(第1の実施の形態)
以下、図1~図10を用いて、第1の実施の形態に係る床パネル10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれ床パネル10の上側、前側、右側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときは、特に断りのない限り、床パネル10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
図5に示されるように、床パネル10は、全体として上下方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されて、フリーアクセスフロア用の床パネルとして構成されている。すなわち、図1及び図2に示されるように、複数の床パネル10が前後方向及び左右方向に並んで配置されて、フリーアクセスフロアの一部を構成している。そして、フリーアクセスフロアでは、各々の床パネル10の四隅の角部が、建物のスラブ(床)に載置された支持脚40によって固定支持されている。以下、初めに、床パネル10の構成について説明し、次いで、床パネル10を支持するための支持脚40の構成について説明する。
(床パネル10について)
図3、図5、及び図6に示されるように、床パネル10は、上下方向を板厚方向とした略矩形板状のパネル本体20と、パネル本体20の四隅の角部に設けられた4箇所のコーナー部材30と、を含んで構成されている。
パネル本体20は、パーチクルボード22と、上側パネル部24と、下側パネル部26と、を含んで構成されており、パーチクルボード22が、上側パネル部24と下側パネル部26とによって上下に挟み込まれている。
パーチクルボード22は、JIS A 5908に規定された13Uタイプ(曲げ強さが13N/mm2以上であり、密度が0.4(g/cm3)以上0.9(g/cm3)未満)のパーチクルボードとして構成されている。また、パーチクルボード22は、上下方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されている。パーチクルボード22の木口(側面)には、樹脂テープ等によって構成された封止部28(図6~図8参照)が設けられており、封止部28によってパーチクルボード22の木口(側面)が封止されている。なお、パーチクルボード22の木口(側面)を封止する方法はこれに限らず、例えば、アウトサート成形等によってパーチクルボード22の木口(側面)を樹脂によって封止してもよい。
図8に示されるように、パーチクルボード22の四隅の角部には、面取りされた面取面22Aが形成されている。面取面22Aは、平面視で、パーチクルボード22の側面に対して略45度に傾斜している。そして、以下の説明では、平面視で、面取面22Aに対して直交する方向を第1方向(図8の矢印A方向及び矢印B方向参照)と称し、面取面22Aに沿う方向(すなわち、平面視で第1方向に対して直交する方向)を第2方向(図8の矢印C方向及び矢印D方向参照)と称する。
面取面22Aの上下方向中間部には、後述するコーナー部材30を固定するための固定溝22Bが形成されている。固定溝22Bは、第1方向一方側(図8の矢印A方向側であり、パーチクルボード22の外方側)へ開放された凹状に形成されると共に、第2方向に貫通している。
図3、図5、及び図6に示されるように、上側パネル部24は、スチール製の板材によって構成され、プレス加工によって、上下方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。また、上側パネル部24の板厚は、0.3mm以下(本実施の形態では、0.2mm)に設定されている。そして、上側パネル部24がパーチクルボード22の上側に隣接して配置されて、パーチクルボード22の上面を覆っている。また、上側パネル部24は、接着剤等によってパーチクルボード22に接合されている。
上側パネル部24の外周部は、下方側へ折り曲げられた上側パネルサイド部24Aとして構成されており、上側パネルサイド部24Aは、パーチクルボード22の面取面22Aを除く側面を覆っている。換言すると、上側パネル部24の四隅の角部には、パーチクルボード22の面取面22Aに対応した面取部24B(図6参照)が形成されている。図7に示されるように、上側パネルサイド部24Aの上下方向中間部は、略クランク状に屈曲されて、パーチクルボード22の内方側へ一段下がっている。また、上側パネルサイド部24Aの下端部は、パーチクルボード22の外側且つ上側へ屈曲されて、180度に折り返されている。なお、パーチクルボード22の側面の下部は、上側パネルサイド部24Aの形状に対応して、パーチクルボード22の内側へ一段下がっている。
下側パネル部26は、上側パネル部24と同様に、スチール製の板材によって構成され、プレス加工によって、上下方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。また、下側パネル部26の板厚は、上側パネル部24と同様に、0.3mm以下(本実施の形態では、0.2mm)に設定されている。そして、下側パネル部26がパーチクルボード22の下側に隣接して配置されて、パーチクルボード22の下面を覆っている。また、下側パネル部26は、接着剤等によってパーチクルボード22に接合されている。
下側パネル部26の外周部には、上側パネル部24の上側パネルサイド部24Aに対応した下側パネルサイド部26Aが形成されており、下側パネルサイド部26Aは、上方側へ折り曲げられている。換言すると、下側パネル部26の四隅の角部には、パーチクルボード22の面取面22Aに対応した面取部26B(図6参照)が形成されている。また、下側パネルサイド部26Aは、パーチクルボード22の内側且つ下側へ180度に折り返されて、上側パネルサイド部24Aの下端部と重なっている。これにより、パネル本体20には、上側パネル部24及び下側パネル部26によって、パーチクルボード22の面取面22Aをパネル本体20の外部へ露出させるための開口部が形成されている。また、パネル本体20では、パーチクルボード22の面取面22Aが、上側パネル部24の面取部24B及び下側パネル部26の面取部26Bよりもパネル本体20の内部に若干奥まった位置に配置されている(図6参照)。これにより、後述するコーナー部材30を上側パネル部24及び下側パネル部26によって上下に挟み込んで固定することができる構成になっている。
次に、コーナー部材30について説明する。図5に示されるように、コーナー部材30は、床パネル10の四隅の角部を構成しており、4箇所のコーナー部材30は、同一形状を成している。このため、床パネル10の左前の角部に配置されたコーナー部材30を用いて、コーナー部材30の構成について説明する。
図5~図10に示されるように、コーナー部材30は、繊維強化プラスチック(本実施の形態では、ガラス繊維強化プラスチック)によって構成されている。コーナー部材30は、上下方向を板厚方向とする略直角三角形板状に形成されている。具体的には、コーナー部材30の側面が、平面視で左右方向に沿って延在された第1側面30Aと、前後方向に沿って延在された第2側面30Bと、第1側面30Aの右端部と第2側面30Bの後端部とを接続する傾斜面30Cと、を含んで構成されている。そして、傾斜面30Cが、平面視で、第2方向に沿って延在している。
傾斜面30Cの上下方向中間部には、固定片30Dが形成されている。固定片30Dは、上下方向を板厚方向として、傾斜面30Cから第1方向他方側(図6~図10の矢印B方向側)へ突出されると共に、第2方向に沿って延在されている。この固定片30Dの上面及び下面には、それぞれ複数(本実施の形態では、4箇所)の固定リブ30Eが形成されている。固定リブ30Eは、第2方向に沿って延在されると共に、第1方向において、所定の間隔を空けて並んで配置されている。なお、固定リブ30Eは、第2方向に沿って連続的に延在されているが、固定リブ30Eを第2方向に沿って断続的に延在させるように形成してもよいし、断続的に形成された固定リブ30Eを固定片30Dの上面及び下面にランダム(任意の位置)に配置して、固定片30Dの上面及び下面を粗面に形成してもよい。また、固定リブ30Eは、固定リブ30Eの長手方向から見て、三角形状に形成されている。なお、固定片30Dの先端部における上面及び下面は、固定片30Dの先端側へ向かうに従い、互いに接近するように傾斜している。
そして、固定片30Dが、パーチクルボード22の固定溝22B内に嵌入されて、コーナー部材30がパーチクルボード22の四隅に固定されている。これにより、コーナー部材30が、パーチクルボード22の面取面22Aから第1方向一方側へ突出して、床パネル10の四隅の角部を構成している。なお、コーナー部材30のパーチクルボード22への固定状態では、固定リブ30Eが固定溝22Bの内周面(上面及び下面)に食い込むように、固定片30Dが、パーチクルボード22の固定溝22B内に嵌入されると共に、傾斜面30Cと面取面22Aとが、第1方向に隣接して配置されている(図6参照)。
また、コーナー部材30の外周面における第1方向他方側の部分には、一段下がった段差部30Fが形成されている。そして、コーナー部材30のパーチクルボード22への固定状態では、コーナー部材30における段差部30Fが形成された部分が、パネル本体20の内部に配置されて、上側パネル部24及び下側パネル部26によって覆われている。また、コーナー部材30のパーチクルボード22への固定状態では、コーナー部材30の上面30Gが、パネル本体20の上面と面一に配置されており、コーナー部材30の下面30Hが、パネル本体20の下面と面一に配置されている。さらに、コーナー部材30の第1側面30A及び第2側面30Bが、パネル本体20の側面に面一に配置されている。すなわち、コーナー部材30の板厚が、床パネル10の板厚と一致している。
コーナー部材30の第1方向一方側の端部(床パネル10の角を構成する部分であり、第1側面30Aと第2側面30Bとが交差する部分)には、切欠部30Jが形成されている。切欠部30Jは、平面視で、第1方向一方側へ開放された4分円弧状に形成されている。
また、コーナー部材30における第1方向一方側部分の上面は、下側へ一段下がった段差状に形成されており、この一段下がった部分が、被支持部30Kとして構成されている。被支持部30Kは、平面視で、切欠部30Jと同心円をなす4分円弧状に形成されている。被支持部30Kの上面には、一対の第1肉逃げ部30Lが形成されている。第1肉逃げ部30Lは、上側へ開放された凹状に形成されると共に、平面視で被支持部30Kの長手方向に並んで配置されている。また、第1肉逃げ部30Lは、平面視で、略矩形状に形成されると共に、被支持部30Kの長手方向に沿って湾曲されている。これにより、被支持部30Kの長手方向中間部には、第1方向に沿った第1補強リブ30Mが形成されている。
また、コーナー部材30の下面30Hには、第1方向一方側の端部(すなわち、被支持部30Kの縁部)において、下側へ若干突出した突出部30Nが形成されており、突出部30Nは、被支持部30Kの長手方向に沿って延在されている。
ここで、上述のように、フリーアクセスフロアでは、床パネル10が前後方向及び左右方向に並んで配置される。このため、図3に示されるように、フリーアクセスフロアにおける4枚の床パネル10の角部の合わせ部には、コーナー部材30の切欠部30Jによって構成された円形状の孔部が形成される構成になっている(図3では、便宜上、2枚の床パネル10の角部を合わせた状態を図示している)。また、フリーアクセスフロアにおける4枚の床パネル10の角部の合わせ部には、コーナー部材30の被支持部30Kによって構成された、上側へ開放された凹部が形成される構成になっている。そして、フリーアクセスフロアでは、後述する支持脚40の台座固定部45が、切欠部30Jによって構成された孔部内に配置され、支持脚40の固定具49が、被支持部30Kによって構成された凹部内に配置されるようになっている(図4参照)。
図5~図10に示されるように、コーナー部材30の下面30Hには、被支持部30Kの径方向外側において、一対の第2肉逃げ部30Pが形成されている、第2肉逃げ部30Pは、下側へ開放された凹状に形成されると共に、下面視で第2方向に並んで配置されている。また、第2肉逃げ部30Pは、下面視で略三角形状に形成されている。さらに、コーナー部材30の下面には、第2肉逃げ部30Pに対して被支持部30Kの径方向外側において、一対の第3肉逃げ部30Rが形成されている、第3肉逃げ部30Rは、下側へ開放された凹状に形成されると共に、下面視で第2方向に並んで配置されている。また、第3肉逃げ部30Rは、下面視で略第2方向に延在された略台形状に形成されている。これにより、コーナー部材30の第2方向中間部には、第1方向に沿った第2補強リブ30Sが形成されており、第1補強リブ30Mと第2補強リブ30Sとが連続して、第1方向に沿って延在されている。
また、コーナー部材30の第1側面30A及び第2側面30Bには、コーナー部材30の内側へ抉られた、一対の位置決め収容部30Tが形成されている。位置決め収容部30Tは、被支持部30Kの径方向外側に配置されている。そして、位置決め収容部30Tにおける被支持部30K側の側面が、位置決め面30Uとして構成されている。
(支持脚40について)
図3及び図4に示されるように、支持脚40は、支持ベース41と、台座44と、固定具49と、を含んで構成されている。
支持ベース41は、支持ベース41の下端部を構成するベースプレート42を有している。ベースプレート42は、上下方向を板厚方向とした略矩形プレート状に形成されて、建物のスラブ上に載置される。ベースプレート42の中央部には、支柱43が設けられている。支柱43は、上下方向を軸方向とした円柱状に形成されており、支柱43の下端部がベースプレート42に固定されている。また、支柱43の外周部には、雄ねじ部が形成されている。
台座44は、「固定部」としての台座固定部45と、台座プレート部47と、を含んで構成されている。台座固定部45は、上下方向を軸方向とした円筒状に形成されている。台座固定部45の内周面には、雌ねじ部が形成されており、この雌ねじ部が、支柱43の雄ねじ部に螺合されている。これにより、上下方向における、台座固定部45(台座44)の支持ベース41に対する相対位置を調整可能に構成されている。また、台座固定部45の下端部には、固定孔45Aが貫通形成されている。固定孔45Aの内周面には、雌ねじ部が形成されており、当該雌ねじ部には、固定ボルト46が螺合されている。そして、台座固定部45の上下位置を調整して、調整後の位置において、固定ボルト46の先端部を支柱43の外周部に締め付けて、台座44が支柱43に固定されている。
台座プレート部47は、上下方向を板厚方向とした矩形プレート状に形成されている。そして、台座プレート部47の中央部が、台座固定部45の上端側の部分に固定されて、台座プレート部47が、台座固定部45の径方向外側に配置されている。すなわち、台座固定部45の上端部が、台座プレート部47よりも上側へ突出している。そして、台座固定部45の上端部の外周部には、雄ねじ部が形成されている。
台座プレート部47の上面及び側面は、ゴム等の弾性体によって構成された台座カバー48によって被覆されている。なお、台座カバー48の中央部には、台座固定部45の上端部、及び台座プレート部47の中央部分を露出させるためのカバー孔部48Aが形成されている。さらに、台座カバー48には、カバー孔部48Aの径方向外側において、4箇所の位置決め部48Bが形成されている。位置決め部48Bは、平面視で、台座固定部45の径方向を長手方向とした略トラック状に形成されて、台座カバー48から上側へ突出している。また、位置決め部48Bは、台座固定部45の周方向に等間隔毎に配置されている。具体的には、一対の位置決め部48Bが、左右方向に沿って配置されており、他の一対の位置決め部48Bが、前後方向に沿って配置されている。
そして、床パネル10によってフリーアクセスフロアを構成するときには、4枚の床パネル10の角部が、台座カバー48の上側に載置されるようになっている。具体的には、支持脚40の台座固定部45の上端部が、4つコーナー部材30の切欠部30Jによって形成された孔部の内部に配置される構成になっている。また、床パネル10を台座カバー48に配置した状態では、台座カバー48の位置決め部48Bの一部(詳しくは、位置決め部48Bの長手方向に対して直交する方向の半分)が、各々のコーナー部材30の位置決め収容部30T内に収容される構成になっている。これにより、コーナー部材30における位置決め収容部30Tの位置決め面30Uが位置決め部48Bに当接することで、床パネル10の前後方向及び左右方向の移動が制限される構成になっている。
固定具49は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。具体的には、固定具49は、上下方向を板厚方向とした略円板状の頭部49Aと、頭部49Aの中央部から下側へ延出された略円筒状の固定筒部49Bと、を含んで構成されている。頭部49Aの直径が、固定筒部49Bの直径よりも大きく設定されており、頭部49Aの外周部が、固定筒部49Bよりも径方向外側へ突出している。固定筒部49Bの内周面には、雌ねじ部が形成されており、当該雌ねじ部が台座固定部45の雄ねじ部に螺合されている。また、頭部49Aが、床パネル10におけるコーナー部材30の被支持部30Kの上側に配置されると共に、固定筒部49Bが、コーナー部材30の切欠部30Jの径方向内側に配置されている。これにより、コーナー部材30の被支持部30Kが、固定具49の頭部49Aによって締付けられて、コーナー部材30(即ち、床パネル10)が支持脚40に支持固定されている。
また、頭部49Aの中央部には、スリット部49Cが上下方向に貫通形成されており、スリット部49Cは、頭部49Aの径方向に沿って延在されている。なお、コーナー部材30の支持脚40への支持固定状態では、固定具49の締付力によって、台座カバー48が上下方向に圧縮変形して、コーナー部材30の突出部30Nが、台座プレート部47の上面に当接する構成になっている。
(作用効果)
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成された床パネル10を用いてフリーアクセスフロアを形成する場合には、床パネル10におけるコーナー部材30の被支持部30Kを、支持脚40の台座プレート部47に載置する。具体的には、コーナー部材30の切欠部30Jを、支持脚40の台座固定部45の径方向外側に配置するように、コーナー部材30の被支持部30Kを、台座プレート部47の上側に載置する。また、このときには、支持脚40の位置決め部48Bの一部を、コーナー部材30の位置決め収容部30Tの内部に収容させる。これにより、コーナー部材30が、台座プレート部47における前後及び左右に4分割された部分の上側に配置される。
そして、上記作業を繰り返すことで、床パネル10を前後方向及び左右方向に並べて、床パネル10の角部(コーナー部材30)を支持脚40の台座プレート部47の上側に載置する。これにより、床パネル10を前後及び左右に並べた状態では、支持脚40の台座固定部45の上端部が、4つのコーナー部材30の切欠部30Jによって形成された孔部の内側に配置されて、当該孔部によって露出される。この状態で、固定具49の固定筒部49Bの雌ねじ部を台座固定部45の雄ねじ部に螺合させて、固定具49によってコーナー部材30の被支持部30Kを締め付ける。これにより、コーナー部材30が支持脚40に固定されて、床パネル10が支持脚40によって支持される。以上により、床パネル10を用いたフリーアクセスフロアが形成される。
ここで、床パネル10は、パネル本体20を有しており、パネル本体20は、パーチクルボード22と、パーチクルボード22の上面を覆う上側パネル部24と、パーチクルボード22の下面を覆う下側パネル部26と、を含んで構成されている。そして、上側パネル部24及び下側パネル部26が、スチール製の板材によって構成されている。また、パーチクルボード22の四隅には、面取りされた面取面22Aが形成されており、コーナー部材30が、面取面22Aに設けられて、面取面22Aから第1方向一方側へ突出している。そして、コーナー部材30が、支持脚40の台座プレート部47に載置されて、支持脚40によって支持固定される。すなわち、床パネル10では、支持脚40に固定支持されるコーナー部材30が、パネル本体20とは別部材によって構成されている。したがって、床パネル10の軽量化を図ることができる。
すなわち、本実施の形態の床パネル10では、上側パネル部24及び下側パネル部26のプレス加工時における、コーナー部分の割れや裂け等の成形不良の発生を抑制することができる。これにより、上側パネル部24及び下側パネル部26の板厚を薄く設定することができ、ひいては、床パネル10の軽量化を図ることができる。
また、コーナー部材30は、繊維強化プラスチックによって構成されている。このため、支持脚40に固定支持されるコーナー部材30の機械的強度を確保しつつ、コーナー部材30の軽量化を図ることができる。したがって、床パネル10の軽量化を効果的に行うことができる。
また、パーチクルボード22は、JIS A 5908に規定された13Uタイプのパーチクルボードとして構成されている。すなわち、パーチクルボード22が、所謂、家具等に用いられるパーチクルボードとして構成されている。このため、例えば、パーチクルボード22を建材用のパーチクルボードによって構成する場合と比べて、パーチクルボード22の密度を低くすることができる。これにより、床パネル10の軽量化に寄与することができる。
また、コーナー部材30の外周部には、切欠部30Jが形成されている。そして、床パネル10によってフリーアクセスフロアを構成する場合には、支持脚40の台座固定部45が、切欠部30Jの内部に配置され、支持脚40の固定具49の雌ねじ部が、台座固定部45の雄ねじ部に螺合される。これにより、固定具49を台座固定部45に螺合させるときには、台座固定部45が切欠部30Jによって露出されている。このため、支持脚40によってコーナー部材30を支持固定するときの作業性を向上することができる。
また、コーナー部材30の下面には、位置決め収容部30Tが形成されており、コーナー部材30を支持脚40の台座プレート部47に載置するときには、支持脚40の位置決め部48Bの半分(一部)が、位置決め収容部30T内に収容される。このため、他の床パネル10を台座プレート部47に載置するときには、位置決め部48Bの他の半分が、露出されている。これにより、位置決め部48Bを視認しつつ、他の床パネル10のコーナー部材30を台座プレート部47上に載置することができる。これにより、床パネル10を支持脚40に載置するときの作業性を向上することができる。
また、コーナー部材30には、傾斜面30Cから第1方向他方側へ突出した固定片30Dが形成されており、固定片30Dの上面及び下面には、第2方向に延在された複数の固定リブ30Eが形成されている。さらに、パーチクルボード22の面取面22Aには、第1方向一方側へ開放された固定溝22Bが形成されている。そして、固定リブ30Eが固定溝22Bの内周面を食い込んだ状態で、固定片30Dが固定溝22Bに嵌入されて、コーナー部材30がパーチクルボード22に固定されている。これにより、コーナー部材30のパーチクルボード22からの抜けを防止しつつ、簡易な構成でコーナー部材30をパーチクルボード22に一体化させることができる。
また、コーナー部材30の外周面には、段差部30Fが形成されており、コーナー部材30の段差部30Fが形成された部分が、パネル本体20の内部に配置されて、上側パネル部24及び下側パネル部26によって挟み込まれている。これにより、コーナー部材30のパーチクルボード22への固定状態を良好に維持することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図11~図15を用いて第2の実施の形態に係る床パネル100について説明する。床パネル100は、以下に示す点を除いて第1の実施の形態の床パネル10と同様に構成されている。なお、図11~図15では、床パネル10と同様に構成されている部分には、同一の符号を付している。
すなわち、第2の実施の形態の床パネル100では、床パネル100の下側に配策された配線等を床パネル100の上側へ引き出すための開口部110Aが、床パネル100におけるパネル本体20の側面に形成されており、開口部110Aは、平面視でパネル本体20の外方側へ開放された略U字形状に形成されている(図11に示される例では、パネル本体20の前面の左右方向中央部に、前側へ開放された開口部110Aが形成されている)。また、床パネル100は、パネル本体20のパーチクルボード22に固定されたカバー部材110を有しており、カバー部材110によって開口部110Aが構成されている。以下、床パネル100の詳細について説明する。
図13に示されるように、床パネル100では、パーチクルボード22の前側の外周部における左右方向中央部に、固定凹部22Cが形成されている。固定凹部22Cは、平面視で前側へ開放された略U字形状に形成されている。固定凹部22Cの内周面には、上下方向中間部において、後述するカバー部材110を固定するためのカバー固定溝22Dが形成されており、カバー固定溝22Dは、固定凹部22Cの周方向に沿って貫通している。
図12(A)に示されるように、上側パネル部24には、パーチクルボード22の固定凹部22C(図12(A)では、不図示)に対応した位置において、上側切欠部24Cが形成されており、上側切欠部24Cは、固定凹部22Cの形状に対応して、平面視で前側へ開放された略U字形状に形成されている。そして、パーチクルボード22の固定凹部22Cが、上側切欠部24Cよりもパネル本体20の内方側へ奥まった位置に配置されており、上側切欠部24Cの部分には、上側パネルサイド部24Aが形成されていない。
図12(B)に示されるように、下側パネル部26には、パーチクルボード22の固定凹部22C(図12(B)では、不図示)に対応した位置において、下側切欠部26Cが形成されており、下側切欠部26Cは、固定凹部22Cの形状に対応して、平面視で前側へ開放された略U字形状に形成されている。そして、パーチクルボード22の固定凹部22Cが、下側切欠部26Cよりもパネル本体20の内方側へ奥まった位置に配置されており、下側切欠部26Cの部分には、下側パネルサイド部26Aが形成されていない。
図11~図15に示されるように、カバー部材110は、コーナー部材30と同様に、繊維強化プラスチック(本実施の形態では、ガラス繊維強化プラスチック)によって構成されている。カバー部材110は、上下方向を板厚方向とし且つ前側へ開放された略U字形ブロック状に形成されている。そして、カバー部材110の内周側の側面が、開口部110Aとして構成されている。
カバー部材110の外周側の側面には、上下方向中間部において、カバー固定片110Bが一体に形成されている。カバー固定片110Bは、上下方向を板厚方向としてカバー部材110の周方向に沿って延在されている。すなわち、カバー固定片110Bは、平面視で、前側へ開放された略U字形状に形成されて、カバー部材110から突出している。
カバー固定片110Bの上面及び下面には、それぞれ複数(本実施の形態では、4箇所)のカバー固定リブ110Cが形成されている。カバー固定リブ110Cは、カバー固定片110Bの長手方向に沿って延在されると共に、カバー固定片110Bの突出方向において、所定の間隔を空けて並んで配置されている。なお、カバー固定リブ110Cは、カバー固定片110Bの長手方向に沿って連続的に延在されているが、カバー固定リブ110Cを、カバー固定片110Bの長手方向に沿って断続的に延在してもよいし、断続的に形成されたカバー固定リブ110Cをカバー固定片110Bの上面及び下面にランダム(任意の位置)に配置して、カバー固定片110Bの上面及び下面を粗面に形成してもよい。また、カバー固定リブ110Cは、カバー固定リブ110Cの長手方向から見て、三角形状に形成されている。なお、カバー固定片110Bの先端部における上面及び下面は、カバー固定片110Bの先端側へ向かうに従い、互いに接近するように傾斜している。
そして、カバー固定片110Bが、パーチクルボード22のカバー固定溝22D内に嵌入されて、カバー部材110がパーチクルボード22に固定されている。これにより、カバー部材110によって、パーチクルボード22の固定凹部22Cの内周面が覆われると共に、パネル本体20の前面に、前側へ開放された開口部110Aが形成されている。なお、カバー部材110のパーチクルボード22への固定状態では、カバー固定リブ110Cがカバー固定溝22Dの内周面(上面及び下面)に食い込むように、カバー固定片110Bが、パーチクルボード22のカバー固定溝22D内に嵌入されて、パーチクルボード22の固定凹部22Cが、カバー部材110の外周側の側面によって覆われている。
また、カバー部材110のパーチクルボード22への固定状態では、カバー部材110の外周側の部分が、上側パネル部24及び下側パネル部26によって上下方向に挟みこまれている。すなわち、カバー部材110の外周面には、上側パネル部24及び下側パネル部26の板厚分だけ一段下がった段差部110Dが形成されている。
また、カバー部材110の上面には、内周側の部分において、後述するカバープレート120を接地するための接地面110Eが形成されており、接地面110Eは、カバー部材110の上面よりも下側へ一段下がった位置に配置されている。この接地面110Eには、左右一対の取付孔110Fが貫通形成されている。取付孔110Fは、前後方向を長手方向とする略矩形長孔状に形成されて、カバー部材110の左右方向中央部に対して左右対称の位置に配置されている。なお、カバー部材110の上面には、下側へ開放された複数の肉逃げ部110Gが形成されている。
図11~図14に示されるように、カバー部材110の上側には、カバープレート120が設けられている。カバープレート120は、上下方向を板厚方向とする略矩形状に形成されて、カバー部材110の接地面110E上に接地されている。これにより、カバープレート120によってカバー部材110の開口部110Aが上側から塞がれるようになっている。さらに、カバープレート120の左右の端部には、下側へ屈曲された取付片120Aがそれぞれ形成されている。取付片120Aは、左右方向を板厚方向とした略矩形状に形成されて、カバー部材110の取付孔110F内に嵌入されている。
また、カバープレート120の後端部には、左右方向中央部において、連通溝120Bが形成されており、連通溝120Bは、前後方向に延在されると共に、後側へ開放されている。そして、連通溝120Bの前端部が、平面視で、開口部110Aと重なって配置されている。これにより、連通溝120Bによって、開口部110Aの内部と、カバープレート120の上側の空間と、が連通されており、床パネル100の下側に配策された配線等を、開口部110A及び連通溝120Bによって、床パネル100の上側へ引き出すことができる構成になっている。
そして、第2の実施の形態においても、パーチクルボード22の四隅には、面取りされた面取面22Aが形成されており、コーナー部材30が、面取面22Aに設けられて、面取面22Aから第1方向一方側へ突出している。そして、コーナー部材30が、支持脚40の台座プレート部47に載置されて、支持脚40によって支持固定される。すなわち、床パネル100においても、支持脚40に固定支持されるコーナー部材30が、パネル本体20とは別部材によって構成されている。したがって、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、床パネル100の軽量化を図ることができる。
また、第2の実施の形態では、パーチクルボード22の固定凹部22Cにカバー部材110が設けられており、カバー部材110には、床パネル100の下側に配策された配線等を引き出すための開口部110Aが形成されている。このため、床パネル100に開口部110Aを形成した場合でも、床パネル10の軽量化を図ることができる。
すなわち、仮に、床パネル100においてカバー部材110を省略した場合には、前述と同様に、上側パネル部24又は下側パネル部26に、カバー部材110に対応したもの一体に形成する必要がある。つまり、上側パネル部24又は下側パネル部26を、開口部110Aに対応した立体的に形成する必要がある。この場合において、床パネル100の軽量化を目的として、上側パネル部24及び下側パネル部26の板厚を薄く(例えば、0.3mm以下に)設定すると、前述と同様に、上側パネル部24又は下側パネル部26のプレス加工時において、割れや裂け等の成形不良が発生する可能性がある。これにより、床パネル100においてカバー部材110を省略した場合には、上側パネル部24又は下側パネル部26の板厚を厚くする必要があり、床パネル100の軽量化が困難となる。
これに対して、第2の実施の形態の床パネル100では、上述のように、カバー部材110が、パネル本体20とは別部材によって構成され、カバー部材110がパーチクルボード22の固定凹部22Cに設けられている。このため、パネル本体20では、上側パネル部24において、打ち抜き加工によって上側切欠部24Cを形成し、曲げ加工によって上側パネルサイド部24Aを形成できる。同様に、下側パネル部26において、打ち抜き加工によって下側切欠部26Cを形成し、曲げ加工によって下側パネルサイド部26Aを形成できる。このため、上側パネル部24及び下側パネル部26の板厚を比較的薄く設定しても、上側パネル部24及び下側パネル部26のプレス加工時における、割れや裂け等の成形不良の発生を抑制できる。したがって、第2の形態の床パネル100によれば、床パネル100に開口部110Aを形成した場合でも、フリーアクセスフロアとしての強度を維持しつつ床パネル10の軽量化を図ることができる。
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、コーナー部材30(カバー部材110)が、ガラス繊維強化プラスチックによって構成されているが、コーナー部材30(カバー部材110)の材料はこれに限らない。例えば、コーナー部材30(カバー部材110)を炭素繊維強化プラスチックによって構成してもよい。また、コーナー部材30(カバー部材110)を、繊維を含まない樹脂材によって構成してもよい。さらに、コーナー部材30(カバー部材110)をアルミダイキャスト製にしてもよい。
また、第1の実施の形態では、コーナー部材30の固定片30Dが、パーチクルボード22の固定溝22B内に嵌入されて、コーナー部材30がパーチクルボード22に固定されているが、コーナー部材30の固定方法はこれに限らない。例えば、コーナー部材30に固定溝を形成し、パーチクルボード22に当該固定溝に嵌入される固定片を形成してもよい。また、第2の実施の形態におけるカバー部材110の固定方法においても、カバー部材110に固定溝を形成し、パーチクルボード22に当該固定溝に嵌入される固定片を形成してもよい。
また、第1の実施の形態では、コーナー部材30の固定片30Dが、第2方向に連続的に延在されているが、固定片30Dを第2方向において、断続的に延在するように構成してもよい。また、第2の実施の形態においても、カバー部材110のカバー固定片110Bをカバー部材110の周方向に沿って断続的に延在するように構成してもよい。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、コーナー部材30(カバー部材110)の固定リブ30E(カバー固定リブ110C)が三角形状に形成されているが、固定リブ30E(カバー固定リブ110C)の形状はこれに限らない。例えば、固定リブ30E(カバー固定リブ110C)を、略楔形状に形成して、パーチクルボード22の固定溝22B(カバー固定溝22D)の内周面に食い込むように構成してもよい。
また、第1の実施の形態では、コーナー部材30の固定片30Dが、パーチクルボード22の固定溝22B内に嵌入されてコーナー部材30がパーチクルボード22に一体化されているが、例えば、アウトサート成形等によって、コーナー部材30をパネル本体20に一体化してもよい。また、第2の実施の形態においても、例えば、アウトサート成形等によって、カバー部材110をパネル本体20に一体化してもよい。