本明細書の全体にわたり提供される式(I)の様々な基及び置換基の代替定義は、本明細書に開示された各化合物種を、個々に、1個以上の化合物種の基も同様に詳細に記載することが意図されている。本発明の範囲には、これらの基及び置換基の定義の任意の組合せが含まれる。本発明の化合物は、当業者が理解するように、「化学的に安定」であると考えられるもののみである。
本発明の化合物が、双性イオン性形態を含む他の互変異性体、又は異性体で存在し得ることは、当業者により理解されよう。本明細書に記載される式及び化合物の全ての互変異性体(双性イオン性形態を含む)及び異性体は、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
本発明の化合物には、それだけには限らないが、式(A)、式(B)及び/若しくは式(C)が含まれる互変異性体(又は異性体)、又はそれだけには限らないが、式(D)若しくは式(E)が含まれる双性イオン性形態で存在し得ることもまた、当業者により理解されよう。式(B)、(C)、(D)又は(E)において、Rの各存在は、独立して、H又は窒素に適切な任意の置換基、例えばアルキルである。
本明細書に記載される中間体化合物及び/又は本発明の化合物に与えられた化学名は、そのような化合物の互変異性的/異性的表現(場合によっては、そのような代替名は経験的に与えられる)の任意の1つを表し得る。名称付けされた化合物(中間体化合物若しくは本発明の化合物)又は構造的に示された化合物(中間体化合物若しくは本発明の化合物)に対するいかなる言及も、そのような化合物及びその任意の混合物の、双性イオン性形態を含めた全ての互変異性体/異性体を包含することが意図されていることを理解されたい。
本明細書で使用される時、用語「ハロ(アルキル)」とは、規定された数(n)の炭素原子及び1個以上の(2n+1まで)のハロゲン原子を有する、飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基を表す。例えば、用語「ハロ(C1-C4アルキル)」とは、1~4個の炭素原子を含有するアルキル部分の1個以上の炭素原子において、同一の又は異なってもよい1個以上のハロゲン原子を有する基を表す。「ハロ(C1-C4アルキル)」基の例には、それだけには限らないが、-CF3(トリフルオロメチル)、-CCl3(トリクロロメチル)、1,1-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、及びヘキサフルオロイソプロピルが含まれる。
「アルケニル」とは、規定された数の炭素原子並びに少なくとも1個及び3個までの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖又は分岐の炭化水素基を表す。例にはエテニル及びプロペニルが含まれる。
「アルキニル」とは、規定された数の炭素原子並びに少なくとも1個及び3個までの炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分岐の炭化水素基を表す。例にはエチニル及びプロピニルが含まれる。
「アルコキシ-」又は「(アルキル)オキシ-」とは、アルキル部分を含有し、酸素連結原子を介して結合している、規定された数の炭素原子を有する「アルキル-オキシ-」基を表す。例えば、用語「C1-C4アルコキシ-」とは、酸素連結原子を介して結合している、少なくとも1個及び4個までの炭素原子を有する飽和の直鎖又は分岐の炭化水素部分を表す。例示的な「C1-C4アルコキシ-」又は「(C1-C4アルキル)オキシ-」基には、それだけには限らないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、及びt-ブトキシが含まれる。
本明細書で使用される時、用語「ハロ(アルコキシ)-」とは、酸素連結原子を介して結合している、規定された数(n)の炭素原子及び1個以上(2n+1まで)のハロゲン原子を有する、飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基を表す。例えば、用語「ハロ(C1-C4アルコキシ)-」とは、酸素連結原子を介して結合している、「ハロ(C1-C4アルキル)」部分を含有する「ハロアルキル-オキシ-」基を表す。例示的な「ハロ(C1-C4アルコキシ)-」基には、それだけには限らないが、-OCHF2(ジフルオロメトキシ)、-OCF3(トリフルオロメトキシ)、-OCH2CF3(トリフルオロエトキシ)、及び-OCH(CF3)2(ヘキサフルオロイソプロポキシ)が含まれる。
複素環式基又は部分は、その環式の基又は部分が、飽和、部分的に不飽和(非芳香族)又は完全に不飽和(芳香族)であってもよく、環員として少なくとも2種の異なる元素の原子を有する環式の基又は部分である。
「ヘテロシクロアルキル」とは、3~10個の環原子を含有し且つ独立して、酸素、硫黄、及び窒素から選択される1個以上(一般に1個又は2個)のヘテロ原子環員を含有する、非芳香族の単環式又は二環式の基を表す。ヘテロシクロアルキル基の結合点は、任意の好適な炭素又は窒素原子によってもよい。
「ヘテロシクロアルキル」基の例には、それだけには限らないが、アジリジニル、チイラニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、1,3-ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチオラニル、1,3-オキサチアニル、1,3-ジチアニル、1,4-オキサチオラニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジチアニル、モルホリニル、チオモルホリニル、及びヘキサヒドロ-1H-1,4-ジアゼピニルが含まれる。
用語「5~6員ヘテロシクロアルキル」とは、5又は6個の環原子を含有し、独立して、酸素、硫黄、及び窒素から選択される1個又は2個のヘテロ原子を含む、飽和の単環式基を表す。5~6員ヘテロシクロアルキル基の説明的な例には、それだけには限らないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、及びチオモルホリニルが含まれる。
「ヘテロアリール」とは、5~10個の環原子を含有し、独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、該基の少なくとも一部は芳香族である、芳香族の単環式又は二環式の基を表す。例えば、ヘテロアリールという用語は、複素環部分と縮合したフェニル環又は炭素環部分と縮合したヘテロアリール環部分のいずれかを含有する、二環式の複素環式アリール基を包含する。ヘテロアリール基の結合点は、任意の好適な炭素又は窒素原子によってもよい。
用語「5~6員ヘテロアリール」とは、5又は6個の環原子を含有し、少なくとも1個の炭素原子、並びに独立して窒素、酸素及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を含む芳香族単環式基を表す。選択された5員ヘテロアリール基は、1個の窒素、酸素又は硫黄の環ヘテロ原子を含有し、且つ任意選択的に1、2、又は3個の追加の窒素環原子を含有する。選択された6員ヘテロアリール基は、1、2、又は3個の窒素環ヘテロ原子を含有する。5員ヘテロアリール基の例には、フリル(フラニル)、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、及びオキサジアゾリルが含まれる。選択された6員ヘテロアリール基には、ピリジニル(ピリジル)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル及びトリアジニルが含まれる。
用語「9~10員ヘテロアリール」とは、9又は10個の環原子を含有し、独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を含む芳香族二環式基を表す。9員ヘテロアリール(6,5-縮合ヘテロアリール)基の例には、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、インドリニル(ジヒドロインドリル)、イソインドリル、イソインドリニル、インダゾリル、イソベンゾフリル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、トリアゾロピリジニル及び1,3-ベンゾジオキソリルが含まれる。
10員ヘテロアリール(6,6-縮合ヘテロアリール)基の例には、キノリニル(キノリル)、イソキノリル、フタラジニル、ナフトリジニル(1,5-ナフチリジニル、1,6-ナフチリジニル、1,7-ナフチリジニル、1,8-ナフチリジニル)、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル(テトラヒドロキノリニル)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル(テトラヒドロイソキノリニル)、シンノリニル、プテリジニル、及び2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニルが含まれる。
本明細書で使用される時、用語「任意選択的に置換されている」とは、基(アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アリール、若しくはヘテロアリール基など)若しくは環若しくは部分が非置換であってもよいか、又は基、環若しくは部分が、本明細書で提供された置換基の定義(A、R3、など)において定義された1個以上の置換基(複数可)で置換されていてもよいことを示す。基が多くの代替的な基から選択され得る場合には、選択された基は同一又は異なっていてもよい。
用語「薬学的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、ヒト及び動物の組織と接触する使用に対して好適であり、合理的な利益/危険比に相応である、化合物、材料、組成物、及び剤形を表す。
本明細書で使用される時、用語「本発明の化合物(複数可)」又は「この発明の化合物(複数可)」とは、本明細書に定義される、任意の形態における式(I)の化合物を意味し、すなわち、任意の互変異性体/異性体、任意の塩若しくは非塩の形態(例えば、遊離酸若しくは遊離塩基の形態として、又は塩、詳細にはその薬学的に許容される塩として)並びにその任意の物理的形態(例えば、非固体(例えば、液体又は半固体)、及び固体(例えば、非晶質又は結晶形態、特定の多形性形態、水和物形態(例えば、一水和物、二水和物及び半水和物)を含む溶媒和物形態を含む)、並びに様々な形態の混合物を意味する。
したがって、本明細書に定義された式(I)の化合物、その任意の塩又は非塩の形態及び任意の物理的形態において、並びに様々な形態の混合物は、本発明内に含まれる。それらが本発明内に含まれる一方、本明細書に定義された式(I)の化合物は、その任意の塩又は非塩の形態において、及び任意の物理的形態において、製剤目的に関して、多様なレベルの活性、種々の生物学的利用能及び種々の取扱い特性を有し得ることが理解されよう。
本発明の代表的な化合物としては、例えば、実施例の化合物などが挙げられる。本発明は、その遊離塩基として、及びその塩として(例えばその薬学的に許容される塩として)の式(I)の化合物を包含することが理解されるであろう。一実施形態において、本発明は、遊離塩基の形態の式(I)の化合物に関する。別の実施形態において、本発明は、塩、特に薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物に関する。一実施形態において、本発明は、遊離塩基の形態の実施例の化合物に関することがさらに理解されるであろう。別の実施形態において、本発明は、塩、特に薬学的に許容される塩の形態の実施例の化合物に関する。
本発明の化合物は、キラル炭素又はキラル-SO-部分などの1個以上の不斉中心(キラル中心とも称される)を含有し得る。1個以上のキラル中心を含有する本発明の化合物は、ラセミ混合物、ジアステレオマー混合物、エナンチオマーに富む混合物、ジアステレオマーに富む混合物として、又はエナンチオマー的に若しくはジアステレオマー的に純粋な個々の立体異性体として存在し得る。
本発明の化合物中に存在するキラル中心の立体化学は、本明細書で説明される化合物名及び/又は化学的構造において一般に表される。本発明の化合物中又は本明細書で説明される任意の化学的構造に存在するキラル中心の立体化学が規定されない場合、該構造は、任意の立体異性体及びその全ての混合物を包含することが意図されている。したがって、本発明は、他の異性体を実質的に含まない(すなわち、純粋)であるなどの単離された個々の異性体としてであろうと、又は混合物(すなわち、ラセミ体及びラセミ混合物)としてであろうと、式(I)の化合物、及びその塩の全ての異性体を包含する。他の異性体を実質的に含まない(すなわち、純粋)であるなどの単離された個々の異性体は、10%未満、詳細には約1%未満、例えば約0.1%未満の他の異性体が存在するように、単離され得る。
本発明の化合物の個々の立体異性体は、当業者に公知の方法を使用して分解され得る(又は立体異性体の混合物が豊富であり得る)。例えば、そのような分解は、(1)ジアステレオ異性体の塩、複合体若しくは他の誘導体の形成により、(2)例えば酵素的な酸化若しくは還元によるような、立体異性体-特異的試薬との選択的反応により、又は(3)例えば、結合したキラルリガンドを有するシリカなどのキラル基材上で若しくはキラル溶媒の存在下のような、キラル環境におけるガス液体クロマトグラフィー若しくは液体クロマトグラフィーにより、実行され得る。所望の立体異性体が、上述の分離手順の1つにより別の化学物質に変換された場合、所望の形態を遊離させるために、更なる工程が必要とされることが理解されよう。あるいは、特定の立体異性体は、光学活性試薬、基質、触媒若しくは溶媒を使用して不斉合成によるか、又は不斉転換により、1種のエナンチオマーを他のエナンチオマーに変換することにより合成され得る。
本発明はまた、本発明の化合物の様々な重水素化形態も含む。炭素原子に結合している、それぞれの利用可能な水素原子は、独立して重水素原子で置き換えられ得る。当業者には、本発明の化合物の重水素化形態をいかに合成するかは公知であろう。例えば、α-重水素化α-アミノ酸は市販されており又は従来の技術により調製され得る(例えば:Elemes、Y.及びRagnarsson、U.J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1、1996、6、537~40を参照されたい)。そのような化合物を利用することにより、キラル中心における水素原子が重水素原子で置き換えられている化合物の調製が可能となる。他の市販の重水素化出発物質は、本発明の化合物の重水素化類似体の調製において利用され得る(例えば:Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、WIから入手可能なメチル-d3-アミンを参照されたい)か、又は重水素化試薬(例えば、重水素化リチウムアルミニウム若しくは重水素化ホウ素ナトリウムを使用した還元によるか又は金属-ハロゲン交換により続いてD2O若しくはメタノール-d3でクエンチすることによる)を利用して、従来の技術を使用して合成され得る。
式(I)の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、酸付加塩又は塩基付加塩を含んでもよい。好適な薬学的に許容される塩を検討するために、Bergeら、J.Pharm.Sci.、66:1~19、(1977)及びP.H.Stahl及び C.G.Wermuth、編、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection and Use、Weinheim/Zurich:Wiley-VCH/VHCA(2002)を参照されたい。
塩基性アミン又は他の塩基性官能基を含有する式(I)の化合物の塩は、好適な無機酸又は有機酸を用いた遊離塩基の処理などの、当技術分野で公知の任意の好適な方法により調製され得る。そのように形成された薬学的に許容される塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、炭酸塩、重炭酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、シクラム酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩(estolate))、エタン-1,2-ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩(ヘミ-フマル酸塩など)、ガラクタル酸塩(粘液酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、馬尿酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩(二塩酸塩など)、ヨウ化水素酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン-スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩(二リン酸塩など)、プロプリオン酸塩、ピログルタミン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ウンデシレン酸塩、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、2-オキソグルタル酸塩、4-アセトアミド安息香酸塩、及び4-アミノサリチル酸塩が含まれる。
カルボン酸基又は他の酸官能基を含有する開示された化合物の塩は、好適な塩基と反応させることにより調製され得る。そのような薬学的に許容される塩は、薬学的に許容されるカチオンをもたらす塩基を用いて作製され得、アルカリ金属塩(特にナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属塩(特にカルシウム及びマグネシウム)、アルミニウム塩及びアンモニウム塩、同様にトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、トリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N'-ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N-メチルグルカミン、コリジン、コリン、キニーネ、キノリンなどの生理学的に許容される有機塩基、並びにリシン及びアルギニンなどの塩基性アミノ酸から作製される塩を含む。
本発明は、式(I)の化合物の全ての可能な化学量論的及び非化学量論的な形態の塩(例えば、臭化水素酸塩、二臭化水素酸塩、フマル酸塩、ヘミ-フマル酸塩など)を、本発明の範囲内に含む。
開示された化合物又はその塩が、構造により名称付けされるか又は説明される時、その溶媒和物(詳細には、水和物)を含めた化合物又は塩が、結晶形態、非結晶形態、又はこれらの混合物で存在し得ることを理解されたい。化合物若しくは塩、又はその溶媒和物(詳細には、水和物)はまた、多形性(すなわち、種々の結晶形態に生じる能力)も呈し得る。これらの種々の結晶形態は、典型的には、「多形体」として公知である。本発明は、本発明の任意の化合物の全ての多形体を、例えば、任意の塩及び/又はその溶媒和物(詳細には、水和物)を含めた、本明細書で構造により名称付けされるか又は説明される任意の化合物の全ての多形性形態を含むことを理解されたい。
多形体は、同一の化学組成を有するが、結晶性固体の充填、幾何配列、及び他の説明的特性において異なる。多形体は、したがって、形状、密度、硬度、変形能、安定性、及び溶解性などの異なる物理的特性を有し得る。多形体は、典型的には、異なる融点、IRスペクトル、及び粉末X線回折パターンを示し、これは識別に使用され得る。種々の多形体が、例えば、化合物の結晶化/再結晶において使用される条件を変更するか又は調整することにより生成され得ることが理解されよう。多形性形態には、それだけには限らないが、粉末X線回折(XRPD)パターン、赤外線(IR)スペクトル、ラマンスペクトル、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及び固体核磁気共鳴(SSNMR)が含まれる多くの従来的分析技術を使用して、特徴付け且つ識別され得る。
当業者は、式(I)の化合物の薬学的に許容される溶媒和物(詳細には、水和物)が、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の薬学的に許容される溶媒和物を含めて、溶媒分子が結晶化中に結晶格子に取り込まれる時に形成され得ることを十分に認識しているであろう。溶媒和物は、エタノールなどの非水性溶媒を含み得るか又は結晶格子に取り込まれる溶媒として水を含み得る。水が、結晶格子に取り込まれ溶媒である場合の溶媒和物は、典型的には、「水和物」と称される。
医薬における使用のために好適な本発明の化合物の塩及び溶媒和物(例えば水和物及び塩の水和物)は、対イオン又は関連する溶媒が薬学的に許容される場合のものである。薬学的に許容されない対イオンを有する塩は、例えば、本発明の他の化合物の調製における中間体としての使用に関して、本発明の範囲内である。
典型的には、薬学的に許容される塩は、所望の酸又は塩基を適切に使用することにより、容易に調製され得る。得られた塩は、溶液から結晶化するか若しくは沈殿するか、又は摩砕により形成し得、ろ過又は溶媒の蒸発により回収され得る。
本発明の化合物は、医薬組成物における使用が目的とされているため、それぞれ、実質的に純粋な形態で、例えば、少なくとも純度60%、より好適には少なくとも純度75%且つ好ましくは少なくとも純度85%、特に少なくとも純度98%(%は、重量対重量の基準である)で提供されることが好ましいことが、容易に理解されよう。化合物の純粋でない調製物は、医薬組成物に使用される、より純粋な形態を調製するために使用され得る。
本発明は、本発明の化合物の全てのプロドラッグを包含し、これは、レシピエントへの投与時に、本発明の化合物又は活性代謝物若しくはその残渣を提供することが可能(直接的又は間接的に)である。このような誘導体は、過度の実験をすることなく当業者には認識される。それにもかかわらず、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery、第5版、1巻:Principles and Practiceの教示について言及するが、これはそのような誘導体の教示程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、その範囲内に、本発明の化合物の任意の遊離塩基形態の全ての互変異性体又は異性体、同様に全ての可能な化学量論的及び非化学量論的な塩形態を含むことを更に理解されたい。本発明の化合物は、STINGの調節が有益である疾患及び障害の治療又は予防において有用である。そのようなSTINGによって媒介される疾患及び障害には、炎症、アレルギー性疾患及び自己免疫疾患、感染症、がん前がん性症候群、代謝性疾患、及び心血管系疾患が含まれる。本発明の化合物はまた、免疫原性組成物又はワクチンアジュバントとしても有用である。したがって、本発明は、STINGの調節方法に関し、細胞と本発明の化合物とを接触させることを含む。
本発明の一態様は、STINGを作動させることが有益である、STINGによって媒介される疾患及び障害の治療又は予防の方法を提供する。例示的な疾患/障害には、それだけには限らないが、がん、感染症(例えば、HIV、HBV、HCV、HPV、及びインフルエンザ)、ワクチンアジュバントが含まれる。
本発明の一態様は、STINGの阻害が有益であるSTING媒介性疾患及び障害の治療又は予防の方法を提供する。例となる疾患/障害としては、限定するものではないが、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚ループス、ループス腎炎、乾癬、インスリン依存性糖尿病(IDDM)を含む糖尿病、肥満に関連したインスリン抵抗性及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、皮膚筋炎、全身性硬化症(強皮症)、及びシェーグレン症候群(SS)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乳児発症性STING関連血管炎(SAVI)、エカルディ・グティエール(Aicardi Goutieres)症候群(AGS)、凍瘡状ループス、混合性結合組織病、アルツハイマー病に関連した神経炎症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン症候群、ハンチントン病、及び多発性硬化症、並びに心筋梗塞に関連する心臓の炎症などが挙げられる。
一実施形態では、本発明は、治療に使用される本発明の化合物を提供する。本発明はまた、治療に使用される式の化合物、又はその薬学的に許容される塩も提供する。本発明は、詳細には、STINGによって媒介される疾患又は障害の治療に使用されるための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はまた、ワクチンアジュバントとして使用されるための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩も提供する。したがって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む免疫原性組成物又はワクチンアジュバントもまた提供される。
別の実施形態では、本発明は、STINGによって媒介される疾患若しくは障害の治療に使用されるための、且つ/又は免疫原性組成物又はワクチンアジュバントとして使用されるための本発明の化合物を提供する。別の実施形態では、本発明は、STINGによって媒介される疾患又は障害の結果として持続した臓器の傷害又は損傷の軽快に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、STINGによって媒介される疾患又は障害の治療のための医薬品製造における、本発明の化合物の使用を更に提供する。本発明は、STINGによって媒介される疾患又は障害、例えば本明細書に挙げた疾患及び障害の治療のための医薬品製造における、式(I)の化合物又はその塩、詳細にはその薬学的に許容される塩の使用を更に提供する。
本発明は、ワクチンの製造における、式(I)の化合物又はその塩、詳細にはその薬学的に許容される塩の使用を更に提供する。疾患の治療又は予防のために、抗原又は抗原性組成物を含む免疫原性組成物の製造のための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が更に提供される。疾患の治療又は予防のために、抗原又は抗原性組成物を含むワクチン組成物の製造のための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が更に提供される。
別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、STINGによって媒介される疾患又は障害の治療方法に関する。別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、又は塩、詳細にはその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、STINGによって媒介される疾患又は障害の治療方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、抗原又は抗原性組成物及び式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む免疫原性組成物を、疾患を患っているか又はそれらに感受性が高いヒト対象に投与することを含む、疾患の治療又は予防の方法に関する。別の実施形態では、本発明は、抗原又は抗原性組成物及び式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含むワクチン組成物を、疾患を患っているか又はそれらに感受性が高い患者のヒト対象に投与することを含む、疾患の治療又は予防の方法に関する。
一実施形態では、本発明は、炎症の治療に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、炎症の治療方法が提供される。更なる態様では、炎症の治療のための医薬品製造に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
一実施形態では、本発明は、アレルギー性疾患の治療に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、アレルギー性疾患の治療方法が提供される。更なる態様では、アレルギー性疾患の治療のための医薬品製造に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。例示的なアレルギー性疾患には、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹が含まれる。
一実施形態では、本発明は、自己免疫疾患の治療に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、自己免疫疾患の治療方法が提供される。更なる態様では、自己免疫疾患の治療のための医薬品製造に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
一実施形態では、本発明は、感染症の治療に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、感染症の治療方法が提供される。更なる態様では、感染症の治療のための医薬品製造に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、ヒトにおけるHIV感染の治療方法に関する。一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、HIVに感染しているか又は感染しているリスクがあるヒトにおける、HIV感染の治療方法に関する。別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、AIDSに感染しているヒトにおける、AIDS感染の治療方法に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、ヒトにおけるHBV感染の治療方法に関する。一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、HBVに感染しているか又は感染しているリスクがあるヒトにおける、HBV感染の治療方法に関する。
一実施形態において、HBV感染症を治療する方法は、第1治療剤を投与することを含む。一実施形態において、上記方法は、治療上有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である第1治療剤を投与すること、及び1種以上の第2治療剤を投与することを含む。一実施形態において、第1治療剤と、1種以上の第2治療剤とは共投与される。
一実施形態において、第1治療剤と1種以上の第2治療剤とは連続的に又は同時に共投与される。一実施形態において、1種以上の第2治療剤もまた式(I)の化合物である。一実施形態において、1種以上の第2治療剤は、本明細書中に記載される化合物又は組成物とは異なる。1種以上の第2治療剤の例としては、限定するものではないが、抗炎症剤、化学療法剤又は抗感染症剤などが挙げられる。他の関連の実施形態において、付加的な治療剤は、HBV剤、HCV剤、化学療法剤、抗生物質、鎮痛剤、非ステロイド性抗炎症(NSAID)剤、抗真菌剤、抗寄生虫薬、嘔吐抑制剤、下痢止め薬、免疫調節剤、又は免疫抑制剤であり得る。
一実施形態において、1種以上の第2治療剤はHBV剤である。一実施形態において、HBV剤としては、例えば、限定するものではないが、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロン5アルファ-2a、及びインターフェロンアルファコン-1(PEG化及び非PEG化)、リバビリン;HBV RNA複製阻害剤;HBV抗原産生阻害剤;HBV治療ワクチン;HBV予防ワクチン;ラミブジン(3TC);エンテカビル(ETV);テノフォビルジイソプロキシルフマレート(TDF);テルビブジン(LdT);アデホビル;又はHBV抗体療法(モノクローナル又はポリクローナル)などが挙げられる。
一実施形態において、1種以上の第2治療剤はHCV剤である。一実施形態において、HCV剤としては、例えば、限定するものではないが、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2a、及びインターフェロンアルファコン-1(PEG化及び非PEG化);リバビリン;HCV RNA複製阻害剤(例えば、ViroPharmaのVP50406シリーズ);HCVアンチセンス剤;HCV治療ワクチン;HCVプロテアーゼ阻害剤;HCVヘリカーゼ阻害剤;又はHCVモノクローナル若しくはポリクローナル抗体療法などが挙げられる。
一実施形態において、1種以上の第2治療剤は抗炎症剤(すなわち、炎症低下療法)である。一実施形態において、炎症低下療法としては、例えば、限定するものではないが、治療的ライフスタイル変化、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)又は疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)などが挙げられる。上記のステロイドは、コルチコステロイドであり得る。NSAIDは、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、COX阻害剤、インドメタシンなどであり得る。DMARDは、TNF阻害剤、プリン合成阻害剤、カルシニューリン阻害剤、ピリミジン合成阻害剤、スルファサラジン、メトトレキサートなどであり得る。
一実施形態において、1種以上の第2治療剤は、化学療法剤(すなわち、がん治療剤)である。化学治療剤としては、例えば、限定するものではないが、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン(esorubicin)、ブレオマイシン、マホスファミド、イホスファミド、シトシンアラビノシド、ビスクロロエチルニトロスウレア、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミスラマイシン、プレドニゾン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン(pentamethylmelamine)、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロスウレア(methylcyclohexylnitrosurea)、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン(CA)、5-アザシチジン、ヒドロキウレア、デオキシコホルマイシン、4-ヒドロキシペルオキシシクロホスホラミド、5-フルオロウラシル(5-FU)、5-フルオロデオキシウリジン(5-FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、タキソール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、トリメトレキサート、テニポシド、シスプラチン、ゲムシタビン及びジエチルスチルベストール(DES)などが挙げられる。
一実施形態において、1種以上の第2治療剤は、自然免疫活性化剤、チェックポイント阻害剤、T細胞刺激剤として知られる免疫調節剤であるか、又はHBVに対する適応免疫応答を回復させる他の薬剤である。免疫調節剤としては、例えば、限定するものではないが、CTLA-4に拮抗する抗体又は小分子(例えばイプリムマブ(YERVOY))、PD-1に拮抗する抗体又は小分子(例えばオプジーボ(Opdivo)/ニボルマブ及びキイトルーダ(Keytruda)/ペムブロリズマブ)、PDL1に拮抗する抗体又は小分子(例えばテセントリク(TECENTRIQ)(商標)(アテゾリズマブ))、LAG3、TIM3、又はIDOに拮抗する抗体又は小分子などが挙げられる。免疫調節剤としては、例えば、限定するものではないが、ICOS、OX-40、TLR類、IL7R又はIL12Rを刺激する抗体又は小分子などが挙げられる。
一実施形態において、1種以上の第2治療剤は抗感染症剤である。抗感染症剤の例としては、限定するものではないが、抗生物質、抗菌薬及び抗ウイルス薬などが挙げられる。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、ヒトにおけるHCV感染の治療方法に関する。一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、HCVに感染しているか又は感染しているリスクがあるヒトにおける、HCV感染の治療方法に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、ヒトにおけるインフルエンザの治療方法に関する。一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、インフルエンザに感染しているか又は感染しているリスクがあるヒトにおける、インフルエンザの治療方法に関する。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、ヒトにおけるヒトパピローマウイルス(HPV)感染の治療方法に関する。一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量をヒトに投与することによる、HPVに感染しているか又は感染しているリスクがあるヒトにおける、HPV感染の治療方法に関する。
本明細書で使用される時、用語「がん」、「新生物」及び「腫瘍」は、互換的に使用され、単数形又は複数形のいずれにおいても、宿主生体に対して細胞を病的な状態にする悪性形質転換を経た細胞を表す。原発性がん細胞は、十分に確立された技術、詳細には組織学的検査により、非がん性細胞と容易に区別され得る。がん細胞の定義には、本明細書で使用される時、原発性がん細胞だけでなく、原がん細胞から生じる任意の細胞も含まれる。がん細胞には、転移がん細胞、及びin vitro培養物並びにがん細胞から生じる細胞株が含まれる。固形腫瘍として通常顕在化するがんのタイプに言及すると、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、腫瘍量に基づいて、例えば、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、X線、身体的検査時の超音波又は触診などの手順により検出可能な、且つ/又は患者から得られる試料中の1つ以上のがん特異抗原の発現により検出可能な腫瘍である。腫瘍は、例えば、血液細胞又は免疫細胞から生じるがんのような、造血性(又は血液学的な又は血液学の又は血液に関連する)がんであり得、「液性腫瘍」と称されることもある。血液学的な腫瘍に基づく臨床状態の特定の例には、慢性骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ性白血病及び急性リンパ球性白血病などの白血病;多発性骨髄腫、MGUS及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症などの形質細胞悪性腫瘍;非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫などのリンパ腫などが含まれる。
がんは、異常な数の芽細胞又は望まれない細胞増殖が存在するか、又はリンパ性及び骨髄性悪性腫瘍の両方を含めた、血液がんと診断される、任意のがんであり得る。骨髄性悪性腫瘍には、それだけには限らないが、急性骨髄性(myeloid)(又は骨髄球性又は骨髄性(myelogenous)又は骨髄芽球性(myeloblastic))白血病(未分化又は分化した)、急性前骨髄性(promyeloid)(又は前骨髄球性又は前骨髄性(promyelogenous)又は前骨髄芽球性(promyeloblastic))白血病、急性骨髄単球性(又は骨髄単芽球性(myelomonoblastic))白血病、急性単球性(又は単芽球性(monoblastic))白血病、赤白血病及び巨核球性(megakaryocytic)(又は巨核芽球性(megakaryoblastic))白血病が含まれる。これらの白血病は、共に急性骨髄性(myeloid)(又は骨髄球性又は骨髄性(myelogenous))白血病(AML)と称されてもよい。骨髄性悪性腫瘍にはまた、それだけには限らないが、骨髄増殖性障害(MPD)も含まれ、これには慢性骨髄性(myelogenous)(又は骨髄性(myeloid))白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、本態性血小板血症(又は血小板増加症)、及び真性多血症(PCV)が含まれる。骨髄性悪性腫瘍にはまた、脊髄形成異常症(又は骨髄異形成症候群又はMDS)も含まれ、これは、不応性貧血(RA)、芽球増加型不応性貧血(RAEB)、及び移行期の芽球増加型不応性貧血(RAEBT)、同様に原発性骨髄線維症を伴うか又は伴わない骨髄線維症(MFS)と称されてもよい。
造血性がんにはまた、リンパ性悪性腫瘍も含まれ、これはリンパ節、脾臓、骨髄、末梢血、及び/又はリンパ節外部位に影響を及ぼし得る。リンパ性がんには、それだけには限らないが、B細胞悪性腫瘍が含まれ、これにはB細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)が含まれる。B-NHLは、無痛性(又は低悪性度)、中悪性度(又は侵襲性)又は高悪性度(非常に侵襲性)であり得る。無痛性B細胞リンパ腫には、濾胞性リンパ腫(FL);小リンパ球性リンパ腫(SLL);結節性MZL、節外性MZL、脾臓MZL及び絨毛リンパ球を伴う脾臓MZLを含めた辺縁帯リンパ腫(MZL);リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);及び粘膜関連リンパ組織(MALT又は節外性辺縁帯)リンパ腫が含まれる。中悪性度B-NHLには、白血病の関与を伴うか又は伴わないマントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、濾胞性大細胞型(又は悪性度3又は悪性度3B)リンパ腫、及び原発性縦隔リンパ腫(PML)が含まれる。高悪性度B-NHLには、バーキットリンパ腫(BL)、バーキット様リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫(SNCCL)及びリンパ芽球性リンパ腫が含まれる。他のB-NHLには、免疫芽球性リンパ腫(又は免疫細胞腫)、原発性滲出性リンパ腫、HIV関連(又はAIDSに関する)リンパ腫、及び移植後リンパ増殖性の障害(PTLD)又はリンパ腫が含まれる。B細胞悪性腫瘍にはまた、それだけには限らないが、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、大顆粒リンパ球性(LGL)白血病、急性リンパ性(又はリンパ球性又はリンパ芽球性)白血病、及びキャッスルマン病も含まれる。NHLにはまた、T細胞非ホジキンリンパ腫(T-NHL)も含まれ得、これには、それだけには限らないが、特定不能の(NOS)T細胞非ホジキンリンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、血管免疫芽細胞性リンパ性障害(AILD)、鼻ナチュラルキラー(NK)細胞/T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉症、及びセザリー症候群が含まれる。
造血性がんにはまた、古典的ホジキンリンパ腫、結節硬化型ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球優位型(LP)ホジキンリンパ腫、結節LPホジキンリンパ腫、及びリンパ球減少型ホジキンリンパ腫を含めたホジキンリンパ腫(又は疾患)も含まれる。造血性がんにはまた、くすぶり型MM、意義不明の(又は未知の又は不明の)単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(骨、骨髄外)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、形質細胞性白血病、及び原発性アミロイドーシス(AL)を含めた多発性骨髄腫(MM)などの形質細胞疾患又はがんも含まれる。造血性がんにはまた、多形核白血球(又は好中球)、好塩基球、好酸球、樹状細胞、血小板、赤血球及びナチュラルキラー細胞を含めた追加の造血細胞の他のがんも含まれ得る。本明細書で「造血細胞組織」と称される造血性細胞を含む組織には、骨髄;末梢血;胸腺;並びに脾臓、リンパ節、粘膜関連リンパ組織(腸管関連リンパ組織など)、扁桃腺、パイエル板及び虫垂などの末梢リンパ組織、並びに例えば、気管支内層のような他の粘膜関連のリンパ組織が含まれる。
一実施形態では、本発明は、がん及び前がん性症候群の治療に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とするヒトに投与することを含む、がん及び前がん性症候群の治療方法が提供される。更なる態様では、がん及び前がん性症候群の治療のための医薬品製造に使用されるための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
自己免疫疾患関連には、それだけには限らないが、幼年期に発症するSTING関連血管炎(SAVI)、アイカルディグチエール症候群(AGS)、凍瘡状ループス、毛細血管拡張性運動失調症(ルイ-バー症候群とも称される)、脳白質萎縮症を伴う網膜脈管障害(RCVL)、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚ループス、ループス腎炎、乾癬、インスリン依存性糖尿病(IDDM)を含めた糖尿病、皮膚筋炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、AIDS、多発性筋炎、全身性硬化症(強皮症)、及びシェーグレン症候群(SS)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性関節炎、変形性関節症、重症筋無力症、結節性多発動脈炎、血管炎、皮膚血管炎、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎、ベーチェット病、脊椎炎、巨細胞性動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、レイノー現象、原発性胆汁性肝硬変、中枢神経系顕微鏡的多発性血管炎の原発性血管炎、視神経脊髄炎及び混合性結合組織病が含まれる。
炎症とは、外傷に対する血管性、細胞性及び神経性の応答の群を表す。炎症は、単球、好中球及び顆粒球などの炎症細胞の組織内への移動と特徴付けることができる。これは、通例、内皮バリア機能の減少及び組織内への浮腫に関連する。炎症は、急性又は慢性のいずれかに分類され得る。急性炎症は、有害刺激に対する身体の初期応答であり、血漿及び白血球の、血液から傷害組織への移動増加により達成される。生化学的事象のカスケードにより、傷害組織内の局所脈管系、免疫系、及び様々な細胞に関連する炎症性応答が伝播され且つ発達する。慢性炎症として公知の長期炎症は、炎症部位に存在する細胞型の進行性移行をもたらし、炎症過程による組織の同時的破壊及び治癒により特徴付けられる。
感染に対する免疫応答の一部として又は外傷に対する急性応答として起きる場合、炎症は有益であり得、通常は自己限定的である。しかしながら、炎症は様々な条件下で有害となり得る。これには感染病原体に応答した過剰炎症が生み出されることが含まれ、著しい臓器損傷及び死(例えば、敗血症の状態)をもたらし得る。その上、慢性炎症は一般に有害であり、多数の慢性疾患の根底にあって、重度且つ不可逆な損傷を組織に起こす。このような状態で、異種実体に対する慢性応答はまた自己組織にバイスタンダー損傷(bystander damage)をもたらすけれども、免疫応答は自己組織に対して向けられる(自己免疫)ことが多い。
本発明の化合物は、以下に例示するように、筋骨格炎症、血管性炎症、神経性炎症、消化器系炎症、眼性炎症、心臓の炎症、脂肪組織の炎症、生殖器系の炎症、及び他の炎症を含めた、身体の任意の組織及び臓器の炎症を治療するために使用され得る。
筋骨格炎症とは、筋骨格系の任意の炎症状態、詳細には、手、手首、肘、肩、顎、脊椎、頸部、殿部、膝、足首、及び足の関節を含めた骨格関節に影響を及ぼす状態、並びに腱などの筋肉を骨に接続する組織に影響を及ぼす状態を表す。本発明の化合物で治療され得る筋骨格炎症の例には、関節炎(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、急性及び慢性の感染性関節炎、痛風及び偽痛風関連の関節炎、並びに若年性特発性関節炎を含める)、腱炎、滑膜炎、腱鞘炎、滑液包炎、結合織炎(線維筋痛症)、上顆炎、筋炎、並びに骨炎(例えば、パジェット病、恥骨骨炎、及び嚢胞性線維性骨炎を含める)が含まれる。
眼性炎症とは、眼瞼を含めた眼の任意の構造の炎症を表す。本発明の化合物で治療され得る眼性炎症の例には、眼瞼炎、眼瞼皮膚弛緩症、結膜炎、涙腺炎、角膜炎、乾性角結膜炎(ドライアイ)、強膜炎、睫毛乱生、及びブドウ膜炎が含まれる。
本発明の化合物で治療され得る神経系の炎症の例には、脳炎、ギラン-バレー症候群、髄膜炎、神経性筋強直症、ナルコレプシー、多発性硬化症、脊髄炎、CNS血管炎、及び統合失調症が含まれる。
本発明の化合物で治療し得る神経変性疾患に関連する炎症の例としては、アルツハイマー病及び関連する認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び前頭側頭葉変性症(FTD)、パーキンソン病及びハンチントン病などが挙げられる。
本発明の化合物で治療し得る心血管系の炎症の例としては、限定するものではないが、心筋梗塞、心不全、先天性心臓欠陥、冠動脈疾患、高血圧、心筋症、及び他の関連する心血管症状などが挙げられる。
本発明の化合物で治療し得る肝臓の炎症の例としては、限定するものではないが、肝線維症、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪肝炎、及び胆汁性肝疾患などが挙げられる。
本発明の化合物で治療し得る肝臓の炎症の例としては、限定するものではないが、肝線維症、及び線維症・がん、アルコール性肝疾患(ALD)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、並びに胆汁性肝疾患などが挙げられる。
本発明の化合物で治療し得る消化器系の炎症状態の例としては、胆管炎、胆嚢炎、腸炎、全腸炎、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、回腸炎、及び直腸炎などが挙げられる。
本発明の化合物で治療し得る生殖器系の炎症状態の例としては、子宮頸管炎、絨毛羊膜炎、子宮内膜炎、精巣上体炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、卵管炎、卵管卵巣膿瘍、尿道炎、膣炎、外陰炎及び外陰部痛などが挙げられる。
一実施形態において、本発明の化合物は、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、変形性関節症、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)を治療するために使用することができる。
本発明の化合物は、炎症性要素を有する自己免疫状態を治療するために使用され得る。そのような状態には、急性汎発性全身性脱毛症、ベーチェット病、シャーガス病、幼年期に発症するSTING関連血管炎(SAVI)、エカルディグティエール症候群(AGS)、凍瘡状ループス、毛細血管拡張性運動失調症(ルイ-バー症候群とも称される)、大脳白質萎縮症を伴う網膜脈管障害(RCVL)、(ANCA)-関連血管炎、慢性疲労症候群、自律神経障害、脳脊髄炎、強直性脊椎炎、再生不良性貧血、化膿性汗腺炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、巨細胞性動脈炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本病、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、川崎病、全身性エリテマトーデス、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発動脈炎、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、視神経炎、オルド(ord)甲状腺炎、天疱瘡、結節性多発動脈炎、多発性筋痛、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、温式自己免疫性溶血性貧血、間質性膀胱炎、ライム病、モルフェア、乾癬、サルコイドーシス、強皮症、潰瘍性大腸炎、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸促迫症候群、及び白斑が含まれる。
本発明の化合物は、炎症性要素を有する、T細胞によって媒介される過敏性疾患を治療するために使用され得る。そのような状態には、接触過敏症、接触性皮膚炎(ツタウルシによるものを含む)、蕁麻疹、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎)及びグルテン過敏性腸症(セリアック病)が含まれる。
本発明の化合物で治療され得る他の炎症状態には、例えば、虫垂炎、皮膚炎、皮膚筋炎、心内膜炎、結合織炎、歯肉炎、舌炎、肝炎、化膿性汗腺炎、虹彩炎、喉頭炎、乳腺炎、心筋炎、腎炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、肺炎、前立腺炎、腎盂腎炎、及び口内炎、移植片拒絶(腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(例えば、島細胞)、骨髄、角膜、小腸、移植皮膚片、皮膚同種移植片、及び心臓弁異種移植片などの臓器、血清病、及び移植片対宿主病を含める)、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸促迫症候群、セザリー症候群、先天性副腎過形成、非化膿性甲状腺炎、がん関連の高カルシウム血症、天疱瘡、水疱性皮膚炎ヘルペス、重度の多形性紅斑、剥離性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、季節性又は通年性のアレルギー性鼻炎、気管支喘息、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬剤性過敏反応、アレルギー性結膜炎、角膜炎、眼部帯状疱疹、虹彩炎及び虹彩毛様体炎、脈絡網膜炎、視神経炎、症候性サルコイドーシス、劇症又は汎発性の肺結核化学療法、成人における特発性血小板減少性紫斑病、成人における続発性血小板減少症、後天性(自己免疫)溶血性貧血、成人における白血病及びリンパ腫、幼児期の急性白血病、限局性腸炎、自己免疫性血管炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患、実質臓器移植片拒絶、敗血症が含まれる。好ましい治療には、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、1型糖尿病、喘息、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性肺疾患、及び感染性状態に付随する炎症(例えば、敗血症)の治療が含まれる。一実施形態では、本発明の化合物は、喘息の治療に使用され得る。
本発明の化合物が潜在的に有益な抗腫瘍効果を有し得るがん疾患及び状態の例には、それだけには限らないが、肺、骨、膵臓、皮膚、頭部、頸部、子宮、卵巣、胃、結腸、乳房、食道、小腸、腸、内分泌系、甲状腺、副甲状腺、副腎、尿道、前立腺、陰茎、精巣、尿管、膀胱、腎臓若しくは肝臓のがん;直腸がん;肛門部のがん;ファロピウス管、子宮内膜、子宮頸部、膣、外陰、腎盂、腎細胞の癌;軟部組織の肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫;奇形腫;胆管癌;肝芽腫;血管肉腫;血管腫(hemagioma);肝細胞がん;線維肉腫;軟骨肉腫;骨髄腫;慢性又は急性の白血病;リンパ球性リンパ腫;原発性CNSリンパ腫;CNSの新生物;脊椎軸腫瘍;扁平上皮癌;滑膜肉腫;悪性胸膜中皮腫;脳幹神経膠腫;下垂体腺腫;気管支腺腫;軟骨腫性過誤腫;中皮腫;ホジキン病又は前述のがんのうち1種以上の組合せが含まれる。
好適には、本発明は、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、星細胞腫、多形神経膠芽腫、バナヤン-ゾナナ症候群(Bannayan-Zonana syndrome)、カウデン病、レルミット-ダクロス病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、脳室上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓、肝臓、黒色腫、卵巣、膵臓、腺癌、管状腺癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴン産生腫瘍、膵島細胞腫、前立腺、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱がん、尿路上皮がん、外陰がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、腎がん、中皮腫、食道がん、唾液腺がん、肝細胞がん、胃がん、鼻咽頭がん、頬がん(buccal cancer)、口のがん、GIST(消化管間質腫瘍)及び精巣がんからなる群から選択されるがんを治療するか、又はその重症度を低下させるための方法に関する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、固形腫瘍又は液性腫瘍の治療に使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、肉腫、乳がん、結腸直腸がん、胃食道がん、黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、腎明細胞癌(RCC)、リンパ腫、頭頸部の扁平上皮癌(SCCHN)、肝細胞癌(HCC)、及び/又は非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するために使用され得る。好適には、本発明は、ヒトを含めた哺乳類における、前がん性の症候群を治療するか又はその重症度を低下させるための方法に関し、前がん性の症候群は、子宮頸部上皮内腫瘍、意義不明の単クローン性γグロブリン血症(MGUS)、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、子宮頸部病変、皮膚の母斑(前黒色腫)、前立腺上皮内(管内)新形成(PIN)、腺管上皮内癌(DCIS)、結腸ポリープ及び重症肝炎又は硬変症から選択される。
一態様では、ヒトは固形腫瘍を有する。一態様では、腫瘍は、頭頸部がん、胃がん、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、食道がん、非小細胞肺癌、前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がん及び膵臓がんから選択される。一態様では、ヒトは、以下の:結腸直腸がん(CRC)、食道、子宮頸部、膀胱、乳房、頭頸部、卵巣、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、EC有棘細胞、非小細胞肺癌、中皮腫、及び前立腺がんを有する。別の態様では、ヒトは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、多発性骨髄腫、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫、急性骨髄性(myeloid)白血病及び慢性骨髄性(myelogenous)白血病などの液性腫瘍のうちの1種以上を有する。
一実施形態では、本発明の化合物は、皮膚がん(例えば、非黒色腫皮膚がん、扁平上皮癌、基底細胞癌)又は日光角化症の治療に有用であり得る。表在性皮膚がんを取り除くのにフィールド効果(field effect)に加えて、本発明の化合物は、治療した患者における二次皮膚がん及び前悪性日光角化症の発生を予防し得る。
本発明の化合物は、関節炎(関節リウマチ)及び再狭窄を含めた血管増殖型障害;肝硬変症及びアテローム性動脈硬化症を含めた線維性障害;糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群、増殖性網膜症、臓器移植片拒絶及び糸球体症を含むメサンギウム細胞増殖性障害;並びに乾癬、糖尿病、慢性創傷治癒、炎症及び神経変性疾患を含む代謝障害を含めた、新血管新生並びに/又は血管透過性に関連する障害の領域における細胞増殖を特徴とする、哺乳類を苦しめる1種以上の疾患の治療において有用であり得る。
本発明の化合物は、神経変性疾患を治療するために使用され得る。例示的な神経変性疾患には、それだけには限らないが、多発性硬化症、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、及び前頭側頭葉変性症(FTD)が含まれる。
本発明の化合物は、代謝性疾患(例えばインスリン抵抗性、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肥満、糖尿病、高血圧、脂肪肝及び心血管系疾患)を治療又は予防するために使用し得る。
本発明の化合物は、病原体からの感染で引き起こされるか又は感染と同時に起きる任意の疾患である感染症を治療するために使用され得る。病原体は、ヒト組織環境に対して異種である任意の生物種と広く定義されている。一般の疾患を引き起こす病原体には、細菌(TBのような多数)、ウイルス(HBV、HIV、fluのような多数)及び寄生性原虫(マラリアの原因となる熱帯熱マラリア原虫(P falciparum)のような)が含まれる。本発明の化合物は、TB感染症(結核菌(Mycobacterium tuberculosis))、クラミジア、野兎病感染症(野兎病菌(Francisella tularensis))などの細菌に由来する感染症、プラスモディウム感染症又はDNA若しくはRNAウイルスによる感染を治療するために使用され得る。本発明の化合物は、DNAウイルスファミリー:ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス1型、カポジ肉腫関連ウイルス及びエプスタイン-バーウイルス)、パピローマウイルス科(ヒトパピローマウイルス)、アデノウイルス及びヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス)に由来する感染症を治療するために使用され得る。RNAウイルスファミリーの例には、レトロウイルス科(Retroviridae)(ヒト免疫不全ウイルス)フラビウイルス科(デングウイルス、C型肝炎ウイルス)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)(インフルエンザ)、並びにコロナウイルス科(ヒトコロナウイルス及びSARSコロナウイルス)が含まれる。
本発明の化合物は、単独又は他の治療剤と組み合わせて利用され得る。免疫応答の調節物質として、本発明の化合物はまた、STINGの調節が有益である疾患及び状態の治療において、単独療法に使用されるか又は別の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。本発明による併用療法は、したがって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1種の他の治療上活性な薬剤の投与を含む。一実施形態では、本発明による併用療法は、少なくとも1種の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1種の他の治療剤の投与を含む。式(I)の化合物(複数可)及びその薬学的に許容される塩、並びに他の治療剤(複数可)は、単一の医薬組成物中で共に又は別々に投与されてもよく、別々に投与される時は、同時に又は任意の順序で経時的に行われてもよい。式(I)の化合物(複数可)及びその薬学的に許容される塩、並びに他の治療剤(複数可)の量、並びに投与の相対的タイミングは、所望の併用した治療効果を達成するために選択される。したがって更なる態様では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、共に1つ以上の他の治療剤を含む組合せが提供される。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、例えば;抗原免疫療法、抗ヒスタミン薬、ステロイド、NSAID、気管支拡張薬(例えば、ベータ2アゴニスト、アドレナリンアゴニスト、抗コリン剤、テオフィリン)、メトトレキセート、ロイコトリエン調節物質及び同様の薬剤;抗IgE、抗TNF、抗IL-5、抗IL-6、抗IL-12、抗IL-1及び同様の薬剤などのモノクローナル抗体療法;例えばエタネルセプト及び同様の薬剤のような受容体療法;抗原非特異的免疫療法(例えばインターフェロン又は他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体調節物質、サイトカインアゴニスト又はアンタゴニスト、TLRアゴニスト及び同様の薬剤)のような、アレルギー性疾患、炎症性疾患又は自己免疫疾患の予防又は治療において有用であり得る1つ以上の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、がん及び前がん性症候群の治療において有用であり得る放射線療法及び/又は手術及び/又は少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。治療される感受性のある腫瘍に対して活性を有する任意の抗悪性腫瘍剤は、組み合わせて利用されてもよい。有用である典型的な抗悪性腫瘍剤には、それだけには限らないが、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドなどの抗微小管作用剤;白金配位錯体;ナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、及びトリアゼンなどのアルキル化剤;アントラサイクリン、アクチノマイシン及びブレオマイシンなどの抗生物質剤;エピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼII阻害薬;プリン及びピリミジンの類似体並びに抗葉酸化合物などの代謝拮抗薬;カンプトテシンなどのトポイソメラーゼI阻害薬;ホルモン及びホルモン類似体;シグナル伝達経路阻害薬;非受容体型チロシン血管新生抑制薬;免疫療法剤;アポトーシス促進剤;細胞周期シグナル伝達阻害薬;免疫腫瘍学的薬剤並びに免疫賦活剤が含まれる。
抗微小管作用剤又は抗有糸分裂剤は、細胞周期のM期又は有糸分裂期に、腫瘍細胞の微小管に対して活性の位相特異性剤である。抗微小管作用剤の例には、それだけには限らないが、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドが含まれる。
パクリタキセル、(2R,3S)-N-ベンゾイル-3-フェニルイソセリンを有する5β,20-エポキシ-1,2α,4,7β,10β,13α-ヘキサ-ヒドロキシタキサ-11-エン-9-オン4,10-ジアセテート2-ベンゾエート13-エステルは、タイヘイヨウイチイ(Pacific yew tree Taxus brevifolia)から単離される天然ジテルペン生成物であり、注射剤TAXOL(登録商標)として市販されている。パクリタキセルは、テルペンのタキサンファミリーメンバーである。パクリタキセルは、米国で、不応性卵巣がんの治療において(Markmanら.、Yale Journal of Biology and Medicine、64:583、1991;McGuireら、Ann.lntem、Med.、111:273、1989)、且つ乳がんの治療において(Holmesら、J.Nat.Cancer Inst.、83:1797、1991)、臨床使用として認可されている。パクリタキセルは、皮膚における新生物(Einzigら、Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.、20:46)及び頭頸部癌(Forastireら、Sem. Oncol.、20:56、1990)の治療のための潜在的候補である。本化合物はまた、多発性嚢胞腎疾患(Wooら、Nature、368:750.1994)、肺がん及びマラリアの治療に対する可能性も示している。パクリタキセルを用いた患者の治療は、閾値濃度(50nM)を超える投薬持続時間に関連し(Kearns、C.M.ら、Seminars in Oncology、3(6)16~23頁、1995)、骨髄抑制をもたらす(multiple cell lineages、Ignoff、R.J.ら、Cancer Chemotherapy Pocket Guide、1998)。
ドセタキセル、5β-20-エポキシ-1,2α,4,7β,10β,13α-ヘキサヒドロキシタキサ-11-エン-9-オン4-アセテート2-ベンゾエート三水和物を有する(2R,3S)-N-カルボキシ-3-フェニルイソセリン、N-tert-ブチルエステル、13-エステルは、注射剤としてTAXOTERE(登録商標)として市販されている。ドセタキセルは、乳がんの治療に適応される。ドセタキセルは、セイヨウイチイ(European Yew tree)の針葉から抽出された、天然前駆物質の10-デアセチル-バッカチンIIIを使用して調製される、パクリタキセル(この項を参照されたい)の半合成誘導体である。
ビンカアルカロイドは、ニチニチソウ(periwinkle plant)に由来する位相特異性の抗悪性腫瘍剤である。ビンカアルカロイドは、チューブリンに特異的に結合することにより、細胞周期のM期(有糸分裂)において作用する。したがって、結合したチューブリン分子は、微小管へと重合することはできない。有糸分裂は、分裂中期に抑止され細胞死に続くと考えられている。ビンカアルカロイドの例には、それだけには限らないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビンが含まれる。
ビンブラスチン、ビンカロイコブラスチン硫酸塩は、VELBAN(登録商標)として注射剤として市販されている。これは、様々な固形腫瘍の二次治療に適応される可能性があるけれども、精巣がん及びホジキン病を含めた様々なリンパ腫;並びにリンパ球性及び組織球性リンパ腫の治療において主に適応される。骨髄抑制は、ビンブラスチンの用量制限性の副作用である。
ビンクリスチン、ビンカロイコブラスチン、22-oxo-、硫酸塩は、ONCOVIN(登録商標)として注射剤として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の治療に適応され、ホジキンリンパ腫及び非ホジキン悪性リンパ腫に対する治療レジメンにおける使用もまた見出された。脱毛症及び神経学的影響は、ビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、より低い程度まで骨髄抑制及び消化管粘膜炎の影響が及ぶ。
ビノレルビン、3',4'-ジデヒドロ-4'-デオキシ-C'-ノルビンカロイコブラスチン[R-(R*,R*)-2,3-ジヒドロキシブタンジオエート(1:2)(塩)]は、酒石酸ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))の注射剤として市販されており、半合成のビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、単剤として又はシスプラチンなどの他の化学治療剤と組み合わせて、様々な固形腫瘍、詳細には非小細胞肺がん、進行性乳がん、及びホルモン不応性前立腺がんの治療における使用に適応される。骨髄抑制は、ビノレルビンの最も一般的な用量制限性の副作用である。
白金配位錯体は、DNAと相互作用する、非位相特異性の抗がん剤である。白金錯体は、腫瘍細胞に入り、アクア化され且つDNAと鎖内及び鎖間の架橋を形成し、腫瘍に対して生物学的悪影響を及ぼす。白金配位錯体の例には、それだけには限らないが、オキサリプラチン、シスプラチン及びカルボプラチンが含まれる。
シスプラチン、cis-ジアンミンジクロロ白金は、PLATINOL(登録商標)として注射剤として市販されている。シスプラチンは、転移性精巣がん及び卵巣がん並びに進行性膀胱がんの治療において主に適応される。
カルボプラチン、白金、ジアミン[1,1-シクロブタン-ジカルボキシレート(2-)-O,O']は、PARAPLATIN(登録商標)として注射剤として市販されている。カルボプラチンは、進行性卵巣癌の一次及び二次の治療において主に適応される。
アルキル化剤は、非位相抗がん特異性剤及び強求電子薬である。典型的には、アルキル化剤は、アルキル化により、リン酸基、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、及びイミダゾール基などのDNA分子の求核的部分を通してDNAと共有結合を形成する。そのようなアルキル化により、核酸機能が崩壊し、細胞死に至る。アルキル化剤の例には、それだけには限らないが、シクロホスファミド、メルファラン、及びクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード;ブスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルムスチンなどのニトロソ尿素;並びにダカルバジンなどのトリアゼンが含まれる。
シクロホスファミド、2-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサザホスホリン2-オキシド一水和物は、注射剤又は錠剤としてCYTOXAN(登録商標)として市販されている。シクロホスファミドは、単剤として又は他の化学治療剤と組み合わせて、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、及び白血病の治療における使用に適応される。
メルファラン、4-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]-L-フェニルアラニンは、注射剤又は錠剤としてALKERAN(登録商標)として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫及び切除不可能な卵巣上皮癌の姑息的治療に適応される。骨髄抑制は、メルファランの最も一般的な用量制限性の副作用である。
クロラムブシル、4-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、LEUKERAN(登録商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、並びにリンパ肉腫、巨大濾胞性リンパ腫、及びホジキン病などの悪性リンパ腫の姑息的治療に適応される。
ブスルファン、1,4-ブタンジオールジメタンスルホネートは、MYLERAN(登録商標)錠剤として市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の姑息的治療に適応される。
カルムスチン、1,3-[ビス(2-クロロエチル)-1-ニトロソ尿素は、凍結乾燥材料の単一バイアルとしてBiCNU(登録商標)として市販されている。カルムスチンは、単剤として又は脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、及び非ホジキンリンパ腫用の他の薬剤と組み合わせて、姑息的治療に適応される。
ダカルバジン、5-(3,3-ジメチル-1-トリアゼノ)-イミダゾール-4-カルボキサミドは、材料の単一バイアルとしてDTIC-Dome(登録商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性悪性黒色腫の治療に且つホジキン病の二次治療用の他の薬剤と組み合わせた使用に適応される。
抗生物質抗悪性腫瘍薬は、DNAに結合するか又は挿入される、非位相特異性剤である。典型的には、そのような作用により、安定したDNA複合体又は鎖の切断がもたらされ、核酸の通常機能が破壊され、細胞死に至る。抗生物質抗悪性腫瘍剤の例には、それだけには限らないが、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン、ダウノルビシン及びドキソルビシンなどのアントラサイクリン;並びにブレオマイシンが含まれる。
ダクチノマイシンは、アクチノマイシンDとしても公知であり、注射可能な形態でCOSMEGEN(登録商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルムス腫瘍及び横紋筋肉腫の治療に適応される。
ダウノルビシン、(8S-cis-)-8-アセチル-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-L-lyxo-ヘキソピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-1-メトキシ-5,12ナフタセンジオンヒドロクロリドは、リポソームの注射可能な形態としてDAUNOXOME(登録商標)として、又は注射用としてCERUBIDINE(登録商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ球性白血病及び進行性HIV関連カポジ肉腫の治療における寛解誘導に適応される。
ドキソルビシン、(8S、10S)-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-L-lyxo-ヘキソピラノシル)オキシ]-8-グリコロイル、7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-1-メトキシ-5,12ナフタセンジオンヒドロクロリドは、注射可能な形態としてRUBEX(登録商標)又はADRIAMYCIN RDF(登録商標)として市販されている。ドキソルビシンは、急性リンパ芽球性白血病及び急性骨髄芽球性白血病の治療に主に適応されるが、一部の固形腫瘍及びリンパ腫の治療における有用な成分でもある。
ブレオマイシン、ストレプトマイセスベルチシルス(Streptomyces verticillus)株から単離された細胞傷害性糖ペプチド抗生物質の混合物は、BLENOXANE(登録商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単剤として又は他の薬剤と組み合わせて、扁平上皮癌、リンパ腫、及び精巣癌の姑息的治療に適応される。
トポイソメラーゼII阻害薬には、それだけには限らないが、エピポドフィロトキシンが含まれる。エピポドフィロトキシンは、マンドレイク植物に由来する位相特異性の抗悪性腫瘍剤である。エピポドフィロトキシンは、典型的には、DNA鎖切断を起こすトポイソメラーゼII及びDNAと三元複合体を形成することにより、細胞周期のS及びG2期において細胞に影響を与える。鎖切断が累積し、細胞死に続く。エピポドフィロトキシンの例には、それだけには限らないが、エトポシド及びテニポシドが含まれる。
エトポシド、4'-デメチル-エピポドフィロトキシン9[4,6-0-(R)-エチリデン-β-D-グルコピラノシド]は、注射剤又はカプセル剤としてVePESID(登録商標)として市販されており、VP-16として一般に公知である。エトポシドは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、精巣がん及び非小細胞肺がんの治療に適応される。
テニポシド、4'-デメチル-エピポドフィロトキシン9[4,6-0-(R)-テニリデン-β-D-グルコピラノシド]は、注射剤としてVUMON(登録商標)として市販されており、VM-26として一般に公知である。テニポシドは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、小児における急性白血病の治療に適応される。
代謝拮抗性悪性腫瘍剤は、DNA合成を阻害することによるか又はプリン若しくはピリミジン塩基合成を阻害し、それによりDNA合成を制限することにより、細胞周期のS期(DNA合成)において作用する位相特異性の抗悪性腫瘍剤である。したがって、S期は進行することなく、細胞死に続く。代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤の例には、それだけには限らないが、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、及びゲムシタビンが含まれる。
5-フルオロウラシル、5-フルオロ-2,4-(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5-フルオロウラシルの投与により、チミジル酸合成の阻害に至り、またRNA及びDNAの両方に組み込まれる。典型的には、結果は細胞死である。5-フルオロウラシルは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、乳房、結腸、直腸、胃及び膵臓の癌の治療に適応される。他のフルオロピリミジン類似体には、5-フルオロデオキシウリジン(フロキスリジン)及び5-フルオロデオキシウリジンモノホスフェートが含まれる。
シタラビン、4-アミノ-1-β-D-アラビノフラノシル-2(1H)-ピリミジノンは、CYTOSAR-U(登録商標)として市販されており、Ara-Cとして一般に公知である。シタラビンは、DNA鎖伸長にシタラビンを末端組み込みすることによりDNA鎖成長を阻害することによって、S期における細胞位相特異性を示すと考えられている。シタラビンは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、急性白血病の治療に適応される。他のシチジン類似体には、5-アザシチジン及び2',2'-ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が含まれる。
メルカプトプリン、1,7-ジヒドロ-6H-プリン-6-チオン一水和物は、PURINETHOL(登録商標)として市販されている。メルカプトプリンは、現在まだ特定されていない機構によりDNA合成を阻害することにより、S期において細胞位相特異性を示す。メルカプトプリンは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、急性白血病の治療に適応される。有用なメルカプトプリン類似体は、アザチオプリンである。
チオグアニン、2-アミノ-1,7-ジヒドロ-6H-プリン-6-チオンは、TABLOID(登録商標)として市販されている。チオグアニンは、現在まだ特定されていない機構によりDNA合成を阻害することにより、S期において細胞位相特異性を示す。チオグアニンは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、急性白血病の治療に適応される。他のプリン類似体には、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、フルダラビンホスフェート、及びクラドリビンが含まれる。
ゲムシタビン、2'-デオキシ-2'、2'-ジフルオロシチジンモノヒドロクロリド(β-異性体)は、GEMZAR(登録商標)として市販されている。ゲムシタビンは、S期において、G1/S期の境界を通して細胞の進行を阻止することにより、細胞位相特異性を示す。ゲムシタビンは、局所進行性非小細胞肺がんの治療においてシスプラチンと組み合わせて、且つ局所進行性膵臓がんの治療において単独で適応される。
メトトレキセート、N-[4[[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]-L-グルタミン酸は、メトトレキセートナトリウムとして市販されている。メトトレキセートは、プリンヌクレオチド及びチミジル酸の合成に必要であるジヒドロ葉酸還元酵素の阻害を通して、DNAの合成、修復及び/又は複製を阻害することにより、特にS期において細胞位相効果を示す。メトトレキセートは、単剤として又は他の化学療法剤と組み合わせて、絨毛癌、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、並びに乳房、頭部、頸部、卵巣及び膀胱の癌の治療に適応される。
カンプトテシンは、カンプトテシン及びカンプトテシン誘導体を含めて、入手可能であるか又はトポイソメラーゼI阻害薬として開発中である。カンプトテシン細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられている。カンプトテシンの例には、それだけには限らないが、イリノテカン、トポテカン、及び以下に記載の7-(4-メチルピペラジノ-メチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20-カンプトテシンの様々な光学的形態が含まれる。
イリノテカンHCl、(4S)-4,11-ジエチル-4-ヒドロキシ-9-[(4-ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]-1H-ピラノ[3',4',6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-3,14(4H,12H)-ジオンヒドロクロリドは、注射剤CAMPTOSAR(登録商標)として市販されている。イリノテカンは、その活性代謝物SN-38と共に、トポイソメラーゼI-DNA複合体に結合するカンプトテシンの誘導体である。細胞傷害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリノテカン又はSN-38の三元複合体と複製酵素との相互作用に起因する回復不能な二重鎖切断の結果として起きると考えられている。イリノテカンは、結腸又は直腸の転移性がんの治療に適応される。
トポテカンHCl、(S)-10-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-エチル-4,9-ジヒドロキシ-1H-ピラノ[3',4',6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-3,14-(4H,12H)-ジオンモノヒドロクロリドは、注射剤HYCAMTIN(登録商標)として市販されている。トポテカンは、トポイソメラーゼI-DNA複合体に結合し、DNA分子のねじれ歪みに応答してトポイソメラーゼIにより引き起こされる一本鎖切断のレレゲーションを防止するカンプトテシンの誘導体である。トポテカンは、卵巣がん及び小細胞肺がんの転移性癌の二次治療に適応される。
ホルモン及びホルモン類似体は、ホルモン(複数可)とがんの成長及び/又は成長の欠如との間に関係性がある、がんの治療に有用な化合物である。がん治療に有用なホルモン及びホルモン類似体の例には、それだけには限らないが、小児における悪性リンパ腫及び急性白血病の治療に有用である、プレドニゾン及びプレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド;副腎皮質癌及びエストロゲン受容体を含有するホルモン依存性乳癌の治療に有用な、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、及びエキセメスタンなどのアミノグルテチミド及び他のアロマターゼ阻害薬;ホルモン依存性乳がん及び子宮内膜癌の治療に有用な、酢酸メゲストロールなどのプロゲスチン;フルベストラント、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロンなどのエストロゲン、及び抗エストロゲン薬、並びに前立腺癌及び良性の前立腺肥大の治療に有用な、フィナステリド及びデュタステリドなどの5α-還元酵素;ホルモン依存性乳癌及び他の感受性が高いがんの治療に有用な、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェンなどの抗エストロゲン薬、同様に米国特許第5,681,835号、同第5,877,219号、及び同第6,207,716号に記載されるものなどの選択的エストロゲン受容体調節物質(SERMS);並びに前立腺癌の治療のための、例えば、酢酸ゴセレリン及びロイプロリドなどのLHRHアゴニスト及びアンタゴニストのような黄体形成ホルモン(LH)及び/又は卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)及びその類似体が含まれる。
シグナル伝達経路阻害薬は、細胞内変化を誘起する化学的プロセスを遮断するか又は阻害する阻害薬である。本明細書で使用される時、この変化は細胞増殖又は細胞分化である。本発明において有用なシグナル伝達阻害薬には、受容体型チロシンキナーゼ、非受容体型チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断薬、セリン/スレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール-3キナーゼ、ミオ-イノシトールシグナル伝達、及びRas癌遺伝子の阻害薬が含まれる。
数種のタンパク質チロシンキナーゼは、細胞成長の制御に関与する様々なタンパク質中の特異的チロシル残基のリン酸化を触媒する。そのようなタンパク質チロシンキナーゼは、大きく受容体型キナーゼ又は非受容体型キナーゼとして分類することができる。
受容体型チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通タンパク質である。受容体型チロシンキナーゼは、細胞成長の制御に関与し、一般に成長因子受容体と称される。多くのこれらのキナーゼの不適当な又は管理されていない活性化、すなわち、例えば過剰発現又は変異によるような異常なキナーゼ成長因子受容体活性は、管理されていない細胞成長をもたらすことが示されている。したがって、そのようなキナーゼの異常活性は、悪性の組織成長と関連付けられてきた。その結果、そのようなキナーゼの阻害薬は、がんの治療方法を提供することができる。成長因子受容体には、例えば、上皮成長因子受容体(EGFr)、血小板由来の成長因子受容体(PDGFr)、erbB2、erbB4、ret、血管内皮成長因子受容体(VEGFr)、免疫グロブリン様及び上皮成長因子相同ドメイン(TIE-2)を伴うチロシンキナーゼ、インスリン成長因子-I(IGFI)受容体、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞成長殖因子(FGF)受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB、及びTrkC)、エフリン(eph)受容体、並びにRET癌原遺伝子が含まれる。成長受容体の数種の阻害薬は、開発中であり、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害薬及びアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。成長因子受容体及び成長因子受容体機能を阻害する薬剤は、例えば、Kath、John C.、Exp.Opin.Ther.Patents (2000)10(6):803~818;ShawverらDDT 2巻、No.2 1997年2月;及びLofts, F.J.ら、「Growth factor receptors as targets」、New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy、Workman, Paul及びKerr, David編、CRC press 1994、Londonに記載されている。
成長因子受容体型キナーゼではないチロシンキナーゼは、非受容体型チロシンキナーゼと称される。本発明に有用な非受容体型チロシンキナーゼは、抗がん薬の標的又は有望な標的であり、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(接着斑キナーゼ)、ブルトンチロシンキナーゼ、及びBcr-Ablが含まれる。そのような非受容体型キナーゼ及び非受容体型チロシンキナーゼ機能を阻害する薬剤は、Sinh, S.及びCorey, S.J.、(1999)Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8(5):465~80;並びにBolen, J.B.、Brugge, J.S.、(1997)Annual review of Immunology.15:371~404に記載されている。
SH2/SH3ドメイン遮断薬は、PI3-K p85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)及びRas-GAPを含めた多様な酵素又はアダプタータンパク質におけるSH2又はSH3ドメイン結合を崩壊させる薬剤である。抗がん薬の標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall, T.E.(1995)、Journal of Pharmacological and Toxicological Methods.34(3) 125~32において論じられている。
セリン/スレオニンキナーゼの阻害薬には、MAPキナーゼカスケード遮断薬が含まれ、これにはRafキナーゼ(rafk)、マイトジェン又は細胞外制御キナーゼ(MEK)、及び細胞外制御キナーゼ(ERK)の遮断薬;並びにPKC(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)の遮断薬を含めたタンパク質キナーゼCファミリーメンバー遮断薬が含まれる。IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBファミリーキナーゼ、aktキナーゼファミリーメンバー、及びTGFベータ受容体キナーゼ。そのようなセリン/スレオニンキナーゼ及びその阻害薬は、Yamamoto, T.、Taya, S.、Kaibuchi, K.、(1999)、Journal of Biochemistry 126(5)799~803;Brodt, P、Samani, A.、及びNavab, R.(2000)、Biochemical Pharmacology、60.1101~1107;Massague, J.、Weis-Garcia, F.(1996)Cancer Surveys.27:41~64;Philip, P.A.、及びHarris, A.L.(1995)、Cancer Treatment and Research.78:3-27、Lackey, K.ら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、(10)、2000、223~226;米国特許第6,268,391号;並びにMartinez-Iacaci, L.ら、Int.J.Cancer(2000)、88(1)、44~52に記載されている。
PI3-キナーゼ、ATM、DNA-PK、及びKuの遮断薬を含めたホスファチジルイノシトール-3キナーゼファミリーメンバーの阻害薬もまた、本発明で有用である。そのようなキナーゼは、Abraham, R.T.(1996)、Current Opinion in Immunology.8(3)412~8;Canman, C.E.、Lim, D.S. (1998)、Oncogene 17(25)3301~3308;Jackson, S.P.(1997)、International Journal of Biochemistry and Cell Biology.29(7):935~8;及びZhong,H.ら、Cancer res、(2000)60(6)、1541~1545において論じられている。
また本発明で有用なのは、ホスホリパーゼC遮断薬及びミオイノシトール類似体などのミオ-イノシトールシグナル伝達阻害薬である。そのようなシグナル阻害薬は、Powis, G.、及びKozikowski A.、(1994)New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy、Paul Workman及びDavid Kerr編、CRC press 1994、Londonに記載されている。
シグナル伝達経路阻害薬の別の群は、Ras癌遺伝子阻害薬である。そのような阻害薬には、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ、及びCAAXプロテアーゼの阻害薬、同様にアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及び免疫療法が含まれる。そのような阻害薬は、野生型変異体rasを含有する細胞中のras活性化を阻止し、それによって抗増殖剤として作用することが示されている。Ras癌遺伝子阻害は、Scharovsky, O.G.、Rozados, V.R.、Gervasoni, S.I.Matar, P.(2000)、Journal of Biomedical Science.7(4)292~8;Ashby、M.N.(1998)、Current Opinion in Lipidology.9(2)99~102;及びBioChim.Biophys.Acta、(19899)1423(3):19~30において論じられている。
上述のように、受容体型キナーゼリガンド結合に対する抗体アンタゴニストはまた、シグナル伝達阻害薬としても役立ち得る。このシグナル伝達経路阻害薬群には、受容体型チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインに対するヒト化抗体の使用が含まれる。例えば、イムクロン(Imclone)C225EGFR特異性抗体(Green, M.C.ら、Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors、Cancer Treat.Rev.、(2000)、26(4)、269~286を参照されたい);Herceptin(登録商標)erbB2抗体(Tyrosine Kinase Signalling in Breast cancer:erbB Family Receptor Tyrosine Kinases、Breast Cancer Res.、2000、2(3)、176~183を参照されたい);及び2CB VEGFR2特異性抗体(Brekken, R.A.ら、Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a monoclonal Anti-VEGF antibody blocks tumor growth in mice、Cancer Res.(2000)60、5117~5124を参照されたい)。
非受容体MEK血管新生阻害薬を含めた抗血管新生治療剤もまた有用であり得る。血管内皮成長因子の効果を阻害するものなどの抗血管新生剤、(例えば抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ[Avastin(商標)]、及び他の機構により動作する化合物(例えばリノマイド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害薬、エンドスタチン及びアンジオスタチン)。
免疫療法レジメンにおいて使用される薬剤もまた、式(I)の化合物と組み合わせて有用であり得る。インターロイキン2、インターロイキン4又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインでのトランスフェクションなどの、例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させるためのex-vivo及びin-vivoのアプローチを含めた免疫療法アプローチ、T細胞エネルギーを減少させるアプローチ、サイトカイン-トランスフェクトした樹状細胞などのトランスフェクトした免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカイン-トランスフェクトした腫瘍細胞株を使用するアプローチ及び抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチ。
細胞周期シグナル伝達阻害薬は、細胞周期の管理に関与する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と呼ばれるタンパク質キナーゼのファミリー及びサイクリンと称されるタンパク質のファミリーとのそれらの相互作用は、真核生物細胞周期を通して進行を管理する。種々のサイクリン/CDK複合体の調和した活性化及び不活性化が、細胞周期を通して正常な進行にとって必要である。細胞周期シグナル伝達の数種の阻害薬は、開発中である。例えば、CDK2、CDK4、及びCDK6を含めたサイクリン依存性キナーゼ並びにこれらの阻害薬の例は、例えば、Rosaniaら、Exp.Opin.Ther.Patents(2000)10(2):215~230に記載されている。
一実施形態では、本発明の組合せは、式(I)の化合物又はその塩、詳細にはその薬学的に許容される塩、並びに抗微小管作用剤、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生物質剤、トポイソメラーゼII阻害薬、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼI阻害薬、ホルモン及びホルモン類似体、シグナル伝達経路阻害薬、非受容体チロシンMEK血管新生阻害薬、免疫療法剤、アポトーシス促進剤、及び細胞周期シグナル伝達阻害薬から選択される少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤を含む。
一実施形態では、本発明の組合せは、式(I)の化合物又はその塩、詳細にはその薬学的に許容される塩、並びにジテルペノイド及びビンカアルカロイドから選択される抗微小管作用剤である少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤を含む。
一実施形態では、本発明の組合せは、式(I)の化合物又はその塩、詳細にはその薬学的に許容される塩、及び白金配位錯体である少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤を含む。
更なる実施形態では、少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤は、パクリタキセル、カルボプラチン又はビノレルビンである。更なる実施形態では、少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤は、カルボプラチンである。更なる実施形態では、少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤は、ビノレルビンである。更なる実施形態では、少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤は、パクリタキセルである。一実施形態では、本発明の組合せは、式(I)の化合物又は塩、詳細にはその薬学的に許容される塩、及びシグナル伝達経路阻害薬である少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤を含む。
更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、成長因子受容体型キナーゼVEGFR2、TIE2、PDGFR、BTK、erbB2、EGFr、IGFR-1、TrkA、TrkB、TrkC又はc-fmsの阻害薬である。更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、セリン/スレオニンキナーゼrafk、akt又はPKC-ゼータの阻害薬である。更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、キナーゼのsrcファミリーから選択される非受容体型チロシンキナーゼの阻害薬である。更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、c-srcの阻害薬である。更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、ファルネシルトランスフェラーゼ及びゲラニルゲラニルトランスフェラーゼの阻害薬から選択されるRas癌遺伝子の阻害薬である。更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、PI3Kからなる群から選択されるセリン/スレオニンキナーゼの阻害薬である。
更なる実施形態では、シグナル伝達経路阻害薬は、二重EGFr/erbB2阻害薬、例えばN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンである。
一実施形態では、本発明の組合せは、式(I)の化合物、又は塩、詳細にはその薬学的に許容される塩、及び細胞周期シグナル伝達阻害薬である少なくとも1種の抗悪性腫瘍剤を含む。更なる実施形態では、細胞周期シグナル伝達阻害薬は、CDK2、CDK4又はCDK6の阻害薬である。
本明細書で使用される時、「免疫調節物質」とは、免疫系に影響を与えるモノクローナル抗体を含めた任意の物質を表す。免疫調節物質は、がんの治療用の抗悪性腫瘍剤として使用することができる。例えば、免疫調節物質には、それだけには限らないが、イピリムマブ(ヤーボイ)及び抗PD-1抗体(オプジーボ/ニボルマブ及びキイトルーダ/ペムブロリズマブ)等の抗CTLA-4抗体が含まれる。他の免疫調節剤には、それだけには限らないが、ICOS抗体、OX-40抗体、PD-L1抗体、LAG3抗体、TIM-3抗体、41BB抗体及びGITR抗体が含まれる。
本発明の化合物と組み合わせるか又は同時投与に使用される他の治療剤(抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、抗PD-L1剤である。抗PD-L1抗体及びそれを作製する方法は、当技術分野において公知である。PD-L1に対するそのような抗体は、ポリクローナル若しくはモノクローナル、及び/又は組換え型、及び/又はヒト化でもよい。例示的なPD-L1抗体は、米国特許第8,217,149号、同第8,383,796号、同第8,552,154号、同第9,212,224号、及び同第8,779,108号、並びに米国特許出願公開第20110280877号、同第2014/0341902号及び同第20130045201号に開示されている。PD-L1(CD274又はB7-H1とも称される)に対する追加の例示的な抗体及び使用するための方法は、米国特許第7,943,743号、同第8,168,179号;及び同第7,595,048号、WO2014055897、WO2016007235並びに米国特許出願公開第20130034559号、同第20130034559号及び同第20150274835号に開示されている。PD-L1抗体は、がんの治療のための免疫調節剤又は免疫調節物質として開発中である。
一実施形態では、PD-L1に対する抗体は、米国特許第8,217,149号において開示されている抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、米国特許第8,217,149号において開示されている抗体のCDRを含む。別の実施形態では、PD-L1に対する抗体は、米国特許第8,779,108号において開示されている抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、米国特許出願第8,779,108号において開示されている抗体のCDRを含む。別の実施形態では、PD-L1に対する抗体は、米国特許出願公開第20130045201号において開示されている抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、米国特許出願公開第20130045201号において開示されている抗体のCDRを含む。一実施形態では、抗PD-L1抗体は、BMS-936559(MDX-1105)であり、これはWO2007/005874に記載されていた。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446)である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、MEDI4736であり、これはWO2011/066389及びUS2013/034559に記載されている抗PD-L1モノクローナル抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、TECENTRIQ(商標)(アテゾリズマブ(atezolizumab))であり、これは特異型の膀胱がんに関して2016年5月に米国において認可された抗PDL1がん免疫療法である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、YW243.55.S70であり、これはWO2010/077634及びUS8,217,149に記載されている抗PD-L1である。本発明の方法、及びその作製方法に有用な抗PD-L1抗体の例は、PCT特許出願WO2010/077634、WO2007/005874、WO2011/066389、米国特許第8,217,149号、及びUS2013/034559に記載されている。
ヒトPD-L1に結合し、本発明の治療方法、医薬品及び使用に有用なmAbの他の例は、WO2013/019906、W02010/077634 A1及びUS8,383,796に記載されている。本発明の治療方法、医薬品及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD-L1 mAbには、MPDL3280A、BMS-936559、MEDI4736、MSB0010718Cが含まれる。
「PD-1アンタゴニスト」とは、がん細胞において発現したPD-L1が、免疫細胞(T細胞、B細胞又はNKT細胞)において発現したPD-1に結合するのを阻止し、好ましくは、がん細胞において発現したPD-L2が、免疫細胞に発現したPD-1に結合するのも阻止する任意の化合物又は生体分子を意味する。PD-1及びそのリガンドについての代替名又は同義語には、PD-1の場合、PDCD1、PD1、CD279及びSLEB2;PD-L1の場合、PDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274及びB7-H;並びにPD-L2の場合、PDCD1L2、PDL2、B7-DC、Btdc及びCD273が含まれる。ヒトの個体が治療されることになる本発明の態様又は実施形態のうちの任意の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1がヒトPD-1に結合するのを阻止し、好ましくは、ヒトPD-L1とPD-L2の両方がヒトPD-1に結合するのを阻止する。ヒトPD-1アミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号:NP_005009において見出すことができる。ヒトPD-L1及びPD-L2アミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号:NP_054862及びNP_079515において、それぞれ見出すことができる。
本発明の態様のいずれかにおいて有用なPD-1アンタゴニストには、モノクローナル抗体(mAb)、又はその抗原結合性フラグメントが含まれ、これは、PD-1又はPD-L1に特異的に結合し、好ましくは、ヒトPD-1又はヒトPD-L1に特異的に結合する。mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体でもよく、ヒトの定常領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒトの定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4定常領域からなる群から選択され、好ましい実施形態では、ヒトの定常領域は、IgG1又はIgG4定常領域である。いくつかの実施形態では、抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab'-SH、F(ab')2、scFv及びFvフラグメントからなる群から選択される。
ヒトPD-1に結合し、本発明の様々な態様及び実施形態において有用なmAbの例は、US7,488,802、US7,521,051、US8,008,449、US8,354,509、US8,168,757、WO2004/004771、WO2004/072286、WO2004/056875、及びUS2011/0271358に記載されている。
本発明の態様及び実施形態のいずれかにおいてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD-1 mAbには、WHO Drug Information、Vol.27、No.2、161~162頁(2013)に記載されている構造を有し、図6に示される重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を含むMK-3475、ヒト化IgG4 mAb;WHO Drug Information、Vol.27、No.1、68~69頁(2013)に記載されている構造を有し、図7に示される重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を含むニボルマブ、ヒトIgG4 mAb;WO2008/156712に記載されている、ヒト化抗体h409A11、h409A16及びh409A17、並びにMedimmune社によって開発されているAMP-514が含まれる。
本発明の態様及び実施形態のいずれかにおいて有用な他のPD-1アンタゴニストには、PD-1に特異的に結合する、好ましくは、ヒトPD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン、例えば、免疫グロブリン分子のFc領域等の定常領域に融合したPD-L1若しくはPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含有する融合タンパク質が含まれる。PD-1に特異的に結合する免疫接着分子の例は、WO2010/027827及びWO2011/066342に記載されている。本発明の治療方法、医薬品及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的融合タンパク質には、PD-L2-FC融合タンパク質であり、ヒトPD-1に結合するAMP-224(B7-DCIgとしても公知)が含まれる。
キイトルーダ/ペムブロリズマブは、Merckにより肺がんの治療用に販売されている抗PD-1抗体である。ペムブロリズマブのアミノ酸配列及び使用方法は、米国特許第8,168,757号において開示されている。
オプジーボ/ニボルマブは、Bristol Myers Squibb社によって販売されている、免疫強化活性を有する負の免疫調節性ヒト細胞表面受容体PD-1(プログラム死-1又はプログラム細胞死-1/PCD-1)に対する、完全ヒト型モノクローナル抗体である。ニボルマブは、Igスーパーファミリー膜貫通タンパク質であるPD-1に結合し、そのリガンドであるPD-L1及びPD-L2による活性化を阻止し、その結果、T細胞の活性化、及び腫瘍細胞又は病原体に対する細胞媒介性免疫応答をもたらす。活性化されたPD-1は、PI3k/Akt経路の活性化を抑制することにより、T細胞の活性化及びエフェクター機能に負の制御を行う。ニボルマブの他の名称には、BMS-936558、MDX-1106、及びONO-4538が含まれる。ニボルマブについてのアミノ酸配列並びに使用方法及び作製方法は、米国特許第8,008,449号において開示されている。
ICOSは、CD28/CTLA-4-Igスーパーファミリー(Hutloffら、「ICOS is an inducible T-cell co-stimulator structurally and functionally related to CD28」、Nature、397:263~266(1999))に対して構造的且つ機能的な関係を有する共刺激T細胞受容体である。ICOSの活性化は、ICOS-L(B7RP-1/B7-H2)による結合を通して起きる。B7-1とB7-2(CD28及びCTLA4に対するリガンド)のいずれも、ICOSと結合することもなく又はICOSを活性化することもない。しかしながら、ICOS-Lは、CD28及びCTLA-4の両方と弱く結合することが示された(Yao Sら、「B7-H2 is a costimulatory ligand for CD28 in human」、Immunity、34(5);729~40(2011))。ICOSの発現は、T細胞に限定されると考えられる。ICOS発現レベルは、種々のT細胞サブセット間で且つT細胞活性化状態に応じて変化する。ICOS発現は、休止TH17、濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)及び制御性T細胞(Treg)上で示されたが、しかしながら、CD28と異なり、ナイーブTH1及びTH2エフェクターT細胞集団上で高度に発現することはない(Paulos CMら、「The inducible costimulator (ICOS) is critical for the development of human Th17 cells」、Sci Transl Med、2(55);55ra78(2010))。ICOS発現は、CD4+及びCD8+エフェクターT細胞上で高度に誘導され、続いてTCR係合(engagement)を通して活性化する(Wakamatsu Eら、「Convergent and divergent effects of costimulatory molecules in conventional and regulatory CD4+T cells」、Proc Natal Acad Sci USA、110(3);1023~8(2013))。
アゴニスト活性を有するヒトICOSに対するネズミの抗体についてのCDRは、PCT/EP2012/055735(WO2012/131004)に示される。ICOSへの抗体はまた、WO2008/137915、WO2010/056804、EP1374902、EP1374901、及びEP1125585において開示されている。
ICOSに対するアゴニスト抗体又はICOS結合タンパク質は、WO2012/13004、WO2014/033327、WO2016/120789、US20160215059、及びUS20160304610に開示されている。一実施形態では、ICOSに対するアゴニスト抗体には、1つ以上の:配列番号1に示されるCDRH1、配列番号2に示されるCDRH2、配列番号3に示されるCDRH3、配列番号4に示されるCDRL1、配列番号5に示されるCDRL2及び/若しくは配列番号6に示されるCDRL3又は各CDRの直接的等価物を含む、ICOS結合タンパク質又はその抗原結合部分が含まれ、直接的等価物は、全体として参照により本明細書に組み込まれるWO2016/120789に開示されるように、前記CDR中に2個以下のアミノ酸置換を有する。一実施形態では、ICOS結合タンパク質又はその抗原結合部分は、配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むVHドメイン、及び/又はWO2016/120789に示されるような配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、ICOSに対するアゴニスト抗体であり、前記ICOS結合タンパク質は、ヒトICOSに特異的に結合する。一実施形態では、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に示されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、及びWO2016/120789に示されるような配列番号8に示されるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、ICOSに対するアゴニスト抗体である。
ヤーボイ(イピリムマブ)は、Bristol Myers Squibbにより販売されている完全ヒト型CTLA-4抗体である。イピリムマブのタンパク質構造及び使用されている方法は、米国特許第6,984,720号及び同第7,605,238号に記載されている。
OX40としても公知のCD134は、CD28と異なり、休止ナイーブT細胞上に構成的に発現しない、受容体のTNFR-スーパーファミリーのメンバーである。OX40は、活性化に続いて24~72時間後に発現する二次性共刺激分子であり、そのリガンド、OX40Lもまた、休止抗原提示細胞上に発現しないが、その活性化に続く。OX40の発現は、T細胞の完全活性化に依存し、CD28を伴わず、OX40の発現は遅れて、4倍低いレベルである。OX-40抗体、OX-40融合タンパク質及びその使用方法は、米国特許第7,504,101号、同第7,758,852号、同第7,858,765号、同第US7,550,140号、同第7,960,515号、WO2012027328、WO2013028231に開示されている。
一実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、国際出願日2011年8月23日のWO2012/027328(PCT/US2011/048752)に開示されているものである。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2011年8月23日のWO2012/027328(PCT/US2011/048752)に開示されている抗体のCDR、又は開示されたCDR配列と90%同一であるCDRを含む。更なる実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2011年8月23日のWO2012/027328(PCT/US2011/048752)に開示されている抗体のVH、VL、若しくは両方、又は開示されたVH若しくはVL配列と90%同一であるVH若しくはVLを含む。
別の実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、全体として参照により本明細書に組み込まれる、国際出願日2012年2月9日のWO2013/028231(PCT/US2012/024570)に開示されている。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2012年2月9日のWO2013/028231(PCT/US2012/024570)に開示されている抗体のCDR、又は開示されたCDR配列と90%同一であるCDRを含む。更なる実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2012年2月9日のWO2013/028231(PCT/US2012/024570)に開示されている抗体のVH、VL、若しくは両方、又は開示されたVH若しくはVL配列と90%同一であるVH若しくはVLを含む。一実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、OX40に対する単離されたアゴニスト抗体であり、WO2013/028231に示されるような配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である配列を有する軽鎖可変領域及びWO2013/028231に示されるような配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である配列を有する重鎖可変領域を含む。一実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、単離された抗体であり、WO2013/028231に示されるような配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及びWO2013/028231に示されるような配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
したがって、一実施形態では、式(I)の化合物又はその塩及び少なくとも1種の免疫調節物質を投与することを含む、それを必要とするヒトの治療方法が提供される。一実施形態では、免疫調節物質は、ICOSアゴニスト抗体、OX-40抗体又はPD-1抗体から選択される。一実施形態では、ヒトはがんを有する。また本明細書で、少なくとも1種の免疫調節物質と組み合わせた式(I)の化合物又はその塩の使用が、それを必要とするヒトの治療のために提供される。
本明細書で使用される時、「免疫賦活剤」とは、免疫系を刺激することができる任意の薬剤を表す。本明細書で使用される時、免疫賦活剤には、それだけには限らないが、Toll様受容体アゴニストなどのワクチンアジュバント、PD-1及びCTL4に対するmAbなどのT細胞チェックポイント遮断薬、並びにOX-40及びICOSに対するアゴニストmAbなどのT細胞チェックポイントアゴニストが含まれる。
用語「Toll様受容体」(又は「TLR」)とは、本明細書で使用される時、微生物生産を感知し、且つ/又は適応免疫応答を開始する、タンパク質のToll様受容体ファミリーのメンバー又はそのフラグメントを表す。一実施形態では、TLRは、樹状細胞(DC)を活性化する。Toll様受容体(TLR)は、微生物病原体を認識する自然免疫系のセンサーとして初めて同定されたパターン認識受容体のファミリーである。TLRは、PAMP(病原体関連分子パターン)と称されることも多い、微生物における特徴的な構造を認識する。TLRに対するリガンド結合により、炎症及び免疫性に関与する因子の産生を誘導する細胞内シグナル伝達経路のカスケードが引き起こされる。ヒトにおいて、10種のTLRが同定されている。細胞表面で発現するTLRには、TLR-1、-2、-4、-5、及び-6が含まれ、一方、TLR-3、-7/8、及び-9は、ERコンパートメントによって発現される。ヒトDCサブセットは、特徴的なTLR発現パターンに基づいて同定することができる。一例として、骨髄性又は「従来の」DCサブセット(mDC)は、刺激を受けるとTLR1~8を発現し、活性化マーカー(例えばCD80、CD86、MHCクラスI及びII、CCR7)、炎症誘発性サイトカイン、及びケモカインのカスケードが生み出される。この刺激及び得られた発現の結果は、抗原特異性のCD4+及びCD8+T細胞プライミングである。これらのDCは、抗原を取り込むための向上した能力を獲得し、適切な形態の抗原をT細胞に提示する。対照的に、DCの形質細胞様サブセット(pDC)は、活性化時にTLR7及びTLR9のみを発現し、NK細胞同様にT細胞の活性化が得られる。末期の腫瘍細胞は、DC機能に悪影響を与え得るため、TLRアゴニストを用いたDC活性化が、がんの治療に対する免疫療法アプローチにおける抗腫瘍免疫のプライミングにとって有益であり得ることが示唆されている。放射線及び化学療法を使用する乳がんの成功した治療は、TLR4活性化を必要とすることもまた示唆されている。
当技術分野で公知であり且つ本発明における使用を見出したTLRアゴニストには、それだけには限らないが、以下の:Pam3Cys、TLR1/2アゴニスト;CFA、TLR2アゴニスト;MALP2、TLR2アゴニスト;Pam2Cys、TLR2アゴニスト;FSL-I、TLR-2アゴニスト;Hib-OMPC、TLR-2アゴニスト;ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)、TLR3アゴニスト;ポリアデノシン-ポリウリジル酸(ポリAU)、TLR3アゴニスト;ポリ-L-リシン及びカルボキシメチルセルロースで安定化されたポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ヒルトノール(Hiltonol))、TLR3アゴニスト;細菌性フラゲリン、TLR5アゴニスト;イミキモド、TLR7アゴニスト;レシキモド、TLR7/8アゴニスト;ロキソリビン、TLR7/8アゴニスト;並びに非メチル化CpGジヌクレオチド(CpG-ODN)、TLR9アゴニストが含まれる。
当技術分野において公知であり、且つ本発明において用途が見出されるさらなるTLRアゴニストとしては、例えば、限定するものではないが、TLR4受容体に結合するアミノアルキルグルコサミドホスフェート(AGP)類などがさらに挙げられ、これらは、免疫された動物においてサイトカイン産生を刺激し、マクロファージを活性化し、自然免疫応答を促進し、且つ抗体産生を増強するためのワクチンアジュバント及び免疫刺激剤として有用であることが知られている。天然のTLR4アゴニストの例は、細菌性のリポ多糖である。好適には、TLR4アゴニストはリピドAの非毒性誘導体である。リピドA TLR4アゴニストの半合成の非毒性誘導体の例は、モノホスホリルリピドA、特に3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)である。3D-MPLは、GlaxoSmithKline Biologicals S.A.によりMPLの名称の下で販売されている。AGP類、及びこれらのTLR4を介した免疫調節作用は、WO 2006/016997、WO 2001/090129及び/又は米国特許第6,113,918号などの特許公報に開示されており、文献において報告されている。さらなるAGP誘導体は、米国特許第7,129,219号、米国特許第6,525,028号及び米国特許第6,911,434号に開示されている。特定のAGPはTLR4のアゴニストとして作用するが、他のAGPはTLR4アンタゴニストとして認識される。
一実施形態では、本発明の化合物と組み合わせて使用される免疫賦活剤は、TLR4アゴニストである。一実施形態では、TLR4アゴニストは、CRX-601及びCRX-527と称される。それらの構造は、以下のように示される:
したがって、一実施形態では、式(I)の化合物又はその塩及び少なくとも1種の免疫賦活剤を投与することを含む、それを必要とするヒトの治療方法が提供される。一実施形態では、免疫賦活剤はTLR4アゴニストである。一実施形態では、免疫賦活剤はAGPである。更に別の実施形態では、TLR4アゴニストは、式CRX-601、CRX-527、CRX-547、CRX-602又はCRX-526を有する化合物から選択される。一実施形態では、ヒトはがんを有する。また本明細書で、少なくとも1種の免疫賦活剤と組み合わせた式(I)の化合物又はその塩の使用が、それを必要とするヒトの治療のために提供される。
上述の免疫賦活剤に加えて、本発明の組成物は、そのアジュバント性のために、免疫系を刺激して、不活性化された腫瘍細胞(複数可)上に存在するがん抗原に応答するように作用することができる、他の治療剤を更に含んでもよい。そのようなアジュバントには、それだけには限らないが、脂質、リポソーム、自然免疫を誘導する不活化された細菌(例えば、不活化されるか又は弱毒化リステリア菌(Listeriamonocytogene))、(NOD)様受容体(NLR)、レチノイン酸誘導性遺伝子に基づく(RIG)-I様受容体(RLR)、及び/又はC型レクチン受容体(CLR)を介して、自然免疫活性化を媒介する組成物が含まれる。PAMPの例には、リポタンパク質、リポポリペプチド(lipopolypeptide)、ペプチドグリカン、ザイモサン、リポ多糖、ナイセリアポリン、フラゲリン、プロフィリン、ガラクトセラミド(galactoceramide)、ムラミルジペプチドが含まれる。ペプチドグリカン、リポタンパク質、及びリポタイコ酸は、グラム陽性の細胞壁成分である。リポ多糖は、大部分の細菌により発現され、MPLは一例である。フラゲリンとは、病原体性細菌及び共生細菌により分泌される細菌鞭毛の構造成分を表す。rt.-ガラクトシルセラミド(rt.-GalCer)は、ナチュラルキラーT(NKT)細胞の活性化因子である。ムラミルジペプチドは、全ての細菌に共通する生理活性のペプチドグリカンモチーフである。
そのアジュバント性のために、TLRアゴニストは、好ましくは、他のワクチン、アジュバント及び/又は免疫調節物質と組み合わせて使用され、様々な組合せで組み合わせることができる。したがって、特定の実施形態では、本明細書に記載されるように、STINGに結合し、且つSTING-依存性TBKIの活性化及び、DCの誘導、漸増及び/又は成熟を刺激する1種以上のサイトカインを発現し且つ分泌する不活性化腫瘍細胞を誘導する、本明細書に記載される式(I)の化合物は、治療的目的で、1種以上のTLRアゴニストと共に投与されてもよい。
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)は、制御性T細胞産生を促進し、且つエフェクターT細胞活性化を阻止することにより抗腫瘍免疫応答を調節する重大な免疫抑制酵素であり、それによってがん細胞が免疫監視を回避することが可能となることにより、腫瘍成長を助長する。(Lemos Hら、Cancer Res.2016年4月15日;76(8):2076~81)、(Munn DHら、Trends Immunol.2016年3月;37(3):193~207)。本発明の式(I)の化合物と組み合わせるか又は同時投与に使用される、更なる有効成分(抗悪性腫瘍剤)は、IDO阻害薬である。エパカドスタット(Epacadostat)、((Z)-N-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N'-ヒドロキシ-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール-3-カルボキサミジン)は、腫瘍関連の免疫抑制を逆行させ且つ効果的な抗腫瘍免疫応答を回復させる、極めて強力で且つ選択性のIDO1酵素の経口阻害薬である。エパカドスタットは、米国特許第8,034,953号に開示されている。
式(I)の化合物と組み合わせるか又は同時投与に使用される他の治療剤(抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、CD73阻害薬並びにA2a及びA2bアデノシンアンタゴニストである。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、細菌感染症及びウイルス感染症の予防又は治療に有用な、少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。そのような薬剤の例には、限定されることなく、ポリメラーゼ阻害薬、例えばWO2004/037818-A1に開示されているもの、同様にWO2004/037818及びWO2006/045613に開示されているものなど;JTK-003、JTK-019、NM-283、HCV-796、R-803、R1728、R1626、同様にWO2006/018725、WO2004/074270、WO2003/095441、US2005/0176701、WO2006/020082、WO2005/080388、WO2004/064925、WO2004/065367、WO2003/007945、WO02/04425、WO2005/014543、WO2003/000254、EP1065213、WO01/47883、WO2002/057287、WO2002/057245に開示されているもの及び同様の薬剤;複製阻害薬、例えばアシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、シドホビル、ラミブジン及び同様の薬剤など;プロテアーゼ阻害薬、例えばHIVプロテアーゼ阻害薬サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル(lasinavir)、及びHCVプロテアーゼ阻害薬BILN2061、VX-950、SCH503034など;並びに同様の薬剤;ヌクレオシド及びヌクレオチドの逆転写酵素阻害薬、例えばジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、テノホビルジスプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェンアミドフマル酸塩/ヘミフマル酸塩、並びに同様の薬剤など;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(例えばイムノカル(immunocal)、オルチプラズなどの抗酸化活性を有する薬剤を含める)、例えばネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビライド(loviride)、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、リルピビリン及び同様の薬剤など;侵入阻害薬、例えばエンフビルチド(T-20)、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、5-ヘリックス(Helix)及び同様の薬剤など;インテグラーゼ阻害薬、例えばドルテグラビル、エルビテグラビル、ラルテグラビルL-870,180及び同様の薬剤など;出芽阻害薬、例えばPA-344及びPA-457、及び同様の薬剤など;ケモカイン受容体阻害薬、例えばビクリビロック(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク(UK-427,857)、TAK449、同様にWO02/74769、WO2004/054974、WO2004/055012、WO2004/055010、WO2004/055016、WO2004/055011、及びWO2004/054581に開示されているもの、並びに同様の薬剤など;薬物動態エンハンサー、例えばコビシスタットなど;ノイラミニダーゼ阻害薬、例えばCS-8958、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル及び同様の薬剤など;イオンチャネル遮断薬、例えばアマンタジン又はリマンタジン及び同様の薬剤など;並びに干渉RNA及びアンチセンスオリゴヌクレオチド及び例えばISIS-14803並びに同様の薬剤など;作用機序未確定の抗ウイルス剤、例えばWO2005/105761、WO2003/085375、WO2006/122011に開示されているもの、リバビリン及び同様の薬剤が含まれる。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩はまた、カポジ肉腫関連のヘルペスウイルス感染症(KSHV及びKSHV関連)の治療において有用であり得る他の治療剤と組み合わせて使用されてもよく、これには、限定されることなく、化学治療剤、例えばブレオマイシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、プレドニゾン、アリトレチノインなど、及びリポソームのアントラサイクリン、例えばドキソルビシン、ダウノルビシンなど、免疫療法薬、例えばリツキシマブ、トシリズマブ、シルツキシマブなど並びにパクリタキセル及びラパマイシンなどの他の薬剤が含まれる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、抗微生物剤又は殺菌性抗生物質である。式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩はまた、Tb感染症(結核菌)及び野兎病(野兎病菌)の治療において有用であり得る少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよく、これには、限定されることなく、第一選択の経口剤、イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトール、ストレプトマイシン、リファブチン;カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシンを含めた注射可能剤;レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシンを含めたフルオロキノロン;経口静菌剤、パラ-アミノサリチル酸、サイクロセリン、テリジドン、チオンアミド、プロチオンアミド;SQ-109、PNU-100480、リファペンチン、リネゾリド、PA-824、AZD5847、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、シルトロ(Sirturo)(ベダキリン)、デラマニド(OPC-67683)及びクロファジミン、リネゾリド、アモキシシリン/クラブラネート、チオアセタゾン、イミペネム/シラスタチン、高用量イソニアジド、クラリスロマイシン、シプロフロキサシンを含めた薬物抵抗性TBの治療における作用機序未確定の薬剤が含まれる。式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩はまた、抗微生物剤(イソニアジド(INH)、エタンブトール(Myambutol(登録商標))、リファンピシン(Rifadin(登録商標))、及びピラジナミド(PZA)など)、殺菌性抗生物質(リファブチン(Mycobutin(登録商標))又はリファペンチン(Priftin(登録商標))など)、アミノグリコシド系薬(Capreomycin(登録商標))、フルオロキノロン系(レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン)、チオアミド(エチオンアミド)、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、パラ-アミノサリチル酸(Paser(登録商標))、サイクロセリン(Seromycin(登録商標))、カナマイシン(Kantrex(登録商標))、ストレプトマイシン、バイオマイシン、カプレオマイシン(Capastat(登録商標))、ベダキリンフマル酸塩(Sirturo(登録商標))、オキサゾリジノン(Sutezolid(登録商標))、PNU-100480又はデラマニド(OPC-67683)と組み合わせて使用されてもよい。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩はまた、限定されることなく、アジスロマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、レボフロキサシン、オフロキサシンを含めた、クラミジアの治療において有用であり得る少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。
本発明の化合物はまた、限定されることなく、クロロキン、アトバコン-プログアニル、アーテメータ-ルメファントリン、メフロキン、キニーネ、キニジン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、アーテスネート、プリマキンを含めた、プラスモディウム感染症の治療において有用であり得る少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、グルタメート遮断薬(リルゾール(Rilutek(登録商標))、キニジン(Nuedexta(登録商標))、抗コリン薬(amitriptyline(登録商標)、Artane(登録商標)、スコポラミンパッチ(Transderm Scop(登録商標))、交感神経興奮剤(プソイドエフェドリン)、粘液溶解薬(グアイフェネシン)又は鎮痛薬(トラマドール(Ultram(登録商標));ケトロラク(Toradol(登録商標));モルヒネ;フェンタニルパッチ(Duragesic(登録商標))と組み合わせて使用されてもよい。
多発性硬化症の治療において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、副腎皮質ステロイド(プレドニゾン、メチルプレドニゾロン)、インターフェロンベータ-1A(Avonex(登録商標)、Extavia(登録商標)、Rebif(登録商標)、Betaseron(登録商標))、ペグインターフェロンベータ-1A(Plegridy(登録商標))、酢酸グラチラマー(Copaxone(登録商標));酢酸グラチラマー(Glatopa(登録商標)-コパキソンのジェネリック等価物);フマル酸ジメチル(Tecfidera(登録商標));フィンゴリモド(Gilenya(登録商標));テリフルノミド(Aubagio(登録商標));ダルファムプリジン(Ampyra(登録商標));ダクリズマブ(Zinbryta);アレムツズマブ(Lemtrada(登録商標));ナタリズマブ(Tysabri(登録商標));又は塩酸ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))と組み合わせて使用されてもよい。
本発明の化合物はまた、任意の所与の抗原に対して生じた免疫応答を改善するために、且つ/又は患者、詳細にはそれを必要とするヒトにおける反応源性/毒性を低減するために、アジュバントとして使用されてもよい。したがって、本発明の化合物は、例えば保護のレベル又は持続時間を増加させ且つ/又は抗原用量の低減を可能にすることにより、免疫応答を調整し特に向上させるために、ワクチン組成物と組み合わせて使用されてもよい。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、ウイルス感染症の予防又は治療に有用な、1つ以上のワクチン又は免疫原性抗原と組み合わせて使用されてもよい。そのようなワクチン又は免疫原性抗原には、限定されることなく、典型的には免疫原性物質として使用される、病原体由来のタンパク質又は弱毒化ウイルス、ウイルス粒子などの粒子、及びウイルス性タンパク質が含まれる。ウイルス及びウイルス性抗原のソースの例には、限定されることなく、ポリオウイルス、コロナウイルス科及びコロナウイルス、ライノウイルス(全てのサブタイプ)、アデノウイルス(全てのサブタイプ)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、ヒトパピローマウイルス(全てのサブタイプを含める)、狂犬病ウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルス(全てのサブタイプ)、風疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、コクサッキーウイルスA型(全てのサブタイプ)、コクサッキーウイルスB型(全てのサブタイプ)、ヒトエンテロウイルス、サイトメガロウイルスを含めたヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス(全てのサブタイプ)、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(全てのサブタイプ)、エプスタイン-バーウイルス、レオウイルス(全てのサブタイプ)、マールブルグウイルス及びエボラウイルスを含めたフィロウイルス(全ての株)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、ラッサウイルス、フニンウイルス、及びマチュポウイルスを含めたアレナウイルス、西ナイルウイルス、デングウイルスを含めたアルボウイルス(全ての血清型)、ジカウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、シンドビスウイルス、トガウイルス科(Togaviraidae)、フラビウイルス科、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、オルトミクソウイルス科、オルソポックスウイルス(痘瘡ウイルス、サル痘ウイルス、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス)を含めたポックスウイルス、ヤタポックスウイルス(タナポックスウイルス(tanapox virus)、ヤバサル腫瘍ウイルス)、パラポックスウイルス、モルシポックスウイルス、黄熱病、ハンタン、ソウル、ドブラバ(Dobrava)、シンノンブル、プーマラ、及びドブラバ様サーレマー(Dobrava-like Saaremaa)を含めたハンタウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス及びインフルエンザウイルス(全てのタイプ)、H1N1インフルエンザ及びブタインフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス(全てのサブグループ)、ヒトロタウイルスA群~E群、ウシロタウイルス、アカゲザルロタウイルスを含めたロタウイルス、サルウイルス40、JCウイルス、BKウイルス、コルティウイルス、エヤックウイルス(eyach virus)、カリシウイルスを含めたポリオーマウイルス、並びにディペンドウイルス、パルボウイルス及びエリスロウイルスを含めたパルボウイルス科(Parvoviridae)が含まれる。
別の態様において、本発明は、本発明の化合物を対象に投与することを含む、HIVを治癒する方法を提供する。患者において「治癒する(Cure)」又は「治癒する(Curing)」とは、所定の期間の、ヒト免疫不全ウイルス若しくは症状、又はその症状若しくはウイルスの進行の根絶(eradication)、中止(stoppage)、停止(halt)若しくは終了(end)を意味するために用いられる。一例として、一実施形態においては、「治癒する(Cure)」又は「治癒する(Curing)」は、単独の、若しくは1種以上の薬剤と組み合わせた、治療的投与又は投与の組み合わせが、任意の他の治療的介入なしで、最小で例えば1年後又は2年後に、ヒト免疫不全ウイルスの持続的なウイルス抑制(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)試験、bDNA(分岐鎖DNA)試験又はNASBA(核酸配列ベースの増幅)試験による検出不可能なレベルの血漿ウイルス血症)を誘導し且つ維持することを指す。上記のPCR、bDNA及びNASBA試験は、当業者に公知であり、且つ熟知されている技術を用いて行われる。例として、ヒト免疫不全ウイルス若しくは症状、又はその症状若しくはウイルスの進行の根絶(eradication)、中止(stoppage)、停止(halt)若しくは終了(end)は、最小で2年間持続し得る。
別の態様において、本発明の化合物と、HIVに対して活性な1種以上のさらなる医薬品とを含む組み合わせがある。かかる化合物及び薬剤は、医薬製剤又は組成物中に存在し得る。従って、本発明は、対象におけるHIV感染症を治療し、治癒及び/又は予防する方法であって、本発明の化合物とHIVに対して活性な1種以上のさらなる医薬品とを含む組み合わせ(又はその医薬製剤若しくは組成物)を対象に投与することを含む、上記方法も包含する。
このような実施形態において、HIVに対して活性な1種以上のさらなる薬剤は、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)、フォジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン(elvucitabine)、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビリド(loviride)、イムノカル(immunocal)、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル(lasinavir)、エンフビルチド、T-20、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、BMS-663068及びBMS-626529、5-ヘリックス、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビル、カボテグラビル、ビクリビロク(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク、TAK449、ジダノシン、テノホビル、ロピナビル、及びダルナビルからなる群から選択される。
それ自体、本発明の化合物及び任意の他の薬学的に活性な薬剤(1種又は複数種)は、一緒に投与しても別々に投与してもよく、別々に投与する場合、投与は同時に行ってもよく、又は任意の順番で連続的に行ってもよい。本発明の化合物及び他の薬学的に活性な薬剤(1種又は複数種)の量、並びに投与の相対的なタイミングは、所望の併用療法効果を達成するために選択されるであろう。本発明の化合物と他の治療剤との組み合わせの投与は、(1)両方の化合物を含む単一医薬組成物;又は(2) それぞれが化合物の1種を含む別個の医薬組成物における併用投与による組み合わせであり得る。あるいは、この組み合わせは、1種の治療剤を最初に投与し、他の治療剤を2番目に投与するか、又はその逆の順番で投与する連続様式で別々に投与されてもよい。このような連続投与は、近接した時間であってもよく、又は離れた時間であってもよい。本発明の化合物及び他のHIVに対して薬学的に活性な薬剤(1種又は複数種)の量及び投与の相対的タイミングは、所望の併用療法効果を達成するために選択されるであろう。
さらに、本発明の化合物は、HIVの予防、治療又は治癒において有用であり得る1種以上の他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。このような薬剤の例として、以下のものが挙げられる:ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、例えば、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)、フォジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン(elvucitabine)、TDF、TAF及び類似の薬剤;非ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(例えばイムノカル(immunocal)、オルチプラズ等の抗酸化活性を有する薬剤を含む)、例えばネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビリド(loviride)、イムノカル(immunocal)、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、及び類似の薬剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばサキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル(lasinavir)、及び類似の薬剤;インテグラーゼ阻害剤、例えばラルテグラビル、エルビテグラビル、ビクテグラビル、ドルテグラビル、カボテグラビル及び類似の薬剤;成熟阻害剤、例えばPA-344及びPA-457、及び類似の薬剤;並びにGSK2838232.CXCR4及び/又はCCR5阻害剤、例えばビクリビロク(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク(UK 427,857)、TAK449、並びにWO 02/74769、PCT/US03/39644、PCT/US03/39975、PCT/US03/39619、PCT/US03/39618、PCT/US03/39740、及びPCT/US03/39732に開示されているもの、及び類似の薬剤。本発明の化合物がHIVの予防又は治療において有用な1種以上の薬剤と組み合わせて使用され得るさらなる例は、表Aに列挙されている。
本発明の化合物とHIV薬剤との組み合わせの範囲は上記のものに限定されないが、原則として、HIVの治癒、治療及び/又は予防に有用な任意の医薬組成物との任意の組み合わせを包含する。上述のとおり、このような組み合わせにおいて、本発明の化合物と他のHIV薬剤とは、別々に投与してもよく、又は併用して投与してもよい。さらに、1種の薬剤を、他の薬剤(1種又は複数種)の投与の前、同時、又は後に投与してもよい。
本発明は、薬理学的増強剤として有用な1種以上の薬剤と組み合わせて使用してもよく、またHIVの予防又は治療のためのさらなる化合物と一緒に又はこれを伴わずに使用してもよい。このような薬理学的増強剤(又は薬物動態的ブースター)の例としては、限定するものではないが、リトナビル、GS-9350、及びSPI-452などが挙げられる。リトナビルは、10-ヒドロキシ-2-メチル-5-(1-メチルエチル)-1-1[2-(1-メチルエチル)-4-チアゾリル]-3,6-ジオキソ-8,11-ビス(フェニルメチル)-2,4,7,12-テトラアザトリデカン-13-酸、5-チアゾリルメチルエステル、[5S-(5S*,8R*,10R*,11R*)]であり、ノービア(Norvir)と同様にイリノイ州アボットパークのAbbott Laboratoriesから入手可能である。リトナビルは、他のHIV感染症の治療用の抗レトロウイルス薬と一緒に適応されるHIVプロテアーゼ阻害剤である。リトナビルもまた、P450媒介性薬物代謝並びにP糖タンパク質(Pgp)細胞輸送系を阻害し、これにより生物中の活性化合物の濃度の増加をもたらす。
上記の他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて用いられる場合、例えば米国医薬品便覧(Physicians' Desk Reference)(PDR)に示される量で使用されてもよく、又は当業者により決定される量で使用されてもよい。
したがって、本発明は、抗原又は抗原性組成物及び式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む免疫原性組成物を提供する。抗原又は抗原性組成物及び式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含むワクチン組成物が更に提供される。
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩はまた、例えば、免疫療法(例えばインターフェロン又は他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体調節物質、サイトカインアゴニスト又はアンタゴニスト及び同様の薬剤);並びに治療的ワクチン、抗線維化剤、副腎皮質ステロイド薬又はNSAID(非ステロイド性抗炎症剤)などの抗炎症剤及び同様の薬剤のような、ウイルス感染症の予防又は治療において有用であり得る、少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。
STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口又は外用副腎皮質ステロイド薬、抗TNF剤、5-アミノサリチル酸及びメサラミン調製物、ヒドロキシクロロキン、チオプリン、メトトレキセート、シクロホスファミド、シクロスポリン、カルシニューリン阻害薬、ミコフェノール酸、mTOR阻害薬、JAK阻害薬、Syk阻害薬、RIPK1及びRIPK2阻害薬、抗IL6生物製剤、抗IL1剤、抗IL17生物製剤、抗CD22、抗インテグリン剤、抗IFNa、抗CD20又はCD4生物製剤及び他のサイトカイン阻害薬又はT細胞若しくはB細胞の受容体又はインターロイキンに対する生物製剤を含めた抗炎症生物製剤を含めた、他の抗炎症剤と組み合わせて投与されてもよい。
例えば、全身性エリテマトーデス及び関連ループス障害の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン(Delatsone(登録商標)、オラプレド(Orapred)、ミリプレド(Millipred)、オムニプレド(Omnipred)、エコノプレド(Econopred)、フロ-プレド(Flo-Pred)など)、免疫抑制剤(メトトレキセート(Rhuematrex(登録商標)、Trexall(登録商標)など)、デキサメタゾン(Decadron(登録商標)、Solurex(登録商標))、ミコフェノール酸モフェチル(Cellcept(登録商標))、Tacrolimus(登録商標)、Sirolimus(登録商標))、B細胞療法(ベリムマブ(Benlysta(登録商標))、B細胞阻害薬(Atacicept(登録商標)、Apratuzumab(登録商標)(抗CD22)、SBI-087(抗CD20)、抗BAFF抗体(LY2127399、A623)、Velcade(登録商標))、アザチオプリン(Azasan(登録商標)、Imuran(登録商標))、トリアムシノロン(Clinacort(登録商標)、Kenalog-10(登録商標))、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))、サリドマイド(Immunoprin(登録商標)、Contergan(登録商標))、免疫グロブリン療法(HyQiva(登録商標)、Flebogamma(登録商標)、Gamunex(登録商標)、Privigen(登録商標)、Gammagard(登録商標))、抗インターフェロン-アルファ療法(Rontalizumab(登録商標)、Sifalimumab(登録商標)、AGS-009(登録商標)、IFNキノイド(Kinoid))、抗インターフェロン受容体(IFNR)(Anifrolumab(登録商標)), TLR7及びTLR9遮断薬(IMO-3100)、抗サイトカイン療法(抗IL6(CNTO-136)、抗インターフェロン-ガンマ(AMG811)、免疫調節療法(Lupuzor(商標)、アバタセプト、Orencia(登録商標)、AMG557、ラキニモド、パキニモド(Paquinimod)、レフルノミド、抗ICOS(メジ(Medi)-570)、抗CD40リガンド抗体(CDP7657))、並びに/又は血小板凝集阻害薬(アスピリン)を含めた、少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて投与されてもよい。
シェーグレン症候群の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、抗リウマチ剤(ヒドロキシクロロキン及びPlaquenil(登録商標)、Ridaura(登録商標)、Kineret(登録商標))、コリン作用性アゴニスト(Salagen(登録商標)、Evoxac(登録商標))、JAK阻害薬(Xelijanz(登録商標)、及び抗TNFα治療(Remicade(登録商標)、Humira(登録商標)、Enbrel(登録商標)、Cimzia(登録商標)、Simponi(登録商標))と組み合わせて投与されてもよい。
血管炎及び小型又は中型の血管の炎症を伴う疾患の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、アルキル化剤(シクロホスファミド、Cytoxan(登録商標))、抗リウマチ性抗CD20抗体(Rituxan(登録商標)、Rituximab(登録商標))、及び抗TNFα阻害薬(Etanrcept(登録商標))と組み合わせて投与されてもよい。
乾癬の治療において、STINGを調節する化合物、特に式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、イキセキズマブ、チルドラキズマブ、セクキヌマブ、アレファセプト、カルシポトリエン及びジプロピオン酸ベタメタゾン、プレドニゾン、タゾラック(tazorac)局所ゲル、メトトレキサート、シクロスポリン、フマル酸、アシトレチン、光線療法(UVA、UVB)、ソラレン、コールタール、TNF阻害剤(エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル)、PDE-4阻害剤(アプレミラスト)、JAK阻害剤(トファシチニブ)、IL 12/23(ウステキヌマブ)、IL17(セクキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブと、AMG-827)、IL23(チルドラキズマブ(MK-3222)、グセルクマブ、イトリズマブ、インフリキシマブのバイオシミラー(レムシマ(Remsima)(Inflectra(登録商標))、Sandoz GP 11111)、リツキシマブのバイオシミラー(CT-P10 (Mabthera(登録商標))、PF-05280586 (MabThera(登録商標)))、エタネルセプトのバイオシミラー(CHS-2014)、アダリムマブのバイオシミラー(GP-2017)、M-518101局所ビタミンD;Maruho GK-664、又はCT-327(局所トロポミオシン受容体キナーゼA)、CF-101、セクキヌマブ(AIN457)、又はフマル酸ジメチルLAS-41008と組み合わせて投与され得る。
関節リウマチの治療において、STINGを調節する化合物、特に式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、トシリズマブ、DMARD類(メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド)、スルファサラジン遅延放出錠、セルトリズマブペゴル、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、アダリムマブ、キネレット(Kineret);エトドラク、ナプロキセンナトリウム、アバタセプト、プレドニゾン、インフリキシマブ(inflimimab)、ゴリムマブ、ロフェコキシブ、トファシチニブ、メトトレキサート、選択的JAK1 & JAK2阻害剤(バリシチニブ(baracitinib))、アンチセンス-オリゴヌクレオチド(アリカホルセン(alicafosen))、インフリキシマブのバイオシミラー(レムシマ(Remsima)(Inflectra(登録商標))、GS-071インフリキシマブ(Aprogen)、SB2インフリキシマブ、PF-06438179インフリキシマブ、GP11111、リツキシマブのバイオシミラー(CT-P10リツキシマブ(Celltrion))、BI-695500、GP-2013、PF-05280586、エタネルセプトのバイオシミラー(エタネルセプトSB4 (Brenzys(商標))、Benepali(登録商標);CHS-0214エタネルセプト、GP-2015、アダリムマブのバイオシミラー(ABP-501アダリムマブ、BI-695501、Samsung SB5、GP-2017. PF-06410293、Momenta M923、又はアバタセプトのバイオシミラー(M834)と組み合わせて投与され得る。
別の実施形態において、STINGを調節する化合物、特に式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、それを必要とする患者に、本明細書中で挙げられる疾患及び/又は障害のいずれかのための少なくとも1種の他の療法と組み合わせて、及び/又は標準的治療(米国保健社会福祉省、米国医療研究・品質調査機構、米国ガイドライン・クリアリングハウス(U.S. Department of Health and Human Services, Agency for Healthcare Research and Quality, National Guideline Clearinghouse)、https://www.guideline.gov/及び世界保健機関(World Health Organization)、https://www.who.int/management/quality/standards/en/)とみなされる少なくとも1種の他の活性治療剤と組み合わせて投与され得る。
別の実施形態において、STINGを調節する化合物、特に式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、それを必要とする患者に、少なくとも1種の他の療法と組み合わせて、例えば、乾癬の治療に適応されるUVA及び/又はUVB光線療法と組み合わせて投与され得る。
別の実施形態において、STINGを調節する化合物、特に式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、それを必要とする患者に、本明細書中に挙げられる適応症のための少なくとも1種の他の活性治療剤と組み合わせて投与することが可能であり、ここで上記少なくとも1種の他の活性治療剤は以下のとおりである:コルチコステロイド[経口的に、局所的に、注射により、又は坐薬として投与されるもの;プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、ブデソニド、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、フルチカゾン(フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン)、フルドロキシコルチド(フルランドレノリド、フルランドレノロン(flurandrenolone))、フルオシノニド、クロベタゾール(プロピオン酸クロベタゾール)]、抗TNF生物学的製剤(エタネルセプト(etanecerpt)、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブ、又はゴリムマブ)、PDE-4阻害剤(アプレミラスト)、5-アミノサリチル酸(メサラジン/メサラミン;スルファサラジン、バルサラジド)、DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬:メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、レフルノミド)、チオプリン(アザチオプリン、メルカプトプリン)、JAK阻害剤(トファシチニブ)、NSAID(アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン(ナプロキセンナトリウム)、エトドラク、セレコキシブ、ジクロフェナク、メロキシカム)、抗IL6生物学的製剤(トシリズマブ)、抗IL1生物学的製剤(アナキンラ、カナキヌマブ、リロナセプト)、抗IL12又はIL23生物学的製剤(ウステキヌマブ、リサンキズマブ、グセルクマブ、チルドラキズマブ)、抗CD6生物学的製剤(イトリズマブ)、抗インテグリン剤(ナタリズマブ(Tysabri(登録商標))、エトロリズマブ(etrolizumab))、抗IL17生物学的製剤(セクキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブ)、抗CD22生物学的製剤(エプラツズマブ)、抗CD20生物学的製剤(リツキシマブ、オファツムマブ)、抗CD20又はCD4生物学的製剤及び他のサイトカイン阻害剤、あるいはT細胞受容体若しくはB細胞受容体又はインターロイキン類に対する生物学的製剤、カルシニューリン阻害剤(シクロスポリン、ピメクロリムス、タクロリムス)、アシトレチン、フマル酸、フマル酸ジメチル、シクロホスファミド、シクロスポリン(cyclosporine)(又はciclosporine)、メトトレキサート、ミコフェノール酸(又はミコフェノール酸モフェチル)、局所ビタミンD(カルシポトリオール又はカルシポトリエン)、mTOR阻害剤(テムシロリムス、エベロリムス)、Syk阻害剤(ホスタマチニブ)、抗IFNa生物学的製剤(シファリムマブ(sifalimumab)、又はレチノイド(タザロテン)。他の好適な生物学的製剤の例としては、アバタセプト、ベリムマブ、及びアリカフォセンなどが挙げられる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、吸入副腎皮質ステロイド薬、長時間作用型ベータアゴニスト、吸入副腎皮質ステロイド薬と長時間作用型ベータアゴニストの組合せ、短時間作用型ベータアゴニスト、ロイコトリエン調整薬、抗IgE、メチルキサンチン気管支拡張薬、マスト細胞阻害薬、及び長時間作用型ムスカリン性アンタゴニストから選択される。例えば、喘息の治療において、STIINGを阻害する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、吸入副腎皮質ステロイド薬((ICS)例えば、プロプリオン酸フルチカゾン(Flovent(登録商標)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(QVAR(登録商標))、ブデソニド(パルミコット(Pulmicort))、トリムシノロン(trimcinolone)アセトニド(Azmacort(登録商標))、フルニソリド(Aerobid(登録商標))、フロ酸モメタゾン(Asmanex(登録商標)、Twisthaler(登録商標))又はシクレソニド(Alvesco(登録商標))など)、長時間作用型ベータアゴニスト((LABA)例えば、フマル酸ホルモテロール(Foradil(登録商標))、キシナホ酸サルメテロール(Serevent(登録商標))など)、ICS及びLABAの組合せ(例えば、フロ酸フルチカゾン及びビランテロール(Breo Ellipta(登録商標))、ホルモテロール/ブデソニド吸入(Symbicort((登録商標))、ジプロピオン酸ベクロメタゾン/ホルモテロール(Inuvair(登録商標))、及びプロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール(Advair((登録商標))、短時間作用型ベータアゴニスト((SABA)例えば、硫酸アルブテロール(ProAir(登録商標)、Proventil HFA(登録商標)、Ventolin HFA(登録商標)、AccuNeb(登録商標)吸入溶液)、酒石酸レブアルブテロール(Xopenex(登録商標)HFA)、臭化イプラトロピウム/アルブテロール(Combivent(登録商標)Respimat(登録商標))、臭化イプラトロピウム(Atrovent(登録商標)HFA)、ロイコトリエン調整薬(例えば、モンテルカストナトリウム(Singulair(登録商標))、ザフィルルカスト(Accolate(登録商標))、又はジロートン(Zyflo(登録商標))、及び抗IgE(オマリズマブ(Xolair(登録商標))など)、メチルキサンチン気管支拡張薬(例えば、テオフィリン(Accurbron(登録商標)、Aerolate(登録商標)、Aquaphyllin(登録商標)、Asbron(登録商標)、Bronkodyl(登録商標)、Duraphyl(登録商標)、Elixicon(登録商標)、Elixomin(登録商標)、Elixophyllin(登録商標)、Labid(登録商標)、Lanophyllin(登録商標)、Quibron-T(登録商標)、Slo-Bid(登録商標)、Slo-Phyllin(登録商標)、Somophyllin(登録商標)、Sustaire(登録商標)、Synophylate(登録商標)、T-Phyll(登録商標)、Theo-24(登録商標)、Theo-Dur(登録商標)、Theobid(登録商標)、Theochron(登録商標)、Theoclear(登録商標)、Theolair(登録商標)、Theolixir(登録商標)、Theophyl(登録商標)、Theovent(登録商標)、Uni-dur(登録商標)、Uniphyl(登録商標))、マスト細胞阻害薬(例えば、クロモリンナトリウム(Nasalcrom(登録商標))及びネドクロミルナトリウム(Tilade(登録商標))など)、長時間作用型ムスカリン作用薬アンタゴニスト((LAMA)例えば、フロ酸モメタゾン/ホルモテロールフマル酸塩二水和物(Dulera(登録商標))など)と組み合わせて投与されてもよい。
喘息の治療において、併用療法に使用するのに好適であり得る他の薬剤には、タンパク質チロシンキナーゼ阻害薬(マシチニブ(masitinib))、CRTH2/D-プロスタノイド受容体アンタゴニスト(AMG853)、インダカテロール(Arcapta(登録商標)Neohaler(登録商標))、エピネフリン吸入噴霧剤(E004)、フロ酸フルチカゾン/プロプリオン酸フルチカゾン、ビナンテロール(vinanterol)吸入/フロ酸フルチカゾン粉末(Relovair(商標))、プロピオン酸フルチカゾン/フマル酸エホルモテロール脱水物(Flutiform(登録商標))、レスリズマブ、サルブタモール乾燥粉末吸入、臭化チオトロピウム(Spiriva(登録商標)HandiHaler(登録商標))、ホルモテロール/ブデソニド(Symbicort(登録商標)SMART(登録商標))、フロ酸フルチカゾン(Veramyst(登録商標))、ベクツラズ(Vectura's)VR506、レブリキズマブ(lebrikizumab)(RG3637)、併用ホスホジエステラーゼ(PDE)-3及び(PDE)-4阻害薬(RPL554)が含まれる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、長時間作用型ベータアゴニスト、長時間作用型吸入抗コリン薬又はムスカリンのアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害薬、併用の吸入副腎皮質ステロイド薬長時間作用型ベータアゴニスト、短時間作用型ベータアゴニスト、及び吸入副腎皮質ステロイド薬から選択される。例えば、COPDの治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、LABA(例えば、キシナホ酸サルメテロール(セレベント)、ウメクリジニウム/ビランテロール(Anuro Ellipta(登録商標))、ウメクリジニウム/(Incruse Ellipta(登録商標))、酒石酸アホルモテロール(Brovana(登録商標))、フマル酸ホルモテロール吸入粉末(Foradil(登録商標))、マレイン酸インダクテロール(indacterol maleate)(Arcapta(登録商標)Neohaler(登録商標))又はプロピオン酸フルチカゾン/フマル酸エホルモテロール脱水物(Flutiform(登録商標))など)、長時間作用型吸入抗コリン薬(又はムスカリンアンタゴニスト、例えば、臭化チオトロピウム(Spiriva(登録商標))、及び臭化アクリジニウム(Tudorza(登録商標)Pressair(登録商標))、ホスホジエステラーゼ(PDE-r)阻害薬(例えば、ロフルミラスト、Daliresp(登録商標))、併用ICS/LABA(例えば、フロ酸フルチカゾン及びビランテロール(Breo Ellipta(登録商標))、プロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール(Advair(登録商標))、ブデソニド/ホルモテロール(Symbicort(登録商標))、モメタゾン/ホルモテロール(Dulera(登録商標))、臭化イプラトロピウム/硫酸アルブテロール(Duoneb(登録商標)、Atrovent(登録商標))、アルブテロール/イプラトロピウム(Combivent Respimat(登録商標))など)、SABA(例えば、臭化イプラトロピウム(Atrovent(登録商標))、及び硫酸アルブテロール(ProAir(登録商標)、Proventil(登録商標))など)、並びにICS(例えば、ブデソニド(Pulmicort(登録商標))及びプロピオン酸フルチカゾン(Flovent(登録商標))、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(QVAR(登録商標))と組み合わせて投与されてもよい。
COPDの治療において併用療法に使用するのに好適であり得る他の薬剤には、SCH527123(CXCR2アンタゴニスト)、臭化グリコピロニウム((NVA237)Seebri(登録商標)Breezhaler(登録商標))、臭化グリコピロニウム及びマレイン酸インダカテロール((QVA149)Ultibro(登録商標)Breezhaler(登録商標))、グリコピロレート及びフマル酸ホルモテロール(PT003)、マレイン酸インダカテロール(QVA149)、オロダテロール(Striverdi(登録商標)Respimat(登録商標))、チオトロピウム(Spiriva(登録商標))/オロダテロール(Striverdi(登録商標)Respimat(登録商標))、及びアクリジニウム/ホルモテロール吸入が含まれる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、経口副腎皮質ステロイド薬、抗胸腺細胞グロブリン、サリドマイド、クロラムブシル、カルシウムチャネル遮断薬、外用皮膚軟化薬、ACE阻害薬、セロトニン再取り込み阻害薬、エンドセリン-1受容体阻害薬、抗線維化剤、プロトンポンプ阻害薬又はイマチニブ、ARG201、及びトシリズマブから選択される。例えば、全身性強皮症の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口副腎皮質ステロイド薬(例えば、プレドニゾロン(Delatsone(登録商標)、オラプレド、ミリプレド、オムニプレド、エコノプレド、フロ-プレド)、免疫抑制剤(例えば、メトトレキセート(Rhuematrex(登録商標)、Trexall(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、抗胸腺細胞グロブリン(Atgam(登録商標))、ミコフェノール酸モフェチル(CellCept(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、FK506(tacrolimus)、サリドマイド(Thalomid(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、アザチオプリン(Imuran(登録商標)、Azasan(登録商標))など)、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン(Procardia(登録商標)、Adalat(登録商標))又はニカルジピン(Cardene(登録商標))、外用皮膚軟化薬(ニトログリセリン軟膏)、ACE阻害薬(例えば、リシノプリル(Zestril(登録商標)、Prinivil(登録商標))、ジルチアゼム(Cardizem(登録商標)、Cardizem SR(登録商標)、Cardizem CD(登録商標)、Cardia(登録商標)、Dilacor(登録商標)、Tiazac(登録商標))など)、セロトニン再取り込み阻害薬(例えば、フルオキセチン(Prozac(登録商標))など)、エンドセリン-1受容体阻害薬(例えば、ボセンタン(Tracleer(登録商標))又はエポプロステノール(Flolan(登録商標)、Veletri(登録商標)、Prostacyclin(登録商標))など)、抗線維化剤(例えば、コルヒチン(Colcrys(登録商標))、パラアミノ安息香酸(PABA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びDペニシラミン(Cuprimine(登録商標)、Depen(登録商標))、インターフェロンアルファ及びインターフェロンガンマ(INF-g))など)、プロトンポンプ阻害薬(例えば、オメプラゾール(Prilosec(登録商標))、メトクロプラミド(Reglan(登録商標))、ランソプラゾール(Prevacid(登録商標))、エスオメプラゾール(Nexium(登録商標))、パントプラゾール(Protonix(登録商標))、ラベプラゾール(Aciphex(登録商標))など)又はイマチニブ(Gleevec(登録商標))ARG201(arGentis医薬品)、ベリムマブ(Benlysta(登録商標))、トシリズマブ(Actema(登録商標))と組み合わせて投与されてもよい。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、毛様体神経栄養成長因子又は遺伝子導入剤である。例えば、網膜色素変性症の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、毛様体神経栄養成長因子(NT-501-CNTF)又は遺伝子導入剤、UshStat(登録商標)と組み合わせて投与されてもよい。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は3価(IIV3)不活化インフルエンザワクチン、4価(IIV4)不活化インフルエンザワクチン、3価組換えインフルエンザワクチン、4価弱毒化生インフルエンザワクチン、抗ウイルス剤又は不活化インフルエンザワクチンから選択される。例えば、インフルエンザの治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、3価(IIV3)不活化インフルエンザワクチン(例えば、Afluria(登録商標)、Fluarix(登録商標)、Flucelvax(登録商標)、FluLaval(登録商標)、Fluvirin(登録商標)、Fluzone(登録商標)など)、4価(IIV4)不活化インフルエンザワクチン(例えば、Fluarix(登録商標)Quadrivalent、Flulaval(登録商標)Quadrivalent、Fluzone(登録商標)Quadrivalentなど)、3価組換えインフルエンザワクチン(例えば、FluBlok(登録商標)など)、4価弱毒化生インフルエンザワクチン(例えば、FluMist(登録商標)Quadrivalent)、抗ウイルス剤(例えば、オセルタミビル(Tamiflu(登録商標))、ザナミビル(Relenza(登録商標))、リマンタジン(Flumadine(登録商標))又はアマンタジン(Symmetrel(登録商標))など)又はFluad(登録商標)、Fludase、FluNhance(登録商標)、Preflucel、又はVaxiGrip(登録商標)と組み合わせて投与されてもよい。
ブドウ球菌感染の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、抗生物質(例えば、β-ラクタムセファロスポリン(Duricef(登録商標)、Kefzol(登録商標)、Ancef(登録商標)、Biocef(登録商標)、など)、ナフシリン(Unipen(登録商標))、スルホンアミド(スルファメトキサゾール及びトリメトプリム(Bacrim(登録商標)、Septra(登録商標))、スルファサラジン(Azulfidine(登録商標))、アセチルスルフイソキサゾール(Gantrisin(登録商標))、など)又はバンコマイシン(Vancocin(登録商標))と組み合わせて投与されてもよい。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、外用免疫調節物質又はカルシニューリン阻害薬、外用副腎皮質ステロイド薬、経口副腎皮質ステロイド薬、インターフェロンガンマ、抗ヒスタミン薬又は抗生物質から選択される。例えば、アトピー性皮膚炎の治療において、STINGを調節する化合物、詳細には式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、外用免疫調節物質又はカルシニューリン阻害薬(例えば、ピメクロリムス(Elidel(登録商標))又はタクロリムス軟膏(Protopic(登録商標))など)、外用副腎皮質ステロイド薬(例えば、ヒドロコルチゾン(Synacort(登録商標)、Westcort(登録商標))、ベタメタゾン(Diprolene(登録商標))、フルランドレノリド(Cordan(登録商標))、フルチカゾン(Cutivate(登録商標))、トリアムシノロン(Kenalog(登録商標))、フルオシノニド(Lidex(登録商標))、及びクロベタゾール(Temovate(登録商標))など)、経口副腎皮質ステロイド薬(例えば、ヒドロコルチゾン(Cortef(登録商標))、メチルプレドニゾロン(Medrol(登録商標))又はプレドニゾロン(Pediapred(登録商標)、Prelone(登録商標))、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン(Neoral(登録商標))又はインターフェロンガンマ(Alferon N(登録商標)、Infergen(登録商標)、Intron A、Roferon-A(登録商標))など)、抗ヒスタミン薬(そう痒用、例えば、Atarax(登録商標)、Vistaril(登録商標)、Benadryl(登録商標))、抗生物質(例えば、ペニシリン誘導体フルクロキサシリン(Floxapen(登録商標))又はジクロキサシリン(Dynapen(登録商標))、エリスロマイシン(Eryc(登録商標)、T-Stat(登録商標)、Erythra-Derm(登録商標)、など))、非ステロイド性免疫抑制剤(例えば、アザチオプリン(Imuran(登録商標)、Azasan(登録商標))、メトトレキセート(Rhuematrex(登録商標)、Trexall(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))又はミコフェノール酸モフェチル(CellCept(登録商標))など)と
組み合わせて投与されてもよい。
パーキンソン病の治療において、本発明の化合物は、L-ドーパミンベースの療法(カルビドパ(Lodosyn)-レボドパ)、ドーパミンアゴニスト類(プラミペキソール(Mrapex)、ロピニロール(Requip)、ロチゴチン(Neupro)、及びアポモルフィン(Apokyn)など)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)B阻害剤(セレギリン(Eldepryl、Zelapar)、ラサギリン(Azilect)、及びサフィナミド(Xadago)など)、カテコールO-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤(エンタカポン(Comtan)及びトルカポン(Tasmar))、抗コリン作用薬(ベンツトロピン(Cogentin)又はトリヘキシフェニジルなど)、及びアマンタジンと組み合わせて投与され得る。式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、脳深部刺激療法(DBS)として知られる、電気パルスを脳に送達してパーキンソン病の症状を低減する患者に埋め込まれたデバイスと組み合わせて投与され得る。
本発明の化合物はまた、その活性を調節するためにワクチンをアジュバントとして用いて製剤化され得る。そのような組成物は、抗体(複数可)若しくは抗体フラグメント(複数可)、又はそれだけには限らないが、タンパク質、DNA、生菌若しくは死菌及び/若しくはウイルス若しくはウイルス様粒子を含めた抗原性成分、それらと共に、それだけには限らないが、アルミニウム塩、油及び水のエマルジョン、熱ショックタンパク質、リピドA調製物及び誘導体、糖脂質、CpG DNAなどの他のTLRアゴニスト又は同様の薬剤、GM-CSF若しくはIL-12などのサイトカイン又は同様の薬剤を含めた、アジュバント活性を有する1つ以上の成分を含有してもよい。
本発明の更なる態様では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含むワクチンアジュバントが提供される。式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び抗原又は抗原組成物を含むワクチン組成物が、更に提供される。
治療「有効量」とは、そのような治療を必要とする患者に投与された時、本明細書で定義されるような効果的な治療又は予防に十分である化合物の量を意味することが意図されている。したがって、例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の治療有効量は、それを必要とするヒトに投与された時、STINGの活性によって媒介される疾患状態が低減され、軽減されるか又は予防されるように、STINGの活性を調節するのに十分である本発明の薬剤の量である。そのような量に相当する与えられる化合物の量は、特定の化合物(例えば、特定の化合物の効力(pIC50)、有効度(EC50)、及び生物学的半減期)、疾患状態及びその重症度、治療を必要とする患者の固有情報(例えば、年齢、大きさ及び体重)などの要因に応じて変わるが、それにもかかわらず当業者が常に決定することができる。同様に、治療の持続時間及び化合物の投与期間(投薬の間の期間及び投薬のタイミング、例えば、食事の前/共に/後)は、治療を必要とする哺乳類の固有情報(例えば、体重)、特定の化合物及びその特性(例えば、薬物動態特性)、疾患又は障害及びその重症度並びに使用される特定の組成物及び方法に基づいて変わるが、それにもかかわらず当業者が決定することができる。
「治療すること」又は「治療」は、患者における疾患又は障害の少なくとも緩和を意味することが意図されている。疾患又は障害の緩和のための治療方法には、例えば、上記に記載されるSTINGによって媒介される疾患又は障害の減速、治療又は治癒のための、任意の従来的に許容される手法における本発明の化合物の使用が含まれる。一実施形態では、がんに関して「治療する」「治療すること」又は「治療」とは、がんを軽減し、がんの1つ以上の症状を排除するか又は低減し、がんの進行を緩慢にするか又は排除し、且つこれまでに患ったか又は診断された患者又は対象における状態の再発を遅延させることを表す。
「予防する」、「予防すること」又は「予防」とは、疾患の発症の可能性(likelihood)を減らすか又は疾患の発症若しくはその生物学的出現を遅延させるための薬物の予防的投与を表す。例えば、対象ががんの強い家族歴を有する時か又は対象が発癌性物質に曝露されていた時などの、対象ががんを発生するリスクが高いと考えられる時に、予防療法は適切である。
本発明の化合物は、全身投与及び外用投与の両方を含めた任意の好適な投与経路により投与されてもよい。全身投与には、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸内投与、及び吸入による投与が含まれる。非経口投与とは、経腸、経皮又は吸入による以外の投与経路を表し、典型的には、注射又は注入によるものである。非経口投与には、静脈内、筋肉内、及び皮下の注射又は注入が含まれる。吸入とは、口を通すか又は鼻腔を通した吸入のいずれかの、患者の肺内への投与を表す。外用投与には、皮膚への適用が含まれる。
腫瘍(oncology)の治療に好適な前述した投与経路に加えて、当該医薬組成物は、腫瘍内又は腫瘍周囲の注射による投与に適合させることができる。本発明の化合物の、単一の固形腫瘍に直接に又はそのすぐ近傍への、腫瘍内又は腫瘍周囲の注射は、全身にわたりがん細胞を攻撃し且つ破壊し、罹患した対象から腫瘍を実質的に低減し且つ場合によっては永久に排除することができる免疫応答を引き出すことが予期される。遠隔部位の腫瘍を死滅させるためのこのような手法の免疫系の活性化は、アブスコパル効果として一般に公知であり、複数の治療様式を用いて動物で実証されている(van der Jeughtら、Oncotarget、2015、6(3)、1359~1381)。局所又は腫瘍内又は腫瘍周囲の投与の更なる利点は、はるかに低い用量で同等の有効度を達成し、したがって、はるかに高い全身用量で観察され得る有害事象を最小限にするか又は排除することができる能力である(Marabelle, A.ら、Clinical Cancer Research、2014、20(7)、1747~1756頁)。
本発明の化合物は、1回で又は投薬レジメンに従って投与されてもよく、複数の投薬が多様な時間間隔で、所与の期間、施される。例えば、投薬は、1日当たり1回、2回、3回又は4回施されてもよい。投薬は、所望の治療効果が達成されるか又は所望の治療効果を無期限に維持するまで施されてもよい。本発明の化合物に関する好適な投薬レジメンは、当業者により決定され得る吸収、分布、及び半減期などの、当該化合物の薬物動態特性に依存する。加えて、好適な投薬レジメンは、そのようなレジメンが施される持続時間を含めて、本発明の化合物に関して、治療される疾患又は障害、治療される疾患又は障害の重症度、治療される患者の年齢及び身体的状態、治療される患者の治療歴、併用療法の性質、所望の治療効果、並びに当業者の知識及び技術内の要因などに依存する。そのような当業者には、好適な投薬レジメンは、投薬レジメンに対する個々の患者の応答を考慮した調整又は個々の患者が変化を必要とする時の超過期間が必要であり得ることが更に理解されるであろう。合計1日投薬量は1mg~2000mgの範囲である。
治療における使用に関して、本発明の化合物は、通常は、必ずしもそうではないが、患者に投与する前に医薬組成物に製剤化される。したがって、本発明はまた、本発明の化合物及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、調製され且つバルク形態に包装され得、本発明の化合物の有効量は、抽出され、次に散剤、シロップ剤、及び注射用溶液などで患者に与えられ得る。あるいは、本発明の医薬組成物は、調製され且つ単位剤形に包装され得る。経口適用に、例えば、1つ以上の錠剤又はカプセル剤が投与され得る。医薬組成物の用量は、少なくとも治療有効量の本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物、又は塩、詳細にはその薬学的に許容される塩)を含有する。
本明細書に提供されるように、1mg~1000mgの本発明の化合物を含有する単位剤形(医薬組成物)は、STINGによって媒介される疾患又は障害の治療をもたらすために、1日当たり1回、2回、3回又は4回、投与され得る。
本発明の医薬組成物は、典型的には、本発明の1つの化合物を含有する。しかしながら、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、2種以上の本発明の化合物を含有する。加えて、本発明の医薬組成物は、任意選択的に、1つ以上の追加の治療剤、(例えば、薬学的活性化合物)を更に含み得る。
本明細書で使用される時、「薬学的に許容される賦形剤」とは、薬学的に許容される材料、組成物又は医薬組成物の投与形態又はコンシステンシーに関与するビヒクルを表す。各賦形剤は、混合された時に、患者に投与された時に本発明の化合物の有効度を実質的に低減する相互作用、及び薬学的に許容されない医薬組成物をもたらす相互作用を回避するように、医薬組成物の他の原料と適合しなくてはならない。加えて、各賦形剤は、当然のことながら、それが薬学的に許容されるように十分に高純度でなければならない。
本発明の化合物及び薬学的に許容される賦形剤又は複数の賦形剤は、典型的には、所望の投与経路による患者への投与に適合した剤形に製剤化される。従来の剤形には、(1)経口投与用の、錠剤、カプセル剤、カプレット、丸剤、トローチ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤、乳剤、サシェ剤、及びカシェ剤など、(2)非経口投与用の、無菌液剤、懸濁剤、及び再構成のための散剤など、(3)経皮投与用の、経皮貼付剤など、(4)直腸内投与用の、坐剤など、(5)吸入用の、エアゾール剤及び溶液剤など、並びに(6)外用投与用の、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、液剤、ペースト剤、スプレー剤、発泡剤、及びゲル剤などに適合したものが含まれる。
好適な薬学的に許容される賦形剤は、特定の選択された剤形に応じて変わる。加えて、好適な薬学的に許容される賦形剤は、組成物中で役立ち得る特定の機能のために選択され得る。例えば、特定の薬学的に許容される賦形剤は、均一な剤形の生成を助長する能力のために選択され得る。特定の薬学的に許容される賦形剤は、安定した剤形の生成を助長する能力のために選択され得る。特定の薬学的に許容される賦形剤は、患者にいったん投与された本発明の化合物又は複数の化合物を、1つの臓器又は身体の部分から、別の臓器又は身体の部分まで運ぶか又は輸送することを助長する能力のために選択され得る。特定の薬学的に許容される賦形剤は患者コンプライアンスを向上させる能力のために選択され得る。
好適な薬学的に許容される賦形剤には、以下のタイプの賦形剤:希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒化剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、懸濁剤、乳化剤、甘味剤、香味料、香味マスキング剤、着色剤、固化防止剤、保水剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、防腐剤、安定剤、界面活性剤、及び緩衝剤が含まれる。当業者は、特定の薬学的に許容される賦形剤が、2つ以上の機能に役立ち得、どのくらいの量の賦形剤が製剤中に存在するか且つどのような他の原料が製剤中に存在するかに依存する、代替の機能に役立ち得ることを十分に認識しているであろう。
当業者は、本発明における使用に適切な量で、好適な薬学的に許容される賦形剤を選択することを可能にする当技術分野の知識及び技能を持っている。加えて、薬学的に許容される賦形剤を説明し且つ好適な薬学的に許容される賦形剤を選択するのに有用であり得る、当業者が入手可能な多くの方策がある。例には、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives(Gower Publishing Limited)、及びThe Handbook of Pharmaceutical Excipients(the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が含まれる。
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術及び方法を使用して調製される。当技術分野で一般的に使用される方法の一部は、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)に記載されている。
一態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物及び希釈剤又は充填剤を含む、錠剤又はカプセル剤などの固形経口剤形に関する。好適な希釈剤及び充填剤には、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン)、セルロース及びその誘導体(例えば微結晶性セルロース)、硫酸カルシウム、並びに二塩基酸カルシウムホスフェートが含まれる。経口固体剤形は、結合剤を更に含んでもよい。好適な結合剤には、デンプン(例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン)、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガント、グアーガム、ポビドン、並びにセルロース及びその誘導体(例えば微結晶性セルロース)が含まれる。経口固体剤形は、崩壊剤を更に含んでもよい。好適な崩壊剤には、クロスポビドン、ナトリウムデンプングリコレート、クロスカルメロース(croscarmelose)、アルギン酸、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。経口固体剤形は、滑沢剤を更に含んでもよい。好適な滑沢剤には、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びタルクが含まれる。
本発明の化合物はまた、ワクチンをアジュバントとして用いてその活性を調節するために製剤化され得ることが理解されよう。そのような組成物は、抗体(複数の抗体)若しくは抗体フラグメント(複数可)、又はそれだけには限らないが、タンパク質、DNA、生菌若しくは死菌及び/又は全部、不活化ウイルス若しくはスプリットウイルス又はウイルス様粒子、組換えタンパク質又はその抗原性フラグメントを含めた抗原性成分、任意選択的にそれと共に、それだけには限らないが、アルミニウム塩、油及び水のエマルジョン、熱ショックタンパク質、サポニン、リピドA調製物及び誘導体、糖脂質、リポソーム、CpG DNAなどのTLRアゴニスト又は同様の薬剤、GM-CSF若しくはIL-12などのサイトカイン又は同様の薬剤を含めた、アジュバント活性を有する1つ以上の他の成分を含有してもよい。
以下の実施例により、本発明を説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを意図しているのではなく、むしろ当業者が本発明の化合物、組成物、及び方法を調製し且つ使用するための指針を提供することを意図するものである。本発明の特定の実施形態を記載してきたが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができることを十分に認識しているであろう。
本発明の特定の化合物は、強力な免疫調節物質であり得、したがって、その取扱いには注意を払わなければならないことが理解されよう。
本明細書に記載される反応は、本明細書において定義された多様な異なる置換基(例えば、R1、R2、など)を有する本発明の化合物の生成に適用できる。当業者は、特定の置換基が本明細書に記載される合成方法に適合しない場合、該置換基は、反応状態に対して安定である好適な保護基で保護され得ることを十分に認識しているであろう。好適な保護基、及びそのような好適な保護基を使用して種々の置換基を保護し且つ脱保護する方法は、当業者に周知であり、その例は、T.W.Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」(第4版、J.Wiley and Sons、2006)に見出され得る。特に指摘されない限り、全ての出発物質は販売元から得られ、更なる精製を用いることなく使用した。
本明細書に記載される特定の中間体化合物は、本発明のまた更なる態様を形成する。
一般合成方法
本発明の化合物は、以下の反応スキームで説明される合成的手順を使用して調製され得、それは、熟練した有機化学者の知識を引用することにより、本発明の他の化合物を調製するために容易に適合させることができる。これらのスキームにおいて提供される合成は、適切な前駆物質を利用する多様な異なるR基を有する本発明の化合物の生成に適用でき、これは必要であれば好適に保護され、本明細書で概要を述べている反応との適合性を達成する。必要な場合は、それに続く脱保護により、一般に開示される性質の化合物を得る。該スキームは、式(I)のみの化合物について示されているが、これは、本発明の化合物を作製するために使用され得る例示的プロセスである。中間体(本発明の化合物の調製において使用された化合物)は、塩としても存在し得る。
方法1
全ての可変要素は式(I)に定義されるとおりである。好適に置換されているハロ-ニトロフェニル化合物(1A)を、(1B)のようなモノ保護された(monoprotected)ジアミンと反応させ、N-保護されたニトロ-アニリンを得る。アミン保護基を除去してアミン(1D)を得る。あるいは、アミン(1D)を、ハロ-ニトロフェニル化合物(1A)と対称ジアミン(1C)との反応により直接得ることもできる。アミン(1D)をハロ-ニトロフェニル化合物(1E)と反応させ、ビス-ニトロ化合物(1F)を得ることができる。(1A)が(1E)と同一である場合、ビス-ニトロ化合物(1F)は、ジアミン(1C)と過剰のハロ-ニトロフェニル化合物との反応により直接得ることができる。両ニトロ基の還元により、テトラアニリン(1G)が得られるだろう。テトラアニリン(1G)は、以下の2つの方法のうちの1つを介して(1H)(アミドベンズイミダゾール二量体又は大員環)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理してビス-アミノベンズイミダゾールを得、その後(1K)のようなピラゾール酸又は連結されたピラゾール-ジ-酸(1L)とアミドカップリングするか;又は2) ジチオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(1M)で処理し、その後EDC(又は他の脱硫化試薬)とトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。(1H)のベンズイミダゾール基をアルキル化剤及び適切な塩基でアルキル化すると、構造(1I)の化合物が得られる。アルキル化の部位及び程度(すなわち、モノ-、ジ-、トリ-アルキル化)は、多くの場合、条件の選択により制御することができる。(1I)上に好適な官能基が存在する場合、これらの基を脱保護又はさらに官能基化すると、さらなる化合物(1J)を得ることが可能になるであろう。
方法2
全ての可変要素は式(I)に定義されるとおりである。好適に置換されているハロ-ニトロフェニル化合物(2A)を、(2B)のようなモノ保護されたジアミンと反応させ、ニトロ-アニリン(2C)を得る。適切な条件下でニトロ基を還元すると、ジアニリン(2D)が得られるだろう。ジアニリン(2D)は、以下の2つの方法のうちの1つを介してアミドベンズイミダゾール(2E)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理し、その後(2M)のようなピラゾール酸とアミドカップリングするか;又は2) チオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(2N)で処理し、その後EDC(又は他の好適な脱硫化試薬)及びトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。アミン保護基を除去してアミン(2F)を得、これをハロ-ニトロフェニル化合物(2G)と反応させてニトロアニリン(2H)を得ることができる。ニトロ基の還元によりジアニリン(2I)が得られるだろう。ジアニリン(2I)は、以下の2つの方法のうちの1つを介してアミドベンズイミダゾール(2J)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理し、その後(2O)のようなピラゾール酸とアミドカップリングするか;又は2) チオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(2P)で処理し、その後EDC(又は他の好適な脱硫化試薬)及びトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。(2J)のベンズイミダゾール基をアルキル化剤及び適切な塩基でアルキル化すると、構造(2K)の化合物が得られる。アルキル化の部位及び程度(すなわち、モノ-、ジ-、トリ-アルキル化)は、多くの場合、条件の選択により制御することができる。(2K)上に好適な官能基が存在する場合、これらの基を脱保護又はさらに官能基化すると、さらなる化合物(2L)を得ることが可能になるであろう。
方法3
全ての可変要素は式(I)に定義されるとおりである。好適に置換されているハロ-ニトロフェニル化合物(3A)を、二臭化物(3B)のような好適な二求電子剤(dielectrophile)と反応させ、ニトロ-アニリン一臭化物(3C)を得る。(3C)を別の好適に置換されているハロ-ニトロフェニル化合物(3D)で処理し、連結されたビスハロ-ニトロフェニル化合物(3E)を得る。ビスハロ-ニトロフェニル化合物(3E)を、リンカー基を含むジアミン(3F)と反応させ、ジニトロ大員環(3G)を得る。両ニトロ基の還元により、テトラアニリン(3H)が得られるだろう。テトラアニリン(3H)は、以下の2つの方法のうちの1つを介して大員環(3I)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理してビス-アミノベンズイミダゾールを得、その後(3L)のようなピラゾール酸又は連結されたピラゾール-ジ-酸(3M)とアミドカップリングするか;又は2) ジチオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(3N)で処理し、その後EDC(又は他の脱硫化試薬)及びトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。(3I)のベンズイミダゾール基をアルキル化剤及び適切な塩基でアルキル化すると、構造(3J)の化合物が得られる。アルキル化の部位及び程度(すなわち、モノ-、ジ-、トリ-アルキル化)は、多くの場合、条件の選択により制御することができる。(3J)上に好適な官能基が存在する場合、これらの基を脱保護又はさらに官能基化すると、さらなる化合物(3K)を得ることが可能になるであろう。
方法4
全ての可変要素は式(I)に定義されるとおりである。好適に置換されているハロ-ニトロフェニル化合物(4A)を、(4B)のようなモノ保護されたジアミンと反応させ、ニトロ-アニリン(4C)を得る。適切な条件下でニトロ基を還元すると、ジアニリン(4D)が得られるだろう。ジアニリン(4D)は、以下の2つの方法のうちの1つを介してアミドベンズイミダゾール(4E)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理し、その後(4N)のようなピラゾール酸とアミドカップリングするか;又は2) チオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(4O)で処理し、その後EDC(又は他の脱硫化試薬)及びトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。(4E)のベンズイミダゾール基をアルキル化剤と適切な塩基でアルキル化すると、構造(4F)の化合物が得られる。必要であれば、R基を脱保護/官能基化する。アミン保護基の除去によりアミン(4G)を得、これをハロ-ニトロフェニル化合物(4H)と反応させて、ニトロアニリン(4I)を得る。ニトロ基の還元により、ジアニリン(4J)が得られるだろう。ジアニリン(4J)は、以下の2つの方法のうちの1つを介して、アミドベンズイミダゾール(4K)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理し、その後(4P)のようなピラゾール酸とアミドカップリングするか;又は2) チオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(4Q)で処理し、その後EDC(又は他の好適な脱硫化試薬)及びトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。(4K)の新たに形成されたベンズイミダゾール基をアルキル化剤及び適切な塩基でアルキル化すると、構造(4L)の化合物が得られる。必要であれば、R基及び/又はリンカー基を、脱保護又は官能基化(すなわちアルケン部分を含むリンカー基のジヒドロキシル化)し、さらなる化合物(4M)を得ることができる。
方法5
全ての可変要素は式(I)に定義されるとおりである。好適に置換されているハロ-ニトロフェニル化合物(5A)を、(5B)のようなモノ保護されたジアミンと反応させ、N-保護されたニトロ-アニリンを得る。アミン保護基の除去により、アミン(5D)を得る。あるいは、アミン(5D)を、ハロ-ニトロフェニル化合物(5A)と対称ジアミン(5C)との反応により直接得ることもできる。アミン(5D)をハロ-ニトロフェニル化合物(5E)と反応させ、ビス-ニトロ化合物(5F)を得ることができる。(5A)が(5E)と同一である場合、ビス-ニトロ化合物(5F)を、ジアミン(5C)と過剰のハロ-ニトロフェニル化合物との反応により直接得ることができる。必要であれば、R基を脱保護/官能基化する(すなわち、RA1基がハロゲン化物である場合のCC結合形成)。ニトロ基の還元により、テトラアニリン(5H)が得られるだろう。存在する場合、また利用される条件に応じて、(5F)に存在する他の基もまた還元され得る(すなわちアルケン、アリールハロゲン化物)。テトラアニリン(5H)は、以下の2つの方法のうちの1つを介して(5I)(アミドベンズイミダゾール二量体又は大員環)に変換することができる:1) 臭化シアンで処理してビス-アミノベンズイミダゾールを得、その後(5L)のようなピラゾール酸又は連結されたピラゾール-ジ-酸(5M)とアミドカップリングするか;又は2) ジチオ尿素形成が完了するまでイソチオシアネート(5N)で処理し、その後EDC(又は他の脱硫化試薬)及びトリエチルアミン(又は他の好適な塩基)を加えて、シクロ脱硫化が完了するまで撹拌する。(5I)のベンズイミダゾール基をアルキル化剤及び適切な塩基でアルキル化すると、構造(5J)の化合物が得られる。アルキル化の部位及び程度(すなわちモノ-、ジ-、トリ-アルキル化)は、多くの場合、条件の選択により制御することができる。必要であれば、R基及び/又はリンカー基を、脱保護又は官能基化(すなわちアルケン部分を含むリンカー基のジヒドロキシル化)し、さらなる化合物(5K)を得ることができる。
本明細書に記載される中間体及び最終化合物の名称は、Perkin Elmer E-Notebook又はMarvinSketch 5.11.4_b82(Chemaxon)内のソフトウェア命名プログラムChemDraw Pro 12.0.2.1076 Plug-Inを使用して作成した。
特定の場合には、これらのプログラムは、その化合物の互変異性体又は異性体として構造的に説明された化合物を名称付けし得ることが、当業者には理解されよう。名称付けされた化合物又は構造的に説明された化合物に対するいかなる言及も、そのような化合物の全ての互変異性体又は異性体並びにその互変異性体及び/又は異性体の任意の混合物を包含することを意図していることを理解されたい。
本明細書では以下の略語が使用され得る。
中間体1
(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン
DCM(100ml)中の1H-イミダゾール(13.4g、197mmol)に、3-ブロモプロパン-1-オール(13.7g、99mmol)を加え、その後ゆっくりとDCM(20ml)中のtert-ブチルクロロジメチルシラン(17.8g、118mmol)を加えた。3時間後、室温で反応物を約100mLに濃縮し、EtOAc(800mL)に注ぎ入れ、5%水性クエン酸(2x200mL)とブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して表題化合物(10.0g、39.5mmol、収率40%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.78 (t, J=5.70 Hz, 2 H), 3.56 (t, J=6.46 Hz, 2 H), 2.07 (t, J=5.83 Hz, 2 H), 0.94 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
中間体2
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド
メチル4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンゾエート(1000mg、4.07mmol)を、NH4OH(10mL、77mmol)中、室温で24時間攪拌した。次いで、反応温度を50℃に2時間高めた。さらなる2mL(約3.7当量)のNH4OHを容器に加えた。さらに2時間50℃で攪拌した(合計4時間)後、反応物を室温に冷却した。固体を濾過し、冷水ですすいだ。固体をハウス真空下で乾燥し、凍結乾燥して、4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(710mg、2.99mmol、収率73%)を褐色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.31 (br. s., 1 H), 8.06 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.88 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.81 (br. s., 1 H), 4.02 (s, 3 H)。LCMS [M+H]+ = 230.9。
中間体3
4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(1g、4.34mmol)を、乾燥DCM(15mL)中で懸濁し、室温で攪拌した。この反応に、BBr3(17.4mL、DCM中1M)を滴下添加した。スラリーが急速に形成し、これを窒素下にて室温で一晩攪拌した。反応物を氷水(300mL)に注ぎ入れ、30分間勢いよく攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、固体を乾燥して、表題化合物(610mg、2.82mmol、収率65%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.53 (br. s., 1 H), 8.17 (br. s., 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.66 (br. s., 1 H)。 LCMS [M + H]+ = 217。
中間体4
3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド
(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(7.3g、28.8mmol)を乾燥DMF(75mL)に溶解し、4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(4.8g、22.16mmol)を加え、その後K2CO3(6.13g、44.3mmol)を加えて、窒素下にて100℃で2時間攪拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(600mL)に注ぎ入れ、水(600mL)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を20~80%ヘキサン/EtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(7.43g、19.1mmol、収率86%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.29 (br. s., 1 H), 8.05 (d, J=1.71 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=1.71 Hz, 1 H), 7.77 (br. s., 1 H), 4.30 (t, J=5.99 Hz, 2 H), 3.80 (t, J=5.99 Hz, 2 H), 1.98 (quin, J=5.99 Hz, 2 H), 0.80 - 0.90 (m, 9 H), 0.02 (s, 6 H)。LCMS [M + H]+ = 389。
中間体5
4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロベンズアミド
DMF(30mL)中の4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(5000mg、23.09mmol)、4-(3-クロロプロピル)モルホリン(4534mg、27.7mmol)、K2CO3 (4148mg、30.0mmol)の混合物を、70℃で一晩撹拌した。溶媒を真空中で除去して粗固体生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(12gカラム、MeOH:DCM=1:10)により精製した。純粋画分をプールし、溶媒を真空中で除去して、4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(3200mg、9.31mmol、収率40.3%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.29 (s, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.88 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 7.77 (s, 1 H), 4.28 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.62 - 3.52 (m, 4 H), 2.46 - 2.44 (m, 2 H), 2.37 (br. s., 4 H), 2.02 - 1.90 (m, 2 H)。LCMS (m/z):343.8 [M + H]+。
中間体6
(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩
ステップ1:(E)-tert-ブチル(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
DMSO(200mL)中の4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(10.0g、54.3mmol)、(E)-tert-ブチル(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(10.62g、57.0mmol)及びK2CO3 (15.01g、109mmol)の混合物を、室温で一晩攪拌した。反応物を水(2000mL)に注ぎ入れ、30分間攪拌した。得られた固体を濾過により回収し、表題化合物(18.3g、52.2mmol、収率96%)を得た。LCMS [2M+H]+ = 700.5
ステップ2:(E)-tert-ブチル(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
DMF(300mL)中の(E)-tert-ブチル(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(18.3g、52.2mmol)に、塩化スズ二水和物(58.9g、261mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後、反応物を飽和水性NaHCO3(2000mL)に滴下添加し、EtOAc(5x500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して表題化合物(16.5g、51.5mmol、収率99%)を黄色油状物として得た。LCMS [M-BOC+H]+ = 221.1
ステップ3:(E)-tert-ブチル(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1Hベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
THF(200mL)中の(E)-tert-ブチル(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(16.5g、51.5mmol)及び臭化シアン(8.18g、77mmol)の混合物を、一晩加熱還流した。反応物を室温に冷却し、飽和水性NaHCO3(500mL)で希釈し、EtOAc(5x300mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲル上で精製し、50:1~20:1のDCM(MeOH(+3%NH4OH)中)で溶出し、表題化合物(13.7g、39.7mmol、収率77%)をオフホワイト色の固体として得た。 LCMS [M + H]+ = 346.1
ステップ4:(E)-tert-ブチル(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
0℃のDCM(500mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(9.17g、59.5mmol)に、EDC(20.53g、107mmol)及びHOBt(18.22g、119mmol)を加えた。15分後、DMF(50mL)中の(E)-tert-ブチル(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(13.7g、39.7mmol)の混合物を加え、その後TEA(27.6mL、198mmol)を加えた。反応物を室温に温め、一晩撹拌して濃縮した。残留物を水(500mL)で希釈し、EtOAc(3x300mL)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲル上で精製し、50:1~20:1のDCM:MeOHで溶出して粗生成物を得、これをDCM(300mL)で洗浄して、濾過により回収し、表題化合物(14.0g、29.1mmol、収率73%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.84 (s, 1 H), 8.00 - 7.97 (m, 2 H), 7.80 - 7.78 (m, 1 H), 7.49 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.34 (s, 1 H), 6.95 (t, J=5.5 Hz, 1 H), 6.66 (s, 1 H), 5.73 - 5.65 (m, 2 H), 4.83 (d, J=4.3 Hz, 2 H), 4.62 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 3.52 (s, 2 H), 2.18 (s, 3 H), 1.38 - 1.33 (m, 12 H);LCMS [M + H]+ = 482.0
ステップ5:(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩
ジオキサン(60ml)中の(E)-tert-ブチル(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(3.00g、6.23mmol)の懸濁液に、ジオキサン(15.6mL、62.3mmol)中4N HClを加え、その後MeOH(15mL)を加えて、幾らかの残留固体を溶解した。室温で30分間置いた後、反応混合物が濁り、これを約3日間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、DCMで洗浄して表題化合物(2.0g、4.8mmol、収率77%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.97 - 8.09 (br. s., 1 H), 7.82 (d, J=8.11 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=8.11 Hz, 1 H), 7.38 (br. s., 1 H), 6.70 (s, 1 H), 5.97 - 6.08 (m, 1 H), 5.68 - 5.80 (m, 1 H), 4.91 (d, J=4.31 Hz, 2 H), 4.60 (q, J=6.67 Hz, 2 H), 3.42 (br. s., 2 H), 2.18 (s, 3 H), 1.36 (t, J=6.97 Hz, 3 H);LCMS [M + H]+ = 382.2
中間体7
(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMSO(10mL)中の(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩(517mg、1.24mmol)を含むマイクロ波管を、TEA(0.28mL、2.0mmol)で処理し、その後K2CO3(274mg、1.98mmol)及び3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(385mg、0.990mmol)で処理した。反応物を75℃に加熱した。7時間後、この混合物を濃縮して、残留物をシリカゲル上で精製し、10~90%EtOAcで溶出して不純物を除去し、その後DCM中0~10%MeOHで溶出して、表題化合物(200mg、0.273mmol、収率28%)を橙色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.16 (d, J=1.52 Hz, 1 H), 7.94 - 8.08 (m, 3 H), 7.74 (d, J=8.11 Hz, 2 H), 7.50 (s, 1 H), 7.31 - 7.43 (m, 3 H), 6.62 (s, 1 H), 5.74 - 5.81 (m, 2 H), 4.80 (br. s., 2 H), 4.59 (d, J=6.84 Hz, 2 H), 4.13 (br. s., 2 H), 4.01 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 3.63 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 1.76 - 1.88 (m, 2 H), 1.33 (t, J=7.10 Hz, 3 H), 0.74 - 0.82 (m, 9 H)、-0.06 (s, 6 H);LCMS [M + H]+ = 734.6
ステップ2:(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1Hピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1g、1.363mmol)をMeOH(20mL)に懸濁し、水酸化アンモニウム(4.62mL、34.1mmol)を加えて、室温で5分間攪拌した。次いで、水(5mL)中のヒドロ亜硫酸ナトリウム(1.675g、8.18mmol)を加えた。60分後、EtOAc(300ml)を加え、混合物を水(50mlx3)で抽出した。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮して表題化合物(710mg、1.009mmol、収率74.0%)を淡黄色の固体として得、これをさらなる精製を行うことなく使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.80 (br. s., 1 H), 8.00 (s, 1 H), 7.97 (br. s., 1 H), 7.75 (dd, J=8.49, 1.14 Hz, 1 H), 7.63 (br. s., 1 H), 7.28 - 7.41 (m, 2 H), 7.00 (br. s., 1 H), 6.84 (d, J=1.52 Hz, 1 H), 6.74 (d, J=1.52 Hz, 1 H), 6.65 (s, 1 H), 5.79 - 5.96 (m, 1 H), 5.64 - 5.78 (m, 1 H), 4.81 (d, J=4.82 Hz, 2 H), 4.68 (br. s., 2 H), 4.61 (d, J=7.10 Hz, 2 H), 3.92 (t, J=5.83 Hz, 2 H), 3.84 (br. s., 1 H), 3.63 (t, J=6.08 Hz, 2 H), 3.57 (br. s., 2 H), 2.17 (s, 3 H), 1.70 - 1.82 (m, 2 H), 1.34 (t, J=7.10 Hz, 3 H), 0.68 - 0.83 (m, 9 H)、-0.06 (s, 6 H);LCMS [M + H]+ = 704.3
ステップ3:(E)-2-アミノ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
MeOH(5mL)中の(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(120mg、0.170mmol)の溶液に、臭化シアン(36mg、0.34mmol)を室温で加えた。2時間後、反応物を濃縮し、EtOAc(10mL)を加えた。30分間攪拌した後、固体を濾過により単離し、EtOAcで洗浄して表題化合物(120mg、0.165mmol、収率97%)を淡茶色の固体として得、これをさらなる精製を行うことなく使用した。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ ppm 8.00 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.81 (dd, J=8.36, 1.77 Hz, 1 H), 7.49 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.39 - 7.45 (m, 1 H), 7.36 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 6.61 (s, 1 H), 5.82 - 5.99 (m, 2 H), 4.96 - 5.01 (m, 2 H), 4.56 - 4.65 (m, 2 H), 4.12 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.62 - 3.75 (m, 2 H), 2.18 - 2.29 (m, 3 H), 1.79 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 1.24 - 1.54 (m, 5 H), 0.84 - 0.98 (m, 9 H)、-0.01 - 0.11 (m, 6 H);LCMS [M + H]+ = 729.5
ステップ4:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(3mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(33mg、0.21mmol)の溶液に、HATU(75mg、0.20mmol)及びHOBt(12.6mg、0.082mmol)を加えた。室温で10分間攪拌した後、トリエチルアミン(0.09mL、0.66mmol)を加え、その後(E)-2-アミノ-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(120mg、0.165mmol)を加えて、室温で反応を継続した。3日後、水を滴下添加することにより反応から固体が析出した。この固体を濾過により単離し、水で洗浄した。次いで、固体をシリカゲル(12g HP Goldカラム)上で精製し、DCM中0~20%MeOHで溶出した。所望の画分を合わせ、濃縮して表題化合物(29mg、0.034mmol、収率20%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, THF-d4) δ ppm 12.53 (br. s., 2 H), 8.00 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.61 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.53 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 1 H), 7.36 (d, J=6.84 Hz, 2 H), 7.29 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.12 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 6.83 (br. s., 2 H), 6.66 (d, J=2.28 Hz, 2 H), 6.06 (dt, J=15.46, 5.58 Hz, 1 H), 5.87 (dt, J=15.46, 5.83 Hz, 1 H)、5.09 (d, J=5.32 Hz, 2 H), 4.89 (d, J=5.58 Hz, 2 H), 4.59 - 4.72 (m, 4 H), 3.97 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.69 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 2.20 (s, 6 H), 1.73 - 1.78 (m, 2 H), 1.40 (td, J=7.03, 1.14 Hz, 6 H), 0.82 - 0.94 (m, 9 H)、-0.03 - 0.09 (m, 6 H);LCMS [M/2+H]+ = 433.6
中間体8
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート
1L丸底フラスコに、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(25g、162mmol)及びDCM(500mL)を加えた。この不均一溶液にDMF(0.1mL、1.291mmol)を加え、その後塩化オキサリル(15.61mL、178mmol)をゆっくりと加えた。室温で1時間攪拌した後、揮発物を真空下で除去し、粗物質をジクロロメタン(各100mL)で2回共蒸発させた。これは収率100%と推定され、粗物質(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド(28.0g、162mmol、収率100%))を直接使用した。
乾燥した1L丸底フラスコに、KSCN(18.92g、195mmol)及びアセトン(463mL)を加えた。この清澄な均一溶液を0℃に冷却した。0℃で5分間攪拌した後、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド(28g、162mmol)をアセトン(25mL)中の溶液として加えた。添加が完了したら、反応物を0℃で撹拌した。1分後、さらなるKSCN(約2g)を加え、反応物をさらに20分間攪拌した。この時点で、ヘキサン(200mL)を反応混合物に加え、粗不均一溶液を真空中で1/3の体積まで濃縮した。ヘキサン添加及び濃縮のプロセスを2回繰り返した(各300mLのヘキサン)。最後の濃縮後、ヘキサン(200mL)を加え、固体を濾過により除去し、ヘキサン(100mL)ですすいだ。得られた清澄な淡黄色濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(330gのGoldシリカカラム;0~20%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製した。所望の生成物は、約7%EtOAc/ヘキサンで溶出する。所望の画分を合わせ、濃縮して1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(27.5g、139mmol、収率86%)を清澄な無色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.77 (s, 1 H), 4.54 (q, J=7.10 Hz, 2 H), 2.34 (s, 3 H), 1.44 (t, J=7.22 Hz, 3 H);LCMS [M + H]+ = 196.1. アシルイソチオシアネート生成物は経時的に減成するので、約0.4Mの1,4-ジオキサン溶液を調製し、凍結して、分解を回避し/遅延させた。この溶液を解凍し、その後の反応に直接使用した。
中間体9
tert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
EtOH(25mL)中の4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(1.50g、6.50mmol)の懸濁液に、(E)-tert-ブチル(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(1.454g、7.81mmol)及びDIEA(3.4mL、20mmol)を加えた。反応物を密封管中で120℃にて一晩攪拌し、室温に冷却した。得られた橙色の固体を濾過により回収し、EtOHで洗浄して表題化合物(2.10g、5.52mmol、収率85%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.19 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.03 (br. s., 1 H) 7.76 (t, J=6.08 Hz, 1 H) 7.55 (d, J=1.52 Hz, 1 H) 7.34 (br. s., 1 H) 6.95 (t, J=5.45 Hz, 1 H) 5.53 (br. s., 2 H) 4.09 (br. s., 2 H) 3.88 (s, 3 H) 3.48 (br. s., 2 H) 1.35 (s, 9 H)。LCMS (m/z):325.1 [M-t-Bu + H]+。
本明細書中に記載される化合物を調製する代替的経路:3首5リットルフラスコに、4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(451.10g、1956mmol)、n-ブタノール(2174mL)、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(854mL、4890mmol)及びtert-ブチル(E)-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(403.1g、2164mmol)を加えた。このフラスコに、冷却器と、温度プローブを含む隔壁(septum)を取り付けた。反応フラスコをオーバーヘッドスターラー(300rpm)で攪拌し、温度調節装置に取り付けた加熱マントルを用いて110℃に加熱した。この不均一混合物は濃赤色となり、6時間後に均一になった。反応物を110℃で24時間攪拌した。混合物を室温に冷却した。イソプロパノール(1200mL)を加えた。固体をブフナー漏斗上で濾過した。橙色のケーキをイソプロパノール(各1200mL)で2回すすいだ。固体を一晩空気乾燥した(約14時間)。Tert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(532g、1343mmol、収率68.6%)を橙色の固体として得た。1H NMR、HPLCトレース及びLCMSにより判定すると、この固体の最小純度は96%であると推定された。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.19 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.03 (br. s., 1 H) 7.76 (t, J=5.96 Hz, 1 H) 7.56 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 7.35 (br. s., 1 H) 6.96 (t, J=5.58 Hz, 1 H) 5.53 (br. s., 2 H) 4.09 (br. s., 2 H) 3.88 (s, 3 H) 3.48 (br. s., 2 H) 1.09 - 1.54 (m, 9 H)。LCMS (m/z):381.2 [M + H]+。
中間体10
(E)-4-((4-アミノブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド、塩酸塩
MeOH(50mL)中のtert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(20g、47.3mmol)の懸濁液に、ジオキサン(100mL、400mmol)中4M HClをゆっくりと加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで得られた固体を濾過により単離し、ジエチルエーテル(3x100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥して表題化合物(13.90g、43.9mmol、収率93%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.22 (d, J=2.03 Hz, 1 H), 7.76 - 8.16 (br. m., 5 H), 7.60 (d, J=2.03 Hz, 1 H), 7.37 (br. s., 1 H), 5.87 (dt, J=15.52, 5.80 Hz, 1 H), 5.62 (dt, J=15.65, 6.37 Hz, 1 H), 4.18 (d, J=5.32 Hz, 2 H), 3.90 (s, 3 H), 3.40 (t, J=5.70 Hz, 2 H)。LCMS (m/z):281.1 [M + H]+。
中間体11
(E)-1-((E)-4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、3塩酸塩
ステップ1:tert-ブチル((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
室温のDMF(5mL)中のtert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(530mg、1.036mmol)に、炭酸セシウム(675mg、2.072mmol)及びヨウ化メチル(0.097mL、1.554mmol)を加えた。反応物を室温で攪拌した。2時間後、反応物を100mL EtOAcで希釈し、2x100mLの水と3x100mLのブラインで洗浄した。有機層を回収し、真空下で濃縮して、表題化合物(630mg、1.04mmol、収率100%)を黄色固体として得た。LCMS m/z = 526 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-((E)-4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、3塩酸塩
MeOH(5mL)中のtert-ブチル((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(600mg、1.142mmol)に、ジオキサン(2.85mL、11.42mmol)中4M塩酸を加え、反応物を室温で攪拌した。3時間後、揮発物を真空下で除去し、表題化合物(650mg、1.04mmol、収率92%)を橙色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.33 (t, J=7.10 Hz, 3 H) 2.20 (s, 3 H) 3.32 - 3.42 (m, 3 H) 3.66 (br. s., 3 H) 4.03 (s, 3 H) 4.54 (q, J=7.10 Hz, 2 H) 5.03 (br. s., 2 H) 5.60 - 5.71 (m, 1 H) 5.97 (dt, J=15.59, 5.89 Hz, 1 H) 6.79 (br. s., 1 H) 7.52 - 7.61 (m, 2 H) 7.90 (br. s., 1 H) 8.05 (br. s., 3 H) 8.22 (br. s., 1 H)。LCMS m/z = 426 [M + H]+。
中間体12
(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド
(E)-4-((4-アミノブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド、塩酸塩(1.7g、5.37mmol)、4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(1.65g、4.81mmol)、イソプロパノール(15mL)及びDIPEA(2.94mL、16.85mmol)を、2つの24mLバイアルに分割した。このバイアルをキャップし、120℃で42時間加熱した。得られた固体を濾過により単離し、イソプロパノール(2x3mL)ですすいで、(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(1.95g、2.79mmol、収率51.9%)を赤煉瓦色の固体として得た。LCMS (m/z):588.2 [M + H]+。
ステップ2:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-メトキシベンズアミド
室温のMeOH(83.0mL)中の(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(4.6g、6.65mmol)に、水(70mL)中のヒドロ亜硫酸ナトリウム(19.08g、93.0mmol)を加えた。15分後、固体の重炭酸ナトリウム(24グラム)を加えた。10分後、反応物を濾過し、固体をMeOH(4x20mL)ですすいだ。合わせた濾液をCelite上に濃縮し、これをシリカゲル(80gのGoldカラム)上への乾燥ローディングにより精製し、DCM中2~40%(10:1のMeOH:水性NH4OH)で溶出し、表題化合物(1.81g、3.26mmol、収率49%)を暗黄色の薄膜として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.64 (br. s., 2 H), 6.99 (br. s., 2 H), 6.85 (dd, J=5.07, 1.77 Hz, 2 H), 6.78 (dd, J=4.31, 1.77 Hz, 2 H), 5.63 - 5.72 (m, 2 H), 4.66 (d, J=8.11 Hz, 4 H), 3.96 (t, J=6.21 Hz, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 3.51 - 3.60 (m, 6 H), 3.17 (br. s., 4 H), 2.43 (t, J=7.10 Hz, 2 H), 2.35 (br. s., 4 H), 1.87 (t, J=6.72 Hz, 2 H);LCMS (m/z):528.4 [M + H]+。
ステップ3:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
0℃のDMF(6.97mL)中の(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-メトキシベンズアミド(368mg、0.697mmol)に、ジオキサン(2.0mL、0.80mmol)中0.4Mの1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートを加えた。約10分後、ジオキサン(0.5mL、0.20mmol)中0.4Mの1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの別の部分を加え、続いて約15分後に最後の部分(0.5mL、0.20mmol)を加えた。35分間の総反応時間後、EDC(334mg、1.74mmol)を加え、その後トリエチルアミン(0.486mL、3.49mmol)を加えた。混合物を室温に温め、一晩(約14時間)撹拌した。反応物を3:1の水:飽和NH4Cl水溶液(40mL)でクエンチし、3:1のクロロホルム:EtOH(2x40mL)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(40gカラム、[10:1のMeOH:水性NH4OH]/DCMの2~40%勾配)により精製し、表題化合物(361mg、0.425mmol、収率60.9%)を桃色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.20-1.35 (m, 6 H), 1.55 - 1.73 (m, 2 H), 2.02 - 2.31 (m, 12 H), 3.46 (t, J=4.44 Hz, 4 H), 3.70 (s, 3 H), 3.93 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 4.40 - 4.68 (m, 4 H), 4.80 - 5.00 (m, 4 H), 5.69 - 6.00 (m, 2 H), 6.41 - 6.74 (m, 2 H), 7.13 - 7.51 (m, 4 H), 7.56 - 7.76 (m, 2 H), 7.99 (d, J=3.55 Hz, , 2 H), 12.85 (br. s., 2 H)。LCMS (m/z):851.5 [M + H]+。
中間体13
2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン
ステップ1:2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)
0℃のピリジン(150mL)中の2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジオール(10.0g、61.7mmol)に、4-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(29.4g、154mmol)を5分間かけて加え、その後反応物を55℃に加熱した。1日後、反応物を氷水でクエンチし、得られた固体を濾過により回収し、DCM(200mL)に溶解し、5%水性H2SO4(100mLx3)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮して表題化合物(27.3g、58.0mmol、収率94%)を白色固体として得た。LCMS [M + H]+ = 470.9
ステップ2:1,4-ジアジド-2,2,3,3-テトラフルオロブタン
DMF(40mL)中の2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(10.0g、21.3mmol)及びアジ化ナトリウム(5.53g、85.0mmol)を、110℃で一晩攪拌した。反応物をNaClO(水性)でクエンチし、DCM(5mLx3)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して表題化合物(3.5g、16.5mmol、収率78%)を得た。LCMS [M + H]+ = 213.1
ステップ3:2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン
MeOH(350mL)中の1,4-ジアジド-2,2,3,3-テトラフルオロブタン(36.0g、170mmol)の溶液に、10%炭素上Pd(18.1g、17.0mmol)を加えた。反応混合物を水素(4気圧)下にて40℃で16時間攪拌した。この混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、MeOHで洗浄して濾液を真空中で濃縮し、表題化合物(22.0g、124mmol、収率73%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 3.12 - 3.37 (m, 4 H), 1.43 (br. s., 4 H)。
中間体14A及び14B
7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:2,5-ジアジドヘキサン
500mL丸底フラスコに、2,5-ジブロモヘキサン(10g、41.0mmol)及びDMF(100mL)を加えた。この均一溶液に、アジ化ナトリウム(10.66g、164mmol)を加えた。この不均一反応混合物を80℃で1時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水(100mL)を加えた。水性相をジエチルエーテル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。2,5-ジアジドヘキサン(8.54g、33.5mmol、収率83%、純度66%)を黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (d, J=6.59 Hz, 6 H), 1.40 - 1.76 (m, 4 H), 3.35 - 3.68 (m, 2 H)。
ステップ2:ヘキサン-2,5-ジアミン
2,5-ジアジドヘキサン(8.54g、50.8mmol)をMeOH(300mL)に溶解した。この溶液を、ThalesNano H-Cube(登録商標)システムの1回通過(35℃、25バール水素圧、流速2mL/分)で水素化した。次いで、この溶液を濃縮し、粗生成物を後続の反応に使用した。ヘキサン-2,5-ジアミン(6.04g、49.4mmol、収率97%)を無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 1.09 (dd, J=6.21, 1.65 Hz, , 6 H), 1.21 - 1.62 (m, 8 H), 2.78 - 3.02 (m, 2 H)。
ステップ3:3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((5-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド
40mLバイアル中に、3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(中間体4の化合物)(1.255g、3.23mmol)、イソプロパノール(8mL)及びDIPEA(1.879mL、10.76mmol)を入れた。この不均一混合物に、ヘキサン-2,5-ジアミン(500mg、4.30mmol)をイソプロパノール(2mL)中の溶液として加えた。このバイアルをキャップし、一晩(約14時間)110℃に加熱した。この溶液を室温に冷却した。4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(0.594g、3.23mmol)を加え、その後DIPEA(1.879mL、10.76mmol)を加えた。反応物を再び110℃に2時間加熱した。室温に冷却すると固体が形成した。この固体をフィルター上で回収し、イソプロパノール(各2mL)で2回すすいだ。この粗固体を、シリカゲルクロマトグラフィー(ISCOユニット、80g SiO2カートリッジ、MeOH/DCMの2~20%勾配)により精製した。対応する画分を合わせ、濃縮した。3-(3-((Tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((5-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(300mg、0.450mmol、収率10.47%)を橙色のガラス状の薄膜(ジアステレオマーの混合物)として得た。LCMS (m/z):633.5 [M + H]+。
ステップ4:3-アミノ-4-((5-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド
125mLエルレンマイヤーフラスコに、3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((5-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(386mg、0.610mmol)及びMeOH(40mL)を加えた。この溶液を、ThalesNano H-Cube(登録商標)システム(5%Pd/Cカートリッジ、30℃、10バール水素圧、流速1.5mL/分)を用いて水素化した。2サイクル後、還元が完了した。この溶液を濃縮し、3-アミノ-4-((5-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド(352mg、0.602mmol、収率99%)を得た。LCMS (m/z):573.5 [M + H]+。
ステップ5:7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
100mL丸底フラスコに、3-アミノ-4-((5-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ヘキサン-2-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド(352mg、0.614mmol)及びDMF(6.1mL)を加えた。1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(中間体8の化合物)(ジオキサン中約0.4M、2.75mL、1.100mmol)の溶液を0℃で加え、混合物を15分間攪拌した。次いで、EDC(295mg、1.536mmol)を加え、その後トリエチルアミン(0.428mL、3.07mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩(約14時間)撹拌した。反応物を、50mLの酢酸エチルと、50mLの飽和塩化アンモニウム水溶液と水の1:1混合物との間で分配した。層を分離した。水性層を酢酸エチル(2x25mL)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。逆相分取クロマトグラフィー(Dual Phase ISCOシステム、Gemini C18、5um、50x30 mmカラム;NH4OH調整剤を有するMeCN/水の40~70%勾配)による精製により、第1溶出ジアステレオマーと第2溶出ジアステレオマーの分離及び特性決定が可能となった。各ジアステレオマーは、ラセミ体(すなわち1対のエナンチオマー)であると予測される。第1溶出ジアステレオマーを含む画分と第2溶出ジアステレオマーを含む画分とを別々にプールし、乾燥して、中間体XAと中間体XBをそれぞれ白色固体として得た。
中間体14A(第1溶出ジアステレオマー)
ラセミの7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(200mg、0.223mmol、収率36.4%)。
LCMS (m/z):895.6 [M + H]+;1.37分の保持時間 (Acquity UPLC CSH C18、1.7um、50mm x 2.1mmカラム;40℃;1.5分間にわたる3~95%勾配、MeCN/水中10mM重炭酸アンモニウム、25%水酸化アンモニウム溶液でpH10に調整した)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.98 (br. s., 0.54), 7.91 (s, 0.51), 7.80 (t, J=7.22 Hz, 1.06), 7.45 - 7.65 (m, 2.01), 7.40 (s, 0.52), 7.35 (s, 0.54), 6.34 - 6.79 (m, 2.09), 5.44 (br. s., 1.20), 4.65 (m, 4.10), 4.28 (m, 1.56), 3.99 (br. s., 0.63), 3.79 (m, 1.06), 3.70 (br. s., 0.65), 3.61 (br. s., 0.58), 2.98 (br. s., 2.98), 2.35 - 2.65 (m, 1.40), 2.28 (s, 1.49), 2.23 (m, 3.16), 2.17 (br. s., 1.47), 1.99 (br. s., 0.98), 1.81 (br. s., 2.70), 1.62 (d, J=6.84 Hz, 1.87), 1.55 (d, J=6.84 Hz, 3.08), 1.50 (d, J=6.59 Hz, 1.46), 1.29 - 1.47 (m, 6.68), 0.87 (s, 9.20), 0.02 (s, 6.00)。
中間体14B(第2溶出ジアステレオマー)
白色固体としてのラセミの7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(210mg、0.235mmol、収率38.2%)。
LCMS (m/z):895.6 [M + H]+;1.42分の保持時間 (Acquity UPLC CSH C18、1.7um、50mm x 2.1mmカラム;40℃;1.5分間にわたる3~95%勾配、MeCN/水中10mM重炭酸アンモニウム、25%水酸化アンモニウム溶液でpH10に調整)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.80 (br. s., 2.29), 7.60 (br. s., 3.77), 7.43 (br. s., 3.64), 7.24 (br. s., 3.24), 7.10 (s, 3.41), 6.81 (br. s., 3.41), 5.62 - 6.31 (br. s., 2.02), 5.35 - 5.61 (m, 3.60), 5.26 (br. s., 2.06), 4.57 - 4.84 (m, 11.14), 4.25 - 4.52 (m, 4.04), 4.11 (br. s., 1.46), 3.96 (t, J=5.96 Hz, 2.56), 3.84 (br. s., 0.87), 3.59 (br. s., 4.64), 2.85 (q, J=12.17 Hz, 0.97), 2.11 - 2.40 (m, 20.85), 2.06 (s, 5.95), 1.69 - 1.99 (m, 8.53), 1.20 - 1.68 (m, 44.08), 0.96 (s, 10.71), 0.86 (s, 21.28), 0.14 (d, J=5.07 Hz, 7.03), 0.01 (d, J=3.80 Hz, 14.00)。
中間体15
4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド
DMF(7mL)に溶解した4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(942mg、4.35mmol)に、Cs2CO3(1.559g、4.78mmol)を加え、その後4-メトキシベンジルクロリド(0.622mL、4.57mmol)を加えた。反応混合物を室温で24時間攪拌した。勢いよく撹拌しながら水(15mL)を滴下添加し、得られた固体を5分間攪拌し、濾過により回収して水ですすぎ、表題化合物(1.26g、3.74mmol、収率82%)を淡橙色の固体として得た。1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ ppm 7.80 (d, J= 1.8 Hz, 1 H), 7.76 (d, J= 1.8 Hz, 1 H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 6.98 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 6.13 (br. s., 1 H), 5.82 (br. s., 1 H), 5.25 (s, 2 H), 3.87 (s, 3 H);LCMS (m/z):337.1 [M + H]+。
中間体16
(E)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジアミン、2塩酸塩
ステップ1:(E)-2,2'-(2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(イソインドリン-1,3-ジオン)
DMF(244mL)中の(E)-1,4-ジブロモ-2,3-ジメチルブタ-2-エン(29.5g、122mmol)の溶液に、フタルイミドカリウム塩(45.2g、244mmol)を加えた。この白色懸濁液を室温で一晩攪拌した。反応物を水(2L)に注ぎ入れ、得られた白色懸濁液を濾過した。濾過ケーキを空気乾燥し(48時間)、(E)-2,2'-(2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(イソインドリン-1,3-ジオン)(37g、99mmol、収率81%)を白色固体として得た。この固体をさらなる精製を行うことなく使用した。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 7.84 - 7.93 (m, 4 H), 7.72 - 7.81 (m, 4 H), 4.39 (s, 4 H), 1.95 (s, 6 H)。
ステップ2:(E)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジアミン、2塩酸塩
EtOH(332mL)中の(E)-2,2'-(2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジイル)ビス(イソインドリン-1,3-ジオン)(15.3g、40.9mmol)の混合物に、ヒドラジン一水和物(6.01mL、123mmol)を加えた。反応物を80℃で加熱した。3時間後、反応物を室温に冷却した。粘性(thick)の白色混合物を濾過し、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、濾液を濃縮乾固した。濾液から得られた白色固体を、水(150mL)とEtOAc(150mL)との間で分配した。水性層を濃縮乾固し、粘性の黄色がかった油状物を得た。この粘性の油状物を、1 N HCl (250mL)とEtOAc(250mL)で処理した。出現した白色沈殿物(副生成物)を濾過により除去した。濾液を分液漏斗に移した。水性層を分離し;濾過して残留白色固体を除去し、濃縮乾固して、(E)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジアミン、2塩酸塩(4.2g、22.45mmol、収率54.9%)を灰色がかったピンク色の固体として得た。この物質を、さらなる精製を行うことなく使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.23 (br. s., 6 H), 3.45 (q, J=5.75 Hz, 4 H), 1.83 (s, 6 H)。
中間体17
tert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
ステップ1:tert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
2L丸底フラスコに、tert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(25.8g、67.8mmol)及びメタノール(484mL)を加えた。この橙色の不均一溶液を0℃に冷却した。0℃で20分間攪拌した後、水酸化アンモニウム溶液(29重量%、91mL、678mmol)を加え、その後ヒドロ亜硫酸ナトリウム(85重量%、70.0g、342mmol)を水(194mL)中溶液として加えた。フラスコを氷浴から取り出し、室温で攪拌した。この不均一混合物は、橙色からオフホワイト色へとゆっくりと色が変化する。室温で3時間攪拌した後、清澄な溶液が得られるまで水(約800mL)を加えた。メタノールを、減圧を用いて蒸発させた。蒸発中に形成された白色固体を濾別し、水(各300mL)で2回洗浄した。この固体を16時間空気乾燥し、その後、50℃の真空オーブン中で5時間乾燥した。Tert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(19.34g、54.1mmol、収率80%)をオフホワイト色の固体として得た。この固体の純度は、HPLC、LCMS及び1H NMRにより98%であると判定された。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.62 (br. s., 1 H) 6.98 (br. s., 1 H) 6.92 (t, J=5.45 Hz, 1 H) 6.87 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 6.79 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 5.57 (qt, J=15.27, 5.23 Hz, 2 H) 4.67 (br. s., 2 H) 3.82 (br. s., 1 H) 3.76 (s, 3 H) 3.51 (dd, J=12.29, 5.70 Hz, 4 H) 1.37 (s, 9 H)。LCMS (m/z):351.1 (M + H)+。
ステップ2:tert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
2リットル丸底フラスコに、tert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(19.34g、55.2mmol)及びDMF(184mL)を入れた。この溶液を0℃に冷却した。0℃で20分間攪拌した後、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(44.2mL、44.2mmol)を、ジオキサン中約1.0M溶液として加えた。0℃で10分間攪拌した後、中間体チオ尿素の形成が完了した。EDC(15.87g、83mmol)及びDIEA(28.9mL、166mmol)を加えた。反応物を室温に温め、一晩(約14時間)撹拌した。この不均一反応混合物に、250mlの飽和水性塩化アンモニウムと750mLの水との混合物を加えた。この不均一混合物を室温で1時間攪拌した。固体を濾別し、水(各200mL)で2回すすいだ。オフホワイト色の固体を50℃の真空オーブン中で3日間乾燥した。Tert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(21.23g、41.5mmol、収率75%)を、LCMS、HPLC及び1H NMRにより判定される約100%の純度を有する白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.84 (br. s., 1 H) 8.00 (br. s., 1 H) 7.67 (s, 1 H) 7.30 - 7.45 (m, 2 H) 6.86 - 7.00 (m, 1 H) 6.64 (s, 1 H) 5.54 - 5.80 (m, 2 H) 4.92 (d, J=4.82 Hz, 2 H) 4.61 (q, J=7.01 Hz, 2 H) 3.97 (s, 3 H) 3.50 (br. s., 2 H) 2.18 (s, 3 H) 1.11 - 1.41 (m, 12 H)。LCMS (m/z):512.5 (M + H)+。
中間体18
(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
1リットルの丸底フラスコに、tert-ブチル(E)-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(21.23g、41.5mmol)、エタノール(234mL)及びt-ブチルメチルエーテル(96mL)を加えた。この不均一溶液に、HCl(114mL、456mmol)をジオキサン中4M溶液として加えた。HCl添加の間に、この溶液は、不均一溶液から清澄な黄色を有する均一溶液となった。反応物を室温で一晩攪拌した。翌朝までに白色固体が沈殿していた。さらなる4M HCl溶液(15.56mL、62.2mmol)を加え、混合物を、反応が完了するまでさらに9時間攪拌した。白色固体を濾別し、エタノール(200mL)/TBME(800mL)の1:4混合物ですすいだ。得られた固体を真空オーブン(50℃)中で一晩乾燥した。(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(22.56g、44.2mmol、収率107%)を、LCMS、HPLC及び1H NMRにより判定して純度95%を有する白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.88 (br. s., 1 H) 7.77 - 8.18 (m, 4 H) 7.68 (d, J=1.27 Hz, 1 H) 7.25 - 7.51 (m, 2 H) 6.68 (s, 1 H) 6.04 (dt, J=15.52, 5.80 Hz, 1 H) 5.53 - 5.78 (m, 1 H) 4.99 (d, J=5.32 Hz, 2 H) 4.61 (q, J=7.10 Hz, 2 H) 3.99 (s, 3 H) 3.27 - 3.57 (m, 2 H) 2.19 (s, 3 H) 1.36 (t, J=7.10 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):412.3 (M + H)+。
中間体19
(E)-2-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオン
ステップ1:(3r,5r,7r)-1-((E)-4-ブロモ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1,3,5,7-テトラアザアダマンタン-1-イウム、臭化物
DCM(200mL)中の(E)-1,4-ジブロモ-2,3-ジメチルブタ-2-エン(13.59g、50.6mmol)の溶液に、1,3,5,7-テトラアザアダマンタン(7.09g、50.6mmol)を、2分間かけて少しずつ加えた。反応物を25分間攪拌し、得られた固体を濾過し、DCMですすいで乾燥し、(3r,5r,7r)-1-((E)-4-ブロモ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1,3,5,7-テトラアザアダマンタン-1-イウム、臭化物(16.7g、43.7mmol、収率86%)を白色固体として得た。LCMS (m/z):301.1 [M]+。
ステップ2:(3r,5r,7r)-1-((E)-4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1,3,5,7-テトラアザアダマンタン-1-イウム、臭化物
アセトン(200mL)中の(3r,5r,7r)-1-((E)-4-ブロモ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1,3,5,7-テトラアザアダマンタン-1-イウム、臭化物(16.7g、43.7mmol)の懸濁液に、カリウム1,3-ジオキソイソインドリン-2-イド(8.09g、43.7mmol)を加えた。反応混合物を55℃で1.5時間加熱した。次の2.5時間かけて、出発物質が消費されるまで反応物をさらなるカリウムフタルイミドで処理した。反応混合物を加熱から外し、10分間攪拌し、その後温かいまま濾過した。この固体をアセトンですすぎ、乾燥して20.4gの粗生成物を得た。この粗生成物を冷水(氷浴)中で5分間攪拌した。固体をフィルター上で回収し、冷水ですすいで乾燥し、(3r,5r,7r)-1-((E)-4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1,3,5,7-テトラアザアダマンタン-1-イウム、臭化物(10.3g、22.9mmol、収率52.6%)を淡黄色固体として得た。LCMS (m/z):368.2 [M]+。
ステップ3:(E)-2-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオン
室温のEtOH(100mL)中の(3r,5r,7r)-1-((E)-4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1,3,5,7-テトラアザアダマンタン-1-イウム、臭化物(10.3g、22.97mmol)の懸濁液に、濃縮塩化水素(7.55mL、92mmol)を加えた。反応混合物は、淡黄色から淡橙色に色が変化した。反応物を80℃で55分間加熱した。色は経時的により暗い橙色になった。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3 溶液を加えて溶液(約20mL)のpHを上昇させた。混合物を5分間攪拌し、20mLの水で希釈し、3:1のクロロホルム:EtOH(3x75mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して乾燥し、(E)-2-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(5.77g、22.4mmol、収率98%)を淡茶色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.71 - 8.09 (m, 6 H), 4.25 (s, 2 H), 3.45 (s, 2 H), 1.95 (d, J=1.27 Hz, 3 H), 1.65 (d, J=1.27 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):245.2 [M + H]+。
中間体20
tert-ブチル(E)-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
ステップ1:tert-ブチルジクロロカルバメート
0℃のDCM(400mL)中のtert-ブチルカルバメート(20.1g、172mmol)の溶液に、次亜塩素酸カルシウム(テクニカルグレード、利用可能塩素65%)(75g、343mmol)を加え、その後6M塩酸(143mL、858mmol)を35分間かけて滴下添加した(添加中の内部温度5~10℃)。次いで、得られた黄色懸濁液を20分間攪拌した。層を分離し、有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液を減圧下(23℃、80mbar)で注意深く濃縮し、tert-ブチルジクロロカルバメート(33.4g、172mmol、100%)を淡黄色の液体として得た。1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ ppm 1.56 (s, 9 H)。
ステップ2:tert-ブチル(E)-(4-クロロ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
300mLのクロロホルムを通して窒素を10分間バブリングした。次いで、2,3-ジメチルブタ-1,3-ジエン(24.79mL、219mmol)を加え、溶液を窒素雰囲気下で0℃に冷却した。クロロホルム(150mL)中のtert-ブチルジクロロカルバメート(41g、220mmol)の溶液を80分間かけて加え、(E)-tert-ブチルクロロ(4-クロロ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメートとtert-ブチル(E)-(4-クロロ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメートとの混合物を生成した。氷浴中で15分間さらに攪拌した後、新たに調製した亜硫酸ナトリウムの水溶液(3M、219mL、657mmol)を、内部温度を室温未満に維持する速度で素早く滴下添加した(注意:ガス発生を伴う発熱反応)。氷浴を取り外し、反応物をさらに15分間攪拌した。層を分離した。有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、tert-ブチル(E)-(4-クロロ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(45.4g、184mmol、収率84%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 4.49 (br. s., 1 H), 4.10 (s, 2 H), 3.80 (br. s., 2 H), 1.86 (s, 3 H), 1.82 (d, J=1.25 Hz, 3 H), 1.47 (s, 9 H)。
ステップ3:tert-ブチル(E)-(4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
DMF(300mL)中のtert-ブチル(E)-(4-クロロ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(40.4g、164mmol)の溶液に、カリウム1,3-ジオキソイソインドリン-2-イド(30.4g、164mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を氷/水浴中で冷却し、水(450mL)を加えて粘性の沈殿物を得た。室温で10分間攪拌した後、固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、tert-ブチル(E)-(4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(50.08g、137mmol、収率84%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 7.87 (dd, J=5.40, 3.14 Hz, 2 H), 7.74 (dd, J=5.27, 3.01 Hz, 2 H), 4.41 - 4.48 (m, 1 H), 4.35 (s, 2 H), 3.78 (br. s., 2 H), 1.97 (s, 3 H), 1.70 (d, J=1.25 Hz, , 3 H), 1.47 (s, 9 H)。
ステップ4:tert-ブチル(E)-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
2つの同一反応を並行してセットアップした。エタノール(400mL)中のtert-ブチル(E)-(4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(25g、69.0mmol)の混合物に、ヒドラジン一水和物(6.69mL、138mmol)を加えた。混合物を80℃で4.5時間攪拌した。30分間加熱した後、粘性の沈殿物が形成し始め、攪拌が困難になった。2つの反応物を合わせ、濃縮してエタノールを除去し、白色固体を得た。この物質を水(450mL)中で攪拌した。1M HCl溶液(50mL)と6M HCl溶液(14mL)を加えてpHを約5に調整し、懸濁液を10分間攪拌した。固体を濾別し、水ですすいだ。水性濾液をDCM(100mL)で抽出し、全ての不純物/色を除去した。次いで、水性相を1M水酸化ナトリウムでpH13に調整し、3:1のCHCl3:EtOH(3x300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して薄橙色の油状物を得、これは急速に凝固した。この固体を5%ジエチルエーテル/ヘプタン(200mL)で5分間トリチュレート(triturate)し、その後濾過してヘプタンですすいだ(クロップ1)。濾液を濃縮して5mLのジエチルエーテル中で攪拌した。固体を最小限のジエチルエーテルですすぎ、濾過して第2クロップを得た。合わせて真空中で乾燥し、tert-ブチル(E)-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(23.9g、111mmol、収率80%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 3.70 (s, 2 H), 3.24 (s, 2 H), 1.81 (d, J=1.00 Hz, 3 H), 1.73 (s, 3 H), 1.46 (s, 9 H)。LCMS (m/z):215.3 [M + H]+。
中間体21
(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド、塩酸塩
ステップ1:tert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
DMSO(25mL)中のtert-ブチル(E)-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(1.92g、8.96mmol)及び4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.650g、8.96mmol)の溶液に、炭酸カリウム(1.486g、10.75mmol)を加えた。明橙色の混合物を室温で2時間攪拌した。この混合物を急速に攪拌されている氷水(200mL)中に滴下添加し、1時間攪拌した。得られた沈殿物を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、tert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(2.9g、7.5mmol、収率84%)を明黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.66 (d, J=2.28 Hz, 1 H), 8.36 (t, J=5.32 Hz, 1 H), 7.99 (dd, J=8.87, 2.03 Hz, 2 H), 7.31 (br. s., 1 H), 7.02 (t, J=5.70 Hz, 1 H), 6.92 (d, J=9.12 Hz, 1 H), 4.02 (d, J=5.07 Hz, 2 H), 3.60 (d, J=5.58 Hz, 2 H), 1.75 (s, 3 H), 1.68 (s, 3 H), 1.38 (s, 9 H)。
ステップ2:(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド、塩酸塩
DCM(LARA~アップデート)中のtert-ブチル(E)-(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(2.9g、7.66mmol)の懸濁液に、ジオキサン(9.58mL、38.3mmol)中4M HClを加えた。反応物を室温で2時間攪拌した。得られた固体を濾過し、DCMですすぎ、乾燥して、(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド、塩酸塩(2.4g、7.28mmol、収率95%)を明黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.68 (d, J=2.28 Hz, 1 H), 8.44 (t, J=5.45 Hz, 1 H), 8.01 (dd, J=9.00, 2.15 Hz, 5 H), 7.33 (br. s., 1 H), 6.90 (d, J=9.12 Hz, 1 H), 4.10 (d, J=5.07 Hz, 2 H), 3.48 (d, J=5.58 Hz, 2 H), 1.90 (s, 3 H), 1.72 (s, 3 H)。LCMS (m/z):顕著な[M + H]+なし。
中間体22
(2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジアミン
ステップ1:(4S,5S)-4,5-ビス(アジドメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン
DMF(20mL)中の((4S,5S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4,5-ジイル)ビス(メチレン)ビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(5.23g、11.11mmol)の溶液に、アジ化ナトリウム(2.89g、44.5mmol)を加えた。この混合物を80℃で18時間攪拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(2x100mL)で抽出した。有機相を水(2x100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、(4S,5S)-4,5-ビス(アジドメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(2.3g、10.8mmol、収率98%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 1.51 (s, 6 H), 3.30 - 3.43 (m, 2 H), 3.54 - 3.66 (m, 2 H), 4.10 (td, J=2.8, 1.3 Hz, 2 H)。LCMS (m/z):顕著な[M + H]+なし。
ステップ2:(2S,3S)-1,4-ジアジドブタン-2,3-ジオール
THF(50mL)中の(4S,5S)-4,5-ビス(アジドメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(2.3g、10.84mmol)の溶液に、パラトルエンスルホン酸(0.103g、0.542mmol)を加えた。反応混合物を60℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)と水(30mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。NMR分析は、反応が起こらなかったことを示す。この混合物に、メタノール(34.7mL、43.4mmol)中1.25M HClを加えた。反応物を60℃で18時間加熱した。反応混合物を濃縮し、(2S,3S)-1,4-ジアジドブタン-2,3-ジオール(2.01g、10.5mmol、収率97%)を淡黄色の清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 3.35 - 3.59 (m, 4 H), 3.71 - 3.90 (m, 2 H)。
ステップ3:(2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジアミン
DMF(50mL)中の(2S,3S)-1,4-ジアジドブタン-2,3-ジオール(2.01g、11.68mmol)の混合物に、0℃の水素化ナトリウム(1.167g、29.2mmol)を加えた。この混合物を室温で5分間攪拌し、次いでヨードエタン(2.36mL、29.2mmol)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機相をブライン(3x30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して粗製の(2S,3S)-1,4-ジアジド-2,3-ジエトキシブタン(2.47g)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 1.27 (t, J=7.0 Hz, 6 H), 3.31 - 3.47 (m, 4 H), 3.56 - 3.82 (m, 6 H)。メタノール(30mL)中の粗製の(2S,3S)-1,4-ジアジド-2,3-ジエトキシブタン(2.47g)と炭素上パラジウム(0.3g、2.8mmol)との混合物を窒素でパージし、水素雰囲気(バルーン)で置換した。混合物を室温で18時間攪拌した。水素を窒素で置換し、混合物をCeliteに通して濾過し、濃縮して、(2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジアミン(1.86g、収率90%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.07 - 1.13 (m, 6 H), 2.31 - 2.49 (m, 2 H), 2.57 - 2.68 (m, 2 H), 3.20 - 3.27 (m, 2 H), 3.50 - 3.60 (m, 4 H)。
中間体23
4-クロロ-3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
DCM(97mL)中の4-クロロ-3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(3.94g、14.62mmol)の溶液に、塩化オキサリル(2.047mL、23.39mmol)及び4滴のDMFを室温で加えた。1時間攪拌した後、30%水酸化アンモニウム溶液(9.49mL、73.1mmol)を加え、18時間攪拌した。得られた白色沈殿物を濾過し、最初に水で洗浄し、次いでDCMで洗浄し、乾燥して、4-クロロ-3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(3.32g、12.36mmol、収率85%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.77 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 8.57 (d, J= 1.8 Hz, 1 H), 7.97 (br. s., 2 H)。LCMS (m/z):269.1 [M + H]+。
中間体24
エチル3-(5-カルバモイル-2-フルオロ-3-ニトロフェニル)プロパノエート
DMF(60.8mL)中の3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロベンズアミド(5g、18.25mmol)に、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロリド(5.18g、18.25mmol)及びPd(OAc)2(0.418g、1.825mmol)を加えた。この混合物を通して窒素を2分間バブリングし、次いで3,3-ジエトキシプロパ-1-エン(8.69mL、54.7mmol)及びトリブチルアミン(8.83mL、36.5mmol)を加えた。容器を密封し、混合物を125℃で16時間加熱した。混合物を、酢酸エチル(200mL)と飽和水性塩化アンモニウム(200mL)との間で分配した。水性相を、酢酸エチルで再度抽出した。プールした有機層をブライン(2x150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(120gシリカ、EtOAc/ヘキサンの30~100%勾配)により精製し、エチル3-(5-カルバモイル-2-フルオロ-3-ニトロフェニル)プロパノエート(1.77g、5.42mmol、収率29.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.48 (dd, J=6.7, 2.2 Hz, 1 H), 8.18 - 8.33 (m, 2 H), 7.71 (br. s., 1 H), 4.05 (q, J=7.3 Hz, 2 H), 2.94 - 3.06 (m, 2 H), 2.73 (t, J=7.5 Hz, , 2 H), 1.15 (t, J=7.3 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):285.1 [M + H]+。
中間体25
2-フルオロ-1-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-ニトロベンゼン
室温のDMF(40mL)中の2-フルオロ-3-ニトロフェノール(4.75g、30.2mmol)の茶色溶液に、炭酸セシウム(10.84g、33.3mmol)及び4-メトキシベンジルクロリド(4.32mL、31.7mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間攪拌した。水(150mL)を、勢いよく攪拌されている反応混合物に加え、10分間攪拌して沈殿物を生成した。固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、2-フルオロ-1-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-ニトロベンゼン(8.1g、28.1mmol、収率93%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.63 - 7.75 (m, 2 H), 7.42 (d, J=8.62 Hz, 2 H), 7.36 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 6.92 - 7.02 (m, 2 H), 5.21 (s, 2 H), 3.77 (s, 3 H)。LCMS (m/z):[M + H]+は観察されなかった。
中間体26
(2R,3S)-2,3-ジメトキシブタン-1,4-ジアミン
ステップ1:ジメチル(2R,3S)-2,3-ジメトキシスクシネート
ジメチル(2R,3S)-2,3-ジヒドロキシスクシネート(5.86g、32.9mmol)と酸化銀(22.87g、99mmol)との混合物に、ヨードメタン(41.1mL、658mmol)を加えた。この混合物を45℃で6時間加熱し、さらに18時間室温に置いた。混合物を濾過し、DCMで洗浄して濃縮し、表題化合物(5.8g、28.3mmol、収率86%)を清澄な油状物として得、これを保存すると凝固した。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 4.26 (s, 2 H) 3.76 (s, 6 H) 3.46 (s, 6 H)。
ステップ2:(2R,3S)-2,3-ジメトキシブタン-1,4-ジオール
THF(30mL)中のジメチル(2R,3S)-2,3-ジメトキシスクシネート(5.1g、24.73mmol)の溶液を、0℃のTHF(150mL)中のLAH(2.065g、54.4mmol)の混合物に加えた。この混合物を2時間室温に温めた。反応物を飽和硫酸ナトリウム溶液(9.1mL)でクエンチした。混合物を濾過し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して表題化合物(3.6g、24.0mmol、収率97%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 4.51 (t, J=5.58 Hz, 2 H) 3.51 - 3.59 (m, 2 H) 3.38 - 3.45 (m, 2 H) 3.32 (s, 6 H) 3.19 - 3.26 (m, 2 H)。
ステップ3:(2R,3S)-2,3-ジメトキシブタン-1,4-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)
-78℃のピリジン(40mL)中の(2R,3S)-2,3-ジメトキシブタン-1,4-ジオール(3.3g、21.97mmol)の溶液に、TsCl(12.57g、65.9mmol)を加えた。この混合物を室温に温め、18時間攪拌した。水(150mL)を加え、混合物を0℃に2時間冷却した。得られた沈殿物を濾過し、水ですすぎ、乾燥して表題化合物(7.52g、16.4mmol、収率74.6%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 7.69 - 7.86 (m, 4 H) 7.35 - 7.44 (m, 4 H) 4.08 - 4.33 (m, 4 H) 3.33 - 3.45 (m, 2 H) 3.25 (s, 6 H) 2.49 (s, 6 H)。
ステップ4:(2R,3S)-1,4-ジアジド-2,3-ジメトキシブタン
DMF(40mL)中の(2R,3S)-2,3-ジメトキシブタン-1,4-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(7.52g、16.40mmol)の溶液に、アジ化ナトリウム(4.26g、65.6mmol)を加えた。この混合物を80℃で18時間攪拌した。混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(2x200mL)で抽出した。有機相を水(2x200mL)とブライン(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、表題化合物(3.16g、15.8mmol、収率96%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 3.60 - 3.68 (m, 2 H) 3.48 (s, 6 H) 3.37 - 3.45 (m, 4 H)。
ステップ5:(2R,3S)-2,3-ジメトキシブタン-1,4-ジアミン
メタノール(30mL)中の(2R,3S)-1,4-ジアジド-2,3-ジメトキシブタン(3.16g、15.8mmol)と炭素上パラジウム(0.672g、6.31mmol)との混合物に、水素(バルーン)を加えた。この混合物を室温で60時間攪拌した。水素を除去した後、混合物をCeliteに通して濾過し、濃縮して、表題化合物(2.33g、15.7mmol、収率100%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 3.49 (s, 6 H) 3.25 - 3.35 (m, 2 H) 2.83 - 2.96 (m, 4 H)。
中間体27
((1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジイル)ジメタンアミン、2塩酸塩
ステップ1:(1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジカルボキサミド
250mL丸底フラスコ中に、ジエチル(1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジカルボキシレート(38g、204mmol)及び水酸化アンモニウム溶液(28重量%水溶液;380mL、3035mmol)を加えた。この混合物を25℃で48時間攪拌した。混合物を濾過し、その後、濾過ケーキをEtOAc(100mL)で洗浄した。固体を真空下で乾燥し、(1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジカルボキサミド(14.5g、108mmol、収率53%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.65 (s, 2 H), 6.90 (s, 2 H), 1.86 (m, 2 H), 0.97 (m, 2 H)。
ステップ2:ジ-tert-ブチル(((1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジイル)ビス(メチレン))ジカルバメート
(1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジカルボキサミド(14.5g、113mmol)と0℃のTHF(300mL)との混合物中に、LiAlH4(17.18g、453mmol)をバッチ様式で添加した。次いで、この混合物を25℃で48時間攪拌した。混合物を0℃のクラッシュアイス(200g)の添加によりクエンチした。混合物を濾過し、濾液を次のステップに直接使用した。この濾液に、LiOH(10.52g、4.39mmol)及び水(200mL)を加えた。Boc無水物(56.1mL、242mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、反応混合物をDCM(100mLx3)で3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を順相シリカゲルクロマトグラフィー(80gシリカ、1:4のEtOAc/石油エーテル)により精製し、ジ-tert-ブチル(((1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジイル)ビス(メチレン))ジカルバメート(10g、31.6mmol、2ステップにわたる収率29%)を無色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4,) δ ppm 3.03 (m, 2 H), 2.85 (m, 2 H), 0.83 (m, 2 H), 0.41 (m, 2 H)。
ステップ3:((1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジイル)ジメタンアミン、2塩酸塩
500mL丸底フラスコ中に、ジ-tert-ブチル(((1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジイル)ビス(メチレン))ジカルバメート(10g、33.3mmol)及びHCl(1,4-ジオキサン中4M、100mL、400mmol)を加えた。25℃で30分間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。次いで、残留物を水(100mL)に溶解し、凍結乾燥した。((1S,2S)-シクロプロパン-1,2-ジイル)ジメタンアミン、2塩酸塩(5.3g、29.1mmol、収率87%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4,) δ ppm 3.05 (m, 2 H), 2.81 (m, 2 H), 1.27 - 1.18 (m, 2 H), 0.87 - 0.79 (m, 2 H)。LCMS (m/z):101.2 [M + H]+, UVピークは観察されなかった。
実施例1
(E)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
EtOH(5mL)中の(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド塩酸塩(535mg、1.280mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(471mg、4.65mmol)及び4-クロロ-3-(3-モルホリノプロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(400mg、1.164mmol)を加えた。反応容器を密封し、120℃で20時間加熱した。冷却すると、濃色の溶液から橙色の固体が析出した。固体をEtOAcで洗浄し、乾燥して、(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(457mg、0.664mmol、収率57.0%)を得た。反応を3回繰り返し、1.37gの表題化合物を得た。LCMS m/z = 689 [M+H]+。
ステップ2:(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
(E)-1-(4-((4-カルバモイル-2-(3-モルホリノプロポキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.05g、1.525mmol)を、MeOH(16mL)及び28%水酸化アンモニウム(5.17mL、38.1mmol)に懸濁した。5分間攪拌した後、水(4.00mL)中のヒドロ亜硫酸ナトリウム(1.593g、9.15mmol)の溶液を加え、その後室温で2時間攪拌した。
EtOAcを加え、有機層を水とブラインで洗浄した。次いで、有機相を乾燥し、濃縮して、粗製の(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(330mg、0.501mmol、収率32.9%)をオフホワイト色の固体として得た。粗物質を、さらなる精製を行うことなく使用した。LCMS m/z = 659 [M + H]+。
ステップ3:(E)-2-アミノ-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
MeOH(15mL)中の(E)-1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-(3-モルホリノプロポキシ)フェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(330mg、0.501mmol)の溶液に、臭化シアン(159mg、1.503mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間攪拌した。EtOAcの添加により生成物の沈殿が得られ、その後1時間攪拌した。固体を濾過し、EtOAcで洗浄して乾燥し、(E)-2-アミノ-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(284mg、0.416mmol、収率83%)を淡茶色の固体として得た。この物質をさらなる精製を行うことなく使用した。LCMS m/z = 684 [M + H]+。
ステップ4:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(4mL)中の(E)-2-アミノ-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(260mg、0.380mmol)の懸濁液に、DMF(4mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(117mg、0.760mmol)及び1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-オール水和物(58.2mg、0.380mmol)及び2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(289mg、0.760mmol)及びトリエチルアミン(0.212mL、1.521mmol)の溶液を室温で加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。次いで、水(10mL)を加え、得られた混濁溶液を3時間冷蔵庫に入れた。得られた沈殿物を濾過し(180mg)、先の反応から得られた80mgのさらなる粗固体と合わせた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ISCO 24gカラム、DCM中0~35%のMeOH勾配)によりさらに精製した。溶媒の除去後、(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(140mg、0.171mmol)を得た。1H NMR (メタノール-d4, 600 MHz):δ ppm 7.96 (s, 1 H), 7.71 (dd, J=8.3, 1.6 Hz, 1 H), 7.56 (s, 1 H), 7.35 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.27 (s, 1 H), 6.62 (s, 1 H), 6.55 (s, 1 H), 5.95 (dt, J=15.5, 5.1 Hz, 1 H), 5.76-5.83 (m, 1 H)、5.06 (br d, J=4.6 Hz, 2 H), 4.86 (br d, J=5.3 Hz, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 4.56 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 3.99 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 3.64 (br t, J=4.2 Hz, 4 H), 2.43-2.48 (m, 2 H), 2.40 (br s, 4 H), 2.21 (s, 3 H), 2.19 (s, 3 H), 1.75-1.81 (m, 2 H), 1.37 (t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.32 (t, J=7.2 Hz, 3 H)。LCMS m/z = 820.9 [M + H]+。
ステップ5:(E)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(2mL)中の(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(52mg、0.063mmol)の懸濁液に、炭酸セシウム(62.0mg、0.190mmol)及びヨウ化メチル(9.91μl、0.159mmol)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCMの0~25%の勾配、シリカゲルカラム12g)により精製し、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(44mg、0.052mmol、収率82%)として清浄な生成物を得た。1H NMR (DMSO-d6, 600 MHz):δ ppm 8.07 (br s, 1 H), 7.80 (br d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.74 (br s, 1 H), 7.48 (br d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.41 (s, 1 H), 6.29-6.44 (m, 2 H), 5.83-5.99 (m, 1 H), 5.60-5.76 (m, 1 H), 4.81-4.94 (m, 2 H), 4.75 (br d, J=5.1 Hz, 2 H), 4.38-4.55 (m, 4 H), 4.06 (br s, 2 H), 3.54 (br s, 3 H), 3.45-3.59 (m, 7 H), 2.25-2.30 (m, 2 H), 2.15-2.37 (m, 4 H), 2.11 (br d, J=7.0 Hz, 6 H), 1.72 (br s, 2 H),1.19-1.24 (m, 3 H), 1.14-1.26 (m, 3 H)。LCMS m/z = 848 [M + H]+。
上記の工程により調製される化合物は、互変異性体/異性体の、例えば、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドとして存在し得る。
実施例2
(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:tert-ブチル(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブチル)カルバメート
DMSO(25mL)中のtert-ブチル(4-アミノブチル)カルバメート(5.00g、26.6mmol)、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(4.89g、26.6mmol)、及びK2CO3(4.04g、29.2mmol)の混合物を、70℃で2時間攪拌した。反応物を室温に冷却し、滴下漏斗を介して125mLの水でゆっくりと希釈した。得られた固体を濾過により単離し、乾燥し、56℃の真空オーブン中に3日間置き、表題化合物(9.2g、26.1mmol、収率98%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.67 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.40 (t, J=5.43 Hz, 1 H) 8.01 (d, J=6.82 Hz, 2 H) 7.30 (br. s., 1 H) 7.12 (d, J=9.09 Hz, 1 H) 6.87 (br. s., 1 H) 3.42 (q, J=6.57 Hz, 2 H) 2.91 - 3.01 (m, 2 H) 1.60 (d, J=6.57 Hz, 2 H) 1.43 - 1.54 (m, 2 H) 1.38 (s, 9 H)。LCMS [M + H]+ = 353。
ステップ2:tert-ブチル(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブチル)カルバメート
500mL丸底フラスコに、tert-ブチル(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブチル)カルバメート(9.2g、26.1mmol)、10%Pd/C(0.920g、8.64mmol)(Degussa、ウェットタイプ)、EtOH(100mL)及びMeOH(100mL)を入れた。このフラスコを排気し、攪拌しながら水素のバルーン下に配置した。フラスコの最上部に冷却器を配置し、この冷却器の頂部に水素バルーンを配置した。混合物を室温で20時間攪拌し、次いでフラスコを排気し、懸濁液を、EtOHを用いてCeliteのベッドに通して濾過し、すすぎを補助した。濾液を真空中で濃縮し、高真空下に置いて、表題化合物(8.4g、26.1mmol、収率100%)を黒色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.44 (br. s., 1 H) 7.04 - 7.15 (m, 2 H) 6.85 (t, J=5.43 Hz, 1 H) 6.74 (br. s., 1 H) 6.37 (d, J=8.08 Hz, 1 H) 4.89 (t, J=5. 1.8 Hz, 1 H) 4.60 (br. s., 2 H) 3.07 (q, J=6.48 Hz, 2 H) 2.97 (q, J=6.40 Hz, 2 H) 1.45 - 1.64 (m, 4 H) 1.39 (s, 9 H)。LCMS [M + H]+ = 323.1
ステップ3:tert-ブチル(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)カルバメート、臭化水素酸塩
tert-ブチル(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブチル)カルバメート(8.40g、26.1mmol)をMeOH(110mL)に溶解し、CH3CN(5.73mL、28.7mmol)中の5M臭化シアンの溶液を、シリンジを介して加えた。濃色の反応物をキャップし、室温で15時間攪拌した。反応物を真空中で濃縮し、高真空下に置いて、表題化合物(11.17g、26.1mmol、収率100%)を濃色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.85 (br. s., 1 H) 8.74 (br. s., 2 H) 8.08 (br. s., 1 H) 7.80 - 7.90 (m, 2 H) 7.64 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.44 (br. s., 1 H) 6.89 (t, J=5.56 Hz, 1 H) 4.15 (t, J=7.20 Hz, 2 H) 2.96 (q, J=6.32 Hz, 2 H) 1.66 (d, J=7.07 Hz, 2 H) 1.42 - 1.50 (m, 2 H) 1.38 (s, 9 H)。LCMS [M + H]+ = 348.1
ステップ4:tert-ブチル(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)カルバメート
DMF(100mL)中のtert-ブチル(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)カルバメート、臭化水素酸塩(11.17g、26.1mmol)、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(4.82g、31.3mmol)、HATU(11.90g、31.3mmol)、DIPEA(18.22mL、104mmol)、及びHOBt(1.997g、13.04mmol)の混合物を、室温で21時間攪拌した。反応物を300mLの水と300mLのEtOAcで希釈し、分液漏斗に移し、層を分離し、水性層をEtOAc(2x150mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を、飽和NH4Cl(2x200mL)、水(1x200mL)、及びブライン(2x200mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して高真空下に置いた。固体を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)Combiflash(登録商標)、0~20%MeOH:DCM、330gカラム、50mLのDCM中にロード)を介して精製した。所望の画分を合わせ、真空中で濃縮し、高真空下に置いて、表題化合物(9.53g、19.71mmol、収率76%)を紫色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.85 (s, 1 H) 8.01 (br. s., 2 H) 7.81 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.59 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.36 (br. s., 1 H) 6.80 - 6.86 (m, 1 H) 6.68 (s, 1 H) 4.64 (q, J=6.82 Hz, 2 H) 4.23 (t, J=6.44 Hz, 2 H) 2.98 (d, J=5.81 Hz, 2 H) 2.19 (s, 3 H) 1.76 (d, J=6.57 Hz, 2 H) 1.40 - 1.48 (m, 2 H) 1.30 - 1.40 (m, 13 H)。LCMS [M + H]+ = 484.3
ステップ5:1-(4-アミノブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
tert-ブチル(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)カルバメート(9.53g、19.71mmol)を含む氷冷500mL丸底フラスコを、1,4-ジオキサン(42.0mL、168mmol)中4M HClで処理した。氷浴を取り外し、紫色のスラリーを室温で2.5時間攪拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮し、高真空下に置いて、得られた固体を50℃の真空オーブン中に15時間置き、高真空下で冷却して、1,4-ジオキサンも含む不純な表題化合物(11.89グラム、推定19.7mmol、収率100%)を灰色の固体として得た。この物質を、さらなる精製を行うことなくそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.91 (br. s, 1 H) 8.03 (d, J=1.26 Hz, 2 H) 7.77 - 7.87 (m, 4 H) 7.62 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.38 (br. s., 1 H) 6.70 (s, 1 H) 6-5 (br. s, 1 H), 4.63 (q, J=7.07 Hz, 2 H) 4.28 (t, J=6.57 Hz, 2 H) 2.77 - 2.87 (m, 2 H) 2.20 (s, 3 H) 1.81 - 1.91 (m, 2 H) 1.52 - 1.60 (m, 2 H) 1.38 (t, J=7.07 Hz, 3 H)。 LCMS [M + H]+ = 384.2
ステップ6:メチル4-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンゾエート
冷却器、大型攪拌子及び内部温度計を備えた250mL3首丸底フラスコに、1-(4-アミノブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(9.38g、20.55mmol)及びメチル4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンゾエート(5.048g、20.55mmol)を入れた。DMSO(50mL)を加え、その後DIPEA(17.95mL、103mmol)を加えて、濃色懸濁液を100℃で約24時間加熱し、冷却し、500mLの攪拌されている水に滴下添加した。添加が完了した後、得られた橙色の懸濁液を20分間攪拌し、濾過した。単離された橙赤色のペースト状物を水とヘキサンで洗浄し、ブフナー漏斗中で乾燥し、その後56℃の真空オーブン中で20時間乾燥した。次いで、赤みがかった固体をEt2O(60mL)でトリチュレートし、濾過により単離した。トリチュレーション(trituration)及び濾過を繰り返した。得られた固体を56℃の真空オーブンに3日間置き、表題化合物(11.17g、18.85mmol、収率92%)を赤みがかった固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.78 (br. s., 1 H) 8.12 (s, 1 H) 7.99 (s, 1 H) 7.93 (d, J=7.53 Hz, 2 H) 7.79 (d, J=8.28 Hz, 1 H) 7.53 (d, J=7.78 Hz, 1 H) 7.36 (s, 1 H) 7.31 (br. s., 1 H) 6.60 (s, 1 H) 4.60 (d, J=7.03 Hz, 2 H) 4.23 (br. s., 2 H) 3.84 (s, 3 H) 3.80 (s, 3 H) 3.53 (d, J=5.77 Hz, 2 H) 2.15 (s, 3 H) 1.82 (br. s., 2 H) 1.62 (br. s., 2 H) 1.35 (t, J=7.03 Hz, 3 H)。LCMS [M + H]+ = 711.6
ステップ7:メチル 3-アミノ-4-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)アミノ)-5-メトキシベンゾエート
メチル4-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)アミノ)-3-メトキシ-5-ニトロベンゾエート(5.0g、8.44mmol)を、250mL丸底フラスコ中で室温にて攪拌しながらDMF(50mL)にほとんど溶解した。ラネーニッケル(水中ラネー2800ニッケル、約10mLのスラリー、Aldrich)を加え、冷却器をフラスコの頂部に付加した。水素バルーンを取り付けた三方活栓アダプターを冷却器の最上部に配置し、このセットアップを排気し、水素を充填し、排気し、最後に水素を充填した。反応物を70℃で7時間加熱した。さらなる8mLのラネーニッケルスラリーを加え、反応物を70℃で14時間加熱した。反応物を冷却し、DMFで洗浄しながらCeliteに通して濾過した。所望の生成物を含む濾液(約100mLのDMF及び20mLのラネーニッケルスラリー由来の水の溶液)を、次の反応に溶液として直接使用した。推定定量収率。LCMS [M + H]+ = 563.4
ステップ8:メチル2-アミノ-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレート、臭化水素酸塩
メチル3-アミノ-4-((4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)アミノ)-5-メトキシベンゾエート(前ステップからのDMF/水中溶液)を、CH3CN(1.875mL、9.37mmol)中の5M臭化シアンで処理し、得られた溶液を室温で22時間攪拌した。反応物を真空中で濃縮し、高真空下に置き、茶色の半固体を得た。この半固体をEtOAcでトリチュレートし、30分間勢いよく攪拌し、得られた固体を濾過により単離し、ブフナー漏斗中で乾燥し、不純な表題生成物(5.08g)を褐色の固体として得た。この不純な物質を精製することなく使用した。LCMS [M + H]+ = 588.5。
ステップ9:メチル1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレート
DMF(30mL)中のメチル2-アミノ-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレート、臭化水素酸塩(5.073g、7.59mmol)、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(1.287g、8.35mmol)、HATU(3.46g、9.11mmol)、及びDIPEA(3.98mL、22.76mmol)の混合物を、室温で17時間攪拌した。反応物を真空中で濃縮し、次いで得られた残留物を水(100mL)でトリチュレートし、30分間攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、ブフナー漏斗中で部分的に乾燥し、濃褐色の固体を得た。固体を150mLの10% IPA:クロロホルムにほとんど溶解し、水で希釈して濾過した。次いで、濾液層を分離し、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して高真空下に置き、褐色の固体を得た。この固体を温10%IPA:クロロホルム(100mL)でトリチュレートし、濾過した。濾液層を分離し、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、元の褐色の固体に加え、真空中で濃縮して高真空下に置いた。固体を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)Isolera、120gmのGoldカラム、30分間にわたる0~10%MeOH:DCM、DCM/MeOH中の溶液としてロード)を介して精製した。所望の生成物画分を合わせ、濃縮し、高真空下に置いて、淡褐色の固体を得た。固体をDCM(50mL)でトリチュレートし、濾過により単離し、56℃の真空オーブン中に30時間置き、メチル1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレート(1.0g、1.4mmol、収率18%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.89 (s, 1 H) 12.82 (s, 1 H) 7.90 - 8.01 (m, 2 H) 7.70 - 7.81 (m, 2 H) 7.53 (d, J=8.28 Hz, 1 H) 7.30 - 7.40 (m, 2 H) 6.59 (d, J=5.02 Hz, 2 H) 4.50 - 4.64 (m, 4 H) 4.38 (br. s., 2 H) 4.27 (br. s., 2 H) 3.87 (d, J=3.76 Hz, 6 H) 2.10 (s, 6 H) 1.86 (br. s., 4 H) 1.23 - 1.39 (m, 6 H)。LCMS [M + H]+ = 724.5。
ステップ10:1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸
MeOH(11mL)及び水(11mL)中のメチル1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレート(550mg、0.760mmol)の懸濁液に、NaOH(304mg、7.60mmol)を加えた。反応物を室温で一晩攪拌した。MeOHを真空中で除去し、得られた溶液をpHが約3になるまで1N HClで処理した。得られたスラリーを濾過し、濾過ケーキを真空オーブン中で乾燥し、1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸(650mg、0.687mmol、収率90%)を白色固体として得た。この化合物をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS m/z = 710 [M + H]+。
ステップ11:1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(3.381mL)中の1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸(320mg、0.338mmol)及びHATU(154mg、0.406mmol)の溶液に、DIEA(295μL、1.691mmol)を加えた。20分後、塩化アンモニウム(54.3mg、1.014mmol)を反応混合物に加え、反応物を室温で3日間攪拌した。さらなるHATU(50mg、0.132mmol)及びDIEA(58.9μl、0.338mmol)を加えた。反応物を室温で10分間攪拌し、塩化アンモニウム(18.26mg、0.338mmol)を加えた。反応を完了させるためにHOBt水和物(51.7mg、0.338mmol)を加え、反応物を室温で90分間攪拌した。反応物をシリカゲル上に乾燥ロードし、シリカゲルクロマトグラフィー(ISCO-Rf 12gカラム、MeOH/DCMの0%~30%勾配)により精製し、1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(175mg、0.244mmol、収率72.3%)を白色固体として得た。LCMS m/z = 709 [M + H]+。
ステップ12:(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(4mL)中の1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(100mg、0.141mmol)の懸濁液に、炭酸セシウム(138mg、0.423mmol)及びヨウ化メチル(50.1mg、0.353mmol)(100uLのストック溶液(780uL DMF中220uLヨウ化メチル))を加えた。反応物を室温で2時間攪拌し、シリカゲル上に乾燥ロードし、シリカゲルクロマトグラフィー(ISCO-Rf、12gカラム、MeOH/DCMの0%~30%勾配)により精製し、100mgの固体(LCMSによる純度約93%)を得た。得られた残留物(100mg)をMeOHに溶解し、シリカゲル上に乾燥ロードして再精製した(ISCO-Rf、12gカラム、MeOH/DCMの0%~20%勾配)。純粋画分をプールし、濃縮乾固して、(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(33mg、0.044mmol、収率31.4%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.98 - 8.13 (m, 3 H) 7.84 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 1 H) 7.69 (d, J=1.01 Hz, 1 H) 7.58 (d, J=8.62 Hz, 1 H) 7.47 (d, J=14.19 Hz, 2 H) 7.42 (s, 1 H) 6.46 (d, J=6.84 Hz, 2 H) 4.42 - 4.55 (m, 4 H) 4.11 - 4.28 (m, 4 H) 3.83 (s, 3 H) 3.51 (s, 3 H) 3.47 (s, 3 H) 2.12 (s, 6 H) 1.74 (br. s., 4 H) 1.24 (td, J=7.10, 1.52 Hz, 6 H)。LCMS m/z = 737 [M + H]+。
実施例3
(5aE,21E)-8-エチル-5,10,18,22-テトラメチル-7,20-ジオキソ-5,7,8,11,12,13,14,15,20,22,28,29,30,31-テトラデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-l][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド
ステップ1:エチル3-メチル1-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
エチル3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(22g、143mmol)、(5-クロロペンタ-1-イン-1-イル)トリメチルシラン(24.94g、143mmol)、K2CO3(39.4g、285mmol)、及びDMF(4mL)の混合物を、窒素ガス雰囲気下にて60℃で一晩攪拌した。次いで、混合物をDCMに溶解し、水で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)により精製して、エチル3-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(12.5g、42.7mmol、収率30%)を無色の油状物として得た。LCMS [M + H]+ = 293。
ステップ2:エチル3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
エチル3-メチル-1-(5-(トリメチルシリル)ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(37.7g、129mmol)、K2CO3(44.5g、322mmol)、及びEtOH(800mL)の混合物を、室温で一晩攪拌した。次いで、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をDCMに溶解し、水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、エチル3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(20g、91mmol、収率70.4%)を無色の油状物として得た。LCMS [M + H]+ = 221。
ステップ3:ベンジル1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(20g、130mmol)、(ブロモメチル)ベンゼン(22.2g、130mmol)、K2CO3(26.9g、195mmol)、及びDMF(200mL)の混合物を、60℃で一晩攪拌した。次いで、混合物をDCMに溶解し、水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮してシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)により精製し、ベンジル1-エチル-3-メチル-ピラゾール-5-カルボキシレート(31.4g、129mmol、収率99%)を無色の油状物として得た。LCMS [M + H]+ = 245。
ステップ4:ベンジル1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
ベンジル1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(31.6g、129mmol)、1-ヨードピロリジン-2,5-ジオン(34.9g、155mmol)及びDMF(400mL)の混合物を、90℃で2日間攪拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、DCMに溶解し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)により精製し、ベンジル1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(42.6g、115mmol、収率89%)を得た。LCMS [M + H]+ = 371。
ステップ5:ベンジル4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
エチル3-メチル-1-(ペンタ-4-イン-1-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(10.0g、45.4mmol)、ベンジル1-エチル-4-ヨード-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(16.8g、45.4mmol)、ヨウ化銅(I)(0.864g、4.54mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.319g、0.454mmol)、及びEt3N(200mL)の混合物を、窒素ガス雰囲気下にて60℃で一晩攪拌した。次いで、混合物をDCMに溶解し、水で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮してシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1)により精製し、ベンジル4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(9.5g、20.5mmol、収率45.3%)を黄色固体として得た。LCMS [M + H]+ = 463。
ステップ6:4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
ベンジル4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンタ-1-イン-1-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(19.0g、41.10mmol)、10%Pd/C(0.22g、2.05mmol)及びTHF(500mL)の混合物を、水素ガス雰囲気(4気圧)下にて室温で2日間攪拌した。次いで、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をEtOAc/石油エーテル(1:5、v/v)から再結晶化させ、4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-ピラゾール-5-カルボン酸(10.5g、27.90mmol、収率67.9%)を得た。1H-NMR (400 MHz、CDCl3) δ ppm 6.63 (s, 1 H), 4.57-4.48 (m, 4 H), 4.38-4.32 (m, 2 H), 2.74-2.62 (m, 2 H), 2.32 (s, 3 H), 2.23 (s, 3 H), 1.91-1.86 (m, 2 H), 1.59-1.54 (m, 2 H), 1.45-1.37 (m, 8 H)。LCMS [M + H]+ = 377。
ステップ7:4-4-(7-(5-カルボキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ヘプチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸
室温で攪拌されているMeOH(120mL)及び水(120mL)中の4-(5-(5-(エトキシカルボニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(9.0g、23.9mmol)の懸濁液に、2M水性NaOH溶液(60mL、119.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。次いで、この混合物を6M HCl溶液の添加によりpH4に酸性化すると、反応混合物から固体が析出した。固体を濾過により回収し、減圧下で乾燥し、4-(5-(5-カルボキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(6.5g、18.7mmol、収率78.1%)を白色固体として得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.57 (s, 1 H), 4.40-4.34 (m, 4 H), 2.53 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 2.09 (s, 3 H), 1.74-1.67 (m, 2 H), 1.44-1.37 (m, 2 H), 1.27-1.16 (m, 5 H)。LCMS [M + H]+ = 349。
ステップ8:1-アリル-2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、臭化水素酸塩
DMF(60mL)中の4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(10.0g、54.3mmol)の溶液に、アリルアミン(36.6mL、489mmol)を室温で滴下添加し、混合物を5分間攪拌した。この時間の後、K2CO3(15.01g、109mmol)を一回で加え、混合物を室温で30分間攪拌した。次いで、DMFを真空中で除去した。残留物を500mLの水に懸濁し、得られた橙色の沈殿物を濾別し、水で洗浄し、真空中で乾燥した。
上記の沈殿物をAcOH(600mL)に溶解し、フラスコを20℃の水浴中に置いた。亜鉛(10.65g、163mmol)を少しずつ注意深く加えた。反応をLCMSによりモニターし、必要に応じて還元が完了するまでさらなる亜鉛(約3当量)を少しずつ加えた。LCMSにより反応が完了したと確認されると、固体を濾別し、濾液を真空中で濃縮した。蒸発残留物をDCM(500mL)及びEtOH(150mL)にとり、15%水性K2CO3(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。
上記の蒸発残留物をMeOH(200mL)に溶解し、CH3CN(11.95mL、59.7mmol)中の5.0M臭化シアンを一回で急速に加え、混合物を室温で18時間攪拌した。この時間の後、反応混合物を真空中で濃縮し、次いで、MeOH(200mL)に再度溶解した。トルエン(100mL)とCH3CN(100mL)の混合物を加え、得られた混合物を40℃(0~1mbar)で濃縮乾固し、真空中で16時間乾燥して、1-アリル-2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、臭化水素酸塩(11.3g、38.0mmol、収率70.0%)を濃紫色の粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.83 (s, 2 H), 8.07 (br. s., 1 H), 7.88 (d, J=1.00 Hz, 1 H), 7.82 (dd, J=8.41, 1.38 Hz, 1 H), 7.52 (d, J=8.53 Hz, 1 H), 7.43 (br. s., 1 H), 5.87 - 6.02 (m, 1 H), 5.25 (dd, J=10.42, 0.88 Hz, 1 H), 5.17 (dd, J=17.32, 1.00 Hz, 1 H), 4.84 (d, J=5.02 Hz, 2 H);LCMS [M + H]+ = 216.9。
ステップ9:1-アリル-2-(1-(5-(5-((1-アリル-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)カルバモイル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ペンチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
5.0mL Biotage(登録商標)密封管に、4-(5-(5-カルボキシ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ペンチル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(634mg、1.820mmol)、1-アリル-2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、臭化水素酸塩(1352mg、4.55mmol)、HATU(1730mg、4.55mmol)、及びNMP(13mL)を入れた。室温で1分間攪拌した後、DIPEA(3.17mL、18.20mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌し、次いで140℃のマイクロ波反応器中で1時間加熱した。この時間の後、5.0mLの水を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。次いで、これを250mlの氷冷水に注ぎ入れ、1時間勢いよく攪拌した。得られた固体を濾別し、水で洗浄し、MeOH/DCMを用いてフィルターから溶解し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(登録商標) Ultra SNAP 100g SiO2カラム:0~40%MeOH/EtOAc)に供して、1-アリル-2-(1-(5-(5-((1-アリル-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバモイル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ペンチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(840mg、1.128mmol、収率62%)をピンク色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.88 (s, 1 H), 12.81 (s, 1 H), 7.99 - 8.02 (m, 2 H), 7.97 (br. s., 2 H), 7.77 (ddd, J=8.34, 3.66, 1.39 Hz, 2 H), 7.41 (dd, J=16.93, 8.34 Hz, 2 H), 7.34 (br. s., 2 H), 6.65 (s, 1 H), 5.87 - 6.02 (m, 2 H), 4.99 - 5.22 (m, 4 H), 4.82 (dd, J=11.62, 4.80 Hz, 4 H), 4.50 - 4.61 (m, 4 H), 2.73 (t, J=7.45 Hz, , 2 H), 2.15 (s, 3 H), 2.08 (s, 3 H), 1.71 - 1.85 (m, 2 H), 1.45 - 1.55 (m, 2 H), 1.27 - 1.34 (m, 5 H);LCMS [M + H]+ = 745.7。
ステップ10:8-エチル-10,18-ジメチル-7,20-ジオキソ-6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,28,31-ドデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-1][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド
4本の20mL Biotage(登録商標)マイクロ波密封管に、1-アリル-2-(1-(5-(5-((1-アリル-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)カルバモイル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ペンチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(160mg、0.215mmol)、Hoveyda-Grubbs II触媒(26.9mg、0.043mmol)、及び新たに脱気した1,2-ジクロロエタン(DCE)(80mL)の合計を入れた。この密封管を、マイクロ波反応器中で100℃にて4時間加熱した。混合物を室温に冷却した後、各管にMeOH(1.0mL)を加え、得られた清澄な溶液を室温で5分間攪拌した。カリウム2-イソシアノアセテート(1.5mLのMeOH中15mg)の溶液を各管に加え、得られた混合物を室温で5分間攪拌した。これらの管を合わせ、真空中で濃縮し、次いで蒸発残留物を最小体積のDCM/MeOHにとり、シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(登録商標) Ultra SNAP 100g SiO2カラム;0~40%MeOH/EtOAc)により精製し、所望の生成物(61mg)を薄緑色固体としてアルケン異性体の混合物と共に得た。この生成物をさらに精製し(Biotage(登録商標) Ultra SNAP 25 g SiO2カラム;0~20%MeOH/DCM勾配)、8-エチル10,18-ジメチル-7,20-ジオキソ-6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,28,31-ドデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-1][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミドを、7:1のtrans:cis混合物(54mg、0.075mmol、収率35%)として得た。trans異性体の特性決定:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.87 (s, 1 H), 12.84 (s, 1 H), 7.98 (br. s., 4 H), 7.77 (dd, J=7.71, 3.16 Hz, 2 H), 7.33 - 7.48 (m, 4 H), 6.55 (s, 1 H), 5.89 - 5.98 (m, 1 H), 5.66 - 5.75 (m, 1 H), 4.90 (d, J=7.83 Hz, 4 H), 4.73 (t, J=6.95 Hz, , 2 H), 4.47 (q, J=6.99 Hz, 2 H), 2.72 - 2.80 (m, 2 H), 2.17 (s, 3 H), 2.10 (s, 3 H), 1.72 (br. s., 2 H), 1.44 (br. s., 2 H), 1.30 (t, J=7.07 Hz, 5 H);LCMS [M + H]+ = 717.6。
ステップ11:8-エチル-10,18-ジメチル7,20-ジオキソ-6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,28,29,30,31-テトラデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-1][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド
丸底フラスコに10%Pd/C(200mg、0.188mmol)を入れ、窒素でパージした。MeOH(20.0mL)及びTHF(20.0mL)の混合物中の8-エチル-10,18-ジメチル-7,20-ジオキソ-6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,28,31-ドデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-1][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド(100mg、0.140mmol、7:1のtrans:cis混合物)の溶液を加え、フラスコを水素でパージし、反応混合物を水素雰囲気(1気圧)下にて23時間攪拌した。次いで、フラスコを開けて空気にさらし、15分間勢いよく攪拌して濾過し、Pd/CをMeOH/THFで洗浄し、濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(登録商標) Ultra SNAP 25g SiO2カラム;0~20%MeOH/DCM)に供して、8-エチル-10,18-ジメチル-7,20-ジオキソ-6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,28,29,30,31-テトラデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-1][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド(56Mmg、0.078mmol、収率55.8%)を薄ピンク色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.88 (br. s., 2 H), 8.02 (s, 4 H), 7.79 - 7.87 (m, 2 H), 7.67 (d, J=8.34 Hz, 1 H), 7.63 (d, J=8.34 Hz, 1 H), 7.37 (br. s., 2 H), 6.57 (s, 1 H), 4.74 (t, J=6.57 Hz, 2 H), 4.48 (q, J=6.99 Hz, 2 H), 4.19 - 4.31 (m, 4 H), 2.78 - 2.86 (m, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 2.08 (s, 3 H), 1.91 (br. s., 4 H), 1.77 - 1.86 (m, 2 H), 1.44 - 1.54 (m, 2 H), 1.35 - 1.42 (m, 2 H), 1.29 (t, J=7.07 Hz, 3 H);LCMS (m/z):719.7 [M + H]+。
ステップ12:(5aE,21E)-8-エチル-5,10,18,22-テトラメチル-7,20-ジオキソ-5,7,8,11,12,13,14,15,20,22,28,29,30,31-テトラデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-l][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド
DMF(3mL)中の8-エチル-10,18-ジメチル-7,20-ジオキソ-6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,28,29,30,31-テトラデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-l][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド(85mg、0.118mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(0.015mLヨウ化メチル、0.236mmol、83uLの、820uL DMF中の180uLヨウ化メチルのストック溶液)を加えた。反応物を室温で3時間攪拌した。反応物をシリカゲル上に乾燥ロードし、シリカゲルクロマトグラフィー(ISCO-Rf、12gカラム、MeOH/DCMの0%~30%勾配)により精製して薄黄色の固体を得た。この物質をMeCNに懸濁し、週末の間空気流下で濃縮乾固し、(5aE,21E)-8-エチル-5,10,18,22-テトラメチル-7,20-ジオキソ-5,7,8,11,12,13,14,15,20,22,28,29,30,31-テトラデカヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ベンゾ[4,5]イミダゾ[2,1-p]ジピラゾロ[5,1-e:4',3'-l][1,3,6,15,17]ペンタアザシクロヘニコシン-3,24-ジカルボキサミド(58mg、0.077mmol、収率65.0%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.08 (dd, J=6.97, 1.39 Hz, 2 H), 7.87 - 7.99 (m, 2 H), 7.63 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 7.51 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 6.53 (s, 1 H), 4.63 (t, J=6.97 Hz, 2 H), 4.52 (q, J=7. 1.8 Hz, 2 H), 4.20 - 4.32 (m, 4 H), 3.61 (s, 6 H), 2.73 - 2.84 (m, 2 H),2.26 (s, 3 H), 2.21 (s, 3 H), 1.87 (br. s., 6 H), 1.53 - 1.63 (m, 2 H), 1.30 - 1.40 (m, 5 H)。LCMS m/z = 747 [M + H]+。
実施例4
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
ステップ1:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(3mL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(78mg、0.068mmol)の懸濁液に、炭酸セシウム(66.1mg、0.203mmol)及び2.5当量のヨウ化メチル(780uL DMF中220uLヨウ化メチルで作成された50uLのストック溶液)を加えた。反応物を室温で4時間攪拌した。黄色の反応混合物中に白色沈殿物が形成した。さらなるヨウ化メチル(2.5当量)を加えると、反応物は直ぐにその黄色を喪失した。反応物を週末の間室温で攪拌した。反応を完了させるためには、さらなる炭酸セシウム(66mg、0.20mmol)及びヨウ化メチル溶液(2.5当量)を必要とした。水を加え、水性層をDCM(3x)で抽出し、次いで約15%EtOH/DCM(2x)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。得られた残留物を、12gシリカゲルカラム上に乾燥ロードし、0~20%MeOH/DCMの勾配で溶出し、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(20mg、0.022mmol、収率33.1%)を白色固体として得た。LCMS m/z = 893 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
1,4-ジオキサン(0.5mL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(20mg、0.022mmol)の溶液に、ジオキサン(0.011mL、0.045mmol)中4M HClを加えた。脱保護するため、必要に応じてさらなるジオキサン中4M HClを加えた。完了すると、反応物を濾過して濾過ケーキをジオキサンで洗浄し、45℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。得られた薄黄色の固体は、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(17mg、0.020mmol、収率87%)として示された。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.01 - 8.13 (m, 3 H) 7.78 - 7.84 (m, 1 H) 7.75 (s, 1 H) 7.35 - 7.52 (m, 4 H) 6.42 (s, 2 H), 5.88 - 5.97 (m, 1 H), 5.60 - 5.68 (m, 1 H), 4.88 (d, J=5.07 Hz, 2 H) 4.76 (d, J=5.58 Hz, 2 H) 4.36 - 4.48 (m, 4 H) 4.11 (t, J=6.34 Hz, 2 H) 3.56 (s, 3 H) 3.53 (s, 3 H) 3.46 (s, 2 H) 2.12 (s, 6 H) 1.75 (d, J=6.08 Hz, 2 H) 1.21 (t, J=7.10 Hz, 6 H)。LCMS m/z = 779 [M + H]+
実施例5
(E)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
ステップ1:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(2mL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(50mg、0.058mmol)の懸濁液に、炭酸セシウム(75mg、0.231mmol)及びヨードエタン(27.0mg、0.173mmol)を加えた。3時間後、さらなるヨウ化エチル(15uL)を加え、反応物を15分間攪拌した。反応物を、DCMと水との間で分配した。水性層をDCM/EtOH(3x)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲル上に乾燥ロードし、シリカゲルクロマトグラフィー(12gカラム、0~20%MeOH/DCM勾配)により精製し、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(18mg、0.020mmol、収率33.8%)を得た。LCMS m/z = 921 [M+H]+。
ステップ2:(E)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-3-エチル2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
1,4-ジオキサン(923μL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(17mg、0.018mmol)の溶液に、ジオキサン(27.7μL、0.111mmol)中HClを加えた。室温で1時間置いた後、反応物を濾過し、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄し、55℃の真空オーブン中で一晩乾燥し、(E)-1-((E)-4-((Z)-5-カルバモイル-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(14mg、0.015mmol、収率81%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.03 - 8.14 (m, 3 H), 7.68 - 7.87 (m, 2 H), 7.42 - 7.52 (m, 4 H), 6.38 (s, 2 H), 5.80 - 5.97 (m, 1 H), 5.41 - 5.68 (m, 1 H), 4.81 - 4.94 (m, 2 H), 4.67 - 4.78 (m, 2 H), 4.34 - 4.45 (m, 4 H), 4.01 - 4.22 (m,7 H), 3.32 - 3.51 (m, 2 H), 2.12 (s, 3 H), 2.10 (s, 3 H),1.68 - 1.76 (m, 2 H), 1.11 - 1.32 (m, 12 H)。 LCMS m/z = 807 [M+H]+。
上記の工程により調製された化合物は、互変異性体/異性体形態で、例えば、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-3-エチル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩として存在し得る。
実施例6
(2E,2'E)-1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)、トリフルオロ酢酸塩
ステップ1:4,4'-((2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)
室温のDMF(50mL)中の2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン(1.25g、7.81mmol)、及び炭酸カリウム(3.24g、23.4mmol)に、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(3.59g、19.5mmol)を5分間かけて加え、反応物を一晩撹拌した。混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過により回収し、MeOHでトリチュレートして、表題化合物(600mg、1.23mmol、収率16%)を黄色固体として得た。LCMS [M+H]+ = 489。
ステップ2:4,4'-((2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)
MeOH(100mL)中の4,4'-((2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)(1.15g、2.36mmol)及び炭素上Pd(0.251g、2.36mmol)を、H2下にて30℃で一晩撹拌した。反応物を濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(250mg、0.584mmol、収率25%)を得た。LCMS [M+H]+ = 429.1
ステップ3:1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
MeOH(1mL)及び水(2mL)中の4,4'-((2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(20mg、0.047mmol)に、臭化シアン(29.7mg、0.280mmol)を加え、反応物を30℃で一晩攪拌した。MeOHを真空中で除去し、得られた固体を濾過により回収し、表題化合物(15mg、0.031mmol、収率67%)を得た。LCMS [M+H]+ = 479.0
ステップ4:1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
室温のDMF(20mL)中のHATU(763mg、2.01mmol)及び1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(227mg、1.47mmol)に、EDC(385mg、2.01mmol)、1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(320mg、0.667mmol)及びDIEA(0.467mL、2.68mmol)を1回で加えた。反応物を70℃に12時間加熱し、濃縮して精製し、表題化合物(8mg、0.01mmol、収率2%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.05 (s, 2 H), 8.01 (d, J=8.6 Hz, 4 H), 7.81 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.53 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.38 (s, 2 H), 6.73 (s, 2 H), 5.32 (t, J=16.0 Hz, 4 H), 4.59 (dd, J=14.0, 6.9 Hz,4 H), 2.06 (s, 6 H), 1.33 (t, J=7.1 Hz, 6 H);LCMS [M+H]+ = 751.1
ステップ5:(2E,2'E)-1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)、トリフルオロ酢酸塩
100mL丸底フラスコに、1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(49mg、0.065mmol)及びDMF(0.653mL)を加えた。この溶液に炭酸セシウム(63.8mg、0.196mmol)を加え、その後ヨウ化メチル(10.20μL、0.163mmol)を加えた。混合物を室温で攪拌した。30分後、さらなるヨウ化メチルを加え(10uL;0.16mmol)、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。この清澄な粗混合物を逆相分取HPLCシステムに直接注入して精製した(Dual Phase ISCO、20~50%CH3CN/H2O勾配、TFA調整剤)。純粋画分を合わせ、濃縮し、(2E,2'E)-1,1'-(2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)、トリフルオロ酢酸塩(3mg、3.19μmol、収率4.89%)をオフホワイト色の半固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.34 (t, J=7.10 Hz, 6 H) 2.25 (s, 6 H) 3.70 (s, 6 H) 4.60 (q, J=7.10 Hz, 4 H) 5.19 (t, J=15.33 Hz, 4 H) 6.66 (s, 2 H) 7.60 (d, J=8.36 Hz, 2 H) 7.96 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 2 H) 8.11 (d, J=1.27 Hz, 2 H)。LCMS m/z = 779 [M+H]+。
実施例7
1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドアン(carboxamidoan))-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
ステップ1:(E)-1-((E)-4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(86mg、0.467mmol)、(E)-1-((E)-4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、3塩酸塩(PU66420Pにおいて使用される名称:(Z)-1-((E)-4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、3塩酸塩)(250mg、0.467mmol)及びDIPEA(0.245mL、1.402mmol)をイソプロパノール(2mL)に懸濁し、密封バイアル中120℃で加熱した。18時間後、反応物を25mLのEtOAcで希釈し、2x25mLの水、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液及び25mLのブラインで洗浄した。水性層を25mLのEtOAcで逆抽出した。有機層を回収し、真空下で濃縮して粗固体生成物を得た。粗生成物を6mLのDMSOに溶解し、濾過し、質量指向型分取HPLCにより精製した。純粋画分を合わせ、有機物を真空下で除去し、化合物を水性溶媒から2x50mL DCMで抽出した。揮発物を真空下で除去し、表題化合物(102mg、0.173mmol、収率37%)を黄色固体として得た。LCMS m/z = 590 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-((E)-4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
酢酸(0.500mL)及びMeOH(0.5mL)中の(E)-1-((E)-4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(105mg、0.178mmol)の懸濁液に、活性炭上の1重量%Pt及び2重量%バナジウム、50~70%湿粉末(34.7mg、1.781μmol、Strem、78-1536)を加えた。フラスコを排気し、窒素でパージし、これをさらに2回繰り返した。フラスコを排気し、水素バルーンでフラッシュし、水素雰囲気下にて室温で攪拌した。5時間後に、変換が不完全であったため、反応混合物を、MeOHを用いて小Celiteプラグに通して濾過した。反応混合物を真空下で濃縮し、冷凍庫中で保存した。粗物質を酢酸(0.500mL)及びMeOH(0.5mL)に再溶解し、活性炭上の1重量%Pt及び2重量%バナジウムV、50~70%湿粉末(34.7mg、1.781μmol)を加えた。フラスコを排気し、窒素でパージし、これをさらに2回繰り返した。フラスコを排気し、水素バルーンでフラッシュし、水素雰囲気下にて室温で攪拌した。2時間後、反応混合物を、MeOHを用いて小Celiteプラグに通して濾過し、その後真空下で濃縮して、表題化合物(163mg、0.148mmol、収率82%)を赤色油状物として得た。LCMS m/z = 280 [M+2H/2]+。
ステップ3:1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドアン(carboxamidoan))-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
0℃のDMF(1mL)中の(E)-1-((E)-4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(100mg、0.179mmol)に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.491mL、0.197mmol、ジオキサン中0.4M)を加え、0℃で1時間攪拌した。1時間後、EDC(51.4mg、0.268mmol)及びトリエチルアミン(0.075mL、0.536mmol)を加え、反応物を40℃で3時間及び室温で一晩攪拌した。反応物を1.5mL DMSOで希釈し、表題化合物を質量指向型分取HPLC(塩基性調整剤)により精製した。純粋画分を回収し、有機物を真空下で除去した。次いで、化合物を2x25mL DCMで抽出し、有機層を10mLのブラインで洗浄した。揮発物を真空下で除去し、表題化合物(LCMSによる純度約80%)を得た。化合物を2.0mLのDMSOで希釈し、質量指向型分取HPLC(TFA調整剤)により再精製した。純粋画分を回収し、溶媒を真空下で除去して表題化合物(15mg、0.016mmol、収率8.8%)を黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.31 - 1.38 (m, 6 H), 2.24 - 2.26 (m, 6 H), 3.71 (s, 3 H), 3.88 (s, 3 H), 4.50 (q, J=7.10 Hz, 2 H), 4.60 (q, J=7.10 Hz, 2 H), 4.88 (d, J=5.83 Hz, 2 H), 5.11 (d, J=5.07 Hz, 2 H), 5.78 (dt, J=15.40, 5.73 Hz, 1 H), 5.95 - 6.03 (m, 1 H), 6.63 (s, 1 H), 6.65 (s, 1 H), 7.36 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 7.51 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 7.74 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 1 H), 7.79 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 8.00 (d, J=1.52 Hz, 1 H)。LCMS m/z = 721 [M + H]+。
実施例8
1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
ステップ1:(E)-1-((E)-4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
4-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロベンズアミド(108mg、0.467mmol)、(E)-1-((E)-4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、3塩酸塩(250mg、0.467mmol)及びDIPEA(0.245mL、1.402mmol)を、イソプロパノール(2mL)に懸濁し、密封バイアル中120℃で加熱した。22時間後、反応物を25mLのEtOAcで希釈し、2x25mLの水、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液及び25mLのブラインで洗浄した。水性層を25mLのEtOAcで抽出した。有機層を回収し、真空下で濃縮して粗生成物を橙色の固体として得た。粗生成物を12mL DMSOに溶解し、濾過し、質量指向型分取HPLC(高pH調整剤、複数回注入)により直接精製した。純粋画分を合わせ、有機物を真空下で除去し、表題化合物を水性溶媒から2x50mL DCMで抽出した。揮発物を真空下で除去し、表題化合物(53mg、0.086mmol、収率18.3%)を橙色の固体として得た。LCMS m/z = 620 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-((E)-4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
酢酸(0.500mL)及びMeOH(0.5mL)中の(E)-1-((E)-4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(PU66420Pにおいて使用される名称:(Z)-1-((E)-4-((4-カルバモイル-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(50mg、0.081mmol)の懸濁液に、活性炭上の1重量%Pt及び2重量%バナジウム、50~70%湿粉末(15.74mg、0.807μmol、Strem、78-1536)を加えた。バイアルを排気し、窒素でパージし、これをさらに2回繰り返した。バイアルを排気し、水素バルーンでフラッシュし、次いで水素雰囲気下にて室温で攪拌した。4時間後、反応混合物をMeOHを用いて小Celiteプラグに通して濾過し、その後真空下で濃縮して粗生成物混合物(52mg)を薄赤色の固体として得た。LCMS m/z = 590 [M + H]+。
ステップ3:1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
0℃のDMF(1mL)中の(E)-1-((E)-4-((2-アミノ-4-カルバモイル-6-メトキシフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(60mg、0.102mmol)に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.280mL、0.112mmol)をジオキサン中0.4M溶液として加え、0℃で1時間攪拌した。1時間後、EDC(29.3mg、0.153mmol)及びトリエチルアミン(0.043mL、0.305mmol)を加え、反応物を40℃で2時間、次いで室温で18時間攪拌した。反応混合物を1.5mL DMSOで希釈し、質量指向型分取HPLC上で精製した(高pH調整剤)。2回目の分取HPLC精製ステップ(TFA調整剤を用いる)を要して、純粋な表題化合物(5.0mg、5.11mmol、収率5.0%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.21 (t, J=7.10 Hz, 3 H) 1.26 (t, J=7.10 Hz, 3 H) 2.10 (s, 3 H) 2.12 (s, 3 H) 3.50 (s, 3 H) 3.75 (s, 3 H) 3.80 (s, 3 H) 4.43 (q, J=7. 1.8 Hz, 2 H) 4.53 (q, J=7.01 Hz, 2 H) 4.82 - 4.91 (m, 4 H) 5.76 - 5.80 (m, 2 H) 6.36 (s, 1 H) 6.52 (s, 1 H) 7.33 (d, J=1.01 Hz, 1 H) 7.38 (br. s., 1 H) 7.43 (d, J=0.76 Hz, 1 H) 7.48 (br. s, 1 H) 7.65 (d, J=1.27 Hz, 1 H) 7.72 (d, J=1.01 Hz, 1 H) 7.99 (br. s., 1 H) 8.05 (br. s, 1 H) 12.85 (s, 1 H)。LCMS m/z = 751 [M + H]+。
実施例9
1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
ステップ1:((E)-1-((E)-4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(182mg、0.467mmol)、(E)-1-((E)-4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、3塩酸塩(250mg、0.467mmol)及びDIPEA(0.245mL、1.402mmol)を、イソプロパノール(2mL)に懸濁し、密封バイアル中120℃で加熱した。22時間後、反応物を25mLのEtOAcで希釈し、2x25mLの水、25mLの飽和重炭酸ナトリウム溶液及び25mLのブラインで洗浄した。水性層を25mLのEtOAcで逆抽出した。有機層を回収し、真空下で濃縮した。粗生成物を6mLのDMSOに溶解し、濾過し、質量指向型分取HPLC(高pH調整剤)により精製した。純粋画分を合わせ、有機物を真空下で除去し、化合物を水性溶媒から2x50mL DCMで抽出した。溶媒を蒸発させ、表題化合物(80mg、0.103mmol、収率22%)を橙色の固体として得た。LCMS m/z = 778 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-((E)-4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
酢酸(0.500mL)及びMeOH(0.5mL)中の(E)-1-((E)-4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(PU66420Pにおいて使用される名称:(Z)-1-((E)-4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(80mg、0.103mmol)の懸濁液に、活性炭上の1重量%Pt及び2重量%バナジウム、50~70%湿粉末(20.06mg、1.028μmol、Strem 78-1536)を加えた。バイアルを排気し、窒素でパージし、これをさらに2回繰り返した。このバイアルを排気し、水素バルーンでフラッシュし、水素雰囲気下にて室温で攪拌した。4時間後、反応混合物を、MeOHを用いて小Celiteプラグに通して濾過し、次いで濃縮して真空下で乾燥し、表題化合物(77mg、0.072mmol、収率70%)を得た。LCMS m/z = 748 [M + H]+。
ステップ3:7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
0℃のDMF(1mL)中の(E)-1-((E)-4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(80mg、0.107mmol)に、ジオキサン中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(0.294mL、0.118mmol、0.4M)を加え、0℃で1時間攪拌した。EDC(30.8mg、0.160mmol)及びトリエチルアミン(0.045mL、0.321mmol)を加え、反応物を40℃で2時間、室温で18時間攪拌した。反応物を1.5mLのDMSOで希釈し、質量指向型分取HPLC(高pH調整剤)を用いて精製した。純粋画分を回収し、有機物を真空下で除去した。次いで、化合物を2x25mLのDCMで抽出し、有機層を10mLのブラインで洗浄した。揮発物を真空下で除去し、表題化合物(25mg、0.027mmol、収率26%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS m/z = 909 [M+H]+。
ステップ4:1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
MeOH(1mL)中の7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(25mg、0.027mmol)に、ジオキサン中の塩酸(0.069mL、0.275mmol、4M)を加え、反応物を室温で攪拌した。10分後、揮発物を真空下で除去し、表題化合物(22mg、0.025mmol、収率92%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.29 - 1.36 (m, 3 H), 1.45 (t, J=6.72 Hz, 3 H), 1.85 - 1.91 (m, 2 H), 2.29 (s, 3 H), 2.36 (s, 3 H), 3.64 (t, J=5.45 Hz, , 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.91 (s, 3 H), 4.18 (t, J=5.32 Hz, 2 H), 4.38 (q, J=6.51 Hz, 2 H), 4.69 (q, J=6.80 Hz, 2 H), 5.19 (br. s., 2 H), 5.30 (br. s., 2 H), 5.85 - 6.06 (m, 2 H), 6.80 (s, 1 H), 6.99 (s, 1 H), 7.43 (s, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 8.00 (s, 1 H)。LCMS m/z = 795 [M + H]+。
実施例10
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
20mLバイアルに、(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(200mg、0.235mmol)及びDMF(2.35mL)を入れた。この溶液に、炭酸セシウム(230mg、0.706mmol)及びヨウ化メチル(37μL、0.588mmol)を加えた。この溶液を室温で15分間攪拌した。DMF(2mL)及び水(2mL)をバイアルに直接加えた。この混合物を、質量指向型分取HPLC(調整剤としてNH4OHを有するMeCN/水の15~55%勾配)を用いて直接精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。濃縮した混合物を、質量指向型分取HPLC(調整剤としてTFAを有するMeCN/水の5~35%勾配)によりさらに精製した。対応する画分を合わせて濃縮し、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩(3mg、2.69umol、収率1.14%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.94 (br. s., 2 H), 8.09 (br. s., 2 H), 7.81 (s, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.53 (br. s., 2 H), 7.42 (d, J=6.08 Hz, 2 H), 6.42 (m, 2 H), 5.51 - 5.85 (m, 2 H), 4.72 - 4.99 (m, 4 H), 4.42 (q, J=6.84 Hz, 4 H), 4.05 (t, J=5.58 Hz, 2 H), 3.95 (d, J=11.66 Hz, 2 H), 3.69 (s, 3 H), 3.62 (t, J=11.91 Hz, 2 H), 3.56 (s, 3 H), 3.54 (s, 3 H), 3.34 (d, J=11.91 Hz, 2 H), 3.19 (d, J=7.10 Hz, 2 H), 3.02 (br. s., 2 H), 2.12 (s, 6 H), 1.94 (m, 2 H), 1.21 (m, 6 H)。LCMS (m/z):878.7 [M + H]+。
実施例11
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-(3-(4-メチル4l4-モルホリノ)プロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロアセテート
20mLバイアルに、(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(200mg、0.235mmol)及びDMF(2.35mL)を入れた。この溶液に、炭酸セシウム(230mg、0.706mmol)及びヨウ化メチル(37μL、0.588mmol)を加えた。この溶液を室温で15分間攪拌した。DMF(2mL)及び水(2mL)をバイアルに直接加えた。この混合物を、質量指向型分取HPLC(調整剤としてNH4OHを有するMeCN/水の15~55%勾配)を用いて直接精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。濃縮した混合物を、酸性調整剤を用いる逆相分取HPLC(調整剤としてTFAを有するMeCN/水の5~35%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮し、表題化合物(6mg、4.81umol、収率2.04%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.08 (br. s., 2 H), 7.81 (s, 2 H), 7.77 (s, 1 H), 7.53 (br. s., 3 H), 7.39-7.40 (m, 3 H), 6.41 (s, 1 H), 6.40 (s, 1 H), 5.60-5.75 (m, 2 H), 4.74 - 4.97 (m, 4 H), 4.35-4.51 (m, 4 H), 4.02 (t, J=5.32 Hz, 2 H), 3.82-3.98 (m, 4 H), 3.67 (s, 3 H), 3.50-3.54 (m, 8 H), 3.08 (s, 3 H), 2.12 (s, 6 H), 1.95-2.05 (m., 2 H), 1.24-1.20 (m, 6 H)。LCMS (m/z):892.7 [M]+
実施例12
(2E,2'E)-1,1'-(ペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
ステップ1:4,4'-(ペンタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)
反応フラスコ中に、ペンタン-1,4-ジアミン、2塩酸塩(1g、5.71mmol)及びイソプロパノール(9.52mL)を入れた。この溶液に、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.052g、5.71mmol)を加え、その後DIPEA(4.49mL、25.7mmol)を加えた。フラスコをキャップし、反応物を105℃に加熱した。4時間後、さらなる4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.052g、5.71mmol)及びイソプロパノール(10mL)を加えた。混合物を105℃で一晩(約14時間)撹拌した。形成した沈殿物を濾別し、イソプロパノール(各5mL)で2回すすいだ。4,4'-(ペンタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)(2.6g、5.80mmol、収率100%)を黄色固体として得た。LCMS (m/z):431.3 [M + H]+
ステップ2:4,4'-(ペンタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)
100mL丸底フラスコに、4,4'-(ペンタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)(500mg、1.162mmol)及びMeOH(11.6mL)を加えた。この溶液に、塩化アンモニウム(249mg、4.65mmol)及び5.5mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。この溶液に、亜鉛(759mg、11.62mmol)を加えた。この不均一混合物を室温で15分間攪拌した。混合物を濾過し、回収した固体をMeOH(10mL)ですすいだ。合わせた濾液にCeliteを加え、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(乾燥ローディング技術、12g SiO2カートリッジ、調整剤としてNH4OHを含む溶出液としての2~40%MeOH/DCM)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。4,4'-(ペンタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(368mg、0.944mmol、収率81%)を無色の油状物として得た。LCMS (m/z):371.2 [M + H]+
ステップ3:1,1'-(ペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
100mL丸底フラスコに、4,4'-(ペンタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(368mg、0.993mmol)及びDMF(9.9mL)を加えた。この溶液を0℃に冷却した。0℃で5分間攪拌した後、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(3mLの約0.4Mジオキサン溶液、約1.2mmol)を加えた。15分後、さらなる1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(1mLの約0.4Mジオキサン溶液、約0.4mmol)を加えた。反応物を0℃でさらに15分間撹拌した。次いで、EDC(476mg、2.483mmol)及びトリエチルアミン(0.692mL、4.97mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、一晩(約14時間)撹拌した。反応混合物を、4:1の水/飽和水性塩化アンモニウム(25mL)に注ぎ入れた。生成物を酢酸エチル(3x15mL)で抽出した。合わせた有機相を、水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。粗物質を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(24g SiO2カートリッジ、調整剤としてNH4OHを含む溶出液としての2~40%MeOH/DCM)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。1,1'-(ペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(303mg、0.429mmol、収率43.1%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.88 (br. s, 1 H), 12.80 (br. s, 1 H), 7.95 - 7.99 (m, 4 H), 7.70 - 7.73 (m, 2 H), 7.61 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 7.34 - 7.42 (m, 3 H), 6.61 (m, 2 H), 5.20 (br. s., 1 H), 4.53 - 4.60 (m, 4 H), 4.32 (br. s, 1 H), 4.11 - 4.16 (m, 1 H), 2.34 (br. s, 1 H), 2.10 (s, 3 H), 2.09 (s, 3 H), 1.92 (m, 1 H), 1.70 (m, 1 H), 1.61 (m, 1 H), 1.52 (d, J=6.84 Hz, 3 H), 1.28 - 1.34 (m, 6 H);LCMS (m/z):693.6 [M + H]+。
ステップ4:(2E,2'E)-1,1'-(ペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
10mLバイアルに、1,1'-(ペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(50mg、0.072mmol)及びDMF(1.4mL)を入れた。この不均一溶液に炭酸セシウム(70.5mg、0.217mmol)を加え、その後ヨウ化メチル(0.011mL、0.180mmol)を加えた。バイアルをキャップし、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。混合物をDMSO(1mL)と水(1mL)で希釈し、清澄な均一溶液を形成した。この溶液を、逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム、0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の5~35%勾配)により直接精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。生成物を、MeCNと水(約30mL)で凍結乾燥した。(2E,2'E)-1,1'-(ペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(25mg、0.035mmol、収率48.1%)を、白色のふわふわした固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.87 (d, J=2.28 Hz, 2 H), 7.82 (dd, J=8.36, 1.52 Hz, 1 H), 7.73 - 7.80 (m, 1 H), 7.54 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 7.41 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 6.63 (s, 2 H), 4.85 (m, 1 H), 4.63 (q, J=7. 1.8 Hz, 4 H), 4.25 - 4.41 (m, 1 H), 4.06 - 4.20 (m, 1 H), 3.57 (s, 3 H), 3.55 (s, 3 H), 2.25 (s, 6 H), 2.23 (m, 1 H), 1.81 - 2.03 (m, 2 H), 1.68 (m., 1 H), 1.58 (d, J=6.84 Hz, 3 H), 1.39 (t, J=7.10 Hz, 6 H)。LCMS (m/z):721.6 [M + H]+
実施例13
(2E,2'E)-1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
ステップ1:4,4'-((4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)
24mLバイアルに、4-メチルペンタン-1,4-ジアミン(0.49g、4.22mmol)及びイソプロパノール(14.0mL)を入れた。この溶液に、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.63g、8.85mmol)を加え、その後DIPEA(2.58mL、14.76mmol)を加えた。バイアルをキャップし、不均一溶液を105℃で一晩(約14時間)撹拌した。沈殿物を濾別し、イソプロパノール(2x5mL)ですすいだ。4,4'-((4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)(1.46g、3.02mmol、収率71.7%、純度92%)を橙色の固体として得た。LCMS (m/z):445.3 [M + H]+ 。
ステップ2:4,4'-((4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)
100mL丸底フラスコに、4,4'-((4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)(500mg、1.035mmol)及びMeOH(15mL)を加えた。この溶液に、塩化アンモニウム(1107mg、20.70mmol)、10mLの飽和塩化アンモニウム水溶液及び亜鉛(677mg、10.35mmol)を加えた。不均一混合物を室温で攪拌した。20分後、さらなる亜鉛(350mg、5.35mmol)及び塩化アンモニウム(600mg、11.22mmol)を加えた。室温で合計90分間攪拌した後、混合物を濾過した。残留固体をMeOH(20mL)ですすいだ。合わせた濾液にCeliteを加え、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(乾燥ローディング技術、12g SiO2カートリッジ、調整剤としてNH4OHを含むMeOH/DCMの2~40%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。4,4'-((4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(247mg、0.610mmol、収率59.0%)を白色の薄膜として得た。LCMS (m/z):385.4 [M + H]+
ステップ3:1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
100mL丸底フラスコに、4,4'-((4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(247mg、0.642mmol)及びDMF(6.42mL)を加えた。この溶液を0℃に冷却した。0℃で5分間攪拌した後、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約0.4M、2.5mL;約1.0mmol)を溶液として加えた。20分後、さらなる1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約0.4M、0.45mL;0.18mmol)を加え、確実にチオ尿素形成を完了した。0℃でさらに20分間攪拌した後、EDC(308mg、1.606mmol)を加え、その後トリエチルアミン(0.448mL、3.21mmol)を加えた。反応混合物を室温に上昇させ、一晩(約14時間)撹拌した。反応物を、25mLの3:1の水/飽和塩化アンモニウム水溶液を含むビーカーに注ぎ入れ、10分間攪拌した。得られた白色沈殿物を濾別し、水(3x5mL)ですすいだ。固体を50℃の真空オーブン中で6時間乾燥した。1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(341mg、0.473mmol、収率73.6%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.93 (m, 3 H), 7.84 (s, 1 H), 7.73 (d, J=8.87 Hz, 1 H), 7.67 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 7.60 (d, J=8.62 Hz, 1 H), 7.24 - 7.44 (m, 2 H), 6.40 (s, 1 H), 6.25 (br. s., 1 H), 4.39 - 4.64 (m, 4 H), 4.11 (t, J=6.46 Hz, 2 H), 2.44 (br. s., 2 H), 2.10 (s, 3 H), 2.07 (s, 3 H), 1.90 (br. s., 6 H), 1.68 (br. s., 2 H), 1.31 (t, J=7.10 Hz, 3 H), 1.24 (t, J=7.10 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):707.6 [M + H]+
ステップ4:(2E,2'E)-1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
10mLバイアルに、1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(49mg、0.069mmol)及びDMF(0.693mL)を入れた。この溶液に炭酸セシウム(67.8mg、0.208mmol)を加え、その後ヨウ化メチル(10.84μL、0.173mmol)を加えた。バイアルをキャップし、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。混合物をDMSO(1mL)と水(1mL)で希釈し、清澄な均一溶液を形成した。この溶液を直接注入し、逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム、0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の5~35%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。(2E,2'E)-1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(15.8mg、0.022mmol、収率31.0%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.64 - 7.85 (m, 5 H), 7.34 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 6.65 (s, 1 H), 6.57 (s, 1 H), 4.64 (m, 4 H), 4.20 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 3.54 (s, 3 H), 3.40 (s, 3 H), 2.24 - 2.31 (m, 5 H), 2.23 (s, 3 H), 1.82 - 1.95 (m, 8 H), 1.41 (m, 6 H)。LCMS (m/z):735.4 [M + H]+。
実施例14
(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2-メチルペンタン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-N,3-ジメチル2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
10mLバイアルに、1,1'-(4-メチルペンタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(実施例13の合成中間体)(100mg、0.141mmol)及びDMF(1.415mL)を加えた。この溶液に炭酸セシウム(138mg、0.424mmol)を加え、その後ヨウ化メチル(0.044mL、0.707mmol)を加えた。バイアルをキャップし、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。この混合物を、逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム、0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の勾配)により直接精製した。対応する画分を合わせて濃縮した。(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2-メチルペンタン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-N,3-ジメチル2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(7.1mg、0.0087mmol、収率6.16%)を白色の薄膜として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.56 - 7.85 (m, 5 H), 7.25 - 7.37 (m, 1 H), 6.66 (s, 1 H), 6.58 (s, 1 H), 4.54 - 4.76 (m, 4 H), 4.20 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 3.55 (d, J=5.58 Hz, 3 H), 3.40 (s, 3 H), 3.02 (s, 3 H), 2.26 (s, 3 H), 2.26 (m, 1 H), 2.23 (s, 3 H), 2.23 (m, 1 H), 1.87 (s, 6 H), 1.87 (m, 2 H), 1.42 (m, 6 H)。LCMS (m/z):749.4 [M + H]+。
実施例15
(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(ジアステレオマー1)
ステップ1:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(-5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
10mLバイアル中に、7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(25mg、0.028mmol、例えば中間体14B、第2溶出ジアステレオマー)及びDMF(559μL)を入れた。この不均一溶液に、炭酸セシウム(27.3mg、0.084mmol)を加え、その後ヨウ化メチル(4.37μL、0.070mmol)を加えた。バイアルをキャップし、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。混合物をDMSO(1mL)と水(1mL)で希釈し、清澄な均一溶液を形成した。この溶液を直接注入し、逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム、0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の3~35%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮し、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(-5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(18mg、0.019mmol、収率66.3%)を白色固体として得た。LCMS:923.4 [M + H]+、保持時間1.30分(Acquity UPLC CSH C18、1.7um、50mm x 2.1mmカラム;1.5分間にわたる3~95%勾配、25%水酸化アンモニウム溶液でpH10に調整したMeCN/水中10mM重炭酸アンモニウム)。
ステップ2:(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
20mLバイアル中に、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(-5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(25mg、0.027mmol)及びMeOH(2mL)を入れた。この溶液に、HCl(3M CPME溶液、300μL、0.900mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。揮発物をN2ブローダウンユニット下で除去した。粗生成物を逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム、0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の20~50%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮し、(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(5.5mg、6.46μmol、収率23.85%)をガラス状の白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.01 (s, 1.17) 7.88 (br. s., 3.21) 7.49 - 7.73 (m, 8.82) 7.42 (br. s., 2.89) 7.29 (br. s., 0.86) 7.20 (s, 2.93) 6.70 (s, 3.36) 6.64 (br. s., 2.95) 4.98 - 5.11 (m, 4.53) 4.81 (br. s., 3.36) 4.55 - 4.75 (m, 14.25) 4.29 - 4.55 (m, 3.26) 4.08 (m, 2.84) 3.82 (m, 2.33) 3.41 - 3.75 (m, 28.77) 3.23 (br. s., 4.09) 2.19 - 2.36 (m, 21.72) 2.00 - 2.18 (m, 11.47) 1.76 - 2.00 (m, 13.31) 1.54 (m, 23.37) 1.35 - 1.50 (m, 24.00);LCMS:809.5 [M + H]+、保持時間0.74分 (Acquity UPLC CSH C18 50mm x 2.1mmカラム、1.7um;1.5分間にわたる5~95%勾配;0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水)。
実施例16
(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(ジアステレオマー2)
ステップ1:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
10mLバイアル中に、7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(25mg、0.028mmol、例えば中間体14A、第1溶出ジアステレオマー)及びDMF(559μL)を入れた。この不均一溶液に、炭酸セシウム(27.3mg、0.084mmol)及びヨウ化メチル(4.37μL、0.070mmol)を加えた。バイアルをキャップし、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。混合物をDMSO(1mL)と水(1mL)で希釈し、清澄な均一溶液を形成した。この溶液を直接注入し、逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム、0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の5~35%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮し、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(15mg、0.014mmol、収率49.5%、純度85%)を白色固体として得た。LCMS:923.5 [M + H]+、保持時間1.24分(Acquity UPLC CSH C18、1.7um、50mm x 2.1mmカラム;1.5分間にわたる3~95%勾配、25%水酸化アンモニウム溶液でpH10に調整したMeCN/水中10mM重炭酸アンモニウム)。
ステップ2:(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
20mLバイアル中に、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(-5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(15mg、0.016mmol)及びMeOH(2mL)を入れた。この溶液に、HCl(3M CPME溶液、300μL、0.900mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。窒素流を用いて揮発物を除去した。残留物を逆相分取HPLC(Dual Phase ISCOシステム;0.1%NH4OH調整剤を有するMeCN/水の20~50%勾配)により精製した。対応する画分を合わせて濃縮し、ラセミの(E)-1-(5-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ヘキサン-2-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(5mg、5.87μmol、収率36.1%)をガラス状の白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.07 (m, 2.61), 7.86 (m, 2.78), 7.58 - 7.81 (m, 4.92), 7.52 (s, 2.38), 6.48 - 6.73 (m, 4.98), 5.47 (br. s., 1.43), 4.75 (br. s., 2.43), 4.49 - 4.69 (m, 10.33), 4.26 - 4.40 (m, 4.06), 4.21 (br. s., 1.08), 3.50 - 3.76 (m, 20.52), 2.68 (s, 1.17), 2.49 (br. s., 0.84), 2.15 - 2.41 (m, 18.94), 1.94 - 2.07 (m, 2.86), 1.78 - 1.94 (m, 3.63), 1.70 (m., 3.14), 1.46 - 1.63 (m, 16.31), 1.26 - 1.42 (m, 17.00)。LCMS:809.5 [M + H]+, 保持時間0.71分 (Acquity UPLC CSH C18、1.7um、50mm x 2.1mmカラム;1.5分間にわたる5~95%勾配;0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水)。
実施例17
(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
ステップ1:3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド
窒素下のDMF(200mL)中の4-クロロ-3-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアミド(30g、139mmol)及び炭酸カリウム(57.4g、416mmol)の撹拌懸濁液に、((3-ブロモプロポキシ)メチル)ベンゼン(47.6g、208mmol)の溶液を、室温で1分間滴下添加した。反応混合物を80℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、200mLの水の添加によりクエンチした。次いで、水性相をDCM(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(4x200mL)とブライン(200mL)で洗浄した。乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100gカラム、1:2の石油エーテル/EtOAc)により精製した。適切な画分をプールして濃縮し、3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(33g、90mmol、収率65.3%)を黄色固体として得た。LCMS (m/z):365 [M + H]+。
ステップ2:4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-5-ニトロベンズアミド
イソプロパノール(18mL)中の2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン(4g、24.98mmol)、3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(4.56g、12.49mmol)及びDIPEA(6mL、34.4mmol)の懸濁液を、密封管中135℃で一晩攪拌した。冷却するとき、揮発物を真空中で除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20gカラム、EtOAc/石油エーテルの60~100%勾配)により精製した。適切な画分をプールして濃縮し、4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(3g、6.14mmol、収率24.6%)を赤みがかった茶色の油状物として得た。LCMS (m/z):489 [M + H]+。
ステップ3:3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド
DMF(30mL)中の4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(3g、6.14mmol)、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.696g、9.21mmol)及び炭酸カリウム(1.698g、12.28mmol)の懸濁液を、窒素下にて60℃で一晩攪拌した。冷却するときに、水(50mL)を加え、水性相をEtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3x200mL)とブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(10gカラム、EtOAc/石油エーテルの30~100%勾配)により精製した。適切な画分をプールして濃縮し、3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(2g、3.06mmol、収率49.9%)を黄色固体として得た。LCMS (m/z):653 [M + H]+。
ステップ4:3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)ベンズアミド
窒素下の酢酸(20mL)中の3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(1.9g、2.91mmol)の撹拌懸濁液に、固体亜鉛(1.904g、29.1mmol)を一回で加えた。反応混合物を25℃で2時間攪拌した。次いで、反応溶液を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)ベンズアミド(1.5g、2.53mmol、収率87%)を茶色の固体として得た。LCMS (m/z):593 [M + H]+。
ステップ5:2-アミノ-1-(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
MeOH(20mL)中の3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)ベンズアミド(2.1g、3.54mmol)の溶液に、臭化シアン(1.126g、10.63mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間攪拌した。この混合物をジエチルエーテル(30mL)で希釈した。混合物を濾過し、濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、2-アミノ-1-(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.8g、2.381mmol、収率67.2%、純度約85%)を灰色の固体として得た。生成物をさらに精製することなく直接使用した。LCMS (m/z):643 [M + H]+。
ステップ 6:7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(20mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(0.864g、5.60mmol)、2-アミノ-1-(4-(2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.8g、2.80mmol)及びDIPEA(1.957mL、11.20mmol)の溶液に、HATU(2.66g、7.00mmol)を加えた。反応混合物を60℃で16時間攪拌した。混合物を水に注ぎ入れた。沈殿物を濾過により回収し、水、MeCN及びジエチルエーテルで洗浄し、その後真空下で乾燥し、7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.1g、1.05mmol、収率37.3%、純度約87%)を淡茶色の固体として得た。生成物をさらなる精製を行うことなく使用した。LCMS (m/z):915 [M + H]+。
ステップ7:1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
MeOH(30mL)及びNMP(10.0mL)中の7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.1g、1.2mmol)の溶液に、炭素上Pd(1.279g)を加えた。この反応物を、H-cubeシステム(4気圧水素)を用いて60℃で72時間水素化した。混合物をDMF(20mL)で希釈した。次いで、触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製した(Gemini-C18、5μシリカ、21x150mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水の10~60%勾配)。純粋画分をプールし、蒸発乾固して、1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(75mg、0.086mmol、収率7.19%)をピンク色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.06-13.04 (m, 2 H), 8.06-8.03 (m, 3 H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.46 (s, 1 H), 7.40 (s, 2 H), 6.66-6.65 (m, 2 H), 5.27-2.20 (m, 4 H), 4.62-4.50 (m, 5 H), 4.26 (t, J = 6.1 Hz, 2 H), 3.55 (t, J = 5.7 Hz, 2 H), 2.06 (s, 6 H), 1.98 - 1.82 (m, 2 H), 1.33 (t, J = 7.0 Hz, 6 H)。LCMS (m/z):824.4 [M + H]+。
ステップ8:(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩
8mLバイアル中に、1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(25mg、0.030mmol)、炭酸セシウム(49.4mg、0.152mmol)、及びDMF(1mL)を入れた。この溶液に、ヨウ化メチル(4.26μL、0.068mmol)を加えた。バイアルをキャップし、混合物を室温で一晩(約14時間)攪拌した。サンプルをさらなるDMFで希釈し、質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水の15~55%勾配)により直接精製した。対応する画分をプールして真空中で濃縮し、(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2トリフルオロ酢酸塩(2mg、1.702μmol、収率5.62%)を清澄な固体として得た。1H NMR (DMSO-d6, 600 MHz):δ ppm 8.09 (s, 2 H), 8.05 (br. s., 1 H), 7.89 (dd, J=8.4, 1.2 Hz, 1 H), 7.75 (s, 1 H), 7.57 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.51 (s, 1 H), 7.48 (br. s., 1 H), 7.46 (br. s., 1 H), 6.52 (s, 1 H), 6.51 (s, 1 H), 5.15-5.30 (m, 4 H), 4.51-4.48 (m, 4 H), 4.22 (br. t., J=6.5 Hz, , 2 H), 3.60 (s, 3 H), 3.57 (s, 3 H), 3.51 (br. t., J=6.0 Hz, 2 H), 2.15 (s, 3 H), 2.12 (s, 3 H), 1.84 (br. t., J=6.3 Hz, 2 H), 1.24-1.26 (m, 6 H)。LCMS (m/z):853.4 [M + H]+。
実施例18
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-4-((4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド
DMSO(65mL)中の(E)-2-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(5.7g、23.33mmol)と4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(3.9g、21.18mmol)の溶液に、炭酸カリウム(6.44g、46.6mmol)を加えた。反応物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、300mLの急速に攪拌されている水を含むフラスコに注ぎ入れた。混合物を5分間攪拌し、濾過し、濾過した固体を、水、ジエチルエーテル(2x)、及び酢酸エチル(2x)で連続的にすすいだ。固体を回収し、ヘキサン(30mL)中で攪拌し、濾過し、乾燥して、(E)-4-((4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(6.77g、16.6mmol、収率78%)を明黄色の固体として得た。LCMS (m/z):409.2 [M + H]+。
ステップ2:(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド
EtOH(100mL)中の(E)-4-((4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(6.4g、15.67mmol)の懸濁液に、ヒドラジン一水和物(0.84mL、17.2mmol)を加えた。10分後、EtOH(50mL)を加えて撹拌を促進した。反応混合物を80℃で20時間加熱した。反応物を温かいまま濾過すると、固体と濾液の両方に所望の生成物が見出された。固体と濾液を合わせ、濃縮乾固し、粗物質を次の反応で使用した。
1-ブタノール(100mL)中の(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(4.65g、10.53mmol)及び4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(3.30g、9.80mmol)の明黄色の懸濁液に、重炭酸ナトリウム(2.47g、29.4mmol)を加えた。混合物を120℃で加熱した。18時間後、反応混合物を室温に冷却し、15分間攪拌し、固体を濾過し、n-ブタノール(2x25mL)ですすいだ。一部の飽和NaHCO3溶液を一部の水で希釈した。固体を、希釈NaHCO3溶液(2x25mL)、水(1x25mL)、希釈NaHCO3 溶液(50mL)及び水(30mL)で洗浄した。固体を丸底フラスコ中で回収し、希釈重炭酸溶液(100mL)中で室温にて2時間攪拌した。固体を濾過し、水で洗浄し、真空オーブン中で乾燥し、(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(3.62g、6.3mmol、収率63.8%)を橙色の固体として得た。LCMS (m/z):579.3 [M + H]+。
ステップ3:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド
MeOH(25mL)及び酢酸(20mL)中の(E)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(3.46g、5.98mmol)の懸濁液に、活性炭上の1%Ptと2%V(50~70%湿粉末、1.167g、0.060mmol)を加えた。フラスコを水素雰囲気(水素バルーン)下で室温で6時間攪拌した。MeOH(10mL)を用いてフラスコの側面の固体をすすぎ落とし、さらに16時間攪拌を続けた。水素を除去した後、反応物をCeliteに通して濾過し、MeOHですすいで濃縮し、粘性のオレンジ色油状物を得た。DCM(15mL)を加え、攪拌しながら、得られた混合物を飽和NaHCO3溶液(1mLずつ、泡立ちが停止し水性層が塩基性になるまで)で処理した。この液体をデカント除去し、残留固体を、3:1のCHCl3:EtOHとブラインとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して淡茶色の泡状物を得た。この泡状物をMeOHでトリチュレートし、(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-((4メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド(1.4g、2.70mmol、収率45.1%)を得た。LCMS (m/z):519.4 [M + H]+。
ステップ4:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(18mL)中の(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド(1.40g、2.70mmol)の氷冷溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約1M、5.40mL、5.40mmol)を2分間かけて滴下添加した。15分後、EDC(1.29g、6.75mmol)及びTEA(1.881mL、13.50mmol)を加えた。反応物を室温に温め、40℃で22時間加熱した。反応物を室温に冷却し、急速に攪拌されている3:1の水:飽和NH4Cl水溶液(100mL)の溶液に注ぎ入れた。直ぐに微細固体が形成し、混合物をさらに10分間攪拌した。固体を濾過し、水(50mL)で2回洗浄し、50℃の真空オーブン中で一晩乾燥し、(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(2.20g、2.48mmol、収率92%)を淡褐色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ:12.97 (d, J=3.3 Hz, 2 H), 8.08 (s, 1 H), 8.03 (br. s., 1 H), 7.96 (br. s., 1 H), 7.68-7.75 (m, 2 H), 7.50 (s, 1 H), 7.40 (d, J=9.6 Hz, 2 H), 7.16 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.06-7.12 (m, 2 H), 6.72 (s, 1 H), 6.70 (s, 1 H), 6.56 (s, 1 H), 6.50 (s, 1 H)、5.04 (br. s., 2 H), 4.96 (s, 2 H), 4.88 (br. s., 2 H), 4.53-4.62 (m, 4 H), 3.59 (s, 3 H), 2.10 (s, 3 H), 2.05 (s, 3 H), 1.66 (s, 3 H), 1.32 (t, J=7.0 Hz, 6 H), 1.17 (s, 3 H)。LCMS (m/z):841.5 [M + H]+。
ステップ5:(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(12mL)中の(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.30g、1.546mmol)の溶液に、炭酸セシウム(1.511g、4.64mmol)及びヨウ化メチル(0.242mL、3.86mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。水(120mL)を反応混合物にゆっくりと加えた。混合物を30分間勢いよく攪拌した。得られた固体をフィルター上で回収し、乾燥した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(80gカラム、(1%水酸化アンモニウムを有する3:1のEA:EtOH)/ヘキサン)の30~80%勾配により精製し、表題化合物(1.01g、1.16mmol、収率74%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ:8.15 (s, 1 H), 8.10 (br. s., 1 H), 8.05 (br. s., 1 H), 7.77-7.82 (m, 2 H), 7.62 (s, 1 H), 7.52 (br. s., 1 H), 7.49 (br. s., 1 H), 7.22 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 7.17 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 6.68 (d, J=8.9 Hz, 2 H), 6.41 (s, 1 H), 6.38 (s, 1 H)、5.09 (s, 2 H), 4.96 (s, 2 H), 4.77 (s, 2 H), 4.48 (q, J=7.0 Hz, 4 H), 3.58-3.63 (m, 6 H), 3.56 (s, 3 H), 2.07-2.11 (m, 6 H), 1.55 (s, 3 H), 1.22-1.28 (m, 6 H), 1.16 (s, 3 H)。LCMS (m/z):869.6 [M + H]+。
実施例19
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-ヒドロキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DCM(15mL)中の(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(930mg、1.070mmol)の懸濁液に、HCl(ジオキサン中4M、1.34mL、5.35mmol)を加えた。反応混合物は粘性になった。DCM(10mL)及びMeOH(2mL)を加えて均一溶液を得た。反応物を室温で16時間攪拌した。反応が不完全であったため、反応混合物を濃縮し、固体残留物をDCM(15mL)及びTFA(0.412mL、5.35mmol)に懸濁した。30分で脱保護が完了した。反応混合物を濃縮し、残留物を、3:1のCHCl3:EtOHと飽和NaHCO3溶液との間で分配した。存在する固体を濾過し、乾燥して、表題化合物(427mg、0.57mmol)を得た。残留有機相を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(12gシリカカラム、MeOH/DCMの1~8%勾配)により精製し、付加量の表題化合物(130mg、0.17mmol)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ ppm 10.68 (s, 1 H), 8.10 (s, 1 H), 8.01 (br. s., 1 H), 7.96 (br. s., 1 H), 7.80 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.62 (s, 1 H), 7.46 (br. s., 1 H), 7.38 (br. s., 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.22 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 6.47 (s, 1 H), 6.33 (s, 1 H)、5.07 (s, 2 H), 4.83 (s, 2 H), 4.44-4.56 (m, 4 H), 3.58 (s, 3 H), 3.53 (s, 3 H), 2.14 (s, 3 H), 2.07 (s, 3 H), 1.65 (s, 3 H), 1.48 (s, 3 H), 1.31-1.24 (m, 6 H)。LCMS (m/z):749.5 [M + H]+。
実施例20
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド
(E)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1,4-ジアミン、2塩酸塩(4.4g、23.52mmol)及びエタノール(81mL)に、水(81mL)中の炭酸カリウム(6.76g、48.9mmol)の溶液を加えた。全ての固体が溶解したら、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(3.0g、16.29mmol)を、上記の紫茶色の溶液に、室温にて一回で加えた。反応混合物を室温で105分間攪拌し、次いで50℃で90分間加熱して濾過した。濾液を6N HClで酸性化した。水性層をDCM(2x)で洗浄した。合わせた有機物を水(1x)で抽出した。合わせた水性層を6N NaOHと飽和重炭酸ナトリウムで塩基性化し、3:1のクロロホルム/エタノール混合物(3x)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(1.8g、5.30mmol、収率32.5%)を茶色がかった黄色の残留物として得た。LCMS (m/z):279.1 [M + H]+。
ステップ2:(E)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド
1-ブタノール(10.9mL)中の粗製の(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(715mg、2.312mmol)の懸濁液に、DIE(1.14mL、6.56mmol)を加えた。混合物を10分間攪拌し、次いで3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(850mg、2.186mmol)を加えた。反応混合物を120℃で一晩加熱した。反応物を室温に冷却し、橙色の固体が沈殿した。混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、粗(E)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(786mg、1.022mmol、収率46.8%)を明橙色の固体として得、これは依然として残留n-BuOHを含有していたが、そのまま引き継いだ。LCMS (m/z):631.3 [M + H]+。
ステップ3:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド
メタノール(53.3mL)中の(E)-3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(1.82g、2.453mmol)の混合物に、塩化アンモニウム(2.62g、49.1mmol)を加え、その後亜鉛(3.21g、49.1mmol)を加えた。不均一混合物を室温で10分間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをメタノールで洗浄した。濾液をシリカゲル上に乾燥ロードし、シリカゲルクロマトグラフィー(80gカラム、0%~20%メタノール、0.1%NH4OH調整剤を有するDCM)により精製した。所望の画分を濃縮乾固し、(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド(503mg、0.881mmol、収率35.9%)を白色固体として得た。LCMS (m/z):571.5 [M + H]+。
ステップ4:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
0℃のDMF(8.8mL)中の(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアミド(500mg、0.876mmol)の溶液に、ジオキサン(約0.4M、4.82mL、1.93mmol)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートを少しずつ滴下添加した。15分後、さらなるイソチオシアネート(約0.4M、400μL)を加え、反応混合物を10分間攪拌した。反応物をEDC(420mg、2.190mmol)及びTEA(610μL、4.38mmol)で処理し、週末の間室温で攪拌した。反応混合物を4:1の水/飽和塩化アンモニウム(200mL)に注ぎ入れ、得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを窒素流下で乾燥し、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(614mg、0.687mmol、収率78%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.92 (d, J=11.66 Hz, 2 H), 7.99 - 8.08 (m, 2 H), 7.90 (br. s., 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.65 (d, J=8.11 Hz, 1 H), 7.31 - 7.43 (m, 3 H), 7.16 (d, J=8.36 Hz, 1 H), 6.60 (s, 1 H), 6.42 (s, 1 H), 5.14 (br. s., 2 H), 4.98 (br. s., 2 H), 4.48 - 4.66 (m, 4 H), 4.14 (t, J=5.58 Hz, 2 H), 3.65 (t, J=5.96 Hz, 2 H), 2.02 - 2.14 (m, 6 H), 1.61 - 1.74 (m, 6 H), 1.33 (t, 7.13 Hz, 3 H), 1.32 (t, 7.13 Hz, 3 H), 0.80 (s, 11 H)、-0.03 (s, 6 H)。LCMS (m/z):893.4 [M + H]+。
ステップ5:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(2mL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.245g、0.274mmol)、炭酸セシウム(0.268g、0.823mmol)及びヨウ化メチル(0.043mL、0.686mmol)の混合物を、室温で18時間攪拌した。反応混合物を、EtOAc(20mL)とブライン(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2x10mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(RediSepRf High Performance Gold 40g HPシリカカラム、2%NH4OH調整剤を有する(3:1のエタノール/酢酸エチル)/ヘキサンの40~80%勾配)により精製し、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.040g、0.033mmol、収率11.9%)を得た。LCMS (m/z):921.7 [M + H]+。
ステップ6:(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
MeOH(0.5mL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.030g、0.033mmol)の混合物に、ジオキサン(4M、0.163mL、0.651mmol)中のHClを加え、室温で16時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(RediSepRf High Performance Gold 40g HPシリカカラム、2%NH4OH調整剤を有する(3:1のエタノール/酢酸エチル)/ヘキサンの40~90%勾配)により精製し、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.007g、7.72μmol、収率23.7%)を得た。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.12 (s, 2 H), 8.03 (br s, 1 H), 7.81 (d, J=8.66 Hz, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.50 (s, 1 H), 7.47 (s, 1 H), 7.45 (br s, 1 H), 7.24 (d, J=8.85 Hz, 1 H), 6.68 (br s, 1 H), 6.45 (s, 1 H), 6.34 (s, 1 H)、5.06 (br s, 2 H), 4.85 (s, 2 H), 4.49-4.53 (m, 2 H), 4.49 (br s, 2 H), 4.19 (br t, J=6.36 Hz, 2 H), 3.58 (s, 3 H), 3.56 (s, 3 H), 3.44 (br t, J=5.99 Hz, 2 H), 2.10 (s, 3 H), 2.07 (s, 3 H), 1.72 (quin, J=6.27 Hz, 2 H), 1.61 (s, 3 H), 1.48 (s, 3 H), 1.27 (t, J=7.10 Hz, 3 H), 1.24 (t, J=7.09 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):807.6 [M + H]+。
表1は実施例21~28を示し、これらは以下に示される方法に従って調製することができる:
実施例29
(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-4-((4-((2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド
DMF(20mL)中の(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド、塩酸塩(2.4g、7.62mmol)及び2-フルオロ-1-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-ニトロベンゼン(2.114g、7.62mmol)の明黄色/橙色の懸濁液に、TEA(3.19mL、22.87mmol)を加えた。粘性の混合物を室温で2時間攪拌し、次いで50℃で18時間加熱した。反応混合物を、急速に攪拌されている水(350mL)にゆっくりと加えた。固体が凝集塊として沈殿した。超音波処理(30分間)して1時間攪拌し、流動性の固体を得た。固体を濾過し、水とジエチルエーテル(3x30ml)ですすぎ、乾燥して、(E)-4-((4-((2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(3.52、6.25mmol、収率82%)を明橙色の固体として得た。LCMS (m/z):536.2 [M + H]+。
ステップ2:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド
メタノール(15mL)及び酢酸(10mL)中の(E)-4-((4-((2-((4-メトキシベンジル)オキシ)-6-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(3.52g、6.57mmol)の懸濁液に、活性炭上の1%Ptと2%V、50~70%湿粉末(1.282g、0.066mmol)を加えた。フラスコの雰囲気を窒素で置換し、その後水素(バルーン)で置換した。室温で20時間攪拌した後、雰囲気を窒素で置換した。反応が不完全であったため、反応混合物を水素雰囲気下にてさらに5時間攪拌し、その後窒素を再導入した。反応混合物を、10%メタノール/DCMでCeliteに通してすすいだ。真空中で濃縮し、粘性の橙色油状物を得た。この油状物をDCM(100mL)にとり、泡立ちが停止するまで飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分離して濃縮し、茶色の泡状物を得た。少量のDCMとMeOHを含む酢酸エチルから濾過可能な固体が得られた。得られた固体を濾過して乾燥し、(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(1.95g、3.90mmol、収率59.3%)を淡茶色の固体として得た。LCMS (m/z):476.3 [M + H]+。
ステップ3:(E)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
氷水浴中で冷却したDMF(20mL)中の(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(1.93g、3.86mmol)の淡茶色の溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約1M、7.71mL、7.71mmoL)を素早く(約1分間かけて)滴下添加した。反応混合物を25分間攪拌した。EDC(1.848g、9.64mmol)及びTEA(2.69mL、19.28mmol)を加えて、反応物を室温に温め、18時間攪拌した。反応混合物を、急速に攪拌されている1:1の飽和NH4Cl水溶液:水(100mL)に注ぎ入れ、微細沈殿物を得た。この沈殿物を水(2x15mL)で洗浄し、酢酸エチル(20mL)で2回トリチュレートし、乾燥して、(E)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(2.32g、2.83mmol、収率73%)を褐色の固体として得た。LCMS (m/z):798.4 [M + H]+。
ステップ4:(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(15mL)中の(E)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(1.09g、1.366mmol)の溶液に、炭酸セシウム(1.335g、4.10mmol)及びヨウ化メチル(0.214mL、3.42mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間攪拌した。さらなるヨウ化メチル(0.060ml、0.956mmol)を加え、混合物をさらに18時間攪拌した。さらなるヨウ化メチル(0.060ml、0.956mmol)及び炭酸セシウム(1.335g、4.10mmol)を加え、混合物を50℃で4時間加熱した。混合物を水(30mL)で希釈し、粘着性の固体が沈殿した。勢いよく撹拌すると濾過可能な固体が得られ、これをその後フィルター上で回収し、水ですすいだ。シリカゲルクロマトグラフィー(40gシリカ、[3:1 EtOAc:EtOH]/ヘプタンの10~90%勾配)により、(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(430mg、0.509mmol、収率37%)を褐色の泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.14 (s, 1 H), 8.01 (br. s., 1 H), 7.78 (dd, J=8.4, 1.4 Hz, 1 H), 7.45 (br. s., 1 H), 7.25-7.32 (m, 1 H), 7.13-7.23 (m, 4 H), 7.08 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.71 (d, J=8.5 Hz, , 2 H), 6.43 (s, 1 H), 6.37 (s, 1 H)、5.03 (s, 2 H), 4.97 (s, 2 H), 4.78 (s, 2 H), 4.45-4.53 (m, 4 H), 3.63 (s, 3 H), 3.60 (s, 3 H), 3.54 (s, 3 H), 2.10 (s, 3 H), 2.09 (s, 3 H), 1.56 (s, 3 H), 1.19-1.31 (m, 6 H), 1.18 (s, 3 H)。LCMS (m/z):826.5 [M + H]+。
実施例30
(E)-1-((E)-4-((E)-7-(ベンジルオキシ)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(1mL)中の(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-ヒドロキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(45mg、0.055mmol)の懸濁液に、(ブロモメチル)ベンゼン(7.26μL、0.061mmol)を加え、その後炭酸カリウム(9.97mg、0.072mmol)を加えた。反応混合物を最初に50℃で3時間攪拌し、その後室温で16時間攪拌した。この混合物を水で希釈した。水性層を3:1のCHCl3:EtOHで数回抽出した。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を質量指向型HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水の30~85%勾配)により精製した。数滴の飽和重炭酸ナトリウム溶液を各清浄画分に加えた。窒素流を用いてACNを除去した。懸濁した固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、純粋な(E)-1-((E)-4-((E)-7-(ベンジルオキシ)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(30mg、0.037mmol、67%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.12 (s, 1 H), 8.01 (br. s., 1 H), 7.76 (dd, J=8.4, 1.4 Hz, 1 H), 7.44 (br. s., 1 H), 7.12-7.32 (m, 8 H), 7.07 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.47 (s, 1 H), 6.38 (s, 1 H), 5.13 (s, 2 H), 4.99 (s, 2 H), 4.78 (s, 2 H), 4.45-4.55 (m, 4 H), 3.59 (s, 3 H), 3.56 (s, 3 H), 2.13 (s, 3 H), 2.10 (s, 3 H), 1.59 (s, 3 H), 1.19-1.31 (m, 6 H), 1.19 (s, 3 H)。LCMS (m/z):796.6 [M + H]+。
実施例31
(E)-1-((E)-4-((E)-4-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:tert-ブチル(E)-(4-((3-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
エタノール(11.67mL)中のtert-ブチル(E)-(4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(0.5g、2.33mmol)に、1-ブロモ-3-フルオロ-2-ニトロベンゼン(0.529g、2.33mmol)及びDIEA(1.22mL、7.00mmol)を加えた。混合物を80℃で18時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(50mL)とブライン(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2x10mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(40gシリカ、酢酸エチル/ヘキサンの10~20%の勾配)により精製し、tert-ブチル(E)-(4-((3-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(0.740g、1.78mmol、収率77%)を得た。LCMS (m/z):414.1 [M + H]+。
ステップ2:(E)-4-((4-((3-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド
メタノール(5mL)中のtert-ブチル(E)-(4-((3-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(0.44g、1.06mmol)に、ジオキサン(1.06mL、4.25mmol)中4M HClを加えた。混合物を室温で3時間攪拌した。さらなるジオキサン(1.0mL、4.0mmol)中4M HClを加え、さらに3時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、HCl及び溶媒を除去した。この残留物に、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(0.214g、1.16mmol)、DIEA(0.927mL、5.31mmol)及び1-ブタノール(15mL)を加え、混合物を110℃で16時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(50mL)とブライン(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2x10mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮した。濃縮して沈殿物を得、これを濾過して乾燥し、(E)-4-((4-((3-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(0.40g、0.836mmol、収率79%)を固体として得た。LCMS (m/z):478.1 [M + H]+。
ステップ3:(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-3-ブロモフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド
メタノール(1.6mL)中の(E)-4-((4-((3-ブロモ-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド(0.050g、0.105mmol)に、28~30%水酸化アンモニウム溶液(0.102mL、2.61mmol)及び亜ジチオン酸ナトリウム溶液(0.214g、1.045mmol、0.8mL水中)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を、酢酸エチル(20mL)とブライン(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(2x10mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(12gシリカ、2%NH4OH調整剤を用いる10~40%(3:1のエタノール/酢酸エチル)/ヘプタンの勾配)により精製し、(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-3-ブロモフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(0.030g、0.070mmol、収率67.2%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.42 (br. s., 1 H), 7.01-7.15 (m, 2 H), 6.70 (d, J=7.10 Hz, 2 H), 6.38-6.47 (m, 1 H), 6.32 (dd, J=7.86, 14.95 Hz, , 2 H)、5.01 (t, J=5.07 Hz, 1 H), 4.93 (t, J=5.07 Hz, 1 H), 4.74 (s, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 3.76 (d, J=4.82 Hz, 2 H), 3.71 (d, J=5.07 Hz, 2 H), 1.78 (br. s., 3 H), 1.77 (br. s., 3 H)。
ステップ4:(E)-1-(4-(4-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
0℃のDMF(0.72mL)中の(E)-3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-3-ブロモフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(0.030g、0.072mmol)に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中1M、0.158mL、0.158mmol)の溶液を加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。EDC(0.043g、0.215mmol)及びトリエチルアミン(0.060mL、0.430mmol)を加え、混合物を室温で16時間攪拌した。反応物を水(10mL)に注ぎ入れて攪拌した。得られた固体を濾過し、真空オーブン中で50℃で一晩乾燥し、(E)-1-(4-(4-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.043g、0.056mmol、収率79%)を得た。LCMS (m/z):740.5 [M + H]+。
ステップ5:(E)-1-((E)-4-((E)-4-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(0.54mL)中の(E)-1-(4-(4-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.040g、0.054mmol)に、炭酸セシウム(0.053g、0.162mmol)及びヨードメタン(7.4μL、0.12mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(10ml)とブライン(5mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(10mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残留物を質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.075%NH4OH、10mM重炭酸アンモニウム(pH10)を有するMeCN/水の30~85%勾配)により精製し、(E)-1-((E)-4-((E)-4-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.013g、0.016mmol、収率30%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.11 (d, J=1.27 Hz, 1 H), 8.04 (br. s., 1 H), 7.80 (dd, J=1.39, 8.49 Hz, 1 H), 7.49-7.53 (m, 1 H), 7.46 (br. s., 1 H), 7.28 (t, J=8.49 Hz, 2 H), 7.11-7.18 (m, 1 H), 6.45 (s, 1 H), 6.42 (s, 1 H), 4.85 (br. s., 4 H), 4.51 (dq, J=3.68, 6.97 Hz, 4 H), 3.78 (s, 3 H), 3.59 (s, 3 H), 2.128 (s, 3 H), 2.125 (s, 3 H), 1.59 (s, 6 H), 1.25-1.35 (m, 6 H)。LCMS (m/z):768.4 [M + H]+。
実施例32及び33
実施例32:(E)-1-((2R,3R)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(早期溶出エナンチオマー)
実施例33:(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(後期溶出エナンチオマー)
ステップ1:(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温の1-ブタノール(150mL)中の(E)-1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(10.4g、21.47mmol)の懸濁液に、DIEA(7.50mL、42.9mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で2時間攪拌した。3-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(10.9g、28.0mmol)、その後重炭酸ナトリウム(5.41g、64.4mmol)を加えた。次いで、反応混合物を100℃で4日間攪拌した。反応混合物を室温に冷却して濃縮した。得られた橙色のスラッジをアセトニトリルに懸濁し、その後濾過した。固体をアセトニトリルと水で洗浄した。次いで、固体を乾燥し、(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(10.94g、14.32mmol、収率67%)を赤橙色の固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.27 - 12.18 (m, 1 H), 8.14 (d, J= 1.8 Hz, 1 H), 7.97 (br. s., 2 H), 7.78 - 7.62 (m, 2 H), 7.49 (d, J= 1.8 Hz, 1 H), 7.38 - 7.24 (m, 3 H), 6.60 (s, 1 H), 5.92 - 5.63 (m, 2 H), 4.90 (d, J=5.3 Hz, 2 H), 4.58 (q, J=7.1 Hz, 2 H), 4.13 (t, J=5.4 Hz, 2 H), 4.00 (t, J=6.0 Hz, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 3.64 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 1.82 (quin, J=6.0 Hz, 2 H), 1.33 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 0.79 (s, 9 H)、-0.05 (s, 6 H)。LCMS (m/z):764.7 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
60℃で攪拌しているメタノール(200mL)中の(E)-1-(4-((2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイル-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(10.1g、13.22mmol)の懸濁液に、水(200mL)中の亜ジチオン酸ナトリウム(25.0g、121mmol)の溶液を加えた。その後、反応混合物を同じ温度で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、500mLの水でクエンチした。得られた混合物を濾過した。回収した固体を水(500mLx3)で洗浄し、その後ジエチルエーテル(300mL)ですすいだ。次いで、固体を真空オーブン中で乾燥し、部分的に純粋な(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(7.36g、約10mmol、収率約76%)を淡茶色の固体として得た。LCMSによる表題化合物のおよその純度は63%であり(UV、m/z = 734.6 [M + H]+)、同時に、シリル脱保護された副生成物のおよその純度は20%であった(UV、m/z = 620.5 [M + H]+)。この混合物をさらに精製することなく次の反応で使用した。
ステップ3:(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温のDMF(60mL)中の(E)-1-(4-((2-アミノ-6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(7.36g、10.03mmol、純度約76%)の溶液に、1,4-ジオキサン中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの1M溶液を、滴下漏斗を介して滴下添加した。その後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、反応混合物に、EDC(3.84g、20.06mmol)及びTEA(5.6mL、40.2mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で48時間攪拌した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。固体を濾過により除去し、シリル脱保護されたアルコール誘導体として同定した。次いで、有機層を2回洗浄した。合わせた水性層をEtOAc(1x)で逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。この粗生成物及び先に上記の後処理で単離された固体をEtOHに懸濁して濾過した。固体をEtOHで洗浄し、その後乾燥してオフホワイト色の固体(6.0g)を得た。第2クロップの固体も得られた(824mg)。合わせた混合物(6.824g、約7.6mmol、約76%)の組成は、LCMS及びNMRにより、(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(LCMS (m/z):895.8 [M + H]+)と、アルコール誘導体(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(LCMS (m/z):781.7 [M + H]+)とのおよそ3:1の混合物であると特性決定された。この混合物をさらに精製することなく次の反応で使用した。
ステップ4:(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩
室温のTHF(50mL)中の(E)-7-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(6.0g、6.70mmol、シリルエーテル/アルコールの3:1混合物として)の溶液に、ジオキサン(8.4mL、33.6mmol)中4M HCl溶液を加えた。次いで、反応混合物を室温で5時間攪拌した。さらなるHCl溶液(4.2mL、16.80mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。さらなるHCl溶液(4.2mL、16.80mmol)を加え、反応混合物を24時間攪拌した。さらなるHCl溶液(8.4mL、33.6mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌し、その後40℃で5時間攪拌した。さらなるHCl溶液(8.4mL、33.6mmol)を加え、反応混合物を40℃で週末の間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、その後濾過した。固体をTHFで洗浄し、乾燥して、(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(5.6g、6.56mmol、収率98%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO- d6) δ ppm 7.98 (br. s., 2 H), 7.65 (dd, J=1.1, 3.6 Hz, 2 H), 7.33 (s, 4 H), 6.53 (d, J=1.5 Hz, , 2 H), 5.86 - 5.81 (m, 2 H), 4.93 (dd, J=3.8, 6.8 Hz, 4 H), 4.57 - 4.47 (m, 4 H), 4.07 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 3.49 - 3.42 (m, 2 H), 2.11 (two s, 6 H), 1.80 - 1.64 (m, 2 H), 1.27 (two t, J=7.2 Hz, 6 H)。LCMS (m/z):781.7 [M + H]+。
ステップ5:(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
氷浴を用いることにより0℃のDMF(35mL)中の(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、2塩酸塩(5.45g、6.38mmol)及び炭酸セシウム(10.40g、31.9mmol)の懸濁液に、ヨウ化メチル(0.918mL、14.68mmol)を加えた。氷浴を取り外し、混合物を室温で16時間攪拌した。この混合物を水と3:1のクロロホルム/エタノールとの間で分配した。層を分離した。水性層を3:1のクロロホルム/エタノール(6X)で抽出した。有機層を水で洗浄した。この水性洗浄溶液を、3:1のクロロホルム/エタノールで再度抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して表題化合物(6g)を得た。LCMSによる表題化合物のおよその純度は76%であった(UV210-350nm、m/z = 809.3 [M + H]+)。この化合物をさらに精製することなく次の反応で使用した。
ステップ6:(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
tert-ブタノール(52mL)及び水(13mL)中の(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(5.2g、6.43mmol)の懸濁液に、NMO(1.130g、9.64mmol)を加えた。室温で5分間攪拌した後、tert-ブタノール(4.04mL、0.321mmol)中2.5%四酸化オスミウムを加え、混合物を18時間攪拌した。濃縮後、残留物を水に懸濁して濾過した。回収した固体を水ですすぎ、真空中で乾燥して、(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(4.0g、収率73.8%)を立体異性体の混合物として得た。LCMS(UV210-350nmによる純度約90%;m/z):843.2 [M + H]+。
ステップ7:早期溶出エナンチオマーの実施例33、(E)-1-((2R,3R)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、及び後期溶出エナンチオマーの実施例34、(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドの精製。
登録及びスクリーニングのため、1500mg部の粗生成物を、一連の2つの分取HPLC精製ステップにより別々のエナンチオマーに分離した。
第1精製ステップ
このステップの目的は、所望のエナンチオマーのラセミ混合物を、共溶出しているエナンチオマー対の近くで溶出した幾つかの微量副生成物から分離することであった。以下の方法を利用した:
結果:最も純粋な画分を合わせ、10mL体積に濃縮した。得られた沈殿物を濾過し、35℃で乾燥してエナンチオマーのラセミ混合物(600mg、0.71mmol)を得た。C18 HPLC法(方法2)も用いて、精製の有効性(純度98.95%)を示した。LCMS (m/z):843.3 [M + H]+。わずかに純度の低い画分(すなわちフロント画分及びテール画分)を同様に処理し、さらなる量のエナンチオマーのラセミ混合物(310mg)を得た。
第2精製ステップ:このステップの目的は、各エナンチオマーを分離及び単離することであった。以下の方法を利用した:
結果:各エナンチオマーの純粋画分を濃縮し、高真空下にて40℃で乾燥し、以下の固体を得た。絶対立体化学の割り当ては、後続のキラルビルディングブロックからの再合成により可能となった。
実施例32 (第1溶出異性体):
白色固体としての、(E)-1-((2R,3R)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(247mg、0.293mmol)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3H) 1.27 (t, J=7.1 Hz, 3H) 1.83 (quin, J=6.15 Hz, , 2 H) 2.10 (s, 3 H) 2.11 (s, 3 H) 3.50 (s, 3 H) 3.50 - 3.55 (m, 5 H) 3.80 (s, 3 H) 3.81 - 3.91 (m, 2 H) 4.18 (t, J=6.46 Hz, 2 H) 4.24 - 4.33(m, 2 H) 4.44 - 4.53 (m, 5 H) 4.53 - 4.60 (m, 2 H) 4.97 (d, J=6.84 Hz, 1 H) 5.06 (d, J=6.34 Hz, 1 H) 6.41(s, 1 H) 6.44 (s, 1 H) 7.41 - 7.50 (m, 4 H) 7.71 (dd, J=2.66, 1.14 Hz, 2 H) 8.06 (br. s., 2 H)。LCMS (UV210-350nmによる純度100%;m/z):843.3 [M + H]+。キラル分析HPLCによるエナンチオマー過剰率>98%ee。αD20 - 24 (c 0.1, MeOH)。
実施例33 (第2溶出異性体):
白色固体としての、(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(227mg、0.269mmol)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.26 (t, J=7.1 Hz, 3 H) 1.27 (t, J=7.1 Hz, 3 H) 1.83 (quin, J=6.21 Hz, 2 H) 2.10 (s, 3 H) 2.11 (s, 3 H) 3.50 (s, 3 H) 3.50 - 3.56 (m, 5 H) 3.80 (s, 3 H) 3.81 - 3.92 (m, 2 H) 4.18 (t, J=6.34 Hz, 2 H) 4.24 - 4.33 (m, 2 H) 4.44 - 4.52 (m, 5 H) 4.53 - 4.61 (m, 2 H) 4.97 (d, J=6.84 Hz, 1 H) 5.06 (d, J=6.34 Hz, 1 H) 6.41 (s, 1 H) 6.44 (s, 1 H) 7.41 - 7.50 (m, 4 H) 7.71 (dd, J=2.53, 1.01 Hz, 2 H) 8.06 (br. s., 2 H)。LCMS (純度UV210-350nmによる純度;m/z):843.3 [M + H]+。キラル分析HPLCによるエナンチオマー過剰率>98%ee。αD20 + 23 (c 0.1, MeOH)。
実施例34
(E)-1-(4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:tert-ブチル(E)-(4-((2-ブロモ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
25℃のイソプロパノール(30mL)中のtert-ブチル(E)-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(2.2g、11.81mmol)及びDIEA(4.37mL、25.00mmol)の溶液に、1-ブロモ-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン(2.5g、11.36mmol)を加えた。次いで、反応混合物を25℃で4日間攪拌した。反応混合物を濃縮した。得られた物質を、水とEtOAcとの間で分配した。水性層を分離し、EtOAc(1x)で抽出した。その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、tert-ブチル(E)-(4-((2-ブロモ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(4.6g、12mmol、収率100%)を黄色固体として得た。単離した物質を、任意のさらなる精製を行うことなく使用した。LCMS (m/z):332.0 ([M + H]+ - t-ブチル)。
ステップ2:tert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-6-ブロモフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
メタノール(50mL)中のtert-ブチル(E)-(4-((2-ブロモ-6-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(4.4g、11.39mmol)と塩化アンモニウム(6.09g、114mmol)との混合物に、亜鉛(7.45g、114mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で30分間攪拌した。この反応混合物を濾過して濃縮した。単離した残留物を、EtOAcと水との間で分配した。水性層を分離し、有機層を水で2回洗浄した。合わせた水性層をEtOAc(1x)で抽出した。その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗表題化合物(4.0g、約11.23mmol)を淡茶色の油状物として得た。LCMS (UV210-350nmによる純度77%;m/z):356.1 [M + H]+。この生成物を、任意のさらなる精製を行うことなく利用した。
ステップ3:tert-ブチル(E)-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート
室温のDMF(40mL)中のtert-ブチル(E)-(4-((2-アミノ-6-ブロモフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(4.0g、11.23mmol)の溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(1,4-ジオキサン中1M、12.4mL、12.40mmol)の溶液を加えた。その後、反応混合物を45分間攪拌した。次いで、反応混合物に、EDC(3.23g、16.84mmol)及びTEA(4.7mL、33.7mmol)を室温で加えた。2時間攪拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、水(2x)で洗浄した。合わせた水性層を、EtOAc(1x)で再度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を順相クロマトグラフィー(ISCO CombiFlash(登録商標)、120gのGoldカラム、DCM/MeOH)により精製し、溶媒の蒸発後、表題化合物(4.5g、8.70mmol、収率77%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS (m/z):517.2 [M + H]+。
ステップ4:(E)-N-(1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、塩酸塩
室温のメタノール(10mL)中のtert-ブチル(E)-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)カルバメート(1.1g、2.126mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、5.00mL、20mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、ジエチルエーテルに懸濁した。得られた固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、その後乾燥して、(E)-N-(1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、塩酸塩(1.06g)を白色固体として得た。単離した物質を、任意のさらなる精製を行うことなく利用した。LCMS (m/z):417.1 [M + H]+。
ステップ5:(E)-N-(7-ブロモ-1-(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
室温のイソプロパノール(10mL)中の(E)-N-(1-(4-アミノブタ-2-エン-1-イル)-7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、塩酸塩(0.965g、2.126mmol)及び4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(0.431g、2.339mmol)の懸濁液に、DIEA(0.780mL、4.46mmol)を加えた。反応混合物を70℃で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、固体をフィルター上で回収した。固体をイソプロパノールで洗浄し、乾燥して、(E)-N-(7-ブロモ-1-(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(1.2g、2.06mmol、収率97%)を黄色固体として得た。単離した物質を、任意のさらなる精製を行うことなく利用した。LCMS (m/z):581.1 [M + H]+。
ステップ6:(E)-N-(1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
メタノール(15mL)中の(E)-N-(7-ブロモ-1-(4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(1.2g、2.064mmol)及び塩化アンモニウム(1.1g、20.56mmol)の溶液に、亜鉛(1.3g、19.88mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で8時間攪拌した。さらなる10当量の塩化アンモニウム(1.1g、20.56mmol)及び亜鉛(1.3g、19.88mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。還元が依然として不完全であったため、酢酸(1.5mL)を加え、その後室温で30分間攪拌した。
反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。単離した物質を、EtOAcと水との間で分配した。出現する固体をフィルター上で回収し、EtOAcと水で洗浄した。次いで、濾液を分液漏斗に入れた。水性層をEtOAc(1x)で抽出した。その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。この残留物と上記で単離した固体をMeOHに溶解し、Celite上に蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(乾燥ロード、40gカラム、0~10%MeOH/DCMの勾配)により、オフホワイト色の固体(911mg、約1.6mmol)を、(E)-N-(1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(LCMS (m/z):551.2 [M + H]+)とその脱臭素化副生成物との3:1混合物として得た。単離した物質を次の反応に直接使用した。
ステップ7:(E)-1-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温のDMF(10mL)中の(E)-N-(1-(4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)ブタ-2-エン-1-イル)-7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール2-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(911mg、約1.6mmol、約25%不足した臭素原子を含む)の溶液に、1,4-ジオキサン中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(1.82mL、1.82mmol)の1M溶液を加えた。次いで、反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。その後、EDC(633mg、3.30mmol)及びTEA(0.921mL、6.61mmol)を室温で加えた。室温で一晩攪拌した後、反応混合物をEtOAcと水で希釈した。懸濁した固体を濾過し、EtOAc、水、EtOAc、その後ジエチルエーテルで洗浄した。オフホワイト色の固体を乾燥し、(E)-1-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(883mg、約1.2mmol、収率75%、LCMS (m/z):712.2 [M + H]+)と対応する脱臭化物類似体との85:15混合物を得た。この物質をさらなる精製を行うことなく使用した。
ステップ8:(E)-1-((E)-4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温のDMF(10mL)中の(E)-1-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(816mg、1.145mmol、脱臭化物不純度約15%)及び炭酸セシウム(1.5g、4.60mmol)の混合物に、ヨードメタン(0.143mL、2.29mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で4時間攪拌した。さらなるヨードメタン(0.143mL、2.290mmol)を加え、反応混合物を室温で45時間攪拌した。水とEtOAcを加えて固体(345mg、未反応出発物質)を生成した。濾液を分離し、水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。分取HPLC(30mmx50mm Gemini C18、0.1%TFA調整剤を有するACN/水の勾配)により精製し、(E)-1-((E)-4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(107mg、0.144mmol、収率12.6%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.09 (d, J=1.3 Hz, 1 H), 8.03 (br. s., 1 H), 7.81 (dd, J=1.5, 8.3 Hz, 1 H), 7.60 (dd, J=0.8, 8.0 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.45 (dd, J=0.8, 8.0 Hz, 2 H), 7.23 (t, J=8.2 Hz, 1 H), 6.45 (s, 1 H), 6.39 (s, 1 H), 5.95 (td, J=4.8, 15.7 Hz, 1 H), 5.56 (td, J=5.8, 15.7 Hz, 1 H)、5.01 (d, J=3.8 Hz, 2 H), 4.78 (d, J=5.5 Hz, , 2 H), 4.49 - 4.38 (m, 4 H), 3.97 (s, 2 H), 3.51 (s, 3 H), 2.13 (s, 3 H), 2.11 (s, 3 H), 1.15-1.28 (m, 6 H)。LCMS (m/z):740.3 [M + H]+。
ステップ9:(E)-1-(4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
tert-ブタノール(0.8mL)及び水(0.2mL)中の(E)-1-((E)-4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(54mg、0.073mmol)の懸濁液に、NMO(26mg、0.22mmol)を加えた。室温で5分間攪拌した後、tert-ブタノール(0.183mL、0.015mmol)中の2.5%四酸化オスミウムを加え、室温で2時間攪拌を続けた。反応混合物を濾過し、濾液を逆相HPLC(30mmx50mm Gemini C18、0.1%水酸化アンモニウム調整剤を有するACN/水の勾配)により直接精製した。(E)-1-(4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(37mg、0.48mmol、収率65%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.09 - 8.00 (m, 2 H), 7.85 (dd, J=1.5, 8.4 Hz, 1 H), 7.61 - 7.56 (m, 2 H), 7.48 - 7.39 (m, 2 H), 7.23 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 6.47 (d, J=7.1 Hz, 2 H), 5.36 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 5.11 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 4.71 (dd, J=9.1, 14.4 Hz, 1 H), 4.50 (quin, J=6.7 Hz, 4 H), 4.38 (dd, J=3.8, 14.4 Hz, 1 H), 4.30 - 4.15 (m, 2 H), 4.04 - 3.89 (m, 2 H), 3.57 (s, 3 H), 3.51 (s, 3 H), 2.11 (s, 3 H), 2.15 (s, 3 H), 1.34 - 1.21 (m, 6 H)。LCMS (m/z):774.3 [M + H]+)。
実施例35
(2E,2'E)-1,1'-((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
ステップ1:4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)
1-ブタノール(10mL)中の4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(0.985g、5.35mmol)の混合物に、(2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジアミン(0.46g、2.61mmol)とDIEA(1.82mL、10.4mmol)を加えた。混合物を110℃で2時間攪拌した。室温に冷却するときに、固体をフィルター上で回収し、ジエチルエーテルと2-プロパノールとの混合物(1:1)で洗浄し、乾燥して、4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド) (0.63g、1.25mmol、収率48%)を橙色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.13 (t, J=7.0 Hz, 6 H), 3.45 - 3.74 (m, 8 H), 3.79 - 3.89 (m, 2 H), 7.17 (d, J=9.1 Hz, 2 H), 7.31 (br. s., 2 H), 8.02 (dd, J=8.9, 2.0 Hz, 4 H), 8.56 (t, J=5.2 Hz, 2 H), 8.66 (d, J=2.0 Hz, 2 H)。LCMS (m/z):505.1 [M + H]+。
ステップ2:4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)
100mL丸底フラスコに、4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-ニトロベンズアミド)(0.63g、1.25mmol)とメタノール(20mL)を加えた。この混合物に、10mL飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。この混合物に亜鉛(0.812g、12.5mmol)を加え、不均一混合物を室温で15分間攪拌した。混合物を、MeOHを用いてフィルターを通過させてすすぎ、その後濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(24gカラム、調整剤として1%水酸化アンモニウムを有する6~20%MeOH/DCMの勾配)により、4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(0.446g、1.00mmol、収率80%)を淡黄色の固体として得た。LCMS (m/z):445.4 [M + H]+。
ステップ3:1,1'-((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
DMF(20mL)中の4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノベンズアミド)(0.446g、1.00mmol)の溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約0.4M、5.02mL、2.00mmol)を加えた。混合物を15分間攪拌した。EDC(0.481g、2.51mmol)及びTEA(0.699mL、5.02mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間攪拌した。この混合物を、3:1の水:飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)に注ぎ入れた。微細固体が直ぐに形成され、さらに10分間攪拌を続けた。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、1,1'-((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(0.539mg、0.701mmol、収率70%)を白色固体として得た。LCMS (m/z):767.5 [M + H]+。
ステップ4:(2E,2'E)-1,1'-((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)
DMF(5mL)中の1,1'-((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(0.09g、0.117mmol)の溶液に、炭酸セシウム(0.103g、0.317mmol)及びヨウ化メチル(0.018mL、0.282mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌した。さらなる炭酸セシウム(0.019g、0.059mmol)及びヨウ化メチル(0.015mL、0.235mmol)を加えた。混合物を50℃で1時間攪拌した。反応物を水で希釈し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。質量指向型HPLC(XSelect CSH Prep C18、5um、調整剤として0.1%TFAを有する15~55%ACN/水の勾配)を使用して生成物を精製した。画分を合わせ、ACNを除去した。水性相を、飽和重炭酸アンモニウム溶液で塩基性化した。得られた固体を濾過し、凍結乾燥機で乾燥して、(2E,2'E)-1,1'-((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)(13mg、0.016mmol、収率14%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.01 - 8.15 (m, 4 H) 7.80 - 7.93 (m, 2 H) 7.61 (d, J=8.36 Hz, 2 H) 7.46 (br. s., 2 H) 6.51 (s, 2 H) 4.46 - 4.62 (m, 6 H) 4.38 (dd, J=14.45, 8.87 Hz, 2 H) 3.78 - 3.93 (m, 2 H) 3.60 (s, 6 H) 3.25 - 3.33 (m, 2 H) 3.02 (dd, J=9.38, 7.10 Hz, 2 H) 2.12 (s, 6 H) 1.31 (t, J=7.10 Hz, 6 H) 0.59 (t, J=6.97 Hz, 6 H)。LCMS (m/z):795.3 [M + H]+。
実施例36
(E)-1-(((4R,5R)-5-(((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:4-((((4R,5R)-5-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-5-ニトロベンズアミド
1-ブタノール(20mL)中の((4R,5R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4,5-ジイル)ジメタンアミン(1g、6.24mmol)と3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-クロロ-5-ニトロベンズアミド(2.049g、5.62mmol)の溶液に、DIEA(3.27LmL、18.72mmol)を加えた。反応混合物を120℃で16時間攪拌した。混合物を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出勾配 DCM中0~30%MeOH)により精製した。純粋画分を蒸発乾固し、4-((((4R,5R)-5-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(1.5g、2.76mmol、収率44.3%)を赤色ガム状物として得た。LCMS (m/z):489 [M + H]+。
ステップ2:3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-((((4R,5R)-5-(((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド
DMSO(15mL)中の4-((((4R,5R)-5-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-5-ニトロベンズアミド(1.4g、2.87mmol)と4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(0.580g、3.15mmol)の溶液に、K2CO3(0.792g、5.73mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ入れた。沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-((((4R,5R)-5-(((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(1.4g、1.931mmol、収率67.4%)を橙色の固体として得た。LCMS (m/z):653 [M + H]+。
ステップ3:3-アミノ-4-((((4R,5R)-5-(((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-5-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)ベンズアミド
酢酸(20mL)中の3-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-4-((((4R,5R)-5-(((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(1.35g、2.068mmol)の溶液に、亜鉛(1.352g、20.68mmol)を加えた。反応混合物を25℃で3時間攪拌した。混合物をDCM(50mL)で希釈して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗製の3-アミノ-4-((((4R,5R)-5-(((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-5-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)ベンズアミド(1.3g、1.755mmol、収率85%)を灰色の固体として得た。LCMS (m/z):593 [M + H]+。
ステップ4:2-アミノ-1-(((4R,5R)-5-((2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
メタノール(20mL)中の3-アミノ-4-((((4R,5R)-5-(((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)アミノ)-5-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)ベンズアミド(1.35g、2.278mmol)の溶液に、臭化シアン(0.724g、6.83mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をジエチルエーテル(30mL)で希釈した。この混合物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、2-アミノ-1-(((4R,5R)-5-((2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(800mg、1.12mmol、収率49.2%)を灰色の固体として得た。LCMS (m/z):643 [M + H]+。
ステップ5:7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1-(((4R,5R)-5-((5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(10mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(336mg、2.178mmol)、2-アミノ-1-(((4R,5R)-5-((2-アミノ-5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(700mg、1.089mmol)及びDIPEA(0.951mL、5.45mmol)の混合物に、HATU(1035mg、2.72mmol)を加えた。反応混合物を60℃で16時間攪拌した。混合物を水に注ぎ入れた。沈殿物を濾過により回収し、水とジエチルエーテルで洗浄し、その後真空下で乾燥し、7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1-(((4R,5R)-5-((5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(800mg、0.743mmol、収率68.2%)を茶色の固体として得た。LCMS(UVによる純度約85%、m/z):915 [M + H]+。
ステップ6:1-(((4R,5R)-5-((5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
メタノール(20mL)中の7-(3-(ベンジルオキシ)プロポキシ)-1-(((4R,5R)-5-((5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(650mg、0.710mmol)の溶液に、Pd-C(756mg、7.10mmol)を加えた。この反応物を、H-cube(4気圧)を用いて60℃で72時間水素化した。混合物をDMF(20mL)で希釈した。この混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(Gemini-C18カラム、5μシリカ、21x150mm;0.1%TFA調整剤を有するACN/水の30~40%勾配)により精製し、1-(((4R,5R)-5-((5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(30mg、0.035mmol、収率4.9%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 7.58 (s, 1 H), 7.48 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.33 (s, 1 H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 6.89 (s, 1 H), 6.58 (s, 2 H), 5.11 - 4.99 (m, 1 H), 4.93 (s, 1 H), 4.61 (dqd, J = 26.0, 13.2, 6.9 Hz, 5 H), 4.46 - 4.36 (m, 1 H), 4.31 (dd, J = 13.4, 3.2 Hz, 1 H), 4.19 (dd, J = 14.0, 3.4 Hz, 1 H), 4.03 (dd, J = 15.1, 6.4 Hz, 1 H), 3.88 (dd, J = 14.9, 6.4 Hz, 1 H), 3.83 - 3.72 (m, 1 H), 2.23 (s, 3 H), 2.18 (s, 3 H), 2.05 (dd, J = 11.5, 5.9 Hz, 2 H), 1.64 (d, J = 10.3 Hz, 6 H), 1.50 - 1.28 (m, 6 H)。LCMS (m/z):825 [M + H]+。
ステップ7:(E)-1-(((4R,5R)-5-(((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(0.5mL)中の1-(((4R,5R)-5-((5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)メチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(21mg、0.025mmol)と炭酸セシウム(24.88mg、0.076mmol)の氷浴冷却混合物に、ヨウ化メチル(4μL、0.064mmol)を加えた。氷浴を取り外し、混合物を室温で16時間攪拌した。濾過後、濾液を、質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、アンモニアでpH10に調整したMeCN/10mM重炭酸アンモニウムの30~85%勾配)により直接精製した。純粋画分の濃縮により、表題化合物(12mg、0.014mmol、収率55%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.28 - 1.35 (m, 12 H) 1.89 - 1.94 (m, 2 H) 2.08 (s, 3 H) 2.13 (s, 3 H) 3.28 (s, 3 H) 3.30 (s, 3 H) 3.53 - 3.57 (m, 2 H) 4.01 - 4.07 (m, 1 H) 4.11 - 4.16 (m, 1 H) 4.27 - 4.31 (m, 2 H) 4.37 (dd, J=12.67, 4.31 Hz, 1 H) 4.49 - 4.56 (m, 6 H) 4.60 - 4.66 (m, 2 H) 6.59 (d, J=7.10 Hz, 2 H) 7.27 (s, 1 H) 7.42 - 7.50 (m, 4 H) 7.72 (dd, J=8.49, 1.39 Hz, 1 H) 7.79 (s, 1 H) 8.05 (d, J=16.48 Hz, 2 H)。LCMS (m/z):853.4 [M + H]+。
実施例37
(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-イソプロピル-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-ブロモ-5-ニトロベンズアミド
室温のエタノール(30mL)中の3-ブロモ-4-フルオロ-5-ニトロベンズアミド(1.4g、5.32mmol)と2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン、2塩酸塩(1.3g、5.58mmol)の溶液に、DIEA(3.53mL、20.23mmol)を加えた。次いで、反応混合物を70℃に温め、4時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、その後濃縮した。得られた物質を水とEtOAcとの間で分配した。水性層を分離し、EtOAc(1x)で抽出した。次いで、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-ブロモ-5-ニトロベンズアミド(2.15g、5.3mmol、収率100%)を黄色固体として得た。この固体をさらなる精製を行うことなく使用した。LCMS (m/z):403.0 [M + H]+。
ステップ2:3-ブロモ-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド
室温のエタノール(25mL)中の4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(1.5g、8.15mmol)と4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-ブロモ-5-ニトロベンズアミド(2.15g、5.3mmol)の懸濁液に、DIEA(2.8mL、16.03mmol)を加えた。次いで、反応混合物を80℃に温め、48時間攪拌した。その後、反応混合物を室温に冷却して濾過した。固体をEtOHで洗浄し、その後乾燥して、3-ブロモ-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(2.6g、4.58mmol、収率86%)を黄色固体として得た。LCMS (m/z):567.0 [M + H]+。
ステップ3:4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-ニトロ-5-(プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド
室温のDMF(2.5mL)及び水(0.25mL)中の3-ブロモ-4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-ニトロベンズアミド(300mg、0.529mmol)、トリフルオロ(プロパ-1-エン-2-イル)-l4-ボラン、カリウム塩(196mg、1.322mmol)及びK3PO4(393mg、1.851mmol)を含む40mLシンチレーションバイアルに、PdCl2(dppf)-CH2Cl 付加物(44mg、0.054mmol)を加えた。次いで、この反応容器を排気し、窒素で埋め戻した。その後、反応混合物を80℃に温め、一晩撹拌した。室温に冷却するとき、混合物をEtOAcと水で希釈した。この二相混合物をCeliteのパッドに通して濾過した。次いで、水性層を分離し、有機層を水で(さらに2回)洗浄した。その後、合わせた水性層をEtOAc(1x)で逆抽出した。合わせた有機層を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮した。残留物を順相シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCMの0~20%勾配)により精製し、4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-ニトロ-5-(プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド(111mg、0.211mmol、収率40%)を橙色の固体として得た。この固体をさらなる精製を行うことなく使用した。LCMS (m/z):529.2 [M + H]+。
ステップ4:3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-イソプロピルベンズアミド
窒素下のメタノール(20mL)中の4-((4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-ニトロ-5-(プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド(121mg、0.229mmol)の溶液に、10%Pd/C(26mg、0.024mmol)を加えた。容器の雰囲気を水素(バルーン)に置換し、混合物を一晩撹拌した。水素の除去後、LCMS分析は、オレフィンの還元が不完全であることを明らかにした。Pd触媒を濾過により除去し、混合物を濃縮した。次いで、残留物をメタノール(20mL)に溶解し、さらに還元した(H-Cube、50psi水素、30℃、1時間、Pd/Cカートリッジ)。溶媒の蒸発後、低純度(UVにより約40%)の淡茶色の固体を得(72mg)、さらに精製することなく使用した。LCMS (m/z):471.1 [M + H]+。
ステップ5:1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-イソプロピル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温のDMF(1.5mL)中の3-アミノ-4-((4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-イソプロピルベンズアミド(72mg、純度約40%)の溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネートの溶液(1,4-ジオキサン中1M、0.306mL、0.306mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で1時間攪拌した。その後、この混合物に、EDC(110mg、0.574mmol)とTEA(0.160mL、1.148mmol)を室温で加えた。一晩攪拌した後、混合物を濾過し、濾液を質量指向型逆相HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水の30~85%勾配)により直接精製し、1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-イソプロピル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(31mg、0.039mmol、収率26%)を得た。LCMS (m/z):793.4 [M + H]+。
ステップ6:(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-イソプロピル-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温のDMF(1mL)中の1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-イソプロピル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(22mg、0.028mmol)及び炭酸セシウム(46mg、0.141mmol)の混合物に、ヨードメタン(5μL、0.080mmol)を加えた。次いで、反応混合物を5時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を質量指向型逆相HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.075%NH4OH、10mM重炭酸アンモニウム(pH10)を有するMeCN/水の15~55%勾配)により直接精製し、(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-イソプロピル-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(6mg、7.3umol、収率26%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.14 - 8.05 (m, 3 H), 7.97 - 7.85 (m, 3 H), 7.66 - 7.57 (m, 1 H), 7.54 - 7.43 (m, 2 H), 6.52 (s, 2 H), 5.33 - 5.12 (m, 4 H), 4.55 - 4.45 (m, 4 H), 3.61 (s, 3 H), 3.56 (s, 3 H), 2.13 (s, 3 H), 2.12 (s, 3 H), 1.30 - 1.19 (m, 13 H)。LCMS (m/z):821.4 [M + H]+。
実施例38
(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-(4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド
室温の1-ブタノール(40mL)中の4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(1.2g、3.56mmol)と2,2,3,3-テトラフルオロブタン-1,4-ジアミン、2塩酸塩(1g、4.29mmol)の懸濁液に、重炭酸ナトリウム(1.078g、12.83mmol)を加えた。次いで、反応混合物を120℃に温め、5日間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水でクエンチした。水性相をEtOAc(3x)で抽出した。形成したエマルションをCeliteのケーキに通して濾過した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、Celite上に濃縮した。順相クロマトグラフィー(40gカラム、0~8%MeOH/DCMの勾配)により、4-((4-アミノ-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(349mg、0.758mmol、収率21.3%)を橙色の固体として得た。LCMS (m/z):461.2 [M + H]+。
ステップ2:3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロ-4-((2,2,3,3-テトラフルオロ-4-((2-ニトロフェニル)アミノ)ブチル)アミノ)ベンズアミド
室温の1-ブタノール(4mL)中の1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(0.16mL、1.52mmol)と1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(0.16mL、1.52mmol)の懸濁液に、重炭酸ナトリウム(191mg、2.27mmol)を加えた。次いで、反応混合物を80℃に温め、12日間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水でクエンチした。水性層をEtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮した。残留物をDCMに懸濁した。その後、固体を濾過し、DCMで洗浄し、乾燥して、3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロ-4-((2,2,3,3-テトラフルオロ-4-((2-ニトロフェニル)アミノ)ブチル)アミノ)ベンズアミド(330mg、0.569mmol、収率75%)を橙色の固体として得た。LCMS (m/z):582.2 [M + H]+。
ステップ3:3-アミノ-4-((4-((2-アミノフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド
室温のメタノール(5mL)中の3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロ-4-((2,2,3,3-テトラフルオロ-4-((2-ニトロフェニル)アミノ)ブチル)アミノ)ベンズアミド(328mg、0.564mmol)と塩化アンモニウム(302mg、5.64mmol)の溶液に、亜鉛(369mg、5.64mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をCeliteに通して濾過し、濃縮して、水とEtOAcとの間で分配した。水性層を分離し、EtOAc(1x)で抽出した。その後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残留物をDCMに懸濁した。固体を濾過し、DCMで洗浄し、乾燥して、不純な表題化合物(70mg、収率約24%)を得た。濾液を濃縮し、残留物を質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.075%NH4OH、10mM重炭酸アンモニウム(pH10)を有するMeCN/水の15~55%勾配)により精製し、純粋な3-アミノ-4-((4-((2-アミノフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド(92mg、0.18mmol、収率31%)を淡茶色の固体として得た。LCMS (m/z):522.3 [M + H]+。
ステップ4:2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
0℃のDMF(1mL)中の3-アミノ-4-((4-((2-アミノフェニル)アミノ)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド(92mg、0.176mmol)の溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(1,4-ジオキサン中1M、0.370mL、0.370mmol)の溶液を加えた。その後、反応混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、この反応混合物に、EDC(127mg、0.662mmol)とTEA(0.184mL、1.323mmol)を室温で加えた。その後、反応混合物を2時間攪拌した。混合物を水で希釈した。固体を濾過し、DCMと水で洗浄し、乾燥して、2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(85mg、0.10mmol、収率57%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS (m/z):844.4 [M + H]+。
ステップ5:(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-(4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
室温のDMF(1mL)中の2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1-(4-(2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(65mg、0.077mmol)と炭酸セシウム(125mg、0.385mmol)の混合物に、ヨードメタン(0.012mL、0.19mmol)を加えた。次いで、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を質量指向型逆相HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.075%NH4OH、10mM重炭酸アンモニウム(pH10)を有するMeCN/水の50~99%勾配)により直接精製し、(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-(4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,2,3,3-テトラフルオロブチル)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(33mg、0.038mmol、収率49%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.10 (s, 1 H), 7.78 (d, J=1.0 Hz, 1 H), 7.68 - 7.65 (m, 1 H), 7.61 (dd, J=1.9, 7.0 Hz, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 7.48 - 7.33 (m, 5 H), 6.77 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 6.49 (d, J=0.8 Hz, 2 H), 5.25 - 5.09 (m, 4 H), 4.72 (t, J=16.6 Hz, 2 H), 4.49 (q, J=7.0 Hz, 4 H), 3.58 (s, 6 H), 3.49 (s, 3 H), 2.12 (s, 3 H), 2.11 (s, 3 H), 1.23 (t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):872.4 [M + H]+。
実施例39
(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-((テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(1mL)中の(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-ヒドロキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(49mg、0.063mmol)の溶液に、3-(ブロモメチル)テトラヒドロフラン(20.95mg、0.127mmol)を加え、その後炭酸カリウム(11.40mg、0.083mmol)を加えた。反応混合物を90℃で24時間攪拌した。混合物を、分取HPLC(Phenomenex Eclipse、5umパッキング、50x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水の25~55%勾配)により直接精製した。対応する画分をプールして真空中で濃縮した。残留物をEtOAcと重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で蒸発させて、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-((テトラヒドロフラン-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(22.5mg、0.027mmol、収率42.6%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.11 - 8.15 (m, 1 H), 8.05 - 8.11 (m, 1 H), 7.99 - 8.05 (m, 1 H), 7.79 (s, 2 H), 7.50 (br. s., 3 H), 7.18 - 7.28 (m, 1 H), 6.46 (s, 1 H), 6.37 (s, 1 H)、5.06 (br. s., 2 H), 4.86 (br. s., 2 H), 4.42 - 4.56 (m, 4 H), 3.97 - 4.12 (m, 2 H), 3.65 - 3.73 (m, 1 H), 3.59 (s, 3 H), 3.57 (s, 3 H), 3.45 - 3.53 (m, 2 H), 2.11 (s, 3 H), 2.08 (s, 3 H), 1.62 (br. s., 4 H), 1.48 (br. S., 4 H), 1.15 - 1.36 (m, 8 H)。LCMS (m/z):833.5 [M + H]+。
実施例40
(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-ヒドロキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DCM(8mL)中の(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(400mg、0.484mmol)の溶液に、HClの溶液(ジオキサン中4M、0.726mL、2.91mmol)を滴下添加した。大部分のDCMを真空中で除去した。1,4-ジオキサン(8mL)及びさらなるHCl溶液(ジオキサン中4M、0.726mL、2.91mmol)を加えた。容器を超音波処理し、2.5時間勢いよく攪拌した(依然としてガム状物が存在し、反応は不完全であった)。混合物を真空中で再度濃縮し、THF(6mL)及び水(1mL)に再懸濁した。さらなるHCl溶液(ジオキサン中4M、0.726mL、2.91mmol)を加え、混合物を3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、20%メタノール/DCM(6mL)に溶解した。この均一溶液にHCl溶液(ジオキサン中4M、0.726mL、2.91mmol)を加え、混合物を30分間攪拌した。副生成物が形成したため、溶媒を再度蒸発させ、3:1のDCM:エタノール(8mL)とさらなるHCl溶液(ジオキサン中4M、0.726mL、2.91mmol)との混合物と置換した。反応混合物を室温で48時間攪拌した。この混合物を濃縮し、10%メタノール/DCMと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で分配した。水性層を3:1のCHCl3:EtOHで2回抽出した。合わせた有機相を濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(12gシリカ;10~90%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタン)により部分的に精製した。粗固体を数mLのDMSOに懸濁した。未溶解の固体を濾過し、DCMで洗浄し、乾燥し、さらなる類似体の合成のために十分に純粋(約90%、149mg)であることが見出された。その後、溶解した物質を質量指向型HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するMeCN/水の15~55%勾配)により精製した。各清浄画分に、数滴の飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えた。窒素流を用いてACNを除去した。懸濁した固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥して、純粋な(E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-1-((E)-4-((E)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-ヒドロキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(11.2mg、0.016mmol、3.2%)を白色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ ppm 8.10 (s, 1 H), 7.99 (br. s., 1 H), 7.78 (dd, J=8.4, 1.4 Hz, 1 H), 7.42 (br. s., 1 H), 7.20 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 7.12 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.01 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.75 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.48 (s, 1 H 6.32 (s, 1 H)、5.08 (s, 2 H), 4.82 (s, 2 H), 4.44-4.57 (m, 4 H), 3.58 (s, 3 H), 3.51 (s, 3 H), 2.14 (s, 3 H), 2.07 (s, 3 H), 1.65 (s, 3 H), 1.48 (s, 3 H), 1.30 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.25 (t, J=7.2 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):706.4 [M + H]+。
実施例41
(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジエトキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:4-(((2S,3S)-4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジエトキシブチル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド
1-ブタノール(15mL)中の4-クロロ-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(1.55g、4.60mmol)の混合物に、(2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジアミン(1.01g、5.75mmol)及びDIEA(2.41mL、13.8mmol)を加えた。混合物を120℃で2時間攪拌した。次いで、4-フルオロ-3-ニトロベンズアミド(0.848g、4.60mmol)を加えた。混合物を120℃で18時間攪拌した。この混合物を冷却し、濾過して懸濁固体を除去した。溶媒の除去後、シリカゲルクロマトグラフィー(40gシリカ、5~20%MeOH/DCMの勾配)により、4-(((2S,3S)-4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジエトキシブチル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(0.86g、収率約25%、約20%の対称性ビスPMB保護された副生成物が混入)を橙色の固体として得た。LCMS (m/z):641.2 [M + H]+。
回収した沈殿物から、他の実施例を調製するために使用することができる4,4'-(((2S,3S)-2,3-ジエトキシブタン-1,4-ジイル)ビス(アザンジイル))ビス(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド) (423mg、0.545mmol、収率12%、LCMS (m/z):777.5 [M + H]+)を得た。
ステップ2:3-アミノ-4-(((2S,3S)-4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジエトキシブチル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド
100mL丸底フラスコに、4-(((2S,3S)-4-((4-カルバモイル-2-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジエトキシブチル)アミノ)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-5-ニトロベンズアミド(0.86g、1.342mmol)とメタノール(20mL)を加えた。この混合物に、10mL飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。この混合物に、亜鉛(0.878g、13.42mmol)を加え、不均一混合物を室温で15分間攪拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOHですすいだ。濾液を濃縮した。
粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24グラムシリカ、調整剤として1%NH4OHを有する6~20%MeOH/DCMの勾配)により精製し、3-アミノ-4-(((2S,3S)-4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジエトキシブチル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド(0.127g、16%)を淡黄色固体として得た。LCMS (m/z):581.3 [M + H]+。
ステップ3:1-((2S,3S)-4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジエトキシブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(6mL)中の3-アミノ-4-(((2S,3S)-4-((2-アミノ-4-カルバモイルフェニル)アミノ)-2,3-ジエトキシブチル)アミノ)-5-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアミド(0.127g、0.219mmol)の溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約0.4、1.094mL、0.437mmol)を加えた。混合物を15分間攪拌した。EDC(0.105g、0.547mmol)及びTEA(0.152mL、1.094mmol)を加え、反応物を50℃で18時間攪拌した。反応混合物を3:1の水:飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ入れた。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、1-((2S,3S)-4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジエトキシブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.142g、0.157mmol、収率72%)を固体として得た。LCMS (m/z):903.3 [M + H]+。
ステップ4:(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジエトキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(5mL)中の1-((2S,3S)-4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジエトキシブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(0.112g、0.124mmol)の溶液に、炭酸セシウム(0.121g、0.372mmol)とヨウ化メチル(0.031mL、0.496mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物を、質量指向型逆相HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.075%NH4OH、10mM重炭酸アンモニウム(pH10)を有するMeCN/水の15~55%勾配)を使用して精製した。純粋画分を合わせ、濃縮して、(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジエトキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-((4-メトキシベンジル)オキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(34mg、0.36mmol、収率29%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.00 - 8.25 (m, 3 H) 7.86 (dd, J=8.49, 1.39 Hz, 1 H) 7.77 (d, J=1.01 Hz, 1 H) 7.62 (s, 1 H) 7.36 - 7.53 (m, 5 H) 6.75 (d, J=8.62 Hz, 2 H) 6.49 (d, J=6.84 Hz, 2 H) 5.22 (d, J=10.39 Hz, 1 H) 5.11 (d, J=10.65 Hz, 1 H) 4.44 - 4.69 (m, 5 H) 4.29 - 4.42 (m, 1 H) 3.93 - 4.06 (m, 1 H) 3.63 - 3.84 (m, 3 H) 3.58 (s, 3 H) 3.58 (s, 3 H) 3.40 (s, 3 H) 3.09 - 3.28 (m, 2 H) 2.80 - 2.94 (m, 2 H) 2.12 (s, 3 H) 2.10 (s, 3 H) 1.30 (t, J=7.10 Hz, 6 H) 0.58 (t, J=6.97 Hz, 3 H) 0.47 (t, J=6.97 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):931.4 [M + H]+。
表2は実施例43~92を示し、これらは以下に示される方法に従って調製することができる:
実施例90
(E)-1-((E)-4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-3-((4-((2-ブロモ-6-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-4-ニトロベンズアミド
1-ブタノール(25mL)中の(E)-4-((4-アミノ-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-3-ニトロベンズアミド、塩酸塩(1.05g、3.34mmol)と1-ブロモ-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン(0.734g、3.34mmol)の明黄色懸濁液に、DIEA(1.75mL、10.01mmol)を加えた。反応物を80℃で5時間攪拌し、その後室温で16時間攪拌した。固体を濾過し、ブタノール(20mL)と水(3x20mL)ですすいだ。固体を乾燥し、表題化合物(1.16g、2.40mmol、収率72%)を橙色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.66 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 8.3-8.4 (m, 1 H), 7.99 (br s, 1 H), 7.9-8.0 (m, 1 H), 7.87 (dd, J=1.5, 7.8 Hz, 1 H), 7.81 (dd, J=1.5, 8.3 Hz, 1 H), 7.31 (br s, 1 H), 6.8-6.9 (m, 1 H), 6.77 (d, J=9.0 Hz, 1 H), 6.06 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 3.98 (br d, J=5.8 Hz, 2 H), 3.85 (d, J=6.0 Hz, 2 H), 1.64 (s, 3 H), 1.59 (d, J=1.3 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):478.2 [M + H]+。
ステップ2:(E)-4-アミノ-3-((4-((2-アミノ-6-ブロモフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド
氷水浴中で冷却したMeOH(50mL)中の(E)-3-((4-((2-ブロモ-6-ニトロフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)-4-ニトロベンズアミド(1.06g、2.216mmol)と塩化アンモニウム(1.778g、33.2mmol)の混合物に、亜鉛(1.449g、22.16mmol)を加え、反応混合物を室温で40分間攪拌した。混合物をCeliteに通して濾過し、メタノールですすいだ。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(24gシリカカラム;10~60%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタンの勾配、1%NH4OH溶液を付加、12分間;60%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタン、5分間)により精製した。最も純粋な画分を合わせて濃縮した。混合画分を濃縮し、再精製した(12gシリカカラム;10~55%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタンの勾配、NH4OH調整剤なし、10分間;55%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタン、5分間)。画分を合わせて乾燥し、表題化合物(571mg、1.09mmol、収率49.3%)を褐色の泡状物として得た。LCMS (m/z):418.3 [M + H]+、UV 210-350nmによる純度約80%)。
ステップ3:(E)-1-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
氷水浴中で冷却したDMF(10mL)中の(E)-4-アミノ-3-((4-((2-アミノ-6-ブロモフェニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(570mg、1.090mmol)の淡茶色溶液に、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニルイソチオシアネート(ジオキサン中約1M、2.18mL、2.18mmol)を素早く滴下添加した。15分間攪拌した後、EDC(522mg、2.73mmol)とTEA(0.760mL、5.45mmol)を加え、反応混合物を室温に温めて16時間攪拌した。攪拌された反応混合物に、5:1の水:飽和NH4Cl水溶液の溶液(120mL)を素早く加えた。得られた懸濁液を15分間急速に攪拌した。固体を濾過し、水(3x20mL)ですすいだ。固体をジエチルエーテル(15mL)中で30分間攪拌し、その後濾過し、ジエチルエーテルですすいだ。乾燥後、表題化合物(772mg、0.94mmol、収率86%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ:13.02 (br. s., 1 H), 12.90 (s, 1 H), 8.02 (s, 1 H), 7.94 (br. s., 1 H), 7.71 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.61 (d, J=7.9 Hz, 1 H), 7.44 (d, J=7.9 Hz, 1 H), 7.35 (br. s., 1 H), 7.26 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.19 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 6.64 (s, 1 H), 6.52 (s, 1 H), 5.26 (br. s., 2 H)、5.00 (br. s., 2 H), 4.53-4.63 (m, 4 H), 2.12 (s, 3 H), 2.10 (s, 3 H), 1.69 (br. s., 3 H), 1.63 (br. s., 3 H), 1.35 (t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.32 (t, J=7.1 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):740.2/742.4 [M + H]+、UV210-350nmによる純度約90%)。
ステップ4:(E)-1-((E)-4-((E)-7-ブロモ-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(15mL)中の(E)-1-(4-(7-ブロモ-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(760mg、0.923mmol)の溶液に、炭酸カリウム(319mg、2.309mmol)とヨウ化メチル(0.13mL、2.12mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈すると、塊状の固体が形成した。次いで、混合物をDCMと水との間で分配した。その後、有機相をブラインで洗浄し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(24gシリカカラム;10~60%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタンの勾配、1%NH4OHを付加、15分間;60%[3:1のEA:EtOH]/ヘプタン、1%NH4OHを付加、10分間)により精製し、溶媒の蒸発後、表題化合物(386mg、0.477mmol、収率51.7%)を淡橙色の泡状物として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ:8.08-8.12 (m, 1 H), 8.01 (br. s., 1 H), 7.80 (dd, J=8.4, 1.4 Hz, 1 H), 7.62-7.67 (m, 1 H), 7.49-7.53 (m, 1 H), 7.43 (br. s., 1 H), 7.25-7.34 (m, 2 H), 6.49 (s, 1 H), 6.44 (s, 1 H), 5.16 (s, 2 H), 4.89 (s, 2 H), 4.47-4.57 (m, 4 H), 3.59 (s, 3 H), 3.56 (s, 3 H), 2.13 (s, 3 H ), 2.12 (s, 3 H), 1.59 (s, 3 H), 1.50 (s, 3 H), 1.24-1.33 (m, 6 H)。LCMS (m/z):768.5/770.5 [M + H]+。
実施例91
(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
DMF(1.4mL)中の(E)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(125mg、0.147mmol、PCT国際出願のWO 2017175147の実施例14に記載されている調製法に従って調製することができる)と炭酸カリウム(44.7mg、0.324mmol)の懸濁液に、DMF(0.4mL)中のヨウ化メチル(0.019mL、0.31mmol)の溶液を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、その後水で希釈した。この混合物をジクロロメタン(3X)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残留物を、逆相質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するACN/水の15~55%勾配)により精製した。所望の生成物を含む画分を、塩基性PL-HCO3 MP SPEカートリッジに通過させた。溶出液を濃縮し、(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(45mg、0.051mmol、収率34.8%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ ppm 8.04 (br. s., 2H), 7.71-7.75 (m, 2H), 7.38-7.48 (m, 4H), 6.40 (s, 1H), 6.35 (s, 1H), 5.66-5.80 (m, 2H), 4.79-4.89 (m, 4H), 4.38-4.49 (m, 4H), 4.02 (br. t., J=6.3 Hz, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.47-3.54 (m, 10H), 2.18-2.29 (m, 6H), 2.12 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.64-1.72 (m, 2H), 1.18-1.25 (m, 6H)。LCMS (m/z):878.3 [M + H]+。
ステップ2:(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド
tert-ブタノール(1.2mL)及び水(0.3mL)中の(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(26mg、0.030mmol)とNMO(5.20mg、0.044mmol)の混合物に、tert-ブタノール(0.019mL、1.5μmol)中の2.5%四酸化オスミウムを加えた。混合物を室温で64時間攪拌し、その後濾過した。濾液を、質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するACN/水の15~55%勾配)により直接精製した。表題化合物を含む画分を、PL-HCO3 MP SPEカートリッジに通過させた。この溶出液を濃縮し、(E)-1-(4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-7-(3-モルホリノプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(11mg、0.012mmol、収率40.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.24 - 1.29 (m, 6 H) 1.81 - 1.86 (m, 2 H) 2.09 - 2.12 (m, 6 H) 2.27 (br. s., 4 H) 2.35 - 2.39 (m, 2 H) 3.47 - 3.53 (m, 10 H) 3.81 (s, 3 H) 3.82 - 3.93 (m, 2 H) 4.14 (t, J=6.40 Hz, 2 H) 4.26 - 4.33 (m, 2 H) 4.44 - 4.58 (m, 6 H) 4.98 (d, J=6.53 Hz, 1 H) 5.07 (d, J=6.02 Hz, 1 H) 6.39 (s, 1 H) 6.44 (s, 1 H) 7.41 - 7.48 (m, 4 H) 7.72 (dd, J=4.52, 1.00 Hz, 2 H) 8.05 (br. s., 2 H)。LCMS (m/z):912.2 [M + H]+。
実施例92
(E)-7-(3-アミノプロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、ギ酸塩
DMF(10mL)中の(E)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-ヒドロキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド(384mg、0.513mmol)、tert-ブチル(3-ブロモプロピル)カルバメート(733mg、3.08mmol)及びK2CO3(425mg、3.08mmol)の混合物を、90℃で9日間加熱した。LCMS分析は、O-アルキル化中間体への部分的変換が経時的に増加して9日目に約50%変換に達したことを示した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物を、質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%TFA調整剤を有するACN/水の15~55%勾配)により精製し、溶媒の蒸発後に100mgの茶色残留物を得た。この残留物は、N-Boc中間体と表題化合物との混合物であった(溶媒蒸発中にBoc基の除去を生じさせた)。残留物をメタノール(1mL)及び1,4-ジオキサン(2mL)に溶解し、超音波処理して茶色の溶液とし、その後HCl(ジオキサン中4M、1.282mL、5.13mmol)を加えた。この混合物を再度超音波処理し、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、DMSOに溶解し、その後質量指向型分取HPLC(XSELECT CSH C18、5umパッキング、150x30mmカラム、0.1%ギ酸調整剤を有するACN/水の15~55%勾配)により精製して、(E)-7-(3-アミノプロポキシ)-1-((E)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド、ギ酸塩(8.0mg、9.4μmol、収率1.8%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.36 (s, 1 H), 8.12 (s, 2 H), 8.05 (br. s., 1 H), 7.76-7.84 (m, 2 H), 7.53 (s, 1 H), 7.47 (s, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 7.25 (d, J =8.5 Hz, 1 H), 6.47 (s, 1 H), 6.32 (s, 1 H)、5.06 (s, 2 H), 4.85 (s, 2 H), 4.41-4.57 (m, 4 H), 4.22 (t, J =6.4 Hz, 2 H), 3.59 (s, 3 H), 3.56 (s, 3 H), 2.77 (t, J =6.9 Hz, 2 H), 2.12 (s, 3 H), 2.06 (s, 3 H), 1.84 (quin, J =6.5 Hz, , 2 H), 1.63 (s, 3 H), 1.49 (s, 3 H), 1.29 (t, J =7.1 Hz, 3 H), 1.24 (t, J =7.1 Hz, 3 H)。LCMS (m/z):806.3 [M + H]+。
表3は実施例93~109を示し、これらは以下に示される方法に従って調製することができる:
AlexaFluor-488 FRETアッセイリガンド
3',6'-ジアミノ-5-((2-(1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)エチル)カルバモイル)-3-オキソ-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9'-キサンテン]-4',5'-ジスルホン酸
1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸ジヒドロクロリド
室温のTHF(3.47mL)、MeOH(3.47mL)及び水(1.74mL)中のメチル1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレートビストリフルオロ酢酸塩(400mg、0.434mmol、PCT公開No. WO 2017175147中に記載されている実施例23)に、8M水酸化カリウム(1.09mL、8.68mmol)を加えた。一晩攪拌した後、反応物を濃縮し、水を加えた。混合物を7N水性HClでpH4~5に酸性化し、得られた灰色の固体を濾過により回収し、表題化合物(335mg、0.423mmol、収率97%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.82 - 12.95 (m, 3 H), 8.08 (s, 1 H), 7.99 (br. s., 2 H), 7.83 (d, J=8.34 Hz, 1 H), 7.78 (d, J=8.34 Hz, 1 H), 7.58 (t, J=7.33 Hz, 2 H), 7.36 (br. s., 1 H), 6.60 (d, J=4.80 Hz, 2 H), 4.58 (d, J=6.57 Hz, 4 H), 4.29 (br. s., 4 H,) 2.10 (s, 6 H), 1.88 (br. s., 4 H), 1.31 (t, J=6.95 Hz, , 6 H);LCMS:Rt = 0.83分, [M+H]+ = 680.5
ステップ1:N-(2-アミノエチル)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド トリフルオロ酢酸塩
1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸(10mg、0.015mmol)を、37℃のDMSO(300μL)に(超音波処理で)溶解した。これに、DMSO(100μL)中の(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-アミノエチル)カルバメート塩酸塩(6.9mg、0.022mmol)とHATU(7.6mg、0.020mmol)の溶液を加え、その後DIEA(10μL、0.057mmol)を加えた。一晩攪拌した後、反応物をDMF(600μL)で希釈し、4-メチルピペリジン(400μL)を加え、反応物を室温で1時間攪拌した。混合物を濃縮し、得られた残留物を1:1のDMSO:MeOH(<1mL)で希釈し、逆相クロマトグラフィー(Jupiter C18調製カラム、10mL/分)により精製し、水(0.1%TFA添加剤)中30~100%(9:1のACN:水)で溶出し、表題化合物(8.45mg、10.1μmol、収率69%)を得た。LCMS:Rt = 0.62分, [M+H]+ = 722.4
ステップ2:3',6'-ジアミノ-5-((2-(1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミド)エチル)カルバモイル)-3-オキソ-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9'-キサンテン]-4',5'-ジスルホン酸
N-(2-アミノエチル)-1-(4-(5-カルバモイル-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ブチル)-2-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(8.45mg、10.1μmol)を、DMF(200μl)に溶解し、固体(5,6-) Alexa Fluor 488-ONSu(5.00mg、7.92μmol)に加えた。市販のAlexa Fluor 488-ONSu試薬は、5-位置異性体と6-位置異性体の混合物であった。
溶液が生じたとき、DIPEA(2μL、0.01mmol)を加え、混合物を光の非存在下で(ボルテックス作用により)一晩撹拌した。LCMSは、早期溶出生成物ピーク及び後期溶出生成物ピークの形成と予想分子量([M+H]1238.6)を明らかにした。反応物を濃縮し、残留物を1:1のDMSO:MeOH(<1mL)に溶解し、水(0.1%TFA添加剤)中15~100%(9:1のACN:水)で溶出する逆相クロマトグラフィー(Jupiter C18分取カラム、10mL/分)により精製した。早期溶出位置異性体は高純度で得られた。対照的に、後期溶出異性体の画分は未反応出発物質も含有していた。不純な後期溶出異性体を含有するこれらの画分をプールして濃縮した。この残留物を1:1のDMSO:MeOH(<1mL)に溶解し、水(0.1%TFA添加剤)中15~100%(9:1のACN:水)で溶出する逆相クロマトグラフィー(Waters SymmetryPrep分取カラム、10mL/分)により精製して、表題化合物(後期溶出異性体、1.94mg、1.49μmol、収率19%)を得た。LCMS:Rt=0.69分、[M+H]+=1238.6。表題化合物(5-異性体)の推定構造は厳密な構造決定に基づくものではなく、むしろ5-位置異性体は、典型的には、逆相HPLC法による後期溶出異性体であるという先の観察に基づくことに留意されたい。
生物学的アッセイ及びデータ:
上述のように、本発明の化合物はSTINGの調節物質であり、STINGにより媒介される疾患の治療に有用である。本発明の化合物の生物学的活性は、STINGの調節物質としての化合物、並びに組織及びin vivoモデルの活性を決定するための任意の好適なアッセイを用いて決定することができる。
各化合物についてのpIC50値は、少なくとも1つの実験又は複数の実験の平均のいずれかとして報告された。本明細書に記載されるデータは、実験の実行者により用いられる具体的な条件及び手順に応じて決まる合理的な変動を有し得ることが理解される。
結合アッセイ
(1) SPA
式(I)の化合物とSTINGのカルボキシ末端ドメイン(CTD)との相互作用を、3H-cGAMP(トリチウムで標識された環状グアニン(2',5')一リン酸-アデニン(3',5')一リン酸)との競合により測定するため、放射性リガンド結合アッセイを開発した。Liら(Nature Chemical Biology、10、1043-1048、(2014))も参照されたい。残基149~379にわたるヒトSTINGの配列(遺伝子ID 340061)をコードするタンパク質を、ビオチン化用のAviTag(商標)に融合したカルボキシ末端Flag(登録商標)ペプチド及びアフィニティー精製用のヘキサヒスチジンタグと共に細菌中で発現させた。精製したSTING-Flag-AviTag-6Xhisタンパク質を、酵素BirAを用いてビオチン化して完了した(Beckett D.ら、Protein Science、1999、8:921-929)。式(I)の化合物の相対的効力を、ニートDMSO中100~250nLの化合物で予めスタンプしたGreiner白色384ウェルプレート(カタログ#784075)中で、0.02%(w/v)のプルロニック(登録商標)F127及び0.02%(w/v)のウシ血清アルブミンを含有するリン酸緩衝食塩水緩衝剤中の50nMのビオチン化-STING、50nMの3H-cGAMP、及び1.25mg/mLのストレプトアビジンでコーティングされたシンチレーション近接アッセイビーズ(Perkin Elmer)を含む平衡結合反応における競合により決定した。結合反応物を、室温で60分間インキュベートした。発光を測定し(ViewLux(商標))、生カウントを、以下の式:
(式中、Uは未知の値であり、C1は、10 μM cGAMPによる完全阻害に由来する平均応答であり、C2は最大応答の平均である)を用いた%阻害として表した。以下の等式:
(式中、Aは最小応答であり、Bは最大応答であり、Cはlog
10*XC50であり、Dは傾き因子であり、xは、ABASE XEにおけるlog
10化合物濃度[M]である)を用いて、カーブフィッティングを実施した。これらの条件下で、正の対照化合物cGAMPについての見かけの阻害定数は250nMであり、その実際の親和性の4~5nMより約50倍高い(Zhang X.ら、Molecular Cell、2013、51:1-10)。
上記のSPAアッセイを使用して、実施例1~5及び7~9、11~14、16、及び19の化合物を試験し、これらは7~アッセイの上限を超える7.4の範囲のpIC50値を示した。
(2) FRETアッセイ
ヒトSTINGのC-末端ドメイン(CTD)に対する分子の結合効力を、競合結合アッセイを使用して決定した。このアッセイにおいて、C-末端ビオチン化したAvi-タグを有するSTING(149-379)組換えタンパク質を利用した。STINGに結合すると、Alexa488標識されたオルソステリック部位プローブ(FRETアッセイリガンドの合成については、本明細書の「AlexaFluor-488 FRETアッセイリガンド」の項目を参照)は、Tb-ストレプトアビジン-Avi-STINGに由来する490nmの発光を受容し、520nmにおいて蛍光の増加が測定される。プローブ結合部位について競合する分子は、低い520nmのシグナルを生じる。本アッセイは、ニートDMSO中100nLの化合物を含むGreiner黒色384-ウェルプレート(カタログ#784076)中で行った。0.02%(w/v)のプルロニック(登録商標)F127及び0.02%(w/v)ウシ血清アルブミンを含有するリン酸緩衝食塩水中の500pMのSTING、500pMのストレプトアビジン-Lumi4-Tb、及び100nMのAlexa488プローブの溶液を、Combi液体ハンドラー(ThermoFisher)を用いて上記プレートに添加した。プレートを500rpmで1分間遠心分離して、室温で15分間インキュベートし、その後Envisionプレートリーダー(Perkin-Elmer)上で、520nmにおける蛍光発光、続いて337nmのレーザー励起を測定した。上記のABASE XEの標準4パラメータカーブフィットを用いて、pIC50値を決定した。
上記のFRETアッセイを使用して、実施例1~42、44~89、及び91~108を試験し、これらの化合物は、5.0~アッセイの上限を超える9.9の範囲のpIC50値を示した。
例えば、以下の実施例についてのFRETアッセイのpIC50は:
細胞機能アッセイ
式(I)の化合物の機能は、STING特異的活性化及び/又はIFNβタンパク質分泌の阻害を検出する細胞アッセイにおいて決定することができる。
(1) 機能アッセイI(PBMCアンタゴニストアッセイ):式(I)の化合物によるSTINGの阻害は、EC80濃度のSTINGアゴニスト(PCT公開No WO 2017175147に記載されている実施例167)又は77nMのBacmamウイルス(二本鎖DNAウイルス)で刺激しその後異なる用量の式(I)の化合物で処理した末梢血単核球(PBMC)から分泌されるインターフェロン-βの損失を測定することによって決定され得る。凍結PBMC細胞を解凍し、培地(1.5g/LのNaHCO3、4.5g/Lのグルコース、10mMのHepes及び1mMのピルビン酸Na、10%FBSを有するRPMI-1640)中で6×105細胞/mLの最終濃度まで希釈した。上記のPBMC-細胞懸濁液を、384-ウェル組織培養プレート(Griener 781073)に、DMSO中で希釈した250nLの化合物を含む1ウェル当たり15,000細胞の密度で分注した。STINGアゴニストの添加の前に、PBMCプレートを30分間インキュベートした。STINGアゴニストとの37℃で4時間のインキュベーション後に、成長培地中に分泌されたIFNβタンパク質のレベルを、製造者の使用説明書に従ってヒトIFNβ電気化学発光キット(Meso Scale Diagnostics)を用いて測定した。パーセント阻害を、化合物処理されていないか又はEC80のSTINGアゴニストと共にインキュベートされていない対照と比較して決定し、化合物濃度の関数としてプロットし、受容体-リガンド阻害の標準2状態モデルを用いてpIC50を決定した。
上記の機能アッセイI (PBMCアンタゴニストアッセイ)を用いて、実施例1~4、12、13、18~20、23~25、27、29~34、36、38、40、41、45、47、48、50、53、54、56~60、63、65~67、69~72、74、76~89、91及び93~105を試験した。実施例2、3、13、18~20、23~25、27、29~34、38、40、41、45、47、48、50、53、54、56~60、63、65~67、69~72、74、76~89、91、及び93~105は、4.3~アッセイの上限を超える8.1の範囲のpIC50値を示した。
例えば、以下の実施例についてのPBMCアンタゴニストアッセイのpIC50は:
(2) 機能アッセイII(PBMCアゴニストアッセイ):式Iの化合物によるSTINGの活性化を、異なる用量の式Iの化合物で処理したヒト末梢血単核球(PBMC)から分泌されたIFNβのレベルを測定することにより決定した。凍結PBMC細胞を解凍し、培地(1.5g/LのNaHCO3、4.5g/Lのグルコース、10mMのHepes及び1mMのピルビン酸Na、10%のFBS、10ng/mLのリポ多糖を有するRPMI-1640)中で3×105細胞/mLの最終濃度まで再懸濁し、384-ウェル組織培養プレート(Griener781073)に、DMSO中で希釈した250nLの化合物を含む1ウェル当たり15,000細胞の密度で分注した。成長培地中に分泌されたIFNβタンパク質のレベルを、37℃で4時間のインキュベーション後に、製造者の使用説明書に従ってヒトIFNβ電気化学発光キット(Meso Scale Diagnostics)を用いて測定した。パーセント活性化を、DMSO処理対照と比較して決定し、化合物濃度の関数としてプロットし、受容体活性化の標準モデルを用いてpEC50を決定した。
上記の機能アッセイII (PBMCアゴニストアッセイ)を用いて、実施例1~4、12、13、18~20、23~25、27、29~34、36、38、40、41、45、47、48、50、53、54、56~60、63、65~67、69~72、74、76~89、91、93及び94~105を試験した。実施例1~4、12、13、81及び88は、4.3~7.3の範囲内のpEC50値を示した。他の全ての試験化合物は、4.3より低いpEC50を示した。
(3) 機能アッセイIII(HEK WTアゴニストアッセイ):細胞中のSTINGの活性化は、STINGを発現するプラスミドと、インターフェロン刺激性応答エレメントプロモーターにより駆動される酵素ホタルルシフェラーゼ(pISRE-Luc)(Agilent Technologies)を発現するプラスミドとで同時トランスフェクトされたヒト胚性腎細胞(HEK293T)における、ルシフェラーゼレポーターアッセイを使用して決定することができる。完全長ヒトSTING(Gene ID 340061)及び完全長ヒト環状グアニンアデニン合成酵素(cGAS)(参照配列NM_138441.2)を、サイトメガロウイルスプロモーターを含有する哺乳動物細胞発現ベクターにクローニングした。製造者の使用説明書に従ってFugene(登録商標)6を有する細胞懸濁液を使用し、トランスフェクションを調製した(3:1のFugene(登録商標):DNA)。50マイクロリットルのトランスフェクション懸濁液を、250nLの式(I)の化合物を含有する384-ウェルプレートのウェルに分注した。最終ウェル組成物は、20,000細胞/ウェル、1ngのSTING、20ngのpISRE-Luc、及び空ベクターpcDNA3.1(Invitrogen)を含有し、総DNA濃度は125ngとなった。STINGの最大活性化を生じると予想される対照ウェルを、cGAS発現プラスミドで同時トランスフェクトした。プレートを密封し、37℃で24時間インキュベートした。ホタルルシフェラーゼの発現を、Steady-Glo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を使用して現像し、標準的な実験室用発光プレートリーダーを用いて解析した。データを、cGASの存在下で発光応答に対して正規化し、化合物濃度の関数としてプロットして、受容体活性化の標準モデルを使用してフィッテングしてpEC50を導出した。
上記の機能アッセイIII (HEK WTアゴニストアッセイ)を用いて、実施例1~9、11~22、24~28、35、36、39、45~52及び72~74を試験した。実施例1~9、及び11~16、24、26~28、35、39、48、49、及び73は、5.1~アッセイの上限を超える8.1の範囲のpEC50 値を示した。最大応答は、対照ウェルの5~139%の範囲である。
(4) 機能アッセイIV (THP-1アンタゴニストアッセイ)
式Iの化合物によるSTINGの阻害を、バキュロウイルス(Bacmamウイルス)を含むdsDNAで刺激したヒトPBMC又は不死化THP-1細胞から分泌されたインターフェロンβの損失を測定することにより決定した。THP-1細胞を、培地(1.5g/LのNaHCO3、4.5g/Lのグルコース、10mMのHepes及び1mMのピルビン酸Na、10%FBS、1%PSF、50uMのβ-MeOHを有するRPMI-1640)中1×105細胞/ウェルの密度で丸底96ウェルプレートにプレーティングし、変動濃度のSTINGアンタゴニストと共に60分間インキュベートし、Bacmamウイルス(40pfu/細胞の最終MOI)を加えた。成長培地中に分泌されたIFNβタンパク質のレベルを、37℃で6~20時間のインキュベーション後に、製造者の使用説明書に従ってヒトIFNβ電気化学発光キット(Meso Scale Diagnostics)を用いて測定した。IFNβ(pg/ml)レベルを、化合物処理されていない対照(対照1)又はBacmamウイルス感染していない対照(対照2)と比較したパーセント阻害に変換し、シグモイド4パラメータ最小二乗フィッテングモデルを用いてフィッテングし、pIC50として報告される化合物効力を定義した。
100 x (1-(サンプルウェル-(対照2)/(対照1-対照2)。
上記の機能アッセイIV (THP-1アンタゴニストアッセイ)を用いて、実施例1、3~5、7~9、12~14、16~20、22、24~26、27、29、30、35~41、44、45~56、59、60、及び62~77を試験した。実施例1、3、4、7~9、12、13、16~20、22、24~27、29、30、35、37~39、41、44~56、60、62~75、及び77は、4.3~アッセイの上限を超える9.1のpIC50値を示した。
例えば、以下の実施例についてのTHP-1アンタゴニストアッセイのpIC50は:
である。
本開示の態様として、以下のものを挙げることができる。
[1]
式(I):
(式中:
qは、0又は1であり;
rは、0又は1であり;
sは、0又は1であり;
ここでq+r+s = 1又は2であり;
qが0である場合、R
A1
及びR
A2
は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-N(R
e
)(R
f
)、-CO
2
R
f
、-N(R
f
)COR
b
、-N(R
g
)SO
2
(C
1
-C
4
アルキル)-N(R
e
)(R
f
)、-N(R
g
)CO(C
1
-C
4
アルキル)-N(R
h
)(R
f
)、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)オキシ-、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)アミノ-、及び任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-であり、
前記任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)、任意選択的に置換されている(C
1-
C
6
アルキル)オキシ-、任意選択的に置換されている(C
1-
C
6
アルキル)アミノ-及び任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-の(C
1-
C
6
アルキル)は、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、C
1
-C
4
アルコキシ-、-N(R
e
)(R
f
)、-CO
2
(R
f
)、-CON(R
e
)(R
f
)、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロシクロアルキル及び任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール基からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており、前記任意選択的に置換されているフェニル、5~6員のヘテロシクロアルキル又は5~6員のヘテロアリールは、C
1
-C
4
アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、(C
1
-C
6
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
6
アルキル)(C
1
-C
6
アルキル)アミノ-、-(C
1
-C
6
アルキル)-NH
2
、ハロ(C
1
-C
6
アルキル)、ヒドロキシ-(C
1
-C
4
アルキル)-、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)、-C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
2
-C
4
アルコキシ)-、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-C
1
-C
4
アルキル-(C
1
-C
4
アルコキシ)及びC
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
rが0である場合、R
B1
及びR
B2
は、それぞれ独立して、H、任意選択的に置換されているC
1
-C
6
アルキル、ハロ(C
1
-C
6
アルキル)、任意選択的に置換されているC
2
-C
6
アルケニル、任意選択的に置換されているC
2
-C
6
アルキニル、任意選択的に置換されているC
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されている4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール、又は任意選択的に置換されている9~10員のヘテロアリールであり、
前記任意選択的に置換されているC
1
-C
6
アルキル、任意選択的に置換されているC
2
-C
6
アルケニル、任意選択的に置換されているC
2
-C
6
アルキニル、任意選択的に置換されているC
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されている4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール、又は任意選択的に置換されている9~10員のヘテロアリールは、ハロゲン、ニトロ、-R
c
、-OH、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-OR
c
、-NH
2
、-NR
c
R
c
、-NR
c
R
d
、-OCOR
c
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-SOR
c
、-SO
2
R
c
、-CONH
2
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NH
2
、-SO
2
NR
c
R
d
、-OCONH
2
、-OCONR
c
R
d
、-NR
d
COR
c
、-NR
d
SOR
c
、-NR
d
CO
2
R
c
、及び-NR
d
SO
2
R
c
からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
sが0である場合、R
C1
はH、ハロゲン、又はC
1
-C
4
アルキルであり、且つR
C2
は任意選択的に置換されているC
1
-C
4
アルキルであり、前記任意選択的に置換されているC
1
-C
4
アルキル基は、-OR
c
、-NR
c
R
d
、-CO
2
R
c
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NR
c
R
d
、及び-OCONR
c
R
d
から選択される置換基で任意選択的に置換されており;
qが1である場合、R
A1
及びR
A2
は、それぞれ独立して、-CH
2
-、-NR
e
-、又は-O-であり、且つAは、R
A1
及びR
A2
と一緒になって連結基を形成し、ここでAは、-ハロ(C
1
-C
12
アルキル)-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
12
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルケニル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルキニル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-O-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-NR
a
-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-フェニル-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
6
アルキル-であり、
前記任意選択的に置換されている-C
1
-C
12
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルケニル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルキニル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-O-C
1
-C
6
アルキル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-NR
a
-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-フェニル-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
6
アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-OR
c
、-NH
2
、-NR
c
R
d
、-OCOR
c
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-SOR
c
、-SO
2
R
c
、-CONH
2
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NH
2
、-SO
2
NR
c
R
d
、-OCONH
2
、-OCONR
c
R
d
、-NR
d
COR
c
、-NR
d
SOR
c
、-NR
d
CO
2
R
c
、及び-NR
d
SO
2
R
c
からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており、
且つ
前記任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-フェニル-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル- (5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
6
アルキルの、C
3
-C
6
シクロアルキル、フェニル、4~6員のヘテロシクロアルキル、又は5~6員のヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
4
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)-、C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-、-(C
1
-C
4
アルコキシル)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
1
-C
4
アルコキシル)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
及びC
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
rが1である場合、R
B1
及びR
B2
は、それぞれ独立して-CR
d
R
f
-であり、且つBは、R
B1
及びR
B2
と一緒になって連結基を形成し、ここでBは結合であるか、又はBは、-ハロ(C
1
-C
10
アルキル)-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
10
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
10
アルケニル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
10
アルキニル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-O-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-NR
a
-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されているC
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
4
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-フェニル-C
1
-C
4
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
4
アルキル-、若しくは任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
4
アルキル-であり、
前記任意選択的に置換されている-C
1
-C
10
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
10
アルケニル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
10
アルキニル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-O-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-NR
a
-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
4
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-フェニル-C
1
-C
4
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
4
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(5~6員のヘテロアリール-C
1
-C
4
アルキル)-のアルキル部分は、-C
1
-C
4
アルキル、ハロゲン、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-OR
c
、-NH
2
、-NR
c
R
d
、-OCOR
c
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-SOR
c
、-SO
2
R
c
、-CONH
2
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NH
2
、-SO
2
NR
c
R
d
、-OCONH
2
、-OCONR
c
R
d
、-NR
d
COR
c
、-NR
d
SOR
c
、-NR
d
CO
2
R
c
、及び-NR
d
SO
2
R
c
からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており、
且つ
前記任意選択的に置換されているC
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
4
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-フェニル-C
1
-C
4
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
4
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
4
アルキル-の、C
3
-C
6
シクロアルキル、フェニル、4~6員のヘテロシクロアルキル、又は5~6員のヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
4
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)-、C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
2
-C
4
アルコキシ)-、-(C
2
-C
4
アルコキシ)O-P(O)(OH)
2
、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、及びC
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
sが1である場合、R
C1
及びR
C2
は、それぞれ独立して-CH
2
-であり、且つCは、R
C1
及びR
C2
と一緒になって連結基を形成し、ここでCは、-ハロ(C
1
-C
12
アルキル)-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
12
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルケニル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルキニル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-O-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-NR
a
-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-フェニル-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
6
アルキルであり、
前記任意選択的に置換されている-C
1
-C
12
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルケニル-、任意選択的に置換されている-C
2
-C
12
アルキニル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-O-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-NR
a
-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-フェニル-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
6
アルキル-のアルキル部分は、ハロゲン、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、-OH、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-OR
c
、-NH
2
、-NR
c
R
d
、-OCOR
c
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-SOR
c
、-SO
2
R
c
、-CONH
2
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NH
2
、-SO
2
NR
c
R
d
、-OCONH
2
、-OCONR
c
R
d
、-NR
d
COR
c
、-NR
d
SOR
c
、-NR
d
CO
2
R
c
、及び-NR
d
SO
2
R
c
からそれぞれ独立して選択される1又は2個の置換基で任意選択的に置換されており、
且つ
前記任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(C
3
-C
6
シクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-フェニル-C
1
-C
6
アルキル-、任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(4~6員のヘテロシクロアルキル)-C
1
-C
6
アルキル-、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
6
アルキル-(5~6員のヘテロアリール)-C
1
-C
6
アルキル-の、C
3
-C
6
シクロアルキル、フェニル、4~6員のヘテロシクロアルキル、又は5~6員のヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
4
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)-、C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
2
-C
4
アルコキシ)-、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、及びC
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
R
3
及びR
5
は、それぞれ独立して-CON(R
d
)(R
f
)であるか、又はR
3
及びR
5
の一方は-CON(R
d
)(R
f
)であり且つR
3
及びR
5
の他方はH、COOH若しくは-CO
2
(R
c
)であり;
R
4
及びR
6
は、H、ハロゲン、ハロ(C
1
-C
6
アルキル)、ハロ(C
1
-C
6
アルコキシ)-、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-NH
2
、-NR
c
R
c
、-NR
c
R
d
、-COR
c
、-CO
2
R
c
、-N(R
d
)COR
c
、-N(R
d
)SO
2
R
c
、-N(R
g
)SO
2
(C
1
-C
2
アルキル)-N(R
h
)(R
f
)、-N(R
g
)CO(C
1
-C
2
アルキル)-N(R
h
)(R
f
)、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)オキシ-、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)アミノ-、及び任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-からそれぞれ独立して選択され、
前記任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)オキシ-、任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)アミノ-及び任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-の(C
1
-C
6
アルキル)は、-OH、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-OR
c
、-NH
2
、-NR
c
R
c
、-NR
c
R
d
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-OCOR
c
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-SOR
c
、-SO
2
R
c
、-CONH
2
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NH
2
、-SO
2
NR
c
R
d
、-OCONH
2
、-OCONR
c
R
d
、-NR
d
COR
c
、-NR
d
SOR
c
、-NR
d
CO
2
R
c
、-NR
d
SO
2
R
c
、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロシクロアルキル及び任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール基からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており、
前記任意選択的に置換されているフェニル、5~6員のヘテロシクロアルキル又は5~6員のヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
4
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、ヒドロキシ-(C
1
-C
4
アルキル)-、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)、C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
2
-C
4
アルコキシ)-、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、C
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-、-COR
d
、-CON(R
d
)(R
f
)、及び-CO
2
R
d
からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
R
14
は、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキルであり、ここで前記任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキルは、-OR
c
、-NR
c
R
d
、-CO
2
R
c
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NR
c
R
d
、及び-OCONR
c
R
d
から選択される置換基で任意選択的に置換されており;
R
16
は、H、ハロゲン、又はC
1
-C
4
アルキルであり;
R
15
及びR
17
は、それぞれ独立して、H、シクロプロピル、又はC
1
-C
4
アルキルであり;
R
a
は、H、-R
c
、-COR
c
、-CO
2
H、-CO
2
R
c
、-SOR
c
、-SO
2
R
c
、-CONH
2
、-CONR
c
R
d
、-SO
2
NH
2
、又は-SO
2
NR
c
R
d
であり;
各R
b
は、独立して、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、-(C
1
-C
4
アルキル)-OH、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-(C
1
-C
4
アルキル)、-(C
1
-C
4
アルキル)-N(R
e
)(R
f
)、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-CO(C
1
-C
4
アルキル)、又は-(C
1
-C
4
アルキル)-CO-O-(C
1
-C
4
アルキル)であり;
各R
c
は、独立して、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、-(C
1
-C
4
アルキル)-OH、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-(C
1
-C
4
アルキル)、-(C
1
-C
4
アルキル)-N(R
e
)(R
f
)、-(C
1
-C
4
アルキル)-O-CO(C
1
-C
4
アルキル)、-(C
1
-C
4
アルキル)-CO-O-(C
1
-C
4
アルキル)、任意選択的に置換されているC
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール、任意選択的に置換されている9~10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-C
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-フェニル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-5~6員のヘテロアリール、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-9~10員のヘテロアリールであり、
前記置換されているC
3
-C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されている4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール、任意選択的に置換されている9~10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-C
3-
C
6
シクロアルキル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-フェニル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-4~6員のヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-5~6員のヘテロアリール、又は任意選択的に置換されている-C
1
-C
4
アルキル-9~10員のヘテロアリールの、C
3
-C
6
シクロアルキル、フェニル、4~6員のヘテロシクロアルキル、5~6員のヘテロアリール又は任意選択的に置換されている9~10員のヘテロアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、-(C
1
-C
4
アルキル)NH
2
、(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
4
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、-C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)-、C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
2
-C
4
アルコキシ)-、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(OH)
2
、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、C
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-、-COR
d
、-CON(R
d
)(R
f
)、及び-CO
2
R
d
からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
各R
d
は、独立して、H又はC
1
-C
4
アルキルであり;
各R
e
は、独立して、H、C
1
-C
4
アルキル、-CO(C
1
-C
4
アルキル)、-OCO(C
1
-C
4
アルキル)、-CO
2
(C
1
-C
4
アルキル)、-(C
1
-C
4
アルキル)NH
2
、-(C
1
-C
4
アルキル) C
1
-C
4
アルコキシ、-CO-(任意選択的に置換されている5~6員のヘテロシクロアルキル)、-CO(C
1
-C
4
アルキル)-(任意選択的に置換されている5~6員のヘテロシクロアルキル)、-CO(任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール)、又は-CO(C
1
-C
4
アルキル)-(任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリール)であり、
任意選択的に置換されている5~6員のヘテロシクロアルキル又は任意選択的に置換されている5~6員のヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、-O-P(O)(OH)
2
、-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、アミノ、(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、(C
1
-C
4
アルキル)(C
1
-C
4
アルキル)アミノ-、C
1
-C
4
アルキル、ハロ(C
1
-C
4
アルキル)、ハロ(C
1
-C
4
アルコキシ)-、C
1
-C
4
アルコキシ-、ヒドロキシ-(C
2
-C
4
アルコキシ)-、-(C
2
-C
4
アルコキシ) O-P(O)(OH)
2
、-(C
2
-C
4
アルコキシ)-O-P(O)(R
I
R
II
)
2
、C
1
-C
4
アルコキシ-(C
1
-C
4
アルコキシ)-、-COR
d
、-CON(R
d
)(R
f
)、及び-CO
2
R
d
からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
各R
f
は、独立して、H又はC
1
-C
4
アルキルであり;
R
g
及びR
h
は、それぞれ独立してH若しくはC
1
-C
4
アルキルであるか、又はR
g
及びR
h
は、それを通してそれらが結合している原子(1つ又は複数)と一緒になって5~6員の環を形成し;
R
I
及びR
II
の各存在は、独立して(C
1
-C
6
アルキル)オキシ-であり;
R
X
又はR
y
の少なくとも一方は独立してC
1
-C
4
アルキルであり、且つ他方はHであるか、
又はR
X
及びR
y
はいずれも、独立してC
1
-C
4
アルキルである)
による化合物、
又はその互変異性体、
又はその塩。
[2]
sが0である場合、R
C1
及びR
C2
がそれぞれHである、態様1に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[3]
R
4
及びR
6
がそれぞれHである、態様1又は2に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[4]
R
16
がHである、態様1~3のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[5]
R
14
、R
15
、及びR
17
が、それぞれ独立してC
1
-C
3
アルキルである、態様1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[6]
R
x
及びR
y
が、それぞれ独立してメチル又はエチルである、態様1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[7]
R
x
及びR
y
が、いずれもメチルである、態様1~6のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[8]
R
x
及びR
y
の一方がメチルであり、他方がHである、態様1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[9]
式I-2:
(式中:
R
14
、R
15
、R
c2
及びR
17
は、独立してC
1
-C
3
アルキルであり;
R
A1
及びR
A2
は、独立して、H、ヒドロキシ、COOH、又は任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)オキシ-であり、
任意選択的に置換されている(C
1
-C
6
アルキル)オキシ-のアルキルは、ヒドロキシ、-CO
2
(R
f
)、-N(R
e
)(R
f
)、任意選択的に置換されているフェニル、及び任意選択的に置換されている5~6員のヘテロシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており、
前記任意選択的に置換されているフェニル、又は5~6員のヘテロシクロアルキルは、(C
1
-C
4
アルキル)オキシ-及びC
1
-C
4
アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で任意選択的に置換されており;
R
3
及びR
5
は、それぞれ独立して-CO-N(R
d
)(R
f
)であり、
各R
d
、R
e
及びR
f
は、独立して、H又はC
1
-C
3
アルキルであり;
Bは、置換されている-C
1
-C
4
アルキル又は置換されている-C
2
-C
4
アルケニル-であり、
前記置換されている-C
1
-C
4
アルキル-、又は置換されている-C
2
-C
4
アルケニル-のアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1
-C
4
アルキル)オキシ-、及びC
1-4
アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で置換されており、
R
X
又はR
y
の少なくとも一方は独立してC
1
-C
4
アルキルであり、且つ他方はHであるか、
又はR
X
及びR
y
はいずれも、独立してC
1
-C
4
アルキルである)
で表される構造を有する、態様1に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[10]
R
14
及びR
c2
がエチルであり、且つR
15
及びR
17
がメチルである、態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[11]
R
A1
及びR
A2
が、それぞれ独立して、任意選択的に置換されている(C
1
-C
4
アルキル)オキシ-であり、任意選択的に置換されている(C
1
-C
4
アルキル)オキシ-のアルキルは、1~2個のヒドロキシの置換基で任意選択的に置換されている、態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[12]
R
3
及びR
5
が-CO-NH
2
である、態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[13]
Bが、1~2個のヒドロキシの置換基で置換されている-CH
2
-CH
2
-である、態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[14]
R
14
、R
15
、R
c2
及びR
17
が、独立して、メチル又はエチルであり;
R
A1
及びR
A2
の一方がHであり、且つR
A1
及びR
A2
の他方が、任意選択的に置換されている(C
1
-C
4
アルキル)オキシ-であり、
任意選択的に置換されている(C
1
-C
4
アルキル)オキシ-のアルキルが、1~2個のヒドロキシの置換基で任意選択的に置換されており;
R
3
及びR
5
がいずれも-CO-NH
2
であり;且つ
Bが、置換されている-CH
2
-CH
2
-又は置換されている-CH=CH-であり、
ここで置換されている-CH
2
-CH
2
-又は置換されている-CH=CH-は、ヒドロキシ及びC
1-2
アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される1~4個の置換基で置換されており; R
X
又はR
y
の少なくとも一方が独立してC
1
-C
4
アルキルであり、且つ他方がHであるか、
又はR
X
及びR
y
がいずれも、独立してC
1
-C
4
アルキルである、
態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[15]
以下の構造:
を有する(E)-1-((2R,3R)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドである、態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[16]
以下の構造:
を有する(E)-1-((2S,3S)-4-((E)-5-カルバモイル-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-2,3-ジヒドロキシブチル)-2-((1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニル)イミノ)-7-メトキシ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキサミドである、態様1又は9に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[17]
塩が、前記化合物の薬学的に許容される塩である、態様1~16のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体若しくは塩。
[18]
態様17に記載の化合物又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
[19]
療法において使用するための、態様17に記載の化合物又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩。
[20]
STING媒介性疾患又は障害の治療において使用するための、態様17に記載の化合物又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩。
[21]
STING媒介性疾患又は障害の治療のための医薬の製造における、態様17に記載の化合物又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩の使用。
[22]
治療上有効量の態様17に記載の化合物又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩を、それを必要とするヒトに投与することを含む、STING媒介性疾患又は障害を治療する方法。
[23]
疾患又は障害が、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚ループス、ループス腎炎、乾癬、インスリン依存性糖尿病(IDDM)を含む糖尿病、皮膚筋炎、全身性硬化症(強皮症)、及びシェーグレン症候群(SS)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乳児発症性STING関連血管炎(SAVI)、エカルディ・グティエール(Aicardi Goutieres)症候群(AGS)、凍瘡状ループス、及び混合性結合組織病からなる群から選択される、態様20~22のいずれか1項に記載の化合物、使用又は方法。
[24]
疾患又は障害が、慢性の肺疾患、肺線維症、又は喘息である、態様20~22のいずれか1項に記載の化合物、使用又は方法。
[25]
疾患又は障害が、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び前頭側頭葉変性症(FTD)、多発性硬化症、パーキンソン病、及びハンチントン病である、態様20~22のいずれか1項に記載の化合物、使用又は方法。
[26]
疾患又は障害が、心筋梗塞、心不全、先天性心臓欠陥、冠動脈疾患、高血圧、心筋症である、態様20~22のいずれか1項に記載の化合物、使用又は方法。