1)遊技機の基本構成
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1、図2を参照して遊技機1の基本構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において、特に明示することなく「画像」というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。また、以下で説明する各領域等には、遊技球が検出可能なセンサ(図示せず)が設けられており、当該センサにより各領域に遊技球が進入(入賞)したかどうかが検出される。例えば「○○領域に遊技球が進入(入賞)」とは、厳密には当該○○領域に設けられたセンサが遊技球を検出したことをいうものとする。
遊技機1の筐体には遊技球を発射するための発射装置908が設けられている。発射装置908を操作することで、上皿909aに貯留された遊技球が発射される。いわゆる賞球は上皿909aに払い出され、上皿909aから溢れた遊技球は下皿909bに送られる。
発射された遊技球が到達する遊技領域902は、透明板906を通じて視認される。遊技機1は手前側に遊技領域902が形成される遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動領域(第一始動領域21、第二始動領域22)、大入賞領域10、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、大入賞領域10等の入賞領域に進入すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1のその他の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
2)当否抽選
本実施形態にて実行される当否抽選は、特別図柄抽選(以下、特図抽選と称することもある)と、普通図柄抽選(以下、普図抽選と称することもある)に区分けされる。以下、各抽選について説明する。なお、以下の説明において、特に明示することなく単に当否抽選(当否判定)というときは、特図抽選のことを指すものとする。
2-1)特図抽選
特図抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選(特図抽選)手段が始動領域(第一始動領域21(いわゆる特図1の始動領域)、第二始動領域22(いわゆる特図2の始動領域))への遊技球の進入を契機として実行する。具体的には、始動領域への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(以下、当否抽選情報と称することもある。以下、第一始動領域21に遊技球が進入することで取得される当否抽選情報を第一当否抽選情報と、第二始動領域22に遊技球が進入することで取得される当否抽選情報を第二当否抽選情報とする。)が取得される。本実施形態では、特図抽選の結果として起こりうる態様としては、「大当たり」「小当たり」「はずれ」の三態様が設定されている。上記数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、小当たりの数値と同じである場合には小当たりとなり、大当たりおよび小当たりのいずれでもない場合にははずれとなる。なお、「小当たり」は、第一当否抽選情報に基づく当否抽選(第一当否抽選)では当選することがなく、第二当否抽選情報に基づく当否抽選(第二当否抽選)で当選しうる設定とされている。
本実施形態では、始動領域として、二つの第一始動領域21と、一つの第二始動領域22が設けられている(図2参照)。第一始動領域21として、開放第一始動領域21aと開閉第一始動領域21bが設けられている。開放第一始動領域21aは表示領域911の下に設けられたものであり、常時開放された(常時遊技球が通過可能な)領域である。いわゆる左打ち(表示領域911の左側を遊技球が流下するように遊技球を発射させる)により開放第一始動領域21aに遊技球が進入する可能性がある。本実施形態では、いわゆる右打ち(表示領域911の右側を遊技球が流下するように遊技球を発射させる)を行った場合には開放第一始動領域21aに遊技球が進入する可能性はない。
開閉第一始動領域21bは、始動用開閉部材211によって入口が開閉されるものである(いわゆる「電チュー」である)。始動用開閉部材211は、開閉第一始動領域21bの入口を閉鎖する閉位置(原位置)と、入口を開放する開位置との間を往復動作可能なものである。始動用開閉部材211が閉位置に位置した状態においては、開閉第一始動領域21bに遊技球が進入することは不可能である。本実施形態における始動用開閉部材211は、遊技球が通過する通路の底面に沿うようにして前後にスライドするものであって、閉位置に位置した状態(最前端に位置した状態)においては当該通路の底面の一部を構築する。そのため、始動用開閉部材211が開位置に位置した状態(最後端に位置した状態)では当該通路に「穴」が開いたような状態となる。したがって、開閉第一始動領域21bまで到達した段階で始動用開閉部材211が開位置に位置していれば、(極めてイレギュラーな動きをしない限り)もれなく遊技球は開閉第一始動領域21bに進入する。
第二始動領域22は、常時開放された(常時遊技球が通過可能な)領域である。本実施形態では、右打ちを行えば、比較的容易に第二始動領域22に遊技球が進入する。逆の見方をすれば、第二始動領域22に遊技球が進入しないように(第二当否抽選情報が取得されないように)右打ちを行うことは不可能である。本実施形態における第二始動領域22は、当該領域を遊技球が通過する「ゲート」タイプのものである(当該「ゲート」は、幅方向に二以上の遊技球が並ぶことができない大きさとされている)。当該領域に進入した遊技球が内部に取り込まれるタイプのものとしてもよい。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、識別図柄80の組み合わせによって当否抽選結果を報知する。大当たりとなる場合には、識別図柄80(図3参照)が大当たり組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となる。小当たりとなる場合には、識別図柄80が小当たり組み合わせ(例えば、「3」と「7」の識別図柄80から構成される組み合わせ)となる。それ以外の組み合わせははずれを示す組み合わせである。識別図柄80の変動開始から、当否抽選結果に対応する組み合わせで停止するまでの演出を「変動中演出」と称する(当該「変動中演出」が実行されている期間は、いわゆる(図柄)変動中の期間ということである)。上記数値は、変動中演出の内容を決定するためにも利用される。なお、図示しないが、識別図柄80よりも小さく(表示領域911の外縁付近)に、識別図柄80とは別の図柄(小図柄)が表示されるようにしてもよい。変動中演出の結末段階においては、当該小図柄(一の小図柄または複数の小図柄の組み合わせ)の態様が当否抽選結果に応じたものとなる。当該小図柄は、変動中演出にて常時表示されるようにする(識別図柄80が表示されない状況での補助図柄として機能する)。
本実施形態では、基本的には、当否抽選情報が取得された順に対応する変動中演出が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなる。より具体的には、第一当否抽選情報に基づく当否抽選(第一当否抽選)の結果の報知(特図1の変動)と、第二当否抽選情報に基づく当否抽選(第二当否抽選)の結果の報知(特図2の変動)が同時期に進行する(「特図1・特図2同時変動」である)。ただし、新たに第一当否抽選情報が取得されたときに、それよりも前に取得された第一当否抽選情報に基づく当否抽選結果が報知されている際(変動中である際)には、新たに取得された第一当否抽選情報は、「第一保留情報」としてそれに対応する変動中演出が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。同様に、新たに第二当否抽選情報が取得されたときに、それよりも前に取得された第二当否抽選情報に基づく当否抽選結果が報知されている際(変動中である際)には、新たに取得された第二当否抽選情報は、「第二保留情報」としてそれに対応する変動中演出が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。当該保留情報は当否抽選情報の下位概念であるといえる。本実施形態では、第一保留情報および第二保留情報の最大の記憶数はそれぞれ四つである。保留情報として記憶された数値は、変動中演出が開始される時点で当否抽選に利用される。
当否抽選情報の存在を示すマークである保留図柄70が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否抽選を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留図柄70が表示装置91の表示領域911に表示される(図3参照)。具体的には、変動中演出が開始されているものの、変動中演出が終了していない(当否抽選結果の報知が完了していない)当否抽選情報(いわゆる「当該変動保留」)の存在を示す変動中保留図柄71、変動中演出が開始されていない当否抽選情報(保留情報)の存在を示す変動前保留図柄72が表示される。これら保留図柄70は、対応する変動中演出が開始される順(いわゆる消化順)に並ぶように表示される。また、図示しないが、遊技状態に応じて、第一当否抽選情報の存在を示す保留図柄70(第一保留図柄;特図1保留)と、第二当否抽選情報の存在を示す保留図柄70(第二保留図柄;特図2保留)の一方は表示されるものの、他方は表示されないといった制御がなされる(なお、各図においては第一保留図柄と第二保留図柄を区別せず図示する)。詳細を後述するように、遊技者は、遊技状態に応じ、第一当否抽選および第二当否抽選の一方を「主」として受ける(遊技状態に応じて受けるべき当否抽選。以下、主抽選と称することもある)にて大当たりや小当たり当選を目指して遊技する)ことになるところ、主抽選に対応する一方の保留図柄70(第一保留図柄および第二保留図柄の一方)を表示し、他方の保留図柄70を表示しないという制御がなされる。
2-2)普図抽選
普図抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選(普図抽選)手段が普通始動領域28(いわゆる「スルー」)への遊技球の進入を契機として実行する。普通始動領域28は、右打ちによって遊技球が進入する領域に設けられている(図2参照)。継続的に右打ちすれば、遊技球は比較的容易に普通始動領域28に進入する。普通抽選に当選することを契機として始動用開閉部材211が閉位置から開位置に変位する。つまり、開閉第一始動領域21bが開放される。普図抽選の結果の報知方法は周知であるから説明および図示を省略する。表示領域911に普図抽選の結果を示す図柄等が表示されるようにしてもよいし、表示領域911外に設けられるランプ等で報知されるようにしてもよい。遊技者は、遊技状態に応じて遊技球を発射させるだけで、普図抽選の結果に着目することなく遊技することができる(普図抽選の結果は、特図抽選の結果に比して目立たないように示される)。
3)遊技状態
本実施形態では、特図抽選(第一当否抽選や第二当否抽選)による大当たりに当選する確率が異なる状態として、当該確率が低い低確率状態と、低確率状態よりも高い確変状態(確率変動状態)とが設定されている(図5(a)参照)。大当たりの当選しやすさが異なるがゆえ、低確率状態よりも、確変状態の方が、遊技者にとって有利な遊技状態であるということができる。本実施形態では、低確率状態における大当たり確率が約1/319、確変状態における大当たり確率が約1/35に設定されている。なお、いずれの状態においても、第一当否抽選(特図1抽選)による大当たり確率と第二当否抽選(特図2抽選)による大当たり確率は同じである。
小当たりは、第一当否抽選では当選することがなく、第二当否抽選で当選しうる。当該第二当否抽選での小当たり確率は約1/1.05に設定されている。つまり、小当たりには比較的容易に当選する。本実施形態では、低確率状態および確変状態のいずれであっても小当たり確率は同じである。
低確率状態は、普図抽選に当選する確率が低い状態である。本実施形態における当選確率は約1/500である(当選確率=0であってもよい)。このような設定であるため、低確率状態にて右打ちを行っても、始動用開閉部材211が開位置に変位して開閉第一始動領域21bが開放されることはほぼない。すなわち、いわゆる電チューサポートが無い状態(「電サポ無」状態)である。
確変状態として、第一確変状態および第二確変状態が設定されている。第一確変状態よりも、第二確変状態の方が、遊技者にとって有利な状態である。具体的には、第一確変状態および第二確変状態は、大当たり確率は同じであるものの、普図抽選に当選する確率が異なるものである。第一確変状態は、普図抽選に当選する確率が高い状態である。すなわち、いわゆる電チューサポートがある状態(「電サポ有」状態)である。本実施形態における第一確変状態での普図抽選の当選確率は、約1/1.01である。つまり、容易に普図抽選に当選し、始動用開閉部材211が開位置に変位して開閉第一始動領域21bが開放される。一方、第二確変状態は、普図抽選に当選する確率が低い状態(「電サポ無」状態)である。上記の通り、普図抽選の当選確率は約1/500である。
「大当たり確率の高低/電チューサポート(電サポ)の有無」というように表記するとすれば、低確率状態は「低確率/電サポ無」状態である。第一確変状態は、「高確率/電サポ有」状態である。第二確変状態は、「高確率/電サポ無」状態である。電チューサポートが無い第二確変状態の方が、第一確変状態よりも遊技者にとって有利な状態である理由については後述する。
4)大当たり遊技
4-1)基本構成
大当たりに当選した場合(識別図柄80が大当たりを示す組み合わせとなった場合)には、大入賞領域10(図2等参照)が開放される大当たり遊技状態に移行する。大入賞領域10は、右打ちにより発射された遊技球が進入する可能性がある位置に設けられている。本実施形態では、いわゆる左打ちを行った場合には大入賞領域10に遊技球が進入する可能性はない。
大当たり遊技は、複数の単位遊技を含む。各単位遊技は、いわゆる「1ラウンド」分の遊技である。例えば、「10ラウンド大当たり」は、10回の単位遊技を含む大当たり遊技である。各単位遊技は、常態において閉鎖されている大入賞領域10が所定の閉鎖条件(終了条件)成立まで開放されるものである。各単位遊技においては、大当たり遊技を構成する何番目の単位遊技であるかを示す表示(ラウンド表示30;例えば、一番目の単位遊技であれば「1R」、「1ROUND」といった表示)がなされる(図6等参照)。
大入賞領域10の入口は、大入賞開閉部材11により開閉される。大入賞開閉部材11は、大入賞領域10の入口を閉鎖する閉位置(原位置)と、入口を開放する開位置との間を往復動作可能なものである(いわゆるスライドアタッカーである)。大入賞開閉部材11が閉位置に位置した状態においては、大入賞領域10に遊技球が進入することは不可能である。本実施形態における大入賞開閉部材11は、遊技球が通過する通路の底面に沿うようにして前後にスライドするものであって、閉位置に位置した状態(最前端に位置した状態)においては当該通路の底面の一部を構築する。そのため、大入賞開閉部材11が開位置に位置した状態(最後端に位置した状態)では当該通路に「穴」が開いたような状態となる。したがって、大入賞領域10まで到達した段階で大入賞開閉部材11が開位置に位置していれば、(極めてイレギュラーな動きをしない限り)もれなく遊技球は大入賞領域10に進入する。なお、本実施形態では、大入賞領域10に1個の遊技球が入賞したときの払い出し個数(賞球数)は10個である。
本実施形態では、単位遊技開始から所定個数の遊技球が入賞したこと(入賞条件)、および、単位遊技開始から所定時間(例えば29.5秒)経過したこと(時間条件)のいずれか一方の成立が閉鎖条件(終了条件)として設定されている。入賞条件として設定される遊技球の入賞個数は、いわゆる「カウント数」(C)と称される数である。本実施形態ではC=9に設定されている。遊技者が継続して大入賞領域10を狙って遊技球を発射し続けていれば(右打ちを行っていれば)、一の単位遊技にて所定個数の遊技球は入賞する。つまり、遊技者が継続して大入賞領域10を狙って遊技球を発射し続けていれば、入賞条件が成立して単位遊技が終了する。
また、本実施形態では、第二始動領域22に遊技球が進入することを契機として1ラウンド目の単位遊技(最初の単位遊技)が開始される。したがって、大当たりに当選した後、右打ちが行わなければ1ラウンド目の単位遊技が開始されない。なお、必ずしもこのような設定としなければならないわけではない。大当たり当選後、自動的に1ラウンド目の単位遊技が開始される設定としてもよい。
4-2)種類
大当たり(遊技)の種類を、大当たり遊技終了後の遊技状態に応じて区分けする(ラウンド数を考慮しない)と以下の通りとなる。まず、大まかに、低確大当たり(通常大当たり)と確変大当たりに区分けされる。低確大当たりは、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となるものである。確変大当たりは大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態となるものである。
確変大当たりは、第一確変大当たりと第二確変大当たりに区分けされる。第一確変大当たりは、大当たり遊技終了後の遊技状態が第一確変状態となるものである。第二確変状態は、大当たり遊技終了後の遊技状態が第二確変状態となるものである(ただし、後述する特別領域13への遊技球の進入が条件となる)。
4-3)特別領域
大入賞領域10内には、特別領域13が設けられている(図2、図4参照)。特別領域13の入口は大入賞領域10内に位置するため、大入賞領域10に進入した遊技球しか、特別領域13に進入することはない。特別領域13の入口には当該入口を開閉する開閉部材(以下、特別開閉部材131と称する)が設けられている。特別開閉部材131は上記入口を閉鎖する閉位置と開放する開位置との間を往復動作するものである。特別開閉部材131が閉位置に位置する状態では特別領域13に遊技球が進入することはない。逆に、特別開閉部材131が開位置に位置する状態では、大入賞領域10に進入した遊技球は特別領域13に進入する。
大当たり遊技にて特別領域13に遊技球が進入することが、第二確変状態に移行する条件として設定されている。特別領域13はV領域等とも称される領域であり、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆるV確変機である。第二確変大当たりに当選した場合、当該大当たり遊技の所定の単位遊技(例えば、2ラウンド目の単位遊技にて)特別開閉部材131が閉位置から開位置に変位して特別領域13が開放される。したがって、大入賞領域10を狙って継続的に遊技球を発射し続けていれば、確実に特別領域13に遊技球が進入することになる。つまり、第二確変大当たり遊技の終了後は、第二確変状態に移行することになる。
一方、低確大当たりや第一確変大当たりに当選した場合には、当該大当たり遊技にて特別領域13に遊技球が進入することは極めて困難または不可能とされる。例えば、2ラウンド目の単位遊技が開始されると同時(大入賞領域10が開放されると同時)に、一瞬だけ特別領域13が開放される(極めて短時間の間に、特別開閉部材131が閉位置→開位置→閉位置の往復動作を行う)ようにして、大入賞領域10に進入した遊技球が特別領域13の入口まで到達するときには既に特別領域13が閉鎖された状態にあるように設定する。したがって、低確大当たりや第一確変大当たり遊技の終了後は、第二確変状態に移行することはない(低確率状態または第一確変状態となる)。なお、低確大当たりや第一確変大当たり遊技にて特別領域13に遊技球が進入したときには、不正行為がなされた可能性があるとして警告音が出力される。
5)小当たり
小当たりに当選した場合には、小当たり用の入賞領域(小入賞領域15と称する)(図2、図4参照)が開放される小当たり遊技が実行される。小入賞領域15は、右打ちにより発射された遊技球が進入する可能性がある位置に設けられている。本実施形態では、いわゆる左打ちを行った場合には小入賞領域15に遊技球が進入する可能性はない。
小入賞領域15の入口は、小入賞開閉部材19により開閉される。小入賞開閉部材19は、小入賞領域15の入口を閉鎖する閉位置(原位置)と、入口を開放する開位置との間を往復動作可能なものである(いわゆるスライドアタッカーである)。小入賞開閉部材19が閉位置に位置した状態においては、小入賞領域15に遊技球が進入することは不可能である。本実施形態における小入賞開閉部材19は、遊技球が通過する通路の底面に沿うようにして前後にスライドするものであって、閉位置に位置した状態(最前端に位置した状態)においては当該通路の底面の一部を構築する。そのため、小入賞開閉部材19が開位置に位置した状態(最後端に位置した状態)では当該通路に「穴」が開いたような状態となる。したがって、小入賞領域15まで到達した段階で小入賞開閉部材19が開位置に位置していれば、(極めてイレギュラーな動きをしない限り)もれなく遊技球は小入賞領域15に進入する。
小当たり遊技は、閉鎖条件が成立するまで小入賞領域15が開放されるものである。大当たり遊技は、閉鎖条件が成立するまで大入賞領域10が開放される単位遊技を複数含むものであるところ、小当たり遊技は閉鎖条件が成立するまで小入賞領域15が開放される一の単位遊技を含むものであるといえる。以下では、大当たり遊技を構成する単位遊技を規定単位遊技と、小当たり遊技を構成する単位遊技を不定単位遊技と称することもある。
本実施形態では、不定単位遊技は、その開始(小入賞領域15が開放されて)から所定の開放時間(例えば1秒)経過することで終了する(小入賞領域15が閉鎖される)ものである。つまり、規定単位遊技は、入賞条件および時間条件のいずれか一方の成立が閉鎖条件として設定されたものである一方、不定単位遊技は、時間条件が閉鎖条件として設定されたものであり、かつ、当該不定単位遊技における時間条件は規定単位遊技の時間条件に比して極めて短い時間が開放時間として設定されるものである。よって、小当たり遊技を構成する不定単位遊技は、大当たり遊技を構成する各規定単位遊技とは異なり、小入賞領域15に向かって遊技球を発射し続けていれば、予め所定個数の入賞が実現されるというものではない。小入賞領域15に向かって遊技球を発射し続けていても、遊技球が全く入賞しない小当たり(不定単位遊技)は起こりうる。いわば、大当たり遊技を構成する規定単位遊技は、大入賞領域10を狙って遊技球を継続的に発射していれば、一回の単位遊技あたりの大入賞領域10への遊技球の進入個数の期待値が規定数(上述したカウント数Cに相当。本実施形態ではカウント数C=9である)以上となる単位遊技(少なくとも規定数(C個)の入賞は見込める単位遊技)であり、小当たり遊技を構成する不定単位遊技は、小入賞領域15を狙って遊技球を継続的に発射していても、一回の単位遊技あたりの小入賞領域15への遊技球の進入個数の期待値が規定数未満である単位遊技(進入個数が不定である単位遊技)であるということができる。
なお、本実施形態では、一回の不定単位遊技につき、見込める遊技球の入賞個数は平均2個とされている。また、本実施形態では、小入賞領域15に1個の遊技球が入賞したときの払い出し個数(賞球数)は10個であり、大入賞領域10と同じである。
本実施形態では、小当たりに当選したときに実行される不定単位遊技の態様は上記の一種のみであるが、開放時間の長さが異なる複数種の不定単位遊技が設定された構成としてもよい。また、一回の小当たりに当選したときに、複数回の不定単位遊技が実行されうる構成(一回の小当たり当選により実行される単位遊技の数が変化しうる構成)としてもよい。
また、以下の説明においては、大当たり遊技における一の規定単位遊技にて、規定数(C個)以上の遊技球の進入が生じることを超過進入(いわゆる「オーバー入賞」に相当)と称する。一の規定単位遊技にてC個目(本実施形態では9個目)の遊技球が進入することを契機として閉鎖条件が成立するが、大入賞開閉部材11が完全に大入賞領域10を閉鎖する前に、C+α個目(αは1以上の自然数である)の遊技球が進入することが超過進入に相当する。つまり、α=1であれば1個の超過進入が、α=2であれば2個の超過進入が・・・発生したということである。超過進入の数(αの値)が多いほど、遊技者が得られる利益が大きい(確実に得られる利益よりも「得」をした)ということになる。
6)各領域の位置関係
右打ち遊技を行ったときに遊技球が進入する遊技領域902の右側においては、上述した「遊技球が進入可能な各領域」が次のような位置関係で配置されている。図4に模式的に示すように、遊技領域902の右側には、遊技球が通過する通路(以下、右側通路40と称する)が左右に往復するように形成されている。右側通路40の入口には、普通始動領域28が設けられている。右側通路40における普通始動領域28が設けられた箇所よりも下流側の部分は、上流側から見て、右から左にかけてわずかに下方に傾斜した第一段部41と、第一段部41の左端に繋がり下方に延びる第一中継部412と、第一中継部412の下端に繋がり左から右にかけてわずかに下方に傾斜した第二段部42と、第二段部42の右端に繋がり下方に延びる第二中継部423と、第二中継部423の下端に繋がり右から左にかけてわずかに下方に傾斜した第三段部43と、を含む。
第一段部41~第三段部43は、水平方向に沿う部分であって、各部分の底面は遊技球が下流方向に向かって転動可能な程度にわずかに傾斜した(水平方向に対して1度~5度の範囲で傾斜した)状態にある。上から、第一段部41、第二段部42、第三段部43の順で並び、各段部は上下方向にて少なくとも一部が重なるように配置されている。第一段部41の底面に沿うようにして大入賞開閉部材11が配置されている。つまり、第一段部41を遊技球が通過する際、大入賞開閉部材11が開位置に位置していれば遊技球は大入賞領域10に進入し、大入賞開閉部材11が閉位置に位置していれば遊技球は第一段部41を通過する(第一中継部412に移動する)。第二段部42の底面に沿うようにして始動用開閉部材211が配置されている。つまり、第二段部42を遊技球が通過する際、始動用開閉部材211が開位置に位置していれば遊技球は開閉第一始動領域21bに進入し、始動用開閉部材211が閉位置に位置していれば遊技球は第二段部42を通過する(第二中継部423に移動する)。第三段部43の底面に沿うようにして小入賞開閉部材19が配置されている。つまり、第三段部43を遊技球が通過する際、小入賞開閉部材19が開位置に位置していれば遊技球は小入賞領域15に進入し、小入賞開閉部材19が閉位置に位置していれば遊技球は第三段部43を通過する。このように、上から、大入賞開閉部材11(大入賞領域10)、始動用開閉部材211(開閉第一始動領域21b)、小入賞開閉部材19(小入賞領域15)の順で並び、各開閉部材(領域)は上下方向にて少なくとも一部が重なるように配置されている。開閉部材が開位置に位置している際には、対応する領域に遊技球が進入するため、(イレギュラーな動き等が生じなければ)それより下流の領域に遊技球は到達しないことになる。
第三段部43を通過した遊技球は、第二始動領域22に進入する。つまり、大入賞領域10、開閉第一始動領域21b、小入賞領域15のいずれにも進入しなかった遊技球は、第二始動領域22に進入する。ゆえに、右打ちした場合には比較的容易に第二当否抽選を受けることができる。換言すれば、第二当否抽選を受けないように右打ちすることは不可能である。
なお、右側通路40の途中に適宜アウト口(遊技球が進入しても、当否抽選の実行や賞球の払い出しがなく、進入した遊技球が内部に取り込まれる(遊技球が遊技領域902外に移動することになる)口が設けられていてもよい。本実施形態では、大入賞領域10から第二始動領域22までの通路にはアウト口が設けられていない。
7)遊技方法・大当たり振分
低確率状態(低確率/電サポ無)においては、遊技者は左打ち遊技を行い(左打ち遊技が促され)、開放第一始動領域21aに遊技球が進入することを契機とした第一当否抽選にて大当たりに当選することを目指して遊技する(第一当否抽選が主抽選となる)(図5(a)参照)。なお、低確率状態中に右打ち遊技を行った場合、比較的容易に第二始動領域22に遊技球が進入する。つまり、比較的容易に第二当否抽選情報(第二保留情報)が取得される。しかし、低確率状態中においては、第一当否抽選の結果を報知する変動中演出に要する時間(第一変動時間)に比して、第二当否抽選の結果を報知する変動中演出に要する時間(第二変動時間)の方が著しく長くなるように設定されている。具体的には、第一変動時間の平均は数秒~数十秒程度に設定される一方、第二変動時間の平均は十分超となるといった設定とされる。したがって、低確率状態にて右打ちすることで第二当否抽選により大当たり当選を目指しても、一つの当否抽選の結果の報知に長時間を要することになるから、まともに遊技をすることができないことになる。つまり、遊技者は左打ち遊技をして第一当否抽選にて大当たり当選を目指すことになる。
低確率状態での第一当否抽選(特図1抽選)にて大当たりに当選した場合の大当たり振分(以下、「低確率時振分」と称することもある)は、第一確変大当たり(10ラウンド)が49.2%、第二確変大当たり(3ラウンド)が0.8%、低確大当たり(3ラウンド)が50%である。大当たり全体に占める確変大当たりの割合(確変割合)という点でいえば50%である(図5(b)参照)。
第一確変状態(高確率/電サポ有)においては、遊技者は右打ち遊技を行う(右打ち遊技が促される)。上述した通り、普図抽選の当選確率は極めて高く、始動用開閉部材211が開位置に変位して頻繁に開閉第一始動領域21bが開放される。つまり、第一確変状態では、開閉第一始動領域21bに遊技球が進入することを契機とした第一当否抽選にて大当たりに当選することを目指して遊技する(第一当否抽選が主抽選となる)ことになる(図5(a)参照)。なお、第一確変状態にて右打ちすると、開閉第一始動領域21bに進入しなかった遊技球が第二始動領域22に到達する。つまり、比較的容易に第二当否抽選情報(第二保留情報)が取得される。しかし、低確率状態中と同様に、第一確変状態においても、第一当否抽選の結果を報知する変動中演出に要する時間(第一変動時間)に比して、第二当否抽選の結果を報知する変動中演出に要する時間(第二変動時間)の方が著しく長くなる(具体的な長さは上述した通りである)ように設定されている。本実施形態では「特図1・特図2同時変動」であるところ、第一当否抽選情報(第一保留情報)と第二当否抽選情報(第二保留情報)の両方が取得されても、第二当否抽選の結果を享受する回数は第一当否抽選に比べて著しく少なくなる。
第一確変状態での第一当否抽選(特図1抽選)にて大当たりに当選した場合の大当たり振分(以下、「第一確変時振分」と称することもある)は、第二確変大当たり(10ラウンド)が49.2%、第二確変大当たり(3ラウンド)が0.8%、低確大当たり(3ラウンド)が50%である。大当たり全体に占める確変大当たりの割合(確変割合)という点でいえば50%であり低確率時振分と同じである。また、ラウンド数の振分も低確率時振分と同じである(図5(b)参照)。つまり、低確率状態と第一遊技状態は遊技状態が異なるものの、第一当否抽選が実行されることに変わりはないのであるから、当該第一当否抽選を経た大当たりの確変割合およびラウンド数の振分は同じとされる(ぱちんこ遊技機の規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)に適合させるのであれば同じとする必要がある)。
第二確変状態(高確率/電サポ無)においては、遊技者は右打ち遊技を行う(右打ち遊技が促される)。上述した通り、普図抽選の当選確率は極めて低いから、開閉第一始動領域21bに遊技球が進入することはほとんどない(普図抽選の当選確率=0であれば進入する可能性はない)。したがって、右打ちされた遊技球は右側通路40を通過し(開閉第一始動領域21bに進入せず)、第二始動領域22に到達する。つまり、第二確変状態では、第二始動領域22に遊技球が進入することを契機とした第二当否抽選にて大当たりに当選することを目指して遊技する(第二当否抽選が主抽選となる)ことになる(図5(a)参照)。
第二確変状態での第二当否抽選(特図2抽選)にて大当たりに当選した場合の大当たり振分(以下、「第二確変時振分」と称することもある)は、第二確変大当たり(10ラウンド)が50%、第二確変大当たり(3ラウンド)が30%、低確大当たり(3ラウンド)が20%である(図5(b)参照)。つまり、第二確変時振分の確変割合(80%)は、低確率時振分や第一確変時振分の確変割合よりも高い(第一当否抽選よりも、第二当否抽選の方が、大当たり時に確変となる確率が高い)。その点において、第二確変状態は、第一確変状態よりも遊技者にとって有利な状態であるといえる。上述した通り、本実施形態にかかる遊技機1は特別領域13(V領域)を設けたいわゆるV確変機(「V確変」機能を用いたものである)であるため、第一当否抽選の確変割合と、第二当否抽選の確変割合に差を設定することができるものである。
8)ベース
遊技球が100球発射されたときに得られる賞球の期待値を「ベース」とする。ベース<100である場合は遊技球を発射するほど遊技者の持ち球が減る状態、ベース=100である場合は持ち球が現状維持である状態、ベース>100である場合は遊技球を発射するほど遊技者の持ち球が増える状態ということになる。各遊技状態におけるベースに関し、一般的な遊技機と同じように、低確率状態(左打ち状態)におけるベースは最も低い。例えば、ベース=30~50程度に設定されるとよい。なお、本実施形態では、開放第一始動領域21aに遊技球が進入したことによって払い出される賞球数は「3」である。
第一確変状態や第二確変状態(右打ち状態)のベースは、低確率状態よりも高い。例えば、第一確変状態および第二確変状態のいずれも、ベース90~120程度に設定されるとよい。
ここで、第一確変状態と第二確変状態では、主として得られる賞球の契機が異なる。第一確変状態では、開閉第一始動領域21bに遊技球が進入することにより払い出される賞球が主として得られる賞球となって、所定のベース(設計値)が確保される。なお、本実施形態では、本実施形態では、開閉第一始動領域21bに遊技球が進入したことによって払い出される賞球数は「1」である。つまり、頻繁に開閉第一始動領域21bが開放され、多くの遊技球が開閉第一始動領域21bに進入することになるから、所定のベースが確保される。また、第一確変状態では、第二当否抽選により小当たりに当選して小入賞領域15が開放されたとしても、ほとんどの遊技球が開閉第一始動領域21bに進入し、それよりも下流側に位置する小入賞領域15まで到達しない。つまり、第一確変状態では、小入賞領域15に遊技球が進入することによる賞球はほとんど期待できない。仮に、第一当否抽選により小当たりに当選する可能性がある設定とする場合であっても同様である。つまり、比較的容易に小入賞領域15が開放される設定とする場合であっても、ほとんどの遊技球が開閉第一始動領域21bに進入し、それよりも下流側に位置する小入賞領域15まで到達しないことになる。
一方、第二確変状態は、開閉第一始動領域21bに遊技球が進入することはほとんどない(普図抽選の当選確率=0であれば進入する可能性はない)状態である。ただし、第二当否抽選による小当たりには比較的当選しやすく(約1/1.05)、当該小当たりに当選することで小入賞領域15が開放される。つまり、小入賞領域15に遊技球が進入することにより払い出される賞球が主として得られる賞球となって、所定のベース(設計値)が確保される。本実施形態では、小入賞領域15に遊技球が進入したことによって払い出される賞球数は「10」である(なお、大入賞領域10の賞球数も「10」である)。本実施形態における第二確変状態のベースは100よりも大きく、第二確変状態は継続するほど持ち球が増加する状態(いわゆる「小当たりラッシュ」状態)とされている。第二確変状態中は、「○○RUSH」という文字を含む状態表示32(第二確変状態中であることを示す画像)が表示される。すなわち、当該状態表示32により、いわゆる小当たりラッシュ状態であることが遊技者に示される(図7等参照)。
ただし、当該第二確変状態(小当たりラッシュ状態)を、持ち球が現状維持となる状態(ベース=100)や、減少していく状態(ベース<100である状態)とすることを否定するわけではない。小入賞領域15に遊技球が進入することにより賞球が得られる分、第一遊技状態よりも第二遊技状態の方がベースが高い設定であればよい。
9)進入表示
第二確変状態にて第二確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技(第二確変大当たり遊技)が実行された上で、再び第二確変状態(小当たりラッシュ状態)に移行するというループ(いわゆる連チャン)が起こる。以下の説明にて「連チャン状態」というときには、第二確変大当たりと第二確変状態がループする状態を指すものとする。当該「連チャン状態」は、第二確変状態にて低確大当たり(大当たり遊技終了後に第二確変状態に移行しない大当たり)に当選することをもって終了することになる。
遊技者は、大当たり遊技にて大入賞領域10に遊技球が進入することにより得られる賞球のみならず、第二確変状態中に小入賞領域15に遊技球が進入することによって得られる賞球を獲得する。いわば、第二確変状態に移行することは、大当たり遊技として実行される規定単位遊技と、小当たり遊技として実行される不定単位遊技が連続的に発生しうる状態に移行するといえる。
大入賞領域10と小入賞領域15とは、遊技球が進入することで賞球が払い出される入賞領域であるということで共通する(しかも、本実施形態では「賞球数=10個」である点も同じである)。本実施形態では、これら大入賞領域10と小入賞領域15とを、閉鎖条件(終了条件)が成立するまで開放される領域(以下、特定領域100と称することもある)として捉え、当該特定領域100に対する遊技球の入賞状況をひとまとまりにして表す画像である進入表示50を表示領域911に表示する。以下、当該進入表示50について詳細に説明する。なお、本実施形態では、低確率状態または第一確変状態にて当選した第二確変大当たり(いわゆる「初当たり」となる第二確変大当たり)の大当たり遊技(第二確変大当たり遊技)から、第二確変状態にて低確大当たりに当選するまで、すなわち連チャン状態が終了するまで進入表示50が継続的に表示される。「初当たり」となる第二確変大当たり遊技終了後の第二確変状態から進入表示50の表示が開始される設定としてもよい。いずれにしても、進入表示50は、上記連チャン状態(規定単位遊技と不定単位遊技が連続的に発生しうる状態)に移行してから、当該状態が終了する(低確大当たりに当選する)までは継続的に表示され続ける(一時的に表示されない状態が発生することは許容される)ものである。よって、進入表示50は、「大当たり+小当たり」により持ち球を増加させることが期間中に継続的に表示されるものであるといえる。
進入表示50は、特定領域100に遊技球が進入することを契機として態様が変化するものである。本実施形態における進入表示50は、特定領域100に遊技球が進入することを契機として一の基準画像51が新たに表示されるものである。第二確変大当たり遊技(規定単位遊技)においては大入賞領域10に遊技球が進入することを契機として(図6参照)、第二確変状態(不定単位遊技)においては小入賞領域15に遊技球が進入することを契機として新たに基準画像51が表示される(図7参照)。つまり、特定領域100に遊技球が進入する度に基準画像51は増加していく。
基準画像51の数が基準数Nに到達することを契機として基準画像51の全てが消去される(進入表示50がリセットされる)(図8参照)。すなわち、進入表示50が含む基準画像51の個数は一旦0となる。そこから、特定領域100に遊技球が進入する度に基準画像51が増加していき、再び基準画像51の数が基準数Nとなることを契機として基準画像51が消去される。なお、基準画像51の数が基準数Nに到達した後、次の遊技球の特定領域100の進入が検出されることを契機として進入表示50がリセットされるものとしてもよい。かかる態様も、遊技球の進入個数が基準数に到達することで進入表示50がリセットされる一態様であるとする。
このように、本実施形態における進入表示50は、特定領域100(大入賞領域10、小入賞領域15)に進入した遊技球の数を、基準数であるN個単位で表示するものである。進入表示50がリセットされる条件は、単位遊技(規定単位遊技および不定単位遊技)の終了(閉鎖条件の成立)とは直接関係がない。基準数の基準画像51が表示された場合には、単位遊技が実行されている途中であっても進入表示50がリセットされる(図8参照)。また、例えば、ある単位遊技にて最後に特定領域100に進入した遊技球により5個目の基準画像51が表示されたとすれば、当該ある単位遊技の次の単位遊技は、5個の基準画像51を含む進入表示50が表示された状態で開始されることになる。つまり、先の単位遊技における進入表示50の状況は、その次の単位遊技(後の単位遊技)に引き継がれることとなる。偶然、規定単位遊技におけるC個目の遊技球の進入により基準数Nに到達した場合には、当該規定単位遊技の終了と進入表示50のリセットのタイミングが一致することになるが、それ以外の場合には単位遊技が終了することを条件として進入表示50がリセットされるというものではない。
また、本実施形態では、連チャン状態が継続する限りにおいて、大当たり遊技(第二確変大当たり)の終了から第二確変状態に移行する際や、第二確変状態から大当たり遊技(第二確変大当たり)への移行に際しても進入表示50はリセットされない。換言すれば、「大当たり遊技」および「大当たりを目指して遊技する遊技状態(小当たりに当選しやすい状態)」の一方から他方への移行を契機として進入表示50はリセットされない。よって、規定単位遊技の次に不定単位遊技が実行されるパターン(図9参照)や、不定単位遊技の次に規定単位遊技が実行されるパターン(図10参照)においても、先の単位遊技の終了時点における進入表示50の状況(基準画像51の数)は、後の単位遊技の開始時点における進入表示50に引き継がれることになる。
大当たり遊技における規定単位遊技において、上述した超過進入が発生した場合であってもその分基準画像51が表示されることになる(図11参照)。つまり、一の規定単位遊技においては、C個目までの遊技球の進入を契機として当然に基準画像51が表示されるし、C+α個目の遊技球の進入を契機としても基準画像51が表示される(超過進入であるか否かにかかわらず基準画像51が表示される)。したがって、一の規定単位遊技にて超過進入が発生しなかった場合にはC個(本実施形態では9個)の基準画像51が表示されるのに対し、超過進入が発生した場合にはC個超の基準画像51が表示される(基準画像51の表示回数が、超過進入の個数分多くなる)ことになる。
基準数Nの値は適宜設定することができるが、本実施形態における基準数Nは、上述した規定数C(カウント数C)とは異なる。すなわち、N≠Cである。本実施形態ではN=10とされている(N=10、C=9である)。
また、本実施形態における進入表示50は、目安画像52を含むものである。目安画像52は、基準画像51とは異なり、特定領域100に遊技球が進入することを契機として態様が変化するものではない。つまり、常態において表示されている画像である。目安画像52は、上記基準数であるN個表示されている。すなわち、本実施形態では10個表示されている。基準画像51は、目安画像52に付随するように(本実施形態では目安画像52の上に)表示される。具体的には、新たに一の基準画像51が表示される際には、別の基準画像51が付随していない目安画像52に付随して表示される。目安画像52には予め所定の順が定められており(当該順に沿って並ぶように表示されており)、新たに表示される基準画像51は当該順に沿って目安画像52に付随する。全ての目安画像52に対し基準画像51が付随した状態となることをもって進入表示50がリセットされ(基準画像51が消去され)、進入表示50は目安画像52を含み基準画像51は含まない状態に戻る。このような目安画像52が表示されることにより、遊技者は、N個を1セットとして特定領域100に進入する遊技球がカウントされているということを容易に把握することができる。
なお、本実施形態では、上記進入表示50とは別に、第二確変大当たり遊技(規定単位遊技)および第二確変状態(不定単位遊技)にて得られた利益を表示する利益表示54が表示される。本実施形態における利益表示54は、トータルの賞球数(払い出し個数)を示すものである(なお、各図においては具体的な数値を示していない)。利益表示54は、低確大当たりに当選するまで(第二確変状態が終了するまで)リセットされない。賞球数ではなく、純増数(賞球数-発射数)を示す利益表示54が表示されるようにしてもよい。
以上説明したように本実施形態にかかる遊技機1では、特定領域100に進入する遊技球が基準数(本実施形態では10個)に到達する度にリセットされる進入表示50が表示されるから、特定領域100への遊技球の進入状況が分かりやすい。
特に、本実施形態では、大当たり遊技を構成する単位遊技(規定単位遊技)と、小当たり遊技を構成する単位遊技(不定単位遊技)をひとまとまりとして進入表示50により特定領域100への遊技球の進入状況が示されるから、大当たり当選により得られる利益と第二確変状態(小当たりラッシュ状態)により得られる利益の獲得状況をひとまとまりとして把握することが可能となる。
本実施形態では、基準数Nと規定数Cが異なる値とされている。基準数Nを規定数Cと一致させ、一の規定単位遊技における遊技球の進入数が規定数に到達する度に表示がリセットされる構成(従来型の構成)は公知であるが、このような構成は単に表示がリセットされることと規定単位遊技の終了(次の単位遊技(次ラウンド)への移行)がリンクしただけのものである。本実施形態のように基準数Nと規定数Cを異ならせることは、進入表示50のリセットと規定単位遊技の終了をリンクさせていない証左であるともいえる。
また、本実施形態では、遊技球の進入が進入表示50を変化させる(基準画像51を表示する)契機となる領域として、大入賞領域10と小入賞領域15が設定されたものであるが、一の遊技球が進入したことによって払い出される賞球数が同じ(本実施形態では10個)である。つまり、一つの基準画像51あたりの利益(得られた賞球数)が同じであるため、進入表示50が分かりやすいという利点がある。
また、本実施形態では、規定単位遊技における超過進入も進入表示50(基準画像51)に反映される。仮に、上記従来型の構成を採用したとすると超過進入分の基準画像51を表示することができないことになるところ、本実施形態における進入表示50は単位遊技の終了に関係なく特定領域100に遊技球が進入する度に基準画像51が表示されていくというものであるため、超過進入を含めた利益の獲得状況の把握が容易になる。
また、本実施形態では、規定単位遊技の次に不定単位遊技が実行されるパターンや、不定単位遊技の次に規定単位遊技が実行されるパターンにおいても、先の単位遊技の終了時点における進入表示50の状況(基準画像51の数)は、後の単位遊技の開始時点における進入表示50に引き継がれる。したがって、大当たり遊技(規定単位遊技が連続的に発生する状態)と、小当たりに当選しやすい第二確変状態(不定単位遊技が連続的に発生する状態)とを、一続きの状態であるかのように(同じ状態にて連続的に単位遊技に当選しているかのように)みせることが可能となる。
上記進入表示50に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○具体例1-1
本実施形態にかかる遊技機1は、特定領域100として設けられた領域である、大当たり遊技(規定単位遊技)にて開放される領域(大入賞領域10)と、小当たり遊技(不定単位遊技)にて開放される領域が別の領域とされるものであるが、両領域が同じ領域であってもよい。すなわち、大当たり時および小当たり時のいずれにおいても開放される領域が同じであってもよい。
○具体例1-2
遊技球の進入が進入表示50の態様を変化させる(新たな基準画像51を表示する)契機となる領域(以下、対象領域)として、特定領域100以外の領域が設けられていてもよい。すなわち、上記実施形態は、対象領域として単位遊技実行時に開放される特定領域100(大入賞領域10、小入賞領域15)のみが設定された構成であるところ、特定領域100以外の領域が対象領域として設定された構成としてもよい。
例えば、常時開放されている領域であって、遊技球の進入により所定数の賞球は払い出されるものの、当否抽選は実行されない一般領域29(一般入賞領域)(図12参照)が対象領域として設定されたものとすることが考えられる。一般領域29は、特定領域100を狙って遊技球を発射させた際に、特定領域100に進入しなかった遊技球が進入する可能性が位置に設けられる。これにより、大当たり遊技(規定単位遊技)や第二確変状態(不定単位遊技)において、大入賞領域10や小入賞領域15に進入せず、一般領域29に進入する遊技球が生じうることになる。対象領域に遊技球が進入することを契機としてだけでなく、当該一般領域29に遊技球が進入することを契機として新たに単位画像が表示されるように進入表示50が変化する(図12(a)(b)参照)。一般領域29に遊技球が進入することによっても遊技者は利益を得ることができるのであるから、それを進入表示50の変化(単位画像の表示)によって把握できるようにする。
一般領域29に一の遊技球が進入することを契機として払い出される賞球数はどのようなものであってもよいが、好ましくは大入賞領域10や小入賞領域15に一の遊技球が進入したことを契機として払い出される賞球数と同じであるとよい。このようにすれば、一の基準画像51が表す利益が同じとなる。
○具体例1-3
上記実施形態では、大当たり遊技にてラウンド表示30がなされることを説明したが、第二確変大当たり(大当たり遊技終了後第二確変状態(小当たりラッシュ状態)に移行する大当たり)においては、ラウンド表示30がなされないようにしてもよい(図13(a)参照)。当然ではあるが、第二確変状態においてはラウンド表示30がなされない(図13(b)参照)ところ、上述したように進入表示50は第二確変大当たり遊技(規定単位遊技が連続的に発生する状態)と、小当たりに当選しやすい第二確変状態が一続きの状態(同じ状態)であるかのようにみせる作用を生じさせるものであるから、大当たり遊技であることを示す「ラウンド表示30」が表示されないようにして、当該作用をより一層高めることが考えられる。
また、第二確変大当たり遊技中(図13(a)参照)および第二確変状態中(図13(b)参照)を通じ、遊技状態を示す表示として同じ画像が用いられるようにするとよい。例えば、第二確変大当たり遊技中および第二確変状態中のいずれにおいても「○○RUSH」という文字を含む状態表示32が表示されるようにして、第二確変大当たり遊技と第二確変状態が一続きの状態(同じ状態)であるかのようにみせるようにする。
○具体例1-4
「小当たり」が設定されていない構成としてもよい。つまり、遊技球の進入が進入表示50を変化させる契機となる領域として、大当たり遊技にて開放される大入賞領域10が設定された構成とし、小入賞領域15は設定されていない(小入賞領域15に相当する領域が設けられていない)構成とする。換言すれば、規定単位遊技における大入賞領域10への遊技球の進入は進入表示50に反映される対象となるものの、不定単位遊技は対象とはならない(不定単位遊技が実行されない)構成とする。
このようにしても、上述した超過進入等の発生により一の規定単位遊技により大入賞領域10に進入する遊技球の数は一定とはならないのであるから、規定単位遊技の終了にかかわらず、基準数毎にリセットされる進入表示50を表示して、利益の把握を容易にするようにしてもよい。特に、基準数Nと規定数Cが異なる設定とする場合において、単位遊技毎ではなく、基準数N単位で利益を把握させる構成とする際に有効である。
○具体例1-5
進入表示50とは別の表示(画像)であって、進入表示50がリセットされることを契機として態様が変化するリセット表示55が表示領域911に表示されるものとする(図14参照)。上記実施形態のように、基準数N=10とするのであれば、基準画像51が10個表示される(図14(b)参照)度に、リセット表示55の態様が変化する(図14(c)参照)ことになる。
リセット表示55の態様(変化態様)としては種々考えられる。例えば、進入表示50がリセットされることを契機として増加する数字を含むリセット表示55とすることが考えられる(図14参照)。すなわち、リセット表示55は、進入表示50のリセット回数を示す数字を含むものである。リセット表示55が表す数字をMとするのであれば、「N(基準数)×M」の値が、進入表示50が表示されてから特定領域100に進入した遊技球の数を表すことになる。図14に示す例は、基準画像51が10個表示されると、その基準画像51がリセット表示55に向かうような表示(図14(b)参照)がなされた上で、進入表示50がリセットされるとともにリセット表示55の数字が「+1」される(図14(c)参照)。このようにすることで、10個(N個)の基準画像51がリセット表示55の変化に置き換わったということが分かりやすくなる。
リセット表示55は、第二確変状態(小当たりラッシュ状態)が終了する大当たり(上記実施形態に即して言えば低確大当たり)に当選するまで上記数字が増加し続ける(上記数字はリセットされない)。つまり、上述した連チャン状態(第二確変大当たりと第二確変状態がループする状態)が終了する大当たり(低確大当たり)に当選することを契機として上記数字がリセットされるものであり、連チャン状態が継続している限りにおいて上記数字はリセットされない。新たに連チャン状態が開始されるとき(いわゆる「初当たり」となる第二確変大当たりに当選したとき)には、再び0から進入表示50のリセット回数がカウントされることとなる。
上記例のリセット表示55は、進入表示50がリセットされた回数をそのまま示す(Mの値により直接的に示す)ものであるが、おおよその多少を示すものとしてもよい。例えば、リセット表示55は、進入表示50の多少を表す部分(以下、変化部と称する)を含むものとする。進入表示50のリセット回数が0~10回までの間は変化部が「青」を呈し、11~20回までの間は変化部が「黄」を呈し、21~30回までの間は変化部が「緑」を呈し、31~40回までの間は変化部が「紫」を呈し、41~50回までの間は変化部が「赤」を呈し、51超となって以降は変化部が「虹(色)」を呈するというように、変化部の色によりおおよそのリセット回数を示す構成とすることが考えられる。
○具体例1-6
対象領域(特定領域100)の種類に応じ、基準画像51の態様が異なるものとする。上記実施形態のように、大入賞領域10と小入賞領域15が対象領域(特定領域100)として設定されるのであれば、大入賞領域10に遊技球が進入することを契機として表示される基準画像51(以下、第一基準画像511と称する)(図15(a)参照)と、小入賞領域15に遊技球が進入することを契機として表示される基準画像51(以下、第二基準画像512と称する)(図15(b)参照)の態様(見た目)が異なるものとする。第一基準画像511や第二基準画像512の具体的態様はどのようなものであってもよい。一例として、第一基準画像511が「赤」、第二基準画像512が「青」を呈するものを図示する(図15においては当該色を文字で表す)。このようにすることで、進入表示50が含む各基準画像51が、いずれの領域に進入することによって表示されたものかを明確に区別することが可能となる(各領域の入賞状況を把握することが可能となる)。
なお、上記実施形態にて説明した構成とは異なるが、大入賞領域10に遊技球が進入することで払い出される賞球数と、小入賞領域15に遊技球が進入することで払い出される賞球数が異なる場合には、本例のようにすることが有効である。基準画像51の態様の違いにより、得られた利益の状況(賞球数の違い)の把握が容易になるからである。
上記具体例1-2にて説明したように、対象領域に一般領域29も含まれるようにするのであれば、当該一般領域29に遊技球が進入することを契機として表示される基準画像51の態様を、上述した第一基準画像511や第二基準画像512と異なるものとすればよい。
上記具体例1-1にて説明したような構成、すなわち大当たり時(規定単位遊技)にて開放される領域と小当たり時(不定単位遊技)にて開放される領域とが同じである構成にて、大当たり時(規定単位遊技)にて当該領域に遊技球が進入することを契機として表示される基準画像51と、小当たり時(不定単位遊技)にて当該領域に遊技球が進入することを契機として表示される基準画像51の態様を異ならせてもよい。このようにすることで、大当たり(規定単位遊技)によって得られた利益であるか、小当たり(不定単位遊技)によって得られた利益であるかを進入表示50(基準画像51の違い)により容易に把握できる。
○具体例1-7
進入表示50とは別に、単位遊技毎の遊技球の進入数(入賞数)がカウントされるものとする(図16参照)。上述した通り、進入表示50は単位遊技の終了の有無に関係なくリセットされるものであるため、当該進入表示50により表すことができない単位遊技毎のカウント表示59がなされるものとする。カウント表示59は、ある単位遊技が開始されてから終了するまでに特定領域100(大入賞領域10、小入賞領域15)に進入した遊技球をカウントする(図16(a)(b)参照)ものであり、当該ある単位遊技の終了を契機としてリセットされる(図16(c)参照)。
特定領域100に遊技球が進入すると、新たに基準画像51が表示されるとともに、カウント表示59が変化することになる(図16(a)(b)参照)。つまり、特定領域100への遊技球の進入は、進入表示50とカウント表示59の変化をもたらす。なお、カウント表示59は、遊技球の進入個数を示す数字が表示される(図16参照)ものであってもよいし、遊技球の進入個数を示す数字に代わる画像(例えば、遊技球が進入する度に増える画像)が表示される(図示せず)ものであってもよい。ただし、進入表示50(基準画像51)と明確に区分けできるようにするため、カウント表示59は進入個数を示す数字が表示されるものとすることが好ましい。また、カウント表示59は、進入表示50と同じ表示領域911(メインの表示装置91)に表示されるものであってもよい(図16に示す態様は同じ表示領域911に表示されるものである)が、進入表示50(基準画像51)と明確に区分けできるようにするため、別の表示装置に表示されるものであると好ましい。
規定単位遊技(図16参照)の場合、大入賞領域10への遊技球の進入数が規定数Cに到達することで終了するものであるから、少なくとも規定数Cに到達するまではカウントされる(ただし、規定数Cに到達せずに時間条件の成立により規定単位遊技が終了する場合、すなわち遊技者が継続的に大入賞領域10に向かって遊技球を発射しない場合を除く)。つまり、上記実施形態のようにC=9であれば、カウント表示59が含む数字が「9」に到達することを契機として規定単位遊技が終了し、次の規定単位遊技の開始時点ではカウント表示59がリセットされた状態にある(図16(c)参照)。なお、カウント表示59の最大値がCの値(「9」までしかカウントされない)である設定としてもよいし、超過進入を含めてカウントされるようにしてもよい。後者の設定とするのであれば、カウント表示59としてC+αの値(「9」を超える値)が表示されうることになり、遊技者が超過進入の有無を把握することが容易になる。
図示しないが、不定単位遊技の場合、小入賞領域15への遊技球の進入がそのままカウントされるようにすればよい。
規定単位遊技および不定単位遊技の一方についてカウント表示59がなされ、他方はカウント表示59がなされないようにしてもよい。規定単位遊技についてカウント表示59がなされるようにすれば、当該カウント表示59を見ることで規定単位遊技の進行状況(大入賞領域10が閉鎖されるまでのカウント数)を遊技者は把握することができる利点がある。一方、不定単位遊技についてカウント表示59がなされるようにすれば、当該カウント表示59を見ることで、得られる利益が不定である不定単位遊技にてどの程度の利益が得られたのか把握することが容易になる。
10)特殊先読み演出
第二確変状態にて、変動中演出に要する時間(識別図柄が変動を開始してから当否抽選結果を示す態様で停止するまでの時間)である変動時間は以下のようなものとされている。変動時間として設定されうるものとして長さが異なる複数の時間(複数の候補時間)が設定されている。変動時間として最も短い候補時間(最短変動時間)は0.3秒である(図17参照)。当該最短変動時間が変動時間として設定される場合には、当否抽選結果が小当たりとなる場合がある。なお、本実施形態では、最短変動時間が設定される場合には、当否抽選結果が大当たりとなる可能性はなく、小当たりまたははずれとなる(同図参照)。すなわち、大当たり当選が報知される変動中演出の長さは、最短変動時間よりも長くなる。換言すれば、変動時間が最大変動時間を超えてはじめて大当たり当選の可能性があるということである。また、小当たり当選時の変動時間は、最短変動時間よりも長くなることもある。すなわち、最短変動時間よりも長い変動時間を経て小当たり当選が報知されることもある。ただし、小当たり当選の多く(50%以上)は、最短変動時間の変動中演出にて報知される。なお、以下の説明において、変動時間の長さと当否抽選結果を合わせて示す(「変動時間/当否抽選結果」)こともある。例えば、最短変動時間である0.3秒の変動時間を経て小当たりが報知される変動パターンを「0.3秒/小当たり」というように称する。
本実施形態では、第二確変状態にて特殊先読み演出(図18参照)が発生しうる。なお、当該特殊先読み演出は、低確率状態や第一確変状態では発生しない(特殊先読み演出以外の先読み演出は発生しうる)。つまり、特殊先読み演出は、第二確変状態特有の先読み演出であるといえる(「先読み演出」自体は周知であるから詳細な説明を省略する)。
上述した通り、第二確変状態は、第二当否抽選が主抽選となる遊技状態である。つまり、第二当否抽選情報に基づく第二当否抽選が連続的に実行される状態である。対応する変動中演出が開始される前の第二当否抽選情報は、第二保留情報として記憶手段に記憶される(本実施形態では最大四つの第二当否抽選情報が記憶手段に記憶される)。特殊先読み演出は、記憶手段に記憶される各第二保留情報に対応する当否抽選結果のみならず、各当否抽選結果についての変動中演出の変動時間が最短変動時間となるか否かを先読みして実行するものである。具体的には次の通りである。
特殊先読み演出は、記憶手段に記憶される第二保留情報のうち、対応する変動中演出が開始される順(いわゆる消化順)が早い一または複数の連続する第二保留情報を対象保留情報とする(以下、特殊先読み演出が開始される変動中演出(後述する先読み開始変動)が実行されている際の、消化順が1番目の保留を保留1、2番目の保留を保留2・・・といったように称することもある)。当該対象保留情報に対応する当否抽選結果が小当たりであり、かつ、当該対象保留情報に対応する変動中演出(以下、対象変動中演出と称することもある)の変動時間が最短変動時間となる場合、すなわち「0.3秒/小当たり」となる場合に限り発生しうる。特殊先読み演出が開始される変動中演出を「先読み開始変動」とすれば、少なくとも先読み開始変動の次に実行される変動中演出が「0.3秒/小当たり」となる場合でなければ特殊先読み演出は発生しないということである。例えば、本実施形態では、「0.5秒/小当たり」も発生しうるが、当該「0.5秒/小当たり」は特殊先読み演出の対象(対象保留情報)とはならないということである。
特殊先読み演出は、対象保留情報の数に応じて態様が異なるものである。つまり、特殊先読み演出の態様により、その後発生する小当たりの数が示される。本実施形態では、対象保留情報の数が一つ(保留1)であれば第一態様の特殊先読み演出(以下、第一態様演出と称することもある)(図18(b-1)参照)が、対象保留情報の数が二つ(保留1、2)であれば第二態様の特殊先読み演出(以下、第二態様演出と称することもある)(図18(b-2)参照)が、対象保留情報の数が三つ(保留1~3)であれば第三態様の特殊先読み演出(以下、第三態様演出と称することもある)(図18(b-3)参照)が実行されうる。各態様の違いはどのようなものであってもよい。本実施形態では、所定部位の「色」が異なる特殊先読み演出用の画像(演出画像60)が表示されるものとされる。第一態様演出として表示される演出画像60(第一演出画像601)は所定部位が「青」を呈するものであり、第二態様演出として表示される演出画像60(第二演出画像602)は所定部位が「緑」を呈するものであり、第三態様演出として表示される演出画像60(第一演出画像601)は所定部位が「赤」を呈するものである(図面においては当該「色」を文字で示す)。
つまり、先読み開始変動となる変動中演出の次の変動中演出(保留1)が「0.3秒/小当たり」となるものである場合には、先読み開始変動にて第一演出画像601が表示される第一態様演出が実行されうる。先読み開始変動となる変動中演出の次の変動中演出(保留1)およびその次の変動中演出(保留2)のいずれもが「0.3秒/小当たり」となるものである場合には、先読み開始変動にて第二演出画像602が表示される第二態様演出が実行されうる。先読み開始変動となる変動中演出の次の変動中演出(保留1)、その次の変動中演出(保留2)、およびさらにその次の変動中演出(保留3)のいずれもが「0.3秒/小当たり」となるものである場合には、先読み開始変動にて第三演出画像603が表示される第三態様演出が実行されうる。
このように、特殊先読み演出は、全ての対象保留情報に対応する当否抽選結果が小当たりである場合(「小当たり条件」が成立している場合)に発生しうることになる。また、当該小当たり条件のみならず、全ての対象変動中演出の変動時間が最短変動時間となる(「変動時間条件」が成立している)ことが必要になる。最短変動時間を「所定時間」と捉えれば、変動時間条件の成立とは、全ての対象変動中演出の変動時間が所定時間以下であるということになる。
なお、第二態様演出や第三態様演出は、上記条件を満たす保留が「連続している」ことが必要である。例えば、保留1が「0.3秒/小当たり」、保留2が「0.5秒/はずれ」、保留3が「0.3秒/小当たり」、保留4が「0.3秒/小当たり」である状況での変動中演出(先読み開始変動)においては、第二態様演出や第三態様演出は発生しない(ただし、保留3、4が最短変動時間の小当たりであるから、保留2に対応する変動中演出にて、第二態様演出は発生しうる)。
先読み演出は、当否抽選結果が当たりである蓋然性が高まったことを示唆する演出であるところ、本実施形態の特殊先読み演出の発生には、上記「小当たり条件」の成立のみならず、上記「変動時間条件」の成立が必要になる。つまり、特殊先読み演出は、一または複数の小当たり(不定単位遊技)がテンポよく発生することを示すという斬新なものである。また、特殊先読み演出の態様により、テンポよく発生する小当たりの数が示されるものでもある。
特殊先読み演出は、先読み開始変動となる変動中演出の途中から開始される(演出画像60の表示が開始される)ことになるが、演出画像60の表示が先読み開始変動にて終了するようにしてもよいし、先読み対象の保留に対応する変動中演出まで継続するようにしてもよい。後者のようにする場合、第一演出画像601は保留1に対応する変動中演出(先読み開始変動の一つ後の変動中演出)が開始されるまでは表示され続ける(保留1に対応する変動中演出の途中または終了と同時に消去される)(図19(a)参照)。第二演出画像602は保留2に対応する変動中演出(先読み開始変動の二つ後の変動中演出)が開始されるまでは表示され続ける(保留2に対応する変動中演出の途中または終了と同時に消去される)(図19(b)参照)。第三演出画像603は保留3に対応する変動中演出(先読み開始変動の三つ後の変動中演出)が開始されるまでは表示され続ける(保留3に対応する変動中演出の途中または終了と同時に消去される)(図19(c)参照)。換言すれば、第一演出画像601は二つの変動中演出(先読み開始変動および保留1に対応する変動)に亘って、第二演出画像602は三つの変動中演出(先読み開始変動、保留1に対応する変動および保留2に対応する変動)に亘って、第三演出画像603は四つの変動中演出(先読み開始変動、保留1に対応する変動、保留2に対応する変動および保留3に対応する変動)に亘って継続的に表示されることになる。よって、後者のようにした場合、特殊先読み演出の開始だけでなく、終了が分かりやすいという利点がある。
なお、本実施形態では、先読み開始変動自体は、当否抽選結果がはずれである変動(はずれ変動)とされている。つまり、はずれ変動後、一または複数の小当たり変動が発生する場合に特殊先読み演出が発生する。
また、一または複数の連続する対象保留情報が記憶手段に記憶されている場合に、必ず特殊先読み演出が発生するわけではない。上述した「小当たり条件」および「変動時間条件」の両方が成立している保留が存在する場合に、特殊先読み演出が発生する可能性があるということである。
上記特殊先読み演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○具体例2-1
上記実施形態では、先読み開始変動自体は、当否抽選結果がはずれである変動(はずれ変動)とされていることを説明したが、当否抽選結果が小当たりである変動(小当たり変動)が、先読み開始変動として設定されうる構成としてもよい。つまり、先読み開始変動が小当たり変動であるのであれば、当該先読み開始変動終了後に小当たり遊技(不定単位遊技)が実行されることとなる(図20参照)。
特殊先読み演出は、保留内に少なくとも1回の小当たりが存在することを示す演出であるから、小当たり変動が先読み開始変動として設定される構成とすれば、少なくとも2回の小当たり当選が確定することになる。つまり、このようにすることで、特殊先読み演出は、少なくとも2回の小当たり(不定単位遊技)がテンポよく連続的に発生することを示すものとなる。
先読み開始変動が、はずれ変動になることもあれば、小当たり変動になることもある設定としてもよい。
○具体例2-2
上記実施形態では、対象変動中演出の変動時間が最短変動時間(候補時間のうちの最も短い時間)となることが「変動時間条件」の成立として設定されていることを説明したが、候補時間のうち、短い方から数えた二以上の時間が対象変動中演出の変動時間とされることが「変動時間条件」の成立として設定された構成としてもよい。つまり、基準時間以下となる候補時間が二以上であってもよい(全ての候補時間が基準時間以下となるような設定、すなわち基準時間=最長変動時間とするような設定は除く)。
例えば、対象変動中演出が「0.3秒/小当たり」のみならず、「0.5秒/小当たり」である場合にも特殊先読み演出が発生しうるものとする(図21(a)参照)。このようにしても、短い間隔で小当たりにテンポよく当選することを示す特殊先読み演出の作用は享受されることになる。
ただし、上記実施形態のように、最短変動時間(0.3秒)のみが「変動時間条件」を満たすものとする(一または複数の全ての対象変動中演出の変動時間として最短変動時間が設定される場合しか特殊先読み演出が発生しない)構成の方が、小当たり発生のテンポが短いという点において優れる。また、三回の小当たりが発生する場合には、小当たり間の長さ(小当たり発生のテンポ)が略均等になるという点において優れる。
○具体例2-3
先読み開始変動の変動時間(特殊先読み演出が開始される変動中演出の時間)は、最短変動時間とはされない。換言すれば、先読み開始変動の変動時間は、上述した基準時間超とされるということである(図22参照)。上記実施形態のように、先読み開始変動がはずれ変動となる設定とするのであれば、「0.3秒/はずれ」が先読み開始変動として設定されることはない。また、上記具体例2-1にて説明したように、先読み開始変動が小当たり変動となる設定とするのであれば、「0.3秒/小当たり」が先読み開始変動として設定されることなない。このようにする理由は以下の通りである。
特殊先読み演出は、小当たりがテンポよく当選することを示すものである。それを実現するためには、対象変動中演出(小当たり変動)の変動時間が短いことが必要なのであって、先読み開始変動の変動時間自体を短くする必要はそれほどない。
また、先読み開始変動の変動時間が短いと、特殊先読み演出が発生するか否かや、どの態様(第一態様演出~第三態様演出)の特殊先読み演出が発生するかを示す事前演出(詳細は後述)を発生する時間が無くなってしまう。つまり、先読み開始変動の変動時間を基準時間超とすることで事前演出を実行するための時間が確保される。
○具体例2-4
特殊先読み演出が発生するよりも前に、当該特殊先読み演出が発生する可能性があることを遊技者に示唆する事前演出が発生するものとする。事前演出は、発生した場合には特殊先読み演出の発生が確定するものとしてもよいし、発生した場合であっても特殊先読み演出の発生が確定しない(事前演出が発生した場合には、発生しない場合に比して特殊先読み演出が発生する蓋然性が高まるに留まる設定)としてもよい。後者のように設定する場合には、事前演出が成功結末に至る場合には特殊先読み演出が発生し、失敗結末(成功結末とは異なる結末)に至る場合には特殊先読み演出が発生しないものとなる。
また、事前演出は、発生する特殊先読み演出の態様を示唆するものとすることができる。例えば、発生しうる特殊先読み演出の態様を示唆する複数の示唆画像65を表示することを事前演出とし(図23(a)参照)、その後いずれかの示唆画像65が演出画像60に変化する(一つの示唆画像65が残って演出画像60となり、その他の示唆画像65が消える)ことで当該演出画像60を用いた特殊先読み演出が発生する(図23(b)参照)ものとする。具体的には、第一演出画像601に対応する第一示唆画像651、第二演出画像602に対応する第二示唆画像652、第三演出画像603に対応する第三示唆画像653が設定され、事前演出においては一または複数の示唆画像65が表示されるものとする。これにより、遊技者は、いずれかの示唆画像65に対応する演出画像60を用いた特殊先読み演出が発生する可能性があることを把握することになる。各示唆画像65は、各演出画像60との対応関係を把握することができるものであればよい。例えば、対応する演出画像60を半透明な態様で表示したものを示唆画像65とすることが考えられる(図面においては示唆画像65を点線にて示す)(図23(a)参照)。
事前演出にて示される示唆画像65の種類および数により各態様の特殊先読み演出が発生する蓋然性が示唆されるものとしてもよい。例えば、図24(a)に示すように、示唆画像65として、第一示唆画像651一つと、第三示唆画像653二つが表示される示唆演出が発生したとする。この場合、第二示唆画像652は表示されていないのであるから、第二態様演出(第二演出画像602の表示)は発生することはない。第一態様演出(第一演出画像601の表示)と第三態様演出(第三演出画像603の表示)は発生する可能性はあるが、第一示唆画像651よりも第三示唆画像653が多いのであるから、第一態様演出よりも第三態様演出の方が発生する蓋然性が高い。
事前演出が発生しても特殊先読み演出が発生しない可能性がある設定とする場合において、事前演出にて表示される示唆画像65として失敗結末用の画像(失敗画像654)が表示されるようにしてもよい(図24(b)参照)。この場合、図24(a)のように失敗画像654が表示されないケースでは、特殊先読み演出が発生する(成功結末に至る)ことが確定する設定とする。図24(b)のように失敗画像654が表示される場合には、その数により失敗結末に至る蓋然性が示唆される(表示される失敗画像654の数が少ないほど、事前演出が成功結末に至り、特殊先読み演出が発生する蓋然性が高い)設定とする。
○具体例2-5
保留1、2が「小当たり条件」および「変動時間条件」を満たすとき(第二態様演出が発生しうる状況であるとき)に第一態様演出が発生したり、保留1~3が「小当たり条件」および「変動時間条件」を満たすとき(第三態様演出が発生しうる状況であるとき)に第一態様演出や第二態様演出が発生したりすることがないように設定する。すなわち、保留1、2がいずれも「0.3秒/小当たり」であるときに発生する特殊先読み演出は必ず第二態様演出となり、保留1~3がいずれも「0.3秒/小当たり」であるときに発生する特殊先読み演出は必ず第三態様演出となるようにする。まとめると、特殊先読み演出を発生させる場合には、消化順が早い保留に関し、「小当たり条件」および「変動時間条件」を満たすものの最大数に相当する態様の特殊先読み演出を発生させる。
このようにすることで、特殊先読み演出の対象となった最後の保留が消化された(当該最後の保留に対応する変動中演出が終了した)後、当該最後の保留の次の保留が「0.3秒/小当たり」となることが生じにくい(第三態様演出が実行された場合に、保留4が「0.3秒/小当たり」となる可能性があるだけである)。特殊先読み演出の態様により、遊技者は連続して発生する小当たりの数を想定する(把握)ことになるところ、場合にそってはその想定に合わせて遊技球の発射を停止してしまう(上記最後の保留に対応する小当たり終了後に発射を停止してしまう)おそれがあるから、当該想定を超える数の「0.3秒/小当たり」が連続して発生しにくいようにする。
○具体例2-6
最短変動時間となる場合、当否抽選結果の態様として大当たりだけでなく、はずれも存在しない構成とする。つまり、最短変動時間=小当たり確定である設定とする。このようにすれば、変動時間が最短変動時間であるか否かという観点(変動時間条件)のみで特殊先読み演出の対象となる保留(対象保留情報)であるか否かを区分けできることになり、制御が容易になる。
○具体例2-7
上記実施形態では、対応する当否抽選結果が「小当たり」となるものが対象保留情報となりうることを説明したが、対応する当否抽選結果が「大当たり」となるものが対象保留情報となりうるものとしてもよい。上記実施形態のように最短変動時間が0.3秒であるのであれば、「0.3秒/大当たり」となるパターンが発生しうるようにし、当該パターンとなるものも対象保留情報となる(特殊先読み演出の対象となる)ということである。保留1が「0.3秒/小当たり」、保留2が「0.3秒/大当たり」である場合に第二態様演出が発生する、というように、小当たりと大当たりの保留が混在したものを対象として特殊先読み演出が発生するようにしてもよい。このようにすることで、特殊先読み演出は、小当たりおよび大当たりの両方を含む「当たり」がテンポよく発生することを示唆するものとなる。
○具体例2-8
上記実施形態では、対象保留情報の数が一つ(保留1が「0.3秒/小当たり」)のときには第一態様演出が発生し、対象保留情報の数が二つ(保留1、2が「0.3秒/小当たり」)のときには第二態様演出が発生し、対象保留情報の数が三つ(保留1~3が「0.3秒/小当たり」)のときには第三態様演出が発生することを説明した。すなわち、対象保留情報の数と特殊先読み演出の態様は対応関係(1:1の関係)にあることを説明したが、特殊先読み演出の態様により、対象保留情報の数の多少が示唆されることに留まる設定としてもよい。
具体的には、特殊先読み演出の態様によらず、対象保留情報の数は毎回変化しうるものとする(例えば、第一態様演出が発生したときであっても、対象保留情報の数が二つであったり、三つであったりする場合があるものとする)。これを前提として、発生する特殊先読み演出の態様に応じ、対象保留情報の数(連続して発生する「0.3秒/小当たり」の数)の期待値が異なるものとする。例えば、第一態様演出が発生したときよりも第二態様演出が発生したときの方が、第二態様演出が発生したときよりも第三態様演出が発生したときの方が、対象保留情報の数の期待値が大きくなりやすい設定とする(図25参照)。このような構成としても、発生する特殊先読み演出の態様に遊技者が注目する遊技性が実現される。
○具体例2-9
特殊先読み演出として表示される演出画像60は、識別図柄80の組み合わせであってもよい。具体的には、先読み開始変動に対応する当否抽選結果(はずれ)を示す識別図柄80の組み合わせが、第一演出画像601~第三演出画像603に相当するものとする。各演出画像60に相当する識別図柄80の組み合わせは、所定の法則性を満たすものであればよい。例えば、順目(「1・2・3」「4・5・6」等)は第一演出画像601に、逆順目(「3・2・1」「6・5・4」等)は第二演出画像602に、「7」の識別図柄80が二つ以上存在する組み合わせ(「1・7・7」「7・7・6」等)は第三演出画像603に相当するものとする(図26参照)。このようにすることで、識別図柄80の組み合わせにより、その後連続的に発生する小当たりの数を示唆する構成とすることができる。
具体例2-1にて説明したように、先読み開始変動自体も小当たり当選を報知するものとするのであれば、小当たり当選を示す識別図柄80の組み合わせが第一演出画像601~第三演出画像603に相当するものとしてもよい。上記実施形態にて説明したように、「3」と「7」の識別図柄80から構成される組み合わせを小当たり当選を示すものとするのであれば、「3・3・7」の組み合わせは第一演出画像601に、「3・7・7」の組み合わせは第二演出画像602に、「7・7・3」の組み合わせは第三演出画像603に相当するといったように、小当たり当選を示す組み合わせとなる条件を維持しつつ、各演出画像60に相当する組み合わせ(法則)を設定すればよい。
11)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
12)上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1-1
常態において閉鎖されている特定領域が所定の閉鎖条件が成立するまで開放される単位遊技を実行する単位遊技実行手段と、前記単位遊技が連続的に発生しうる状態にて、前記特定領域を含む対象領域に遊技球が進入することを契機として態様が変化する進入表示を表示する表示手段と、を備え、前記進入表示は、前記単位遊技が終了したか否かにかかわらず、前記対象領域への遊技球の進入個数が基準数に到達する度にリセットされるものであることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、対象領域への遊技球の進入状況を分かりやすくすることが可能である。
・手段1-2
前記進入表示は、前記対象領域に遊技球が進入することを契機として基準画像が新たに表示されるものであり、当該基準画像が前記基準数に到達することを契機として当該基準画像が消去されることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、所定数(基準数)毎にカウントしていることが分かりやすくなる。
・手段1-3
前記単位遊技として、前記特定領域を狙って継続的に遊技球を発射した場合における当該特定領域への遊技球の進入個数の期待値が規定数以上となる規定単位遊技、および当該期待値が前記規定数未満となる不定単位遊技が設定されていることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
上記のようにすることで、規定単位遊技と不定単位遊技を合わせた進入状況を分かりやすく示すことが可能である。
・手段1-4
前記基準数と前記規定数は異なる値であることを特徴とする手段1-3に記載の遊技機。
基準数≠規定数であることは、規定単位遊技の終了と、進入表示のリセットとが関係しない事象であることの証左である。
・手段1-5
一の前記規定単位遊技にて前記規定数を超えて前記対象領域に遊技球が進入する超過進入が発生した場合、当該超過進入を契機として前記進入表示の態様が変化することを特徴とする手段1-3または手段1-4に記載の遊技機。
このようにすることで、進入表示により、超過進入も含めた利益の獲得状況を把握することができる。
・手段1-6
前記対象領域の一つとして、常時開放されている一般領域が設定されていることを特徴とする手段1-1から手段1-5のいずれかに記載の遊技機。
遊技球の進入状況が示される対象の領域に、一般領域が設定された構成としてもよい。
・手段1-7
前記進入表示とは別に、当該進入表示がリセットされることを契機として態様が変化するリセット表示が表示されることを特徴とする手段1-1から手段1-6のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、今までの進入状況が把握しやすくなる。
・手段1-8
前記リセット表示は、前記進入表示がリセットされることを契機として増加する数字を含むものであることを特徴とする手段1-7に記載の遊技機。
このようにすることで、「リセット表示が含む数字×基準数」の計算により、今までに進入した遊技球の個数を把握することができる。
・手段1-9
前記進入表示とは別に、前記単位遊技毎に前記特定領域に進入した遊技球の数を示すカウント表示が表示されることを特徴とする手段1-1から手段1-8のいずれかに記載の遊技機。
進入表示は、単位遊技毎の進入状況については把握しづらいものである。上記のようなカウント表示が表示されるようにすることで、単位遊技毎の進入状況が把握しやすい。
・手段2-1
当否抽選結果を示す識別図柄の変動開始から、当該識別図柄が当否判定結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を実行する演出実行手段と、当否抽選に用いられる当否抽選情報のうち、対応する前記変動中演出が開始されていないものを保留情報として記憶する記憶手段と、を備え、前記変動中演出を構成する演出として、前記記憶手段に記憶されている前記保留情報のうち、対応する前記変動中演出が開始される順が早い一または複数の連続する前記保留情報を対象保留情報とし、当該対象保留情報に対応する当否抽選結果が当たりであり、かつ、当該対象保留情報に対応する前記変動中演出である対象変動中演出に要する変動時間が基準時間以下である場合に発生しうる特殊先読み演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機の特殊先読み演出は、短時間で(テンポよく)一または複数の当たりが発生することを予告するという面白みのあるものである。
・手段2-2
前記変動中演出に要する変動時間は、長さが異なる時間のうちのいずれかが設定されるものであり、前記特殊先読み演出は、最も短い時間が前記対象変動中演出の変動時間として設定された場合に発生しうるものであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊先読み演出は、最短変動時間で当たりが報知されることを予告するものとなる。
・手段2-3
前記特殊先読み演出は、前記対象保留情報の数に応じて態様が異なるものであることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊先読み演出の態様により、発生する当たりの数を把握することができる。
・手段2-4
前記特殊先読み演出の態様により、前記対象保留情報の数の多少が示唆されることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊先読み演出の態様により、発生する当たりの数の多少を予測しながら楽しむことができる。
・手段2-5
前記特殊先読み演出が開始される前記変動中演出の変動時間は、前記基準時間超であることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
特殊先読み演出が開始される変動中演出の変動時間は、当該特殊先読み演出を実行するための時間が確保されるようにするとよい。