-ジオキサン(13mL)溶液にナトリウムtert-ブトキシド(1.09g、11.3mmol)およびCPhos-G3-パラダサイクルメタンスルホネート(152mg、0.19mmol)を添加する。混合物を窒素で5分間脱気し、100℃で18時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで溶出しながらシリカゲルパッドでろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を得る。
収量:1.67g(86%) ESI-MS:m/z=515(M+H)
+ R
t(HPLC):1.56分(方法1)
(R)-4-(6-アミノ-4-メチル-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メチル-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.67g、3.24mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.13g、16.2mmol)およびトリエチルアミン(452μl、3.24mmol)のエタノール(10mL)および水(5mL)溶液を80℃で18時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相クロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得る。
収量:0.5g(47%) ESI-MS:m/z=323(M+H)
+ R
t(HPLC):0.66分(方法3)
[(R)-4-(6-アミノ-4-メチル-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-2-イル]-メタノール二塩酸塩
(R)-4-(6-アミノ-4-メチル-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(450mg、1.40mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に4N HCl・ジオキサン溶液(2mL、8.0mmol)を添加し、反応混合物をRTで4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:412mg(定量的)
(R)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(8.56g、16.1mmol)のTHF(100mL)溶液にTBAF(1M THF溶液、16.1mL、16.1mmol)を添加する。反応混合物をrtで2.5時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して表題生成物を得る。
収量:6.1g(91%) ESI-MS:m/z=417(M+H)
+ R
t(HPLC):0.98分(方法1)
(R)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-2-メトキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.0g、4.80mmol)およびMeI(401μL、7.20mmol)のDMA(20mL)溶液にNaH(60%、230mg、9.58mmol)を添加する。反応混合物をrtで2時間撹拌する。水を添加し、反応混合物をEtOAcで抽出(3回)する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣順相クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製する。
収量:1.8g(87%) ESI-MS:m/z=431(M+H)
+ R
t(HPLC):1.11分(方法1)
(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-メトキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-2-メトキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.8g、4.18mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.45g、20.9mmol)およびトリエチルアミン(0.58mL、4.18mmol)のエタノール(10mL)および水(5mL)溶液を80℃で18時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、DCM中でスラリー化させ、ろ過して塩を除去し、減圧下で濃縮する。残渣を順相カラムクロマトグラフィーにより精製して表題生成物を得る。
収量:440mg(30%) ESI-MS:m/z=353(M+H)
+ R
t(HPLC):0.44分(方法1)
4-メトキシ-5-((R)-3-メトキシメチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-2-イルアミン二塩酸塩
(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-メトキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(440mg、1.25mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、4N HCl・ジオキサン(1.56mL)を添加する。反応混合物をrtで4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:406mg(定量的)
4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン(1.5g、5.37mmol)、ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.0g、5.37mmol)、CPhos-3G-パラダサイクルメタンスルホネート(0.2g、0.27mmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(1.55g、16.1mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液に5分間窒素を注入し、100℃で10時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで溶出しながらシリカパッドでろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。
収量:2.1g(87%) ESI-MS:m/z=387(M+H)
+ R
t(HPLC):1.15分(方法1)
4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルについて記載された方法に従って、4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(2.1g、4.73mmol)から表題化合物を合成する。
収量:1.07g(73%)
4-メトキシ-5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-イルアミン二塩酸塩
中間体[(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-2-イル]-メタノール塩酸塩の合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.07g、3.47mmol)から表題化合物を合成する。
収量:976mg(定量的) ESI-MS:m/z=209(M+H)
+
2-(2,2-ジフルオロ-エチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
テフロン製のスターラーバーを備えた耐圧容器に5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン(360mg、1.28mmol)およびCPhos-3G-パラダサイクルメタンスルホネート(51.6mg、0.06mmol)を添加する。2-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(320mg、1.28mmol)を1,4-ジオキサン(6mL)に添加する。炭酸セシウム(1.25g、3.84mmol)を添加し、容器にアルゴンを流入させ、封管し、80℃で一晩撹拌する。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcおよび水で希釈し、セライト(登録商標)でろ過する。水層を除去し、有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製する。
収量:477mg(83%) ESI-MS:m/z=451(M+H)
+ R
t(HPLC):1.18分(方法3)
4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
中間体(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-ヒドロキシメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成について記載された方法に従って、2-(2,2-ジフルオロ-エチル)-4-[6-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン-3-イル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(477mg、1.06mmol)から表題化合物を合成する。
収量:0.40g(定量的) ESI-MS:m/z=373(M+H)
+ R
t(HPLC):0.82分(方法3)
5-[3-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-4-メトキシ-ピリジン-2-イルアミン塩酸塩
中間体[(R)-4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-2-イル]-メタノール塩酸塩の合成について記載された方法に従って、4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリジン-3-イル)-2-(2,2-ジフルオロ-エチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(395mg、1.06mmol)から表題化合物を合成する。2時間の反応時間の後、さらなるジオキサン(5mL)を添加する。反応混合物をRTで一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。
収量:327mg(定量的)
4-ベンジル 1-tert-ブチル (2R)-2-[メトキシ(メチル)カルバモイル]ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート
(2R)-4-[(ベンジルオキシ)カルボニル]-1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]ピペラジン-2-カルボン酸(4.00g、11.0mmol)、DIPEA(5.1mL、27.4mmol)、HATU(5.01g、13.2mmol)およびN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.29g、13.2mmol)のDMA(40mL)溶液をrtで週末の間撹拌する。反応混合物をEtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄する。有機層をMgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して表題化合物を得る。
収量:4.44g(99%) ESI-MS:m/z=408(M+H)
+
4-ベンジル 1-tert-ブチル (2R)-2-アセチルピペラジン-1,4-ジカルボキシレート
-20℃に冷却した4-ベンジル 1-tert-ブチル(2R)-2-[メトキシ(メチル)カルバモイル]-ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(4.40g、10.80mmol)の混合物のTHF(25mL)溶液に臭化メチルマグネシウム(5.40mL、16.20mmol)を滴下添加し、-20℃で30分間撹拌する。反応混合物を飽和水性NH
4Cl溶液でクエンチし、EtOAcで希釈し、水+1N HClおよび塩水で洗浄する。有機層をMgSO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して所望の生成物を得る。キラルHPLCによりさらに精製して純粋なRエナンチオマーを得る。
収量:2.38g(61%) ESI-MS:m/z=363(M+H)
+ R
t(HPLC):1.01分(方法1)
4-ベンジル 1-tert-ブチル (2R)-2-(1-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート
(4-ベンジル 1-tert-ブチル(2R)-2-アセチルピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(2.30g、6.35mmol)のメタノール(100mL)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.36g、9.52mmol)を添加する。反応混合物を30分間撹拌後、溶媒を減圧下で除去する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製する。
収量:2.10g(91%)
4-ベンジル 1-tert-ブチル(2R)-2-{1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート
4-ベンジル 1-tert-ブチル(2R)-2-(1-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(2.10g、5.76mmol)およびイミダゾール(1.18g、17.29mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液にtert-ブチル(クロロ)ジメチルシラン(1.30g、8.64mmol)を添加する。反応混合物を一晩撹拌する。水(10mL)を添加した後、水層をジクロロメタン(2×25mL)で抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄する。有機層を乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製する。
収量:2.75g(99.7%)
tert-ブチル (2R)-2-{1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート
水素雰囲気(風船)下、4-ベンジル 1-tert-ブチル(2R)-2-{1-[(tert-ブチルジメチルシリル)-オキシ]エチル}ピペラジン-1,4-ジカルボキシレート(2.75g、5.75mmol)およびPd/C(0.20g)をエタノール(50mL)中、室温で2時間撹拌する。セライト(登録商標)ろ過により触媒を除去した後、溶媒を減圧下で除去する。残渣を10% MeOH/ジクロロメタンで溶出しながらシリカでろ過する。
収量:1.89g(96%)
tert-ブチル (2R)-2-{1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(2R)-2-{1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}ピペラジン-1-カルボキシレート(1.89g、5.49mmol)および5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-4-メトキシ-ピリジン(1.54g、5.49mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)溶液にCPhos-3G-パラダサイクルメタンスルホネート(0.22g)およびナトリウムtert-ブトキシド(1.58g、16.5mmol)を添加し、窒素を注入する。反応混合物を100℃で10時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで溶出しながらシリカのパッドでろ過し、濃縮する。残渣シリカクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により2回精製して表題化合物を得る。
収量:(tert-ブチル(2R)-2-[(1S)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]-4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート):0.57g(19%)および((tert-ブチル(2R)-2-[(1R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]-4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート)):0.78g(26%)
tert-ブチル (2R)-4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)-2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]ピペラジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(2R)-2-[(1R)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]-4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(0.87g、1.60mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.56g、7.99mmol)およびトリエチルアミン(0.22mL、1.60mmol)のエタノール(8mL)および水(4mL)溶液を80℃で42時間加熱する。さらにヒドロキシルアミン塩酸塩(0.22g、3.19mmol)を添加し、反応混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンに取り込み、ろ過する。所望の化合物をシリカクロマトグラフィー(MeOH/DCM)により精製する。
収量:0.20g(36%)
(1R)-1-[(2R)-4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)ピペラジン-2-イル]エタン-1-オール二塩酸塩
tert-ブチル(2R)-4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)-2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]ピペラジン-1-カルボキシレート(0.20g、0.57mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に4N HCl・ジオキサン溶液(0.71mL、2.84mmol)を添加し、RTで2時間撹拌する。さらなる1mLの4N HCl・ジオキサン溶液を添加し、RTで1時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:0.18g(定量的)
tert-ブチル(2R)-4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)-2-[(1S)-1-ヒドロキシエチル]ピペラジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル(2R)-2-[(1S)-1-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]-4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(0.57g、1.04mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.36g、5.21mmol)およびトリメチルアミン(0.15mL、1.04mmol)のエタノール(4mL)および水(2mL)溶液を80℃で42時間加熱する。さらにヒドロキシルアミン塩酸塩(0.15g、2.09mmol)を添加し、反応混合物を80℃で一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンに取り込み、ろ過する。所望の化合物をシリカクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製し、HPLCにより再精製する。
収量:0.12g(33%)
(1S)-1-[(2R)-4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)ピペラジン-2-イル]エタン-1-オール二塩酸塩
tert-ブチル(2R)-4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)-2-[(1S)-1-ヒドロキシエチル]ピペラジン-1-カルボキシレート(0.12g、0.34mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に4N HCl・ジオキサン溶液(0.50mL、2.00mmol)を添加し、RTで1時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:定量的
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-メトキシ-5-トリメチルスタンナニル-ピリジン-2-イル)-メタノン
[4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-メタノン(1.0g、2.55mmol)、1,1,1,2,2,2-ヘキサメチル-ジスタンナン(1.0g、3.06mmol)およびテトラキス Pd(295mg、0.26mmol)の1,4-ジオキサン/DMA溶液を100℃で4時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去する。EtOAcを添加し、混合物を10% NaHCO
3(aq)に注ぐ。水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM)により精製する。
収量:454mg(37%))
[(R)-3-メチル-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-(4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-メタノン
4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-カルボン酸(100mg、0.38mmol)を、TBTU(120mg、0.37mmol)、(R)-2-メチル-1-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン塩酸塩(0.096、0.37mmol)およびトリエチルアミン(157μl、1.13mmol)のDMF(1mL)溶液とrtで2時間撹拌する。反応混合物をHPLCにより精製する。
収量:99mg(56%) ESI-MS:m/z=501(M+H)
+ R
t(HPLC):2.56分(方法5)
(2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-[(R)-3-メチル-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-メタノン
(R)-2-メチル-1-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン塩酸塩(48.0mg、0.19mmol)およびDIPEA(152μl、0.84mmol)に2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-カルボン酸(50.0mg、0.17mmol)およびHATU(77.0mg、0.20mmol)のDMA(1.5mL)溶液を添加する。反応混合物をrtで18時間撹拌し、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製して所望の生成物を得る。
収量:84.0mg(99%) ESI-MS:m/z=501(M+H)
+ Rt(HPLC):2.56分(方法5)
[4-メトキシ-5-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-ピリジン-2-イル]-[(1S,4S)-5-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-メタノン
中間体(2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-[(R)-3-メチル-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-メタノンの合成について記載された方法に従って、4-メトキシ-5-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸(88.0mg、0.30mmol)および(1S,4S)-2-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(71.6mg、0.30mmol)から表題化合物を合成する。
収量:110mg(77%)
(2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-[(1S,4S)-5-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]-メタノン
中間体(2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-[(R)-3-メチル-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-メタノンの合成について記載された方法に従って、2-メトキシ-4’-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-カルボン酸(65.0mg、0.22mmol)および(1S,4S)-2-(6-ニトロソ-ピリダジン-3-イル)-2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(53.0mg、0.22mmol)から表題化合物を合成する。
収量:105mg(99%) Rt(HPLC):2.13分(方法5)
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.50g、4.54mmol)および5-ブロモ-2-ニトロピリジン(1.00g、4.93mmol)の1,4-ジオキサン(12mL)溶液にCs
2CO
3(4.44g、13.6mmol)、Pd
2(dba)
3(208mg、0.23mmol)およびXantphos(263mg、0.45mmol)を添加する。反応混合物を100℃で24時間撹拌する。その後、セライト(登録商標)でろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製して表題化合物を得る。
収量:1.35g(66%) ESI-MS:m/z=453(M+H)
+ R
t(HPLC):1.31分(方法1)
(R)-4-(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
(R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-4-(6-ニトロ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.35g、2.98mmol)およびPd/C(317mg、0.15mmol)のメタノール(20mL)溶液を、H
2風船を使用しながら24時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過し、メタノールで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮する。
収量:1.26g(定量的)
[(R)-4-(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-ピペラジン-2-イル]-メタノール二塩酸塩
(R)-4-(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.26g、2.98mmol)のDCM(10mL)および4M HCl・1,4-ジオキサン溶液(7.5mL、30.0mmol)をrtで1時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、エーテル中でスラリー化させ、ろ過し、エーテルで洗浄して表題化合物を得る。
収量:838mg(定量的)
化合物の合成
一般的方法IV
カルボン酸(1.0eq)(次の表5の中間体2)およびHATU(1.2eq)の適切な体積のDMA(0.18mmolの中間体1につき約0.5mLから1mLのDMA)溶液を15分間撹拌し、アミン(1eq)(次の表5の中間体1)およびDIPEA(5eq)の適切な体積のDMA(0.18mmolの中間体1につき約0.5mLから1mLのDMA)溶液に添加する。反応混合物をrtで18時間撹拌する。逆相HPLC(C-18カラム、酸性または塩基性条件)を用いて粗製の反応混合物を精製して所望の生成物を得る。
一般的方法V
カルボン酸(1.0eq)(次の表5の中間体2)およびCDI(1.3eq)の適切な体積のDMA(0.25mmolの中間体1につき約2mLのDMA)を30分間撹拌し、アミン(1.0eq)(次の表5の中間体1)およびDIPEA(2eq)を添加する。反応混合物をrtで18時間撹拌する。逆相HPLC(C-18カラム、酸性または塩基性条件)を用いて粗製の反応混合物を精製して所望の生成物を得る。
化合物の合成 一般的方法VI
4-(6-アミノ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-イル]-(4-メトキシ-5-トリメチルスタンナニル-ピリジン-2-イル)-メタノン(1.0eq)(次の表6の中間体2)、臭素化合物(1.3eq)(次の表6の中間体1)およびテトラキスPd(0.1eq)を、脱気した適切な体積の1,4-ジオキサン中で、50℃から150℃までの温度で、封管中で2時間加熱する。反応混合物をろ過し、生成物を逆相カラムクロマトグラフィーによりまたはシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。
化合物の合成
一般的方法VII
ニトロ誘導体(次の表7の中間体1)(1.0eq)の氷酢酸(0.2mmolの中間体1につき約1.0mLの氷酢酸につき0.2mmolの中間体1)および適切な体積のエタノール(0.2mmolの中間体1につき約1.0mLのエタノール)溶液に亜鉛金属(10eq)を添加する。反応混合物をrtで2時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過し、エタノールで洗浄し、減圧下で濃縮する。続いて残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)およびその後逆相HPLCにより精製する。
一般的方法VIII
ニトロソ誘導体(次の表7の中間体1)(1eq)の適切な体積のエタノール(0.2mmolの中間体1につき約1.0mLのエタノール)にPd/C(0.1eq)および水素を充填した風船を添加する。反応物をrtで4時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)でろ過し、メタノールで洗浄し、減圧下で濃縮する。残渣を逆相HPLCにより精製する。
4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの別の合成法
4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.24g、4.00mmol)、(6-クロロ-5-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(1.04g、4.00mmol)およびPdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.33g、0.40mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)および2M 水性Na
2CO
3溶液(4.0mL、8.0mmol)に5分間窒素を通し、その後マイクロ波中で、150℃で30分間加熱する。反応混合物を酢酸エチル(10mL)および水(10mL)で希釈し、層を分離する。水性のフラクションを酢酸エチル(10mL)で抽出する。合わせた有機フラクションを塩水(25mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。
収量:0.11g(9%) ESI-MS:m/z=307(M+H)
+ R
t(HPLC):0.65分(方法5)
4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの別の合成法
窒素雰囲気下、4-(6-アミノ-4-メトキシ-ピリダジン-3-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル(405mg、1.32mmol)のMeOH(10mL)および酢酸(1mL)溶液にPd/C(0.14g、0.13mmol)を添加する。反応混合物を脱気し、水素の風船に供する。反応が完了するまで、反応混合物をRTで撹拌する。反応物をろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)に供する。
収量:0.39mg(95%) ESI-MS:m/z=309(M+H)
+ R
t(HPLC):0.73分(方法5)
エチル 2-(N-ベンジル-2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-4,4-ジフルオロブタンアミド)アセテート
2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-4,4-ジフルオロブタン酸(0.50g;2.09mmol)およびN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.43g;2.09mmol)のDCM(14mL)溶液をRTで5分間撹拌する。エチル 2-(ベンジルアミノ)アセテート(0.39mL;2.09mmol)を添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、さらに精製することなく使用する。
収量:定量的 ESI-MS:m/z=415(M+H)
+ R
t(HPLC):1.07分(方法3)
1-ベンジル-3-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-2,5-ジオン
エチル 2-(N-ベンジル-2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-4,4-ジフルオロブタンアミド)アセテート(2.60g;6.27mmol)およびTFA(33mL;0.43mol)のDCM(33mL)溶液をRTで1.5時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をEtOH(30mL)およびトリエチルアミン(4.4mL;31.35mmol)に取り込む。還流温度で1.5時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)により精製する。
収量:1.65g(98%) ESI-MS:m/z=269(M+H)
+ R
t(HPLC):0.58分(方法3)
1-ベンジル-3-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン
1-ベンジル-3-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-2,5-ジオン(1.65g;6.15mmol)およびリチウムアルミニウムハイドライド(1mol/L;THF溶液;24.60mL;24.60mmol)のTHF(36mL)溶液を還流温度で2時間撹拌する。RTまで冷却した後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、0℃に冷却する。水(1mL)をゆっくりと添加し、その後NaOH(15%;水溶液、1mL)および水(3mL)を添加する。MgSO
4を混合物に添加し、RTで一晩撹拌する。混合物をセライト(登録商標)でろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:1.00g(68%) ESI-MS:m/z=241(M+H)
+ R
t(HPLC):0.76分(方法3)
tert-ブチル 4-ベンジル-2-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート
1-ベンジル-3-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン(0.43g;1.80mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.51g;2.34mmol)およびトリエチルアミン(0.50mL;3.60mmol)のDCM(18mL)溶液をRTで一晩撹拌する。反応混合物をDCMで希釈し、水および塩水で洗浄する。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製する。
収量:0.46g(75%) ESI-MS:m/z=341(M+H)
+ R
t(HPLC):1.25分(方法3)
tert-ブチル 2-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル 4-ベンジル-2-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.46g;1.35mmol)の酢酸(27.09mL;1.35mmol)溶液を、H-Cube水素化カートリッジ(1.0mL/分;80バール;80℃)を通過させる。溶媒を蒸発させ、残渣をDCMに取り込み、NaHCO
3(飽和水溶液)で中和する。有機層を、フェーズセパレーターを通過させ、減圧下で濃縮する。残渣をさらに精製することなく使用する。
収量:0.32g(94%)
化合物71の別の製造法
5-[1-(4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピリジン-2-アミン
メチル 4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボキシレート
メチル 4-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボキシレート(0.25g;0.85mmol、商業的に入手可能、MFCD18727245)、PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.14g;0.17mmol)、K
3PO
4(0.36g;1.71mmol)およびブロモベンゼン(0.13g;0.85mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)および水(0.25ml)溶液をアルゴンでパージする。反応混合物をマイクロ波中、120℃で60分間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、精製することなく組成の生成物としてさらに使用する。
収量:0.21g(定量的)
4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボン酸
メチル 4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボキシレート(0.80g;3.29mmol)およびLiOH(0.16g;6.58mmolの1mL水溶液)のTHF/MeOH(4mL/2mL)をRTで2時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣を水に取り込み、水性の濃HClを用いて酸性化する。生成物を凍結乾燥により単離する。
収量:0.75g(定量的)ESI-MS:m/z=230(M+H)
+ R
t(HPLC):0.56分(方法2)
5-[1-(4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピリジン-2-アミン トリフルオロ酢酸
4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボン酸(55.0mg;0.24mmol)、HATU(110.0mg;0.29mmol)およびDIPEA(105.0μL;0.61mmol)のDMF(3mL)溶液をRTで30分間撹拌する。5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(50.0mg;0.28mmol)を添加する。RTで一晩撹拌した後、反応混合物をRP-HPLC(ACN/水+TFA)により精製する。
収量:75.0mg(71%) ESI-MS:m/z=389(M+H)
+ R
t(HPLC):0.74分(方法7)
化合物105の別の合成法
4-メトキシ-5-[4-(4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-アミン
5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン
5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-アミン(9.50g;46.79mmol)、ヘキサン-2,5-ジオン(7.1mL;60.83mmol)およびp-トルエンスルホン酸(0.81g;4.68mmol)のトルエン(80mL)溶液をDean-Stark装置中で、120℃で一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM)により精製する。
収量:7.60g(58%) ESI-MS:m/z=281/283(M+H)
+ R
t(HPLC):1.13分(方法7)
1-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン ビストリフルオロ酢酸
工程1:
アルゴン雰囲気下で反応を実施する。5-ブロモ-2-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン(0.60g;2.13mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(0.44g;2.36mmol)、CPhos-3G-パラダサイクルメタンスルホネート(0.17g;0.21mmol)および炭酸セシウム(2.10g;6.45mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液を80℃で一晩撹拌する。反応混合物をRP-HPLC(ACN/水+NH
3)により精製する。tert-ブチル 4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートを含むフラクションを回収し、凍結乾燥する。
ESI-MS:m/z=387(M+H)
+ R
t(HPLC):1.11分(方法7)
工程2:
前工程からのtert-ブチル 4-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートを適切な量のCH2Cl2に取り込み、TFA(1mL)を添加する。RTで一晩撹拌した後、さらなるTFA(0.3mL)を添加し、40℃で3時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、さらに精製することなく使用する。
収量:定量的 ESI-MS:m/z=287(M+H)+ Rt(HPLC):0.67分(方法7)
4-メトキシ-5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン
1-[6-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-メトキシピリジン-3-イル]ピペラジン ビストリフルオロ酢酸(1.20g;2.33mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.70g;10.03mmol)およびトリエチルアミン(1.00mL;7.11mmol)のEtOH/水(1/1、16mL)溶液を80℃で一晩撹拌する。有機溶媒を減圧下で除去し、残渣をRP-HPLC(ACN/水+NH
3)により精製する。
収量:0.29g(60%) ESI-MS:m/z=209(M+H)
+ R
t(HPLC):0.35分(方法9)
4-メトキシ-5-[4-(4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-アミン
4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボン酸(0.11g;0.46mmol)、HATU(0.18g;0.46mmol)およびDIPEA(200μL;1.16mmol)のDMF(3mL)溶液をrtで30分間撹拌する。4-メトキシ-5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(95.0mg;0.46mmol)を添加する。Rtで一晩撹拌した後、反応混合物をRP-HPLC(ACN/水+NH
3)により精製する。
収量:40mg(21%) ESI-MS:m/z=420(M+H)
+ R
t(HPLC):0.87分(方法9)
化合物27の別の製造方法
6-(1-{4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボニル}ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3-アミン
4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボン酸
アルゴン雰囲気下で反応を実施する。メチル 5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボキシレート(100.0mg;0.41mmol)、[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(84.9mg;0.45mmol)、XPhos Pd G2(9.6mg;0.01mmol)および炭酸ナトリウム(2mol/L;水溶液;0.81mL;1.63mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)溶液を100℃で2時間撹拌する。反応混合物をRP-HPLC(ACN/水+TFA)により精製する。
収量:70mg(58%) ESI-MS:m/z=298(M+H)
+ R
t(HPLC):0.87分(方法7)
6-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3-アミン二塩酸塩
tert-ブチル 4-(6-アミノピリダジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.10g;0.36mmol)およびHCl(4mol/L;1,4-ジオキサン溶液;1mL;4.00mmol)の1,2-ジクロロエタン(3mL)溶液をRTで16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、さらに精製することなく使用する。
収量:82mg(82%)
6-(1-{4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボニル}ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3-アミン
4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボン酸(0.30g;1.01mmol)、6-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3-アミン二塩酸塩(0.22g;0.87mmol)、HATU(0.46g;1.21mmol)およびDIPEA(0.91mL;5.28mmol)のDMA(5mL)溶液をrtで2時間撹拌する。反応混合物をRP-HPLCにより精製する。
収量:0.10g(22%) ESI-MS:m/z=458(M+H)
+ R
t(HPLC):0.60分(方法16)
化合物36の製造
6-{1-[5-(4-フルオロフェニル)-4-メトキシピリジン-2-カルボニル]ピペリジン-4-イル}ピリダジン-3-アミン
6-[1-(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピリダジン-3-アミン
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸(0.18g、0.80mmol)、TBTU(0.26g、0.80mmol)およびDIPEA(0.55mL、3.19mmol)のDMF(6mL)をRTで5分間撹拌した後、6-ピペリジン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミン二塩酸塩(0.20g、0.80mmol)を添加する。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、その後rtで一晩撹拌する。反応混合物を水で希釈し、得られた沈殿をろ別して表題化合物を得る。
収量:0.15g(49%) ESI-MS:m/z=392/394(Br同位体)(M+H)+ Rt(HPLC):0.74分(方法7)
6-{1-[5-(4-フルオロフェニル)-4-メトキシピリジン-2-カルボニル]ピペリジン-4-イル}ピリダジン-3-アミン*ギ酸
6-[1-(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピリダジン-3-アミン(0.13g;0.32mmol)、(4-フルオロフェニル)ボロン酸(0.07g;0.48mmol)およびリン酸カリウム(0.14g;0.64mmol)の1,4-ジオキサン/水(2mL/0.25mL)溶液をアルゴンで5分間パージする。PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(0.05g;0.06mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間パージする。反応混合物を120℃で1時間撹拌し、その後反応混合物をRP-HPLC(ACN/水/ギ酸)により精製する。
収量:40mg(31%) ESI-MS:m/z=408(M+H)
+ R
t(HPLC):0.75分(方法7)
5-(4-フルオロ-フェニル)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸の別の合成法
アルゴン雰囲気下で反応を実施する。メチル 5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボキシレート(0.25g;1.00mmol)、2-(4-フルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.22g;1.00mmol)および炭酸ナトリウム(2mol/L;水溶液;2.00mL;4.00mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)溶液をアルゴンで5分間パージする。XPhos Pd G2(0.08g;0.10mmol)を触媒として添加する。80℃で一晩撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで2回洗浄する。HCl(1mol/L;水溶液)を用いて水層をpH 5~6に酸性化する。得られた沈殿をろ過し、水で洗浄し、乾燥させる。
収量:0.08g(32%) ESI-MS:m/z=248(M+H)
+ R
t(HPLC):0.60分(方法9)
化合物84の合成
4-メトキシ-5-(1-{4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボニル}ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン
tert-ブチル 6-アミノ-4-メトキシ-1’,2’,3’,6’-テトラヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-1’-カルボキシレート
アルゴン雰囲気下で反応を実施する。5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-アミン (7.40g;32.80mmol)、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-カルボキシレート(11.16g;36.08mmol)および炭酸ナトリウム(2mol/L;水溶液;65.60mL;131.21mmol)の1,4-ジオキサン(300mL)をアルゴンでパージする。5分後、Xphos Pd第二世代(0.77g;0.98mmol)を添加し、反応混合物を封管バイアル中、100℃で一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣を水に取り込み、EtOAcで数回抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製する。
収量:9.69g(97%) ESI-MS:m/z=306[M+H]
+ R
t(HPLC):0.83min(方法15)
tert-ブチル 4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
水素雰囲気下、(Parr器具;50psi)、tert-ブチル 6-アミノ-4-メトキシ-1’,2’,3’,6’-テトラヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-1’-カルボキシレート(5.11g;16.73mmol)およびPd/C(10%;0.60g)のMeOH(100mL)をRTで41.5時間撹拌する。さらなる触媒を2回添加し、反応混合物をさらに水素化する。ろ過により触媒を除去した後、母液を減圧下で濃縮する。生成物をさらに精製することなく使用する。
収量:4.71g(92%) ESI-MS:m/z=308 [M+H]
+ R
t(HPLC):0.82分(方法15)
4-メトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩
tert-ブチル 4-(6-アミノ-4-メトキシピリジン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシレート(6.90g;22.45mmol)およびHCl(4mol/L;1,4-ジオキサン溶液;69.00mL;224.47mmol)のDCM(89.70mL)溶液をRTで一晩撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣をジエチルエーテル中で粉砕してろ過する。生成物をさらに精製することなく使用する。
収量:5.30g(84%) ESI-MS:m/z=208 [M+H]
+ R
t(HPLC):0.66分(方法9)
4-メトキシ-5-(1-{4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボニル}ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン*ギ酸
4-メトキシ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン-2-カルボン酸(28.7mg;0.12mmol)およびHATU(53.7mg;0.12mmol)のDMA(1.5mL)、4-メトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩(35.0mg;0.12mmol)およびDIPEA(0.11mL;0.59mmol)を添加する。RTで一晩撹拌した後、反応混合物をRP-HPLC(ACN/水/ギ酸)により精製する。
収量:31mg(53%) ESI-MS:m/z=487(M+H)
+ R
t(HPLC):1.13分(方法5)
化合物68の製造
5-[4-(4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-アミン
5-[4-(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-アミン
5-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸(0.25g、1.08mmol)、5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-アミン(0.19g;1.08mmol)、TBTU(0.52g、1.62mmol)およびDIPEA(0.39mL、2.26mmol)のDMA(2.5mL)溶液を2時間撹拌する。得られた反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。
収量:42mg(10%)
5-[4-(4-メトキシ-5-フェニルピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-アミン
5-[4-(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-アミン(50.0mg;0.13mmol)、フェニルボロン酸(19.0mg;0.19mmol)およびリン酸カリウム(25.0mg;0.25mmol)の1,4-ジオキサン/水(2mL/0.25mL)溶液をアルゴンで5分間パージする。PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(21.0mg;0.03mmol)を添加し、再びアルゴンで5分間パージする。反応混合物を120℃で1時間撹拌する。反応混合物をRP-HPLCにより精製する。
収量:5.2mg(11%) ESI-MS:m/z=390(M+H)
+ R
t(HPLC):0.47分(方法16)
化合物79の製造
6-[1-(3-メトキシ-4-{6-[(1-メチルシクロプロピル)メトキシ]ピリジン-3-イル}ベンゾイル)ピペリジン-4-イル]ピリダジン-3-アミン
5-ブロモ-2-[(1-メチルシクロプロピル)メトキシ]ピリジン
5-ブロモ-2-フルオロピリジン(0.25g;1.42mmol)、(1-メチルシクロプロピル)メタノール(0.18g;2.13mmol)およびカリウムtert-ブトキシド(0.29g;2.56mmol)のTHF(5mL)溶液をRTで24時間撹拌する。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈する。水層をEtOAcで2回洗浄する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン)により精製する。
収量:0.23g(67%)
{4-[4-(6-アミノピリダジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボニル]-2-メトキシフェニル}ボロン酸
4-(ジヒドロキシボラニル)-3-メトキシ安息香酸(1.00g;5.10mmol)およびTBTU(4.92g;15.31mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(25mL)溶液に6-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3-アミン二塩酸塩(1.64g;6.53mmol)およびDIPEA(6.22mL;35.72mmol)を添加する。RTで一晩撹拌した後、、反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH
4OH)。
収量:1.40g(77%)
6-[1-(3-メトキシ-4-{6-[(1-メチルシクロプロピル)メトキシ]ピリジン-3-イル}ベンゾイル)ピペリジン-4-イル]ピリダジン-3-アミン * ギ酸
{4-[4-(6-アミノピリダジン-3-イル)ピペリジン-1-カルボニル]-2-メトキシフェニル}ボロン酸(50.0mg;0.14mmol)、5-ブロモ-2-[(1-メチルシクロプロピル)メトキシ]ピリジン(34.0mg;0.14mmol)、リン酸カリウム(59.6mg;0.28mmol)およびPdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(22.9mg;0.03mmol)を脱気した1,4-ジオキサン/水(2mL/0.25mL)中で混合し、アルゴンでパージする。反応混合物をマイクロ波中、120℃で1時間撹拌する。反応混合物をRP-HPLC(ACN/水/ギ酸)により精製する。
収量:19.0mg(29%) ESI-MS:m/z=475(M+H)
+ R
t(HPLC):0.66分(方法16)
化合物35の製造
6-{1-[5-(3-フルオロフェニル)-4-メトキシピリジン-2-カルボニル]ピペリジン-4-イル}ピリダジン-3-アミン
6-[1-(5-ブロモ-4-メトキシピリジン-2-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピリダジン-3-アミン(50.0mg;0.13mmol)、(3-フルオロフェニル)ボロン酸(21.4mg;0.15mmol)、リン酸カリウム(54.1mg;0.26mmol)およびPdCl
2(dppf)CH
2Cl
2(20.8mg;0.03mmol)を脱気した1,4-ジオキサン/水(2mL/0.25mL)中で混合し、アルゴンでパージする。反応混合物をマイクロ波中、120℃で1時間撹拌する。反応混合物をRP-HPLCにより精製する。
収量:5mg(10%) ESI-MS:m/z=408(M+H)
+ R
t(HPLC):0.50分(方法16)
生物活性の評価
ハイスループットスクリーニングアッセイ
本スクリーニングアッセイは、商業的に入手可能なDAGリガンドアナログであるOAG(1-オレオイル-2-アセチル-sn-グリセロール)またはTRPC6アゴニストである1-[1-(4,5,6,7,8-ペンタヒドロシクロヘプタ[2,1-d]チオフェン-2-イルカルボニル)-4-ピペリジル]-3-ヒドロベンズイミダゾール-2-オン(GSK1702934A)の付加によるヒトTRPC6(一過性受容体電位カチオンチャネル、サブファミリーC、メンバー6)イオンチャネル活性化を測定する。当該アッセイは、Molecular Devices社の蛍光カルシウムセンサー、4-(6-アセトキシメトキシ-2,7-ジフルオロ-3-オキソ-9-キサンテニル)-4’-メチル-2,2’-(エチレンジオキシ)ジアニリン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸 テトラキス(アセトキシメチル)エステル(Fluo4/AM)色素を使用する。蛍光シグナル増加により測定される細胞内カルシウム濃度の変化(増加)は、チャネル活性の尺度を提供する。
商業的に入手可能なHEK293/TREx株(Invitrogen)をヒトTRPC6コンストラクトで安定的にトランスフェクトし、従来のカルシウムイメージングでスクリーニングして、1μg/mlテトラサイクリンで刺激した後、ヒトTRPC6発現を有するクローンを発見した。ヒトTRPC6コンストラクトの保持を促進するために、これらの細胞を100μg/mlハイグロマイシンを補充した製造者が推奨する増殖培地で維持した。コンフルエンシー付近まで増殖させた後、1μg/ml テトラサイクリンの存在下、細胞を384ウェルCellBindプレート(Corning)に約35,000細胞/ウェルの密度で播種し、20~30時間増殖させた。ほぼコンフルエントな単層を得た。増殖培地をウェルから除去し、その後、1% Pluronic F-127を補充した、リンガー溶液(6.5g NaCl、0.42g KCl、0.25g CaCl2および0.2gの重炭酸ナトリウム;pH7.4)で最終濃度0.5μMに希釈した25mLのFluo4/AMとともに細胞を充填し、室温で60分間インキュベートした。その後、プレートを反転させて、鋭く軽打することにより、細胞から染色溶液を除去し、25μlのリンガー溶液で置き換えた。充填からの回復のための約0.5時間後、485nmの照明を可能にするHamamatsu FDSS 6000系を用いて細胞をアッセイした。0.2Hzの割合でフレームを捕捉した。アッセイ中、各試薬の添加後にウェルをピペットで混合しながら、プレートを継続的にボルテックスした。スクリーニングアッセイのために、短い(4フレーム)ベースラインの収集後、26μlの希釈した化合物ストック(50μM)を2分間各ウェルに添加した。その後、高Ca2+リンガー溶液(90mM Ca2+を含む)に希釈した125nM GSK1702934Aから成る13μlのアゴニスト溶液を各ウェルに添加し、20mMのCa2+および10μMの試験化合物に達した。高Ca2+リンガー溶液の添加後、データを約3分間収集した。特定の時点で観測された各ウェルについての蛍光強度をそのウェルについての最初の蛍光強度で除し、最終フレームを除いて、試験中に得られた最後の4フレームの生じた蛍光割合を平均化することにより、全体的な応答を決定した。各プレートには陰性および陽性対照が含まれた。陰性対照ウェルは、アッセイ緩衝液およびアゴニスト溶液に曝露されたが、試験化合物に曝露されていないHEK293/TREx TRPC6細胞から成った。陽性対照は、リンガー溶液およびアゴニスト溶液に希釈された25μM 3-[(2-クロロフェノキシ)メチル]フェニルピペリジルケトン(Chembridge)に暴露されたHEK293/TREx TRPC6細胞から成った。これらの対照はそれぞれ、0パーセントおよび100パーセントのブロックをそれぞれ定義し、各ウェルの強度をこれらに対して標準化した。
10μMで化合物を試験する代わりに20μM、6.667μM、2.222μM、0.741μM、0.247μM、0.082μMおよび0.027μMの最終濃度で化合物を試験することを除いて、上記蛍光法を用いてIC50を決定した。化合物を全ての濃度で、トリプリケートで試験した。IC50曲線を適合させるために、標準ソフトウェアを使用した。
本願発明の化合物の生物活性はまた、ヒトTRPC6パッチクランプアッセイを用いて示され得る。
治療的使用方法
TRPC6の阻害は、TRPC6活性により悪化する多様な疾患または状態を予防および処置するための魅力的な手段である。本明細書に開示される化合物は、TRPC6活性を効率的に阻害する。特に、本発明の化合物は選択的イオンチャネル阻害剤であり、ヒトミクロソームにおける良好な代謝安定性を有する。より具体的には、本発明の化合物はTRPC3、TRPC5およびTRPC7を含む他のTRPチャネルと比較して、TRPC6チャネルに対する極めて良好な効能および選択性を有する。このように、本発明の化合物は、次の疾患および状態:心臓状態(例えば、心肥大)、高血圧(例えば、本態性または二次性)、肺動脈性高血圧(例えば、IPAH)、神経変性疾患または障害(例えば、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および外傷または加齢を含む他の損傷により引き起こされる他の脳障害)、炎症性疾患(例えば、喘息、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患、リウマチ性関節炎、骨関節症、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよび免疫系の障害)、子癇前症および妊娠誘発性高血圧、腎疾患(巣状分節性糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症もしくは糖尿病性腎臓病、慢性腎臓病、腎不全、末期腎不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、微小変化群)、虚血または虚血性再灌流傷害、癌、糖尿病のような代謝障害、特発性肺線維症(IPF)ならびに急性呼吸器疾患症候群(ARDS)を含む、背景技術および詳細な説明の項に記載の疾患および状態の処置に有用である。前記または次の疾患および状態のいずれかを予防または処置する方法は、これらの疾患または状態に関連する症状のいずれかを処置することを含む。例えば、腎疾患を処置する方法は、限定されないが、二次性高血圧、タンパク質尿症、脂肪尿、高コレステロール血症、高脂血症および凝固異常を含む症状を処置することを企図する。
細胞活性化、細胞骨格再構成、遺伝子発現、細胞輸送およびアポトーシス細胞死を含む多くの細胞プロセスにおいてカルシウム調節が果たす重要な役割のため、カルシウム異常ホメオスタシスは多くの疾患および障害に関与する。これらの疾患および障害は神経学的および神経変性疾患および障害;炎症性腸疾患およびクローン病のような炎症性疾患および障害;高カルシウム血症、腎結石および多嚢胞性腎疾患のような腎疾患;肥満および糖尿病を含む代謝疾患および障害;肝臓および腎疾患および障害;高血圧を含む心血管疾患および障害;COPD、IPAHおよび喘息含む呼吸器疾患;ならびに脳、乳房、腎臓、頸、前立腺、消化管、皮膚および上皮の癌を含む癌を含む。
これらの障害はヒトにおいて十分に特徴付けられているが、他の哺乳動物においてもまた類似の病因と共に存在し、本発明の医薬組成物により処置され得る。
従って、本明細書に記載されるように、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、上記または背景技術および詳細な説明の項に記載の疾患または障害を含む、TRPC6介在性疾患または障害を処置するための医薬の製造のために使用され得る。
治療的使用のために、本発明の化合物はいずれかの従来法における任意の従来の医薬剤形で、医薬組成物により投与され得る。従来の剤形は、典型的に、特定の選択された剤形に適切な薬学的に許容される担体を含む。投与経路は、限定されないが、静脈内、筋肉内、皮下、滑液嚢、輸液、舌下、経皮、経口、局所または吸入によるものを含む。好ましい投与の様式は、経口および静脈内を含む。
本発明の化合物は単独で、または他の有効成分も含めて、阻害剤の安定性を向上させ、特定の実施態様における本発明の化合物を含む医薬組成物の投与を容易にし、溶解性または分散性の増大を提供し、阻害活性を増大させ、補助療法を提供するなどのアジュバントと組み合わせて投与され得る。ある実施態様において、例えば、複数の本発明の化合物が投与され得る。有利に、このような組み合わせ療法は、より低用量の従来の治療剤を使用するため、それらの薬剤が単一の治療剤として使用されたときに生じる可能性のある毒性および有害な副作用を回避する。本発明の化合物は、従来の治療剤または他のアジュバントと、単一の医薬組成物に物理的に組み合わせられる。有利に、化合物は単一の剤形で合わせて投与され得る。いくつかの実施態様において、このような化合物の組合せを含む医薬組成物は、少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約20%(w/w)の本発明の化合物またはそれらの組合せを含む。本発明の化合物の最適な割合(w/w)は、変化することがあり、それは当業者の権限の範囲内である。あるいは、本発明の化合物および従来の治療剤または他のアジュバントは、逐次的にまたは並行して)投与され得る。別々の投与は、投与レジメンにおいてより高い柔軟性を可能にする。
上記のとおり、本発明の化合物の剤形は、当業者に既知であり、かつその剤形に適切な薬学的に許容される担体およびアジュバントを含み得る。これらの担体およびアジュバントは、例えば、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、緩衝物質、水、塩または電解質およびセルロースに基づく物質を含み得る。好ましい剤形は、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、液剤、溶液剤、懸濁剤、エマルジョン剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、再構成可能な粉末剤、顆粒剤、坐剤および経皮パッチ剤を含む。このような剤形を製造する方法は既知である(例えば、H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger(1990)を参照)。本発明の化合物についての投与レベルおよび要件は、当業者により特定の患者に対して適切な、使用可能な方法および技術から選択され得る。いくつかの実施態様において、投与レベルは70kgの患者に対して約1~1000mg/用量の範囲である。1日あたり1用量で十分であり得るが、1日あたり最大5用量が与えられ得る。経口用量について、最大2000mg/日が必要であり得る。当業者が理解するように、より低用量またはより高用量は、特定の因子に応じて必要とされ得る。例えば、具体的な投与および処置レジメンは、患者の一般的な健康プロファイル、患者の障害の重篤度および経過またはそれらに対する経口ならびに処置する医師の判断のような因子に依存する。
本発明の化合物は単独で、または1以上のさらなる治療剤と組み合わせて使用され得る。さらなる治療剤の非限定的な例は:
カンデサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、アジルサルタンおよびメドキソミルのようなアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(アンギオテンシン受容体ブロッカー(ARB))
アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリルおよびペリンドプリル);
α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、ミグリトールおよびアカルボース)、アミリンアナログ(例えば、プラムリンチド)、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤(例えば、アログリプチン、シタグリプチン、サクサグリプチンおよびリナグリプチン)、インクレチン模倣薬(例えば、リラグルチド、エクセナチド、リラグルチド、エクセナチド、デュラグルチド、アルビグルチド、およびリキシセナチド)、インスリン、メグリチナイド(例えば、レパグリニドおよびナテグリニド)、ビグアナイド(例えば、メトホルミン);SGLT-2阻害剤(例えば、カナグリフロジン、エンパグリフロジンおよびダパグリフロジン)、スルホニル尿素(例えば、クロロプロパミド、グリメピリド、グリブリド、グリピジド、グリブリド、トラザミドおよびトルブタミド)およびチアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)のような抗糖尿病剤;
短期活性型および長期活性型βアゴニスト(例えば、アルブテロール、レバルブテロール、サルメテロール、フォルモテロールおよびアルフォルモテロール)ならびに短期および長期活性型抗コリン作用薬(イプラトロピウム、チオトロピウム、ウメクリニジウム、グリコピロレートi)およびアクリジニウム)を含む気管支拡張剤
フルチカゾンおよびブデソニドのようなステロイド
を含み得る。
組合せ処置として組合せ製剤が使用されるとき、本発明の化合物および1以上のさらなる薬剤は同一の剤形または異なる剤形で投与され得る。本発明の化合物および1以上のさらなる薬剤は、レジメンの一部として同時にまたは別々に投与され得る。